(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】脳深部刺激向けの可視化システム
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
A61N1/36
(21)【出願番号】P 2020509466
(86)(22)【出願日】2018-08-14
(86)【国際出願番号】 US2018046606
(87)【国際公開番号】W WO2019040315
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-10
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-20
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラフリン, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ラフリン, デイン
(72)【発明者】
【氏名】ラフリン, マディソン
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】井上 哲男
【審判官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0287271(US,A1)
【文献】特表2016-534813(JP,A)
【文献】特表2016-512070(JP,A)
【文献】特表2010-540021(JP,A)
【文献】特表2016-517283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳深部刺激向けの可視化システムであって、
画像を生成するカメラシステム、
ディスプレイシステム、並びに
前記カメラシステム、医療デバイスシステムの神経刺激器及び前記ディスプレイシステムと通信するように構成された情報解析器を備え、
前記情報解析器は、前記医療デバイスシステムの可視化を可能とし、
前記医療デバイスシステムの神経刺激器は、前記神経刺激器に接続された一群の電極に送信される電気信号を生成するように構成され、
前記情報解析器は、前記神経刺激器から刺激情報を受信するように構成され、
前記神経刺激器によって生成され、前記脳深部刺激に対する患者の脳内の前記一群の電極によって放出される電気信号に関する情報を含む、刺激情報であって、前記刺激情報は、前記一群の電極の動作中に前記情報解析器によってリアルタイムで受信され、
前記情報解析器は、前記カメラシステムから前記画像を受信し、前記画像を用いて前記患者の頭部の位置を特定するように構成され、
前記情報解析器は、前記患者の頭部の位置を用いて、前記医療デバイスシステムに関する情報を含む患者に関連する情報を表示する場所を決定するように構成され、
前記情報解析器は、前記患者に関連する情報に基づく一群の電極の可視化が、前記患者の頭部内の脳内の前記一群の電極の実際の位置に対応する位置で、前記患者の頭部のライブビュー上に重ねて表示されるように決定された位置に基づいて、前記ディスプレイシステム上に前記患者の頭部のライブビュー上に前記脳深部刺激向けの前記一群の電極を表示するように構成され、
前記情報解析器は、前記一群の電極のうち前記患者の頭部に電気信号を送信する電極の動作をリアルタイムで可視化表示するように構成され、
前記一群の電極の動作の可視化は、前記脳深部刺激に対する前記患者の物理的な反応と、前記患者の頭部のライブビュー上に重ねられた可視化における前記一群の電極の動作とが共に見えるように、前記脳深部刺激に対する前記患者の物理的な反応の間に表示され、前記患者の頭部のライブビューは、前記カメラシステムの画像から生成された可視化である、可視化システム。
【請求項2】
前記一群の電極の動作の可視化が、前記情報解析器が、前記一群の電極から前記脳の中への電流又は電圧のうちの少なくとも一方を示すグラフィックインジケータを表示することを含む、請求項1に記載の可視化システム。
【請求項3】
前記情報解析器が、前記患者の頭部のライブビュー上に前記脳のマップを表示する、請求項1又は2に記載の可視化システム。
【請求項4】
前記患者向けのセンサシステムを更に備え、前記センサシステムが、前記患者向けの一群の生理学的パラメータを検出し、前記情報解析器は、前記患者の頭部のライブビューに連動して前記ディスプレイシステム上に前記患者向けの一群の生理学的パラメータを表示するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の可視化システム。
【請求項5】
前記情報解析器が、前記ディスプレイシステム上に、前記患者に関連する情報を表示するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の可視化システム。
【請求項6】
前記患者に関連する情報が、画像、患者記録、X線、コンピュータ断層撮影(CAT)スキャン、熱マップ、又は磁気共鳴撮像(MRI)スキャンのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の可視化システム。
【請求項7】
前記ディスプレイシステムは、頭部装着ディスプレイシステムまたは無線コンタクトレンズディスプレイである、請求項1から6のいずれか一項に記載の可視化システム。
【請求項8】
前記情報解析器が、頭部装着ディスプレイシステムに位置付けられている、請求項7に記載の可視化システム。
【請求項9】
前記電気信号が、連続信号とパルス化信号のうちの少なくとも一方から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の可視化システム。
【請求項10】
前記患者の頭部のライブビュー上に重ねる前記可視化が、拡張現実である、請求項1から9のいずれか一項に記載の可視化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、生物医学システムに関し、特に、脳深部刺激向けの可視化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、老いると、脳が生成する電気化学的神経信号の管理効率が低下し、しばしば、運動機能の低下をもたらす。本態性振戦症やパーキンソン病などの幾つかの極端な場合では、脳が実質的に「短絡」し、慢性的で制御不能な痙攣性の筋骨格運動をもたらす。これらの状態は、治療されないままでいると、経時的にますます患者の能力を奪う。
【0003】
これらの疾患は、しばしば、薬物投与を使用して治療される。薬物投与は、常に所望の働きをするとは限らない。他の種類の治療も存在する。1つの種類の治療は、脳深部刺激(DBS)である。それは、寛解をもたらし、運動機能を大幅に回復させることができる。
【0004】
脳深部刺激は、神経刺激器と呼ばれる医療デバイスを使用する。それは、運動や神経精神障害の治療のために、埋め込まれた電極を通して脳内の特定の標的に電気インパルスを送る。これらの電極は、脳内の神経学的失火を効果的に緩衝し正常化する低レベルの電気パルスを送信する。
【0005】
選択された脳領域内での脳深部刺激は、普通であれば治療抵抗性の障害に対して治療効果をもたらしてきた。脳深部刺激は、制御されたやり方で脳の活動を直接的に変化させる。
【0006】
これらの疾患を治療することにおいて脳深部刺激は効果的であり得るが、根本的な原理とメカニズムは未だに不明である。パルス生成器は、選択されたパルス幅、電圧振幅、及び周波数を有する、電気信号を脳内の電極を通して送るように、プログラムされてよい。これらのパラメータを調整することによって、振戦の低減などの患者における所望の結果を得られる場合がある。
【0007】
この技術はハイテクであるが、1930年代から使用されており、脳深部刺激向けの神経刺激器をプログラムすることにおいて今日使用されている標準的なインターフェースは、少なくとも15年以上使われているが、面倒で、扱いにくく、三次元の解剖学的位置を一連の数値に変換するために、医師や技術者などのオペレータにとって過度の認知作業負担(cognitive overhead)を要求する。
【0008】
したがって、少なくとも上述の問題点のうちの幾つかと、起こり得る他の問題点を考慮した方法及び装置を有することが望ましいであろう。例えば、医療デバイスシステムを管理することにおける技術的な問題を克服する方法及び装置を有すること、特に、脳深部刺激向けの神経刺激器の動作をより効果的に調整することが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0009】
本開示の一態様は、脳深部刺激向けの可視化システムを提供する。該可視化システムは、カメラシステム、ディスプレイシステム、及び情報解析器を備える。該情報解析器は、カメラシステム及びディスプレイシステムと通信するように構成されている。情報解析器は、患者の頭部への脳深部刺激向けの一群の電極の可視化が、患者の頭部内の脳内の一群の電極の実際の位置に対応する位置で、患者の頭部上にリアルタイムで重ねて表示されるように、ディスプレイシステム上に一群の電極を表示するように構成されている。患者の頭部の中に電気信号を送信する一群の電極の動作が、可視化内で表示され、一群の電極の動作の可視化と併せて、脳深部刺激に対する患者の物理的な反応を可視化することができる。
【0010】
