(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/06 20060101AFI20240618BHJP
B65H 3/52 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B65H5/06 F
B65H3/52 330E
(21)【出願番号】P 2023562020
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 JP2021042470
(87)【国際公開番号】W WO2023089741
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】森川 修一
(72)【発明者】
【氏名】下坂 喜一郎
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-291678(JP,A)
【文献】特開2016-179890(JP,A)
【文献】特開2014-101218(JP,A)
【文献】特開2017-001878(JP,A)
【文献】国際公開第2021/186644(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
B65H 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体搬送装置であって、
媒体を給送するための給送ローラと、
前記給送ローラに対向して配置された分離
ローラと、
媒体搬送方向と交差する方向に間隔を空けて配置され、前記給送ローラによって給送された媒体を媒体搬送方向の下流側に搬送するための複数の搬送ローラと、
前記複数の搬送ローラのそれぞれに対向して配置された複数の対向ローラと、を有し、
前記給送ローラ、前記分離
ローラ、前記複数の搬送ローラ及び前記複数の対向ローラは、媒体搬送方向から見て、前記給送ローラ及び前記分離
ローラの第1ニップ領域と、前記複数の搬送ローラ及び前記複数の対向ローラの第2ニップ領域とが重ならず、且つ、前記給送ローラと、前記複数の搬送ロー
ラのうちの少なくとも一つの
搬送ローラ
の媒体と接触する部分とが重なるように配置される、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記給送ローラと前記分離
ローラとが接する位置に第1ニップ領域が形成されるように、前記給送ローラ及び前記分離
ローラの一方を他方に対して押圧する第1押圧部と、
前記複数の搬送ローラと前記複数の対向ローラとが接する位置に複数の第2ニップ領域が形成されるように、前記複数の搬送ローラ及び前記複数の対向ローラの一方を他方に対して押圧する第2押圧部と、を有し、
前記複数の搬送ローラ及び前記複数の対向ローラは、媒体搬送方向から見て、前記複数の第2ニップ領域の内側の端部間の距離が、前記第1ニップ領域の外側の端部間の距離より大きく、且つ、前記媒体搬送装置がサポートする媒体の最小幅より小さくなるように配置される、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記複数の搬送ローラ及び前記複数の対向ローラは、媒体搬送方向から見て、前記複数の搬送ローラ及び前記複数の対向ローラの第2ニップ領域の内側の端部間の距離と、前記第1ニップ領域の外側の端部間の距離との差が30mm以下となるように配置される、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ローラ及び前記対向ローラのうち、硬度が高い方のローラの幅は、硬度が低い方のローラの幅より大きい、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等の媒体搬送装置は、搬送ローラを用いて媒体を搬送させながら撮像する。このような媒体搬送装置において、搬送ローラの表面が汚れると、搬送ローラの表面位置毎にローラ半径にばらつきが発生し、媒体の搬送速度に変動が発生する。これにより、搬送される媒体内で撮像される位置の間隔にばらつきが発生し、生成される画像に含まれる媒体に伸縮が発生する。
【0003】
原稿搬送路に配置された一対の分離ローラ対と、分離ローラ対の下流側に配置された一対のレジストローラ対とを備えた原稿搬送装置が開示されている(特許文献1を参照)。この原稿搬送装置では、レジストローラ対は、分離ローラ対に対し、原稿搬送路における幅方向に整合して配置されている。レジストローラ対のニップ部において原稿に作用する引張力と分離ローラ対のニップ部において原稿に作用する抵抗反力とが原稿搬送路の幅方向に整合された位置において相反する方向に作用し合うようレジストローラ対と分離ローラ対の相対位置が規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
媒体搬送装置では、搬送ローラの表面が汚れることを抑制することが求められている。
【0006】
実施形態に係る媒体搬送装置は、搬送ローラの表面が汚れることを抑制することを目的とする。
【0007】
実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置であって、媒体を給送するための給送ローラと、給送ローラに対向して配置された分離ローラと、給送ローラと分離ローラとが接する位置に第1ニップ領域が形成されるように、給送ローラ及び分離ローラの一方を他方に対して押圧する第1押圧部と、媒体搬送方向において給送ローラ及び分離ローラより下流側に且つ媒体搬送方向と直交する方向に間隔を空けて配置された、媒体を搬送するための複数の搬送ローラと、複数の搬送ローラのそれぞれに対向して配置された複数の対向ローラと、複数の搬送ローラと複数の対向ローラとが接する位置に複数の第2ニップ領域が形成されるように、複数の搬送ローラ及び複数の対向ローラの一方を他方に対して押圧する第2押圧部と、を有し、複数の搬送ローラ及び複数の対向ローラは、媒体搬送方向と直交する幅方向において、複数の第2ニップ領域の内側の端部間の距離が、第1ニップ領域の外側の端部間の距離より大きく、且つ、媒体搬送装置がサポートする媒体の最小幅より小さくなるように配置される。
【0008】
本実施形態によれば、媒体搬送装置は、搬送ローラの表面が汚れることを抑制することを可能とする。
【0009】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図3】各ローラに加えられる力について説明するための模式図である。
