IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 共和レザー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-表皮材 図1
  • 特許-表皮材 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】表皮材
(51)【国際特許分類】
   D06N 3/14 20060101AFI20240619BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20240619BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20240619BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20240619BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
D06N3/14
B32B27/12
B32B27/20 A
B32B27/40
B60R13/02 B
B60R13/02 A
B60R13/02 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020051735
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021147741
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390023009
【氏名又は名称】共和レザー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 賢治
(72)【発明者】
【氏名】堤 真紀
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-030358(JP,A)
【文献】特開2002-155476(JP,A)
【文献】特開2013-177714(JP,A)
【文献】特開2015-124444(JP,A)
【文献】特開2019-083107(JP,A)
【文献】特開2014-029050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06N 1/00- 7/06
B32B 1/00-43/00
B60R 13/01-13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布、中間層、及び表皮層がこの順に積層されており、
前記基布は、50デニール~200デニールの糸を含むダブルラッセル以外の編布からなり、目付が30g/m ~400g/m の範囲であり、且つ、厚みが0.3mm~1.3mmの基布であり、
前記表皮層は、ウレタン樹脂及びカーボンブラックを含有し、前記表皮層に含まれる全固形分中のカーボンブラックの含有量が0.5質量%~4.5質量%の範囲であり、且つ、厚みが10μm~50μmであり、
前記中間層は、ウレタン樹脂及びカーボンブラックを含有し、前記中間層におけるカーボンブラックの含有量は、前記表皮層におけるカーボンブラックの含有量以下であり、
ISO 5-2(2009年)に準拠して測定した透過濃度が0.5~4.2の範囲にある表皮材。
【請求項2】
基布、中間層、及び表皮層がこの順に積層されており、
前記基布は、50デニール~100デニールの糸を含むダブルラッセル編布からなり、目付が50g/m~400g/mの範囲であり、且つ、厚みが1.5mm~3.0mmの基布であり、
前記表皮層は、ウレタン樹脂及びカーボンブラックを含有し、前記表皮層に含まれる全固形分中のカーボンブラックの含有量が0.5質量%~4.5質量%の範囲であり、且つ、厚みが10μm~50μmであり、
前記中間層は、ウレタン樹脂及びカーボンブラックを含有し、前記中間層におけるカーボンブラックの含有量は、前記表皮層におけるカーボンブラックの含有量以下であり、
ISO 5-2(2009年)に準拠して測定した透過濃度が0.5~4.2の範囲にある表皮材。
【請求項3】
前記中間層の厚みは、50μm~100μmである請求項1又は請求項2に記載の表皮材。
【請求項4】
前記基布と前記表皮層との間に接着層を含む請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の表皮材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表皮材に関する。
【背景技術】
【0002】
インストルメントパネル、ドアトリム、座席、天井などの自動車内装部品、トリム、座席、天井などの鉄道車輌及び航空機内装部品、家具、靴、履物、鞄、建装用内外装部材、衣類表装材及び裏地、壁装材などには、天然皮革や繊維製シートに代えて、耐久性に優れる合成樹脂表皮材が多用されている。
