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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25C 5/187 20180101AFI20240619BHJP
   F25C 1/147 20180101ALI20240619BHJP
【FI】
F25C5/187 A
F25C1/147 B
F25C1/147 H
F25C1/147 K
F25C1/147 Z
F25C1/147 M
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020137335
(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公開番号】P2022033448
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嘉戸 修治
(72)【発明者】
【氏名】水谷 保起
(72)【発明者】
【氏名】山岡 清史
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-312451(JP,A)
【文献】特開2002-243327(JP,A)
【文献】特開2017-104777(JP,A)
【文献】特許第7489859(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 5/187
F25C 1/147
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷を製造する製氷部と、前記製氷部において製造された氷を貯留するための貯氷部と、前記製氷部に水を給排水するための給排水機構と、制御装置と、を備えて構成された製氷機であって、
前記給排水機構は、
前記貯氷部に給水する給水経路と、
前記貯氷部に供給する水に紫外線を照射するUV殺菌装置と、
前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、
前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記貯水タンクの水を前記製氷部に供給するための製氷給水路と、
前記製氷給水路とは別に設けられ、前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記製氷部の水を前記貯水タンクに環流させるための環流路と、を備えており、
前記貯氷部は、
箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカと、
前記給排水機構に接続されるとともに前記ストッカの上方に備えられ、前記給排水機構によって水を供給されることで前記ストッカ内に水を散水することができる散水ノズルと、
前記ストッカ内に貯留される氷の量を検知する氷量センサと、
を備えており、
前記給排水機構は、前記貯水タンクと前記散水ノズルとを接続し、前記貯水タンクの水を前記散水ノズルに供給するためのノズル給水路をさらに備えており、
前記制御装置は、
前記製氷部による製氷運転を停止した状態で、前記給排水機構に対して前記散水ノズルに水を供給させて前記ストッカの内部を洗浄するとともに、
前記氷量センサによって前記ストッカ内に貯留される氷がないと判断されたあとに、前記給排水機構による前記散水ノズルへの水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部を備えており、
前記UV殺菌装置は、前記貯水タンクに備えられているとともに、
前記給排水機構においては、前記貯水タンク、前記製氷給水路、および前記環流路によって循環経路が形成されており、
前記ストッカ洗浄制御部は、
前記UV殺菌装置によって前記貯氷部に供給する水を殺菌しながら、前記ストッカの洗浄を実施し、
前記給排水機構によって、前記循環経路に前記貯水タンクの水を循環させつつ、前記UV殺菌装置によって前記貯水タンクに貯留された水を殺菌するとともに、
前記貯水タンク内の殺菌された水を前記散水ノズルに供給して前記ストッカに散水する構成を備えている、製氷機。
【請求項2】
前記散水ノズルは、
管状をなし、前記給排水機構から供給される水を流通させる軸管と、
中空構造を有するとともに、前記軸管がその中空空間を貫くように前記軸管に対して回転自在に外嵌されている回転部と、
を含んで構成され、
前記軸管は、前記回転部の前記中空空間に水を排出するための横孔を有しており、
前記回転部は、当該回転部の回転半径と交わる方向において、前記中空空間と外部とを連通するノズル孔を備えており、
前記ノズル孔は、少なくとも、
前記回転部のうち、前記軸管の前記給排水機構に接続される側である上流側において上方に向けて前記回転部を貫通する上ノズル孔と、
前記回転部のうち、前記上流側とは反対側の下流側において下方に向けて前記回転部を貫通する下ノズル孔と、
を有しており、
当該散水ノズルは、前記給排水機構から供給される水の圧力に対する反力によって、前記回転部が前記軸管を軸として回転しつつ、前記ノズル孔から少なくとも上方と下方とに向けて水を噴出する構成を備えている、請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記氷量センサは、非接触型の位置センサである、請求項1または2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記ストッカ内に貯留されている氷の量を表示する表示部を備えており、
前記制御装置は、前記氷量センサによって検知された前記ストッカ内に貯留される氷の量を、前記表示部に表示させる構成を備えている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製氷機。
【請求項5】
前記給排水機構は、
前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、
前記貯水タンクに水を供給するための給水路と、
を備えているとともに、
前記貯水タンクと前記散水ノズルとを接続し、前記貯水タンクの水を前記散水ノズルに供給するためのノズル給水路と、
前記ノズル給水路とは別の、前記散水ノズルに水を供給するための他の給水路と、
の少なくとも一方を備えている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の製氷機。
【請求項6】
前記UV殺菌装置は、
紫外線を発信するUV発信素子と、
紫外線を受信するUV受信素子と、
前記UV発信素子および前記UV受信素子を、前記UV発信素子から紫外線が発信される側において覆うカバー部材と、
を備えており、
前記制御装置は、前記UV発信素子が紫外線を発信したとき、前記UV発信素子から発信されたのち反射された紫外線を前記UV受信素子が受信することにより、前記UV発信素子が紫外線を発信していることを検知する構成を備えている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製氷機。
【請求項7】
氷を製造する製氷部と、前記製氷部において製造された氷を貯留するための貯氷部と、前記製氷部に水を給排水するための給排水機構と、制御装置と、を備えて構成された製氷機であって、
前記給排水機構は、前記貯氷部に給水する給水経路を備えており、
前記貯氷部は、
箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカと、
前記給排水機構に接続されるとともに前記ストッカの上方に備えられ、前記給排水機構によって水を供給されることで前記ストッカ内に水を散水することができる散水ノズルと、
前記ストッカ内に貯留される氷の量を検知する氷量センサと、
を備えており、
前記制御装置は、
前記製氷部による製氷運転を停止した状態で、前記給排水機構に対して前記散水ノズルに水を供給させて前記ストッカの内部を洗浄するとともに、
前記氷量センサによって前記ストッカ内に貯留される氷がないと判断されたあとに、前記給排水機構による前記散水ノズルへの水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部を備えており、
前記給排水機構は、前記貯氷部に供給する水に洗剤を加える洗剤添加装置を備えており、
前記ストッカ洗浄制御部は、前記洗剤添加装置によって前記貯氷部に供給する水を洗剤液としたのちに、この洗剤液を前記散水ノズルに供給し、
前記給排水機構は、
前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、
前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記貯水タンクの水を前記製氷部に供給するための製氷給水路と、
前記製氷給水路とは別に設けられ、前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記製氷部の水を前記貯水タンクに環流させるための環流路と、
を備え、前記貯水タンク、前記製氷給水路、および前記環流路によって循環経路が形成されているとともに、前記循環経路に前記貯水タンクの水を循環可能な構成とされており、
前記洗剤添加装置は、洗剤を収容する容器から前記貯水タンクに洗剤を送るための洗剤供給路を備えているとともに、前記容器から前記貯水タンクに前記洗剤を送ることができる構成とされており、
前記ストッカ洗浄制御部は、前記給排水機構によって、前記循環経路に前記貯水タンクの水を循環させつつ、前記洗剤添加装置によって前記貯水タンクに前記洗剤を送ることにより、貯留された水を洗剤水とする構成を備えている、製氷機。
【請求項8】
前記給排水機構は、前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクを備えており、
前記洗剤添加装置は、
洗剤を収容する容器から前記貯水タンクに洗剤を送るための洗剤供給路と、
前記洗剤供給路に洗剤を送る送液ポンプと、
前記容器の質量を検知することができる質量計と、
を備えており、
前記ストッカ洗浄制御部は、
前記送液ポンプを駆動させることによって、前記洗剤供給路を通じて前記容器から前記貯水タンクに洗剤を送るとともに、
前記質量計の検知した前記容器の質量の変化が所定の洗剤量となったときに前記送液ポンプの駆動を停止する構成を備えている、請求項7に記載の製氷機。
【請求項9】
氷を製造する製氷部と、前記製氷部において製造された氷を貯留するための貯氷部と、前記製氷部に水を給排水するための給排水機構と、制御装置と、を備えて構成された製氷機であって、
前記給排水機構は、前記貯氷部に給水する給水経路を備えており、
前記貯氷部は、
箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカと、
前記給排水機構に接続されるとともに前記ストッカの上方に備えられ、前記給排水機構によって水を供給されることで前記ストッカ内に水を散水することができる散水ノズルと、
前記ストッカ内に貯留される氷の量を検知する氷量センサと、
を備えており、
前記制御装置は、
前記製氷部による製氷運転を停止した状態で、前記給排水機構に対して前記散水ノズルに水を供給させて前記ストッカの内部を洗浄するとともに、
前記氷量センサによって前記ストッカ内に貯留される氷がないと判断されたあとに、前記給排水機構による前記散水ノズルへの水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部を備えており、
前記貯氷部は、前記ストッカにおける氷の貯氷量を表す複数の貯氷高さが予め設定されており、
前記制御装置は、前記製氷部および前記給排水機構を駆動させて、前記氷量センサが検知する貯氷量が、製氷制限量に対応する前記貯氷高さとなるまで製氷を行ったのち製氷を待機させ、
所定の待機時間が経過するまでの間に、前記氷量センサが検知する貯氷量が、前記製氷制限量に対応する貯氷高さよりも1つ下の貯氷高さ以下となったときは、貯氷量が前記製氷制限量に対応する貯氷高さとなるまで製氷を再開し、
所定の待機時間が経過するまでの間に、貯氷高さが前記1つ下の貯氷高さにまで低下しなかったときは、製氷制限量を表す貯氷高さを前記1つ下の貯氷高さに変更して、再び製氷の待機を開始する、
ように構成された製氷セーブ運転制御部を備えている、製氷機。
【請求項10】
氷を製造する製氷部と、前記製氷部において製造された氷を貯留するための貯氷部と、前記製氷部に水を給排水するための給排水機構と、制御装置と、を備えて構成された製氷機であって、
前記給排水機構は、前記貯氷部に給水する給水経路を備えており、
前記貯氷部は、
箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカと、
前記給排水機構に接続されるとともに前記ストッカの上方に備えられ、前記給排水機構によって水を供給されることで前記ストッカ内に水を散水することができる散水ノズルと、
前記ストッカ内に貯留される氷の量を検知する氷量センサと、
を備えており、
前記制御装置は、
前記製氷部による製氷運転を停止した状態で、前記給排水機構に対して前記散水ノズルに水を供給させて前記ストッカの内部を洗浄するとともに、
前記氷量センサによって前記ストッカ内に貯留される氷がないと判断されたあとに、前記給排水機構による前記散水ノズルへの水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部を備えており、
前記製氷部は、
氷を製造するための水が供給される製氷容器と、
前記製氷容器内で回転することで氷結された氷を掻き取る回転切削刃と、
前記回転切削刃を回転駆動する駆動部と、
を備え、
前記給排水機構は、
前記製氷容器の上側方に配されるとともに、前記製氷容器に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、
前記製氷容器と前記貯水タンクとを下方において連通する製氷給水路と、
を備えており、
前記ストッカ洗浄制御部は、
前記給排水機構によって前記散水ノズルに水を供給するとともに、
前記駆動部によって前記回転切削刃を回転させることで、前記ストッカと併せて前記製氷容器を洗浄する構成を備えている、製氷機。
【請求項11】
前記制御装置はタイマ機能を備え、予め定められた時間に前記ストッカ洗浄制御部を作動させることで前記ストッカの内部を洗浄する構成を備えている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の製氷機。
【請求項12】
氷を製造する製氷部と、前記製氷部において製造された氷を貯留するための貯氷部と、前記製氷部に水を給排水するための給排水機構と、制御装置と、を備えて構成された製氷機であって、
前記給排水機構は、前記貯氷部に給水する給水経路を備えており、
前記貯氷部は、
箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカと、
前記給排水機構に接続されるとともに前記ストッカの上方に備えられ、前記給排水機構によって水を供給されることで前記ストッカ内に水を散水することができる散水ノズルと、
前記ストッカ内に貯留される氷の量を検知する氷量センサと、
を備えており、
前記制御装置は、
前記製氷部による製氷運転を停止した状態で、前記給排水機構に対して前記散水ノズルに水を供給させて前記ストッカの内部を洗浄するとともに、
前記氷量センサによって前記ストッカ内に貯留される氷がないと判断されたあとに、前記給排水機構による前記散水ノズルへの水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部を備えており、
前記貯氷部は、前記製氷部に対して側方に配されているとともに、
前記貯氷部と前記製氷部とは、前記製氷部において製造された氷が送られる氷通路によって連通されており、
前記氷通路は、前記散水ノズルと水平方向において対向する位置に配されている、製氷機。
【請求項13】
氷を製造する製氷部と、前記製氷部において製造された氷を貯留するための貯氷部と、前記製氷部に水を給排水するための給排水機構と、制御装置と、を備えて構成された製氷機であって、
前記給排水機構は、前記貯氷部に給水する給水経路を備えており、
前記貯氷部は、
箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカと、
前記給排水機構に接続されるとともに前記ストッカの上方に備えられ、前記給排水機構によって水を供給されることで前記ストッカ内に水を散水することができる散水ノズルと、
前記ストッカ内に貯留される氷の量を検知する氷量センサと、
を備えており、
前記制御装置は、
前記製氷部による製氷運転を停止した状態で、前記給排水機構に対して前記散水ノズルに水を供給させて前記ストッカの内部を洗浄するとともに、
