(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】ガイド板、荷重検出装置、及び荷重検出システム
(51)【国際特許分類】
G01G 23/00 20060101AFI20240619BHJP
G01G 19/52 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G01G23/00 A
G01G19/52 D
(21)【出願番号】P 2020083797
(22)【出願日】2020-05-12
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【氏名又は名称】藤田 正広
(74)【代理人】
【識別番号】100179280
【氏名又は名称】河村 育郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 清
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-167492(JP,A)
【文献】特開2019-200148(JP,A)
【文献】特開2018-072006(JP,A)
【文献】米国特許第07511234(US,B1)
【文献】特開2018-066607(JP,A)
【文献】特開2008-065700(JP,A)
【文献】特開平10-055491(JP,A)
【文献】特開2006-176310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/44-19/60,23/00
A61G 1/00-7/16
A47C 17/00-23/34,29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドの下に設置される荷重検出器
であって、前記ベッドが載置される載置部と該載置部の外側へ突出する突出部とを有する荷重検出器を包囲して該荷重検出器に前記ベッドのキャスターを案内する略円環形状のガイド板であって、
前記ガイド板の周方向の一部分における外径が、前記ガイド板の周方向の他の部分における外径よりも大きく、
前記ガイド板の前記一部分に前記キャスターを前記荷重検出器へと案内するスロープが設けられており、
前記載置部を受け入れる受入孔が中央部に設けられており、
各々が前記突出部を受け入れる複数の受入凹部であって、各々が前記受入孔から前記ガイド板の径方向の外側に延びる複数の受入凹部を有し、
前記載置部を前記受入孔に収容し、且つ前記複数の受入凹部のいずれか一つに前記突出部を選択的に収容することにより、前記荷重検出器に対する前記スロープの方位を変更可能であるガイド板。
【請求項2】
前記他の部分に、前記荷重検出器へと前記キャスターを案内する補助スロープが設けられており、前記スロープの傾斜角が前記補助スロープの傾斜角よりも小さい請求項
1に記載のガイド板。
【請求項3】
複数の配線溝
であって、各々が前記複数の受入凹部の各々と前記ガイド板の外側とを連通させ
る複数の配線溝が設けられた請求項
1又は2に記載のガイド板。
【請求項4】
前記複数の配線溝は、前
記径方向に延びて前記一部分において前記ガイド板の外側に開口する第1溝と、前記径方向に延びて前記他の部分において前記ガイド板の外側に開口する第2溝とを有する請求項
3に記載のガイド板。
【請求項5】
第1溝と第2溝とが前記周方向に略180°離れている請求項
4に記載のガイド板。
【請求項6】
前記複数の配線溝が前記周方向に等間隔で設けられている請求項
3に記載のガイド板。
【請求項7】
前記複数の受入凹部が前記周方向に等間隔で設けられている請求項1~6のいずれか一項に記載のガイド板。
【請求項8】
前記受入孔、及び前記荷重検出器
の前記載置部が平面視略円
形である請求項1~
7のいずれか一項に記載のガイド板。
【請求項9】
ベッドの下に設置される荷重検出装置であって、
本体部、該本体部に取り付けられたひずみセンサユニット、及び該ひずみセンサユニットに支持された載置板を有する荷重検出部と、
前記荷重検出部を包囲して該荷重検出部に前記ベッドのキャスターを案内する略円環形状のガイド部とを備え、
前記本体部は、
前記載置板を支持する主部と
前記主部から突出する突出部とを有し、
前記ガイド部の周方向の一部分における外径が、前記ガイド部の周方向の他の部分における外径よりも大きく、
前記ガイド部の前記一部分に、前記キャスターを前記荷重検出
部へと案内するスロープが設けられており、
前記ガイド部の中央部に、前記荷重検出部の前記主部を受け入れる受入孔が設けられており、
前記ガイド部が、各々が前記荷重検出部の前記突出部を受け入れる複数の受入凹部であって、各々が前記受入孔から前記ガイド部の径方向の外側に延びる複数の受入凹部を有し、
前記ガイド部は、
前記主部を前記受入孔に収容し、且つ前記複数の受入凹部のいずれか一つに前記突出部を選択的に収容することにより、前記荷重検出部に対する前記スロープの方位を変更可能である荷重検出装置。
【請求項10】
前記他の部分に、前記荷重検出部へと前記キャスターを案内する補助スロープが設けられており、前記スロープの傾斜角が前記補助スロープの傾斜角よりも小さい請求項
9に記載の荷重検出装置。
【請求項11】
前記荷重検出部に接続された配線を前記ガイド部の外側に延ばすための複数の配線溝が前記ガイド部に設けられた請求項
9又は10に記載の荷重検出装置。