従来公知の表皮材は、合成樹脂を含む表皮層を有し、表皮層に顔料等の着色剤を含有させ、着色剤の発色のみで外観を特徴付け、さらに、所望によっては、表皮層の最表面にシボ模様と称される凹凸を形成して外観を向上させていた。このため、表皮層の外観は、含まれる着色剤によって制限され、意匠の多様性、意外性等を実現することは困難であった。
また、生布に、ポリウレタン樹脂からなる表皮層が積層されてなり、380nm~780nmの波長領域における可視光線透過率を0.1%~11.9%とした合成皮革が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の合成皮革は、生布側からの光照射をンオフすることで、表皮層の外観を変化させることができ、デザインの多様性、意外性を表現可能であるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-177714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の如き合成皮革では、黒色顔料の含有量を0.5~5重量部、白色顔料の含有量を12~30重量部とし、且つ、生布を構成する繊維の繊度を5.0デニール以下とし、基布の目付を10g/m~350g/mの範囲とすることで、光透過性を制御しているとされている。しかし、表皮層の基材となる合成樹脂には、有機溶剤が含まれるために、顔料の含有量の制御によって、所望の光透過性を得ることは困難であった。
【0005】
本発明の一実施形態の課題は、光透過性と、表皮材による基材の隠蔽性とが両立し、意匠の自由度が高い表皮材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段は、以下に示す実施形態を含む。
<1> ISO 5-2(2009年)に準拠して測定した透過濃度が0.5~4.2の範囲にある表皮材。
【0007】
<2> 前記表皮材は、少なくとも1層の表皮層を有し、前記表皮層がウレタン樹脂を含む<1>に記載の表皮材。
<3> 前記表皮材は、少なくとも1層の表皮層を有し、前記表皮層はカーボンブラックを含み、表皮層に含まれる全固形分中のカーボンブラックの含有量が0.5質量%~4.5質量%の範囲である<1>又は<2>に記載の表皮材。
<4> 前記表皮材は、少なくとも1層の表皮層を有し、前記表皮層の厚みが10μm~50μmである<1>~<3>のいずれか1つに記載の表皮材。
【0008】
<5> 前記表皮材は、基布を有し、前記基布は、50デニール~200デニールの糸を含むダブルラッセル以外の編布、織布または不織布からなり、目付が30g/m~400g/mの範囲であり、且つ、厚みが0.3mm~1.3mmの基布である<1>~<4>のいずれか1つに記載の表皮材。
<6> 前記表皮材は、基布を有し、前記基布は、50デニール~300デニールの糸を含むダブルラッセル編布からなり、目付が40g/m~400g/mの範囲であり、且つ、厚みが1.5mm~4.0mmの基布である<1>~<4>のいずれか1つに記載の表皮材。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、光透過性と、表皮材による基材の隠蔽性が両立し、意匠の自由度が高い表皮材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の表皮材であって単層構造の表皮層の一態様を示す概略断面図である。
図2】本開示の表皮材であって、1層の表皮層と、基布とを含む表皮材の一態様を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示において「~」を用いて記載した数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「質量部」と「重量部」は同じ意味で用いられる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
【0012】
以下、本開示の表皮材について詳細に説明する。なお、以下、本開示の表皮材を、具体例を挙げて説明するが、本開示はその趣旨を損なわない限り、種々の変型例で実施することができる。
【0013】
〔表皮材〕
本開示の表皮材は、ISO 5-2(2009年)に準拠して測定した透過濃度が0.5~4.2の範囲にある表皮材である。
透過濃度は、ISO 5-2(2009年)「写真及びグラフィック技術-濃度測定-第2部:透過濃度の幾何条件」に準拠して、光源をCIE(国際照明委員会)が規定する、連続スペクトルの標準光源であるA光源を用いて測定される。
透過濃度は0.5~4.2の範囲であり、1.0~3.0の範囲であることが好ましい。
