(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/68 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
B60N2/68
(21)【出願番号】P 2023027918
(22)【出願日】2023-02-27
(62)【分割の表示】P 2021065469の分割
【原出願日】2017-03-24
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】大沼 弘治
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-209086(JP,A)
【文献】特開2011-105251(JP,A)
【文献】特開2012-116286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に離間して配置された左右のサイドフレームと、前記左右のサイドフレームを連結するリアフレームと、を有するクッションフレームと、
板状の本体部と、前記クッションフレームに架設するための掛止部と
、を有し、乗員を支持する支持部材と
、
を備え、
前記掛止部は、複数の金属線材と、前記複数の金属線材の少なくとも一部を被覆するとともに左右に隣接する前記複数の金属線材を連結する樹脂部材と、を有し、
前記掛止部の前記複数の金属線材を連結している前記樹脂部材の部分は、前記リアフレームの後側に回り込んでいることを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
前記掛止部の前記複数の金属線材を連結している前記樹脂部材の部分の一部は、前記リアフレームの上方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記掛止部の前記複数の金属線材を連結している前記樹脂部材の部分は、前記リアフレームの外周面に沿って延びていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記支持部材は、左右方向の位置を規制される規制部を有し、
前記本体部は、上向きの部分と、当該上向きの部分から前記掛止部に向けて立ち上がる壁部とを有し、
前記壁部は、前記リアフレームの下端よりも下に位置し、
前記規制部は、前記壁部よりも上に位置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記サイドフレームに対して回動可能に連結された、ハイト調整機構のリンク部材と、を備え、
前記リンク部材の上端は、前記規制部より上に位置することを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記本体部は、上向きの部分と、当該上向きの部分から前記掛止部に向けて立ち上がる壁部とを有し、
前記支持部材は、前記上向きの部分から前記壁部にかけて延びるリブを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項7】
シートクッションと、シートバックと、を備え、
前記シートクッションの内部には、前記シートクッションのフレームとして、クッションフレームが設けられ、
前記シートクッションは、前記クッションフレームに、パッドと、表皮材と、を被せて構成され、
前記シートバックは、前記シートバックのフレームを構成するバックフレームに、パッドと、表皮材と、を被せて構成され、
前記クッションフレームは、スライドレール機構に、ハイト調整機構を介して支持されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員を支持する支持部材を備える乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
枠状のクッションフレームを有し、クッションフレームのフロントフレームとリアフレームに乗員を支持する支持部材としてのSバネを架け渡したシートクッションが知られている(特許文献1)。このシートクッションは、Sばねが左右にずれないように、リアフレームを構成する連結シャフトを加工して溝を形成し、この溝にSバネの端部が掛止されたリテーナを係合させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、リアフレームを加工すると大幅にコストが上昇するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な構造で支持部材のずれを抑制することができる乗物用シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、音の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の乗物用シートは、左右に離間して配置された一対のサイドフレームと、互いに離間して配置され、一対のサイドフレームを連結する一対の連結フレームと、一対の連結フレームに掛止された掛止部を有し、一対の連結フレームに架設された、乗員を支持する支持部材とを備え、掛止部とサイドフレームの間の位置には、連結フレームが入った筒状部材が設けられている。
そして、筒状部材は、掛止部に当接することで、支持部材の左右方向の位置を規制することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、支持部材の掛止部を、筒状部材に当接させることで、支持部材の左右方向の位置を規制することができるので、簡易な構造で支持部材のずれを抑制することができる。このため、乗物用シートのコストの上昇を抑えることができる。
