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▶ オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】輸送体用の軌道計画器
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/04 20060101AFI20240619BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G08G5/04 A
B64C13/18 D
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019181922
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2020091842
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】16/158,987
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500461860
【氏名又は名称】オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソーンダーズ, ジェフリー
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-095246(JP,A)
【文献】特開2018-044983(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0114449(US,A1)
【文献】特開2011-247871(JP,A)
【文献】特開2008-168852(JP,A)
【文献】国際公開第2011/155020(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0196435(US,A1)
【文献】特開2001-033271(JP,A)
【文献】特開2017-016645(JP,A)
【文献】特表2017-529631(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0043946(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G05D 1/00 - 1/87
B64B 1/00 - 1/70
B64C 1/00 - 99/00
B64D 1/00 - 47/08
B64F 1/00 - 5/60
B64G 1/00 - 99/00
B64U 10/00 - 80/86
G01C 21/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行軌道(108、534)に沿って飛行制御システム(206、222)を有する航空輸送体(200)をナビゲートするためのシステムであって、
センサペイロード(210)、及び
前記センサペイロード(210)に動作可能に接続され且つ前記飛行制御システム(206、222)と通信するプロセッサ(244)を備え、前記プロセッサ(244)が、
前記センサペイロード(210)からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)を計算し、当該計算は、ウェイポイント経路を複数の経路軌道区間に分割することを含み、ここで当該ウェイポイント経路は、開始点(502)、終了点(506)、及び前記開始点(502)と前記終了点(506)との間の少なくとも1つの初期ウェイポイント(504)を含むものであり、
一連の前記経路軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)を経由して前記開始点(502)と前記終了点(506)をリンクさせることによって、前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第1の軌道(108、534)を計算し、
前記第1の軌道(108、534)を経由した複数のシードウェイポイント(518)を特定し、ここで、前記複数のシードウェイポイント(518)は、前記開始点(502)、前記終了点(506)、又は前記少なくとも1つの初期ウェイポイント(504)のいずれにも位置していないシードウェイポイントを含むものであり、
前記複数のシードウェイポイント(518)を使用するランダム検索アルゴリズムを実行することによって、前記センサペイロード(210)によって検出された少なくとも1つの障害物(310、508、510)を回避する、前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第2の軌道(108、534)を計算し、
前記航空輸送体(200)に前記第2の軌道(108、534)に沿って前記開始点(502)から前記終了点(506)まで航行するように指示命令する航行命令を生成し、
前記航行命令を前記飛行制御システム(206、222)に通信するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記プロセッサ(244)が、反復して前記複数の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)を計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサ(244)が、方法を使用して複数の経路軌道区間(522、524、526)を計算するように構成されており、前記方法が、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップ、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちのより大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップ、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて第1の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)を計算するステップ、
(d)第1の経路軌道区間と前記航空輸送体(200)の運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップ、並びに
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるまでステップ(b)から(d)を繰り返すステップを含み、
ステップ(b)から(d)までの後続の反復で、前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら前記開始点(502)と、前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と、前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ(244)が、前記軌道(108、534)の長さを短くするために、前記第2の軌道(108、534)を平滑化するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサペイロード(210)が、障害物(310、508、510)検出システムに接続されており、前記プロセッサが、前記障害物(310、508、510)検出システムによって検出された障害物(310、508、510)を回避するために前記第2の軌道(108、534)を計算するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサペイロード(210)が、LIDAR、Radar、反響定位システム、又は光センサのうちの少なくとも1つを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
飛行軌道(108、534)に沿って飛行制御システム(206、222)を有する航空輸送体(200)をナビゲートする方法であって、
プロセッサ(244)によって、前記航空輸送体(200)の少なくとも第1の速度(406、408)を反映した、前記航空輸送体(200)に接続されたセンサペイロード(210)からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算することであって、当該計算は、ウェイポイント経路を複数の軌道区間に分割することを含み、ここで当該ウェイポイント経路は、開始点(502)、終了点(506)、及び前記開始点(502)と前記終了点(506)との間の少なくとも1つの初期ウェイポイント(504)を含むものであり、前記プロセッサ(244)が、前記センサペイロード(210)に動作可能に接続されており、前記飛行制御システム(206、222)と通信する、複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、一連の前記軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を介して前記開始点(502)と前記終了点(506)をリンクさせることよって、前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第1の軌道(108、534)を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記第1の軌道(108、534)を経由した複数のシードウェイポイント(518)を決定することであって、前記複数のシードウェイポイント(518)が、前記開始点(502)、前記終了点(506)、又は前記少なくとも1つの初期ウェイポイント(504)に位置していないシードウェイポイントを含む、複数のシードウェイポイント(518)を決定すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記複数のシードウェイポイント(518)を使用するランダム検索アルゴリズムを実行することによって、少なくとも1つの障害物(310、508、510)を回避する前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第2の軌道(108、534)を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記航空輸送体(200)に前記第2の軌道(108、534)に沿って前記開始点(502)から前記終了点(506)まで航行するように指示命令する航行命令を生成すること、及び
前記航行命令を前記飛行制御システム(206、222)に通信することを含む、方法。
【請求項10】
前記複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算するステップが、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップ、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちの最も大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップ、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて第1の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算するステップ、
(d)第1の経路軌道区間の実現性と前記航空輸送体(200)の運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップ、並びに
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるまでステップ(b)から(d)を繰り返すステップを含み、
ステップ(b)から(d)までの後続の反復で前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら前記開始点(502)と、前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と、前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算するステップが、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップ、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちの最も大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップ、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて第1の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算するステップ、
(d)第1の経路軌道区間の実現性と前記航空輸送体(200)の運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップ、並びに
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるか、又は反復の所定の最大数に到達する、のうちの一方までステップ(b)から(d)を繰り返すステップを含み、
ステップ(b)から(d)までの後続の反復で前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算される、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら前記開始点(502)と、前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と、前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるか、又は反復の所定の最大数に到達する、のうちの一方までステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