前記氷量センサによって前記ストッカ内に貯留される氷がないと判断されたあとに、前記給排水機構による前記散水ノズルへの水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部を備えており、
前記貯氷部は、前記製氷部に対して上方に配されているとともに、その下方において、前記製氷部から送られる氷を前記貯氷部の底部から離間した状態で受けるスノコ部を備えており、
前記底部には、前記給排水機構に接続されるとともに前記スノコ部の下面に向けて水を散水するための第2散水ノズルが備えられており、
前記給排水機構は、前記ストッカ洗浄制御部によって前記散水ノズルへの給水を指示されたときには、前記第2散水ノズルに対しても水を供給する構成を備えている、製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は、製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、製氷機構と、製氷機構を冷却する冷凍装置と、製氷機構によって製氷された氷を貯える貯氷庫と、を備える製氷機が知られている。製氷機は高い断熱性を要するために分解し難い構造となっており、基本的には、専門のメンテナンススタッフによる分解および洗浄が行われている。その一方で、例えば特許文献1には、製氷機の貯氷庫の蓋の内側に、貯氷庫の内壁に沿って溝状の散水室が凹み形成された散水室形成板を設置し、この散水室の底部に内壁を指向する複数の噴出口を形成しておくとともに、散水室に水道水を供給できるようにした構成が開示されている。この製氷機によると、散水室に水道水を供給することで、噴出口から内壁に向けて放射状に水が噴出され、貯氷庫の内壁および底面を洗い流すことができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-2433327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される製氷機の洗浄は、一般には製氷機を利用する業務が終了した後に行われるため、ユーザは、通常の業務終了後に製氷機を洗浄する作業を行う必要があった。また、製氷機の洗浄は、貯氷庫内の氷を廃棄してから行う必要があり、時間と手間を要するものであった。
【0005】
ここに開示される技術は、上記事情に鑑みて完成されたものであって、貯氷部内の氷を廃棄する必要なく、自動的に貯氷部の洗浄が可能な製氷機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、ここに開示される技術は、氷を製造する製氷部と、前記製氷部において製造された氷を貯留するための貯氷部と、前記製氷部に水を給排水するための給排水機構と、制御装置と、を備えて構成された製氷機である。前記給排水機構は、前記貯氷部に給水する給水経路を備えており、前記貯氷部は、箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカと、前記給排水機構に接続されるとともに前記ストッカの上方に備えられ、前記給排水機構によって水を供給されることで前記ストッカ内に水を散水することができる散水ノズルと、前記ストッカ内に貯留される氷の量を検知する氷量センサと、
を備えている。そして前記制御装置は、前記製氷部による製氷運転を停止した状態で、前記給排水機構に対して前記散水ノズルに水を供給させて前記ストッカの内部を洗浄するとともに、前記氷量センサによって前記ストッカ内に貯留される氷がないと判断されたあとに、前記給排水機構による前記散水ノズルへの水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部を備えている。上記構成によると、ストッカ内に氷が残存している状態で洗浄を自動的に開始することができるとともに、散水ノズルから散水される洗浄水によって氷の融解を促すことができる。また、ストッカの洗浄は、ストッカ内の残氷量がゼロになったことを確認して停止するようにしている。これにより、貯氷部内の氷を廃棄する必要なく、自動的に貯氷部の洗浄が可能な製氷機が提供される。また、洗浄完了後に残氷から融解水がストッカ内に残存することを防いで、ストッカ全体を確実に洗浄した後に洗浄を終了することができる。
【0007】
上記製氷機の好適な一態様において、前記散水ノズルは、管状をなし、前記給排水機構から供給される水を流通させる軸管と、中空構造を有するとともに、前記軸管がその中空空間を貫くように前記軸管に対して回転自在に外嵌されている回転部と、を含んで構成される。前記軸管は、前記回転部の前記中空空間に水を排出するための横孔を有しており、前記回転部は、当該回転部の回転半径と交わる方向において、前記中空空間と外部とを連通するノズル孔を備えており、前記ノズル孔は、少なくとも、前記回転部のうち、前記軸管の前記給排水機構に接続される側である上流側において上方に向けて前記回転部を貫通する上ノズル孔と、前記回転部のうち、前記上流側とは反対側の下流側において下方に向けて前記回転部を貫通する下ノズル孔と、を有している。そして当該散水ノズルは、前記給排水機構から供給される水の圧力に対する反力によって、前記回転部が前記軸管を軸として回転しつつ、前記ノズル孔から少なくとも上方と下方とに向けて水を噴出する構成を備えている。上記構成の散水ノズルを用いることによって、ストッカの内部を壁部だけではなく、例えば、蓋部材の裏面や、撹拌部材等の他の部材をも自動的に洗浄することができる。
【0008】
上記製氷機の好適な一態様において、前記氷量センサは、非接触型の位置センサである。このような構成によると、ストッカ内の氷の量を、精度よく検出することができる。これにより、残氷量がゼロの状態を精度よく検知して、より確実にストッカ内を洗浄することができる。
【0009】
上記製氷機の好適な一態様において、前記ストッカ内に貯留されている氷の量を表示する表示部を備えており、前記制御装置は、前記氷量センサによって検知された前記ストッカ内に貯留される氷の量を、前記表示部に表示させる構成を備えている。このような構成によると、ストッカ内の氷の量を、ストッカを開けることなく、冷凍機の表示部を目視すること確認することができる。その結果、例えば、洗浄運転完了までの進行具合をおおよそ把握することができる。
【0010】
上記製氷機の好適な一態様において、前記給排水機構は、前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、前記貯水タンクに水を供給するための給水路と、を備えているとともに、前記貯水タンクと前記散水ノズルとを接続し、前記貯水タンクの水を前記散水ノズルに供給するためのノズル給水路と、前記ノズル給水路とは別の、前記貯水タンクに水を供給するための他の給水路と、の少なくとも一方を備えている。これにより、製氷部に直接水を供給する構成では、貯水タンクの貯水量に制限されることなく散水ノズルに水を供給することができるという利点があり、ノズル給水路を備える構成では、水道管等との接続箇所を増やすことなく貯水タンクに貯留した水を散水ノズルに水を供給することができるという利点がある。なお、ノズル給水路を備える構成では、後述するように、例えば貯水タンクにおいて殺菌水や洗剤希釈液を調製して、散水ノズルに送液することもできる。
【0011】
上記製氷機の好適な一態様において、前記給排水機構は、前記貯氷部に供給する水に紫外線を照射するUV殺菌装置を備えており、前記ストッカ洗浄制御部は、前記UV殺菌装置によって前記貯氷部に供給する水を殺菌しながら、前記ストッカの洗浄を実施する。これにより、UVにより殺菌された殺菌水を使ってストッカ内を自動的に殺菌しながら洗浄することができる。
【0012】
上記製氷機の好適な一態様において、前記給排水機構は、前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、前記貯水タンクと前記散水ノズルとを接続し、前記貯水タンクの水を前記散水ノズルに供給するためのノズル給水路と、前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記貯水タンクの水を前記製氷部に供給するための製氷給水路と、前記製氷給水路とは別に設けられ、前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記製氷部の水を前記貯水タンクに環流させるための環流路と、を備えている。また前記UV殺菌装置は、前記貯水タンクに備えられているとともに、前記給排水機構においては、前記貯水タンク、前記製氷給水路、および前記環流路によって循環経路が形成されている。そして前記ストッカ洗浄制御部は、前記給排水機構によって、前記循環経路に前記貯水タンクの水を循環させつつ、前記UV殺菌装置によって前記貯水タンクに貯留された水を殺菌するとともに、前記貯水タンク内の殺菌された水を前記散水ノズルに供給して前記貯水タンクに散水する構成を備えている。このことにより、貯水タンクに貯められた水を効率よく殺菌して殺菌水を調製し、この殺菌水を用いてストッカ内を自動的に殺菌しながら洗浄することができる。また、循環経路に殺菌水を循環させることで、貯水タンクを含む循環経路の殺菌洗浄を行うこともできる。
【0013】
上記製氷機の好適な一態様において、前記UV殺菌装置は、紫外線を発信するUV発信素子と、紫外線を受信するUV受信素子と、前記UV発信素子および前記UV受信素子を、前記UV発信素子から紫外線が発信される側において覆うカバー部材と、を備えている。そして前記制御装置は、前記UV発信素子が紫外線を発信したとき、前記UV発信素子から発信されたのち反射された紫外線を前記UV受信素子が受信することにより、前記UV発信素子が紫外線を発信していることを検知する構成を備えている。上記構成によると、人の目には見えない紫外線をUV殺菌装置が適切に発信しているかどうかを簡単な構成で確認することができる。例えば、UV発信素子と直列にした可視光ランプを点灯させる構成では、可視光ランプおよびその周辺回路が発熱を伴うことがあるため、可視光ランプに換えてUV受信素子を備えることで、発熱を抑制しつつUVランプの故障や寿命を検知することができる。
【0014】
上記製氷機の好適な一態様において、前記給排水機構は、前記貯氷部に供給する水に洗剤を加える洗剤添加装置を備えており、前記ストッカ洗浄制御部は、前記洗剤添加装置によって前記貯氷部に供給する水を洗剤液としたのちに、この洗剤液を前記散水ノズルに供給する。これにより、洗剤水を使ってストッカ内を自動的に洗剤で洗浄することができる。
【0015】
上記製氷機の好適な一態様において、前記給排水機構は、前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記貯水タンクの水を前記製氷部に供給するための製氷給水路と、前記製氷給水路とは別に設けられ、前記貯水タンクと前記製氷部とを接続し、前記製氷部の水を前記貯水タンクに環流させるための環流路と、を備え、前記貯水タンク、前記製氷給水路、および前記環流路によって循環経路が形成されているとともに、前記循環経路に前記貯水タンクの水を循環可能な構成とされている。また前記洗剤添加装置は、洗剤を収容する容器から前記貯水タンクに洗剤を送るための洗剤供給路を備えているとともに、前記容器から前記貯水タンクに前記洗剤を送ることができる構成とされており、前記ストッカ洗浄制御部は、前記給排水機構によって、前記循環経路に前記貯水タンクの水を循環させつつ、前記洗剤添加装置によって前記貯水タンクに前記洗剤を送ることにより、貯留された水を洗剤水とする構成を備えている。このような構成によると、貯水タンクに貯められた水を洗剤水に調製し、この洗剤水を使ってストッカ内を自動的に洗剤で洗浄することができる。また、循環経路に洗剤水を循環させることで、貯水タンクを含む循環経路の洗剤洗浄を行うこともできる。
【0016】
上記製氷機の好適な一態様において、前記給排水機構は、前記製氷部に供給するための水を貯めるための貯水タンクを備えており、前記洗剤添加装置は、洗剤を収容する容器から前記貯水タンクに洗剤を送るための洗剤供給路と、前記洗剤供給路に洗剤を送る送液ポンプと、前記容器の質量を検知することができる質量計と、を備えている。そして前記ストッカ洗浄制御部は、前記送液ポンプを駆動させることによって、前記洗剤供給路を通じて前記容器から前記貯水タンクに洗剤を送るとともに、前記質量計の検知した前記容器の質量の変化が所定の洗剤量となったときに前記送液ポンプの駆動を停止する構成を備えている。このような構成によると、上記構成によって、貯水タンク内に添加する洗剤量を管理することができ、所定の濃度の洗剤水を調製することができる。
【0017】
上記製氷機の好適な一態様において、前記貯氷部は、前記ストッカにおける氷の貯氷量を表す複数の貯氷高さが予め設定されており、前記制御装置は、前記製氷部および前記給排水機構を駆動させて、前記氷量センサが検知する貯氷量が、製氷制限量に対応する前記貯氷高さとなるまで製氷を行ったのち製氷を待機させ、所定の待機時間が経過するまでの間に、前記氷量センサが検知する貯氷量が、前記製氷制限量に対応する貯氷高さよりも1つ下の貯氷高さ以下となったときは、貯氷量が前記製氷制限量に対応する貯氷高さとなるまで製氷を再開し、所定の待機時間が経過するまでの間に、貯氷高さが前記1つ下の貯氷高さにまで低下しなかったときは、製氷制限量を表す貯氷高さを前記1つ下の貯氷高さに変更して、再び製氷の待機を開始する、このように構成された製氷セーブ運転制御部を備えている。上記構成によると、氷の使用量が少ない状態では製氷運転を行うタイミングと製氷量とを削減して、当該製氷機の使用後に残氷量が少ない状態とすることができる。これにより、残氷量が少ない状態でストッカ内の洗浄を開始することができ、短時間で効率よくストッカの洗浄を行うことができる。
【0018】
上記製氷機の好適な一態様において、前記製氷部は、氷を製造するための水が供給される製氷容器と、前記製氷容器内で回転することで氷結された氷を掻き取る回転切削刃と、前記回転切削刃を回転駆動する駆動部と、を備え、前記給排水機構は、前記製氷容器の上側方に配されるとともに、前記製氷容器に供給するための水を貯めるための貯水タンクと、前記製氷容器と前記貯水タンクとを下方において連通する製氷給水路と、を備えている。そして前記ストッカ洗浄制御部は、前記給排水機構によって前記散水ノズルに水を供給するとともに、前記駆動部によって前記回転切削刃を回転させることで、前記ストッカと併せて前記製氷容器を洗浄する構成を備えている。上記構成によると、製氷部として氷を製造するための水を貯める製氷容器を備える構成の製氷機において、貯氷部の洗浄と並行して、製氷容器の洗浄を自動で行うことができる。これにより、ストッカの内部だけでなく、製氷機の全体的な洗浄を可能とすることができる。
【0019】
上記製氷機の好適な一態様において、前記制御装置はタイマ機能を備え、予め定められた時間に前記ストッカ洗浄制御部を作動させることで前記ストッカの内部を洗浄する構成を備えている。上記構成によると、貯氷部の洗浄運転時間を予め設定しておくことができ、その洗浄運転時間に自動的に貯氷部の洗浄を開始して終了することができる。これにより、ユーザが貯氷部の洗浄の開始から終了まで製氷機を作動させる必要がなくなり、ユーザの勤務時間を削減することができる。
【0020】
上記製氷機の好適な一態様において、前記貯氷部は、前記製氷部に対して側方に配されているとともに、前記貯氷部と前記製氷部とは、前記製氷部において製造された氷が送られる氷通路によって連通されており、前記氷通路は、前記散水ノズルと水平方向において対向する位置に配されている。上記構成によると、貯氷部が製氷部に対して側方に配され、製氷部とストッカとが上方でスパウトにより連結されている製氷機において、ストッカの内部だけでなく、スパウト等の内部まで自動的に洗浄することができる。
【0021】
上記製氷機の好適な一態様において、前記貯氷部は、前記製氷部に対して上方に配されているとともに、その下方において、前記製氷部から送られる氷を前記貯氷部の底部から離間した状態で受けるスノコ部を備えており、前記底部には、前記給排水機構に接続されるとともに前記スノコ部の下面に向けて水を散水するための第2散水ノズルが備えられており、前記給排水機構は、前記ストッカ洗浄制御部によって前記散水ノズルへの給水を指示されたときには、前記第2散水ノズルに対しても水を供給する構成を備えている。上記構成によると、貯氷部が製氷部に対して上方に配され、ストッカの下方にスノコ部を備えている製氷機において、第2散水ノズルが備えられていることで、製氷機を分解することなく、スノコ部の裏面やストッカ底部等も自動的に洗浄することができる。また、第2散水ノズルを備えない構成と比較して、スノコ部の裏面やストッカ底部をより綺麗に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0022】