【
図4】各ローラの配置位置について説明するための模式図である。
【
図5】(A)~(D)は各ローラの硬度について説明するための模式図である。
【
図6】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図7】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【
図8】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図9】他の処理回路250の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一側面に係る媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0012】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、薄紙、厚紙、カード、冊子又は封筒等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0013】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
図1において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示し、矢印A3は媒体搬送面と直交する高さ方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0014】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なように、ヒンジにより下側筐体101に回転可能に係合している。
【0015】
載置台103は、下側筐体101に係合し、給送及び搬送される媒体を載置する。排出台104は、上側筐体102に係合し、排出された媒体を載置する。なお、排出台104は、下側筐体101に係合してもよい。
【0016】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0017】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0018】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、複数の第1搬送ローラ114、複数の第1対向ローラ115、撮像装置116、複数の第2搬送ローラ117及び複数の第2対向ローラ118等を有している。
【0019】
なお、給送ローラ112及び/又は分離ローラ113のそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数の給送ローラ112及び/又は分離ローラ113は、それぞれ媒体搬送方向と直交する幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。
【0020】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。
【0021】
媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0022】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。給送ローラ112は、ゴム、樹脂又は金属等で形成される。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112に対向して配置される。分離ローラ113は、媒体給送方向の反対方向に回転可能に又は停止可能に設けられる。分離ローラ113は、ゴム、樹脂又は金属等で形成される。なお、給送ローラ112が上側筐体102に、分離ローラ113が下側筐体101に設けられ、給送ローラ112は、載置台103に載置された媒体を上側から順に給送してもよい。
【0023】
第1搬送ローラ114は、搬送ローラの一例であり、第1対向ローラ115は、対向ローラの一例である。第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115は、媒体搬送方向A1において給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側に配置される。複数の第1対向ローラ115は、複数の第1搬送ローラ114のそれぞれに対向して配置される。第1搬送ローラ114は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置116に搬送する。第1搬送ローラ114は、ゴム、樹脂又は金属等で形成される。第1対向ローラ115は、下側筐体101に、第1搬送ローラ114の下側に設けられ、第1搬送ローラ114に従動して回転する。第1対向ローラ115は、ゴム、樹脂又は金属等で形成される。なお、第1搬送ローラ114が下側筐体101に設けられ、第1対向ローラ115が上側筐体102に設けられてもよい。
【0024】
撮像装置116は、撮像部の一例であり、媒体搬送方向A1において、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115の下流側に配置され、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115により搬送された媒体を撮像する。撮像装置116は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを含む。
【0025】
第1撮像装置116aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置116aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置116aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0026】
同様に、第2撮像装置116bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置116bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置116bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0027】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0028】
