(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】継手
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20240619BHJP
F16L 27/12 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G01F3/22 C
F16L27/12 E
(21)【出願番号】P 2020128037
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】牛嶋 一博
(72)【発明者】
【氏名】桑原 大河
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-011616(JP,U)
【文献】特開2017-173135(JP,A)
【文献】実開昭51-113815(JP,U)
【文献】実開昭49-048050(JP,U)
【文献】米国特許第05447342(US,A)
【文献】国際公開第2008/020244(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22
G01F 1/00
F16L 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の流体が流入口から流出口へ直線的に流れる直管型計測器と配管とを接続する継手であって、
前記配管に接続される第1の管状部材と、
前記第1の管状部材に
軸方向の一端側が挿入された第2の管状部材と、
前記第1の管状部材に締結され、前記第2の管状部材を軸方向の移動を許容したうえで前記第1の管状部材から抜け出さないように保持する第1のナットと、
前記流出口及び前記流入口の何れか一方に締結され、前記第2の管状部材の
軸方向の他端側が挿入され、前記第2の管状部材を抜け出さないように保持する第2のナットと
を備え、
前記第2の管状部材は、
前記第2の管状部材の軸方向の一端側に設けられ前記第1の管状部材に摺動可能に挿入された摺動部と、
前記摺動部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に前記第2の管状部材の外周面から張り出すように設けられた円環状の第1のストッパ部と、
前記第1のストッパ部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に前記第2の管状部材の外周面から突出し前記第2の管状部材の軸方向に沿って延びるように設けられたリブと
を備え、
前記第1のナットは、
前記第1のナットの内周面から張り出すように設けられ前記第1のストッパ部と共働して前記第2の管状部材の前記第1のナットからの抜け出しを防止する円環状の第2のストッパ部と、
前記第2のストッパ部の内周面から凹むように設けられ前記リブと係合することで前記第2の管状部材を軸回りに回転不能とする溝部と
を備える継手。
【請求項2】
計測対象の流体が流入口から流出口へ直線的に流れる直管型計測器と配管とを接続する継手であって、
前記配管に接続される第1の管状部材と、
前記第1の管状部材に
軸方向の一端側が挿入された第2の管状部材と、
前記第1の管状部材に締結され、前記第2の管状部材を軸方向の移動を許容したうえで前記第1の管状部材から抜け出さないように保持する第1のナットと、
前記流出口及び前記流入口の何れか一方に締結され、前記第2の管状部材の
軸方向の他端側が挿入され、前記第2の管状部材を抜け出さないように保持する第2のナットと
を備え、
前記第2の管状部材は、
前記第2の管状部材の軸方向の一端側に設けられ前記第1の管状部材に摺動可能に挿入された摺動部と、
前記摺動部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に前記第2の管状部材の外周面から張り出すように設けられた円環状の第1のストッパ部と、
前記摺動部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に、前記第2の管状部材の外周面から突出し前記第1のストッパ部から前記摺動部側へ前記第2の管状部材の軸方向に沿って延びるように設けられたリブと
を備え、
前記第1のナットは、
前記第1のナットの内周面から張り出すように設けられ前記第1のストッパ部と共働して前記第2の管状部材の前記第1のナットからの抜け出しを防止する円環状の第2のストッパ部
を備え、
前記第1の管状部材は、
前記第1の管状部材の外周面に設けられ前記第1のナットが螺合するネジ部と、
前記ネジ部から前記第2のストッパ部側に延びる円筒状の先端部と、
前記先端部の先端から前記ネジ部側に前記第1の管状部材の軸方向に沿って延びるように設けられ前記リブと係合することで前記第2の管状部材を軸回りに回転不能とするスリットと
を備える継手。
【請求項3】
前記第2のナットの前記流出口側の端面におけるネジ孔の周縁部には、ザグリが形成されている請求項1