【請求項12】
前記荷重検出
部に接続された配線を前記ガイド部の外側に延ばすための複数の配線溝が前記ガイド部に設けられており、前記複数の配線溝の各々が前記複数の受入凹部の各々と前記ガイド部の外側とを連通させている請求項
9又は10に記載の荷重検出装置。
【請求項13】
前記複数の配線溝は、前
記径方向に延びて前記一部分において前記ガイド部の外側に開口する第1溝と、前記径方向に延びて前記他の部分において前記ガイド部の外側に開口する第2溝とを有する請求項
11又は
12に記載の荷重検出装置。
【請求項14】
前記複数の受入凹部が前記周方向に等間隔で設けられている請求項9~13のいずれか一項に記載の荷重検出装置。
【請求項15】
前記荷重検出部
の前記本体部の前記主部が平面視略円
形である請求項
9~
14のいずれか一項に記載の荷重検出装置。
【請求項16】
ベッド上の被験者の荷重を検出する荷重検出システムであって、
複数の荷重検出装置と、
前記複数の荷重検出装置に接続され、該複数の荷重検出装置の出力に基づいて前記被験者の荷重を求める制御部とを備え、
前記荷重検出装置の各々が請求項
9~
15のいずれか一項に記載の荷重検出装置である荷重検出システム。
【請求項17】
前記複数の荷重検出装置の上に載置されるベッドを更に備え、
前記ベッドが前記複数の荷重検出装置の上に載置され且つ前記突出部を前記複数の受入凹部のいずれか1つに収容した状態における平面視において前記スロープの下端が前記ベッドの外側に突出し、前記ベッドが前記複数の荷重検出装置の上に載置され且つ前記突出部を前記複数の受入凹部の他のいずれか1つに収容した状態における平面視において前記スロープの下端が前記ベッドの下側に収まる請求項16に記載の荷重検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド板、荷重検出装置、及び荷重検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療や介護の分野において、荷重検出器を用いてベッド上の被験者の荷重を検出し、検出した荷重に基づいて、被験者がベッド上に在床しているか否かの判定(在床判定)や、被験者の生体情報(呼吸数、心拍数等)の取得を行うことが提案されている。
【0003】
特許文献1は、ベッドのキャスターのためのスロープを有する荷重検出器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スロープを有する荷重検出器は、荷重検出器上へのキャスターの移動に要する労力を軽減し得る。その一方で、ベッドの下に荷重検出器が設置された状態では、スロープ等がベッドの外側に飛び出して配置されてしまうことがあり、ベッドの使用者(ベッド上の患者や、当該患者に対して医療行為、介護行為を行う医療、介護従事者等)の移動の妨げとなり得る。
【0006】
本発明は、キャスターを容易に荷重検出器に案内することができ、且つ作業者の邪魔になりにくいガイド板、荷重検出装置、及び荷重検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、
ベッドの下に設置される荷重検出器を包囲して該荷重検出器に前記ベッドのキャスターを案内する略円環形状のガイド板であって、
前記ガイド板の周方向の一部分における外径が、前記ガイド板の周方向の他の部分における外径よりも大きく、
前記ガイド板の前記一部分に前記キャスターを前記荷重検出器へと案内するスロープが設けられており、
前記荷重検出器の周囲を回転させて、前記荷重検出器に対する前記スロープの方位を変更可能であるガイド板が提供される。
【0008】
第1の態様のガイド板において、前記荷重検出器を受け入れる受入孔が中央部に設けられていてもよい。
【0009】
第1の態様のガイド板において、前記他の部分に、前記荷重検出器へと前記キャスターを案内する補助スロープが設けられていてもよく、前記スロープの傾斜角が前記補助スロープの傾斜角よりも小さくてもよい。
【0010】
第1の態様のガイド板において、前記荷重検出器に接続された配線を前記ガイド板の外側に延ばすための複数の配線溝が設けられていてもよい。
【0011】
第1の態様のガイド板において、前記荷重検出器が前記ガイド板の径方向に突出する突出部を有してもよく、前記ガイド板は、各々が該突出部を受け入れる複数の受入凹部を有してもよい。
【0012】
第1の態様のガイド板において、前記荷重検出器に接続された配線を前記ガイド板の外側に延ばすための複数の配線溝が設けられていてもよく、該複数の配線溝の各々が前記複数の受入凹部の各々と前記ガイド板の外側とを連通させていてもよい。
【0013】
第1の態様のガイド板において、前記複数の配線溝は、前記ガイド板の径方向に延びて前記一部分において前記ガイド板の外側に開口する第1溝と、前記径方向に延びて前記他の部分において前記ガイド板の外側に開口する第2溝とを有してもよい。
【0014】
第1の態様のガイド板において、第1溝と第2溝とが前記周方向に略180°離れていてもよい。
【0015】
第1の態様のガイド板において、前記複数の配線溝が前記周方向に等間隔で設けられていてもよい。
【0016】
第1の態様のガイド板において、前記荷重検出器は、平面視略円形の荷重検出器であってもよい。
【0017】
本発明の第2の態様に従えば、
ベッドの下に設置される荷重検出装置であって、
