IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スタンレー電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図1
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図2
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図3
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図4
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図5
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図6
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図7
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図8
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図9
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図10
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図11
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図12
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図13
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図14
  • 特許-車両用灯具及びレンズ体 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】車両用灯具及びレンズ体
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/241 20180101AFI20240619BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20240619BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240619BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240619BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240619BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20240619BHJP
【FI】
F21S43/241
F21S41/24
F21W103:55
F21W103:10
F21W103:20
F21W102:00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020172530
(22)【出願日】2020-10-13
(65)【公開番号】P2022064039
(43)【公開日】2022-04-25
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】相澤 豊
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-201278(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105189204(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/241
F21S 41/24
F21W 103/55
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 102/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、
第2光源と、
前記第1光源が発光する光のうち一部の光が入光する第1入光部であって、前記第1光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する第1切欠部が形成された第1入光部及び前記第1入光部から入光した前記一部の光を全反射する第1全反射面を含む第1レンズ部と、前記第1全反射面で全反射された前記一部の光が出光する第1出光面を含む第2レンズ部と、を含む第1レンズ体と、
前記第2光源が発光する光のうち一部の光が入光する第2入光部であって、前記第2光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する第2切欠部が形成された第2入光部及び前記第2入光部から入光した前記一部の光を全反射する第2全反射面を含む第3レンズ部と、前記第2全反射面で全反射された前記一部の光が出光する第2出光面を含む第4レンズ部と、を含む第2レンズ体と、備え、
前記第1光源が発光する光のうち前記第1切欠部を通過した前記他の一部の光が前記第4レンズ部に入光して前記第2出光面から出光するように、前記第1レンズ部は前記第4レンズ部に隣接して配置され、かつ、前記第1切欠部は前記第1レンズ部のうち前記第4レンズ部側に形成されており、
前記第2光源が発光する光のうち前記第2切欠部を通過した前記他の一部の光が前記第2レンズ部に入光して前記第1出光面から出光するように、前記第3レンズ部は前記第2レンズ部に隣接して配置され、かつ、前記第2切欠部は前記第3レンズ部のうち前記第2レンズ部側に形成されている車両用灯具。
【請求項2】
前記第1光源の発光色と前記第2光源の発光色は互いに相違する請求項に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1レンズ体は、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部を含む外リング状レンズ体であり、
前記第1光源と前記第1レンズ部との組み合わせは、前記外リング状レンズ体の周方向に複数配置されており、
前記第2レンズ部は、互いに隣接する前記第1レンズ部間に配置されており、
前記第2レンズ体は、前記第3レンズ部及び前記第4レンズ部を含む内リング状レンズ体であり、
前記第2光源と前記第3レンズ部との組み合わせは、前記内リング状レンズ体の周方向に複数配置されており、
前記第4レンズ部は、互いに隣接する前記第3レンズ部間に配置されている請求項に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第1レンズ体は、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部を含み直線状に延びる第1直線状レンズ体であり、
前記第1光源と前記第1レンズ部との組み合わせは、前記第1直線状レンズ体が延びる方向に複数配置されており、
前記第2レンズ部は、互いに隣接する前記第1レンズ部間に配置されており、
前記第2レンズ体は、前記第3レンズ部及び前記第4レンズ部を含み直線状に延びる第2直線状レンズ体であり、
前記第2光源と前記第3レンズ部との組み合わせは、前記第2直線状レンズ体が延びる方向に複数配置されており、
前記第4レンズ部は、互いに隣接する前記第3レンズ部間に配置されている請求項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第1全反射面は、前記第1光源が発光した光の少なくとも一部が透過する透過面を含み、
