(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/00 20060101AFI20240619BHJP
A47C 7/56 20060101ALI20240619BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240619BHJP
A47C 7/52 20060101ALI20240619BHJP
A47C 1/121 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
A47C7/00 Z
A47C7/56
A47C7/62 A
A47C7/52
A47C1/121
(21)【出願番号】P 2020035595
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】笹崎 悟
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-220137(JP,A)
【文献】特開2011-083527(JP,A)
【文献】特開2009-178503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00-7/74
A47C 1/121
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座と、
上下方向に沿って延びる溝状の係合凹部が形成された側面を有し、前記座を支持する複数の脚体と、
前記脚体の前記係合凹部に着脱可能なオプション部材と、を備え、
前記オプション部材は、
複数の前記脚体のうち、第1脚体の前記係合凹部および第2脚体の前記係合凹部内に各別に差し込まれて、前記係合凹部に係合される複数の係合片と、
前記係合片同士の間を連結する連結部と、を備え
、
前記係合片の下縁部は、下方に向かうに従い前記連結部に接近する側に傾斜し、
前記係合凹部の内面に、下方に向かうに従い前記連結部に接近する側に傾斜するとともに、前記下縁部を下方から支持する支持面を有している椅子。
【請求項2】
前記係合片または前記係合凹部内に設けられ、前記係合凹部の内壁と前記係合片との間で弾性的に圧縮されながら介在する介在部材を備える、請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
座と、
上下方向に沿って延びる溝状の係合凹部が形成された側面を
それぞれ有し、
左右方向に離間した状態で前記座を支持する
第1脚体および第2脚体と、
前記
第1脚体および前記第2脚体の前記係合凹部に着脱可能なオプション部材と、を備え、
前記係合凹部は、前記第1脚体および前記第2脚体の前記側面のうち、互いに対向する側面に、前記互いに対向する側面に向けて開口する横断面視でU字状に形成され、
前記オプション部材は、
前記第1脚体の前記係合凹部および
前記第2脚体の前記係合凹部内に各別に差し込まれて、前記係合凹部に係合される
とともに、前後方向を厚さ方向とし、前後方向を向く面が前記係合凹部の内壁に対向する板状をなし、左右方向における先端部分が丸みを帯びた形状をなす一対の係合片と、
前記係合片同士の間を連結する連結部と、を備え
ている椅子。
【請求項4】
座と、
上下方向に沿って延びる溝状の係合凹部が形成された側面を有し、前記座を支持する複数の脚体と、
前記脚体の前記係合凹部に着脱可能なオプション部材と、を備え、
前記オプション部材は、
複数の前記脚体のうち、第1脚体の前記係合凹部および第2脚体の前記係合凹部内に各別に差し込まれて、前記係合凹部に係合される複数の係合片と、
前記係合片同士の間を連結する連結部と、を備え、
前記座は、座面と、前記座面と反対側を向く底面とを有し、前記座面を上方に向けた使用位置と、前記使用位置に対して前記座の前端部が上方に位置する跳ね上げ位置と、の間で前記脚体に回動可能に支持され、
前記連結部は、前記座が前記跳ね上げ位置にあるときの前記座の前記底面よりも後方に位置してい
る、椅子。
【請求項5】
前記連結部が前記座の下方に位置する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項6】
前記オプション部材は、前記連結部と前記係合片とを接続する接続部を備え、
前記係合片は、先端側が前記係合凹部に係合されているとともに、基端側が前記係合凹部から突出しており、
前記接続部は前記側面との間に隙間を有して配されている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項7】
前記オプション部材は、
前記連結部に対して、前記連結部の長さ方向における両側に位置する部分に、前記連結部よりも上方に突出する複数の把持部を備えている、請求項1から
6のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項8】
前記連結部の上面は、後方に向かうに従い下方に向けて延びる足置き面を含み、
前記足置き面には、当該椅子の後方に位置する他の椅子の着座者の足を支持可能に構成されている、請求項1から
7のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項9】
座と、
上下方向に沿って延びる溝状の係合凹部が形成された側面を有し、前記座を支持する複数の脚体と、
前記脚体の前記係合凹部に着脱可能なオプション部材と、を備え、
前記オプション部材は、
複数の前記脚体のうち、第1脚体の前記係合凹部および第2脚体の前記係合凹部内に各別に差し込まれて、前記係合凹部に係合される複数の係合片と、
前記係合片同士の間を連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、
上方を向く載置面を構成する載置部と、
前記載置部上に載置される錘と、
前記錘を覆うカバーと、を備えている
、椅子。
【請求項10】
前記連結部は、床面に接地している、請求項1から
9のいずれか一項に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取り外し可能なオプション部材を有する椅子として、例えば、特許文献1に記載されるものがある。この椅子は、トレー(オプション部材)の各舌状弾性係止片を、上方から脚(脚体)同士の間に架設されている桟に当接させた状態で、トレーを鉛直下方に変位させることで、トレーの被支持縁部と舌状弾性係止片との間に桟を嵌めこむことができ、トレーを脚に支持することができるとされている。
また、劇場やホールなどで使用される可搬式の椅子に用いるオプション部材として、例えば、特許文献2に記載されるものがある。特許文献2に記載されているオプション部材の錘部材は、両端部に互いに内方に開口する上下方向を向く嵌孔を形成したものである。外側の対をなす前後の脚杆(脚体)の外周面に、当該錘部材の嵌孔を外周方向から抱持するように押し当て、次いで、その状態で下降させるか、または自重により落下させることで、錘部材を脚杆に係合することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平07-051000号公報
【文献】特開2009-178503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のトレー(オプション部材)を脚体に支持するために、被支持縁部および舌状弾性係止片と、桟との当接および離間が繰り返されると、桟に傷がつきやすい。桟は、着座者の衣服や身体に接触する可能性がある位置にあるため、傷などが形成されることは好ましくない。
