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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】液剤吐出装置及び液剤吐出方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240619BHJP
   B05B 1/00 20060101ALI20240619BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240619BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05B1/00 Z
B05C11/10
B05D1/26 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020043582
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021142489
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】599172069
【氏名又は名称】株式会社サンエイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】谷田部 悟
(72)【発明者】
【氏名】中野 太輔
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/118669(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/145969(WO,A1)
【文献】特開2010-022881(JP,A)
【文献】特開2017-127878(JP,A)
【文献】特開2001-113212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
B05D 1/00-7/26
B05B 1/00-3/18
7/00-9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液剤を吐出するノズルと、
前記ノズルに前記液剤を供給する液剤供給路と、
前記ノズルを開閉するピストンロッドと
前記ノズルを開とする方向に前記ピストンロッドを付勢するロッド付勢手段と、
前記ノズルを閉とする方向に前記ピストンロッドを付勢するピストンロッド作動空間と、
前記ピストンロッド作動空間にロッド作動エアーを流入するロッド作動エアー流入路と、
前記ピストンロッド作動空間から前記ロッド作動エアーを流出するロッド作動エアー流出路と
を備え、
前記ロッド作動エアー流出路を、前記ロッド作動エアー流入路よりも流路断面を大きくした液剤吐出装置であって、
前記ロッド作動エアー流入路に接続する吸気電磁弁と、
前記ロッド作動エアー流出路に接続する排気電磁弁と、
前記吸気電磁弁及び前記排気電磁弁を動作させる制御手段と
を有し、
前記制御手段によって、
前記吸気電磁弁を開動作させるとともに前記排気電磁弁を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間に前記ロッド作動エアーを流入させ、前記ロッド作動エアーを流入させることで前記ピストンロッドを動作させて前記ノズルを閉とし、
前記排気電磁弁を開動作させるとともに前記吸気電磁弁を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間から前記ロッド作動エアーを流出させ、前記ロッド作動エアーを流出させることで前記ピストンロッドを動作させて前記ノズルを開とする
ことを特徴とする液剤吐出装置。
【請求項2】
前記ピストンロッドの動作を規制するストッパピストンと、
前記ストッパピストンを前記ピストンロッドの方向に付勢するピストン付勢手段と、
前記ストッパピストンを前記ピストン付勢手段の方向に付勢するストッパピストン作動空間と、
前記ストッパピストン作動空間にピストン作動エアーを流入するピストン作動エアー流入路と
を有し、
前記ピストン作動エアー流入路に前記ピストン作動エアーを流入させることで前記ストッパピストンを前記ピストン付勢手段の前記方向に移動させて前記ピストンロッドが移動可能な状態とし、
前記ピストン作動エアー流入路への前記ピストン作動エアーの流入を停止することで前記ストッパピストンによって前記ピストンロッドを押圧して前記ノズルを閉とする
ことを特徴とする請求項1に記載の液剤吐出装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記ピストンロッド作動空間から前記ロッド作動エアーを流出させる動作では、
前記吸気電磁弁を開動作させた状態で前記排気電磁弁を開動作させ、
前記排気電磁弁を開動作させた後に、前記吸気電磁弁を閉動作させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液剤吐出装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記ピストンロッド作動空間に前記ロッド作動エアーを流入させる動作では、