前記第2全反射面は、前記第2光源が発光した光の少なくとも一部が透過する透過面を含み、
さらに、
前記第1出光面、前記第2出光面、前記第1全反射面及び前記第2全反射面を覆う拡散レンズ部を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具及びレンズ体に関し、特に、光源が発光する光のうちレンズ体に入光する一部の光以外の他の一部の光を当該レンズ体以外の他の光学系で利用することができる車両用灯具及びレンズ体に関する。
【背景技術】
【0002】
光源と、光源が発光する光が入光する入光部及び入光部から入光した光が出光する出光面を含むレンズ体(導光体)と、の組み合わせを複数備えた車両用灯具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。レンズ体の入光部は、入光面と、この入光面の外周縁から光源に向かって延びる筒状の周囲入光面と、この周囲入光面の外側に配置された周囲反射面と、を備えている。
【0003】
特許文献1においては、各々の光源を同時に点灯することで、各々の光源が発光した光の大部分が、入光部(入光面及び周囲入光面)から各々のレンズ体に入光し、各々の出光面から出光する。これにより、各々のレンズ体の出光面が同時に発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-201278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具においては、光源がレンズ体の入光部(入光面及び周囲入光面)で取り囲まれており、光源が発光する光の大部分が当該入光部からレンズ体に入光するため、光源が発光する光のうちレンズ体に入光する一部の光以外の他の一部の光をレンズ体以外の光学系(例えば、当該レンズ体に隣接して配置された他のレンズ体)で利用することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、光源が発光する光のうちレンズ体に入光する一部の光以外の他の一部の光を当該レンズ体以外の他の光学系(例えば、当該レンズ体に隣接して配置された他のレンズ体)で利用することができる車両用灯具及びレンズ体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる車両用灯具は、光源と、前記光源が発光する光のうち一部の光が入光する入光部であって、前記光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する切欠部が形成された入光部を含み、前記入光部から入光した前記一部の光を制御するレンズ体と、前記切欠部を通過した前記他の一部の光を制御する光学系と、を備える。
【0008】
このような構成により、光源が発光する光のうちレンズ体に入光する一部の光以外の他の一部の光を当該レンズ体以外の他の光学系(例えば、当該レンズ体に隣接して配置された他のレンズ体)で利用することができる車両用灯具を提供することができる。
【0009】
これは、レンズ体の入光部に、光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する切欠部を形成したこと、及び、切欠部を通過した前記他の一部の光を制御する光学系を備えていること、によるものである。
【0010】
また、本発明にかかる別の車両用灯具において、第1光源と、第2光源と、前記第1光源が発光する光のうち一部の光が入光する第1入光部であって、前記第1光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する第1切欠部が形成された第1入光部及び前記第1入光部から入光した前記一部の光を全反射する第1全反射面を含む第1レンズ部と、前記第1全反射面で全反射された前記一部の光が出光する第1出光面を含む第2レンズ部と、を含む第1レンズ体と、前記第2光源が発光する光のうち一部の光が入光する第2入光部であって、前記第2光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する第2切欠部が形成された第2入光部及び前記第2入光部から入光した前記一部の光を全反射する第2全反射面を含む第3レンズ部と、前記第2全反射面で全反射された前記一部の光が出光する第2出光面を含む第4レンズ部と、を含む第2レンズ体と、備え、前記第1光源が発光する光のうち前記第1切欠部を通過した前記他の一部の光が前記第4レンズ部に入光して前記第2出光面から出光するように、前記第1レンズ部は前記第4レンズ部に隣接して配置され、かつ、前記第1切欠部は前記第1レンズ部のうち前記第4レンズ部側に形成されており、前記第2光源が発光する光のうち前記第2切欠部を通過した前記他の一部の光が前記第2レンズ部に入光して前記第1出光面から出光するように、前記第3レンズ部は前記第2レンズ部に隣接して配置され、かつ、前記第2切欠部は前記第3レンズ部のうち前記第2レンズ部側に形成されている。
【0011】
このような構成により、光源が発光する光のうちレンズ体に入光する一部の光以外の他の一部の光を当該レンズ体以外の他の光学系(例えば、当該レンズ体に隣接して配置された他のレンズ体)で利用することができる車両用灯具を提供することができる。
【0012】
これは、第1レンズ体の第1入光部に、第1光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する第1切欠部を形成したこと、及び、第1切欠部を通過した前記他の一部の光が出光する第4レンズ部(第2出光面)を備えていること、によるものである。また、第2レンズ体の第2入光部に、第2光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する第2切欠部を形成したこと、及び、第2切欠部を通過した前記他の一部の光が出光する第2レンズ部(第1出光面)を備えていること、によるものである。
【0013】
上記車両用灯具において、前記第1光源の発光色と前記第2光源の発光色は互いに相違していてもよい。
【0014】
また、上記車両用灯具において、前記第1レンズ体は、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部を含む外リング状レンズ体であり、前記第1光源と前記第1レンズ部との組み合わせは、前記外リング状レンズ体の周方向に複数配置されており、前記第2レンズ部は、互いに隣接する前記第1レンズ部間に配置されており、前記第2レンズ体は、前記第3レンズ部及び前記第4レンズ部を含む内リング状レンズ体であり、前記第2光源と前記第3レンズ部との組み合わせは、前記内リング状レンズ体の周方向に複数配置されており、
前記第4レンズ部は、互いに隣接する前記第3レンズ部間に配置されていてもよい。
【0015】
また、上記車両用灯具において、前記第1レンズ体は、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部を含み直線状に延びる第1直線状レンズ体であり、前記第1光源と前記第1レンズ部との組み合わせは、前記第1直線状レンズ体が延びる方向に複数配置されており、前記第2レンズ部は、互いに隣接する前記第1レンズ部間に配置されており、前記第2レンズ体は、前記第3レンズ部及び前記第4レンズ部を含み直線状に延びる第2直線状レンズ体であり、前記第2光源と前記第3レンズ部との組み合わせは、前記第2直線状レンズ体が延びる方向に複数配置されており、前記第4レンズ部は、互いに隣接する前記第3レンズ部間に配置されていてもよい。
【0016】
また、上記車両用灯具において、前記第1全反射面は、前記第1光源が発光した光の少なくとも一部が透過する透過面を含み、前記第2全反射面は、前記第2光源が発光した光の少なくとも一部が透過する透過面を含み、さらに、前記第1出光面、前記第2出光面、前記第1全反射面及び前記第2全反射面を覆う拡散レンズ部を備えていてもよい。