ここに開示された技術によれば、簡単な構成によって貯氷部の内部を洗浄することが可能な製氷機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態に係る製氷機の構成を概略的に示す図
図2】実施形態1に係る製氷機の構成を概略的に示す断面図
図3図2の貯氷部を示す要部拡大図
図4A図2の散水ノズルの側面図
図4B図2の散水ノズルの上面図
図4C図2の散水ノズルの縦断面図(図4BのIVC-IVC断面図)
図4D図4Aの散水ノズルのIVD-IVD断面図
図4E図4Aの散水ノズルのIVE-IVE断面図
図5A図2の第2散水ノズルを示す要部拡大図
図5B図5Aの第2散水ノズルが開弁した状態を示す断面図
図6】実施形態1に係る製氷機のブロック図
図7】実施形態1における製氷運転(前半)のフロー図
図8】実施形態1における製氷運転(後半)のフロー図
図9】実施形態1における洗浄運転のフロー図
図10】実施形態2に係る製氷機の構成を概略的に示す要部断面図
図11】実施形態2における洗浄運転のフロー図
図12】他の実施形態に係る製氷機の構成を概略的に示す図
図13】実施形態3に係る製氷機の構成を概略的に示す要部断面図
図14A図13の散水ノズルの側面図
図14B図13の散水ノズルの上面図
図14C図13の散水ノズルの縦断面図(図14BのXIVC-XIVC断面図)
図14D図14Aの散水ノズルのXIVD-XIVD断面図
図14E図14Aの散水ノズルのXIVE-XIVE断面図
図15】実施形態3に係る製氷機のブロック図
図16】実施形態3における製氷運転のフロー図
図17】実施形態3における洗浄運転(前半)のフロー図
図18】実施形態3における洗浄運転(後半)のフロー図
図19】実施形態4に係る製氷機の構成を概略的に示す要部断面図
図20】実施形態4における洗浄運転(前半)のフロー図
図21】実施形態4における洗浄運転(後半)のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0024】
≪実施形態1≫
ここに開示される技術について、適宜図面を参照しつつ説明する。なお、各図に示した符号U,Dはそれぞれ、上方,下方を示している。ただし、上記方向は便宜的に定めたものに過ぎず、限定的に解釈すべきものではない。
【0025】
図1は、本実施形態に係る製氷機1の構成を概念的に示す図であり、図2および図3は、本実施形態に係るオーガ式の製氷機1の構成を示す断面図である。この製氷機1は、図1に示すように、概して、製氷部5と、貯氷部50と、これらに接続される給排水機構30と、制御装置100と、を備えており、これらが図示しない筐体内に納められている。製氷部5は、冷凍ユニット10と、製氷ユニット20と、を含んで構成されており、例えば図2に示すように、製氷ユニット20のシリンダ21(製氷筒等ともいう。)を冷凍ユニット10によって外側から冷却することで、シリンダ21の内表面に製氷の場が用意されるようになっている。そして、給排水機構30によって、このシリンダ21内に製氷水を供給することにより製氷が行われ、製造された氷は貯氷部50へと送られる。ここで、ここに開示される貯氷部50の庫内上方には、製氷機1における製氷運転が終わった後に、例えば図3に示すように、庫内を洗浄するための水を散水する散水ノズル60が設けられている。また、筐体の前面には、ユーザが製氷機1の各種動作の指示および設定を行うための操作パネル150(図3参照)が設けられている。以下、これらの各構成要素について説明する。
【0026】
まず、冷凍ユニット10は、後述する製氷ユニット20のシリンダ21を所定の製氷温度にまで冷却するための要素であり、図2に示すように、圧縮機11と、凝縮器12と、膨張弁13と、蒸発管14と、冷媒を収容してこれらの間を循環させる冷媒管15と、を備えている。圧縮機11は、冷媒ガスを圧縮して冷媒管15に送る。凝縮器12は、冷媒管15内に送られた圧縮冷媒ガスを、併設されたファン16からの送風によりほぼ等圧で冷却して液化させる。膨張弁13は、液化された圧縮冷媒を減圧して膨張させる。蒸発管14は、膨張弁13よりも下流側の冷媒管15であって、シリンダ21の外表面に隙間なく倦回されている。蒸発管14においては、膨張された液化冷媒が気化することに伴い、シリンダ21の表面から吸熱してシリンダ21を冷却する。蒸発管14にて気化された冷媒ガスは、冷媒管15を通じて再び圧縮機11に送られる。
【0027】
このような冷凍サイクルによって、冷凍ユニット10は、シリンダ21の製氷部分(冷媒管15が巻かれた部分)を製氷温度にまで冷却するように構成されている。なお、冷凍ユニット10は、付加的にドライヤ17と、断熱材18と、温度センサ19と、を備えている。ドライヤ17は、凝縮器12の下流側に設けられており、冷凍ユニット10に混入した水分を除去する。断熱材18は、蒸発管14を外側から覆い、シリンダ21の冷却効果を高める機能を担う。温度センサ19は、蒸発管14の巻き終わりの部分と、凝縮器12の下流側であってドライヤ17の上流側と、に設けられており、それぞれ冷媒の過熱温度と過冷却温度とを検知する。冷凍ユニット10における、圧縮機11、凝縮器12、膨張弁13、ファン16、ドライヤ17、および温度センサ19等の各部は、制御装置100に電気的に接続されている。
【0028】
製氷ユニット20は、氷を形成する要素であり、図2に示すように、シリンダ21と、オーガ22と、成形部23と、シール部26と、駆動部27と、を備えている。シリンダ21は、例えばステンレス鋼等の金属によって円筒形状に形成されており、その円筒軸が上下方向に沿うように製氷機1に設置されている。そしてシリンダ21の上下方向の両端部を除いた外周面には、上述の冷凍ユニット10の蒸発管14が隙間を開けることなく密に倦回されており、上述の製氷部分を構築している。シリンダ21の下方の端部には、その筒壁に、給水口21Aと排水口21Bとが設けられており、後述する給排水機構30と接続されることでシリンダ21内に製氷水を供給したり、シリンダ21から製氷水を排水したりできるようになっている。
【0029】
オーガ22は、円柱状をなす回転軸部22Aの周面に螺旋状の削氷刃22Bを備える切削具であり、回転軸部22Aの回転軸とシリンダ21の中心軸とが同心となるようにシリンダ21内に収容されている。削氷刃22Bは、上下方向で、シリンダ21の製氷部分に対応する範囲において、回転軸部22Aの周面からシリンダ21の内表面に向かって突出するように設けられている。削氷刃22Bの突出寸法は、シリンダ21の内表面に僅かに到達しない程度とされている。回転軸部22Aの下端は、駆動部27に接続されている。駆動部27は、具体的には、連結部27Aと、図示しないギヤードモータと、歯車系と、出力軸と、を備えており、オーガ22の下端は、この連結部27Aを介して駆動部27の出力軸に機械的に接続されている。そしてシール部26は、オーガ22の下端に設けられる回転環部材と連結部27Aに設けられる固定環部材とからなり、オーガ22の回転動力を損なうことなくシリンダ21内部における水の供給領域と駆動部27との間を止水するメカニカルシールとして機能する。ここで、駆動部27のギヤードモータが回転駆動すると、歯車系を通じて動力が出力軸に伝達されて、オーガ22が回転する。オーガ22が回転することによって、削氷刃22Bがシリンダ21の内表面に形成された氷を順次削り取るとともに、削り取られたシャーベット状の氷を、螺旋状の削氷刃22Bの腹に載せるかたちでシリンダ21の上方に運ぶようになっている。
【0030】
成形部23は、シリンダ21の上端部に収容されて、オーガ22の上端を回転自在に軸承する略筒状体であり、オーガ22によって送られてくる氷をシリンダ21との協働で成形する。成形部23の外周面には、図2に示すように、氷通路となる複数の溝23Aがシリンダ21の軸方向に沿って形成されている。オーガ22によって上方に運ばれたシャーベット状の氷は、シリンダ21の内表面と溝23Aとにより形成される氷通路に押し込まれ、脱水されて、柱状に成形される。製氷ユニット20における駆動部27は制御装置100に電気的に接続されている。
【0031】
本実施形態の貯氷部50は、図3に示すように、製氷ユニット20の上方に配置されており、略円筒形状であって、上方が開口された有底箱型のストッカ51と、このストッカ51の上方の開口を封鎖する蓋体53と、を主体として構成されている。ストッカ51および蓋体53には内部に断熱材が充填されるなどして、ストッカ51および蓋体53によって囲まれる貯氷空間に貯留される氷の融解を抑制する断熱性を備えるように構成されている。この貯氷部50は、ストッカ51の底部51Bにおいて製氷部5のシリンダ21の上端と接続されており、シリンダ21の内面と成形部23の溝23Aとによって柱状に成形された氷が、オーガ22によって上方に配されたストッカ51内に送られるようになっている。ストッカ51の底部51Bには、後述する第2散水ノズル70と、排水孔52と、スノコ部57と、が備えられている。底部51Bは、排水孔52に向けてその表面が下傾されている。スノコ部57は、底部51Bに溜まる水と接触しないように氷を底部51Bから上方に離間した位置で支持する要素である。また、成形部23から上方に突出するオーガ22の上端部には、スノコ部57の中心を貫通する形でアジテータ56が同軸に固定されており、アジテータ56がオーガ22と一体となって回転することによって柱状の氷が切断されて、スノコ部57上に貯留されるようになっている。アジテータ56は、オーガ22と連動して回転することで、ストッカ51内に貯留されている氷を撹拌し、氷同士が溶着して氷塊になるのを防ぐようになっている。底部51Bおよびスノコ部57は、ストッカ51の壁部51A(つまり、外周側)に向かうにつれて下方に傾斜するようになっている。また、ストッカ51の前面には、氷排出口54Cと電動シャッタ54Bとが設けられるとともに、操作パネル150には氷排出ボタン54Aが備えられている。氷排出ボタン54Aと電動シャッタ54Bとは制御装置100に電気的に接続されており、この氷排出ボタン54Aを押すことによって制御装置100に氷排出指令が与えられ、制御装置100は、所定の時間、駆動部27を駆動させるとともに電動シャッタ54Bを開放させる。これにより、アジテータ56が回転されて、ストッカ51内の氷が氷排出口54Cに送られるとともに、氷排出口54Cから外部に排出される構成となっている。
【0032】
また、蓋体53には、円盤状をなす氷検知板55と、氷量センサ58と、後述する散水ノズル60とが備えられている。氷検知板55は、蓋体53の中央から垂下されてストッカ51の上方において上下方向に変位可能とされており、ストッカ51内の貯氷量が増大することによって上方に押し上げられるとともに、貯氷量が満氷状態となる所定のレベルに達したときに図示しないリードスイッチを入力して満氷状態を検知するように構成されている。なお、氷検知板55には、氷量センサ58と散水ノズル60とに干渉せずに上下方向に変位できるように、これら氷量センサ58と散水ノズル60と対応する位置にそれぞれ、干渉除け孔部55B,55Bが設けられている。本実施形態の氷量センサ58は、下方に向けて赤外線を発信する発信素子と反射される赤外線を受信する受信素子とを含む赤外線センサによって構成されており、氷によって反射される赤外線の発信時と受信時の出力電圧差に基づいてストッカ51内に貯留されている氷の量(嵩高さ)を非接触で検知するようになっている。蓋体53に備えられた氷検知板55および氷量センサ58は制御装置100に電気的に接続されている。
【0033】
次に、散水ノズル60について、図4Aから図4Eを用いて説明する。散水ノズル60は、図4Aに示すように、大まかには、管状をなす軸管61と、中空構造を有するとともに軸管61に対して回転自在に外嵌されている回転部65と、を含んで構成されている。軸管61および回転部65は、これに限定されるものではないが、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂等の耐候性を備える合成樹脂によって構成されている。軸管61の上端に図示しないネジ部が形成されており、蓋体53にネジ締結されている。軸管61は、一端が給排水機構30に接続されており、他端は閉塞されている。以下の説明では、軸管61の給排水機構30に接続されている側を上流側、その反対側(閉塞されている側)を下流側とし、散水ノズル60については便宜的に、上流側を上方、下流側を下方と呼ぶ場合がある。軸管61は、図4Cに示すように、管軸に沿って縦孔62Aを有し、その下流側において外周面に開口する横孔62Bを有している。横孔62Bは、縦孔62Aに連通するとともに、横孔62Bの孔軸が管軸と直交するように軸管61を貫通しており、これら縦孔62Aと横孔62Bとによって、軸管61には略T字型の流路62が形成されている。軸管61は、横孔62Bよりも下流側で縮径されて細くなっている。また、回転部65には軸管61の直径とほぼ同じ直径の軸孔65A,65Bが形成されており、軸管61は、この軸孔65A,65Bに挿通されることによって回転部65の中空空間を貫くとともに、回転部65は軸管61の周りを回転摺動することができるようになっている。軸孔65Bは、縮径された部分において軸管61を軸承するため、軸孔65Aよりも直径が小さい。軸管61の横孔62Bは、軸管61の外周面に180°(360°÷n;nは自然数であり、ここでは、n=2。)の間隔で開口するとともに、横孔62Bの孔軸と管軸との交点は回転部65のほぼ中心となるように配され、この横孔62Bから回転部65の内部に水が供給される。以下、「横孔62Bの孔軸と管軸との交点」を「回転部65の中心」という場合がある。軸管61の回転部65よりも上流側には、フランジ63が設けられており、回転部65が上流側に移動することを規制している。また、軸管61の回転部65よりも下流側の外周面にはスナップ溝部64が凹設されており、軸管61に対して回転部65と台形リング68とスナップリング69とをこの順に挿通した状態で、スナップリング69をスナップ溝部64に嵌めることで、軸管61に対して回転部65を着脱可能としながらも下流側に対して抜け止めするようになっている。
【0034】
本実施形態の回転部65は、略中空球形をなしてり、例えば図4Bに示すようにおおまかには軸管61の管軸に対してn回の回転対称性(ここでは、2回の回転対称性)を有している。回転部65は、図4Aに示すように、中空空間と外部とを連通するノズル孔66A~66Hを有しており、これらのノズル孔66A~66Hは、回転部65の回転半径Rと交わる方向において、回転部65を貫通するように形成されている。より詳細には、例えば図4Aおよび図4Bに示すように、回転部65には、半径方向に延びる面P0(換言すれば管軸を含む面)が、管軸を中心として周方向を180°(すなわち、(360÷n)°;nは2以上の自然数であり、ここではn=2)ずつに分けるように2つ延びており、これらの面P0にそれぞれ直交する直交面P1およびP2において、回転部65を貫通するようにノズル孔66A~66Hが形成されている。2つの直交面P1、P2は、管軸からの距離が等しくなるように設定されている。
【0035】
また、回転部65には、例えば図4Dに示すように、直交面P1において、ノズル軸が管軸となす角度が鈍角(例えば140±5°)となるように回転部65の上流側を貫通するノズル孔66Aと、ノズル軸が管軸となす角度が鈍角(例えば100±5°)となるように回転部65の上流側を貫通するノズル孔66Bと、ノズル軸が管軸となす角度が鋭角(例えば60±5°)となるように回転部65の下流側を貫通するノズル孔66Cと、ノズル軸が管軸となす角度が鋭角(例えば20±5°)となるように回転部65の下流側を貫通するノズル孔66Dと、を含んでいる。また、回転部65は、例えば図4Eに示すように、直交面P2において、ノズル軸が管軸となす角度が鈍角(例えば140±5°)となるように回転部65の上流側を貫通するノズル孔66Eと、ノズル軸が管軸となす角度が鈍角(例えば100±5°)となるように回転部65の上流側を貫通するノズル孔66Fと、ノズル軸が管軸となす角度が鋭角(例えば60±5°)となるように回転部65の下流側を貫通するノズル孔66Gと、ノズル軸が管軸となす角度が鋭角(例えば20±5°)となるように回転部65の下流側を貫通するノズル孔66Hと、を含んでいる。また、回転部65は、例えば図4Cに示すように、直交面P1と直交面P2の真ん中の面において、管軸に沿う方向に回転部65の下流側を貫通する下ノズル孔67Bを備えている。このような散水ノズル60において、例えば、ノズル軸が管軸となす角度が鈍角となるノズル孔66A,66Bおよびノズル孔66E,66Fは、上方に向いて回転部65を貫通する上ノズル孔67Aの一例であり、ノズル孔66A,66Eは最下位にある氷検知板55よりも上方において回転部65の表面に開口するとともに、ノズル孔66B,66Fは氷検知板55よりも下方において回転部65の表面に開口している。
【0036】
