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特許7506491撮像装置及びその制御方法、撮像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】撮像装置及びその制御方法、撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/667 20230101AFI20240619BHJP
   H04N 25/40 20230101ALI20240619BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240619BHJP
【FI】
H04N23/667
H04N25/40
H04N23/63
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020037156
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021141420
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 篤義
【審査官】吉田 千裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-118159(JP,A)
【文献】特開2009-159067(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101102412(CN,A)
【文献】特開2013-236815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/667
H04N 25/40
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め決められた周期の第1の同期信号を生成する第1の生成手段と、
撮像素子から画像信号を読み出すタイミングを制御する第2の同期信号を生成する第2の生成手段と、
記第1の同期信号または前記第2の同期信号を選択して出力する選択手段と、
前記撮像素子の駆動方法に応じて、前記選択手段が前記第1の同期信号または前記第2の同期信号を選択するように制御する制御手段と、
前記選択手段により選択された同期信号から、予め決められた時間、遅延たタイミングで、前記撮像素子から読み出された画像信号を表示手段に表示するための第3の同期信号を生成する第3の生成手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像素子の駆動方法は、静止画撮影を行うタイミングを優先する第1のモードと、静止画撮影を行うタイミングを優先しない第2のモードとを有し、
前記撮像素子の駆動方法が前記第1のモードである場合に、前記第2の生成手段は、前記第1の同期信号に関わらず前記第2の同期信号を生成するとともに、前記制御手段は、前記第2の同期信号を選択するように前記選択手段を制御し、
前記撮像素子の駆動方法が前記第2のモードである場合に、前記第2の生成手段は、前記第1の同期信号に同期して前記第2の同期信号を生成するともに、前記制御手段は、前記第1の同期信号を選択するように前記選択手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1のモードは、静止画像を撮影して記録するモードであって、
前記第2のモードは、動画像を撮影して記録するモードであって、
前記第2のモードでは、動画像を撮影している間に、静止画像を撮影することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子の駆動方法が前記第1のモードである場合に、前記第2の生成手段は、静止画像を撮影する指示に応じて、当該指示から静止画像の撮影開始までのタイムラグが短くなるように、前記第2の同期信号の位相を変更することを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像素子の駆動方法が前記第2のモードである場合に、前記第2の生成手段は、静止画像を撮影する指示に応じて、前記第2の同期信号の周期の間に、前記静止画像を撮影するための信号を挿入することを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記撮像装置に接続され、前記撮像装置と同期をとらずに、前記撮像素子から出力された画像信号を処理する処理手段を含む処理装置と
を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項7】
第1の生成手段が、予め決められた周期の第1の同期信号を生成する第1の生成工程と、
第2の生成手段が、撮像素子から画像信号を読み出すタイミングを制御する第2の同期信号を生成する第2の生成工程と、
択手段が、前記第1の同期信号または前記第2の同期信号を選択して出力する選択工程と、
