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特許7506462センサパッケージ、およびセンサパッケージの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】センサパッケージ、およびセンサパッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B81B 3/00 20060101AFI20240619BHJP
   B81C 3/00 20060101ALI20240619BHJP
   G01P 15/08 20060101ALI20240619BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20240619BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
B81B3/00
B81C3/00
G01P15/08 102Z
H01L29/84 Z
H01L23/02 K
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019125671
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2020011375
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】1811925.5
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508296554
【氏名又は名称】アトランティック・イナーシャル・システムズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Atlantic Inertial Systems Limited
【住所又は居所原語表記】Clittaford Road,Southway,Plymouth,Devon PL6 6DE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】モルヴァーン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ハーリシュ,キラン
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-021210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0305740(US,A1)
【文献】特開2012-146958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B81B 3/00
B81C 3/00
G01P 15/08
H01L 29/84
H01L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサであって、材料層に形成されたセンシング構造と、前記センシング構造を封止するように配置されて密封センサユニットを形成する1つまたは複数の追加の材料層とを含む、センサと、
支持構造と、
前記密封センサユニットを前記支持構造に柔軟に固定する1つまたは複数のばねであって、前記密封センサユニットの前記センシング構造と同じ材料層に形成されている、1つまたは複数のばねと、
前記密封センサユニット、前記支持構造、及び、前記1つまたは複数のばねを封入する1つまたは複数の外部パッケージ壁であって、前記支持構造が、前記外部パッケージ壁の少なくとも1つに固定された、前記外部パッケージ壁と、
前記密封センサユニットと前記支持構造との間に配置されたスクイーズフィルム制動構造と、
を含み、
前記スクイーズフィルム制動構造は、前記密封センサユニットの前記センシング構造及び前記1つまたは複数のばねと同じ材料層に形成され
前記1つまたは複数のばねは、蛇行形状を有しており、
前記スクイーズフィルム制動構造は、複数の相互に嵌合した制動フィンガを含む、センサパッケージ。
【請求項2】
前記支持構造は、前記密封センサユニットの前記センシング構造及び前記1つまたは複数のばねと同じ材料層に形成されている、請求項に記載のセンサパッケージ。
【請求項3】
前記支持構造は、前記密封センサユニットを囲む枠である、請求項1または2に記載のセンサパッケージ。
【請求項4】
前記支持構造は、前記少なくとも1つの外部パッケージ壁の1つまたは複数に剛性取付部を介して固定されている、請求項1~のいずれか1項に記載のセンサパッケージ。
【請求項5】
前記密封センサユニットを前記外部パッケージ壁の少なくとも1つに電気的に接続した可撓性ワイヤボンドをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載のセンサパッケージ。
【請求項6】
前記密封センサユニットは、前記1つまたは複数のばねによって担持された導電性経路によって前記外部パッケージ壁の少なくとも1つに電気的に接続されている、請求項1~のいずれか1項に記載のセンサパッケージ。
【請求項7】
センサパッケージの製造方法であって、
センシング構造を材料層に形成することと、
