(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】課金装置、課金方法、課金プログラムおよび課金システム
(51)【国際特許分類】
H04M 15/00 20240101AFI20240619BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20240619BHJP
【FI】
H04M15/00 E
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2022193614
(22)【出願日】2022-12-02
【審査請求日】2023-03-24
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511271845
【氏名又は名称】アイティオール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 雄介
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-242366(JP,A)
【文献】米国特許第05631904(US,A)
【文献】特開2003-052074(JP,A)
【文献】特開2005-244421(JP,A)
【文献】特開2007-181151(JP,A)
【文献】特開平02-276396(JP,A)
【文献】特開2017-022649(JP,A)
【文献】特開平10-098547(JP,A)
【文献】特開2001-054164(JP,A)
【文献】特開平8-191354(JP,A)
【文献】米国特許第06330315(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
15/00-15/38
G06Q10/00-40/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置であって、
特別課金料金を算出する特別課金料金算出部と、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話に対して前記特別課金料金算出部が算出する特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御部とを備え、
前記特別課金料金算出部は、
前記外線電話端末からの発信時刻に対応して基本料金テーブルから読み出された特別課金基本料金単価を算出し、前記電話端末の通話チャンネルの利用数に対応して規定利用数が多いほど利用加算率が高くなるように設定された利用加算率テーブルから前記規定利用数の小さい順に読み出された前記利用加算率に基づいてチャンネル加算料金単価を算出し、前記外線電話端末からの発信回数に対応して発信回数加算率テーブルから読み出された発信回数加算率に基づいて発信回数加算料金単価を算出し、前記外線電話端末と前記電話端末との間の過去の所定期間における実績通話時間に対応して通話時間加算率テーブルから読み出された通話時間加算率に基づいて通話時間加算料金単価を算出し、これら特別課金基本料金単価、チャンネル加算料金単価、発信回数加算料金単価および通話時間加算料金単価に基づいて特別課金単価を算出し、前記外線電話端末から前記特別課金単価の承認通知が発信された場合に、前記外線電話端末と前記電話端末との間の今回実績通話時間と前記特別課金単価とに基づいて前記特別課金料金を算出する
課金装置。
【請求項2】
前記特別課金料金算出部は、
前記通話チャンネルの利用数が多いほど前記
チャンネル加算料金単価を増額する請求項1に記載の課金装置。
【請求項3】
前記特別課金料金算出部は、
前記外線電話端末からの発信回数が多いほど前記
発信回数加算料金単価を増額する請求項1に記載の課金装置。
【請求項4】
前記特別課金料金算出部は、
前記外線電話端末と前記電話端末との間の
実績通話時間が長いほど前記
通話時間加算料金単価を増額する請求項1に記載の課金装置。
【請求項5】
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置における課金方法であって、
前記外線電話端末からの発信時刻に対応して基本料金テーブルから読み出された特別課金基本料金単価を算出する特別課金基本料金単価算出ステップと、
前記電話端末の通話チャンネルの利用数に対応して規定利用数が多いほど利用加算率が高くなるように設定された利用加算率テーブルから前記規定利用数の小さい順に読み出された前記利用加算率に基づいてチャンネル加算料金単価を算出するチャンネル加算料金単価算出ステップと、
前記外線電話端末からの発信回数に対応して発信回数加算率テーブルから読み出された発信回数加算率に基づいて発信回数加算料金単価を算出する発信回数加算料金単価算出ステップと、
前記外線電話端末と前記電話端末との間の過去の所定期間における実績通話時間に対応して通話時間加算率テーブルから読み出された通話時間加算率に基づいて通話時間加算料金単価を算出する通話時間加算料金単価算出ステップと、
前記特別課金基本料金単価算出ステップにおいて算出される特別課金基本料金単価と、前記チャンネル加算料金単価算出ステップにおいて算出されるチャンネル加算料金単価と、前記発信回数加算料金単価算出ステップにおいて算出される発信回数加算料金単価と、前記通話時間加算料金単価算出ステップにおいて算出される通話時間加算料金単価とに基づいて特別課金単価を算出する特別課金単価算出ステップと、
前記外線電話端末から前記特別課金単価の承認通知が発信された場合に、前記外線電話端末と前記電話端末との間の今回実績通話時間と前記特別課金単価算出ステップにおいて算出される特別課金単価とに基づいて特別課金料金を算出する特別課金料金算出ステップと、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の今回実績通話時間に対して前記特別課金料金算出ステップにおいて算出される特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御ステップと
を含む課金方法。
【請求項6】
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置における課金プログラムであって、
前記外線電話端末からの発信時刻に対応して基本料金テーブルから読み出された特別課金基本料金単価を算出する特別課金基本料金単価算出ステップと、