表示手段が、前記選択工程で選択された同期信号から、予め決められた時間、遅延たタイミングで、前記撮像素子から読み出された画像信号を表手段に表示するための第3の同期信号を生成する第3の生成工程と、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項7に記載の撮像装置の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びその制御方法、撮像システムに関し、特に画像の撮影タイミング及び撮影画像の表示タイミングの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラや、カメラ機能を備えた電子機器(以下、まとめて「撮像装置」と呼ぶ。)には、ライブビュー(LV)機能を有するものがある。LV機能とは、動画像の撮影を行い、得られた画像(以下、「LV画像」と呼ぶ。)を撮影と並行して表示部に逐次表示する機能のことである。この表示されたLV画像をファインダーとして用いることにより、ユーザーは静止画撮影や動画撮影の撮影範囲を確認しながら調整することができる。以下、この撮影範囲の調整操作を「フレーミング」と呼ぶ。
【0003】
ユーザーが意図通りの撮影を行うためには、フレーミングのし易さが重要である。例えば、LV画像の撮影を行ってから、表示部に表示するまでの時間(表示遅延)が大きいと、被写体が表示部に表示されたタイミングでは、すでに被写体は移動してしまっている、ということが発生し得る。即ち、フレーミングのし易さには、表示遅延が大きく関わっていることになる。
【0004】
LV機能を利用してフレーミングを行って静止画像の撮影を行う撮像装置においては、静止画像の連写中にも表示部にLV画像を表示し続けなければフレーミングができなくなってしまう。しかし、静止画像の連写中に、静止画像のコマ間にLV画像の撮影を行って表示する場合、静止画像の連写間隔が短いと、LV画像の撮影タイミングの調整が難しい。その結果、静止画像の連写中は、LV画像の撮像タイミングと、表示部でのLV画像の更新タイミングとの乖離が大きくなって表示遅延が増加し、フレーミングし難くなってしまう。
【0005】
この課題に対して、特許文献1では、イメージセンサの撮像タイミングと、表示部の表示開始タイミングを所定の時間差で同期制御することによって、表示遅延を低減する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-243615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1に開示された従来技術では、表示遅延を低減するために、画像の再生タイミングを基準にして撮像タイミングの調整を行う方法が開示されている。しかしこのような方法は、必ずしも常に最適な制御方法であるとは限らない。例えば、静止画撮影においてはレリーズタイムラグが重要であり、また、動画撮影においては音声の記録や時間の記録等の観点から、撮影タイミングや再生タイミングを制御しなければならない。
【0008】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、撮像素子の複数の駆動方法にそれぞれ適したタイミングで、ライブビュー表示を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、予め決められた周期の第1の同期信号を生成する第1の生成手段と、撮像素子から画像信号を読み出すタイミングを制御する第2の同期信号を生成する第2の生成手段と、前記第1の同期信号または前記第2の同期信号を選択して出力する選択手段と、前記撮像素子の駆動方法に応じて、前記選択手段が前記第1の同期信号または前記第2の同期信号を選択するように制御する制御手段と、前記選択手段により選択された同期信号から、予め決められた時間、遅延たタイミングで、前記撮像素子から読み出された画像信号を表示手段に表示するための第3の同期信号を生成する第3の生成手段と、を有する
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像素子の複数の駆動方法にそれぞれ適したタイミングで、ライブビュー表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態における撮像装置の構成を示すブロック図。
図2】(a)は、実施形態における単位画素の回路図、(b)は、実施形態における撮像素子のブロック図。
図3】実施形態におけるタイミングパルス生成回路の構成を示すブロック図。
図4】実施形態における表示部の構成を示すブロック図。
図5】第1の実施形態における撮影モードに応じた表示部の表示制御を説明するフローチャート。
図6】第1の実施形態における静止画モード時の動作を示すタイミングチャート。
図7】第1の実施形態における動画モード時の動作を示すタイミングチャート。
図8】第2の実施形態における撮像システムの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置1の構成を示すブロック図である。図1において、第1レンズ100は撮影光学系104の先端に配置されている。絞り101は、絞りアクチュエータ122によって駆動され、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行う。第2レンズ102、第3レンズ103は、フォーカスアクチュエータ120によって駆動され、光軸方向に進退することにより、撮影光学系104の焦点を調節する。
【0014】
フォーカルプレーンシャッター105は、静止画像撮影時に露光秒時を調節する機能を持つ。ただし、撮像素子107においてスリットローリング読み出しで電子シャッターを露光秒時の調節に用いる場合は、フォーカルプレーンシャッター105による露光秒時の調節を行わない。光学的ローパスフィルタ106は、撮影画像の偽色やモアレを低減するために用いられる。
【0015】
