(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】車両用灯具及びヘッドランプ組立体
(51)【国際特許分類】
F21S 43/249 20180101AFI20240619BHJP
B60Q 1/26 20060101ALI20240619BHJP
B60Q 1/38 20060101ALI20240619BHJP
B60Q 1/28 20060101ALI20240619BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20240619BHJP
F21S 43/241 20180101ALI20240619BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20240619BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20240619BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240619BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240619BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240619BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20240619BHJP
【FI】
F21S43/249
B60Q1/26 A
B60Q1/38 Z
B60Q1/28
F21S43/237
F21S43/241
F21S43/245
F21S43/50
F21W103:20
F21W103:10
F21W102:00
F21W105:00
(21)【出願番号】P 2020088770
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】関根 佑介
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102012024625(DE,A1)
【文献】実開平01-062601(JP,U)
【文献】特開2018-120801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
B60Q 1/00
F21S 41/00
F21W 103/20
F21W 103/10
F21W 102/00
F21W 105/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過部及び光不透過部を含む装飾パネルと、
前記装飾パネルの背後に配置されたレンズと、
前記装飾パネルの背後に配置され、前記レンズ及び前記光透過部をこの順に透過して車両前方かつ車幅方向内側に照射される光を発光する光源と、を備え、
前記レンズは、当該レンズを透過する前記光源からの光を集光するレンズであり、
前記光透過部は、前記レンズにより集光された前記光源からの光に対応したサイズであ
り、
前記光源、前記レンズ及び前記光透過部は、車両前方かつ車幅方向内側に向かってこの順に配置されている車両用灯具。
【請求項2】
前記レンズ及び前記光源は、前記装飾パネルのうち前記光不透過部の背後に配置されている請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記光源は、第1色の光を発光する第1光源及び第2色の光を発光する第2光源を含む請求項1
又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記レンズは、前記第1光源からの光が入光する第1入光部と、当該第1入光部から入光した前記第1光源からの光が出光する第1出光部と、前記第1入光部から入光した前記第1光源からの光を前記第1出光部まで導光し当該第1出光部から出光させる第1導光部と、前記第2光源からの光が入光する第2入光部と、当該第2入光部から入光した前記第2光源からの光が出光する第2出光部と、前記第2入光部から入光した前記第2光源からの光を前記第2出光部まで導光し当該第2出光部から出光させる第2導光部と、を含み、
前記第1出光部は、当該第1出光部から出光する前記第1光源からの光を集光するように構成されており、
前記第2出光部は、当該第2出光部から出光する前記第2光源からの光を集光するように構成されている請求項
3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記装飾パネルは、車両前端部に取り付けられたグリル本体とは物理的に分離した部材である請求項1から
4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記装飾パネルは、ヘッドランプ組立体に取り付けられており、当該ヘッドランプ組立体が前記車両前端部に取り付けられることで、前記グリル本体に隣接した位置に配置される請求項
5に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記装飾パネルは、車両前端部に取り付けられたグリル本体と一体的に構成されている請求項1から
4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記装飾パネルは、車両前端部に取り付けられたグリル本体と共にグリルを構成するグリル部である請求項1から
7のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項9】
少なくとも車両前方かつ車幅方向内側を照射する内側照射用灯具と、
少なくとも車両前方かつ車幅方向外側を照射する外側照射用灯具と、
ヘッドランプとして機能する灯具と、
光透過部及び光不透過部を含む装飾パネルと、を備え、
前記内側照射用灯具は、
前記装飾パネルの背後に配置されたレンズと、
前記装飾パネルの背後に配置され、前記レンズ及び前記光透過部をこの順に透過して車両前方かつ車幅方向内側に照射される光を発光する光源と、を備え、
前記レンズは、当該レンズを透過する前記光源からの光を集光するレンズであり、