また、特許文献2に記載の錘部材(オプション部材)では、錘部材の取り外し作業に伴って、脚杆(脚体)の外周面が損傷する可能性があった。脚体に外傷が形成されると、特許文献1の技術と同様に、着座者の衣服や身体に接触する可能性がある位置にあるため、傷などが形成されることは好ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、脚体への取り外し作業が簡便で、かつ、取り外しの際に、脚体の外周に傷が付きにくいオプション部材を備える椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る椅子は、座と、上下方向に沿って延びる溝状の係合凹部が形成された側面を有し、前記座を支持する複数の脚体と、前記脚体の前記係合凹部に着脱可能なオプション部材と、を備え、前記オプション部材は、複数の前記脚体のうち、第1脚体の前記係合凹部および第2脚体の前記係合凹部内に各別に差し込まれて、前記係合凹部に係合される複数の係合片と、前記係合片同士の間を連結する連結部と、を備えている。
【0007】
本態様によれば、オプション部材は、側面に形成された係合凹部に係合片が差し込まれて係合されることで容易に取り付けることができる。また、オプション部材を取り付けるにあたって、係合凹部の内面と係合片とを接触させるので、使用者から露呈する側面を傷付けてしまうことを抑制することができる。
また、本態様によれば、係合凹部が上下方向に沿って延びる溝状に形成されているため、オプション部材を係合凹部に取り付ける際に、係合凹部の上下方向の位置を気にすることなく係合片を差し込むことができる。そのため、係合凹部に係合片が差し込まれて係合されている状態で、オプション部材から手を離すと、オプション部材が、自重によって溝状の係合凹部に沿って落下し、係合片を係合凹部内で支持される位置に取り付けることができる。
【0008】
上記態様の椅子において、前記係合片または前記係合凹部内に設けられ、前記係合凹部の内壁と前記係合片との間で弾性的に圧縮されながら介在する介在部材を備えていてもよい。
本態様によれば、オプション部材と脚体とが、互いに硬度の異なる材料で形成されている場合に、係合片の先端部が係合凹部の内壁に当接して、硬度の低い部材が破損したり、異音を発生したりする問題の発生を抑止できる。したがって、長期にわたる使用に耐え得る椅子となる。
【0009】
上記態様の椅子において、前記係合凹部は、前記第1脚体および前記第2脚体の前記側面のうち、互いに対向する側面に形成されていてもよい。
本態様によれば、オプション部材は、第1脚体と第2脚体の間に設けられる。オプション部材が脚体から飛び出すことなく配置することができるので、オプション部材を、体裁よく設けるとともに、利用者に接触しにくい位置に設けることができる。また、係合片の取付位置を脚体同士の対向する側面とすることで、仮にオプション部材の取り付けにより脚体に傷がついたとしても、当該傷が着座者の衣服や身体に接触する可能性をより低くすることができる。また、オプション部材を取り付ける際には、連結部を斜めに傾けて、水平方向に幅寸法を脚体の対向する側面間の距離よりも小さくするようにして脚体間に挿入した後に、連結部の傾きを水平となるように戻すことで係合凹部に係合片を挿入することができる。
【0010】
上記態様の椅子において、前記係合片の下縁部は、下方に向かうに従い前記連結部に接近する側に傾斜していてもよい。
本態様によれば、オプション部材を脚体に対して傾斜させながら係合片を係合凹部に挿入する作業を行うに際して、下縁部が係合凹部の内壁に当接して係合片の係合凹部への取り付けが阻害されてしまうことが抑制される。したがって、脚体へのオプション部材の設置がより簡便となる。
【0011】
上記態様の椅子において、前記係合凹部の内面に、前記係合片の下縁部を下方から支持する支持面を有していてもよい。
本態様によれば、オプション部材と係合凹部との係合位置を、係合凹部内で支持面が設けられた位置で決めることができる。
【0012】
上記態様の椅子において、前記座は、座面と前記座面と反対側を向く底面とを有し、前記座面を上方に向けた使用位置と、前記使用位置に対して前記座の前端部が上方に位置する跳ね上げ位置と、の間で前記脚体に回動可能に支持され、前記連結部は、前記座が前記跳ね上げ位置にあるときの前記座の前記底面よりも後方に位置していてもよい。
本態様によれば、着座者が椅子から立ち上がり、椅子の座が跳ね上げたときに、オプション部材の連結部が、座の底面よりも後方に位置しているため、着座者の下肢の動きを阻害することがなく、着座者の可動域が確保される。
【0013】
上記態様の椅子において、前記連結部が前記座の下方に位置していてもよい。
本態様によれば、オプション部材が座の下方に位置するため、複数の椅子を整列して並べる際、オプション部材の幅や前後方向の長さを考慮する必要がない。また、オプション部材の連結部が、座の底面よりも後方に位置しているため、着座者が椅子から立ち上がり、椅子の座を跳ね上げたときに、着座者の下肢の動きを阻害することがなく、着座者の可動域が確保される。
【0014】
上記態様の椅子において、前記オプション部材は、前記連結部と前記係合片とを接続する接続部を備え、前記係合片は、先端側が前記係合凹部に係合されているとともに、基端側が前記係合凹部から突出しており、前記接続部は前記側面との間に隙間を有して配されていてもよい。
本態様によれば、脚体の側面と接続部との間に隙間があるため、オプション部材の係合片やその近傍の部位が係合凹部以外の脚体に触れにくくなる。そのため、脚体を傷つけること無く、オプション部材を簡便に取り付けることができる。
【0015】
上記態様の椅子において、前記オプション部材は、前記連結部に対して、前記連結部の長さ方向における両側に位置する部分に、前記連結部よりも上方に突出する複数の把持部を備えていてもよい。
本態様によれば、両持ち可能な把持部を有することにより、両手でオプション部材を持ち上げることが出来るので、オプション部材の係合片を脚体の係合凹部に係合させる作業を容易に行うことができる。また、把持部を有することにより、オプション部材の運搬を容易にすることができる。
【0016】
上記態様の椅子において、前記連結部の上面は、後方に向かうに従い下方に向けて延びる足置き面を含み、前記足置き面には、当該椅子の後方に位置する他の椅子の着座者の足を支持可能に構成されていてもよい。
本態様によれば、オプション部材を、椅子の後方に位置する他の椅子の着座者用のフットレストとして使用することができる。
【0017】
上記態様の椅子において、前記連結部は、上方を向く載置面を構成する載置部と、前記載置部上に載置される錘と、前記錘を覆うカバーと、を備えていてもよい。
本態様によれば、オプション部材の錘により、床面に対する椅子の位置ずれを抑制することができる。また、オプション部材の連結部が複数のパーツからなるため、オプション部材を必要に応じてカスタムすることができる。例えば、カバーが取り外し可能なため、カバー汚れた場合に取り替え可能であり、経済的である。また、錘の重さを変更することができるため、着座者の体重や、オプション部材を取り付ける数等に応じて錘を選択することが出来る。
【0018】
上記態様の椅子において、前記連結部は、床面に接地していてもよい。
