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特許7506397可視化システム、可視化方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】可視化システム、可視化方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020099314
(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公開番号】P2021192720
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】田川 憲男
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/029460(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0148894(US,A1)
【文献】Chuan Chen, et al.,Improved Plane-Wave Ultrasound Beamforming by Incorporating Angular Weighting and Coherent Compounding in Fourier Domain,IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS AND FREQUENCY CONTROL,2018年,VOL.65, NO.5,749-765
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視化の対象である可視化対象の画像を生成する可視化システムであって、
複数種類の放射角の中から選ばれる特定の放射角と複数種類の周波数から選ばれる特定の周波数の組み合わせを要素として備える複数種類の平面波を前記可視化対象を含む空間に順に放射する放射源により前記空間に放射された前記平面波が前記空間中の散乱体又は反射体によって反射又は散乱された結果であるエコー波を検出する複数の検出部の検出結果を示す検出信号を前記検出部毎に取得する検出信号取得部と、
前記検出信号と、前記検出信号を生成した前記平面波が放射されたタイミングと前記検出信号を検出した前記検出部とを示す検出情報と、前記検出信号を生成した前記平面波の種類を示す放射情報と、に基づき、要素が前記放射角と前記周波数と前記検出部との組ごとに前記検出信号の同相成分と直交成分とを表す解析信号を示す値である解析信号値を有する3階伝搬テンソルを取得する3階伝搬テンソル取得部と、
大きさが所定の値であって方向が放射角の表す方向である波数ベクトルを有する前記平面波が予め定められた所定のパルス状の波の形成に寄与する割合を示す放射角重みと、方向が所定の方向であって大きさが周波数に比例する波数ベクトルを有する前記平面波が前記パルス状の波の形成に寄与する割合を示す周波数重みと、を用いて前記3階伝搬テンソルの放射角方向又は周波数方向の一方の方向に前記3階伝搬テンソルを縮約したのち他方の方向に縮約を行う縮約部と、
前記縮約部の縮約の結果に基づき前記画像の1ピクセルの輝度値を取得する輝度値取得部と、
を備える可視化システム。
【請求項2】
前記平面波は、超音波の平面波である、
請求項1に記載の可視化システム。
【請求項3】
可視化の対象である可視化対象の画像を生成する可視化方法であり、複数種類の放射角の中から選ばれる特定の放射角と複数種類の周波数から選ばれる特定の周波数の組み合わせを要素として備える複数種類の平面波を前記可視化対象を含む空間に順に放射する放射源により前記空間に放射された前記平面波が前記空間中の散乱体又は反射体によって反射又は散乱された結果であるエコー波を検出する複数の検出部の検出結果を示す検出信号を前記検出部毎に取得する検出信号取得部を備える可視化システムが実行する可視化方法であって、
前記検出信号と、前記検出信号を生成した前記平面波が放射されたタイミングと前記検出信号を検出した前記検出部とを示す検出情報と、前記検出信号を生成した前記平面波の種類を示す放射情報と、に基づき、要素が前記放射角と前記周波数と前記検出部との組ごとに前記検出信号の同相成分と直交成分とを表す解析信号を示す値である解析信号値を有する3階伝搬テンソルを取得する3階伝搬テンソル取得ステップと、
大きさが所定の値であって方向が放射角の表す方向である波数ベクトルを有する前記平面波が予め定められたパルス状の波の形成に寄与する割合を示す放射角重みと、方向が所定の方向であって大きさが周波数に比例する波数ベクトルを有する前記平面波が前記パルス状の波の形成に寄与する割合を示す周波数重みと、を用いて前記3階伝搬テンソルの放射角方向又は周波数方向の一方の方向に前記3階伝搬テンソルを縮約したのち他方の方向に縮約を行う縮約ステップと、
前記縮約ステップの縮約の結果に基づき前記画像の1ピクセルの輝度値を取得する輝度値取得ステップと、
を有する可視化方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の可視化システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視化システム、可視化方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波を用いて対象の画像を生成する超音波可視化の技術がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Nghia Q. Nguyen and Richard W. Prager, “A Spatial Coherence Approach to Minimum Variance Beamforming for Plane-Wave Compounding”, IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL, VOL. 65, NO. 4, APRIL 2018.