透過濃度は、ISO 5-2(2009年)に準拠して、透過濃度計を用いて測定することができる。具体的には、例えば、X-Rite社製 透過濃度計(341c)を用いて測定することができ、本開示においては、上記装置を用いて測定した値を採用している。
ここで、透過濃度は、入射光強度を透過光強度で除した値の対数である下記式にて表される。
濃度=log10(入射光強度/透過光強度)
【0014】
本開示の表皮材は、上記透過濃度が0.5~4.2の範囲であること以外は、特に制限はなく、単層構造の表皮材であっても、多層構造の表皮材であってもよい。
【0015】
以下、本開示の表皮材について、適宜、図面を参照しながら説明する。本開示における各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。なお、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。
図1は、本開示の表皮材の最も簡単な構成である単層構造の表皮材の概略断面図を示す。
図1に示す表皮材10は、単層構造を有し、表皮材における透過濃度の制御は、例えば、表皮材に含まれる着色剤の種類と量とを制御すること、表皮材の厚みを制御することなどにより行うことができる。
【0016】
図2は、多層構造の表皮材の一態様を示す概略断面図である。図2に示す表皮材12は、基布14の一方の面に、接着層16、中間層18及び表皮層20をこの順に有する。多層構造の表皮材は、少なくとも、表皮層と基布とを有することが好ましい。多層構造の表皮材において、基布14、接着層16、及び中間層18は、後述するように、所望により設けられる任意の層であり、これらの層を有することも好ましい態様の一つである。
【0017】
(表皮層)
本開示の表皮材は、少なくとも1層の表皮層を有することが好ましい。
【0018】
-合成樹脂-
表皮層は合成樹脂を含むことが好ましい。表皮層に含まれ得る合成樹脂には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
合成樹脂としては、光透過性が良好な樹脂が好ましく、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル等が挙げられる。なかでも、耐久性、及び、弾力性が良好であるという観点から、ウレタン樹脂が好ましい。
即ち、本開示の表皮層は、少なくとも1層の表皮層を有し、表皮層がウレタン樹脂を含むことが好ましい。
表皮層に含まれるウレタン樹脂としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物等が挙げられる。
【0019】
表皮層がウレタン樹脂を含む場合のウレタン樹脂としては、JIS K 6253(1997年)に準じて測定した硬さが、100%モジュラスで98N/cm~3500N/cmのウレタン樹脂が好ましく、196N/cm~588N/cmのウレタン樹脂がより好ましい。
なお、ウレタン樹脂の硬さ(100%モジュラス)を調整する方法としては、例えば、柔らかくしたい場合には、ソフトセグメントとなるポリオール成分比率を増加、又はポリオールの分子量を大きくし、硬くしたい場合には、ハードセグメントとなるウレタン結合、ウレア結合を増加させ、またヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)等の架橋剤を添加してエネルギーを付与し、架橋構造を形成する方法等が挙げられる。
【0020】
表皮層には、合成樹脂に加え、表皮層の透過濃度を制御する、感触を向上する等の種々の目的で、本開示の効果を損なわない限りにおいて公知の添加剤を加えてもよい。
表皮層に用いうる添加剤としては、着色剤、架橋剤、架橋促進剤、成膜助剤、難燃剤、発泡剤等が挙げられる。
【0021】
-着色剤-
表皮層は、着色剤を含有することができる。着色剤を含有することで、表皮層に所望の色相を付与することができ、さらに、表皮層の透過濃度を制御することができる。着色剤には特に制限はなく、顔料、染料などから適宜選択して用いることができる。
着色剤としては、チタン白(二酸化チタン)、亜鉛華、群青、コバルトブルー、弁柄、朱、黄鉛、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、キナクリドン、パーマネントレッド4R、イソインドリノン、ハンザイエローA、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料又は染料、アルミニウム及び真鍮等金属の箔粉からなる群より選択される金属顔料、二酸化チタン被覆雲母及び塩基性炭酸鉛の箔粉からなる群より選択される真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。なかでも、耐久性、及び耐光性がより良好であるという観点からは、着色剤としては顔料が好ましく、透過濃度の制御を行いやすいという観点から、顔料としてカーボンブラックが好ましい。