前記排気電磁弁を開動作させた状態で前記吸気電磁弁を開動作させ、
前記吸気電磁弁を開動作させた後に、前記排気電磁弁を閉動作させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液剤吐出装置。
【請求項5】
前記液剤供給路、前記ピストンロッド作動空間、前記ロッド作動エアー流入路、及び前記ロッド作動エアー流出路を形成するエアーシリンダーの外形を直方体とし、
前記直方体の一つの面に、前記ロッド作動エアー流入路の吸気口と前記ロッド作動エアー流出路の排気口とを配置する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液剤吐出装置。
【請求項6】
前記ピストンロッドには、前記ピストンロッド作動空間の圧力を受けるロッドヘッドを有し、
前記ストッパピストンには、前記ストッパピストン作動空間の圧力を受けるピストンヘッドを有し、
前記ロッドヘッドを、前記ピストンヘッドよりも受圧面を小さくした
ことを特徴とする請求項2に記載の液剤吐出装置。
【請求項7】
前記ストッパピストンの動作を規制するストロークアジャスタを設け、
前記ストロークアジャスタによって前記ストッパピストンの動作範囲を変更できる
ことを特徴とする請求項2又は請求項6に記載の液剤吐出装置。
【請求項8】
液剤を吐出するノズルと、
前記ノズルに前記液剤を供給する液剤供給路と、
前記ノズルを開閉するピストンロッドと
前記ノズルを開とする方向に前記ピストンロッドを付勢するロッド付勢手段と、
前記ノズルを閉とする方向に前記ピストンロッドを付勢するピストンロッド作動空間と、
前記ピストンロッド作動空間にロッド作動エアーを流入するロッド作動エアー流入路と、
前記ピストンロッド作動空間から前記ロッド作動エアーを流出するロッド作動エアー流出路と
を備え、
前記ロッド作動エアー流出路を、前記ロッド作動エアー流入路よりも流路断面を大きくした液剤吐出方法であって、
前記ロッド作動エアー流入路に接続する吸気電磁弁と、
前記ロッド作動エアー流出路に接続する排気電磁弁と、
前記吸気電磁弁及び前記排気電磁弁を動作させる制御手段と
を有し、
前記制御手段によって、
前記吸気電磁弁を開動作させるとともに前記排気電磁弁を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間に前記ロッド作動エアーを流入させ、前記ロッド作動エアーを流入させることで前記ピストンロッドを動作させて前記ノズルを閉とし、
前記排気電磁弁を開動作させるとともに前記吸気電磁弁を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間から前記ロッド作動エアーを流出させ、前記ロッド作動エアーを流出させることで前記ピストンロッドを動作させて前記ノズルを開とする
ことを特徴とする液剤吐出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液剤を液滴状態で吐出し、ワークに対して離れた位置からでも塗布可能な液剤吐出装置及び液剤吐出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2には、樹脂や接着剤等の液体を基板等の被塗布物に所定量塗布する液滴塗布装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-29966号公報
【文献】国際公開第2013/118669号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、スプリングによる付勢手段によってピストンを動作させてノズルを閉とするものであり、ノズル閉動作を迅速に行うためには付勢手段の付勢力を大きくする必要がある。しかし、付勢手段の付勢力を大きくすると、ノズルを開とするためのピストンの動作に必要な空気圧を高める必要があり、空気圧を高めるためには装置が大型化するだけでなく、大型化に伴う慣性力の増大を生じるため、ノズルの開閉動作を高速に行うには適していない。
これに対して、特許文献2では、スプリングによる付勢手段によってピストンを動作させてノズルを開とする実施例が例示されている。
この特許文献2の実施例によれば、ノズルを閉とする動作には圧縮空気を利用するため、ノズルを閉とする動作を高速に行うことができる。
しかし、この特許文献2の実施例では、ノズルを開とする動作にスプリングによる付勢手段を用いるため、スプリングの付勢力が小さいとノズルを開とする動作の高速化を図ることができない。
このように、従来の液滴塗布装置では、ノズルの開閉のいずれかの動作にスプリングの付勢力を利用するため、ノズルの開閉動作の高速化に限界が生じている。
【0005】