前記センシング構造と同じ材料層に1つまたは複数のばねと、スクイーズフィルム制動構造と、を形成することと、
1つまたは複数の追加の材料層を追加して前記センシング構造を封止し、前記1つまたは複数のばねが密封センサユニットを支持構造に柔軟に固定する前記密封センサユニットを形成することと、
1つまたは複数の外部パッケージ壁に前記支持構造を固定することと、
を含み、
前記1つまたは複数の外部パッケージ壁は、前記密封センサユニット、前記支持構造、前記1つまたは複数のばね、及び、前記スクイーズフィルム制動構造を封入し、
前記スクイーズフィルム制動構造が、前記密封センサユニットと前記支持構造との間に形成され
前記1つまたは複数のばねは、蛇行形状を有しており、
前記スクイーズフィルム制動構造は、複数の相互に嵌合した制動フィンガを含む、
前記方法。
【請求項8】
前記密封センサユニットの前記センシング構造及び前記1つまたは複数のばねと同じ材料層に前記支持構造を形成すること
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記密封センサユニットが、前記外部パッケージ壁の少なくとも1つに電気的に接続されるように、前記1つまたは複数のばねを通る導電性経路を形成すること、
を含む、請求項7または8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサパッケージに関し、詳細には、MEMSセンサパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
センサ、例えば、圧力センサまたは慣性センサ(加速度計及びジャイロスコープ等)は、慣性ナビゲーション、ロボティクス、アビオニクス、及び、自動車を含む、多くの用途で使用される。慣性ナビゲーション用途において、このようなセンサは、「慣性計測装置」(IMU)として知られる自己完結型システムに見られる場合がある。IMUは、典型的に、複数の加速度計及び/またはジャイロスコープを含み、ジャイロスコープ(複数可)及び/または加速度計(複数可)の出力に基づいて、角速度、加速度、高度、位置、及び、速度等、物体の移動パラメータの推定値を提供する。IMUの各慣性センサは、自己完結型パッケージである。IMUは、典型的に、3つの軸全てで検知する加速度計及びジャイロスコープからなる。これは、通常、ナビゲーションアルゴリズムを用いて速度と位置の計算を追加する慣性ナビゲーションシステム(INS)の一部である。IMUレベルでは、出力は、通常、各サンプルと共に角回転と速度のインクリメントに制限される。
【0003】
典型的に1つのシリコンウェハから製造された微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサを使用して、固定の基準点無しで、例えば、圧力もしくは温度、または、直線運動もしくは角運動を測定できる。MEMS圧力センサは、流圧によるMEMS構造の機械的変形の原理に基づくことが多い。MEMSジャイロスコープ、または、厳密に言うと、MEMS角速度センサは、コリオリの力に対して振動するMEMS構造の応答を観察することによって角速度を測定できる。MEMS加速度計は、MEMS構造のばねに懸架されたプルーフマスの応答を観察することによって直線加速度を測定できる。高性能のMEMS慣性センサは、そのバイアスとスケールファクタの安定性によって規定される。
【0004】
MEMSセンサは、MEMSセンサパッケージ内の絶縁層(isolation layer)に通常、支持される。例えば、シリコンエラストマの絶縁層が、MEMSセンサのパッケージと最も下のガラス層との間に備えられてよい。ある例においては、MEMSセンサは、ばねまたは他の制動構造を介して周囲のパッケージに接続されたラフトを含む絶縁層に取り付けられてよい。絶縁層は、望ましくない外部振動から絶縁することと、MEMSセンサと周囲のパッケージ(典型的に、アルミナまたはセラミック)の間の熱膨張の差による機械的応力を吸収することという2つの主な機能を有する。
【0005】
MEMS慣性センサをそのパッケージに接着する絶縁層の安定性は、特に、0.1mgより良いバイアス安定性を達成しようとする時、高性能を求めるためには重要である。MEMSセンサをパッケージ応力から分離するために、非常に低い弾性係数を有するエラストマ絶縁層(例えば、シリコン)が通常、選択される。しかしながら、このような材料は、長期的なクリープ及び経年劣化の影響を受け、この影響は、使用期間にわたる応力緩和によってセンサの性能(例えば、バイアス及びスケールファクタ)を変える場合がある。従って、慣性センサをパッケージ応力から良好に絶縁し、長期間にわたる性能の安定性を達成することは難しい。どのMEMSセンサをパッケージに取り付ける時も同様の考慮事項が該当する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
センサパッケージにおける絶縁取付を改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様によると、
センサであって、材料層に形成されたセンシング構造と、センシング構造を封止するように配置されて密封センサユニットを形成する1つまたは複数の追加の材料層とを含むセンサと、
支持構造と、