【0008】
前記した乗物用シートにおいて、筒状部材は、連結フレームに固定されていないことが望ましい。
【0009】
このように、筒状部材が連結フレームに固定されていない構成とすることで、筒状部材の連結フレームへの取付が簡単になる。
【0010】
前記した乗物用シートにおいて、筒状部材は、連結フレームに回転可能に支持されていてもよい。
【0011】
このように、筒状部材が連結フレームに回転可能である構成とすることで、筒状部材と掛止部の当接部分を摩耗しにくくすることができる。
【0012】
前記した乗物用シートにおいて、筒状部材は、連結フレームに固定されていてもよい。
【0013】
このように、筒状部材が連結フレームに固定された構成とすることで、筒状部材の位置がずれないので、支持部材の位置規制を確実に行うことができる。
【0014】
前記した乗物用シートにおいて、支持部材は、金属線材と、金属線材の少なくとも一部を被覆した樹脂部材とを含んで構成することができる。この場合、掛止部は、筒状部材に当接する部分が、樹脂部材により構成されていることが望ましい。
【0015】
このように、掛止部が樹脂部材により構成されていることで、掛止部が筒状部材に当接しているときの音の発生を抑制することができる。
【0016】
前記した乗物用シートにおいて、筒状部材は、樹脂からなることが望ましい。
【0017】
このように、筒状部材が樹脂で構成されていることで、掛止部が筒状部材に当接しているときの音の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な構造で乗員を支持する支持部材のずれを抑制することができる。
【0019】
また、本発明によれば、音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る乗物用シートとしての車両用シートを示す図である。
【
図2】第1実施形態におけるクッションフレームと支持部材を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態におけるクッションフレームのリアフレームの軸心に沿った断面図である。
【
図4】第2実施形態におけるクッションフレームのリアフレームの軸心に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照しながら、発明の実施形態について説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、シートに座った乗員を基準とする。また、左右方向の内側および外側は、車両ではなくシートを基準とする。
図1に示すように、本実施形態の乗物用シートは、自動車の運転席や助手席などで使用される車両用シートSとして構成されており、主に、シートクッションS1と、シートバックS2とを備えている。
【0022】
シートクッションS1の内部には、シートクッションS1のフレームを構成する、
図2に示すようなクッションフレームF1が内蔵されている。シートクッションS1は、クッションフレームF1に、ウレタンフォームなどからなるパッドと、布地や皮革などからなる表皮材を被せることで構成されている。また、図示は省略するが、シートバックS2は、シートバックS2のフレームを構成するバックフレームに、パッドと、表皮材を被せることで構成されている。
【0023】
クッションフレームF1は、一対のサイドフレーム10と、一対の連結フレームの一例としてのフロントフレーム21およびリアフレーム22と、パンフレーム23とを備えている。
サイドフレーム10は、左右に離間して一対配置されている。
フロントフレーム21とリアフレーム22は、互いに前後に離間して配置されている。
フロントフレーム21は、円形断面の金属パイプからなり、一対のサイドフレーム10の前部同士を連結している。
リアフレーム22は、円形断面の金属パイプからなり、一対のサイドフレーム10の後部同士を連結している。
パンフレーム23は、金属板からなるフレームであり、フロントフレーム21よりも前の位置で一対のサイドフレーム10の前部同士を連結している。
【0024】
クッションフレームF1は、スライドレール機構30に、ハイト調整機構を介して支持されている。
スライドレール機構30は、前後方向に長く延び、左右に離間して配置された一対のロアレール31と、各ロアレール31に対して前後にスライド可能に係合して設けられた一対のアッパーレール32とからなる。ロアレール31は、図示しない車両のフロアに固定される。
【0025】
ハイト調整機構は、一対のフロントリンク35と、一対のリアリンク36とを含んでなる。
フロントリンク35は、上端部がピン35Aによってサイドフレーム10の前部に回動可能に連結され、下端部がピン35Bによってアッパーレール32の前部に回動可能に連結されている。
リアリンク36は、上端部がサイドフレーム10に回動可能に連結されている。また、リアリンク36は、下端部が、アッパーレール32の後部に図示しないピンにより回動可能に連結されている。
【0026】
フロントリンク35およびリアリンク36は、アッパーレール32およびサイドフレーム10とともに4節リンクを構成している。そして、図示しない電動または手動のアクチュエータによりフロントリンク35またはリアリンク36をサイドフレーム10に対して回動させることにより、サイドフレーム10の高さを変えることができるようになっている。
【0027】