又は2に記載の継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスメータと配管とを接続するための伸縮自在な継手が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス流路がU字状のガスメータは、流入口と流出口とが共に上側に位置するので、上下にスライドさせて脱着することができる。それに対して、ガス流路が直線状の直管型ガスメータは、流入口と流出口とが上下に分かれているので、上下にスライドさせて脱着することができない。そのため、直管型ガスメータと配管とを接続する継手を伸縮自在に構成する必要がある。しかしながら、継手をユニオンナットでガスメータに締結する際、継手の伸縮部が供回りしてしまう。この場合、継手に内蔵されたシール部に負荷がかかるので、継手をユニオンナットでガスメータに締結する際には、スパナ等の工具で伸縮部を保持する必要がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、伸縮自在で取付時の作業性を向上できる、直管型計測器用の継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る継手は、計測対象の流体が流入口から流出口へ直線的に流れる直管型計測器と配管とを接続する継手であって、前記配管に接続される第1の管状部材と、前記第1の管状部材に軸方向の一端側が挿入された第2の管状部材と、前記第1の管状部材に締結され、前記第2の管状部材を軸方向の移動を許容したうえで前記第1の管状部材から抜け出さないように保持する第1のナットと、前記流出口及び前記流入口の何れか一方に締結され、前記第2の管状部材の軸方向の他端側が挿入され、前記第2の管状部材を抜け出さないように保持する第2のナットとを備え、前記第2の管状部材は、前記第2の管状部材の軸方向の一端側に設けられ前記第1の管状部材に摺動可能に挿入された摺動部と、前記摺動部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に前記第2の管状部材の外周面から張り出すように設けられた円環状の第1のストッパ部と、前記第1のストッパ部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に前記第2の管状部材の外周面から突出し前記第2の管状部材の軸方向に沿って延びるように設けられたリブとを備え、前記第1のナットは、前記第1のナットの内周面から張り出すように設けられ前記第1のストッパ部と共働して前記第2の管状部材の前記第1のナットからの抜け出しを防止する円環状の第2のストッパ部と、前記第2のストッパ部の内周面から凹むように設けられ前記リブと係合することで前記第2の管状部材を軸回りに回転不能とする溝部とを備える。
【0007】
本発明に係る継手は、計測対象の流体が流入口から流出口へ直線的に流れる直管型計測器と配管とを接続する継手であって、前記配管に接続される第1の管状部材と、前記第1の管状部材に軸方向の一端側が挿入された第2の管状部材と、前記第1の管状部材に締結され、前記第2の管状部材を軸方向の移動を許容したうえで前記第1の管状部材から抜け出さないように保持する第1のナットと、前記流出口及び前記流入口の何れか一方に締結され、前記第2の管状部材の軸方向の他端側が挿入され、前記第2の管状部材を抜け出さないように保持する第2のナットとを備え、前記第2の管状部材は、前記第2の管状部材の軸方向の一端側に設けられ前記第1の管状部材に摺動可能に挿入された摺動部と、前記摺動部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に前記第2の管状部材の外周面から張り出すように設けられた円環状の第1のストッパ部と、前記摺動部よりも前記第2の管状部材の軸方向の他端側に、前記第2の管状部材の外周面から突出し前記第1のストッパ部から前記摺動部側へ前記第2の管状部材の軸方向に沿って延びるように設けられたリブとを備え、前記第1のナットは、前記第1のナットの内周面から張り出すように設けられ前記第1のストッパ部と共働して前記第2の管状部材の前記第1のナットからの抜け出しを防止する円環状の第2のストッパ部を備え、前記第1の管状部材は、前記第1の管状部材の外周面に設けられ前記第1のナットが螺合するネジ部と、前記ネジ部から前記第2のストッパ部側に延びる円筒状の先端部と、前記先端部の先端から前記ネジ部側に前記第1の管状部材の軸方向に沿って延びるように設けられ前記リブと係合することで前記第2の管状部材を軸回りに回転不能とするスリットとを備える。
【0009】
本発明に係る継手において、前記第2のナットの前記流出口側の端面におけるネジ孔の周縁部には、ザグリが形成されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第2のナットを流出口及び流入口の何れか一方に締結する際に第2の管状部材を保持することなく第2の管状部材の供回りを防止できるので、伸縮可能で取付時の作業性を向上できる、直管型計測器用の継手を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る継手と直管型ガスメータとを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す継手が収縮した状態を示す断面図である。
