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特許7506501冷却装置、ロボット、及び冷却装置のロボットへの取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】冷却装置、ロボット、及び冷却装置のロボットへの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
B25J19/00 M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020051297
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021146479
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】納土 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】是竹 竜馬
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-126840(JP,A)
【文献】特開2011-182480(JP,A)
【文献】特開2017-99281(JP,A)
【文献】特開2014-46398(JP,A)
【文献】特開平9-323286(JP,A)
【文献】特開2015-6711(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003569(WO,A1)
【文献】特開2018-187710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの関節部に用いられる冷却媒体流路体を備える冷却装置であって、
前記ロボットは、第Nリンクと、第N+1リンクと、前記第Nリンクと前記第N+1リンクを連結する関節部と、を有し、
前記第Nリンクは、板状の第1隔壁を含み、
前記第N+1リンクは、前記第1隔壁に連結される第2隔壁を含み、
モータが、前記第1隔壁に配置され、且つ、前記第1隔壁に直接当接し、
前記冷却媒体流路体は、中央孔を有して環状、又は筒状に形成され、前記第1隔壁と当接し、前記モータのハウジングの一部を取り囲み、
前記モータの前記ハウジングの一部は、前記中央孔へと入り前記冷却媒体流路体を貫通し、
前記冷却媒体流路体の内周面が前記モータの外周面よりも外方に位置するように構成され、
前記冷却媒体流路体は、内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されていて、
前記冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路を更に備え、ラジエータ、送出器、及びファンの少なくとも一つに接続される、冷却装置。
【請求項2】
前記第1隔壁には、突出部が設けられていて、
前記モータは、前記突出部の内方に位置するように配置されていて、
前記冷却媒体流路体の外周面が、前記突出部の内周面よりも内方に位置するように構成されている、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記突出部は、筒状に形成されている、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記冷却媒体は、水、又は不凍液である、請求項1~3のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の冷却装置を備える、ロボット。
【請求項6】
前記ロボットは、多軸垂直多関節ロボットであり、
前記ロボットの基端側の関節部の軸を第1軸と定義した場合に、
前記冷却装置は、前記ロボットの第1軸~第3軸のうち、少なくとも1つの軸に配置されている、請求項5に記載のロボット。
【請求項7】
前記第1隔壁の前記第Nリンク側の壁面である第1壁面には、前記モータが配置されていて、
前記第1隔壁の前記第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、
前記冷却媒体流路体は、前記第1壁面に配設されている、請求項5又は6に記載のロボット。
【請求項8】
前記冷却媒体流路体と前記第1壁面との間には、伝熱剤が配置されている、請求項7に記載のロボット。
【請求項9】
前記冷却媒体循環流路は、前記第Nリンク内に配置されている、請求項5~8のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項10】
ロボットの関節部に用いられる冷却装置の取り付け方法であって、
前記ロボットは、第Nリンクと、第N+1リンクと、前記第Nリンクと前記第N+1リンクを連結する関節部と、を有し、
前記第Nリンクは、板状の第1隔壁を含み、
前記第N+1リンクは、前記第1隔壁に連結される第2隔壁を含み、
筒状の突出部が、前記第1隔壁の第1壁面から延び、前記第1壁面は前記N+1リンクとは反対を向いており、
モータが、前記第1壁面に直接当接し且つ前記突部内にあるように前記第1壁面に配置され、
前記第1隔壁の前記第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、
前記冷却装置は、中央孔を有して環状、又は筒状に形成され、内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている、冷却媒体流路体と、前記冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、基台と、を備え、