本開示の別の一態様は、脳深部刺激を可視化するための方法を提供する。該方法は、脳深部刺激向けの患者の脳内の一群の電極の動作についての刺激情報を受け取ることを含む。該刺激情報は、一群の電極の動作中にリアルタイムで受け取られる。該方法は、患者の頭部上の一群の電極の可視化が、患者の頭部内の脳内の一群の電極の実際の位置に対応する位置で、患者の頭部にリアルタイムで重ねて表示されるように、ディスプレイシステム上に一群の電極を表示する。該方法は、患者の頭部の中に電気信号を送信する一群の電極の動作の可視化を表示し、一群の電極の動作の可視化と併せて、脳深部刺激に対する患者の物理的な反応のビュー(view)を可能にする。
【0011】
本開示の更に別の一態様は、医療デバイスシステム向けの可視化システムを提供する。該可視化システムは、カメラシステム、ディスプレイシステム、及び情報解析器を備える。該情報解析器は、カメラシステム及びディスプレイシステムと通信する。情報解析器は、患者の体上の医療デバイスシステムの可視化が、医療デバイスシステムの実際の位置に対応する位置で、患者の体にリアルタイムの可視化で重ねて表示されるように、ディスプレイシステム上に医療デバイスシステムを表示するように構成され、医療デバイスシステムの動作が、リアルタイムで表示される。
【0012】
これらの特徴及び機能は、本開示の様々な実施例で単独で実現してもよいし、更に別の実施例において組み合わせてもよい。以下の説明及び図面を参照して、これらの実施例の更なる詳細を理解することができる。
【0013】
例示的な実施例の特徴と考えられる新規の特性は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかし、実施例及び好ましい使用モードと、それらの更なる目的及び特徴は、添付図面と併せて後述の本開示の実施例の詳細説明を参照することにより、最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】例示的な一実施例による、医療デバイス向けの可視化環境のブロック図の例示である。
【
図2】例示的な一実施例による、拡張現実可視化の形態を採る可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図である。
【
図3】例示的な一実施例による、可視化又は拡張現実可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図である。
【
図4】例示的な一実施例による、拡張現実可視化の形態を採る可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図である。
【
図5】例示的な一実施例による、拡張現実可視化の形態を採る可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図である。
【
図6】例示的な一実施例による、脳深部刺激を可視化するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図7】例示的な一実施例による、脳深部刺激の可視化向けの情報を表示するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図8】例示的な一実施例による、脳深部刺激を可視化するためのプロセスのフローチャートの例示である。
【
図9】例示的な一実施例による、データ処理システムのブロック図の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な実施例は、1以上の異なる考慮事項を認識し考慮する。例えば、例示的な実施例は、有線又は無線接続を使用し得るコンピュータ、タブレット、携帯電話などの、データ処理システムを使用して神経刺激器をプログラムするための現在の技法を認識し考慮する。例示的な実施例は、データ処理システムを通じて現在提供されているインターフェースが、神経刺激器によって生成され電極を通して放出される電気信号のパラメータを制御するための値を、オペレータが入力することを可能にすることを認識し考慮する。情報を見て神経刺激器をプログラムするためにオペレータによって使用される現在のインターフェースは、極端に複雑であり、英数字データの形態を採るユーザ入力を受け取る。オペレータは、神経刺激器の動作をモニタし調整することができる、医師、技師、看護師、又は他の人間であってよい。
【0016】
更に、例示的な実施例は、このインターフェースが、神経刺激器によって生成される電気信号の変化の結果に関する任意のフィードバックをオペレータに提供しないことを認識し考慮する。例示的な実施例は、オペレータが、現在、手で握ることができるデバイスなどのデータ処理システム上のインターフェースを使用して、脳深部刺激システムが埋め込まれている患者を観察し、所望の結果を得るために変化が必要とされ得るかどうかを判定するために、生成されている電気信号を解析することが要求されていることを認識し考慮する。
【0017】
例えば、例示的な実施例は、患者が、手で握ることができるデバイス上のインターフェースを介して神経刺激器をプログラムするための調整を行いながら、一連の運動機能試験を実行する際に、医師などのオペレータが観察することを認識し考慮する。例示的な実施例は、医師が、同時に、患者、患者のバイタル(vital)、患者の反応を見て、患者が取るべき行動を指示し、患者によって知覚された感じについて尋ね、脳内に埋め込まれた電極の場所を想像し、電極に沿ったどのステーションがアクティブであるかを想像し、どれだけの電流が加えられているかを想像し、どの脳構造が電気パルスから影響を受けているかを考え、どの電極に及びどの電極ステーションにおいてインパルスが加えられているかを把握するために手で握ることができるデバイスを見て、各場所で与えられている複数のインパルスから生じ得る全ての相互作用を考慮し、更に他の要因を考慮することを、認識し考慮する。これらの実施例は、これらの活動が医師による多大な集中力と集中を必要とすることを認識し考慮する。
【0018】
例示的な実施例は、オペレータがより容易に神経刺激器をプログラムすることを可能にする、改善されたユーザインターフェースを有することが有益であろうことを認識し考慮する。したがって、例示的な実施例は、脳深部刺激を可視化するための方法及び装置を提供する。例示的な一実施例では、脳深部刺激向けの患者の脳内の一群の電極の動作についての刺激情報が受け取られる。該刺激情報は、一群の電極の動作中にリアルタイムで受け取られる。該プロセスは、患者の頭部上の一群の電極が、患者の頭部内の脳内の一群の電極の実際の位置に対応する位置で、患者の頭部のビュー上にリアルタイムで重ねて表示されるように、ディスプレイシステム上に一群の電極を表示する。該プロセスは、患者の頭の中に電気信号を送信する一群の電極の動作の可視化も表示する。
【0019】
この可視化は、一群の電極の動作の可視化と併せて、脳深部刺激に対する患者の物理的な反応のビューも可能にする。例えば、生成されている信号の可視化は、オペレータによって見られる患者のビューを拡張するやり方で表示される。このやり方では、オペレータが、電気信号の生成、及び、それらの信号が、脳刺激を使用して治療されている障害の物理的発現を、どのように変化させ又は低減させるかを可視化してよい。この種類の可視化は、オペレータが、現在使用されている技法と比較して容易に神経刺激器の動作を解析し、可能性としては修正する作業に集中する助けとなる。
【0020】
次に、図面、特に
図1を参照すると、例示的な一実施例による、医療デバイス向けの可視化環境のブロック図の例示が描かれている。描かれているように、可視化環境100は、可視化システム102を含む。この例示的な実施例では、可視化システム102が使用されて、この特定の実施例で脳深部刺激システム106の形態を採る医療デバイスシステム104の動作を管理する。
【0021】
描かれているように、脳深部刺激システム106は、幾つかの異なる構成要素を備える。この実施例で図示されているように、脳深部刺激システム106は、神経刺激器108、ワイヤー110、及び電極112を備える。
【0022】
神経刺激器108は、電気信号114を生成するデバイスである。神経刺激器108は、患者118の体116内に埋め込まれてよい。患者118は、神経刺激器108が埋め込まれた人間である。他の例示的な実施例では、患者118が、動物であってもよい。電極112は、患者118の頭部122内の脳120内に埋め込まれる。ワイヤー110は、神経刺激器108と電極112を互いに接続する。ワイヤー110は、患者118の体116内に位置付けられてもよい。
【0023】
神経刺激器108は、ワイヤー110を通って電極112まで移動し得る電気信号114を生成する。電極112は、神経刺激器108の動作中に、頭部122内の脳120の中に電気信号114を放出する。
【0024】
この例示的な実施例では、可視化システム102が、幾つかの異なる構成要素を含む。描かれているように、可視化システム102は、情報解析器124、カメラシステム126、及び表示システム128を備える。
【0025】
描かれているように、カメラシステム126は、一群のカメラ130から成る。本明細書で使用される際に、アイテムに言及して使用される「一群の~」は、1以上のアイテムを意味する。例えば、一群のカメラ130は、カメラ130の1以上である。カメラシステム126は、患者118のライブビューを提供するためのビデオ向けの画像142を生成してよい。
【0026】
ディスプレイシステム128は、物理的なハードウェアシステムであり、その上にグラフィカルユーザインターフェース132が表示され得るところの、1以上のディスプレイデバイスを含む。ディスプレイデバイスは、その上にグラフィカルユーザインターフェース132が表示され得るところの、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、又は何らかの他の適切なデバイスのうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0027】