本体部、該本体部に取り付けられたひずみセンサユニット、及び該ひずみセンサユニットに支持された載置板を有する荷重検出部と、
前記荷重検出部を包囲して該荷重検出部に前記ベッドのキャスターを案内する略円環形状のガイド部とを備え、
前記ガイド部の周方向の一部分における外径が、前記ガイド部の周方向の他の部分における外径よりも大きく、
前記ガイド部の前記一部分に、前記キャスターを前記荷重検出器へと案内するスロープが設けられており、
前記ガイド部は、前記荷重検出部の周囲を回転させて、前記荷重検出部に対する前記スロープの方位を変更可能である荷重検出装置が提供される。
【0018】
第2の態様の荷重検出装置において、前記ガイド部の中央部に、前記荷重検出部を受け入れる受入孔が設けられていてもよい。
【0019】
第2の態様の荷重検出装置において、前記他の部分に、前記荷重検出部へと前記キャスターを案内する補助スロープが設けられていてもよく、前記スロープの傾斜角が前記補助スロープの傾斜角よりも小さくてもよい。
【0020】
第2の態様の荷重検出装置において、前記荷重検出部に接続された配線を前記ガイド部の外側に延ばすための複数の配線溝が前記ガイド部に設けられていてもよい。
【0021】
第2の態様の荷重検出装置において、前記本体部が前記ガイド部の周方向に突出する突出部を有してもよく、前記ガイド部は、各々が該突出部を受け入れる複数の受入凹部を有してもよい。
【0022】
第2の態様の荷重検出装置において、前記荷重検出器に接続された配線を前記ガイド部の外側に延ばすための複数の配線溝が前記ガイド部に設けられていてもよく、前記複数の配線溝の各々が前記複数の受入凹部の各々と前記ガイド部の外側とを連通させていてもよい。
【0023】
第2の態様の荷重検出装置において、前記複数の配線溝は、前記ガイド部の径方向に延びて前記一部分において前記ガイド部の外側に開口する第1溝と、前記径方向に延びて前記他の部分において前記ガイド部の外側に開口する第2溝とを有してもよい。
【0024】
第2の態様の荷重検出装置において、前記スロープを、該スロープの下端が前記ベッドの外側に突出した突出位置と、該スロープの前記下端が前記ベッドの下側に収まった収容位置との間で変位可能であってもよい。
【0025】
第2の態様の荷重検出装置において、前記荷重検出部は、平面視略円形の荷重検出部であってもよい。
【0026】
本発明の第3の態様に従えば、
ベッド上の被験者の荷重を検出する荷重検出システムであって、
複数の荷重検出装置と、
前記複数の荷重検出装置に接続され、該複数の荷重検出装置の出力に基づいて前記被験者の荷重を求める制御部とを備え、
前記荷重検出装置の各々が第2の態様の荷重検出装置である荷重検出システムが提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明のガイド板、荷重検出装置、及び荷重検出システムは、キャスターを容易に荷重検出器に案内することができ、且つ作業者の邪魔になりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る荷重検出装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る荷重検出装置の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、ベース部を下側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、ひずみセンサユニットを上方から見た分解斜視図である。
【
図5】
図5は、ベース部、ひずみセンサユニット、及び載置板の位置関係を示す下面図である。
【
図6】
図6は、ガイド部を下側から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、ベース部とガイド部との位置関係を示す概略的な平面図である。ガイド部の有する凹部に対するベース部の位置を明示するため、凹部及びベース部の輪郭を破線で描いている。
【
図8】
図8は、ベース部、載置板、及びガイド部の位置関係を示す側面図である。ガイド部に対するベース部及び載置板の位置を明示するため、ガイド部を破線で描いている。
【
図10】
図10(a)~
図10(e)は、4つの荷重検出装置の上にベッドを設置する工程を説明するための説明図である。
図10(a)は床面上に4つの荷重検出装置を設置した状態を示す。
図10(b)は
図10(a)に示す4つの荷重検出装置の上にベッドを設置した状態を示す。この状態においては、ベッドBDの幅方向の一方側に位置する2つの荷重検出装置のガイド部は、一部分がベッドの側方にはみ出している。
図10(c)は、ベッドの幅方向一方側に位置する2つの荷重検出装置において、ガイド部をベース部から持ち上げた状態を示す。
図10(d)は、
図10(c)において持ち上げられたガイド部を180°回転させた状態を示す。
図10(e)は、
図10(d)において180°回転されたガイド部を再度ベース部に取り付けた状態を示す。この状態においては、4つの荷重検出装置のガイド部はすべてがベッドの下側に収まっている。
図10(b)~
図10(e)において、点線はベッドBDの外縁を床面に投射した位置を示す。
【
図13】
図13は、更に他の変形例のガイド部の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態>
