IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 荒谷 剛之の特許一覧

<>
  • 特許-釣り情報配信システム 図1
  • 特許-釣り情報配信システム 図2
  • 特許-釣り情報配信システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】釣り情報配信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240619BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240619BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020084085
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021179738
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和2年3月12日に、フィッシャーズ福井店において開催された釣具店に対する商品説明会で、釣り情報配信システムについて説明を行った。(2)2020年2月7日から2020年2月9日に、インテックス大阪において開催されたフィッシングショーOSAKA2020で、釣り情報配信システムを展示公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】520165102
【氏名又は名称】荒谷 剛之
(74)【代理人】
【識別番号】100110814
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 剛之
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-032646(JP,A)
【文献】特開2002-157485(JP,A)
【文献】特開2019-187283(JP,A)
【文献】特開2006-051793(JP,A)
【文献】特開2004-246509(JP,A)
【文献】特開2019-086533(JP,A)
【文献】特開2005-004160(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0144871(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者サーバと、釣具店、アウトドアショップ、スポーツ店、ホテル及び旅館を含む事業者に設置された釣具店等事業者端末と、遊漁船や釣船を含む船を所有する事業者に設置された遊漁船等事業者端末とをネットワークで接続し、
前記管理者サーバには、前記遊漁船等事業者の事業者名、所在地,船名,連絡先を含む遊漁船等事業者情報及び前記釣具店等事業者の事業者名、所在地、連絡先を含む釣具店等事業者情報が予め登録されているとともに、予め設定された前記遊漁船等事業者端末と前記釣具店等事業者端末とが関連付けて登録され、
遊漁船等事業者が入力した釣場ポイント、釣果、日付、船名、写真又は動画又はコメントを含む遊漁船等情報が、前記遊漁船等事業者端末から前記管理者サーバに送信され、
前記遊漁船等事業者端末から前記管理者サーバに送信された前記遊漁船等情報は、前記管理者サーバによって予め関連付けられた前記釣具店等事業者端末に送信され、
前記釣具店等事業者端末は、受信した前記遊漁船等情報を予め設定された表示形態で前記釣具店等事業者端末に接続された表示手段に表示させること、
を特徴とする釣り情報配信システム。
【請求項2】
前記釣具店を利用する釣り客が所有する釣り客端末を、前記管理者サーバに接続可能とするとともに、前記釣り客端末から前記管理者サーバに対して、前記釣具店を利用する釣り客の居住地、釣りの指向、利用する漁場又は前記遊漁船等事業者や釣果に関する情報を含む釣り客情報を、前記釣り客が前記釣り客端末から入力して前記管理者サーバに送信するようにし、前記遊漁船等事業者端末及び釣具店等事業者端末を、前記釣り客情報に関連付けたことを特徴とする請求項1に記載の釣り情報配信システム。
【請求項3】