そこで本発明は、ノズルの開閉を行うピストンロッドの動作を、ノズルを開とするときも、ノズルを閉とするときもロッド作動エアーによって行い、更に、吸気電磁弁によってロッド作動エアーを流入させるとともに、排気電磁弁によってロッド作動エアーを流出させることで、ノズルの開閉動作を高速に行うことができる液剤吐出装置及び液剤吐出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の液剤吐出装置は、液剤を吐出するノズル10と、前記ノズル10に前記液剤を供給する液剤供給路11と、前記ノズル10を開閉するピストンロッド20と前記ノズル10を開とする方向に前記ピストンロッド20を付勢するロッド付勢手段21と、前記ノズル10を閉とする方向に前記ピストンロッド20を付勢するピストンロッド作動空間22と、前記ピストンロッド作動空間22にロッド作動エアーを流入するロッド作動エアー流入路31と、前記ピストンロッド作動空間22から前記ロッド作動エアーを流出するロッド作動エアー流出路32とを備え、前記ロッド作動エアー流出路32を、前記ロッド作動エアー流入路31よりも流路断面を大きくした液剤吐出装置であって、前記ロッド作動エアー流入路31に接続する吸気電磁弁41と、前記ロッド作動エアー流出路32に接続する排気電磁弁42と、前記吸気電磁弁41及び前記排気電磁弁42を動作させる制御手段90とを有し、前記制御手段90によって、前記吸気電磁弁41を開動作させるとともに前記排気電磁弁42を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間22に前記ロッド作動エアーを流入させ、前記ロッド作動エアーを流入させることで前記ピストンロッド20を動作させて前記ノズル10を閉とし、前記排気電磁弁42を開動作させるとともに前記吸気電磁弁41を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間22から前記ロッド作動エアーを流出させ、前記ロッド作動エアーを流出させることで前記ピストンロッド20を動作させて前記ノズル10を開とすることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の液剤吐出装置において、前記ピストンロッド20の動作を規制するストッパピストン50と、前記ストッパピストン50を前記ピストンロッド20の方向に付勢するピストン付勢手段51と、前記ストッパピストン50を前記ピストン付勢手段51の方向に付勢するストッパピストン作動空間52と、前記ストッパピストン作動空間52にピストン作動エアーを流入するピストン作動エアー流入路33とを有し、前記ピストン作動エアー流入路33に前記ピストン作動エアーを流入させることで前記ストッパピストン50を前記ピストン付勢手段51の前記方向に移動させて前記ピストンロッド20が移動可能な状態とし、前記ピストン作動エアー流入路33への前記ピストン作動エアーの流入を停止することで前記ストッパピストン50によって前記ピストンロッド20を押圧して前記ノズル10を閉とすることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の液剤吐出装置において、前記制御手段90は、前記ピストンロッド作動空間22から前記ロッド作動エアーを流出させる動作では、前記吸気電磁弁41を開動作させた状態で前記排気電磁弁42を開動作させ、前記排気電磁弁42を開動作させた後に、前記吸気電磁弁41を閉動作させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液剤吐出装置において、前記制御手段90は、前記ピストンロッド作動空間22に前記ロッド作動エアーを流入させる動作では、前記排気電磁弁42を開動作させた状態で前記吸気電磁弁41を開動作させ、前記吸気電磁弁41を開動作させた後に、前記排気電磁弁42を閉動作させることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液剤吐出装置において、前記液剤供給路11、前記ピストンロッド作動空間22、前記ロッド作動エアー流入路31、及び前記ロッド作動エアー流出路32を形成するエアーシリンダー70の外形を直方体とし、前記直方体の一つの面に、前記ロッド作動エアー流入路31の吸気口と前記ロッド作動エアー流出路32の排気口とを配置することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項2に記載の液剤吐出装置において、前記ピストンロッド20には、前記ピストンロッド作動空間22の圧力を受けるロッドヘッド20aを有し、前記ストッパピストン50には、前記ストッパピストン作動空間52の圧力を受けるピストンヘッド50aを有し、前記ロッドヘッド20aを、前記ピストンヘッド50aよりも受圧面を小さくしたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項2又は請求項6に記載の液剤吐出装置において、前記ストッパピストン50の動作を規制するストロークアジャスタ60を設け、前記ストロークアジャスタ60によって前記ストッパピストン50の動作範囲を変更できることを特徴とする。