本発明の実施形態の荷重検出装置100について、荷重検出装置100を、病院において、ベッドBDとともに使用する場合を例として説明する。
【0030】
図1に示す通り、本実施形態の荷重検出装置100は、略半円形であり、中心軸Xを有する。以下の説明においては、中心軸Xの方向を軸方向、中心軸Xを中心とする放射方向を径方向、中心軸X回りの方向を周方向と呼ぶ。
図1の上側、下側を軸方向の上側、下側と呼ぶ。
【0031】
図2に示す通り、荷重検出装置100は、ベース部10(本体部)と、ベース部10の下面に取り付けられた4つのひずみセンサユニット20と、ベース部10の上側において4つのひずみセンサユニット20に支持された載置板30(載置部)と、ベース部10に着脱可能に取り付けられてベース部10を包囲するガイド部40(ガイド板)とを主に有する。
【0032】
ベース部10は、荷重検出装置100の本体部を構成する部材であり、一例としてABSやPC等の樹脂により形成されている。また、耐薬品性を備えることが望ましい場合はPPSやPOM等の樹脂を使用してもよい。POMの使用により摺動性が向上する。
【0033】
ベース部10は略円形であり、中心O10を有する。ベース部10の中心O10は、中心軸X上に配置されている。
【0034】
ベース部10は、
図2、
図3に示す通り、水平に配置される天板11と、天板11の周縁から軸方向の下側へと垂直に延びる壁部12とを有する。
【0035】
天板11は、平面視円形の主部111と、主部111の周縁の一部分から径方向に突出する略矩形の突出部112とを有する。主部111の中心はベース部10の中心O10に等しい。天板11の外径(直径)、即ちベース部10の外径は、一例として200mm~250mm程度(半径では100mm~125mm程度)とし得る。
【0036】
主部111には、中心O10を中心とする平面視正方形の開口OP10が形成されている。また、開口OP10を画定する各辺の中央部には、径方向に延びるスリットSLが接続されている。スリットSLは、開口OP10と主部111の周縁との間の全域に渡って延びている。
【0037】
壁部12は、周壁部121と突出壁部122とを含む。周壁部121は、天板11の主部111の周縁から軸方向の下側に垂直に延びる。突出壁部122は、天板11の突出部112の周縁から軸方向の下側に垂直に延びる。壁部12の高さは、一例として5mm~25mm程度とし得る。
【0038】
周壁部121は平面視略C字状である。周壁部121の上端近傍には、周方向の4カ所において、径方向の内側へと延びる固定片Fが設けられている(
図3、
図5参照。
図1では図示省略)。4つの固定片Fの各々は、天板11の主部111の4つのスリットSLの各々の内部において、スリットSLの周方向中央部に配置されている。4つの固定片Fの各々には、軸方向に固定片Fを貫通する貫通孔thが設けられている。
【0039】
突出壁部122は平面視略コ字状(U字状)であり、径方向に直交して延びる側壁部122sと、側壁部122sの両端から側壁部122sに直交して延びて周壁部121の両端に接続された一対の接続壁122cとを有する。側壁部122sの下辺の中央部には、上方に窪んだ切欠きNCが形成されている。
【0040】
天板11の主部111と壁部12の周壁部121とにより、ベース部10の本体部10Mが構成される。天板11の突出部112と壁部12の突出壁部122とにより、ベース部10の突出部10Pが構成される。突出部10Pの下側で、突出部112の下面と突出壁部122の内面とにより画定される空間が、基板配置室RMとなる。基板配置室RMには、ひずみセンサユニット20からの配線(不図示)を集合させてホイートストンブリッジを構成する基板Bが配置される(
図5)。基板Bと外部とを繋ぐ配線Wは、切欠きNCを介してベース部10の外側へと延びる。
【0041】
図4に示す通り、ひずみセンサユニット20は、起歪部21と、荷重伝達部22とを主に有する。
【0042】
起歪部21は、第1のU字部材21U1と、第1のU字部材21U1に対向する第2のU字部材21U2と、第1のU字部材21U1の中央部と第2のU字部材21U2の中央部とを繋ぐI字部材21Iとを含む。第1のU字部材21U1、第2のU字部材21U2、I字部材21Iはそれぞれ、ステンレス鋼(SUS304)等の金属で形成されている。
【0043】
第1のU字部材21U1の両端近傍にはねじ穴h1が設けられている。第2のU字部材21U2の両端近傍には連結穴h2が設けられている。2つのねじ穴h1と2つの連結穴h2とは、I字部材21Iの延在方向に直交する方向に沿って一直線状に並んでいる。
【0044】
I字部材21Iの中央部には、ひずみゲージSGが張り付けられている。ひずみゲージSGは、2つのねじ穴h1と2つの連結穴h2とを結ぶ直線上に位置するように配置されている。
【0045】
荷重伝達部22は、略菱形であり、ステンレス鋼(SUS304)等の金属で形成されている。
【0046】
荷重伝達部22の中央部には、上方に半球状に突起した支持台22sが形成されている。荷重伝達部22の長手方向の両端近傍には、連結穴h3が形成されている。支持台22sと2つの連結穴h3とは、荷重伝達部22の長手方向に沿って一直線状に並んでいる。
【0047】
起歪部21と荷重伝達部22とは、起歪部21の2つの連結穴h2の各々と、荷重伝達部22の2つの連結穴h3の各々とをスペーサ(不図示)を介してピン(不図示)で連結することにより、互いに対して固定的に連結されている。起歪部21と荷重伝達部22とが連結された状態において、荷重伝達部22の下面と起歪部21の上面とは、スペーサ(不図示)の厚さ分だけ離間している。また、ひずみゲージSGは支持台22sの真下に位置する。