第2搬送ローラ117は、搬送ローラの一例であり、第2対向ローラ118は、対向ローラの一例である。第2搬送ローラ117及び第2対向ローラ118は、媒体搬送方向A1において撮像装置116より、即ち給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側に配置される。複数の第2対向ローラ118は、複数の第2搬送ローラ117のそれぞれに対向して配置される。第2搬送ローラ117は、上側筐体102に設けられ、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115によって搬送された媒体をさらに下流側に搬送し、排出台104に排出する。第2搬送ローラ117は、ゴム、樹脂又は金属等で形成される。第2対向ローラ118は、下側筐体101に、第2搬送ローラ117の下側に設けられ、第2搬送ローラ117に従動して回転する。第2対向ローラ118は、ゴム、樹脂又は金属等で形成される。なお、第2搬送ローラ117が下側筐体101に設けられ、第2対向ローラ118が上側筐体102に設けられてもよい。
【0029】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が矢印A4の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、矢印A5の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転又は停止する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0030】
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第1対向ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114が矢印A6の方向に回転することによって、第1撮像装置116aと第2撮像装置116bの間に送り込まれる。撮像装置116により読み取られた媒体は、第2搬送ローラ117が矢印A7の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0031】
図3は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1対向ローラ115、第2搬送ローラ117及び第2対向ローラ118に加えられる力について説明するための模式図である。
【0032】
図3に示すように、媒体搬送装置100は、第1押圧部材113a、第2押圧部材115a及び第3押圧部材118aをさらに有する。
【0033】
第1押圧部材113aは、第1押圧部の一例であり、一端が上側筐体102に、他端が分離ローラ113の回転軸であるシャフトに設けられ、分離ローラ113を給送ローラ112側に押圧する。第1押圧部材113aは、ねじりコイルばね等の弾性部材を含み、分離ローラ113を給送ローラ112側に押圧する押圧力W1を発生させる。第1押圧部材113aにより、給送ローラ112と分離ローラ113とが接する位置に第1ニップ領域が形成される。なお、第1押圧部材113aは、板ばね等の他のばね部材、又は、ゴム部材等を含んでもよい。また、第1押圧部材113aは、給送ローラ112を分離ローラ113側に押圧するように設けられてもよい。このように、第1押圧部材113aは、給送ローラ112と分離ローラ113とが接する位置に第1ニップ領域が形成されるように、給送ローラ112及び分離ローラ113の一方を他方に対して押圧する。
【0034】
第2押圧部材115aは、第2押圧部の一例であり、一端が下側筐体101に、他端が各第1対向ローラ115の回転軸であるシャフトに設けられ、各第1対向ローラ115を各第1搬送ローラ114側に押圧する。第2押圧部材115aは、ねじりコイルばね等の弾性部材を含み、各第1対向ローラ115を各第1搬送ローラ114側に押圧する側に押圧する押圧力W2を発生させる。第2押圧部材115aにより、複数の第1搬送ローラ114と複数の第1対向ローラ115とが接する位置に複数の第2ニップ領域が形成される。なお、第2押圧部材115aは、板ばね等の他のばね部材、又は、ゴム部材等を含んでもよい。また、第2押圧部材115aは、各第1搬送ローラ114を各第1対向ローラ115側に押圧するように設けられてもよい。このように、第2押圧部材115aは、複数の第1搬送ローラ114と複数の第1対向ローラ115とが接する位置に複数の第2ニップ領域が形成されるように、複数の第1搬送ローラ114及び複数の第1対向ローラ115の一方を他方に対して押圧する。
【0035】
第3押圧部材118aは、第2押圧部の一例であり、一端が下側筐体101に、他端が各第2対向ローラ118の回転軸であるシャフトに設けられ、各第2対向ローラ118を各第2搬送ローラ117側に押圧する。第3押圧部材118aは、ねじりコイルばね等の弾性部材を含み、各第2対向ローラ118を各第2搬送ローラ117側に押圧する側に押圧する押圧力W3を発生させる。第3押圧部材118aにより、複数の第2搬送ローラ117と複数の第2対向ローラ118とが接する位置に複数の第2ニップ領域が形成される。なお、第3押圧部材118aは、板ばね等の他のばね部材、又は、ゴム部材等を含んでもよい。また、第3押圧部材118aは、各第2搬送ローラ117を各第2対向ローラ118側に押圧するように設けられてもよい。このように、第3押圧部材118aは、複数の第2搬送ローラ117と複数の第2対向ローラ118とが接する位置に複数の第2ニップ領域が形成されるように、複数の第2搬送ローラ117及び複数の第2対向ローラ118の一方を他方に対して押圧する。
【0036】
図4は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1対向ローラ115、第2搬送ローラ117及び第2対向ローラ118の配置位置について説明するための模式図である。
図4は、媒体搬送装置100を上方(前方)から見たときの下側ガイド101a及び上側ガイド102aを示す透視図である。
【0037】
図4に示す例では、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第1対向ローラ115、第2搬送ローラ117及び第2対向ローラ118が二つずつ配置されている。また、