前記ラジエータ及び前記送出器は、前記冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、
前記ファンは、前記ラジエータを空冷するように構成されていて、
前記基台に前記ラジエータ、前記送出器、及び前記ファンを取り付け、
前記モータのハウジングの一部が前記冷却媒体流路体の前記中央孔を貫通し、前記冷却媒体流路体が前記モータの前記ハウジングの一部を取り囲むように、前記冷却媒体流路体の前記中央孔に前記モータの前記ハウジングの一部を挿通し、かつ、当該冷却媒体流路体を前記第1隔壁の前記第1壁面に当接させ、
前記ラジエータ、前記送出器、及び前記ファンが取り付けられた前記基台を前記Nリンクの本体部及び/又は前記モータに取り付け、
前記冷却媒体流路体、前記ラジエータ、及び前記送出器を前記冷却媒体循環流路で接続する、ロボットの関節部に用いられる冷却装置の取り付け方法。
【請求項11】
ロボットの関節部に用いられる冷却装置の取り付け方法であって、
前記ロボットは、第Nリンクと、第N+1リンクと、前記第Nリンクと前記第N+1リンクを連結する関節部と、を有し、
前記第Nリンクは、板状の第1隔壁を含み、
前記第N+1リンクは、前記第1隔壁に連結される第2隔壁を含み、
筒状の突出部が、前記第1隔壁の第1壁面から延び、前記第1壁面は前記N+1リンクとは反対を向いており、
モータが、前記第1壁面に直接当接し且つ前記突部内にあるように前記第1壁面に配置され、
前記第1隔壁の前記第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、
前記冷却装置は、中央孔を有して環状、又は筒状に形成され、内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている、冷却媒体流路体と、前記冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、基台と、を備え、
前記ラジエータ及び前記送出器は、前記冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、
前記ファンは、前記ラジエータを空冷するように構成されていて、
前記モータのハウジングの一部が前記冷却媒体流路体の前記中央孔を貫通し、前記冷却媒体流路体が前記モータの前記ハウジングの一部を取り囲むように、前記冷却媒体流路体の前記中央孔に前記モータの前記ハウジングの一部を挿通し、かつ、当該冷却媒体流路体を前記第1隔壁の前記第1壁面に当接させ、
前記基台を前記Nリンクの本体部及び/又は前記モータに取り付け、
前記基台に前記ラジエータ、前記送出器、及び前記ファンを取り付け、
前記冷却媒体流路体、前記ラジエータ、及び前記送出器を前記冷却媒体循環流路で接続する、ロボットの関節部に用いられる冷却装置の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却媒体流路体、冷却装置、ロボット、及び冷却装置のロボットへの取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
効果的に減速装置を冷却することを目的とした多関節型ロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている多関節型ロボットでは、内部に冷却水の流路を有する冷却用部材を減速装置に一体に組付けることにより、減速装置を効果的に冷却することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-233824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットでは、既存のロボット(例えば、工場等に設置されているロボット)の減速装置を冷却する場合には、作業者が、減速装置をロボットから取り外す必要があり、作業効率の向上の観点から未だ改善の余地があった。
【0005】
また、特許文献1に開示されている多関節型ロボットでは、冷却用部材が、モータから離れた位置で、減速装置に一体に組付けられているため、減速装置に組付けられている冷却用部材によって、モータを効果的に冷却することができない。そこで、特許文献1に開示されている多関節型ロボットでは、モータに別途、冷却用部材を取り付けている。このため、ロボットの製造コストがかかるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、作業者の負担を軽減して、冷却装置の取り付け作業の効率を向上させることができる、及び/又は製造コストを低減することができる、冷却媒体流路体、冷却装置、ロボット、及び冷却装置のロボットへの取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る冷却媒体流路体は、ロボットの関節部に用いられる冷却媒体流路体であって、前記ロボットの関節部は、第Nリンクを構成する第1隔壁と第N+1リンクを構成する第2隔壁を有し、前記第1隔壁には、モータが配置されていて、環状、又は筒状に形成されていて、前記第1隔壁と当接するように、かつ、その内周面が前記モータの外周面よりも外方に位置するように構成され、その内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている。
【0008】