【文献】Francois Vignon and Michael R. Burcher, “Capon Beamforming in Medical Ultrasound Imaging with Focused Beams”, IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL, VOL. 55, NO. 3, MARCH 2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、生体を外部のトランスデューサによって可視化可能な周波数帯の波長の超音波は可視化対象の生体の大きさに比べて波長が長い場合があった。また、超音波を用いて生体を可視化する場合、トランスデューサや生体の周波数特性に起因する波形の歪みが画像に生じる場合もあった。このように可視化の対象の大きさや物性値、トランスデューサの性能に依存して従来の可視化の技術では充分な分解能を得られない場合があった。またこのような問題は超音波に限らず、音波や電磁波等の波を用いた可視化の技術に共通する課題であった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、波を用いた可視化における分解能を向上させる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
可視化の対象である可視化対象の画像を生成する可視化システムであって、
複数種類の放射角の中から選ばれる特定の放射角と複数種類の周波数から選ばれる特定の周波数の組み合わせを要素として備える複数種類の平面波を前記可視化対象を含む空間に順に放射する放射源により前記空間に放射された前記平面波が前記空間中の散乱体又は反射体によって反射又は散乱された結果であるエコー波を検出する複数の検出部の検出結果を示す検出信号を前記検出部毎に取得する検出信号取得部と、
前記検出信号と、前記検出信号を生成した前記平面波が放射されたタイミングと前記検出信号を検出した前記検出部とを示す検出情報と、前記検出信号を生成した前記平面波の種類を示す放射情報と、に基づき、要素が前記放射角と前記周波数と前記検出部との組ごとに前記検出信号の同相成分と直交成分とを表す解析信号を示す値である解析信号値を有する3階伝搬テンソルを取得する3階伝搬テンソル取得部と、
大きさが所定の値であって方向が放射角の表す方向である波数ベクトルを有する前記平面波が予め定められた所定のパルス状の波の形成に寄与する割合を示す放射角重みと、方向が所定の方向であって大きさが周波数に比例する波数ベクトルを有する前記平面波が前記パルス状の波の形成に寄与する割合を示す周波数重みと、を用いて前記3階伝搬テンソルの放射角方向又は周波数方向の一方の方向に前記3階伝搬テンソルを縮約したのち他方の方向に縮約を行う縮約部と、
前記縮約部の縮約の結果に基づき前記画像の1ピクセルの輝度値を取得する輝度値取得部と、
を備える可視化システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、波を用いた可視化における分解能を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の可視化システム100の概要を説明する説明図。
図2】実施形態における可視化装置2の機能構成の一例を示す図。
図3】実施形態における制御部20の機能構成の一例を示す図。
図4】実施形態における可視化システム100が実行する輝度値取得単位処理の流れの一例を示すフローチャート。
図5】実施形態の可視化システム100によって得られた目的画像の一例を示す図。
図6】実施形態の可視化システム100によって得られた目的画像の断面の強度分布の一例を示す図。
図7】実施形態の可視化システム100による可視化の方法を含む複数の方法によって生成された画像のSNRの一例を示す図。
図8】実施形態の可視化システム100による可視化の方法を含む複数の方法によって生成された画像の距離方向の分解能と方位方向の分解能との一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態の可視化システム100の概要を説明する説明図である。以下説明の簡単のため超音波による可視化を例に可視化システム100を説明するが、可視化は必ずしも超音波を用いて行われる必要はなく音波や電磁波等の超音波以外の波を用いて行われてもよい。
【0010】
可視化システム100は、可視化の対象(以下「可視化対象901」という。)の画像(以下「目的画像」という。)を生成する。可視化システム100は、フェーズドアレイ1、可視化装置2及び駆動部3を備える。フェーズドアレイ1は、直線状又は円環状等のアレイ状に配置された複数の超音波振動素子101を備えるフェーズドアレイである。超音波振動素子101は、超音波振動素子である。フェーズドアレイ1は、複数の超音波振動素子101を用いて、放射角又は周波数の異なる(すなわち波数ベクトルkの異なる)複数種類の平面波を所定の順に放射する。以下、フェーズドアレイ1が放射する平面波を放射平面波という。