【0022】
表皮材が、顔料としてのカーボンブラックを含む場合、光透過性と、表皮材を基材上に配置する場合における基材の隠蔽性のバランスという観点から、表皮層に含まれるカーボンブラックの含有量は、表皮層を構成する全固形分に対する質量比で0.5質量%~4.5質量%が好ましく、0.8質量%~3.0質量%がより好ましい
即ち、本開示の表皮材においては、表皮層はカーボンブラックを含み、表皮層に含まれる全固形分中のカーボンブラックの含有量が0.5質量%~4.5質量%の範囲であることが好ましい。
【0023】
表皮層を形成する合成樹脂及び着色剤としての顔料分散物には、所定量の溶剤が含まれる場合が多い。従って、表皮層を形成するための表皮層形成用組成物において、合成樹脂に対する顔料の含有量を制御しても、所望の透過濃度が得難い場合がある。この点を考慮して、本開示では、表皮層形成用組成物から得られる表皮層において、顔料の固形分濃度に着目して上記好適な範囲を見出した。
【0024】
表皮層が着色剤として顔料を含む場合には、界面活性剤、高分子分散剤などの顔料分散剤を併用してもよい。
なかでも、耐久性の観点から、着色剤として顔料を用いることが好ましい。
【0025】
-着色剤以外の添加剤-
表皮層は着色剤以外の添加剤をさらに含むことができる。
例えば、表皮層がリン系、ハロゲン系、無機金属系等の公知の難燃剤を含有することで表皮材の難燃性向上が図れる。
【0026】
表皮層の形成は、公知の方法で行うことができる。
表皮層は、合成樹脂、着色剤、溶剤、及びその他の所望により含有される添加剤を含む表皮層形成用組成物を調製し、得られた表皮層形成用組成物を成形することで形成することができる。
表皮層は、表皮層形成用組成物を、カレンダー法、ペースト加工法、溶融押出法などの公知の成膜方法で成膜することにより形成することができる。
また、離型紙上に表皮層形成用組成物を付与して形成することができる。ここで、離型紙としては、絞型転写用離型紙、平滑な離型紙のいずれも使用することができ、絞型転写用離型紙を用いることで、表皮層の表面に絞模様と称される凹凸模様を形成することができる。
【0027】
表皮層の厚みは、表皮材の使用目的に応じて適宜選択される。表皮層の厚みは、光透過性、基材の隠蔽性、風合い、及び強度の観点から、乾燥後の膜厚として、10μm~50μmが好ましく、20μm~40μmであることが好ましい。
表皮層を2層以上有する場合、表皮層の厚みは複数の表皮層の総厚みを指す。
基材層の厚み、及び表皮材における後述の各層の厚みは、表皮材を面方向に垂直に切断した切断面を観察することで測定することができる。本開示では、切断面において無作為に選択した表皮層の5箇所の厚みを測定し、算術平均した値を、表皮層の厚みとする。その他の層の厚みも同様に測定することができる。
従って、本開示において表皮材における各層の厚みは、各層の乾燥後の厚みを指す。
【0028】
(基布)
本開示の表皮材は、基布を有していてもよい。基布としては、必要な強度と柔軟性を有し、得られる表皮材が所定の透過濃度を満たせば、特に制限なく用いることができる。
基布に用いられる繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等の合成繊維、綿、麻等の天然繊維等が挙げられ、目的に応じて選択すればよい。
基布を構成するこれら繊維の糸は、モノフィラメント糸であってもよく、マルチフィラメント糸であってもよい。
基布は、織布、編布、及び不織布のいずれであってもよい。柔軟性及び安定性がより良好であるという観点からは編布が好ましい。
編布としては、縦編みであるトリコット編布、ダブルラッセル編布、丸編みである鹿の子編布、モクロディ編布、横編みであるニット編布等が挙げられる。
【0029】
基布の厚みは、表皮材の使用目的に応じて適宜選択することができる。
表皮材として十分な強度を有し、軽量で柔軟性を有するという観点から、基布の厚みは0.3mm~5.0mmの範囲であることが好ましく、1.0mm~4.0mmであることがより好ましい。
【0030】
本開示の表皮材が、表皮層と基布とを有する場合、基布も、糸の太さ、目付、厚みなどにより表皮材の透過濃度に影響を与える。
例えば、光透過性を向上する目的で、基布を構成する単繊維の太さを5.0デニール以下に規定したとしても、基布を構成する糸がモノフィラメント糸かマルチフィラメント糸かによって糸太さがより大きくなり、光透過性、基材の隠蔽性などに影響を与える場合がある。また、編成密度も光透過性には影響を与える。ただし、基布において光透過を遮断する機能は、基布を構成する個々の糸太さ、編み方などにも影響される。
