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特許7506458通信装置、通信システム、及び通信制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/25 20180101AFI20240619BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20240619BHJP
   H04W 76/28 20180101ALI20240619BHJP
   H04W 76/38 20180101ALI20240619BHJP
   H04W 92/10 20090101ALI20240619BHJP
【FI】
H04W76/25
H04W4/70
H04W76/28
H04W76/38
H04W92/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018243635
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020107972
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-09-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】松崎 洸貴
(72)【発明者】
【氏名】中原 正守
(72)【発明者】
【氏名】河野 正司
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】圓道 浩史
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/065565(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を介してサーバと通信する通信部を備え、前記基地局と接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を所定期間行わないと、前記基地局から前記接続状態を切断する信号を受信して、前記通信部が第1状態になる通信装置であって、
前記通信部を制御する制御部を備え、
前記第1状態は、前記通信部の稼動が停止するか、又は前記通信部が第1間隔で間欠的に稼動する状態を示し、
前記接続状態は、前記通信部が連続的に稼動する状態を示し、
前記接続状態の前記通信部が応答待ちの状態になる場合、前記通信部が前記第1状態になることをオフにするためのオフ信号を前記通信部に送信させるように、前記制御部が前記通信部を制御し前記基地局に前記オフ信号を受信させ、
前記オフ信号を送信した場合、前記制御部は前記通信部の前記応答待ちの状態保持
前記通信部が前記応答待ちの状態となってから、前記基地局と前記接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を前記所定期間行わないと、前記オフ信号を受信した前記基地局から前記通信部が指示信号を受信し、
前記通信部が前記指示信号を受信すると、前記制御部が、前記通信部の状態を、前記第1間隔よりも短い第2間隔で間欠的に稼動する第2状態へ移行させ
前記第2状態の前記通信部が前記基地局から起動信号を受信すると、前記制御部が前記通信部の前記応答待ちの状態保持つつ、前記通信部前記接続状態へ移行させ
前記通信部が前記応答待ちの状態を終了すると、前記通信部が前記第1状態になることをオンにするためのオン信号を前記通信部に送信させるように、前記制御部が前記通信部を制御して、前記基地局に前記オン信号を受信させ、
前記応答待ちの状態を終了してから、前記基地局と前記接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を前記所定期間行わないと前記オン信号を受信した前記基地局から前記接続状態を前記切断する信号を前記通信部が受信して、前記制御部が前記通信部前記第1状へ移行させる、通信装置。
【請求項2】
前記接続状態の前記通信部は、前記サーバからの応答が必要な第1送信信号を送信すると、前記応答待ちの状態になる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記応答待ちの状態の前記通信部は、前記第1送信信号に対する応答の信号である第1応答信号を受信すると、前記応答待ちの状態を終了する、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記接続状態の前記通信部は、前記通信装置からの応答が必要な第2送信信号を受信すると、前記応答待ちの状態になる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記応答待ちの状態の前記通信部は、前記第2送信信号に対する応答の信号である第2応答信号を送信すると、前記応答待ちの状態を終了する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記接続状態の前記通信部が前記応答待ちの状態になる場合、前記オフ信号を前記通信部に送信させるか否かを判定し、
前記通信部に前記オフ信号を送信させる旨の判定をすると、前記通信部が前記オフ信号を送信するように、前記通信部を制御する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の通信装置と、
前記基地局と、
前記サーバと
を備える、通信システム。
【請求項8】
基地局を介してサーバと通信する通信部を備え、前記基地局と接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を所定期間行わないと、前記基地局から前記接続状態を切断する信号を受信して、前記通信部が第1状態になる通信装置を制御する通信制御方法であって、
前記第1状態は、前記通信部の稼動が停止するか、又は前記通信部が第1間隔で間欠的に稼動する状態を示し、
前記接続状態は、前記通信部が連続的に稼動する状態を示し、
前記接続状態の前記通信部が応答待ちの状態になる工程と、
前記通信部が前記第1状態になることをオフにするためのオフ信号を前記通信部に送信させて、前記基地局に前記オフ信号を受信させる工程と、
前記通信部の前記応答待ちの状態が保持されつつ、前記通信部が前記応答待ちの状態となってから、前記基地局と前記接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を前記所定期間行わないと、前記オフ信号を受信した前記基地局から前記通信部が指示信号を受信する工程と、
前記通信部が前記指示信号を受信すると、前記通信部が、前記第1間隔よりも短い第2間隔で間欠的に稼動する2状態になる工程と、
前記第2状態の前記通信部が前記基地局から起動信号を受信すると、前記通信部の前記応答待ちの状態が保持されつつ、前記通信部が前記接続状態になる工程と、
前記通信部が前記応答待ちの状態を終了すると、前記通信部が前記第1状態になることをオンにするためのオン信号を前記通信部に送信させて、前記基地局に前記オン信号を受信させる工程と、
前記応答待ちの状態を終了してから、前記基地局と前記接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を前記所定期間行わないと前記オン信号を受信した前記基地局から前記接続状態を前記切断する信号を前記通信部が受信して、前記通信部が前記第1状態になる工程と