害物(310、508、510)回避軌道(108、534)を短くするために、平滑化アルゴリズムを実行することを更に含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の軌道(108、534)を計算することが、前記複数のシードウェイポイント間の前記航空輸送体(200)の速度の変化に少なくとも部分的に基づく、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの障害物(310、508、510)を検出することを更に含み、前記第2の軌道(108、534)が、検出された前記少なくとも1つの障害物(310、508、510)を回避する、請求項9から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
飛行軌道(108、534)に沿って飛行制御システム(206、222)を有する航空輸送体(200)をナビゲートする方法であって、
前記飛行制御システム(206、222)と通信するプロセッサ(244)によって、複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算することを含み、前記計算することが、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップと、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちのより大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップと、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて第1の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算するステップと、
(d)前記航空輸送体(200)の前記第1の経路軌道区間の実現性と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップと、
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるまでステップ(b)から(d)を繰り返すステップとを実行することにより行われ、
ステップ(b)から(d)までの後続の反復で前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算され、
前記方法が更に、
前記プロセッサ(244)によって、前記複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)の実現性を使用するランダム検索アルゴリズムを実行することにより、開始位置と終了位置(304、404)との間の障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記航空輸送体(200)に前記障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)に沿って前記開始位置から前記終了位置(304、404)まで航行するように指示命令する航行命令を生成すること、並びに
前記航行命令を前記飛行制御システム(206、222)に通信することを含む、方法。
【請求項18】
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら開始点(502)と、複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と、前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(518)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイントが前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プロセッサ(244)が、前記軌道(108、534)の長さを短くするために、前記障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)を平滑化するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、輸送体の軌道及び経路計画システム、方法、及び装置に関する。より具体的には、本開示は、概して、航空輸送体用の輸送体の軌道及び経路計画システム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道計画は、輸送体が、航空輸送体の制約を満たしながら、時間内で軌道を辿ることができるように、地球的ウェイポイント経路を辿る時間の関数としての空間を通る軌道を生成している。現在の軌道計画方法及びシステムは、幾何学的な弧と線分による短い軌道の近似値を互いにリンクさせることができる。現在の軌道計画方法及びシステムは、頻繁に更新を行う必要があるという欠点を有し、計算するために時間がかかり過ぎ、且つ障害物回避の信頼性という課題を有する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、航空輸送体の障害物回避軌道を計画するためのシステム及び方法を提供する。
【0004】
第1の態様によれば、飛行軌道に沿って飛行制御システムを有する航空輸送体をナビゲートするためのシステムが、センサペイロード、及びセンサペイロードに動作可能に接続され且つ飛行制御システムと通信するプロセッサを備える。該プロセッサは、センサペイロードからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の経路軌道区間を計算し、一連の経路軌道区間を経由して開始点と終了点をリンクさせることによって、開始点と終了点の間の第1の軌道を計算し、第1の軌道を経由した複数のシードウェイポイントを特定し、複数のシードウェイポイントを使用するランダム検索アルゴリズムを実行することによって、センサペイロードによって検出された少なくとも1つの障害物を回避する、開始点と終了点の間の第2の軌道を計算し、航空輸送体に第2の軌道に沿って開始点から終了点まで航行するように指示命令する航行命令を生成し、該航行命令を飛行制御システムに通信するように構成されている。
【0005】
特定の態様では、プロセッサが、反復して複数の経路軌道区間を計算するように構成されている。
【0006】
特定の態様では、プロセッサが、以下のステップを含む方法を使用して複数の経路区間を計算するように構成されている。すなわち、(a)入力として航空輸送体の開始位置、開始速度、終了位置、及び終了速度を受け取るステップ、(b)開始速度と終了速度のうちの最も大きいものから旋回半径を計算するステップ、(c)該旋回半径に少なくとも部分的に基づいて経路軌道区間を計算するステップ、(d)航空輸送体の第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度を計算するステップ、及び(e)該実現可能な速度が終了速度に実質的に等しくなるまでステップbからdを繰り返すステップであって、次以降の反復で旋回半径が実現可能な速度を用いて計算されるステップである。
【0007】
特定の態様では、ランダム検索アルゴリズムを実行することが、高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することを含む。
【0008】
特定の態様では、探索ランダムツリーアルゴリズムを高速で実行することが、以下のステップを含む。すなわち、(a)障害物を回避しながら開始点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(b)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、(c)障害物を回避しながら終了点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、(e)障害物を回避しながら複数のシードウェイポイントのうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、(f)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、及び(g)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップである。
【0009】
特定の態様では、プロセッサが、軌道の長さを短くするために、第2の軌道を平滑化するように構成されている。
【0010】
特定の態様では、センサペイロードが、障害物検出システムに接続される。その場合、第2の軌道は、障害物検出システムによって検出された障害物を回避するように特定される。
【0011】
特定の態様では、センサペイロードが、LIDAR、Radar、反響定位システム、又は光センサのうちの少なくとも1つを備える。
【0012】
第2の態様によれば、飛行軌道に沿って飛行制御システムを有する航空輸送体をナビゲートする方法が、プロセッサによって、航空輸送体の少なくとも第1の速度を反映した、航空輸送体に接続されたセンサペイロードからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の軌道区間の実現性を計算することであって、該プロセッサが、センサペイロードに動作可能に接続されており、飛行制御システムと通信する、複数の軌道区間の実現性を計算すること、プロセッサによって、一連の軌道区間の実現性を介して開始点と終了点をリンクさせることよって、開始点と終了点の間の第1の軌道を計算すること、プロセッサによって、第1の軌道を経由した複数のシードウェイポイントを決定すること、プロセッサによって、複数のシードウェイポイントを使用するランダム検索アルゴリズムを実行することによって、少なくとも1つの障害物を回避する開始点と終了点の間の第2の軌道を計算すること、プロセッサによって、航空輸送体に第2の軌道に沿って開始点から終了点まで航行するように指示命令する航行命令を生成すること、及び該航行命令を飛行制御システムに通信することを含む。
【0013】
特定の態様では、複数の軌道区間の実現性を計算するステップが、以下のステップを含む。すなわち、(a)入力として航空輸送体の開始位置、開始速度、終了位置、及び終了速度を受け取るステップ、(b)開始速度と終了速度のうちの最も大きいものから旋回半径を計算するステップ、(c)該旋回半径に少なくとも部分的に基づいて経路軌道区間を計算するステップ、(d)航空輸送体の第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度を計算するステップ、及び(e)該実現可能な速度が終了速度に実質的に等しくなるまでステップbからdを繰り返すステップであって、次以降の反復で旋回半径が実現可能な速度を用いて計算されるステップである。
【0014】
特定の態様では、ランダム検索アルゴリズムを実行することが、以下のステップを含む。すなわち、(a)障害物を回避しながら開始点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(b)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、(c)障害物を回避しながら終了点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、(e)障害物を回避しながら複数のシードウェイポイントのうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、(f)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、及び(g)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるまでステップdからfを繰り返すステップである。
【0015】
特定の態様では、複数の軌道区間の実現性を計算するステップが、以下のステップを含む。すなわち、(a)入力として航空輸送体の開始位置、開始速度、終了位置、及び終了速度を受け取るステップ、(b)開始速度と終了速度のうちの最も大きいものから旋回半径を計算するステップ、(c)該旋回半径に少なくとも部分的に基づいて経路軌道区間を計算するステップ、(d)航空輸送体の第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度を計算するステップ、及び(e)該実現可能な速度が終了速度に実質的に等しくなるか、又は反復の所定の最大数が到達されるうちの一方まで、ステップbからdを繰り返すステップであって、次以降の反復で旋回半径が実現可能な速度を用いて計算されるステップである。
【0016】
特定の態様では、ランダム検索アルゴリズムを実行することが、以下のステップを含む。すなわち、(a)障害物を回避しながら開始点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(b)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、(c)障害物を回避しながら終了点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、(e)障害物を回避しながら複数のシードウェイポイントのうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、(f)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、及び(g)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるか、又は反復の所定の最大数が到達されるうちの一方まで、ステップdからfを繰り返すステップである。