図4に示す例では、分離ローラ113のローラ幅は給送ローラ112のローラ幅より小さく、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ117のローラ幅はそれぞれ第1対向ローラ115及び第2対向ローラ118のローラ幅より小さい。相互に対向して配置された給送ローラ112と分離ローラ113とが接する位置には第1ニップ領域N1が形成されている。相互に対向して配置された第1搬送ローラ114と第1対向ローラ115とが接する位置、及び、相互に対向して配置された第2搬送ローラ117と第2対向ローラ118とが接する位置には第2ニップ領域N2が形成されている。
【0038】
図4において、媒体M1は、媒体搬送装置100がサポートする最小幅を有する媒体である。最小幅は、例えばA8サイズの用紙の長手方向の長さ(52mm)である。
【0039】
複数の第1搬送ローラ114及び複数の第1対向ローラ115は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、複数の第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1が、第1ニップ領域N1の外側の端部間の距離L2より大きくなるように配置される。複数の第1搬送ローラ114及び複数の第1対向ローラ115は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、複数の第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1が、媒体搬送装置100がサポートする媒体の最小幅L3より小さくなるように配置される。
【0040】
また、複数の第2搬送ローラ117及び複数の第2対向ローラ118は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、複数の第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1が、第1ニップ領域N1の外側の端部間の距離L2より大きくなるように配置される。複数の第2搬送ローラ117及び複数の第2対向ローラ118は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、複数の第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1が、媒体搬送装置100がサポートする媒体の最小幅L3より小さくなるように配置される。
【0041】
第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1が、媒体搬送装置100がサポートする媒体M1の最小幅L3より小さいため、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115は、媒体搬送装置100がサポートする最小幅の媒体M1を確実に搬送することができる。また、第2搬送ローラ117及び第2対向ローラ118も、媒体搬送装置100がサポートする最小幅の媒体M1を確実に搬送することができる。
【0042】
なお、媒体搬送装置100がサポートする媒体M1の最小幅L3と、第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1との差L5は、2mm以上に設定されることが好ましい。これにより、媒体搬送装置100は、媒体搬送装置100がサポートする最小幅の媒体M1をより確実に搬送することができる。
【0043】
上記したように、給送ローラ112が媒体給送方向に回転し、分離ローラ113が媒体給送方向の反対方向に回転又は停止することにより、載置台103に載置された複数の媒体を分離する。即ち、分離ローラ113は、その表面を媒体の表面上でスリップさせることにより、媒体を分離する。また、分離ローラ113が媒体給送方向の反対方向に回転又は停止することにより、給送ローラ112の表面と媒体の表面との間でもスリップが発生する。
【0044】
通常、スキャナ等の媒体搬送装置100に給送される媒体には、プリンタ等により情報が印刷されており、又は、利用者によりペン又は鉛筆等を用いて文字等が書き込まれている。そのため、媒体の表面には、インク又は鉛筆の粉(黒鉛)等が付着している。給送ローラ112及び分離ローラ113の表面と媒体の表面との間でスリップが発生することにより、媒体の表面上のインク又は黒鉛等は、媒体の表面から剥離して給送ローラ112又は分離ローラ113の表面に付着する可能性がある。
【0045】
給送ローラ112又は分離ローラ113の表面にインク又は黒鉛が付着した場合、給送ローラ112又は分離ローラ113の表面に付着したインク又は黒鉛は、その後、その媒体の表面の他の位置、又は、以後に給送される媒体の表面に付着する可能性がある。仮に、媒体搬送方向A1から見て第1ニップ領域N1と第2ニップ領域N2が重なっている場合、給送ローラ112又は分離ローラ113を介して媒体の表面に付着したインク又は黒鉛は、第1搬送ローラ114又は第1対向ローラ115に付着する可能性がある。また、給送ローラ112又は分離ローラ113を介して媒体の表面に付着したインク又は黒鉛は、第2搬送ローラ117又は第2対向ローラ118に付着する可能性もある。
【0046】
第1搬送ローラ114、第1対向ローラ115、第2搬送ローラ117又は第2対向ローラ118の表面にインク又は鉛筆の粉が累積すると、各ローラのローラ半径にばらつきが発生し、媒体の搬送速度に変動が発生する。これにより、搬送される媒体内で、撮像装置116により撮像される位置の間隔にばらつきが発生し、入力画像に含まれる媒体に伸縮が発生する。
【0047】
媒体搬送装置100では、第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1が、第1ニップ領域N1の外側の端部間の距離L2より大きくなるように設定される。そのため、給送ローラ112又は分離ローラ113を介して媒体の表面に付着したインク又は黒鉛は、第1搬送ローラ114又は第1対向ローラ115に付着しない。また、給送ローラ112又は分離ローラ113を介して媒体の表面に付着したインク又は黒鉛は、第2搬送ローラ117又は第2対向ローラ118にも付着しない。したがって、媒体搬送装置100は、第1搬送ローラ114、第1対向ローラ115、第2搬送ローラ117又は第2対向ローラ118が汚れてしまい、媒体の搬送速度に変動が発生することを抑制できる。これにより、媒体搬送装置100は、搬送される媒体内で、撮像装置116により撮像される位置の間隔にばらつきが発生することを抑制し、入力画像に含まれる媒体に伸縮が発生することを抑制することが可能となる。
