IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社タムロンの特許一覧

<>
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図1
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図2
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図3
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図4
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図5
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図6
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図7
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図8
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図9
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図10
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図11
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図12
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図13
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図14
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図15
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】ズームレンズおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/16 20060101AFI20240619BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G02B15/16
G02B13/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020046679
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021148872
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 允基
(72)【発明者】
【氏名】森 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】田口 博規
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-083706(JP,A)
【文献】特開2006-065182(JP,A)
【文献】特開2007-003873(JP,A)
【文献】特開2011-112993(JP,A)
【文献】特開2014-202841(JP,A)
【文献】特開2005-148429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群、および、正の屈折力を有する第二レンズ群を有し、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行うズームレンズであって、
前記第二レンズ群は正の屈折力を有するレンズLpを有し、前記レンズLpの像側に負の屈折力を有するレンズL22を有し、前記レンズL22の像側に正の屈折力を有するレンズL23を有し、
以下の式(1)~式(4)を満足するズームレンズ。
0.85<f/f2p<1.50・・・(1)
0<f/f<3.25・・・(2)
-0.30<ΔPdt_2p<-0.10・・・(3)
1.50<Nd<2.00・・・(4)
但し、
:前記第二レンズ群の焦点距離
2p:前記レンズLpの焦点距離
:前記ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
ΔPdt_2p:前記レンズLpのd線-t線間の異常分散性
Nd:前記レンズLpのd線における屈折率
【請求項2】
物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群、正の屈折力を有する第二レンズ群、および、前記第二レンズ群の像側に正の屈折力を有するレンズ群、を有し、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行うズームレンズであって、
前記第一レンズ群の物体側から二番目の第二レンズは両凹レンズであり、かつ前記第一レンズ群は前記第二レンズの像側に空気間隔を有し、
前記第二レンズ群は正の屈折力を有するレンズLpを有し、
以下の式(1)~式(4)を満足するズームレンズ。
0.85<f /f 2p <1.50・・・(1)
0<f /f <3.25・・・(2)
-0.30<ΔPdt_2p<-0.10・・・(3)
1.50<Nd <2.00・・・(4)
但し、
:前記第二レンズ群の焦点距離
2p :前記レンズLpの焦点距離
:前記ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
ΔPdt_2p:前記レンズLpのd線-t線間の異常分散性
Nd :前記レンズLpのd線における屈折率
【請求項3】
物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群、正の屈折力を有する第二レンズ群を有し、および、前記第二レンズ群の像側に正の屈折力を有するレンズ群、を有し、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行うズームレンズであって、
前記第二レンズ群は正の屈折力を有するレンズLpと、負の屈折力を有するレンズと正の屈折力を有するレンズを貼り合わせた接合レンズと、を有し、
以下の式(1)~式(4)、式(5)および式(7)を満足するズームレンズ。
0.85<f /f 2p <1.50・・・(1)
0<f /f <3.25・・・(2)
-0.30<ΔPdt_2p<-0.10・・・(3)
1.50<Nd <2.00・・・(4)
1.80<f 2p /f <3.50・・・(5)
3.0<|f /R |<20.0・・・(7)
但し、
:前記第二レンズ群の焦点距離
2p :前記レンズLpの焦点距離
:前記ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
ΔPdt_2p:前記レンズLpのd線-t線間の異常分散性
Nd :前記レンズLpのd線における屈折率
:前記接合レンズの焦点距離
:前記接合レンズの接合面の曲率半径
【請求項4】
以下の式(5)を満足する、請求項1または2に記載のズームレンズ。
1.80<f2p/f<3.50・・・(5)
【請求項5】
前記第二レンズ群は、負の屈折力を有するレンズと正の屈折力を有するレンズを貼り合わせた接合レンズを有し、以下の式(7)を満足する、請求項1または2に記載のズームレンズ。
3.0<|f/R|<20.0・・・(7)
但し、
:前記接合レンズの焦点距離
:前記接合レンズの接合面の曲率半径
【請求項6】
前記レンズLpは、プラスチックレンズである、請求項1~5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
以下の式(6)を満足する、請求項1~のいずれか一項に記載のズームレンズ。
1.5<β2t/β2w<4.0・・・(6)
但し、
β2t:前記第二レンズ群の望遠端での横倍率
β2w:前記第二レンズ群の広角端での横倍率
【請求項8】
以下の式(8)を満足する、請求項1~のいずれか一項に記載のズームレンズ。
-2.8<f/f<-1.5・・・(8)
但し、
:前記第一レンズ群の焦点距離
【請求項9】