【0017】
特定の態様では、該方法が、障害物回避軌道を短くするために、平滑化アルゴリズムを実行することを更に含む。
【0018】
特定の態様では、複数の軌道区間の実現性が、障害物回避軌道内の航空輸送体による加速及び減速を考慮に入れる。
【0019】
特定の態様では、該方法が、少なくとも1つの障害物を検出することを更に含む。その場合、第2の軌道は、少なくとも1つの検出された障害物を回避する。
【0020】
第3の態様によれば、飛行軌道に沿って飛行制御システムを有する航空輸送体をナビゲートする方法が、飛行制御システムと通信するプロセッサによって、以下のステップを実行することにより複数の軌道区間の実現性を計算することを含む。すなわち、(a)入力として航空輸送体の開始位置、開始速度、終了位置、及び終了速度を受け取るステップ、(b)開始速度と終了速度のうちの最も大きいものから旋回半径を計算するステップ、(c)該旋回半径に少なくとも部分的に基づいて経路軌道区間を計算するステップ、(d)航空輸送体の第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度を計算するステップ、及び(e)該実現可能な速度が終了速度に実質的に等しくなるまでステップ(b)から(d)を繰り返すステップであって、次以降の反復で旋回半径が実現可能な速度を用いて計算されるステップである。該方法は更に、プロセッサによって、複数の軌道区間の実現性を使用するランダム検索アルゴリズムを実行することにより、開始位置と終了位置との間の障害物回避軌道を計算すること、プロセッサによって、航空輸送体に障害物回避軌道に沿って開始位置から終了位置まで航行するように指示命令する航行命令を生成すること、及び該航行命令を飛行制御システムに通信することを含む。
【0021】
特定の態様では、ランダム検索アルゴリズムを実行することが、高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することを含む。
【0022】
特定の態様では、探索ランダムツリーアルゴリズムを高速で実行することが、以下のステップを含む。すなわち、(a)障害物を回避しながら開始点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(b)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、(c)障害物を回避しながら終了点とシードウェイポイントのうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、(d)ランダムウェイポイントを追加するステップ、(e)障害物を回避しながら複数のシードウェイポイントのうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、(f)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるかどうかを確認するステップ、及び(g)リンクされたウェイポイントが開始点を終了点に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップである。
【0023】
特定の態様では、プロセッサが、軌道の長さを短くするために、障害物回避軌道を平滑化するように構成されている。
【0024】
本明細書で説明されるデバイス、システム、及び方法の上述の或いは他の目的、特徴、及び利点は、それらの特定の実施形態の以下の説明から明らかとなる。その際に、添付の図面が示され、類似の番号が類似の構造物を指す。図面は、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、その代わりに、本明細書で説明されるデバイス、システム、及び方法の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】障害物回避を含む軌道計画用の例示的な環境を示す。
図2a】軌道計画システムを有する第1の例示的な航空的輸送体を示す。
図2b】軌道計画システムを有する第2の例示的な航空的輸送体を示す。
図2c】航空輸送体用の軌道計画器を含む飛行制御システムのブロック図を示す。
図3】ウェイポイント経路に沿った航空輸送体用の例示的な計算された最適な軌道を示す。計算された軌道は、ウェイポイント経路内の障害物を回避する。
図4】反復デュビン(Dubins)経路アルゴリズムの幾つかの反復の一例を示す。
図5a】障害物を回避しない軌道を計算する総当たり(brute force)アルゴリズムの一例を示す。
図5b】最初の軌道区間を見つけるために使用されるシードウェイポイントの二番目のものを示す。
図5c】障害物を回避する軌道を見つけるための高速探索ランダムツリーアルゴリズムの例示的な実行を示す。
図5d】平滑化を実行した後で計算された軌道の一例を示す。
図6a】航空輸送体用の例示的な軌道計画方法のフローチャートを示す。
図6b】デュビン経路を反復的に計算するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図6c】航空輸送体用の軌道を計算するために高速探索ランダムツリーアルゴリズムを使用する例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の好適な実施形態が、以下で添付の図面を参照して説明されてよい。以下の記載では、周知の機能及び説明は詳細には記載されない。なぜならばそれらは、不必要な詳細によって本開示を不明確にし得るからである。図面における構成要素は必ずしも正確な縮尺で描かれておらず、むしろ、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。例えば、要素のサイズは、説明の明快さ及び利便性のために強調され得る。更に、可能な場合には、一実施形態の同じ又は類似の部品に言及するのに、図面全体を通して同じ参照番号を使用する。以下の記載では、周知の機能及び説明は詳細には記載されない。なぜならばそれらは、不必要な詳細によって本開示を不明確にし得るからである。明細書中の如何なる言葉も、実施形態の実施に必須である請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0027】
それとは異なるように明記されているか又はテキストから明らかである場合を除き、単一の項目に対する参照は、複数の項目を含むと理解されるべきであり、その逆もその通りである。それとは異なるように述べられているか又は文脈から明らかである場合を除き、文法的な接続詞は、接続された句、文、単語などの全ての選択的及び接続的な組み合わせを表現することを意図している。以下の記載では、「第1の」「第2の」「頂部」「底部」「側部」「前」「後」などといった用語は、利便性のための用語であって、限定する用語と解釈すべきではない。更に、任意の及び全ての実施例、又は本明細書で提供される例示的な言語(「例えば」、「など」など)の使用は、単に実施形態をより良く例示するためのものであり、実施形態の範囲に制限を課すものではない。明細書中の如何なる言葉も、実施形態の実施に必須である請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。本開示に対して、以下の用語と定義が適用される。
【0028】
「航空輸送体」及び「航空機」という用語は、限定するものではないが、翼が固定されているか、回転翼か、マルチロータVTOL航空機かを問わず、従来の航空機及びVTOL航空機を含む、飛行可能な機械を指す。
【0029】
「約」、「近似的に」などの用語は、数値に付随しているときに、意図された目的のために満足に動作すると当業者によって認められた偏差を示すものと解釈されるべきである。値及び/又は数値の範囲は、例示的なものとしてのみ本明細書で提供され、説明される実施形態の範囲の限定を構成しない。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中の他のところで示されない限り、範囲内に入る任意の及び全ての値を個別に参照することを制限するものではなく、そのような範囲内の各個別の値は、本明細書で個別に挙げられているように本明細書の中に組み込まれる。
【0030】
「及び/又は(and/or)」という語は、「及び/又は」によってつながれている、列挙されたアイテムのうちの一又は複数の任意のものを意味する。一実施例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x)、(y)、(x、y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x及び/又はy」は、「xとyのうちの一方又は両方」を意味する。別の一実施例として、「x、y、及び/又はz」は、7つの要素の組{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x、y、及び/又はy」は、「x、y、及びzのうちの1以上」を意味する。
【0031】
「回路」及び「電気回路」という用語は、物理的電子部品(すなわち、ハードウェア)、並びに、ハードウェアを構成し、ハードウェアによって実行され、且つ/又はさもなければハードウェアに関連し得る、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)を指す。本明細書で使用される際に、例えば、特定のプロセッサ及びメモリは、コードの1以上のラインの第1の組を実行するときに第1の「回路」を備え、コードの1以上のラインの第2の組を実行するときに第2の「回路」を備え得る。本明細書で使用される際に、(例えば、ユーザが構成可能な設定、工場での調整などによって)機能の実行が不可能であるか又は可能でないか否かに関わりなく、回路が機能を実行するために必要なハードウェア及び(もし必要ならば)コードを備えるときはいつでも、回路は、機能を実行するために「動作可能」である。
【0032】
本明細書で使用する場合、「伝達する」及び「通信する」という用語は、データ若しくは情報を発信元から送付先へ送信若しくは他の方法で伝えること、並びに/又はデータ若しくは情報を送付先へ伝えるために、通信媒体、システム、チャネル、ネットワーク、装置、回線、ケーブル、ファイバー、回路、及び/若しくはリンクに送達することとの両方を意味する。
【0033】
本明細書で使用される際に、「コンピュータ」という用語は、非限定的に、パーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップ及びデスクトップコンピュータ)、手持ち式端末、プロセッサベースのデバイス(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)など)、及びプロセッサ(又はマイクロプロセッサ)が装備された任意の他の電子デバイスを含む、数学的又は論理的動作のシーケンスを連続的に且つ自動的に実行するように設計されたプログラム可能なデバイスを指す。
【0034】
本明細書で使用される際に、「に接続される」及び「と接続される」という用語は、各々、2以上のデバイス、装置、ファイル、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、及び/又は手段の間の関係性を意味する。その関係性は、(i)直接的にか又は1以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段を介してかに関わらず、接続、(ii)直接的にか又は1以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段を介してかにかからわず、通信関係、並びに/又は(iii)任意の1以上のデバイス、装置、ファイル、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段の動作が、全体的に又は部分的に、それらのうちの任意の他の1以上の動作に応じる、機能的な関係のうちの任意の1以上を構成する。
【0035】
本明細書で使用される際に「データ」という用語は、恒久的であるか又は一時的であるかに関わらず、視覚的、聴覚的、音響的、電気的、磁気的、電磁的、又はさもなければ明示されたかに関わらず、しるし、信号、マーク、シンボル、ドメイン、シンボルセット、表現、及び情報を表す任意の他の物理的形態(複数可)を意味する。「データ」という用語は、異なる物理的形態(複数可)を採る対応する情報の任意の及び全ての表現を包含する、1つの物理的形態を採る所定の情報を表すために使用され得る。
【0036】
本明細書で使用される際に「データベース」という用語は、データ又はデータの組織化された本体が表現されるやり方に関わりなく、関連するデータの組織化された本体を意味する。例えば、関連データの組織体は、一または複数のテーブル、マップ、グリッド、パケット、データグラム、フレーム、ファイル、電子メール、メッセージ、ドキュメント、レポート、リスト、又は他の何れかの形態で表されるデータのうちの1以上の形態であってよい。
【0037】
「例示的な」及び「実施例」という用語は、「実施例、事例、又は実例として機能する」ことを意味する。本明細書で説明される実施形態は、限定的ではなく、むしろ例示的のみである。説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好適であり又は有利であると解釈されないことが、理解されるべきである。更に、「本発明の実施形態」、「実施形態」、又は「発明」という用語は、本発明の全ての実施形態が、説明された特徴、利点、又は動作のモードを含むことを必要としない。
【0038】