前記電話端末の通話チャンネルの利用数に対応して規定利用数が多いほど利用加算率が高くなるように設定された利用加算率テーブルから前記規定利用数の小さい順に読み出された前記利用加算率に基づいてチャンネル加算料金単価を算出するチャンネル加算料金単価算出ステップと、
前記外線電話端末からの発信回数に対応して発信回数加算率テーブルから読み出された発信回数加算率に基づいて発信回数加算料金単価を算出する発信回数加算料金単価算出ステップと、
前記外線電話端末と前記電話端末との間の過去の所定期間における実績通話時間に対応して通話時間加算率テーブルから読み出された通話時間加算率に基づいて通話時間加算料金単価を算出する通話時間加算料金単価算出ステップと、
前記特別課金基本料金単価算出ステップにおいて算出される特別課金基本料金単価と、前記チャンネル加算料金単価算出ステップにおいて算出されるチャンネル加算料金単価と、前記発信回数加算料金単価算出ステップにおいて算出される発信回数加算料金単価と、前記通話時間加算料金単価算出ステップにおいて算出される通話時間加算料金単価とに基づいて特別課金単価を算出する特別課金単価算出ステップと、
前記外線電話端末から前記特別課金単価の承認通知が発信された場合に、前記外線電話端末と前記電話端末との間の今回実績通話時間と前記特別課金単価算出ステップにおいて算出される特別課金単価とに基づいて特別課金料金を算出する特別課金料金算出ステップと、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の今回実績通話時間に対して前記特別課金料金算出ステップにおいて算出される特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御ステップと
を含む課金プログラム。
【請求項7】
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置と、前記電話端末とを備える課金システムであって、
前記課金装置は、
特別課金料金を算出する特別課金料金算出部と、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話に対して前記特別課金料金算出部が算出する特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御部とを備え、
前記特別課金料金算出部は、
前記外線電話端末からの発信時刻に対応して基本料金テーブルから読み出された特別課金基本料金単価を算出し、前記電話端末の通話チャンネルの利用数に対応して規定利用数が多いほど利用加算率が高くなるように設定された利用加算率テーブルから前記規定利用数の小さい順に読み出された前記利用加算率に基づいてチャンネル加算料金単価を算出し、前記外線電話端末からの発信回数に対応して発信回数加算率テーブルから読み出された発信回数加算率に基づいて発信回数加算料金単価を算出し、前記外線電話端末と前記電話端末との間の過去の所定期間における実績通話時間に対応して通話時間加算率テーブルから読み出された通話時間加算率に基づいて通話時間加算料金単価を算出し、これら特別課金基本料金単価、チャンネル加算料金単価、発信回数加算料金単価および通話時間加算料金単価に基づいて特別課金単価を算出し、前記外線電話端末から前記特別課金単価の承認通知が発信された場合に、前記外線電話端末と前記電話端末との間の今回実績通話時間と前記特別課金単価とに基づいて前記特別課金料金を算出する
課金システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課金装置、課金方法、課金プログラムおよび課金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、事業者のカスタマーサポートなどのようにユーザからの電話を受け付けて当該ユーザに対して種々のサポートを行うサポートシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなサポートシステムでは、多くのユーザにとって電話をかけやすいタイミングがある程度決まっており、週明け午前や終業前などの同じようなタイミングで電話がかかってくるため、特定の時間にシステムや人の負荷が上がってしまうという問題がある。
【0005】
以上に鑑みて、本発明は、着信電話の集中を緩和することができる課金装置、課金方法、課金プログラムおよび課金システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置であって、特別課金基本料金と前記電話端末の通話チャンネルの利用数によるチャンネル加算料金とに基づいて特別課金料金を算出する特別課金料金算出部と、前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話に対して前記特別課金料金算出部が算出する特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本願の一観点によれば、着信電話の集中を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態としての課金システムを示す全体構成図である。
【
図2】カード決済情報対応テーブルを示す説明図である。
【
図6】発信回数加算率テーブルを示す説明図である。
【
図7】通話時間加算率テーブルを示す説明図である。
【
図8】外線電話端末と事業者電話端末との間の通話処理のフローを示すシーケンス図である。
【
図9】
図8の通話処理のフローの続きを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における課金装置、課金方法、課金プログラムおよび課金システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態としての課金システム1を示す全体構成図である。
課金システム1は、外線電話端末2と、事業者電話端末3(電話端末)と、通信事業者サーバ4と、クレジットカード事業者サーバ5と、通信管理サーバ10(課金装置)とを備えている。そして、外線電話端末2と、事業者電話端末3と、通信事業者サーバ4と、クレジットカード事業者サーバ5と、通信管理サーバ10(課金装置)とがネットワークを介して接続されている。なお、
図1においては、説明の便宜のため、インターネット回線と電話回線とを同一のネットワークとして示しているが、それぞれ別回線として示してもよい。
【0010】