前記光透過部は、前記レンズにより集光された前記光源からの光に対応したサイズであ
り、
前記光源、前記レンズ及び前記光透過部は、車両前方かつ車幅方向内側に向かってこの順に配置されているヘッドランプ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具及びヘッドランプ組立体に関し、特に、装飾パネル(例えば、グリル部)に形成される光透過部のサイズを小さくすることができる車両用灯具及びヘッドランプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジング内に配置された照明装置からの光が透過(又は通過)する光透過部(例えば、開口部)をグリル(グリルフレーム)に形成することで、照明装置からの光をグリルで遮られることなく目的の方向に照射するように構成された車両用灯具が例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102013008908号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具においては、目的の方向を法規が求める明るさで照射するには、グリルに形成される光透過部のサイズを大きくしなければならず、外観上(意匠上)好ましくないという課題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、装飾パネル(例えば、グリル部)に形成される光透過部のサイズを小さくすることができる車両用灯具及びヘッドランプ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる車両用灯具は、光透過部及び光不透過部を含む装飾パネルと、前記装飾パネルの背後に配置されたレンズと、前記装飾パネルの背後に配置され、前記レンズ及び前記光透過部をこの順に透過して車両前方かつ車幅方向内側に照射される光を発光する光源と、を備え、前記レンズは、当該レンズを透過する前記光源からの光を集光するレンズであり、前記光透過部は、前記レンズにより集光された前記光源からの光に対応したサイズである。
【0007】
このような構成により、装飾パネルに形成される光透過部のサイズを小さくすることができる車両用灯具を提供することができる。これにより、装飾パネルの見栄えを向上させることができる。
【0008】
これは、光源からの光がレンズにより集光されるため、光源からの光を集光しない場合と比べ、光源からの光が透過する装飾パネルの光透過部のサイズを、当該集光された光源からの光に対応して小さくすることができることによるものである。
【0009】
上記車両用灯具において、前記レンズ及び前記光源は、前記装飾パネルのうち前記光不透過部の背後に配置されていてもよい。これにより、正面視で、光透過部を介してレンズ及び光源が視認されるのを抑制することができる。これにより、装飾パネルの見栄えを向上させることができる。
【0010】
また、上記車両用灯具において、前記光源、前記レンズ及び前記光透過部は、車両前方かつ車幅方向内側に向かってこの順に配置されていてもよい。これにより、光源からの光が車両前方に照射されるのを抑制することができる。すなわち、正面視で、装飾パネル(光透過部)が発光しているように視認されるのを抑制することができる。これにより、装飾パネルの見栄えを向上させることができる。
【0011】
また、上記車両用灯具において、前記光源は、第1色の光を発光する第1光源及び第2色の光を発光する第2光源を含んでいてもよい。これにより、二つのランプ機能(例えば、ターンランプ機能及びポジションランプ機能)を実現することができる。
【0012】
また、上記車両用灯具において、前記レンズは、前記第1光源からの光が入光する第1入光部と、当該第1入光部から入光した前記第1光源からの光が出光する第1出光部と、前記第1入光部から入光した前記第1光源からの光を前記第1出光部まで導光し当該第1出光部から出光させる第1導光部と、前記第2光源からの光が入光する第2入光部と、当該第2入光部から入光した前記第2光源からの光が出光する第2出光部と、前記第2入光部から入光した前記第2光源からの光を前記第2出光部まで導光し当該第2出光部から出光させる第2導光部と、を含み、前記第1出光部は、当該第1出光部から出光する前記第1光源からの光を水平方向に関し集光するように構成されており、前記第2出光部は、当該第2出光部から出光する前記第2光源からの光を水平方向に関し集光するように構成されていてもよい。これにより、二つのランプ機能(例えば、ターンランプ及びポジションランプ)を実現することができる。
【0013】
また、上記車両用灯具において、前記装飾パネルは、車両前端部に取り付けられたグリル本体とは物理的に分離した部材であってもよい。
【0014】
また、上記車両用灯具において、前記装飾パネルは、ヘッドランプ組立体に取り付けられており、当該ヘッドランプ組立体が前記車両前端部に取り付けられることで、前記グリル本体に隣接した位置に配置されてもよい。
【0015】
また、上記車両用灯具において、前記装飾パネルは、車両前端部に取り付けられたグリル本体と一体的に構成されていてもよい。
【0016】
また、上記車両用灯具において、前記装飾パネルは、車両前端部に取り付けられたグリル本体と共にグリルを構成するグリル部であってもよい。
【0017】
本発明にかかるヘッドランプ組立体は、少なくとも車両前方かつ車幅方向内側を照射する内側照射用灯具と、少なくとも車両前方かつ車幅方向外側を照射する外側照射用灯具と、ヘッドランプとして機能する灯具と、光透過部及び光不透過部を含む装飾パネルと、を備え、前記内側照射用灯具は、前記装飾パネルの背後に配置されたレンズと、前記装飾パネルの背後に配置され、前記レンズ及び前記光透過部をこの順に透過して車両前方かつ車幅方向内側に照射される光を発光する光源と、を備え、前記レンズは、当該レンズを透過する前記光源からの光を集光するレンズであり、前記光透過部は、前記レンズにより集光された前記光源からの光に対応したサイズである。
【0018】
このような構成により、装飾パネルに形成される光透過部のサイズを小さくすることができるヘッドランプ組立体を提供することができる。