「メモリデバイス」という用語は、プロセッサによって使用されるために情報を記憶するコンピュータハードウェア又は回路を意味する。メモリデバイスは、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、コンピュータ可読媒体などの、任意の適切な種類のコンピュータメモリ又は任意の他の種類の電子記憶媒体であり得る。
【0039】
本明細書で使用される際に、「ネットワーク」という用語は、インターネットを含む全ての種類のネットワークと相互間ネットワークの両方を含み、任意の特定のネットワーク又は相互間ネットワークに限定されない。
【0040】
本明細書で使用される際に、「プロセッサ」という用語は、ハードウェアとして実装されているか、有形に具体化されたソフトウェアとして実装されているか、その両方であるか、及びプログラム可能であるか否かに関わらず、処理用のデバイス、装置、プログラム、回路、構成要素、システム、及びサブシステムを指す。本明細書で使用される際に、「プロセッサ」という用語は、1以上のコンピュータ、配線回路、信号修正デバイス及びシステム、システムを制御するためのデバイス及び機械、中央処理装置、プログラマブルデバイス及びシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、チップ上のシステム、離散した要素及び/又は回路を備えたシステム、状態機械、仮想機械、並びにデータプロセッサを含むが、それらに限定されるものではない。
【0041】
本開示は、輸送体(例えば、航空輸送体)における軌道及び経路計画を提供するためのシステム及び方法に関する。軌道計画は、概して、所与の空間(例えば、エアスペース)を通る軌道を特定/生成するプロセスを指す。軌道は、航空輸送体の性能の制約を満たしながら、2つのポイント(例えば、開始点及び目的地又はウェイポイント)の間の地球的ウェイポイント経路を辿る時間の関数として決定されてよい。軌道計画システム及び方法は、環境内の任意の障害物を動的に回避することもできる。
【0042】
軌道計画システム及び方法は、統合された/既存の飛行制御システムであるか又は統合された/既存の飛行制御システムと通信するアドオンとしてかを問わず、航空輸送体の飛行制御システム内の機能システムとして容易にされてよい。航空輸送体の飛行制御システムは、例えば、障害物検出システム、(自律的であってよい)航法システム、位置追跡システムなどの、システムも含んでよい。障害物検出は、とりわけ、聴覚技術(例えば、反響定位センサ)、視覚技術(例えば、カメラ、LiDARなど)、又はそれらの組み合わせを使用して、1以上の衝突脅威若しくは障害物(例えば、静止している及び/若しくは動いている非協力的ターゲット)を検出することによって容易にされ得る。衝突脅威を提示し得る環境内の障害物の例は、非限定的に、鳥、人間、他の輸送体、構造物(例えば、建物、橋、塔など)、枝葉(例えば、木、草など)などを含む。
【0043】
軌道計画方法は、幾何学的な弧と線分による短い軌道の近似値を互いにリンクさせてよい。本明細書で開示される際に、航空輸送体の位置及び速度を考慮に入れる軌道計画システム及び方法は、動的制約を有する航空機向けに有用である。軌道計画方法は、とりわけ、総当たりチェッキング、傾斜降下、及び高速探索ランダムツリー(RRT)を含む、1以上の軌道カテゴリーの中にグループ化されてよい。
【0044】
総当たり軌道方法は、開始点から短い距離だけ先まで可能な軌道を考えること、目標に向けて航空輸送体を移動させる最小費用を有する軌道区間を特定すること、区間を選ぶこと、及び区間の終わりからそのプロセスを繰り返すことを含む。総当たり軌道サイクルは、区間が目標(例えば、目的地又はウェイポイント)に到達するまで継続される。総当たり方法は、速く、実現可能な軌道を生成できるが、それらは、環境内の障害物を容易に且つ動的に回避することができない。
【0045】
傾斜降下の軌道方法は、軌道での推定から開始し、次いで、傾斜降下の数学モデルを使用して、やはり目標に到達しながら、輸送体の能力を含む物理的制約に違反しない軌道を計算する。元の推測は、制約を満たし且つ障害物を回避する解決策に徐々に近づく。しかし、軌道計画用の傾斜降下は、可能な軌道が存在するときであっても、一貫して軌道を特定することができないことがある。したがって、傾斜降下は、安全な環境(例えば、比較的障害物がない環境)であっても、実際には常に十分に信頼することができるとは限らない。
【0046】
RRTの軌道方法は、開始状態と終了状態を環境内のランダム化された状態にリンクさせることを試みる。与えられた十分な時間で、RRTは、(解決策が存在するとして)最適な解決策に近づくことを示した。RRTは、概して実際に優れた性能を有するが、軌道に対する更新が時間制限内で頻繁な更新を必要とするときに、許容可能な軌道を生成するには長すぎる時間を必要とすることがある。
【0047】
しかし、本開示は、軌道計画の技術の現状に対する改善を行う軌道計画解決策を提供する。一態様では、軌道計画解決策が、デュビン経路理論などの経路理論を使用して、複雑な軌道を生成する計算時間を低減させることができる。デュビン経路は、通常、経路の曲率に制約があり、且つ、経路に指定された初期接線と終端接線がある、二次元ユークリッド平面(すなわち、x‐y平面)内の2つの点を結ぶ最短曲線を指す。デュビン経路では、輸送体が、前方向にのみ移動することも仮定され得る。
【0048】
開示される軌道計画解決策は、速度の変化に伴って発生する旋回半径の変化向けに反復するデュビン経路を統合することを更に含んでよい。軌道計画解決策は、初期軌道を生成するために総当たり方法を使用して、RRTアルゴリズムに「シード」軌道を提供する。次いで、RRTアルゴリズムが、シード軌道をリンクさせ又はリンクさせることを試みる。他の態様では、RRT、RRT#、A、D、ダイクストラ(Dijkstra)のアルゴリズム、又は高速探索ランダムツリーなどの、RRTの代わりに、他の目標発見アルゴリズムが使用されてよい。更に、ある態様では、反復デュビン経路アルゴリズム以外の方法を使用して、可能な弧の長さ及び短い軌道区間を見つけることができる。ある態様では、RRTアルゴリズム又は別の目標発見アルゴリズムが、シード軌道を生成するために、先ず総当たり方法を使用することなしに、反復デュビン経路アルゴリズムによって計算された軌道を使用することができる。RRT及びRRTアルゴリズムは、「Sertac Karaman and Emilio Frazzoli, Incremental Sampling-based Algorithms for Optimal Motion Planning, International Journal of Robotics Research (2010)」によって、より詳細に説明されている。
【0049】
開示される軌道計画解決策は、デュビン経路を通る複雑な軌道を生成するための低減された計算時間、シード軌道の使用を介したRRTアルゴリズム用の低減された計算時間、シード軌道の使用を介したRRT解決策からの最適化された結果、及び信頼可能な障害物の回避などの、幾つかの利点を提供する。本開示の一態様では、軌道計画器が、反復デュビン経路を採用する。
【0050】
基本的なデュビン経路は、旋回半径が経時的に変化しないという仮定の下に、単一の旋回半径を使用して、一状態から別の状態までの経路を決定する。しかし、航空輸送体用の旋回半径は、速度及び組織化された旋回の仮定によって決定される。航空輸送体用の速度が変化し得るので、旋回半径も変化する可能性があり、したがって、デュビン経路の旋回半径を変化させる。開示される軌道計画器の場合では、離陸から着陸までの軌道を生成し、加速度が速度を変化させ、したがって、任意の所与の時間において旋回半径に影響を与える。したがって、変化する速度(及びしたがって変化する旋回半径)を考慮に入れるために、軌道計画器は、反復デュビン経路アルゴリズムを採用してよい。
【0051】
反復デュビン経路アルゴリズムは、開始位置、終了位置、及びそれらの位置における関連付けられた機首方位及び速度を入力として開始する。これらの入力から、デュビン経路アルゴリズムは、1)開始状態と終了状態の速度のうちの最も大きいものから旋回半径を計算し、2)基本的なデュビン経路を計算し、3)航空輸送体の運動制約に基づいて命令された速度に最も近い実現可能な速度を計算し、4)ステップ3)で計算された実現可能な速度に基づいて旋回半径を計算し、5)開始及び終了旋回半径を使用してデュビン経路を計算し、6)ステップ3で計算された速度が反復の間で変化しなくなるまで、又は反復の最大所定数まで、ステップ3~5を繰り返す。反復デュビン経路方法を使用して、飛行中の航空輸送体の経路に最も似ている軌道の近似値を生成することができる。
【0052】
デュビン経路の反復は、目標の終了点までの単純な軌道を生成するために総当たり方法が使用することのできる、短い軌道を生成する。総当たりアルゴリズムは、ウェイポイント経路を短い区間に分割し、短いデュビン経路の軌道によって区間を互いにリンクさせる。例えば、総当たり軌道は、シードウェイポイントとしてリンクさせるために、修正されたRRTアルゴリズム用の代表的な軌道として使用することができる。一実施例では、修正されたRRTアルゴリズムは、1)初期状態をシードウェイポイントにリンクさせ(又はリンクさせることを試み)、2)ウェイポイントが目標の終了点に行くかどうかを確認し(ウェイポイントが目標の終了点に行く場合、第1の解決策が特定され、そうでない場合、アルゴリズムがシードの終わりを第1の解決策用の目標にリンクさせ(又はリンクさせることを試み))、3)ランダム状態を選び、RRTアルゴリズムに従ってツリーに追加し、4)ランダムポイントをシードウェイポイントにリンクさせ(又はリンクさせることを試み)、5)ウェイポイントが目標の終了点に行くかどうか確認し(ウェイポイントが目標の終了点に行く場合、解決策が決定され、そうでない場合、アルゴリズムがシードの終わりを解決策用の目標にリンクさせ(又はリンクさせることを試み))、6)解決策が決定され、反復の最大数が到達され、又は解決策が見つけられた後で反復の最小数が到達されるまで、3~5のステップを繰り返し、7)平滑化を実行して軌道の長さを低減させる。
【0053】
総当たり方法によって計算されたシードウェイポイントは、修正されたRRTが、目標の終了点までの適切な経路を効率的に見つける助けとなる。総当たりアルゴリズムによって計算されたシードウェイポイントは障害物を回避できないが、RRTは、障害物の周りを進行する経路の区間を見つけることができ、障害物が回避された後でシードウェイポイントにリンクさせて戻ることができる。説明される方法及びシステムは、軌道計画に言及するが、経路計画用にも使用できることに留意されたい。経路計画は、軌道計画に類似するが、経路計画では、軌道の速度及び時間成分が不必要である。したがって、経路計画は、時間成分又は速度を考慮することなしに、開示される方法及びシステムを使用して実現されてよい。
【0054】
図1は、障害物回避システム及び方法を含む、開始点102における航空輸送体向けの軌道計画用の例示的な環境100を示している。環境100は、目標104、及び任意の数の障害物(例えば、木々110、建物112、及び電柱114)を含んでよい。直接的な経路106は、開始点102と目標104の間の最も直接的な経路(すなわち、直線的な経路)を示しているが、上述された様々な障害物は、輸送体が直接的な経路106を取ることを物理的に遮断している。したがって、航空輸送体が開始点102から目標104に移動するために、開始点102と目標104の間の可能且つ効率的な軌道を計算することが必要であり得る。本明細書で説明される際に、航空輸送体は、単独であるか又は航法システム若しくは飛行制御システムの部分としてかを問わず、軌道計画器を含んでよい。軌道計画器は、開示される方法を使用して、開始点102と目標104の間の可能且つ低費用な軌道108を効率的に見つけることができる。
【0055】
開始点102と目標104の間の軌道を計算するために、先ず、反復デュビン経路が、軌道の全体を通して変動する加速度を考慮に入れる。次に、反復デュビン経路の計算を使用して且つ障害物を無視して、総当たり計算を実行して、シードウェイポイントを見つけることができる。次いで、シードウェイポイントが、修正されたRRTアルゴリズムによって使用される。修正されたRRTアルゴリズムは、未修正のRRTの通常のサンプリングに加えて、障害物を回避する開始点102と目標104の間の経路を見つけるために、シードウェイポイントをリンクさせる(又はリンクさせることを試みる)こともする。修正されたRRTアルゴリズムが、開始点102と目標104の間の軌道108を見つけると、軌道計画器は、軌道108を短くするために平滑化を実行する。
【0056】
図2a及び図2bは、2つの例示的な航空輸送体200a、200bの斜視図を示している。図2aは、垂直離着陸できる(クワッドコプターとして示されている)例示的な自律的マルチロータ航空輸送体200aを示しており、一方、図2bは、固定翼航空機200bを示している。何れの場合でも、航空輸送体200は、機体202(例えば、胴体若しくはシャーシ)、着陸装置204、電子モジュール220(図2cで最も良く示されている)、及び揚力又は推力を提供するための1以上の推力生成器206(例えば、プロペラに動作可能に連結されたタービン、モータ、又はエンジンなど)を備えてよい。電子モジュール220は、機体202と一体化され得るか、又は個別のハウジング若しくはポッドを介して設けられ得る。マルチロータ航空輸送体200aの場合では、推力生成器206が、複数のロータブーム212を介して機体202に連結されてよい。固定翼航空機200bの場合では、1以上の固定翼214が、機体202に連結されてよい。1以上の固定翼214は、機体202とは異なってもよいが、固定翼航空機200bは、代わりに、融合された翼又は全翼構成として構成されてよい。
【0057】