外線電話端末2は、例えばIP電話機などの電話機やPC、スマートフォンなどであって、通話を要求する相手先の事業者電話端末3に対して通話要求を発信する。
事業者電話端末3は、事業者側に設置されるものであり、例えばIP電話機などの電話機やPC、スマートフォンなどである。この事業者電話端末3は、外線電話端末2から発信される通話要求を入力すると、着信処理を行い、オペレータが受話器を取るなどの着信動作を行うと、通信管理サーバ10に着信指示を送信する。
【0011】
通信事業者サーバ4は、例えば通信キャリアに設置されるサーバであって、外線電話端末2と事業者電話端末3との間で電話回線を接続して通話を行わせる。そして、通信事業者サーバ4は、外線電話端末2と事業者電話端末3との間の通話時間に応じて、通常の通話料に応じた通話料課金処理を行う。
クレジットカード事業者サーバ5は、例えばクレジットカード事業者に設置されるサーバであって、課金識別情報を不図示の記憶部に記憶する。なお、課金識別情報とは、特定の顧客に対して課金処理を行うための識別情報であって、例えば、クレジットカード情報などである。クレジットカード情報とは、クレジットカード決済情報、クレジットカード番号、クレジットカード名義、有効期限および銀行口座情報を含む。さらに、クレジットカード決済情報とは、顧客が契約時に入力したクレジットカード番号やクレジットカード名義および有効期限といった登録情報をクレジットカード事業者サーバに登録することにより発行される決済用のIDである。また、クレジットカード決済情報は、顧客が複数のクレジットカードを登録している場合には、優先して利用するクレジットカードを指定するための登録番号を含む。
クレジットカード事業者サーバ5は、課金識別情報に対応するクレジットカード登録者に対して、所定の請求額に応じて銀行口座から請求額を引き落として精算処理を行う。
【0012】
通信管理サーバ10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを備えている。
制御部11は、例えば、プロセッサ、CPU等の演算手段によって実現され、各種のメモリ、ハードディスク等の記憶手段と協働して機能し、各種のプログラムを実行する。この制御部11は、メイン制御部11Aと、通信制御部11Bと、特別課金単価算出部11C(特別課金料金算出部)と、特別課金料金総額算出部11D(特別課金料金算出部)と、課金処理制御部11Eとを備えている。これらのうち、特別課金単価算出部11Cおよび特別課金料金総額算出部11Dは、特別課金料金算出部として機能する。
メイン制御部11Aは、各種のプログラムを実行して各機能部間の制御および装置全体の制御を実行する。
通信制御部11Bは、外線電話端末2と事業者電話端末3との間で通話を行わせる。この通信制御部11Bは、外線電話端末2が発信する通話要求を入力すると、当該通話要求を事業者電話端末3に送信する。
【0013】
図2は、カード決済情報対応テーブルを示す説明図である。
カード決済情報対応テーブルは、顧客ID、氏名、住所、登録電話番号およびクレジットカード決済情報が対応付けられたものであり、記憶部13に記憶されている。
通信制御部11Bは、事業者電話端末3から送信される着信指示を入力すると、外線電話端末2から発信される通話要求から発信元電話番号を読み出し、カード決済情報対応テーブルから発信元電話番号と同一の登録電話番号を読み出して、この登録電話番号に対応する顧客IDおよびクレジットカード決済情報を読み出す。そして、通信制御部11Bは、特別課金単価算出指示を特別課金単価算出部11Cに送信する。
【0014】
また、通信制御部11Bは、事業者電話端末3が送信する切断通知を入力すると、各種情報を記憶する記憶処理を行う。すなわち、
図3に示すように、通信制御部11Bは、通話を行ったユーザの顧客ID、通話年月日、通話開始時刻、通話終了時刻および実績通話時間を対応付けて通話実績情報として記憶部13に記憶する。また、通信制御部11Bは、事業者電話端末3が現在通話している通話チャンネルの現在利用数を記憶部13に記憶する。すなわち、通信制御部11Bは、事業者電話端末3が通話チャンネルを利用していないときは現在利用数をゼロとし、事業者電話端末3による通話が開始されると通話チャンネルの現在利用数を1とし、この状態でさらに事業者電話端末3による別の通話が開始されると通話チャンネルの現在利用数を2として、通話チャンネルの現在利用数をリアルタイムに更新する。
【0015】
また、特別課金単価算出部11Cは、外線電話端末2から事業者電話端末3に発信されて接続される通話に対して特別課金を行うための特別課金単価を算出する。すなわち、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価と特別課金加算料金単価とに基づいて特別課金単価を算出する。特別課金加算料金単価には、後述する通話チャンネル加算料金単価、発信回数加算料金単価および通話時間加算料金単価が含まれる。なお、特別課金とは、通信事業者が通信事業者サーバ4によって課金する通常の通話料とは別枠で設定される特別の利用料として設定されるものである。
図4は、基本料金テーブルを示す説明図である。
基本料金テーブルは、発信時刻と規定通話時間と金額とが対応付けられたものである。
基本料金は、規定通話時間60秒で10円として基本単価設定されており、外線電話端末2からの発信時刻に応じて料金が変更されるようになっている。例えば、09時~10時台に発信された通話に対しては、規定通話時間60秒で10円の基本単価設定とされている。同様にして、11時~12時台では規定通話時間60秒で20円、13時台では規定通話時間60秒で30円、14時~16時台では規定通話時間60秒で20円、17時~18時台では規定通話時間60秒で40円、19時台では規定通話時間60秒で10円に基本単価設定されている。
特別課金単価算出部11Cは、この基本料金テーブルに基づいて、発信時刻から規定通話時間および金額を読み出して、特別課金基本料金単価を算出する。
【0016】
図5は、通話チャンネルの利用加算率テーブルを示す説明図である。
利用加算率テーブルは、通話チャンネルの規定利用数と利用加算率とが対応付けられたものであり、記憶部13に記憶されている。なお、規定利用数とは、同一の相手先電話番号において事業者電話端末3によって通話される通話チャンネル利用数の規定数であり、利用加算率とは特別課金基本料金単価に対する比率である。
