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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】伸縮可能な電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240619BHJP
   H05K 3/28 20060101ALN20240619BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K1/02 B
H05K3/28 G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020565829
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 NL2019050296
(87)【国際公開番号】W WO2019226048
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-04-25
(31)【優先権主張番号】18174353.5
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595115802
【氏名又は名称】ネーデルランセ オルハニサチエ フォール トゥーヘパスト-ナツールウェーテンシャッペルック オンデルズク テーエヌオー
【氏名又は名称原語表記】Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk onderzoek TNO
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】バリンク、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】スミッツ、エドガー コンスタント ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン ブランド、イェロン
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第03905657(DE,A1)
【文献】特表2015-532765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0189736(US,A1)
【文献】特開2011-249637(JP,A)
【文献】特開2007-258219(JP,A)
【文献】特開2000-243077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0094781(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0019120(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/18
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能な基板(30)であって、前記基板(30)にU字形の切れ目(40)によって形成されたフラップ(30f)を備え、前記フラップ(30f)は、1つのサイドを除いて、前記切れ目(40)によって、前記基板(30)の周囲の主要セクション(30m)から分離されており、前記フラップ(30f)は、前記切れ目(40)の2つの端部(40a,40b)の間の、前記基板(30)の接続セクション(30c)を介して前記主要セクション(30m)に排他的に接続している、伸縮可能な基板(30)と、
前記基板(30)の上に配置された導電性トラック(21,22)と接続した電気接点(11,12)を備える前記フラップ(30f)の上に配置される電子部品(10)であって、前記導電性トラック(21,22)は、前記接続セクション(30c)を介して、前記フラップ(30f)の上に配置された前記部品(10)と前記フラップ(30f)の外側にある電子デバイス(100)の他の部品(10r)との間に延びており、前記導電性トラック(21,22)は、前記部品(10)の下であって前記部品と前記基板との間を通って、前記電気接点(11,12)に、前記部品(10)の中心から外側に向かって接近する、電子的な部品(10)と、
前記基板(30)の両サイドにある一対のラミネーション層(31,32)であって、前記部品(10)を備える前記フラップ(30f)は、前記ラミネーション層(31,32)の間に形成されたポケットの中に配置されており、前記ラミネーション層(31,32)が前記基板(30)の前記主要セクション(30m)に排他的に接着されているため、前記部品(10)を備える前記フラップ(30f)は前記基板(30)の前記接続セクション(30c)を介して前記ラミネーション層(31,32)に排他的に取り付けられている、一対のラミネーション層(31,32)と、
を含む電子デバイス(100)。
【請求項2】
前記部品(10)は、1つのサイド(10c)を除くすべてで、前記切れ目(40)によって囲まれた前記フラップ(30f)の上に全体的に配置されており、前記接続セクション(30c)のエッジ(Hf)からフラップマージン(Mh)だけ離れている、
請求項1に記載の電子デバイス(100)。
【請求項3】
前記部品(10)は、前記フラップ(30f)の上に全体的に配置された固体材料(33)によりグロブトップされている、
請求項1又は2に記載の電子デバイス(100)。
【請求項4】
前記U字形の切れ目(40)は、前記部品(10)の周囲のまわりにその切り目の長さにわたって異なる方向(Du)に延びており、前記切れ目(40)は、その端部(40a,40b)の間で、前記基板の面内において前記部品(10)の中心のまわりに角度(α)にわたって延びており、前記角度(α)は、少なくとも250度である、
請求項1~3のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項5】
前記フラップ(30f)の幅(Wfn)は、前記接続セクション(30c)で先細になっている、
請求項1~4のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項6】
前記切れ目(40)は、半円又は半楕円の形状を有する、
請求項1~5のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項7】
前記基板は、伸縮可能であり、壊れることなく、1つ以上の方向にそのサイズを少なくとも10パーセント可逆的に拡張する、