【0011】
各超音波振動素子101は、放射平面波が放射された空間中の散乱体又は反射体によって放射平面波が散乱又は反射された結果の波(以下「エコー波」という。)を検出する。反射体は超音波を反射する物質である。散乱体又は反射体は、例えば可視化対象901である。エコー波を検出するとは、エコー波を、エコー波の振幅の時間変化を表す電気信号(以下「検出信号」という。)に変換することを意味する。以下説明の簡単のため、エコー波の振幅の時間変化を表す検出信号のことを単に、エコー波を表す検出信号という。検出信号は、エコー波の振幅の時間変化を表す電気信号であるため、超音波振動素子101によるエコー波の検出結果を示す信号である。
【0012】
フェーズドアレイ1は、放射モードの動作と検出モードの動作とを順番に繰り返す。放射モードは、所定の波数ベクトルkの放射平面波を放射する動作モードである。各放射モードでは、波数ベクトルkの違い(すなわち放射角Θ又は角周波数ωの違い)で分類される予め定められた所定の種類(以下「予定種類」という。)の放射平面波のうち放射されていない1種類の放射平面波が放射される。検出モードは、エコー波を検出する動作モードである。検出モードで検出されるエコー波は直前の放射モードで放射された放射平面波が散乱又は反射された超音波である。すなわち、検出モードで検出されるエコー波は直前の放射モードで放射された放射平面波によって生成された超音波である。
【0013】
図1の説明図P1は、予定種類の放射平面波の具体例を示す。説明図P1が示す予定種類の放射平面波の1つは、放射角が(-5)°の放射平面波である。説明図P1が示す予定種類の放射平面波の1つは、放射角が0°の放射平面波である。説明図P1が示す予定種類の放射平面波の1つは、放射角が(+5)°の放射平面波である。
【0014】
フェーズドアレイ1は、放射モードの動作と検出モードの動作との繰り返しが予定種類の数だけ実行されるまで放射モードの動作と検出モードの動作とを繰り返す。このようにしてフェーズドアレイ1は、超音波振動素子101の数と予定種類の数との積の数だけの検出信号を生成する。以下、フェーズドアレイ1が生成した検出信号の集合であって超音波振動素子101の数と予定種類の数との積の数だけの検出信号の集合を検出信号群という。
【0015】
フェーズドアレイ1は有限の大きさであるため、放射モードで放射される放射平面波が伝搬する空間の広さは有限である。以下、放射モードで放射される複数種類の放射平面波のうち少なくとも1種類の放射平面波が伝搬する範囲を走査範囲という。可視化対象901は走査範囲内に位置する。
【0016】
可視化装置2は、フェーズドアレイ1によって生成された検出信号群を受信する。また、可視化装置2は、検出信号群の各検出信号について生成された検出モードのタイミングと検出した超音波振動素子101とを示す情報(以下「検出情報」という。)を、フェーズドアレイ1から取得する。検出情報が超音波振動素子101を示すとは、検出情報が超音波振動素子101の識別子(以下「検出素子識別子」という。)を示すことを意味する。また、可視化装置2は、各放射モードにおいて放射された放射平面波の種類を示す情報(以下「放射情報」という。)を取得する。
【0017】
可視化装置2は、検出信号群、検出情報及び放射情報に基づき3階伝搬テンソルを生成する。3階伝搬テンソルは、要素が放射角と周波数と超音波振動素子101の識別子との組ごとに解析信号を示す値(以下「解析信号値」という。)を有する3階のテンソルである。
【0018】
解析信号は、検出信号の同相成分と直交成分とを表す信号である。解析信号は、例えば検出信号にヒルベルト変換を行うことで取得される。ヒルベルト変換は、信号をヒルベルトフィルタに通す処理である。そのため、解析信号値は、検出信号の同相成分と直交成分とを表す値である。解析信号値は例えば同相成分を実部、直交成分を虚部とする複素数である。解析信号値は、具体的には検出信号の強度と位相(余弦成分と正弦成分の割合)ある。
【0019】
可視化装置2は、波数方向縮約処理を実行する。波数方向縮約処理は、3階伝搬テンソルに基づき、各超音波振動素子101について、走査範囲内の可視化対象901に所定の仮想的なパルス状の波(以下「仮想パルス波」という。)が照射された場合に取得される解析信号を取得する処理である。
【0020】
波数方向縮約処理は、例えば第1種放射角方向重み取得処理、第1種放射角方向縮約処理、第1種周波数方向重み取得処理及び第1種周波数方向縮約処理を含む。
【0021】
