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特許7506627現場業務支援装置、及び現場業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】現場業務支援装置、及び現場業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240619BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021048747
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147490
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安中 俊貴
(72)【発明者】
【氏名】岡田 卓巳
(72)【発明者】
【氏名】浜田 重誠
(72)【発明者】
【氏名】早野 功己
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智也
(72)【発明者】
【氏名】和田 清
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-268765(JP,A)
【文献】特開2015-075927(JP,A)
【文献】特開平07-049910(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0346223(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工により地中に埋設された埋設物を撮影した複数の画像、及び前記埋設物が設置された位置の情報である位置情報を取得する取得部と、
前記画像から前記埋設物の特徴を抽出して、前記埋設物が設置された状況を示す空間モデルを生成するモデル生成部と、
前記画像、及び前記空間モデルを用いて前記埋設物を識別し、前記埋設物の設置に係る検収を行うための情報である検収情報を抽出する検収情報抽出部と、
前記位置情報に対応する施工前後の前記検収情報を用いて検収を行う検収実行部と、
を備えた現場業務支援装置。
【請求項2】
前記モデル生成部は、前記埋設物が設置された状況を平面、及び立体の少なくとも一方で示す請求項1に記載の現場業務支援装置。
【請求項3】
前記検収情報は、学習済み検収情報モデルを用いて、前記埋設物の前記検収情報を抽出し、
前記学習済み検収情報モデルは、過去に設置された埋設物に係る画像、及び前記過去に設置された埋設物に係る空間モデルを学習データとして検収情報モデルに入力し、機械学習を行うことにより、対応する前記過去に設置された埋設物に係る検収情報を出力するように学習されている請求項1又は請求項2に記載の現場業務支援装置。
【請求項4】
前記検収実行部は、前記検収として、前記施工前後の検収情報を表示して、前記検収情報の確認を指示する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の現場業務支援装置。
【請求項5】
前記検収実行部は、前記施工前後の検収情報に差異がある場合、前記差異がある旨を通知する請求項4に記載の現場業務支援装置。
【請求項6】
前記空間モデル及び前記検収情報を用いて、前記検収に係る資料である検収資料、及び前記埋設物の設置に係る設計資料を生成する資料生成部をさらに備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の現場業務支援装置。
【請求項7】
コンピュータに
施工により地中に埋設された埋設物を撮影した複数の画像、及び前記埋設物が設置された位置の情報である位置情報を取得し、
前記画像から前記埋設物の特徴を抽出して、前記埋設物が設置された状況を示す空間モデルを生成し、
前記画像、及び前記空間モデルを用いて前記埋設物を識別し、前記埋設物の設置に係る検収を行うための情報である検収情報を抽出し、
前記位置情報に対応する施工前後の前記検収情報を用いて検収を行う、
ことを実行させるための現場業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス導管工事の現場業務支援装置、及び現場業務支援プログラムに関する。詳しくは、3D画像測量技術を活用して、画像から導管の測量結果、導管の管種、及び口径等の設計業務、及び検収業務に必要な情報を検出し、設計図面、及び検収資料を作成して業務の支援を行う現場業務支援装置、及び現場業務支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現状のガス導管工事において、施工会社は他埋設物輻輳による調査試掘や設計変更協議に必要な計測、作図等の間接業務に長時間を要している。中でも、施工環境が厳しいエリア(都心部・幹線道路の交差点など)では、とりわけその傾向は顕著であり、状況によっては施工の中断を余儀なくされることがある。上記の課題に対して、業務を支援する技術として、ガス導管を撮影する共にガス導管に貼付された2次元コードを読み取り、2次元コードに関連付けられている導管の情報を取得して、設計図の作成を支援する技術について提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の従来技術では、位置情報に関連付けられている埋設物の3Dモデルを表示する技術について提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-160626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、ガス導管の情報を取得するためには、2次元コードを読み取ることが必要であるが、経年劣化等によって必ずしも2次元コードが読み取れるとは限らなかった。