本明細書で使用される際に、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1以上の種々の組み合わせが使用されてもよく、また列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされてもよいということを意味する。換言すると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組み合わせ、及び幾つかのアイテムが、列挙された中から使用され得ることを意味するが、列挙されたアイテムの全てが必要となる訳ではないことを意味する。アイテムとは、特定の対象物、物品、又はカテゴリであってよい。
【0028】
例えば、限定するものではないが、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、アイテムA、アイテムA及びアイテムB、若しくはアイテムBを含むことができる。この例はまた、アイテムA、アイテムB、及びアイテムC、若しくはアイテムB及びアイテムCも含むことができる。言うまでもなく、これらのアイテムのいずれかの組み合わせが存在し得る。ある例示的な実施例では、「~のうちの少なくとも1つ」は、限定しないが例として、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、又は他の適切な組み合わせであってよい。
【0029】
可視化システム102内の構成要素は、幾つかの異なるやり方で実装されてよい。例えば、これらの構成要素は、コンピュータシステム148内に位置付けられてよい。コンピュータシステム148は、物理的なハードウェアシステムであり、1以上のデータ処理システムを含む。2つ以上のデータ処理システムが存在するときに、これらのデータ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークであってよい。データ処理システムは、頭部装着ディスプレイシステム、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット、又は何らかの他の適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択されてよい。
【0030】
描かれているように、コンピュータシステム148は、これらの構成要素がその内部で統合されるところの、頭部装着ディスプレイ(HMD)システム134の形態を採ってよく又はそれを含んでよい。頭部装着ディスプレイシステム134は、幾つかの異なる形態を採ってよい。例えば、頭部装着ディスプレイシステム134は、オペレータ136の頭部上に装着され得る、スマートグラス、ホロレンズ(hololens)、又は何らかの他の種類のディスプレイシステムを含む群から選択されてよい。
【0031】
例示的な一実施例では、ディスプレイシステム128とカメラシステム126が、頭部装着ディスプレイシステム134内に位置付けられる。情報解析器124は、コンピュータシステム148内の頭部装着ディスプレイシステム又は遠隔データ処理システムのうちの少なくとも1つ内に位置付けられる。
【0032】
この例示的な実施例では、オペレータ136が人間である。オペレータ136は、可視化システム102を使用する、医師、技師、又は何らかの他の人間であってよい。
【0033】
描かれているように、可視化システム102内の情報解析器124は、脳深部刺激システム106内で、カメラシステム126、ディスプレイシステム128、及び神経刺激器108と通信するように構成されている。描かれているように、これらの構成要素との通信は、物理的な又は無線通信リンクを使用して実行される。物理的な通信リンクは、ワイヤーケーブル、光ケーブル、又は、可視化システム102内の情報解析器124と、カメラシステム126、ディスプレイシステム128、及び神経刺激器108のうちの少なくとも1つとの間で、情報の交換を可能にし得る、何らかの他の物理的な媒体のうちの少なくとも1つを使用して確立されてよい。無線通信は、無線周波数信号、磁気信号、又は何らかの他の種類の無線信号のうちの少なくとも1つを採用する、無線リンクを使用して実行されてよい。
【0034】
情報解析器124は、神経刺激器108の動作に関する刺激情報138を、神経刺激器108から受け取るように構成されている。情報解析器124は、脳深部刺激向けの患者118の脳120内の一群の電極112の動作156についての刺激情報138を受け取るように構成されている。描かれているように、刺激情報138は、一群の電極112の動作156中にリアルタイムで受け取られる。
【0035】
刺激情報138は、情報146の一例であり、動作パラメータ、神経刺激器108によって生成される電気信号114についての情報、及び他の適切な種類のデータを含んでよい。
【0036】
この例示的な実施例で描かれているように、情報解析器124は、情報解析器124から神経刺激器108にプログラミング140を送信する。プログラミング140は、刺激情報138にアクセスし、神経刺激器108の動作を制御し、又は修正するために使用され得る、命令、プログラムコード、パラメータ、又は他の情報を含んでよい。
【0037】
情報解析器124は、カメラシステム126から画像142を受け取ってもよい。画像142は、情報解析器124によって使用されて、患者118の頭部122又は体116の他の部分の位置144を特定することができる。この例示的な実施例では、位置144が、三次元空間内の場所を含む。更に、位置144は、頭部122又は体116の他の部分の配向の特定も含む。
【0038】
この例示的な実施例では、位置144が使用されて、可視化154内のカメラシステム126のビューから、患者118に関連付けられた情報146を何処に表示するかを決定することができる。
【0039】
例示的な実施例では、情報146が、患者118に関する任意の情報である。それは、医療デバイスシステム104についての情報を含む。例えば、情報146は、刺激情報138、患者情報176、又は患者118に関する他の適切な情報のうちの少なくとも1つを含む。情報146は、可視化154の部分として、グラフィカルユーザインターフェース132内の層155内に表示されてよい。これらの種類の情報146のそれぞれは、グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154向けの層(layer)155内の層として表示されてよい。この例示的な実施例では、患者118についての患者情報176が、画像、患者記録、X線、コンピュータ断層撮影(CAT)スキャン、熱マップ、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、又は何らかの他の種類の情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0040】
層155の使用により、グラフィカルユーザインターフェース132内に表示される、種々の種類の情報146又は同じ種類の情報146の種々の断片(piece)のうちの少なくとも1つの操作が容易になり得る。例えば、層155の種々の1つが、グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154内の表示向けに選択されてよい。層155を使用することによって、種々の種類の情報146又は同じ種類の情報146の種々の断片のうちの少なくとも1つが、グラフィカルユーザインターフェース132内に表示される可視化154内で表示され、除去され、移動され、又はさもなければ操作されてよい。複数の種類の情報146の操作は、同時に、特定の順序で、又はそれらの両方で実行されてよい。
【0041】
情報146は、情報146が患者118のものであると見なされるやり方で、可視化154内で、患者118の体116上に又は体116の近傍の場所内で表示されることによって、患者118のビューに関連付けられた層155内に表示される。グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154内で表示される層155内のそれぞれの層は、層155内の別の層とは独立して操作されてよい。
【0042】
画像142は、可視化154の部分として、グラフィカルユーザインターフェース132内に表示されてもよい。例えば、画像142は、患者118のライブビューを提供するために使用されてよい。画像142も、層155内で表示されてよい。
【0043】
可視化システム102の動作中に、情報解析器124は、カメラシステム126及びディスプレイシステム128と通信する。情報解析器124は、神経刺激器108とも通信する。
【0044】
描かれているように、情報解析器124は、患者118の頭部122への脳深部刺激向けの一群の電極112の可視化154が、患者118の頭部122内の脳120内の一群の電極112の実際の位置に対応する位置で、グラフィカルユーザインターフェース132内の患者118の頭部122にリアルタイムで重ねて表示されるように、ディスプレイシステム128上に一群の電極112を表示するように構成されている。一群の電極112の表示も、層155内の層の範囲内で行われる。層内の表示は、一群の電極112の表示が、他の層内の他のアイテムから分離して操作されることを可能にする。例えば、一群の電極112は、信号が一群の電極112によって放出されるやり方を制御するように操作されてよい。
【0045】