【0048】
なお、複数の第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1と、第1ニップ領域N1の外側の端部間の距離L2との差L4は、2mm以上に設定されることが好ましい。これにより、媒体搬送装置100は、給送ローラ112又は分離ローラ113を介して媒体の表面に付着したインク又は黒鉛が第1搬送ローラ114、第1対向ローラ115、第2搬送ローラ117又は第2対向ローラ118に付着することをより確実に抑制できる。
【0049】
また、複数の第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1と、第1ニップ領域N1の外側の端部間の距離L2との差L4は、30mm以下に設定されることが好ましい。即ち、複数の第2搬送ローラ117及び複数の第2対向ローラ118は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2において、差L4が30mm以下となるように配置されることが好ましい。
【0050】
第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115、又は、第2搬送ローラ117及び第2対向ローラ118が、幅方向A2において給送ローラ112及び分離ローラ113から離れた位置に配置されていると、給送される媒体に幅方向A2に沿う力が加わる。給送される媒体に幅方向A2に沿う力が加わると、媒体にしわが発生する可能性がある。様々な種類及びサイズの媒体を搬送させる実験を行った結果、第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1と、第1ニップ領域N1の外側の端部間の距離L2との差L4が30mmより大きい場合に、特に媒体にしわが発生する可能性が高くなることがわかった。媒体搬送装置100は、差L4を30mm以下に設定することにより、給送される媒体にしわが発生することを抑制することが可能となる。
【0051】
図5(A)~(D)は、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115の硬度について説明するための模式図である。
図5(A)は、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115を側方から見た模式図であり、
図5(B)は、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115を下流側から見た模式図である。
【0052】
図5(A)、(B)に示す例では、第1搬送ローラ114がゴム等の硬度が低い部材で形成され、第1対向ローラ115が金属等の硬度が高い部材で形成されている。即ち、第1搬送ローラ114の硬度は、第1対向ローラ115の硬度より低い。また、第1搬送ローラ114の幅は、第1対向ローラ115の幅より小さい。この場合、硬度が低い第1搬送ローラ114は、第1対向ローラ115により押圧されて変形するが、硬度が高い第1対向ローラ115は変形しない。
図5(B)に示すように、幅が大きい第1対向ローラ115が変形しないため、第1搬送ローラ114と第1対向ローラ115の間に挟持された媒体M2は変形しない。
【0053】
図5(C)は、他の媒体搬送装置における第1ローラR1及び第2ローラR2を側方から見た模式図であり、
図5(D)は、第1ローラR1及び第2ローラR2を下流側から見た模式図である。第1ローラR1の硬度は第2ローラR2の硬度より低く、且つ、第1ローラR1の幅は第2ローラR2の幅より大きい。この場合、硬度が低い第1ローラR1は、第2ローラR2により押圧されて変形する。
図5(D)に示すように、幅が大きい第1ローラR1が変形するため、第1ローラR1と第2ローラR2の間に挟持された媒体M2は変形し、媒体M2に、媒体搬送方向に沿って延伸する縦縞が発生する。
【0054】
なお、第1搬送ローラ114の硬度が第1対向ローラ115の硬度より高く、且つ、第1搬送ローラ114の幅が第1対向ローラ115の幅より大きくてもよい。即ち、第1搬送ローラ114及び第1対向ローラ115のうち、硬度が高い方のローラの幅は、硬度が低い方のローラの幅より大きい。これにより、媒体搬送装置100は、搬送される媒体に縦縞が発生することを抑制できる。
【0055】
同様に、第2搬送ローラ117の硬度は第2対向ローラ118の硬度より低く、且つ、第2搬送ローラ117の幅は第2対向ローラ118の幅より小さい。なお、第2搬送ローラ117の硬度は第2対向ローラ118の硬度より高く、且つ、第2搬送ローラ117の幅は第2対向ローラ118の幅より大きくてもよい。即ち、第2搬送ローラ117及び第2対向ローラ118のうち、硬度が高い方のローラの幅は、硬度が低い方のローラの幅より大きい。これにより、媒体搬送装置100は、搬送される媒体に縦縞が発生することを抑制できる。
【0056】
また、給送ローラ112の硬度は分離ローラ113の硬度より高く、且つ、給送ローラ112の幅は分離ローラ113の幅より大きい。なお、給送ローラ112の硬度は分離ローラ113の硬度より低く、且つ、給送ローラ112の幅は分離ローラ113の幅より小さくてもよい。即ち、給送ローラ112及び分離ローラ113のうち、硬度が高い方のローラの幅は、硬度が低い方のローラの幅より大きい。これにより、媒体搬送装置100は、給送される媒体に縦縞が発生することを抑制できる。
【0057】
図6は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0058】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0059】
モータ131は、一又は複数のモータを有し、処理回路150からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び/又は第2搬送ローラ117を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1対向ローラ115及び/又は第2対向ローラ118は、第1搬送ローラ114又は第2搬送ローラ117に従動回転するのでなく、モータ131の駆動力に従って回転するように設けられてもよい。