これにより、既存のロボットに対して、冷却媒体流路体を簡易に取り付けることができ、作業者の負担を軽減して、冷却装置(冷却媒体流路体)の取り付け作業の効率を向上させることができる。
【0009】
また、冷却媒体流路体が、モータの外周面を覆うように配置されているので、モータを効率的に冷却することができる。さらに、第1隔壁の第N+1リンク側に、減速装置が配置されている場合には、第1隔壁からの伝熱により減速装置を効率的に冷却することができる。このため、モータと減速装置の両方を冷却することができるため、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットに比して、製造コストを低減することができる。
【0010】
また、本発明に係る冷却装置は、前記冷却媒体流路体と、前記冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、を備え、前記ラジエータ及び前記送出器は、前記冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、前記ファンは、前記ラジエータを空冷するように構成されている。
【0011】
これにより、既存のロボットに対して、冷却装置を簡易に取り付けることができ、作業者の負担を軽減して、冷却装置の取り付け作業の効率を向上させることができる。
【0012】
また、冷却媒体流路体が、モータの外周面を覆うように配置されているので、モータを効率的に冷却することができる。さらに、第1隔壁の第N+1リンク側に、減速装置が配置されている場合には、第1隔壁からの伝熱により減速装置を効率的に冷却することができる。このため、モータと減速装置の両方を冷却することができるため、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットに比して、製造コストを低減することができる。
【0013】
また、本発明に係るロボットは、前記冷却装置を備える。
【0014】
これにより、冷却媒体流路体が、モータの外周面を覆うように配置されているので、モータを効率的に冷却することができる。さらに、第1隔壁の第N+1リンク側に、減速装置が配置されている場合には、第1隔壁からの伝熱により減速装置を効率的に冷却することができる。このため、モータと減速装置の両方を冷却することができるため、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットに比して、製造コストを低減することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る冷却装置のロボットへの取り付け方法は、前記ロボットの関節部が、第Nリンクを構成する第1隔壁と第N+1リンクを構成する第2隔壁を有し、前記第1隔壁の前記第Nリンク側の壁面である第1壁面には、筒状の突出部が形成されていて、かつ、前記モータが前記突出部の内方に位置するように配置されていて、前記第1隔壁の前記第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、前記冷却装置は、環状、又は筒状に形成され、その内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている、冷却媒体流路体と、前記冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、基台と、を備え、前記ラジエータ及び前記送出器は、前記冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、前記ファンは、前記ラジエータを空冷するように構成されていて、前記基台に前記ラジエータ、前記送出器、及び前記ファンを取り付ける(A)と、前記冷却媒体流路体の内部空間が前記モータを挿通するように、かつ、当該冷却媒体流路体を前記第1隔壁の前記第1壁面に当接させる(B)と、前記ラジエータ、前記送出器、及び前記ファンが取り付けられた前記基台を前記本体部及び/又は前記モータに取り付ける(C)と、前記冷却媒体流路体、前記ラジエータ、及び前記送出器を前記冷却媒体循環流路で接続する(D)と、を備える。
【0016】
これにより、既存のロボットに対して、冷却装置を簡易に取り付けることができ、作業者の負担を軽減して、冷却装置の取り付け作業の効率を向上させることができる。
【0017】
また、冷却媒体流路体が、モータの外周面を覆うように配置されているので、モータを効率的に冷却することができる。さらに、第1隔壁の第N+1リンク側に、減速装置が配置されているので、第1隔壁からの伝熱により、減速装置を効率的に冷却することができる。このため、モータと減速装置の両方を冷却することができるため、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットに比して、製造コストを低減することができる。
【0018】