図3に示すように、リアフレーム22は、円筒状のブラケット81を介してサイドフレーム10に連結されている。なお、各部の構成は、略左右対称であるので、
図3においては、クッションフレームF1の右側の断面のみを示して説明する。
ブラケット81は、第1円筒部81Aと、第1円筒部81Aに対して左右方向外側に配置された第2円筒部81Bとを有している。第1円筒部81Aと第2円筒部81Bは、径方向外側に突出したフランジ81Cにより接続されている。第1円筒部81Aの左右内側の端部は、リアフレーム22の外側に嵌まり、溶接部91によりリアフレーム22に溶接されている。
【0028】
サイドフレーム10は、円形の支持孔11を有している。ブラケット81の第2円筒部81Bは、支持孔11に挿通され、さらにサイドフレーム10の外側にワッシャ85が嵌められて、左右外側の端部がカシメられている。これにより、リアフレーム22は、サイドフレーム10から外れないようにサイドフレーム10に組み付けられ、サイドフレーム10によって回動可能に支持されている。
【0029】
前記したリアリンク36は、孔36Cを有し、孔36Cにブラケット81の第1円筒部81Aが挿通された状態で、溶接部92によりブラケット81に溶接されている。これにより、リアリンク36は、ブラケット81およびリアフレーム22と一体に回動可能となっている。
【0030】
図2に戻り、一対のサイドフレーム10の間には、乗員を支持する支持部材50が配置されている。支持部材50は、図示しないシートクッションS1のパッドの下に位置し、シートクッションS1のパッドを下から、つまり、乗員とは反対側から支持する。
支持部材50は、乗員を支持する部分である本体部51と、一対の連結フレームに掛止される掛止部として、フロントフレーム21に掛止される掛止部52とリアフレーム22に掛止される掛止部53とを有している。各掛止部52,53は、フロントフレーム21およびリアフレーム22の外形に倣った半円断面のフック形状を有している。
掛止部52がフロントフレーム21に掛止され、掛止部53がリアフレーム22に掛止されることで、支持部材50は、フロントフレーム21およびリアフレーム22に架設されている。
【0031】
支持部材50は、複数の金属線材61と、金属線材61の少なくとも一部を被覆した樹脂部材62とを含んでなる。本実施形態においては、樹脂部材62は、金属線材61の全体を被覆している。このため、金属線材61に高い防錆処理をしなくても、樹脂部材62により金属線材61の腐食を抑制することができる。
【0032】
リアフレーム22に掛止された掛止部53は、左右に分かれて3つ設けられている。掛止部53は、左右方向外側の端部が、樹脂部材62により構成されている。
そして、左右の掛止部53とサイドフレーム10の間の位置には、それぞれ、筒状部材の一例としてのカラー70が設けられている。
【0033】
図3に示すように、カラー70は、樹脂からなり、挿通孔71を有する円筒状に形成されている。カラー70は、挿通孔71にリアフレーム22とブラケット81の第1円筒部81Aが入っており、リアリンク36と掛止部53の間の位置に設けられている。カラー70は、リアフレーム22およびブラケット81には固定されておらず、リアフレーム22およびブラケット81に回転可能に支持されている。カラー70は、左右方向外側の端部が、リアリンク36に隣接しており、リアリンク36に当接することで、左右方向外側への移動が規制されている。
【0034】
右側のカラー70の左端は、最も右側に配置された掛止部53に隣接している。これにより、カラー70は、支持部材50が右の方に移動しようとした場合に、掛止部53に当接することで支持部材50の左右方向の位置を規制する。図示は省略するが、左側のカラー70は、右端が、最も左に配置された掛止部53に隣接しており、支持部材50が左の方に移動しようとした場合に、掛止部53に当接することで、支持部材50の左右方向の位置を規制する。
【0035】
なお、
図3においては、カラー70が掛止部53とリアリンク36に当接した状態を示しているが、支持部材50のクッションフレームF1への組付を容易にするために、通常時は掛止部53とカラー70の間に多少の遊びがあるのがよい。もっとも、カラー70により支持部材50の左右方向の位置規制が可能となるように、カラー70が左右のリアリンク36に接触した状態でのカラー70と左右の掛止部53との遊びは小さく、例えば10mm以下に設定されている。
【0036】
以上のように構成された車両用シートSによれば、乗員がシートクッションS1に繰り返し座ったことや、着座中に横方向への力が繰り返し掛かったことにより支持部材50が左右方向にずれた場合、右または左の掛止部53がカラー70に当接することで支持部材50がそれ以上動くことが規制される。カラー70は、リアフレーム22とは別部品として形成されているので、リアフレーム22自体を加工して掛止部53に当接する部分を設ける場合に比べ、製造コストの上昇を抑えつつ、簡易な構造で支持部材50のずれを抑制することができる。
【0037】
そして、掛止部53がカラー70に当接しているときに、支持部材50に乗員からの荷重が掛かると、掛止部53とカラー70が擦れてきしみ音が発生する可能性があるが、掛止部53のカラー70に当接する部分とカラー70が樹脂部材62により構成されていることで、この音の発生を抑制することができる。
【0038】