【0060】
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置132の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。通信部は、有線LAN等の通信プロトコルに従って、有線通信回線を通じて信号の送受信を行うための有線通信インタフェース装置を有してもよい。
【0061】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0062】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0063】
処理回路150は、操作装置105、表示装置106、媒体センサ111、撮像装置116、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、媒体センサ111から受信した媒体信号に基づいて、モータ131の駆動制御、撮像装置116の撮像制御等を行う。処理回路150は、撮像装置116から入力画像を取得し、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。
【0064】
図7は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0065】
図7に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141及び画像取得プログラム142等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路150は、制御部151及び画像取得部152として機能する。
【0066】
図8は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0067】
以下、
図8に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0068】
最初に、制御部151は、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105又はインタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0069】
次に、制御部151は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、一連のステップを終了する。
【0070】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、モータ131を駆動して、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び/又は第2搬送ローラ117を回転させる(ステップS103)。これにより制御部151は、各ローラに媒体を給送及び搬送させる。
【0071】
次に、制御部151は、撮像装置116に媒体を撮像させて、撮像装置116から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS104)。
【0072】
次に、制御部151は、媒体センサ111から受信する媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS105)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、処理をステップS104へ戻し、ステップS104~S105の処理を繰り返す。
【0073】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114及び/又は第2搬送ローラ117を停止させるように、モータ131を制御する(ステップS106)。そして、制御部151は、一連のステップを終了する。
【0074】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、幅方向A2において、各搬送ローラにおける第2ニップ領域N2が、給送ローラ112における第1ニップ領域N1と重複せず且つ装置がサポートする最小幅の媒体と当接するように、各搬送ローラを配置する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体を確実に搬送しつつ、搬送ローラの表面が汚れることを抑制することが可能となった。
【0075】
さらに、媒体搬送装置100では、幅方向A2において、各搬送ローラにおける第2ニップ領域N2の内側の端部間の距離L1と、給送ローラ112における第1ニップ領域N1の外側の端部間の距離L2との差が30mm以下に設定される。これにより、媒体搬送装置100は、搬送ローラの汚れと、しわの発生との両方を同時に抑制することが可能となった。
【0076】
図9は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路250の概略構成を示す図である。処理回路250は、媒体搬送装置100の処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路250は、制御回路251及び画像取得回路252等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0077】
制御回路251は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路251は、操作装置105又はインタフェース装置132から操作信号を、媒体センサ111から媒体信号を受信する。制御回路251は、受信した各情報に基づいてモータ131を制御する。
【0078】
画像取得回路252は、画像取得部の一例であり、画像取得部152と同様の機能を有する。画像取得回路252は、撮像装置116から入力画像を取得し、インタフェース装置132に出力する。
【0079】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路250を用いる場合においても、搬送ローラの表面が汚れることを抑制することが可能となった。
【符号の説明】
【0080】
100 媒体搬送装置、112 給送ローラ、113 分離ローラ、113a 第1押圧部材、114 第1搬送ローラ、115 第1対向ローラ、115a 第2押圧部材、117 第2搬送ローラ、118 第2対向ローラ、118a 第3押圧部材