前記釣り客情報に前記釣具店を訪れる釣り客が利用する漁場に関する情報が含まれる場合に、前記漁場に関する情報の共通性から前記遊漁船等事業者端末及び釣具店等事業者端末との関連付けを行うことを特徴とする請求項2に記載の釣り情報配信システム。
【請求項4】
前記表示手段には、前記遊漁船等事業者情報、当該遊漁船におけるある日時の釣果などを含む複数の前記遊漁船等情報が、予め設定された時間ごとに切り替えつつ表示されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の釣り情報配信システム。
【請求項5】
前記遊漁船等事業者端末に表示手段を接続し、前記管理者サーバから送信された前記遊漁船等情報を予め設定された表示形態で表示させることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の釣り情報配信システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊漁船等事業者に対しては、釣り客に当該遊漁船等事業者及び直近の釣果などの遊漁船等情報の提供の機会を与えることで当該遊漁船等事業者への集客を促し、釣り客に対しては自分の好みに応じた遊漁船等に関する情報を提供し、釣具店に対しては釣り客に対する情報提供の場として釣り客の集客を促すことのできる釣り情報配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、釣り客が船釣りをする場合には、遊漁船を予約する必要があるが、初めての遊漁船は、釣果や漁場(ポイント)に関する情報、サービスや雰囲気などの情報が乏しいことから敬遠しがちであるというのが現実である。また、釣り客は所定の漁場における釣果などに関する情報を入手したがっているが、釣り新聞は週1回しか発行されておらず、日刊のスポーツ紙は情報が少なく、情報の信用性にも疑問があるという問題がある。このため、その日の状況に合わせた仕掛けや餌についての情報が極めて少なく、遊漁船等事業者に電話で質問することも考えられるが、予約しないのに情報だけ聞き出すのも気が引けるという問題がある。
【0003】
また近年では、釣りを楽しむ女性が増加しており、このような女性層の拡大は遊漁船等事業者にとって期待ではあるものの、女性の側からすれば遊漁船の船主の性格や遊漁船の雰囲気、仕掛けや貸し竿、アドバイス等のサービス、遊漁船の設備(トイレ,大きさ)などの情報が得にくいという問題がある。さらに、地域の天候や急な釣りの思い立ちなどの場合、その選択肢が限定されてしまうのが現状である。
【0004】
一方、遊漁船等事業者側では、遊漁船を出すのであればできるだけ多くの釣り客に乗ってもらったほうがよいが、釣り客、特に新規の釣り客を集めるには口コミでは効率が悪く、新聞掲載などの広告には費用がかかり、ウェブページを作ってもなかなか見てもらえないうえ情報更新は面倒であるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-257485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した問題点は特許文献1でも指摘されているものでもあり、特許文献1に記載の技術によって遊漁船等事業者と釣り客の問題はある程度解決はできるものの、未だ情報共有の効率が悪いという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決することのできる釣り情報配信システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、釣り客が必ず訪れる釣具店に着目し、釣具店において必要な情報を効率的に釣り客に提供することで、遊漁船等事業者、釣り客及び釣具店での情報の共有が可能になると考え、本発明に想到した。
【0008】
具体的に請求項1に記載の発明は、管理者サーバと、釣具店、ホテル及び旅館を含む釣具店等事業者に設置された釣具店等事業者端末と、遊漁船や釣船を含む遊漁船等事業者に設置された遊漁船等事業者端末とをネットワークで接続し、