前記第二レンズ群に配置される少なくとも一枚の負の屈折力を有するレンズは、プラスチックレンズである、請求項1~のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載のズームレンズと、前記ズームレンズの像側に設けられた、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子と、を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、CCD(Charge Coupled Device)およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子が搭載された撮像措置は、幅広い分野で急速に普及している。このような撮像措置の例には、一眼レフカメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラおよび監視カメラが含まれる。このような普及の拡大に伴い、撮像装置における固体撮像素子に対応したレンズの需要が拡大している。
【0003】
近年、固体撮像素子の高画素化および高感度化が進んでおり、高解像で明るいレンズが求められている。また、撮像装置の小型化および普及が進んでおり、ズームレンズなどの撮像装置のレンズにも、小型、軽量化、低価格化が望まれている。さらに、人工知能および画像認識技術の進歩により、撮像装置のレンズには、昼夜を問わず撮影可能な、広い波長域で収差が補正される高い性能が求められている。
【0004】
上記のような撮像装置のレンズには、例えば、負の屈折力を有する第一レンズ群、正の屈折力を有する第二レンズ群から成り、小型かつ軽量であり、明るい良好な光学性能を有するズームレンズが知られている。このズームレンズは、広角系で小型、大口径比および高性能を実現しながら温度変化による性能の変化を抑制し、さらに低コスト化を実現することを目的として設計されている。そして、当該第二レンズ群は、異常分散性を有する樹脂レンズを有している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、ズームレンズには、負の屈折力を有する第一レンズ群、正の屈折力を有する第二レンズ群、正の屈折力を有する第三レンズ群から成り、大口径であり、かつ良好な光学性能を有する広角のズームレンズが知られている。当該第二レンズ群は、異常分散性を有する樹脂レンズを正レンズとして有している(例えば、特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-242517号公報
【文献】特開2013-134498号公報
【文献】特開2014-202841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のズームレンズは、第二レンズ群全体の正の屈折力が弱いため、小型化が困難である。特許文献2、3に記載のズームレンズは、それぞれ、樹脂レンズの正の屈折力が弱く、異常分散性を有する樹脂レンズの効果を十分に発現することができない。そのため、特許文献2、3に記載のズームレンズは、広い波長域に対する色収差を十分に補正することが困難である。また、特許文献2、3に記載のズームレンズは、それぞれ、第二レンズ群全体の正の屈折力が弱いため、小型化が困難である。
【0008】
このように、従来のズームレンズは、小型化、軽量化および高い光学特性のいずれをも十分に実現させる観点から検討の余地が残されている。
【0009】
本発明の一態様は、小型かつ軽量で高い光学性能を有するズームレンズおよび撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群、および、正の屈折力を有する第二レンズ群を有し、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行うズームレンズであって、前記第二レンズ群は正の屈折力を有するレンズLpを有し、以下の式(1)~式(4)を満足する。
0.85<f/f2p<1.50・・・(1)
0<f/f<3.25・・・(2)
-0.3<ΔPdt_2p<-0.1・・・(3)
1.50<Nd<2.00・・・(4)
但し、
:前記第二レンズ群の焦点距離
2p:前記レンズLpの焦点距離
:前記ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
ΔPdt_2p:前記レンズLpのd線-t線間の異常分散性
Nd:前記レンズLpのd線における屈折率
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る撮像装置は、上記のズームレンズと、前記ズームレンズの像側に設けられた、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、小型かつ軽量で高い光学性能を有するズームレンズおよび撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図2】実施例1のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図3】実施例1のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図4】実施例2のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図5】実施例2のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図6】実施例2のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図7】実施例3のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図8】実施例3のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図9】実施例3のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図10】実施例4のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図11】実施例4のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図12】実施例4のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図13】実施例5のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図14】実施例5のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図15】実施例5のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.ズームレンズ
1.1 光学的構成
本発明の一実施形態に係るズームレンズは、物体側から順に配置された、負の屈折力を有する第一レンズ群、正の屈折力を有する第二レンズ群を有する。また、第二レンズ群は、特定の異常分散性を有する正レンズを有する。このため、当該ズームレンズは、広い波長域において色収差が補正された像を撮像することができ、また小型かつ軽量である。
【0015】
なお、本明細書中において、「レンズ群」とは、変倍動作において連動するレンズの集合を意味する。レンズ群は、単一のレンズにより構成されていてもよいし、複数のレンズにより構成されていてもよい。レンズ群におけるレンズは、変倍動作において、相対的な位置関係を保ったまま移動する。変倍動作は、レンズ群間の間隔を変化させることによって行われ、同一のレンズ群に属するレンズ間の間隔は、変倍動作において変化しない。
【0016】
また、本明細書中において、レンズとは、一枚の単レンズだけでなく、空気間隔を介することなく複数の単レンズを一体化した接合レンズであってもよいし、一枚の単レンズと樹脂とを、空気間隔を介することなく一体化した複合レンズであってもよい。
【0017】
さらに、本明細書中において、正の屈折力を有するレンズを「正レンズ」とも言い、負の屈折力を有するレンズを「負レンズ」とも言う。
【0018】
(1)第一レンズ群
第一レンズ群は、当該ズームレンズにおいて最も物体側に配置されるレンズ群であり、負の屈折力を有する。第一レンズ群は、全体で負の屈折力を有していればよく、少なくとも一つの負レンズを有していればよい。第一レンズ群におけるレンズの構成は、全体で負の屈折力を有する範囲において適宜に決めることが可能である。
【0019】
(2)第二レンズ群