第1種放射角方向重み取得処理は、3階伝搬テンソルを放射角方向に縮約する際の各要素の重み(以下「第1種放射角重み」という。)を取得する処理である。第1種放射角重みは、より具体的には、大きさが第1の所定の値であって方向が放射角の表す方向である波数ベクトルを有する平面波が、予め定められた所定の波形を有するパルス波の形成に寄与する割合、である。第1種放射角重みは、例えば最小分散法等の受信ビームフォーマの技術(非特許文献1及び2参照)を用いて取得される。可視化(画像化)における受信ビームフォーマとは、受信された検出信号を利用した計算により可視化対象の画像情報を得ることある。
【0022】
第1種放射角方向縮約処理は、第1種放射角重みを3階伝搬テンソルの各要素の値に乗算した後、放射角方向の平均値(以下「第1種前段縮約値」という。)を算出する処理である。第1種放射角方向縮約処理により3階伝搬テンソルは、要素の値が周波数と検出素子識別子との組ごとに第1種前段縮約値を示す2階テンソル(以下「第1種2階伝搬テンソル」という。)に変換される。
【0023】
第1種周波数方向重み取得処理は、第1種2階伝搬テンソルを周波数方向に縮約する際の各要素の重み(以下「第1種周波数重み」という。)を取得する処理である。第1種周波数重みは、より具体的には、方向が第1の所定の方向であって大きさが周波数に比例する波数ベクトルを有する平面波が、予め定められた所定の波形を有するパルス波の形成に寄与する割合、である。第1種周波数重みは、例えば最小分散法等のビームフォーマの技術を用いて取得される。
【0024】
第1種周波数方向縮約処理は、第1種周波数重みを第1種2階伝搬テンソルの各要素の値に乗算した後、周波数方向の平均値(以下「第1種後段縮約値」という。)を算出する処理である。第1種周波数方向縮約処理により第1種2階伝搬テンソルは、要素の値が超音波振動素子101ごとに第1種後段縮約値を示す1階のテンソル(すなわちベクトル)に変換される。
【0025】
以下、第1種放射角方向重み取得処理、第1種放射角方向縮約処理、第1種周波数方向重み取得処理及び第1種周波数方向縮約処理を含む波数方向縮約処理を第1種波数方向縮約処理という。
【0026】
波数方向縮約処理は、例えば第2種周波数方向重み取得処理、第2種周波数方向縮約処理、第2種放射角方向重み取得処理及び第2種放射角方向縮約処理を含む。
【0027】
第2種周波数方向重み取得処理は、3階伝搬テンソルを周波数方向に縮約する際の各要素の重み(以下「第2種周波数重み」という。)を取得する処理である。第2種周波数重みは、より具体的には、方向が第2の所定の方向であって大きさが周波数に比例する波数ベクトルを有する平面波が、予め定められた所定の波形を有するパルス波の形成に寄与する割合、である。第2種周波数重みは、例えば最小分散法等のビームフォーマの技術を用いて取得される。
【0028】
第2種周波数方向縮約処理は、第2種周波数重みを3階伝搬テンソルの各要素の値に乗算した後、周波数方向の平均値(以下「第2種前段縮約値」という。)を算出する処理である。第2種周波数方向縮約処理により3階伝搬テンソルは、要素の値が放射角と超音波振動素子101との組ごとに第2種前段縮約値を示す2階テンソル(以下「第2種2階伝搬テンソル」という。)に変換される。
【0029】
第2種放射角方向重み取得処理は、第2種2階伝搬テンソルを放射角方向に縮約する際の各要素の重み(以下「第2種放射角重み」という。)を取得する処理である。第2種放射角重みは、より具体的には、大きさが第2の所定の値であって方向が放射角の表す方向である波数ベクトルを有する平面波が、予め定められた所定の波形を有するパルス波の形成に寄与する割合、である。第2種放射角重みは、例えば最小分散法等のビームフォーマの技術を用いて取得される。
【0030】
第2種放射角方向縮約処理は、第2種放射角重みを第2種2階伝搬テンソルの各要素の値に乗算した後、放射角方向の平均値(以下「第2種後段縮約値」という。)を算出する処理である。第2種周波数方向縮約処理により第2種2階伝搬テンソルは、要素の値が超音波振動素子101ごとに第2種後段縮約値を示す1階のテンソル(すなわちベクトル)に変換される。
【0031】
以下、要素が超音波振動素子101ごとに第1種後段縮約値を示す1階のテンソルと、要素が超音波振動素子101ごとに第2種後段縮約値を示す1階のテンソルとを、統合ベクトルという。また、以下、第1種放射角重みと第2種放射角重みとを区別しない場合、放射角重みという。以下、第1種周波数重みと第2種周波数重みとを区別しない場合、周波数重みという。
【0032】
以下、第2種周波数方向重み取得処理、第2種周波数方向縮約処理、第2種放射角方向重み取得処理及び第2種放射角方向縮約処理を含む波数方向縮約処理を第2種波数方向縮約処理という。
【0033】
このように、波数方向縮約処理は、放射角重みと周波数重みとを用いて3階伝搬テンソルの放射角方向又は周波数方向の一方の方向に3階伝搬テンソルを縮約したのち他方の方向に縮約を行う処理である。
【0034】
可視化装置2は、波数方向縮約処理の実行後、取得された統合ベクトルを用いて輝度値取得処理を実行する。輝度値取得処理は、統合ベクトルと統合ベクトルの複素共役との内積の平方根に1対1に対応する値(以下「統合値」という。)を取得する処理である。統合値は、可視化装置2が形成する目的画像における1つのピクセルの輝度値である。