前記管理者サーバには、前記遊漁船等事業者の事業者名、所在地,船名,連絡先を含む遊漁船等事業者情報及び前記釣具店等事業者の事業者名、所在地、連絡先を含む釣具店等事業者情報が予め登録されているとともに、予め設定された前記遊漁船等事業者端末と前記釣具店等事業者端末とが関連付けて登録され、遊漁船等事業者が入力した釣場ポイント、釣果、日付、船名、写真又は動画、コメントなどを含む遊漁船等情報が、前記遊漁船等事業者端末から前記管理者サーバに送信され、前記遊漁船等事業者端末から前記管理者サーバに送信された前記遊漁船等情報は、前記管理者サーバによって予め関連付けられた前記釣具店等事業者端末に送信され、前記釣具店等事業者端末は、受信した前記遊漁船等情報を予め設定された表示形態で前記釣具店等事業者端末に接続された表示手段に表示させる釣り情報配信システムである。
【0009】
請求項2に記載するように、前記遊漁船等事業者端末及び釣具店等事業者端末は、前記釣具店を利用する釣り客の居住地、釣りの指向又は利用する漁場を含む釣り客情報に基づいて関連付けするとよい。前記釣り客情報は、前記釣具店を利用する釣り客が所有する釣り客端末を、前記管理者サーバに接続可能とするとともに、前記釣り客端末から前記管理者サーバに対して、前記釣具店を利用する釣り客の居住地、釣りの指向、利用する漁場又は前記遊漁船等事業者や釣果に関する情報を含む釣り客情報を、前記釣り客が前記釣り客端末から入力して前記管理者サーバに送信することで収集できる。
請求項3に記載するように、前前記釣り客情報に前記釣具店を訪れる釣り客が利用する漁場に関する情報が含まれる場合には、前記漁場に関する情報の共通性から前記遊漁船等事業者端末及び釣具店等事業者端末との関連付けを行うようにしてもよい。
【0010】
前記表示手段では、請求項4に記載するように、前記遊漁船に関する情報、当該遊漁船におけるある日時の釣果などの複数の前記遊漁船等情報が、所定時間ごとに切り替えつつ表示されるようにしてもよい。
また、請求項5に記載するように、前記遊漁船等事業者端末に表示手段を接続し、前記管理者サーバから送信された前記遊漁船等情報を予め設定された表示形態で表示させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上記のように構成さているので、遊漁船等事業者は自己の遊漁船に関する情報、例えば、遊漁船等事業者の事業者名、所在地,船名,連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレスなど)のほか、ある日のポイント及び当該ポイントにおける釣果などを含む遊漁船等情報を、遊漁船等事業者端末を介して管理者サーバに送信する。管理者サーバでは、当該情報を加工して釣具店の表示手段に効果的に表示させるための表示形態情報とともにデータベースに記録する。そして、この遊漁船等情報を、遊漁船等事業者と予め関連付けられた所定の釣具店などの釣具店等事業者端末に、表示形態情報とともに送信して前記表示手段に表示させる。
釣具店等事業者端末には管理者サーバから遊漁船等情報及び表示形態情報が送信され、この遊漁船等情報が釣具店内のディスプレイに各情報が表示される。このようにして釣具店等に設置されたディスプレイに表示された情報は、デジタルサイネージとして機能する。表示形態情報が管理者サーバから送信されるので、表示形態を入力したり管理したりするなどの作業が不要となり、釣具店等事業者はディスプレイ等の表示手段を設置すればよいだけなので、その負担を極めて小さくすることができる。
【0012】
釣具店端末と遊漁船等事業者端末とが、例えば釣具店を訪れる釣り客に関する情報、例えば、釣り客が多く利用する漁場(ポイント)などの情報に基づいて関連付けすることで、遊漁船等事業者はターゲットとする釣り客に集中的に釣果などを含む遊漁船等情報を提供することが可能になり、遊漁船事業者の広告の効率性を高めることができる。
釣具店においても、釣り客が利用する漁場の最新の情報をリアルタイムで入手することができるため、釣り客が頻繁に訪れることで集客の向上と情報提供サービスの向上を図ることができる。また、釣りの魅力を、画像などを通して効果的に釣り客に伝えることができ、釣り客の新規開拓効果、特に女性層の新規開拓効果を高めることができる。
釣り客においては、釣り客が興味を持つ漁場などに関する最新で信頼できる情報を、気軽に出入りできる釣具店においてリアルタイムで入手することが可能になる。
【0013】