また、ハイト調整機構を作動させた場合には、リアリンク36が回動する。このとき、リアフレーム22とブラケット81もリアリンク36とともに回動するが、カラー70は、リアフレーム22とブラケット81に対して回転可能であるため、掛止部53とカラー70の相対回転量は少ない。そのため、カラー70がリアフレーム22やブラケット81と一体に回転する場合に比べ、掛止部53とカラー70の当接部の摩耗を抑えることができる。
【0039】
また、カラー70がリアフレーム22やブラケット81に固定されていないので、カラー70がリアフレーム22やブラケット81に固定されている場合に比べ、カラー70の組み付けを簡単に行うことができる。
【0040】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る乗物用シートは、第1実施形態のようなカラー70を備えていない。
【0041】
図4に示すように、第2実施形態においては、支持部材50の後側の掛止部153は、カラーではなく、ブラケット81に当接するように構成されている。具体的に、最も右側に配置された掛止部153は、リアフレーム22に沿って延びる板状部153Aと、板状部153Aの右端からリアフレーム22側に延びる規制部153Bとを有している。規制部153Bは、リアフレーム22に接触し、ブラケット81の第1円筒部81Aに隣接している。第1円筒部81Aは、筒状部材の一例であり、掛止部153とサイドフレーム10の間の位置に設けられ、リアフレーム22に固定されている。第1円筒部81Aは、支持部材50が右の方に移動しようとした場合に溶接部91が規制部153Bに当接することで支持部材50の左右方向の位置を規制する。規制部153Bは、樹脂部材62により構成されている。最も左に配置された掛止部153も左右対称な構成を有し、左端部に樹脂部材62により構成された規制部153Bを有している。
【0042】
このように構成された構成された車両用シートSによっても、第1実施形態と同様に支持部材50の位置を規制することができる。ブラケット81は、リアフレーム22をサイドフレーム10に連結するために設けられている部材であるので、本実施形態によれば、製造コストの上昇を抑えつつ、簡易な構造で支持部材50のずれを抑制することができる。
【0043】
そして、第2実施形態においても、規制部153Bは樹脂部材62により構成されているので、音の発生を抑制することができる。
【0044】
また、ブラケット81の第1円筒部81Aは、リアフレーム22とリアリンク36に固定されており、リアリンク36が回動したときに、リアフレーム22およびリアリンク36と一体に回動するので、リアリンク36が回動しても規制部153Bと第1円筒部81Aの位置関係が変わりにくく、第1円筒部81Aにより位置規制を確実に行うことができる。
【0045】
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0046】
前記実施形態において、乗物用シートは、ハイト調整機構を備えていたが、ハイト調整機構は備えていなくてもよい。例えば、第1実施形態において、リアリンク36が無い場合であっても、カラー70がサイドフレーム10に当接することで、カラー70の左右方向外側への移動が規制されるので、カラー70により、支持部材50の位置規制をすることが可能である。
【0047】
第1実施形態において、右の掛止部53と左の掛止部53がカラー70に当接する場合を説明したが、左右の一方の掛止部53はカラー70に当接し、他方の掛止部53は、ブラケット81の第1円筒部81Aに当接する構成であってもよい。また、左右の一方のみに本発明の筒状部材を設け、この筒状部材が掛止部に当接する構成とし、左右の他方は、本発明とは異なる他の位置規制の構造を採用してもよい。
【0048】
前記実施形態において、後側の掛止部53,153とサイドフレーム10の間の位置に円筒部材が設けられている場合を説明したが、前側の掛止部52とサイドフレーム10の間の位置に筒状部材を設け、この筒状部材を前側の掛止部52に当接させてもよい。
【0049】
前記実施形態において、支持部材50がクッションフレームF1に配置される構成を説明したが、支持部材は、シートバックフレームに配置することもできる。この場合においても、シートバックフレームに対して支持部材を上下方向に架設して、掛止部とサイドフレームの間に設けたカラー等の筒状部材を掛止部に当接させることで支持部材を位置規制することが可能である。
【0050】
前記実施形態では、筒状部材の一例であるカラー70やブラケット81の第1円筒部81Aが円筒状であったが、筒状部材は、円筒以外の形状の筒状に形成されていてもよい。
【0051】
また、筒状部材の形状は、完全に閉じた筒形状である必要は無く、一部が切れた、例えば断面C字形状の筒形状であってもよい。
【0052】
前記実施形態では、掛止部53の筒状部材に当接する部分が、樹脂部材62により構成されていたが、掛止部の筒状部材に当接する部分は、金属により構成されていてもよい。
【0053】
また、前記実施形態では、乗物用シートとして自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、乗物用シートは、これに限定されず、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載されるシートであってもよい。
【0054】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 サイドフレーム
21 フロントフレーム
22 リアフレーム
50 支持部材
53 掛止部
61 金属線材
62 樹脂部材
70 カラー
81 ブラケット
153 掛止部
153B 規制部
S 車両用シート