【0017】
また、本発明にかかるレンズ体は、光源が発光する光のうち一部の光が入光する入光部であって、前記光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する切欠部が形成された入光部を含み、前記入光部から入光した前記一部の光を制御する。
【0018】
このような構成により、光源が発光する光のうちレンズ体に入光する一部の光以外の他の一部の光を当該レンズ体以外の他の光学系(例えば、当該レンズ体に隣接して配置された他のレンズ体)で利用することができるレンズ体を提供することができる。
【0019】
これは、レンズ体の入光部に、光源が発光する光のうち他の一部の光が通過する切欠部を形成したことによるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、光源が発光する光のうちレンズ体に入光する一部の光以外の他の一部の光を当該レンズ体以外の他の光学系(例えば、当該レンズ体に隣接して配置された他のレンズ体)で利用することができる車両用灯具及びレンズ体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】車両用灯具10の正面図である。
図2】車両用灯具10の分解斜視図である。
図3】リング状レンズ体40の正面図である。
図4図3のA-A断面図である。
図5図3のB-B断面図である。
図6図3中、矢印C方向から見た矢視図である。
図7図3のD-D断面図である。
図8図3のE-E断面図である。
図9図3中、矢印F方向から見た矢視図である。
図10】第2レンズ部52内を導光される光Ray1a、1b等の概略光路を表す図である。
図11】第2レンズ部52a(第1出光面524)、52f(第1出光面524)の発光領域を表す図である。
図12】外リング状レンズ体50及び内リング状レンズ体60の発光領域を表す図である。
図13】第4レンズ部62内を導光される光Ray2a、2b等の概略光路を表す図である。
図14】第2レンズ部52a(第1出光面524)、52f(第1出光面524)の発光領域を表す図である。
図15】リング状レンズ体40(変形例)の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態である車両用灯具10(車両用灯具ユニット)について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0023】
図1は、車両用灯具10の正面図である。
【0024】
以下、車両用灯具10が、DRL(Daytime Running Lamps)ランプ、ポジションランプ及びターンランプとして機能するリング状の車両用灯具(車両用信号灯具)である例について説明する。車両用灯具10は、自動車等の車両(図示せず)の前端部の左右両側にそれぞれ搭載される。図示しないが、車両の前端部には、車両用灯具10の他、ヘッドランプ用灯具ユニット(ハイビーム用灯具ユニット、ロービーム用灯具ユニット)も搭載される。ヘッドランプ用灯具ユニットは、その光照射部(例えば、投影レンズ)がリング状の車両用灯具10の内側(リング内側)から露出した状態で車両に取り付けられる。
【0025】
左右両側に搭載される車両用灯具10は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両の前端部の右側(車両前方に向かって右側)に搭載される車両用灯具10について説明する。
【0026】
図2は、車両用灯具10の分解斜視図である。
【0027】
図2に示すように、車両用灯具10は、ハウジング90、光源実装基板30、リング状レンズ体40、魚眼レンズ70、シボレンズ80を備えている。ハウジング90、光源実装基板30、リング状レンズ体40、魚眼レンズ70、シボレンズ80は、それぞれ、リング状に構成されている。
【0028】
車両用灯具10は、ハウジング90の背面側に光源実装基板30が取り付けられ、かつ、正面側にリング状レンズ体40、魚眼レンズ70及びシボレンズ80が取り付けられることで、全体としてリング状に構成されている(図1参照)。なお、リング状レンズ体40、魚眼レンズ70及びシボレンズ80は、それぞれのリング内側にハウジング90の正面側に設けられた円筒部91を挿入することで、ハウジング90の正面側に取り付けられている。
【0029】
図3は、リング状レンズ体40の正面図である。
【0030】
リング状レンズ体40は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、図3に示すように、外リング状レンズ体50、その内側に配置された内リング状レンズ体60を備えている。外リング状レンズ体50が本発明の第1レンズ体の一例で、内リング状レンズ体60が本発明の第2レンズ体の一例である。
【0031】
本実施形態では、常時点灯されるDRLランプを強調するため、外リング状レンズ体50の径方向の幅d1は、内リング状レンズ体60の径方向の幅d2より広く設定されている。なお、外リング状レンズ体50の径方向の幅d1は、内リング状レンズ体60の径方向の幅d2と同じであってもよいし、内リング状レンズ体60の径方向の幅d2より狭くてもよい。
【0032】
外リング状レンズ体50及び内リング状レンズ体60は、射出成形により一体的に製造される一体物であってもよいし、互いに別体の外リング状レンズ体50及び内リング状レンズ体60を公知の手段(例えば、ネジ、接着剤)で組み合わせることで製造される組立物であってもよい。
【0033】
図3中、符号21a~21fは、外リング状レンズ体50を透視した場合に視認される第1光源を表す。符号22a~22fは、内リング状レンズ体60を透視した場合に視認される第2光源22を表す。第1光源21a~21fは、同様の構成である。第2光源22a~22fは、同様の構成である。以下、第1光源21a~21f、第2光源22a~22fを特に区別しない場合、第1光源21、第2光源22と記載する。
【0034】
第1光源21は、白色光を発光するLED等の半導体発光素子である。第1光源21は、発光面を備えている。発光面は、例えば、1mm角の矩形の発光面である。第1光源21は、発光面が外リング状レンズ体50(第1レンズ部51の第1入光部511)に対向した状態で配置されている。第1光源21の光軸は、発光面の中心を通り、かつ、発光面に直交する方向(図3中紙面に直交する方向)に延びている。
【0035】
第2光源22は、アンバー色光を発光するLED等の半導体発光素子である。第2光源22は、発光面を備えている。発光面は、例えば、1mm角の矩形の発光面である。第2光源22は、発光面が内リング状レンズ体60(第3レンズ部61の第2入光部611)に対向した状態で配置されている。第2光源22の光軸は、発光面の中心を通り、かつ、発光面に直交する方向(図3中紙面に直交する方向)に延びている。
【0036】
図3に示すように、第1光源21は、外リング状レンズ体50の周方向に等間隔で複数配置された状態で光源実装基板30に実装されている。同様に、第2光源22は、内リング状レンズ体60の周方向に等間隔で複数配置された状態で光源実装基板30に実装されている。その際、第2光源22は、互いに隣接する第1光源21間の中央に対応する箇所に配置されている。例えば、第2光源22aは、互いに隣接する第1光源21a、21b間の中央に対応する箇所に配置されている。
【0037】
図3に示すように、外リング状レンズ体50は、第1レンズ部51a~51f、及び第2レンズ部52a~52fを含んでいる。第1レンズ部51a~51fは、同様の構成である。また、第2レンズ部52a~52fは、同様の構成である。以下、第1レンズ部51a~51f、及び第2レンズ部52a~52fを特に区別しない場合、第1レンズ部51、及び第2レンズ部52と記載する。