このようにノズル孔66A~66Hの向きを、回転部65の回転半径に対して異ならせることで、回転部65に供給された水がノズル孔66A~66Hを通じて外部に噴出するときに、回転部65に対する反力を生じ、回転部65が軸管61を中心として水の噴出方向とは逆の向きに回転される。このことにより、散水ノズル60から軸管61周りの全方位(360°)に向けて水を噴出させることができる。また、回転部65の複数のノズル孔66A~66Hを2つの直交面P1,P2において形成し、その位置を管軸周りの回転方向において同じ側に集約することで、反力の向きを揃えることができ、反力の総和を増大させることができる。その結果、回転部65の回転速度を高めることができ、より遠い位置にまで水を噴出させることができる。また、2つの直交面P1,P2の間において、ノズル孔66A,66B,66C,66Dおよびノズル孔66E,66F,66G,66Hの上下方向の位置は同じとなっている。また、ノズル孔66Cとノズル孔66Fとは、ノズル軸と管軸とのなす角度が互いに異なっている。このような構成によって、直交面P1,P2における複数のノズル孔66の向きが変化されて、散水ノズル60から鉛直面における散水ノズル60からの水の噴出方位をより多様なものとすることができる。なお、図4Bに示すように、管軸から回転部65の上方部に形成されているノズル孔66A,66Eの中空空間側の開口に向かう方向と、直交面P1,P2においてノズル孔66A,66Eのノズル軸に沿う方向とのなす角度は、一例として、角度θ=45±5°程度とされている。
【0037】
第2散水ノズル70は、図5Aに示すように、ストッカ51の底部51Bの周縁部(つまり、ストッカ51の壁部51A近傍)に取付けられており、大まかには、略筒状をなし貫通孔72を有するノズル本体71と、ノズル本体71の有する貫通孔72に挿通される弁体73と、弁体73をノズル本体71の筒開口を閉塞する方向に付勢する圧縮バネ等からなる弾性体75と、を含んで構成されている。ノズル本体71は貫通孔72が上下方向に沿うように底部51Bに固定され、ストッカ51の外側の端部が給排水機構30に接続されている。弁体73は、貫通孔72に挿通される部分である軸部73Bと、軸部73Bの上端に備えられて、ノズル本体71の筒開口を閉塞することができる頭部73Aと、頭部73Aと軸部73Bとの接続部において外嵌されているOリング74とを有している。通常時は、弁体73が、弾性体75の付勢力によって、軸部73Bをノズル本体71の貫通孔72に挿通した状態で、頭部73Aをノズル本体71の筒開口にストッカ51の内側から当接させることで、筒開口を閉塞している。そして給排水機構30を通じてノズル本体71の貫通孔72に水が供給されると、図5Bに示すように、その水圧を受けた弁体73は弾性体75による付勢力に抗して上方に変位し、ノズル本体71の筒開口を開放するとともに、スノコ部57の下面(裏面)に向けて水を円錐面状に散水する。ここで、ノズル本体71には、弁体73よりもストッカ51の壁部51Aの側において、上方に向けて立ち上がる側壁部71Aを備えている。これにより、ノズル本体71の筒開口から円錐面状に散水された水のうち、壁部51Aの側に向けて噴出された水は、側壁部71Aに当たってその向きを上方に変えられ、上方に位置するスノコ部57の裏面に噴出される。このような第2散水ノズル70は、給排水機構30から水が供給されない状態では弁体73によって貫通孔72が閉塞されているため、ストッカ51からの排水が給排水機構30に逆流することが防止されている。
【0038】
次に、給排水機構30について説明するとともに、本実施形態の製氷機1内における水の流れを説明する。給排水機構30は、製氷部5と貯氷部50とに製氷水や洗浄水等の水を給排水する要素であり、図2に示すように、大まかには、水を貯留するための貯水タンク31と、管状をなす給水路と、管状をなす排水路と、バルブおよびポンプ等とを備えて構成されている。貯水タンク31は、上方が開口されている略直方体形状の容器であるケース32と、このケース32の開口を覆う蓋体33とを備え、ケース32の1つの隅角部には、ケース32内において所定の水位(Lv3)を超える水を排水するオーバーフロー排水口35が設けられている。
【0039】
この貯水タンク31の蓋体33には給水バルブVsを介して第1給水路S1が接続されており、水道管等から第1給水路S1を通じて貯水タンク31に水を供給できるようになっている。また、貯水タンク31は、製氷の場となるシリンダ21の上側方に配されるとともに、貯水タンク31の底部に設けられた通水口31Aとシリンダ21の給水口21Aとが、第2給水路S2によって接続されている。これにより、貯水タンク31とシリンダ21とは水頭差が無くなるように通水される構成となっている。また、貯氷部50の蓋体53には第2給水バルブVs2を介して第3給水路S3が接続されており、水道管等から第3給水路S3を通じて散水ノズル60に水を供給できるようになっている。また、第3給水路S3は、第2給水バルブVs2よりも下流側において、分岐路S31を有している。分岐路S31は、ストッカ51の底部51Bに取付けられている第2散水ノズル70に接続されており、分岐路S31を介して第2散水ノズル70に水を供給することで、第2散水ノズル70によってストッカ51内に下方から水を噴出させることができようになっている。
【0040】
一方で、シリンダ21の排水口21Bには第1排水路D1が接続されており、この第1排水路D1は、下流側において循環路D11と分岐排水路D12とに分岐されるとともに、循環路D11については、貯水タンク31の蓋体33に設けられた還流水口34に接続されている。また、貯水タンク31のオーバーフロー排水口35には第2排水路D2が接続されており、この第2排水路D2には第1排水路D1からの分岐排水路D12が接続されている。分岐排水路D12の途中には排水バルブVdが配されており、排水バルブVdが解放されることによって、第1排水路D1内の水が分岐排水路D12を通じて第2排水路D2に流れ込むようになっている。また、排水バルブVdが閉鎖されることで、第1排水路D1は循環路D11にのみ連通するようになっている。このとき、第1排水路D1の途中であって、排水口21Bのすぐ下流側に備えられた送液ポンプPmを駆動させることで、シリンダ21内の水を貯水タンク31にまで環流させることができ、貯水タンク31、第2給水路S2、シリンダ21、第1排水路D1、循環路D11、および貯水タンク31と繋がる循環経路が構築される。また、ストッカ51の排水孔52には第3排水路D3が接続されており、第2排水路D2および第3排水路D3はこれらの下流側において本排水路D4に連通している。本排水路D4には逆止弁Vtが設けられており、製氷機1からの排水はこの本排水路D4を通じて外部排水路に排水される。
【0041】
蓋体33には、超音波センサ38と、UVランプ39とが備えられている。超音波センサ38は、水量センサの一例であり、貯水タンク31の底部に向けて超音波を発信するとともに超音波を受信することができ、貯水タンク31内に貯留された水の水面において反射される超音波の発信から受信までの時間差に基づいて貯水タンク31内に貯留されている水の量(嵩高さ)を非接触で検知するようになっている。超音波センサ38は、蓋体33の内面から上方に向けてやや離れた位置に設置されており、貯水タンク31の最も高い所定の貯水レベル(Lv3)となる水面から反射される超音波を精度良く検知できるように構成されている。UVランプ39は、蓋体53のうち通水口31Aの上方において備えられ、UVランプ39から底部に向けて紫外線を照射することによって、通水口31Aを通過する水や貯水タンク31に貯留されている水、その他、貯水タンク31や第2給水路S2を殺菌できるようになっている。UVランプ39としては、例えば、殺菌作用の高い波長約253nm以上285nm以下の紫外線(UV)を照射可能な深紫外線LEDランプが好ましく用いられる。給排水機構30のうち、紫外線が照射される範囲に配される部材は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂等の耐候性を備える合成樹脂や、金属材料等によって構成されている。給排水機構30における、給水バルブVs,Vs2、給水ポンプPs、排水バルブVd、送液ポンプPm、超音波センサ38、およびUVランプ39は、その駆動が電気的に制御可能なものであって、制御装置100に電気的に接続されている。
【0042】
なお、図2に示すように、本実施形態の貯水タンク31には、レベルLv1,レベルLv2,およびレベルLv3の水位が設定されている。レベルLv1は製氷運転時の水位の下限であり、レベルLv2は製氷運転時の水位の上限であり、レベルLv1からレベルLv2の間の水位で後述する製氷運転および製氷セーブ運転が実施される。貯水レベルLv3は、オーバーフロー排水口35の上端であるオーバーフロー水位と一致しており、貯水レベルLv3において、シリンダ21の内面,オーガ22,成形部23は水に浸漬されるものの、貯氷部50のアジテータ56はレベルLv3もより上方に配置され、シリンダ21から貯氷部50に向けて水が流れ込むことが防止されている。これらの貯水レベルは、製氷機1の構成に応じて適宜設定されている。
【0043】
操作パネル150には、例えば、製氷機1の各部の状態に関する情報(例えば、製氷部分の温度情報、貯氷部50の貯氷量情報など)や製氷機1のステータス情報(例えば、各種運転プログラムの進捗状況など)、製氷機1の運転条件等が表示される表示部152(図6参照)、および、製氷機1の各種動作の指示および設定を行うための入力部などが備えられている。表示部152は、例えば、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等によって構成され、制御装置100からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示する。入力部は、例えば、操作ボタン、キーボード、タッチパネル等から構成され、ユーザが制御装置100への指示を入力するために用いられるユーザインターフェイスである。氷排出ボタン54Aは、入力部の一例である。ユーザは、入力部から、製氷機1の運転条件を入力することができる。
【0044】
以上の製氷機1においては、制御装置100が製氷部5、貯氷部50、および給排水機構30の各部の動作を制御する。制御装置100の構成は特に限定されず、例えば、図6に示すように、CPU,RAM,ROM,インターフェイス(I/F),タイマT等を有するマイクロコンピュータを主体として構成され、有線または無線を介して製氷機1の各部と通信可能に接続されている。制御装置100は、さらに、製氷運転制御部110と、製氷セーブ運転制御部120と、ストッカ洗浄制御部130と、を有している。これらの製氷運転制御部110,製氷セーブ運転制御部120,およびストッカ洗浄制御部130は、プロセッサや回路等のハードウェアによって構成されていてもよいし、CPUがそれぞれ、製氷運転制御プログラム,製氷セーブ運転制御プログラム,およびストッカ洗浄プログラム等を実行することによって実現されるものであってもよい。
【0045】
<製氷運転>
製氷運転においては、予め、ストッカ51内の貯氷量が数段階に分けて設定されるとともに、氷の排出状況(すなわち氷使用量)に応じて製氷制限量が変化される。以下、貯氷量を貯氷高さH1から貯氷高さH4の4段階に分けた場合を例にして、製氷運転について説明する。なお、貯氷高さH4は、満氷状態にあたる貯氷量であり、貯氷高さH1,H2,H3はそれぞれ、満氷状態の貯氷高さを100%(基準)としたときの、貯氷高さが25%,50%,75%となる貯氷量である。ただし、貯氷量の分け方や各貯氷高さの設定基準はこれに限定されない。貯氷高さH4は氷検知板55によって検知され、貯氷高さH1,H2,H3は氷量センサ58によって検知される。また、本実施形態における製氷機1が、貯氷量ゼロの状態から貯氷高さH4(満氷状態)となるまで製氷するのに要する時間(例えば、2時間)を基準として、一段階分の貯氷高さの氷を製氷するのに要する時間(ここでは2時間の1/4の30分間)よりやや長い時間(例えば、1/3の40分間)を、製氷制限量を変化させるかどうかを判断する判断時間とすることができる。なお、製氷運転制御部110は、以下の製氷運転を、UVランプ39を点灯させながら、紫外線が照射されて殺菌された水を用いて実行するように構成されていてもよい。
【0046】
製氷運転制御部110は、図7および図8に示すように、製氷機1の各部を制御して、以下の製氷運転を実施する。
まず、冷凍ユニット10を駆動させてシリンダ21の製氷部分を所定の製氷温度にまで冷却させる(S10)。
次いで、氷検知板55によってストッカ51内に氷が所定の満氷状態で貯留されているかどうかを確認し、ストッカ51が満氷状態でない場合には、貯氷量が貯氷高さH4となるまで、製氷ユニット20および給排水機構30を駆動して製氷を実行する(S20)。具体的には、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、排水バルブVdを閉鎖した状態で給水バルブVsを開弁して、貯水レベルが所定のレベルLv2となるまで貯水タンク31に貯水する。そして貯水後は、給水バルブVsを閉弁して製氷ユニット20(駆動部27)を駆動させ、氷検知板55によって貯氷高さH4が検知されるまで製氷を行う。なお、製氷の間、貯水レベルが所定のレベルLv1にまで下降すると、給水バルブVsを開弁し、貯水レベルが所定のレベルLv2に上昇すると、給水バルブVsを閉弁する、という水位制御を続ける。
【0047】
貯氷量が貯氷高さH4となると、製氷ユニット20の駆動を停止し、氷量センサ58によってストッカ51の貯氷量を検知しながら、製氷制限量(ここでは、満氷状態である貯氷高さH4)よりも1つ下の貯氷量(ここでは、貯氷高さH3)が検知されるまで、製氷運転の待機を開始する(S30)。
このとき、製氷運転の待機の開始から所定の判断時間(例えば、40分間)が経過するまで、所定の時間毎に氷量センサ58が1つ下の貯氷高さH3を検知するかどうかを判断する(S31)。そして、所定の判断時間(例えば、40分間)が経過するまでに氷量センサ58が1つ下の貯氷高さH3を検知した場合(S31でYES)は、検知したタイミングで製氷を再開し、氷検知板55が製氷制限量である貯氷高さH4を検知するまで製氷し(S32)、その後再び、製氷運転の待機を開始する(S30)。
その一方で、製氷運転の待機の開始から所定の判断時間(例えば、40分間)が経過するまでに氷量センサ58が1つ下の貯氷高さH3を検知しなかった場合(S31でNO)は、製氷制限量を貯氷高さH4より一段階下の貯氷高さH3に引き下げて(S33)、新たな製氷制限量(貯氷高さH3)よりも1つ下の貯氷高さH2が検知されるまで、製氷運転の待機を開始する(S40)。
【0048】
そして同様に、製氷運転の待機の開始から所定の判断時間(例えば、40分間)が経過するまで、所定の時間毎に氷量センサ58が1つ下の貯氷高さH2を検知するかどうかを判断する(S41)。そして、氷量センサ58が1つ下の貯氷高さH2を検知した場合(S41でYES)は、検知したタイミングで製氷を再開し、氷量センサ58が製氷制限量である貯氷高さH3を検知するまで製氷を行い(S42)、その後再び、製氷運転の待機を開始する(S40)。
その一方で、製氷運転の待機の開始から所定の判断時間(例えば、40分間)が経過するまでに氷量センサ58が1つ下の貯氷高さH2を検知しなかった場合(S41でNO)は、製氷制限量を貯氷高さH3より一段階下の貯氷高さH2に引き下げて(S43)、新たな製氷制限量(貯氷高さH2)よりも1つ下の貯氷高さH1が検知されるまで、再び製氷運転の待機を開始する(S50)。
【0049】
製氷制限量が下から2段階目である貯氷高さH2にまで引き下げられたときには、所定の時間毎に氷量センサ58が最も下の段階の貯氷高さH1を検知するかどうかを判断する(S51)。そして、氷量センサ58が貯氷高さH1を検知したとき(S51でYES)は、検知したタイミングで製氷を再開し、氷量センサ58が製氷制限量である貯氷高さH2を検知するまで製氷を行う(S52)。ただし、この貯氷高さH2までの製氷(S52)においては、製氷を開始してから所定の判断時間(例えば、40分間)内に氷量センサ58が製氷制限量である貯氷高さH2を検知するかどうかを判断する(S53)。そして、氷量センサ58が所定の判断時間(例えば、40分間)内に貯氷高さH2を検知した場合(S53でYES)は、その後再び、1つ下の貯氷高さH1が検知されるまで製氷運転の待機を開始する(S50)。しかしながら、氷量センサ58が所定の判断時間(例えば、40分間)内に貯氷高さH2を検知しない場合(S53でNO)は、氷の排出量(使用量)が増えたと判断することができるため、製氷制限量を貯氷高さH2より一段階上の貯氷高さH3に引き上げて、新たな製氷制限量である貯氷高さH3が検知されるまで製氷運転を実行する(S54)。
【0050】