【
図7】
図7は、他の実施形態に係る継手を示す分解側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る継手100と直管型ガスメータ1とを示す斜視図である。この図に示す直管型ガスメータ1は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料等により成形された筐体であるメータボディ10を備える。メータボディ10の外形形状は、略四角柱状であり、四角柱の高さ方向に長手となる直管形状である。本実施形態のメータボディ10は、その長手方向が鉛直方向と一致するように設置されているが、これに限らず、その長手方向が水平方向と一致するように設置されてもよい。
【0014】
メータボディ10は、ガス流入口11と、ガス流出口12とを備える。ガス流入口11は、メータボディ10の長手方向一端部に設けられており、ガスを導入する。ガス流入口11は、ガス栓2を介して上流側のガス配管(図示省略)に接続されている。他方で、ガス流出口12は、メータボディ10の長手方向他端部に設けられており、ガスを排出する。ガス流出口12は、継手100を介して下流側のガス配管3に接続されている。
【0015】
メータボディ10の内部には、ガス流入口11からガス流出口12にかけて直線的に延びるガス流路(図示省略)が形成されている。ここで、メータボディ10内のガス流路は、U字状やL字状のように大きく方向転換をするものではないが、流路の途中で一切曲がらないものに限定されるものでもない。即ち、直線的に延びるガス流路は、流路の途中に屈曲部を備えてもよく、全体的に見て直線的に延びていればよい。
【0016】
継手100は、配管接続部111と、抜け止め部112と、ユニオンナット113と、ユニオンつば114とを備える。ガス配管3の上流端部(図中下端部)にはネジ部(図示省略)が形成され、配管接続部111の内周面の下流端部(図中上端部)には、ガス配管3のネジ部が螺合するネジ部111A(
図4参照)が形成されている。ナット103は、ガス配管3のネジ部に螺合し、ガス配管3の上流端部(図中下端部)を配管接続部111の下流端部に締結固定する。
【0017】
固定部104が配管接続部111の背面側に設けられている。この固定部104は、配管接続部111を壁等に固定するためのプレートであり、配管接続部111と一体で形成されている。
【0018】
継手100は、伸縮自在の自在継手である。継手100を直管型ガスメータ1とガス配管3との間に取り付ける際には、継手100を収縮させた状態で配管接続部111をガス配管3に取り付け、その後、継手100を伸長させて継手100の上流端部(図中下端部)をガス流出口12に取り付ける。
【0019】
図2は、
図1に示す継手100を示す斜視図である。この図に示すように、継手100では、配管接続部111と、抜け止め部112と、ユニオンナット113と、ユニオンつば114とが、同軸に配されている。
【0020】
図3は、
図2に示す継手100を示す分解側面図である。
図4は、
図2に示す継手100を示す断面図である。これらの図に示すように、継手100は、Cリング115と、一対のOリング116とを備える。Cリング115と一対のOリング116とは、ユニオンつば114に取り付けられている。
【0021】
配管接続部111の外形形状は角筒形状であり、配管部111の内形形状は円筒形状である。即ち、配管接続部111は、円筒形状のガス流路を備える。配管接続部111内のガス流路は、上流側のガス流路111Bと下流側のガス流路111Cとに二分されている。上流側のガス流路111Bの内径は、下流側のガス流路111Cの内径に比して大きくなっている。
【0022】
下流側のガス流路111Cの下流端部(図中上端部)には上述のネジ部111Aが形成されている。このネジ部111Aに配管3(
図1参照)のネジ部が螺合する。他方で、配管接続部111の上流端部には、ネジ部111Dが設けられてる。このネジ部111Dは、外周面にネジ溝が形成された円環状の部分である。
【0023】
抜け止め部112は、ナットであり、ボディ部112Aと、ストッパ部112Bとを備える。ボディ部112Aの外形形状は多角形状(本実施形態では六角形状)であり、ボディ部112Aの内形形状は円筒形状である。ボディ部112Aの内周面における下流側(図中上側)には、ネジ溝が形成されたネジ部112Dが形成されている。このネジ部112Dにはネジ部111Dが螺合している。
【0024】
ストッパ部112Bは、円環状のフランジである。このストッパ部112Bは、ボディ部112Aの上流端部(図中下端部)に一体化され、ボディ部112Aの内周面から内周側へ張り出している。このストッパ部112Bは、後述のユニオンつば114の第1のストッパ部114Bと協働してユニオンつば114の抜け止め部112からの抜け出しを防止する。