本態様によれば、連結部が床面に接地にしていることで、床面に対する椅子の位置ずれをより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】実施形態に係る椅子の座を跳ね上げた状態を左側方から見た側面図である。
【
図4】実施形態に係る椅子に備えるオプション部材の斜視図である。
【
図5】実施形態に係る椅子に備えるオプション部材の分解斜視図である。
【
図14】変形例に係るオプション部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る椅子1の実施形態について、図面に基づいて説明する。
以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0021】
[椅子]
図1は、椅子1の斜視図である。以下の説明において、水平な床面(椅子設置面)F上に設置した状態の椅子1に、正規姿勢で着座した着座者の正面側を「前」、その逆側を「後」とし、上下左右も着座者から見た向きと同一とする。着座者が正規姿勢で着座したとき、椅子1の座3は、使用位置P1にあり(
図1を参照)、特に記載がなければ、座3の説明で用いる座3に関する向きは使用位置P1での向きと同一とする。図中において、矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、矢印LHは左方を示す。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の椅子1は、座面3aを有する座3と、座3を支持する左脚体2Lおよび右脚体2R(以下、左右脚体2L,2Rということがある。)と、オプション部材7と、を備えている。なお、本実施形態において、椅子1は、座3の後方で左右脚体2L,2Rに支持される背凭れ4と、座3の左右側部の上方に配置される左右一対の肘掛け部30と、座3と左右脚体2L,2Rとの間に配置される回動機構15と、をさらに備えていてもよい。
【0023】
図2は、椅子1の座3を跳ね上げた状態を左側方から見た側面図である。
図3は、椅子の正面図である。
図2に示すように、本実施形態の椅子1は、座3を、座面3aを上方に向けて着座者が着座可能な使用位置(着座位置、
図1~
図2参照)P1と、使用位置P1に対して前端部3cを上方に移動させた跳ね上げ位置(格納位置、
図2~
図3参照)P2と、の間で回動可能とした、座跳ね上げ式の椅子である。
【0024】
<座>
座3は、座面3aと座面と反対側を向く底面3bとを有し、座面3aを上方に向けた使用位置P1と、使用位置P1に対して座3の前端部3cが上方に位置する跳ね上げ位置P2と、の間で左右脚体2L,2Rの間に回動可能に支持される。
【0025】
座3は、平面視矩形状の厚板からなる。座3は、後述する回動機構15によって、回動可能に支持されている。座3は、座面3aを上方に向けた使用位置P1(
図2参照)において、座面3aに着座者が着座できるよう、前端部3c(P1)が、
図2の前端位置P3に位置する。
【0026】
座3は、その後部に配置された幅方向に沿う軸線C1を中心に、使用位置P1から前端部3cを上方に移動させるように回動する。これにより、座3は、前上がりに起立した跳ね上げ位置P2(
図2参照)に変化する。
【0027】
座3の後端部3dは、使用位置P1にある状態での上面視(座面3aの平面視)で、後方に凸の湾曲形状をなしている。座3の後端部3dは、背凭れ4の下部の平面視の湾曲形状に沿うように形成されている。座3の使用位置P1において、跳ね上げ位置P2側と反対側への回動は、回動機構15に設けたストッパ(不図示)によって規制される。ストッパは、使用位置P1にある座3に着座者が着座したとき、着座荷重によるモーメントと反対回りのモーメントが生じるように、座3の回動規制を行う。
【0028】
座3の跳ね上げ位置P2における使用位置P1側と反対側への回動も、前記ストッパによって規制される。椅子1は、座3を跳ね上げた状態で後方に倒し、前脚20の前側面40aを上方に向けた状態で、上下方向に複数積み上げて収納すること(スタッキング)が可能である。これは、椅子1の正面(前側)を上方に向けた状態に相当する。複数の椅子1を上下方向に平積みすると、跳ね上げ位置P2にある椅子1には、上方に重なった椅子1の重量が加わる。この重量によるモーメントと反対方向のモーメントが作用するように、前記ストッパが座3の回動規制を行う。
【0029】
<背凭れ>
背凭れ4は、座3の後方で上方に向かうにしたがって後方に向かうように傾斜して起立し、着座者の背中を後方から支える。背凭れ4は、下部が平面視で後方に凸の湾曲形状をなしている。背凭れ4の下部の湾曲形状は、着座者の腰部の湾曲に沿うように形成されており、着座者の腰部のサポート性を高めている。
【0030】
<支持構造体>
支持構造体2は、椅子設置面F上に設けられる左右脚体2L,2Rと、左右脚体2L,2Rの間に配置され、座3を回動可能に支持する回動機構15と、からなる。支持構造体2は、椅子設置面Fに接地しており、座3および背凭れ4を支持している。
【0031】
<左右脚体>
左脚体2Lは、椅子1の左側、右脚体2Rは、椅子1の右側に位置しており、左脚体2Lおよび右脚体2R(以下、左右脚体2L,2Rということがある。)は、左右対称に形成されている。
左脚体2Lは、前脚20および後脚25(以下、前後脚20,25ということがある。)と、前脚20と後脚25とを連結する支持部材35と、前後脚20,25の上部に位置し、座3よりも上方に延びている一対の肘掛け部30とからなる。右脚体2Rも同様に、前後脚20,25と、支持部材35と、肘掛け部30とからなる。
前脚20および後脚25は、互いに前後方向(椅子1の前後方向)に離間して上下方向に延びている。前後方向に並ぶ前後脚20,25は、支持部材35を介して連結されている。
【0032】
支持部材35は、板状をなしていて、厚さ方向を左右の幅方向に向けるようにして配されている。左右の前後脚20,25にそれぞれ設けられた一対の支持部材35は、座3の左右側部および背凭れ4の左右側部をそれぞれ支持する部材である。支持部材35は、座3が使用位置P1に位置するときに、座3の前端部3c(P1)(
図2の前端位置P3参照)よりも後方に位置し、座3の前端部3c側を跳ね上げ可能とするべく座3を回動可能に支持している。そして、左右支持部材35は、座3が使用位置P1に位置するときに、座3の後端部3d(P1)(
図2の後端位置P4参照)よりも前方に位置している。支持部材35(および座3の回動中心軸線C1)は、座3の前後方向中央よりも後方に位置している。支持部材35は、使用位置P1にある座3の座面3aよりも下方に位置している。
【0033】
支持部材35は、前後脚20,25を連結する連結部材としても機能する。支持部材35は、前端部が前脚20に結合し、後端部が後脚25に結合しおり、前後脚20,25に支持されている。また、支持部材35は、背凭れ4の下部を固定し支持している。
【0034】
前後脚20,25は、支持部材35および座3よりも下方において、後述する肘掛け部30に至る上端部から椅子設置面Fに至る下端部まで(すなわち上下端部に渡って)、互いに前後方向に離間して上下方向に延びている。前後脚20,25は、矩形状(長方形状)の断面を有する脚杆を構成している。前脚20を構成する脚杆の側面は、前方を向く前側面40a、後方を向く後側面40b、椅子1の内側を向く内側面40c、椅子1の外側を向く外側面40dからなる。後脚25を構成する脚杆の側面は、前方を向く前側面50a、後方を向く後側面50b、椅子1の内側を向く内側面50c、椅子1の外側を向く外側面50dからなる。左右の前脚20の内側面40c同士は互いに対向している。同様に、左右の後脚25の内側面50c同士は互いに対向している。