また同様に、貯氷高さH3までの製氷(S54)において、製氷を開始してから所定の判断時間(例えば、40分間)内に氷量センサ58が貯氷高さH3を検知するかどうかを判断する(S55)。そして、氷量センサ58が所定の判断時間(例えば、40分間)内に貯氷高さH3を検知したとき(S55でYES)は、上記の(S40)に進み、製氷運転の待機を開始する(S40)。しかしながら、製氷を開始してから所定の判断時間(例えば、40分間)内に氷量センサ58が貯氷高さH3を検知しない場合(S55でNO)は、氷の排出量(使用量)の増大が継続していると判断することができるため、製氷制限量を貯氷高さH3より一段階上の貯氷高さH4に引き上げて、新たな製氷制限量である貯氷高さH4が検知されるまで製氷運転を実行する(S56)。そして、貯氷高さH4が検知されるまで製氷運転が行われた後、上記の(S30)に進み、製氷運転の待機を開始する(S30)。
【0051】
<製氷セーブ運転>
製氷セーブ運転は、製氷運転に引き続き行われる。製氷セーブ運転において、例えば、製氷セーブ運転制御部120は、上記製氷運転における製氷制限量を貯氷高さH2とし、貯氷高さH1と貯氷高さH2との間で製氷を実行する。
すなわち、製氷セーブ運転制御部120は、氷量センサ58が製氷制限量である貯氷高さH2を検知するまで製氷を待機し、氷量センサ58が製氷制限量である貯氷高さH2を検知すると、上記製氷運転におけるS50に進み、引き続き製氷を待機する。
【0052】
<洗浄運転>
ストッカ洗浄制御部130は、製氷機1の各部を制御して、図9に示すフローに沿って、以下の洗浄運転を実施する。
すなわち、まず、冷凍ユニット10の駆動を停止させ、排水バルブVdを閉弁した状態で、所定の時間(例えば10分間)第2給水バルブVs2を開弁する。これにより、散水ノズル60および第2散水ノズル70に水が供給されて、ストッカ51の上方および下方からストッカ内に散水される(ストッカ散水工程;S01)。その結果、散水ノズル60からの散水によって、ストッカ51の壁部51A、底部51B、蓋体53の裏面53A、氷検知板55の上面および下面、アジテータ56、およびスノコ部57の上面が洗浄され、第2散水ノズル70からの散水によって、スノコ部57の下面、および底部51Bが洗浄される。また、散水ノズル60からの散水は、製氷ユニット20における成形部23および製氷部分(シリンダ21の内面、オーガ22)にも到達し、これらの部分に残存する氷の融解を促進するとともに、第2給水路S2に送られて貯水タンク31に貯められる。貯水タンク31においては、貯水レベルが所定のレベルLv3に達すると、過剰な水はオーバーフロー排水口35から第2排水路D2を通じて製氷機1の外部へと排水される。また、その他の散水は、ストッカ51の排水孔52から第3排水路D3を通じて製氷機1の外部へと排水される。なお、この散水工程(S01)においては、駆動部27を駆動させてシリンダ21内でオーガ22を回転させることで、製氷部分の氷の融解を促進させるとともに、製氷部分の洗浄効果を高めるようにしてもよい。
【0053】
ストッカ散水工程(S01)後は、第2給水バルブVs2を閉弁するとともに、駆動部27を駆動させてアジテータ56を回転させながら、氷量センサ58によってストッカ51の貯氷量を検知することで、ストッカ51内に氷が残存しているかどうかを判断する(S02)。そして、ストッカ51内に氷が残存していると判断された場合(S02でYES)には、再び散水工程へと戻り、第2給水バルブVs2を開弁して、散水ノズル60,70からの散水を再開する(S01)。一方で、ストッカ51内に氷が残存していないと判断された場合(S02でNO)には、ストッカ51内の洗浄が完了したと判断し、送液ポンプPmを駆動させるとともに排水バルブVdを閉弁して、ストッカ51、製氷ユニット20、貯水タンク31、および給排水経路内の水を全て排水をする(排水工程;S03)。なおこのとき、送液ポンプPmの駆動によって、シール部26の摺動時に発生する摩耗粉を排水口21Bから吸出し、本排水路D4を通じて製氷機1の外部に排出することができる。
【0054】
<運転スケジュール>
本実施形態の制御装置100は、運転スケジュール機能を備えており、ユーザによって設定された運転スケジュールに従い、タイマTが計測する時間に基づいて、製氷運転制御部110による製氷運転と、製氷セーブ運転制御部120による製氷セーブ運転と、ストッカ洗浄制御部130による洗浄運転と、が適宜開始されるように構成されている。本実施形態における製氷機1の運転スケジュールは、まず、ユーザが、予め製氷機1の使用終了時刻(例えば、製氷機1が設置された店舗の営業終了時刻)を設定しておくことで、製氷セーブ運転制御部120は、この使用終了時刻の数時間前に製氷運転モードから製氷運転モードに切替えて製氷を実行するように設定されている。また、ストッカ洗浄制御部130は、この使用終了時刻から、洗浄運転を開始するように設定されている。そして洗浄運転が終了すると、製氷運転制御部110が、製氷運転を開始するように設定されている。ただし、ユーザは、操作パネル150を操作することで、任意のタイミングでストッカ洗浄制御部130に洗浄運転を開始させることができる。この場合は、洗浄運転が終了すると、製氷運転制御部110が、製氷運転を開始するように設定されている。なお、ストッカ洗浄制御部130が洗浄運転を行った後は、予め設定された所定の時間に、製氷運転制御部110または製氷セーブ運転制御部120による製氷運転を開始するように構成されていてもよいし、運転を行わずに待機モードに入ってもよい。
【0055】
上記構成の製氷機1によると、氷を製造する製氷部5と、製氷部5において製造された氷を貯留するための貯氷部50と、製氷部5に水を給排水するための給排水機構30と、制御装置100と、を備えて構成され、給排水機構30は、貯氷部50に給水する給水経路を備えており、貯氷部50は、箱状をなし、内部に氷を収容するためのストッカ51と、給排水機構30に接続されるとともにストッカ51の上方に備えられ、給排水機構30によって水を供給されることでストッカ51内に水を散水することができる散水ノズル60,70と、ストッカ51内に貯留される氷の量を検知する氷量センサ58と、を備えている。そして制御装置100は、製氷部5による製氷運転を停止した状態で、給排水機構30に対して散水ノズル60,70に水を供給させてストッカ51の内部を洗浄するとともに、氷量センサ58によってストッカ51内に貯留される氷がないと判断されたあとに、給排水機構30による散水ノズル60,70への水の供給を停止するように構成されたストッカ洗浄制御部130を備えている。これより、ストッカ51内に氷が残存している状態であってもストッカ51の洗浄を自動的に開始することができるとともに、散水ノズル60,70から散水される洗浄水によって氷の融解を促すことができる。また、ストッカ51の洗浄は、ストッカ51内の残氷量がゼロになったことを確認して停止するようにしている。これにより、例えば、洗浄完了後に残氷から融解水がストッカ51内に残存することを防いで、ストッカ51全体を確実に洗浄した後に洗浄を終了することができる。
【0056】
また、上記の実施形態において、散水ノズル60は、管状をなし、給排水機構30から供給される水を流通させる軸管61と、中空構造を有するとともに、軸管61がその中空空間を貫くように軸管61に対して回転自在に外嵌されている回転部65と、を含んで構成されている。また、軸管61は、回転部65の中空空間に水を排出するための横孔62Bを有しており、回転部65は、当該回転部65の回転半径と交わる方向において、中空空間と外部とを連通するノズル孔66を備えており、ノズル孔66は、少なくとも、回転部65のうち、軸管61の給排水機構30に接続される側である上流側において上方に向けて回転部65を貫通する上ノズル孔67Aと、回転部65のうち、上流側とは反対側の下流側において下方に向けて回転部65を貫通する下ノズル孔67Bと、を有している。そして、当該散水ノズル60は、給排水機構30から供給される水の圧力に対する反力によって、回転部65が軸管61を軸として回転しつつ、ノズル孔66から少なくとも上方と下方とに向けて水を噴出する構成を備えている。このような構成の散水ノズル60を用いることによって、ストッカ51の内部を壁部51Aだけではなく、例えば、蓋体53の裏面53Aやアジテータ56等をも自動的に洗浄することができる。
【0057】
上記実施形態において氷量センサ58は、非接触型の位置センサである。これにより、ストッカ51内の氷の量を、精度よく検出することができる。また、残氷量がゼロの状態を精度よく検知して、確実にストッカ51内を洗浄することができる。さらに、上記実施形態において、給排水機構30は、製氷部5に供給するための水を貯めるための貯水タンク31と、貯水タンク31に水を供給するための第1給水路S1(給水路)と、を備えているとともに、貯水タンク31に水を供給するための第3給水路S3(他の給水路)と、を備えている。これにより、製氷部に直接水を供給する場合と比較して、安定して水を供給することができるとともに、ノズルに対しては十分な水を供給することができる。
【0058】
さらに、上記実施形態において、貯氷部50は、製氷部5に対して上方に配されているとともに、その下方において、製氷部5から送られる氷を貯氷部50の底部51Bから離間した状態で受けるスノコ部57を備えており、底部51Bには、給排水機構30に接続されるとともにスノコ部57の下面に向けて水を散水するための第2散水ノズル70が備えられており、給排水機構30は、ストッカ洗浄制御部130によって散水ノズル60,70への給水を指示されたときには、第2散水ノズル70に対しても水を供給する構成を備えている。これにより、貯氷部50が製氷部5に対して上方に配され、ストッカ51の下方にスノコ部57を備えている製氷機1において、第2散水ノズル70が備えられていることで、製氷機1を分解することなく、スノコ部57の裏面57Aやストッカ底部51B等も自動的に洗浄することができる。また、第2散水ノズル70を備えない構成と比較して、スノコ部57の裏面やストッカ底部51Bをより綺麗に洗浄することができる。
【0059】
さらに、上記実施形態において、製氷部5は、氷を製造するための水が供給されるシリンダ21(製氷容器)と、シリンダ21内で回転することで氷結された氷を掻き取るオーガ22(回転切削刃)と、オーガ22を回転駆動する駆動部27と、を備え、給排水機構30は、シリンダ21の上側方に配されるとともに、シリンダ21に供給するための水を貯めるための貯水タンク31と、シリンダ21と貯水タンク31とを下方において連通する第2給水路S2(製氷給水路)と、を備えている。そして、ストッカ洗浄制御部130は、給排水機構30によって散水ノズル60,70に水を供給するとともに、駆動部27によってオーガ22を回転させることで、ストッカ51と併せてシリンダ21を洗浄する構成を備えている。製氷部5として氷を製造するための水を貯めるシリンダ21を備える構成の製氷機1においては、上記構成によると、貯氷部50の洗浄と並行して、シリンダ21の洗浄を自動で行うことができる。これにより、ストッカ51の内部だけでなく、製氷機1の給水部分の全体的な洗浄を可能とすることができる。
【0060】
さらに、上記実施形態において、制御装置100はタイマT(タイマ機能)を備え、予め定められた時間にストッカ洗浄制御部130を作動させることでストッカ51の内部を洗浄する構成を備えている。上記構成によると、ユーザが貯氷部50の洗浄運転時間を予め設定しておくことができ、その洗浄運転時間に自動的に貯氷部50の洗浄を開始して終了することができる。これにより、ユーザが貯氷部50の洗浄の開始から終了まで製氷機1を作動させる必要がなくなり、ユーザの作業時間を削減することができる。これに限定されるものではないが、制御装置100は、例えば、ユーザが製氷機1の前面に設けた操作パネル150を操作することによって洗浄運転の開始を指示したとき、洗浄運転を随時開始させることができ、洗浄運転が完了した後には、例えば、引き続き製氷運転を開始するように構成されていてもよい。また、制御装置100は、ユーザが製氷機1の前面に設けた操作パネル150を操作することによって予め指定した時間(例えば、閉店の数時間後)に洗浄運転の開始を指示したとき、洗浄運転を当該指定時間に開始させることができ、洗浄運転が完了した後には、例えば、ユーザが予め指定した時間(例えば、開店の2時間前)に製氷運転を開始するように構成されていてもよい。また、上記実施形態において、製氷機1は、その前面に設けた操作パネル150に、ストッカ51内に貯留されている氷の量を表示する表示部152を備えており、制御装置100は、氷量センサ58によって検知されたストッカ51内に貯留される氷の量を、表示部152に表示させる構成を備えている。これにより、ユーザは、ストッカ内の氷の量を、ストッカを開けることなく、冷凍機の表示部を目視すること確認することができる。その結果、例えば、洗浄運転完了までの進行具合をおおよそ把握することができる。
【0061】
さらに、上記実施形態において、貯氷部50は、ストッカ51における氷の貯氷量を表す複数の貯氷高さが予め設定されており、制御装置100は、製氷部5および給排水機構30を駆動させて、氷量センサ58が検知する貯氷量が、製氷制限量に対応する貯氷高さとなるまで製氷を行ったのち製氷を待機させ、所定の待機時間が経過するまでの間に、氷量センサ58が検知する貯氷量が、製氷制限量に対応する貯氷高さよりも1つ下の貯氷高さ以下となったときは、貯氷量が製氷制限量に対応する貯氷高さとなるまで製氷を再開し、所定の待機時間が経過するまでの間に、貯氷高さが1つ下の貯氷高さにまで低下しなかったときは、製氷制限量を表す貯氷高さを1つ下の貯氷高さに変更して、再び製氷の待機を開始する、ように構成された製氷セーブ運転制御部を備えている。上記構成によると、氷の使用量に合わせてストッカ内の残氷量を制御し、氷の使用量が少ない状態では製氷運転を行うタイミングと製氷量とを削減して、当該製氷機の使用後に残氷量が少ない状態とすることができる。これにより、残氷量が少ない状態でストッカ内の洗浄を開始することができ、短時間で効率よくストッカの洗浄を行うことができる。
【0062】
≪実施形態2≫
実施形態2の製氷機201について図10および図11を参照して説明する。なお、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。実施形態1の製氷機1において、散水ノズル60には、第3給水路S3を通じて水道管等から水を供給できるように構成されていた。これに対し、実施形態2の製氷機201においては、図10に示すように、貯水タンク31と散水ノズル60とはノズル給水路S32によって接続されている。ノズル給水路S32は蓋体33に挿通され、ノズル給水路S32の一端は貯水タンク31の所定の水位(後述するLv3よりも下方)に配されているとともに、ノズル給水路S32の他端は散水ノズル60に接続されている。また、ノズル給水路S32の途中には給水ポンプPsが設けられており、この給水ポンプPsを駆動させることによって、貯水タンク31内の水を散水ノズル60に供給できるようになっている。また、ノズル給水路S32は給水ポンプPsよりも下流側で分岐路S31に分岐されており、分岐路S31を介して第2散水ノズル70に水を供給するように構成されている。実施形態2の貯水タンク31には、レベルLv1,レベルLv2,レベルLv3,およびレベルLv4の水位が設定されている。レベルLv1,レベルLv2については実施形態1と同様であって、レベルLv1からレベルLv2の間の水位で製氷運転および製氷セーブ運転が実施される。また、レベルLv3は洗浄運転時の水位の下限であり、レベルLv4は洗浄運転時の水位の上限であって、ノズル給水路S32の吸水口(一端)はレベルLv3よりも低水位に配されるとともに、この範囲の水位で洗浄運転が実施される。なお、貯水レベルLv4は、オーバーフロー排水口35の上端であるオーバーフロー水位と一致しており、実施形態1における貯水レベルLv3と同様である。
【0063】
<製氷運転>
本実施形態における製氷運転制御部110は、製氷機201が、貯氷量ゼロの状態から貯氷高さH4(満氷状態)となるまで製氷するのに要する時間(例えば、2時間)の1/4である30分間を、製氷制限量を変化させるかどうかを判断する判断時間とするとともに、UVランプ39を点灯させながら、紫外線が照射されて殺菌された水を用いて、製氷セーブ運転を実行するように構成されている。製氷運転制御部110は、その他は実施形態1と同様にして、製氷セーブ運転を実行するように構成されている。
<製氷セーブ運転>
製氷セーブ運転制御部120は、実施形態1と同様の制御を実施する。
【0064】
<洗浄運転>