【0025】
図5は、
図4に示す継手100の5-5断面図である。
図4及び
図5に示すように、ストッパ部112Bには、一対の溝部112Cが形成されている。一対の溝部112Cは、ストッパ部112Bの中心に対して対称に配されている。この一対の溝部112Cは、ストッパ部112Bの内周面から凹んだ矩形の溝であり、後述のユニオンつば114のリブ114Gが係合する。ストッパ部112Bは、リブ114Gと協働してユニオンつば114の軸回りの回転を防止する。
【0026】
図3及び
図4に示すように、ユニオンナット113の外形形状は多角形状(本実施形態では六角形状)であり、ユニオンナット113の内形形状は円筒形状である。このユニオンナット113の内周面における上流側(図中下側)には、ネジ溝が形成されたネジ部113A(
図4参照)が形成されている。このネジ部113Aは、ガス流出口12のネジ部12A(
図4及び
図6参照)に螺合する。
【0027】
ユニオンナット113の内周面における下流端部(図中上端部)には、ストッパ部113B(
図4参照)が形成されている。このストッパ部113Bは、円環状に形成されており、ユニオンナット113の内周面から内周側へ張り出している。後述するように、ストッパ部113Bは、Cリング115と協働してユニオンつば114のユニオンナット113からの抜け出しを防止する。
【0028】
ユニオンナット113の上流側の開口縁部には、凹部であるザグリ113C(
図4参照)が全周に亘って形成されている。このザグリ113Cが存在することにより、ユニオンナット113とガス流出口12の口金12Bとの干渉が防止されている。
【0029】
ユニオンつば114は、内形形状が円筒形状の管材であり、摺動部114Aと、第1のストッパ部114Bと、多角形部114Cと、第2のストッパ部114Dと、インロー部114Eとを備える。摺動部114Aと第1のストッパ部114Bと多角形部114Cと第2のストッパ部114Dとインロー部114Eとは同軸に配されている。
【0030】
摺動部114Aは、外形形状と内形形状とが共に円筒形状に形成されている。この摺動部114Aは、配管接続部111の上流側のガス流路111Bに挿入されており、内周面111F(
図4参照)に対して摺動可能である。摺動部114Aの下流端部(図中上端部)の近傍には、一対の環状の溝部114Fが摺動部114Aの軸方向に並べて形成されている。各溝部114Fには、Oリング116が嵌め込まれている。一対のOリング116は、摺動部114Aと配管接続部111の内周面111Fとの間の気密性を確保する気密シール部として機能する。
【0031】
第1のストッパ部114Bは、円環状に形成されたフランジである。この第1のストッパ部114Bは、摺動部114Aの上流端部(図中下端部)から外周側へ張り出している。第1のストッパ部114Bの外径は、ボディ部112Aの内径よりも小さく、ストッパ部112Bの内径よりも大きい。これによって、第1のストッパ部114Bがストッパ部112Bに対して係合することにより、ユニオンつば114の抜け止め部112からの抜け出しが防止される。
【0032】
多角形部114Cの外形形状は多角形状(本実施形態では六角形状)であり、多角形部114Cの内形形状は円筒形状である。多角形部114Cの下流端部(図中上端部)と摺動部114Aの上流端部(図中下端部)とが一体化されている。多角形部114Cの外径の最大値は、抜け止め部112のストッパ部112Bの内径及びユニオンナット113のストッパ部113Bの内径よりも小さい。
【0033】
多角形部114Cには一対のリブ114Gが形成されている。この一対のリブ114Gは、ユニオンつば114の軸心に対して対称に配されている。この一対のリブ114Gは、多角形部114Cの軸方向に沿って延びている。各リブ114Gの上流端部(図中下端部)は、第2のストッパ部114Dから離間し、各リブ114Gの下流端部(図中上端部)は、第1のストッパ部114Bから離間している。
【0034】
ここで、各リブ114Gは、ストッパ部112Bの溝部112Cに係合している。これにより、ユニオンつば114が抜け止め部112に対して相対的に回転することが防止される。なお、各リブ114Gと溝部112Cとの間の隙間は確保されており、各リブ114Gは、溝部112Cにより長手方向(ユニオンつば114の軸方向)への移動を制限されない。
【0035】
第2のストッパ部114Dは、円環状に形成されている。この第2のストッパ部114Dの下流端部(図中上端部)と多角形部114Cの上流端部(図中下端部)とは一体化されている。第2のストッパ部114Dの外径は、ユニオンナット113のストッパ部113Bの内径よりも小さい。ここで、第2のストッパ部114Dには、環状の溝部114Hが形成されている。この溝部114Hには、Cリング115が嵌め込まれている。このCリング115の外径は、ストッパ部113Bの内径よりも大きい。これによって、Cリング115がストッパ部113Bに対して係合することにより、ユニオンつば114のユニオンナット113からの抜け出しが防止される。