【0019】
これは、光源からの光がレンズにより集光されるため、光源からの光を集光しない場合と比べ、光源からの光が透過する装飾パネルの光透過部のサイズを、当該集光された光源からの光に対応して小さくすることができることによるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、装飾パネル(例えば、グリル部)に形成される光透過部のサイズを小さくすることができる車両用灯具及びヘッドランプ組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】ヘッドランプ組立体10が搭載された車両Vの正面図である。
【
図3】ヘッドランプ組立体10の分解斜視図である。
【
図5】内側照射用灯具40及び外側照射用灯具50の照射範囲の一例である。
【
図6】(a)インナーレンズ43の正面側から見た斜視図、(b)正面図、(c)インナーレンズ43の背面側から見た斜視図、(d)背面図である。
【
図8】(a)外側照射用灯具50の斜視図、(b)外側照射用灯具50内を導光される光の光路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具(内側照射用灯具40)を含むヘッドランプ組立体10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0023】
図1はヘッドランプ組立体10の斜視図、
図2はヘッドランプ組立体10が搭載された車両Vの正面図である。
【0024】
図2に示すように、ヘッドランプ組立体10は、自動車等の車両Vの前端部の左右両側にそれぞれ搭載される。左右両側に搭載されるヘッドランプ組立体10は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両Vの前端部の左側(車両前方に向かって左側)に搭載されるヘッドランプ組立体10について説明する。
【0025】
図3は、ヘッドランプ組立体10の分解斜視図である。
【0026】
図3に示すように、ヘッドランプ組立体10は、アウターレンズ20、ハウジング30、ポジションランプ及びターンランプとして機能する第1灯具(内側照射用灯具40及び外側照射用灯具50)、インナーレンズ60及びヘッドランプとして機能する第2灯具70及びグリル端部80を備えている。
【0027】
図示しないが、例えば、内側照射用灯具40、インナーレンズ60、第2灯具70及びグリル端部80は、アウターレンズ20に取り付けられる。一方、外側照射用灯具50は、ハウジング30に取り付けられる。そして、これらが取り付けられたアウターレンズ20とハウジング30とを組み合わせることで、
図1に示すヘッドランプ組立体10が構成される。内側照射用灯具40、外側照射用灯具50、インナーレンズ60及び第2灯具70は、アウターレンズ20及びハウジング30により構成される灯室91(
図4参照)内に配置される。
【0028】
【0029】
アウターレンズ20は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製の透光カバーである。アウターレンズ20は、ヘッドランプ組立体10が車両Vの前端部に取り付けられた状態(
図2参照)で、
図4に示すように、車幅方向内側から外側に向かうに従って後方に傾斜した状態で配置される。
【0030】
図1、
図4に示すように、アウターレンズ20には、グリル端部80が取り付けられている。グリル端部80が本発明の装飾パネル、グリル部の一例である。グリル端部80は、グリル本体90(
図2参照)とは物理的に分離した部材である。
【0031】
まず、グリル本体90の構成例について説明する。
【0032】
グリル本体90は、例えば、合成樹脂製のパネル(主に装飾を目的とした装飾用パネル)である。
図2に示すように、グリル本体90は、車両Vの前端部に取り付けられている。具体的には、グリル本体90は、車両Vの前端部のうち車両Vの前端部に搭載された左右のヘッドランプ組立体10の間に取り付けられている。グリル本体90は、ラジエータ等を冷却するための空気が通過する空気通過部を有していない。
【0033】
次に、グリル端部80の構成例について説明する。
【0034】
グリル端部80は、例えば、合成樹脂製のパネル(主に装飾を目的とした装飾用パネル)である。グリル端部80は、アウターレンズ20(例えば、車幅方向内側端部)に取り付けられている。例えば、グリル端部80は、その前面とアウターレンズ20の前面とが段差なく滑らかに連続するように(
図4参照)取り付けられている。
【0035】
グリル端部80は、ヘッドランプ組立体10が車両Vの前端部に取り付けられた状態(
図2参照)で、グリル本体90に隣接した位置に配置される。グリル本体90及びこれに隣接した位置に配置されたグリル端部80は、一つのグリルとして視認される。
【0036】
グリル端部80は、内側照射用灯具40から照射される光が透過する光透過部81及び当該光が透過しない光不透過部82を含む。グリル端部80は、例えば、透明樹脂製パネルのうち光透過部81に対応する箇所をマスクし、それ以外を不透過色(例えば、黒色)で塗装することで構成することができる。なお、グリル端部80は、不透明樹脂製パネル(例えば、黒色パネル)に対して光透過部81に対応する箇所に貫通穴を形成することで構成することもできる。この貫通穴は、透明樹脂等の光透過部で塞いでもよい。
【0037】
グリル端部80の背後には、内側照射用灯具40が収容される収容部21が配置されている。収容部21は、例えば、アウターレンズ20(車幅方向内側端部)に設けられている。収容部21には、当該収容部21内に配置された内側照射用灯具40から照射される光が透過する光透過部21aが設けられている。
【0038】
次に、内側照射用灯具40の構成例について説明する。
【0039】
図5は、内側照射用灯具40及び外側照射用灯具50の照射範囲の一例である。
【0040】
図5に示すように、内側照射用灯具40は、車両前方かつ車幅方向内側の範囲θ1を照射する。内側照射用灯具40が本発明の車両用灯具の一例である。
【0041】
