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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240619BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240619BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G06K7/10 416
E05B49/00 Z
G06K7/12
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021022575
(22)【出願日】2021-02-16
(65)【公開番号】P2022124756
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 翔
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-319815(JP,A)
【文献】特開2003-221104(JP,A)
【文献】特開2019-082850(JP,A)
【文献】特開平01-268251(JP,A)
【文献】特開2007-034605(JP,A)
【文献】特開2007-197960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
E05B 49/00
G06K 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直姿勢で提示される表示面であって、情報コードを含む前記表示面に対して照射光を照射する光源と、
前記表示面によって反射された前記照射光である反射光と、外乱光と、を受けて、前記反射光と、前記外乱光のうち、前記反射光の波長成分と同じ特定の波長成分の光と、を通し、前記外乱光のうち、前記特定の波長成分以外の波長成分の光の通過を遮断する第1のフィルタと、
前記第1のフィルタを通過した光を結像するレンズと、
前記レンズによって結像された画像を画像データに変換する素子と、
前記素子から前記画像データを取得して、取得済みの前記画像データによって示される前記画像内の前記情報コードに記録されている情報を読み取る読取部と、
前記反射光と前記外乱光の双方を遮断可能な第2のフィルタと、
前記第2のフィルタのオンとオフを制御するフィルタ制御部と、
を備え
前記レンズの表面の一部は、前記第1のフィルタで覆われ、前記レンズの前記表面の残りの一部は、前記第2のフィルタで覆われている、コード読取装置。
【請求項2】
前記照射光の波長は、430~490ナノメートルである、請求項1に記載のコード読取装置。
【請求項3】
前記第1のフィルタは、前記レンズの前記表面の半分を覆い、
前記第2のフィルタは、前記レンズの前記表面の残りの半分を覆う、請求項1又は2に記載のコード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、情報コードに記録されている情報を読み取るためのコード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、扉の横の壁に設置されるリーダ装置が開示されている。リーダ装置は、情報コードから情報を読み取り、読取済みの情報を入出管理サーバに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-046808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コードリーダが壁に設置される状況において、情報コードを表示する表示面は、鉛直姿勢でコードリーダに提示される。この際に、太陽光等の外乱光が、当該表示面の裏側からコードリーダに入射する。例えば、夕方等では、昼間と比較して、表示面の裏側から入射する太陽光の一部(以下では「入射光」と記載)が強くなる。入射光が強くなると、カメラが撮像した画像の一部が、強い入射光によって白くぼける現象、いわゆる、ハレーションが発生する場合がある。ハレーションにより、情報コードの鮮明な撮像が阻害される可能性がある。
【0005】