情報解析器124は、患者118の頭部122の中に電気信号158を送信する一群の電極112の動作156がリアルタイムで表示されるようにも構成されている。描かれているように、一群の電極112の動作156の可視化154は、情報解析器124が、一群の電極112から脳120の中への電流又は電圧のうちの少なくとも一方を示すグラフィックインジケータ168を、ディスプレイシステム128上のグラフィカルユーザインターフェース132内に表示することを含む。
【0046】
一群のグラフックインジケータ内のグラフィックインジケータは、患者の脳の中への電流の流れ、電圧、又はそれらの両方を示す、アイコン、画像、アニメーション、又は何らかの他の適切なグラフィックのうちの少なくとも1つから選択されてよい。このやり方では、一群のグラフィックインジケータ168が、一群の電極112が可視化されることを可能にする。例えば、一群の電極112の動作に関する情報は、種々の色で個々の電極をライトアップすることによって可視化されてよい。個々の電極によって放出される信号は、グラフィックインジケータ168の色、フラットレート(flat-rate)、要素サイズ、パターン、移動パターンの補正、及び他の種類の変化を通じて視覚的に表示され得る、サイズ、形状、振幅、パルスレート、電流、及び他の情報によって、表されてよい。
【0047】
このやり方では、オペレータ136が、情報解析器124によって生成された可視化154内の一群の電極112の動作156と併せて、電気信号158を使用して脳深部刺激に対する患者118の物理的な反応162も可視化することができる。電気信号158は、連続信号とパルス化信号のうちの少なくとも一方から選択される。
【0048】
この例示的な実施例では、情報解析器124が、患者118の頭部122又は体116の何らかの他の部分の可視化154向けのグラフィカルユーザインターフェース132内の層155内の層内に、脳120のマップ170を表示する。この表示は、電気信号158の印加の前、最中、又は後のうちの少なくとも1つの間に行われてよい。脳120のマップ170は、情報146の別の一例である。
【0049】
描かれているように、グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154内の脳120のマップ170は、後脳、中脳、前脳、大脳半球、脳葉、前頭葉、側頭葉、後頭葉、頭頂葉、大脳皮質、又は脳内の何らかの他の領域、のうちの少なくとも1つから選択された領域を含んでよい。別の一実施例として、可視化154向けのグラフィカルユーザインターフェース132内で表示される脳120のマップ170は、聞くこと、見ること、感情、会話、痛み、空腹、臭いを嗅ぐこと、又は何らかの他の適切な機能、のうちの少なくとも1つから選択された機能によって特定される領域のマップであってよい。
【0050】
マップ170は、任意の数の異なるやり方で生成されてよい。例えば、マップ170は、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、コンピュータ断層撮影(CAT)スキャン、ポジトロン放射断層撮影(PET)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、X線、又は何らかの他の適切な撮像技法のうちの少なくとも1つから生成されてよい。
【0051】
可視化システム102は、センサシステム172も含んでよい。センサシステム172は、患者118に使用されて、患者118向けの一群の生理学的パラメータ174を検出する。
【0052】
生理学的パラメータ174は、体116の機能に関するパラメータである。この実施例では、一群の生理学的パラメータ174が、心拍数、体温、電気皮膚反応、血圧、血糖値、呼吸速度、肺活量、又は何らかの他の適切なパラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0053】
一群の生理学的パラメータ174は、情報146の別の一例である。一群の生理学的パラメータ174の検出では、更なる情報が、グラフィカルユーザインターフェース132内で表示される可視化154内で可視化されてよい。一群の生理学的パラメータ174は、グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154内の層155の1以上内で表示されてよい。
【0054】
例えば、情報解析器124は、ディスプレイシステム128上のグラフィカルユーザインターフェース132内の患者118の頭部122の可視化154の部分として、層155内の層内に一群の生理学的パラメータ174を表示するように構成されてよい。
【0055】
描かれているように、情報解析器124は、可視化154の部分として、ディスプレイシステム128上の患者118のビューに関連付けられた患者118についての患者情報176を表示してよい。このやり方では、患者118の頭部122上又はその近くに重ねられた情報146の可視化154が、拡張現実可視化を提供する。この情報は、患者118を特定することによって表示されてよい。
【0056】
更に、オペレータ136は、コンピュータシステム148向けの入力システム166によって生成されるユーザ入力164を通じて、グラフィカルユーザインターフェース132と相互作用してよい。入力システム166は、物理的なハードウェアシステムであり、マウス、キーボード、トラックボール、タッチスクリーン、スタイラス、動き検知入力デバイス、サイバーグローブ、又は何らかの他の適切な種類の入力デバイスのうちの少なくとも1つから選択されてよい。
【0057】
例えば、オペレータ136は、ジェスチャーを使用して、電極112のうちの1以上を選択し、電極112の動作を操作することができる。描かれているように、入力システム166は、オペレータ136によって行われたジェスチャーを検出して、ユーザ入力164を生成することができる。描かれているように、オペレータ136は、ジェスチャーを使用して、電気信号114の生成についてのパラメータを変更することができる。例えば、電気信号114が脳120の中に移動するサイズ又は範囲は、オペレータ136によって行われるジェスチャーを通じてサイズ変更することができる。例えば、電流の大きさ、電圧の大きさ、電流が移動する距離、電圧が移動する距離などのパラメータ、又は脳120内の電気信号114の効果についての何らかの他のパラメータが、可視化されてよい。例えば、オペレータ136によって行われるこれらのジェスチャーは、電圧、電流、パルス幅、周波数、又は電気信号114に関する何らかの他のパラメータを変更してよい。
【0058】
更に、オペレータ136は、グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154内での表示向けの情報146を選択するためのジェスチャーを使用することもできる。例えば、ジェスチャーは、患者情報176の所望の断片を表示するために、オペレータ136によって行われてよい。情報146の表示は、オペレータ136が、グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154内で情報146を表示する層155を操作することによって管理されてよい。
【0059】
この例示的な実施例では、情報解析器124が、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実装されてよい。ソフトウェアが使用されるときに、情報解析器124によって実行される動作は、プロセッサユニットなどのハードウェア上で動作するように構成されたプログラムコード内に実装されてよい。ファームウェアが使用されるときに、情報解析器124によって実行される動作は、プロセッサユニット上で実行されるよう、プログラムコード及びデータ内に実装され、永続メモリ内に記憶されてよい。ハードウェアが採用されるときに、ハードウェアは、情報解析器124で動作を実行するように動作する回路を含んでよい。
【0060】
例示的な実施例において、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は幾つかの動作を実行するよう構成された何らかの他の適切な種類のハードウェア、のうちの少なくとも1つから選択された形態を採り得る。プログラム可能論理装置を用いる場合、装置は、幾つかの動作を実施するように構成されてよい。デバイスは、後で再構成されてよく、又は幾つかの動作を実行するように恒久的に構成されてよい。プログラマブル論理デバイスは、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスを含む。加えて、これらのプロセスは、無機構成要素と一体化された有機構成要素内に実装されてよく、人間以外の有機構成要素から全体的に構成されてよい。例えば、これらのプロセスは、有機半導体内の回路として実装されてよい。
【0061】
特により効果的に脳深部刺激向けの神経刺激器の動作に対する調整を行うために、医療デバイスシステムを管理することによって諸問題を克服する1以上の実施例が存在する。結果として、リアルタイムの患者及び患者情報の同時の可視化は、医師や技師などのオペレータが、医療デバイスシステムが埋め込まれた患者と共に医療デバイスシステムの拡張現実ビューを表示するグラフィカルユーザインターフェースを通じてより容易に、脳深部刺激などの医療デバイスシステムの動作を管理することを可能にするやり方で提供される。
【0062】
結果として、コンピュータシステム148は、コンピュータシステム148内の情報解析器124が、医療デバイスシステム104及び特に脳深部刺激システム106の動作を可視化することを可能にする、専用コンピュータシステムとして動作する。特に、情報解析器124を有さない現在の利用可能な汎用コンピュータシステムと比較して、情報解析器124は、コンピュータシステム148を専用コンピュータシステムに変換する。
【0063】
