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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】外気処理装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/70 20180101AFI20240619BHJP
   F24F 11/86 20180101ALI20240619BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20240619BHJP
   F24F 3/147 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
F24F11/70
F24F11/86
B01D53/26 220
F24F3/147
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019232302
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021099213
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000219233
【氏名又は名称】東プレ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】森本 晋平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 祐次
(72)【発明者】
【氏名】早川 英一
(72)【発明者】
【氏名】相宮 宜大
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-153009(JP,A)
【文献】特開2019-082308(JP,A)
【文献】特開2017-053554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/147
F24F 11/00-11/89
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外の空気を室内に給気する第1空気流路と、
室内の空気を室外に排気する第2空気流路と、
前記第1空気流路と前記第2空気流路とに跨って配置され、前記第1空気流路と前記第2空気流路のうちの一方の流路を流れる空気の水分を吸着し、他方の流路を流れる空気に水分を放出する回転式の水分吸着手段と、を備える外気処理装置であって、
冷媒を循環させる冷媒回路と、
前記冷媒回路を制御する制御手段と、を備え、
前記冷媒回路は、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記第1空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第1熱交換器、及び下流側に配置された第2熱交換器と、
前記第2空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第3熱交換器、及び下流側に配置された第4熱交換器と、
前記第1熱交換器と前記第3熱交換器との間に設けられた第1膨張弁、及び前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられた第2膨張弁と、を備え、
前記制御手段は、
前記圧縮機より出力される冷媒を、前記第1熱交換器、第1膨張弁、第3熱交換器を経由する流路、及び、前記第2熱交換器、第2膨張弁、第4熱交換器を経由する流路である第1の流路を循環させて、前記第1空気流路を流れる空気を加湿し、
前記第1膨張弁は、
前記第2空気流路の前記第3熱交換器に入る空気の露点温度と、前記第3熱交換器を出た空気の温度を求める工程と、
前記露点温度に所定温度を加えた値が、前記第3熱交換器を出た空気の温度となるように、前記第1膨張弁の開度を増減する工程と、により、前記第3熱交換器を出た空気の結露を防止し、前記第2空気流路内の前記水分吸着手段に結露水と共にホルムアルデヒドが吸着されないようにする露点制御を行い、
第2膨張弁は、
前記圧縮機に入る冷媒の過熱度を求める工程と、
前記過熱度より前記第2膨張弁の開度を決定する工程と、
前記決定された開度に第2膨張弁の開度を制御する工程と、による過熱度制御を行い、
前記ホルムアルデヒドを前記第1空気流路より前記室内に給気しないようにしたこと
を特徴とする外気処理装置。
【請求項2】
前記冷媒回路は、前記圧縮機より出力される冷媒を循環させる流路を、
前記第1の流路と、
前記第3熱交換器、第1膨張弁、第1熱交換器を経由して循環させる流路、及び、前記第4熱交換器、第2膨張弁、第2熱交換器を経由する流路である第2の流路と、のいずれか一方の流路を選択可能な出力切替手段を備え、
前記制御手段は、
前記室内を除湿する際には、前記出力切替手段により前記第2の流路を選択し、且つ、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度が予め設定した値となるように、前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁を制御すること、
を特徴とする請求項1に記載の外気処理装置。
【請求項3】
室外の空気を室内に給気する第1空気流路と、
室内の空気を室外に排気する第2空気流路と、
前記第1空気流路と前記第2空気流路とに跨って配置され、前記第1空気流路と前記第2空気流路のうちの一方の流路を流れる空気の水分を吸着し、他方の流路を流れる空気に水分を放出する回転式の水分吸着手段と、を備える外気処理装置であって、
冷媒を循環させる冷媒回路と、
前記冷媒回路を制御する制御手段と、を備え、
前記冷媒回路は、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記第1空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第1熱交換器、及び下流側に配置された第2熱交換器と、
前記第2空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第3熱交換器、及び下流側に配置された第4熱交換器と、
前記第2熱交換器と前記第3熱交換器との間に設けられた第1膨張弁、及び前記第1熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられた第2膨張弁と、を備え、
前記制御手段は、
前記圧縮機より出力される冷媒を、前記第2熱交換器、第1膨張弁、第3熱交換器を経由する流路、及び、前記第1熱交換器、第2膨張弁、第4熱交換器を経由する流路である第1の流路を循環させて、前記第1空気流路を流れる空気を加湿し、
前記第1膨張弁は、
前記第2空気流路の前記第3熱交換器に入る空気の露点温度と、前記第3熱交換器を出た空気の温度を求める工程と、
前記露点温度に所定温度を加えた値が、前記第3熱交換器を出た空気の温度となるように、前記第1膨張弁の開度を増減する工程と、により、前記第3熱交換器を出た空気の結露を防止し、前記第2空気流路内の前記水分吸着手段に結露水と共にホルムアルデヒドが吸着されないようにする露点制御を行い、
第2膨張弁は、
前記圧縮機に入る冷媒の過熱度を求める工程と、