利用加算率テーブルにおいて、規定利用数2チャンネルで利用加算率が10%に設定されている。同様にして、規定利用数4チャンネルで利用加算率20%、規定利用数6チャンネルで利用加算率30%、規定利用数8チャンネルで利用加算率40%および規定利用数10チャンネルで利用加算率50%に設定されている。すなわち、利用加算率テーブルにおいて、規定利用数が多いほど利用加算率が高くなるように設定されている。
特別課金単価算出部11Cは、事業者電話端末3の事業者が現在使用している通話チャンネルの現在利用数を算出する。通話チャンネルの現在利用数は、通信制御部11Bの制御のもと、発信元電話番号と対応付けられて記憶部13にリアルタイムに記憶される。特別課金単価算出部11Cは、通話チャンネルの現在利用数を記憶部13から読み出すと、当該現在利用数に対応する規定利用数および利用加算率を利用加算率テーブルから抽出する。そして、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価に利用加算率を乗算して通話チャンネル加算料金単価を算出する。
【0017】
図6は、発信回数加算率テーブルを示す説明図である。
発信回数加算率テーブルは、過去日数と規定発信回数と発信回数加算率とが対応付けられたものであり、記憶部13に記憶されている。なお、過去日数とは、同一の発信元電話番号を有する外線電話端末2から発信のあった過去の日数の単位であり、規定発信回数とは同一の発信元電話番号を有する外線電話端末2からの発信回数の規定数であり、発信回数加算率とは特別課金基本料金単価に対する比率である。
発信回数加算率テーブルにおいて、過去日数30日間に規定発信回数10回で発信回数加算率が10%に設定されている。同様にして、過去日数20日間に規定発信回数10回で発信回数加算率20%、過去日数10日間に規定発信回数10回で発信回数加算率30%、過去日数5日間に規定発信回数10回で発信回数加算率40%、過去日数1日間に規定発信回数10回で発信回数加算率50%、過去日数1日間に規定発信回数20回で発信回数加算率80%に設定されている。すなわち、発信回数加算率テーブルにおいて、過去日数が長くかつ規定発信回数が少ないほど発信回数加算率が低く、過去日数が短くかつ規定発信回数が多いほど発信回数加算率が高くなるように設定されている。
特別課金単価算出部11Cは、同一の発信元電話番号を有する外線電話端末2からの過去の所定期間における発信回数を算出する。すなわち、特別課金単価算出部11Cは、記憶部13に記憶される通話実績情報から通話年月日および発信回数を読み出すと、これら通話年月日および発信回数に基づいて、発信回数加算率テーブルの発信回数加算率を読み出す。そして、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価に発信回数加算率を乗算して発信回数加算料金単価を算出する。
【0018】
図7は、通話時間加算率テーブルを示す説明図である。
通話時間加算率テーブルは、過去日数と規定通話時間と通話時間加算率とが対応付けられたものであり、記憶部13に記憶されている。なお、規定通話時間とは同一の発信元電話番号を有する外線電話端末2と事業者電話端末3との間の通話時間の規定時間であり、発通話時間加算率とは特別課金基本料金単価に対する比率である。
通話時間加算率テーブルにおいて、過去日数30日間に規定通話時間60分で通話時間加算率が10%に設定されている。同様にして、過去日数20日間に規定通話時間60分で通話時間加算率20%、過去日数10日間に規定通話時間60分で通話時間加算率30%、過去日数5日間に規定通話時間60分で通話時間加算率40%、過去日数1日間に規定通話時間60分で通話時間加算率50%、過去日数1日間に規定通話時間90分で通話時間加算率80%に設定されている。すなわち、通話時間加算率テーブルにおいて、過去日数が長くかつ規定通話時間が短いほど通話時間加算率が低く、過去日数が短くかつ規定通話時間が長いほど通話時間加算率が高く設定されている。
特別課金単価算出部11Cは、同一の発信元電話番号である外線電話端末2と事業者電話端末3との間の過去の所定期間における通話時間を算出する。すなわち、特別課金単価算出部11Cは、事業者電話端末3から発信される着信指示を入力すると、記憶部13に記憶される通話実績情報から通話年月日および実績通話時間を読み出すと、これら通話年月日および実績通話時間に基づいて、通話時間加算率テーブルの通話時間加算率を読み出す。そして、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価に通話時間加算率を乗算して通話時間加算料金単価を算出する。
【0019】
特別課金料金総額算出部11Dは、特別課金単価算出部11Cが算出する特別課金単価に基づいて、今回の実績通話時間に応じた総額の特別課金料金を算出する。すなわち、特別課金料金総額算出部11Dは、以下の式に基づいて、特別課金料金を算出する。
(特別課金料金算出式1)
特別課金料金=特別課金単価×今回実績通話時間
【0020】
なお、特別課金料金総額算出部11Dは、以下の式に基づいて、特別課金料金を算出してもよい。
(特別課金料金算出式2)
特別課金料金=特別課金基本料金単価×今回実績通話時間+通話チャンネル加算料金単価×今回実績通話時間+発信回数加算料金単価×今回実績通話時間+通話時間加算料金単価×今回実績通話時間
【0021】
課金処理制御部11Eは、外線電話端末2から発信される通話要求から発信元電話番号を読み出し、カード決済情報対応テーブルから発信元電話番号と同一の登録電話番号を読み出して、この登録電話番号に対応するクレジットカード決済情報を抽出する。また、課金処理制御部11Eは、外線電話端末2から事業者電話端末3に通話要求を発信して接続される外線電話端末2と事業者電話端末3との間の通話に対して、クレジットカード決済情報に基づいて特別課金料金による特別課金処理を行う。
【0022】
通信部12は、内部機器および外部機器との情報の送受信を行う各種通信デバイスなどからなるものである。通信部12は、外線電話端末2が通信事業者サーバ4を介して送信する通話要求等および事業者電話端末3が送信する着信指示等を制御部11に入力し、制御部11が送信する特別課金単価案内等を、通信事業者サーバ4を介して外線電話端末2に送信する。また、通信部12は、制御部11が送信する特別課金処理要求をクレジットカード事業者サーバ5に送信する。
記憶部13は、例えば、ハードディスクやメモリなどからなり、各種プログラムや作業データなどを記憶する。具体的には、記憶部33は、通話チャンネルの現在利用数、通話実績情報、カード決済情報対応テーブル、基本料金テーブル、利用加算率テーブル、発信回数加算率テーブルおよび通話時間加算率テーブルなどを記憶する。