撮像素子107は、撮影光学系104により形成された被写体の光学像を電気信号(画像信号)に光電変換する。また、撮像素子107は電子シャッター機能を備え、画像信号をスリットローリング読み出しによって取得することができる。
【0016】
DSP108は、撮像素子107から画像信号を受信して、画像処理を行う。また、画像処理以外にも、撮像素子107からの情報に基づいて、フォーカスレンズ(第2レンズ102、第3レンズ103)の駆動に用いる情報の演算を行う。
【0017】
RAM109は、DSP108で処理された画像データを記憶する機能と、CPU110が動作を行う際のワークメモリとしての機能を兼備する。なお、本実施形態では、これらの機能をRAM109を用いて実現する構成であるが、アクセス速度が十分に速く、動作上問題のないレベルのメモリであれば、他の種類のメモリを用いることも可能である。また本実施形態では、RAM109は、DSP108、CPU110の外部に配置されているが、その一部または全部の機能をDSP108やCPU110に内蔵する構成であってもよい。
【0018】
CPU110は、撮像装置1の各部を制御するためのプログラムを実行し、撮像装置1の動作を統括的に制御する。CPU110は、撮像素子107に各種設定を行うことによって、撮像素子107からの読み出しを制御することができる。また、CPU110はタイミングパルス生成回路111と通信を行い、後述のように各モジュールの動作を制御するための各種タイミングパルスの発生タイミングの制御を行う。
【0019】
タイミングパルス生成回路111は、第1クロック112からのクロック信号CLK1と第2クロック113からのクロック信号CLK2に基づいて、第1の同期信号と第2の同期信号を生成する。なお、生成された第1の同期信号と第2の同期信号については、詳細に後述する。
【0020】
また、表示部114は、第1の同期信号と第2の同期信号の両方を受信し、後述する同期信号セレクタ401によって選択された同期信号に同期して表示を更新する。さらに、CPU110は、DSP108から出力される演算結果を用いて、フォーカスアクチュエータ120を制御し、撮影光学系104の焦点を調節する機能も有する。
【0021】
表示部114は、DSP108によって処理された静止画像や動画像、メニュー等の表示を行う。表示部114に動画像(LV画像)を逐次表示し、ファインダーとして用いることにより、ユーザーは静止画撮影や動画撮影の撮影範囲を確認しながら調整するフレーミングを行うことができる。なお、表示部114は、背面ディスプレイや電子ビューファインダー(EVF)等、複数の表示器を含んでいてもよい。
【0022】
操作部115は、ボタンやレバー等の操作部材により構成され、モード切替ダイヤルと、静止画像の撮影指示をするための静止画像撮影釦が含まれる。なお、操作部115に操作部材を設けずに、タッチパネルにより各種指示を入力するように構成してもよい。ユーザーがモード切替ダイヤルを操作することにより、静止画モードと動画モードを任意に設定することができる。また、ユーザーは、操作部115を通じてCPU110を制御することで、撮影を行うことができる。
【0023】
CPU110は、ユーザーによる静止画像撮影釦の押下を検知すると、静止画像の撮影準備期間を含む一定時間が経過した後に、静止画像の撮影を行う。また、静止画像の撮影開始後、静止画像撮影釦が継続して押下されている場合に、静止画像の連写撮影を行う。なお、静止画像の撮影に関する詳細な動作に関しては、図6のタイミングチャートを用いて後述する。
【0024】
記録媒体116は着脱可能に構成され、静止画像データ及び動画像データが記録される。ROM117は、CPU110が各部の動作を制御するためのプログラムを格納する。
【0025】
シャッター駆動回路118は、フォーカルプレーンシャッター105を駆動制御する。フォーカス駆動回路119は、CPU110の出力に基づいてフォーカスアクチュエータ120を制御することで、フォーカスレンズ(第2レンズ102、第3レンズ103)を光軸方向に進退駆動して焦点位置を変更する焦点調節を行う。絞り駆動回路121は、絞りアクチュエータ122を制御して絞り101の開口を制御する。
【0026】
次に、本実施形態の撮像素子107の構成について、図2を参照して説明する。
図2(a)は、撮像素子107の単位画素206の詳細な回路構成を説明する図である。フォトダイオード(PD)200は、入射した光を光電変換し、生成した電荷を蓄積する。転送スイッチ201は、制御信号φtxをHigh(以下、「H」と記す。)にすることによって、PD200に蓄積された電荷をフローティングディフュージョン部(FD)202に転送する。
【0027】
リセットスイッチ203は、FD202を初期化するためのスイッチであり、信号φresによって制御される。画素のリセット動作は、信号φtxと信号φresを同時にHにし、PD200とFD202を電源電圧(VDD)にすることによって実現する。画素アンプ用トランジスタ204は、選択スイッチ205、及び後述の垂直出力線208を介して定電流源209に接続される。選択スイッチ205の制御信号φselがHになると、画素アンプ用トランジスタ204は垂直出力線208に接続される。そして、PD200からFD202に転送された電荷が電荷量に応じた電圧値に変換され、垂直出力線208に画像信号として出力される。
【0028】
次に、図2(b)を参照して、撮像素子107の構成について説明する。