前記過熱度より前記第2膨張弁の開度を決定する工程と、
前記決定された開度に第2膨張弁の開度を制御する工程による過熱度制御を行い、
前記ホルムアルデヒドを前記第1空気流路より前記室内に給気しないようにしたこと
を特徴とする外気処理装置。
【請求項4】
前記冷媒回路は、前記圧縮機より出力される冷媒を循環させる流路を、
前記第1の流路と、
前記第3熱交換器、第1膨張弁、第2熱交換器を経由して循環させる流路、及び、前記第4熱交換器、第2膨張弁、第1熱交換器を経由する流路である第2の流路と、のいずれか一方の流路を選択可能な出力切替手段を備え、
前記制御手段は、
前記室内を除湿する際には、前記出力切替手段により前記第2の流路を選択し、且つ、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度が予め設定した値となるように、前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁を制御すること、
を特徴とする請求項3に記載の外気処理装置。
【請求項5】
室外の空気を室内に給気する第1空気流路と、
室内の空気を室外に排気する第2空気流路と、
前記第1空気流路と前記第2空気流路とに跨って配置され、前記第1空気流路と前記第2空気流路のうちの一方の流路を流れる空気の水分を吸着し、他方の流路を流れる空気に水分を放出する回転式の水分吸着手段と、を備える外気処理装置であって、
冷媒を循環させる冷媒回路と、
前記冷媒回路を制御する制御手段と、を備え、
前記冷媒回路は、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記第1空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第1熱交換器と、
前記第2空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第3熱交換器、及び下流側に配置された第4熱交換器と、
前記第1熱交換器と前記第3熱交換器との間に設けられた第1膨張弁、及び前記第1熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられた第2膨張弁と、を備え、
前記制御手段は、
前記圧縮機より出力される冷媒を、前記第1熱交換器、第1膨張弁、第3熱交換器を経由する流路、及び、前記第1熱交換器、第2膨張弁、第4熱交換器を経由する流路である第1の流路を循環させて、前記第1空気流路を流れる空気を加湿し、
前記第1膨張弁は、
前記第2空気流路の前記第3熱交換器に入る空気の露点温度と、前記第3熱交換器を出た空気の温度を求める工程と、
前記露点温度に所定温度を加えた値が、前記第3熱交換器を出た空気の温度となるように、前記第1膨張弁の開度を増減する工程と、により、前記第3熱交換器を出た空気の結露を防止し、前記第2空気流路内の前記水分吸着手段に結露水と共にホルムアルデヒドが吸着されないようにする露点制御を行い、
第2膨張弁は、
前記圧縮機に入る冷媒の過熱度を求める工程と、
前記過熱度より前記第2膨張弁の開度を決定する工程と、
前記決定された開度に第2膨張弁の開度を制御する工程による過熱度制御を行い、
前記ホルムアルデヒドを前記第1空気流路より前記室内に給気しないようにしたこと
を特徴とする外気処理装置。
【請求項6】
前記冷媒回路は、前記圧縮機より出力される冷媒を循環させる流路を、
前記第1の流路と、
前記第3熱交換器、第1膨張弁、第1熱交換器を経由して循環させる流路、及び、前記第4熱交換器、第2膨張弁、第1熱交換器を経由する流路である第2の流路と、のいずれか一方の流路を選択可能な出力切替手段を備え、
前記制御手段は、
前記室内を除湿する際には、前記出力切替手段により前記第2の流路を選択し、且つ、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度が予め設定した値となるように、前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁を制御すること、
を特徴とする請求項5に記載の外気処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記第1膨張弁の開度を、前記第2空気流路の前記第3熱交換器を出た空気温度が、前記露点温度から予め設定した値より高い温度となるように制御すること
を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の外気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象となる部屋の室内の湿度、温度を調節しながら換気を行う外気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、室内の湿度、温度を調節しながら換気を行う外気処理装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1には、全熱交換器、ロータリー式のデシカントロータ、及び、ヒートポンプを組み合わせた外気処理装置が開示されている。このような外気処理装置では、室外から室内に供給する空気と、室内から室外に排出する空気の間で水分の受け渡しを行うことにより、室内の湿度を上昇させる加湿モード、或いは室内の湿度を低下させる除湿モードでの運転を行うことができる。
【0003】
デシカントロータを用いた外気処理装置は、冬期に加湿運転を行うと、室内のホルムアルデヒドが還気路を経由してデシカントロータに一旦保持され、更に、給気路に廻り、再度室内に放出される(再放散)ことが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。これは還気により運ばれたホルムアルデヒドが、デシカントロータの吸着剤に、湿度(水分)と共に吸着して回転し、給気側で吸着剤から水分と共に放出されることによるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-53554号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集,第3巻,P385~388(2014.9.3~5) 電力ピークカット及び快適性向上に資する太陽熱を利用した住宅向け調湿・除湿並びに低温床暖房システムの開発(第1報)デシカント除湿機の性能評価;瓦口泰一他