密封センサユニットを支持構造に柔軟に固定する1つまたは複数のばねであって、センサユニットのセンシング構造と同じ材料層に形成された1つまたは複数のばねと、
センサユニット、支持構造、及び、1つまたは複数のばねを封入する1つまたは複数の外部パッケージ壁(複数可)であって、支持構造が、パッケージ壁(複数可)の少なくとも1つに固定される、1つまたは複数の外部パッケージ壁と、
を含む、センサパッケージを提供する。
【0008】
本開示の第2の態様によると、センサパッケージの製造方法であって、
センシング構造を材料層に形成することと、
1つまたは複数のばねをセンシング構造と同じ材料層に形成することと、
1つまたは複数の追加の材料層を追加してセンシング構造を封止することによって、1つまたは複数のばねが密封センサユニットを支持構造に柔軟に固定する密封センサユニットを形成することと、
支持構造を1つまたは複数の外部パッケージ壁(複数可)に固定して、1つまたは複数の外部パッケージ壁(複数可)が、慣性センサユニット、支持構造、及び、1つまたは複数のばねを封入することと、
を含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】完全エラストマダイボンドを使用する先行技術のセンサパッケージを示す。
図2】本開示の例による、センサパッケージを示す。
図3】本開示の例による、第1の材料層の平面図を示す。
図4】本開示の例による、スクイーズ制動フィンガを含む第1の材料層のさらなる平面図を示す。
図5A図5a~図5hは、本開示の例による、センサパッケージを製造する工程を示す。
図5B図5i~図5kは、本開示の例による、センサパッケージを製造する工程を示す。
図6A図6a~図6hは、本開示の別の例による、センサパッケージを製造する工程を示す。
図6B図6i~図6kは、本開示の別の例による、センサパッケージを製造する工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、センサパッケージと、センサパッケージの製造方法とに関する。センサユニットのセンシング構造と同じ材料層に1つまたは複数のばねを形成することは、異なる材料、例えば、エラストマ材料を絶縁層として使用して、密封センサユニットを外部パッケージに取り付ける従来の方法とはセンサ絶縁に対する全く異なるアプローチであることは理解されよう。ばねは、スケールファクタ及びバイアスの長期のドリフトを低減するように、センサユニットと外部パッケージ壁(複数可)との間の機械的応力を分離できる。さらに、例えば、慣性センサに関して、バイアス及びスケールファクタに対する感温性の影響も低減できる。
【0011】
センサパッケージとセンサパッケージを製造する方法の非限定的な例を以下に詳細に記載する。
【0012】
図1は、上部ガラス層102、シリコンセンシング層104、下部ガラス層106、エラストマダイボンド層110、アルミナ基板112、及び、パッケージ蓋114を含む先行技術の慣性センサパッケージ100を示す。3つの層102、104、106は、密封慣性センサユニット108を構成する。
【0013】
層104のシリコンセンシング構造は、何らかの形の加えられた力、この場合は、加速度に反応する。このシリコンセンシング層104は、上部ガラス層102と下部ガラス層106との間に挟まって、密封慣性センサユニット108を形成する。この封止によって、層104のシリコンセンシング構造が制御環境内の空間を占めるのを可能にする。密封慣性センサユニット108の内部は、センサ性能を最適にするように制御された雰囲気を含む。
【0014】
密封慣性センサユニット108は、エラストマダイボンド層110によってアルミナ基板112に接着される。図に示すように、エラストマダイボンド層110は、密封慣性センサユニット108の下部ガラス層106全体を覆う。エラストマダイボンド層110は可撓性である。これによって、密封慣性センサユニット108はアルミナ基板112に良好に接着し、さらに、慣性センサパッケージ100の衝撃及び振動時に良好な機械的安定性が提供される。
【0015】
しかしながら、背景技術の項に記載したように、慣性センサパッケージ100の熱応力及び機械的応力は、特に、装置の寿命の後半に、慣性センサユニット108の性能に悪影響を与え得る。
【0016】
パッケージ蓋114は、ほこりまたは直接の力が加わる等、外部環境の影響から、密封慣性センサユニット108をさらに保護できる。典型的に、この蓋は、金属合金またはアルミナであり、基板112に半田付けされる。蓋114によって形成されたパッケージは、気密封止も形成し、パッケージ内の気体環境を制御するのを可能にする。これは、パッケージ内が最適な乾性気体環境になるのを確実にするように行われ、特に、容量式慣性センサにおいて、センサ性能に悪影響を与え得るあらゆる湿気の侵入を防ぐ。
【0017】