また、本発明に係る冷却装置のロボットへの取り付け方法は、前記ロボットの関節部が、第Nリンクを構成する第1隔壁と第N+1リンクを構成する第2隔壁を有し、前記第1隔壁の前記第Nリンク側の壁面である第1壁面には、筒状の突出部が形成されていて、かつ、前記モータが前記突出部の内方に位置するように配置されていて、前記第1隔壁の前記第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、前記冷却装置は、環状、又は筒状に形成され、その内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている、冷却媒体流路体と、前記冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、基台と、を備え、前記ラジエータ及び前記送出器は、前記冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、前記ファンは、前記ラジエータを空冷するように構成されていて、前記冷却媒体流路体の内部空間が前記モータを挿通するように、かつ、当該冷却媒体流路体を前記第1隔壁の前記第1壁面に当接させる(E)と、前記基台を前記本体部及び/又は前記モータに取り付ける(F)と、前記基台に前記ラジエータ、前記送出器、及び前記ファンを取り付ける(G)と、前記冷却媒体流路体、前記ラジエータ、及び前記送出器を前記冷却媒体循環流路で接続する(H)と、を備える。
【0019】
これにより、既存のロボットに対して、冷却装置を簡易に取り付けることができ、作業者の負担を軽減して、冷却装置の取り付け作業の効率を向上させることができる。
【0020】
また、冷却媒体流路体が、モータの外周面を覆うように配置されているので、モータを効率的に冷却することができる。さらに、第1隔壁の第N+1リンク側に、減速装置が配置されているので、第1隔壁からの伝熱により、減速装置を効率的に冷却することができる。このため、モータと減速装置の両方を冷却することができるため、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットに比して、製造コストを低減することができる。
【0021】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかにされる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の冷却媒体流路体、冷却装置、ロボット、及び冷却装置のロボットへの取り付け方法によれば、作業者の負担を軽減して、冷却装置の取り付け作業の効率を向上させることができる、及び/又は製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本実施の形態1に係るロボットの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、図1に示すロボットの関節部(第2関節)の概略構成を示す模式図である。
図3図3は、図2に示す冷却装置の冷却媒体流路体の概略構成を示す模式図である。
図4図4は、本実施の形態1に係る冷却装置の取り付け方法の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施の形態1における変形例1のロボットの概略構成を示す模式図である。
図6図6は、本実施の形態2に係る冷却装置の取り付け方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するための構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0025】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る冷却媒体流路体は、ロボットの関節部に用いられる冷却媒体流路体であって、ロボットの関節部は、第Nリンクを構成する第1隔壁と第N+1リンクを構成する第2隔壁を有し、第1隔壁には、モータが配置されていて、環状、又は筒状に形成されていて、第1隔壁と当接するように、かつ、その内周面がモータの外周面よりも外方に位置するように構成され、その内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている。
【0026】
なお、Nは、0を除く、自然数である。
【0027】
また、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体では、第1隔壁には、突出部が設けられていて、モータは、突出部の内方に位置するように配置されていて、冷却媒体流路体の外周面が、突出部の内周面よりも内方に位置するように構成されていてもよい。
【0028】
また、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体では、突出部は、筒状に形成されていてもよい。
【0029】
また、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体では、冷却媒体が、水又は不凍液であってもよい。
【0030】
また、本実施の形態1に係る冷却装置は、冷却媒体流路体と、冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、を備え、ラジエータ及び送出器は、冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、ファンは、ラジエータを空冷するように構成されている。
【0031】
また、本実施の形態1に係る冷却装置では、ラジエータ、送出器、ファンは、基台に載置されていてもよい。
【0032】
また、本実施の形態1に係る冷却装置では、第1隔壁には、モータが配置されていて、基台は、モータに取り付けられていてもよい。
【0033】
また、本実施の形態1に係るロボットは、前記冷却装置を備える。
【0034】
また、本実施の形態1に係るロボットでは、ロボットが、多軸垂直多関節ロボットであり、ロボットの基端側の関節部の軸を第1軸と定義した場合に、冷却装置は、ロボットの第1軸~第3軸のうち、少なくとも1つの軸に配置されていてもよい。