従って、表皮材の光透過性、基材の隠蔽性、風合い、及び強度の観点から、基布の糸の太さ、組織、厚みの好ましい例を検討した結果、以下に示す基布が好ましい例として挙げられる。
【0031】
本開示の表皮材が基布を有する場合の、好ましい基布の例としては、50デニール~200デニールの糸を含むダブルラッセル以外の編布、織布または不織布からなり、目付が30g/m~400g/mの範囲であり、且つ、厚みが0.3mm~1.3mmの基布が挙げられる。
基布がダブルラッセル以外の編布、織布または不織布の場合、糸の太さは、50デニール~150デニールの範囲がより好ましく、50デニール~100デニールの範囲がさらに好ましい。基布の目付は30g/m~400g/mの範囲であることがより好ましく、30g/m~300g/mの範囲であることがさらに好ましい。
また、基布の厚みは0.3mm~1.3mmの範囲であることがより好ましく、0.3mm~0.9mmの範囲であることがさらに好ましい。
【0032】
また、好ましい基布の別の例としては、50デニール~300デニールの糸を含むダブルラッセル編布からなり、目付が40g/m~400g/mの範囲であり、且つ、厚みが1.5mm~4.0mmの基布が挙げられる。
基布が、ダブルラッセル編布の場合、糸の太さは、50デニール~150デニールの範囲がより好ましく、50デニール~100デニールの範囲がさらに好ましい。基布の目付は50g/m~300g/mの範囲であることがより好ましく、50g/m~200g/mの範囲であることがさらに好ましい。
また、基布の厚みは1.5mm~4.0mmの範囲であることがより好ましく、1.5mm~3.0mmの範囲であることがさらに好ましい。
【0033】
本開示の表皮材が多層構造である場合、表皮材は、好ましい層である表皮層及び基布に加え、その他の層をさらに有していてもよい。その他の層としては、中間層、接着層、表面処理層などが挙げられる。
単層構造の表皮材の場合には、透過濃度は、単層の表皮材を形成する表皮材形成用組成物、即ち、好ましくは、合成樹脂と着色剤とを含む表皮材形成用組成物における着色剤の含有量、及び形成された表皮材の乾燥後の厚みにより制御することができる。
多層構造の表皮材の場合には、少なくとも表皮層と基布とを有する場合が好ましく、その場合には、表皮層と、基布とのそれぞれの透過濃度を制御した上で、表皮層と基布とを適宜組み合わせることで、所望の透過濃度が得られる。
従って、表皮材が、表皮層及び基布以外の、その他の層をさらに有する場合には、所望の透過濃度の達成を妨げない条件を考慮してその他の層の厚み、組成などを選択すればよい。
【0034】
(接着層)
本開示の表皮材は、表皮層と基布との間に接着層を有していてもよい。接着層を設けることで、基布と表皮層、或いは、基布と、基布に隣接して形成される任意の層との密着性を向上することができる。
接着層を構成する接着剤としては、特に制限はなく、ポリウレタン系接着剤、塩化ビニル樹脂系接着剤、アクリル樹脂を含有する接着剤等が挙げられる。
なかでも、表皮層又は後述の中間層との親和性がより良好であると言う観点から、接着剤としては、ポリウレタン系接着剤が好ましい。
ポリウレタン系接着剤としては、より具体的には、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物から選ばれる接着剤等が挙げられる。
【0035】
接着層の形成に用いられる組成物は、上記接着剤に加えて、本開示の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて、種々の添加剤を含有することができる。
添加剤としては、着色剤、難燃剤等が挙げられる。
接着層が着色剤を含有する場合、接着層の全固形分中に対する着色剤の含有量は、表皮層に含まれる着色剤の含有量以下であることが好ましい。
【0036】
接着層の厚みは、表皮材の光透過性、基材の隠蔽性、及び風合いの観点から、40μm~80μmが好ましく、40μm~60μmがより好ましい。
【0037】
(中間層)
本開示の表皮材は、任意の層である上記接着層と表皮層との間に中間層を設けてもよい。中間層は、合成樹脂と、所望によりその他の添加剤とを含む中間層形成用組成物を用いて形成することができる。
中間層の形成に用いる合成樹脂には特に制限はないが、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられ、ウレタン樹脂が好ましい。
中間層に用いられるウレタン樹脂としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物が挙げられる。
【0038】
中間層形成用組成物は、上記合成樹脂に加えて、本開示の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて、種々の添加剤を含有することができる。
添加剤としては、着色剤、難燃剤などが挙げられる。