画素アレイ207には、水平方向に(m+1)個、垂直方向に(n+1)個の複数の単位画素206が行列状に配置されている。なお、m,n共に自然数である。駆動パルス生成回路210は、タイミングパルス生成回路111からの同期信号に基づいて、単位画素206のリセット動作や読み出し動作を行うためのパルス信号を生成する。
【0029】
生成されたパルス信号は、画素駆動回路212に供給される。行選択回路211は、駆動パルス生成回路210によって生成されたパルス信号を供給する行を選択し、選択した行を画素駆動回路212に設定する。画素駆動回路212は、行選択回路211によって設定された行に、駆動パルス生成回路210によって生成されたパルス信号を上述した制御信号として供給する。
【0030】
画素駆動回路212から供給される制御信号に応じて選択された行の単位画素206から、垂直出力線208に画像信号が出力される。定電流源209は、画素アンプ用トランジスタ204と組み合わさってソースフォロワ回路を形成する。
【0031】
AD変換回路(ADC)213は、垂直出力線208に出力されたアナログの画像信号(電圧値)を、その信号レベルに応じたデジタル値に変換する。ADC213によってデジタル値に変換された画像信号は、水平走査回路214によって順に選択されて、出力部215に転送される。
【0032】
なお、行選択回路211による画素アレイ207の駆動を変えることによって、複数の異なる読み出し方で画像信号を読み出すことができる。例えば本実施形態では、静止画像を生成する際の読み出し方法として、一番上の行の画素から画像信号を読み出した後に、その次の行の画素の画像信号を読み出し、その繰り返しによって一番下の行まで読み出す方法を採るものとする。
【0033】
また、動画像を生成する際の読み出し方法として、一番上の行の画素から画像信号を読み出した後に、数行(例えば2行)飛ばした行の画素の画像信号を読み出し、その繰り返しによって一番下の行の画素まで読み出す方法をとるものとする。動画像を生成する際にこのように画像信号を読み出すと、画像の垂直解像度は低下するが、1フレームの画像信号の読み出しを短時間かつ低消費電力で行うことができる。他にも、様々な読み出し方法による画像信号の読み出しが可能である。
【0034】
なお、本実施形態では、画素駆動回路212やADC213が撮像素子107に内蔵されている例について説明したが、これらの回路は撮像素子107とは別のチップに設けられてもよい。
【0035】
次に、図3を用いて、タイミングパルス生成回路111の内部構成について説明する。本実施形態では、タイミングパルス生成回路111は、第1同期信号生成回路300(以下、「第1SSG」と呼ぶ。)と、第2同期信号生成回路301(以下、「第2SSG」と呼ぶ。)とから構成されている。
【0036】
第1SSG300と第2SSG301はCPU110に接続されており、それぞれの同期信号のアサートタイミングの時間を記録できるようになっている。具体的には、CPU110は、第1SSG300または第2SSG301から同期信号がアサートされたことを検知すると、CPU110のシステム時間を表現するカウンタから値を読み出して、カウント値を記録する。このカウント値を、それぞれの同期信号のアサートタイミングの時間として使用する。そして、この時間を用いて、第1SSG300と第2SSG301の時間差を計算することができる。また、第1SSG300または第2SSG301に対して、CPU110から設定を行うことで、様々な周期の同期信号を生成することができるほか、同期信号の発生タイミングを変えることもできる。
【0037】
また、本構成において、第1SSG300は、第1クロック112からのクロック信号CLK1に基づいて動作し、第1の同期信号を生成して出力する。第2SSG301は、第2クロック113からのクロック信号CLK2に基づいて動作し、第2の同期信号を生成して出力する。そして、本実施形態においては、第1SSG300はマイクや時間記録等の、撮像素子107以外のタイミング制御を必要とする構成要素と、表示部114に接続されている。また、第2SSG301は、撮像素子107と表示部114に接続されている。
【0038】
なお、本実施形態では、タイミングパルス生成回路111に複数のクロックを入力して2種類の同期信号を生成する構成としたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。全てのSSGを単一のクロック信号に基づいて動作するようにしてもよいし、異なるクロック信号に基づいて動作するようにしてもよい。また、上記の各SSGのすべてまたは一部が独立してブロックを構成してもよい。
【0039】
図4は、本実施形態における表示部114の構成を示すブロック図である。
2つの外部信号取り込み回路400は、それぞれタイミングパルス生成回路111で生成された第1の同期信号及び第2の同期信号を受信し、表示部114に入力されているクロック(不図示)で同期を取る回路である。外部信号取り込み回路400によって、外部信号を表示部114のクロックドメインで扱えるようになる。同期信号セレクタ401は、後述する図5のフローチャートに従って第1の同期信号か第2の同期信号を選択し、選択した同期信号を垂直同期信号遅延回路402へと入力する。垂直同期信号遅延回路402は、入力された同期信号を予め決められた時間だけ遅延させ、内部垂直同期信号として出力する。垂直同期信号遅延回路402によって、第3同期信号生成回路403(以下、「第3SSG」と呼ぶ。)は、同期信号セレクタ401で選択された同期信号から所定時間だけ遅延した内部垂直同期信号に同期して動作することができる。以下、内部垂直同期信号を「第3の同期信号」と呼ぶ。