【0038】
第1光源21と第1レンズ部51との組み合わせは、外リング状レンズ体50の周方向に等間隔で複数配置されている。第2レンズ部52は、互いに隣接する第1レンズ部51間に配置されている。
【0039】
図3に示すように、内リング状レンズ体60は、第3レンズ部61a~61f、及び第4レンズ部62a~62fを含んでいる。第3レンズ部61a~61fは、同様の構成である。また、第4レンズ部62a~62fは、同様の構成である。以下、第3レンズ部61a~61f、及び第4レンズ部62a~62fを特に区別しない場合、第3レンズ部61、及び第4レンズ部62と記載する。
【0040】
第2光源22と第3レンズ部61との組み合わせは、内リング状レンズ体60の周方向に等間隔で複数配置されている。第4レンズ部62は、互いに隣接する第3レンズ部61間に配置されている。
【0041】
第1レンズ部51aは、内リング状レンズ体60の第4レンズ部62fを均一発光させるため、当該内リング状レンズ体60の第4レンズ部62fの周方向の中央に対して外側に隣接して配置されている。同様に、第1レンズ部51a以外の他の第1レンズ部51も、内リング状レンズ体60の第4レンズ部62の周方向の中央に対して外側に隣接して配置されている。
【0042】
第3レンズ部61aは、外リング状レンズ体50の第2レンズ部52aを均一発光させるため、当該外リング状レンズ体50の第2レンズ部52aの周方向の中央に対して内側に隣接して配置されている。同様に、第3レンズ部61a以外の他の第3レンズ部61も、外リング状レンズ体50の第2レンズ部52の周方向の中央に対して内側に隣接して配置されている。
【0043】
次に、リング状レンズ体40の詳細構成について説明する。
【0044】
まず、外リング状レンズ体50の第1レンズ部51の詳細構成について説明する。以下、代表して、第1レンズ部51aの詳細構成について説明する。
【0045】
図4は、図3のA-A断面図である。図5は、図3のB-B断面図である。
【0046】
図4に示すように、第1レンズ部51aは、第1光源21aが発光する光のうち一部の光Ray1a、1bが入光する第1入光部511、第1入光部511から入光した一部の光Ray1a、1bを全反射(内面反射)する第1全反射面512を含んでいる。
【0047】
第1入光部511は、中央入光面511aと、この中央入光面511aの外周縁から第1光源21aに向かって延びる筒状の周囲入光面511bと、この周囲入光面511bの外側に配置された筒状の周囲反射面511cと、を備えている。
【0048】
中央入光面511aは、例えば、当該中央入光面511aの光軸AX511aに対して回転対称な形状のレンズ面で、焦点F511a図5参照)を有している。
【0049】
図5に示すように、第1光源21aは、その発光面21a1が第1入光部511に対向した状態で中央入光面511aの焦点F511a近傍に配置されている。その際、中央入光面511aの焦点F511aは、発光面21a1の中心に位置している。また、第1光源21aの光軸AX21aと中央入光面511aの光軸AX511aは一致している。
【0050】
周囲反射面511cは、中央入光面511aの光軸AX511aに対して回転対称な放物面形状の全反射面である。周囲反射面511cは、周囲入光面511bから屈折して入光し当該周囲反射面511cで全反射された第1光源21aからの光が中央入光面511aの光軸AX511aに対して平行な光に変換(コリメート)されるようにその面形状が設計されている。
【0051】
図4に示すように、第1全反射面512は、第1入光部511から第1レンズ部51aに入光した一部の光Ray1a、1bを当該第1レンズ部51aの周方向の両側に配置された第2レンズ部52a、52fに向けて全反射する全反射面512a、512bを含む。
【0052】
全反射面512aは、例えば、平面反射面で、当該全反射面512aで全反射された光Ray1aが第2レンズ部52aに向かうように、第1光源21aの光軸AX21aに対して角度θ1(図4参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ1は、例えば、45°である。同様に、全反射面512bは、例えば、平面反射面で、当該全反射面512bで全反射された光Ray1bが第2レンズ部52fに向かうように、第1光源21aの光軸AX21aに対して角度θ2(図4参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ2は、例えば、45°である。
【0053】
次に、外リング状レンズ体50の第2レンズ部52の詳細構成について説明する。以下、代表して、第2レンズ部52aの詳細構成について説明する。
【0054】
図4に示すように、第2レンズ部52aは、第1個別反射面521、第2個別反射面522、平坦面523、第1出光面524を含んでいる。
【0055】
第1個別反射面521及び第2個別反射面522は、第2レンズ部52aを均一発光させるため、第2レンズ部52の周方向の中央C52a図4参照)に対して対称(図4中左右対称)に配置されている。また、平坦面523も、第2レンズ部52aを均一発光させるため、第2レンズ部52の周方向の中央C52a図4参照)に対して対称(図4中左右対称)に配置されている。
【0056】
第1個別反射面521は、第2レンズ部52aの周方向の一端部(図4中左端部)と当該第2レンズ部52aの周方向の中央C52a図4参照)との間に複数配置されている。その際、第2レンズ部52aの周方向の一端部に近い第1個別反射面521ほど第1出光面524から遠くに配置され、第2レンズ部52aの周方向の中央C52aに近い第1個別反射面521ほど第1出光面524から近くに配置されている。
【0057】
第1個別反射面521は、例えば、平面反射面で、第2レンズ部52aの周方向の一端部(図4中左端部)に隣接する第1レンズ部51aの全反射面512aで全反射された光Ray1aを第1出光面524に向けて全反射する。そのため、第1個別反射面521は、第1レンズ部51aの全反射面512aからの反射光Ray1aに対して角度θ3(図4参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ3は、例えば、45°である。互いに隣接する第1個別反射面521間には、平坦面523が配置されている。
【0058】
第2個別反射面522は、第2レンズ部52aの周方向の他端部(図4中右端部)と当該第2レンズ部52aの周方向の中央C52a図4参照)との間に複数配置されている。その際、第2レンズ部52aの周方向の他端部に近い第2個別反射面522ほど第1出光面524から遠くに配置され、第2レンズ部52aの周方向の中央C52aに近い第2個別反射面522ほど第1出光面524から近くに配置されている。
【0059】
第2個別反射面522は、例えば、平面反射面で、第2レンズ部52aの周方向の他端部(図4中右端部)に隣接する第1レンズ部51bの全反射面512bで全反射された光Ray1bを第1出光面524に向けて全反射する。そのため、第2個別反射面522は、第1レンズ部51bの全反射面512bからの反射光Ray1bに対して角度θ4(図4参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ4は、例えば、45°である。互いに隣接する第2個別反射面522間には、平坦面523が配置されている。
【0060】
図6は、図3中、矢印C方向から見た矢視図である。
【0061】
図5図6に示すように、第1レンズ部51aの第1入光部511には、第1光源21aが発光する光のうち他の一部の光Ray1cが通過する第1切欠部511dが形成されている。第1切欠部511dを通過した他の一部の光Ray1cが平坦面623から第4レンズ部62fに入光して第2出光面624から出光するように(図6参照)、第1レンズ部51aは内リング状レンズ体60の第4レンズ部62fの外側に隣接して配置され(図3参照)、かつ、第1切欠部511dは第1レンズ部51aのうち第4レンズ部62f側に形成されている(図6参照)。