【0023】
次に、課金システム1における特別課金処理等の動作について説明する。
図8および
図9は、外線電話端末2と事業者電話端末3との間の通話処理のフローを示すシーケンス図である。
なお、クレジットカード事業者サーバ5は、クレジットカード情報として、クレジットカード決済情報、クレジットカード番号、クレジットカード名義、有効期限および銀行口座情報を不図示の記憶部に記憶しているものとする。このクレジットカード情報は、事業者電話端末3の事業者の顧客の情報を含むものである。
また、通信管理サーバ10は、事業者電話端末3の事業者の顧客の顧客ID、氏名、住所、登録電話番号およびクレジットカード決済情報をカード決済情報対応テーブルとして記憶部13に記憶しているものとする。
【0024】
まず、ユーザ(事業者電話端末3の事業者の顧客)が事業者電話端末3に電話をかける。すなわち、外線電話端末2が通話要求を事業者電話端末3に発信する(ステップS1)。なお、この通話要求には、通話要求情報および発信元電話番号が含まれる。発信元電話番号とは外線電話端末2の電話番号である。
通信事業者サーバ4は、当該通話要求を入力すると、通信管理サーバ10に送信する(ステップS2)。
通信管理サーバ10は、当該通話要求を入力する。すなわち、通信制御部11Bが、通信部12を介して通話要求を入力する。そして、通信制御部11Bは、通話要求を事業者電話端末3に送信する(ステップS3)。
事業者電話端末3は、当該通話要求を入力すると、着信処理を行う(ステップS4)。すなわち、事業者電話端末3は着信音を報音する。事業者電話端末3のオペレータは、例えば受話器を取ったり、応答ボタンをクリックしたりして応答動作を行う。事業者電話端末3は、オペレータによる応答動作があると、着信指示を通信管理サーバ10に送信する(ステップS5)。
【0025】
通信制御部11Bは、通信部12を介して当該着信指示を入力すると、クレジットカード決済情報の登録の有無を確認する(ステップS6)。すなわち、通信制御部11Bは、
図2に示すカード決済情報対応テーブルから、発信元電話番号と同一の登録電話番号を読み出し、当該登録電話番号に対応する顧客IDおよびクレジットカード決済情報を読み出す。そして、通信制御部11Bは、クレジットカード決済情報が登録されていると判定すると、特別課金単価算出部11Cに特別課金単価算出指示を送信する。特別課金単価算出指示には、単価算出指示情報および顧客IDが含まれる。
【0026】
特別課金単価算出部11Cは、特別課金単価算出指示を入力すると、特別課金基本料金単価を算出する(ステップS7)すなわち、特別課金単価算出部11Cは、
図4に示す基本料金テーブルから、通信制御部11Bが通話要求を入力した時刻に対応する発信時刻を読み出し、当該発信時刻に対応する特別課金基本料金単価を算出する。例えば、通信制御部11Bが8月10日17時40分に通話要求を入力したとすると、特別課金単価算出部11Cは、基本料金テーブルから着信時刻17時を読み出し、これに対応する通話時間60秒で金額40円を抽出する。この通話時間60秒で金額40円が特別課金基本料金単価となる。
【0027】
そして、特別課金単価算出部11Cは、通話チャンネル加算料金単価を算出する(ステップS8)。すなわち、特別課金単価算出部11Cは、通話チャンネルの現在利用数を記憶部13から読み出し、
図5に示す利用加算率テーブルから現在利用数に対応する利用加算率を読み出す。具体的には、特別課金単価算出部11Cは、利用加算率テーブルのうち、小さい順に規定利用数を読み出していき、現在利用数が規定利用数未満の最大の利用加算率を抽出する。例えば、事業者電話端末3が、通話チャンネルを現在利用していない場合は、記憶部13にリアルタイムに記憶されている現在利用数はゼロとなるため、特別課金単価算出部11Cは、利用加算率テーブルに基づいて最初に規定利用数2チャンネルを読み出し、現在利用数ゼロが規定利用数2チャンネルより少ないと判定し利用加算率をゼロ%とする。また、例えば、事業者電話端末3が通話チャンネルを現在3つ利用している場合は、記憶部13にリアルタイムに記憶されている現在利用数が3となるため、特別課金単価算出部11Cは、最初に規定利用数2チャンネルを読み出し、現在利用数3が規定利用数2チャンネルより多いと判定して、規定利用数2チャンネルを超えて次の規定利用数4チャンネルを読み出す。そして、特別課金単価算出部11Cは、現在利用数3が規定利用数4チャンネルより少ないと判定し、規定利用数4チャンネル未満の最大の規定利用数2チャンネルに対応する利用加算率10%を抽出する。特別課金単価算出部11Cは、利用加算率を抽出すると、特別課金基本料金単価に利用加算率を乗算して、通話チャンネル加算料金単価を算出する。例えば、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価40円+特別課金基本料金単価40円×利用加算率10%=通話チャンネル加算料金単価44円を算出する。
【0028】
さらに、特別課金単価算出部11Cは、発信回数加算料金単価を算出する(ステップS9)。すなわち、特別課金単価算出部11Cは、
図3に示す通話実績情報から過去の所定期間における実績発信回数を算出し、
図6に示す発信回数加算率テーブルから発信回数加算率を抽出する。具体的には、特別課金単価算出部11Cは、発信回数加算率テーブルのうち、短い順に過去日数を読み出していき、通話実績情報に対応する過去日数のうち実績発信回数が最初に規定発信回数以上となる発信回数加算率を抽出する。例えば、現在が2022年8月10日であるとすると、発信回数加算率算出部11Fは、発信回数加算率テーブルから最初に最も短い過去日数1日間と、これに対応する規定発信回数20回とを読み出し、通話実績情報の中から同一の顧客IDの1日分(8月10日分)のトータルの実績発信回数1回(
図2のNo.13に示す)を算出する。そして、特別課金単価算出部11Cは、過去1日間の実績発信回数1回が規定発信回数20回未満であると判定し、次の過去日数1日間と、これに対応する規定発信回数10回とを読み出す。特別課金単価算出部11Cは、過去1日間の実績発信回数1回が規定発信回数10回未満であると判定し、次の過去日数5日間と、これに対応する規定発信回数10回とを読み出し、通話実績情報の中から同一の顧客IDの5日分(8月6日から8月10日までの5日分)のトータルの実績発信回数9回(