【0040】
第3SSG403は、第3の同期信号に同期して、表示制御に用いられる同期信号を生成する。垂直カウンタ404(VCNT)と水平カウンタ405(HCNT)は、第3の同期信号がアサートされるとカウンタ値をリセットする。水平カウンタ405は、表示部114に入力されるクロック毎にカウントアップし、そのカウント値を水平同期信号生成回路406と第3SSG403の外部へと出力する。水平同期信号生成回路406は、水平カウンタが所定のカウント値に達すると水平同期信号を所定期間アサートする。水平同期信号は、垂直カウンタ404と、水平カウンタ405と、第3SSG403の外部と、に出力される。
【0041】
水平カウンタ405は、水平同期信号がアサートされるとカウンタ値をリセットする。水平カウンタ405と水平同期信号生成回路406をこのように制御することによって、水平同期信号は所定周期でアサートされることになる。垂直カウンタ404は、水平同期信号がアサートされるとカウンタ値を1つカウントアップする。垂直カウンタ404をこのように制御すると、垂直カウンタ404は1水平期間が終了するごとに1つカウントアップすることになる。このカウンタ値を行番号デコーダ411に入力することによって、表示パネル415の走査行を指定することができる。垂直カウンタ404と水平カウンタ405は第3の同期信号の入力によってリセットされるため、上記のような回路構成をとることで、第3SSG403を第3の同期信号に同期して動作させることができる。
【0042】
インターフェース(I/F)407は、CPU110(あるいはCPU110が制御するDMAC(Direct Memory Access Controller))と接続され、撮像素子107から読み出されたLV画像を受信し、第1バッファ408へと転送する。第1バッファ408に保存されたLV画像の画像データは、水平同期信号がアサートされると画像処理回路409へと一定量だけ転送される。この時に転送されるデータ量は、表示パネル415が1水平期間に更新するデータ量と同じになるようにする。
【0043】
画像処理回路409は、第1バッファ408から転送されたLV画像の画像データを処理し、表示に適した信号になるように加工し、列ドライバインターフェース(I/F)410に転送する。列ドライバI/F410は、第2バッファ414へとデータを送信する。列ドライバ回路413は水平カウンタ405のカウンタ値に同期しながら動作し、1水平期間中の所定のタイミングで表示パネル415の1行または複数行の表示を更新する。
【0044】
行番号デコーダ411は、垂直カウンタ404のカウンタ値を受信し、受信したカウンタ値を行番号に変換する。行番号デコーダ411で指示された行番号は行ドライバ回路412に入力され、表示パネル415の1行または複数行の画素を選択する。ここで選択された行の表示を行ドライバ回路412が更新し、以降、水平同期信号がアサートされる毎に順次行単位で表示を更新していくことによって、表示パネル415の更新走査を行う。
【0045】
なお、表示部114及びタイミングパルス生成回路111は、必ずしも本実施形態に開示された構成をとる必要はない。3つ以上の同期信号生成回路が存在し、表示部114の動作タイミングを制御する回路の同期タイミングを、前述した3つ以上の同期信号生成回路が生成する同期信号のいずれかから選択できる構成になっていれば、どのような構成をとっても構わない。
【0046】
次に、図5のフローチャートを参照して、撮影モードに応じた表示部114の表示制御について説明する。なお、このフローチャートの処理は、例えばCPU110に実装されたプログラムによって実現される。
【0047】
S100で撮影が開始されると、制御が開始される。ここで、撮影の開始は、例えば電源投入直後や、静止画モードと動画モードを切り替えたりする場合等が考えられるが、これらに限定されるものではない。続いてS101において、操作部115に含まれるモード切替ダイヤルの状態を検知し、さらにS102において、静止画モードに設定されているか動画モードに設定されているかを判定する。
【0048】
静止画モードに設定されている場合(S102でYes)、S103へと遷移し、CPU110は、表示部114に内蔵された同期信号セレクタ401が第2の同期信号を選択するように表示部114に設定する。そして、S104でLV画像の読み出しを行い、続くS105で表示部114は、第2の同期信号に同期して表示パネル415を更新する。表示パネル415を更新する方法は、例えば図4を参照して説明した方法等がある。S106では撮影が継続されているかどうかを判定する。例えば、撮影が中断されてメニュー画面に入っていた場合や電源スイッチがオフされていた場合等は、撮影を継続しないと判断し、S110へと遷移して撮影を終了する。一方、撮影を継続する場合、S102へと戻って再度撮影モードの判定を行う。
【0049】
一方、S102において動画モードに設定されていると判定された場合(S102でNo)、S107へと遷移し、CPU110は表示部114に内蔵された同期信号セレクタ401が第1の同期信号を選択するように表示部114に設定する。その後S108で動画像の読み出しを行い、続くS109で表示部114は第1の同期信号に同期して表示パネル415を更新する。
【0050】
以上、図5のフローチャートを用いて説明した方法によれば、撮影を行う場合に、撮影モードに応じて同期信号セレクタ401により同期信号を切り替えることで、表示部114の表示更新を同期する同期信号を選択することができる。