を備える、通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システム、及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メータで検針したデータを収集する子機と、子機と通信する親機と、子機及び親機を介してデータを収集するセンタ装置とを有するテレメータシステムが知られている(例えば、特許文献1)。通常は、子機及び親機のような通信装置は、電池で動作する。そこで、通信装置の消費電力を抑えるために、通信装置の通信部は、間欠受信を行って自機宛の送信の有無をチェックする。自機宛の送信があれば、通信部は基地局と通信を開始する(接続状態)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-198881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、通信装置の通信部は、間欠受信を行う際、間欠稼働するので、電力をある程度消費する。そこで、通信装置の消費電力をさらに抑えるために、通信装置の通信部が、待機状態と間欠稼働状態とを交互に繰り返す構成が考えられる。この構成によると、通信部が待機状態になる期間が間欠で設けられるので、通信装置の消費電力をさらに抑えることができる。しかし、通信装置の通信部は、待機状態のとき通信を開始することができない。従って、通信装置の通信部が、センタ装置(サーバ)との通信で応答待ちのときに待機状態になると、待機状態が終了するまで通信を再開することができない。その結果、通信装置がセンタ装置と円滑に通信することができなくなる。
【0005】
本発明は、サーバと円滑に通信することができる通信装置、通信システム、及び通信制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面によれば、通信装置は、基地局を介してサーバと通信する通信部を備え、前記基地局と接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を所定期間行わないと、前記通信部が待機するアイドル状態になる。当該通信装置は、制御部を備える。前記制御部は、前記通信部を制御する。前記接続状態の前記通信部が応答待ちの状態になる場合、前記通信部が前記第1アイドル状態になることをオフにするためのオフ信号を前記通信部に送信させるように、前記制御部が前記通信部を制御する。
【0007】
本発明の第2の局面によれば、通信装置は、基地局を介してサーバと通信する通信部を備え、前記基地局と接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を所定期間行わないと、前記通信部が待機するアイドル状態になる。当該通信装置は、制御部を備える。前記制御部は、前記通信部を制御する。前記制御部は、前記接続状態の前記通信部が応答待ちの状態になる場合、前記通信部が前記第1アイドル状態になることをオフにするためのオフ信号を前記通信部に送信させるか否かを判定する。前記制御部は、前記通信部に前記オフ信号を送信させる旨の判定をすると、前記通信部が前記オフ信号を送信するように、前記通信部を制御する。
【0008】
本発明の第3の局面によれば、通信システムは、上記通信装置と、前記基地局と、前記サーバとを備える。
【0009】
本発明の第4の局面によれば、通信制御方法は、基地局を介してサーバと通信する通信部を備え、前記基地局と接続状態の前記通信部が前記基地局と通信を所定期間行わないと、前記通信部が待機するアイドル状態になる通信装置を制御する方法である。当該通信制御方法は、前記接続状態の前記通信部が応答待ちの状態になる工程を備える。当該通信制御方法は、前記通信部が前記第1アイドル状態になることをオフにするためのオフ信号を前記通信部に送信させる工程を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通信装置がサーバと円滑に通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るテレメータシステムの構成を示すブロック図である。
図2】サーバの構成を示すブロック図である。
図3】センタ側網制御装置の構成を示すブロック図である。
図4】親機の構成を示すブロック図である。
図5】子機の構成を示すブロック図である。
図6】親機の広域無線通信部が第1動作を行う際の、広域無線通信部の状態を示すタイムチャートである。
図7】親機の広域無線通信部が第2動作を行う際の、広域無線通信部の状態を示すタイムチャートである。
図8】親機の広域無線通信部が第3動作を行う際の、広域無線通信部の状態を示すタイムチャートである。
図9】テレメータシステムの動作の第1例を示す第1フロー図である。
図10】テレメータシステムの動作の第1例を示す第2フロー図である。
図11】親機がオフ信号を送信しない場合におけるテレメータシステムの動作を示すフロー図である。
図12】親機の動作の第1例を示す第1フロー図である。
図13】親機の動作の第1例を示す第2フロー図である。
図14】テレメータシステムの動作の第2例を示す第1フロー図である。
図15】テレメータシステムの動作の第2例を示す第2フロー図である。
図16】親機の動作の第2例を示す第1フロー図である。
図17】親機の動作の第2例を示す第2フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100の構成を示すブロック図である。
【0014】
テレメータシステム100は、本発明の通信システムの一例である。本発明の通信システムは、テレメータシステム100に限定されない。本発明の通信システムは、サーバと情報端末とが基地局を介して通信する構成を有していればよい。
【0015】
図1に示すように、テレメータシステム100は、サーバ10と、センタ側網制御装置20と、親機30と、複数の子機40と、複数の計測装置50とを備える。
【0016】
親機30は、センタ側網制御装置20を介してサーバ10と有線又は無線で接続される。複数の子機40の各々は、親機30及びセンタ側網制御装置20を介してサーバ10と有線又は無線で接続される。複数の子機40は、それぞれ、複数の計測装置50と有線又は無線で接続される。接続されることは、通信可能であることを示す。また、親機30自体に直接計測装置50が接続されてもよい。
【0017】
サーバ10は、親機30、及び複数の子機40を介して、複数の計測装置50の各々が計測した計測値を収集する。計測装置50は、例えば、水道の使用量、ガスの使用量、又は電気の使用量を計測する。
【0018】
センタ側網制御装置20は、サーバ10が親機30と通信するための通信処理を仲介する。センタ側網制御装置20は、親機30と無線接続される。センタ側網制御装置20と親機30とは、例えば、PHS(Personal Handyphone System)網、FOMA(Freedom of Mobile Multimedia Access)網、及びLTE(Long Term Evolution)網のような広域無線網N1に接続される。センタ側網制御装置20と親機30とは、広域無線網N1を介して互いに無線通信を行う。
【0019】
なお、本実施形態では、センタ側網制御装置20と親機30とが無線接続されるが、本発明はこれに限定されない。センタ側網制御装置20と親機30とは、有線接続されてもよい。また、広域無線網N1に複数の親機30が接続されてもよい。
【0020】
センタ側網制御装置20は、例えば、通信事業者の基地局に設けられる。センタ側網制御装置20は、親機30及び子機40のような端末側の装置の通信を制御する。
【0021】
センタ側網制御装置20は、本発明の基地局の一例である。親機30及び子機40のような端末側の装置は、本発明の通信装置の一例である。なお、本発明の通信装置は、基地局を介してサーバと通信できる装置であればよく、本実施形態の親機30及び子機40のような親子関係を有する装置でなくてもよい。
【0022】
センタ側網制御装置20がサーバ10から信号を受信した場合、センタ側網制御装置20は、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式で端末側の装置へ信号を送信する。また、センタ側網制御装置20は、広域無線網N1を介して端末側の装置から信号を受信した場合、受信した信号をサーバ10へ送信する。
【0023】
親機30は、広域無線網N1を介して、センタ側網制御装置20及びサーバ10のようなセンタ側の装置に接続される。親機30は、狭域無線網N2を介して複数の子機40の各々に接続される。
【0024】
親機30は、複数の子機40の各々と無線接続される。親機30は、複数の子機40の各々と無線通信可能である。
【0025】
子機40がサーバ10から信号を受信した場合、子機40は、受信した信号が自機宛の信号であるか否かを判定する。詳しくは、子機40は、受信した信号の宛先アドレスとして自機の識別番号が指定されている場合、受信した信号が自機宛の信号であると判定する。そして、子機40は、受信した信号に含まれるデータの内容に基づいて各種の処理を実行する。