本明細書では、外乱光の影響を受ける状況において、情報コードを鮮明に撮像するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示するコード読取装置は、鉛直姿勢で提示される表示面であって、情報コードを含む前記表示面に対して照射光を照射する光源と、前記表示面によって反射された前記照射光である反射光と、外乱光と、を受けて、前記反射光と、前記外乱光のうち、前記反射光の波長成分と同じ特定の波長成分の光と、を通し、前記外乱光のうち、前記特定の波長成分以外の波長成分の光の通過を遮断する第1のフィルタと、前記第1のフィルタを通過した光を結像するレンズと、前記レンズによって結像された画像を画像データに変換する素子と、前記素子から前記画像データを取得して、取得済みの前記画像データによって示される前記画像内の前記情報コードに記録されている情報を読み取る読取部と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、第1のフィルタによって、外乱光のうち、反射光の波長成分と同じ特定の波長成分以外の波長成分の光が素子に入射することを抑制することができる。一方で、反射光、即ち、光源の照射光の波長成分と同じ波長成分の光が素子に入射する。即ち、外乱光の影響を受ける状況において、情報コードを含む画像の結像に利用する光を、光源の照射光の波長成分と同じ波長成分の光に限定することができる。以上より、外乱光によるハレーションの発生を抑制して、情報コードを鮮明に撮像することができる。
【0008】
前記照射光の波長は、430~490ナノメートルであってもよい。
【0009】
このような構成によれば、430~490ナノメートルの波長、いわゆる、青色の波長の光を利用して、情報コードを鮮明に撮像することができる。
【0010】
前記反射光と前記外乱光の双方を遮断可能な第2のフィルタと、前記第2のフィルタのオンとオフを制御するフィルタ制御部と、をさらに備え、前記レンズの表面の一部は、前記第1のフィルタで覆われ、前記レンズの表面の残りの一部は、前記第2のフィルタで覆われていてもよい。
【0011】
このような構成によれば、例えば、ハレーションが発生し易い状況(例えば夕方)において、第2のフィルタをオンして、外乱光の入射量を低減することができる。一方、ハレーションが発生し難い状況(例えば昼間)において、第2のフィルタをオフして、外乱光の入射を促すことができる。例えば、第2のフィルタをオフにすることで、光源の照射光の強さを抑えることができる。また、例えば、第2のフィルタを備えず、第1のフィルタがレンズの全面を覆う比較例が想定される。この比較例では、第1のフィルタによって特定の波長成分以外の波長成分の光の通過が常に遮断される。このため、コード読取装置を情報コードの読取以外の用途(例えば、撮像対象の媒体のカラー画像の撮像、情報コード以外の対象(例えば人の顔)の撮像)に利用することが困難となる。これに対して、上記の構成によれば、第2のフィルタをオフすることによって、コード読取装置を情報コードの読取以外の用途に利用することができる。
【0012】
前記第1のフィルタは、前記レンズの前記表面の半分を覆い、前記第2のフィルタは、前記レンズの前記表面の残りの半分を覆っていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、第1のフィルタを通過する波長成分を適切な量に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】コード読取装置の利用状況を示す。
図2】コード読取装置のブロック図を示す。
図3】コード読取装置で実行される処理のフローチャート示す。
図4】昼間のケースを示す。
図5】夕方のケースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(コード読取装置10の利用状況;図1
本実施例のコード読取装置10は、情報コード(例えば2次元コード)に記録されている情報を読み取るための装置である。コード読取装置10は、所定の領域(例えば、工場、事務所)の壁に設置される。コード読取装置10は、所定の領域の出入り口に設置されているドア100に隣接している。コード読取装置10は、サーバ300と通信可能である。
【0016】
コード読取装置10は、ドア100を解錠するために利用される。具体的には、ユーザは、二次元コードを表示するカード200の表面をコード読取装置10に提示する。ここで、カード200の二次元コードには、ユーザを識別するIDが記録されている。コード読取装置10は、カード200の二次元コードを撮像して、撮像済みの二次元コードからIDを読み取る。コード読取装置10は、読取済みのIDをサーバ300に送信する。サーバ300は、コード読取装置10からIDを受信すると、当該IDの認証を実行する。サーバ300は、当該IDの認証が成功する場合に、ドア100を解錠する信号をドア100の電気錠(図示省略)に送信する。これにより、ドア100の電気錠が解錠し、ユーザは、ドア100を開けて所定の領域に進入することができる。なお、変形例では、二次元コードは、カード200に限らず、例えば、携帯端末のディスプレイに表示されてもよい。