ストッカ洗浄制御部130は、図11に示すように、製氷機1の各部を制御して、以下の洗浄運転を実施する。すなわち、ストッカ洗浄制御部130は、冷凍ユニット10の駆動を停止させ、排水バルブVdを閉弁した状態で、UVランプ39を点灯させるとともに、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、貯水レベルが所定のレベルLv4となるまで給水バルブVsを開弁する。これにより貯水タンク31に洗浄のための水が給水される(S101)。給水が完了すると、所定の時間(例えば10分間)駆動部27および給水ポンプPsを駆動させる(S102)。これにより、シリンダ21内でオーガ22を回転させることができ、製氷部分の洗浄を行うことができる(S102)。また、ノズル給水路S32を通じて散水ノズル60および第2散水ノズル70に水を供給することができ、ストッカ51内の氷の融解を促進させるとともに、アジテータ56等を含むストッカ51の内部を洗浄することができる(S102)。ここで、貯水タンク31に貯留される水は、UVランプ39の照射によって殺菌されて殺菌水となる。これにより、殺菌水を用いてストッカ51および製氷部分を洗浄することができる。なお、この工程S102の間、貯水レベルが所定のレベルLv3にまで下降すると、給水バルブVsを開弁し、貯水レベルが所定のレベルLv4に上昇すると、給水バルブVsを閉弁する、という水位制御を続ける(S103)。
【0065】
上記工程S102後は、給水ポンプPsの駆動を停止し、駆動部27を駆動させてアジテータ56を回転させながら、氷量センサ58によってストッカ51の貯氷高さを検知することで、ストッカ51内に氷が残存しているかどうかを判断する(S104)。そして、ストッカ51内に氷が残存していると判断された場合(S104でYES)には、再び散水工程へと戻り、第2給水バルブVs2を開弁して、散水ノズル60,70からの散水を再開する(S102)。一方で、ストッカ51内に氷が残存していないと判断された場合(S104でNO)には、ストッカ51および製氷部分の洗浄が完了したと判断し、UVランプ39の照射および駆動部27の駆動を停止し、排水バルブVdを閉弁するとともに送液ポンプPmを所定の時間駆動させて、ストッカ51、製氷ユニット20、貯水タンク31、および給排水経路内の水を全て排水する(排水工程;S105)。
【0066】
<運転スケジュール>
本実施形態の制御装置100は、運転スケジュール機能を備えており、ユーザによって設定された運転スケジュールに従い、タイマTが計測する時間に基づいて、製氷運転制御部110による製氷運転と、製氷セーブ運転制御部120による製氷セーブ運転と、ストッカ洗浄制御部130による洗浄運転と、が適宜開始されるように構成されている。
本実施形態における製氷機1の運転スケジュールは、まず、ユーザが、予め製氷機1の使用終了時刻(例えば、製氷機1が設置された店舗の営業終了時刻)を設定しておくことで、製氷セーブ運転制御部120は、この使用終了時刻の数時間前に製氷運転モードから製氷運転モードに切替えて製氷を実行するように設定されている。また、ストッカ洗浄制御部130は、この使用終了時刻から、洗浄運転を開始するように設定されている。そして洗浄運転が終了すると、製氷運転制御部110が、製氷運転を開始するように設定されている。ただし、ユーザは、操作パネル150を操作することで、任意のタイミングでストッカ洗浄制御部130に洗浄運転を開始させることができる。この場合も、洗浄運転が終了すると、製氷運転制御部110が、製氷運転を開始するように設定されている。
【0067】
上記実施形態の製氷機201において、給排水機構30は、貯氷部50に供給する水に紫外線を照射するUVランプ39(UV殺菌装置)を備えており、ストッカ洗浄制御部130は、UVランプ39によって貯氷部50に供給する水を殺菌しながら、ストッカ51の洗浄を実施するように構成されている。これにより、UVにより殺菌された殺菌水を使ってストッカ51内を自動的に殺菌しながら洗浄することができる。また、UVランプ39は、詳細には図示しないが、紫外線を発信するUV発信素子と、紫外線を受信するUV受信素子と、UV発信素子およびUV受信素子をUV発信素子から紫外線が発信される側において覆うカバー部材と、を備えており、制御装置100は、UV発信素子が紫外線を発信したとき、UV発信素子から発信されたのち反射された紫外線をUV受信素子が受信することにより、UV発信素子が紫外線を発信していることを検知する構成を備えている。これにより、人の目には見えない紫外線をUVランプ39が適切に発信しているかどうかを簡単な構成で確認することができる。例えば、UVランプ39と直列にした可視光ランプを点灯させる構成では、可視光ランプおよびその周辺回路が発熱を伴うことがあるため、可視光ランプに換えてUV受信素子を備えることで、発熱を抑制しつつUVランプ39の故障や寿命を検知することができる。
【0068】
≪実施形態3≫
実施形態3の製氷機301について図12から図18を参照して説明する。なお、実施形態1や実施形態2と共通する構成、作用、および効果については重複するため、同一の符号を用いるとともに、その説明を省略する。実施形態1,2の製氷機1,201において、貯氷部50は、製氷ユニット20の上方に配置されているとともに、ストッカ51内には、氷検知板55、アジテータ56、およびスノコ部57などが備えられていた。これに対し、図13に示すように、実施形態3の製氷機301において、貯氷部350は、製氷ユニット20の側方に並ぶ形で配置されており、上方が開口された略直方体形状の有底箱型のストッカ51と、このストッカ51の上方の開口封鎖する蓋体53と、を主体として構成されている。ストッカ51は、前面に図示しない氷取出し口と扉とを有しており、この氷取出し口は、例えば氷取出し口の下端に水平に配される回動軸を中心に回動可能とされる扉によって、開閉できるようになっている。また、図13に示すように、製氷ユニット20の成形部23から上方に突出するオーガ22の上端部には、カッタ24が同軸に固定されている。カッタ24は、オーガ22と共に回転することで、オーガ22によって成形部23から繰出される柱状の氷を所定のピッチでカットするように構成されている。シリンダ21の上端には、スパウト25の一端がカッタ24を覆うように取り付けられており、その他端は貯氷部350に開口されている。スパウト25は、製氷ユニット20と貯氷部350との間において、水平に比して、貯氷部350に向かうにつれてやや上傾するように設けられ、氷通路を形成している。また、ストッカ51の壁部51Aの上方には、製氷ユニット20のスパウト25と連通される環状の連結部54が備えられ、製氷ユニット20で製造された氷が連結部54を通じてストッカ51内に送られる。蓋体53には、氷量センサ58と、散水ノズル360とが備えられている。また、ストッカ51の壁部51Aのうち、連結部54と対向する位置にはUVランプ59が備えられている。UVランプ59の構成は、UVランプ39と同様であってよく、UVランプ59から連結部54に向けて紫外線を照射することによって、連結部54およびスパウト25の内面を殺菌できるようになっている。
【0069】
実施形態1,2において、散水ノズル60の回転部65は中空球形をなしていたが、実施形態3における散水ノズル360の回転部365は、例えば図14Aから図14Cに示すように、上方部365Cが略中空円柱形であって、下方部365Dが略中空半球形の弾丸形をなしている。散水ノズル360は、上下方向において、回転部365がUVランプ59よりも上方に位置し、かつ、連結部54と向き合う位置に配されるように、蓋体53に固定されている(図13参照)。回転部365は、2つの直交面P1、P2のうち、直交面P1において、図14Dに示すように、ノズル軸が水平となるように回転部365の上流側を貫通するノズル孔366Aと、ノズル軸が水平となるように回転部365の上流側を貫通するノズル孔366Bと、ノズル軸が管軸となす角度が鋭角(例えば30±5°)となるように回転部365の下流側を貫通するノズル孔366Cと、を含んでいる。また、回転部365は、直交面P2において、図14Eに示すように、上下方向でノズル孔366Aとノズル孔366Bの間において、ノズル軸が水平となるように、かつ離間して、回転部365を貫通するノズル孔366D,ノズル孔366Eを備えており、また、ノズル軸が管軸となす角度が鋭角(例えば40±5°)となるように回転部365の下流側を貫通するノズル孔366Fと、を含んでいる。このような構成の散水ノズル360によると、回転部365が中空円柱形であることによって、他の形態の回転部と比較して、ノズル孔から水平方向に噴出させる水の量を増やすことができるとともに、その噴出速度を高めることができる。このことにより、より容積の大きいストッカ51の壁部51Aや、散水ノズル360から離れた位置にある部材を好適に洗浄することができる。
【0070】
また、実施形態3の製氷機301において、給排水機構30は、図13に示すように、第3給水路S3とノズル給水路S32とを備えており、第3給水路S3を通じて水道管等から散水ノズル60に水を供給できるとともに、ノズル給水路S32を通じて貯水タンク31から散水ノズル60に水を供給できるように構成されている。なお、本実施形態の製氷機301には、第2散水ノズル70は備えられておらず、給排水機構30は分岐路S31を有していない。そして、貯水タンク31には、レベルLv1からレベルLv6の6段階の水位が設定されている。すなわち、レベルLv1は貯水タンク31の底面に相当し、レベルLv2は製氷運転時の水位の下限であり、レベルLv3は製氷運転時の水位の上限であって、レベルLv2からレベルLv3の間がシリンダ21の製氷部分に対応するとともに、この範囲の水位で製氷運転および製氷セーブ運転が実施される。貯水レベルLv4は後述する第1洗剤供給路S41の下端位置を規制する水位であり、貯水レベルLv5は後述する洗剤希釈液を調整するための水位であり、貯水レベルLv6は、オーバーフロー排水口35の上端であるオーバーフロー水位と一致している。貯水レベルLv6において、シリンダ21の内面,オーガ22,成形部23は水に浸漬されるものの、カッタ24およびスパウト25はレベルLv6もより上方に配置され、シリンダ21から貯氷部350に向けて水が流れ込むことが防止されている。これらの水位は、製氷機1の構成に応じて適宜設定されている。
【0071】
給排水機構30は、図12および図13に示すように、貯氷部350に供給する水に洗剤を加える洗剤添加装置40を備えている。本実施形態の洗剤添加装置40は、図13に示すように、アルカリ性洗剤添加ユニット40Aと、酸性洗剤添加ユニット40Bとを備えている。アルカリ性洗剤添加ユニット40Aは、第1容器41と、第1質量センサ42と、第1洗剤供給路S41と、第1ポンプPM1と、第1洗剤排出路D41と、第1逆止弁Vt11と、第2逆止弁Vt12とを備えている。第1容器41は、アルカリ性洗剤の原液を収容する容器であり、第1質量センサ42は、この第1容器41とここに収容されている洗剤の合計の質量を検知する。第1洗剤供給路S41は、第1容器41と貯水タンク31とを接続する管路であり、第1洗剤供給路S41の貯水タンク31の側(下流側)の端部は貯水レベルLv4と貯水レベルLv6との間に配されている。第1ポンプPM1は、第1洗剤供給路S41の途中に配されている。第1洗剤排出路D41は、一端が第1ポンプPM1よりも第1容器41の側(上流側)で第1洗剤供給路S41に接続されるとともに、他端が第2排水路D2に接続されている。第1洗剤供給路S41のうち、第1洗剤排出路D41との接続点よりも上流側には第1逆止弁Vt11が設けられ、第1洗剤供給路S41内の洗剤の流れを下流側に規制している。また、第1洗剤排出路D41のうち、第1洗剤供給路S41との接続点よりも第2排水路D2の側(下流側)には第2逆止弁Vt12が設けられ、第1洗剤排出路D41内の流体の流れを下流側に規制している。第1ポンプPM1は、双方向に向けて送液が可能な定量送液ポンプであり、例えばチューブポンプによって構成される。第1ポンプPM1を上流側から下流側に向けて(正方向に)送液するように駆動することによって、第1容器41から貯水タンク31に向けて送液され、下流側から上流側に向けて(逆方向に)送液するように駆動することによって、第1逆止弁Vt11よりも下流側の第1洗剤供給路S41から第2排水路D2に向けて送液される。酸性洗剤添加ユニット40Bは、第2容器43と、第2質量センサ44と、第2洗剤供給路S42と、第2ポンプPM2と、第2洗剤排出路D42と、第1逆止弁Vt21と、第2逆止弁Vt22とを備えている。第2容器43は、酸性洗剤の原液を収容する容器であり、その他の各要素の構成および作用効果はアルカリ性洗剤添加ユニット40Aと同様であるため、詳細な説明は省略する。図15に示すように、第1質量センサ42、第2質量センサ44、第1ポンプPM1、および第2ポンプPM2は、制御装置100に電気的に接続されている。
【0072】
<製氷運転>
本実施形態の製氷機301における製氷運転においては、予め、ストッカ51内の貯氷量が、貯氷高さH1から貯氷高さH5までの5段階に設定されている。なお、図13に示すように、貯氷高さH5は、満氷状態にあたる貯氷量であり、貯氷高さH1,H2,H3,H4はそれぞれ、満氷状態の貯氷高さを100%(基準)としたときの、貯氷高さが
12.5%(1/8),25%(1/4),50%(1/2),75%(3/4)となる貯氷量である。これらの貯氷高さH1から貯氷高さH5は、氷量センサ58によって検知される。本実施形態における製氷運転制御部110は、製氷機201が、貯氷量ゼロの状態から貯氷高さH5(満氷状態)となるまで製氷するのに要する時間(例えば、8時間)を基準として、貯氷高さH1までの氷を製氷するのに要する時間(ここでは、1/8である1時間)を判断時間とする。なお、製氷運転制御部110は、以下の製氷セーブ運転を、UVランプ39を点灯させながら、紫外線が照射されて殺菌された水を用いて実行するように構成されていてもよい。
【0073】
製氷運転制御部110は、図16に示すように、製氷機1の各部を制御して、以下の製氷運転を実施する。すなわち、まず冷凍ユニット10を駆動させてシリンダ21の製氷部分を所定の製氷温度にまで冷却させる(S110)。
次いで、製氷制限量を満氷状態の貯氷高さH5と設定して、氷量センサ58によってストッカ51内に氷が満氷状態で貯留されているかどうかを確認し、ストッカ51が満氷状態に満たない場合には、製氷制限量である貯氷高さH5が検知されるまで、製氷ユニット20および給排水機構30を駆動して製氷を実行する(S120)。具体的には、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、排水バルブVdを閉鎖した状態で給水バルブVsを開弁して、貯水レベルが所定のレベルLv3となるまで貯水タンク31に貯水する。貯水レベルが所定のレベルLv3となると、給水バルブVsを閉弁して製氷ユニット20(駆動部27)を駆動させ、氷量センサ58によって貯氷高さH5が検知されるまで製氷を行う。なお、製氷セーブ運転の間、貯水レベルが所定のレベルLv2にまで下降すると、給水バルブVsを開弁し、貯水レベルが所定のレベルLv3に上昇すると、給水バルブVsを閉弁する、という水位制御を続ける。
【0074】
貯氷量が製氷制限量(例えば貯氷高さH5)となると、製氷ユニット20の駆動を停止し、氷量センサ58によってストッカ51の貯氷高さを検知しながら、製氷運転の待機を開始する(S130)。
待機開始から所定の判断時間(ここでは1時間)が経過すると、判断時間(1時間)あたりの貯氷量の低下(すなわち、氷の使用量)が所定の基準量(ここでは、貯氷高さH1相当量(満氷状態の1/8))以上であるかどうかを判断する(S131)。
ここで、判断時間あたりの貯氷量の低下が基準量に満たない場合(S131でNO)は、製氷制限量を一段階下の貯氷高さ(例えば貯氷高さH4)に引き下げ(S132)、新たな製氷制限量のもとで、製氷運転の待機を開始する(S130)。
一方で、判断時間あたりの貯氷量の低下が基準量以上である場合(S131でYES)は、製氷を行う。このとき、製氷制限量が貯氷高さH5であるとき(S133でNO)は、製氷制限量はそのままとして、製氷制限量(貯氷高さH5)が検知されるまで製氷を行い(S134)、その後再び、製氷運転の待機を開始する(S130)。しかしながら、製氷制限量が貯氷高さH1から貯氷高さH4に引き下げられているとき(S133でYES)であれば、製氷制限量を一段階上の貯氷高さに引き上げた上で、新たな製氷制限量(貯氷高さH2から貯氷高さH5のいずれか)が検知されるまで製氷を行い(S135)、その後、製氷運転の待機を開始する(S130)。
【0075】
<製氷セーブ運転>
製氷運転において、製氷制限量は貯氷高さH1に設定される。そして、製氷セーブ運転制御部120は、所定の判断時間(例えば60分間)が経過するごとに、氷量センサ58によってストッカ51の貯氷量を検知し、貯氷量が製氷制限量である貯氷高さH1以上であるかどうかを確認する。そして、貯氷量が貯氷高さH1に満たない場合は、製氷制限量である貯氷高さH1が検知されるまで製氷を行い、その後、判断時間が経過するまで製氷運転の待機を開始する。