【0026】
複数の子機40は、それぞれ、複数の計測装置50と有線又は無線で接続される。本実施形態では、複数の子機40は、それぞれ、複数の計測装置50と電線1により有線接続される。
【0027】
サーバ10は、子機40を介して計測装置50の計測値を取得する。
【0028】
次に、図2を参照して、サーバ10について説明する。図2は、サーバ10の構成を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、サーバ10は、記憶部11と、制御部12と、通信部13とを有する。
【0030】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部11は、制御部12によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0031】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部12は、記憶部11に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、サーバ10の各要素を制御する。
【0032】
通信部13は、センタ側網制御装置20に接続され、センタ側網制御装置20と通信を行う。通信部13は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0033】
次に、図3を参照して、センタ側網制御装置20について説明する。図3は、センタ側網制御装置20の構成を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、センタ側網制御装置20は、記憶部21と、制御部22と、通信部23とを有する。
【0035】
記憶部21は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部21は、制御部22によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0036】
制御部22は、プロセッサーを含む。制御部22は、記憶部21に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、センタ側網制御装置20の各要素を制御する。
【0037】
通信部23は、サーバ10に接続され、サーバ10と通信を行う。通信部23は、広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介して端末側の装置と通信を行う。通信部23は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0038】
次に、図4を参照して、親機30について説明する。図4は、親機30の構成を示すブロック図である。
【0039】
図4に示すように、親機30は、記憶部31と、制御部32と、操作部33と、表示部34と、広域無線通信部35と、狭域無線通信部36とを有する。
【0040】
記憶部31は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部31は、制御部32によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0041】
制御部32は、プロセッサーを含む。制御部32は、記憶部31に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、親機30の各要素を制御する。
【0042】
操作部33は、親機30に対する指示を受け付ける。操作部33は、例えば、ディップスイッチと、プッシュスイッチとを含む。
【0043】
表示部34は、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。表示部34は、例えば、LED、及び/又は、液晶表示パネルを含む。
【0044】
広域無線通信部35は、広域無線網N1を介してセンタ側網制御装置20との間で無線通信を行う。広域無線通信部35は、例えば、FOMA又はLTEのような広域通信可能な通信モジュールである。
【0045】
広域無線通信部35は、信号を受信した場合、受信した信号をデコードすることにより電文を取得する。広域無線通信部35は、デコードして得られる電文を制御部32へ出力する。制御部32は、例えば、広域無線通信部35から電文を取得した場合、取得した電文に応じた処理を行う。
【0046】
広域無線通信部35は、本発明の通信部の一例である。
【0047】
狭域無線通信部36は、子機40との間で、所定の無線通信方式で通信を行う。所定の無線通信方式としては、例えば、特定小電力無線方式が採用される。特定小電力無線方式では、429MHz帯域の他、より通信速度の速い920MHz帯域が用いられる。狭域無線通信部36は、例えば、920MHz帯域通信用のRF-LSIを使用した通信モジュールである。
【0048】
次に、図5を参照して、子機40について説明する。図5は、子機40の構成を示すブロック図である。
【0049】
図5に示すように、子機40は、記憶部41と、制御部42と、操作部43と、表示部44と、狭域無線通信部45と、接続部46とを有する。
【0050】
記憶部41は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部41は、制御部42によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0051】
制御部42は、プロセッサーを含む。制御部42は、記憶部41に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、子機40の各要素を制御する。
【0052】
操作部43は、子機40に対する指示を受け付ける。操作部43は、例えば、ディップスイッチと、プッシュスイッチとを含む。
【0053】
表示部44は、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。表示部44は、例えば、LED、及び/又は、液晶表示パネルを含む。
【0054】
狭域無線通信部45は、親機30との間で所定の無線通信方式にて通信を行う。狭域無線通信部45は、親機30の狭域無線通信部36と同様の構成及び機能を有する。
【0055】
接続部46は、1又は複数のポートを備える。接続部46は、電線1によって計測装置50と有線接続される。接続部46は、電線1を介して計測装置50の計測値を取得する。
【0056】
次に、図6を参照して、親機30の広域無線通信部35の第1動作について説明する。図6は、親機30の広域無線通信部35が第1動作を行う際の、広域無線通信部35の状態を示すタイムチャートである。第1動作は、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20と通信を行っていないときの広域無線通信部35の動作を示す。なお、図6図8に示すタイムチャートおいて、信号が立ち上がっている期間は、広域無線通信部35が稼働している期間を示し、広域無線通信部35が通信できる期間を示す。図6図8に示すタイムチャートおいて、信号が立ち下がっている期間は、広域無線通信部35が停止している期間を示し、広域無線通信部35が通信できない期間を示す。
【0057】
図6において、第1状態α1は、広域無線通信部35が停止している状態を示す。広域無線通信部35は、第1状態α1になると停止する(略停止する)ので、センタ側網制御装置20と通信することができない。
【0058】
図6において、第2状態α2は、広域無線通信部35が通信の開始を待受けしている状態(待受け状態)を示す。広域無線通信部35は、第2状態α2になると、待受け状態になるので、センタ側網制御装置20からの信号を間欠で受信することができる。
【0059】
図6に示すように、広域無線通信部35は、センタ側網制御装置20と通信を行っていないとき、第1アイドル状態と、第2アイドル状態とを交互に繰り返す。
【0060】
広域無線通信部35は、第1アイドル状態になると、例えば、eDRX(extended idle mode Drx)サイクルで動作する。広域無線通信部35は、eDRXサイクルで動作する際、長期間(例えば、81.92秒)の間隔を空けて間欠受信を行う。