【0035】
可視化システム100では、フェーズドアレイ1の位置と可視化対象901の位置との相対位置が異なる複数の状況で統合値を取得する。複数の統合値の集合が可視化対象901の画像である。
【0036】
駆動部3はアクチュエータやシャフト等の駆動部品を備え、フェーズドアレイ1を移動させる。駆動部3は、例えば直動機構によってフェーズドアレイ1を移動させる。駆動部3の動作は、可視化装置2によって制御される。なお、駆動部3は、超音波振動素子101の駆動のタイミングを電子的に制御する(電子走査)することで送信方向を制御してもよい。
【0037】
図2は、実施形態における可視化装置2の機能構成の一例を示す図である。可視化装置2は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部20を備え、プログラムを実行する。可視化装置2は、プログラムの実行によって制御部20、入力部21、通信部22、記憶部23、出力部24及び接続部25を備える装置として機能する。より具体的には、プロセッサ91が記憶部23に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、可視化装置2は、制御部20、入力部21、通信部22、記憶部23、出力部24及び接続部25を備える装置として機能する。
【0038】
制御部20は、可視化装置2が備える各種機能部の動作を制御する。制御部20は、例えば波数方向縮約処理を実行する。また制御部20は、フェーズドアレイ1及び駆動部3の動作を制御する。
【0039】
入力部21は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部21は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースを含んで構成されてもよい。入力部21は、自装置に対する各種情報の入力を受け付ける。
【0040】
通信部22は、自装置をフェーズドアレイ1及び駆動部3に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部22は、有線又は無線を介してフェーズドアレイ1と通信する。通信部22は、例えばフェーズドアレイ1から検出情報及び放射情報を取得する。通信部22は、例えばフェーズドアレイ1の動作を制御する制御信号をフェーズドアレイ1に送信する。通信部22は、有線又は無線を介して駆動部3と通信する。通信部22は、例えば駆動部3の動作を制御する制御信号を駆動部3に送信する。
【0041】
記憶部23は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部23は可視化装置2に関する各種情報を記憶する。記憶部23は、例えば駆動制御履歴を記憶する。駆動制御履歴は、制御部20による駆動部3の制御の履歴を示す情報である。そのため駆動制御履歴はフェーズドアレイ1と駆動部3との間の相対位置を示す情報である。
【0042】
出力部24は、各種情報を出力する。出力部24は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部24は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部24は、例えば入力部21に入力された情報を出力する。
【0043】
接続部25は、各超音波振動素子101の生成した検出信号を取得する。接続部25は、検出信号が伝搬可能な導線で構成された回路であってフェーズドアレイ1に接続された回路である。そのため接続部25には、検出信号が流れ込む。接続部25による検出信号の取得とは、接続部25に検出信号が流れ込むことを意味する。接続部25を流れる検出信号は、制御部20に流れ込む。
【0044】
図3は、実施形態における制御部20の機能構成の一例を示す図である。制御部20は、3階伝搬テンソル取得部210、縮約部220、輝度値取得部230、輝度値記録部240、駆動制御部250、フェーズドアレイ制御部260、画像生成部270及び出力制御部280を備える。
【0045】
3階伝搬テンソル取得部210は、解析信号取得部211、解析信号値取得部212、情報取得部213、情報統合部214及び終了判定部215を備える。
【0046】
解析信号取得部211は、接続部25に流れる検出信号を解析信号に変換する回路である。解析信号取得部211は、例えばヒルベルトフィルタを有する回路であって、ヒルベルトフィルタによって検出信号を解析信号に変換する。
【0047】
解析信号値取得部212は、解析信号に基づき解析信号値を取得する。解析信号値取得部212は、例えば解析信号の振幅及び位相を測定し、例えば測定した解析信号の振幅と位相の組合せを解析信号値として取得する。
【0048】