請求項1~6のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項8】
前記基板(30)は、前記部品よりも少なくとも10倍低い弾性率を有する、
請求項1~7のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項9】
前記基板(30)は、25℃で1ギガパスカルよりも低いヤング率を有する、
請求項1~8のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項10】
複数のフラップ(30f)各々の上に配置された複数の部品(10)を含む、
請求項1~9のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項11】
前記部品の長さ(Lc)は、前記部品の幅(Wc)よりも大きく、前記部品は、そのより長いサイドのうちの1つ(10c)が前記フラップ(30f)の接続エッジ(Hf)に面するように配置されており、前記導電性トラック(21,22)は、そのより長いサイドのうちの1つ又は両方(10c,10d)から排他的に前記部品(10)に接近し到達する、
請求項1~10のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項12】
前記導電性トラック(21,22)は、前記部品(10)の2つの対向するサイド(10c,10d)から接近し、1つの導電性トラック(21)は、前記部品(10)のまわりをカールして前記接続セクション(30c)に対向する前記部品のサイド(10d)から接近し、もう1つの導電性トラック(22)は、前記接続セクション(30c)のサイドから直接前記部品(10)に接近する、
請求項1~1のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【請求項13】
伸縮可能な基板(30)にU字形の切れ目(40)を作製して、前記基板(30)にフラップ(30f)を設ける工程であって、前記フラップ(30f)は、1つのサイドを除いて、前記切れ目(40)によって、前記基板(30)の周囲の主要セクション(30m)から分離されており、前記切れ目(40)の2つの端部(40a,40b)の間の、前記基板(30)の接続セクション(30c)を介して前記主要セクション(30m)に排他的に接続している、工程と、
前記基板(30)の上に配置された導電性トラック(21,22)に接続する電気接点(11,12)を備える前記フラップ(30f)の上に電子的な部品(10)を設ける工程であって、前記導電性トラック(21,22)は、前記接続セクション(30c)を介して、前記フラップ(30f)の上に配置された前記部品(10)と前記フラップ(30f)の外側にある電子デバイス(100)の他の部品(10r)との間に延びており、前記導電性トラック(21,22)は、前記部品(10)の下であって前記部品と前記基板との間を通って、前記電気接点(11,12)に、前記部品(10)の中心から外側に向かって接近する、工程と、
前記基板(30)の両方のサイドに一対のラミネーション層(31,32)を設ける工程であって、前記部品(10)を備えるフラップ(30f)は前記ラミネーション層(31,32)の間に形成されたポケットの中に配置されており、前記ラミネーション層(31,32)は前記基板(30)の主要セクション(30m)に排他的に接着されているため、前記部品(10)を備える前記フラップ(30f)は前記基板(30)の前記接続セクション(30c)を介して前記ラミネーション層(31,32)に排他的に取り付けられる、工程と、
を含む電子デバイス(100)の製造方法。
【請求項14】
中間接着剤層(35,36)が、前記基板(30)の前記主要セクション(30m)と前記ラミネーション層(31,32)との間に排他的に設けられる、
請求項1に記載の電子デバイス(100)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、伸縮可能な電子機器、特に比較的剛性のある又は伸縮性のない部品を備える伸縮可能な基板を含む電子デバイスに関する。また、本開示は、そのような電子機器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伸縮可能な電子機器は、表面実装デバイス(SMD)などの電気的な部品の配置と組み合わせて、伸縮可能な基板の上に伸縮可能な導電性インクを直接印刷することによって作製することができる。例えば、これらの電気的な部品は、通常のピックアンドプレースマシンを使用してプリント回路に配置することができる。通常、これらの部品は、比較的硬くおよび/または脆い。これらの硬い部品が基板に取り付けられた状態で、基板が引き伸ばされたり曲げられたりすると、デバイスは、(電気的相互接続の領域において)これらの部品のすぐ隣で非常に大きい追加的な応力/ひずみを受ける可能性がある。これらの応力/ひずみのレベルは、基板及びプリント回路内の応力/ひずみのレベルと比べて非常に高い。したがって、この部品相互接続は、他の場所のプリント回路よりもはるかに高く、故障リスクを高める可能性がある。
【0003】
この問題は、例えば、グロブトップ、アンダーフィルを適用し、そして、異なるインク、ICA技術およびボンディング技術を試すことで軽減される可能性がある。これにより、ボンディングが改善されたり、最大応力の位置がずれたりすることがある。しかし、グロブトップを使った相互接続の保護、追加的なアンダーフィル、またはその他の手段は、しばしば、応力集中をずらすだけである。利用可能な最小の部品の使用は、伸縮及び曲げにおける電子デバイスの信頼性を改善することもある。しかし、集積回路やチップなどのより大きな部品は、電気的なデバイスのなかのより高度な機能を可能にする。PEN/PET基板の場合、電子回路を蛇行して設計できるため、相互接続のストレスが少なくなる。しかし、これは特にTPUのような高度に伸縮可能な基板では不十分なことがある。
【0004】
背景として、DE3905657A1には、柔軟性のある支持フィルムが説明される。ここで、部品を保持するためのフィルム領域は、それぞれの場合に、フィルムに組み込まれた開口に突き出る舌状のものからなる。さらなる背景として、US2008/019120A1には、中空領域間を連絡する開口部を有するセクションによって相互に接続された少なくとも2つの中空領域を有する、柔軟性のある光透過材料かるなる密閉されたハウジングと、ハウジングの表面を介して光を放出するための各中空領域内の少なくとも1つの光源とを含む、衣服を着るための照明システムが説明される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