【0061】
広域無線通信部35は、第1アイドル状態(第1状態α1)になると、略通電されないので、待機状態になる。その結果、親機30の省電力化を図ることが可能になる。また、広域無線通信部35は、第1アイドル状態になると、センタ側網制御装置20と略通信できない状態になる。なお、広域無線通信部35は、第1アイドル状態になると、全く通電されず、第1状態α1の状態が保持されることで停止してもよい。
【0062】
広域無線通信部35は、第2アイドル状態になると、例えば、DRX(discontinuous reception)サイクルで動作する。広域無線通信部35は、DRXサイクルで動作する際、eDRXサイクルよりも短期間(例えば、10ミリ秒~2.56秒)の間隔を空けて間欠受信を行う。
【0063】
広域無線通信部35は、第2アイドル状態(第2状態α2)になると、間欠で通電されるので、間欠で稼働する。その結果、広域無線通信部35をセンタ側網制御装置20と間欠で通信できるようにしつつ、親機30の省電力化をある程度図ることが可能になる。
【0064】
広域無線通信部35が第1アイドル状態になってから第1所定期間T1が経過すると、広域無線通信部35の動作状態が第1アイドル状態から第2アイドル状態に移行する。
【0065】
広域無線通信部35が第2アイドル状態になってから、新たに信号を受信することなく、第2所定期間T2が経過すると、広域無線通信部35の動作状態が第2アイドル状態から第1アイドル状態に移行する。
【0066】
次に、図7を参照して、親機30の広域無線通信部35の第2動作について説明する。図7は、親機30の広域無線通信部35が第2動作を行う際の、広域無線通信部35の状態を示すタイムチャートである。第2動作は、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20と通信を行うときの広域無線通信部35の動作の第1例を示す。
【0067】
図7に示すように、広域無線通信部35は、第2アイドル状態のとき、稼働するタイミングで信号Y1を受信すると接続状態になる。信号Y1は、親機30を起動するための起動信号である。信号Y1は、例えば、センタ側網制御装置20から親機30に送信される。広域無線通信部35が接続状態になると、センタ側網制御装置20の制御部22が、第3所定期間T3のカウントを開始する。センタ側網制御装置20の制御部22は、センタ側網制御装置20と広域無線通信部35との接続状態を維持させるか、又は、センタ側網制御装置20と広域無線通信部35との接続状態を切断するかを判断するために、第3所定期間T3をカウントする。
【0068】
広域無線通信部35は、接続状態になると、第3状態α3で稼働する。従って、広域無線通信部35は、接続状態になると、信号を送受信可能な状態を維持される。広域無線通信部35は、接続状態になると、連続で通電されるので、連続で稼働する。その結果、広域無線通信部35は、信号を効果的に受信することが可能になる。
【0069】
広域無線通信部35が接続状態になってから、センタ側網制御装置20と新たに信号を送受信することなく、第3所定期間T3が経過すると、センタ側網制御装置20が親機30との接続状態を切断する。この場合、センタ側網制御装置20が親機30に対して、親機30との接続状態を切断することを示す信号を送信する。その結果、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第1アイドル状態に移行する。すなわち、親機30の制御部32が広域無線通信部35を接続状態から第1アイドル状態へ移行させる処理が、センタ側網制御装置20からの指示によって行われる。
【0070】
本実施形態では、接続状態の期間は、第3所定期間T3に設定されている。
【0071】
第3所定期間T3は、本発明の所定期間の一例である。
【0072】
広域無線通信部35の単位時間当たりの稼働時間(通電される時間)は、第1アイドル状態、第2アイドル状態、及び接続状態の順に多くなる。従って、親機30の単位時間当たりの消費電力は、第1アイドル状態、第2アイドル状態、及び接続状態の順に多くなる。
【0073】
次に、図8を参照して、親機30の広域無線通信部35の第3動作について説明する。図8は、親機30の広域無線通信部35が第3動作を行う際の、広域無線通信部35の状態を示すタイムチャートである。第3動作は、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20と通信を行うときの広域無線通信部35の動作の第2例を示す。
【0074】
図8に示すように、広域無線通信部35は、第2アイドル状態のとき、稼働するタイミングで信号Y1を受信すると接続状態になる。そして、広域無線通信部35は、接続状態になってから第3所定期間T3が経過する前にセンタ側網制御装置20宛に信号Y2を送信すると、接続状態を継続する。広域無線通信部35の第3動作では、広域無線通信部35は、接続状態になってから第3所定期間T3よりも短い期間T4(T4<T3)の時点で信号Y2を送信しているので、期間T4の経過後も接続状態を継続する。そして、広域無線通信部35が信号Y2を送信した時点(期間T4の終了時点)から、センタ側網制御装置20による第3所定期間T3のカウントがやり直される。その結果、広域無線通信部35の接続状態の期間が延長される。そして、広域無線通信部35が新たに信号を送受信することなく、第3所定期間T3が経過すると、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第1アイドル状態に移行する。
【0075】
以上、図8を参照して説明したように、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20宛に信号Y2を送信することで、接続状態の期間が信号Y2の送信時から第3所定期間T3、延長される。
【0076】
なお、図8に示す接続状態が延長される期間の長さと、図7に示す接続状態の期間の長さとは、第3所定期間T3で同じであるが、互いに異なっていてもよい。
【0077】
また、第1所定期間T1、第2所定期間T2、及び第3所定期間T3の各々の長さは、特に限定されない。第1所定期間T1、第2所定期間T2、及び第3所定期間T3は、互いに同じ長さの期間でもよい。第1所定期間T1、第2所定期間T2、及び第3所定期間T3は、互いに異なった長さの期間でもよい。第1所定期間T1、第2所定期間T2、及び第3所定期間T3は、センタ側網制御装置20と親機30との間で予め決められている。センタ側網制御装置20は、親機30の現在の動作状態が、第1アイドル状態、第2アイドル状態、及び接続状態のうちのいずれの状態であるかを把握している。
【0078】
子機40についても、親機30と同様の手順で図6から図8に示す動作を行う。なお、子機40は、センタ側網制御装置20と通信する際、親機30を介して通信する。
【0079】
次に、図3図4図9、及び図10を参照して、テレメータシステム100の動作の第1例について説明する。図9は、テレメータシステム100の動作の第1例を示す第1フロー図である。図10は、テレメータシステム100の動作の第1例を示す第2フロー図である。テレメータシステム100の動作の第1例は、親機30が第1送信信号を送信してから第1応答信号を受信するまでのテレメータシステム100の動作を示す。第1送信信号、及び第1応答信号の説明は後述する。なお、広域無線通信部35の動作状態に関係なく、センタ側網制御装置20は常時稼働している。
【0080】
図3図4及び図9に示すように、ステップS101において、広域無線通信部35が接続状態で動作している。具体的には、広域無線通信部35は、センタ側網制御装置20と接続状態であり、センタ側網制御装置20と通信可能な状態である。
【0081】
ステップS102において、親機30の広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対してオフ信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、親機30からセンタ側網制御装置20に対してオフ信号が送信される。