航空輸送体は、反響定位センサなどの1以上のセンサ210(例えば、ISRペイロードの部分として又はそれから分離されて)を備えてよい。反響定位センサは、概して、可聴周波数を環境内に放出すること、及び、障害物から反響定位センサの近くに戻る可聴周波数の任意の反響を検出することによって機能する。反響の強度及び/又は反響戻りの方向を使用して、その反響は、障害物を見つける且つ/又は特定するために使用されてよい。今度は、(特定された)障害物が、1以上の障害物との衝突を避けるように航空輸送体に方向を変更させてよい。しかし、センサ210は、反響定位センサに限定されるものではなく、とりわけ、非限定的に、カメラ、radar、LIDARなどを含む、当該技術分野で知られている又は当該技術分野で知られることとなる、任意の視覚ベースのセンサ又は音響センサを含んでよい。一態様では、カメラを使用して、オプティカルフロー(optical flow)などの3次元再構築技術を通じてより大きな物体を特定することができる。これが、自律的航行のための有用な情報を提供し得る一方で、光学撮像に関連した処理待ち時間、並びに様々な種類の物体の可視性に対する感度は、輸送体の飛行線内にある小さい急速に接近してくる物体を検出するための光学検知技術の利用性を制限し得る。
【0058】
センサ210は、航空輸送体の移動の方向にある視界を得るように位置決めされ、それによって、航空輸送体200の経路内の潜在的な障害物を特定することができる。例えば、単一のセンサ210(又はセンサ210の単一の群)は、航空輸送体200の経路内の衝突の脅威(例えば、妨害物又は障害物)を検出するように、航空輸送体200の前部に設けられてよい。センサ210を飛行線に向けて方向付けることにより、音響検出は、光学的検出を補完し、輸送体による即応性のある操作の実行を誘発するべき緊急の妨害物を検出するために使用され得る。更に、自律的マルチロータ航空輸送体200aによって示されているように、複数のセンサ210(又はセンサの複数の群)は、航空輸送体200の外周(並びに/又は上及び下)に位置決めされてよく、航空輸送体200の飛行線に方向付けられた視界を提供することができる。したがって、複数のセンサ210は、航空輸送体200が、航空輸送体200の任意の側にある衝突の脅威を検出することを可能にし得る。
【0059】
音響センサの1つの目的は、直接に飛行経路(又は他の移動線)内ある障害物、特に、視覚検出又は他の技術を使用して検出されないかもしれない障害物の即時の検出を提供することであることが理解されるだろう。それに応じて、センサ210の1つの目的は、特定の方向(例えば、航空輸送体の任意の方向)にある障害物、特に、視覚検出又は他の技術を使用して確実に検出されないかもしれない障害物の即時の検出を提供することであることを理解されたい。反響定位アレイがこの状況で良く動作する一方で、追加的に又は代替的に、レーザーベースの技術、又は光学的、音響的、無線周波数、若しくは他の検知様式を使用する任意の他の適切な技術などの、他のセンサシステムも、障害物の急速で正確な検出のために適切に採用され得る。自律的な輸送体内に実装されるために適切な任意のそのような技術は、妨害物を正確に且つ素早く特定することができ、本明細書で考慮されるシステム及び方法において反響定位センサの代わりに使用され得る。例えば、動的衝突回避システムは、視覚ベース及び音響ベースのセンサの組み合わせを採用し得る。
【0060】
図2cは、飛行制御システム222、電子モジュール220、センサペイロード210(例えば、光システム260、及び/又は音響/反響定位システム264)、操縦機構224を有する、航空輸送体200のブロック図を示している。概して、電子モジュール220は、航空輸送体のアビオニクス、電源(例えば、推進バッテリ)、センサペイロード、及び通信デバイス又はシステムを収容するために使用されてよい。例えば、電子モジュール220は、航空輸送体の飛行制御システム222、電源236、及び(1以上の)通信デバイス238を収容するために、又はさもなければ包含するために使用されてよい。電子モジュール220は、データ収集用の諜報、監視、偵察(「ISR」)ペイロード234、LiDARセンサ252、RADARセンサ254、又は他のセンサを更に備えてよい。例えば、航空輸送体200には、1以上のカメラ、音響デバイス、及び他のセンサを備えたISRペイロード234ポッドが装備されてよい。航空輸送体200によって収集された任意のビデオ、画像、音響、テレメトリ、及び/又は他のセンサデータ(「調査データ」)は、ローカルに記憶されてよく、又は、送信器/受信器などの搭載型無線通信デバイスに接続されたアンテナを使用して、リアルタイムで航空輸送体200から遠隔位置に無線通信されてよい。代替的に、調査データは、(例えば、繋がれているときに、又は地上にあるときに、運航後に)有線接続を介して、遠隔位置又は別のパーティに通信され得るか又は他の方法で伝達され得る。
【0061】
図2cは、特定の配置を示しているが、構成要素の配置は所望の目的を実現するために調整されてよい。例えば、飛行制御システム222は、1以上の専用ハウジング内に位置付けられてよく、且つ/又は航空輸送体200から除去可能であってよい。別の一実施例では、サイズ、重量、電力、及び費用(SWaP-C)を低減させるために、構成要素(例えば、ハードウェア)が、ISR234とセンサペイロード210との間で共有されてよい。電子モジュール220は、機体202と一体化されてよく、又は個別のハウジング内に包含されてよい。個別のハウジングは、機体202に対する剛性を提供する可能性もあり得る。したがって、電子モジュール220は、機体202から除去可能であり、機体202に対して交換能であってよく、本明細書で考慮されるような飛行制御システム222及び航行方法の任意のシステム又はサブシステムを収容することができる。電子モジュール220は、航行及び軌道計画方法を支援し又は容易にするために使用される、電子機器及びハードウェアを備えてよい。飛行制御システム222は、航空輸送体200及び遠隔位置と通信可能な関係で接続され、通信デバイス238を介して航空輸送体200及び遠隔位置に信号を送信し航空輸送体200及び遠隔位置から信号を受信するように構成されてよい。例えば、通信デバイス238は、無線送受信器及びアンテナであってよい。
【0062】
飛行制御システム222は、1以上の操縦機構224及びセンサペイロード210(例えば、光システム260及び/又は反響定位システム264)と通信可能に接続されてよい。飛行制御システム222は、操縦システム226、GPSシステム228、ジャイロスコープ230、加速度計232、軌道計画器240、地図システム242、プロセッサ244、コントローラ246、及び/又はメモリ248を含んでよい。飛行制御システム222は、電子モジュール220内に配置された上述の構成要素、更には、無人航空輸送体又は他の自律的に若しくは手動で操縦される輸送体の動作に対して必要な又は有用な、任意の他の従来の飛行計器、センサ、処理回路、通信回路、カメラを含む光学システムなどの、他のセンサ250も含んでよい。
【0063】
飛行制御システム222は、航空輸送体200を制御及び/又はナビゲートするために使用されてよい。例えば、飛行制御システム222は、航法システムの構成要素から受信した信号に基づいて、航空輸送体200が所望の位置に到達するための1以上の航行経路を特定することができる。より具体的には、飛行制御システム222が、操縦システム226を介して、航行命令(例えば、データ信号)を計算し、生成し、操縦機構224に送って、航空輸送体200を航行経路に沿って所望の位置へ導くことができる。
【0064】
動作の際に、飛行制御システム222は、航行システムの構成要素から受信した信号に基づいて、航空輸送体200が所望の位置に到達するために航行経路を辿るように、航空輸送体200を特定し且つ/又は航空輸送体200に指示命令してよい。例えば、操縦システム226は、航空輸送体200を意図された経路に沿って導くために、飛行制御システム222の構成要素から信号を受信し、航空輸送体の操縦機構224に適切な制御信号を提供するように構成されてよい。実際、飛行制御システム222は、概して、航空輸送体200内の1以上の操縦機構224に指示し、又はさもなければ1以上の操縦機構224を制御するように構成されている。飛行制御システム222は、自動操縦装置の機能を容易にし且つ/又は遠隔の航行命令に応答してよい。この目的のために、飛行制御システム222は、航空輸送体200を遠隔位置と通信可能に接続し、航空輸送体200と遠隔位置との間で(例えば、通信デバイス238を介して)信号を送受信(例えば、信号が行ったり来たり)するように構成されてよい。航行モジュールの機能は、飛行制御システム222内の構成要素、航空輸送体200内のそれ以外の構成要素、及び/又は遠隔に位置付けられた構成要素の間で、任意の適切なやり方で分散されてよい。更に、適切な電子インターフェース、機械インターフェース、及び通信インターフェースが提供されて、機体202に対する電子モジュールの除去及び交換を容易にし得る。
【0065】
飛行制御システム222は、個別のハウジングの内側、機体202の内側、又はそれらの組み合わせに、全体的に又は部分的に配置されてよい。例えば、飛行制御システム222は、輸送体の外装に取り付けられてよく、又は全体的に若しくは部分的に航空輸送体の範囲内に配置されてよい。飛行制御システム222は、航空輸送体上の個別の物理的な物品である必要はなく、むしろ、より大きな航法システムの構成要素であってよく、又はそれ自体が航法システムの構成要素全体を含んでよい。ある実施例では、飛行制御システム222が、航空輸送体200の中に統合され、電子モジュール220及び/又は操縦機構224と通信可能な関係で接続されてよい。特定の実施形態では、飛行制御システム222が、メモリ、センサ、プロセッサ、又はコントローラなどの、構成要素を共有してよい。更に、電子モジュール220は、任意の望ましいやり方で、航空輸送体200と除去不可能に接続されてよく、又は航空輸送体200の機体202若しくは主翼212の中に統合されてよい。したがって、様々な構成要素の配置は、設計者又はオペレータによって所望なように構成されてよく、したがって、本明細書で説明され又は図示されている特定の実施例に限定されるべきではない。飛行制御システム222は、航空輸送体から除去可能且つ航空輸送体に対して交換可能な、除去可能・交換可能パッケージ若しくはモジュールであってよく、又は航空輸送体に恒久的に接続され若しくは輸送体の中に統合されてよい。
【0066】
操縦機構224は、本明細書で考慮されるように、目標に至る航行経路上で(自律的であるか又は人間によって制御されているかを問わず)航空輸送体200を操縦するように構成されてよい。
【0067】
航空輸送体200は、本明細書で参照される又はさもなければ当該技術分野で知られている(若しくは当該技術分野で知られることとなる)任意の輸送体であってよい。同様に、操縦機構224は、本明細書で参照される又はさもなければ当該技術分野で知られている(若しくは当該技術分野で知られることとなる)任意の操縦の形態にあってよい。一般的に、操縦機構224は、飛行操縦システム222からの信号に応答する。飛行操縦システム222は、航空輸送体200を意図された経路に沿って正確に導くためのフィードバック又は他の制御システムを採用してよい。操縦機構224は、航行命令に応答して、ロール、ピッチ、及びヨーを調整することによって、航空輸送体200の制御された飛行を容易にするように構成されてよい。この目的のために、操縦機構224は、操縦システム226から航行命令を受け取り、航行命令に応答することができる、コントローラと動作可能に接続されてよく、又は1以上のプロセッサ、アクチュエータ、モータ、及び/又は他のデバイス(例えば、電気的又は電気機械的なデバイス)を含んでよい。
【0068】
例示的な操縦機構224は、非限定的に、従来の飛行操縦翼面(例えば、フラップ、エルロン、エレベータ、ラダー、スポイラー、エアブレーキ、及び/又は他の飛行操縦翼面)、並びにベクトル推力(vectored-thrust)制御システムなどの他の飛行制御機構を含む。ベクトル推力制御機能は、推力を所望の方向に向けるために推力生成器206を動かすこと、したがって、飛行を制御することによって容易にされ得る。例えば、関節接合された電気モータ配置が、ベクトル推力制御を採用して、推力ベクトルを直接的に変更し得る。実際、独立して推力ベクトルモータポッドを関節接合することにより、垂直飛行と水平飛行との間の急速な移行が可能になる。特定の態様では、航空輸送体200が、特に固定翼航空輸送体に関して、2つ以上のフィン(例えば、垂直安定板及び/又は水平安定板)を更に備えてよい。
【0069】
より一般的には、操縦機構224が、ラダー、エレベータ、フラップ、エルロン、スポイラー、エアブレーキ、及び他の操縦翼面を含んでよい。ヘリコプターなどの他の航空輸送体に対して、操縦機構224は、フォイル及び他の操縦翼面と共に幾つかのロータを含み得る。幾つかのロータは、固定されたロータ又は可動なロータであり得る。地上ベースの輸送体に対して、操縦機構224は、ラック及びピニオンシステム、可変回転トレッド、再循環ボールシステムなどを含み得る。操縦機構224は、追加的に又は代替的に、方向制御と共に、航空輸送体200の推力、加速、及び減速を提供する任意の構成要素を含んでよい。輸送体は、一般的に、駆動及び誘導のために個別の又は一体化された構成要素を使用し得るが、輸送体の動きに対する制御を容易にする全てのそのような組み合わせは、本明細書で考慮される「操縦機構」の範囲内に含まれることが意図されている。
【0070】
GPSシステム228は、電子モジュール220又は航空輸送体200の位置を特定するように構成された全地球測位システムの部分であってよい。GPSシステム228は、従来の衛星ベースのシステム、並びに、公的又は私的に操作されるビーコン、位置信号などを使用する他のシステムを含む、当該技術分野で知られているか又は当該技術分野で知られることとなる任意のGPS技術を含んでよい。GPSシステム228は、位置を計算することにおいて使用されるためのデータを検出する1以上の送受信器を含んでよい。GPSシステム228は、飛行制御システム222の他の構成要素と協働して、航空輸送体200の動作を制御し、航空輸送体を意図された経路に沿ってナビゲートすることができる。