伸縮性かつ/または柔軟性のある基板上の電子的な部品及び相互接続の保護を改善する必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらまたは他の必要性は、電子デバイス及びそのようなデバイスの製造方法に関連する本開示の態様によって提供されることがある。1つの態様は、伸縮可能な基板を含む電子デバイスを提供する。その基板は、少なくとも1つのフラップを含む。そのフラップは、基板の適当な切れ目によって形成されることがある。したがって、そのフラップは、切れ目によって、1つのサイドを除いて、基板の周囲の主要セクションから分離されることがある。そのため、フラップは、例えば一種の半島状のものを形成するU字形又は類似の形状の切れ目の2つの端部の間の、基板の接続セクションを介して主要セクションに排他的に接続したままとなる。電子的な部品は、基板の上に配置された導電性トラックに接続する電気接点を備えるフラップの上に配置することができる。したがって、導電性トラックは、フラップの上に配置される部品と、接続セクションを介してフラップの外側の電子デバイスの他の部品と、の間に延びていることがある。基板は、局所的に分離して、部品を備えるフラップの周りにポケットを形成する周囲層によってラミネートされることがある。他のさらなる態様は、伸縮可能な基板に切れ目を作製してフラップを設け、基板の上に配置される導電性トラックに接続する電気接点を備えるフラップの上の電子的な部品を設ける工程を含む方法を提供する。ここで、導電性トラックは、フラップの上に配置された部品と、接続セクションを介してフラップの外側の電子デバイスの他の部品と、の間に延びている。
【発明の効果】
【0007】
(1つのサイドを除いて)基板の周囲の(主要な)セクションの残りの部分からほとんど分離するフラップ又は半島状のものの上に、比較的剛性のある部品を設けることにより、基板は、部品への最小限のひずみで様々な方向に伸ばされたり曲げられたりすることができると理解されよう。これにより、剛性のある部品が比較的隔離されるので、基板の全体的な伸縮性又は柔軟性を改善することができる。例えば、基板が引き伸ばされたとき、これによって、剛性のある部品を収容する基板の部品の非伸縮性を補償するための、基板の中間部分を必要とすることなく、切れ目の幅を広げることができる。周囲のラミネーション層のポケット内に、これらの層に接着しない状態で、部品を備えるフラップを設けることにより、部品は、周囲の基板又はラミネーション層を引き伸ばすことによる影響を最小限にしながら、ラミネーション層によって保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の装置、システム及び方法の、これら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からよりよく理解されるようになるであろう。
【0009】
図1図1は、いくつかの実施形態による態様を示す電子デバイス100の平面図を概略的に示す。
図2図2は、より好ましい切れ目形状を除いて、図1と同様の態様を示す別の平面図を概略的に示す。
図3図3は、より好ましい相互接続を有することを除いて、図2と同様の態様を示す別の平面図を概略的に示す。
図4A図4Aは、図3の平面図と同様の実施形態の斜視図を概略的に示す。
図4B図4Bは、導電性トラック(21、22)によって相互接続された部品(10)を備えたそれぞれのフラップ(30f)を形成する複数の切れ目(40)を有する伸縮可能な基板(30)の平面図を概略的に示す。
図5A図5Aは、垂直方向および水平方向に加えられた伸縮可能な基板のフォンミーゼス応力を示す。
図5B図5Bは、垂直方向および水平方向に加えられた伸縮可能な基板のフォンミーゼス応力を示す。
図6A図6Aは、2つのサイドからの断面サイド図を概略的に示し、図1図3に示されるような態様と組み合わせることができる有利なさらなる態様を示す。
図6B図6Bは、2つのサイドからの断面サイド図を概略的に示し、図1図3に示されるような態様と組み合わせることができる有利なさらなる態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の実施形態を説明するために使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。このなかで使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。「および/または」という用語は、関連するリストアイテムの1つ以上のいずれか及びすべての組合せを含む。「含む」という用語は、言及された特徴の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴の存在又は追加を排除するものではないことは理解されよう。さらに、他に特定されていなければ、ある方法の特定の工程が他の工程に続くとされる場合、その他の工程のすぐ後に続けてもよいし、その特定の工程を実行する前に1つ以上の中間工程が実行されてもよいと理解されよう。同様に、他に特定されていなければ、構造物又は部品の間の接続が説明される場合、その接続は、直接確立されていてもよいし、中間の構造物又は部品を介して確立されていてもよいと理解されよう。
【0011】
本発明は、本発明の実施形態が示される添付の図面を参照して、以下に、より詳しく説明される。図面では、システム、部品、レイヤー及び領域の絶対的及び相対的なサイズは、わかりやすさのために誇張されることがある。実施形態は、本発明のできる限り理想化された実施形態および中間構造物の概略図および/または断面図を参照して説明されることがある。説明及び図面において、同じ番号は、全体を通して、同じ要素を指す。相対的な用語及びその派生語は、その時点で説明されているか、又は議論中の図面に示されている方向を指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、他に言及されていなければ、システムが特定の方向に構築又は操作されることを必要としない。
【0012】
図1は、いくつかの実施形態による様々な態様を示す電子デバイス100の平面図(X,Y)を概略的に示す。ここで説明されるように、電子デバイス100は、少なくとも1つのフラップ30f及びフラップ30fの上に配置された少なくとも1つの電子的な部品10を備える伸縮可能な基板30を含む。
【0013】