【0048】
ねじ穴h1の下方から起歪部21を支持した状態で荷重伝達部22の支持台22sに上方から荷重を加えると、起歪部21の第2のU字部材21U2が下方に移動し、I字部材21Iにひずみが生じる。このひずみの量をひずみゲージSGが検出する。ねじ穴h1と支持台22sが一直線上に配置されているため、モーメントの影響を抑制した精度の高いひずみ検出を行うことができる。
【0049】
図5に示す通り、ひずみセンサユニット20は、ベース部10の開口OP
10内において、開口OP
10の四隅に1つずつ固定されている。具体的には、ひずみセンサユニット20の各々は、荷重伝達部22の支持台22sを上方に向けた状態で、第1のU字部材21U1のねじ穴h1を介して、天板11の主部111の下面111dにねじ止めされている。この状態において、各ひずみセンサユニット20の支持台22sは、開口OP
10の内側において、開口OP
10の四隅に位置する。
【0050】
載置板30は、中心O30を有する円形の平板であり、一例としてアルミダイカスト材(ADC12)等により形成されている。載置板30の外径(直径)は一例として150mm~250mm程度(半径では75mm~125mm程度)とし得る。
【0051】
載置板30の上面30uの中心O30近傍の領域には、載置板30に載置されるベッドBDのキャスターの移動を規制するための凹部30Rが設けられている。
【0052】
載置板30は、ベース部10の天板11の上側に、天板11と平行に、且つ中心O
30が中心軸X上に位置するように配置される(
図2、
図5)。この状態において、載置板30は外周近傍の、周方向に等間隔で離間した4点において、ひずみセンサユニット20の支持台22sに支持される(
図5)。
【0053】
また、載置板30は、四つの固定片Fの各々の貫通孔thに、貫通孔thよりも小径のねじを、貫通孔thを介して載置板30の下面にねじ込むことで、ベース部10に分離不能に接続されている。各ねじが固定片Fに接触しないため、載置板30の上下移動(軸方向の移動)は阻害されず、計測精度は保たれる。
【0054】
ガイド部40は、ベッドBDのキャスターを、荷重検出装置100が設置された床面から載置板30の上へと案内するスロープを与えるための部材である。
【0055】
ガイド部40は、中心O40を有する略円環である。ガイド部40は、ベース部10に対して着脱可能に取り付けられる。ガイド部40がベース部10に取り付けられた状態においては、ガイド部40の中心O40が中心軸X上に位置し、ガイド部40の全体がベース部10及び載置板30を周方向に囲む。ガイド部40は、一例としてエラストマー樹脂により形成し得る。
【0056】
ガイド部40は、
図2、
図6に示す通り、略円環状の中央部41と、中央部41の周囲に設けられた大径部42及び小径部43とを有する。中央部41の中心はガイド部40の中心O
40に等しい。
【0057】
中央部41の上面41uは平坦面である。上面41uには、中心O
40を中心とする円形の開口OP
40が設けられている。中央部41の下面41d(
図6)は、上面41uに平行な平坦面である。下面41dの中央部には、凹部Rが設けられている。
【0058】
凹部Rは、中心O40を中心とする円形の凹部R0と、凹部R0の周囲に設けられた、平面視略矩形の凹部R1、R2、R3、R4(受入凹部)とを含む。
【0059】
凹部R0は、開口OP40に連通して受入孔Hを構成している。凹部R0の直径は開口OP40の直径よりもわずかに大きい
【0060】
凹部R1~R4は互いに同一の形状を有する。凹部R1~R4の各々は、長辺方向を径方向に直交させた状態で、凹部R0に連通している。凹部R0の深さと、凹部R1~R4の深さは互いに等しい。
【0061】
凹部R1~R4は、周方向において等間隔に離間している。即ち、凹部R1~R4のうちの互いに隣接する2つの凹部は、互いに対して90°離間している。したがって凹部Rは、全体として、中心O40回りの4回回転対称性を有する。
【0062】
大径部42は、円環の一部を切断した平面視形状を有する。具体的には、円環の一部を、当該円環の中心を通って径方向に延びる線に平行であり且つ当該円環の内周に接するかほぼ接して延びる線により切断し、切断線の当該円環の中心とは反対側の部分を除いた形状を有する。大径部42の内周が、中央部41の外周に接続されている。
【0063】
本実施形態では、中央部41の周囲の、約270°の範囲に大径部42が設けられている。
【0064】
大径部42の上面により、径方向の外側から内側に向かうにしたがって上昇する主スロープSMが画定される。主スロープSMの上端は、中央部41の上面41uに段差なく接続している。
【0065】
本実施形態においては主スロープSMの傾斜角(床面とスロープ上面との間の角度)は7.6度である。しかしながら、主スロープSMの傾斜角は任意であり、10度以下とすることが望ましく、7度~9度程度とすることがより望ましいがこれには限られない。
【0066】