【0017】
上記のように、コード読取装置10は、壁に設置されている。そのため、カード200は鉛直姿勢で提示される。例えば、コード読取装置10が、屋外等の太陽光が当たる場所に設置されている場合に、太陽光が、カード200の裏面からコード読取装置10に入射する。例えば、夕方等では、昼間と比較して、カード200の裏面から入射する太陽光の一部(以下では「入射光」と記載)が大きくなる。入射光が大きくなると、コード読取装置10が撮像した画像の一部が、強い入射光によって白くぼける現象、いわゆる、ハレーションが発生する場合がある。ハレーションにより、情報コードの鮮明な撮像が阻害される可能性がある。本明細書に開示の技術は、このような問題に対処するためのものである。
【0018】
(コード読取装置10の構成;図1図2
図2に示すように、コード読取装置10は、表示部12と、撮像部14と、通信インターフェース16と、制御部20と、を備える。なお、以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。図1に示すように、表示部12と撮像部14は、コード読取装置10の表面に露出している。撮像部14は、表示部12の鉛直方向における下側に配置されている。なお、図1では、残りの各部16、20は、コード読取装置10の表面に隠れて見えない。なお、変形例では、撮像部14の位置は、表示部12の鉛直方向における下側に限らず、例えば、表示部12の水平方向における隣であってもよい。
【0019】
表示部12は、様々な情報を表示するディスプレイである。通信I/F16は、サーバ300との通信を実行するためのI/Fである。通信I/F16は、例えば、LANを介した通信を実行可能である。制御部20は、コード読取装置10の各部(例えば14等)を制御する。
【0020】
撮像部14は、情報コードを撮像するための装置である。撮像部14は、レンズ30と、光源32と、撮像素子34と、を備える。レンズ30は、撮像部14の外側から入射した光を結像するためのレンズである。光源32は、撮像する対象(例えばカード200)に対して照射光を照射する光源である。光源32は、例えば、LEDライトである。光源32の照射光の波長は、430~490ナノメートルであり、いわゆる青色を示す。撮像素子34は、レンズ30によって結像された画像を画像データに変換する半導体素子である。
【0021】
レンズ30の表面(即ち、コード読取装置10の表面の側)は、青色通過フィルタ30aと、遮断制御フィルタ30bと、に覆われている。青色通過フィルタ30aは、青色の波長成分の光(例えば、光源32の照射光)を通し、青色の波長成分以外の波長成分の光の通過を遮断するフィルタである。遮断制御フィルタ30bは、光の通過を許可するオンと、光の通過を遮断するオフと、のうちのいずれかに設定可能なフィルタである。遮断制御フィルタ30bのオンとオフは、制御部20によって制御される。デフォルトでは、遮断制御フィルタ30bはオフである。
【0022】
図2に示すように、青色通過フィルタ30aは、レンズ30の表面の鉛直方向における上半分を覆い、遮断制御フィルタ30bは、レンズ30の表面の鉛直方向における下半分を覆っている。
【0023】
(コード読取装置10の処理;図3
図3を参照して、制御部20によって実現される処理について説明する。図3の処理は、コード読取装置10の電源がオンされることをトリガとして開始される。
【0024】
S10では、制御部20は、撮像対象の媒体(例えばカード200)が近接することを監視する。例えば、制御部20は、撮像部14によって撮像された画像を解析し、当該画像内での物体の移動を検知する。そして、制御部20は、物体の移動が検知される場合に、撮像対象の媒体が近接したと判断して(S10でYES)、S20以降の処理に進む。なお、変形例では、コード読取装置10は、物体の接近を検知するセンサ(例えば赤外線センサ)を備えていてもよい。そして、コード読取装置10は、当該センサから所定の信号を受信する場合に、撮像対象が近接したと判断してもよい。
【0025】