原則として、フラップ30fは、基板30内の任意の適切な形状の切れ目40によって形成されていてよい。フラップ30fは、1つのサイドを除いて、基板30の周囲の主要セクション30mから、切れ目40によって分離されていることが好ましい。フラップ30fは、切れ目40の2つの端部40a,40bの間の、基板30の接続セクション30cを介して、主要セクション30mに排他的に接続されていることが最も好ましい。フラップ30fは、1つのサイドで、すなわち、接続セクション30cを介して、基板30の主要セクション30mに排他的に接続されていることが好ましい。いくつかの実施形態では、例えば図示されているように、切れ目40は、部品10の少なくとも3つのサイドまたは面10a,10b,10dに沿って伸びていることが好ましいと説明されてもよい。例えば、(上から見たときに)図示される方向において、接続セクション30cは、部品10の下サイド10cにのみ配置され、一方、部品10の左サイド10a、右サイド10b及び上サイド10dは、全て、切れ目40の一部を向いている。もちろん、これらは見る方向に依存する相対的な用語である。
【0014】
ここで説明される切れ目40は、実質的な「U字形」を有することが好ましい。この用語は、弧状の(例えば角ばった又は丸みのある)切れ目として理解することができる。この切れ目は、部品10周囲にその切れ目の長さにわたって異なる方向「Du」に延びている。例えば、切れ目の方向「Du」は、少なくとも90°、好ましくは少なくとも180°(例えば図1などに示される切れ目)又は200°(例えば図2,3などに示される切れ目)より大きい角度(基板面内)にわたって変化する。代わりに、又は加えて、切れ目40は、その端部40a,40b間で、部品10の(幾何学的)中心のまわりに特定の角度「α」(基板面内)にわたって延びると説明することができる。例えばここで、角度「α」は、少なくとも180°、好ましくは250°、270°、又は300°よりも大きい。部品の周囲の切れ目が多いほど、機械的が分離が良好となる。
【0015】
通常、切れ目の長さ(図示せず)は、切れ目の幅「Wu」よりもはるかに大きくてよい。例えば、切れ目の(幅に対して横向きの)長さは、少なくとも切れ目の幅の5倍又は10倍である。切れ目の幅「Wu」は、原則としてゼロまたはゼロに近くてよい(すなわち、単に分離されていればよい)が、切れ目の幅「Wu」は少し大きいため、フラップ30fのエッジは、周囲の主要セクション30mから自由であり、相対的な横方向の動きを可能とする。例えば、切れ目の幅「Wu」は、通常、1又は2ミリメートルよりも大きい。代わりに、又は加えて、切れ目の幅「Wu」は、最小の部品寸法、この場合、部品10の幅「Wc」の少なくとも10、20、又は50パーセントであることが好ましい。また、切れ目の幅「Wu」は、フラップの幅(例えば切れ目に対して横向きの方向において、すなわち図示されているような切れ目の幅方向に沿って)に関連して選択されてもよく、例えば、(最大の)フラップの幅「Wf」の少なくとも10、20、又は50パーセントであってよい。必要ということではないが、切れ目の幅は、部品の全サイドと同じであることが好ましい(基板の未伸長状態で)。
【0016】
最大のフラップマージン「Ma」、又は、周囲を取り巻く切れ目40と部品10のエッジおよび/または導電性トラック21,22との間の距離は、比較的小さく、例えば、部品10のサイズ(例えば、長さ「Lc」又は幅「Wc」)未満であることが好ましい。また、最小のマージン「Mi」は、できるだけ小さいとよい。したがって、部品を備えたフラップのフットプリントは、比較的小さいとよい。例えば、最大のフラップマージン「Ma」は、5ミリメートル未満であり、好ましくは2ミリメートル未満、1ミリメートル未満、又は0.5ミリメートル未満であり、あるいはできるだけ小さい。例えば、フラップ総面積は、約1平方センチメートルとしてよく、好ましくは8×8ミリメートル未満、又は2×2ミリメートル未満としてよい。
【0017】
本教示は、比較的剛性のある部品10が比較的伸縮性および/または柔軟性がある基板上に配置される状況において、特定の利点を提供しうると理解されるであろう。そのため、基板30は、少なくとも部品10と比較して、比較的高い伸縮性を有することが好ましい。例えば、部品は、伸縮性がほとんどないか全くなく、部品を5パーセントあるいは10パーセント程度伸縮しようとすると機能が失われる。逆に、基板は、1つ以上の方向に沿って高い伸縮性を有し、少なくとも5パーセントの倍率(倍率1.05)で、好ましくは少なくとも10パーセントの倍率(倍率1.1)で、さらに好ましくは少なくとも20パーセントの倍率(倍率1.1)で、あるいはそれ以上、例えば、200パーセント以上までの倍率で、壊れることなく、その1つ以上の方向にサイズを拡張することができる。基板の伸縮は、完全に又は少なくとも部分的に可逆的であり、すなわち、伸縮力が除去された後に、基板が元の形状に回復することができる弾性的な伸縮であることが好ましい。
【0018】
可能な定量化において、基板(材料)は、部品のそれよりもはるかに低い、例えば少なくとも10倍、20倍、100倍、又はそれ以上低い弾性率(例えばヤング率)を有することが好ましい。例えば、基板のヤング率は、通常2~2.7GPaのヤング率であるポリエチレンテレフタレート(PET)のように、5ギガパスカル未満であることが好ましい。他の又は更に可能な基板材料は、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)を含む。この教示は、熱可塑性ウレタン(TPU)などの高い伸縮性を有する材料にも特に利益をもたらしうる。例えば、基板のヤング率は、1ギガパスカル未満(25℃の室温での測定)であってもよい。基板を比較的柔軟性および/または伸縮性のある材料にする代わりに、又はそうすることに加えて、基板は比較的薄くてもよく、例えば、1ミリメートル以下の厚み、典型的には600マイクロメートル未満又はそれよりも小さくてもよい。
【0019】
同様の伸縮性は、伸縮可能な基板の上に配置された導電性トラック21,22にも求められることがある。例えば、伸縮可能な導電性トラック21,22は、本質的な(導電性)機能を少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、またはさらに40パーセント以上失う前に、それらの長さに沿って引き伸ばされることがある。例えば、導電性インク(例えば、銀)を使用することができ、基板上に印刷されることが好ましい。加えて、あるいは代わりに、基板の伸縮性および/または柔軟性を改善または維持するために、それらのトラックは、伸縮性および/または柔軟性のあるパターン、例えば、蛇行したパターン(図示せず)で配置されてよい。