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来におけるデシカントロータを用いた外気処理装置では、室内にホルムアルデヒドが発生する場合には、デシカントロータで水分が循環することにより、室内から排出される空気に含まれるホルムアルデヒドがデシカントロータを経由して、再度室内に放出される問題が発生する。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、室内で発生したホルムアルデヒドが室内に再放散されることを防止することが可能な外気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、室外の空気を室内に給気する第1空気流路と、室内の空気を室外に排気する第2空気流路と、前記第1空気流路と前記第2空気流路とに跨って配置され、前記第1空気流路と前記第2空気流路のうちの一方の流路を流れる空気の水分を吸着し、他方の流路を流れる空気に水分を放出する回転式の水分吸着手段と、を備える外気処理装置であって、冷媒を循環させる冷媒回路と、前記冷媒回路を制御する制御手段と、を備え、前記冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記第1空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第1熱交換器、及び下流側に配置された第2熱交換器と、前記第2空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第3熱交換器、及び下流側に配置された第4熱交換器と、前記第1熱交換器と前記第3熱交換器との間に設けられた第1膨張弁、及び前記第2熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられた第2膨張弁と、を備え、前記制御手段は、前記圧縮機より出力される冷媒を、前記第1熱交換器、第1膨張弁、第3熱交換器を経由する流路、及び、前記第2熱交換器、第2膨張弁、第4熱交換器を経由する流路である第1の流路を循環させて、前記第1空気流路を流れる空気を加湿し、前記第1膨張弁は、前記第2空気流路の前記第3熱交換器に入る空気の露点温度と、前記第3熱交換器を出た空気の温度を求める工程と、前記露点温度に所定温度を加えた値が、前記第3熱交換器を出た空気の温度となるように、前記第1膨張弁の開度を増減する工程と、により、前記第3熱交換器を出た空気の結露を防止し、前記第2空気流路内の前記水分吸着手段に結露水と共にホルムアルデヒドが吸着されないようにする露点制御を行い、第2膨張弁は、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度を求める工程と、前記過熱度より前記第2膨張弁の開度を決定する工程と、前記決定された開度に第2膨張弁の開度を制御する工程と、による過熱度制御を行い、前記ホルムアルデヒドを前記第1空気流路より前記室内に給気しないようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記冷媒回路は、前記圧縮機より出力される冷媒を循環させる流路を、前記第1の流路と、前記第3熱交換器、第1膨張弁、第1熱交換器を経由して循環させる流路、及び、前記第4熱交換器、第2膨張弁、第2熱交換器を経由する流路である第2の流路と、のいずれか一方の流路を選択可能な出力切替手段を備え、前記制御手段は、前記室内を除湿する際には、前記出力切替手段により前記第2の流路を選択し、且つ、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度が予め設定した値となるように、前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁を制御すること、を特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、室外の空気を室内に給気する第1空気流路と、室内の空気を室外に排気する第2空気流路と、前記第1空気流路と前記第2空気流路とに跨って配置され、前記第1空気流路と前記第2空気流路のうちの一方の流路を流れる空気の水分を吸着し、他方の流路を流れる空気に水分を放出する回転式の水分吸着手段と、を備える外気処理装置であって、冷媒を循環させる冷媒回路と、前記冷媒回路を制御する制御手段と、を備え、前記冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記第1空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第1熱交換器、及び下流側に配置された第2熱交換器と、前記第2空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第3熱交換器、及び下流側に配置された第4熱交換器と、前記第2熱交換器と前記第3熱交換器との間に設けられた第1膨張弁、及び前記第1熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられた第2膨張弁と、を備え、前記制御手段は、前記圧縮機より出力される冷媒を、前記第2熱交換器、第1膨張弁、第3熱交換器を経由する流路、及び、前記第1熱交換器、第2膨張弁、第4熱交換器を経由する流路である第1の流路を循環させて、前記第1空気流路を流れる空気を加湿し、前記第1膨張弁は、前記第2空気流路の前記第3熱交換器に入る空気の露点温度と、前記第3熱交換器を出た空気の温度を求める工程と、前記露点温度に所定温度を加えた値が、前記第3熱交換器を出た空気の温度となるように、前記第1膨張弁の開度を増減する工程と、により、前記第3熱交換器を出た空気の結露を防止し、前記第2空気流路内の前記水分吸着手段に結露水と共にホルムアルデヒドが吸着されないようにする露点制御を行い、第2膨張弁は、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度を求める工程と、前記過熱度より前記第2膨張弁の開度を決定する工程と、前記決定された開度に第2膨張弁の開度を制御する工程による過熱度制御を行い、前記ホルムアルデヒドを前記第1空気流路より前記室内に給気しないようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3において、前記冷媒回路は、前記圧縮機より出力される冷媒を循環させる流路を、前記第1の流路と、前記第3熱交換器、第1膨張弁、第2熱交換器を経由して循環させる流路、及び、前記第4熱交換器、第2膨張弁、第1熱交換器を経由する流路である第2の流路と、のいずれか一方の流路を選択可能な出力切替手段を備え、前記制御手段は、前記室内を除湿する際には、前記出力切替手段により前記第2の流路を選択し、且つ、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度が予め設定した値となるように、前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁を制御すること、を特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、室外の空気を室内に給気する第1空気流路と、室内の空気を室外に排気する第2空気流路と、前記第1空気流路と前記第2空気流路とに跨って配置され、前記第1空気流路と前記第2空気流路のうちの一方の流路を流れる空気の水分を吸着し、他方の流路を流れる空気に水分を放出する回転式の水分吸着手段と、を備える外気処理装置であって、冷媒を循環させる冷媒回路と、前記冷媒回路を制御する制御手段と、を備え、前記冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記第1空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第1熱交換器と、前記第2空気流路の、前記水分吸着手段の上流側に配置された第3熱交換器、及び下流側に配置された第4熱交換器と、前記第1熱交換器と前記第3熱交換器との間に設けられた第1膨張弁、及び前記第1熱交換器と前記第4熱交換器との間に設けられた第2膨張弁と、を備え、前記制御手段は、前記圧縮機より出力される冷媒を、前記第1熱交換器、第1膨張弁、第3熱交換器を経由する