図2のNo.5~13に示す)を算出する。そして、特別課金単価算出部11Cは、過去5日間の実績発信回数9回が規定発信回数10回未満であると判定し、次の過去日数10日間と、これに対応する規定発信回数10回とを読み出す。そして、特別課金単価算出部11Cは、通話実績情報の中から同一の顧客IDの10日分(8月1日から8月10日までの10日分)のトータルの実績発信回数13回(
図2のNo.1~13に示す)を算出する。さらに、特別課金単価算出部11Cは、過去10日間の実績発信回数13回が規定発信回数10回以上であると判定すると、実績発信回数13回が最初に規定発信回数10回以上になるため、これに対応する発信回数加算率30%を抽出する。なお、特別課金単価算出部11Cは、過去日数の短い順に上記のように処理していき、実績発信回数が全ての規定発信回数未満であると判定すると、発信回数加算率をゼロ%とする。さらに、特別課金単価算出部11Cは、発信回数加算率を抽出すると、特別課金基本料金単価に発信回数加算率を乗算して、発信回数加算料金単価を算出する。例えば、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価40円+特別課金基本料金単価40円×発信回数加算率30%=発信回数加算料金単価52円を算出する。
【0029】
さらに、特別課金単価算出部11Cは、通話時間加算料金単価を算出する(ステップS10)。すなわち、特別課金単価算出部11Cは、
図3に示す通話実績情報から過去の所定期間における通話時間を算出し、
図7に示す通話時間加算率テーブルから通話時間加算率を抽出する。具体的には、特別課金単価算出部11Cは、通話時間加算率テーブルのうち、短い順に過去日数を読み出していき、通話実績情報に対応する過去日数のうち実績通話時間が最初に規定通話時間以上となる通話時間加算率を抽出する。例えば、現在が2022年8月10日であるとすると、特別課金単価算出部11Cは、通話時間加算率テーブルから最初に最も短い過去日数1日間と、これに対応する規定通話時間90分とを読み出し、通話実績情報の中から同一の顧客IDの1日分(8月10日分)のトータルの実績通話時間5分(
図2のNo.13に示す)を算出する。そして、特別課金単価算出部11Cは、過去1日間の実績通話時間5分が規定通話時間90分未満であると判定し、次の過去日数1日間と、これに対応する規定通話時間60分とを読み出す。特別課金単価算出部11Cは、過去1日間の実績通話時間5分が規定通話時間60分未満であると判定し、次の過去日数5日間と、これに対応する規定通話時間60分とを読み出し、通話実績情報の中から同一の顧客IDの5日分(8月6日から8月10日までの5日分)の実績通話時間58分(
図2のNo.5~13に示す)を算出する。そして、特別課金単価算出部11Cは、過去5日間の実績通話時間58分が規定通話時間60分未満であると判定し、次の過去日数10日間と、対応する規定通話時間60分とを読み出す。そして、特別課金単価算出部11Cは、通話実績情報の中から同一の顧客IDの10日分(8月1日から8月10日までの10日分)の実績通話時間73分(
図2のNo.1~13に示す)を算出する。さらに、特別課金単価算出部11Cは、過去10日間の実績通話時間73分が規定通話時間60分以上であると判定すると、実績通話時間73分が最初に規定通話時間60分以上になるため、これに対応する通話時間加算率30%を抽出する。なお、特別課金単価算出部11Cは、過去日数の短い順に上記のように処理していき、実績通話時間が全ての規定通話時間未満であると判定すると、通話時間加算率をゼロ%とする。さらに、特別課金単価算出部11Cは、通話時間加算率を抽出すると、特別課金基本料金単価に通話時間加算率を乗算して、通話時間加算料金単価を算出する。例えば、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価40円+特別課金基本料金単価40円×通話時間加算率30%=通話時間加算料金単価52円を算出する。
【0030】
そして、特別課金単価算出部11Cは、特別課金単価を算出する(ステップS11)。すなわち、特別課金単価算出部11Cは、特別課金基本料金単価と特別課金加算料金単価(通話チャンネル加算料金単価+発信回数加算料金単価+通話時間加算料金単価)を加算して特別課金単価を算出する。具体的には、特別課金単価算出部11Cは、特別課金単価188円=特別課金基本料金単価40円+チャンネル加算料金単価44円+発信回数加算料金単価52円+通話時間加算料金単価52円を算出して、当該特別課金単価を通信制御部11Bに送信する。
通信制御部11Bは、当該特別課金単価を入力すると、通信事業者サーバ4を介して特別課金単価案内を外線電話端末2に送信する(ステップS12)。この特別課金単価案内は、特別課金単価を含むものであり、通話を開始する前に特別課金単価を外線電話端末2に事前に送信して通話の承認を得るための案内である。通信事業者サーバ4は、特別課金単価案内を入力すると外線電話端末2に送信する(ステップS13)。外線電話端末2は、当該特別課金単価案内を入力すると、特別課金単価を報音する。すなわち、外線電話端末2は、例えば、「この通話には60秒で188円の特別料金が課金されますがよろしいですか?」といった案内を報音する。外線電話端末2はユーザ操作による入力を読み出し、承認したか否かを判定する(ステップS14)。例えば、Yesの場合は「1」を入力し、Noの場合は、「2」を入力するように案内する。外線電話端末2は、ユーザ操作による入力が「2」であると判定すると、Noであることから、切断処理を行う(ステップS15)。一方、外線電話端末2は、ユーザ操作による入力が「1」であると判定すると、Yesであることから、ユーザによって特別課金単価の支払いが承認されたものとして、承認通知を通信管理サーバ10に送信する(ステップS16)。
【0031】
通信事業者サーバ4は、当該承認通知を入力すると、通信管理サーバ10に送信する(ステップS17)。そして、通信制御部11Bは、通信部12を介して当該承認通知を入力すると、通話実績情報として顧客ID、通話年月日および通話開始時刻を記憶部13に記憶して、通話開始指示を事業者電話端末3に送信する(ステップS18)。事業者電話端末3は、当該通話開始指示を入力すると、外線電話端末2と回線を接続して通話を開始する(ステップS19)。