図2は、本開示の例による、センサパッケージ、例えば、慣性センサパッケージ200を示す。慣性センサパッケージ200の境界は、3つの外壁216と、基板220とによって画定される。慣性センサパッケージ200は、印加された加速度を検出するためにシリコン材料層202に形成されたシリコンセンシング構造204を含む。シリコンセンシング構造204は、上部ガラス層206と下部ガラス層208とによって、慣性センサユニット210内に密封される。慣性センサパッケージ200は、シリコン層202に形成された支持構造214も含む。支持構造214は、密封慣性センサユニット210を囲む枠の形をとる。支持構造214は、介在するガラス層208を通して柔軟なまたは固定の取付部218によって基板220に接着される。慣性センサユニット210は、基板220から分離されて、シリコン材料層202に形成された複数のばね212によって支持構造214から懸架される。この例においては、シリコンセンシング構造204は、可撓性ワイヤボンド224と上部ガラス層206のスルーホールビア222とを介して外部接続部226に電気的に接続される。
【0018】
図に示すように、センサユニット210は、パッケージ200に加わる応力と突然の力とから2つの方法で分離される。主として、「浮いている」センサユニット210を支持構造214に結合するばね212は、このようないかなる応力も補償して、センサユニット210がこのように不均衡にならないようにし、スケールファクタとバイアスとの長期のドリフトを減少させる。さらに、バイアス及びスケールファクタへの感温性の影響も低減できる。ばね212の効果の補助として、エラストマ取付部218もパッケージ200への何らかの応力及び衝撃を吸収できる。これらの点で、センサ性能は改善される。
【0019】
図に示すように、支持構造214、ばね212、及び、センシング構造204の部分は、全て、同じシリコン材料層202に作られている。これは、合理化された開発を行って、ウェハから部品を個片化する必要がある前に、デバイスを大部分、製造できるので、製造工程にとって大きな利点となり得る。デバイスのこのバッチ処理は、スループットを向上させ、且つ、製造費用を低減し得る。デバイスをこのように製造することによって、センシング構造204をエッチングするのに使用する同じ工程中に、ばね212をエッチングすることによって、センサユニット210を支持構造214から分離することができて便利である。
【0020】
スルーホールビア222を通る導電性の、例えば、金属の経路を用いて、センシング構造204への電気的接続が行われる。次に、この接続は、可撓性ワイヤボンド224を介して基板220に対して行われ、外部接続部226につながって、センサパッケージ200の外部からセンシング構造204に直接電気的接続されることが可能になる。可撓性ワイヤボンド224は、パッケージ内のあらゆる応力または勾配、例えば、ばね212の屈曲に、十分に耐えるほど柔軟である。
【0021】
上部ガラス層206及び下部ガラス層208は、センサユニット210の周囲に気密封止を形成する。センサユニット210内の環境は、封止時に制御でき、この例においては、センサは、大気圧の乾燥窒素が充填される。この制御環境は、密封センサユニット210内の制動係数の調整を可能にする。
【0022】
外壁216は、支持構造214とセンサユニット210との周りに気密封止を形成する。このエリア内の環境も封止時に制御できる。この環境の制御は、スクイーズフィルム制動フィンガ(図2には示さず)の制動係数の調整を可能にする。これについては、図4を参照して以下により詳細に説明する。
【0023】
図3は、本開示の例による、第1の材料層の平面図を示す。第1の材料層は、シリコン層300である。シリコン層300は、結晶シリコンの一枚のシートからなる。シリコン層300は、外枠の形をとる支持構造302と、複数のばね304と、センシング構造306とを含む。ばねエリアには残留ガラスは無い。支持構造302は、センシング構造306を囲む枠である。
【0024】
図に示すように、センシング構造306は、支持枠302からばね304によって懸架されている。ばね304は、慣性運動がセンシング構造306に伝わるままとなるように、ばね定数を維持しながらも、慣性センサパッケージ200が受ける機械的及び他の応力からセンシング構造306を分離する。ばね304の共振周波数は、1~5kHzの間、例えば、2kHzである。ばね304の長さ及び幅は、最適な共振周波数を選択するように設計される。ばね304は、蛇行形状であり、複数の蛇行した巻き、例えば、1~10の巻き数を有する。
【0025】
支持構造302、ばね304、及び、センシング構造306の全てを1つの材料層に製造することによって、合理化された製造工程が可能になり、費用と時間の両方が節約される。
【0026】
図4は、本開示の例による、任意選択のスクイーズフィルム制動フィンガ406を含む第1の材料層400の追加の平面図を示す。図4には、支持構造402、センシング構造408、ばね404、及び、スクイーズフィルム制動フィンガ406が示されている。
【0027】
図3に示すように、ばね404は、センシング構造408を支持構造402から懸架する。スクイーズフィルム制動フィンガ406を追加することによって、慣性センサパッケージ及び支持構造とセンシング構造408との間の機械的及び他の応力を分離することを支援する。スクイーズフィルム制動フィンガ406は、臨界に近い制動を慣性センサパッケージに提供するのを支援して、センシング構造408の損傷を防止する。スクイーズフィルム制動フィンガ406は、支持構造402に対するセンシング構造408の移動の範囲を制限することによって、これを行う。
【0028】