流路、及び、前記第1熱交換器、第2膨張弁、第4熱交換器を経由する流路である第1の流路を循環させて、前記第1空気流路を流れる空気を加湿し、前記第1膨張弁は、前記第2空気流路の前記第3熱交換器に入る空気の露点温度と、前記第3熱交換器を出た空気の温度を求める工程と、前記露点温度に所定温度を加えた値が、前記第3熱交換器を出た空気の温度となるように、前記第1膨張弁の開度を増減する工程と、により、前記第3熱交換器を出た空気の結露を防止し、前記第2空気流路内の前記水分吸着手段に結露水と共にホルムアルデヒドが吸着されないようにする露点制御を行い、第2膨張弁は、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度を求める工程と、前記過熱度より前記第2膨張弁の開度を決定する工程と、前記決定された開度に第2膨張弁の開度を制御する工程による過熱度制御を行い、前記ホルムアルデヒドを前記第1空気流路より前記室内に給気しないようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項5において、前記冷媒回路は、前記圧縮機より出力される冷媒を循環させる流路を、前記第1の流路と、前記第3熱交換器、第1膨張弁、第1熱交換器を経由して循環させる流路、及び、前記第4熱交換器、第2膨張弁、第1熱交換器を経由する流路である第2の流路と、のいずれか一方の流路を選択可能な出力切替手段を備え、前記制御手段は、前記室内を除湿する際には、前記出力切替手段により前記第2の流路を選択し、且つ、前記圧縮機に入る冷媒の過熱度が予め設定した値となるように、前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁を制御すること、を特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1~6のいずれか1項において、前記制御手段は、前記第1膨張弁の開度を、前記第2空気流路の前記第3熱交換器を出た空気温度が、前記露点温度から予め設定した値より高い温度となるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、室内で発生したホルムアルデヒドが室内に再放散されることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係る外気処理装置の、空気の流れを概略的に示すフロー図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る外気処理装置に搭載される冷媒回路の構成を示す説明図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る外気処理装置に設けられる主制御部、及びその周辺機器の構成を示すブロック図である。
図4図4は、冷媒回路を除湿モードとしたときの冷媒の流れを示す説明図である。
図5図5は、冷媒回路を加湿モードとしたときの冷媒の流れを示す説明図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る外気処理装置において、除湿モードまたは加湿モードを設定する処理を示すフローチャートである。
図7図7は、除湿モードが設定されているときの、各膨張弁の制御を示すフローチャートである。
図8図8は、加湿モードが設定されているときの、各膨張弁の制御を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の第1変形例に係る冷媒回路の構成を示す説明図である。
図10図10は、本発明の第2変形例に係る冷媒回路の構成を示す説明図である。
図11図11は、本発明の第3変形例に係る冷媒回路の構成を示す説明図である。
図12図12は、本発明の第4変形例に係る冷媒回路の構成を示す説明図である。
図13図13は、本発明の第5変形例に係る冷媒回路の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
[外気処理装置の空気流路の説明]
図1は、本発明の実施形態に係る外気処理装置100の空気の流れを概略的に示すフロー図である。図1に示すように、この外気処理装置100は、空調制御の対象となる室内に対して、室外から室内に向かう第1空気流路12と、室内から室外に向かう第2空気流路13を備えている。
【0018】
第1空気流路12は、その下流側に設けられるSA(Supply Air)ファン10により、室外空気(OA;Out Air)を室内に給気するための流路であり、第1熱交換器5、回転式のデシカントロータ8(水分吸着手段)、第2熱交換器7、及びSAファン10を経由して、室外空気を室内に給気する。デシカントロータ8は、第1空気流路12と第2空気流路13に跨って配置され、後述するモータ20(図3参照)の駆動力により回転し、相互の空気流路(12、13)の湿度を交換する。
【0019】
第2空気流路13は、その下流側に設けられるEA(Exhaust Air)ファン9により、室内空気(RA;Return Air)を室外に排出するための流路であり、第3熱交換器4、デシカントロータ8、第4熱交換器6、及びEAファン9を経由して室内空気を室外に排出する。
【0020】
なお、以下では、第1空気流路12に流入する空気(即ち、室外空気)を「OA」、第1空気流路12から放出されて室内に供給される空気(即ち、供給空気)を「SA」、第2空気流路13に流入する室内の空気(即ち、室内空気)を「RA」、第2空気流路13から放出されて外部に排出される空気(即ち、排出空気)を「EA」として示す。
【0021】
[デシカントロータの説明]
次に、図1に示したデシカントロータ8について説明する。デシカントロータ8は、回転式(ロータリ式)デシカントであり、モータ20(図3参照)により回転駆動が可能である。デシカントロータ8を回転させることにより、第1空気流路12及び第2空気流路13を流れる空気中の顕熱と潜熱を交換することができる。モータ20を通常の速度で回転させると、通常のロータリ式デシカントとして機能する。他方、モータ20を高速(例えば、通常時の10倍の回転数)で回転させると、全熱交換器と同等の機能で作動する。
【0022】
即ち、デシカントロータ8は、通常の回転数で駆動させることにより、空気中の水分(湿度)を主に交換し、高速で回転させることにより、潜熱と顕熱の両方の全熱交換が可能となる。
【0023】
[冷媒回路の説明]
図2は、本実施形態に係る外気処理装置100に搭載される冷媒回路の構成を示す説明図である。以下、図2を参照して、本実施形態に係る外気処理装置100内に設けられた冷媒回路90の構成について説明する。なお、説明の便宜上、図2では図1に示した第1空気流路12を図中下段に記載し、更に、第2空気流路13の流路方向を右から左の方向として図中上段に記載している。
【0024】
図2に示すように、本実施形態に係わる外気処理装置100は、ヒートポンプ装置であり、冷媒を循環させる冷媒回路90と、デシカントロータ8と、SAファン10と、EAファン9と、を備えている。
【0025】
冷媒回路90は、冷媒を圧縮して出力する圧縮機1と、該圧縮機1の前段に設けられ圧縮機1に供給する冷媒を一時的に蓄積するアキュムレータ2と、圧縮機1より送出される圧縮冷媒を第1空気流路12側、或いは第2空気流路13側のいずれかの熱交換器に出力するように切り替える四方弁3(出力切替手段)を備えている。