前記釣り客が所有する釣り客端末を、前記遊漁船等事業者端末を介して前記管理者サーバに接続可能とすることで、遊漁船の雰囲気や遊漁船等事業者及び漁場の様子、当該漁場における釣果などを、実際に釣りを行った釣り客の視点から釣具店の表示手段に表示させることが可能になり、釣り客はこれら第三者視点からの情報に基づいて自分の好みに適った遊漁船を選択することが可能になるほか、遊漁船等事業者においては、当該釣り客情報をアンケートなどとしてサービス改善の目安とすることができる。
【0014】
さらに、遊漁船等情報を表示する表示手段を遊漁船等事業者の所有する遊漁船等事業者端末に接続することで、釣り客は自分の釣果等だけでなく他人の釣果等も知って釣り客同士がお互いに楽しむことができ、リピーターの確保や釣り客ごとの釣り回数の増大などにより、遊漁船等事業者においてさらに集客効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の釣り情報配信システムの好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の釣り情報配信システムの一実施形態にかかり、その構成を説明する図である。
この実施形態の釣り情報配信システム1は、この釣り情報配信システム1を管理する管理者の管理者サーバ10と、遊漁船等事業者が所有する遊漁船等事業者端末13と、釣具店等に設置された釣具店等事業者端末23及びこの釣具店等事業者端末23と接続された表示手段としてのディスプレイ24と、これらを通信可能に接続するネットワークN1と、管理者サーバ10を介して遊漁船等事業者から送信されてきた遊漁船等情報が記憶されるデータベース11とを有する。
【0016】
[遊漁船等事業者端末13]
遊漁船等事業者端末13は、遊漁船等事業者に設置されたパーソナルコンピュータ(PC)であってもよいが、遊漁船の船上や港からその日のポイント情報(釣れる魚の種類、天候、波の高さなど)や釣り客の釣果に関する情報などを、遊漁船等情報(文字情報、音声情報、静止画像、動画を含む)としてリアルタイムで発信できるタブレット形端末やスマートフォンなどの携帯端末であるのが好ましい。
遊漁船等事業者は、遊漁船等事業者端末13をネットワークN1に接続し、遊漁船等事業者向けに作成されたウェブページなどのアプリケーションを使って遊漁船等情報を作成する。図3(a)は、遊漁船等事業者端末13で作成される遊漁船等情報の一例を示すもので、日付、時間、天候、遊漁船の船名や船種、所定の漁場(ポイント)における釣果などに関する情報(静止画又は動画、釣り方、釣れた魚の種類及び数など)が含まれる。このようにして作成された遊漁船等情報は、遊漁船等事業者端末13から管理者サーバ10に送信され、データベース11に記録される。
【0017】
[管理者サーバ10]
管理者サーバ10及びデータベース11を管理する管理者は、遊漁船等事業者向けに作成された釣り情報配信システム1を紹介するウェブページや、この釣り情報配信システム1の利用申請及び加入後に利用するためのアプリケーションを準備し、管理者サーバ10を介してウェブ上に掲載して、釣り情報配信システム1の利用を希望する遊漁船等事業者を募集するとともに、加入した遊漁船等事業者による遊漁船等情報の受信とデータベース11への記録を可能にする。
【0018】
釣り情報配信システム1の利用申請は、当該ウェブを介してでもよいが、電話、FAX、郵便、来店などを通して行うことができるが、管理者が準備したウェブ上のアプリケーションを利用して申請するとよい。図3(b)は、当該利用申請用のウェブページの一例である。この利用申請のページにおいて釣り情報配信システム1を利用しようとする遊漁船等事業者は、メールアドレス及びパスワード、事業者の氏名及び住所、遊漁船の写真などを入力する。また、遊漁船等情報を提供しようとする釣具店のエリアを指定する。このとき、遊漁船等事業者は漁場を指定して入力することも可能である。予め漁場を指定して入力することで、後述の遊漁船等事業者端末13と釣具店等事業者端末23との関連付けによって関連付けられた釣具店のみに遊漁船等情報の配信を行うことが可能なり、より効率的な広告が期待できる。
【0019】
このようにして、前記管理者によって利用が認められた遊漁船等事業者には、管理者サーバ10を介してデータベース11へのアクセスを可能にするIDやパスワードなどが発行される。
遊漁船等事業者から送信された遊漁船等情報は、釣具店のディスプレイ24にどのような形態で表示するかを設定した表示形態情報とともにデータベース11に記録される。