【0035】
前後脚20,25は、例えば、支持部材35と同じ高さおよびそれ以上の高さにおいて、部分的に前後方向で一体化されたり、前後方向位置を入れ替えたり(すなわち側面視でX字状に交差したり)してもよい。
【0036】
前後脚20,25の各々の下端部(接地端部)21,26は、それぞれ前脚カバー22,後脚カバー27を介して、椅子設置面Fに支持されている。前脚20の下端部21は、後脚25の下端部26よりも前方に位置し、使用位置P1にある座3の前端位置P3(
図2参照)よりも後方に位置している。さらに、前脚20の下端部21は、前脚20から上方に向かうにつれ前側に傾斜して延在する前傾斜部31と連結杆部32の連結部分、すなわち前傾斜部31の上端部よりも前方に位置している。前脚20は、全体が前記前端位置P3よりも後方の領域に配置されている。前脚20の下端部21は、できるだけ前方に接地位置を設けるために、椅子設置面Fに沿って前方に延びる前方延出部21aを備えている。前方延出部21aは、前後方向において支持部材35から離間する側へ延びている。
【0037】
前脚20は、前方延出部21aの基端(後端部)21bから上方へ鉛直方向に沿って延びる前脚鉛直杆部23を備えている。前脚20における前方延出部21aおよび前脚鉛直杆部23を含む部位は、側面視でL字状に形成されている。すなわち、前脚鉛直杆部23は、椅子設置面Fに沿って前方に延びる前方延出部21aの基端21bから上方へ鉛直方向に沿って側面視でL字状に延びるため、椅子設置面F近傍において平面視で前脚20が占める領域が狭くなる。これにより、着座者の下肢が動く領域から前脚20の前脚鉛直杆部23が離れるため、着座者が下肢を動かしやすくなる。
【0038】
図2に示すように、後脚25は、側面視して、支持部材35と連結している上端部から下端部へ後方に向かうように傾斜して直線状に延びている。後脚25の下端部26は、使用位置P1にある座3の後端位置P4よりも後方の領域に配置されている。後脚25の下端部26は、平面視して、後傾する背凭れ4の上後端位置P5と同等の前後方向位置に配置されている。
【0039】
図3に示すように、左右後脚25は、正面視して、左右前脚20に対して幅方向内側にオフセットしている。当該構成より、複数の椅子1を前後方向で並べたとき、前側の椅子1の左右後脚25は、後側の椅子1の左右前脚20の間に進入することが可能である。すなわち、左右前脚20の間には、前側に位置する他の椅子1の左右後脚25を収容可能な脚収容部が構成されている。これにより、複数の椅子1を前後方向で並べたとき、前側に位置する他の椅子1の左右後脚25を左右前脚20の間に入り込ませる(入れ子状に重ねる)ことが可能となる。したがって、複数の椅子1を、相互間のピッチを詰めてコンパクトに収納することが可能となる。
【0040】
<肘掛け部>
左右脚体2L,2Rの各の前後脚20,25の上部には、座3よりも上方に延びている肘掛け部30を有する。肘掛け部30は、前脚20から上方に向かうにつれ前側に傾斜して延在する前傾斜部31と、後脚25から上方に向かうにつれ後側に傾斜して延在する後傾斜部33を有する。前傾斜部31および後傾斜部33の上端部間は、前後方向に延びる連結杆部32で連結されている。具体的に、連結杆部32は、側面視で、上方に凸の緩やかな湾曲をなして前後方向に延び、連結杆部32の前端部よりも連結杆部32の後端部が下方に位置している。連結杆部32は、着座者の肘掛けとして使用することができる位置に位置している。
【0041】
例えば、肘掛け部30は、前脚20と前傾斜部31との近傍、および後脚25と後傾斜部33との近傍を形成する部位とともに、アルミダイキャスト等により一体成形されている。前後脚20,25の残余の部位は、例えば角形鋼管に曲げ加工を施して形成されている。支持構造体2において、肘掛け部30を含む成形部分と、前後脚20,25の杆状部分(鋼管部分)とは、それぞれ一体的に結合されている。
【0042】
左右肘掛け部30(連結杆部32)の上面は、着座者の前腕を載せる肘載せ面を形成している。連結杆部32は、それぞれ同側の支持部材35の上方に離間して配置されている。連結杆部32の下方に空間が形成されることで、椅子1を運搬する際等に作業者が肘掛け5を把持しやすい。また、支持構造体2の軽量化も図られる。
【0043】
連結杆部32の前端部は、跳ね上げ位置P2にある座3よりも前方に飛び出している(
図2参照)。このため、歩行者がバランスを崩した際等に左右肘掛け部30を掴みやすく、かつ椅子1を運搬する際にも左右肘掛け部30を持ちやすくなり、跳ね上げ位置P2にある座3が邪魔になり難い。
【0044】
<回動機構>
図3に示すように、回動機構15は、座3と左右脚体2L,2Rとの間に配置され、枢軸61と、左右一対の回動支持体62と、左右一対の座フレーム65と、を備えている。回動機構15は、座3を回動可能に支持している。
以下、椅子1の右側の回動機構15について説明するが、左側の構成は、左右対称のものとしてその説明は省略する。
【0045】
回動支持体62は、支持部材35の内側面にボルト等を用いて固定されている。回動支持体62は、軸線C1を中心とした有底円筒状に形成され、幅方向内側に向けて開放するように配置されている。回動支持体62は、支持部材35とともに座3を回動可能に支持する。
【0046】
枢軸61は、軸線C1を軸中心とし、幅方向に沿って直線状に延びている。本実施形態では、枢軸61の端部は、回動支持体62に固定的に支持されている。枢軸61は、左右脚体2L,2R同士を連結する連結部材としても機能する。
【0047】
座フレーム65は、回動支持体62よりも幅方向内側に配置され、座3の下部に形成されている。座フレーム65は、回動支持体62の内周側に回動可能な状態で枢軸61により支持されている。回動支持体62の内周側には、座3の使用位置P1および跳ね上げ位置P2の各々において座フレーム65に周方向で係合するストッパ(不図示)を備えていてもよい。このストッパにより、座3の回動が使用位置P1および跳ね上げ位置P2の間に制限され、かつ座3の回動が使用位置P1および跳ね上げ位置P2において規制される。
【0048】
回動機構15は、座3を使用位置P1から跳ね上げ位置P2へ回動させる向きに付勢する付勢機構を備えていてもよい。付勢機構は、回動機構15とともに、支持部材35に支持されていてもよい。
【0049】
<係合凹部>
図8は、
図1のVIII部拡大図である。
図1、
図8を用いて、椅子1の右脚体2Rの前脚20を拡大し、係合凹部6とオプション部材7との係合部分を示す。左右脚体2L,2Rのそれぞれの前脚20には、左脚体2Lおよび右脚体2Rの側面のうち、互いに対向する内側面40cに、係合凹部6が形成されている。
図8に示すように、係合凹部6は、上下方向に延在し、椅子1の外側に向けて凹む溝状に形成され、オプション部材7の係合片71が差し込まれる。
【0050】
具体的に、