また、施工環境が厳しいエリアでは、発注通り工事が完了したかを確認する検収業務にも時間を要し、負担が増大することがある。従来技術は、設計図を作成して設計業務を支援するに留まり、検収業務の支援を行い、負担を軽減できるとは限らなかった。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであり、検収業務の負担を軽減することができる現場業務支援装置、及び現場業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の現場業務支援装置は、施工により地中に埋設された埋設物を撮影した複数の画像、及び前記埋設物が設置された位置の情報である位置情報を取得する取得部と、前記画像から前記埋設物の特徴を抽出して、前記埋設物が設置された状況を示す空間モデルを生成するモデル生成部と、前記画像、及び前記空間モデルを用いて前記埋設物を識別し、前記埋設物の設置に係る検収を行うための情報である検収情報を抽出する検収情報抽出部と、前記位置情報に対応する施工前後の前記検収情報を用いて検収を行う検収実行部とを含んで構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の現場業務支援装置、及び現場業務支援プログラムによれば、検収業務の負担を軽減することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の現場業務支援システムの構成を示すブロック図である。
図2】現場業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】現場業務支援装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】埋設物の画像と、3Dモデルとを表すイメージを示す図である。
図5】検収情報記憶部に格納される検収情報のデータの一例を示す図である。
図6】検収処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
本発明の実施形態の手法は、上記の従来技術に対し、画像から3Dモデルを生成し、2次元コード等を用いずに、3Dモデルから検収に必要なガス導管の管種、及び口径等を取得できる点が新しく、作図の作成支援のみに留まらず、検収業務の支援ができる点で大きく進歩している。
【0012】
以下、本発明の実施形態の手法を実現する現場業務支援システムについて、構成及び作用を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態の現場業務支援システム1の構成を示す図である。図1に示されるように、本実施形態に係る現場業務支援システム1は、ユーザが操作を行う端末2Aと、ユーザが操作を行う携帯端末2Bと、現場業務支援装置10とによって構成される。以下では、現場業務支援装置10は、端末2A、又は携帯端末2Bから画像、及び位置情報を取得し、3Dモデルの提示を行うサーバとして実現する場合の態様について説明する。
【0014】
端末2Aは、施工管理者が施工管理を行うためのPC等の端末である。施工管理者は、端末2Aを操作することにより、工事竣工図、及び管理システム等を利用する。また、端末2Aは、現場業務支援装置10から受け付けた検収情報、及び検収情報に関する各種通知等を表示する表示部(図示省略)を備える。端末2Aが、本発明の表示装置の一例である。
【0015】
携帯端末2Bは、現場担当者が保有し、施工により地中に埋設された埋設物を撮影する端末である。携帯端末2Bは撮影部(図示省略)を搭載しており、撮影部により動画(複数の画像)を撮影することが可能である。本実施形態では、現場業務支援装置10は、埋設物を撮影した複数の画像と、埋設物が設置された位置の情報である位置情報とを携帯端末2Bから取得する。なお、画像、及び位置情報を取得する手段は携帯端末2Bに限られない。携帯端末2B以外の手段については後述する。
【0016】
現場業務支援装置10で実現される機能の概要について説明する。現場業務支援装置10は、取得した画像を用いて、埋設物の3Dモデルを生成し、画像、及び3Dモデルを用いて埋設物に係る材料の検収情報を抽出する。現場業務支援装置10は、検収情報を用いて、検収を行う。例えば、施工前の検収情報と、施工後の検収情報と、に差異がある場合、差異を提示し、差異がある旨を通知することによって検収を行う。3Dモデルは、本発明の空間モデルの一例であり、埋設物が設置された状況を立体で表すモデルである。また、空間モデルを2Dモデルとして、埋設物が設置された状況を平面で表すモデルとしてもよい。なお、検収の内容に応じて、生成する対象を3Dモデル、又は2Dモデルに振り分けてもよい。
【0017】
次に、現場業務支援装置10のハードウェア構成について説明する。図2は、現場業務支援装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、現場業務支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、モニタ16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス18を介して相互に通信可能に接続されている。