【0082】
オフ信号は、広域無線通信部35が第1アイドル状態になることをオフにするための信号である。オフ信号は、センタ側網制御装置20宛に送信される。オフにするは、規制することを示す。
【0083】
ステップS103において、親機30の広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対して第1送信信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、親機30からセンタ側網制御装置20に対して第1送信信号が送信される。
【0084】
第1送信信号は、親機30からセンタ側網制御装置20を介してサーバ10宛に送信される信号のうち、サーバ10から親機30に対する応答が必要な信号である。すなわち、第1送信信号は、親機30からサーバ10宛に問いかけを発する信号である。
【0085】
広域無線通信部35が第1送信信号を送信すると、制御部32は、広域無線通信部35が第1応答信号の受信待ちの状態になったと判断する。第1応答信号は、第1送信信号に対する応答の信号である。
【0086】
第1応答信号の受信待ちの状態は、本発明の応答待ちの状態の第1例である。
【0087】
センタ側網制御装置20の通信部23が第1送信信号を受信すると、制御部22が第3所定期間T3(図8参照)のカウントを開始する。
【0088】
ステップS104において、センタ側網制御装置20の通信部23がサーバ10に対して、第1送信信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。その結果、センタ側網制御装置20からサーバ10に対して第1送信信号が送信される。
【0089】
ステップS105において、第3所定期間T3が経過したとセンタ側網制御装置20の制御部22が判定すると、通信部23が親機30に対して第2アイドル状態への移行を指示する指示信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。
【0090】
ステップS106において、親機30の広域無線通信部35が指示信号を受信すると、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第2アイドル状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、広域無線通信部35が第2アイドル状態になる。
【0091】
ステップS107において、サーバ10の通信部13がセンタ側網制御装置20に対して第1応答信号を送信するように、制御部12が通信部13を制御する。その結果、サーバ10からセンタ側網制御装置20に対して第1応答信号が送信される。
【0092】
第1応答信号は、サーバ10からセンタ側網制御装置20を介して親機30宛に発せられる。
【0093】
図3図4及び図10に示すように、ステップS108において、センタ側網制御装置20の通信部23が親機30に対して起動信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。その結果、センタ側網制御装置20から親機30に起動信号が送信される。
【0094】
ステップS109において、親機30の広域無線通信部35が起動信号を受信すると、広域無線通信部35の動作状態が第2アイドル状態から接続状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、広域無線通信部35が接続状態になる。
【0095】
ステップS110において、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対して第1通知信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。第1通知信号は、広域無線通信部35が接続状態に移行したことを通知するための信号である。
【0096】
センタ側網制御装置20は、第1通知信号を受信すると、親機30の広域無線通信部35の動作状態が第2アイドル状態から接続状態に移行したことを認識する。
【0097】
ステップS111において、センタ側網制御装置20の通信部23が親機30に対して第1応答信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。その結果、センタ側網制御装置20から親機30に対して第1応答信号が送信される。
【0098】
親機30の広域無線通信部35が第1応答信号を受信することで、制御部32は、通信事象の終了を判断して、広域無線通信部35の第1応答信号の受信待ちの状態を終了させる。
【0099】
ステップS112において、親機30の広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対してオン信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、親機30からセンタ側網制御装置20に対してオン信号が送信される。
【0100】
オン信号は、広域無線通信部35が第1アイドル状態になることをオンにするための信号である。オン信号は、センタ側網制御装置20宛に送信される。オンにするは、規制しないことを示す。
【0101】
広域無線通信部35がオン信号を送信することで、広域無線通信部35の規制状態が解除される。広域無線通信部35の規制状態は、ステップS102において、広域無線通信部35が、オフ信号を送信することにより、第1アイドル状態になることを規制されている状態を示す。広域無線通信部35の規制状態が、オン信号により解除されると、広域無線通信部35の動作状態が第1アイドル状態に移行できるようになる。
【0102】
ステップS113において、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20からの第1応答信号を受信してから(センタ側網制御装置20の通信部23が第1応答信号を送信してから)、第3所定期間T3が経過すると、広域無線通信部35の接続状態が終了する。
【0103】
ステップS114において、親機30の広域無線通信部35の動作状態が第1アイドル状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、テレメータシステム100の動作の第1例が終了する。
【0104】
以上、図3図4図9、及び図10を参照して説明したように、ステップS102、及びステップS103において、接続状態の広域無線通信部35が第1応答信号の受信待ちの状態になる場合、広域無線通信部35が第1アイドル状態になることをオフにするためのオフ信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。従って、オフ信号により広域無線通信部35が第1アイドル状態(待機状態)になることをオフにされることによって、広域無線通信部35が第1応答信号を円滑に受信できる状態を保持できる。その結果、親機30がサーバ10と円滑に通信することができる。
【0105】
また、ステップS106において、広域無線通信部35の第1応答信号の受信待ちの状態が保持されつつ、広域無線通信部35の接続状態の期間が終了すると、広域無線通信部35が第2アイドル状態になる。従って、センタ側網制御装置20からの起動信号により、広域無線通信部35の動作状態を第2アイドル状態から接続状態に容易に変えることができる。その結果、サーバ10は、センタ側網制御装置20を介して親機30宛に第1応答信号を送信する場合、親機30と円滑に通信することができる。
【0106】
次に、図11を参照して、親機30がオフ信号を送信しない場合におけるテレメータシステム100の動作について説明する。図11は、親機30がオフ信号を送信しない場合におけるテレメータシステム100の動作を示すフロー図である。図11に示すテレメータシステム100の動作は、図9及び図10に示す本実施形態のテレメータシステム100の動作との比較のために説明される。以下では、主に、本実施形態のテレメータシステム100の動作と異なる点を説明する。
【0107】