第二レンズ群は、第一レンズ群の像側に配置されるレンズ群であり、正の屈折力を有する。第二レンズ群は、全体で正の屈折力を有していればよく、少なくとも一つのレンズLpを有していればよい。レンズLpは、正の屈折力を有し、後述する条件を満足することが好ましい。第二レンズ群は、色収差を良好に補正する観点から、レンズLpを二つ以上有することがより好ましい。第二レンズ群におけるレンズの構成は、全体で正の屈折力を有する範囲において適宜に決めることが可能である。
【0020】
レンズLpは、プラスチックレンズであることが好ましい。上記レンズLpとしてプラスチックレンズを有することは、諸収差を適切に補正する観点、コストを抑える観点、および、第二レンズ群の軽量化の観点、から好ましい。当該プラスチックレンズが非球面レンズであることは、低コスト化および効果的な収差補正を実現する観点から好ましい。
【0021】
また、第二レンズ群は、負レンズを有していてもよく、第二レンズ群中の少なくとも一枚の負レンズがプラスチックレンズであることが好ましい。当該負レンズがプラスチックレンズであることは、低コスト化の観点、および、第二レンズ群の軽量化の観点、から有利である。また、当該プラスチックレンズは非球面レンズであることは、低コスト化および効果的な収差補正を実現する観点から好ましい。さらに、第二レンズ群中の少なくとも一枚の負レンズがプラスチックレンズであることは、特に、効果的なペッツバール和の補正を実現する観点から好ましい。
【0022】
(3)フォーカス群
当該ズームレンズは、フォーカス群を有していてもよい。フォーカス群は、無限遠から近接物体への合焦を行う場合、ズームレンズの光軸方向に移動する少なくとも一つのレンズによって構成される。フォーカス群は、合焦のために光軸方向に移動するレンズ群全体であってもよいし、当該ズームレンズ中における、合焦のために光軸方向に移動する少なくとも一つのレンズであってもよい。合焦時におけるフォーカス群の位置および屈折力は限定されない。
【0023】
(4)絞り
当該ズームレンズは、絞りを有していてもよい。ここで言う「絞り」とは、当該ズームレンズの光束径を規定する絞り、すなわち当該ズームレンズのFナンバーを規定する絞りである。ズームレンズにおける当該絞りの配置は、限定されない。
【0024】
(5)レンズ群構成
当該ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群と、正の屈折力を有する第二レンズ群とを有する。本実施形態のズームレンズは、本実施形態の効果が得られる範囲において、第一レンズ群および第二レンズ群以外の他のレンズ群をさらに有していてもよい。当該ズームレンズにおけるレンズ群の配置は、前述した第一レンズ群と第二レンズ群との位置関係を満足する範囲において、適宜に決めることが可能である。たとえば、上記の他のレンズ群は、第二レンズ群よりも像側に位置していてよい。他のレンズ群は、一つでもよいし、それ以上でもよい。
【0025】
また、本実施形態のズームレンズは、本実施形態の効果が得られる範囲において、前述したレンズ群および絞り以外の他の光学要素をさらに有していてもよい。当該他の光学要素は、一つでもよいし、それ以上でもよい。当該他の光学要素の例には、フィルタが含まれる。フィルタは、本実施形態において所期の光学特性を発現する範囲において、適宜に選ぶことが可能である。
【0026】
1-2.動作
(1)変倍時の動作
本実施形態のズームレンズは、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行う。「隣り合うレンズ群間の間隔を変化させる」とは、隣り合うレンズ群間の空気間隔を変化させることを意味する。変倍では、広角端から望遠端までの間において、第一レンズ群および第二レンズ群は、両レンズ群間の空気間隔が減少するように相対的に移動することが、所望の変倍比を実現する観点から好ましい。
【0027】
また、当該ズームレンズは、前述した他のレンズ群をさらに有し、当該他のレンズ群の広角端の位置と望遠端の位置とを結ぶ当該他のレンズの軌道が、像側に向かった後に物体側に向かう形状を含んでもよい。たとえば、ズームレンズが、第二レンズ群よりも像側に配置される他のレンズ群を有し、当該他のレンズ群が上記の形状の軌道を有していてもよい。この構成は、中間焦点距離における像面性を高める観点から好ましい。
【0028】
(2)合焦時の動作
当該ズームレンズにおいて、合焦は、前述したフォーカス群によって実施することが可能である。無限遠から近接物体への合焦の際に移動するフォーカス群は、前述したように如何なるレンズまたはレンズ群であってもよい。また、合焦時におけるフォーカス群の移動の方向は限定されない。
【0029】
1-3.ズームレンズの条件を表す式
本実施形態に係るズームレンズは、上述した構成を採用するとともに、次に説明する式を一つ以上満足することが好ましい。
【0030】
式(1)は、第二レンズ群の焦点距離と、第二レンズ群中に配置されたレンズLpの焦点距離との比を規定している。
0.85<f/f2p<1.50・・・(1)
但し、
:第二レンズ群の焦点距離
2p:レンズLpの焦点距離
【0031】
式(1)を満足することは、第二レンズ群中に含まれる正レンズの焦点距離を適切に設定する観点から好ましく、第二レンズ群で発生する球面収差および軸上色収差を適切に補正する観点から好ましい。
【0032】
/f2pが式(1)の下限を下回る場合では、第二レンズ群中に含まれる正レンズの焦点距離が短くなりすぎることがある。そのため、第二レンズ群で発生する球面収差および軸上色収差が増大し、良好な光学性能を得ることが困難となることがある。f/f2pが式(1)の上限を上回る場合では、第二レンズ群中に含まれる正レンズの焦点距離が長くなりすぎることがある。そのため、第二レンズ群で発生する球面収差および軸上色収差の補正が不十分となるとともに、ズームレンズの小型化が困難となることがある。
【0033】
良好な光学性能を得る観点から、f/f2pは、0.87超であることがより好ましく、0.89超であることがさらに好ましい。また、良好な光学性能を実現する観点およびズームレンズの小型化の観点から、f/f2pは、1.45未満であることがより好ましく、1.40未満であることがより好ましい。
【0034】
式(2)は、第二レンズ群の焦点距離と、ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の焦点距離との比を規定している。
0<f/f<3.25・・・(2)
但し、
:第二レンズ群の焦点距離
:ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
【0035】
式(2)を満足することは、第二レンズ群の焦点距離を適切に設定し、第二レンズ群で発生する球面収差、非点収差および軸上色収差を適切に補正する観点から好ましい。
【0036】
/fが式(2)の下限を下回る場合では、第二レンズ群の焦点距離が短くなりすぎることがある。そのため、第二レンズ群で発生する球面収差、非点収差および軸上色収差が増大し、良好な光学性能を得ることが困難となることがある。f/fが式(2)の上限を上回る場合では、第二レンズ群の焦点距離が長くなりすぎることがある。そのため、第二レンズ群で発生する球面収差、非点収差および軸上色収差の補正が不十分となるとともに、ズームレンズの小型化が困難となることがある。
【0037】
良好な光学性能を得る観点から、f/fは、1.00超であることがより好ましく、1.50超であることがさらに好ましく、2.00超であることがより一層好ましい。また、良好な光学性能を実現する観点およびズームレンズの小型化の観点から、f/fは、3.00未満であることがより好ましく、2.80未満であることがさらに好ましい。
【0038】
式(3)は、第二レンズ群に含まれるレンズLpのd線とt線に対する異常分散性を規定している。
-0.30<ΔPdt_2p<-0.10・・・(3)
但し、
ΔPdt_2p:レンズLpのd線-t線間の異常分散性
【0039】
ここで、「d線-t線間の異常分散性」とは、縦軸をd線-t線間の部分分散比、横軸をアッベ数vdとし、C7(d線-t線間の部分分散比:1.1337、vd:60.49)およびF2(d線-t線間の部分分散比:1.0009、vd:36.30)の座標を通る直線を基準線としたときの、レンズLpのアッベ数に対応する基準線上の点とレンズLpの部分分散比との偏差を表す。
【0040】