【0051】
次に、図6のタイミングチャートを参照して、モード切替ダイヤルにより撮影モードとして静止画モードが選択されている場合の撮像装置1の動作について説明する。なお、本実施形態において、記録用の静止画像の読み出しとLV表示に用いられるLV画像の読み出しは、異なる読み出し方法により画像信号が読み出されるものとする。図6中、「撮像素子のリセット走査または読み出し走査」において、一点鎖線はLV画像生成用の画像信号読み出しを、二点鎖線は静止画像生成用の画像信号読み出しを表している。また、破線は各読み出しに対応するリセット走査を表しており、垂直方向は撮像素子107の走査方向の行に対応している。さらに、図6中、「表示部の画像更新走査」において、斜めの実線は表示パネル415がLV表示を更新する走査を表し、垂直方向は表示部114の走査方向の行に対応している。
【0052】
また、前述の通り、本タイミングチャートは、モード切替ダイヤルの撮影モードが静止画モードに設定されている場合の動作を示している。そのため、同期信号セレクタ401は、第2SSG301からの第2の同期信号を選択し、第3SSG403に入力する。
【0053】
まず、時刻t100で第2の同期信号がアサートされると、撮像素子107はその第2の同期信号に同期して、LV画像生成用の画像信号の読み出し走査を開始する。時刻t101は、垂直同期信号遅延回路402による遅延処理により時刻t100から予め定められた時間差Δt1だけ経過した時刻であり、ここで第3SSG403はカウンタ値をリセットしつつ同期信号をアサートする。表示パネル415はこの第3SSG403からの同期信号に同期して画像の更新走査が開始される。
【0054】
なお、この時間差Δt1は、撮像素子107から読み出されたLV画像生成用の画像信号を表示パネル415に表示するのに適した時間差となるように定める。例えば、撮像素子107によって読み出されたLV画像生成用の画像信号がDSP108によって画像処理され、CPU110を経由してLV画像が表示部114に表示されるまでにかかる最短の時間等にすればよい。時間差Δt1がこの処理にかかる時間これよりも短い場合、時刻t100で読み出された画像信号に基づくLV画像を表示部114に表示開始するのに間に合わないため、不図示の1フレーム前に読み出されたLV画像が表示されてしまう。また、時間差Δt1がこの処理にかかる時間よりも長い場合、表示遅延が増加する。
【0055】
時刻t102では、第1SSG300から第1の同期信号がアサートされるが、静止画モードにおいては第2SSG301も第3SSG403も、第1の同期信号に同期していない。そのため、第1の同期信号は本タイミングチャートにおいて、撮像動作とも表示動作とも関係のないパルスとなる。
【0056】
LV画像生成用の画像信号の読み出しとLV画像の表示が繰り返し行われている間に、時刻t103で静止画像撮影釦が押下され、撮影開始が指示されると、レリーズタイムラグを管理するタイマーの動作が開始する。それと同時に焦点調節や露出制御等の静止画像の撮影準備が行われる。そして、その撮影準備に要する時間よりも長い時間であるレリーズタイムラグTが経過した時刻t106に第2の同期信号をアサートすることで、静止画像用のリセット走査が行われ、静止画像用の電荷蓄積が開始される。
【0057】
ここで、時刻t106の直前のタイミングで第2の同期信号がアサートされるのは時刻t104であり、時刻t104での第2の同期信号のアサートに同期した第3の同期信号がアサートされるのは時刻t105である。静止画像撮影釦が押下されるタイミングはLV画像を撮影する周期とは関係がないので、本タイミングチャートのように、LV画像の読み出しのために第2の同期信号がアサートされた時刻t104から、静止画像の蓄積開始のために第2の同期信号がアサートされる時刻t106までの間隔が短いことがある。そのような場合、第3SSG403は、時刻t104より後のタイミングでアサートされた同期信号(ここでは、時刻t106でアサートされる第2の同期信号)に対応した同期信号(タイミングとしては時刻t107にアサートされるはずだった第3の同期信号)はアサートしない。より具体的には、予め設定された表示パネル415の表示更新可能周期よりも短い時間間隔で、同期信号セレクタ401で選択された同期信号がアサートされるときは、第3SSG403のカウンタ値のリセット及び同期信号のアサートを行わないように、第3SSG403の内部で入力同期信号をマスクする。このように同期信号の制御を行うことによって、表示され始めた画像の更新を阻害することなく、表示を継続できる。
【0058】
そして、時刻t106から予め決められた電荷蓄積時間が経過すると、時刻S108において再び第2の同期信号をアサートし、静止画像生成用の画像信号の読み出し走査が開始される。この際にも、第2の同期信号の位相が変化する。
【0059】
その後、静止画像撮影釦を押下したままにすると、静止画像の連写を行う。時刻t109でLV画像生成用の画像信号の読み出しを行うと同時に、静止画像用の電荷蓄積(リセット走査)が開始される。そして時刻t110で、時刻t109で読み出しを開始したLV画像の表示を開始する。
【0060】
続く時刻t111で静止画像の読み出しを開始する。時刻t110から時刻t111の期間が静止画像の電荷蓄積時間となる。このように、静止画像の電荷蓄積時間が十分長い時には、第2の同期信号のアサート間隔が長くなる。すると、それに対応して第3の同期信号のアサート間隔も長くなり、時刻t111にアサートされた第2の同期信号のアサートに対応する第3の同期信号のアサートされるタイミングは時刻t112となる。