請求項8記載の本発明の液剤吐出方法は、液剤を吐出するノズル10と、前記ノズル10に前記液剤を供給する液剤供給路11と、前記ノズル10を開閉するピストンロッド20と前記ノズル10を開とする方向に前記ピストンロッド20を付勢するロッド付勢手段21と、前記ノズル10を閉とする方向に前記ピストンロッド20を付勢するピストンロッド作動空間22と、前記ピストンロッド作動空間22にロッド作動エアーを流入するロッド作動エアー流入路31と、前記ピストンロッド作動空間22から前記ロッド作動エアーを流出するロッド作動エアー流出路32とを備え、前記ロッド作動エアー流出路32を、前記ロッド作動エアー流入路31よりも流路断面を大きくした液剤吐出方法であって、前記ロッド作動エアー流入路31に接続する吸気電磁弁41と、前記ロッド作動エアー流出路32に接続する排気電磁弁42と、前記吸気電磁弁41及び前記排気電磁弁42を動作させる制御手段90とを有し、前記制御手段90によって、前記吸気電磁弁41を開動作させるとともに前記排気電磁弁42を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間22に前記ロッド作動エアーを流入させ、前記ロッド作動エアーを流入させることで前記ピストンロッド20を動作させて前記ノズル10を閉とし、前記排気電磁弁42を開動作させるとともに前記吸気電磁弁41を閉動作させることで前記ピストンロッド作動空間22から前記ロッド作動エアーを流出させ、前記ロッド作動エアーを流出させることで前記ピストンロッド20を動作させて前記ノズル10を開とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液剤吐出装置によれば、ロッド作動エアーを流入させることでピストンロッドを動作させてノズルを閉とするため、スプリングなどの付勢手段によってノズルを閉とする場合と比較して、ノズルを閉とする動作を迅速に安定して行うことができる。
また本発明の液剤吐出装置によれば、吸気電磁弁によってロッド作動エアーを流入させるとともに、排気電磁弁によってロッド作動エアーを流出させるため、ノズルの開閉動作を高速に行うことができる。
また本発明の液剤吐出方法によれば、吸気電磁弁によってロッド作動エアーを流入させるとともに、排気電磁弁によってロッド作動エアーを流出させるため、ノズルの開閉動作を高速に行うことができ、液剤の吐出の間欠時間を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による液剤吐出装置の停止状態における側断面概念図
図2】同液剤吐出装置の吸気工程における側断面概念図
図3】同液剤吐出装置の排気工程における側断面概念図
図4】本実施例及び比較例による排気工程と吸気工程とのタイミングチャートを示す図
図5】本実施例による液剤吐出装置におけるエアーシリンダー内におけるロッド作動エアー流入路とロッド作動エアー流出路との配置を示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による液剤吐出装置は、ロッド作動エアー流出路を、ロッド作動エアー流入路よりも流路断面を大きくし、ロッド作動エアー流入路に接続する吸気電磁弁と、ロッド作動エアー流出路に接続する排気電磁弁と、吸気電磁弁及び排気電磁弁を動作させる制御手段とを有し、制御手段によって、吸気電磁弁を開動作させるとともに排気電磁弁を閉動作させることでピストンロッド作動空間にロッド作動エアーを流入させ、ロッド作動エアーを流入させることでピストンロッドを動作させてノズルを閉とし、排気電磁弁を開動作させるとともに吸気電磁弁を閉動作させることでピストンロッド作動空間からロッド作動エアーを流出させ、ロッド作動エアーを流出させることでピストンロッドを動作させてノズルを開とするものである。
本実施の形態によれば、ロッド作動エアーを流入させることでピストンロッドを動作させてノズルを閉とするため、スプリングなどの付勢手段によってノズルを閉とする場合と比較して、ノズルを閉とする動作を迅速に安定して行うことができる。
また、本実施の形態によれば、吸気電磁弁によってロッド作動エアーを流入させるとともに、排気電磁弁によってロッド作動エアーを流出させるため、ノズルの開閉動作を更に高速に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、ロッド作動エアーを流出しやすくすることで、ノズルを開とする動作を高速に行うことができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による液剤吐出装置において、ピストンロッドの動作を規制するストッパピストンと、ストッパピストンをピストンロッドの方向に付勢するピストン付勢手段と、ストッパピストンをピストン付勢手段の方向に付勢するストッパピストン作動空間と、ストッパピストン作動空間にピストン作動エアーを流入するピストン作動エアー流入路とを有し、ピストン作動エアー流入路にピストン作動エアーを流入させることでストッパピストンをピストン付勢手段の方向に移動させてピストンロッドが移動可能な状態とし、ピストン作動エアー流入路へのピストン作動エアーの流入を停止することでストッパピストンによってピストンロッドを押圧してノズルを閉とするものである。