【0062】
第1切欠部511dは、第1入光部511の第1光源21a側の端部(図6中下端部)から反第1光源21a側(図6中上方)に向かって延びている。第1切欠部511dは、周囲入光面511bと周囲反射面511cとを貫通している。
【0063】
第1切欠部511dの形状及びサイズのうち少なくとも一方を調整することで、第1光源21が発光する光のうち、第1レンズ部51の第1入光部511に入光する光Ray1a、1bの光量、及び第1切欠部511dを通過する光Ray1cの光量を調整することができる。
【0064】
その結果、第1切欠部511dの形状及びサイズのうち少なくとも一方を調整することで、第2レンズ部52(第1出光面524)の発光領域(例えば、図12中の発光領域A1、A2参照)の明るさと第4レンズ部62の発光領域(例えば、図12中の発光領域A3参照)の明るさを調整することができる。
【0065】
本実施形態では、第2レンズ部52(第1出光面524)の発光領域(例えば、図12中の発光領域A1、A2参照)と第4レンズ部62(第2出光面624)の発光領域(例えば、図12中の発光領域A3参照)が同一の明るさとなるように(同一の明るさで発光しているように視認されるように)、第1切欠部511dの形状及びサイズのうち少なくとも一方が調整されている。第2レンズ部52の幅<大きい第1レンズ部51aの幅の場合、第2切欠部のサイズ>第1切欠部のサイズとなる。つまり、レンズ部の幅が大きい方は、当該切欠部のサイズは小さくなり、レンズ部の幅が小さい方は、当該切欠部のサイズは大きくなる。
【0066】
次に、内リング状レンズ体60の第3レンズ部61の詳細構成について説明する。以下、代表して、第3レンズ部61aの詳細構成について説明する。
【0067】
図7は、図3のD-D断面図である。図8は、図3のE-E断面図である。
【0068】
図7に示すように、第3レンズ部61aは、第2光源22aが発光する光のうち一部の光Ray2a、2bが入光する第2入光部611、第2入光部611から入光した一部の光Ray2a、2bを全反射(内面反射)する第2全反射面612を含んでいる。
【0069】
第2入光部611は、中央入光面611aと、この中央入光面611aの外周縁から第2光源22aに向かって延びる筒状の周囲入光面611bと、この周囲入光面611bの外側に配置された筒状の周囲反射面611cと、を備えている。
【0070】
中央入光面611aは、例えば、当該中央入光面611aの光軸AX611aに対して回転対称な形状のレンズ面で、焦点F611a図8参照)を有している。
【0071】
図8に示すように、第2光源22aは、その発光面22a1が第2入光部611に対向した状態で中央入光面611aの焦点F611a近傍に配置されている。その際、中央入光面611aの焦点F611aは、発光面22a1の中心に位置している。また、第2光源22aの光軸AX22aと中央入光面611aの光軸AX611aは一致している。
【0072】
周囲反射面611cは、中央入光面611aの光軸AX611aに対して回転対称な放物面形状の全反射面である。周囲反射面611cは、周囲入光面611bから屈折して入光し当該周囲反射面611cで全反射された第2光源22aからの光が中央入光面611aの光軸AX611aに対して平行な光に変換(コリメート)されるようにその面形状が設計されている。
【0073】
図7に示すように、第2全反射面612は、第2入光部611から第3レンズ部61aに入光した一部の光Ray2a、2bを当該第3レンズ部61aの周方向の両側に配置された第4レンズ部62a、62fに向けて全反射する全反射面612a、612bを含む。
【0074】
全反射面612aは、例えば、平面反射面で、当該全反射面612aで全反射された光Ray2aが第4レンズ部62aに向かうように、第2光源22aの光軸AX22aに対して角度θ5(図7参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ5は、例えば、45°である。同様に、全反射面612bは、例えば、平面反射面で、当該全反射面612bで全反射された光Ray2bが第4レンズ部62fに向かうように、第2光源22aの光軸AX22aに対して角度θ6(図7参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ6は、例えば、45°である。
【0075】
次に、内リング状レンズ体60の第4レンズ部62の詳細構成について説明する。以下、代表して、第4レンズ部62aの詳細構成について説明する。
【0076】
図7に示すように、第4レンズ部62aは、第1個別反射面621、第2個別反射面622、平坦面623、第2出光面624を含んでいる。
【0077】
第1個別反射面621及び第2個別反射面622は、第4レンズ部62aを均一発光させるため、第4レンズ部62の周方向の中央C62a図7参照)に対して対称(図7中左右対称)に配置されている。また、平坦面623も、第4レンズ部62aを均一発光させるため、第4レンズ部62の周方向の中央C62a図7参照)に対して対称(図7中左右対称)に配置されている。
【0078】
第1個別反射面621は、第4レンズ部62aの周方向の一端部(図7中左端部)と当該第4レンズ部62aの周方向の中央C62a図7参照)との間に複数配置されている。その際、第4レンズ部62aの周方向の一端部に近い第1個別反射面621ほど第2出光面624から遠くに配置され、第4レンズ部62aの周方向の中央C62aに近い第1個別反射面621ほど第2出光面624から近くに配置されている。
【0079】
第1個別反射面621は、例えば、平面反射面で、第4レンズ部62aの周方向の一端部(図7中左端部)に隣接する第3レンズ部61aの全反射面612aで全反射された光Ray2aを第2出光面624に向けて全反射する。そのため、第1個別反射面621は、第3レンズ部61aの全反射面612aからの反射光Ray2aに対して角度θ7(図7参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ7は、例えば、45°である。互いに隣接する第1個別反射面621間には、平坦面623が配置されている。
【0080】
第2個別反射面622は、第4レンズ部62aの周方向の他端部(図7中右端部)と当該第4レンズ部62aの周方向の中央C62a図7参照)との間に複数配置されている。その際、第4レンズ部62aの周方向の他端部に近い第2個別反射面622ほど第2出光面624から遠くに配置され、第4レンズ部62aの周方向の中央C62aに近い第2個別反射面622ほど第2出光面624から近くに配置されている。
【0081】
第2個別反射面622は、例えば、平面反射面で、第4レンズ部62aの周方向の他端部(図7中右端部)に隣接する第3レンズ部61bの全反射面612bで全反射された光Ray2bを第2出光面624に向けて全反射する。そのため、第2個別反射面622は、第3レンズ部61bの全反射面612bからの反射光Ray2bに対して角度θ8(図7参照)傾斜した姿勢で配置されている。角度θ8は、例えば、45°である。互いに隣接する第2個別反射面622間には、平坦面623が配置されている。
【0082】
図9は、図3中、矢印F方向から見た矢視図である。
【0083】
図8図9に示すように、第3レンズ部61aの第2入光部611には、第2光源22aが発光する光のうち他の一部の光Ray2cが通過する第2切欠部611dが形成されている。第2切欠部611dを通過した他の一部の光Ray2cが平坦面523から第2レンズ部52aに入光して第1出光面524から出光するように(図9参照)、第3レンズ部61aは外リング状レンズ体50の第2レンズ部52aの内側に隣接して配置され(図3参照)、かつ、第2切欠部611dは第3レンズ部61aのうち第2レンズ部52a側に形成されている(図9参照)。