情報取得部213は、通信部22の動作を制御し通信部22を介して、フェーズドアレイ1から検出情報及び放射情報を取得する。また情報取得部213は、記憶部23が記憶する駆動制御履歴を取得する。
【0049】
情報統合部214は、解析信号値、検出情報及び放射情報に基づき、検出情報が示す検出素子識別子に対応する3階伝搬テンソルの要素であって放射情報が示す放射角及び周波数に対応する3階伝搬テンソルの要素に解析信号値を対応付ける。3階伝搬テンソルの要素に解析信号値を対応付けるとは、具体的には解析信号値と検出情報が示す検出素子識別子と放射情報が示す周波数と放射角とを1組の情報として記憶部23に記録することを意味する。すなわち、3階伝搬テンソルの要素に解析信号値を対応付けるとは、検出素子識別子に対応する3階伝搬テンソルの要素であって放射情報が示す周波数及び放射角に対応する3階伝搬テンソルの要素の解析信号値を記憶部23に記録することを意味する。
【0050】
終了判定部215は、予定種類の放射平面波の全てが放射されたか否かを判定する。終了判定部215は、全ての種類の放射平面波が放射されていない場合には、放射されていない種類の放射平面波の1つを所定の規則に従って選択する。放射平面波の1つを選択した終了判定部215は、フェーズドアレイ制御部260の動作を制御して、選択した種類の放射平面波をフェーズドアレイ1に放射させる。
【0051】
終了判定部215によって予定種類の放射平面波の全てが放射されたと判定された時点は、3階伝搬テンソルの全ての要素に解析信号値が対応済みの時点である。
【0052】
このようにして、3階伝搬テンソル取得部210は、検出信号、検出情報及び放射情報に基づき、要素が3階伝搬テンソルを取得する。
【0053】
縮約部220は、3階伝搬テンソルに対して波数方向縮約処理を実行する。輝度値取得部230は、輝度値取得処理を実行する。輝度値取得部230は輝度値取得処理の実行により目的画像の1ピクセルの輝度値を取得する。
【0054】
輝度値記録部240は、輝度値取得部230が取得した輝度値を、駆動制御履歴が示す相対位置(すなわち可視化対象901に対するフェーズドアレイ1の相対位置)に対応付けて記憶部23に記録する。以下、輝度値と駆動制御履歴が示す相対位置との組を示す情報をピクセル情報という。
【0055】
駆動制御部250は、駆動部3に制御信号を送信することで駆動部3の動作を制御する。駆動部3はフェーズドアレイ1の位置を移動させる。そのため、駆動制御部250による駆動部3の動作の制御は、可視化対象901に対するフェーズドアレイ1の相対位置を制御することである。駆動制御部250は、駆動部3を制御するたびに制御の内容を記憶部23に記録する。制御の内容の履歴が駆動制御履歴である。
【0056】
フェーズドアレイ制御部260は、フェーズドアレイ1の動作を制御する。
【0057】
画像生成部270は、ピクセル情報に基づき目的画像を生成する。画像生成部270は、具体的には駆動制御履歴が示す相対位置が互いに隣接する位置である2つのピクセル情報の輝度値を目的画像の互いに隣接する2つのピクセルの輝度値として取得することで目的画像を生成する。
【0058】
出力制御部280は、出力部24の動作を制御し、出力部24に目的画像を出力させる。
【0059】
図4は、実施形態における可視化システム100が実行する輝度値取得単位処理の流れの一例を示すフローチャートである。輝度値取得単位処理は、目的画像の1ピクセルの輝度値を取得する処理である。そのため輝度値取得単位処理においては、フェーズドアレイ1と可視化対象901との間の相対位置が固定された状態である。
【0060】
フェーズドアレイ1が予定種類の放射平面波のうち放射されていない1種類の放射平面波を放射する(ステップS101)。次に超音波振動素子101がエコー波を検出し、検出信号を生成する(ステップS102)。次に接続部25が各超音波振動素子101の検出した検出信号を取得する(ステップS103)。次に解析信号取得部211が、超音波振動素子101ごとの検出信号を解析信号に変換する(ステップS104)。次に解析信号値取得部212が、超音波振動素子101ごとの解析信号に基づき超音波振動素子101ごとに解析信号値を取得する(ステップS105)。次に情報取得部213が、ステップS102で生成された検出信号を生成した放射平面波についての放射情報と、ステップS102で生成された検出信号を生成した超音波振動素子101を示す検出情報とを取得する(ステップS106)。
【0061】
次に情報統合部214が、検出情報が示す検出素子識別子に対応する3階伝搬テンソルの要素であって放射情報が示す放射角及び周波数に対応する3階伝搬テンソルの要素に解析信号値を対応付ける(ステップS107)。次に終了判定部215が予定種類の放射平面波の全てが放射されたか否かを判定する(ステップS108)。放射されていない放射平面波がある場合(ステップS108:NO)、終了判定部215は放射されていない種類の放射平面波の1つを所定の規則に従って選択する(ステップS109)。ステップS109の次にステップS101の処理に戻り、ステップS109で選択された種類の放射平面波がフェーズドアレイ1から放射される。