主スロープSMの傾斜角を小さい値とすることにより、キャスター、ひいてはベッドBDの載置板30に対する上げ下げを、容易に且つベッドBD上の患者に与える衝撃を軽減して行うことができる。一方で、主スロープSMの傾斜角を小さくすることは、主スロープSMの傾斜方向の寸法(即ち、スロープの長さ、ガイド部40の外径)が大きくなってしまうことを意味する。上記の望ましい傾斜角の範囲は、これらの観点のバランスを考慮したものである。
【0067】
大径部42には、径方向に延びるスリットS1、S2、S3(配線溝)が形成されている。スリットS1~S3は、周方向において等間隔に離間している。スリットS1、S2、S3はそれぞれ、一端において中央部41の凹部R1、R2、R3に連通しており、他端において径方向の外側に開口している。
【0068】
小径部43は、平面視においては、円環の一部を切断した形状を有する。具体的には、円環の一部を、当該円環の中心を通って径方向に延びる線に平行であり且つ当該円環の内周に接するかほぼ接して延びる線により切断し、切断線の当該円環の中心側の部分を除いた形状を有する。小径部43の内周が、中央部41の外周に接続されている。
【0069】
本実施形態では、中央部41の周囲の、約90°の範囲に小径部42が設けられている。
【0070】
小径部43の上面により、径方向の外側から内側に向かうにしたがって上昇する補助スロープSSが画定される。補助スロープSSの上端は、中央部41の上面41uに段差なく接続している。
【0071】
本実施形態においては補助スロープSSの傾斜角(床面とスロープ上面との間の角度)は34度である。しかしながら、補助スロープSSの傾斜角は主スロープSMの傾斜角よりも大きい任意の角度とし得る。補助スロープSSは主スロープSMよりも傾斜角が大きいが、その分長さ(径方向の寸法)が小さい。よって、ベッドBDの下に設置された状態においては、ベッドBDの側方に飛び出しにくい。
【0072】
小径部43の周方向の中央部には、径方向に延びるスリットS4(溝)が形成されている。スリットS4は、一端において中央部41の凹部R4に連通しており、他端において径方向の外側に開口している。
【0073】
図7、
図8に示すように、ガイド部40は、凹部Rにベース部10を収容することにより、ベース部10に取り付けられる。
【0074】
具体的には、
図7に示すように、ベース部10の本体部10Mが凹部R0に収容され、ベース部10の突出部10Pが凹部R1~R4のいずれかに収容される。凹部Rが4回回転対称性を有するため、ガイド部40をベース部10に対して周方向に回転させることにより、ベース部10の突出部10Pを、凹部R1~R4のいずれにも配置することができる。これにより、ベース部10の周方向の位置を変えることなく、ガイド部40の周方向の位置を変化させることができる。即ち、ベース部10の位置を変えることなく、ガイド部40の主スロープSM及び補助スロープSSの周方向の位置を変化させることができる。
【0075】
載置板30は、中央部41の開口OP40に配置される。載置板30の上面30uと中央部41の上面41uとが面一となってもよい。
【0076】
基板配置室RMから延びる配線Wは、基板配置室RMが配置される凹部R1~R4のいずれかに接続されたスリットS1~S4のいずれかを介して外部に引き出される(
図1)。
【0077】
ここで、
図9を参照して、荷重検出装置100の各部の寸法、および寸法比率を整理する。
【0078】
ガイド部40の開口OP40の半径r40は、一例として75m~125mm程度とし得る。この寸法は、本実施形態では、上記した載置板30の外径(半径)にほぼ等しく、上記したベース部10の本体部10Mの外径(半径)よりもわずかに小さい。
【0079】
ガイド部40の大径部42の半径r42、即ち中心O40と主スロープSMの下端部SMeとの間の径方向の長さは、一例として200mm~300mm程度とし得る。ガイド部40の小径部43の半径r43、即ち中心O40と補助スロープSSの下端部SSeとの間の径方向の長さは、一例として130mm~200mm程度とし得る。
【0080】
半径r42は、一例として、半径r40(又は載置板30の半径、又は本体部10Mの半径)の1.6倍~4倍程度とすることができる。半径r43は、一例として、半径r40(又は載置板30の半径、又は本体部10Mの半径)の1.04倍~2.7倍程度とすることができる。また、半径r42と半径r43との比率は、一例として3:1~1.1:1程度とし得る。
【0081】
本実施形態の荷重検出装置100を病院において使用する場合には、まず、4つの荷重検出装置100を、荷重検出対象のベッドBDに応じた配置で、床面上に配置する(
図10(a))。
【0082】
この時、4つの荷重検出装置100の各々のベース部10は、突出部10Pが内側を向くように、即ち、ベッドBDを設置した状態において突出部10PがベッドBDの幅方向中央側に突出するように配置する。これにより、突出部10Pから延びる配線Wを、良好にベッドBDの下側に延ばすことができる。配線Wは、一例としてベッドBDの近傍に設置された制御部CONTに接続される。
【0083】
次に、4つのベース部10の各々にガイド部40を取り付ける。ベース部10に対するガイド部40の取り付けは、ベッドBDを荷重検出装置100の上に載置する際の移動方向を考慮して行う。即ち、載置板30に向けて移動するベッドBDのキャスターの経路上にガイド部40の主スロープSMが位置するように取り付ける。ベース部10の突出部10Pをガイド部40の凹部R1~R4のいずれにも配置し得るため、ガイド部40のベース部10に対する方位(周方向の位置)を適切に設定し、所望の位置に主スロープSMを配置することができる。