本実施の形態によれば、装置の停止時にノズルからの液だれを防止できる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による液剤吐出装置において、制御手段は、ピストンロッド作動空間からロッド作動エアーを流出させる動作では、吸気電磁弁を開動作させた状態で排気電磁弁を開動作させ、排気電磁弁を開動作させた後に、吸気電磁弁を閉動作させるものである。
本実施の形態によれば、吸気電磁弁を開動作させた状態で排気電磁弁を開動作させることで、ロッド作動エアーの流出流れを生じさせることができ、ピストンロッド作動空間の減圧時間を短縮でき、ノズルを開とする動作を高速に行うことができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による液剤吐出装置において、制御手段は、ピストンロッド作動空間にロッド作動エアーを流入させる動作では、排気電磁弁を開動作させた状態で吸気電磁弁を開動作させ、吸気電磁弁を開動作させた後に、排気電磁弁を閉動作させるものである。
本実施の形態によれば、排気電磁弁を開動作させた状態で吸気電磁弁を開動作させることで、ロッド作動エアーの流入流れを生じさせることができ、ピストンロッド作動空間の昇圧時間を短縮でき、ノズルを閉とする動作を高速に行うことができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による液剤吐出装置において、液剤供給路、ピストンロッド作動空間、ロッド作動エアー流入路、及びロッド作動エアー流出路を形成するエアーシリンダーの外形を直方体とし、直方体の一つの面に、ロッド作動エアー流入路の吸気口とロッド作動エアー流出路の排気口とを配置するものである。
本実施の形態によれば、吸気電磁弁と排気電磁弁とをエアーシリンダーの一つの面に併設できるため、装置外形を小さくすることができる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第2の実施の形態による液剤吐出装置において、ピストンロッドには、ピストンロッド作動空間の圧力を受けるロッドヘッドを有し、ストッパピストンには、ストッパピストン作動空間の圧力を受けるピストンヘッドを有し、ロッドヘッドを、ピストンヘッドよりも受圧面を小さくしたものである。
本実施の形態によれば、ピストンロッドを小さく構成できるため、ピストンロッドの慣性力を小さくでき、ノズルの開閉動作を高速に行うことができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第2又は第6の実施の形態による液剤吐出装置において、ストッパピストンの動作を規制するストロークアジャスタを設け、ストロークアジャスタによってストッパピストンの動作範囲を変更できるものである。
本実施の形態によれば、ストッパピストンの動作範囲を変更することでピストンロッドの動作範囲を変更でき、ピストンロッドの動作範囲を変更することで液剤の吐出量を変更できる。
【0016】
本発明の第8の実施の形態による液剤吐出方法は、ロッド作動エアー流出路を、ロッド作動エアー流入路よりも流路断面を大きくし、ロッド作動エアー流入路に接続する吸気電磁弁と、ロッド作動エアー流出路に接続する排気電磁弁と、吸気電磁弁及び排気電磁弁を動作させる制御手段とを有し、制御手段によって、吸気電磁弁を開動作させるとともに排気電磁弁を閉動作させることでピストンロッド作動空間にロッド作動エアーを流入させ、ロッド作動エアーを流入させることでピストンロッドを動作させてノズルを閉とし、排気電磁弁を開動作させるとともに吸気電磁弁を閉動作させることでピストンロッド作動空間からロッド作動エアーを流出させ、ロッド作動エアーを流出させることでピストンロッドを動作させてノズルを開とするものである。
本実施の形態によれば、ロッド作動エアーを流入させることでピストンロッドを動作させてノズルを閉とするため、スプリングなどの付勢手段によってノズルを閉とする場合と比較して、ノズルを閉とする動作を迅速に安定して行うことができる。
また、本実施の形態によれば、吸気電磁弁によってロッド作動エアーを流入させるとともに、排気電磁弁によってロッド作動エアーを流出させるため、ノズルの開閉動作を更に高速に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、ロッド作動エアーを流出しやすくすることで、ノズルを開とする動作を高速に行うことができる。
【実施例
【0017】
以下本発明の一実施例による液剤吐出装置について説明する。
図1から図3は本実施例による液剤吐出装置を示す側断面概念図であり、図1は同液剤吐出装置の停止状態における側断面概念図、図2は同液剤吐出装置の吸気工程における側断面概念図、図3は同液剤吐出装置の排気工程における側断面概念図である。
【0018】