スクイーズフィルム制動フィンガ406の制動効果は、例えば、大気圧の乾燥窒素、ネオン、または、アルゴンを慣性センサパッケージに充填して、慣性センサパッケージ環境の組成を変えることによって、調整できる。制動効果は、フィンガの数、フィンガの長さ、及び、フィンガとフィンガの間の隙間の大きさによっても調整できる。
【0029】
図5a~図5kは、本開示の例による、センサパッケージを製造する工程を示す。
【0030】
図5aは、ガラス層502をウェットエッチングで事前にキャビテーションする第1のステップを示す。エッチングは、マスクによって画定され、ガラス層502は、後に可動センシング構造が占めることになる領域のみエッチングされる。エッチングの深さは、典型的には約30μmである。
【0031】
図5bは、シリコンウェハ504をガラス層502に陽極接合する次のステップを示す。
【0032】
図5cは、スルーホールビア506を作成する次のステップを示す。これは、典型的に、スルーホールビア506を形成するために、最初にフォトマスク(図示せず)を適用し、ガラス層502にパウダーブラストすることによって行われる。スルーホールビア506は、事前にキャビテーションされたガラス層502のエリア内をシリコン層504に達するまで通り抜ける。
【0033】
図5dは、金属トラック層508をガラス層502上に成膜する次のステップを示し、工程中、ガラス層502と、スルーホールビア506の内側表面とを覆う均一な薄い層508を形成する。あるいは、金属トラック層508は、スルーホールビア506を埋めてよい。これによって、シリコン層504に形成されたセンシング構造を外部パッケージに接続するために、シリコン層504への電気的接続が可能になる。金属トラック層508は、典型的には、成膜されて、次に、フォトリソグラフィによってパターニングされる。
【0034】
図5eは、シリコン層504に後に形成されるセンシング構造を懸架するために、ガラス層502のばねが形成される領域510に等方性ウェットエッチングを行う次のステップを示す。フォトマスク(図示せず)を使用して他のエリアをウェットエッチングから保護する。このステップによって、下にあるシリコン層504が露出される。
【0035】
図5fは、底部から下のシリコン層504に深堀反応性イオンエッチング(DRIE)を行う次のステップを示す。標準的なフォトマスク(図示せず)を使用してシリコン層504のエッチング領域を画定する。このステップにおいて、センシング構造512が、シリコン層504からエッチングされる。このエッチングは、新たに画定された支持構造516からセンシング構造512を懸架する複数の蛇行ばね514も画定する。
【0036】
次に、下部ガラス層518が、シリコン層504のセンシング構造512の可動領域に事前にキャビテーションされる。図5gに示すように、下部ガラス層518は次に、シリコン層504に陽極接合されて、センシング構造512を含む密封センサユニット520を形成する。密封センサユニット520は、気体、典型的には、大気圧の乾燥窒素、アルゴン、または、ネオンでバックフィルされる。これは、センシング構造512の臨界に近い制動を確実にする。
【0037】
図5hは、下部ガラス層518にシリコン層504の深さまで等方性ウェットエッチングを行う次のステップを示す。このエッチングは、フォトマスク(図示せず)によって画定され、図5(e)の領域510にばね514のみを残す。これは、密封センサユニット520も支持構造516から開放し、センサユニット520はばね514に懸架される。これは、密封センサユニット520を支持構造516が受けるあらゆる大きな衝撃または応力から分離し、その衝撃または応力は代わりにばね514によって吸収される。さらに、センシング構造512は、陽極接合されたガラス層502、518によってばね514から密封して分離され、密封センサユニット520を形成するのが分かる。デバイスは、この段階の後に、ウェハから個片化されてもよい。これは、デバイスがウェハから個片化される前にほぼ完全に形成されるので、デバイスの製造の合理化を可能にする。
【0038】
図5iは、支持構造516を(典型的に、アルミナまたはセラミック製の)基板524に1つまたは複数のエラストマ取付部522(例えば)を介して接合する次のステップを示す。このように、密封センサユニット520は、ばね514及びエラストマ取付部522を介して基板524が受けるあらゆる応力または衝撃から分離される。
【0039】
図5jは、可撓性ワイヤボンド526をデバイスに追加することによって、密封センサユニット520上の金属トラック層508を(比較的)固定された支持構造516に接着する次のステップを示す。さらに、支持構造516から基板524への可撓性ワイヤボンド526も追加される。ワイヤボンドは、典型的に、直径25μmを有する。基板層524を通る外部電気的接続525も追加される。
【0040】
図5kは、パッケージの内部ガス量を密封する金属蓋528を追加する最後のステップを示す。これは、典型的に(~300℃で)半田封止を用いて行われ、蓋528を基板524に固定する。パッケージの内部ガス量は、密封センサユニット520と支持構造516の間の分離を最適にするように制御され、典型的には、例えば、スクイーズフィルム制動を最適にする大気圧のアルゴン、ネオン、または、乾燥窒素を含む。
【0041】