図4に示すように、内側照射用灯具40は、グリル端部80の背後に配置されている。具体的には、内側照射用灯具40は、アウターレンズ20に設けられた収容部21内に収容された状態でグリル端部80のうち光不透過部82の背後に配置されている。この光不透過部82は、例えば、グリル端部80のうち光透過部81とグリル端部80の車幅方向外側端部83との間の部分である。
【0042】
内側照射用灯具40は、ターンランプ用光源41、ポジションランプ用光源42及びインナーレンズ43を備えている。ターンランプ用光源41が本発明の第1光源の一例で、ポジションランプ用光源42が本発明の第2光源の一例で、インナーレンズ43が本発明のレンズの一例である。各光源41、42、インナーレンズ43及びグリル端部80の光透過部81は、車両前方かつ車幅方向内側に向かってこの順に配置されている。
【0043】
ターンランプ用光源41及びポジションランプ用光源42は、水平方向に一定間隔をあけて基板Kの同一面に実装されている。
【0044】
ターンランプ用光源41は、アンバー色光を発光するLED等の半導体発光素子である。ターンランプ用光源41は、発光面(例えば、1mm角の矩形の発光面)を備えている。ターンランプ用光源41の光軸AX41は、ターンランプ用光源41の発光面の中心を通り、かつ、発光面に直交する方向に延びている。
【0045】
ポジションランプ用光源42は、白色光を発光するLED等の半導体発光素子である。ポジションランプ用光源42は、発光面(例えば、1mm角の矩形の発光面)を備えている。ポジションランプ用光源42の光軸AX42は、ポジションランプ用光源42の発光面の中心を通り、かつ、発光面に直交する方向に延びている。ターンランプ用光源41の光軸AX41及びポジションランプ用光源42の光軸AX42は、互いに平行である。
【0046】
各光源41、42は、その発光面が車両前方かつ車幅方向内側を向くように傾斜した状態で収容部21内に配置されている。
【0047】
各光源41、42の前方には、インナーレンズ43が配置されている。
【0048】
図6(a)はインナーレンズ43の正面側から見た斜視図、
図6(b)は正面図、
図6(c)はインナーレンズ43の背面側から見た斜視図、
図6(d)は背面図である。
図7は、
図4中の円内の拡大図である。
【0049】
インナーレンズ43は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、
図6、
図7に示すように、ターンランプ用光源41からの光が入光する第1入光部43a、ターンランプ用光源41からの光が出光する第1出光部43b、第1入光部43aからインナーレンズ43に入光したターンランプ用光源41からの光を第1出光部43bに向けて全反射する第1全反射面43c及び第2全反射面43dを含んでいる。第1全反射面43c及び第2全反射面43dが本発明の第1導光部の一例である。
【0050】
また、インナーレンズ43は、ポジションランプ用光源42からの光が入光する第2入光部43e、ポジションランプ用光源42からの光が出光する第2出光部43f、第2入光部43eからインナーレンズ43に入光したポジションランプ用光源42からの光を第2出光部43fに向けて全反射する第3全反射面43g及び第4全反射面43hを含んでいる。第3全反射面43g及び第4全反射面43hが本発明の第2導光部の一例である。
【0051】
第1入光部43aは、ターンランプ用光源41の前方に配置され、当該第1入光部43aからインナーレンズ43に入光するターンランプ用光源41からの光をコリメートする。
【0052】
図7に示すように、第1入光部43aは、例えば、中央入光面43a1と、この中央入光面43a1の外周縁からターンランプ用光源41に向かって延びる筒状の周囲入光面43a2と、この周囲入光面43a2の外側に配置された筒状の周囲反射面43a3と、により構成されている。
【0053】
中央入光面43a1は、当該中央入光面43a1の光軸AX43a1に対して回転対称な形状のレンズ面で、焦点を有している。ターンランプ用光源41は、その発光面が第1入光部43aに対向した状態で中央入光面43a1の焦点近傍に配置されている。その際、中央入光面43a1の焦点は、ターンランプ用光源41の発光面の中心に位置している。また、ターンランプ用光源41の光軸AX41と中央入光面43a1の光軸AX43a1は一致している。
【0054】
周囲反射面43a3は、中央入光面43a1の光軸AX43a1に対して回転対称な放物面形状の全反射面である。周囲反射面43a3は、周囲入光面43a2から屈折して入光し当該周囲反射面43a3で全反射されたターンランプ用光源41からの光が中央入光面43a1の光軸AX43a1に対して平行な光に変換(コリメート)されるようにその面形状が設計されている。
【0055】
なお、第1入光部43aは、上記構成に限らず、ターンランプ用光源41からの光をコリメートできればよく、どのような構成であってもよい。
【0056】
第1全反射面43cは、第1入光部43aから入光したターンランプ用光源41からの光の光路上に配置されている。第1全反射面43cは、例えば、平面反射面で、当該第1全反射面43cで全反射されたターンランプ用光源41からの光が車幅方向外側に向けて進行するように第1入光部43aの光軸(中央入光面43a1の光軸AX
43a1)に対して45度傾斜した姿勢で配置されている(
図7参照)。
【0057】
第2全反射面43dは、第1全反射面43cからの反射光の光路上に配置されている。第2全反射面43dは、例えば、平面反射面で、当該第2全反射面43dで全反射された第1全反射面43cからの反射光が第1出光部43bに向けて進行するように第1全反射面43cからの反射光の入射方向に対して45度傾斜した姿勢で配置されている(
図7参照)。
【0058】
第1出光部43bは、当該第1出光部43bから出光するターンランプ用光源41からの光(第2全反射面43dからの反射光)を集光するように構成されている。例えば、第1出光部43bは、水平方向に関しては、当該第1出光部43bから出光するターンランプ用光源41からの光を集光させるため、当該第1出光部43bと光透過部81との間に焦点F43bが設定され、かつ、鉛直方向に関しては、当該第1出光部43bから出光するターンランプ用光源41からの光を平行光のまま出光するように設計されたレンズ面を含む。