【0062】
一方、全ての放射平面波が放射済みの場合(ステップS108:YES)、縮約部220が3階伝搬テンソルに対して波数方向縮約処理を実行する(ステップS110)。次に輝度値取得部230が輝度値取得処理の実行により目的画像の1ピクセルの輝度値を取得する(ステップS111)。次に輝度値記録部240が、輝度値を、駆動制御履歴が示す相対位置に対応付けて記憶部23に記録する(ステップS112)。
【0063】
目的画像は、輝度値取得単位処理を1回実行するたびにフェーズドアレイ1と可視化対象901との間の相対位置を変更するという処理が所定の終了条件が満たされるまで繰り返されることで得られる。フェーズドアレイ1と可視化対象901との間の相対位置の変更は具体的には、駆動制御部250によって実行される。また所定の終了条件の判定は、例えば駆動制御部250によって実行される。
【0064】
<実験結果>
図5は、実施形態の可視化システム100によって得られた目的画像の一例を示す図である。図5の画像G1、画像G2、画像G3及び画像G4はいずれも金属ワイヤを内包するファントムを可視化した像である。図5の画像G1、画像G2、画像G3及び画像G4はいずれも縦方向が方位方向(Lateral direction)であり、横方向が距離方向(Range direction)である。図5の画像G1は、従来技術の1つであるCPWC(Coherent Plane-Wave Compounding)法により生成した画像である。図5の画像G2は、従来技術の1つであるDCR-MVDR(Date-Compounded-on-Receive Minimum Variance Distortionless Response)法により生成した画像である。
【0065】
図5の画像G3は、実施形態の可視化システム100によって生成した目的画像である。より具体的には図5の画像G3は、波数方向縮約処理として第2種波数方向縮約処理を実行した結果、生成された目的画像である。図5の画像G4は、可視化対象の吸収係数の周波数依存性を考慮して画像G3を補正した結果である。より具体的には、検出信号を補正し、補正後の検出信号に基づいて生成した画像である。検出信号の補正は、例えば解析信号取得部211によって実行される。
【0066】
図5は、実施形態の可視化システム100によって生成した画像の方が、従来技術によって生成した画像よりも分解能が高いことを示す。
【0067】
図6は、実施形態の可視化システム100によって得られた目的画像の断面の強度分布の一例を示す図である。図6のグラフG5は、方位方向の所定の位置における断面の強度分布を示す。図6のグラフG6は、距離方向の所定の位置における断面の強度分布を示す。グラフG5及びグラフG6において、“PWC-MVDR”は、第1種周波数重みをすべて一定値として可視化システム100によって得られた画像おける断面の強度分布を表す。グラフG5及びグラフG6において、“FPWC-MVDR”は、同様に第1種周波数重みをすべて一定値として可視化システム100によって得られた画像における断面の強度分布を表す。グラフG5及びグラフG6において、“Normalized FPWC-MVDR”は、図5の画像G4における断面の強度分布を表す。
【0068】
図6は、実施形態の可視化システム100によって生成した画像の方が、従来技術によって生成した画像よりも半値幅が狭く、分解能が高いことを示す。図6は、実施形態の可視化システム100によって従来技術よりも、特に距離方向の分解能が高くなることを示す。
【0069】
図7は、実施形態の可視化システム100による可視化の方法を含む複数の方法によって生成された画像のSNR(Signal Noise Ratio)の一例を示す図である。図7は、CPWCのSNRが41.26dBであることを示す。図7は、DCR-MVDRのSNRが45.83であることを示す。
【0070】
図7は、Double DCR-MVDRのSNRが43.43であることを示す。Double DCR-MVDRは、図6におけるFPWC-MVDRである。
【0071】
図7は、Standardized Double DCR-MVDRのSNRが48.07であることを示す。Standardized Double DCR-MVDRは、図6におけるNormalized FPWC-MVDRである。
【0072】
図7は、可視化システム100が実行する可視化の方法が最もSNRが高く、明瞭な画像が得られることを示す。
【0073】
図8は、実施形態の可視化システム100による可視化の方法を含む複数の方法によって生成された画像の距離方向の分解能と方位方向の分解能との一例を示す図である。図8は、可視化システム100が実行する可視化の方法が距離方向と方位方向とのどちらにおいても最も高い分解能を有することを示す。