図6a~図6kは、本開示の別の例による、センサパッケージを製造する工程を示す。図6a~図6kに示す製造工程は、図5a~図5kに示す製造工程と類似しており、必要に応じて、図5a~図5kを参照して以下に記載する。
【0042】
図6a~図6cに示す製造工程は、図5a~図5cに示す製造工程と同じである。
【0043】
図6dは、センシング構造を懸架するために、ガラス層602のばねが形成される領域610に等方性ウェットエッチングを行う次のステップを示す。フォトマスク(図示せず)を使用してウェットエッチングから他のエリアを保護する。このステップによって、下のシリコン層604を露出させる。
【0044】
図6eは、下のシリコン層604に底部からDRIEを行う次のステップを示す。標準的なフォトマスク(図示せず)を使用してシリコン層604のエッチング領域を画定する。このステップにおいて、センシング構造612が、シリコン層604からエッチングされる。このエッチングは、新たに画定された支持構造616からセンシング構造612を懸架する蛇行ばね614も画定する。
【0045】
図6fは、シリコン層604及びガラス層602上に金属トラック層608を成膜する次のステップを示し、工程中にガラス層602とスルーホールビア606の内側表面とを覆う均一な薄い層608を形成する。あるいは、金属トラック層608は、スルーホールビア606を埋めてよい。これは、シリコン層604に作られたセンシング構造を外部パッケージに接続するために、シリコン層604への電気的接続を可能にする。このステップは、等方的にエッチングされたガラス層602の面と、ばね614の表面にわたる金属トラックも画定する。これは、センシング構造612及びスルーホールビア606から、支持構造616がセンシング構造612を囲むガラス層602の端部への導電性経路を提供する。金属トラック層608は、典型的には、成膜され、次に、フォトリソグラフィによってパターニングされる。
【0046】
次に、下部ガラス層618は、シリコン層604のセンシング構造612の可動領域に事前にキャビテーションされる。図6gに示すように、下部ガラス層618は、次に、シリコン層604に陽極接合されて、センシング構造612を含む密封センサユニット620を形成する。密封センサユニット620は、気体、典型的には、大気圧の乾燥窒素、アルゴン、または、ネオンでバックフィルされる。これは、センシング構造612の臨界に近い制動を確実にする。
【0047】
図6hは、シリコン層604の深さまで下部ガラス層618に等方性ウェットエッチングを行う次のステップを示す。このエッチングは、フォトマスク(図示せず)によって画定され、図6(d)の領域610にばね614と対応する金属トラックとのみを残す。これは、密封センサユニット620も支持構造616から開放し、センサユニット620は、ばね614に懸架される。これは、支持構造616が受けるあらゆる大きい衝撃または応力から密封センサユニット620を分離し、この衝撃または応力は代わりにばね614によって吸収される。さらに、センシング構造612は、陽極接合されたガラス層602、618によってばね614から気密的に切り離されて、密封センサユニット620を形成することが分かる。デバイスは、この段階の後でウェハから個片化されてもよい。これは、デバイスは、ウェハから個片化される前にほとんど完全に形成されるので、デバイスの製造の合理化を可能にする。
【0048】
図6iは、1つまたは複数のエラストマ取付部622(例えば)を介して支持構造616を(典型的に、アルミナまたはセラミック製の)基板624に接合する次のステップを示す。このように、密封センサユニット620は、基板624が受ける応力または衝撃からばね614とエラストマ取付部622とによって分離される。
【0049】
図6jは、可撓性ワイヤボンド626をデバイスに追加して、支持構造616の金属トラック層608を基板層624に接着するステップを示す。ワイヤボンドは、典型的に25μmの直径を有する。基板層524を通る外部電気的接続625も追加される。前述のように、これは、センシング構造612に対して外部電気的接続を行うのを可能にするが、この例においては、可撓性ワイヤボンド626とセンサユニット620との間のばね614によって担持される導電性経路を通る。
【0050】
図6kは、金属蓋628を追加して、パッケージの内部ガス量を密封する最後のステップを示す。これは、典型的に、(~300℃で)半田封止を用いて行われ、蓋628を基板624に固定する。パッケージの内部ガス量は、密封センサユニット620と支持構造616の間の分離を最適にするように制御され、典型的には、例えば、スクイーズフィルム制動を最適にする大気圧のアルゴン、ネオン、または、乾燥窒素を含む。
【0051】
センシング構造と同じ材料層に1つまたは複数のばねを形成することは、センサユニットと外部パッケージ壁(複数可)の間の機械的及び熱的応力も分離しながら、製造を簡単にすることは理解されよう。より一般的に、本開示によるセンサパッケージとセンサパッケージを製造する方法との一部の例を以下に記載する。
【0052】
本開示の1つまたは複数の例によると、1つまたは複数のばねは、蛇行形状を有してよい。ばねの幾何形状は、所定のばねコンプライアンスまたは剛性を提供するように設計されてよい。少なくとも一部の例においては、1つまたは複数のばねは、≧1kHz、好ましくは、1~5kHzの範囲のばね共振を提供するように構成される。これは、低周波数でのセンサ性能を損なうことなく、十分なコンプライアンスを与えることを発明者は発見した。