【0020】
この図において、フラップ30fの接続セクション30cのエッジ「Hf」は、点鎖線で示される。図示されているように、フラップ30fのエッジ「Hf」は、細長い切れ目40の2つの端部40a,40bの間に延びる。これは、主要セクション30mに移行する、フラップ30fの最も遠い接続エッジと考えることができる。したがって、エッジ「Hf」は、それらの間にU字形の切れ目ラインを設けることによって、フラップ30fが、主要セクション30mに対してヒンジし又はフラップする最も遠いヒンジラインとして機能しうる。もちろん、フラップ30fも形成される基板材料の全体的な柔軟性のために、フラップは、部品10とフラップ10fの接続セクション10cのエッジ「Hf」との間のフラップマージン「Mh」全体にわたって曲がることができると理解されよう。
【0021】
好ましい実施形態において、部品10は、切れ目40によって、1つのサイド10cを除くすべてで囲まれたフラップ30fの上に全体的に配置される。部品10は、接続セクション30cのエッジ「Hf」から、フラップマージン「Mh」だけ離れていることが最も好ましい。例えば、フラップマージン「Mh」は、電子的な部品が本質的な機能を失うことなく基板(より具体的には、導電性トラック21、22を有する接続セクション30c)を曲げることができる最小曲げ半径と比較して決定された相対サイズを有しうる。例えば、相対サイズは、少なくとも5パーセント、10パーセント、20パーセントであり、あるいは半分よりも大きい。すなわち、フラップマージン「Mh」は、最小曲げ半径の半分よりも大きいことが好ましい。これは、部品が、損傷を防ぐのに通常十分であるとわかっている機能性を失うことなく、少なくとも1ラジアンの半分または約30°の角度で平面からフラップする可能性があることを意味する。
【0022】
別のまたはさらなる手段として、フラップマージン「Mh」が、好ましくは、部品(基板の面内)の(最小の)寸法または幅「Wc」と比較して、少なくとも10パーセント、20パーセント、50パーセントの倍率、又は1倍以上の相対サイズを有していてもよい。すなわち、フラップマージン「Mh」が、最小部品サイズ以上であることが好ましい。相対的なフラップマージンが高いほど、フラップ上の部品が、基板30の周囲の主要セクション30mを伸縮する影響からよりよく遮られ得ることが理解されよう。
【0023】
通常、電子的な部品10は、基板30の上に配置された導電性トラック21,22に接続された電気接点11,12を備えたフラップ30fの上に配置される。そのため、導電性トラック21、22は、フラップ30fの上に配置された部品10と、接続セクション30cを介してフラップ30fの外側にある電子デバイス100の他の部品10rとの間に延びることができる。いくつかの実施形態において、フラップの上の部品10は、電子デバイス100の他の部品10rに、例えばフラップ30fの接続セクション30cのエッジ「Hf」と交差する導電性トラック21,22によって部品10と他の部品10rとの間に形成された電気的接続「E」を介して、電気的に接続されていてもよい。例えば、他の部品10rは、基板(図示せず)の主要セクション30mおよび/または他のフラップ(例えば、図4Bに示される)の上に配置されてもよく、また、例えば、基板(図示せず)への配線で接続されるなどして、基板の上に配置されなくてもよい。例えば、他の部品は、電気光学装置、電源および/または記憶装置などの別のまたは類似の電子的な部品を含んでよい。
【0024】
図2は、より好ましい切れ目の形状を除いて、図1と類似の態様を示す他の平面図を概略的に示す。
【0025】
好ましい実施形態では、切れ目40は、丸みのある形状、例えば(半)円形、楕円形、又は少なくとも角が丸い形状(ここには図示せず)を有する。丸みのある切れ目には、切れ目が部品の周りにさらに拡張される(より大きい切れ目幅「Wu」)場合に特に、方向に依存しないより高い自由度を有する(半島状のものがいずれの横方向に同じように動くことができる)などの利点がある。
【0026】
別のまたはさらに好ましい実施形態では、フラップ30fの幅は、接続セクション30cで先細になっている。例えば、接続セクション30cまたはフラップ30fの「ネック」における幅「Wfn」は、ネック(「ヘッド」)の上のフラップの最大幅「Wfm」よりも1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、又はそれ以上小さいことが好ましい。接続セクション又はフラップのネックが小さいほど、非伸縮性の部品10を周囲の主要セクション30mからよりよく隔離し、これにより、伸縮性および/または柔軟性をさらに改善することができる。実施形態では、ほぼ(半)円形の形状のネックで先細になっているフラップが示されているが、他の形状も、フラップと基板の残りの部分との間で、先細のおよび/または比較的狭い接続を有していてよい。例えば、前の図1に示される長方形のフラップを形成する切れ目は、端部40a、40bを先細く延長することによって互いに近づけるように、および/またはフラップ30fの図示されたエッジ「Hf」に沿って部分的にカットするように、延長されてよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、部品の長さ「Lc」は、部品の幅「Wc」よりも1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、又はそれ以上大きい。これにより、幅「Wc」を比較的小さく保ちながら、長さ「Lc」の方向で電気接点11,12の間に所望の分離が提供されうる。好ましい実施形態では、部品は、そのより長いサイド10cのうちの1つがフラップ10の接続エッジ「Hf」を向くように配置される。言い換えれば、部品10の長さ方向Lcは接続エッジ「Hf」に沿っている。これにより、例えば接続エッジ「Hf」を通る軸にわたってフラップのかなりの部分をフラップし又は丸まるための柔軟性がよりよくなりうる(横方向と比較して)。別のまたはさらに好ましい実施形態では、導電性トラック21、22は、そのより長いサイド10c、10dの一方または両方から(排他的に)部品10に接近(および到達)する(そのため、好ましくはそのより短いサイド10a、10bからではない)。これにより、基板および/またはフラップの曲げ性が改善することがある。別のまたはさらに好ましい実施形態では、導電性トラック21、22は、(コンポーネントと基板の間の)部品10の下を通って、部品10の中心Cから外側に向かって電気接点11、12に接近する。これにより、例えば基板の部品の剥離に対する堅牢性が改善することがある。また、例えば部品の横のサイドには原則としてグルーが必要ないため、表面の剛性が低くてよい。また、導電性トラック21、22は、フラップのエッジ「Hf」(これがより狭い場合)を横切って比較的接近していてもよい。