中間層が着色剤を含有する場合、中間層の全固形分中に対する着色剤の含有量は、表皮層に含まれる着色剤の含有量以下であることが好ましい。
ウレタン樹脂を含む中間層の厚みは、表皮材の光透過性、基材の隠蔽性、及び風合いの観点から、50μm~100μmが好ましく、50μm~70μmがより好ましい。
【0039】
(表面処理層)
本開示の表皮材は、表皮層の接着層側とは反対側に表面処理層を有していてもよい。
表面処理層は、水系エマルジョン樹脂、又はディスパージョン樹脂を含む表面処理剤組成物を、表皮層の表面に塗布することで形成される。
表面処理層の形成に使用される水系エマルジョン樹脂又はディスパージョン樹脂に含まれる樹脂としては、水系の媒体又は非水系の有機溶媒(又は分散媒)に対して均一なエマルジョンを形成しうる限り、何れの樹脂を用いてもよい。用いうる樹脂としては、例えば、ポリウレタン、アクリル樹脂、エラストマー等が好ましく、ポリウレタンがより好ましい。
水系媒体としては、水、アルコール等、及びこれらを2種以上混合した混合媒体が挙げられる。水系溶媒としては、水、及び、水を90質量%~99質量%とアルコールを10質量%~1質量%含有する混合溶媒等が好ましい。
非水系有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアルコール(IPA)、トルエン等、及びこれらを2種以上混合した混合溶媒が挙げられる。
表皮層表面に表面処理層を形成することで、表皮層の外観及び耐摩耗性がより良化する。
表面処理層には、架橋剤、有機フィラー、滑剤、難燃剤等を含有させることができる。例えば、表面処理層に有機フィラー、滑剤等を含有することで、表皮材に滑らかな感触が付与され、耐摩耗性がさらに向上する。
【0040】
(表皮層の製造方法)
本開示の表皮材の製造方法には特に制限はなく、公知の方法で製造することができる。
本開示の表皮材が単層構造の表皮材である場合には、表皮層の形成方法に従い、好ましくはウレタン樹脂を含有する層を、押出法、塗布法などの既述の公知の方法で形成すればよい。
【0041】
本開示の表皮材が多層構造の場合には、例えば、まず、離型紙表面に表皮層を形成し、その後、任意の層である中間層、接着層等を順次設けて積層体を得る。そして、準備された基布に、積層体の接着層側を接触させ、加圧密着させて表皮材を得る方法が挙げられる。
表皮層の形成には、離型紙を用いても用いなくてもよい。離型紙は、公知の離型紙を目的に応じて、適宜選択して用いることができる。離型紙は、絞型転写用離型紙を用いてもよく、平滑な離型紙を用いてもよい。
離型紙の表面に表皮層を形成する方法は、公知の方法を適用することができる。一般的には、表皮層を形成する方法として、既述の表皮材を形成するための組成物を離型紙表面に付与し、乾燥して表皮層を形成する方法が挙げられる。また、絞型転写に支障がない場合には、表皮層を離型紙表面に転写法により設けてもよい。
【0042】
接着層は、表皮層又は中間層の表面に、既述の接着層を形成するための組成物を付与することで形成される。表皮層表面に接着層を形成するための組成物を付与する方法は、塗布法でも転写法でもよい。
積層体と基布とを加圧密着させる際、加熱処理を行なってもよく、加圧密着後に加熱処理を行なってもよい。
基布と、接着層と表皮層とを含む積層体の加熱は、公知の方法により行なうことができる。加熱手段には特に制限はなく、熱ロールを用いた加熱、温風加熱、加熱乾燥炉内での加熱など、公知の加熱手段を用いればよい。
ここで、接着層が未硬化のうちに、基布と接着層とを密着させ、加熱処理を行なうことも好ましい態様の一つであるといえる。表皮層表面に形成された接着層が未硬化のうちに、基布と接触させ、加圧密着させることで、基布に含まれる繊維の一部が接着層内に侵入し易くなり、接着層と基布との密着性がより向上する。さらに、その後の加熱処理により、接着層の硬化が進行することで、基布との密着性が向上し、得られた表皮材において、基布と表皮層との剥離強度がより良好となる。
加熱処理により、接着層、及び表皮層が硬化した後、表皮層の表面より離型紙を剥離することによって表皮材が得られる。
【実施例
【0043】
以下、実施例を挙げて本開示の表皮材及びその製造方法を具体的に説明するが、本開示はこれらに制限されるものではない。
【0044】
(黒色着色剤の調製)
下記材料を十分に混合し、黒色着色剤を調製した。得られた黒色着色剤における固形分濃度は15質量%である。
ポリウレタン樹脂(ビヒクル) 10質量%(固形分)
カーボンブラック(顔料) 5質量%(固形分)
ジメチルホルムアミド(DMF:溶剤) 85質量%
【0045】
〔実施例1〕
(1.表皮層の形成)