【0084】
第2切欠部611dは、第2入光部611の第2光源22a側の端部(図9中下端部)から反第2光源22a側(図9中上方)に向かって延びている。第2切欠部611dは、周囲入光面611bと周囲反射面611cとを貫通している。
【0085】
第2切欠部611dの形状及びサイズのうち少なくとも一方を調整することで、第2光源22が発光する光のうち、第3レンズ部61の第2入光部611に入光する光Ray2a、2bの光量、及び第2切欠部611dを通過する光Ray2cの光量を調整することができる。
【0086】
その結果、第2切欠部611dの形状及びサイズのうち少なくとも一方を調整することで、第4レンズ部62(第2出光面624)の発光領域(例えば、図14中の発光領域B1、B2参照)の明るさと第2レンズ部62の発光領域(例えば、図14中の発光領域B3参照)の明るさを調整することができる。
【0087】
本実施形態では、第4レンズ部62(第2出光面624)の発光領域(例えば、図14中の発光領域B1、B2参照)と第2レンズ部52(第1出光面524)の発光領域(例えば、図14中の発光領域B3参照)が同一の明るさとなるように(同一の明るさで発光しているように視認されるように)、第2切欠部611dの形状及びサイズのうち少なくとも一方が調整されている。
【0088】
次に、上記構成の車両用灯具10の動作の一例について説明する。
【0089】
まず、車両用灯具10をDRLランプとして機能させる場合の動作例について説明する。
【0090】
車両用灯具10をDRLランプとして機能させる場合、第1光源21に第1電流を印加することで、当該第1光源21を第1の明るさで点灯させる。
【0091】
例えば、第1光源21aを第1の明るさで点灯すると、図4に示すように、第1光源21aが発光する光のうち一部の光Ray1a、1bが第1入光部511から外リング状レンズ体50の第1レンズ部51aに入光する。その際、第1光源21からの光Ray1a、1bは、第1入光部511によって中央入光面511aの光軸AX511aに対して平行な光にコリメートされる。
【0092】
第1レンズ部51aに入光した光Ray1a、1b(図4参照)は、第1全反射面512(512a、512b)に入射し、当該第1全反射面512(512a、512b)で全反射され、当該第1レンズ部51aの周方向の両側に配置された第2レンズ部52a、52f内を導光される(図4図10参照)。図10は、第2レンズ部52内を導光される光Ray1a、1b等の概略光路を表す図である。
【0093】
図4に示すように、この第2レンズ部52a、52f内を導光される光Ray1a、1bは、第2レンズ部52aの第1個別反射面521(複数)、第2レンズ部52fの第2個別反射面522(複数)に入射し、第2レンズ部52aの第1個別反射面521、第2レンズ部52fの第2個別反射面522で全反射され、第2レンズ部52aの第1出光面524、第2レンズ部52fの第1出光面524に向かい、第2レンズ部52aの第1出光面524、第2レンズ部52fの第1出光面524から出光する。
【0094】
これにより、図11に示すように、第2レンズ部52a(第1出光面524)、52f(第1出光面524)が発光する。図11は、第2レンズ部52a(第1出光面524)、52f(第1出光面524)の発光領域を表す図である。図11中、ハッチング領域A1、A2が第2レンズ部52a(第1出光面524)、52f(第1出光面524)の発光領域を表す。以下、発光領域A1、A2と記載する。
【0095】
一方、第1光源21aが発光する光のうち他の一部の光Ray1cは、第1レンズ部51aの第1入光部511に形成された第1切欠部511dを通過して第1レンズ部51aの内側に隣接して配置された内リング状レンズ体60の第4レンズ部62fに向かう(図10参照)。
【0096】
図6に示すように、この第4レンズ部62fに向かう光Ray1cは、拡散し、当該第4レンズ部62fの平坦面623(複数)から第4レンズ部62fに入光して第2出光面624から出光する。
【0097】
これにより、図11に示すように、第4レンズ部62f(第2出光面624)が発光する。図11中、ハッチング領域A3が第4レンズ部62f(第2出光面624)の発光領域を表す。以下、発光領域A3と記載する。
【0098】
第1光源21a以外の第1光源21を第1の明るさで点灯した場合も、第1光源21が発光する光Ray1a、1b、1cは、上記と同様の光路を辿り(図10参照)、第1レンズ部51の周方向の両側に配置された第2レンズ部52(第1出光面524)から出光し、かつ、第1レンズ部51の内側に隣接して配置された内リング状レンズ体60の第4レンズ部62(第2出光面624)から出光する。
【0099】
これにより、図12に示すように、第2レンズ部52(第1出光面524)、及び第4レンズ部62(第2出光面624)が同時に発光する(同一面発光)。図12は、外リング状レンズ体50及び内リング状レンズ体60の発光領域を表す図である。図12中、ハッチング領域が第2レンズ部52(第1出光面524)、及び第4レンズ部62(第2出光面624)の発光領域を表す。このように、第2レンズ部52(第1出光面524)、及び第4レンズ部62(第2出光面624)が同時に発光することで、径方向に幅広(d1+d2。図12参照)のリング状の発光領域が形成される。このリング状の発光領域は、白色で形成される。
【0100】
その際、第2レンズ部52a(第1出光面524)及び52f(第1出光面524)の発光領域A1、A2と第4レンズ部62f(第2出光面624)の発光領域A3は、同一の明るさで発光する。
【0101】
これは、第1切欠部511dの形状及びサイズのうち少なくとも一方が、第2レンズ部52a(第1出光面524)及び52f(第1出光面524)の発光領域A1、A2と第4レンズ部62f(第2出光面624)の発光領域A3が同一の明るさとなるように調整されていることによるものである。
【0102】
以上のように、外リング状レンズ体50(第2レンズ部52の第1出光面524)から出光し、かつ、内リング状レンズ体60(第4レンズ部62の第2出光面624)から出光する光は、さらに、魚眼レンズ70及びシボレンズ80を透過して前方に照射される。これによりDRLランプが実現される。
【0103】
その際、外リング状レンズ体50(第2レンズ部52の第1出光面524)から出光し、かつ、内リング状レンズ体60(第4レンズ部62の第2出光面624)から出光する光が魚眼レンズ70及びシボレンズ80で拡散される。
【0104】
これにより、均一発光する(均一に発光しているように視認される)径方向に幅広のリング状の発光領域(図1中のハッチング領域RA参照)が形成される。このリング状の発光領域RAは、白色で形成される。
【0105】
また、本実施形態では、例えば、外リング状レンズ体50の第2レンズ部52と内レンズ状レンズ体60の第3レンズ部61との間、及び外リング状レンズ体50の第1レンズ部51と内レンズ状レンズ体60の第4レンズ部62との間にスリットS(図12参照)が形成されている。シボレンズ80には、このスリットSに対応してレンズ部81(図1参照)が放射状に複数設けられている。スリットSから出光する光(第1光源21からの雑光)は、レンズ部81を透過する。これにより、レンズ部81が白色に発光する(ほのかに光る)。これにより、リング状の発光領域RAを背景として放射状の複数のレンズ部81が白色に発光する新規発光見栄えが実現される。なお、スリットS及びレンズ部81は省略してもよい。
【0106】