式(3)を満足することは、第二レンズ群においてd線からC線までの可視光域はもちろん、C線からt線までの近赤外域も含めた広波長域にわたる軸上色収差および倍率色収差を補正する観点から好ましい。
【0041】
ΔPdt_2pが式(3)の下限を下回る場合では、第二レンズ群に含まれる正レンズの異常分散性の絶対値が大きくなりすぎることがある。そのため、t線を含む波長域での色収差の補正が過剰になり、d線からt線までの波長域の光に対して良好な光学性能を得ることが困難となることがある。ΔPdt_2pが式(3)の上限を上回る場合では、第二レンズ群に含まれる正レンズの異常分散性の絶対値が小さくなりすぎることがある。そのため、t線を含む波長域で色収差が大きくなり、d線からt線までの波長域の光に対して良好な光学性能を得ることが困難となることがある。
【0042】
ΔPdt_2pの値は、上記のような広い波長域で色収差が適切に補正される範囲において、式(3)で示される範囲から適宜に決めることが可能である。
【0043】
式(4)は、レンズLpのd線に対する屈折率を規定している。
1.50<Nd<2.00・・・(4)
但し、
Nd:レンズLpのd線における屈折率
【0044】
式(4)を満足することは、第二レンズ群中に含まれるレンズLpのd線に対する屈折率を適切に設定する観点から好ましく、第二レンズ群で発生する球面収差および軸上色収差を適切に補正する観点から好ましい。
【0045】
Ndが式(4)の下限を下回る場合では、第二レンズ群で発生する球面収差の補正が不十分となるとともに、ズームレンズの小型化が困難となることがある。Ndが式(4)の上限を上回る場合では、第二レンズ群で発生する軸上色収差が増大し、良好な光学性能を得ることが困難となることがある。
【0046】
Ndの値は、第二レンズ群で発生する球面収差および軸上色収差が適切に補正される範囲において、式(4)で示される範囲から適宜に決めることが可能である。
【0047】
式(5)は、第二レンズ群に配置されたレンズLpの焦点距離と、ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離との比を規定している。
1.80<f2p/f<3.50・・・(5)
但し、
2p:レンズLpの焦点距離
:ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
【0048】
式(5)を満足することは、第二レンズ群中に含まれる正レンズの焦点距離を適切に設定する観点から好ましく、主に第二レンズ群で発生する球面収差を適切に補正する観点から好ましい。
【0049】
2p/fが式(5)の下限を下回る場合では、第二レンズ群で発生する球面収差の補正が不十分となるとともに、ズームレンズの小型化が困難となることがある。f2p/fが式(5)の上限を上回る場合では、第二レンズ群で発生する球面収差が増大することがある。そのため、全系における球面収差の補正が過剰となってしまい、良好な光学性能を得ることが困難となることがある。
【0050】
2p/fは、第二レンズ群で発生する球面収差を適切に補正する観点、および、ズームレンズの小型化の観点から、2.00超であることがより好ましく、2.20超であることがさらに好ましい。また、f2p/fは、全系における球面収差を適切に補正する観点から、3.30未満であることがより好ましく、3.10未満であることがさらに好ましい。
【0051】
式(6)は、広角端における第二レンズ群の横倍率に対する望遠端における第二レンズ群の横倍率を規定している。
1.5<β2t/β2w<4.0・・・(6)
但し、
β2t:第二レンズ群の望遠端での横倍率
β2w:第二レンズ群の広角端での横倍率
【0052】
式(6)を満足することは、第二レンズ群の広角端から望遠端における適切な変倍比を実現する観点、ズームレンズの小型化の観点、および、変倍時の収差変動を抑制する観点、から好ましい。
【0053】
β2t/β2wが式(6)の下限を下回る場合では、第二レンズ群を移動させることによって得られる変倍比が小さくなり、ズームレンズの小型化が困難となることがある。β2t/β2wが式(6)の上限を上回る場合では、第二レンズ群を移動させることにより得られる変倍比が大きくなり、ズームレンズの小型化は容易となる。しかしながら、変倍時の収差変動が増大し、全ズーム領域にわたり高い光学性能を得ることが困難になることがある。
【0054】
β2t/β2wは、全ズーム領域にわたり高い光学性能を得る観点から、3.80未満であることがより好ましく、3.60未満であることがさらに好ましい。なお、β2t/β2wの下限は、所望の変倍比を実現する観点、および、ズームレンズの小型化の観点から、式(6)で示される範囲から適宜に決めることが可能である。
【0055】
式(7)は、第二レンズ群内に配置された接合レンズの焦点距離と、当該接合レンズの接合面の曲率半径との比を規定している。
3.0<|f/R|<20.0・・・(7)
但し、
:上記接合レンズの焦点距離
:上記接合レンズの接合面の曲率半径
【0056】
式(7)を満足することは、第二レンズ群中に含まれる接合レンズの焦点距離と当該接合レンズの接合面の曲率半径とを適切に設定する観点から好ましく、主に第二レンズ群で発生する色収差を適切に補正する観点から好ましい。
【0057】
|f/R|が式(7)の下限を下回る場合では、第二レンズ群中の接合レンズにおける接合面の曲率半径が大きくなりすぎ、そのため、当該接合面のパワーが弱くなることがある。よって、第二レンズ群で発生する軸上色収差および倍率色収差の補正が不十分となり、良好な光学性能を得ることが困難となることがある。|f/R|が式(7)の上限を上回る場合には、第二レンズ群中の接合レンズにおける接合面の曲率半径が小さくなりすぎ、そのため、接合面のパワーが強くなることがある。よって、第二レンズ群で発生する軸上色収差および倍率色収差が増大し、良好な光学性能を得ることが困難となることがある。
【0058】
|f/R|は、第二レンズ群で発生する軸上色収差および倍率色収差を適切に補正する観点から、3.50超であることがより好ましく、4.00超であることがさらに好ましい。また、|f/R|は、第二レンズ群で発生する軸上色収差および倍率色収差を適切に補正する観点から、15.0未満であることがより好ましく、10.0未満であることがさらに好ましい。
【0059】
式(8)は、ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離に対する第一レンズ群の焦点距離を規定している。
-2.8<f/f<-1.5・・・(8)
但し、
:第一レンズ群の焦点距離
:ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
【0060】
式(8)を満足することは、第一レンズ群の適切な焦点距離を実現する観点、ズームレンズの主に広角化の観点、ズームレンズの小型化の観点、ならびに、コマ収差および像面湾曲を適切に補正する観点、から好ましい。
【0061】
/fが式(8)の下限を下回る場合では、第一レンズ群の屈折力が弱くなり過ぎ、ズームレンズの広角化および小型化が困難になることがある。f/fが式(8)の上限を上回る場合では、第一レンズ群の屈折力が強くなりすぎ、コマ収差および像面湾曲の補正が困難となることがある。
【0062】
/fは、ズームレンズの広角化および小型化の観点から、-2.50超であることがより好ましく、-2.20超であることがさらに好ましい。また、f/fは、コマ収差および像面湾曲を適切に補正する観点から、-1.60未満であることがより好ましく、-1.70未満であることがさらに好ましい。
【0063】
2.撮像装置
次に、本発明の一実施形態に係る撮像装置について説明する。当該撮像装置は、上記実施形態に係るズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備える。当該撮像素子は、当該ズームレンズの像面側に設けられている。
【0064】
ここで、撮像素子は、限定されず、CCDセンサおよびCMOSセンサなどの固体撮像素子であってよい。本実施形態に係る撮像装置は、デジタルカメラおよびビデオカメラなどの、上記の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラおよびミラーレス一眼カメラなどのレンズ交換式の撮像装置であってもよい。特に、本実施形態に係るズームレンズは、交換レンズシステムに好適なバックフォーカスを確保することができる。そのため、光学式ファインダー、位相差センサおよびこれらに光を分岐するためのリフレックスミラーなどを備えた一眼レフカメラなどの撮像装置に好適である。