本実施例による液剤吐出装置は、液剤を吐出するノズル10と、ノズル10に液剤を供給する液剤供給路11と、ノズル10を開閉するピストンロッド20と、ノズル10を開とする方向にピストンロッド20を付勢するロッド付勢手段21と、ノズル10を閉とする方向にピストンロッド20を付勢するピストンロッド作動空間22と、ピストンロッド作動空間22にロッド作動エアーを流入するロッド作動エアー流入路31と、ピストンロッド作動空間22からロッド作動エアーを流出するロッド作動エアー流出路32とを備えている。
ロッド作動エアー流入路31の流入口31aには吸気電磁弁41が接続され、ロッド作動エアー流出路32の流出口32aには排気電磁弁42が接続されている。
【0019】
また本実施例による液剤吐出装置は、ピストンロッド20の動作を規制するストッパピストン50と、ストッパピストン50をピストンロッド20の方向に付勢するピストン付勢手段51と、ストッパピストン50をピストン付勢手段51の方向に付勢するストッパピストン作動空間52と、ストッパピストン作動空間52にピストン作動エアーを流入するピストン作動エアー流入路33とを有している。
また本実施例による液剤吐出装置は、ストッパピストン50の動作を規制するストロークアジャスタ60を設けている。
ストッパピストン50の動作範囲は、ストロークアジャスタ60によって変更できる。
ストッパピストン50の動作範囲をストロークアジャスタ60で変更することでピストンロッド20の動作範囲を変更でき、ピストンロッド20の動作範囲を変更することで液剤の吐出量を変更できる。
【0020】
エアーシリンダー70は、液剤供給路11、ピストンロッド作動空間22、ロッド作動エアー流入路31、ロッド作動エアー流出路32、ストッパピストン作動空間52、及びピストン作動エアー流入路33を形成する。
ノズル10の外周にはヒータブロック80を取り付けることが好ましい。ヒータブロック80によってノズル10を所定の温度に維持することで、ノズル10から吐出される液剤の粘性を一定とすることができるため、液剤の吐出量を一定にできる。
吸気電磁弁41及び排気電磁弁42は制御手段90によって動作する。
ロッド作動エアー流出路32は、ロッド作動エアー流入路31よりも流路断面を大きくしている。ロッド作動エアー流入路31よりもロッド作動エアー流出路32の流路断面を大きくすることで、ロッド作動エアーが流出しやすく、ノズル10を開とする動作を高速に行うことができる。
ロッド付勢手段21及びピストン付勢手段51には、例えばコイルスプリングを用いることができる。ピストン付勢手段51は、ロッド付勢手段21よりも大きな付勢力としている。
【0021】
ピストン付勢手段51は、ロッド付勢手段21よりも大きな付勢力としているため、図1に示すように、液剤吐出装置の停止状態、すなわち、液剤吐出装置に対する圧縮エアーの供給がなされていない状態では、ピストンロッド20は、ストッパピストン50によって押圧され、ノズル10はピストンロッド20によって閉とされている。
このように、ピストン作動エアー流入路33へのピストン作動エアーの流入が停止している状態では、ストッパピストン50によってピストンロッド20を押圧してノズル10を閉とすることで、液剤吐出装置の停止時にノズル10からの液だれを防止できる。
【0022】
ピストンロッド20には、ピストンロッド作動空間22の圧力を受けるロッドヘッド20aを有し、ストッパピストン50には、ストッパピストン作動空間52の圧力を受けるピストンヘッド50aを有している。
ロッドヘッド20aは、ピストンヘッド50aよりも受圧面を小さくしている。
ピストンヘッド50aよりもロッドヘッド20aの受圧面を小さくすることで、ピストンロッド20を小さく構成できるため、ピストンロッド20の慣性力を小さくでき、ノズル10の開閉動作を高速に行うことができる。
【0023】
図1は同液剤吐出装置の停止状態を示している。
同液剤吐出装置の停止状態では、圧縮エアーの供給はなく、吸気電磁弁41及び排気電磁弁42はオフ(閉状態)となっている。
ストッパピストン50は、ストッパピストン作動空間52への圧縮エアーの供給が無いため、ピストン付勢手段51によって付勢され、ピストンロッド20を押圧している。従って、ピストンロッド20はノズル10を閉としている。
図1に示す停止状態において、制御手段90によって圧縮エアーの供給を開始し、吸気電磁弁41を開動作させることで図2に示すように動作して待機状態となる。
図2の待機状態では、制御手段90は吸気電磁弁41をオンとし、排気電磁弁42をオンすることなくオフ状態を維持している。
圧縮エアーの供給を開始することで、ピストン作動エアー流入路33にピストン作動エアーが流入することでストッパピストン50はピストン付勢手段51の方向に移動し、ピストンロッド20が移動可能な状態となる。
一方、吸気電磁弁41が開動作され、排気電磁弁42は閉動作であるため、ピストンロッド作動空間22にはロッド作動エアーが流入する。ピストンロッド作動空間22にロッド作動エアーを流入させることでピストンロッド20はノズル10を押圧するため、ノズル10を閉としている。
【0024】
図2に示す待機状態において、制御手段90によって、排気電磁弁42を開動作させ、吸気電磁弁41を閉動作させることで図3に示すように動作して排気状態となる。