図11に示すように、ステップS101に示す処理の終了後、ステップS103に移行する。すなわち、図9のステップS102に示す処理(オフ信号を送信する処理)が行われない。そして、ステップS103において、親機30の広域無線通信部35が第1送信信号を送信してから第3所定期間T3が経過すると、ステップS10Aに移行する。
【0108】
ステップS10Aにおいて、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第1アイドル状態に移行する。広域無線通信部35の第1アイドル状態は、第1所定期間T1継続する(図6参照)。
【0109】
ステップS10Bにおいて、第1所定期間T1が経過するまでの間、センタ側網制御装置20は、親機30に対する第1応答信号の送信待ちの状態になる。理由は、第1所定期間T1中は、広域無線通信部35が第1アイドル状態であり、信号を受け付けない(略受け付けない)からである。
【0110】
ステップS10Cにおいて、第1所定期間T1が経過すると、広域無線通信部35が第1アイドル状態から第2アイドル状態に移行する(図6参照)。そして、ステップS108~ステップS113に示す処理が行われる。
【0111】
図11に示すテレメータシステム100の動作によると、親機30がオフ信号を送信しないので、広域無線通信部35が第1応答信号の受信待ちの状態で、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第1アイドル状態に移行する。この場合、広域無線通信部35の第1アイドル状態が終了するまで広域無線通信部35が第1応答信号を受信できないので、親機30とセンタ側網制御装置20との通信が中断される。これに対し、図9及び図10に示すテレメータシステム100の動作によると、親機30がオフ信号を送信するので、広域無線通信部35が第1応答信号の受信待ちの状態で、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第2アイドル状態に移行する。この場合、起動信号により広域無線通信部35の動作状態を第2アイドル状態から接続状態に変えることができるので、親機30とセンタ側網制御装置20との通信が中断されることを抑制できる。その結果、図9及び図10に示すテレメータシステム100の動作の方が、図11に示すテレメータシステム100の動作に比べて、親機30とセンタ側網制御装置20とが円滑に通信できる。
【0112】
次に、図12及び図13を参照して、親機30の動作の第1例について説明する。図12は、親機30の動作の第1例を示す第1フロー図である。図13は、親機30の動作の第1例を示す第2フロー図である。親機30の動作の第1例は、テレメータシステム100が図9及び図10に示す動作を行うときの、親機30の動作を示す。
【0113】
図12に示すように、ステップS201において、広域無線通信部35が接続状態で動作している。
【0114】
ステップS202において、制御部32は、接続状態の期間が終了したか否かを判定する。接続状態の期間が終了したと制御部32が判定した場合(ステップS202で、Yes)、処理がステップS203に移行する。接続状態の期間が終了していないと制御部32が判定した場合(ステップS202で、No)、処理がステップS205に移行する。
【0115】
ステップS203において、広域無線通信部35の接続状態が終了するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。
【0116】
ステップS204において、親機30の広域無線通信部35の動作状態が第1アイドル状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、親機30の動作の第1例が終了する。
【0117】
ステップS205において、広域無線通信部35が第1送信信号を送信予定であるか否かを制御部32が判定する。広域無線通信部35が第1送信信号を送信予定であると制御部32が判定すると(ステップS205で、Yes)、処理がステップS206に移行する。広域無線通信部35が第1送信信号を送信予定でないと制御部32が判定すると(ステップS205で、No)、処理がステップS202に移行する。
【0118】
ステップS206において、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対してオフ信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。
【0119】
ステップS207において、広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対して第1送信信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、広域無線通信部35が第1応答信号の受信待ちの状態になる。
【0120】
ステップS208において、広域無線通信部35が第1応答信号を受信したか否かを制御部32が判定する。広域無線通信部35が第1応答信号を受信したと制御部32が判定すると(ステップS208で、Yes)、処理がステップS202に移行する。広域無線通信部35が第1応答信号を受信することで、広域無線通信部35の第1応答信号の受信待ちの状態が終了する。広域無線通信部35が第1応答信号を受信して、通信事象が終了すると、親機30からセンタ側網制御装置20に対してオン信号が送信される。
【0121】
広域無線通信部35が第1応答信号を受信していないと制御部32が判定すると(ステップS208で、No)、処理が図13に示すステップS209に移行する。
【0122】
図13に示すように、ステップS209において、制御部32は、接続状態の期間が終了したか否かを判定する。
【0123】
親機30の制御部32は、第2アイドル状態への移行を指示する指示信号を広域無線通信部35により受信した場合(図9のステップS105参照)、接続状態の期間が終了したと判定する。接続状態の期間が終了したと制御部32が判定した場合(ステップS209で、Yes)、処理がステップS210に移行する。
【0124】
親機30の制御部32は、指示信号を広域無線通信部35により受信していない場合(図9のステップS105参照)、接続状態の期間が終了していないと判定する。接続状態の期間が終了していないと制御部32が判定した場合(ステップS209で、No)、処理が図12に示すステップS208に移行する。
【0125】
ステップS210において、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第2アイドル状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。
【0126】
ステップS211において、制御部32は、第2アイドル状態の期間が終了したか否かを判定する。第2アイドル状態の期間が終了したと制御部32が判定すると(ステップS211で、Yes)、処理が図12に示すステップS204に移行する。なお、ステップS211において、第2アイドル状態の期間が終了する際、親機30からセンタ側網制御装置20に対してオン信号が送信される。第2アイドル状態の期間が終了していないと制御部32が判定すると(ステップS211で、No)、処理がステップS212に移行する。
【0127】
ステップS212において、制御部32は、広域無線通信部35が起動信号を受信したか否かを判定する。広域無線通信部35が起動信号を受信したと制御部32が判定すると(ステップS212で、Yes)、処理がステップS213に移行する。広域無線通信部35が起動信号を受信していないと制御部32が判定すると(ステップS212で、No)、処理がステップS211に移行する。
【0128】
ステップS213において、広域無線通信部35の動作状態が第2アイドル状態から接続状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。ステップS213に示す処理が終了すると、処理が図12に示すステップS208に移行する。
【0129】
以上、図12及び図13を参照して説明したように、ステップS202~ステップS205において、広域無線通信部35が第1応答信号の受信待ちでない状態で、広域無線通信部35の接続状態の期間が終了すると、広域無線通信部35が第1アイドル状態になる。従って、親機30を省電力で動作させることができる。