これら外線電話端末2と事業者電話端末3との間で通話が行われているときに、ユーザとオペレータとの間で話しが終了すると、外線電話端末2および事業者電話端末3が切断処理を行う。本実施形態においては、事業者電話端末3から切断を行うものとする。例えば、オペレータが受話器を戻したり、通話終了ボタンをクリックしたりすることによって、事業者電話端末3は切断処理を行う(ステップS20)。そして、事業者電話端末3は、切断通知を通信管理サーバ10に送信する(ステップS21)。通信制御部11Bは、通信部12を介して当該切断通知を入力すると、記憶処理を行う(ステップS22)。すなわち、通信制御部11Bは、通話実績情報として、当該通話に対応する通話終了時刻および実績通話時間を記憶部13に記憶する。実績通話時間は、通信制御部11Bが通話終了時刻から通話開始時刻を減算することにより算出する。そして、通信制御部11Bは、特別課金料金算出指示を特別課金料金総額算出部11Dに送信する。特別課金料金総額算出部11Dは、総額の特別課金料金を算出する(ステップS23)。すなわち、特別課金料金総額算出部11Dは、通話実績情報として記憶される当該通話の実績通話時間を抽出し、当該実績通話時間に特別課金単価を乗算して総額の特別課金料金を算出する。具体的には、特別課金料金総額算出部11Dは、例えば実績通話時間が10分であった場合、特別課金料金1,880円=特別課金単価188円×実績通話時間10分を算出する。なお、この特別課金料金1,880円には、特別課金基本料金400円(単価40円×10分)、通話チャンネル加算料金440円(単価44円×10分)、発信回数加算料金520円(単価52円×10分)および通話時間加算料金520円(単価52円×10分)が含まれる。すなわち、特別課金料金1,880円には、特別課金基本料金400円(単価40円×10分)および特別課金加算料金1,480円(通話チャンネル加算料金440円+発信回数加算料金520円+通話時間加算料金520円)が含まれる。
【0032】
そして、特別課金料金総額算出部11Dは、当該特別課金料金を課金処理制御部11Eに送信する。課金処理制御部11Eは課金処理を行う。すなわち、課金処理制御部11Eは、当該通話に対応する発信元電話番号に基づいてクレジットカード決済情報を抽出する。具体的には、課金処理制御部11Eは、カード決済情報対応テーブルから、発信元電話番号と同一の登録電話番号を読み出し、これに対応するクレジットカード決済情報を抽出する。そして、課金処理制御部11Eは、特別課金処理要求をクレジットカード事業者サーバ5に送信する(ステップS24)。この特別課金処理要求には、特別課金処理要求情報、特別課金料金およびクレジットカード決済情報が含まれる。クレジットカード事業者サーバ5は、当該特別課金処理要求を入力すると、クレジット課金処理を行う(ステップS25)。すなわち、クレジットカード事業者サーバ5は、特別課金処理要求に含まれるクレジットカード決済情報から、不図示の記憶部に記憶されるクレジットカード情報を読み出して、特別課金料金に基づいて所定のクレジット課金処理を行う。
【0033】
そして、通信制御部11Bは、通信事業者サーバ4を介して切断通知を外線電話端末2に送信する(ステップS26)。通信事業者サーバ4は、当該切断通知を入力すると、通常の通話料を課金するための通話料課金処理を行う(ステップS27)。さらに、通信事業者サーバ4は、切断通知を外線電話端末2に送信する(ステップS28)。外線電話端末2は、当該切断通知を入力すると、切断処理を行う(ステップS29)。
なお、外線電話端末2と事業者電話端末3との間の通話の切断は、外線電話端末2から行ってもよい。この場合、外線電話端末2が通信事業者サーバ4に切断通知を送信することにより、通信事業者サーバ4が通話料課金処理を行い、通信事業者サーバ4が切断通知を通信管理サーバ10に送信することにより、上記と同様にして、課金処理制御部11Eが特別課金処理を行う。
【0034】
以上より、本実施形態における課金システム1、通信管理サーバ10および課金方法によれば、特別課金単価算出部11C、特別課金料金総額算出部11Dおよび課金処理制御部11Eを備えており、特別課金基本料金とチャンネル加算料金とに基づいて特別課金料金を算出することから、事業者電話端末3が多く利用されているときにユーザとの通話を減少させることができるだけでなく、課金識別情報を利用することにより特別課金料金を回収することができる。そのため、事業者においてユーザからの着信電話の集中を緩和することができる。
また、特別課金単価算出部11Cが通話チャンネルの利用数が多いほどチャンネル加算料金を増額することから、ユーザからの着信電話の集中をさらに緩和することができる。
また、特別課金単価算出部11Cが、発信回数加算料金に基づいて特別課金料金を算出することから、発信回数の多いユーザとの通話を減少させることができる。
また、特別課金単価算出部11Cが、発信回数が多いほど発信回数加算料金を増額することから、より発信回数の多いユーザとの通話を減少させることができる。
【0035】
また、特別課金単価算出部11Cが、通話時間加算料金に基づいて特別課金料金を算出することから、通話時間の長いユーザとの通話を減少させることができる。
また、特別課金単価算出部11Cが、通話時間が長いほど通話時間加算料金を増額することから、より通話時間の長いユーザとの通話を減少させることができる。
【0036】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、特別課金単価算出部11Cが設けられるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。具体的には、特別課金単価算出部11Cが、特別課金基本料金単価のみを算出して、特別課金加算料金単価を算出しなくてもよい。また、特別課金単価算出部11Cが、通話チャンネル加算料金単価、発信回数加算料金単価または通話時間加算料金単価の少なくともいずれか一つを算出するようにしてもよい。
また、課金処理制御部11Eが、ステップS23において、カード決済情報対応テーブルに基づいて、クレジットカード決済情報を抽出するものとしているが、これに限ることはなく、ステップS6において通信制御部11Bが読み出したクレジットカード決済情報を抽出してもよい。すなわち、課金処理制御部11Eが、通信制御部11Bを介してクレジットカード決済情報を抽出するようにしてもよい。
【0037】
また、課金識別情報としてクレジットカード決済情報を利用するものとしているが、これに限ることはなく、クレジットカード決済情報に代えて他の課金可能な識別情報を利用してもよい。また、課金識別情報がクレジットカード情報であるとしているが、これに限ることはなく、クレジットカード情報に代えて他の課金可能な識別情報を利用してもよい。