【0035】
また、本実施の形態1に係るロボットでは、第1隔壁の第Nリンク側の壁面である第1壁面には、モータが配置されていて、第1隔壁の第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、冷却媒体流路体は、モータを囲むように、第1壁面に配設されていてもよい。
【0036】
また、本実施の形態1に係るロボットでは、冷却媒体流路体と第1壁面との間には、伝熱剤が配置されていてもよい。
【0037】
また、本実施の形態1に係るロボットでは、冷却媒体循環流路が、第Nリンク内に配置されていてもよい。
【0038】
さらに、本実施の形態1に係る冷却装置のロボットへの取り付け方法は、ロボットの関節部に用いられる冷却装置の取り付け方法であって、ロボットの関節部は、第Nリンクを構成する第1隔壁と第N+1リンクを構成する第2隔壁を有し、第1隔壁の第Nリンク側の壁面である第1壁面には、筒状の突出部が形成されていて、かつ、モータが突出部の内方に位置するように配置されていて、第1隔壁の第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、冷却装置は、環状、又は筒状に形成され、その内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている、冷却媒体流路体と、冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、基台と、を備え、ラジエータ及び送出器は、冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、ファンは、ラジエータを空冷するように構成されていて、基台にラジエータ、送出器、及びファンを取り付ける(A)と、冷却媒体流路体の内部空間がモータを挿通するように、かつ、当該冷却媒体流路体を第1隔壁の第1壁面に当接させる(B)と、ラジエータ、送出器、及びファンが取り付けられた基台を本体部及び/又はモータに取り付ける(C)と、冷却媒体流路体、ラジエータ、及び送出器を冷却媒体循環流路で接続する(D)と、を備える。
【0039】
以下、本実施の形態1に係るロボットの一例について、図1図4を参照しながら説明する。
【0040】
[ロボットの構成]
図1は、本実施の形態1に係るロボットの概略構成を示す模式図である。なお、図1においては、ロボットにおける上下方向を図における上下方向として表している。
【0041】
図1に示すように、本実施の形態1に係るロボット101は、複数のリンク(ここでは、第1リンク11a~第6リンク11f)の連接体と、複数の関節部(ここでは、第1関節JT1~第6関節JT6)と、これらを支持する基台15と、制御装置111と、を備える、垂直多関節ロボットアームである。
【0042】
なお、本実施の形態1においては、ロボット101として、6軸の垂直多関節型ロボットを採用したが、これに限定されず、垂直多関節型ロボットであれば、7軸の垂直多関節型ロボットであってもよい。
【0043】
第1関節JT1では、基台15と、第1リンク11aの基端部とが、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第2関節JT2では、第1リンク11aの先端部と、第2リンク11bの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第3関節JT3では、第2リンク11bの先端部と、第3リンク11cの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。
【0044】
また、第4関節JT4では、第3リンク11cの先端部と、第4リンク11dの基端部とが、第4リンク11dの長手方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第5関節JT5では、第4リンク11dの先端部と、第5リンク11eの基端部とが、第4リンク11dの長手方向と直交する軸回りに回転可能に連結されている。第6関節JT6では、第5リンク11eの先端部と第6リンク11fの基端部とが、捻れ回転可能に連結されている。
【0045】
そして、第6リンク11fの先端部には、メカニカルインターフェースが設けられている。このメカニカルインターフェースには、作業内容に対応したエンドエフェクタ20が着脱可能に装着される。
【0046】
また、第1関節JT1~第6関節JT6には、それぞれ、各関節が連結する2つの部材を相対的に回転させるアクチュエータの一例としてのモータが設けられている(図2参照)。モータは、例えば、制御装置111によってサーボ制御されるサーボモータであってもよい。また、第1関節JT1~第6関節JT6には、それぞれ、駆動モータの回転位置を検出する回転センサと、駆動モータの回転を制御する電流を検出する電流センサと、が設けられている(それぞれ、図示せず)。回転センサは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0047】
制御装置111は、基台15(ロボット101)外に配置されている。なお、制御装置111は、基台15(ロボット101)内に配置されていてもよい。また、制御装置111は、マイクロプロセッサ、CPU等の演算処理器111aと、ROM、RAM等の記憶器111bと、を備えている。記憶器111bには、基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。