【0130】
次に、図3図4及び図14及び図15を参照して、テレメータシステム100の動作の第2例について説明する。図14は、テレメータシステム100の動作の第2例を示す第1フロー図である。図15は、テレメータシステム100の動作の第2例を示す第2フロー図である。テレメータシステム100の動作の第2例は、サーバ10が第2送信信号を送信してから第2応答信号を受信するまでのテレメータシステム100の動作を示す。第2送信信号、及び第2応答信号の説明は後述する。
【0131】
図3図4及び図14に示すように、ステップS301において、広域無線通信部35が接続状態で動作している。
【0132】
ステップS302において、サーバ10の通信部13がセンタ側網制御装置20に対して第2送信信号を送信するように、制御部12が通信部13を制御する。その結果、サーバ10からセンタ側網制御装置20に対して第2送信信号が送信される。
【0133】
第2送信信号は、サーバ10からセンタ側網制御装置20を介して親機30宛に送信される信号のうち、親機30からサーバ10に対する応答が必要な信号である。すなわち、第2送信信号は、サーバ10から親機30宛に問いかけを発する信号である。
【0134】
ステップS303において、センタ側網制御装置20の通信部23が親機30に対して第2送信信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。その結果、センタ側網制御装置20から親機30に対して第2送信信号が送信される。
【0135】
親機30の広域無線通信部35が第2送信信号を受信すると、親機30の制御部32は、広域無線通信部35が第2応答信号の送信待ちの状態になったと判断する。第2応答信号は、第2送信信号に対する応答の信号である。
【0136】
第2応答信号の送信待ちの状態は、本発明の応答待ちの状態の第2例である。
【0137】
センタ側網制御装置20の通信部23が第2送信信号を送信すると、制御部22が第3所定期間T3(図8参照)のカウントを開始する。
【0138】
ステップS304において、親機30の広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対してオフ信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、親機30からセンタ側網制御装置20に対してオフ信号が送信される。
【0139】
ステップS305において、第3所定期間T3が経過したとセンタ側網制御装置20の制御部22が判定すると、通信部23が親機30に対して第2アイドル状態への移行を指示する指示信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。
【0140】
ステップS306において、親機30の広域無線通信部35が指示信号を受信すると、広域無線通信部35の動作状態が接続状態から第2アイドル状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、広域無線通信部35が第2アイドル状態になる。
【0141】
図3図4及び図15に示すように、ステップS307において、親機30の広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対して第2通知信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、親機30からセンタ側網制御装置20に第2通知信号が送信される。第2通知信号は、親機30が接続状態に移行すること(センタ側網制御装置20と通信すること)をセンタ側網制御装置20に対して通知するための信号である。
【0142】
ステップS308において、センタ側網制御装置20の通信部23が親機30に対して起動信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。その結果、センタ側網制御装置20から親機30に起動信号が送信される。
【0143】
ステップS309において、親機30の広域無線通信部35が起動信号を受信すると、広域無線通信部35の動作状態が第2アイドル状態から接続状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、広域無線通信部35が接続状態になる。
【0144】
ステップS310において、親機30の広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対して第2応答信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、親機30からセンタ側網制御装置20に対して第2応答信号が送信される。
【0145】
第2応答信号は、親機30からセンタ側網制御装置20を介してサーバ10宛に発せられる。
【0146】
親機30の広域無線通信部35が第2応答信号を送信すると、制御部32は、通信事象の終了を判断して、広域無線通信部35の第2応答信号の送信待ちの状態を終了させる。
【0147】
ステップS311において、センタ側網制御装置20の通信部23がサーバ10に対して、第2送信信号を送信するように、制御部22が通信部23を制御する。その結果、センタ側網制御装置20からサーバ10に対して第2送信信号が送信される。
【0148】
ステップS312において、親機30の広域無線通信部35がセンタ側網制御装置20に対してオン信号を送信するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。制御部32は、第2応答信号の送信後、サーバ10に対する送信事象がもうないと判断した場合に、広域無線通信部35にオン信号を送信させる。
【0149】
ステップS313において、広域無線通信部35から第2応答信号が送信されてから第3所定期間T3が経過すると、広域無線通信部35の接続状態が終了する。
【0150】
ステップS314において、親機30の広域無線通信部35の動作状態が第1アイドル状態に移行するように、制御部32が広域無線通信部35を制御する。その結果、テレメータシステム100の動作の第2例が終了する。
【0151】
以上、図14及び図15を参照して説明したように、ステップS306において、広域無線通信部35の第2応答信号の送信待ちの状態が保持されつつ、広域無線通信部35の接続状態の期間が終了すると、広域無線通信部35が第2アイドル状態になる。従って、センタ側網制御装置20からの起動信号により、広域無線通信部35の動作状態を第2アイドル状態から接続状態に容易に変えることができる。その結果、親機30は、センタ側網制御装置20を介してサーバ10宛に第2応答信号を送信する場合、サーバ10と円滑に通信することができる。
【0152】
図16及び図17を参照して、親機30の動作の第2例について説明する。図16は、親機30の動作の第2例を示す第1フロー図である。図17は、親機30の動作の第2例を示す第2フロー図である。親機30の動作の第2例は、テレメータシステム100が図14及び図15に示す動作を行うときの、親機30の動作を示す。
【0153】
以下では、図12及び図13に示す親機30の動作の第1例と異なる点を説明する。
【0154】
図16に示すように、ステップS201に示す処理が終了すると、処理がステップS202に移行する。ステップS202でNoの場合、処理がステップS205Aに移行する。
【0155】
ステップS205Aにおいて、広域無線通信部35が第2送信信号を受信したか否かを制御部32が判定する。広域無線通信部35が第2送信信号を受信していないと制御部32が判定すると(ステップS205Aで、No)、処理がステップS202に移行する。広域無線通信部35が第2送信信号を受信したと制御部32が判定すると(ステップS205Aで、Yes)、処理がステップS206に移行する。広域無線通信部35が第2送信信号を受信することで、広域無線通信部35が第2応答信号の送信待ちの状態になる。
【0156】
ステップS206において、広域無線通信部35がオフ信号を送信すると、処理がステップS208Aに移行する。なお、接続状態の広域無線通信部35が第2送信信号を受信した後、オフ信号を送信しない場合、広域無線通信部35の接続状態の期間が終了すると、広域無線通信部35の動作状態が第1アイドル状態に移行する。