【0071】
ジャイロスコープ230は、電子モジュール220又は電子モジュール220が接続されている航空輸送体200の回転を検出するように構成されたデバイスであってよい。ジャイロスコープ230は、航空輸送体200と一体化されてよく、又は電子モジュール220のハウジングの内側若しくは外側に配置されてよい。ジャイロスコープ230は、当該技術分野で知られているか又は当該技術分野で知られることとなる任意のジャイロスコープ又はそれらの変形例(例えば、ジャイロスタット、微小電気機械システム(「MEMS」)、光ファイバージャイロスコープ、振動型ジャイロスコープ、動的に調整されるジャイロスコープなど)を含んでよい。ジャイロスコープ230は、飛行制御システム222の他の構成要素と協働して、航空輸送体200の動作を制御し、航空輸送体を意図された経路に沿ってナビゲートすることができる。
【0072】
加速度計232は、電子モジュール220又は航空輸送体200の直線的な動作を検出するように構成された任意のデバイスであってよい。加速度計232は、航空輸送体200と一体化されてよく、又は電子モジュール220のハウジングの内側若しくは外側に配置されてよい。加速度計232は、当該技術分野で知られている任意の加速度計(例えば、容量性、抵抗、スプリングマスベース、直流(「DC」)応答、電気機械サーボ、レーザー、磁気誘導、圧電、光学、低周波数、振子型積分ジャイロ加速度計、共振、歪ゲージ、表面音響波、MEMS、熱、真空ダイオードなど)、又は当該技術分野で知られることとなる任意の加速度計を含み得る。加速度計232は、飛行制御システム222の他の構成要素と協働して、航空輸送体200の動作を制御し、航空輸送体200を意図された経路に沿ってナビゲートすることができる。
【0073】
地図システム242は、エリア内の天然の特徴及び人工の特徴についての位置情報を提供する、地図ベースの飛行制御システムの部分であってよい。これは、例えば、地形的地図、すなわち、道路、建物、河川などを特定する一般的な二次元地図、又は木々、彫像、公共インフラ、建物などの、様々な天然の妨害物及び人工の妨害物の高さ及び形状を特徴付ける詳細な三次元データを含む、任意の詳細さのレベルにある情報を含み得る。一態様では、地図システム242が、周囲の状況の視覚的検証のために光学システムと協働し、又は、地図システム242が、経路決定などの目的で環境内の様々な障害物についての情報を提供するためにGPSシステム228と協働してよい。一態様では、地図システム242が、GPS拒否又はGPS障害の環境内で捕捉的な航法支援を提供することができる。GPSが部分的に又は全体的に使えないときに、地図システム242は、光センサ、慣性センサなどの他のセンサ250と協働して、GPS信号が回復できるまで位置情報を提供することができる。
【0074】
地図システム242は、より一般的に、本明細書で考慮される輸送体の航行を支援するために、飛行制御システム222の他の構成要素と通信することができる。これは、経路の計算のために地図情報を提供することを含み得るが、これは、独立したナビゲーション能力も含み得る。例えば、地図システム242は、1以上の物体を含む動作環境の地図を記憶する地図ベースの航法システムを提供することができる。地図ベースの航法システムは、カメラに接続され、記憶された物体を可視環境と比較することによって輸送体の位置を特定するように構成されてよい。可視環境は、GPSデータ又は他の位置情報がない場合に位置データを提供してよい。
【0075】
プロセッサ244は、コントローラ246、航空輸送体200、飛行制御システム222、操縦機構304、並びに、本明細書で説明される他の様々な構成要素、システム、及びサブシステムと通信可能な関係で接続されてよい。プロセッサ244は、航空輸送体200若しくは飛行制御システム222の内部プロセッサ、本明細書で考慮される様々な航行機能を支援するための電子モジュール220内の更なるプロセッサ、局所的に若しくは遠隔に航空輸送体200及び飛行制御システム222に接続されたデスクトップコンピュータなどのプロセッサ、データネットワークを介して航空輸送体200及び飛行制御システム222に接続されたサーバ若しくは他のプロセッサ、又は任意の他のプロセッサ若しくは処理回路であってよい。ある実施例では、航空輸送体200が、少なくとも1つのカメラを含む光システム260、及び/又は少なくとも1つの反響定位センサ266を含む反響定位システム264を含んでよい。飛行制御システム222は、光システム260及び/又は反響定位システム264から情報を受け取ることができる。一般的に、プロセッサ244は、航空輸送体200又は飛行制御システム222の動作を制御し、航行を支援するために様々な処理及び計算機能を実行するように構成されてよい。プロセッサ244は、本明細書で説明されるステップを実行するために協働する幾つかの異なるプロセッサを含んでよい。例えば、ハウジング内のプロセッサが光データ及び反響定位データを前処理する間に、航空輸送体200の内部プロセッサが航空輸送体200の動作を制御する場合などである。
【0076】
プロセッサ244は、例えば、位置情報、移動情報、動的衝突回避システム302のデータなどを含む様々な入力に基づいて、ある位置への航空輸送体200用の航行経路を特定し又は改訂するように構成されてよい。それらの入力は、GPSシステム228、地図システム242、ジャイロスコープ230、加速度計232、及び任意の他の航行入力、並びに光システム及び反響定位システムからのデータに、様々に基づき得る。光システム及び反響定位システムは、航空輸送体200の周りの環境内の障害物についての情報を提供してよい。例えば、初期経路は、GPSシステム228によって提供される位置情報のみに基づいて、ジャイロスコープ230や加速度計232などによって検出された動きに基づく飛行中の調整を伴って決定されてよい。プロセッサ244は、光航法システムを利用するように構成されてもよい。その場合、プロセッサは、例えば、オプティカルフローを使用して画像のシーケンスを処理し且つGPSシステム228を回避し、航空輸送体200を可視障害物の周りで位置に向かってナビゲートするように、光システムの視界(FOV)の範囲内の可視障害物を特定するように構成されている。プロセッサ244は、通常は航空輸送体の飛行線の範囲内で、動的衝突回避システム302のFOVの範囲内の障害物を特定するように更に構成され、GPSシステム228及び光航法システムを回避して、障害物の周りで航空輸送体200を導き、航空輸送体200を位置に向けて以前のコースに戻す、即応性のある操作(responsive maneuver)を実行するように更に構成されてよい。
【0077】
コントローラ246は、操縦機構304などの、航空輸送体200及び飛行制御システム222の構成要素を制御するように動作可能であってよい。コントローラ246は、プロセッサ244、航空輸送体200、飛行制御システム222、操縦機構304、並びに、本明細書で説明されるデバイス及びシステムの他の様々な構成要素と、電気的に又はさもなければ通信可能な関係で接続されてよい。コントローラ246は、制御信号、駆動信号、電力信号、センサ信号などを送受信するための入力部及び出力部を伴って、非限定的に、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ、並びに任意の他のデジタル及び/又はアナログ構成要素、更に、以上のものの組み合わせを含む、本明細書で説明される航空輸送体200及び飛行制御システム222の様々な構成要素を制御するために適切なソフトウェア及び/又は処理回路の任意の組み合わせを含んでよい。特定の態様では、プロセッサ244が、コントローラ246と一体化されてよい。一態様では、これが、搭載型プロセッサなどの、航空輸送体200及び飛行制御システム222と直接的に且つ物理的に結合された回路を含んでよい。別の一態様では、これが、本明細書で説明されるプロセッサ244などのプロセッサであってよい。プロセッサは、例えば、有線又は無線接続を通じて、航空輸送体200及び飛行制御システム222と接続されたパーソナルコンピュータ又は他の計算デバイスと結合されてよい。同様に、本明細書で説明される様々な機能は、航空輸送体200、飛行制御システム222、及び個別のコンピュータ用の搭載型プロセッサの間で割り振られてよい。全てのそのような計算デバイス及び環境は、異なる意味が明記されているか又はさもなければ文脈から明らかな場合を除き、本明細書で使用される「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語の意味に含まれると意図される。
【0078】
メモリ248は、非限定的に、検知された障害物の位置、地図、画像、配向、速度、航行経路、操縦仕様、GPS座標、センサの読み取り値などを含む、飛行制御システム222用のデータのログを記憶する、局所的なメモリ又は遠隔の記憶デバイスを含んでよい。メモリ248は、追加的に又は代替的に、特定の輸送体の幾つかの航行から集められたデータ、又は異なる輸送体の幾つかの航行から集められたデータのログも記憶してよい。メモリ248は、追加的に又は代替的に、光システム260及び動的衝突回避システム264からのセンサデータ、関連するメタデータなども記憶してよい。メモリ248内に記憶されたデータは、プロセッサ244、コントローラ246、遠隔処理資源(remote processing resource)などによってアクセスされてよい。
【0079】
軌道計画器240は、プロセッサ(例えば、プロセッサ244)によって、例えば、反復デュビン経路アルゴリズム、総当たりアルゴリズム、及びRRTアルゴリズム(又はその変形例)を含んだアルゴリズムを使用して、航空輸送体200用の潜在的な軌道を計算することができる。軌道計画器240は、GPSシステム228、地図システム242、コントローラ246、メモリ248などから、位置座標を受け取ってよい。軌道計画器240は、また、地図システム242、メモリ248、他のセンサ250から、又は飛行制御システム222が光システム260若しくは反響定位システム264などから受け取った情報から、障害物情報を受け取ってもよい。軌道計画器240によって計算された軌道は、飛行制御システム222によって使用されて、操縦システム226を介して操縦機構224に対する指示を出力することができる。
【0080】
特定の態様では、モジュール式のハウジングが、電子モジュール220、飛行制御システム222、光システム260、及び/又は音響/反響定位システム264などの、航空輸送体200の1以上の構成要素を包含してよい。モジュール式のハウジングは、プラスティック、金属、木材、複合材料、セラミック、又は特定の輸送体の目的又は輸送体の種類に対して適切な任意の材料から構築され得る。モジュール式のハウジングは、取り外し可能若しくは取り出し可能であってよく、又は航空輸送体200に恒久的に連結されてよい。モジュール式のハウジングは、ねじ、クリップ、磁石、面ファスナ(例えば、Velcro(登録商標))などを含む、1以上のファスナを介して、航空輸送体に取り付けられてよい。モジュール式のハウジングは、センサ210などのセンサ用の開口部を含んでよい。電子モジュール220は、航空輸送体200のアビオニクス(例えば、飛行制御システム206)、電源236、ISRペイロード234などのセンサペイロード、及び通信デバイス若しくはシステム238を収容するために使用されてよく、機体202と一体化されてよく、又は個別のハウジング内に包含されてよい。
【0081】
図3は、ウェイポイント経路306に沿った、航空輸送体200用の飛行制御システム222を介して(例えば、軌道計画器240を介して)計算された例示的な最適軌道を示している。計算された軌道は、ウェイポイント経路306に沿って障害物310を回避するように構成されている。航空輸送体は、開始位置302と終了位置304を有する。理想的には、航空輸送体が、ウェイポイント経路306を辿るべきである。しかし、固定翼航空機などの航空輸送体は、ポイント312と314において正確に旋回することができないだろう。むしろ、固定翼又は回転翼航空機は、その速度、機首方位、及び運動情報によって計算可能な旋回半径を有する。したがって、2つの旋回312と314を含み且つ障害物310を避ける、ウェイポイント経路306に沿った理想的に計算された軌道308が示されている。そのような軌道は、本明細書で説明される方法を使用して、軌道計画器240を介して効率的に計算することができる。
【0082】
図4は、2つの旋回を有する反復デュビン(Dubins)経路アルゴリズムの幾つかの反復の一例を示している。反復デュビン経路アルゴリズムは、単一の旋回又は任意の数の旋回を有するウェイポイント経路用にも使用することができる。2つの旋回を有する反復デュビン経路アルゴリズムが、図4で示されており、開始位置402、開始位置402における機首方位と速度406、終了位置404、並びに終了位置404における機首方位と速度408を入力として開始する。第1の反復410では、旋回半径412と414が、開始状態402と終了状態404のうちの最大速度から計算される。したがって、50m/sの開始速度406は、20m/sの終了速度408より大きく、旋回半径412と414は、50m/sの開始速度406に従って計算される。次いで、デュビン経路412が、デュビン経路アルゴリズムに従って計算されてよい。次いで、反復420で示されているように、デュビン経路の計算からの距離、基礎運動学、及び航空輸送体の運動限界を用いて、アルゴリズムが、命令された終了速度408に最も近い実現可能な速度426を決定する。第2の反復420では、最も近い実現可能な速度426が25m/sである。25m/sの新しい実現可能な速度426に基づいて、新しい終了旋回半径424が計算される。次いで、新しい終了旋回半径を使用して、第2のデュビン経路428が計算される。
【0083】