車両用灯具10においては、第1光源21に第1電流より小さい第2電流を印加し、当該第1光源21を第1の明るさより暗い第2の明るさで点灯させることで、車両用灯具10をポジションランプとして機能させることができる。
【0107】
次に、車両用灯具10をターンランプとして機能させる場合の動作例について説明する。
【0108】
車両用灯具10をターンランプとして機能させる場合、第2光源22に第3電流を印加することで、当該第2光源22を点灯させる。
【0109】
例えば、第2光源22aを点灯すると、図7に示すように、第2光源22aが発光する光のうち一部の光Ray2a、2bが第2入光部611から内リング状レンズ体60の第3レンズ部61aに入光する。その際、第2光源22からの光Ray2a、2bは、第2入光部611によって中央入光面611aの光軸AX611aに対して平行な光にコリメートされる。
【0110】
第3レンズ部61aに入光した光Ray2a、2b(図7参照)は、第2全反射面612(612a、612b)に入射し、当該第2全反射面612(612a、612b)で全反射され、当該第3レンズ部61aの周方向の両側に配置された第4レンズ部62a、62f内を導光される(図7図13参照)。図13は、第4レンズ部62内を導光される光Ray2a、2b等の概略光路を表す図である。
【0111】
図7に示すように、この第4レンズ部62a、62f内を導光される光Ray2a、2bは、第4レンズ部62aの第1個別反射面621(複数)、第4レンズ部62fの第2個別反射面622(複数)に入射し、第4レンズ部62aの第1個別反射面621、第4レンズ部62fの第2個別反射面622で全反射され、第4レンズ部62aの第2出光面624、第4レンズ部62fの第2出光面624に向かい、第4レンズ部62aの第2出光面624、第4レンズ部62fの第2出光面624から出光する。
【0112】
これにより、図14に示すように、第4レンズ部62a(第2出光面624)、62f(第2出光面624)が発光する。図14は、第4レンズ部62a(第2出光面624)、62f(第2出光面624)の発光領域を表す図である。図14中、ハッチング領域B1、B2が第4レンズ部62a(第2出光面624)、62f(第2出光面624)の発光領域を表す。以下、発光領域B1、B2と記載する。
【0113】
一方、第2光源22aが発光する光のうち他の一部の光Ray2cは、第3レンズ部61aの第2入光部611に形成された第2切欠部611dを通過して第3レンズ部61aの外側に隣接して配置された外リング状レンズ体50の第2レンズ部52aに向かう(図13参照)。
【0114】
図9に示すように、この第2レンズ部52aに向かう光Ray2cは、拡散し、当該第2レンズ部52aの平坦面523(複数)から第2レンズ部52aに入光して第1出光面524から出光する。
【0115】
これにより、図14に示すように、第2レンズ部52a(第1出光面524)が発光する。図14中、ハッチング領域B3が第2レンズ部52a(第1出光面524)の発光領域を表す。以下、発光領域B3と記載する。
【0116】
第2光源22a以外の第2光源22を点灯した場合も、第2光源22が発光する光Ray2a、2b、2cは、上記と同様の光路を辿り(図13参照)、第3レンズ部61の周方向の両側に配置された第4レンズ部62(第2出光面624)から出光し、かつ、第3レンズ部61aの外側に隣接して配置された外リング状レンズ体50の第2レンズ部52(第1出光面524)から出光する。
【0117】
これにより、図12に示すように、第4レンズ部62(第2出光面624)、及び第2レンズ部52(第1出光面524)が同時に発光する(同一面発光)。図12中、ハッチング領域が第4レンズ部62(第2出光面624)、及び第2レンズ部52(第1出光面524)の発光領域を表す。このように、第4レンズ部62(第2出光面624)、及び第2レンズ部52(第1出光面524)が同時に発光することで、径方向に幅広(d1+d2。図12参照)のリング状の発光領域が形成される。このリング状の発光領域は、アンバー色で形成される。
【0118】
その際、第4レンズ部62a(第2出光面624)及び62f(第2出光面624)の発光領域B1、B2と第2レンズ部52a(第1出光面524)の発光領域B3は、同一の明るさで発光する。
【0119】
これは、第2切欠部611dの形状及びサイズのうち少なくとも一方が、第4レンズ部62a(第2出光面624)及び62f(第2出光面624)の発光領域B1、B2と第2レンズ部52f(第1出光面524)の発光領域B3が同一の明るさとなるように調整されていることによるものである。
【0120】
以上のように、外リング状レンズ体50(第2レンズ部52の第1出光面524)から出光し、かつ、内リング状レンズ体60(第4レンズ部62の第2出光面624)から出光する光は、さらに、魚眼レンズ70及びシボレンズ80を透過して前方に照射される。これによりターンランプが実現される。
【0121】
その際、外リング状レンズ体50(第2レンズ部52の第1出光面524)から出光し、かつ、内リング状レンズ体60(第4レンズ部62の第2出光面624)から出光する光が魚眼レンズ70及びシボレンズ80で拡散される。
【0122】
これにより、均一発光する(均一発光しているように視認される)径方向に幅広のリング状の発光領域(図1中のハッチング領域RA参照)が形成される。このリング状の発光領域RAは、アンバー色で形成される。魚眼レンズ70及びシボレンズ80が本発明の拡散レンズ部の一例である。
【0123】
また、スリットSから出光する光(第2光源22からの雑光)が、レンズ部81を透過する。これにより、レンズ部81がアンバー色に発光する(ほのかに光る)。これにより、リング状の発光領域RAを背景として放射状の複数のレンズ部81がアンバー色に発光する新規発光見栄えが実現される。
【0124】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1光源21が発光する光のうち外リング状レンズ体50(第1レンズ部51)に入光する一部の光Ray1a、1b以外の他の一部の光Ray1c、すなわち、第1レンズ部51に形成された第1切欠部511dを通過した光Ray1cを当該外リング状レンズ体50(第1レンズ部51)以外の他の光学系、例えば、当該外リング状レンズ体50(第1レンズ部51)に隣接して配置された内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)で利用することができる。すなわち、第1レンズ部51に形成された第1切欠部511dを通過した光Ray1cで内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)を発光させることができる。
【0125】
これは、外リング状レンズ体50(第1レンズ部51)の第1入光部511に、第1光源21が発光する光のうち他の一部の光Ray1cが通過する第1切欠部511dを形成したこと、及び、第1切欠部511dを通過した他の一部の光Ray1cが出光する第4レンズ部62(第2出光面624)を備えていること、によるものである。
【0126】
また、本実施形態によれば、第2光源22が発光する光のうち内リング状レンズ体60(第3レンズ部61)に入光する一部の光Ray2a、2b以外の他の一部の光Ray2c、すなわち、第3レンズ部61に形成された第2切欠部611dを通過した光Ray2cを当該内リング状レンズ体60(第3レンズ部61)以外の他の光学系、例えば、当該内リング状レンズ体60(第3レンズ部61)に隣接して配置された外リング状レンズ体50(第2レンズ部52)で利用することができる。すなわち、第3レンズ部61に形成された第2切欠部611dを通過した光Ray2cで内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)を発光させることができる。