【0061】
以上図6のタイミングチャートを用いて説明したように、静止画モードにおいて第3SSG403を第2SSG301に同期させて動作させることによって、静止画撮影時に表示遅延を小さく保つことが可能となる。
【0062】
次に、図7のタイミングチャートを参照して、モード切替ダイヤルにより撮影モードとして動画モードが選択されている場合の撮像装置1の動作について説明する。なお、動画モードにおいては、LV画像生成用の画像信号として動画像の画像信号を用いる。動画モードでは、動画像の画像信号はそれ自体が記録されるものでもあるので、静止画像撮影釦が押下された場合でも、静止画像の撮影の都合で動画像の撮影周期を変えてしまうと、記録される動画像の品位が低下するという問題がある。そのため、動画モードにおいては、静止画像の撮影は、動画像の撮影を邪魔しないように行うことが望ましい。なお、図7において、図6のタイミングチャートで既に説明した内容に関しては説明を省略する。
【0063】
CPU110は、時刻t200において、第1の同期信号がアサートされるのと同時に第2の同期信号がアサートされるように、タイミングパルス生成回路111を制御して第2の同期信号のアサートタイミングを調整する。より具体的には、前述したように第1の同期信号のアサートタイミングと第2の同期信号のアサートタイミングの時間差を計算し、それを打ち消すように第2SSG301の設定を変更することにより、常に時間差を所定の値以下に収めることができる。時刻t200で第2の同期信号がアサートされると、そこから動画像の読み出し走査が開始される。
【0064】
モード切替ダイヤルの撮影モードは動画モード選択しているので、同期信号セレクタ401は第1の同期信号を選択している。そのため、時刻t201で第3SSG403は第1SSG300からの第1の同期信号のアサートを検知し、垂直カウンタ404及び水平カウンタ405のカウンタ値をリセットして同期信号をアサートする。このように動作させることによって、第3SSG403は第1SSG300に同期して同期信号をアサートすることができるようになる。
【0065】
時刻t202では静止画像撮影釦が押下されるが、このタイミングチャートで撮影される動画像の画像信号は、LV表示に用いられるのと同時に記録される。このように、動画像の画像信号が記録される場合は、動画像のコマ間が一定間隔であることによって動きが滑らかに見える。そのため、動画像の記録時における動画撮影のタイミングは、静止画像の撮影タイミングより重要性が高い。そのため、本タイミングチャートに示すように、動画モードにおける静止画像の撮影では、静止画像撮影釦が押下されたタイミングからのレリーズタイムラグにこだわらず、動画像の電荷蓄積時間外のタイミングで、電荷蓄積と読み出しを行う。
【0066】
静止画像撮影釦が押下された時刻t202の時点で、静止画像のリセット走査は、レリーズタイムラグTが経過した直後の第1の同期信号がアサートされる時刻t203で開始することが決まる。時刻t203では、第1の同期信号がアサートされ、それに同期した第2の同期信号がアサートされる。この第2の同期信号のアサートを受けて、動画像の読み出しと静止画像の電荷蓄積とが開始される。
【0067】
更に、静止画像撮影釦が押下された時刻t202の時点で、蓄積時間に応じて静止画像の読み出しを開始すべき時刻t204も決まる。そこで、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に、時刻t204で第2の同期信号がアサート(挿入)されるように設定し、時刻t204では、このCPU110による設定に従って、静止画像の読み出しを開始するために第2の同期信号がアサート(挿入)される。
【0068】
ここで、同期信号セレクタ401は第1SSG300からの第1の同期信号を選択しているため、時刻t204で第2の同期信号がアサートされても表示周期が変化しないため、LV画像の更新周期を一定に保つことができる。時刻t205では、再び第1の同期信号がアサートされ、それに同期した第2の同期信号もアサートされ、動画像の読み出しが始まる。時刻t206では、時刻t205でアサートされた第1の同期信号に同期して第3の同期信号がアサートされる。
【0069】
以上図7のタイミングチャートを用いて解説したように、動画モードにおいては同期信号セレクタ401が第1SSG300からの第1の同期信号を選択する。これにより、動画像のフレーム間に静止画像を撮影する場合にも、LV表示に影響を与えないようにすることができる。
【0070】
なお、本タイミングチャートで解説した同期信号の関係は一例であり、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の同期信号の周期よりも短い周期で動画像の撮影を行ってもよい。例えば、第1の同期信号が30fpsの周期でアサートされるのに対し、動画像の撮影周期を120fpsの周期にしてもよい。その場合、第3SSG403は、動画像の撮影周期と同一の周期でLV表示を更新するように同期信号を生成する。その場合であっても、第3SSG403は同期信号セレクタ401が選択した第1の同期信号に、30fpsの周期で同期して動作する。
【0071】