【0048】
演算処理器111aは、記憶器111bに記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ロボット101の各種の動作を実行するように構成されている。
【0049】
また、制御装置111は、後述する冷却装置70の送出器75及び/又はファン76を制御するように構成されていてもよい。この場合、制御装置111は、各関節部に配置されているモータに通流する電流の増減に伴うように、送出器75及び/又はファン76を制御してもよい。
【0050】
具体的には、制御装置111は、モータに通流する電流を増加させる場合には、送出器75の送出量を増加させるように制御してもよく、及び/又はファン76の操作量(回転速度)を増加させるように制御してもよい。また、制御装置111は、モータに通流する電流を減少させる場合には、送出器75の送出量を減少させるように制御してもよく、及び/又はファン76の操作量(回転速度)を減少させるように制御してもよい。
【0051】
なお、制御装置111は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。また、制御装置111は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
【0052】
[冷却装置の構造]
次に、本実施の形態1に係るロボット101の関節部に用いられる冷却装置について、図2及び図3を参照しながら、説明する。
【0053】
図2は、図1に示すロボットの関節部(第2関節JT2)の概略構成を示す模式図である。
【0054】
図2に示すように、第2関節JT2では、第1リンク11aと第2リンク11bが連結されている。第1リンク11aは、本体部31を有する。本体部31には、板状の第1隔壁31aが形成されている。また、第2リンク11bは、第2隔壁42を有する。
【0055】
第1隔壁31aには、貫通孔31bが設けられている。本体部31は、貫通孔31bが、第2リンク11bに設けられている凹部40と連通するように配置されている。なお、以下においては、第1隔壁31aの第2リンク11b側(一方)の壁面を第2壁面2と称し、第2壁面2の反対側(第1リンク11a側)の壁面を第1壁面1と称する。
【0056】
第1隔壁31aの第1壁面1には、筒状の突出部31cが設けられている。また、第1壁面1には、突出部31cの内方に位置し、かつ、出力軸51が貫通孔31bを挿通するように、モータ50が配置されている。モータ50の出力軸51には、凹部40内に配置されている減速装置60が接続されている。減速装置60は、第2リンク11bに接続されている。なお、減速装置60は、公知の種々の減速機を用いることができる。
【0057】
これにより、モータ50が回転駆動すると、第2リンク11bが、第1リンク11aに対して揺動することができる。
【0058】
さらに、第1壁面1には、モータ50の外周面5を囲むように、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体71が配置されている。なお、第1壁面1と冷却媒体流路体71との間には、伝熱剤72が配置されていてもよい。伝熱剤72としては、例えば、放熱グリス(熱伝導グリス)であってもよく、放熱用シリコンであってもよい。
【0059】
ここで、図2及び図3を参照しながら、冷却媒体流路体71の構成について、説明する。
【0060】
図3は、図2に示す冷却装置の冷却媒体流路体の概略構成を示す模式図である。なお、図3において、冷却媒体流路体における上下方向を図における上下方向としてあらわしている。
【0061】
図2及び図3に示すように、冷却媒体流路体71は、環状又は筒状に形成されている。冷却媒体流路体71は、外周面7aが突出部31cの内周面3よりも内方に位置し、かつ、内周面7bがモータ50の外周面5よりも外方に位置するように、構成されている。
【0062】
これにより、作業者は、冷却媒体流路体71を突出部31cとモータ50の間の筒状空間に容易に挿通させることができる。
【0063】
また、冷却媒体流路体71の内部には、冷却媒体流路71aが形成されている。冷却媒体流路71aは、モータ50の出力軸51の軸心方向から見て、略C字状に(周回するように)形成されている。また、冷却媒体流路71aは、外周面7aと内周面7bの間の領域を蛇行するように形成されている。
【0064】
冷却媒体流路71aの一方の端部(図3においては、下側の端部)が、冷却媒体の入口(供給口)71bを構成し、他方の端部(図3においては、上側の端部)が、冷却媒体の出口(排出口)71cを構成する。また、入口71bと出口71cは、冷却媒体循環流路73により接続されている。
【0065】
なお、冷却媒体流路71a及び冷却媒体循環流路73内を通流する冷却媒体としては、例えば、水、水溶液、不凍液(エチレングリコール、グリセリン、ロングライフクーラント(LLC))であってもよい。
【0066】
冷却媒体循環流路73の途中には、ラジエータ74及び送出器(ポンプ)75が設けられている。また、ラジエータ74には、当該ラジエータ74を冷却するためのファン76が設けられている。なお、ラジエータ74には、第1流路77を介して、タンク78が設けられていてもよい。
【0067】
冷却装置70をコンパクト化する観点から、送出器75は、ラジエータ74の下流側に設けられていてもよい。また、冷却装置70の冷却効率を向上させる観点から、送出器75は、ラジエータ74の上流側に配置されていてもよい。