【0076】
<洗浄運転>
ストッカ洗浄制御部130は、図17および図18に示すように、製氷機1の各部を制御して、以下の洗浄運転を実施する。洗浄運転に際しては、まず、アルカリ性洗剤液調製工程(S201~S204)と、ストッカ51内の氷の融解工程(S205~207)とを並行して実施する。
アルカリ性洗剤液調製工程(S201~S204)においては、冷凍ユニット10の駆動を停止させ、排水バルブVdを閉弁した状態で、UVランプ39を点灯させるとともに、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、貯水レベルが所定のレベルLv5となるまで給水バルブVsを開弁する(S201)。これにより貯水タンク31にアルカリ性洗剤希釈液を調製するための水が貯水される(S201)。次いで、給水バルブVsを閉弁し、駆動部27および送液ポンプPmを駆動するとともに、第1ポンプPM1を正方向に駆動させる(S202)。これにより、貯水タンク31へのアルカリ性洗剤の添加が開始されるとともに、循環経路内を水が循環される(S202)。また、シリンダ21の製氷部分を水に浸漬させるとともに、オーガ22を回転させることができ、製氷部分の氷の融解を促進させることができる。ここで、第1質量センサ42によって検知される第1容器41の質量変化から、貯水タンク31内に添加されるアルカリ性洗剤の量が所定量(例えば、貯水タンク31および循環経路の水量の5wt%)となったときに、第1ポンプPM1による送液を停止することで、貯水タンク31内に、5%の濃度となるアルカリ性洗剤が添加される(S203)。なお、第1ポンプPM1の停止後、送液ポンプPmの駆動と停止とを数回繰り返す間欠駆動を実施する(S204)。間欠運転としては、例えば、送液ポンプPmを約3分間駆動させたのち約7分間停止させることを、2~3回、すなわち計20~30分間程度実施することが例示される。これにより、貯水タンク31内の水と洗剤とが、循環経路を循環されることで撹拌され、濃度が5%で均一なアルカリ性洗剤希釈液が調製されるとともに、貯水タンク31、製氷部分、および循環経路が洗剤希釈液によって洗浄される。このように洗剤希釈液を間欠的に送液することにより、送液と停止との切替え時の衝撃によって洗浄効果を高めることができる。
【0077】
また一方で、ストッカ51内の氷の融解工程(S205~207)においては、第2給水バルブVs2を開弁する(S205)。これにより、散水ノズル360からストッカ51内に水が散水されて、ストッカ51内に残存している氷の融解が促進される(S205)。また、散水ノズル360から放出される水は、連結部54およびスパウト25の奥にまで到達することができ、連結部54およびスパウト25に残存する氷の融解をも促進することができる。なお、連結部54およびスパウト25に噴出された水は、一部がシリンダ21に流れ込むことによって貯水タンク31の水頭位を上げる方向に作用し、貯水タンク31において貯水レベルがレベルLv6を超える過剰な水については、オーバーフロー排水口35を介して第2排水路D2に排出される。所定の時間(例えば10分間)の散水を行った後、第2給水バルブVs2を閉弁し、氷量センサ58によってストッカ51の貯氷量を検知することで、ストッカ51内に氷が残存しているかどうかを判断する(S206)。そして、ストッカ51内に氷が残存していると判断された場合には、再び散水工程へと戻り、第2給水バルブVs2を開弁して、散水ノズル60,70からの散水を再開する(S205)。一方で、ストッカ51内に氷が残存していないと判断された場合には、ストッカ51内の洗浄が完了したと判断し、アルカリ性洗剤液調製工程(S201~S204)が完了するまで待機する(S207)。
【0078】
次いで、アルカリ性洗剤液調製工程(S201~S204)と、ストッカ51内の氷の融解工程(S205~207)とが完了したことが確認されると、アルカリ性洗剤希釈液によるストッカ51内の洗浄工程を実施する(S208~S212)。すなわち、まず、超音波センサ38によって貯水レベルLv2が検知されるまで、給水ポンプPsを間欠駆動させる(S208)。これにより、貯水タンク31に調製されたアルカリ性洗剤希釈液が、散水ノズル360によってストッカ51内に散液され、ストッカ51、連結部54およびスパウト25の内部をアルカリ性洗剤希釈液で洗浄することができる。そして、超音波センサ38によって貯水レベルLv2が検知されてから所定の時間(ノズル給水路S32内の洗剤希釈液がストッカ51に排液されるまでの時間)が経過したのちに、給水ポンプPsの駆動を停止する(S209)。次いで、第2給水バルブVs2を所定の時間(例えば10分間)開弁する(S210)。これによって、ストッカ51内に散水ノズル360によって水を散水し、ストッカ51内に残存する洗剤希釈液を洗い流すことができる。所定時間の散水が終わると、第2給水バルブVs2を閉弁し、排水バルブVdを開弁するとともに、送液ポンプPmを駆動させて、貯水タンク31内の水を強制排出する(S211)。超音波センサ38によって貯水レベルLv1が検知されると、送液ポンプPmを停止し、その数秒後に排水バルブを閉弁することで、給排水機構30内の水の排出を完了する(S212)。
【0079】
次いで、酸性洗剤液調製工程(S213~S216)を実施する。すなわち、排水バルブVdを閉弁した状態で、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、貯水レベルが所定のレベルLv5となるまで給水バルブVsを開弁する。これにより貯水タンク31に酸性洗剤希釈液を調製するための水が給水される(S213)。次に、給水バルブVsを閉弁し、駆動部27および送液ポンプPmを駆動するとともに、第2ポンプPM2を正方向に駆動させる。これにより、貯水タンク31への酸性洗剤の添加が開始される(S214)。ここで、第2質量センサ44によって検知される第2容器43の質量変化から、貯水タンク31内に添加される酸性洗剤の量が所定量(例えば、貯水タンク31および循環経路の水量の3wt%)となったときに、第2ポンプPM2による送液を停止する(S215)。これにより、貯水タンク31内に、3%の濃度となる酸性洗剤が添加される(S215)。なお、第2ポンプPM2の停止後、送液ポンプPmの駆動と停止とを数回繰り返す間欠駆動を実施する(S216)。間欠運転としては、例えば、送液ポンプPmを約3分間駆動させたのち約7分間停止させることを、2~3回、すなわち計20~30分間程度実施することが例示される。これにより、貯水タンク31内の水と洗剤とが、循環経路を循環されることで撹拌され、濃度3%の均一な酸性洗剤希釈液が調製されるとともに、貯水タンク31、製氷部分、および循環経路が洗剤希釈液によって洗浄される。このように洗剤希釈液を間欠的に送液することにより、送液と停止との切替え時の衝撃によって洗浄効果を高めることができる。
【0080】
次いで、酸性洗剤希釈液によるストッカ51の洗浄工程(S217~S221)を実施する。すなわち、超音波センサ38によって貯水レベルLv2が検知されるまで、給水ポンプPsを間欠駆動させる(S217)。これにより、貯水タンク31に調製された酸性洗剤希釈液が、散水ノズル360によってストッカ51内に散液され、ストッカ51、連結部54およびスパウト25の内部を酸性洗剤希釈液で洗浄することができる。酸性洗剤希釈液の酸液後は、所定の時間(ノズル給水路S32の下端から洗剤希釈液を吸引することができなくなるまでの時間)が経過したのち、給水ポンプPsの駆動を停止する(S218)。次いで、給水ポンプPsを停止させたのち所定の時間(ストッカ51内の散水が排水孔52から排水されるまでの時間)が経過すると、第2給水バルブVs2を所定の時間(例えば10分間)開弁する(S219)。これによって、ストッカ51内に散水ノズル360によって水を散水し、ストッカ51内に残存する洗剤希釈液を洗い流す。所定時間の散水が終わると、第2給水バルブVs2を閉弁し、排水バルブVdを開弁するとともに、送液ポンプPmを駆動させて、貯水タンク31内の水を強制排出させる(S220)。超音波センサ38によって貯水レベルLv1が検知されると、送液ポンプPmを停止し、その数秒後に排水バルブを閉弁することで、給排水機構30内の水の排出を完了する(S221)。
【0081】
次いで、リンス工程(S222~S230)を実施する。すなわち、排水バルブVdを閉弁した状態で、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv6が検知されるまで給水バルブVsを開弁する。これにより、貯水タンク31にリンス(水洗)用の水が貯水される(S222)。貯水後は、送液ポンプPmを駆動するとともに、数分間(例えば、5分間)第1ポンプPM1を逆方向に駆動させる(S223)。これにより、貯水タンク31の水が第1洗剤供給路S41および第1洗剤排出路D41を通じて第2排水路D2に送液され、第1洗剤供給路S41および第1洗剤排出路D41内のアルカリ性洗剤を排液するとともに水で洗い流すことができる(S223)。第1ポンプPM1の数分間の駆動が完了すると、第1ポンプPM1の駆動を停止して、数分間(例えば、5分間)第2ポンプPM2を逆方向に駆動させる(S224)。これにより、貯水タンク31の水が第2洗剤供給路S42および第2洗剤排出路D42を通じて第2排水路D2に送液され、第2洗剤供給路S42および第2洗剤排出路D42内の酸性洗剤を排液するとともに水で洗い流すことができる(S224)。なお、工程S223~S224において、第1ポンプPM1および第2ポンプPM2を逆方向に駆動させている間に超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv5が検知されたときは、貯水レベルLv6が検知されるまで給水バルブVsを開弁して水位を保つようにする。
【0082】
第2ポンプPM2の数分間の駆動が完了すると、送液ポンプPmおよび第2ポンプPM2の駆動を停止して、給水バルブVsを閉弁するとともに、給水ポンプPsを駆動させる(S225)。これにより、貯水タンク31の水を排水しながら散水ノズル360によりストッカ51内に散水し、ストッカ51に残存している酸性洗剤を洗い流すことができる(S225)。
なお、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv4が検知されると、第1ポンプPM1および第2ポンプPM2を逆方向に駆動させる(S226)。これにより、第1洗剤供給路S41,第1洗剤排出路D41,第2洗剤供給路S42,および第2洗剤排出路D42内の排水を開始する(S226)。また、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv2が検知されると、排水バルブVdを開弁するとともに送液ポンプPmを駆動させ(S227)、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv1が検知されると、給水ポンプPs,送液ポンプPm,第1ポンプPM1,および第2ポンプPM2を停止し(S228)、その数分後(例えば5分後)に排水バルブVdを閉弁する(S229)。これにより、給排水機構30内を排水する排水工程を実施する。その後、上記のS222~S229を数回(例えば3回)繰り返す。これにより、製氷部分およびストッカ51内の洗浄が完了する(S230)。
【0083】
<運転スケジュール>
本実施形態の制御装置100は、運転スケジュール機能を備えており、ユーザによって設定された運転スケジュールに従い、タイマTが計測する時間に基づいて、製氷運転制御部110による製氷運転と、製氷セーブ運転制御部120による製氷セーブ運転と、ストッカ洗浄制御部130による洗浄運転と、が適宜開始されるように構成されている。運転スケジュールは、例えば、製氷機301が設置された店舗等の業務形態に応じて、営業日に運転を行い、休業日に運転を休止するように設定することができる。また、運転スケジュールは、例えば、営業開始時間に所定の製氷制限量で製氷が完了し、営業終了時間には氷の使用量に応じて製氷制限量が低減されるように設定することができる。さらに、運転スケジュールは、例えば、氷の使用量が多い曜日および時間帯には製氷運転を行い、氷の使用量が少ない曜日および時間帯には製氷セーブ運転が行われるように設定することができる。また、制御装置100は、運転スケジュールの学習機能を備えていてもよく、例えば、曜日や時間、天候、気温ごとの氷の使用量の変化を学習し、曜日や時間、天候、気温ごとの氷の使用量に適した製氷運転と製氷セーブ運転とを実行するように設定することができる。
【0084】
上記実施形態の製氷機301において、貯氷部50は、製氷部5に対して側方に配されているとともに、貯氷部50と製氷部5とは、製氷部5において製造された氷が送られるスパウト25(氷通路)によって連通されており、スパウト25は、散水ノズル60と水平方向において対向する位置に配されている。このような構成によると、貯氷部50が製氷部5に対して側方に配され、製氷部5と貯氷部50のストッカ51とが上方でスパウト25により連結されている製氷機301において、ストッカ51の内部だけでなく、スパウト25等の内部まで自動的に洗浄することができる。
【0085】
上記実施形態の製氷機301において、給排水機構30は、シリンダ21(製氷部5)に供給するための水を貯めるための貯水タンク31と、貯水タンク31と散水ノズル60とを接続し、貯水タンク31の水を散水ノズル60に供給するための第3給水路S3(ノズル給水路)と、貯水タンク31とシリンダ21とを接続し、貯水タンク31の水をシリンダ21に供給するための第2給水路S2(製氷給水路)と、第2給水路S2とは別に設けられ、貯水タンク31とシリンダ21とを接続し、シリンダ21の水を貯水タンク31に環流させるための第1排水路D1および循環路D11(環流路)と、を備え、給排水機構30においては、貯水タンク31、第2給水路S2、および第1排水路D1および循環路D11からなる環流路によって循環経路が形成されている。また、UVランプ39(UV殺菌装置)は、貯水タンク31に備えられている。そして、ストッカ洗浄制御部130は、給排水機構30によって、循環経路に貯水タンク31の水を循環させつつ、UVランプ39によって貯水タンク31に貯留された水を殺菌するとともに、貯水タンク31内の殺菌された水を散水ノズル60に供給して貯水タンク31に散水する構成を備えている。これにより、貯水タンク31に貯められた水を効率よく殺菌して殺菌水を調製し、この殺菌水を用いてストッカ内を自動的に殺菌しながら洗浄することができる。また、循環経路に殺菌水を循環させることで、貯水タンク31を含む循環経路の殺菌洗浄を行うこともできる。
【0086】
上記実施形態の製氷機301において、給排水機構30は、貯氷部350に供給する水に洗剤を加える洗剤添加装置40を備えており、ストッカ洗浄制御部130は、洗剤添加装置40によって貯氷部50に供給する水を洗剤液としたのちに、この洗剤液を散水ノズル60に供給するように構成されている。これにより、洗剤水を使ってストッカ51内を自動的に洗剤で洗浄することができる。また、洗剤添加装置40は、洗剤を収容する容器41,43から貯水タンク31に洗剤を送るための洗剤供給路S41,S42を備えているとともに、容器41,43から貯水タンク31に洗剤を送ることができる構成とされており、ストッカ洗浄制御部130は、給排水機構30によって、循環経路に貯水タンク31の水を循環させつつ、洗剤添加装置40によって貯水タンク31に洗剤を送ることにより、貯留された水を洗剤水とする構成を備えている。これにより、貯水タンク31に貯められた水を洗剤水に調製し、この洗剤水を使ってストッカ51内を自動的に洗剤で洗浄することができる。また、循環経路に洗剤水を循環させることで、貯水タンク31を含む循環経路の洗剤洗浄を行うこともできる。
【0087】
上記実施形態の製氷機301において、洗剤添加装置40は、さらに、洗剤供給路S41,S42に洗剤を送るポンプPM1,PM2(送液ポンプ)と、容器41,43の質量を検知することができる質量センサ42,44(質量計)と、を備えており、ストッカ洗浄制御部130は、ポンプPM1,PM2を駆動させることによって、洗剤供給路S41,S42を通じて容器41,43から貯水タンク31に洗剤を送るとともに、質量センサ42,44の検知した容器41,43の質量の変化が所定の洗剤量となったときにポンプPM1,PM2の駆動を停止する構成を備えている。これにより、貯水タンク31内に添加する洗剤量を管理することができ、所定の濃度の洗剤水を自動的に調製することができる。
【0088】