【0026】
更に、冷媒回路90は、第1空気流路12のデシカントロータ8の上流側に設けられる第1熱交換器5と、デシカントロータ8の下流側に設けられる第2熱交換器7と、第2空気流路13のデシカントロータ8の上流側に設けられる第3熱交換器4と、デシカントロータ8の下流側に設けられる第4熱交換器6と、を備えている。
【0027】
また、冷媒回路90は、第1膨張弁18と、第2膨張弁19と、第3熱交換器4の出口側の空気温度を検出する熱交換器温度センサ27と、圧縮機1の吸い込み側の冷媒温度を検出する冷媒温度センサ21と、圧縮機1の吸い込み側の圧力を検出する冷媒圧力センサ22を備える。
【0028】
更に、冷媒回路90は、第2空気流路13を流れる空気の温度を検出する室内温度センサ25と、第2空気流路13を流れる空気の相対湿度を検出する室内湿度センサ26を備える。これらの室内温度センサ25及び室内湿度センサ26は、第3熱交換器4の入口側に配置されている。従って、各センサ25、26により、室内から外気処理装置100に入る空気温度と相対湿度をそれぞれ検出することができる。
【0029】
第1膨張弁18は、第1熱交換器5と第3熱交換器4を接続する配管の経路に設けられ、各熱交換器5、4の間を流れる冷媒の圧力を下げながら冷媒流量を調整する。
【0030】
第2膨張弁19は、第2熱交換器7と第4熱交換器6を接続する配管の経路に設けられ、各熱交換器7、6の間を流れる冷媒の圧力を下げながら冷媒流量を調整する。なお、第1膨張弁18、及び第2膨張弁19の冷媒の流れ方向は、どちらの方向でも調整可能とされている。
【0031】
更に、外気処理装置100は、該外気処理装置100の処理を制御する主制御部31(制御手段)を備えている。主制御部31は、図1に示したEAファン9、SAファン10の駆動、停止、デシカントロータ8を回転させるモータ20の駆動、停止、及びモータ20の通常回転及び高速回転を制御する。
【0032】
[主制御部の説明]
図3は、本実施形態に係る外気処理装置100に設けられる主制御部31、及びその周辺機器の構成を示すブロック図である。主制御部31は、例えば、中央演算ユニット(CPU)や、RAM、ROM、ハードデスク等の記憶手段からなる一体型のコンピュータとして構成することができる。
【0033】
図3に示すように、主制御部31は、各センサ21、22、25、26、27で検出される検出信号を入力するセンサ入力部31aと、EAファン9、SAファン10、モータ20、四方弁3、圧縮機1の駆動・停止を制御し、且つ、第1膨張弁18及び第2膨張弁19の開度を制御する操作部31bと、を備えている。そして、前述したように、各センサ21、22、25、26、27で検出される検出信号に基づいて、圧縮機1、四方弁3、第1膨張弁18、第2膨張弁19の作動を制御する。
【0034】
主制御部31はまた、室内温度センサ25で検出される室内温度Tiと室内湿度センサ26で検出された室内湿度Hi(相対湿度)に基づいて、室内の絶対湿度Haを算出し、更に、絶対湿度Haより露点温度Trを算出する処理を実行する。
【0035】
主制御部31は更に、記憶部31cを備えている。記憶部31cは、主制御部31において実行される制御に用いられる各種のデータを記憶する。例えば、各センサ21、22、25、26、27で検出される温度データ、湿度データ、圧力データを一時的に記憶する。
【0036】
[各運転モードの説明]
本実施形態に係る外気処理装置100は、除湿モード、加湿モード、冷却モード、加温モードの4通りの運転モードのうちの、いずれか1つに設定して運転することができる。以下、除湿モード及び加湿モードについて詳細に説明する。なお、冷却モード、及び加温モードについては、説明を省略する。
【0037】
[除湿モードの説明]
除湿モードは、室外空気(OA)を除湿して室内に供給するモードである。即ち、除湿モードは、室外空気(OA)を第1空気流路12内にて、第1熱交換器5、デシカントロータ8、第2熱交換器7の順に通過させ、室外空気(OA)の湿度を低下させ、SAファン10にて湿度が低下した供給空気(SA)を室内に供給する。更に、第2空気流路13により、室内空気(RA)を、第3熱交換器4、デシカントロータ8、第4熱交換器6の順に通過させ、冷媒回路90の動作により発生する排熱を排出空気(EA)に含ませて排出する。更に、除湿モードではデシカントロータ8を通常の速度で回転させ、第1空気流路12を流れる空気中の水分を、第2空気流路13を流れる空気へ移動させて排出する。
【0038】
このときの冷媒回路90の詳細な動作状態を、図4を参照して説明する。図4は、除湿モードでの、冷媒回路90の冷媒の流れを示すフロー図である。除湿モードにおいて、第1空気流路12内の第1熱交換器5及び第2熱交換器7は蒸発器となり、冷媒が蒸発して空気温度を低下させ、各熱交換器5、7にて結露を起こし湿度を低下させる。第2空気流路13の第3熱交換器4及び第4熱交換器6は、凝縮器となり第1空気流路12より奪った熱量を排出する。
【0039】
詳細に説明すると、主制御部31の制御により、四方弁3は、図4の矢印に示すように、圧縮機1の吐出側が第3熱交換器4及び第4熱交換器6に向かう配管に接続される。即ち、圧縮機1より出力される冷媒は2系統に分岐され、一方の分岐路は第3熱交換器4に導入され、他方の分岐路は第4熱交換器6に導入される。
【0040】
除湿モードでは、圧縮機1より出力される圧縮冷媒は、高温高圧である。従って、凝縮器として作用する第3熱交換器4及び第4熱交換器6に圧縮冷媒が導入されることにより、圧縮冷媒と第2空気流路13を通過する空気との間で熱交換が行われる。このため、第2空気流路13を流れる空気の温度が上昇する。熱交換器4、6より出力される冷媒は、高圧の液冷媒となる。その後、第3熱交換器4より出力される冷媒は、第1膨張弁18を通過することにより減圧されて膨張し、低温低圧の気液混合冷媒となる。この冷媒は、第1熱交換器5に導入される。
【0041】
第4熱交換器6より出力される冷媒についても同様に、第2膨張弁19を通過することにより減圧されて膨張し、低温低圧の気液混合冷媒となり、第2熱交換器7に導入される。即ち、除湿モードでは、圧縮機1より出力される冷媒を、第3熱交換器4、第1膨張弁18、第1熱交換器5を経由する流路、及び、第4熱交換器6、第2膨張弁19、第2熱交換器7を経由する流路である第2の流路を循環させて、第1空気流路12を流れる空気を除湿する。
【0042】
第1熱交換器5に導入された冷媒は、蒸発を伴って、室外より導入されて第1空気流路12を流れる空気の温度(デシカントロータ8の上流の空気温度)を低下させ、気体に相変化する。第1熱交換器5より出力された冷媒は、四方弁3を経由してアキュムレータ2に戻される。このとき第1空気流路12を流れる空気(即ち、室外空気(OA))は、冷媒の蒸発により温度が低下する。また、結露が発生した場合は、空気中の湿度が低下する。
【0043】
一方、第2熱交換器7に導入された冷媒は、蒸発を伴って第1空気流路12のデシカントロータ8を通過した空気の温度(デシカントロータ8の下流側の空気温度)を低下させ、気体に相変化する。第2熱交換器7から放出された冷媒は、第1熱交換器5から放出された冷媒と合流し、四方弁3とアキュムレータ2を経由して圧縮機1に戻される。このとき第1空気流路12を流れる空気は、冷媒の蒸発により温度が低下する。また、結露が発生した場合は、空気中の湿度が低下する。
【0044】