【0068】
また、ラジエータ74、送出器75、及びタンク78は、略L字状の基台79に取り付けられている。基台79は、モータ50に設けられているフランジ80に接続(固定)されている。
【0069】
[冷却装置の取り付け方法]
次に、本実施の形態1に係る冷却装置70の取り付け方法について、図1図4を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の動作は、作業者が実行するが、作業者が、冷却装置70を取り付けるロボット101以外のロボットを操作することで実行してもよい。
【0070】
図4は、本実施の形態1に係る冷却装置の取り付け方法の一例を示すフローチャートである。
【0071】
なお、既存の設備等に配置されているロボットには、本実施の形態1に係る冷却装置70が取り付けられていないものとし、当該ロボットに冷却装置70を取り付ける作業を以下に説明する。
【0072】
図4に示すように、作業者は、基台79にラジエータ74、送出器75、及びタンク78を取り付ける(ステップS101)。
【0073】
次に、作業者は、冷却媒体流路体71を第1隔壁31aの第1壁面1に取り付ける(ステップS102)。具体的には、作業者は、冷却媒体流路体71の内部空間がモータ50を挿通するように、冷却媒体流路体71を移動させ、当該冷却媒体流路体71を第1隔壁31aの第1壁面1に当接させる。そして、作業者は、適宜な部材(例えば、ボルト等)により、冷却媒体流路体71を第1壁面1に取り付ける(固定する)。このとき、作業者は、冷却媒体流路体71における第1壁面1との当接面、及び/又は第1壁面1における冷却媒体流路体71との当接面に伝熱剤72を配置してもよい。
【0074】
なお、ステップS101の動作とステップS102の動作は、順不同である。
【0075】
次に、作業者は、ステップS101でラジエータ74、送出器75、及びタンク78を取り付けた基台79をフランジ80に取り付ける(ステップS103)。ついで、作業者は、冷却媒体循環流路73を構成する配管により、冷却媒体流路体71(冷却媒体流路71aの入口71b及び出口71c)、ラジエータ74、及び送出器75を接続する(ステップS104)。また、作業者は、第1流路77を構成する配管により、タンク78とラジエータ74を接続する。さらに、作業者は、タンク78等に冷却媒体を供給して、冷却装置70のロボット101への取り付け作業を終了する。
【0076】
このように構成された、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体71では、筒状又は環状に形成されている。これにより、その内部空間にモータ50を挿通させるだけで、第1隔壁31aの第1壁面1に取り付けることができる。
【0077】
また、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体71(冷却装置70)では、カバー部材32を取り外すだけで、当該冷却媒体流路体71(冷却装置70)を関節部に取り付けることができる。すなわち、冷却媒体流路体71(冷却装置70)を関節部に取り付けるために、第Nリンク(第1リンク11aの本体部31)及び第N+1リンクを取り外す(解体する)必要がない。
【0078】
このため、作業者が、既存のロボット(例えば、工場等に設置されているロボット)に対する、冷却媒体流路体71(冷却装置70)の取り付け作業を容易に実行することができる。
【0079】
また、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体71は、モータ50の外方に配置されているため、モータ50を冷却することができる。また、第1隔壁31aの第2壁面2に当接するように、減速装置60が配置されているため、冷却媒体流路体71は、第1隔壁31aからの伝熱により、減速装置60も冷却することができる。
【0080】
このため、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体71(冷却装置70)は、モータ50と減速装置60のそれぞれを冷却する冷却用部材を配置する必要がある、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットに比して、製造コストを低減することができる。
【0081】
さらに、本実施の形態1に係る冷却装置70では、加熱された冷却媒体を冷却するためのラジエータ74を備えていて、ロボット101の関節部内で、流路(冷却媒体流路71a及び冷却媒体循環流路73)が循環するように構成されている。
【0082】
これにより、ロボット101の外部にまで、冷却媒体が通流する流路(配管)を設ける必要がなく、ロボット101のコンパクト化を図ることができるとともに、既存のロボットに対して、冷却装置70の取り付け作業を容易にすることができる。
【0083】
すなわち、工場設備として、配管及び/又は冷却媒体の貯留槽を設置することなく、冷却装置70をロボット101に設置することができる。このため、冷却装置70のロボット101への取り付けるためのコストを低減することができる。
【0084】
したがって、本実施の形態1に係る冷却媒体流路体71(冷却装置70)を備えるロボット101は、上記特許文献1に開示されている多関節型ロボットに比して、冷却効率がよく、また、製造コストを低減することができる。
【0085】
なお、本実施の形態1に係るロボット101は、冷却装置70を覆うカバー部材を有していてもよい。