【0065】
図16は、本実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。図16に示されるように、ミラーレス一眼カメラ1は、本体2および本体2に着脱可能な鏡筒3を有している。ミラーレス一眼カメラ1は、撮像装置の一態様である。
【0066】
鏡筒3は、ズームレンズ30を有している。ズームレンズ30は、第一のレンズ群31、第二のレンズ群32および第三のレンズ群33を備えている。ズームレンズ30は、例えば、第一レンズ群31および第二レンズ群32が少なくとも前述した式(1)~(4)を満足するように構成されている。なお、第一レンズ群31と第二レンズ群32との間には、絞り34が配置されている。
【0067】
第一レンズ群31は負の屈折力を有しており、第二レンズ群32は正の屈折力を有しており、第三レンズ群33は負の屈折力を有している。第二レンズ群32は、正の屈折力を有する前述のレンズLpを有している。
【0068】
本体2は、撮像素子としてのCCDセンサ21およびカバーガラス22を有している、CCDセンサ21は、本体2中における、本体2に装着された鏡筒3内のズームレンズ30の光軸OAが中心軸となる位置に配置されている。
【0069】
本実施形態に係る撮像装置は、撮像素子により取得した撮像画像データを電気的に加工して、撮像画像の形状を変化させる画像処理部、ならびに、当該画像処理部において撮像画像データを加工するために用いる画像補正データおよび画像補正プログラムなどを保持する画像補正データ保持部、などを有することがより好ましい。
【0070】
ズームレンズを小型化した場合、結像面において結像された撮像画像形状の歪み(歪曲)が生じやすくなる。その際、撮像画像形状の歪みを補正することが好ましい。当該補正は、例えば、画像補正データ保持部に予め撮像画像形状の歪みを補正するための歪み補正データを保持させておき、上記画像処理部において、画像補正データ保持部に保持された歪み補正データを用いることによって実施することができる。このような撮像装置によれば、ズームレンズの小型化をより一層図ることができ、秀麗な撮像画像を得るとともに、撮像装置全体の小型化を図ることができる。
【0071】
さらに、本実施形態に係る撮像装置において、上記画像補正データ保持部に予め倍率色収差補正データを保持させておくことが好ましい。また、上記画像処理部において、画像補正データ保持部に保持された倍率色収差補正データを用いて、当該撮像画像の倍率色収差補正を行わせることが好ましい。画像処理部により、倍率色収差、すなわち、色の歪曲収差を補正することで、光学系を構成するレンズ枚数を削減することが可能になる。そのため、このような撮像装置によれば、ズームレンズの小型化をより一層図ることができ、秀麗な撮像画像を得るとともに、撮像装置全体の小型化を図ることができる。
【0072】
本発明は、上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例
【0073】
本発明の実施例について以下に説明する。なお、以下の各表において、長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。
【0074】
[実施例1]
図1は、実施例1のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。実施例1のレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群G1と、正の屈折力を有する第二レンズ群G2と、正の屈折力を有する第三レンズ群G3とから構成される。第二レンズ群G2の最も物体側には絞りSが配置されている。第三レンズ群G3と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置される。第二レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ(レンズLp)、負の屈折力を有するレンズ、および、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズとの接合レンズ、が配置されて構成されている。
【0075】
実施例1のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。図中、各レンズ群の下に示される矢印は、広角端から中間焦点距離状態を経て望遠端へ移動する際の各レンズ群の移動の軌跡を示している。広角端から望遠端への変倍において、第一レンズ群G1は、光軸方向に固定される。第二レンズ群G2は、物体側に漸次移動する。第三レンズ群G3は、像側に移動した後に物体側に移動する。より具体的には、第二レンズ群G2が物体側に上記のように移動することにより変倍が実行され、第三レンズ群G3が上記のように移動することにより、変倍による焦点位置の補正および合焦が実行される。
【0076】
次に、ズームレンズの具体的数値を適用した例について説明する。表1は、実施例1のズームレンズの面データの表である。
【0077】
表中、「r」は曲率半径、「d」はレンズ厚またはレンズ間隔を表す。また、「Nd」はd線(波長λ=587.56nm)に対する屈折率、「vd」はd線に対するアッベ数を表す。さらに、「ΔPdt」は、d線とt線に関する、アッベ数に対応する基準線上の点と部分分散比との偏差を表す。より詳しくは、「ΔPdt」は、縦軸をd線-t線間の部分分散比、横軸をアッベ数vdとし、C7(d線-t線間の部分分散比:1.1337、vd:60.49)およびF2(d線-t線間の部分分散比:1.0009、vd:36.30)の座標を通る直線を基準線としたときの、あるレンズのアッベ数に対応する基準線上の点と当該レンズの部分分散比との偏差を表している。
【0078】
また、表中の印「*」は、非球面レンズであることを示しており、「S」は絞りを表している。「INF」は無限大を意味する。「d」の欄における「D(6)」などの表示は、レンズ面の光軸上の間隔が変倍時又は合焦時に変化する可変間隔であることを表している。
【0079】
表1において、面番号1~6は第一レンズ群G1のレンズの面番号であり、面番号7~13は第二レンズ群G2のレンズの面番号である。面番号7は、絞りを表すとともに、第二レンズ群G2の最も物体側のレンズの面を表す。面番号14、15は第三レンズ群G3のレンズの面番号である。面番号16、17はカバーガラスを表し、面番号18は像面を表す。
【0080】
[表1]レンズの面データ
面番号 r d Nd vd ΔPdt
1 12.350 0.700 2.00331 28.32
2 4.241 3.389
3 * -8.077 0.650 1.53504 55.71
4 * 10.876 0.400
5 13.346 1.559 1.94594 17.98
6 -258.962 D(6)
7 *S 4.654 2.524 1.53504 55.71 -0.13
8 * -91.497 0.150
9 * 4.051 0.600 1.61502 25.92
10 * 3.043 1.055
11 14.284 2.650 1.49700 81.61
12 -3.573 0.500 1.84666 23.78
13 -6.863 D(13)
14 * 20.188 1.469 1.53504 55.71
15 * -100.000 D(15)
16 INF 0.710 1.51633 64.14
17 INF 0.500
18 INF
【0081】
表2は、実施例1のズームレンズの各種データを示す。表2中、「F」は無限遠合焦時におけるズームレンズの焦点距離、「FNo」はFナンバー、「ω」は半画角、「Y」は像高、をそれぞれ表す。
【0082】
[表2]各種データ
広角端 望遠端
F 3.1000 7.2000
FNo 2.06 3.19
ω 65.9 27.1
Y 3.4000 3.4000
D(6) 7.9134 0.8000
D(13) 1.0853 3.9675
D(15) 3.0732 7.3044
【0083】
表3は、実施例1のズームレンズの非球面データを示す。非球面レンズにおける非球面形状は、光軸に垂直な高さをH、面頂を原点としたときの高さHにおける光軸方向の変位量をX(H)、近軸曲率半径をR、円錐係数(コーニック係数)をk、2次、4次、6次、8次、10次、12次、14次の非球面係数をそれぞれA、B、C、D、E、F、Gとするとき、以下に示す式により表される。また、表3中、「E-a」は「×10-a」を示す。
【0084】
【数1】