例えば、情報解析器124は、患者118の頭部122の範囲内で脳深部刺激システム106の動作の可視化154を提供するようなやり方で、グラフィカルユーザインターフェース132を表示する。このやり方では、グラフィカルユーザインターフェース132が、脳深部刺激システム106を管理することにおいて、コンピュータシステム148内の情報解析器124を通じてオペレータ136に提供される視覚ツールである。グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154は、ディスプレイシステム128上にグラフィカルユーザインターフェース132を表示するように情報解析器124を構成する、情報解析器124内のプログラムコード、ハードウェア、又は何らかのそれらの組み合わせを介して提供されてよい。
【0064】
図1の可視化環境100の図は、例示的な一実施例が実装され得るやり方への物理的な又は構造上の限定を示唆することを意図するものではない。示されている構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素が使用されてよい。幾つかの構成要素は不要であってよい。更に、一部の機能構成要素を図示するために、ブロックが提示されている。例示的な実施例で実施されるときに、これらのブロックのうちの1以上が、結合、分割、又は異なるブロックに結合且つ分割されてよい。
【0065】
例えば、ディスプレイシステム128は、頭部装着ディスプレイシステム134の構成要素として説明されたが、ディスプレイシステム128は、他の形態を採ってよい。例えば、ディスプレイシステム128は、患者118の頭部122上又は体116の何らかの他の部分上などの表面上に光を投影する、タブレットディスプレイシステム向けのディスプレイ、タッチスクリーン、ピコプロジェクター、ホログラフィックプロジェクター、又は何らかの他の適切な種類のディスプレイシステム、のうちの少なくとも1つから選択されてよい。ピコプロジェクター又はホログラフィックプロジェクターでは、グラフィカルユーザインターフェース132が、患者118の頭部122上に直接的に表示されてよい。例えば、グラフィカルユーザインターフェース132は、患者118の頭部122上に電極112を表示することによって、可視化154を提供する。更に、電極112の動作156は、グラフィックインジケータ168を使用して可視化されてよい。当該技術分野において、ディスプレイシステムは、画像及び情報が、表示を網膜に集中するための目の中の光学素子と共に働く瞳孔の中心を通って投影された光を使用して表示され得る、無線コンタクトレンズディスプレイであってよい。結果として、2つの別の画像が、網膜上に重ねられて、拡張現実可視化向けの1つの一体化した画像を生成することができる。
【0066】
ジェスチャーに加えて又は代えて、他の種類のユーザ入力が使用されて、入力システム166によってユーザ入力164を生成することができる。例えば、ユーザ入力164は、ジェスチャーに加えて又は代えて、凝視、音声、又は他の種類の入力を介して生成されてよい。ビデオ、音響、又は他の情報が、グラフィカルユーザインターフェース132内の可視化154内で表示される情報146の部分であってもよい。
【0067】
別の一実施例として、医療デバイスシステム104は、脳深部刺激以外の目的で他の形態を採ってよい。例えば、電気信号114の生成は、ペースメーカー、除細動器、又は体116内で電気信号114を生成する何らかの他の種類のデバイスの形態を採る、医療デバイスシステム104を通じて開始されてよい。このやり方では、医療デバイスシステム104を管理することにおいて使用されるために、他の医療デバイスが電気信号114を生成するやり方の可視化も、オペレータによって可視化されてよい。別の一実施例として、医療デバイスシステム104は、メモリ、画像プロセッサ、又は電気信号114を生成する体116内に実装され得る幾つかの適切なデバイスであってよい。また更に別の例示的な一実施例として、医療デバイスシステム104は、筋肉収縮を刺激するための電気信号114を生成してよい。
【0068】
次に、
図2を参照すると、例示的な一実施例による、拡張現実可視化の形態を採る可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図が描かれている。この例示的な実施例では、グラフィカルユーザインターフェース200が、拡張現実可視化を提供するために可視化システム102内のディスプレイシステム128上に表示される、
図1のブロック形態で示されたグラフィカルユーザインターフェース132の例示的な一実施態様である。
【0069】
患者202は、患者202から生成された画像から、グラフィカルユーザインターフェース200内で表示されてよい。他の例示的な実施例では、グラフィカルユーザインターフェース200内の患者202が、拡張現実可視化を提供するためにグラフィカルユーザインターフェース200が表示される、可視化システム内のレンズ又は他の光学素子を通して見られてよい。これらの実施例では、患者202のライブビューが、可視化システム内で提示される。
【0070】
この例示的な実施例では、グラフィカルユーザインターフェース200が、脳深部刺激システム201を示している。これらの構成要素は、神経刺激器204、ワイヤー206、及び電極207を含む。この特定の実施例で示されるように、電極207は、電極208、電極210、電極212、及び電極214を含む。電極207の表示は、グラフィカルユーザインターフェース200内で表示される層の範囲内にあってよい。
【0071】
描かれているように、神経刺激器204は、患者202のライブビューの実際の構成要素として、グラフィカルユーザインターフェース200内で示されている。ワイヤー206及び電極207は、患者202の内側に埋め込まれ、グラフィックインジケータを使用して示されている。種々の構成要素が、患者202内のその構成要素が実際に位置付けられる場所で示されている。その場所は、三次元の構成要素及び構成要素の配向を使用して特定された位置を含む。
【0072】
この例示的な実施例では、グラフィカルユーザインターフェース200が、脳深部刺激システム201の動作のより効率的な解析を可能にするやり方で、拡張現実可視化を提供する。脳深部刺激システム201内の構成要素を患者202上に重ねることによって、これらの構成要素及び場所の可視化は、脳深部刺激システム201の動作を管理することにおいて助けとなり得る。
【0073】
次に、
図3を参照すると、例示的な一実施例による、拡張現実可視化の形態を採る可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図が描かれている。この実施例では、グラフィカルユーザインターフェース304が、拡張現実可視化を提供するために可視化システム102内のディスプレイシステム128上に表示される、
図1のブロック形態で示されたグラフィカルユーザインターフェース132の例示的な一実施態様である。
【0074】
この例示的な実施例では、患者300のライブビューが、グラフィカルユーザインターフェース304内の脳深部刺激システム302と共に示されている。描かれているように、脳深部刺激システム302は、神経刺激器306、ワイヤー308、及び電極310を含む。電極310は、電極312及び電極314を含む。この例示的な実施例では、脳深部刺激システム302のこれらの種々の構成要素が、拡張現実可視化を提供するために患者300のライブビュー上に重ねられたグラフィックインジケータを使用して表示される。脳深部刺激システム302内の種々の構成要素は、グラフィカルユーザインターフェース304内の層内で表示されてよい。
【0075】
この描かれている実施例では、更なる情報も、グラフィカルユーザインターフェース304内で表示される。例えば、脳316が、患者300の頭部318上に表示される。脳深部刺激システム302と共に脳316を表示することによって、脳深部刺激システム302の拡張現実可視化内で更なる情報を提供することができる。この実施例では、脳316の表示が、脳深部刺激システム302内の構成要素の表示とは異なる層を使用して行われてよい。
【0076】
更に、グラフィカルユーザインターフェース304内で表示されるグラフィックインジケータ320は、電圧信号を表している。グラフィックインジケータ320を使用して電圧信号を表示することによって、脳深部刺激システム302の動作を可視化することができる。この表示は、電極310内の電極314上のステーションを示してよい。そのステーションは、電極314から電極314に沿って電圧信号322が伝播する場所を示している。この種類の情報は、脳深部刺激システム302のプログラムをプログラミングし又は定量化するために、より直感的且つ効率的な拡張現実ビューを提供する。
【0077】
次に、
図4を参照すると、例示的な一実施例による、拡張現実可視化の形態を採る可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図が描かれている。この例示的な実施例では、グラフィカルユーザインターフェース400が、拡張現実可視化を提供するために可視化システム102内のディスプレイシステム128上に表示される、
図1のブロック形態で示されたグラフィカルユーザインターフェース132の例示的な一実施態様である。この例示的な実施例では、患者402のライブビューが、グラフィカルユーザインターフェース400内で表示されている。
【0078】
この例示的な実施例では、グラフィカルユーザインターフェース400が、脳深部刺激システム404を描いている。これらの構成要素は、神経刺激器406、ワイヤー408、及び電極410を含む。この特定の実施例で示されているように、電極410は、電極412、電極414、及び電極416を含む。電極410の表示は、グラフィカルユーザインターフェース400内で表示される層の範囲内にあってよい。