図8を参照しながら、係合凹部6について説明する。右脚体の前脚20の内側面40cに形成された係合凹部6の構成は、左右対称のものとしてその説明は省略する。係合凹部6は、右脚体の前脚20の内側面40cに形成され、上下方向に延在している。前脚20の上部は、後方に向かって緩やかに傾斜しており、係合凹部6の上部も前脚20の傾斜に沿って形成されている。前脚鉛直杆部23に延在している係合凹部6は、前脚鉛直杆部23と同様に、椅子設置面Fに対して鉛直方向に形成されている。
【0051】
係合凹部6の上部は、凹部上端6aから椅子1の左外側下方に向かうにつれ溝が深くなるように漸次凹み、溝が最も深くなる凹部第1点6bに到達する。係合凹部6の上部において、凹部上端6aから凹部第1点6bまでは、椅子1の幅方向(左外側)に向かって下方向に漸次傾斜した凹部内壁6cで形成されている。
【0052】
係合凹部6の下部は、凹部下端6eから椅子1の左外側上方に向かうにつれ溝が深くなるように漸次凹み、溝が最も深くなる凹部第2点6dに到達する。係合凹部6の下部において、凹部下端6eから凹部第2点6dまでは、椅子1の幅方向(左外側)に向かって上方向に漸次傾斜した凹部内壁6cで形成されている。
【0053】
凹部第1点6bから凹部第2点6dまでは、内側面40cの前後方向に対する幅が一定であり、かつ、椅子1の幅方向に対する深さが一定になるように、係合凹部6が形成されている。凹部内壁6cの横断面は、U字状に湾曲し、凹部上端6aから凹部下端6eまでU字状に形成されている。
【0054】
凹部下端6eから凹部第2点6dまでの傾斜は、支持面8として機能し、後述するオプション部材7の係合片71の下縁部72を下方から支持する。
支持面8は、本実施形態において、オプション部材7が椅子設置面Fに設置しているときの係合片71に当接する高さで設けられている。支持面8の位置は、適宜変更することができる。例えば、支持面8は、オプション部材7の係合片71の下縁部72に対して、上下方向に間隙を形成するように設定されていてもよい。
【0055】
<オプション部材>
オプション部材7は、オプション部材7は、一対の係合片71と、一対の係合片71同士の間を連結する連結部75と、係合片71と連結部75とを連結する一対の接続部としての接続片74と、を備えている。
オプション部材7は、椅子1の左右脚体2L,2Rの係合凹部6に脱着可能である。例えば、椅子1の椅子1の後方に位置する他の椅子1の着座者のフットレストや、椅子1を設置位置の椅子設置面Fからの可動を抑制するための錘、椅子1の着座者の荷物置き等として機能する部材である。
【0056】
連結部75は、
図2に示すように、側面視して、座3が跳ね上げ位置P2にあるときの座3の底面3bよりも後方に位置している。さらに、連結部75は、
図1~3に示すように、座3の下方に位置し、床面(椅子設置面F)に接地している。連結部75は、平面視で、幅方向が長手となる矩形の部材からなる。
【0057】
接続片74は、係合片71と連結部75とを接続し、什器設置面Fに対して垂直に上方に延在している。具体的に、接続片74は、連結部75の側面に形成され、前方に向かうにつれて什器設置面Fから離間するように上方に延び、接続片74は、係合片71の基端部73まで延在している。接続片74は、板状の板金等で形成されている。
【0058】
オプション部材7は、連結部75に対して幅方向両側に位置する部分に、連結部75よりも上方に突出する一対の把持部76を備えている。本実施形態において、把持部76は、連結部75に対して両側に位置する接続片74から上方に突出し、接続片74の前端部と後端部を架け渡すように上方に向けて凸のアーチ状に形成されている。
【0059】
係合片71は、オプション部材7の外側に向かって幅方向に突出した形状を有する。具体的に、係合片71は、基端部73部分で、接続片74を形成する面に対して直角に左右外側(幅方向)向かってに屈曲している。
【0060】
係合片71は、左右脚体2L,2Rの対向方向において、連結部75に対して離間する側に延在し、左右前脚20のそれぞれの内側面40cに形成された係合凹部6内に差し込まれて、係合される。このとき、係合片71は、先端側が係合凹部6に係合されているとともに、基端部73側が係合凹部6から突出しており、接続片74は内側面40cとの間に隙間を有して配されている。
【0061】
係合片71の下縁部72は、下方に向かうに従い連結部75に接近する側に傾斜している。具体的に、下縁部72は、係合片71の先端から左右脚体2L,2Rの対向方向に向かう側に下方に傾斜している。
【0062】
係合片71の上部は、椅子設置面Fに対して水平に形成されており、係合片71の先端に向かうにつれ、湾曲をなすように漸次下方に延び、係合片71の先端部分は、丸みを帯びている。
【0063】
図5は、オプション部材7の分解斜視図である。
図5に示すように、本実施形態において、連結部75は、上方を向く載置面を構成する載置部77と、載置部77上に載置される錘78と、錘78を覆うカバー79と、を備えている。
【0064】
連結部75を構成する上記パーツについて、
図5~
図7を参照しながら説明する。
載置部77は、板状の矩形をなす下板77aと、下板77aの上に配置し、板状の矩形をなす上板77bからなる。下板77a、上板77bは、矩形板状の部材であり、連結部75が延びる方向、すなわち本実施形態では幅方向を長手方向とし、また、前後方向を短手方向として配されている。平面視で、上板77bの長手方向の両側は、下板77aの長手方向の両側よりも長く構成されており、上板77bおよび下板77aの短手方向の長さは、同じ長さで構成されている。上板77bは、上方を向く載置面を構成し、椅子設置面Fに接していない。
【0065】
本実施形態において連結部75を構成する載置部77の下面(下板77aの下面)には、滑り止め部材85が設けられ、載置部77の下面は、滑り止め部材85を介して什器設置面Fに接地していてもよい。滑り止め部材85は、連結部75と什器設置面Fとの間に作用する摩擦抵抗よりも摩擦抵抗が大きい素材で構成されている。滑り止め部材85として、例えば、複数の凹凸が形成されている部材、弾性部材、合成樹脂、不織布等が挙げられる。また、下板77aが、滑り止め部材85として、連結部75と什器設置面Fとの間に作用する摩擦抵抗よりも摩擦抵抗が大きい素材で構成されていてもよい。滑り止め部材85として、溝状(凹状)またはビード状(凸状)の滑り止めパターンが載置部77の下面(下板77aの下面)に直接形成されていてもよい。
【0066】
図6は、
図4のVI-VI断面図である。
図6に示すように、上板77b上には、平面視で上板77b(載置部77)よりも小さい矩形の錘78が配置されている。具体的に、錘78は、後述するカバー79に当接しない大きさで構成されていることが好ましい。平面視および側面視において、錘78の前端と、載置部77の前端は、揃った状態で配置されている。
【0067】
図7は、
図4のVII-VII断面図である。
図5、
図7に示すように、上板77bの長手方向の両側には、接続片74がボルト等で固定されている。具体的に、上板77bと、接続片74の固定部分は、第1ブラケット80と、断面視コの字状の第2ブラケット81と、ボルト82と、を備える。
【0068】
図5に示すように、第1ブラケット80は、上板77bに接する矩形の底面部80aと、底面部80aから直角に上方に延在する側面80bと、側面80bの上端からオプション部材7の内側に直角に延在する矩形の上部80cからなる。
第1ブラケット80を構成する底面部80a、側面80b、上部80cのうち、少なくとも底面部80aは、上板77bと、第2ブラケット81との隙間を埋めることが出来る厚さで構成されている。