【0085】
[表3]非球面データ
k A B C D E
3 0 0.00000E+00 -1.34231E-04 2.91731E-05 -3.17502E-06 8.79015E-08
4 0 0.00000E+00 -6.55936E-04 4.47569E-05 -4.85539E-06 2.04348E-07
7 0 0.00000E+00 -4.41251E-05 1.01065E-04 -1.36958E-05 1.25568E-06
8 0 0.00000E+00 2.94274E-03 2.43504E-05 -3.40187E-05 4.82792E-06
9 0 0.00000E+00 -3.19738E-03 6.71729E-05 -7.76154E-05 7.07428E-06
10 0 0.00000E+00 -6.46741E-03 5.99391E-05 -9.33305E-05 5.50843E-06
14 0 0.00000E+00 5.87296E-04 -5.94224E-05 6.43191E-06 -2.49953E-07
15 0 0.00000E+00 7.23970E-04 -8.82632E-05 9.19860E-06 -3.57017E-07
【0086】
表4は、実施例1のレンズ群データを示す。レンズ群データは、ズームレンズを構成する各レンズ群における、始面の面番号と終面の面番号および、焦点距離を示している。
【0087】
[表4]レンズ群データ
レンズ群 始面-終面 焦点距離
G1 1-6 -5.10
G2 8-13 7.94
G3 14-15 31.53
【0088】
図2は、実施例1のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。図3は、実施例1のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。各図に示す縦収差図は、図面に向かって左側から順に、それぞれ球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)である。
【0089】
球面収差を表す図では、縦軸を開放F値との割合とし、横軸をデフォーカスとしている。球面収差を表す図では、点線がg線(波長λ=435.84nm)、実線がd線(波長λ=587.56nm)、破線がC線(波長λ=656.27nm)、二点鎖線が近赤外線(波長λ=850nm)における縦収差を示している。
【0090】
非点収差を表す図では、縦軸を像高(mm)とし、横軸をデフォーカスとしている。非点収差を表す図では、実線がd線に対するサジタル像面(S)、点線がd線に対するメリジオナル像面(T)を示す。
【0091】
歪曲収差を表す図では、縦軸を像高(mm)とし、横軸を%としている。
【0092】
[実施例2]
図4は、実施例2のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。実施例2のレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群G1と、正の屈折力を有する第二レンズ群G2と、正の屈折力を有する第三レンズ群G3とから構成される。第二レンズ群G2の最も物体側には絞りSが配置されている。第三レンズ群G3と像面IMGとの間にはカバーガラスCGが配置される。第二レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ(レンズLp)と、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズの接合レンズから構成されている。
【0093】
実施例2のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。図中、各レンズ群の下に示される矢印は、広角端から中間焦点距離状態を経て望遠端へ移動する際の各レンズ群の移動の軌跡を示している。広角端から望遠端への変倍において、第一レンズ群G1は、光軸方向に固定される。第二レンズ群G2は、物体側に漸次移動する。第三レンズ群G3は、像側に移動した後に物体側に移動する。より具体的には、第二レンズ群G2が物体側に上記のように移動することにより変倍が実行され、第三レンズ群G3が上記のように移動することにより、変倍による焦点位置の補正および合焦が実行される。
【0094】
次に、ズームレンズの具体的数値を適用した例について説明する。表5は、実施例2のズームレンズの面データの表である。表5において、面番号1~6は第一レンズ群G1のレンズの面番号であり、面番号7~13は第二レンズ群G2のレンズの面番号である。面番号7は、絞りを表すとともに、第二レンズ群G2の最も物体側のレンズの面を表す。面番号14、15は第三レンズ群G3のレンズの面番号である。面番号16、17はカバーガラスを表し、面番号18は像面を表す。
【0095】
[表5]レンズ面のデータ
面番号 r d Nd vd ΔPdt
1 12.250 0.700 2.00331 28.32
2 4.199 3.330
3 * -8.333 0.650 1.53504 55.71
4 * 12.465 0.400
5 15.505 1.549 1.94594 17.98
6 -80.179 D( 6)
7 *S 4.651 2.076 1.53504 55.71 -0.13
8 * 60.136 0.481
9 * 3.741 0.600 1.61502 25.92
10 * 3.046 1.088
11 12.248 2.654 1.49700 81.61
12 -3.618 0.500 1.84666 23.78
13 -7.635 D(13)
14 * 15.838 1.690 1.53504 55.71
15 * -100.000 D(15)
16 INF 0.210 1.51633 64.14
17 INF 0.500
18 INF
【0096】
表6は、実施例2のズームレンズの各種データを示す。表7は、実施例2のズームレンズ非球面データを表す。表8は、実施例2のレンズ群データを示している。
【0097】
[表6]各種データ
広角端 望遠端
F 3.1000 7.2000
FNo 2.04 3.13
ω 64.0 27.2
Y 3.4000 3.4000
D(6) 7.6572 0.8000
D(13 1.1693 3.1536
D(15) 3.3182 8.1910
【0098】
[表7]非球面データ
k A B C D E
3 0 0.00000E+00 1.58546E-06 2.12431E-05 -2.21358E-06 5.58826E-08
4 0 0.00000E+00 -6.15279E-04 2.20357E-05 -2.39687E-06 8.47808E-08
7 0 0.00000E+00 -2.19822E-04 1.00377E-04 -1.54857E-05 1.31761E-06
8 0 0.00000E+00 8.32574E-04 1.60018E-04 -3.42808E-05 3.26649E-06
9 0 0.00000E+00 -1.76222E-03 -1.54167E-04 -5.34051E-05 4.11036E-06
10 0 0.00000E+00 -2.17085E-03 -3.53127E-04 -6.23940E-05 3.58417E-06
14 0 0.00000E+00 5.68322E-04 -5.03466E-05 6.81135E-06 -1.88190E-07
15 0 0.00000E+00 7.12204E-04 -6.45281E-05 7.26635E-06 -1.62313E-07
【0099】
[表8]レンズ群データ
レンズ群 始面-終面 焦点距離
G1 1-6 -5.36
G2 8-13 8.13
G3 14-15 25.68
【0100】
図5は、実施例2のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。図6は、実施例2のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【0101】
[実施例3]