【0079】
描かれているように、電圧信号417は、電極412から放出されるように表示されている。電圧信号417の表示は、電圧信号417が患者402内で移動する範囲を示すためのアニメーションとして実行されてよい。アニメーションが使用されて、電圧信号417の周波数、持続時間、及び他のパラメータも示すことができる。
【0080】
更に、患者情報418が、グラフィカルユーザインターフェース400内で表示される。この例示的な実施例では、患者情報418が、グラフィカルユーザインターフェース400内で見ることができる患者402についての情報を示すアイコンとして表示されている。言い換えると、患者情報418は、患者402についてのより詳細な情報を得るために選択されてよい。描かれているように、X線420も、グラフィカルユーザインターフェース400内で表示されている。
【0081】
生理学的パラメータ422も、グラフィカルユーザインターフェース400内で表示されている。これらのパラメータは、センサシステムがパラメータを検出するや否やリアルタイムで示される。
【0082】
この特定の実施例で描かれているように、全ての情報は、患者402のライブビュー上に表示される。これらの例示的な実施例では、種々の種類の情報が、層内で表示されてよい。
【0083】
このやり方では、人間のオペレータが、患者402についての情報をより容易に可視化して、脳深部刺激システム404の動作に対して、調整が必要であるかどうかを判定し、どんな調整が行われるべきかを決定することができる。
【0084】
次に、
図5を参照すると、例示的な一実施例による、拡張現実可視化の形態を採る可視化を提供するために使用されるグラフィカルユーザインターフェースの図が描かれている。この図面では、ユーザ入力が、
図4で示されたようなグラフィカルユーザインターフェース400に印加されている。
【0085】
この実施例では、患者情報418が、ユーザ入力を介して選択されている。結果として、メニュー500が表示されている。メニュー500は、5つの記録、すなわち、記録502、記録504、記録506、記録508、記録510を示している。それらは、患者402に対して提示されている。ユーザ入力が採用されて、患者情報418から種々の記録が選択されてよい。
【0086】
この例示的な実施例では、ユーザ入力を介して記録506が選択されている。記録506を選択した結果として、グラフィカルユーザインターフェース400内で表示されているポップアップウィンドウ512がもたらされる。ポップアップウィンドウ512は、患者402の血液検査を示している。
【0087】
このやり方では、グラフィカルユーザインターフェース400を見ているオペレータが、全てが同じビュー内にある患者402向けの他の情報を見ながら、患者402の血液検査を見ることができる。このやり方では、異なるスクリーンを見ること、ファイルを開閉すること、及び気を散らし又は更なる集中を要求し得る他の動作を、避けることができる。結果として、人間のオペレータは、患者402を見ることに集中してよく、脳深部刺激システム404に変更が必要であるかどうかを判定することに集中できる。
【0088】
図2から
図5のグラフィカルユーザインターフェースの図は、
図1のブロック形態で示されたグラフィカルユーザインターフェース132向けの幾つかの例示的な実施態様として提供されている。これらの実施例は、他の例示的な実施例が実装され得るやり方を限定することを意図していない。例えば、他の例示的な実施例は、
図2から
図5で表示されている情報に加えて又は代えて、他の種類の情報を表示することができる。例えば、他の例示的な実施例は、患者の頭部に加えて患者の胴のライブビューを提供してよい。
【0089】
別の例示的な一実施例では、グラフィカルコントロールが、脳深部刺激システムの動作を変更するためのオペレータによる操作向けに、グラフィカルユーザインターフェース内に表示されてよい。種々のグラフィカルユーザインターフェース内で情報が表示されるやり方は、これらの図面で示されたものに加えて又は代えて、諸技法を使用して実行されてよい。例えば、
図5のポップアップウィンドウ512の使用に代えて、ツールティップ(tooltip)又は他の種類の提示メカニズムが使用されてよい。更に、ウィンドウは、情報のみが表示されるように、輪郭が描かれてよく又は透明にされてよい。
【0090】
次に、
図6を参照すると、例示的な一実施例による、脳深部刺激を可視化するためのプロセスのフローチャートの例示が描かれている。
図6で描かれているプロセスは、
図1の可視化環境100内に実装されてよい。例えば、プロセスは、医療デバイスシステム104の動作向けの可視化154を提供するために、可視化システム102内の情報解析器124内に実装されてよい。
【0091】
この実施例では、
図1で示されているように、可視化154が、グラフィカルユーザインターフェース132内のグラフィックインジケータ168の表示を介して提供される。この可視化は、拡張現実可視化を生成するために、グラフィックインジケータ168を使用して表示される情報146が、頭部122のライブビューを拡張する、患者118の頭部122のライブビューを含んでよい。この可視化は、医療デバイスシステム104の動作を含み、医療デバイスシステム104の動作の効果に関する情報146も含んでよい。
【0092】
該プロセスは、脳深部刺激向けの患者の脳内の一群の電極の動作についての刺激情報を受け取ることによって開始する(動作600)。該刺激情報は、一群の電極の動作中にリアルタイムで受け取られる。
【0093】
該プロセスは、患者の頭部上の一群の電極を、ディスプレイシステム上のグラフィカルユーザインターフェース内で表示する(動作602)。この表示は、リアルタイムで、グラフィカルユーザインターフェース内の患者の頭部上に重ねて表示される、一群の電極の可視化を提供する。一群の電極は、患者の頭部内の脳内の一群の電極の実際の部分に対応する位置で表示される。
【0094】
該プロセスは、可視化内で、患者の頭部の中に電気信号を送信する一群の電極の動作を表示する(動作604)。その後、該プロセスは終了する。動作604では、一群の電極の動作を表示することが、一群の電極から脳の中への電流又は電圧のうちの少なくとも一方を示す一群のグラフィックインジケータを表示することを含む。動作604は、一群の電極の動作の可視化と併せて、脳深部刺激に対する患者の物理的な反応のビューも可能にする。
【0095】
次に、
図7を参照すると、例示的な一実施例による、脳深部刺激の可視化向けの情報を表示するためのプロセスのフローチャートの例示が描かれている。
図7のプロセスは、一群の電極の動作に関する情報を表示するために、
図1のプロセスと併せて実行されてよい。この情報は、データベース、センサ、又は他の適切なソースから得られてよい。
【0096】
該プロセスは、患者の頭部のビュー上に重ねられた、グラフィカルユーザインターフェース上の患者の脳のマップを表示することによって開始する(動作700)。このやり方では、
図7のプロセスで表示される一群の電極のビューが、電極が位置付けられている脳の領域と併せて見られ得る。
【0097】
該プロセスは、可視化を提示するグラフィカルユーザインターフェース内の患者の頭部のライブビューに関連付けられた一群の生理学的パラメータを表示する(動作702)。該プロセスは、ディスプレイシステム上の患者の可視化に関連付けられた患者についての患者情報を表示する(動作704)。その後、該プロセスは終了する。患者についての情報は、画像、患者記録、X線、コンピュータ断層撮影(CAT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャンうちの少なくとも1つを含む。
【0098】
図7の方法は、任意の回数だけ繰り返されてよい。例えば、表示された患者情報は、患者に関連付けられたセンサシステムによって検出される生理学的パラメータが変化する際に、変化してよい。
【0099】
次に、
図8を参照すると、例示的な一実施例による、脳深部刺激を可視化するためのプロセスのフローチャートの例示が描かれている。
図8で描かれているプロセスは、
図1の可視化環境100内に実装されてよい。例えば、該プロセスは、医療デバイスシステム104の動作向けの可視化154を提供するために、可視化システム102内の情報解析器124内に実装されてよい。医療デバイスシステム104は、薬理学的、免疫学的、又は代謝的反応のうちの少なくとも1つを得るための動作を実行するために、生理学的プロセスを実行している人体に埋め込むことができる任意のデバイスである。
【0100】
この実施例では、医療デバイスシステム104が、脳深部刺激システム以外の形態を採ってよい。例えば、医療デバイスシステム104は、薬物ポンプ、シャント(shunt)、ペースメーカー、除細動器、又は何らかの他の適切なデバイスであってよい。
【0101】
該プロセスは、患者のビューを生成することによって開始する(動作800)。そのビューは、グラフィカルユーザインターフェース内で表示される患者の画像を介して生成されてよく、又は頭部装着デバイス内のレンズを介するビューであってよい。
【0102】
該プロセスは、医療デバイスシステム向けの医療デバイス情報を特定する(動作802)。医療デバイス情報は、医療デバイスシステム内の1以上の構成要素の場所についての情報を含む。更に、医療デバイス情報は、医療デバイスシステムの動作に関する情報も含んでよい。例えば、医療デバイスシステムが動作する際に患者の体の中に注入され得る、体を通して伝播し得る、又は体の中に導入され得る、電気信号、磁気信号、薬物、化学物質、又は他のアイテムが、医療デバイス情報の例である。他の種類の医療デバイス情報は、電圧、パルス幅、タイミング、用量などの、パラメータ、及び医療デバイスシステムに関する他の適切な種類の情報を含む。