側面80bは、側面視で、側面80bの前端をなす一辺と、側面80bの後端をなす一辺が平行な台形形状を有する。つまり、側面80bの上端は、前方から後方に向けて下降する傾斜を形成し、側面80bの前端と底面部80aは直角に交差している。
第1ブラケット80の上部は、後述するカバー79の内側面に接する高さで構成されている。
【0069】
第2ブラケット81は、第1ブラケット80の上に配置されている。断面視コの字状の形状を有し、上方に開口しつつ延在する上方延在部81aを前後方向の両側に有する。上方延在部81aは、異なる長さで構成されており、オプション部材7の前方に、より上方に長い上方延在部81aが位置する。上方延在部81aは、カバー79の傾斜に合わせて上方に延在しているが、上方延在部81aの上端はカバー79の底面には接していない。
【0070】
第2ブラケット81は、接続片74に溶接などにより固定されている。第2ブラケット81が、上方延在部81aを有しているのは、接続片74との溶接部分を増やすためである。
【0071】
図7に示すように、第1ブラケット80および第2ブラケット81は、3つのボルト82で上板77bに固定されている。
【0072】
カバー79は、錘78及び載置部77の上板77bの上方及び側方を覆っている。本実施形態において、カバー79は、連結部75の上面を構成し、後方に向かうに従い下方に向けて延びる足置き面79aを構成する傾斜部79bと、前向き面79cを構成する垂下部79dとを含んでいる。カバー79の足置き面79aの反対側の面と、第1ブラケット80の上部80cの上面は、当接しているため、当接部分の摩擦によって、カバー79の前後斜め方向のずれを抑制することができる。足置き面79aは、椅子1の後方に位置する他の椅子の着座者の足を支持するためのものである。前向き面79cは、連結部75の前面を構成し、錘78の前方に配置され、錘78を前方から視認できないように遮蔽している。また、前向き面79cを構成する垂下部79d(起立壁部)は、載置部77に対して直交するように上下方向に起立しているので、錘78が載置部77の上面から移動しないように、その動きを規制することができる。
【0073】
<介在部材>
以下、
図9~
図11を用いながら、介在部材90について説明する。
図9は、
図8のIX-IX断面図であり、
図10は、
図9のX-X断面図であり、
図11は、
図9のXI-XI断面図である。説明の便宜上、
図8および
図11には、介在部材90を示していない。
【0074】
介在部材90は、係合凹部6の凹部内壁6cと係合片71との間に介在する。
本実施形態において、介在部材90は、係合片71の側面および下縁部72を被覆し、係合片71と係合凹部6との係合部分に隙間なく介在する構成を有する。「隙間なく」とは、係合片71と係合凹部6との間に空間が生じていないことをいう。
介在部材90は、さらに係合片71の上端を被覆し、係合片71を包んでいてもよい。
具体的に、
図9および
図10に示すように、係合片71の側面に形成されている介在部材90は、係合片71を係合凹部6に挿入したときに、係合片71の先端面と、係合片71の側面のうち、側面視で係合凹部6と重なる面とを被覆するように形成されており、基端部73側に延在している。下縁部72に形成されている介在部材90は、係合片71を係合凹部6に挿入したときに、支持面8に係合片71が当接しないよう、下方に延在している。
【0075】
以下、具体例を用いて、係合凹部6と係合片71との係合部分について説明する。
オプション部材7の左右一対の係合片71が、左右脚体2L,2Rの係合凹部6にそれぞれ取り付けられると、オプション部材7の自重により、オプション部材7が後方下向きに回転する。このとき、係合片71の上端部は、前脚20の後側面40b側に近づくように、係合片71の下端部(下縁部72)は、前脚20の前側面40a側の凹部内壁6c側に近づくようにして、係合片71が傾斜する。
介在部材90が係合片71と係合凹部6との間に設けられていない場合、係合片71が上記のように傾斜することにより、係合片71の上端部および下端部が、凹部内壁6cと当接してしまう。ここで、介在部材90を係合片71と係合凹部6との間に設けることにより、係合片71の上端部および下端部と凹部内壁6cとが接近する部分(介在部材90がなければ当接してしまう部分)では、介在部材90が弾性的に圧縮された状態で介在する。これにより、係合片71と凹部内壁6cとが当接することなく、係合片71と係合凹部6とを係合させることができる。
【0076】
本実施形態において、介在部材90は、係合片71に設けられているが、凹部内壁6cに設けられていてもよい。介在部材90が、凹部内壁6cに設けられている場合、凹部内壁6cのうち、少なくとも、支持面8周辺部分にあればよい。具体的には、係合片71が係合凹部6内で支持される位置にあるとき、併合片71が凹部内壁6cに当接する箇所に介在部材90を設ければよい。
【0077】
図9および
図10において、介在部材90と係合凹部6の内壁との間には、隙間がないが、隙間があってもよい。係合片71と係合凹部とを係合させたときに、係合片71が凹部内壁6cに当接する箇所にのみ、介在部材90を設けてもよい。介在部材90は、係合片71の上端に設けられていてもよい。
【0078】
介在部材90は、オプション部材7および係合凹部6が形成されている左右脚体2L,2Rの部材よりも柔らかい素材で構成されていればよい。例えば、弾性変形する軟性樹脂や、ゴム等でもよく、さらに、繊維を圧縮してシート状にしたフェルトであると、前記凹部内壁6cとの間に生じる摩擦抵抗を小さくできることから望ましい。
【0079】
[オプション部材の取り付け方法]
以下、
図3を参照しながら、オプション部材7を左右脚体2L,2Rに取り付ける方法を説明する。まず、オプション部材7を、係合片71が手前に位置するように把持部76を両手で把持し、右手側の把持部76が高くなるように、オプション部材7を傾斜させる。次に、オプション部材7を傾斜させた状態で、椅子1の前方から、オプション部材7を左右脚体2L,2Rの前脚20の間に挿入し、左手側の係合片71を椅子1の右脚体2Rの前脚20の係合凹部6内に係合させる。
【0080】
このとき、介在部材90の、係合片71の先端部を被覆している部位が、係合凹部6の奥側端部に当接することで、係合凹部6と係合片71との大きな衝撃を伴う当接や、作業中の異音の発生を防止することができる。また、把持部76は係合片71よりも後方に位置していることから、把持部76を把持している手および腕によって、係合片71と、係合片71を係合させようとする係合凹部6が隠れることになるが、この状態で係合片71を係合凹部6に差し込んだとしても、介在部材90が弾性的に圧縮されることで、係合凹部6と係合片71との大きな衝撃を伴う当接や、作業中の異音の発生を防止することができる。
【0081】
このとき、左手側の係合片71は、右手側の係合片71よりも低い位置で係合凹部6に係合されている。そして、左外側の係合片71を椅子1の右脚体2Rの前脚20の係合凹部6に係合させた状態を維持しつつ、さらに、オプション部材7を傾斜させたまま、右手側の係合片71の先端を椅子1の左脚体2Lの前脚20の係合凹部6内に挿入させる。続いて、高い位置にある右手側の把持部76を、手で把持しながら下方に変位させるか、または、右手側の把持部76からゆっくりと右手を離すと、オプション部材7の自重により、右手側の係合片71は、左外側の係合片71の係合位置と同じ高さで、椅子1の左脚体2Lの前脚20と係合する。そして、下板77aの下面に設けられた滑り止め部材85が椅子設置面Fに当接されることにより、オプション部材7は、椅子設置面Fに自重を支持されたうえで、左手側の係合片71が右脚体2Rの係合凹部6に、右手側の係合片71が左脚体2Lの係合凹部6に、それぞれ係合することにより、椅子1に対して前後方向、および左右方向に位置決めされた状態になる。