【0059】
例えば、
図6(a)に示すように、第1出光部43bは、光照射方向に向かって凸に湾曲したレンズ面を含む。
図6(a)に示す第1出光部43b(レンズ面)は、水平断面及び鉛直断面それぞれが光照射方向に向かって凸に湾曲している。このレンズ面は第1出光部43bの厚みを減らすため格子状に分割され(
図6(b)参照)、この分割された各々の面が鋸歯状(階段状)に配置されている(
図6(a)参照)。つまり、第1出光部43b(レンズ面)は、フレネルレンズ状に構成されている。なお、第1出光部43bは、上記構成に限らず、水平方向に関しては、当該第1出光部43bから出光するターンランプ用光源41からの光を集光し、鉛直方向に関しては、当該第1出光部43bから出光するターンランプ用光源41からの光を平行光のまま出光できればよく、どのような構成であってもよい。
【0060】
第2入光部43eは、ポジションランプ用光源42の前方に配置され、当該第2入光部43eからインナーレンズ43に入光するポジションランプ用光源42からの光をコリメートする。
【0061】
図7に示すように、第2入光部43eは、例えば、中央入光面43e1と、この中央入光面43e1の外周縁からポジションランプ用光源42に向かって延びる筒状の周囲入光面43e2と、この周囲入光面43e2の外側に配置された筒状の周囲反射面43e3と、により構成されている。
【0062】
中央入光面43e1は、当該中央入光面43e1の光軸AX43e1に対して回転対称な形状のレンズ面で、焦点を有している。ポジションランプ用光源42は、その発光面が第2入光部43eに対向した状態で中央入光面43e1の焦点近傍に配置されている。その際、中央入光面43e1の焦点は、ポジションランプ用光源42の発光面の中心に位置している。また、ポジションランプ用光源42の光軸AX42と中央入光面43e1の光軸AX43e1は一致している。
【0063】
周囲反射面43e3は、中央入光面43e1の光軸AX43e1に対して回転対称な放物面形状の全反射面である。周囲反射面43e3は、周囲入光面43e2から屈折して入光し当該周囲反射面43e3で全反射されたポジションランプ用光源42からの光が中央入光面43e1の光軸AX43e1に対して平行な光に変換(コリメート)されるようにその面形状が設計されている。
【0064】
なお、第2入光部43eは、上記構成に限らず、ポジションランプ用光源42からの光をコリメートできればよく、どのような構成であってもよい。
【0065】
第3全反射面43gは、第2入光部43eから入光したポジションランプ用光源42からの光の光路上に配置されている。第3全反射面43gは、例えば、平面反射面で、当該第3全反射面43gで全反射されたポジションランプ用光源42からの光が車幅方向内側に向けて進行するように第2入光部43eの光軸(中央入光面43e1の光軸AX
43e1)に対して45度傾斜した姿勢で配置されている(
図7参照)。
【0066】
第4全反射面43hは、第3全反射面43gからの反射光の光路上に配置されている。第4全反射面43hは、例えば、平面反射面で、当該第4全反射面43hで全反射された第3全反射面43gからの反射光が第2出光部43fに向けて進行するように第3全反射面43gからの反射光の入射方向に対して45度傾斜した姿勢で配置されている(
図7参照)。
【0067】
第2出光部43fは、当該第2出光部43fから出光するポジションランプ用光源42からの光(第3全反射面43gからの反射光)を集光するように構成されている。例えば、第2出光部43fは、水平方向に関しては、当該第2出光部43fから出光するポジションランプ用光源42からの光を集光させるため、当該第2出光部43fと光透過部81との間に焦点F43fが設定され、かつ、鉛直方向に関しては、当該第2出光部43fから出光するポジションランプ用光源42からの光を平行光のまま出光するように設計されたレンズ面を含む。
【0068】
例えば、
図6(a)に示すように、第2出光部43fは、光照射方向に向かって凸に湾曲したレンズ面を含む。
図6(a)に示す第2出光部43f(レンズ面)は、水平断面及び鉛直断面それぞれが光照射方向に向かって凸に湾曲している。このレンズ面は第2出光部43fの厚みを減らすため格子状に分割され(
図6(b)参照)、この分割された各々の面が鋸歯状(階段状)に配置されている(
図6(a)参照)。つまり、第2出光部43f(レンズ面)は、フレネルレンズ状に構成されている。なお、第2出光部43fは、上記構成に限らず、水平方向に関しては、当該第2出光部43fから出光するポジションランプ用光源42からの光を集光し、鉛直方向に関しては、当該第2出光部43fから出光するポジションランプ用光源42からの光を平行光のまま出光できればよく、どのような構成であってもよい。
【0069】
図6(b)に示すように、第1出光部43b及び第2出光部43fは、水平方向に互いに隣接した状態で配置されている。
図6(b)中の符号e1は、第1出光部43bと第2出光部43fとの間の境界線を表す。境界線e1は、鉛直方向(
図6(b)中上下方向)に延びている。また、
図6(d)に示すように、第2全反射面43d及び第4全反射面43hは、水平方向に互いに隣接した状態で配置されている。
図7(d)中の符号e2は、第2全反射面43dと第4全反射面43hとの間の境界線を表す。境界線e2は、鉛直方向(
図6(d)中上下方向)に延びている。
【0070】
インナーレンズ43は、境界線e1及び境界線e2を含む平面に対して面対称に構成されている。そして、その平面に対して一方の側に配置された第1入光部43a、第1全反射面43c、第2全反射面43d及び第1出光部43bが、ターンランプ用光源41からの光を制御するレンズ部を構成している。また、その平面に対して他方の側に配置された第2入光部43e、第3全反射面43g、第4全反射面43h及び第2出光部43fが、ポジションランプ用光源42からの光を制御するレンズ部を構成している。
【0071】