即ち、除湿モードでは、圧縮機1より出力される冷媒を、第3熱交換器4、第1膨張弁18、第1熱交換器5を経由して圧縮機1に戻る流路と、第4熱交換器6、第2膨張弁19、第2熱交換器7を経由して圧縮機1に戻る流路の、並行した2つの流路(第1の流路)が形成される。
【0045】
更に、第1空気流路12の流路上のデシカントロータ8では、第1熱交換器5により温度が低下した空気、即ち相対湿度が上昇した空気が、デシカントロータ8のエレメントに保持された吸着剤により水分が吸着され、空気中の水分量が低下する。このときデシカントロータ8の吸着剤は吸湿作用により発熱反応を起こし、空気を加温する。この空気の温度は、デシカントロータ8の下流側に配置された第2熱交換器7により再度低下する。その後、SAファン10により室内に供給される。
【0046】
第2空気流路13の流路上のデシカントロータ8では、第3熱交換器4により温度が上昇した空気、即ち、相対湿度が低下した空気が通過することにより、該空気中に、デシカントロータ8のエレメントに保持された吸着剤より水分が放出され、空気中の水分が上昇する。このときデシカントロータ8の吸着剤は放湿作用により吸熱反応を起こし、空気を冷却する。しかし、この空気の温度はデシカントロータ8の下流に配置された第4熱交換器6を通過することにより再度上昇し、その後、EAファン9により室外に排気される。
【0047】
上記のように、本実施形態における除湿モードでは、冷媒回路90の作用とデシカントロータ8の作用によって、第1空気流路12は、室外空気(OA)の潜熱、及び顕熱を低下させた空気を室内に供給することができる。
【0048】
[加湿モードの説明]
加湿モードは、室外空気(OA)を加湿して室内に供給するモードである。即ち、加湿モードは、室外空気(OA)を第1空気流路12にて、第1熱交換器5、デシカントロータ8、第2熱交換器7の順に通過させ、室外空気(OA)の湿度を上昇させる。その後、湿度が上昇した空気を供給空気(SA)としてSAファン10により室内に供給する。
【0049】
更に、第2空気流路13により、室内空気(RA)を、第3熱交換器4、デシカントロータ8、第4熱交換器6の順に通過させ、冷媒回路90の動作により発生する冷熱を室内空気(RA)に含ませて排出する。
【0050】
更に、加湿モードでは、デシカントロータ8を通常の回転速度で回転させ、第2空気流路13を流れる空気の水分を、第1空気流路12を流れる空気へ移動させて、室内に供給する。この際、後述するように、第3熱交換器4を通過した空気が結露しないように制御されるので、第2空気流路13を流れる空気に含まれるホルムアルデヒドが水分中に溶けて、第1空気流路12を流れる空気へ移動することを防止する。
【0051】
このときの冷媒回路90の詳細な動作状態を、図5を参照して説明する。図5は、加湿モードでの、冷媒回路90における冷媒の流れを示すフロー図である。加湿モード時において、第1空気流路12内の第1熱交換器5及び第2熱交換器7は凝縮器となり、冷媒が凝縮して空気温度を上昇させる。第2空気流路13の第3熱交換器4及び第4熱交換器6は、第1空気流路12へ熱量を移動させるため蒸発器となり、吸熱して空気温度を低下させる。
【0052】
詳細に説明すると、主制御部31の制御により、四方弁3は、図5の矢印に示すように圧縮機1の吐出側が第1熱交換器5及び第2熱交換器7に向かう配管に接続される。即ち、圧縮機1により出力される冷媒は2系統に分岐され、一方の分岐路は第1熱交換器5に導入され、他方の分岐路は第2熱交換器7に導入される。
【0053】
加湿モードにおいて、高温高圧の冷媒を凝縮器として作用する第1熱交換器5及び第2熱交換器7に導入するので、第1空気流路12を通過する空気は加温される。その後、第1熱交換器5より出力される冷媒は、第1膨張弁18を通過することにより減圧されて膨張し、低温低圧の気液混合冷媒となる。この冷媒は、第3熱交換器4に導入される。第2熱交換器7より出力される冷媒についても同様に、第2膨張弁19を通過することにより減圧されて膨張し、低温低圧の気液混合冷媒となり、第4熱交換器6に導入される。
【0054】
第3熱交換器4に導入された冷媒は蒸発を伴って、室内より戻された第2空気流路13を流れる室内空気(RA)の温度(デシカントロータ8の上流側の空気温度)を低下させ、気体に相変化する。第3熱交換器4より出力される冷媒は、四方弁3を経由してアキュムレータ2に戻される。このとき第2空気流路13を流れる空気は、冷媒の蒸発により温度が低下する。
【0055】
一方、第4熱交換器6に導入された冷媒は、蒸発を伴って第2空気流路13のデシカントロータ8を通過した空気の温度を(デシカントロータ8の下流側の空気温度)を低下させ、気体に相変化する。第4熱交換器6より出力された冷媒は、第3熱交換器4より出力された冷媒と合流し、四方弁3とアキュムレータ2を経由して圧縮機1に戻される。このとき、第2空気流路13を流れる空気は冷媒の蒸発により温度が低下する。
【0056】
即ち、加湿モードでは、圧縮機1より出力される冷媒を、第1熱交換器5、第1膨張弁18、第3熱交換器4を経由して圧縮機1に戻る流路と、第2熱交換器7、第2膨張弁19、第4熱交換器6を経由して圧縮機1に戻る流路の、並行した2つの流路(第1の流路)が形成される。
【0057】
後述するように、第3熱交換器4に導入される空気の温度、湿度に基づいて、空気の露点(結露する温度)が算出され、第3熱交換器4を通過する空気の温度が露点よりも2~3℃だけ高い温度に設定される。従って、第3熱交換器4を通過した空気は結露することなく、デシカントロータ8に導入されることになる。つまり、室内空気(RA)に含まれるホルムアルデヒドが結露した水分に付着して第1空気流路12側に戻ることが回避されることになる。
【0058】
第1空気流路12の流路上のデシカントロータ8では、第1熱交換器5により温度が上昇した空気、即ち、相対湿度が低下した空気が、デシカントロータ8のエレメントに保持された吸着剤により水分が放出され、空気中の水分が上昇する。このとき、デシカントロータ8の吸着剤は放湿作用により吸熱反応を起こし、空気を冷却する。しかし、この空気はデシカントロータ8の下流側に配置された第2熱交換器7により再度温度が上昇する。そして、SAファン10により室内に供給される。
即ち、加湿モードでは、圧縮機1より出力される冷媒を、第1熱交換器5、第1膨張弁、第3熱交換器を経由する流路、及び、前記第2熱交換器、第2膨張弁、第4熱交換器を経由する流路である第1の流路を循環させて、第1空気流路12を流れる空気を加湿する。
【0059】
以上のように、本実施形態の加湿モードでは、第1空気流路12は、冷媒回路90の作用と、デシカントロータ8の作用により、通風空気の湿度が上昇した空気を室内に供給することが可能となる。
【0060】
なお、図1に示した外気処理装置では、冷却モード、加温モードの設定についても可能である。詳細な説明については省略する。
【0061】
[第1実施形態の作用の説明]
次に、上述のように構成された第1実施形態に係る外気処理装置100の処理手順を、図6図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
図6は、全体の処理手順を示すフローチャートである。初めに、図6のステップS1において、主制御部31は、EAファン9、SAファン10を起動させ、更に圧縮機1を起動させる。このとき、圧縮機1の出力、第1膨張弁18の開度、及び第2膨張弁19の開度を予め設定した初期値に設定する。更に、デシカントロータ8を駆動させる。