【0082】
ここで、本実施形態では、椅子1の左右脚体2L,2Rの係合凹部6に脱着可能なオプション部材7を備える構成とした。
この構成によれば、椅子1からオプション部材7を取り外したときに、座3および支持構造体2の重量を軽量化することができる。
【0083】
特に、本実施形態では、係合凹部6は、上下方向に延在し、椅子1の外側に向けて凹む溝状に形成され、オプション部材7の係合片71が差し込まれる構成とした。
この構成によれば、オプション部材7は、内側面40cに形成された係合凹部6に係合片71が差し込まれて係合されるだけで容易に取り付けることができる。また、オプション部材7を取り付けるにあたって、使用者から露呈する側面を傷付けてしまうことを抑制することができる。
また、この構成によれば、係合凹部6が上下方向に沿って延びる溝状に形成されているため、オプション部材7を係合凹部6に取り付ける際に、係合凹部6の上下方向の位置を気にすることなく係合片71を差し込むことができる。そのため、係合凹部6に係合片71が差し込まれて係合されている状態で、オプション部材7から手を離すと、オプション部材7が、自重によって溝状の係合凹部6に沿って落下し、係合片71を係合凹部6内で支持される位置に取り付けることができる。
【0084】
本実施形態では、介在部材90は、係合凹部6の凹部内壁6cと係合片71との間で弾性的に圧縮されながら介在する構成とした。
この構成によれば、オプション部材7と左右脚体2L,2Rとが、互いに硬度の異なる材料で形成されている場合に、係合片71の先端部が凹部内壁6cに当接して、硬度の低い部材が破損したり、異音を発生したりする問題の発生を抑止できる。したがって、長期にわたる使用に耐え得る椅子となる。
【0085】
さらに、本実施形態では、介在部材90は、係合片71の側面および下縁部72を被覆し、係合片71と係合凹部6との係合部分に隙間なく介在する構成とした。
この構成によれば、係合片71と係合凹部6の内壁との間の隙間を埋める介在部材90により、係合凹部6と係合片71とを嵌合させることができる。
【0086】
本実施形態では、左右前脚20の側面のうち、互いに対向する内側面40cには、係合凹部6が形成されている構成とした。
この構成によれば、オプション部材7は、左脚体2Lと右脚体2Rの間に設けられる。オプション部材7が左右脚体2L、2Rから飛び出すことなく配置することができるので、オプション部材7を、体裁よく設けるとともに、利用者に接触しにくい位置に設けることができる。また、係合片71の取付位置を脚体同士の対向する側面(内側面40c)とすることで、仮にオプション部材7の取り付けにより左右脚体2L,2Rに傷がついたとしても、当該傷が着座者の衣服や身体に接触する可能性をより低くすることができる。
また、この構成によれば、オプション部材7を取り付ける際には、連結部75を斜めに傾けて、水平方向に幅寸法を左右脚体2L,2Rの内側面40c間の距離よりも小さくするようにして左右前脚20の間に挿入した後に、連結部75の傾きを水平となるように戻すことで係合凹部6に係合片71を挿入することができる。
【0087】
本実施形態では、係合片71の下縁部72は、下方に向かうに従い連結部75に接近する側に傾斜している構成とした。
この構成によれば、オプション部材7を左右脚体2L,2Rの前脚20に対して傾斜させながら係合片71を係合凹部6に挿入する作業を行うに際して、下縁部72が係合凹部6の凹部内壁6cに当接して係合片71の係合凹部6への取り付けが阻害されてしまうことが抑制される。したがって、左右脚体2L,2Rへのオプション部材7の設置がより簡便となる。
【0088】
本実施形態では、凹部下端6eから凹部第2点6dまでの傾斜は、オプション部材7の係合片71の下縁部72を下方から支持する支持面8として機能する構成とした。
この構成によれば、オプション部材7と左右係合凹部6との係合位置を、係合凹部6内で支持面8が設けられた位置で決めることができる。
【0089】
本実施形態では、連結部75は、座3の下方に位置している構成とした。
この構成によれば、オプション部材7が座3の下方に位置するため、複数の椅子1を整列して並べる際、オプション部材7の幅や前後方向の長さを考慮する必要がない。また、この構成によれば、椅子1の着座者および椅子1の後方に位置する他の椅子1の着座者の双方の下肢の空間が広くなり、可動域が広がる。
【0090】
本実施形態では、連結部75は、座3が跳ね上げ位置(P2)にあるときの座3の底面3bよりも後方に位置している構成とした。
この構成によれば、オプション部材7の連結部75が、座3の底面3bよりも後方に位置しているため、着座者が椅子1から立ち上がり、椅子1の座3を跳ね上げたときに、着座者の下肢の動きを阻害することがなく、着座者の可動域が確保される。
【0091】
本実施形態では、係合片71は、先端側が係合凹部6に係合されているとともに、基端部73側が係合凹部6から突出しており、接続片74は内側面40cとの間に隙間を有して配されている構成とした。
この構成によれば、左右脚体2L,2Rの内側面40cと接続片74との間に隙間があるため、オプション部材7の係合片71やその近傍の部位が係合凹部6以外の左右脚体2L,2R(支持構造体2)に触れにくくなる。そのため、支持構造体2を傷つけること無く、オプション部材7を簡便に取り付けることができる。
【0092】
本実施形態では、把持部76は、連結部75に対して、前記連結部の長さ方向における両側に位置する接続片74から上方に突出し、接続片74の前端部と後端部を架け渡すように上方に向けて凸のアーチ状に形成されている構成とした。
この構成よれば、両持ち可能な把持部76を有することにより、両手でオプション部材7を持ち上げることが出来るので、オプション部材7の係合片71を左右脚体2L,2R(支持構造体2)の係合凹部6に係合させる作業を容易に行うことができる。また、把持部76を有することにより、オプション部材7の運搬を容易にすることができる。
【0093】
本実施形態では、連結部75は、上方を向く載置面を構成する載置部77と、載置部77上に載置される錘78と、錘78を覆うカバー79と、を備えている構成とした。
この構成によれば、オプション部材7の錘78により、椅子設置面Fに対する椅子1の位置ずれを抑制することができる。また、この構成によれば、オプション部材7の連結部75が複数のパーツからなるため、オプション部材7を必要に応じてカスタムすることができる。例えば、カバー79が取り外し可能なため、カバー79汚れた場合に取り替え可能であり、経済的である。また、錘78の重さを変更することができるため、着座者の体重や、オプション部材7を取り付ける数等に応じて錘78を選択することが出来る。
【0094】
本実施形態では、カバー79は、連結部75の上面を構成し、後方に向かうに従い下方に向けて延びる足置き面79aを含み、足置き面79aには、椅子1の後方に位置する他の椅子の着座者の足を支持可能に構成されているとした。