【0127】
これは、内リング状レンズ体60(第3レンズ部61)の第2入光部611に、第2光源22が発光する光のうち他の一部の光Ray2cが通過する第2切欠部611dを形成したこと、及び、第2切欠部611dを通過した他の一部の光Ray2cが出光する第2レンズ部52(第1出光面524)を備えていること、によるものである。
【0128】
また、本実施形態によれば、第1光源21が発光する光で、複数のレンズ体、すなわち、外リング状レンズ体50(第2レンズ部52)及び内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)を同時に発光させることができる。同様に、第2光源22が発光する光で、複数のレンズ体、すなわち、内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)及び外リング状レンズ体50(第2レンズ部52)を同時に発光させることができる。
【0129】
また、本実施形態によれば、上記特許文献1のようにレンズ体ごとに光源を用意することなく、第1光源21が発光する光で、複数のレンズ体、すなわち、外リング状レンズ体50(第2レンズ部52)及び内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)を同時に発光させることができるため、上記特許文献1と比べ、光源の数を低減でき、その結果、コストダウンが可能となる。
【0130】
同様に、上記特許文献1のようにレンズ体ごとに光源を用意することなく、第2光源22が発光する光で、複数のレンズ体、すなわち、内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)及び外リング状レンズ体50(第2レンズ部52)を同時に発光させることができるため、上記特許文献1と比べ、光源の数を低減でき、その結果、コストダウンが可能となる。
【0131】
また、本実施形態によれば、第1光源21が発光する光で、複数のレンズ体、すなわち、外リング状レンズ体50(第2レンズ部52)及び内リング状レンズ体60(第4レンズ部62)を同時に発光させることで、光源の数を低減できるにもかかわらず、径方向に幅広(d1+d2。図12参照)のリング状の発光領域を形成することができる。
【0132】
また、本実施形態によれば、第1光源21を点灯する場合と第2光源22を点灯する場合とで、同一のリング状の発光領域(図12中のハッチング領域参照)を異なる形態で発光させることができる。
【0133】
例えば、第1光源21を第1の明るさで点灯することで、同一のリング状の発光領域(図12中のハッチング領域参照)を白色で発光させることができる。また、第1光源21を第2の明るさで点灯することで、同一のリング状の発光領域(図12中のハッチング領域参照)を、第1光源21を第2の明るさで点灯した場合より暗い白色で発光させることができる。さらに、第2光源22を点灯することで、同一のリング状の発光領域(図12中のハッチング領域参照)をアンバー色で発光させることができる。
【0134】
次に、変形例について説明する。
【0135】
上記実施形態では、図3に示すように、第1レンズ体として、第1レンズ部51及び第2レンズ部52を含む外リング状レンズ体50を用い、第2レンズ体として、第3レンズ部61及び第4レンズ部62を含む外リング状レンズ体50を用いた例について説明したが、これに限らない。
【0136】
例えば、図15に示すように、第1レンズ体として、第1レンズ部51及び第2レンズ部52を含む第1直線状レンズ体50Aを用い、第2レンズ体として、第3レンズ部61及び第4レンズ部62を含む第2直線状リング状レンズ体60Bを用いてもよい。図15は、リング状レンズ体40(変形例)の正面図である。この場合、第1光源21と第1レンズ部51との組み合わせは、第1直線状レンズ体50Aが延びる方向に複数配置されており、かつ、第2光源22と第3レンズ部61との組み合わせは、第2直線状レンズ体60Aが延びる方向に複数配置されていてもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、第1レンズ部51の第1全反射面512を用いる例について説明したが、第1全反射面512は、第1光源21が発光した光の少なくとも一部が透過する透過面(例えば、第1光源21aの光軸AX21aに対して直交する平面)を含んでいてもよい。このようにすれば、リング状の発光領域(図12中のハッチング領域参照)のうち第1レンズ部51に対応する領域が相対的に暗くなるのを抑制することができる。
【0138】
同様に、上記実施形態では、第3レンズ部61の第2全反射面612を用いる例について説明したが、第2全反射面612は、第2光源22が発光した光の少なくとも一部が透過する透過面(例えば、第2光源22aの光軸AX22aに対して直交する平面)を含んでいてもよい。このようにすれば、リング状の発光領域(図12中のハッチング領域参照)のうち第3レンズ部61に対応する領域が相対的に暗くなるのを抑制することができる。
【0139】
また、上記実施形態では、切欠部として、第1入光部511に一つの第1切欠部511dを形成した例について説明したが、これに限らない。例えば、第1入光部511に複数の第1切欠部511dを形成してもよい。また、第1切欠部511dは、第1入光部511の一部に限らず、全周に亘って形成してもよい。
【0140】
同様に、上記実施形態では、切欠部として、第2入光部611に一つの第2切欠部611dを形成した例について説明したが、これに限らない。例えば、第2入光部611に複数の第2切欠部611dを形成してもよい。また、第2切欠部611dは、第2入光部611の一部に限らず、全周に亘って形成してもよい。
【0141】
また、上記実施形態では、本発明の車両用灯具をDRLランプ、ポジションランプ及びターンランプとして機能する車両用信号灯具に適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、DRLランプ、ポジションランプ及びターンランプのうち2つのランプとして機能する車両用信号灯具にも、本発明の車両用灯具を適用してもよい。また、テールランプ、ストップランプ及びターンランプのうち少なくとも2つのランプとして機能する車両用信号灯具にも、本発明の車両用灯具を適用してもよい。
【0142】
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0143】
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0144】
10…車両用灯具
21(21a~21f)…第1光源
22(22a~22f)…第2光源
30…光源実装基板
40…リング状レンズ体
50…外リング状レンズ体
51(51a~51f)…第1レンズ部
52(52a~52f)…第2レンズ部
60…内リング状レンズ体
61(61a~61f)…第3レンズ部
62(62a~62f)…第4レンズ部
70…魚眼レンズ
80…シボレンズ
90…ハウジング
91…円筒部
511…第1入光部
511a…中央入光面
511b…周囲入光面
511c…周囲反射面
511d…第1切欠部
512…第1全反射面
512a、512b…全反射面
521…第1個別反射面
522…第2個別反射面
523…平坦面
524…第1出光面
611…第2入光部
611a…中央入光面
611b…周囲入光面
611c…周囲反射面
611d…第2切欠部
612…第2全反射面
612a、612b…全反射面
621…第1個別反射面
622…第2個別反射面
623…平坦面
624…第2出光面
A1~A3…発光領域
B1~B3…発光領域
511a…焦点
611a…焦点
RA…発光領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15