【0157】
ステップS208Aにおいて、広域無線通信部35が第2応答信号を送信したか否かを制御部32が判定する。広域無線通信部35が第2応答信号を送信したと制御部32が判定すると(ステップS208Aで、Yes)、処理がステップS202に移行する。広域無線通信部35が第2応答信号を送信することで、広域無線通信部35の第2応答信号の送信待ちの状態が終了する。広域無線通信部35が第2応答信号を送信して、通信事象が終了すると、親機30からセンタ側網制御装置20に対してオン信号が送信される。
【0158】
広域無線通信部35が第2応答信号を送信していないと制御部32が判定すると(ステップS208Aで、No)、処理が図17に示すステップS209に移行する。
【0159】
図17に示すように、ステップS209でNoの場合、処理が図16に示すステップS208Aに移行する。ステップS209でYesの場合、処理がステップS210に移行する。ステップS210に示す処理の終了後、処理がステップS211に移行する。
【0160】
ステップS211でYesの場合、処理が図16に示すステップS204に移行する。ステップS211でNoの場合、処理がステップS212に移行する。
【0161】
ステップS212でYesの場合、処理がステップS213に移行する。ステップS212でNoの場合、処理がステップS211に移行する。ステップS213に示す処理が終了すると、処理が図16に示すステップS208Aに移行する。
【0162】
以上、図16及び図17を参照して説明したように、ステップS202~ステップS205Aにおいて、広域無線通信部35が第2応答信号の送信待ちでない状態で、広域無線通信部35の接続状態の期間が終了すると、広域無線通信部35が第1アイドル状態になる。従って、親機30を省電力で動作させることができる。
【0163】
以上、図面(図1図17)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)~(4))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0164】
(1)本実施形態では、図9図10図12及び図13に示すように、親機30がサーバ10との間で、第1送信信号、及び第1応答信号の送受信を行った。しかし、本発明は、これに限定されない。親機30に代えて、子機40がサーバ10との間で、第1送信信号、及び第1応答信号の送受信を行ってもよい。この場合、子機40は、親機30を介してセンタ側網制御装置20と通信する。子機40の狭域無線通信部45は、第1応答信号の受信待ちの状態になる場合、親機30を介してセンタ側網制御装置20宛にオフ信号を送信する(図9のステップS102参照)。その結果、図12及び図13に示す親機30の第1例の動作と同様の効果を奏する。
【0165】
(2)本実施形態では、図14図17に示すように、親機30がサーバ10との間で、第2送信信号、及び第2応答信号の送受信を行った。しかし、本発明は、これに限定されない。親機30に代えて、子機40がサーバ10との間で、第2送信信号、及び第2応答信号の送受信を行ってもよい。この場合、子機40は、親機30を介してセンタ側網制御装置20と通信する。子機40の狭域無線通信部45は、第2応答信号の送信待ちの状態になる場合、親機30を介してセンタ側網制御装置20宛にオフ信号を送信する。その結果、図16及び図17に示す親機30の第2例の動作と同様の効果を奏する。
【0166】
(3)本実施形態では、図9に示すように、ステップS102において、オフ信号が送信された後、ステップS103において、第1送信信号が送信された。しかし、本発明はこれに限定されない。第1送信信号が送信された後、オフ信号が送信されてもよい。
【0167】
以下では、第1送信信号と第2送信信号とを総称して、送信信号と記載することがある。
【0168】
(4)本実施形態では、接続状態の広域無線通信部35が応答待ちの状態になる場合、広域無線通信部35がオフ信号を送信する。しかし、本発明は、これに限定されない。接続状態の広域無線通信部35が応答待ちの状態になる場合、制御部32は、オフ信号を送信するか否かを判定してもよい。すなわち、接続状態の広域無線通信部35が応答待ちの状態になるだけではなく、さらに、制御部32がオフ信号を送信する旨の判定をすることによって、オフ信号が送信されてもよい。この場合、接続状態の広域無線通信部35が応答待ちの状態になっても、制御部32がオフ信号を送信する旨の判定をしなければ、オフ信号が送信されない。
【0169】
制御部32は、例えば、送信信号の種類に基づいて、オフ信号を送信するか否かを判定する。
【0170】
以下では、オフ信号を送信するか否かの判定基準の第1例について説明する。
【0171】
送信信号は、応答処理にかかる時間の長さに応じて、第1種類の送信信号と、第2種類の送信信号とに予め分類されている。応答処理にかかる時間は、親機30から第1送信信号が送信される場合は、親機30が第1送信信号を送信してから第1応答信号を受信するまでに通常かかる時間を示す。また、応答処理にかかる時間は、親機30に対して第2送信信号が送信される場合は、親機30が第2送信信号を受信してから第2応答信号を送信するまでに通常かかる時間を示す。
【0172】
第1種類の送信信号は、応答処理にかかる時間の長さが所定の閾値未満になる送信信号である。第2種類の送信信号は、応答処理にかかる時間の長さが所定の閾値以上になる送信信号である。第1種類の送信信号よりも、第2種類の応答信号の方が、応答処理にかかる時間が長い。
【0173】
送信信号が第1種類の送信信号の場合、制御部32は、オフ信号を送信しない旨の判定をする。これに対し、送信信号が第2種類の送信信号の場合、制御部32は、オフ信号を送信する旨の判定をする。以下では、判定基準の第1例の原理について説明する。第1種類の送信信号のように応答処理にかかる時間が短い場合、広域無線通信部35の接続状態の期間が終了するまでに応答処理が完了すると推定できるので、オフ信号による接続状態から第2アイドル状態への移行処理が必要ない。これに対し、第2種類の送信信号のように応答処理にかかる時間が長い場合、広域無線通信部35の接続状態の期間が終了するまでに応答処理が完了しないと推定できるので、オフ信号による移行処理が必要である。従って、送信信号が第1種類の送信信号の場合、オフ信号が送信されないのに対し、送信信号が第2種類の送信信号の場合、オフ信号が送信される。
【0174】
以下では、オフ信号を送信するか否かの判定基準の第2例について説明する。
【0175】
送信信号が第1種類の送信信号の場合、制御部32は、オフ信号を送信する旨の判定をする。これに対し、送信信号が第2種類の送信信号の場合、制御部32は、オフ信号を送信しない旨の判定をする。以下では、判定基準の第2例の原理について説明する。第1種類の送信信号のように応答処理にかかる時間が短い場合、オフ信号による接続状態から第2アイドル状態への移行処理が行われると、遅くとも、広域無線通信部35の第2アイドル状態が終了するまでには応答処理が完了すると推定できるので、オフ信号による移行処理が必要である。これに対し、第2種類の送信信号のように応答処理にかかる時間が長い場合、オフ信号による移行処理が行われても、広域無線通信部35の第2アイドル状態の終了時には応答処理が完了していないと推定できるので、オフ信号による移行処理が必要ない。従って、送信信号が第1種類の送信信号の場合、オフ信号が送信されるのに対し、送信信号が第2種類の送信信号の場合、オフ信号が送信されない。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、通信装置、通信システム、及び通信制御方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0177】
20 センタ側網制御装置(基地局)
10 サーバ
30 親機(通信装置)
40 子機(通信装置)
35 広域無線通信部(通信部)
45 狭域無線通信部(通信部)
32、42 制御部
T1 第1所定期間
T3 第3所定期間(所定期間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17