また、特別課金料金総額算出部11Dが、チャンネルの利用数が多いほどチャンネル加算料金を増額するとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、チャンネル加算料金が固定料金となっていてもよい。
また、特別課金料金総額算出部11Dが、外線電話端末2からの発信回数が多いほど発信回数加算料金を増額するとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、発信回数加算料金が固定料金となっていてもよい。
また、特別課金料金総額算出部11Dが、外線電話端末2と事業者電話端末3との間の通話時間が長いほど通話時間加算料金を増額するとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、通話時間加算料金が固定料金となっていてもよい。
また、特別課金単価算出部11Cが、特別課金料金算出式1または特別課金料金算出式2に基づいて、特別課金料金を算出しているが、これに限ることはなく、特別課金料金の算出式や算出手順は適宜変更可能である。
【0038】
また、通信管理サーバ10を構成する前述の各機能部は、単体のコンピュータに備えられていてもよいし、通信ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータに分散して備えられていてもよい。分散されたコンピュータは、日本だけでなく外国に設置されていてもよい。
また、通信管理システム1および通信管理サーバ10の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
このプログラムによっても、上記と同様の効果を奏することができる。
【0039】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ハードディスク、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD、USB(登録商標)メモリ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0040】
既述の実施形態に関し、さらに以下の付記を示す。
(付記1)
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置であって、
特別課金基本料金と前記電話端末の通話チャンネルの利用数によるチャンネル加算料金とに基づいて特別課金料金を算出する特別課金料金算出部と、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話に対して前記特別課金料金算出部が算出する特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御部と
を備える課金装置。
【0041】
(付記2)
前記特別課金料金算出部は、
前記通話チャンネルの利用数が多いほど前記チャンネル加算料金を増額する付記1に記載の課金装置。
【0042】
(付記3)
前記特別課金料金算出部は、
前記特別課金基本料金と、前記チャンネル加算料金と、前記外線電話端末からの発信回数による発信回数加算料金とに基づいて前記特別課金料金を算出する付記1または付記2に記載の課金装置。
【0043】
(付記4)
前記特別課金料金算出部は、
前記外線電話端末からの発信回数が多いほど前記発信回数加算料金を増額する付記3に記載の課金装置。
(付記5)
前記特別課金料金算出部は、
前記特別課金基本料金と、前記チャンネル加算料金と、前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話時間による通話時間加算料金とに基づいて前記特別課金料金を算出する付記1から付記4のいずれか一項に記載の課金装置。
【0044】
(付記6)
前記特別課金料金算出部は、
前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話時間が長いほど前記通話時間加算料金を増額する付記5に記載の課金装置。
(付記7)
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置における課金方法であって、
特別課金基本料金と前記電話端末の通話チャンネルの利用数によるチャンネル加算料金とに基づいて特別課金料金を算出する特別課金料金算出ステップと、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話に対して前記特別課金料金算出ステップにおいて算出する特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御ステップと
を含む課金方法。
【0045】
(付記8)
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置における課金プログラムであって、
特別課金基本料金と前記電話端末の通話チャンネルの利用数によるチャンネル加算料金とに基づいて特別課金料金を算出する特別課金料金算出ステップと、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話に対して前記特別課金料金算出ステップにおいて算出する特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御ステップと
を含む課金プログラム。
【0046】
(付記9)
外線電話端末と電話端末との間に接続され前記外線電話端末から前記電話端末に発信されて行われる通話に対して特別課金を行う課金装置と、前記電話端末とを備える課金システムであって、
前記課金装置は、
特別課金基本料金と前記電話端末の通話チャンネルの利用数によるチャンネル加算料金とに基づいて特別課金料金を算出する特別課金料金算出部と、
前記外線電話端末から発信される発信元電話番号に基づいて課金識別情報を抽出し、当該課金識別情報に基づいて前記外線電話端末と前記電話端末との間の通話に対して前記特別課金料金算出部が算出する特別課金料金による特別課金処理を行う課金処理制御部と
を備える課金システム。
【符号の説明】
【0047】
1 課金システム
2 外線電話端末
3 事業者電話端末(電話端末)
10 通信管理サーバ(課金装置)
11C 特別課金単価算出部(特別課金料金算出部)
11D 特別課金料金総額算出部(特別課金料金算出部)
11E 課金処理制御部