反対に、第1の同期信号の周期よりも長い周期で動画像の撮影を行ってもよい。その場合、第3SSG403は、第1の同期信号に同期して複数回入力される第3の同期信号に対して、入力より少ない頻度で同期するように第3の同期信号のマスクをすればよい。例えば、動画像の撮影周期が30fpsで第1の同期信号が120fps周期であったとすると、第3SSG403は第3の同期信号が4回アサートされるうち、3回をマスクする。
【0072】
以上説明したように第1の実施形態によれば、静止画モードと動画モードのそれぞれに対して、好適なタイミングで表示部114のLV表示を更新することができる。より具体的には、静止画モードにおいては表示遅延を低減させるような方法で表示を更新することができる。また動画モードにおいて静止画像を撮影する場合に、表示遅延を低減させつつも動画像としての動きの滑らかさを損なわない方法で表示を更新することができる。
【0073】
なお、上述した例では、撮影モードが静止画モードか動画モードかに基づいて制御する場合について説明したが、本発明はこれに限られるものでは無い。例えば、撮像素子107から周期的に画像信号を読み出し、読み出した画像信号を記録やLV表示等に用いている際に、静止画像の撮影指示があった場合に、静止画像の撮影を優先するかどうかに応じて制御を行うものであればよい。そして、静止画像の撮影を優先する場合には、図6に示すように、レリーズタイムラグが短くなるように、第1の同期信号に関わらず第2の同期信号を制御する。一方、静止画像の撮影を優先しない場合には、図7に示すように、周期的な画像信号の読み出しが変わらないように、第1の同期信号に基づいて第2の同期信号を制御する。更に、同期信号セレクタ401は、静止画像の撮影を優先する場合には第2の同期信号を、また、静止画像の撮影を優先しない場合には第1の同期信号を選択することにより、撮像素子107から読み出された画像信号を、できるだけ遅延無く、表示部114に表示することができる。
【0074】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。なお、図1に示す構成と同様の構成には同じ参照番号を付し、説明を省略する。本実施形態では、外部表示装置700を、図1に示された撮像装置1に接続することで、撮像装置1と外部表示装置700とが一体として動作することが可能な構成となっている。本実施形態では、そのような構成のうち、外部表示装置700に対して同期信号を入力しない構成をとることによって、単純な構成を実現した例を示す。
【0075】
外部表示装置700には、第2のCPU701が内蔵され、第2のCPU701とCPU110は接続されて通信を行うことで情報をやり取りする。第2のCPU701は、第3クロック703に基づいて動作する第2のタイミングパルス生成回路702に対して設定を行う。第2のタイミングパルス生成回路702には、第4同期信号生成回路704(以下、「第4SSG」と呼ぶ。)が内蔵されている。そして、この第4SSG704に、第3クロック703から出力される第3クロック信号CLK3が入力される。第4SSG704は、第1SSG300がアサートする同期信号と第2SSG301がアサートする同期信号の、どちらも受け付けない。そのため、第4SSG704が同期信号をアサートするタイミングと、タイミングパルス生成回路111から出力される同期信号の同期をとることはできない構成となっている。
【0076】
第2表示部705は、第4SSG704がアサートする同期信号と、第2のCPU701からの設定によって、撮像素子107から読み出された画像を表示する。このような構成においては、第4SSG704が同期信号をアサートするタイミングは、静止画像撮影釦が押下されるタイミングと無関係になっていため、画像が表示されるタイミングも、静止画撮影開始指示が通知されるタイミングとは無関係のタイミングとなる。
【0077】
この時、外部表示装置700の表示更新タイミングは、静止画撮影開始指示や動画撮影タイミングとは独立のタイミングとなるが、表示部114は本発明の第1の実施形態で示した動作をさせることで、表示遅延を低減してもよい。
【0078】
以上、本第2の実施形態で説明した方法によれば、撮像装置1と外部表示装置700の接続信号線を減らすことができる。その結果、撮影者が直接見るファインダーにおいては表示遅延を低減しつつも、それ以外の外部モニタ等には簡素なシステムで画像を表示させることが可能となる。
【0079】
また、本実施形態は、説明を簡単にするため、撮像装置1に接続される外部装置を外部表示装置としたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、動画記録装置、画像補正装置、その他様々な装置を繋げることが可能である。
<他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0080】
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0081】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0082】
1:撮像装置、107:撮像素子、108:DSP、110:CPU、111:タイミングパルス生成回路、112:第1クロック、113:第2クロック、114:表示部、115:操作部、300:第1同期信号生成回路、301:第2同期信号生成回路、400:外部信号取り込み回路、401:同期信号セレクタ、403:第3同期信号生成回路、415:表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8