【0028】
図3は、さらに好ましい相互接続を有することを除いて、図2と類似の態様を示す平面図を概略的に示す。
【0029】
好ましい実施形態では、例えば図示されるように、導電性トラック21,22は、部品10の2つの対向するサイド10c、10dから近づく。例えば、中心線(図示せず)は、その電気接点11、12の間、例えば好ましくはそのより短いサイド10a,10bに対して横行するそのより長いサイド10c,10dで、部品10と交差すると想像することができる。例えば、1つの導電性トラック22は、前記中心線に沿って部品に接近し、そのより長いサイドの1つである10cから排他的に部品10に到達する。そして、もう一つの導電性トラック21もまた、前記中心線に沿って部品に接近し、部品の反対サイド10dから排他的に電子的な部品に到達する。図2および図3を比較すると、これにより、部品の下の中心から外側に近づく電気トラックの間に十分なスペースを提供しながら、部品をより小さくできると理解されよう。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つの導電性トラック21は、部品10の周りにカールする軌道を有し、接続セクション30cの反対側の部品のサイド10dから接近する。他のまたはさらなる実施形態では、もう一つの導電性トラック22は、接続セクション30cのサイドから直接部品10に接近する。図3に示されるように、部品10は、例えば導電性トラック21が部品の周りにカールするサイド10aから離れ、フラップ30fの中心から外れて配置されてよい。これは、オプションで、部品周辺のフラップマージンを最小化するために利用することができる。
【0031】
図4Aは、図3の平面図と同様の実施形態の斜視図を概略的に示す。例えば、部品10は「PICOLED」であってよい。
【0032】
図4Bは、導電性トラック21、22によって相互接続された部品10を備えたそれぞれのフラップ30fを形成する複数の切れ目40を有する伸縮可能な基板30の平面図を概略的に示す。通常、総基板表面は、各フラップの表面よりも、例えばアプリケーションに応じて10倍、20倍、50倍、100倍又はそれ以上、はるかに大きくなる可能性がある。例えば、基板30は、ここに記載されるような部品を備えた複数のフラップを、例えばアプリケーションに応じて10,20,50,100又はそれ以上含んでいてよい。ここに記載の好ましい実施形態には、フラップごとに単一の(統合された)部品が示されるが、原則として、例えばフラップの同じ面又は反対のサイドに、複数の部品が配置されていてもよい。フラップを単一の部品に制限することにより、フラップを可能な限り小さく保つことができる。
【0033】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、矢印Sy,Sxによって示される、垂直方向,水平方向に加えられた伸縮可能な基板のフォンミーゼス応力(σ)を示す。基板のフラップ30fは比較的応力がないままであるが、基板の周囲の主要セクション30mでの応力は比較的高いが均一な応力になりうることが理解されよう。また、応力は、フラップ30fの接続セクションでの小さなフラップマージン「Mh」にわたって急速に減少するため、剛性のある部品は、好ましくは、このマージンを超えてフラップ30f上に配置されることに留意されたい。例えば、1つの実施形態は、主要セクション30m上の均一な応力と比較して応力が十分に、例えば2倍、3倍、5倍、10倍又はそれ以上低減される、フラップ30f上の位置またはマージンを計算し、上記位置またはマージン「Mh」を超えてフラップ上に部品を配置することを含んでもよい。
【0034】
図6Aおよび図6Bは、有益なさらなる態様を示す、2つのサイドからの断面サイド図を概略的に示す。その態様は、図1図3または他に示されるような態様を組み合わせたものであってよい。
【0035】
いくつかの好ましい実施形態では、電子デバイス100は、1つまたは複数のラミネーション層31、32を含む。例えば、上部ラミネーション層31は、部品10および/または導電性トラック21、22をさらに保護することができる。ラミネーション層31,32は伸縮可能であることが好ましく、ここで例えば、1つまたは複数は基板30と同じまたは類似の材料を含む。類似の材料を使用すると、層間の良好な結合が得られる。また、同じまたは類似の伸縮性および/または柔軟性を有することにより、デバイスのこれらの品質の乱れを最小限にするのに役立つ可能性がある。任意の下部層は、同じ、類似の、又は異なる材料、例えばファブリックからなってもよい。例えば、電子デバイスは、衣料品に取り付けられた、またはそれと統合されたウェアラブルデバイスであってよい。ラミネーション層31、32の伸縮性は、基板30の伸縮性より高くてもよい。これにより、フラップ30fがより自由に移動できる。
【0036】
最も有利な実施形態では、部品10を備えたフラップ30fは、1つまたは複数のラミネーション層31、32の間に形成されたポケット内に配置される。ラミネーション層31,32は、基板30の主要セクション30mに排他的に接着される。換言すれば、部品10を備えたフラップ30fは、ラミネーション層31、32に接着されていない。これにより、フラップ30f(および部品10)がラミネーション層と共に引き伸ばされないという利点を有しうる。例えば、ポケットは、非接着部分、または場合によっては、切れ目40(の間隔)によって相互接続される、フラップ/部品構造物の上下のスペース41、42によって形成されてよい。図では離れて示されているが、ラミネーション層31、32の非接着部分は、ポケット内で比較的自由にスライドまたは移動しながら、その間の中間フラップ構造物に接していてよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、部品10は、「グロブトップ」とも呼ばれる固体材料33に包まれている。固体材料33は、部品10を保護するためにエポキシなどの比較的剛性のあるものとすることができる。部品10を包む固体材料33またはグロブトップの範囲は、フラップ30fに制限されることが好ましく、前に示したように、フラップの接続エッジ「Hf」からフラップマージン「Mh」離れていることがより好ましい。いくつかの実施形態では、グロブトップされた部品は、全体的に、ラミネーション層31、32によって形成された前述のポケット内にあってよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、電気接点11、12は、導電性の接着剤、グルー、またはソルダーによって導電性トラック21、22に接続される。例えば、等方性導電性接着剤(ICA)または他の材料を使用することができる。任意で、「アンダーフィル」材料34が、電気接点11、12の間、および/または部品10と基板のフラップとの間に追加されてもよい。これにより、接着および/または構造的完全性がさらに改善されうる。例えば、グロブトップと同じまたは類似の材料を使用する。