【0036】
図6は、
図4に示す継手100が収縮した状態を示す断面図である。
図4及び
図6に示すように、ユニオンつば114の摺動部114Aが配管接続部111の内周面111Fに対して摺動することにより、継手100が伸縮する。
図6に示すように、第1のストッパ部112Bが、配管接続部111の上流端部(図中下端部)に当接する状態が、継手100が最も収縮した状態である。配管接続部111がガス配管3に締結固定され、継手100が最も収縮した状態において、ユニオンナット113は、ガス流出口12から離間し、ユニオンつば114は、ガス流出口12及びその上のシール部材4から離間する。ここで、最も収縮した状態の継手100を、ガス流出口12とガス配管3との間に挿入して、ガス配管3のネジ部(図示省略)を配管接続部111のネジ部111Aに螺合させることが可能である。
【0037】
配管接続部111がガス配管3に締結固定され、継手100が最も収縮した状態から継手100を伸長させることにより、
図4に示すように、ユニオンつば114のインロー部114Eを、シール部材4を挿通させてガス流出口12内に挿入すると共に、ユニオンナット113をガス流出口12のネジ部12Aに螺合させることができる。Cリング115とユニオンナット113のストッパ部113Bとが係合した状態で、ユニオンナット113がガス流出口12のネジ部12Aに螺合することにより、シール部材4が、ユニオンつば114の第2のストッパ部114Dとガス流出口12の上端とにより挟み込まれる。これにより、ユニオンつば114とガス流出口12との接続部における気密性が確保される。
【0038】
ここで、ユニオンナット113をガス流出口12のネジ部12Aに螺合させるために回転させる際、リブ114Gが抜け止め部112の溝部112Cに係合していることにより、ユニオンつば114が抜け止め部112に対して相対的に回転不能となる。従って、ユニオンナット113の締結作業時に、ユニオンつば114をスパナ等の工具で保持することなく、ユニオンつば114がユニオンナット113と供回りすることを防止できる。よって、ユニオンつば114に取り付けられたOリング116やガス流出口12とユニオンつば114との間のシール部材4にかかる負荷を低減できると共に、継手100の取り付けの作業性を向上できる。
【0039】
また、ユニオンナット113の上流側の開口縁部には、ザグリ113Cが全周に亘って形成されている。このザグリ113Cが存在することにより、ユニオンナット113とガス流出口12の口金12Bとの干渉を防止できる。
【0040】
また、一対のOリング116がユニオンつば114に対してユニオンつば114の軸方向に並べて取り付けられていることにより、ユニオンつば114と配管接続部111との間のシール性を向上できると共に、ユニオンつば114の軸振れを抑制できる。
【0041】
図7は、他の実施形態に係る継手200を示す分解側面図である。
図8は、
図7に示す継手200を示す断面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、上述の実施形態についての説明を援用する。
【0042】
図7及び
図8に示すように、本実施形態に係る継手200は、上述の実施形態に係る継手100に対して、リブ114Gが係合するスリット211Fが配管接続部211に形成されている点と、リブ114Gと第1のストッパ部114Bとが一体で形成されている点とが相違する。
【0043】
継手200は、配管接続部211と、抜け止め部212と、ユニオンナット113と、ユニオンつば214とを備える。本実施形態の配管接続部211は、上述の実施形態の配管接続部111に対して、回り止め部211Eを備える点が相違する。この回り止め部211Eは、ネジ部111Dの上流端部(図中下端部)と一体化された円筒状の部分である。
【0044】
図9は、
図7に示す配管接続部211を示す斜視図である。この図に示すように、回り止め部211Eには、一対のスリット211Fが形成されている。この一対のスリット211Fは、回り止め部211Eの軸心に対して対称に配され、回り止め部211Eの上流端から下流端まで回り止め部211Eの軸心に沿って延びている。
図8に示すように、各スリット211Fには、リブ114Gが係合する。回り止め部211Eは、リブ114Gと協働してユニオンつば214の軸回りの回転を防止する。
【0045】
図10は、
図7に示すユニオンつば214を示す斜視図である。この図に示すように、本実施形態のユニオンつば214は、上述の実施形態のユニオンつば114に対して、第1のストッパ部114Bと一対のリブ114Gとが一体化されている点が相違する。本実施形態のユニオンつば214では、一対のリブ114Gが摺動部114Aに設けられ、一対のリブ114Gの上流端部(図中下端部)と第1のストッパ部114Bとが一体化されている。
【0046】
図8に示すように、本実施形態の抜け止め部212は、上述の実施形態の抜け止め部112に対して、ユニオンつば214の回り止めのための溝部がストッパ部112Bに形成されていない点が相違する。