この構成によれば、オプション部材7を、椅子1の後方に位置する他の椅子の着座者用のフットレストとして使用することができる。
【0095】
本実施形態では、連結部75は、床面(椅子設置面F)に接地している構成とした。
この構成によれば、連結部が床面に接地にしていることで、床面に対する椅子の位置ずれを抑制することができる。
【0096】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0097】
本実施形態において、椅子1が左右肘掛け部30を有する構成について説明したが、この構成に限られない。椅子1は、肘掛け部30を有していなくてもよく、左右どちらか一方の肘掛け部30を有していてもよい。
【0098】
上述した実施形態では、連結部75は、床面(椅子設置面F)に接地している構成について説明したが、この構成に限られない。連結部75は、少なくとも座3の下方に位置していればよく、椅子設置面Fから離間していてもよい。
連結部75が、椅子設置面Fから離間している構成を有する変形例では、支持面8の位置が、本実施形態よりも、左右前脚20の上部から中間部に位置していることが好ましい。当該構成により、係合凹部6と係合片71との係合位置が、左右脚体2L,2Rの上部から中間部に位置することになり、連結部75が椅子設置面Fから離間する。また、連結部75が、椅子設置面Fに接地している構成を採用する場合は、支持面8と係合片71の下縁部72との間に、上下方向の間隙を形成してもよい。
【0099】
上述した実施形態では、連結部75は、載置部77と、載置部77上に載置される錘78と、錘78を覆うカバー79と、を有する構成について説明したが、この構成に限られない。連結部75が、椅子設置面Fから離間している場合は、錘78は、載置部77の下に設けられていてもよい。連結部75は、錘78およびカバー79のいずれか一方、または両方を有していなくてもよい。なお、錘78を有していない構成を採用する場合は、滑り止め部材85の設置数を増やしたり、滑り止め部材85を、椅子設置面Fとの間により大きな摩擦抵抗を発生させることのできる素材で形成したりすることによって、連結部75を、椅子設置面Fに対してより動きにくくすることが望ましい。
上述した実施形態では、連結部75は、板状の矩形をなす下板77aと、下板77aの上に配置し、板状の矩形をなす上板77bからなる構成について説明したが、この構成に限られない。連結部75は、平面をなす格子でもよい。連結部75は、棒状の部材でもよい。
【0100】
例えば、
図12に示す変形例において、連結部75は、椅子設置面Fから離間している。さらに、載置部177上に錘78を有しておらず、載置部177が格子をなしており、左右の接続片74と載置部177とで籠100を形成している。この変形例においては、係合片71の前後方向の厚さと、係合片71を被覆する介在部材90の前後方向の厚さとを合算した厚さが、係合凹部6の厚さよりも大であるように設定することが、係合片71と係合凹部6との間の前後方向のがたつきを小さくする観点から望ましい。
【0101】
例えば、
図14に示すオプション部材7の変形例のように、連結部75が、錘78とカバー79とを備えず、載置部77のみを備える構成を採用する場合は、載置部77に、上方に突出する起立壁部179を設け、載置部77に載置された物品の移動を防止できるようにしてもよい。この構成において、オプション部材7は、起立壁部179を設ける位置の違いによって、オプション部材7が設けられた椅子1への着座者が使用するための棚としても、あるいは、後方の椅子1への着座者が使用するための棚としても機能しうる。
具体的に、
図14には、連結部75の前端から上方に突出する起立壁部179を示しているが、起立壁部179は、連結部75の後端から上方に突出していてもよい。起立壁部179は、上板77bに対して、前後方向からボルト等で固定されていてもよく、上板77bに対して、溶着で固定されていてもよい。
また、錘78は、載置部77に対して、ボルト等で固定されていてもよい。
【0102】
上述した実施形態では、1つのオプション部材7に対して、係合片71が、2つである構成について説明したが、この構成に限られない。係合片71は、1つのオプション部材7に対して、2つ以上でも良い。複数の脚体に係合凹部6が形成されている場合、係合凹部6に対して、係合片71が、1対1で係合される構成であれば良い。例えば、4本の脚体それぞれが1つずつ係合凹部6を有している場合に、オプション部材7は、全ての係合凹部6に係合する4つの係合片71を有していても良い。
【0103】
上述した実施形態では、オプション部材7の係合片71が、左右前脚20にそれぞれ形成された係合凹部6と係合している構成について説明したが、この構成に限られない。オプション部材7の2つの係合片71は、左右後脚25のそれぞれの側面に形成された係合凹部6と2箇所で係合していてもよく、右脚体2Rの一対の前後脚20,25のそれぞれの側面に形成された係合凹部6と2箇所で係合していてもよく、左脚体2Lの一対の前後脚20,25のそれぞれの側面に形成された係合凹部6と係合していてもよい。
【0104】
上述した実施形態では、係合凹部6が左右前脚20の側面のうち、互いに対向するそれぞれの内側面40cに形成された構成について説明したが、この構成に限られない。係合凹部6は、オプション部材7の係合片71が係合できる位置に設けられていればよく、左右後脚25の内側面40cに、係合凹部6が設けられていてもよい。例えば、左右後脚25の内側面50cに、係合凹部6が設けられている場合、オプション部材7の前後を逆にし、係合片71がオプション部材7の後側にして、係合凹部6に係合させることが好ましい。
上述した実施形態では、係合片71は、左右脚体2L,2Rの対向方向において、連結部75に対して離間する側に延在する構成について説明したが、この構成に限られない。係合片71は、係合凹部6に係合できる構成を有していればよい。
【0105】
例えば、
図13に示す変形例において、係合凹部106は、左右前脚20の前側面40aに形成されている。係合片171は、左右脚体2L,2Rの対向方向において、連結部75に対して離間する側に延在し、さらにオプション部材7の後方に向かって直角に屈曲して延在している。
【0106】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 椅子(什器)
2 脚体(支持構造体)
3 座
3a 座面
3c 前端部
3d 後端部
6 係合凹部
6a 凹部上端
6c 凹部内壁
7 オプション部材
8 支持面
15 回動機構
20 前脚
21 下端部(接地端部)
21a 前方延出部
21b 基端(後端部)
22 前脚カバー
23 前脚鉛直杆部
25 後脚
26 下端部(接地端部)
27 後脚カバー
30 肘掛け部
31 前傾斜部
32 連結杆部
33 後傾斜部
35 支持部材
35 左右支持部材
40a 前側面(前脚)
40b 後側面(前脚)
40c 内側面(前脚)
40d 外側面(前脚)
50a 前側面(後脚)
50b 後側面(後脚)
50c 内側面(後脚)
50d 外側面(後脚)
61 枢軸
62 回動支持体
65 座フレーム
71 係合片
72 下縁部
73 基端部
74 接続片
75 連結部
76 把持部
77 載置部
77a 下板
77b 上板
78 錘
79 カバー
80 第1ブラケット
81 第2ブラケット
81a 上方延在部
90 介在部材