【0084】
図10(a)においては、ベッドBDが矢印Aに沿って進入することを考慮して、4つの荷重検出装置100の各々の主スロープSMは、下端部SMeが矢印Aに対向するように配置されている。このように、載置板30へと向かうキャスターの経路上に主スロープSMを配置することで、傾斜の小さい主スロープSMを用いて、荷重検出装置100に載置することができる。
【0085】
主スロープSMの傾斜角が7.6度と小さいため、ベッドBDの重量が大きいにも関わらず、ベッドBDのキャスターを小さい力で載置板30の上に持ち上げることができる。また、ベッドBDの荷重検出装置100への載置をなだらかな傾斜面を介して行うことは、ベッドBD上の患者(場合によっては非常に重篤な状態であり得る)に与える衝撃を最小限にできるという点においても好ましい。
【0086】
一方で、主スロープSMは径方向の寸法が大きいため、ベッドBDを設置した状態においては、主スロープSMの下端部SMeが、平面視において、ベッドBDの輪郭線よりも外側にはみ出してしまうことがある(
図10(b))。
【0087】
したがって、主スロープSMがベッドBDの輪郭線よりも外側にはみ出している荷重検出装置100については、ベッドBDの設置後に、ガイド部40を持ち上げて(
図10(c))、ベース部10に対して回転させる(
図10(d))。そして、ガイド部40を、補助スロープSSがベッドBDの外側を向く姿勢として、ベース部10に付け直す(
図10(e))。補助スロープSSの径方向の寸法は主スロープSMの径方向の寸法よりも小さいため、ガイド部40のベッドBDからのはみ出しが解消される。
【0088】
このように、ガイド部40をベース部10に対して回転させて、各ガイド部40をベッドBDの下側の領域(平面視においてベッドBDに重複する領域)に収めることで、ベッドBD上の患者に処置を施す医師や看護師等とガイド部40との接触を防止することができる。医療現場においては、医師等がベッドBDの周囲を忙しく動き回るため、医師等の足元には障害物が存在しないことが望ましい。特に、本実施形態においては、ガイド部40の大径部42は傾斜角が小さい主スロープSMを有しており、水平方向への飛び出し量は大きい。したがってガイド部40を回転させて飛び出しを解消できることは有利である。
【0089】
本実施形態の荷重検出装置100の効果を以下にまとめる。
【0090】
本実施形態の荷重検出装置100は、ガイド部40の凹部Rが4回回転対称性を有し、ガイド部40のベース部10に対する取り付けを、互いに異なる4つの方位で行うことができる。したがって、ベッドBDのキャスターを主スロープSMを用いて容易に載置板30に案内することができ、且つベッドBDの設置後にはガイド部40をベース部10に対して回転させてベッドBDの使用者等の邪魔にならない姿勢とすることができる。
【0091】
本実施形態の荷重検出装置100においては、ガイド部40が、凹部R1~R4にそれぞれ連通するスリットS1~S4を有する。したがって、凹部R1~R4に配置される突出部10Pから延びる配線Wを、良好に荷重検出装置100の外側に延ばすことができる。
【0092】
本実施形態の荷重検出装置100は、ガイド部40が補助スロープSSを有する。したがって、主スロープSMを有さない領域からもキャスターを載置板上に案内することができる。具体的には例えば、主スロープSMを用いてキャスターを載置板30へと案内する際にオーバーランが生じ、キャスターが荷重検出装置100の外側に落下した場合等に、ガイド部40をベース部10に対して回転させることなく、補助スロープSSを用いてキャスターを載置板30上に戻すことができる。
【0093】
本実施形態の荷重検出装置100においては、ガイド部40が有する主スロープSM、補助スロープSSの各々が、径方向の外側から内側に向かって上昇する部分環形状である。したがって、キャスターの移動方向が周方向において異なる場合でも、略同一の負荷でキャスターを載置板に案内することができる。
【0094】
<変形例>
上記の実施形態において、次の変形態様を使用することもできる。
【0095】
上記実施形態の荷重検出装置100においては、中央部41の周囲の約270°の領域に大径部42が設けられており、中央部41の周囲の約90°の領域に小径部43が設けられている。しかしながらこれには限られず、中央部41の周囲における大径部42が設けられる領域の範囲θ
42(
図9)、及び中央部41の周囲における小径部43が設けられる領域の範囲θ
43(
図9)は任意に設定し得る。一例として、θ
42を220°~300°程度、θ
43を60°~140°程度とし得る。
【0096】
上記実施形態の荷重検出装置100において、大径部42の両側面42s(
図2、
図6)にもスロープを形成し、補助スロープSSの一部としてもよい。
【0097】
上記実施形態の荷重検出装置100において、補助スロープSSを省略してもよい。この場合は例えば、大径部42の両側面42sを垂直面とし、小径部43を省略する。
【0098】
上記実施形態の荷重検出装置100において、
図11に示す変形例のガイド部61のような、円環の一部を直線状に切断した形状を用いてもよい。即ち、開口OP