【0020】
[釣具店等事業者端末23]
釣り情報配信システム1を管理者のウェブページやチラシ、第三者の紹介などで知った釣具店は、当該管理者に対して当該ウェブを介して又は電話、FAX、郵便、来店などを通し、釣具店等事業者端末23及びディスプレイ24の設置を申し出ることができる。もちろん、管理者が釣具店に対して釣り情報配信システム1のための釣具店等事業者端末23及びディスプレイ24の設置を提案してもよい。
このように釣具店等事業者端末23及びディスプレイ24が設置された釣具店に関する情報(店名、店の所在地(エリア)や釣り客の客層及び釣り客が利用する漁場などの情報を含む)はデータベース11に記録される。
【0021】
釣具店に設置された釣具店等事業者端末23は、ネットワークN1に接続されることで管理者サーバ10との通信が可能になり、管理者サーバ10を介してデータベース11から読み出された所定の遊漁船等情報が釣具店の店内の目立つ位置に設置されたディスプレイ24に予め設定された表示形式で表示される。なお、釣具店等事業者端末23とディスプレイ24とは図1に示すように別体のものであってもよいが、ディスプレイ24に釣具店等事業者端末23としての機能を内蔵させた一体型のものであってもよい。
【0022】
この釣具店等事業者端末23には、後述するように予め関連付けられた遊漁船等事業者のリアルタイムな遊漁船等情報が、データベース11から読み出されて管理者サーバ10から送信される。
遊漁船等情報の表示形態を図3(c)に示す。
図示の例では、ディスプレイ24の一番上に遊漁船等事業者の静止画像又は動画付き広告が掲載され、その下に所定のポイントにおけるリアルタイムの釣果や釣り客の様子などの情報が、静止画像又は動画で掲載される。
【0023】
[遊漁船等事業者端末13と釣具店等事業者端末23との関連付け]
遊漁船等事業者の広告効果、釣り客の利便性、釣具店における集客性の向上などを勘案すると、広範囲(例えば全国)の遊漁船等事業者の案内を広範囲(同)の釣具店のディスプレイに表示させるよりは、特定地域(例えば福井県内)の案内を特定範囲(例えば福井県を含む近隣地域)の釣具店のディスプレイに表示させた方が好ましく、そのために特定地域の遊漁船等事業者の遊漁船等事業者端末13と特定地域の釣具店の釣具店等事業者端末23とを関連付けするとよい。
【0024】
図2は、遊漁船等事業者端末13と釣具店等事業者端末23との関連付けの一例を説明する概略図である。
釣り客を案内できる遊漁船等事業者S1の漁場はP1,P2、遊漁船等事業者S2の漁場はP3,P4、遊漁船等事業者S3の漁場はP3,P4であるとする。漁場P1,P2,P3,P4は比較的近隣で隣接しているものとする。
情報提供の対象となる釣具店F1,F2.F3,F4は、漁場P1,P2,P3,P4のいずれかを利用する釣り客が多く訪れ、釣具店F1には主に漁場P1,P2を利用する釣り客が、釣具店F2には漁場P1~P4を利用する釣り客が、釣具店F3,F4には主に漁場P3,P4を利用する釣り客が訪れるものとする。なお、釣具店F1,F2.F3,F4を訪れる釣り客(ベテラン及び常連の釣り客のほか、釣りを始めたばかり又は釣りに興味を持つ初心者を含む)の漁場への指向は、各釣具店F1,F2.F3,F4の事業者が把握しているものとする。
上記したような漁場の例としてはP1:福井、P2:敦賀、P3:和歌山、P4:大阪を挙げることができ、遊漁船等事業者の所在地の例としてはS1:福井、S2:和歌山、S3:大阪を挙げることができ、釣具店の所在地の例としてはF1:福井、F2:京都、F3:和歌山、F4:大阪を挙げることができる。
【0025】
予め遊漁船等事業者S1,S2,S3と管理者との間で締結された契約等に基づき、遊漁船等事業者S1の遊漁船等事業者端末13と釣具店F1,F2の釣具店等事業者端末23とをリンクさせ、遊漁船等事業者S2の遊漁船等事業者端末13と釣具店F2,F3,F4の釣具店等事業者端末23とをリンクさせ、遊漁船等事業者S3の遊漁船等事業者端末13と釣具店F2,F4の釣具店等事業者端末23とをリンクさせる。