以上のように、インナーレンズ43は、境界線e1及び境界線e2を含む平面に対して面対称に構成されている。そして、インナーレンズ43は、ターンランプ用光源41からの光を第1出光部43bに向けて全反射するように傾斜した姿勢で配置された第1全反射面43c及び第2全反射面43d、並びに、ポジションランプ用光源42からの光を第2出光部43fに向けて全反射するように傾斜した姿勢で配置された第3全反射面43g及び第4全反射面43hを備えている。このような構成を採用したことにより、第1出光部43b及び第2出光部43fが水平方向に互いに隣接した状態で配置されているにも関わらず、ターンランプ用光源41からの光が第2出光部43fから出光するのが抑制される。また、ポジションランプ用光源41からの光が第1出光部43bから出光するのが抑制される。
【0072】
以上のように、ターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光をインナーレンズ43(第1出光部43b及び第2出光部43f)により集光することで、ターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光を集光しない場合と比べ、ターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光が透過するグリル端部80の光透過部81のサイズを、当該集光されたターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光に対応して小さくすることができる。
【0073】
また、以上のように、第1出光部43b及び第2出光部43fを水平方向に互いに隣接した状態で配置することで(
図6(b)、
図7参照)、第1出光部43bの焦点F
43bと第2出光部43fの焦点F
43fとを水平方向に関し互いに接近した位置関係で配置することができるため(
図7参照)、これによっても、ターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光が透過するグリル端部80の光透過部81のサイズを小さくすることができる。
【0074】
上記構成のインナーレンズ43は、各光源41、42の前方に配置されている。具体的には、インナーレンズ43は、第1入光部43aとターンランプ用光源41とが対向し、かつ、第2入光部43eとポジションランプ用光源42とが対向した状態で、当該インナーレンズ43の取付部43j(
図6参照)に挿入されたネジ(図示せず)を基板K又はアウターレンズ20(例えば、収納部21)にネジ止めすることで、各光源41、42の前方に配置されている。
【0075】
第1出光部43b及び第2出光部43fの前方には、収容部21(光透過部21a)が配置されている。光透過部21aは、例えば、板状の透明部で、ターンランプ用光源41の光軸AX41及びポジションランプ用光源42の光軸AX42に直交するように配置されている。
【0076】
上記構成の内側照射用灯具40においては、ターンランプ用光源41を点灯すると、
図7に示すように、ターンランプ用光源41からの光Ray1は、第1入光部43aからインナーレンズ43に入光する。その際、ターンランプ用光源41からの光Ray1は第1入光部43aによってターンランプ用光源41の光軸AX
41に対して平行な光にコリメートされる。このコリメートされた光Ray1は、第1全反射面43c及び第2全反射面43dでこの順に全反射されて、第1出光部43bまで導光され、当該第1出光部43bから出光する。その際、第1出光部43bから出光する光Ray1は、当該第1出光部43bにより水平方向に関し集光される。そして、この集光された光Ray1は、グリル端部80の光透過部81を透過して(
図4参照)、角度θ1(
図5参照)の範囲を照射する。θ1は、上面視で車両前後方向に延びる基準軸AXに対して車幅方向内側30度~内側45度の範囲である。なお、θ1は、この範囲に限らず、これ以外の範囲であってもよい。
【0077】
同様に、上記構成の内側照射用灯具40においては、ポジションランプ用光源42を点灯すると、
図7に示すように、ポジションランプ用光源42からの光Ray2は、第2入光部43eからインナーレンズ43に入光する。その際、ポジションランプ用光源42からの光Ray2は第2入光部43eによってポジションランプ用光源42の光軸AX
42に対して平行な光にコリメートされる。このコリメートされた光Ray2は、第3全反射面43g及び第4全反射面43hでこの順に全反射されて、第2出光部43fまで導光され、当該第2出光部43fから出光する。その際、第2出光部43fから出光する光Ray2は当該第2出光部43fにより水平方向に関し集光される。そして、この集光された光Ray2は、グリル端部80の光透過部81を透過して(
図4参照)、角度θ1(
図5参照)の範囲を照射する。
【0078】
次に、外側照射用灯具50の構成例について説明する。
【0079】
図5に示すように、外側照射用灯具50は、主に車両前方かつ車幅方向外側の範囲θ2を照射する。
【0080】
図8(a)は外側照射用灯具50の斜視図、
図8(b)は外側照射用灯具50内を導光される光の光路図(概略図)である。
【0081】
図8(a)に示すように、外側照射用灯具50は、導光棒51を備えている。外側照射用灯具50の前方にはインナーレンズ60(
図3参照)が配置されている。
【0082】
導光棒51の外周面は、車両前方に向けて配置される出光面51a(前面)及びその反対側の後面51bを含んでいる。出光面51aは、
図8(a)中、符号L1が示す範囲に設けられている。導光棒51(出光面51a)は、アウターレンズ20(後面)に対して概ね平行に配置されている(
図4参照)。
【0083】
図8(a)に示すように、導光棒51の車幅方向内側端部には、第1ターンランプ用光源(図示せず)からの光が入光する入光部52a及び第1ポジションランプ用光源(図示せず)からの光が入光する入光部52bが設けられている。同様に、導光棒51の車幅方向外側端部には、第2ターンランプ用光源(図示せず)からの光が入光する入光部53a及び第2ポジションランプ用光源(図示せず)からの光が入光する入光部53bが設けられている。
【0084】