【0018】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、現場業務支援処理プログラムが格納されている。
【0019】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0020】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0021】
モニタ16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。モニタ16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能してもよい。
【0022】
通信インタフェース17は、端末等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0023】
以上が、現場業務支援装置10のハードウェア構成である。
【0024】
次に、現場業務支援装置10の機能を実現するための機能的な構成について説明する。図3は、現場業務支援装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、現場業務支援装置10は、学習部102と、取得部110と、モデル生成部112と、検収情報抽出部114と、検収情報記憶部116と、検収実行部118と、資料生成部120とを含んで構成される。
【0025】
学習部102は、予め機械学習による生成モデルの学習、及び検収情報モデルの学習を行う。生成モデルは、埋設物を含む複数の画像を入力として3Dモデルを出力するように学習を行えばよい。生成モデルの学習は、所定の解析ソフトを用いて、学習用の画像から検出される埋設物を表す三次元点群を生成して生成モデルに入力し、機械学習させることにより、3Dモデルを出力するように学習させる。学習部102は、このようにして検収情報を抽出するための学習済み生成モデルを得る。また、検収情報モデルの学習は、過去に設置された埋設物に係る画像、及び過去に設置された埋設物に係る空間モデルを学習データとして検収情報モデルに入力し、機械学習を行うことにより、対応する過去に設置された埋設物に係る検収情報を出力するように学習させる。検収情報とは、埋設物の設置に係る検収を行うための情報である。
【0026】
学習に用いる検収情報としては、例えば、土被り、管の種別、使用材料、採掘幅、及び口径等が挙げられる。管の種別であれば、例えば、管に判別シールを貼付し、画像に写った判別シールにより識別することができる。判別シールは、例えば、水道であれば青、ガス管であれば緑等とする。また、判別シールによる管の種別は所属を表しており、自企業の管であるか他企業の管であるかを判別することができる。学習部102は、このような検収情報を用いて学習を行い、学習済み検収情報モデルを得る。
【0027】
このほか、学習部102は、その時点で検収情報記憶部116に格納されているデータを用いて所定のタイミングで、学習済み生成モデル、及び学習済み検収情報モデルの再学習を行ってもよい。
【0028】
取得部110は、携帯端末2Bから、埋設物を撮影した複数の画像、及び埋設物が設置された位置の情報である位置情報(緯度、経度、及び高さ情報)を取得する。なお、携帯端末2Bにより、埋設物を撮影する際には、ものさし、又は基準点(官民境界等)を現場の埋設物付近に設置し、画像から長さ情報を読み取れるようにしてもよい。これにより、画像に長さの情報を持たせることができ、把握しやすい3Dモデルを生成することができる。
【0029】
モデル生成部112は、複数の画像の各々について、学習済み生成モデルに入力し、学習済み生成モデルからの出力により、埋設物に係る3Dモデルを生成する。画像の入力は、所定の解析ソフトを用いて、画像の各々について三次元点群を生成し、学習済み生成モデルに入力することにより行う。図4に埋設物の画像と、3Dモデルとを表すイメージを示す。埋設物の状況を3Dモデルで表すことにより、立体的な情報を取得し、360°で掘削溝内部を確認、距離の算出が可能となる。3Dモデルとしては、三次元の空間上に一つ以上の埋設物が描画される。なお、図4に示した3Dモデルには、画像に含まれる長さ情報が反映されている。生成した空間モデルは、検収情報記憶部116に格納する。
【0030】
検収情報抽出部114は、学習済み検収情報モデルに、取得した複数の画像、及びモデル生成部112で生成した空間モデルを入力して埋設物を識別し、学習済み検収情報モデルの出力として、埋設物に係る検収情報を抽出する。具体的には、検収情報抽出部114は、取得した位置情報に応じて、施工前の検収情報があるか否かを判定する。施工前の検収情報がある場合には、抽出した検収情報を施工後の検収情報として検収情報記憶部116に格納する。施工前の検収情報がない場合には、抽出した検収情報を施工前の検収情報として検収情報記憶部116に格納する。
【0031】
検収情報記憶部116には、抽出された施工前又は施工後の検収情報が格納される。図5は、検収情報記憶部116に格納される検収情報のデータの一例を示す図である。検収情報は、識別ID、及び位置情報ごとに格納される。状態として、施工前、及び施工後を有し、それぞれに検収情報の各項目(図5の例では、管種、口径、土被り厚、及び掘削幅等)のデータが格納される。なお、状態は、施工前、及び施工後の2つの状態に限らず、施工段階ごとに検収情報を抽出して格納するようにしてもよい。
【0032】
検収実行部118は、施工前後の検収情報を用いて検収を行う。検収としては、端末2Aの表示部に、施工前後の検収情報を表示して、検収情報の確認を指示する。また、検収実行部118は、施工前後の検収情報に差異がある場合、差異がある旨を端末2Aに通知する。