下記組成の表皮層形成用組成物を十分に混合し、表皮層形成用組成物を得た。得られた表皮層形成用組成物を、離型紙の表面に、ナイフコート塗工装置を用いて、ウェット塗布量が150g/mとなる量で塗布し、離型紙上に、表皮層形成用組成物層を形成した。表皮層形成用組成物の全固形分は約13質量%であり、表皮層形成用組成物全固形分に対するカーボンブラックの質量比は0.5質量%であった。
【0046】
(表皮層形成用組成物)
1液型樹脂(固形分20質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
100質量部
DMF(溶剤) 30質量部
イソプロピルアルコール(IPA:溶剤) 10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM:溶剤) 10質量部
黒色着色剤(前記で得たカーボンブラック5質量%含有する着色剤)2.1質量部
【0047】
離型紙上に形成された表皮層形成用組成物層を、100℃で2分間、熱風乾燥機を用いて塗膜を乾燥して、離型紙上に表皮層を形成した。表皮層の乾燥後の膜厚は20μmであった。(工程I)
【0048】
(2.中間層の形成)
下記成分を充分に混合し、固形分約59質量%の中間層形成用組成物を調製した。中間層に含まれる全固形分は約59質量%であり、中間層形成用組成物全固形分に対するカーボンブラックの質量比は0.2質量%であった。
(中間層形成用組成物)
2液型樹脂固形分80質量%のブロックドイソシアネートタイプの
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100質量部
DMF(溶剤) 36質量部
アミン系鎖伸長剤 4.5質量部
黒色着色剤(前記で得たカーボンブラック5質量%含有する着色剤) 4質量部
【0049】
工程Iで得た表皮層上に、中間層形成用組成物をウェット塗布量120g/mとなるように塗布して、中間層形成用組成物層を形成し、熱風乾燥機を用いて170℃で2分間加熱し、厚み70μmの中間層を形成した。(工程II)
【0050】
(3.接着層の形成)
下記成分を充分に混合し、接着層形成用組成物を調製した。中間層に含まれる全固形分は約40質量%であった。
(接着層形成用組成物)
2液型樹脂固形分70質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100質量部
DMF(溶剤) 60質量部
イソシアネート系硬化剤 10質量部
有機スズ系促進剤 0.8質量部
【0051】
工程IIで得た中間層上に、接着層形成用組成物をウェット塗布量100g/mとなるように塗布して、接着層形成用組成物層を形成し、熱風乾燥機を用いて130℃で2分間加熱し、厚み40μmの接着層を形成し、離型紙に表皮層、中間層及び接着層をこの順で有する積層体を得た。(工程III)
【0052】
(4.基布との積層)
糸太さ50デニールのマルチフィラメント糸(ポリエステル)を用いて、目付30g/m、厚み0.3mmの鹿の子編みの基布を準備した。
工程IIIで得た積層体の接着層側に基布を貼り合わせて加圧密着させた。加熱温度は130℃とした。(工程IV)
【0053】
(5.離型紙の剥離)
基布と密着させた積層体を50℃で48時間熟成後、離型紙を剥離して、基布上に、接着層、中間層及び表皮層をこの順で有する実施例1の表皮材を得た。(工程V)
【0054】
〔実施例2〕
実施例1で用いた表皮層形成用組成物における黒色着色剤の含有量を21質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の表皮材を得た。表皮層形成用組成物の全固形分に対するカーボンブラックの質量比は4.5質量%であった。
【0055】
〔実施例3〕
実施例1で用いた基布を、糸太さ200デニールのマルチフィラメント糸(ポリエステル)を用いて、目付400g/m、厚み1.3mmのモクロディ編みの基布とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の表皮材を得た。
【0056】
〔実施例4〕
実施例2で用いた基布を、糸太さ200デニールのマルチフィラメント糸(ポリエステル)を用いて、目付400g/m、厚み1.3mmのモクロディ編みの基布とした以外は、実施例2と同様にして、実施例4の表皮材を得た。
【0057】
〔実施例5〕
実施例1で用いた基布を、糸太さ75デニールのマルチフィラメント糸(ポリエステル)を用いて、目付350g/m、厚み2.0mmのダブルラッセル編みの基布とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の表皮材を得た。
【0058】
〔実施例6〕
実施例2で用いた基布を、糸太さ75デニールのマルチフィラメント糸(ポリエステル)を用いて、目付350g/m、厚み2.0mmのダブルラッセル編みの基布とした以外は、実施例2と同様にして、実施例6の表皮材を得た。
【0059】
〔実施例7〕