【0086】
[変形例1]
本実施の形態1における変形例1の冷却装置は、第Nリンクを構成する第1隔壁には、モータが配置されていて、基台は、第Nリンクに取り付けられている。
【0087】
以下、本実施の形態1における変形例1のロボット(冷却装置)の一例について、図5を参照しながら説明する。
【0088】
図5は、本実施の形態1における変形例1のロボットの概略構成を示す模式図である。
【0089】
図5に示すように、本変形例1のロボット101は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、基台79及びフランジ80が、第1リンク11a(ここでは、突出部31c)に取り付けられている点が異なる。
【0090】
このように構成された、本変形例1のロボット101(冷却装置70)であっても、実施の形態1に係るロボット101(冷却装置70)と同様の作用効果を奏する。
【0091】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る冷却装置のロボットへの取り付け方法は、ロボットの関節部に用いられる冷却装置の取り付け方法であって、ロボットの関節部は、第Nリンクを構成する第1隔壁と第N+1リンクを構成する第2隔壁を有し、第1隔壁の第Nリンク側の壁面である第1壁面には、筒状の突出部が形成されていて、かつ、モータが突出部の内方に位置するように配置されていて、第1隔壁の第N+1リンク側の壁面である第2壁面には、減速装置が配置されていて、冷却装置は、環状、又は筒状に形成され、その内部に冷却媒体が通流する冷却媒体流路が形成されている、冷却媒体流路体と、冷却媒体流路体に接続されている冷却媒体循環流路と、ラジエータと、送出器と、ファンと、基台と、を備え、ラジエータ及び送出器は、冷却媒体循環流路の途中に設けられていて、ファンは、ラジエータを空冷するように構成されていて、冷却媒体流路体の内部空間がモータを挿通するように、かつ、当該冷却媒体流路体を第1隔壁の第1壁面に当接させる(E)と、基台を本体部及び/又はモータに取り付ける(F)と、基台にラジエータ、送出器、及びファンを取り付ける(G)と、冷却媒体流路体、ラジエータ、及び送出器を冷却媒体循環流路で接続する(H)と、を備える。
【0092】
以下、本実施の形態2に係る冷却装置のロボットへの取り付け方法の一例について、図6を参照しながら説明する。なお、本実施の形態2に係る冷却装置のロボットへの取り付け方法に用いられる、冷却媒体流路体、冷却装置、及びロボットは、実施の形態1に係るロボット、又は変形例1のロボットと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0093】
図6は、本実施の形態2に係る冷却装置の取り付け方法の一例を示すフローチャートである。
【0094】
なお、既存の設備等に配置されているロボットには、本実施の形態2に係る冷却装置70が取り付けられていないものとし、当該ロボットに冷却装置70を取り付ける作業を以下に説明する。
【0095】
図6に示すように、作業者は、基台79をフランジ80に取り付ける(ステップS201)。ついで、作業者は、冷却媒体流路体71を第1隔壁31aの第1壁面1に取り付ける(ステップS202)。なお、ステップS201の動作とステップS202の動作は、順不同である。
【0096】
次に、作業者は、基台79にラジエータ74、送出器75、及びタンク78を取り付ける(ステップS203)。ついで、作業者は、冷却媒体循環流路73を構成する配管により、冷却媒体流路体71(冷却媒体流路71aの入口71b及び出口71c)、ラジエータ74、及び送出器75を接続する(ステップS204)。また、作業者は、第1流路77を構成する配管により、タンク78とラジエータ74を接続する。さらに、作業者は、タンク78等に冷却媒体を供給して、冷却装置70のロボット101への取り付け作業を終了する。
【0097】
このように構成された、本実施の形態2に係るロボット101(冷却装置70)であっても、実施の形態1に係るロボット101(冷却装置70)と同様の作用効果を奏する。
【0098】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の冷却媒体流路体、冷却装置、ロボット、及び冷却装置のロボットへの取り付け方法によれば、作業者の負担を軽減して、冷却装置の取り付け作業の効率を向上させることができる、及び/又は製造コストを低減することができるため、ロボットの分野において有用である。
【符号の説明】
【0100】
1 第1壁面
2 第2壁面
3 内周面
5 外周面
7a 外周面
7b 内周面
11a 第1リンク
11b 第2リンク
11c 第3リンク
11d 第4リンク
11e 第5リンク
11f 第6リンク
15 基台
20 エンドエフェクタ
31a 第1隔壁
31b 貫通孔
31c 突出部
31 本体部
40 凹部
42 第2隔壁
50 モータ
51 出力軸
60 減速装置
70 冷却装置
71 冷却媒体流路体
71a 冷却媒体流路
71b 入口
71c 出口
72 伝熱剤
73 冷却媒体循環流路
74 ラジエータ
75 送出器
76 ファン
77 第1流路
78 タンク
79 基台
80 フランジ
101 ロボット
111 制御装置
111a 演算処理器
111b 記憶器
JT1 第1関節
JT2 第2関節
JT3 第3関節
JT4 第4関節
JT5 第5関節
JT6 第6関節

図1
図2
図3
図4
図5
図6