図3の排気状態では、制御手段90は排気電磁弁42をオン(開状態)とし、吸気電磁弁41をオフ(閉状態)としている。
ピストン作動エアー流入路33にピストン作動エアーを流入させ、ストッパピストン作動空間52に圧縮エアーの供給を維持することで、ストッパピストン50はピストン付勢手段51の方向に移動した状態を維持している。
一方、排気電磁弁42が開動作され、吸気電磁弁41は閉動作させることでピストンロッド作動空間22からロッド作動エアーが流出する。ピストンロッド作動空間22からロッド作動エアーを流出させることでピストンロッド20はロッド付勢手段21によって動作してノズル10を開とする。
【0025】
図3は、排気工程を示しており、排気工程では、排気電磁弁42を開動作させるとともに吸気電磁弁41を閉動作させることでピストンロッド作動空間22からロッド作動エアーを流出させ、ロッド作動エアーを流出させることでピストンロッド20を動作させてノズル10を開とし、ピストンロッド20でノズル10を開とすることでノズル10に液剤を導く。
図3に示す排気工程の後に吸気工程を行う。吸気工程は図2に示す待機状態と同じ状態となる。
すなわち、吸気工程では、吸気電磁弁41を開動作させるとともに排気電磁弁42を閉動作させることでピストンロッド作動空間22にロッド作動エアーを流入させ、ロッド作動エアーを流入させることでピストンロッド20を動作させてノズル10を閉とし、ノズル10を閉とする動作でノズル10から液剤を吐出する。
本実施例による液剤吐出装置は、図2に示す吸気工程の後に、再び図3に示す排気工程を行い、吸気工程と排気工程とを繰り返す。排気工程でノズル10に導いた液剤を、吸気工程におけるピストンロッド20の閉動作で吐出させ、その後排気工程で液剤をノズル10に導き、ノズル10に導いた液剤を再び吸気工程で吐出させるという動作を繰り返すことで間欠的に液剤を吐出させることができる。
【0026】
なお、図3に示す排気工程、すなわち、ピストンロッド作動空間22からロッド作動エアーを流出させる動作では、制御手段90は、吸気電磁弁41を開動作させた状態で排気電磁弁42を開動作させ、排気電磁弁42を開動作させた後に、吸気電磁弁41を閉動作させる。
このように、吸気電磁弁41を開動作させた状態で排気電磁弁42を開動作させることで、ロッド作動エアーの流出流れを生じさせることができ、ピストンロッド作動空間22の減圧時間を短縮でき、ノズル10を開とする動作を高速に行うことができる。
また、排気工程の後に行う吸気工程、すなわち、ピストンロッド作動空間22にロッド作動エアーを流入させる動作では、制御手段90は、排気電磁弁42を開動作させた状態で吸気電磁弁41を開動作させ、吸気電磁弁41を開動作させた後に、排気電磁弁42を閉動作させる。
このように、排気電磁弁42を開動作させた状態で吸気電磁弁41を開動作させることで、ロッド作動エアーの流入流れを生じさせることができ、ピストンロッド作動空間22の昇圧時間を短縮でき、ノズル10を閉とする動作を高速に行うことができる。
【0027】
図4は、本実施例及び比較例による排気工程と吸気工程とのタイミングチャートを示す図である。
本実施例では、電磁弁Aを吸気電磁弁41とし、電磁弁Bを排気電磁弁42として用いたもの、比較例(破線)では、電磁弁Aだけを用い、電磁弁Aを、吸排気を行う電磁弁としたものである。
図4(a)は電磁弁Aと電磁弁Bの動作タイミングを示し、ONは開動作状態、OFFは閉動作状態を示している。図4(b)は縦軸をピストンロッド作動空間22の圧力、横軸を時間としている。P0は大気圧、P1はピストンロッド20が動作を開始する圧力、P2は規定の圧力を示している。
【0028】
図4では、時刻T0~時刻T1までが待機状態又は吸気工程(図2参照)、時刻T1~時刻T7までが排気工程(図3参照)、時刻T7以降が吸気工程である。
時刻T1までは、電磁弁A(吸気電磁弁41)は開、電磁弁B(排気電磁弁42)は閉の状態である。
そして、時刻T1で電磁弁B(排気電磁弁42)を開とし、時刻T2で電磁弁A(吸気電磁弁41)を閉としている。
また、時刻T7で電磁弁A(吸気電磁弁41)を開とし、時刻T8で電磁弁B(排気電磁弁42)を閉としている。
本実施例による排気工程(時刻T1~時刻T7)では、時刻T1で排気を開始し、時刻T3でピストンロッド20がノズル10を開とする方向に移動し始め、時刻T4で所定の減圧値P0に到達する。
これに対して電磁弁Aだけを動作させる比較例による排気工程では、時刻T2で排気を開始し、時刻T5でピストンロッド20がノズル10を開とする方向に移動し始め、時刻T6で所定の減圧値P0に到達する。
本実施例による排気工程では、吸気電磁弁41を開動作させた状態で排気電磁弁42を開動作させる事前排気工程(時刻T1~時刻T2)と、排気電磁弁42を開動作させた状態で吸気電磁弁41を閉状態とする本排気工程(時刻T2~時刻T7)とを有する。
時刻T1から時刻T2までの事前排気工程では、吸気電磁弁41をONとした状態で排気電磁弁42をONとすることで、ロッド作動エアーの流出速度が上がり、排気時間(時刻T1~時刻T3)が短くなる。