S20では、制御部20は、ハレーションの発生が予測されるハレーション条件が満たされるのか否かを判断する。ハレーション条件は、例えば、現在時刻が、早朝及び夕方を示す時間帯(例えば、午前6時30分~午前7時30分、及び、午後16時30分~午後17時30分)に含まれることである。なお、変形例では、コード読取装置10は、周囲の照度を計測するセンサを備えていてもよい。そして、コード読取装置10は、当該センサの出力値が所定の値を超える場合に、ハレーション条件が満たされると判断してもよい。
【0026】
制御部20は、ハレーション条件が満たされると判断する場合(S20でYES)に、S22に進み、ハレーション条件が満たされないと判断する場合(S20でNO)に、S22の処理をスキップして、S30に進む。
【0027】
S22では、制御部20は、遮断制御フィルタ30bをオフからオンに変更する。制御部20は、S22が終了すると、S30に進む。
【0028】
S30では、制御部20は、照射光を光源32に照射させる。S32では、制御部20は、撮像部14から画像データを取得する。S34では、制御部20は、S32で取得した画像を解析して、当該画像の中から情報コードを表すコード画像を特定する。そして、制御部20は、コード画像のデコードを実行して、コード画像によって表される情報コードに記録されているIDを読み取る。
【0029】
S36では、制御部20は、通信I/F16を介して、S34で読み取ったIDをサーバ300に送信する。これにより、サーバ300によってIDの認証が実行される。
【0030】
続くS40では、制御部20は、遮断制御フィルタ30bが現在オンであるのか否かを判断する。制御部20は、遮断制御フィルタ30bが現在オンであると判断する場合(S40でYES)に、S42において、遮断制御フィルタ30bをオンからオフに変更する。制御部20は、S42が終了すると、図3の処理を終了する。
【0031】
また、制御部20は、遮断制御フィルタ30bが現在オフであると判断する場合(S40でNO)に、S42の処理をスキップして、図3の処理を終了する。
【0032】
なお、コード読取装置10は、情報コードから情報を読み取る用途以外の用途でも利用可能である。例えば、コード読取装置10は、インターフォンとしても利用可能である。この場合には、コード読取装置10は、遮断制御フィルタ30bをオフに維持して、撮像対象を撮像し、撮像済みの画像を所定の領域内の表示装置(図示省略)に表示させる。また、他の変形例では、撮像対象が人の顔である場合において、コード読取装置10のよって撮像された顔の画像を顔認証に利用してもよい。
【0033】
(昼間のケース;図4
本ケースでは、現在日時が昼間を示す時間であり、早朝及び夕方を示す時間帯に含まれない。このため、コード読取装置10は、カード200が近接すると(図3のS10でYES)、ハレーション条件が満たされないと判断して(S20でNO)、遮断制御フィルタ30bをオフに維持して、照射光を光源32に照射させる(S30)。
【0034】
青色通過フィルタ30aは、カード200の表面によって反射された照射光である反射光と、太陽光と、を受ける。そして、青色の反射光と、太陽光のうち、青色の波長成分の光と、が青色通過フィルタ30aを通過する。即ち、レンズ30の上半分において、太陽光のうち、青色の波長成分以外の波長成分の光が遮断される。
【0035】
一方、遮断制御フィルタ30bがオフであるので、レンズ30の下半分では、反射光と太陽光の双方が通過する。即ち、レンズ30の下半分において、太陽光は遮断されない。
【0036】
昼間では、太陽が水平線から高い位置にあるので、太陽光は、撮像部14に直接に入射しない。このため、撮像部14が受ける太陽光の影響は、比較的小さく、ハレーションが発生し難い。本ケースでは、ハレーションが発生し難い状況において、遮断制御フィルタ30bをオフして、太陽光の入射を促すことができる。例えば、遮断制御フィルタ30bをオフにすることで、光源32の照射光の強さを抑えることができる。
【0037】
また、例えば、遮断制御フィルタ30bを備えず、青色通過フィルタ30aがレンズ30の全面を覆う比較例が想定される。この比較例では、青色通過フィルタ30aによって青色の波長成分以外の波長成分の光の通過が常に遮断される。このため、コード読取装置10を情報コードの読取以外の用途(例えば、カラー画像の撮像、顔認証)に利用することが困難となる。これに対して、本実施例の構成によれば、遮断制御フィルタ30bをオフすることによって、コード読取装置10を情報コードの読取以外の用途に利用することができる。なお、変形例では、比較例の構成を採用してもよく、「第2のフィルタ」を省略可能である。