【0039】
電子デバイスに関して説明されたような対応する態様は、デバイス100の製造方法に適用されてもよい。例えば、この方法は、伸縮可能な基板30にU字形の切れ目40を形成して基板30にフラップ30fを設けること、及び、基板30上に配置された導電性トラック21、22に接続された電気接点11、12を備えたフラップ30f上に電子部品10を設けることを含んでいてよく、導電性トラック21、22は、フラップ30f上に配置された部品10と、接続セクション30cを介してフラップ30fの外側にある電子デバイス100の他の部品10rとの間に延びている。いくつかの実施形態では、この方法は、ラミネーション層31、32の適用を含んでいてよく、ここでフラップ30fは、ラミネーション層31、32の間のポケットに配置される。ポケットは、そのラミネーションと共に単一の工程で作製されることが好ましい。
【0040】
いくつかの実施形態では、中間接着剤層35、36は、基板30の主要セクション30mとラミネーション層31、32との間に排他的に設けることができる(そのため、フラップ30fとラミネーション層31,32との間ではない)。例えば、接着剤層は、フラップ/部品の位置に穴を備える、基板30とラミネーション層31,32との間にある1つ以上の追加的な層(図示せず)を含んでいてよい。例えば、100℃未満、例えば約80℃の比較的低い融点および/またはガラス転移温度を有するTPUの層を用いることができ、ここで、その層は加熱されて、選択的にポケットを形成するものを接着する。ラミネーション層31,32は、それら自体、TPU、又は、(良好な結合に関して)類似しているが、例えば100℃を越える比較的高い融点および/またはガラス転移温度を有する材料を含んでいてもよい。例えば、そのラミネーションは、その積層物を、ラミネーション層ではなく中間接着剤層だけを溶かすか(ガラス)遷移する中間温度まで加熱することを含んでいてよい。そのため、いくつかの実施形態による電子デバイス100は、例えば、上部ラミネーション層、選択的な接着剤/非接着剤層、基板(フラップ、導電性トラック、アンダーフィル、部品、グロブトップ等を備える)、別の選択的な接着剤/非接着剤層、及び下部ラミネーション層(可能であればファブリック)を含む5層以上の層を含むことがある。代わりに、又は加えて、接着剤層は、例えば主要セクション30m(および/または主要セクション30mの位置におけるラミネーション層31,32)に排他的に適用されるグルー層を含んでいてもよい。代わりに、又は加えて、圧力活性化接着剤が用いられてもよく、ここで圧力は主要セクション30mに排他的に加えられる。
【0041】
明確で簡素な説明のために、特徴は、同一又は別個の実施形態の一部としてここで説明されたが、本発明の範囲は、説明された特徴のすべて又はいくつかの組合せを有する実施形態を含んでいてよいと理解されよう。例えば、実施形態では伸縮性基板上の剛性のある電子部品が示されたが、代わりの方法で、当業者が、類似の機能及び結果を達成するために本開示の利益を得ることが想定されてもよい。議論および示される実施形態の様々な要素は、伸縮可能なデバイスの信頼性を改善するなどの特定の利点を提供する。議論及び図示されたような実施形態の様々な構成要素は、伸縮性のあるデバイスの信頼性を向上するなどの特定の利益を提供する。もちろん、上記の実施形態またはプロセスのいずれか1つを1つまたは複数の他の実施形態またはプロセスと組み合わせて、設計および利点を見つけて一致させることにおいてさらなる改善を提供できると理解されたい。本開示は、伸縮性のある電子機器に特定の利点を提供し、一般に、部品への応力を緩和する必要があるどのようなアプリケーションにも適用可能と理解されよう。
【0042】
添付の請求項を解釈する際、「含む」という言葉は、所与の請求項に挙げられている要素又は行為以外の要素又は行為の存在を排除するものではないと理解されたい。要素の前にある「a」又は「an」という言葉は、そのような複数の要素の存在排除するものではない。請求項内のいずれの参照記号は、それらの範囲を制限するものではない。いくつかの「手段」は、同じ又は異なるアイテムによって表されてもよいし、実施された構造又は機能によって表されてもよい。開示されたデバイスまたはその一部のいずれかは、特に明記しない限り、一緒に組み合わせるか、またはさらなる部分に分離してもよい。あるクレームが別のクレームを参照している場合、これは、それぞれの機能の組み合わせによって達成される相乗的な利点を示していることがある。しかし、特定の手段が相互に異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。したがって、本実施形態は、請求項のすべての有効な組合せを含んでいてよい。ここで、各請求項は、文脈によって明確に除外されない限り、原則として、いずれかの先行する請求項を参照することができる。
【0043】
[付記]
[付記1]
伸縮可能な基板(30)であって、前記基板(30)にU字形の切れ目(40)によって形成されたフラップ(30f)を備え、前記フラップ(30f)は、1つのサイドを除いて、前記切れ目(40)によって、前記基板(30)の周囲の主要セクション(30m)から分離されており、前記フラップ(30f)は、前記切れ目(40)の2つの端部(40a,40b)の間の、前記基板(30)の接続セクション(30c)を介して前記主要セクション(30m)に排他的に接続している、伸縮可能な基板(30)と、
前記基板(30)の上に配置された導電性トラック(21,22)と接続した電気接点(11,12)を備える前記フラップ(30f)の上に配置される電子部品(10)であって、前記導電性トラック(21,22)は、前記接続セクション(30c)を介して、前記フラップ(30f)の上に配置された前記部品(10)と前記フラップ(30f)の外側にある電子デバイス(100)の他の部品(10r)との間に延びている、電子的な部品(10)と、