図8(b)に示すように、導光棒51の後面51bには、各入光部52a、52b、53a、53bから導光棒51に入光し、導光棒51内を導光される各光源からの光を拡散させて導光棒51の出光面51aから出光させるための複数の構造物が設けられている。この構造物は、例えば、V溝等のレンズカットである。以下、レンズカットLCと呼ぶ。
【0085】
図示しないが、インナーレンズ60(
図3参照)は、導光棒51(出光面51a)の前方、すなわち、導光棒51とアウターレンズ20との間に配置されている。
【0086】
インナーレンズ60は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、導光棒51の出光面51aから出光する光が入光する入光面及びその反対側の、当該入光した光が出光する出光面を含む。インナーレンズ60の入光面及び出光面の少なくとも一方には、導光棒51の出光面51aから出光する光をぼかして均一に発光しているように視認させるために、レンズカット又はシボ加工等が施されている。インナーレンズ60は、その入光面と導光棒51の出光面51aとが対向し、かつ、その出光面とアウターレンズ20の後面とが対向した状態で導光棒51とアウターレンズ20との間に配置されている。このように配置されたインナーレンズ60は、エクステンション71(
図3参照)に形成された開口71aから露出しており、アウターレンズ20を透して視認される。
【0087】
上記構成の外側照射用灯具50においては、第1及び第2ターンランプ用光源を点灯すると、
図8(b)に示すように、第1ターンランプ用光源からの光Ray3は、入光部52aから導光棒51に入光し、車幅方向外側端部に向かって進行する。そして、この導光棒51内を進行する光Ray3は、導光棒51の後面51bに設けられたレンズカットLCで内面反射(拡散反射)されて導光棒51の出光面51aから出光し、主に車幅方向外側に向かって照射される(
図8(b)中、斜め右下向きの矢印A1参照)。
【0088】
一方、第2ターンランプ用光源からの光Ray4は、入光部53aから導光棒51に入光し、車幅方向内側端部に向かって進行する。そして、この導光棒51内を進行する光Ray4は、導光棒51の後面51bに設けられたレンズカットLCで内面反射(拡散反射)されて導光棒51の出光面51aから出光し、主に車両前方に向かって照射される(
図8(b)中、下向きの矢印A2参照)。
【0089】
以上のようにして導光棒51の出光面51aから出射する光(
図8(b)中、矢印A1、A2参照)は、導光棒51の前方に配置されたインナーレンズ60及びアウターレンズ20を透過して、角度θ2(
図5参照)の範囲を照射する。θ2は、上面視で車両前後方向に延びる基準軸AXに対して車幅方向外側80度~内側30度の範囲である。なお、θ2は、この範囲に限らず、これ以外の範囲であってもよい。
【0090】
同様に、上記構成の外側照射用灯具50においては、第1及び第2ポジションランプ用光源を点灯すると、
図8(b)に示すように、第1ポジションランプ用光源からの光Ray5は、入光部52bから導光棒51に入光し、車幅方向外側端部に向かって進行する。そして、この導光棒51内を進行する光Ray5は、導光棒51の後面51bに設けられたレンズカットLCで内面反射(拡散反射)されて導光棒51の出光面51aから出光し、主に車幅方向外側に向かって照射される(
図8(b)中、斜め右下向きの矢印A1参照)。
【0091】
一方、第2ポジションランプ用光源からの光Ray6は、入光部53bから導光棒51に入光し、車幅方向内側端部に向かって進行する。そして、この導光棒51内を進行する光Ray6は、導光棒51の後面51bに設けられたレンズカットLCで内面反射(拡散反射)されて導光棒51の出光面51aから出光し、主に車両前方に向かって照射される(
図8(b)中、下向きの矢印A2参照)。
【0092】
以上のようにして導光棒51の出光面51aから出射する光(
図8(b)中、矢印A1、A2参照)は、導光棒51の前方に配置されたインナーレンズ60及びアウターレンズ20を透過して、角度θ2(
図5参照)の範囲を照射する。
【0093】
以上のように、内側照射用灯具40により角度θ1の範囲に照射されるターンランプ用光源41からの光及び外側照射用灯具50により角度θ2の範囲に照射されるターンランプ用光源からの光により、ターンランプが実現される。
【0094】
同様に、内側照射用灯具40により角度θ1の範囲に照射されるポジションランプ用光源42からの光及び外側照射用灯具50により角度θ2の範囲に照射されるポジションランプ用光源からの光により、ポジションランプが実現される。
【0095】
次に、第2灯具70の構成例について簡単に説明する。
【0096】
第2灯具70は、ヘッドランプとして機能する灯具で、
図3に示すように、ハイビーム用灯具ユニット(例えば1つ)、ロービーム用灯具ユニット(例えば3つ)を備えている。各灯具ユニットの数は適宜の数とすることができる。ハイビーム用灯具ユニット及びロービーム用灯具ユニットについては、公知のものを用いることができるため、説明を省略する。各灯具ユニットの周囲は、装飾部材であるエクステンション71により覆われている。エクステンション71には、インナーレンズ60が露出する開口71aが形成されている。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、グリル端部80に形成される光透過部81のサイズを小さくすることができる。これにより、グリル端部80の見栄えを向上させることができる。
【0098】
これは、ターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光がインナーレンズ43(第1出光部43b及び第2出光部43f)により集光されるため、ターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光を集光しない場合と比べ、ターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光が透過するグリル端部80の光透過部81のサイズを、当該集光されたターンランプ用光源41からの光及びポジションランプ用光源42からの光に対応して小さくすることができることによるものである。