【0038】
(夕方のケース;図5
本ケースでは、現在日時が、夕方を示す時間帯に含まれる。このため、コード読取装置10は、カード200が近接すると(図3のS10でYES)、ハレーション条件が満たされると判断して(S20でYES)、遮断制御フィルタ30bをオンにして(S22)、照射光を光源32に照射させる(S30)。
【0039】
青色通過フィルタ30aを通過する光については、図4のケースと同様である。一方、遮断制御フィルタ30bがオンであるので、レンズ30の下半分では、反射光と太陽光の双方が遮断される。即ち、本ケースでは、青色の波長成分の光のみがレンズ30を通過する。
【0040】
夕方では、太陽が水平線に近い位置にあるので、太陽光は、撮像部14に直接に入射し得る。このため、撮像部14が受ける太陽光の影響は、比較的大きく、ハレーションが発生し易い。遮断制御フィルタ30bをオンにすることで、太陽光の入射量を低減することができる。
【0041】
また、青色通過フィルタ30aによって、太陽光のうち、反射光の波長成分と同じ青色の波長成分以外の波長成分の光が撮像素子34に入射することを抑制することができる。一方で、反射光、即ち、光源32の照射光の波長成分と同じ波長成分の光が撮像素子34に入射する。即ち、太陽光の影響を受ける状況において、情報コードを含む画像の結像に利用する光を、光源32の照射光の波長成分と同じ波長成分の光に限定することができる。以上より、太陽光によるハレーションの発生を抑制して、情報コードを鮮明に撮像することができる。
【0042】
また、レンズ30の上半分を青色通過フィルタ30aで覆い、レンズ30の下半分を遮断制御フィルタ30bで覆うことにより、青色通過フィルタ30aを通過する波長成分を適切な量に調整することができる。
【0043】
(対応関係)
コード読取装置10、カード200の表面が、それぞれ、「コード読取装置」、「表示面」の一例である。太陽光が、「外乱光」の一例である。レンズ30、光源32、撮像素子34が、それぞれ、「レンズ」、「光源」、「素子」の一例である。青色通過フィルタ30a、遮断制御フィルタ30bが、それぞれ、「第1のフィルタ」、「第2のフィルタ」の一例である。青色の波長成分が、「特定の波長成分」の一例である。図3のS34の処理を実行する制御部20、S22の処理を実行する制御部20が、それぞれ、「読取部」、「フィルタ制御部」の一例である。
【0044】
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0045】
(変形例1)「特定の波長成分」は、青色以外の色(例えば赤色)の波長成分であってもよい。
【0046】
(変形例2)青色通過フィルタ30aがレンズ30の表面を覆う割合は、半分に限らず、例えば、7割、3割等の他の割合であってもよい。また、遮断制御フィルタ30bがレンズ30の表面を覆う割合は、半分に限らず、例えば、7割、3割等の他の割合であってもよい。
【0047】
(変形例3)青色通過フィルタ30aが、例えば、右半分を覆い、遮断制御フィルタ30bが、左半分を覆ってもよい。本変形例では、右半分、左半分が、それぞれ、「半分」、「残り半分」の一例である。
【0048】
(変形例4)「外乱光」は、太陽光に限らず、例えば、外部の照明器具(例えば車のヘッドライト)等であってもよい。
【0049】
(変形例5)コード読取装置10は、遮断制御フィルタ30bをオンすることを示す第1の値と、遮断制御フィルタ30bをオフすることを示す第2の値と、のいずれかの値を示すフィルタ設定値を記憶していてもよい。フィルタ設定値は、ユーザによって変更可能であってもよい。そして、図3のS20では、制御部20は、フィルタ設定値が第1の値を示す場合に、ハレーション条件が満たされると判断し、フィルタ設定値が第2の値を示す場合に、ハレーション条件が満たされないと判断してもよい。
【0050】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0051】
10 :コード読取装置
12 :表示部
14 :撮像部
16 :通信I/F
20 :制御部
30 :レンズ
30a :青色通過フィルタ
30b :遮断制御フィルタ
32 :光源
34 :撮像素子
100 :ドア
200 :カード
300 :サーバ
図1
図2
図3
図4
図5