40及び凹部Rは、周方向の全域において中央部41、大径部42、小径部43によって囲まれている必要はない。本発明及び本明細書において「略円環形状」とは、このように円環の一部が切断されて環状ではなくなっている態様をも含む。このような態様においては、主スロープSMが存在する領域におけるガイド板61の外径が、主スロープSMが存在しない領域におけるガイド板61の外径よりも大きいと捉えることができる。本発明及び本明細書において「ある部材が他の部材を包囲する」とは、ある部材が他の部材の周方向の全域を囲む場合のみならず、ある部材が他の部材の周方向の一部を囲む場合も含む。
【0099】
上記実施形態の荷重検出装置100においては、ガイド部40に4つのスリットS1~S4が形成されているが、これには限られない。具体的には例えば、
図12に示す変形例のガイド部62のように、大径部42に形成されたスリットS2と、小径部43に形成されたスリットS4とを有するのみであってもよい。この変形例では、スリットS2の延びる方向とスリットS4の延びる方向とが、周方向において略180°(本発明及び本明細書において180°±10°を意味する)離間している。スリットをこのような位置に設ければ、補助スロープSSをベッドBDの幅方向外側を向いた状態及びベッドBDの幅方向内側を向いた状態のいずれとした場合も、配線Wを良好にスリット内に位置させることができる。
【0100】
その他、ガイド部40が有するスリットの数は任意であり、4個以上であってもよく、1つのみであってもよい。またガイド部40はスリットを有さなくてもよい。ガイド部40に複数のスリットが形成されている場合は、複数のスリットの延在方向は、周方向において等間隔で離間していてもよい。
【0101】
上記実施形態の荷重検出装置100においては、ガイド部40の凹部Rは、凹部R0~凹部R4を含む4回回転対称性を備えた形状であるが、これには限られない。
【0102】
具体的には例えば、
図13に示す変形例のガイド部63のように、平面視円形の凹部R5を有してもよい。この態様においては、凹部R5の半径は、ベース部10における中心O
10から側壁部122sまでの寸法よりも大きく、本体部10M及び突出部10Pの両方が凹部R5の内部に収容される。
【0103】
変形例のガイド部62は、周方向の任意の位置においてベース部10に取り付けることができる。ガイド部62をベース部10に取り付けた状態においては、ベース部10の突出部10Pから延びる配線Wは、凹部R5の周縁近傍の空間を介してスリットS1~S4のいずれかに導かれ、当該スリットを介してガイド部62の外側に導かれる。
【0104】
その他、凹部Rの形状は、ガイド部40をベース部10に対して周方向に回転可能とする任意の形状とし得る。
【0105】
上記実施形態の荷重検出装置100においては、ベース部10に突出部10Pを設け、突出部10P内に画定された基板配置室RMに基板Bを配置しているがこれには限られない。例えば、本体部10M内に基板Bを配置して、突出部10Pを省略してもよい。この場合は、ガイド部40の有する凹部Rは、平面視円形とし得る。なお、本発明及び本明細書において「平面視略円形の荷重検出器(荷重検出部)」とは、円形の一部が切り取られた形状や、周方向の一部に径方向に突出する部分を有する円形状等を含む。
【0106】
上記実施形態の荷重検出装置100において、ベース部10は、平面視略円形とは異なる任意の形状であってよい。具体的には例えば、正方形や矩形であってよい。載置板30も同様に、円形とは異なる任意の形状、例えば正方形や矩形とし得る。この場合、ガイド部40の開口OP40や凹部Rは、ベース部10や載置板30の形状に応じた形状であり、且つガイド部40をベース部10に対して周方向に回転可能とする任意の形状とし得る。ベース部10及び載置板30を平面視正方形とし、ガイド部40の開口OP40及び凹部Rも平面視正方形とすれば、ガイド部40は周方向に互いに90°離間した4つの姿勢で、ベース部10及び載置板30に取り付けることができる。本発明及び本明細書では、中央の開口部の形状が矩形や多角形等の円以外の形状であるガイド板も、「略円環形状のガイド板(ガイド部)」に含まれる。
【0107】
上記実施形態及び変形例のガイド部を荷重検出装置100から独立したガイド部材(ガイド板)として用いることもできる。このガイド部材(ガイド板)は、適用可能な任意の荷重検出器と共に用いることもできる。
【0108】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000において、荷重検出装置100は、制御部CONTに無線で検出値を送るよう構成されていてもよい。この場合は、配線Wを省略してもよい。
【0109】
上記実施形態及び変形例の複数の荷重検出装置100と制御部CONTとを組み合わせて荷重検出システムを構成することもできる。この場合、制御部CONTは、複数の荷重検出装置100からの出力に基づいてベッドBD上の被験者の荷重を求めてもよい。
【0110】
上記の実施形態及び変形例の説明は、荷重検出装置100を医療現場で使用する場合を例として説明したが、これには限られない。荷重検出装置100は、介護の現場や一般家庭等、様々な状況で使用し得る。
【0111】
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
10 ベース部、20 ひずみセンサユニット、30 載置板、40,61,62 ガイド部、100 荷重検出装置、SM 主スロープ、SS 補助スロープ、R1,R2,R3,R4,R5 凹部、S1,S2,S3,S4 スリット