遊漁船等事業者S1からは漁場P1,P2に関する情報が釣具店F1に提供され、同漁場P2に関する情報が釣具店F2に提供されてそれぞれの釣具店F1,F2のディスプレイ24に提供された情報が表示される。同様に、遊漁船等事業者S2から提供された情報は釣具店F2,F3,F4のディスプレイ24に、遊漁船等事業者S3から提供された情報は釣具店F2,F4のディスプレイ24に表示される。
【0026】
釣具店F2,F4では、複数の遊漁船等事業者S2,S3の情報が各店に設置されたディスプレイ24に表示されるが、例えば遊漁船等事業者S2,S3の各々の情報の表示時間を割り当てることで、遊漁船等事業者S2,S3の情報を切り替えながらディスプレイ24に表示させることができる。
この場合、例えば釣具店F1においては、漁場P2の集客向上のために、管理者を介して、遊漁船等事業者S3に情報の提供を申し出てもよいし、釣具店F2においては、漁場P3の新規顧客開拓のために管理者を介して、遊漁船等事業者S2に漁場P3に関する情報の提供を申し出てもよい。
【0027】
このようにして、遊漁船等事業者S1,S2,S3は、特定の釣具店F1,F2,F3,F4を選択して情報を提供し、遊漁船等事業者S1,S2,S3に関する情報をディスプレイ24に表示させることで、遊漁船等事業者S1,S2,S3には所定の釣り客をターゲットとした効率のよい広告、釣具店F1,F2,F3,F4には、釣り客に対してリアルタイムな情報の提供とこの情報提供を通しての集客性の向上、釣り客にはリアルタイムな情報の入手という利益を付与することができる。
【0028】
[他の実施形態]
図1に示すように、ネットワークN1には、釣り客が所有する釣り客端末12が接続できるようにしてもよい。情報提供の匿名性を避けるために、予め管理者サーバ10に氏名や携帯番号などが登録された釣り客端末12のみにネットワークN1へのアクセスを許可するようにしてもよい。
釣り客端末12に入力された釣り客情報は、管理者サーバ10に送信される。
【0029】
前記釣り客情報としては、例えば遊漁船等事業者の対応、漁場への案内、釣りに対するアドバイス、遊漁船の雰囲気、設備、その日の釣果などに対する当該釣り客の評価や感想などを挙げることができる。
このような釣り客情報は管理者サーバ10に送信され、管理者サーバ10から釣具店等事業者端末23に送信されて当該釣具店のディスプレイ24に遊漁船等情報とともに表示される。
このようにすることで、釣具店を訪れた釣り客は第三者視点からの情報である釣り客情報に基づいて、自分の好みに適った遊漁船を選択することが可能になるほか、遊漁船等事業者においては、当該釣り客情報をアンケートなどとしてさらなるサービス向上を図ることが可能になる。
【0030】
[さらに他の実施形態]
特に図示はしないが、遊漁船等事業者端末13には釣具店23のディスプレイ24と同様のディスプレイを接続してもよい。これにより、データベース11から当該遊漁船等事業者のリアルタイムの遊漁船等情報又は過去の遊漁船等情報を釣り客に提供することが可能になる。
このようにすることで、釣り客は自分の釣果等だけでなく他人の釣果等も知って釣り客同士がお互いに楽しむことができ、リピーターの確保や釣り客ごとの釣り回数の増大などを図ることできる。
【0031】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の説明に限定されるものではない。
例えば、遊漁船を例に挙げて説明したが、漁船や他の釣り船を利用する遊漁船等事業者にも本発明は適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の釣り情報配信システムの一実施形態にかかり、その構成を説明する図である。
図2】遊漁船等事業者端末13と釣具店等事業者端末23との関連付けの一例を説明する概略図である。
図3】(a)は遊漁船等事業者端末13で作成される遊漁船等情報のウェブページの一例を示すもの、(b)は遊漁船等事業者が管理者に利用申請を行うためのウェブページの一例を示すもの、(c)は釣具店のディスプレイに表示される遊漁船等情報の表示形態の一例を示すものである。
【符号の説明】
【0033】
1 釣り情報配信システム
10 管理者サーバ
11 データベース
12 釣り客端末
13 遊漁船等端末
23 釣具店等端末
24 ディスプレイ
N1 ネットワーク(通信回線)
F1,F2,F3,F4 釣具店
P1,P2,P3,P4 漁場
S1,S2,S3 遊漁船等事業者
図1
図2
図3