【0103】
該プロセスは、患者のビューを補足するためのグラフィカルユーザインターフェース内の医療デバイスについての医療デバイス情報を表示する(動作804)。この例示的な実施例では、この補足が、拡張現実可視化を提供する。医療デバイス情報は、患者内の医療デバイスの場所を特定する一群のグラフィックインジケータであってよい。
【0104】
このやり方では、三次元位置及び配向を含む、患者内の医療デバイスシステムの場所が、医療デバイス情報を有する患者のビューを通じて提供されるこの可視化を介して、見られ得る。更に、医療デバイス情報は、医療デバイスシステムの動作の可視化を提供するために、一群のグラフィックインジケータを使用することを含んでよい。例えば、医療デバイスシステムが動作する際に患者の体の中に注入され得る、体を通して伝播し得る、又は体の中に導入され得る、電気信号、磁気信号、薬物、化学物質、又は他のアイテムが、表示される。この例示的な実施例では、この情報が、リアルタイムで表示される。
【0105】
該プロセスは、グラフィカルユーザインターフェース上に患者情報も表示する(動作806)。その後、該プロセスは終了する。この患者情報は、様々な記録又はデータベースから得られた患者についての情報を含んでよい。患者情報は、患者に関連付けられたセンサシステムを使用して測定される生理学的パラメータについてのリアルタイムの情報であってもよい。
【0106】
可視化では、医師、技師、又は他の人などの、オペレータが、医療デバイスシステムの動作に対する調整を行うことができる。可視化は、システムの動作の際に医療システムを伴った患者のビューが見られる、拡張現実可視化を通じて提供される。この可視化は、オペレータが、医療デバイスシステムの動作の際に必要とされ得る変更に、より容易に集中することを可能にする。
【0107】
描かれた異なる実施例でのフローチャート及びブロック図は、例示的な一実施例の装置及び方法の幾つかの可能な実施態様の構造、機能、及び工程を示している。これに関し、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は動作若しくはステップの一部分のうちの少なくとも1つを表し得る。例えば、1以上のブロックは、プログラムコード、ハードウェア、又はプログラムコードとハードウェアの組み合わせとして実装されてよい。ハードウェア内に実装されたときに、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図の1以上の動作を実行するように製造又は構成された集積回路の形態を採り得る。プログラムコードとハードウェアの組み合わせとして実装されたときに、この実装態様は、ファームウェアの形態を採り得る。フローチャート又はブロック図の各ブロックは、種々の動作を実行する専用ハードウェアシステム、又は専用ハードウェアと専用ハードウェアによって実行されるプログラムコードとの組み合わせを使用して実装され得る。
【0108】
例示的な実施例の幾つかの代替的な実施態様では、ブロックに記載された1以上の機能が、図中に記載の順序を逸脱して起こることがある。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックがほぼ同時に実施されること、又は時には含まれる機能に応じてブロックが逆順に実施されることもあり得る。また、フローチャート又はブロック図に示されているブロックに加えて、他のブロックが追加されることもある。
【0109】
次に、
図9を参照すると、例示的な一実施例によるデータ処理システムのブロック図の例示が描かれている。データ処理システム900を使用して、
図1のコンピュータシステム148を実行することができる。この例示的な実施例では、データ処理システム900は、通信フレームワーク902を含み、これにより、プロセッサユニット904、メモリ906、固定記憶装置908、通信ユニット910、入/出力ユニット912、及びディスプレイ914間の通信が行われる。この実施例では、通信フレームワーク902が、バスシステムの形態を採り得る。
【0110】
プロセッサユニット904は、メモリ906にロードされ得るソフトウェア向けの指示命令を実行する役割を果たす。プロセッサユニット904は、特定の実行形態に応じて、幾つかのプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は何らかの他の種類のプロセッサであってよい。
【0111】
メモリ906及び固定記憶装置908は、記憶デバイス916の実施例である。記憶デバイスは、例えば、限定するものではないが、データ、機能的な形態のプログラムコードなどの情報、又は他の適切な情報のうちの少なくとも1つを一時的に及び/若しくは永続的に記憶できる、任意のハードウェアである。これらの例示的な実施例では、記憶デバイス916が、コンピュータ可読記憶デバイスとも称され得る。これらの実施例では、例えば、メモリ906が、ランダムアクセスメモリ、又は任意の他の適切な揮発性若しくは不揮発性の記憶デバイスであってよい。固定記憶装置908は、特定の実行形態に応じて様々な形態を採ってよい。
【0112】
例えば、固定記憶装置908は、1以上の構成要素又はデバイスを含んでよい。例えば、固定記憶装置908は、ハードドライブ、ソリッドステートハードドライブ、フラッシュメモリ、書換え型光学ディスク、書換え可能磁気テープ、又は上述の何らかの組み合わせであってよい。固定記憶装置908によって使用される媒体は、着脱式のものであってもよい。例えば、固定記憶装置908には、着脱式ハードドライブを使用してよい。
【0113】
これらの例示的な実施例では、通信ユニット910が、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例示的な実施例では、通信ユニット910が、ネットワークインターフェースカードである。
【0114】
入/出力ユニット912は、データ処理システム900に接続され得る他のデバイスとの間で、データの入出力を可能にする。例えば、入/出力ユニット912は、キーボード、マウス、又は何らかの他の適切な入力デバイスのうちの少なくとも1つを通じて、ユーザ入力用の接続を提供してよい。更に、入/出力ユニット912は、プリンタに出力を送ってよい。ディスプレイ914は、ユーザに情報を表示するための機構を提供する。
【0115】
オペレーティングシステム、アプリケーション、又はプログラムのうちの少なくとも1つに対する指示は、通信フレームワーク902を介してプロセッサユニット904と通信する記憶デバイス916内に位置してよい。種々の実施例のプロセスは、メモリ906などのメモリ内に位置付けられ得る、コンピュータに実装された指示命令を使用して、プロセッサユニット904によって実行されてよい。
【0116】
これらの指示命令は、プロセッサユニット904内のプロセッサによって読まれ実行され得る、プログラムコード、コンピュータ使用可能プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと称される。種々の実施例のプログラムコードは、メモリ906や固定記憶装置908などの種々の物理的な媒体又はコンピュータ可読記憶媒体上に具現化されてよい。
【0117】
プログラムコード918は、選択的に着脱可能であるコンピュータ可読媒体920上に機能的な形態で位置付けられ、プロセッサユニット904による実行向けにデータ処理システム900にロードしたり転送したりしてよい。これらの実施例では、プログラムコード918とコンピュータ可読媒体920が、コンピュータプログラム製品922を形成する。一実施例では、コンピュータ可読媒体920は、コンピュータ可読記憶媒体924又はコンピュータ可読信号媒体926であってよい。これらの例示的な実施例では、コンピュータ可読記憶媒体924が、プログラムコード918を伝搬させるか又は送信する媒体というよりはむしろ、プログラムコード918を記憶するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。
【0118】
代替的に、プログラムコード918は、コンピュータ可読信号媒体926を使用してデータ処理システム900に転送可能である。コンピュータ可読信号媒体926は、例えば、プログラムコード918を包含する伝播されたデータ信号であってよい。例えば、コンピュータ可読信号媒体926は、電磁信号、光信号、又は他の任意の適切な種類の信号のうちの少なくとも1つであってよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、電線、又は他の任意の好適な種類の通信リンクといった少なくとも1つの通信リンクを介して伝送され得る。
【0119】
データ処理システム900に関して図示されている種々の構成要素は、種々の実施例が実装され得る方法に対して構造的限定を設けることを意図していない。種々の例示的な実施例は、データ処理システム900に対して図示されている構成要素に対する追加的又は代替的な構成要素を含む、データ処理システム内に実装されてよい。
図9に示した他の構成要素は、図示されている例示的な実施例と異なることがある。種々の実施例は、プログラムコード918を実行し得る任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装されてよい。
【0120】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
条項1.