【0053】
本開示の1つまたは複数の例によると、1つまたは複数のばねは、好ましくは、複数のばねを含む。ばねは、センサユニットの周りに配置されてよい。例えば、センサユニットは、支持構造内の中心に配置されてよく、ばねは、センサユニットと支持構造の間に複数の方向に延びてよい。支持構造は、センサユニットと同じ平面にあってもよく、または、センサユニットより上及び/または下の異なる平面にあってもよい。1つまたは複数の例において、センサユニットは、センサユニットを支持構造に固定するばねによって支持されてよい。
【0054】
本開示の1つまたは複数の例によると、センシング構造が形成される材料層は、シリコンを含む。1つまたは複数のばねは、よって、センサユニットのセンシング構造と同じシリコン層に形成されてよい。シリコンのばねは、センサユニットと支持構造の間の応力緩和を可能にする半径方向のコンプライアンスを与える形状及び/または寸法にされてよい。シリコンばねは、センシング構造をエッチングするのに使用されるのと同じ工程中にエッチングされてよいので便利である。例えば、1つまたは複数のばねは、シリコン材料層に蛇行形状をエッチングすることによって形成されてよい。
【0055】
本開示の1つまたは複数の例によると、密封センサユニットは、ガラス層と、センシング構造を含むシリコン材料層と、追加のガラス層とを含む。このような材料構造は、シリコンオングラス(SOG)構造として知られる。よって、センシング構造を封止するように配置されて密封センサユニットを形成する1つまたは複数の追加の材料層は、ガラス層(複数可)であってよい。
【0056】
本開示の1つまたは複数の例によると、密封センサユニットは、シリコン層と、センシング構造を含むシリコン材料層と、追加のシリコン層とを含む。よって、センシング構造を封止して配置されて密封センサユニットを形成する1つまたは複数の追加の材料層は、シリコン層(複数可)であってよい。
【0057】
本開示の1つまたは複数の例によると、支持構造は、センサユニットのセンシング構造及びばね(複数可)と同じ材料層に形成される。このような例において、支持構造は、材料層と同じ平面にある。これは、センシング構造をエッチングするために使用される同じ工程中にばね(複数可)をエッチングすることによって支持構造はセンシング構造から分離され得るので便利なことを、意味している。よって、支持構造は、センシング構造と同じように、シリコンから形成されてよい。
【0058】
本開示の1つまたは複数の例によると、支持構造は枠である。枠は、密封センサユニットを囲んでよい。前述のように、複数のばねは、センサユニットと枠の間に延びて、例えば、枠内の中心にセンサユニットを懸架してよい。
【0059】
本開示の1つまたは複数の例によると、支持構造は、少なくとも1つの外部パッケージ壁に柔軟な(例えば、エラストマ)取付部を介して固定される。このようなエラストマ取付部は、ある程度のコンプライアンスを与え得るが、センサユニットと支持構造の間の主な分離は、1つまたは複数のばねによることは理解されよう。柔軟な取付部は、先行技術のセンサパッケージで使用される従来のエラストマ絶縁層よりずっと少ないエラストマ材料しか必要としない場合がある。
【0060】
本開示の1つまたは複数の代替例によると、支持構造は、少なくとも1つの外部パッケージ壁に剛性取付部を介して固定される。センサユニットは1つまたは複数のばねによって支持構造から既に分離されているので、剛性取付部が使用されてよいことは理解されよう。剛性取付部は、接着剤、例えば、エポキシボンド、または、金属半田接合を含んでよい。
【0061】
本開示の1つまたは複数の例によると、センサパッケージは、密封センサユニットと支持構造の間に配置されたスクイーズフィルム制動構造をさらに含む。このような制動構造は、当分野で既知のように、パッケージ内の気体雰囲気にスクイーズフィルム制動効果を提供するような大きさの1つまたは複数の隙間を含む。例えば、スクイーズフィルム制動構造は、複数の相互に嵌合した制動フィンガを含んでよい。複数の相互に嵌合した制動フィンガは、センサユニットの周りに配置された、1つまたは複数のセット、例えば、多数のセットで配置されてよい。
【0062】
本開示の1つまたは複数の例によると、スクイーズフィルム制動構造は、センサユニットのセンシング構造及びばね(複数可)と同じ材料層に形成される。これは、スクイーズフィルム制動構造が、センシング構造とばね(複数可)とをエッチングするのに使用される同じ工程中に形成されてよいので便利であることを、意味する。よって、スクイーズフィルム制動構造(例えば、相互に嵌合した制動フィンガ)はセンシング構造と同じように、シリコンから形成されてよい。
【0063】
本開示の1つまたは複数の例によると、密封センサユニットは、真空排気される。本開示の1つまたは複数の代替例によると、密封センサユニットは、例えば、アルゴン、ネオン、または、乾燥窒素の1つまたは複数を含む、第1の気体環境を含む。第1の気体環境は、大気圧より低い圧力であってよい、例えば、部分的に排気されてよい。あるいは、第1の気体環境は、大気圧より高い圧力であってよい。この上昇した圧力は、より高い制動係数を与えてよい。