【0063】
ステップS2において、主制御部31は、モード選択を実行する。ここでは、操作者の入力操作により、除湿モード、或いは加湿モードのいずれかが選択される。具体的には、夏期においては除湿モードが選択され、冬期においては加湿モードが選択される。
【0064】
除湿モードが選択された場合には、ステップS3において、主制御部31は四方弁3を制御し、圧縮機1の出力が第3熱交換器4及び第4熱交換器6側になるように設定する。即ち、図4に示す四方弁3のように設定する。
【0065】
次いで、ステップS4において、除湿モードによる膨張弁制御を実行する。膨張弁制御の詳細については、図7を参照して後述する。その後、ステップS7に処理を進める。
【0066】
一方、ステップS2で加湿モードが選択された場合には、ステップS5において、主制御部31は、四方弁3を制御し、圧縮機1の出力が第1熱交換器5、第2熱交換器7側になるように設定する。即ち、図5に示す四方弁3のように設定する。
【0067】
次いで、ステップS6において、加湿モードによる膨張弁制御を実行する。膨張弁制御の詳細については、図8を参照して後述する。その後、ステップS7に処理を進める。
【0068】
ステップS7において、主制御部31は、処理の停止を示す操作スイッチが操作されたか否かを判断し、オフとされた場合には、ステップS8において、主制御部31は、EAファン9、SAファン10を停止させる。更に、圧縮機1を停止させ、デシカントロータ8を停止させる。
【0069】
次に、図6のステップS4に示した、除湿モードでの膨張弁制御の処理手順を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
初めに、ステップS11において、主制御部31は、冷媒圧力センサ22で検出される冷媒圧力P1、及び冷媒温度センサ21で検出される冷媒温度T1を取得する。
【0070】
ステップS12において、主制御部31は、冷媒圧力P1と冷媒温度T1に基づいて冷媒の蒸発温度Teを算出する。
【0071】
ステップS13において、主制御部31は、冷媒温度T1と蒸発温度Teとの差分である現過熱度SHを算出する。即ち、SH=T1-Teを演算する。
【0072】
ステップS14において、主制御部31は、PID演算、PI制御、ステップ制御などの公知の方法を採用することにより、現過熱度SHを目標過熱度SSHとするための第1膨張弁18及び第2膨張弁19の開度Vstを演算する。
【0073】
ステップS15において、主制御部31は、第1膨張弁18、及び第2膨張弁19の開度Vt1、Vt2を共にVstに設定する。つまり、第1膨張弁18、及び第2膨張弁19を同一の開度Vstとなるように制御する。
【0074】
このように、除湿モード時には、現過熱度SHが目標過熱度SSHとなるように、膨張弁開度Vstを設定し、この開度Vstとなるように第1膨張弁18、及び第2膨張弁19の開度を調整する。その結果、現過熱度SHを目標過熱度SSHに近づけることができる。また、第1膨張弁18及び第2膨張弁19の開度が同一となるように制御されるので、第1熱交換器5と第2熱交換器7の間での偏りがなく、バランスの良い流量を設定することができる。
【0075】
次に、図6のステップS6に示した、加湿モードでの膨張弁制御の処理手順を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0076】
初めに、図8にステップS31において主制御部31は、第3熱交換器4の入口温度(室内温度と同一の「Ti」で示す)、及び入口湿度(室内湿度と同一の「Hi」で示す)、第3熱交換器4の出口温度Toを取得する。具体的に、図3に示した室内温度センサ25で検出される温度を入口温度Tiとする。室内湿度センサ26で検出される相対湿度を入口湿度Hiとする。熱交換器温度センサ27で検出される温度を出口温度Toとする。
【0077】
ステップS32において主制御部31は、入口温度Tiと入口湿度Hiに基づき、周知の方法を採用して露点温度Trを算出する。
【0078】
ステップS33において、主制御部31は、露点温度Trに所定温度ΔTを加算した温度(Tr+ΔT)と、出口温度Toを比較する。なお、「ΔT」は例えば、3~5℃である。比較の結果、「To=(Tr+ΔT)」である場合には、ステップS36に処理を進める。
「To>(Tr+ΔT)」である場合にはステップS34に処理を進め、「To<(Tr+ΔT)」である場合にはステップS35に処理を進める。
【0079】
ステップS34において、主制御部31は、第1膨張弁18の開度を増加させる。具体的に、第1膨張弁18の開度を、現在の開度「VDt」から、開度「VDt+ΔV」に変更する制御を実施する。第1膨張弁18の開度を増加させることにより、第1膨張弁18から第3熱交換器4に供給される冷媒量が増加するので、第2空気流路13を流れる空気の出口温度Toは低下する。即ち、出口温度Toを(Tr+ΔT)に近づけることができる。
【0080】
ステップS35において、主制御部31は、第1膨張弁18の開度を減少させる。具体的に、第1膨張弁18の開度を、現在の開度「VDt」から、開度「VDt-ΔV」に変更する制御を実施する。第1膨張弁18の開度を減少させることにより、第1膨張弁18から第3熱交換器4に供給される冷媒量が減少するので、第2空気流路13を流れる空気の出口温度Toは上昇する。即ち、出口温度Toを(Tr+ΔT)に近づけることができる。
【0081】
ステップS33~S35の処理を実行することにより、第3熱交換器4より出力される空気の温度である出口温度Toを、露点温度Trよりも3~5℃高い温度である「Tr+ΔT」に調整することが可能となる。
【0082】
室内空気(RA)が第3熱交換器4を通過することにより冷却されても、露点温度Trよりも若干高い温度「Tr+ΔT」までしか冷却されず、空気中の水分が結露することがない。更に、デシカントロータ8では、第3熱交換器4から結露水が移動することがないので、デシカントロータ8内で結露した水分が存在せず、室内の空気に含まれているホルムアルデヒドが水分に溶け込むことはない。従って、デシカントロータ8を経由して室内に供給する空気の流路にホルムアルデヒドが廻ることを防止できる。
【0083】
次いでステップS36にて、主制御部31は、図3に示した冷媒圧力センサ22にて検出された冷媒圧力P1、及び、冷媒温度センサ21にて検出された冷媒温度T1を取得する。
【0084】
ステップS37にて、主制御部31は、周知の演算方法を採用して冷媒圧力P1より冷媒の蒸発温度Teを算出する。
【0085】
ステップS38において、主制御部31は、冷媒の現過熱度SHを算出する。即ち、「SH=T1-Te」を演算して、現過熱度SHを算出する。
【0086】
ステップS39において、主制御部31は、現過熱度SHが予め設定した目標過熱度SSHとなるように第2膨張弁19の開度Vstを決定する。即ち、上述したように第1膨張弁18は、第3熱交換器4の出口温度Toを所定の数値に制御しており、冷媒回路90を流れる冷媒の過熱度を制御していない。従って、第3熱交換器4を出た冷媒の過熱度は不定である。本実施形態では、第2膨張弁19の開度を制御することにより、第3熱交換器4、及び第4熱交換器6を出た冷媒を合流させた後の現過熱度SHが目標過熱度SSHとなるように制御する。従って、第1膨張弁18の開度と第2膨張弁19の開度は、異なる開度となる。