図7は、実施例3のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。実施例3のレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群G1と、正の屈折力を有する第二レンズ群G2と、正の屈折力を有する第三レンズ群G3とから構成される。第二レンズ群G2の最も物体側には絞りSが配置されている。第三レンズ群G3と像面IMGとの間にはカバーガラスCGが配置される。第二レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ(レンズLp)と、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズの接合レンズから構成されている。
【0102】
実施例3のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。図中、各レンズ群の下に示される矢印は、広角端から中間焦点距離状態を経て望遠端へ移動する際の各レンズ群の移動の軌跡を示している。広角端から望遠端への変倍において、第一レンズ群G1は、光軸方向に固定される。第二レンズ群G2は、物体側に漸次移動する。第三レンズ群G3は、像側に移動した後に物体側に移動する。より具体的には、第二レンズ群G2が物体側に上記のように移動することにより変倍が実行され、第三レンズ群G3が上記のように移動することにより、変倍による焦点位置の補正および合焦が実行される。
【0103】
次に、ズームレンズの具体的数値を適用した例について説明する。表9は、実施例3のズームレンズの面データの表である。表9において、面番号1~6は第一レンズ群G1のレンズの面番号であり、面番号7~13は第二レンズ群G2のレンズの面番号である。面番号7は、絞りを表すとともに、第二レンズ群G2の最も物体側のレンズの面を表す。面番号14、15は第三レンズ群G3のレンズの面番号である。面番号16、17はカバーガラスを表し、面番号18は、像面を表す。
【0104】
[表9]レンズの面データ
面番号 r d Nd vd ΔPdt
1 14.860 0.700 2.00331 28.32
2 4.180 3.240
3 * -14.033 0.650 1.53504 55.71
4 * 6.788 0.400
5 12.120 1.610 1.94594 17.98
6 -149.900 D(6)
7 *S 4.635 2.520 1.53504 55.71 -0.13
8 * -7.846 0.100
9 * 5.286 0.600 1.61609 25.79
10 * 2.944 1.120
11 -1075.300 2.520 1.49700 81.61
12 -3.250 0.500 1.85478 24.80
13 -6.000 D(13)
14 * 16.590 1.900 1.53504 55.71
15 * -80.000 D(15)
16 INF 0.800 1.51633 64.14
17 INF 1.519
18 INF
【0105】
表10は、実施例3のズームレンズの各種データを示す。表11は、実施例3のズームレンズ非球面データを表す。表12は、実施例3のレンズ群データを示している。
【0106】
[表10]各種データ
広角端 望遠端
F 3.0000 6.9690
FNo 2.0719 3.1174
ω 68.0 28.1
Y 3.400 3.400
D(6) 7.402 0.603
D(13) 0.963 2.6312
D(15) 2.938 8.070
【0107】
[表11]非球面データ
k A B C D E
3 0 0.00000E+00 -4.40682e-03 5.89606e-04 -4.50110e-05 1.37059e-06
4 0 0.00000E+00 -5.26205e-03 6.36316e-04 -5.12937e-05 1.68395e-06
7 0 0.00000E+00 -5.45898e-04 -5.52899e-05 -3.32593e-06 2.15720e-07
8 0 0.00000E+00 4.21906e-03 -3.69892e-04 2.40970e-05 -5.05537e-07
9 0 0.00000E+00 -1.09461e-02 1.65307e-03 -1.44489e-04 7.34208e-06
10 0 0.00000E+00 -1.86790e-02 2.42790e-03 -2.73409e-04 1.19781e-05
14 0 0.00000E+00 5.03710e-04 -3.36589e-05 5.61529e-06 -1.49835e-07
15 0 0.00000E+00 5.10712e-04 -4.51321e-05 6.17581e-06 -1.39098e-07
【0108】
[表12]レンズ群データ
レンズ群 始面-終面 焦点距離
G1 1-6 -4.9356
G2 7-13 7.7848
G3 14-15 20.6753
【0109】
図8は、実施例3のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。図9は、実施例3のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【0110】
[実施例4]
図10は、実施例4のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。実施例4のレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群G1と、正の屈折力を有する第二レンズ群G2と、負の屈折力を有する第三レンズ群G3と、正の屈折力を有する第四レンズ群G4とから構成される。第一レンズ群G1と第二レンズ群G2との間には、絞りSが配置されている。第四レンズ群G4と像面IMGとの間にはカバーガラスCGが配置される。第二レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズ(レンズLp)と、負の屈折力を有するレンズと正の屈折力を有するレンズの接合レンズから構成されている。
【0111】
実施例4のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。図中、各レンズ群の下に示される矢印は、広角端から中間焦点距離状態を経て望遠端へ移動する際の各レンズ群の移動の軌跡を示している。広角端から望遠端への変倍において、第一レンズ群G1および第三レンズ群G3は、いずれも光軸方向に固定される。第二レンズ群G2は、物体側に漸次移動する。第四レンズ群G4は、像側に移動した後に物体側に移動する。より具体的には、第二レンズ群G2が物体側に上記のように移動することにより変倍が実行され、第四レンズ群G4が上記のように移動することにより、変倍による焦点位置の補正および合焦が実行される。
【0112】
次に、ズームレンズの具体的数値を適用した例について説明する。表13は、実施例4のズームレンズの面データの表である。表13において、面番号1~6は第一レンズ群G1のレンズの面番号であり、面番号7は絞りを表す。面番号8~12は第二レンズ群G2のレンズの面番号であり、面番号13、14は第三レンズ群G3のレンズの面番号である。面番号15、16は第四レンズ群G4のレンズの面番号である。面番号17、18はカバーガラスを表し、面19は像面を表す。
【0113】
[表13]レンズの面データ
面番号 r d Nd vd ΔPdt
1 28.7288 0.7000 1.81600 46.62
2 3.6548 3.0828
3 * -6.7640 0.6500 1.53504 55.71
4 * 160.3017 0.1000
5 512.8509 1.4251 2.05090 26.94
6 -13.7091 D(6)
7 S INF 0.0000
8 * 4.8414 2.3189 1.53504 55.71 -0.13
9 * -515.0198 0.8417
10 20.3251 0.5000 1.80610 33.27
11 4.1131 2.2610 1.49700 81.61
12 -8.4852 D(12)
13 * 10.0044 0.6500 1.61502 25.92
14 * 5.1192 D(14)
15 * 10.0366 1.9189 1.53504 55.71
16 * -13.6427 D(16)
17 INF 0.8000 1.51680 64.20
18 INF 1.0000
19 INF
【0114】
表14は、実施例4のズームレンズの各種データを示す。表15は、実施例4のズームレンズ非球面データを表す。表16は、実施例4のレンズ群データを示している。
【0115】
[表14]各種データ
広角端 望遠端