【0033】
資料生成部120は、モデル生成部112で生成した空間モデル及び検収情報抽出部114で抽出した検収情報を用いて、検収に係る資料である検収資料、及び埋設物の設置に係る設計資料を生成する。検収資料は、検収情報の項目ごとの材料費等の費用資料、及び検収に係る写真資料である。費用は、土被り、掘削幅、口径、及び管種等から計算できる。写真資料としては、位置情報に対応した、施工前、使用材料、転圧、仮復旧、検漏、路盤、路床、表層の材料、厚さ等、適宜必要な写真を収集して作成する。設計資料は、3Dモデルを元にして寸法表記されたCADデータの竣工図である。竣工図には、施工前後の検収情報を元に自動的に変更点を反映する。
【0034】
次に、本発明の実施形態に係る現場業務支援装置10における作用について説明する。以下に説明するフローチャートによる検収処理は、CPU11が現場業務支援装置10の各部として処理を実行することにより実現される。
【0035】
図6は、検収処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から現場業務支援処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、検収処理が行なわれる。なお、予め学習部102により学習済み生成モデル、及び学習済み検収情報モデルが得られているとする。
【0036】
ステップS100では、CPU11が、携帯端末2Bから、埋設物を撮影した複数の画像、及び埋設物が設置された位置の情報である位置情報を取得する。
【0037】
ステップS102では、CPU11が、複数の画像の各々について、三次元点群を生成する。
【0038】
ステップS104では、CPU11が、生成した三次元点群を学習済み生成モデルに入力し、学習済み生成モデルからの出力により、埋設物に係る3Dモデルを生成する。
【0039】
ステップS106では、CPU11が、学習済み検収情報モデルに、取得した複数の画像、及びモデル生成部112で生成した空間モデルを入力して埋設物を識別し、学習済み検収情報モデルの出力として、埋設物に係る検収情報を抽出する。
【0040】
ステップS108では、CPU11が、抽出した検収情報について、取得した位置情報に応じて、過去の施工前の検収情報があるか否かを判定する。施工前の検収情報がある場合にはステップS112へ移行し、施工前の検収情報がない場合にはステップS110へ移行する。
【0041】
ステップS110では、CPU11が、抽出した検収情報を施工前の検収情報として検収情報記憶部116に格納し、処理を終了する。
【0042】
ステップS112では、CPU11が、抽出した検収情報を施工後の検収情報として検収情報記憶部116に格納する。
【0043】
ステップS114では、CPU11が、生成した空間モデル及び検収情報抽出部114で抽出した検収情報を用いて、検収に係る資料である検収資料、及び埋設物の設置に係る設計資料を生成する。
【0044】
ステップS116では、CPU11が、施工前後の検収情報を用いて検収を実行する。検収としては、端末2Aの表示部に、施工前後の検収情報を表示して、検収情報の確認を指示する。
【0045】
ステップS118では、CPU11が、施工前の検収情報と、施工後の検収情報と、に差異があるか否かを判定する。差異があると判定した場合にはステップS118へ移行し、差異がないと判定した場合には処理を終了する。
【0046】
ステップS120では、CPU11が、施工前後の検収情報の差異を端末2Aに通知する。なお、検収の実行の前に差異の判定を行い、検収情報の確認の指示と共に、差異を通知してもよい。以上が検収処理の説明である。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る現場業務支援システム1によれば、検収業務の負担を軽減することができる。
【0048】
また、検収情報の差異が通知されるため、検収情報の差異による注意を促すことができる。また、画像から3Dモデルを生成するため、設計資料及び検収資料の作成に係る負担を軽減することができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0050】
例えば、複数の画像は、携帯端末2B以外から取得してもよい。例えば、ドローン(図示省略)等の管の周囲を旋回可能な移動体によって、掘削溝内を撮影して複数の画像を取得してもよい。この場合に管周りのドローンの周回方法は、例えば、上面→側面→底部の順に管軸方向に飛行させることが想定される。また、ウェアラブルデバイス(スマートグラス等)のカメラで撮影した複数の画像を取得してもよい。
【0051】
また、取得する複数の画像の測量をより広い範囲で行って、地図を作成してもよい。例えば、設計図の他埋設物、ガス管の位置、予備路面標示物の情報を住宅地図に落とし込み、測量情報図を作成してもよい。また、測量情報図として得られた結果を他の工事管理業務時に用いてもよいし、埋設インフラ企業に対して販売してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 現場業務支援システム
2A 端末
2B 携帯端末
10 現場業務支援装置
102 学習部
110 取得部
112 モデル生成部
114 検収情報抽出部
116 検収情報記憶部
118 検収実行部
120 資料生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6