前記基板(30)の両サイドにある一対のラミネーション層(31,32)であって、前記部品(10)を備える前記フラップ(30f)は、前記ラミネーション層(31,32)の間に形成されたポケットの中に配置されており、前記ラミネーション層(31,32)が前記基板(30)の前記主要セクション(30m)に排他的に接着されているため、前記部品(10)を備える前記フラップ(30f)は前記基板(30)の前記接続セクション(30c)を介して前記ラミネーション層(31,32)に排他的に取り付けられている、一対のラミネーション層(31,32)と、
を含む電子デバイス(100)。
【0044】
[付記2]
前記部品(10)は、1つのサイド(10c)を除くすべてで、前記切れ目(40)によって囲まれた前記フラップ(30f)の上に全体的に配置されており、前記接続セクション30cのエッジ(Hf)からフラップマージン(Mh)だけ離れている、
付記1に記載の電子デバイス(100)。
【0045】
[付記3]
前記部品(10)は、前記フラップ(30f)の上に全体的に配置された固体材料(33)によりグロブトップされている、
付記1又は2に記載の電子デバイス(100)。
【0046】
[付記4]
前記U字形の切れ目(40)は、前記部品(10)の周囲のまわりにその切り目の長さにわたって異なる方向(Du)に延びており、前記切れ目(40)は、その端部(40a,40b)の間で、前記基板の面内において前記部品(10)の中心のまわりに角度(α)にわたって延びており、前記角度(α)は、少なくとも250度である、
付記1~3のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0047】
[付記5]
前記フラップ(30f)の幅(Wfn)は、前記接続セクション(30c)で先細になっている、
付記1~4のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0048】
[付記6]
前記切れ目(40)は、半円又は半楕円の形状を有する、
付記1~5のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0049】
[付記7]
前記基板は、伸縮可能であり、壊れることなく、1つ以上の方向にそのサイズを少なくとも10パーセント可逆的に拡張する、
付記1~6のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0050】
[付記8]
前記基板(30)は、前記部品よりも少なくとも10倍低い弾性率を有する、
付記1~7のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0051】
[付記9]
前記基板(30)は、25℃で1ギガパスカルよりも低いヤング率を有する、
付記1~8のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0052】
[付記10]
複数のフラップ(30f)各々の上に配置された複数の部品(10)を含む、
付記1~9のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0053】
[付記11]
前記部品の長さ(Lc)は、前記部品の幅(Wc)よりも大きく、前記部品は、そのより長いサイドのうちの1つ(10c)が前記フラップ(30f)の接続エッジ(Hf)に面するように配置されており、前記導電性トラック(21,22)は、そのより長いサイドのうちの1つ又は両方(10c,10d)から排他的に前記部品(10)に接近し到達する、
付記1~10のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0054】
[付記12]
前記導電性トラック(21,22)は、前記部品(10)の下であって前記部品と前記基板との間を通って、前記電気接点(11,12)に、前記部品(10)の中心から外側に向かって接近する、
付記1~11のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0055】
[付記13]
前記導電性トラック(21,22)は、前記部品(10)の2つの対向するサイド(10c,10d)から接近し、1つの導電性トラック(21)は、前記部品(10)のまわりをカールして前記接続セクション(30c)に対向する前記部品のサイド(10d)から接近し、もう1つの導電性トラック(22)は、前記接続セクション(30c)のサイドから直接前記部品(10)に接近する、
付記1~12のいずれかに記載の電子デバイス(100)。
【0056】
[付記14]
伸縮可能な基板(30)にU字形の切れ目(40)を作製して、前記基板(30)にフラップ(30f)を設ける工程であって、前記フラップ(30f)は、1つのサイドを除いて、前記切れ目(40)によって、前記基板(30)の周囲の主要セクション(30m)から分離されており、前記切れ目(40)の2つの端部(40a,40b)の間の、前記基板(30)の接続セクション(30c)を介して前記主要セクション(30m)に排他的に接続している、工程と、
前記基板(30)の上に配置された導電性トラック(21,22)に接続する電気接点(11,12)を備える前記フラップ(30f)の上に電子的な部品(10)を設ける工程であって、前記導電性トラック(21,22)は、前記接続セクション(30c)を介して、前記フラップ(30f)の上に配置された前記部品(10)と前記フラップ(30f)の外側にある電子デバイス(100)の他の部品(10r)との間に延びている、工程と、
前記基板(30)の両方のサイドに一対のラミネーション層(31,32)を設ける工程であって、前記部品(10)を備えるフラップ(30f)は前記ラミネーション層(31,32)の間に形成されたポケットの中に配置されており、前記ラミネーション層(31,32)は前記基板(30)の主要セクション(30m)に排他的に接着されているため、前記部品(10)を備える前記フラップ(30f)は前記基板(30)の前記接続セクション(30c)を介して前記ラミネーション層(31,32)に排他的に取り付けられる、工程と、
を含む電子デバイス(100)の製造方法。
【0057】
[付記15]
中間接着剤層(35,36)が、前記基板(30)の前記主要セクション(30m)と前記ラミネーション層(31,32)との間に排他的に設けられる、
付記14に記載の電子デバイス(100)の製造方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B