F 3.0996 7.2852
FNo 2.0905 3.3754
ω 65.5 26.6
Y 3.400 3.400
D(6) 8.041 0.800
D(12) 0.800 8.041
D(14) 0.843 1.008
D(16) 4.068 3.904
【0116】
[表15]非球面データ
K A B C D E F
3 0 0.00000E+00 2.09852E-03 -1.12117E-04 6.19566E-06 -3.38648E-07 0.0000
4 0 0.00000E+00 7.66920E-04 -1.29823E-04 4.22390E-06 -2.71689E-07 0.0000
8 0 0.00000E+00 1.71166E-04 1.43209E-05 3.93553E-06 2.89822E-07 0.0000
9 0 0.00000E+00 2.01095E-03 5.58543E-05 5.11174E-06 1.12287E-06 0.0000
13 0 0.00000E+00 -8.27965E-03 3.88510E-04 -6.93969E-06 1.69010E-06 -1.20734E-07
14 0 0.00000E+00 -9.42997E-03 3.78581E-04 6.12397E-06 -1.15356E-06 3.03454E-08
15 0 0.00000E+00 1.06850E-03 -4.86426E-05 8.37252E-06 -3.42279E-07 9.51494E-09
16 0 0.00000E+00 1.06103E-03 5.48638E-05 3.00157E-07 1.30003E-07 0.00000E+00
【0117】
[表16]レンズ群データ
レンズ群 始面-終面 焦点距離
G1 1-6 -5.9306
G2 8-12 8.2438
G3 13-14 -17.956
G4 15-16 11.122
【0118】
図11は、実施例4のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。図12は、実施例4のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【0119】
[実施例5]
図13は、実施例5のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。実施例5のレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第一レンズ群G1と、正の屈折力を有する第二レンズ群G2から構成される。第一レンズ群G1と第二レンズ群G2との間には、フィルタFおよび絞りSが物体側からこの順で配置されている。第二レンズ群G2と像面IMGとの間にはカバーガラスCGが配置される。第二レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと正の屈折力を有するレンズの接合レンズと、負の屈折力を有するレンズから構成されている。
【0120】
実施例5のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。図中、各レンズ群の下に示される矢印は、広角端から中間焦点距離状態を経て望遠端へ移動する際の各レンズ群の移動の軌跡を示している。広角端から望遠端への変倍において、第一レンズ群G1は像側に漸次移動し、第二レンズ群G2は物体側へ漸次移動する。より具体的には、第二レンズ群G2が物体側に移動することにより変倍が実行され、第一レンズ群G1が像側に移動することによって、変倍による焦点位置の補正および合焦が実行される。
【0121】
次に、ズームレンズの具体的数値を適用した例について説明する。表17は、実施例5のズームレンズの面データの表である。表17において、面番号1~6は第一レンズ群G1のレンズの面番号である。面番号7はフィルタを表し、面番号8は絞りを表す。面番号9~17は第二レンズ群G2のレンズの面番号である。面番号18、19はカバーガラスを表し、面20は像面を表す。
【0122】
[表17]レンズの面データ
面番号 r d Nd vd ΔPdt
1 35.696 0.700 2.00100 29.13
2 6.152 3.014
3 * -24.723 0.900 1.53504 55.71
4 * 6.093 1.760
5 11.524 2.000 1.94594 17.98
6 51.621 D(6)
7 INF 0.300 1.51633 64.14
8 S INF D(8)
9 * 5.904 2.450 1.53504 55.71 -0.13
10 * -16.626 0.236
11 233.454 1.611 1.59410 60.47
12 -10.428 0.625
13 19.164 0.500 2.05090 26.94
14 4.260 2.573 1.43875 94.94
15 -8.343 0.897
16 * -21.526 0.800 1.66134 20.37
17 * -29.225 D(17)
18 INF 0.500 1.51633 64.14
19 INF 1.261
20 INF
【0123】
表18は、実施例5のズームレンズの各種データを示す。表19は、実施例5のズームレンズ非球面データを表す。表20は、実施例5のレンズ群データを示している。
【0124】
[表18]各種データ
広角端 望遠端
F 3.0000 4.9000
FNo 2.09 2.80
ω 66.2 39.4
Y 3.4000 3.4000
D(6) 4.5295 1.1163
D(13) 4.1832 1.7451
D(15) 3.6063 6.0444
【0125】
[表19]非球面データ
K A B C D E F G
3 0 0 1.1263E-03 -1.1341E-04 9.7131E-06 -6.1381E-07 2.1466E-08 -2.8184E-10
4 0 0 5.7411E-04 -1.1790E-04 6.7282E-06 -4.3216E-07 1.4355E-08 0
9 -0.225 0 -1.1925E-03 -6.0917E-05 -2.4205E-06 -2.6262E-07 0 0
10 0 0 5.4192E-04 -1.5390E-04 1.2005E-05 -1.4455E-06 5.1604E-08 0
16 0 0 -1.2940E-03 -6.4612E-04 1.1512E-04 -1.6375E-05 8.1410E-07 8.4375E-10
17 0 0 -1.0477E-03 -4.7836E-04 6.7308E-05 -8.3812E-06 4.2332E-07 2.3180E-10
【0126】
[表20]レンズ群データ
レンズ群 始面-終面 焦点距離
G1 1-6 -5.9383
G2 9-17 7.6234
【0127】
図14は、実施例5のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。図15は、実施例5のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【0128】
実施例1~5における前述の各式による算出値を表21に示す。
【0129】
[表21]算出値の表
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
f2/f2p 0.95 0.87 1.39 0.92 0.90
f2/fw 2.56 2.62 2.59 2.66 2.54
ΔPdt_2p -0.13 -0.13 -0.13 -0.13 -0.13
Nd2 1.54 1.54 1.54 1.54 1.54
f2p/fw 2.69 3.00 1.86 2.90 2.82
β2t2w 2.87 2.95 3.58 2.32 1.63
|fs/Rs| 4.62 5.00 8.58 9.24 8.74
f1/fw -1.65 -1.73 -1.65 -1.91 -1.98
【符号の説明】
【0130】
1 ミラーレス一眼カメラ(撮像装置)
2 本体
3 鏡筒
21 CCDセンサ(撮像素子)
22 カバーガラス
30 ズームレンズ
31、G1 第一レンズ群
32、G2 第二レンズ群
33、G3 第三レンズ群
34、S 絞り
G4 第レンズ群
CG カバーガラス
F フィルタ
OA 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16