ステップ430で示されているように、アルゴリズムは、以下のこの反復プロセスを繰り返す。すなわち、1)新しい実現可能な速度436を見つけ、2)新しい第2の半径434を計算し、3)実現可能な速度436が命令された終了速度408と等しくなるまで、又は代替的に反復の最大所定数まで、新しいデュビン経路を計算する。この反復デュビン経路アルゴリズムを使用して、飛行中の航空輸送体の経路に近接して似ている軌道の近似値を生成する。
【0084】
反復デュビン経路アルゴリズム以外の方法を使用して、短い区間の弧及び直線を計算できることに留意されたい。次いで、これらの他の方法の結果は、同様に、図5a及び図5bを参照して以下でより詳細に説明されるように、総当たり方法の中に入力されてよい。更に、ある実施例では、軌道計画器が、デュビン経路を反復的に計算するのではなく、むしろ上述されたように単にデュビン経路の第1の反復を計算し、次いで、第1の計算されたデュビン経路の結果を、図5a及び図5bを参照して以下で説明される総当たり方法用の軌道区間として使用することができる。
【0085】
図5aは、障害物を無視しながら軌道を計算する総当たり方法を使用する一実施例を示している。環境500では、航空輸送体が、開始点502を有する。軌道計画器は、航空輸送体が、ウェイポイント504を通過し、終了点506に到達すべきことを知っているだろう。総当たり方法は、短い区間514での実現性を確認し、目標までの最小費用を有する可能な区間を選ぶことによって、障害物を無視しながら、ウェイポイント504を通る開始点502から終了点506までの最小費用の軌道を特定する。総当たり方法を使用して、軌道計画器240は、開始点502からの軌道の実現性516(の例えば、それぞれ)のうちの1以上を確認することによって、軌道区間514を特定する。開始点からの、最初の目標がウェイポイント504である。したがって、図5aで示されているように、軌道計画器240は、軌道の実現性516から軌道区間514を特定し、選択する。図5aで示されているように、例示的な軌道の実現性は、単に例示的なものであり、軌道計画器がそれらから選ぶところの全ての可能な軌道区間を示していないことに留意されたい。同様に、図5aで示されている軌道の実現性は、上述されたように全てが等しい半径であるが、軌道計画器は、反復デュビン経路アルゴリズムを使用することによって、半径を変更することも考慮できる。次いで、軌道計画器240は、総当たり軌道を計算するために、変動する半径の実現性を使用することができるが、図5aでは分かり易くするために、軌道の実現性516において示されている半径は、等しい長さである。
【0086】
軌道計画器が、ウェイポイント504までの最小費用の軌道区間514を選ぶと、軌道計画器は、軌道区間514がウェイポイント504に到達するまで、このプロセスを繰り返す。軌道区間514が、ウェイポイント504に到達すると、次の目標は、終了点506である。次いで、軌道計画器は、軌道区間が終了点506に到達するまで、同じプロセスを繰り返す。
【0087】
図5bは、総当たり軌道を計算した後で、軌道計画器が取り得る第1のステップを示している。総当たり軌道の計算は、RRTアルゴリズム用のシードウェイポイントを確立するために使用されてよい。軌道区間が、1以上の既知の障害物508、510、512の所定の距離の範囲内にあった場合、軌道区間は、シードウェイポイントとして使用されない。次いで、軌道計画器は、区間522で示されているように、開始点502をシードウェイポイント518と互いにリンクさせる(又はリンクさせることを試みる)。次いで、軌道計画器は、区間524に対して示されているように、シードウェイポイントを終了点506に連結させることを試みる。更に、軌道計画器は、区間526で示されているように、他のシードウェイポイントにリンクさせることを試みてよい。
【0088】
図5cは、障害物508、510、及び512を回避しながら、ウェイポイント504を通る開始点502と終了点506の間の経路を見つけるために、修正されたRRTアルゴリズムを使用する軌道計画器を示している。図5bで示されているように、既知の区間を互いにリンクさせた後で、RRTアルゴリズムが、環境500内のランダムポイント520を選ぶ。例えば、ランダムポイント528は、軌道計画器が修正されたRRTアルゴリズムを実行するによってランダムに選ばれてよい。次いで、修正されたRRTアルゴリズムを実行する軌道計画器は、ランダムポイント528に最も近い軌道区間の終了点530を見つける。次いで、修正されたRRTアルゴリズムを実行する軌道計画器は、ランダムポイント528の方向に行く最小費用の軌道区間532を見つける。既存の軌道区間の終了点から延在し且つ障害物を通過しないランダムポイント520の方向において、軌道区間が特定できない場合、そのランダムポイントに対応する新しい軌道区間は追加されない。ランダムポイント520を使用して軌道区間514を追加するプロセスは、終了点506までの経路が特定されるまで、又はある実施例では反復の最大数が到達されるまで、繰り返されてよい。
【0089】
図5dは、上述のプロセスを介して特定された例示的な軌道534を示している。軌道計画器が、修正されたRRTアルゴリズムを実行して、開始点502と終了点506の間の経路を見つけた後で、軌道計画器は、軌道534の長さを低減させるために平滑化アルゴリズムを実行してよい。上述されたプロセスを使用して計算された軌道534は、障害物508、510、512を回避する。
【0090】
図6a、図6b、及び図6cは、本開示による航空輸送体用の軌道を計算するために使用され得る、例示的な方法を示している。図6aを参照すると、ステップ602で、航空輸送体の飛行制御システムは、軌道計画アルゴリズムを開始してよい。飛行制御システムは、軌道計画方法600を実行する分離した軌道計画システムを有してよい。実行を開始した後で、ステップ604で、軌道計画器は、反復デュビン経路アルゴリズムを実行する。
【0091】
図6bは、航空輸送体用の軌道計画器を使用して、反復デュビン経路アルゴリズムを実行することができる、例示的な方法604を示している。ステップ620で、軌道計画器は、反復デュビン経路アルゴリズムを開始する。ステップ622で、軌道計画器は、航空輸送体の開始位置、開始位置における航空輸送体の機首方位及び速度、航空輸送体の終了位置、並びに終了位置における航空輸送体の命令された機首方位及び速度を含む、入力を受け取る。次いで、ステップ624で、軌道計画器は、開始速度と終了速度のうちの最も大きいもので、航空輸送体の旋回半径を計算する。次いで、ステップ624で計算された旋回半径を使用して、ステップ626で、軌道計画器が、既知のデュビン経路方法に従ってデュビン経路を計算する。次に、ステップ628で、軌道計画器は、航空輸送体の運動学及び運動限界に基づいて、ステップ626で計算されたデュビン経路で実現可能な速度を計算する。ステップ628で計算された実現可能な速度に基づいて、ステップ630で、軌道計画器は、新しい旋回半径を計算する。ステップ632で、軌道計画器は、ステップ630で計算された新しい旋回半径に基づいて、新しいデュビン経路を計算する。次いで、ステップ634で、軌道計画器は、実現可能な速度を命令された終了速度と比較する。実現可能な速度が命令された速度と等しい場合、ステップ638で、軌道計画器は、反復デュビン経路アルゴリズムを終了する。実現可能な速度が、命令された速度と等しくない場合、軌道計画器は、ステップ636で、アルゴリズムの反復の所定の最大数が到達されたかどうかを確認する。アルゴリズムの所定の最大数が到達されていない場合、方法は、ステップ630~636を繰り返す。ある実施例では、軌道計画器が、ステップ636で反復の最大数を確認しなくてもよく、代わりに、実現可能な速度が命令された速度に等しくなるか、又はある実施例では実現可能な速度が命令された速度の何らかの閾値の範囲内になるまで、アルゴリズムを繰り返してよい。
【0092】
ある実施例では、ステップ604で、反復デュビン経路アルゴリズムを実行するよりもむしろ、軌道計画器が、単にデュビン経路の第1の反復を計算してよい。他の実施例では、ステップ604で、軌道区間を見つけるためにデュビン経路を計算するよりもむしろ、軌道計画器が、他の既知の幾何学的且つ運動学的な方法を介して、可能な弧の長さ及び直線を計算してよい。
【0093】
図6aに戻って参照すると、ステップ604でデュビン経路アルゴリズムを実行した後で、ステップ606で、軌道計画方法600を実行する軌道計画器が、反復デュビン経路アルゴリズムの結果を、総当たりアルゴリズムの中に統合する。分離したステップとして示されているが、反復デュビン経路アルゴリズムは、総当たりアルゴリズム及びRRTアルゴリズムのサブルーチンとして実施されてよい。デュビン経路の反復は、総当たり方法が、小さい軌道区間として使用することができる、短い軌道を生成する。ステップ606で、軌道計画器は、反復デュビン経路アルゴリズムの結果を使用して総当たりアルゴリズムを実行し、ウェイポイント経路を短い区間に分割し、ステップ604で計算された短いデュビン経路の軌道によって、それらの区間を互いにリンクさせる。上述のように、総当たり方法は、開始点から短い区間の先までの実現性を見て、目標に向けて移動する最小費用を有する軌道区間を見つけ、区間が目標に到達するまでそのプロセスを繰り返す。ステップ608で、軌道計画器は、可能な軌道区間としての、ステップ604で実行された反復デュビン経路アルゴリズムからの結果を使用しながら、障害物を回避することを試みることなしに、そのような総当たり方法を実行する。総当たり方法を実行した後で、ステップ610で、軌道計画器は、総当たり方法によって計算された区間からのシードウェイポイントを、RRTアルゴリズムの中に入力する。ステップ612で、軌道計画器は、ステップ610で修正されたRRTアルゴリズムの中に供給されたシードウェイポイントを使用して、修正されたRRTアルゴリズムを実行する。
【0094】
図6cは、反復デュビン経路アルゴリズムによって計算された軌道区間を使用する総当たりアルゴリズムによって計算されたシードウェイポイントを使用する修正されたRRTアルゴリズム612を示している。ステップ640で、軌道計画器は、修正されたRRTアルゴリズムの実行を開始する。次いで、ステップ642で、軌道計画器は、初期状態を、総当たり方法によって計算されたシードウェイポイントにリンクさせる(又はリンクさせることを試みる)。RRTアルゴリズムは、ウェイポイントが障害物を通ってリンクすることを可能としない。次に、ステップ644で、軌道計画器は、リンクされたウェイポイントが目標に行くかどうか確認する。リンクされたウェイポイントが目標に行く場合、ステップ654で、軌道計画器は、RRTアルゴリズムを終了する。リンクされたウェイポイントが目標に行かない場合、ステップ646で、軌道計画器は、シードウェイポイントを目標までリンクさせる(又はリンクさせることを試みる)。次に、ステップ648で、軌道計画器は、環境内のランダムポイントを選び、それをRRTアルゴリズムに従ってツリーに追加する。次いで、ステップ650で、軌道計画器は、ランダムポイントをシードウェイポイントにリンクさせて(又はリンクさせることを試みて)、障害物を避ける。
【0095】
次いで、ステップ652で、軌道計画器は、反復の最大数が到達されたかどうかを確認してよい。反復の最大数が到達された場合、ステップ654で、軌道計画器は、アルゴリズムの実行を終了する。反復の最大数が到達されていない場合、方法612は、ウェイポイントが今度は目標に行くかどうかを確認するステップ644に戻る。該方法は、反復の最大数が到達されるか、又はウェイポイントが目標に行くうちの何れかまで、このプロセスを繰り返してよい。ある実施例では、修正されたRRT方法612が、反復の数を確認することを含まなくてよく、代わりに、目標までの経路が決定されるまで、ステップ644~650を繰り返してよい。ある実施例では、他のアルゴリズムが、RRTアルゴリズムの代わりに使用されてよい。例えば、既知のアルゴリズムRRTが、RRTの代わりに使用されてよく、RRTは、最適な解決策に収束するRRTの変形例である。例えば、非限定的に、高速探索ランダムグラフ、RRT‐スマート、リアル‐タイムRRT、シータ‐RRT、A‐RRT、A‐RRT、インフォームドRRT、及び閉ループRRTを含む、他のアルゴリズムが同様に使用されてよい。
【0096】
ある実施例では、軌道計画器が、ステップ606、608、又は610を実行することなく、ステップ604から612まで直接的に進んでよい。そのような方法では、ステップ604で、軌道計画器が、反復デュビン経路アルゴリズム又は何らかの他の方法を使用して可能な軌道区間を計算する。次いで、ステップ612で、軌道計画器が、ステップ604で計算された可能な軌道区間を使用して、RRTを実行するか又は上述された何らかの他の方法を実行する。
【0097】
図6aに戻って参照すると、修正されたRRTアルゴリズムを実行することによって目標までの経路を見つけた後で、ステップ614で、軌道計画器が、経路を平滑化して軌道の全体の長さを低減させてよい。次いで、軌道計画器は、軌道計画方法600の実行を終了する。
【0098】
本明細書で説明される例示的な実施態様の方法ステップは、異なる意味が明瞭に提示されるか又はさもなければ文脈から明らかである場合を除き、1以上の他のパーティ若しくはエンティティに、以下の特許請求の範囲の特許性と一貫した、ステップを実行させる任意の適切な方法を含むことが意図されている。そのようなパーティ又はエンティティは、任意の他のパーティ又はエンティティの指示又は制御の下にあることを必要とせず、特定の管轄内に位置付けられる必要もない。
【0099】
上記で引用された特許公報、物品、文献などは、全体として参照により本願に援用される。部品、特徴などの特定の配置を参照しながら、様々な実施形態が説明されてきたが、これらは、全ての可能な配置又は特徴を網羅することを意図するものではなく、実際、多くの他の実施形態、修正例、及び変形例が、当業者に究明可能であろう。したがって、本発明は、特に上述されていなくとも実施可能であることが理解されるべきである。
【0100】
[0001] 本開示は、以下の条項で説明される主題を含む。
条項1.