【0087】
第2膨張弁19の開度Vstは、例えば、PID制御、PI制御、ステップ制御などの公知の制御方法を適宜選択して実施することが可能である。
【0088】
ステップS40において、主制御部31は、ステップS39の処理で決定した開度Vstとなるように、第2膨張弁19の開度を制御する。その後、本処理を終了する。
【0089】
このように、圧縮機1の冷媒吸込管の過熱度が一定になるように、第2膨張弁19の開度を制御する。
【0090】
[第1実施形態の効果の説明]
このようにして、第1実施形態に係る外気処理装置100では、第1膨張弁18の開度を調整することにより、室内から排気する空気が第3熱交換器4を通過した後に、露点温度Trよりも若干高い温度である「Tr+ΔT」となるように制御される。
【0091】
従って、第3熱交換器4を通過した空気は結露することなく、例えば、相対湿度90%以下でデシカントロータ8に入ることになる。デシカントロータ8内では、空気中の水分がデシカントロータ8内の吸着剤に吸着されるが、空気中に含まれるホルムアルデヒドは、デシカントロータ内の水分には溶け込まないため、第1空気流路12内には廻り込まず、供給空気(SA)として室内に戻されることを防止できる。従って、ホルムアルデヒドを適切に室外に排出することができる。
【0092】
第1膨張弁18の開度が上記のように制御されるので、第3熱交換器4から出る冷媒は、過熱度が制御されていない。しかし、第3熱交換器4から出る冷媒は、第4熱交換器6を出た冷媒と合流し圧縮機1に入るので、第2膨張弁19の開度を制御することにより、圧縮機1に供給される冷媒の過熱度を制御することができる。即ち、圧縮機1に供給される冷媒の過熱度が目標過熱度となるように、第2膨張弁19の開度を制御する。従って、冷媒回路90を安定的に稼働させることが可能となる。
【0093】
また、加湿モード時に、第3熱交換器4に入る室内空気(RA)の空気温度と湿度に基づいて露点温度を求め、第3熱交換器4を出た空気の温度が、露点温度+ΔT(3~5℃)となるように第1膨張弁18の開度を制御している。その結果、第3熱交換器4に結露が発生しないことから、第3熱交換器4を通過する空気の圧力損失を低減することができる。このため、EAファン9の消費電力を低減することが可能となる。
【0094】
第3熱交換器4において結露水が発生しないので(所謂、ドレンレス)、ドレン処理の為の配管等が必要ない。また、第3熱交換器4で結露が発生しないので、デシカントロータ8を介して最大の湿度移動が可能となる。
【0095】
[第1実施形態の変形例の説明]
(第1変形例)
図9は、第1変形例に係る外気処理装置に設けられる冷媒回路91の構成図である。図9に示す冷媒回路91は、前述した第1実施形態で示した冷媒回路90と対比して、四方弁3を設けていない点で相違している。そして、第1変形例に係る冷媒回路91は、前述した図5と同様に、加湿モードとなるように配管が接続されている。それ以外の構成は、第1実施形態で示した冷媒回路90と同様である。即ち、第1変形例では、四方弁3を設けず、冷媒回路91を加湿及び加温専用としている。第1変形例では、四方弁3を備えないので装置構成を簡素化することができる。第1変形例では加湿モードを実施し、除湿モードを不要とする建造物に設置する場合に有用である。
【0096】
(第2変形例)
図10は、第2変形例に係る外気処理装置に設けられる冷媒回路92の構成図である。図10に示す冷媒回路92は、図2に示した冷媒回路90に対して、第1膨張弁18、第2膨張弁19に接続される熱交換器が変更されている。具体的に、第1膨張弁18の第1空気流路12側の端部が、第2熱交換器7に接続され、第2膨張弁19の第1空気流路12側の端部が第1熱交換器5に接続されている点で相違している。
【0097】
第1実施形態で説明したように、第3熱交換器4に供給される冷媒の量は、第3熱交換器4を通る空気の温度により一義的に決定する。このため、第1実施形態(図5参照)では、第1熱交換器5及び第3熱交換器4には同一となる流量の冷媒が供給される。これに対して、第2変形例に係る冷媒回路92では、第2熱交換器7と第3熱交換器4に流れる冷媒の流量が同一となる。
【0098】
第2変形例では、第1空気流路12において、デシカントロータ8の上流側に設置された第1熱交換器5に供給する冷媒の流量を、第4熱交換器6に供給される冷媒の流量に合わせたい場合(例えば、流量を多くしたい場合)に有用である。
【0099】
(第3変形例)
図11は、第3変形例に係る外気処理装置に設けられる冷媒回路93の構成図である。図11に示す冷媒回路93は、前述した第2変形例で示した冷媒回路92と対比して、四方弁3を設けていない点で相違している。それ以外の構成は、第2変形例で示した冷媒回路92と同様である。即ち、第3変形例では、四方弁3を設けず、冷媒回路93を加湿及び加温専用としている。第3変形例では、四方弁3を備えないので装置構成を簡素化することができる。第3変形例では加湿モードを実施し、除湿モードを不要とする建造物に設置する場合に有用である。
【0100】
(第4変形例)
図12は、第4変形例に係る外気処理装置に設けられる冷媒回路94の構成図である。図12に示す冷媒回路94は、前述した第1実施形態で示した冷媒回路90と対比して、第2熱交換器7を設けていない点で相違している。それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。このような構成によれば、第2熱交換器7を設けないことにより、除湿効率、及び加湿効率が低減するものの、第1実施形態と同様の効果を達成することができる。また、第2熱交換器7を設置しないことにより、コストダウンを図ることが可能となる。
【0101】
(第5変形例)
図13は、第5変形例に係る外気処理装置に設けられる冷媒回路95の構成図である。図13に示す冷媒回路95は、前述した第4変形例で示した冷媒回路92と対比して、四方弁3を設けていない点で相違している。それ以外の構成は、第4変形例で示した冷媒回路92と同様である。即ち、第5変形例では、四方弁3を設けず、冷媒回路95を加湿及び加温専用としている。第5変形例では、四方弁3を備えないので装置構成を簡素化することができる。第5変形例では加湿モードを実施し、除湿モードを不要とする建造物に設置する場合に有用である。
【0102】
以上、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0103】
1 圧縮機
2 アキュムレータ
3 四方弁
4 第3熱交換器
5 第1熱交換器
6 第4熱交換器
7 第2熱交換器
8 デシカントロータ
9 EAファン
10 SAファン
12 第1空気流路
13 第2空気流路
18 第1膨張弁
19 第2膨張弁
20 モータ
21 冷媒温度センサ
22 冷媒圧力センサ
25 室内温度センサ
26 室内湿度センサ
27 熱交換器温度センサ
31 主制御部
31a センサ入力部
31b 操作部
31c 記憶部
90、91、92、93、94、95 冷媒回路
100 外気処理装置
EA 排出空気
OA 室外空気
RA 室内空気
SA 供給空気
SH 現過熱度
SSH 目標過熱度
Tr 露点温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13