従って、事前排気工程によってロッド作動エアーの流出流れを生じさせて減圧することができ、ロッド作動エアーの流出流れをあらかじめ生じさせることで排気工程におけるピストンロッド作動空間22の減圧時間(時刻T1~時刻T4)を短縮でき、液剤の吐出の間欠時間を短くできる。
【0029】
本実施例による吸気工程(時刻T7以降)は、時刻T7で吸気を開始し、時刻T9でピストンロッド20がノズル10を閉とする方向に移動し始め、時刻T11で所定の昇圧値P2に到達する。
これに対して電磁弁Aだけを動作させる比較例による排気工程では、時刻T7で吸気を開始し、時刻T10でピストンロッド20がノズル10を閉とする方向に移動し始め、時刻T12で所定の昇圧値P2に到達する。
本実施例による吸気工程では、排気電磁弁42を開動作させた状態で吸気電磁弁41を開動作させる事前吸気工程(時刻T7~時刻T8)と、吸気電磁弁41を開動作させた状態で排気電磁弁42を閉状態とする本吸気工程(時刻T8以降)とを有する。
時刻T7から時刻T8までの事前吸気工程では、排気電磁弁42をONとした状態で吸気電磁弁41をONとすることで、ロッド作動エアーの流入速度が上がり、吸入時間(時刻T7~時刻T9)が短くなる。
従って、事前吸気工程によってロッド作動エアーの流入流れを生じさせて昇圧することができ、ロッド作動エアーの流入流れをあらかじめ生じさせることで吸気工程におけるピストンロッド作動空間22の昇圧時間(時刻T7~時刻T11)を短縮でき、液剤の吐出の間欠時間を短くできる。
【0030】
図5は、本実施例による液剤吐出装置におけるエアーシリンダー内におけるロッド作動エアー流入路とロッド作動エアー流出路との配置を示す構成図である。
図5(a)では、外形を直方体としたエアーシリンダー70の一方の面にロッド作動エアー流入路31の流入口31aを、一方の面に対して対向する面にロッド作動エアー流出路32の流出口32aを配置している。ロッド作動エアー流入路31とロッド作動エアー流出路32とはピストンロッド作動空間22を挟んで直線上に配置されている。
流入口31aには、取付材71を介して吸気電磁弁41が取り付けられ、流出口32aには、取付材72を介して排気電磁弁42が取り付けられている。
すなわち、吸気電磁弁41はエアーシリンダー70の一方の面に配置され、排気電磁弁42はエアーシリンダー70の他方の面に配置される。
このように、ロッド作動エアー流入路31とロッド作動エアー流出路32とを直線上に配置することで、ロッド作動エアー流れの流路抵抗を少なくできる。
【0031】
図5(b)では、外形を直方体としたエアーシリンダー70の一方の面にロッド作動エアー流入路31の流入口31aとロッド作動エアー流出路32の流出口32aとを配置している。
流入口31aには、取付材73を介して吸気電磁弁41が取り付けられ、流出口32aには、取付材73を介して排気電磁弁42が取り付けられている。
このように、エアーシリンダー70の一方の面に流入口31aと流出口32aとを配置することで、吸気電磁弁41と排気電磁弁42とをエアーシリンダー70の一つの面に併設できるため、装置外形を小さくすることができる。
【0032】
本実施例によれば、ロッド作動エアーを流入させることでピストンロッド20を動作させてノズル10を閉とするため、スプリングなどの付勢手段によってノズル10を閉とする場合と比較して、ノズル10を閉とする動作を迅速に安定して行うことができる。
また、本実施例によれば、吸気電磁弁41によってロッド作動エアーを流入させるとともに、排気電磁弁42によってロッド作動エアーを流出させるため、ノズル10の開閉動作を高速に行うことができる。
このように、本発明によれば、液剤の吐出の間欠時間を短くできる。
なお、本実施例では、ロッド付勢手段21でノズル10を開とする方向にピストンロッド20を付勢する構成で説明したが、ロッド付勢手段21でノズル10を閉とする方向にピストンロッド20を付勢する構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、液剤として、例えば、アンダーフィル、防湿コーティング剤、UV接着剤、グリス、オイル、銀ペースト、塗料、インク、プライマー、溶剤を用いることができ、これらの液剤を高速で間欠吐出させることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 ノズル
11 液剤供給路
20 ピストンロッド
20a ロッドヘッド
21 ロッド付勢手段
22 ピストンロッド作動空間
31 ロッド作動エアー流入路
31a 流入口
32 ロッド作動エアー流出路
32a 流出口
33 ピストン作動エアー流入路
41 吸気電磁弁
42 排気電磁弁
50 ストッパピストン
50a ピストンヘッド
51 ピストン付勢手段
52 ストッパピストン作動空間
60 ストロークアジャスタ
70 エアーシリンダー
71、72、73 取付材
80 ヒータブロック
90 制御手段
A、B 電磁弁
T1~T12 時刻
図1
図2
図3
図4
図5