飛行軌道(108、534)に沿って飛行制御システム(206、222)を有する航空輸送体(200)をナビゲートするためのシステムであって、
センサペイロード(210)、及び
前記センサペイロード(210)に動作可能に接続され且つ前記飛行制御システム(206、222)と通信するプロセッサ(244)を備え、前記プロセッサ(244)が、
前記センサペイロード(210)からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)を計算し、
一連の前記経路軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)を経由して開始点(502)と終了点(506)をリンクさせることによって、前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第1の軌道(108、534)を計算し、
前記第1の軌道(108、534)を経由した複数のシードウェイポイント(504)を特定し、
前記複数のシードウェイポイント(504)を使用するランダム検索アルゴリズムを実行することによって、前記センサペイロード(210)によって検出された少なくとも1つの障害物(310、508、510)を回避する、前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第2の軌道(108、534)を計算し、
前記航空輸送体(200)に前記第2の軌道(108、534)に沿って前記開始点(502)から前記終了点(506)まで航行するように指示命令する航行命令を生成し、
前記航行命令を前記飛行制御システム(206、222)に通信するように構成されている、システム。
条項2.
前記プロセッサ(244)が、反復して前記複数の経路軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)を計算するように構成されている、条項1に記載のシステム。
条項3.
前記プロセッサ(244)が、方法を使用して前記複数の経路区間(522、524、526)を計算するように構成されており、前記方法が、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップ、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちの最も大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップ、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて経路軌道(108、534)区間(522、524、526)を計算するステップ、
(d)前記航空輸送体(200)の前記第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップ、並びに
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるまでステップ(b)から(d)を繰り返すステップであって、次以降の反復で前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算されるステップを含む、条項1又は2に記載のシステム。
条項4.
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することを含む、条項3に記載のシステム。
条項5.
前記探索ランダムツリーアルゴリズムを高速で実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら前記開始点(502)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイント(504)を追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、条項4に記載のシステム。
条項6.
前記プロセッサ(244)が、前記軌道(108、534)の長さを短くするために、前記第2の軌道(108、534)を平滑化するように構成されている、条項5に記載のシステム。
条項7.
前記センサペイロード(210)が、障害物(310、508、510)検出システムに接続されており、前記第2の軌道(108、534)が、前記障害物(310、508、510)検出システムによって検出された障害物(310、508、510)を回避するように特定されている、条項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
条項8.
前記センサペイロード(210)が、LIDAR、Radar、反響定位システム、又は光センサのうちの少なくとも1つを備える、条項7に記載のシステム。
条項9.
飛行軌道(108、534)に沿って飛行制御システム(206、222)を有する航空輸送体(200)をナビゲートする方法であって、
プロセッサ(244)によって、前記航空輸送体(200)の少なくとも第1の速度(406、408)を反映した、前記航空輸送体(200)に接続されたセンサペイロード(210)からのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算することであって、前記プロセッサ(244)が、前記センサペイロード(210)に動作可能に接続されており、前記飛行制御システム(206、222)と通信する、複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、一連の前記軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を介して開始点(502)と終了点(506)をリンクさせることよって、前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第1の軌道(108、534)を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記第1の軌道(108、534)を経由した複数のシードウェイポイント(504)を決定すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記複数のシードウェイポイント(504)を使用するランダム検索アルゴリズムを実行することによって、少なくとも1つの障害物(310、508、510)を回避する前記開始点(502)と前記終了点(506)の間の第2の軌道(108、534)を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記航空輸送体(200)に前記第2の軌道(108、534)に沿って前記開始点(502)から前記終了点(506)まで航行するように指示命令する航行命令を生成すること、及び
前記航行命令を前記飛行制御システム(206、222)に通信することを含む、方法。
条項10.
前記複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算するステップが、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップ、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちの最も大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップ、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて経路軌道(108、534)区間(522、524、526)を計算するステップ、
(d)前記航空輸送体(200)の前記第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップ、及び
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるまでステップ(b)から(d)を繰り返すステップであって、次以降の反復で前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算されるステップを含む、条項9に記載の方法。
条項11.
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら前記開始点(502)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイント(504)を追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、条項10に記載の方法。
条項12.
前記複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算するステップが、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップ、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちの最も大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップ、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて経路軌道(108、534)区間(522、524、526)を計算するステップ、
(d)前記航空輸送体(200)の前記第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップ、及び
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるか、又は反復の所定の最大数が到達されるうちの一方までステップ(b)から(d)を繰り返すステップであって、次以降の反復で前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算されるステップを含む、条項9から11のいずれか一項に記載の方法。
条項13.
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら前記開始点(502)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイント(504)を追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるか、又は反復の所定の最大数が到達されるうちの一方までステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、条項10に記載の方法。
条項14.
前記障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)を短くするために、平滑化アルゴリズムを実行することを更に含む、条項9から13のいずれか一項に記載の方法。
条項15.
前記複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性が、前記障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)の範囲内での、前記航空輸送体(200)によって生じ得る加速及び減速を考慮に入れる、条項9から14のいずれか一項に記載の方法。
条項16.
少なくとも1つの障害物(310、508、510)を検出することを更に含み、前記第2の軌道(108、534)が、前記少なくとも1つの検出された障害物(310、508、510)を回避する、条項9から15のいずれか一項に記載の方法。
条項17.
飛行軌道(108、534)に沿って飛行制御システム(206、222)を有する航空輸送体(200)をナビゲートする方法であって、
前記飛行制御システム(206、222)と通信するプロセッサ(244)によって、複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)の実現性を計算することを含み、前記計算することが、
(a)入力として前記航空輸送体(200)の開始位置、開始速度(406、408)、終了位置(304、404)、及び終了速度(406、408)を受け取るステップと、
(b)前記開始速度(406、408)と前記終了速度(406、408)のうちの最も大きいものから旋回半径(412、414)を計算するステップと、
(c)前記旋回半径(412、414)に少なくとも部分的に基づいて経路軌道(108、534)区間(522、524、526)を計算するステップと、
(d)前記航空輸送体(200)の前記第1の経路と運動限界に少なくとも部分的に基づいて実現可能な速度(406、408)を計算するステップと、
(e)前記実現可能な速度(406、408)が前記終了速度(406、408)に実質的に等しくなるまでステップ(b)から(d)を繰り返すステップであって、次以降の反復で前記旋回半径(412、414)が前記実現可能な速度(406、408)を用いて計算されるステップとを、実行することにより行われ、
前記方法が更に、
前記プロセッサ(244)によって、前記複数の軌道(108、534)区間(522、524、526)(514)の実現性を使用するランダム検索アルゴリズムを実行することにより、開始位置と終了位置(304、404)との間の障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)を計算すること、
前記プロセッサ(244)によって、前記航空輸送体(200)に前記障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)に沿って前記開始位置から前記終了位置(304、404)まで航行するように指示命令する航行命令を生成すること、並びに
前記航行命令を前記飛行制御システム(206、222)に通信することを含む、方法。
条項18.
前記ランダム検索アルゴリズムを実行することが、高速探索ランダムツリーアルゴリズムを実行することを含む、条項17に記載の方法。
条項19.
前記探索ランダムツリーアルゴリズムを高速で実行することが、
(a)障害物(310、508、510)を回避しながら前記開始点(502)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(b)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、
(c)障害物(310、508、510)を回避しながら前記終了点(506)と前記シードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つとをリンクさせるステップ、
(d)ランダムウェイポイント(504)を追加するステップ、
(e)障害物(310、508、510)を回避しながら前記複数のシードウェイポイント(504)のうちの少なくとも1つをランダムポイントにリンクさせるステップ、
(f)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるかどうかを確認するステップ、及び
(g)前記リンクされたウェイポイント(504)が前記開始点(502)を前記終了点(506)に連結させるまでステップ(d)から(f)を繰り返すステップを含む、条項18に記載の方法。
条項20.
前記プロセッサ(244)が、前記軌道(108、534)の長さを短くするために、前記障害物(310、508、510)回避軌道(108、534)を平滑化するように構成されている、条項19に記載の方法。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c