上記実施形態の製氷機301において、ストッカ51の洗浄は、予めユーザの設定した運転スケジュールに基づいて、製氷運転と、製氷セーブ運転と、洗浄運転と、が適時に開始されるように構成されている。これにより、ストッカの洗浄を日に応じて最適な時間で自動的に実行することができる。また、製氷に際しては、貯氷量を氷量センサ58で随時検知していることから、例えば、氷の使用量に応じて製氷量を制御する製氷運転と、貯氷量を少量に制限する製氷セーブ運転とを用意することができ、貯氷量の管理を製氷機301の使用状況に応じて最適化することができる。延いては、洗浄運転時に融解させる氷の量を少量に抑えることができ、洗浄時間を短縮できることに加え、目的の希釈濃度からの濃度ズレの少ない洗剤希釈液を調製することができる。また、製氷運転、製氷セーブ運転、および、洗浄運転の間、UVランプ39とUVランプ59とを点灯するようにしているため、各運転およびその間の時間、貯水タンク31およびストッカ51等を衛生的に保持することができる。
【0089】
≪実施形態4≫
実施形態4の製氷機401について図19から図21を参照して説明する。なお、実施形態1から実施形態3の製氷機と共通する構成、作用、および効果については重複するため、同一の符号を用いるとともに、その説明を省略する。実施形態4の製氷機401は、実施形態2の製氷機201に対し、実施形態3の製氷機301における洗剤添加装置40を組み合わせた構成を有する。ただし、貯水タンク31には、実施形態3と同様にレベルLv1からレベルLv6の6段階の水位が設定されており、ノズル給水路S32の吸水口(一端)はレベルLv2よりも低水位に配されている。
【0090】
<製氷運転>
製氷運転制御部110は、実施形態2と同様の制御を実施する。ただし、実施形態2における貯水レベルLv1,Lv2,Lv3,Lv4は、本実施形態における貯水レベルLv2,Lv3,Lv4,Lv6にそれぞれ相当する。
<製氷セーブ運転>
製氷セーブ運転制御部120は、実施形態2と同様の制御を実施する。ただし、実施形態2における貯水レベルLv1,Lv2,Lv3,Lv4は、本実施形態における貯水レベルLv2,Lv3,Lv4,Lv6にそれぞれ相当する。
【0091】
<洗浄運転>
ストッカ洗浄制御部130は、図20および図21に示すように、製氷機1の各部を制御して、以下の洗浄運転を実施する。
洗浄運転に際して、まず、残氷融解工程(S301~S304)を実施する。すなわち、冷凍ユニット10の駆動を停止させ、排水バルブVdを閉弁した状態で、UVランプ39を点灯させるとともに、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、貯水レベルが所定のレベルLv5となるまで給水バルブVsを開弁する。これにより貯水タンク31に、ストッカ内の氷を融解させるための水が給水される(S301)。次に、給水バルブVsを閉弁し、氷量センサ58によってストッカ51の貯氷高さを検知することで、ストッカ51内に氷が残存しているかどうかを判断する(S302)。そして、ストッカ51内に氷が残存していると判断された場合(S302においてYES)は、給水ポンプPsを駆動して散水ノズル60,70からストッカ51内に散水し(S303)、所定の時間が経過した後、再び氷量センサ58によってストッカ51内に氷が残存しているかどうかを判断する(S302)。一方で、ストッカ51内に氷が残存していないと判断された場合(S302においてNO)には、ストッカ51内の氷の融解が完了したと判断し、給水ポンプPsの駆動を停止する(S304)。
【0092】
次いで、アルカリ性洗剤液による洗浄工程(S305~S312)を実施する。すなわち、UVランプ39を消灯し、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、貯水レベルが所定のレベルLv5となるまで給水バルブVsを開弁する。これにより貯水タンク31にアルカリ性洗剤希釈液を調製するための水が貯水される(S305)。貯水後は、給水バルブVsを閉弁し、送液ポンプPmを駆動するとともに、第1ポンプPM1を正方向に駆動させる(S306)。これにより、貯水タンク31へのアルカリ性洗剤の添加が開始されるとともに、循環経路内を水が循環される(S306)。ここで、第1質量センサ42によって検知される第1容器41の質量変化から、貯水タンク31内に添加されるアルカリ性洗剤の量が所定量(例えば、貯水タンク31および循環経路の水量の5wt%)となったときに、第1ポンプPM1による送液を停止する。これにより、貯水タンク31内に、5%の濃度となるアルカリ性洗剤が添加されるとともに、貯水タンク31内の水と洗剤とが循環経路を循環されることで撹拌され、濃度5%の均一なアルカリ性洗剤希釈液が調製される(S307)。なお、第1ポンプPM1の停止後、送液ポンプPmの駆動を、数十分間(例えば20分間)の駆動と停止とを数回(例えば各2~3回)繰り返す間欠駆動とすることにより、貯水タンク31、製氷部分、および循環経路が洗剤希釈液によって洗浄される(S308)。このように洗剤希釈液を間欠的に送液することにより、送液と停止との切替え時の衝撃によって洗浄効果を高めることができる。なお、間欠駆動は、実施形態3の間欠運転と同様に実施することができる。
【0093】
次いで、超音波センサ38によって貯水レベルLv2が検知されるまで、給水ポンプPsを間欠駆動させる(S309)。これにより、貯水タンク31に調製されたアルカリ性洗剤希釈液が、散水ノズル60,70によってストッカ51内に散液され、散水ノズル60からの散水によって、ストッカ51の壁部51A、底部51B、蓋体53の裏面53A、氷検知板55の上面および下面、アジテータ56、およびスノコ部57の上面が洗浄され、第2散水ノズル70からの散水によって、スノコ部57の下面、および底部51Bが洗浄される(S309)。
ストッカ51内へのアルカリ性洗剤希釈液の散液後は、所定の時間(ノズル給水路S32内の洗剤希釈液がストッカ51に排液されるまでの時間)が経過したのち、給水ポンプPsの駆動を停止する(S310)。次いで、給水ポンプPsを停止させたのち所定の時間(ストッカ51内の散水が排水孔52から排水されるまでの時間;数分間)が経過したのち、排水バルブVdを開弁し、送液ポンプPmを駆動する(S311)。これによって、貯水タンク31内の水を強制排出させる。ストッカ洗浄制御部130は、超音波センサ38によって貯水レベルLv1が検知されると、送液ポンプPmを停止し、その数秒後に排水バルブを閉弁することで、給排水機構30内の水の排出を完了する(S312)。
【0094】
次いで、酸性洗剤液調製工程(S313~S316)を実施する。すなわち、排水バルブVdを閉弁した状態で、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルを検知しながら、貯水レベルが所定のレベルLv5となるまで給水バルブVsを開弁する。これにより貯水タンク31にアルカリ性洗剤希釈液を調製するための水が貯水される(S313)。貯水後は、給水バルブVsを閉弁し、送液ポンプPmを駆動するとともに、第2ポンプPM2を正方向に駆動させる(S314)。これにより、貯水タンク31へのアルカリ性洗剤の添加が開始されるとともに、循環経路内を水が循環される(S314)。ここで、第2質量センサ44によって検知される第2容器43の質量変化から、貯水タンク31内に添加される酸性洗剤の量が所定量(例えば、貯水タンク31および循環経路の水量の3wt%)となったときに、第2ポンプPM2による送液を停止する(S315)。これにより、貯水タンク31内に、3%の濃度となる酸性洗剤が添加されるとともに、貯水タンク31内の水と洗剤とが循環経路を循環されることで撹拌され、濃度3%の均一な酸性洗剤希釈液が調製される(S315)。なお、第2ポンプPM2の停止後、送液ポンプPmの駆動を、数十分間(例えば20分間)の駆動と停止とを数回(例えば各2~3回)繰り返す間欠駆動とすることにより、貯水タンク31、製氷部分、および循環経路が洗剤希釈液によって洗浄される(S316)。このように洗剤希釈液を間欠的に送液することにより、送液と停止との切替え時の衝撃によって洗浄効果を高めることができる。なお、間欠駆動は、実施形態3の間欠運転と同様に実施することができる。
【0095】
次いで、酸性洗剤希釈液によるストッカ51の洗浄工程(S317~S320)を実施する。すなわち、超音波センサ38によって貯水レベルLv2が検知されるまで、給水ポンプPsを間欠駆動させる(S317)。これにより、貯水タンク31に調製された酸性洗剤希釈液が、散水ノズル60,70によってストッカ51内に散液され、散水ノズル60からの散水によって、ストッカ51の壁部51A、底部51B、蓋体53の裏面53A、氷検知板55の上面および下面、アジテータ56、およびスノコ部57の上面が洗浄され、第2散水ノズル70からの散水によって、スノコ部57の下面、および底部51Bが洗浄される(S317)。
酸性洗剤希釈液の散液後は、所定の時間(ノズル給水路S32内の洗剤希釈液がストッカ51に排液されるまでの時間)が経過したのち、給水ポンプPsの駆動を停止する(S318)。次いで、給水ポンプPsを停止させたのち所定の時間(ストッカ51内の散水が排水孔52から排水されるまでの時間)が経過すると、排水バルブVdを開弁するとともに、送液ポンプPmを駆動させて、貯水タンク31内の水を強制排出させる(S319)。その後、超音波センサ38によって貯水レベルLv1が検知されると、送液ポンプPmを停止し、その数秒後に排水バルブを閉弁することで、給排水機構30内の水の排出を完了する(S320)。
【0096】
次いで、リンス工程(S321~S328)を実施する。すなわち、排水バルブVdを閉弁した状態で、UVランプ39を点灯し、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv6が検知されるまで給水バルブVsを開弁する。これにより貯水タンク31にリンス(水洗)用の水が貯水される(S321)。貯水後は、送液ポンプPmを駆動するとともに、数分間(例えば、5分間)第1ポンプPM1を逆方向に駆動させる(S322)。これにより、貯水タンク31の水が第1洗剤供給路S41および第1洗剤排出路D41を通じて第2排水路D2に送液され、第1洗剤供給路S41および第1洗剤排出路D41内のアルカリ性洗剤を排液するとともに水で洗い流すことができる(S322)。第1ポンプPM1の停止後、数分間(例えば、5分間)第2ポンプPM2を逆方向に駆動させる(S323)。これにより、貯水タンク31の水が第2洗剤供給路S42および第2洗剤排出路D42を通じて第2排水路D2に送液され、第2洗剤供給路S42および第2洗剤排出路D42内の酸性洗剤を排液するとともに水で洗い流すことができる(S323)。その後、送液ポンプPmおよび第2ポンプPM2の駆動を停止して、給水バルブVsを閉弁するとともに、給水ポンプPsを駆動させる(S324)。これにより、貯水タンク31の水を排水しながら散水ノズル60,70によりストッカ51内に散水し、ストッカ51に残存している酸性洗剤を洗い流すことができる(S324)。なお、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv4が検知されると、第1ポンプPM1および第2ポンプPM2を逆方向に駆動させる(S325)。これにより、第1洗剤供給路S41,第1洗剤排出路D41,第2洗剤供給路S42,および第2洗剤排出路D42内の排水が開始される(S325)。また、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv2が検知されると、排水バルブVdを開弁するとともに送液ポンプPmを駆動させ(S326)、超音波センサ38によって貯水タンク31の貯水レベルLv1が検知されると、給水ポンプPs,送液ポンプPm,第1ポンプPM1,および第2ポンプPM2を停止し(S327)、その数分後(例えば5分後)に排水バルブVdを閉弁する(S328)。これにより、給排水機構30内を排水する。その後、ストッカ洗浄制御部130は、上記のS321~S328を数回(例えば3回)繰り返す(S329)。これにより、製氷部分およびストッカ51内の洗浄が完了する。
【0097】
<運転スケジュール>
本実施形態の制御装置100は、運転スケジュール機能を備えており、ユーザによって設定された運転スケジュールに従い、タイマTが計測する時間に基づいて、製氷運転制御部110による製氷運転と、製氷セーブ運転制御部120による製氷セーブ運転と、ストッカ洗浄制御部130による洗浄運転と、が適宜開始されるように構成されている。運転スケジュールは、例えば、製氷機401が設置された店舗等の業務形態に応じて、営業日に運転を行い、休業日に運転を休止するように設定することができる。また、運転スケジュールは、例えば、営業開始時間に所定の製氷制限量で製氷が完了し、営業終了時間には氷の使用量に応じて製氷制限量が低減されるように設定することができる。また、制御装置100は、運転スケジュールの学習機能を備えていてもよく、例えば、曜日や営業時間ごとの氷の使用量の変化を学習し、曜日や営業時間ごとの氷の使用量に最適な製氷運転と製氷セーブ運転とを実行するように設定することができる。
【0098】
上記実施形態の製氷機401においては、洗剤希釈液による洗浄工程(S305~S320)においてはUV殺菌した水を使用することなく、リンス工程(S321~S328)においてUV殺菌した水を使用するようにしている。これは、例えば、使用する洗剤の種類によっては、UV照射によって洗剤が分解されて洗浄効果が劣る虞があるためである。上記構成によると、洗剤の分解を防ぎながら、リンス工程においてUV殺菌した水を効果的に用いることができる。これにより、洗剤の物性を考慮して、効果的な洗浄を実施することができる。
【0099】
<他の実施形態>
ここに開示される技術は、上記の実施形態に開示されたものに限定されるものではなく、例えば、以下の態様もここに開示される技術範囲に含まれる。また、ここに開示される技術は、その本質から逸脱しない範囲において種々変更された態様で実施することができる。
【0100】
(1)上記実施形態における散水ノズルの高さHの形状、ノズル孔が形成される直交面の数、1つの直交面に形成されるノズル孔の数および各ノズル軸の角度、およびこれらの組み合わせは、上の具体例に限定されることなく、種々に改変することができる。例えば、回転部は中空多角柱形状等であってよい。また、ノズル孔が回転部を貫通するように形成される直交面の数nは、例えば2以上10以下程度であってよく、好ましくは2以上6以下である。
(2)上記実施形態1において、ストッカ51の底部51Bには、第2ノズル70が1つのみ備えられていた。しかしながら、ストッカの底部に設けられる第2ノズルの数はこれに限定されず、2つまたは3つ以上の第2ノズルが備えられていてもよい。N個以上(Nは2以上の自然数であり、例えば2以上6以下。)の第2ノズルが備えられる場合、第2ノズルは、ストッカの底部の中心に対して放射状に(360÷N)°間隔で設けると、スノコ部の下面をより均等に洗浄できるために好ましい。この場合、それぞれの第2ノズルについて分岐路S31が設けられる。
(3)上記実施形態に開示された製氷機は、いずれも製氷部がオーガ式の製氷ユニットを備えるものであったが、製氷ユニットの構成は上記例に限定されず、例えば、流下式製氷ユニットなどを備える製氷機にも適用することができる。また、上記の製氷機に備えられている散水ノズルを備える貯氷部は、簡単な構成でありながら、一般的な水道管や給水ポンプ等によって送られる水の圧力によって容易に回転される散水ノズルを備えていることから、水を供給するだけでその内部をくまなく洗浄することが可能とされている。したがって、このような散水ノズルを備える貯氷部は、製氷機に備えられる貯氷部のみに限定されることなく、例えば、給排水機構を備える給茶機等の貯水タンクや、冷凍ユニットを備える冷却貯蔵庫等の貯蔵容器の洗浄に好適に適用することができる。
(4)上記実施形態の超音波センサ38および氷量センサ58はそれぞれ、非接触で水面および氷表面からの距離を検知することができるものであればその構成は制限されず、各種の電磁波、光、超音波、電流などにより変位・距離・位置が検知できる物を使用することができる。
(5)上記実施形態におけるUVランプ39およびUVランプ59の制御態様は一例であって、製氷運転、製氷セーブ運転、洗浄運転のそれぞれにおいて、連続で点灯させてもよいし、任意のインターバルで点滅させてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1,201,301,401…製氷機、5…製氷部、10…冷凍ユニット、20…製氷ユニット、30…給排水機構、38…超音波センサ、39…UVランプ、40…洗剤供給装置、50,350…貯氷部、55…氷検知板、56…アジテータ、57…スノコ部、58・・・氷量センサ、59…UVランプ、60,360…散水ノズル、70…第2散水ノズル、100…制御装置、110…製氷運転制御部、120…製氷セーブ運転制御部、130…ストッカ洗浄制御部
図1
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