【0064】
本開示の1つまたは複数の例によると、センサパッケージは、例えば、アルゴン、ネオン、または、乾燥窒素の1つまたは複数から構成される、密封センサユニット外の第2の気体環境を含む。第2の気体環境は大気圧であってよい。密封センサユニットと支持構造の間にスクイーズフィルム制動構造が配置された例においては、第2の気体環境は、所望のスクイーズフィルム制動効果を提供するように選択されてよい。
【0065】
本開示の1つまたは複数の例によると、センサパッケージは、センサユニットを外部パッケージ壁(複数可)の少なくとも1つに電気的に接続する可撓性ワイヤボンドをさらに含む。密封センサユニットは、センシング構造に電気的接続するための1つまたは複数のスルーホールビアをさらに含んでよい。これは、直接的なワイヤボンドがスルーホールビアを通ってセンシング構造の電気的接続を提供し得ることを、意味する。
【0066】
本開示の1つまたは複数の例によると、密封センサユニットは、1つまたは複数のばねによって担持される導電性経路によって外部パッケージ壁(複数可)の少なくとも1つに電気的に接続される。例えば、導電性(例えば金属)トラックは、1つまたは複数のばねによって担持されてよい。密封センサユニットは、センシング構造に電気的接続するための1つまたは複数のスルーホールビアをさらに含んでよい。これは、直接のワイヤボンドが、スルーホールビアを通ってセンシング構造の電気的接続を提供し得ることを、意味する。この接続は、次に、外部パッケージ壁の少なくとも1つからセンシング構造への電気的接続を提供するために、1つまたは複数のばねによって担持される導電性経路にリンクできる。
【0067】
本開示の1つまたは複数の例によると、センサはMEMSセンサである。
【0068】
本開示の1つまたは複数の例によると、センサは圧力センサである。本開示の1つまたは複数の他の例によると、センサは慣性センサである。従って、密封センサユニットは密封慣性センサユニットであってよいということになる。
【0069】
本開示の1つまたは複数の例によると、慣性センサはジャイロスコープである。センシング構造は、ディスクまたはリング形態のプルーフマスを含んでよい。ジャイロスコープは、振動する構造のジャイロスコープであってよい。
【0070】
本開示の1つまたは複数の例によると、慣性センサは加速度計である。センシング構造は、固定した基板と、固定した基板に可撓性支持脚部によって取り付けられたプルーフマスとを含んでよい。
【0071】
本開示の1つまたは複数の追加の例によると、加速度計は、容量型加速度計、誘導型加速度計、または、圧電型加速度計のうちの1つである。少なくとも一部の例において、容量型加速度計は、
固定した基板と、印加された加速度に反応して、センシング軸に沿って平面内で移動するように、固定した基板に可撓性支持脚部によって取り付けられたプルーフマスであって、
センシング軸に実質的に垂直に延び、センシング軸に沿って間隔を置いた、可動の電極フィンガの複数のセットを含むプルーフマスと、
少なくとも2対の固定容量電極と、を含み、固定容量電極の第1の対は、第1の固定電極と第4の固定電極とを含み、固定容量電極の第2の対は、第2の固定電極と第3の固定電極とを含み、各固定容量電極は、センシング軸に実質的に垂直に延び、センシング軸に沿って間隔を置いた固定容量電極フィンガのセットを含み、
第1と第3の固定電極のフィンガのセットが、隣接する固定フィンガ間の中線からセンシング軸に沿って一方向に第1のオフセットを有して可動電極フィンガのセットと相互に嵌合するように配置され、第2と第4の固定電極のフィンガのセットが、隣り合う固定フィンガ間の中線からセンシング軸に沿って反対方向に第2のオフセットを有して可動電極フィンガのセットと相互に嵌合するように配置される。
【0072】
1つまたは複数の例において、方法は、慣性センサユニットのセンシング構造及び1つまたは複数のばねと同じ材料層に支持構造を形成することをさらに含んでよい。上記のように、支持構造、ばね(複数可)、及び、センシング構造が全て、DRIE等、共通の製造工程によって同じ材料層から形成され得るので、これは有利である。
【0073】
1つまたは複数の例において、方法は、センサユニットと外部パッケージ壁(複数可)の少なくとも1つとの間に可撓性ワイヤボンドを接続することをさらに含んでよい。
【0074】
1つまたは複数の例において、方法は、1つまたは複数のばねを通る導電性経路を形成することをさらに含んでよい。導電性経路は、密封センサユニットが外部パッケージ壁(複数可)の少なくとも1つに電気的に接続されるように、形成されてよい。例えば、方法は、導電性(例えば、金属)トラックを1つまたは複数のばねの表面に追加することをさらに含んでよい。導電性経路は、センシング構造から外側枠に信号を伝えるのに使用されてよい。
【0075】
1つまたは複数の例において、方法は、密封された慣性センサユニットと支持構造の間にスクイーズフィルム制動構造を形成することをさらに含んでよい。好ましくは、スクイーズフィルム制動構造は、慣性センサユニットのセンシング構造及びばね(複数可)と同じ材料層に形成される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B