実施例1で用いた表皮層形成用組成物の離型紙上へのウェット塗布量を300g/mとなる量で塗布した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の表皮材を得た。表皮層の乾燥後の膜厚は40μmであった。
【0060】
〔実施例8〕
実施例2で用いた表皮層形成用組成物の離型紙上へのウェット塗布量を300g/mとなる量で塗布した以外は、実施例2と同様にして、実施例8の表皮材を得た。表皮層の乾燥後の膜厚は40μmであった。
【0061】
〔比較例1〕
実施例1で用いた表皮層形成用組成物における黒色着色剤の含有量を24質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の表皮材を得た。表皮層形成用組成物の全固形分に対するカーボンブラックの質量比は5.0質量%であった。
【0062】
〔比較例2〕
実施例1で用いた表皮層形成用組成物における黒色着色剤の含有量を1.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の表皮材を得た。表皮層形成用組成物全固形分に対するカーボンブラックの質量比は0.3質量%であった。
【0063】
〔比較例3〕
実施例1で用いた表皮層形成用組成物における黒色着色剤の含有量を11質量部に変更し、基布を糸太さ300デニールのマルチフィラメント糸(ポリエステル)を用いて、目付600g/m、厚み1.5mmのモクロディ編みの基布とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の表皮材を得た。表皮層形成用組成物全固形分に対するカーボンブラックの質量比は2.5質量%であった。
【0064】
〔比較例4〕
実施例1で用いた表皮層形成用組成物における黒色着色剤の含有量を11質量部に変更し、表皮層形成用組成物のウェット塗布量を450g/mとした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の表皮材を得た。表皮層形成用組成物全固形分に対するカーボンブラックの質量比は2.5質量%であり、表皮層の乾燥後の膜厚は60μmであった。
【0065】
〔比較例5〕
比較例4において、表皮層形成用組成物のウェット塗布量を38g/mとした以外は、比較例4と同様にして、比較例5の表皮材を得た。表皮層形成用組成物全固形分に対するカーボンブラックの質量比は2.5質量%であり、表皮層の乾燥後の膜厚は5μmであった。
【0066】
<表皮材の評価>
(1.透過濃度)
得られた表皮材の透過濃度を、ISO 5-2(2009年)に準拠して、X-Rite社製 透過濃度計(341c)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0067】
(2.光透過性)
表皮材の基布側から表皮層側に向かって、タングステンハロゲンランプを用いて光を照射し、表面層側から目視で観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。評価基準のランクAが、実用上問題のないレベルである。
-評価基準-
A:透過光を表皮層で明瞭に表示可能
B:透過光を表皮層でやや明瞭に表示可能
C:透過光を表皮層で表示不可能
【0068】
(3.基材の隠蔽性)
表皮材を被着体である基材(目視で透明な樹脂板)に基布側を、ポリウレタン系接着剤にて貼り付け、表皮層側から目視で観察し、基材が表皮材を介して透けて見えるか否かについて、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。評価基準のランクAが、実用上問題のないレベルである。
-評価基準-
A:被着体が透けない(被着体が見えない)
B:被着体がやや透けて見える
C:被着体が明瞭に透けて見える
【0069】
【表1】

【0070】
表1に明らかなように、実施例1~実施例8の表皮材は、いずれも光透過性が良好であり、基材に貼り付けた場合の基材の隠蔽性も良好であった。従って、実施例の表皮材はいずれも、基材に貼り付けて使用した場合にも基材を隠蔽することができ、光透過性が良好であることで、意匠の多様性を実現でき、表皮材の意匠の自由度が高いことが期待できる。
他方、ISO 5-2(2009年)に準拠して測定した透過濃度が0.5未満である比較例2及び比較例5の表皮材は、基材の隠蔽性に劣っていた。表皮層における顔料固形分の含有量が多く、透過濃度が4.2を超える比較例1、比較例3、及び比較例4の表皮材は、基材の隠蔽性は良好であるが、表皮材の光透過性が低く、外観が表皮材の色相に依存するため、意匠の自由度が低く、意匠の多様性を実現することは困難であると考えられる。
【符号の説明】
【0071】
10 表皮材
12 表皮材
14 基布
16 接着層
18 中間層
20 表皮層
図1
図2