【0074】
<第2種波数方向縮約処理の具体例の数式による説明>
第2種周波数方向縮約処理において得られる第2種2階伝搬テンソルは、以下の式(1)で表される。
【0075】
【数1】
【0076】
【数2】
【0077】
【数3】
【0078】
【数4】
【0079】
式(4)のyijkは、各放射角及び各周波数に対して、全ての超音波振動素子101が検出したエコー波のうちi番目の超音波振動素子101が検出したエコー波を除いて残りのエコー波を加算平均した波形を表す。kは放射平面波の周波数を区別する周波数の識別子である。Mは、予定種類の放射平面波のうち周波数が同じ放射平面波の数である。Lは、予定種類をMで割り算した値である。jは、放射平面波の放射角を区別する放射角の識別子である。xijkは、放射角j及び周波数kの放射平面波が放射された後、i番目の超音波振動素子101で検出された検出信号の解析信号を表す。式(1)の左辺は、第2種2階伝搬テンソルのi行j列の要素の値を表す。式(3)の左辺は、周波数に対する分散共分散行列である。
【0080】
式(2)の左辺は、以下の式(5)をラグランジュの未定乗数法で解いた結果である。
【0081】
【数5】
【0082】
式(5)の1は成分がすべて1のL次元のベクトルである。式(2)の左辺は、第2種周波数方向重みの一例である。
【0083】
第2種周波数方向縮約処理において得られる統合ベクトルは、以下の式(6)で表される。
【0084】
【数6】
【0085】
【数7】
【0086】
【数8】
【0087】
【数9】
【0088】
式(9)のzijは、各角度に対して、全ての超音波振動素子101に対応する第2種2階伝搬テンソルtijのうち、i番目の超音波振動素子101に対応する第2種2階伝搬テンソルtijを除いて残りの第2種2階伝搬テンソルtijを加算平均した値を表す。式(8)の左辺は、放射角に対する分散共分散行列である。
【0089】
式(7)の左辺は、以下の式(10)をラグランジュの未定乗数法で解いた結果である。
【0090】
【数10】
【0091】
式(7)の左辺は、第2種放射角方向重みの一例である。
【0092】
このように構成された実施形態の可視化システム100は、放射角及び周波数を変化させた複数の平面波を可視化対象に放射し、エコー波を検出することで3階伝搬テンソルを取得する。そして、縮約の際の重みを計算した後、3階伝搬テンソルを放射角方向と周波数方向とで順に縮約し、縮約の結果を用いて可視化対象の画像を生成する。このように、可視化システム100は、放射する平面波の放射角を変化させた場合の結果だけでなく周波数を変化させた場合の結果も用いて可視化対象の画像を生成する。そのため、可視化システム100は、放射する平面波の放射角を変化させた結果だけを用いて画像を形成する従来の可視化の技術よりも分解能を向上させることができる。
【0093】
(変形例)
なお、可視化装置2は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、可視化装置2が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0094】
なお、フェーズドアレイ1は放射源の一例である。超音波振動素子101は、検出部の一例である。接続部25は、検出信号取得部の一例である。
【0095】
なお、放射平面波が超音波ではなくミリ波やマイクロ波帯域の電磁波である場合には、フェーズドアレイ1は電磁波を放射するフェーズドアレイアンテナであって、超音波振動素子101に代えてアンテナを備える。なお、放射平面波が超音波ではなく電磁波の一種の光である場合には、フェーズドアレイ1は電磁波を放射する発光素子がアレイ状に配置されたフェーズドアレイアンテナであって、検出部はエコー波を受光する光電変換素子である。
【0096】
なお、可視化装置2の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0097】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0098】
100…可視化システム、 1…フェーズドアレイ、 101…超音波振動素子、 2…可視化装置、 3…駆動部、 20…制御部、 21…入力部、 22…通信部、 23…記憶部、 24…出力部、 25…接続部、 210…3階伝搬テンソル取得部、 211…解析信号取得部、 212…解析信号値取得部、 213…情報取得部、 214…情報統合部、 215…終了判定部、 220…縮約部、 230…輝度値取得部、 240…輝度値記録部、 250…駆動制御部、 260…フェーズドアレイ制御部、 270…画像生成部、 280…出力制御部、 901…可視化対象、 91…プロセッサ、 92…メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8