【0047】
図11は、
図8に示す継手200が収縮した状態を示す断面図である。
図8及び
図11に示すように、ユニオンつば214の摺動部114Aが配管接続部211の内周面111Fに対して摺動することにより、継手200が伸縮する。リブ114Gの下流端部(図中上端部)が、配管接続部211のネジ部111Dの上流端部(図中下端部)に当接する状態が、継手200が最も収縮した状態である。配管接続部211がガス配管3に締結固定され、継手200が最も収縮した状態において、ユニオンナット113は、ガス流出口12から離間し、ユニオンつば214は、ガス流出口12及びその上のシール部材4から離間する。ここで、最も収縮した状態の継手200を、ガス流出口12とガス配管3との間に挿入して、ガス配管3のネジ部(図示省略)を配管接続部211のネジ部111Aに螺合させることが可能である。
【0048】
配管接続部211がガス配管3に締結固定され、継手200が最も収縮した状態から継手200を伸長させることにより、
図8に示すように、ユニオンつば214のインロー部114Eを、シール部材4を挿通させてガス流出口12内に挿入すると共に、ユニオンナット113をガス流出口12のネジ部12Aに螺合させることができる。Cリング115とユニオンナット113のストッパ部113Bとが係合した状態で、ユニオンナット113がガス流出口12のネジ部12Aに螺合することにより、シール部材4が、ユニオンつば214の第2のストッパ部114Dとガス流出口12の上端とにより挟み込まれる。これにより、ユニオンつば214とガス流出口12との接続部における気密性が確保される。
【0049】
ここで、ユニオンナット113をガス流出口12のネジ部12Aに螺合させるために回転させる際、リブ114Gが配管接続部211のスリット211Fに係合していることにより、ユニオンつば214が配管接続部211に対して相対的に回転不能となる。従って、ユニオンナット113の締結作業時に、ユニオンつば214をスパナ等の工具で保持することなく、ユニオンつば214がユニオンナット113と供回りすることを防止できる。よって、ユニオンつば214に取り付けられたOリング116やガス流出口12とユニオンつば114との間のシール部材4にかかる負荷を低減できると共に、継手200の取り付けの作業性を向上できる。
【0050】
また、本実施形態に係る継手200では、第1のストッパ部114Bと一対のリブ114Gとが一体化されていることにより、第1のストッパ部114Bと一対のリブ114Gとが相互に補強し合う。従って、第1のストッパ部114Bと一対のリブ114Gとの強度を高めることができる。また、ユニオンつば214の抜け止め部212からの抜け出しを防止するためのCリング等の別部品が不要になるので、コストを低減できる。
【0051】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、適宜公知や周知の技術を組み合わせてもよい。
【0052】
例えば、上記実施形態では、直管型計測器として直管型ガスメータ1を例に挙げて本発明を説明したが、直管型水道メータ等の他の直管型流体計測器にも本発明を適用できる。また、上記実施形態では、直管型ガスメータ1のガス流出口12と下流側のガス配管3とを接続する継手100,200を例に挙げて本発明を説明したが、直管型計測器の流入口と上流側の配管等とを接続する継手にも本発明を適用できる。
【0053】
また、上記実施形態では、リブ114Gが係合する溝部112Cを抜け止め部112に設け、リブ114Gが係合するスリット211Fを配管接続部211に設けたが、リブ114Gが係合する被係合部をユニオンナット113に設けてもよい。この場合、ユニオンナット113をガス流出口12に締結固定した後に、配管接続部111,211を配管3に締結固定すればよい。
【0054】
さらに、上述の実施形態では、第1の管状部材としての配管接続部111,211がガス配管3に直接的に接続されるが、第1の管状部材としての配管接続部111,211が、バルブ等の配管部品を介してガス配管3に間接的に接続されるように構成されてもよい。即ち、本発明の第1の管状部材は、直接的に配管に接続されてもよく、間接的に配管に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 直管型ガスメータ(直管型計測器)
3 ガス配管(配管)
11 ガス流入口(流入口)
12 ガス流出口(流出口)
100 継手
111 配管接続部(第1の管状部材)
112 抜け止め部(第1のナット)
112C 溝部(回り止め部,被係合部)
113 ユニオンナット(第2のナット)
113A ネジ部(ネジ孔)
113C ザグリ
114 ユニオンつば(第2の管状部材)
114B 第1のストッパ部(環状部)
114G リブ(回り止め部)
200 継手
211 配管接続部(第1の管状部材)
211F スリット(回り止め部,被係合部)
212 抜け止め部(第1のナット)
214 ユニオンつば(第2の管状部材)