【0099】
また、本実施形態によれば、正面視で、光透過部81を介して内側照射用灯具40が視認されるのを抑制することができる。これにより、グリルの見栄えを向上させることができる。
【0100】
これは、内側照射用灯具40が、グリル端部80(光不透過部82)の背後に配置されていることによるものである。
【0101】
また、本実施形態によれば、各光源41、42からの光が車両前方に照射されるのを抑制することができる。すなわち、正面視で、グリル端部80(光透過部81)が発光しているように視認されるのを抑制することができる。これにより、グリルの見栄えを向上させることができる。
【0102】
これは、
図4に示すように、各光源41、42、インナーレンズ43及びグリル端部80の光透過部81が車両前方かつ車幅方向内側に向かってこの順に配置されており、インナーレンズ43及び光透過部81をこの順に透過した各光源41、42からの光Ray1、2が車両前方かつ車幅方向内側(例えば、
図5中の符号θ1が示す範囲)に照射され、車両前方(車両正面)に照射されないことによるものである。
【0103】
また、本実施形態によれば、一つの光透過部81で二つのランプ機能(例えば、ターンランプ機能及びポジションランプ機能)を実現することができる。
【0104】
これは、
図7に示すように、ターンランプ用光源41からの光が出光する第1出光部43b及びポジションランプ用光源42からの光が出光する第2出光部43fが互いに隣接した位置に配置されていること、及び、ターンランプ用光源41からの光Ray1及びポジションランプ用光源42からの光Ray2がインナーレンズ43(第1出光部43b及び第2出光部43f)により集光されて一つの透過部81を透過することによるものである。
【0105】
また、本実施形態によれば、インナーレンズ43及び光透過部81をこの順に透過した各光源41、42からの光Ray1、2が車両前方かつ車幅方向内側(例えば、
図5中の符号θ1が示す範囲)に照射されるため、アウターレンズ20にレンズカットを設けることなく、車両前方かつ車幅方向内側を照射することができる。
【0106】
次に、変形例について説明する。
【0107】
図9(a)及び
図9(b)は、ヘッドランプ組立体10の変形例である。
【0108】
図9(a)に示すように、収容部21(光透過部21a)は、アウターレンズ20に沿って形成されていてもよい。
【0109】
また、
図9(b)に示すように、収容部21は、アウターレンズ20とは物理的に分離した部材であってもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、グリル端部80が、アウターレンズ20に取り付けられている例について説明したが、これに限らない。例えば、グリル端部80は、ヘッドランプ組立体10を構成するアウターレンズ20以外の部材(例えば、ハウジング30)に取り付けられていてもよい。また、グリル端部80は、アウターレンズ20と一体的に構成されていてもよいし、ヘッドランプ組立体10を構成するアウターレンズ20以外の部材(例えば、ハウジング30)と一体的に構成されていてもよい。また、グリル端部80は、ヘッドランプ組立体10を構成する部材ではなく、車両Vに取り付けられていてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、装飾パネルとしてグリル本体90(
図2参照)とは物理的に分離したグリル端部80を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、装飾パネルとしてグリル端部80とグリル本体90とが一体的に構成されたグリルを用いてもよい。例えば、グリル端部80とグリル本体90とが一枚の合成樹脂製のパネルで構成されたグリルを用いてもよい。そして、このグリル端部80とグリル本体90とが一体的に構成されたグリルが、車両Vの前端部に取り付けられていてもよい。この場合、ヘッドランプ組立体10のグリル端部80を省略することができる。このグリル端部80とグリル本体90とが一体的に構成されたグリルが本発明の装飾パネルの他の一例である。
【0112】
また、上記実施形態では、内側照射用灯具40及び外側照射用灯具50を、ポジションランプ及びターンランプとして機能させる例について説明したが、これに限らない。例えば、内側照射用灯具40及び外側照射用灯具50を、ポジションランプとしてのみ機能させてもよいし、ターンランプとしてのみ機能させてもよい。また、内側照射用灯具40及び外側照射用灯具50を、ポジションランプ及びターンランプ以外のランプとして機能させてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、グリル本体90がラジエータ等を冷却するための空気が通過する空気通過部を有していない例について説明したが、これに限らない。グリル本体90は、空気通過部を有していてもよい。
【0114】
上記各変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0115】
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0116】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0117】
10…ヘッドランプ組立体、20…アウターレンズ、21…収容部、21a…光透過部、30…ハウジング、40…内側照射用灯具、41…ターンランプ用光源、42…ポジションランプ用光源、43…インナーレンズ、43a…第1入光部、43b…第1出光部、43c…第1全反射面、43d…第2全反射面、43e…第2入光部、43f…第2出光部、43g…第3全反射面、43h…第4全反射面、43j…取付部、50…外側照射用灯具、51…導光棒、51a…出光面、51b…後面、52a、52b…入光部、53a、53b…入光部、60…インナーレンズ、70…第2灯具、80…グリル端部、81…光透過部、82…光不透過部、83…車幅方向外側端部、90…グリル本体、AX…基準軸、AX41、AX42…光軸、F43b、F43f…焦点、K…基板、LC…レンズカット、V…車両