脳深部刺激向けの可視化システムであって、カメラシステム、ディスプレイシステム、並びに前記カメラシステム及び前記ディスプレイシステムと通信するように構成された、情報解析器であって、患者の頭部に対する前記脳深部刺激向けの一群の電極の可視化が、前記患者の前記頭部内の脳内の前記一群の電極の実際の位置に対応する位置で、前記患者の前記頭部上にリアルタイムで重ねて表示されるように、前記ディスプレイシステム上に前記一群の電極を表示するように構成され、前記患者の前記頭部の中に電気信号を送信する前記一群の電極の動作が、前記可視化内で表示され、前記一群の電極の前記動作の前記可視化と併せて、前記脳深部刺激に対する前記患者の物理的な反応を可視化することができる、情報解析器を備える、可視化システム。
条項2.
前記一群の電極の前記動作の前記可視化が、前記情報解析器が、前記一群の電極から前記脳の中への電流又は電圧のうちの少なくとも一方を示すグラフィックインジケータを表示することを含む、条項1に記載の可視化システム。
条項3.
前記情報解析器が、前記患者の前記頭部上に前記脳のマップを表示する、条項1又は2に記載の可視化システム。
条項4.
前記患者向けのセンサシステムを更に備え、前記センサシステムが、前記患者向けの一群の生理学的パラメータを検出する、条項1から3のいずれか一項に記載の可視化システム。
条項5.
前記情報解析器が、前記ディスプレイシステム上に、前記患者の前記頭部に関連付けられた前記一群の生理学的パラメータを表示するように構成されている、条項4に記載の可視化システム。
条項6.
前記情報解析器が、前記脳深部刺激向けの前記患者の前記脳内の前記一群の電極の前記動作についての刺激情報を受け取るように構成され、前記刺激情報が、前記一群の電極の前記動作中にリアルタイムで受け取られる、条項1から5のいずれか一項に記載の可視化システム。
条項7.
前記情報解析器が、前記ディスプレイシステム上に、前記患者に関連付けられた前記患者についての患者情報を表示するように構成されている、条項1から6のいずれか一項に記載の可視化システム。
条項8.
前記患者についての前記患者情報が、画像、患者記録、X線、コンピュータ断層撮影(CAT)スキャン、熱マップ、又は磁気共鳴撮像(MRI)スキャンのうちの少なくとも1つを含む、条項7に記載の可視化システム。
条項9.
前記ディスプレイシステム及び前記カメラシステムが、頭部装着ディスプレイシステム内に位置付けられている、条項1から8のいずれか一項に記載の可視化システム。
条項10.
前記情報解析器が、頭部装着ディスプレイシステム又は遠隔データ処理システムのうちの少なくとも一方内に位置付けられている、条項1から9のいずれか一項に記載の可視化システム。
条項11.
前記電気信号が、連続信号とパルス化信号のうちの少なくとも一方から選択される、条項1から10のいずれか一項に記載の可視化システム。
条項12.
前記患者の前記頭部上に情報を重ねる前記可視化が、拡張現実である、条項1から11のいずれか一項に記載の可視化システム。
条項13.
脳深部刺激を可視化するための方法であって、前記脳深部刺激向けの患者の脳内の一群の電極の動作についての刺激情報を受け取ることであって、前記刺激情報が前記一群の電極の前記動作中にリアルタイムで受け取られる、刺激情報を受け取ること、前記患者の頭部上の前記一群の電極の可視化が、前記患者の前記頭部内の前記脳内の前記一群の電極の実際の位置に対応する位置で、前記患者の前記頭部上にリアルタイムで重ねて表示されるように、ディスプレイシステム上に前記一群の電極を表示すること、及び、前記患者の前記頭部の中に電気信号を送信する前記一群の電極の前記動作の前記可視化を表示し、前記一群の電極の前記動作の前記可視化と併せて、前記脳深部刺激に対する前記患者の物理的な反応のビューを可能にすることを含む、方法。
条項14.
前記一群の電極の前記動作の前記可視化が、前記一群の電極から前記脳の中への電流又は電圧のうちの少なくとも一方を示すグラフィックインジケータを表示することを含む、条項13に記載の方法。
条項15.
前記患者の前記頭部上に前記脳のマップを表示することを更に含む、条項13又は14に記載の方法。
条項16.
センサシステムを使用して、前記患者向けの一群の生理学的パラメータを検出することを更に含む、条項13から15のいずれか一項に記載の方法。
条項17.
前記ディスプレイシステム上に、前記患者の前記頭部に関連付けられた前記一群の生理学的パラメータを表示することを更に含む、条項16に記載の方法。
条項18.
前記ディスプレイシステム上に、前記患者の前記可視化に関連付けられた前記患者についての患者情報を表示することを更に含む、条項13から18のいずれか一項に記載の方法。
条項19.
前記患者についての前記患者情報が、画像、患者記録、X線、コンピュータ断層撮影(CAT)スキャン、又は磁気共鳴撮像(MRI)スキャンのうちの少なくとも1つを含む、条項18に記載の方法。
条項20.
前記ディスプレイシステム及びカメラシステムが、頭部装着ディスプレイシステム内に位置付けられている、条項13から19のいずれか一項に記載の方法。
条項21.
情報解析器が、頭部装着ディスプレイシステム又は遠隔データ処理システムのうちの少なくとも一方内に位置付けられている、条項13から20のいずれか一項に記載の方法。
条項22.
前記電気信号が、連続信号とパルス化信号のうちの少なくとも一方から選択される、条項13から21のいずれか一項に記載の方法。
条項23.
前記患者の前記頭部上に重ねられた前記可視化が、拡張現実である、条項13から22のいずれか一項に記載の方法。
条項24.
医療デバイスシステム向けの可視化システムであって、カメラシステム、ディスプレイシステム、並びに前記カメラシステム及び前記ディスプレイシステムと通信する情報解析器であって、患者の体上の前記医療デバイスシステムの可視化が、前記医療デバイスシステムの実際の位置に対応する位置で、前記患者の前記体上にリアルタイムの前記可視化で重ねて表示されるように、前記ディスプレイシステム上に前記医療デバイスシステムを表示するように構成され、前記医療デバイスシステムの動作が、リアルタイムで表示される、情報解析器を備える、可視化システム。
【0121】
したがって、例示的な実施例は、医療デバイスシステムを管理することにおける技術的な問題を克服する1以上の技術的な解決策であって、特に、脳深部刺激向けの神経刺激器の動作をより効果的に調整するための解決策を提供する。
【0122】
結果として、1以上の技術的な解決策は、医師や技師などのオペレータが、脳深部刺激などの医療デバイスシステムの動作をより容易に管理することを可能にするやり方で、可視化が提供される技術的な効果を提供することができる。1以上の技術的な解決策は、医療デバイスシステムが埋め込まれた患者と共に医療デバイスシステムの拡張現実ビューを表示する、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供される、可視化における技術的な効果を提供する。
【0123】
このやり方では、医療デバイスの動作に関する情報を可視化するために、より新しくより直感的で且つ効率的な機構が提供される。例えば、脳深部刺激システム向けの刺激情報が、グラフィカルユーザインターフェース内で表示されて、脳深部刺激システムを管理する医師などのオペレータ向けに必要とされる認知作業負荷を低減させる、拡張現実ビューを含む可視化を提供することができる。拡張現実ビューでは、可視化により、医師が、作業をより容易に且つ直感的に実行すること、及び、脳深部刺激システムによって提供される治療の効果に対処し、調整を行い、他の操作を実行することに集中することを可能にする。
【0124】
種々の実施例の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的な説明であること、又は開示された形態の実施例に限定することを、意図しているわけではない。動作又は工程を実行する構成要素が、種々の実施例によって説明される。例示的な一実施例では、構成要素が、記載された動作や工程を実行するように構成され得る。例えば、この構成要素は、実施例において構成要素によって実施されると説明されている動作又は作業を実施する能力をこの構成要素に提供する構造向けの構成又は設計を有し得る。
【0125】
当業者には、多くの修正例及び変形例が明らかであろう。更に、異なる実施例によって、他の実施例とは異なる特徴が提供され得る。選択された1以上の実施例は、それらの例の原理と実践的応用を最もよく解説するため、及び、他の当業者が様々な例の開示内容と共に想定される特定の用途に適した様々な修正例について理解することを可能にするために、選ばれ、説明されている。