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特許75066537-アミノ-5-チオ-チアゾロ[4,5-D]ピリミジンのリン酸塩およびホスホン酸塩誘導体ならびにCX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する治療条件におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】7-アミノ-5-チオ-チアゾロ[4,5-D]ピリミジンのリン酸塩およびホスホン酸塩誘導体ならびにCX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する治療条件におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/6561 20060101AFI20240619BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20240619BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20240619BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240619BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240619BHJP
   A61K 31/519 20060101ALN20240619BHJP
【FI】
C07F9/6561 Z CSP
A61K31/675
A61K45/00
A61K47/54
A61P1/04
A61P1/16
A61P1/18
A61P3/00
A61P3/10
A61P7/06
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P9/10 103
A61P9/12
A61P11/00
A61P13/12
A61P17/00
A61P17/02
A61P17/04
A61P19/02
A61P19/08
A61P19/10
A61P25/00
A61P25/04
A61P25/16
A61P25/18
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/28
A61P27/02
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P29/02
A61P31/18
A61P35/00
A61P37/06
A61P37/08
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61P43/00 123
A61K31/519
【請求項の数】 41
(21)【出願番号】P 2021500175
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2019068169
(87)【国際公開番号】W WO2020008064
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】1811169.0
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520447053
【氏名又は名称】カンセラ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン ボーグバリ
(72)【発明者】
【氏名】ステュルビョルン ビューストレーム
(72)【発明者】
【氏名】エリーサベト オルソン
(72)【発明者】
【氏名】マティアス イェンソン
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-535835(JP,A)
【文献】特表2010-504963(JP,A)
【文献】特表2008-535834(JP,A)
【文献】特表2010-504962(JP,A)
【文献】Karlstroem, Sofia et al.,Substituted 7-Amino-5-thio-thiazolo[4,5-d]pyrimidines as Potent and Selective Antagonists of the Fractalkine Receptor (CX3CR1),Journal of Medicinal Chemistry,2013年,56(8),pp. 3177-3190
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって、
【化1】
式中、
は、アリールまたはピリジルを表し、これらの両方が、ハロ、-CN、-C(O)NR、-S(O)、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、またはC2~6アルキニルから選択され、後者の3つの基が1つ以上のFで任意に置換された、1つ以上の基で任意に置換され、
は、H、または1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
およびRは各々独立して、H、または1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
は、1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
【化2】
は、
【化3】
を表し、
式中、
【化4】
は、分子の残りの部分への結合点を示し、
およびQは各々独立して、Hまたは-PO(OR)(OR)を表し、
は、Hまたは-CHOPO(OR)(OR)を表し、
は、-CHOPO(OR)(OR)を表し、
およびRは各々独立して、H、C1~4アルキルまたはC2~4アルケニルを表し、
、およびQ、QまたはQのうちの少なくとも1つが、-PO(OR)(OR)または-CHOPO(OR)(OR)を表す、化合物、
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上のフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、-CN基、-C(O)NR基または-S(O)Me基で任意に置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上のフルオロ基、クロロ基またはブロモ基で任意に置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、フェニルまたは5-クロロピリジン-2-イルを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
が、1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表す、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、C1~3アルキルを表す、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、メチルを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
およびQ、QまたはQのうちの1つが、-PO(OR)(OR)または-CHOPO(OR)(OR)を表し、Q、および(存在する場合)QまたはQの残りがHを表す、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
【化5】
が、
【化6】
を表す、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
【化7】
が、
【化8】
を表す、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
【化9】
が、
【化10】
を表す、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
が、-PO(OR)(OR)を表す、請求項9~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
が、-PO(OR)(OR)を表す、請求項9または請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
が、-CHOPO(OR)(OR)を表す、請求項9または請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
【化11】
が、
【化12】
を表す、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、式IAの化合物であって、
【化13】
式中、R、R、Q、Qおよび
【化14】
が、請求項1~15のいずれか一項に記載のとおりである、化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
およびRが各々独立して、C1~3アルキルまたはHを表す、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
およびRが各々Hを表す、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
およびRが各々メチルを表すか、または各々エチルを表す、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
が、イソプロピルを表し、Rが、Hを表す、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
前記化合物が、
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-カルバモイルフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(4-メチルスルホニル)フェニル]エチル}スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル]アミノ}-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[4-(メチルスルホニル)ベンジル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-({2-アミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジメチル
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジエチル
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルビス(1-メチルエチル)リン酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルビス(1-メチルエチル)リ酸;
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジエチル
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジエチル
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジエチル
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジエチル
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジエチル
[7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
[5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
[5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
[5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
[7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
[5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
[5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
[5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-オキソ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチルリ酸;
(2R)-2-[(5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-4-メチル-2-({2-オキソ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル]-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル}アミノ)ペンチルリ酸;
(2R)-4-メチル-2-{[5-({1-[4-(メチルスルホニル)フェニル]エチル}スルファニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル]アミノ}ペンチルリン酸;
(2R)-2-[(5-{[1-(3-カルバモイルフェニル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸;
(2R)-2-[(5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジメチル
(2R)-2-[(5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸ジエチル
(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸;
(5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-1-{[(1R)-7-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸;
(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
(5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
(5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸ジエチル;
7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸ジエチル
5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸ジエチル
7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸ジエチル
5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸ジエチル
5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4、5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸ジエチル
からなる群より選択される、請求項1または16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
前記化合物が、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリ酸である、請求項1または16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
前記薬学的に許容される塩が、塩基付加塩である、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
前記薬学的に許容される塩が、アンモニウム塩またはアルカリ金属塩である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合して、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物(その薬学的に許容される塩を含む)を含む、薬学的組成物。
【請求項26】
前記薬学的組成物が、水および20%(w/w)未満の可溶化賦形剤をさらに含む、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
前記薬学的組成物が、水溶液の形態である、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
前記組成物が、粉末の形態である、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項29】
医学において使用するための、請求項25~28のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項30】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害を治療および/または予防するための、請求項25~28のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項31】
請求項1~24のいずれか一項に記載の治療有効量の化合物(その薬学的に許容される塩を含む)を含む、請求項25~28のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項32】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害を治療および/または予防するための薬剤の製造のための、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物(その薬学的に許容される塩を含む)、または請求項25~29のいずれか一項に記載の薬学的組成物、の使用。
【請求項33】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する前記疾患または障害が、急性および/または慢性炎症、眼疾患、肺疾患、皮膚疾患、関節および/または骨疾患、自己免疫疾患、心血管疾患、代謝性疾患、脳疾患、神経変性疾患、疼痛、癌、肝疾患、腎疾患、胃腸疾患、ヒト免疫不全ウイルスおよび気分障害から選択される、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項34】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する前記疾患または障害が、黄斑変性症、肺動脈高血圧症、喘息、肺線維症、アトピー性皮膚炎、掻痒症、骨関節炎、骨粗鬆症、再生不良性貧血、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性硬化症、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、不安定狭心症、心筋梗塞、頸動脈疾患、慢性心不全、炎症性心筋症、末梢動脈疾患、糖尿病、アルツハイマー病、外傷性脳損傷、慢性疼痛、線維筋痛症、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛、椎間板ヘルニア、癌、肝硬変、IgA腎症、腎炎症、狼瘡、虚血再灌流傷害、虚血性急性腎不全、造影剤誘発性腎損傷、大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、膵炎、ヒト免疫不全ウイルス1 ヒト免疫不全ウイルス関連認知症、脳卒中、パーキンソン病、うつ病、不安、統合失調症および自閉症スペクトラム障害から選択される、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項35】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する前記疾患または障害が、心筋梗塞、動脈硬化症、多発性硬化症、関節リウマチ、クローン病、膵炎、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛および癌から選択される、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項36】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する前記疾患または障害が、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、慢性心不全、炎症性心筋症、線維筋痛症、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛、B細胞リンパ腫、乳癌、IgA腎症、狼瘡、虚血性急性腎不全および膵炎から選択される、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項37】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する前記疾患または障害が、癌である、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項38】
前記癌が、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、B細胞リンパ腫および乳癌からなる群から選択される、請求項37に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
組み合わせ生成物であって、
(I)請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
(II)CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害を治療または予防するのに有用な1種以上の他の治療剤と、を含み、
成分(I)および(II)の各々が、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体などの、薬学的に許容される賦形剤と任意に混合して製剤化される、組み合わせ生成物。
【請求項40】
構成成分キットであって、
(a)請求項25~28のいずれか一項に記載の薬学的組成物と、
(b)薬学的に許容される賦形剤と混合して製剤化される、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害を治療または予防するのに有用な1種以上の他の治療剤を含む薬学的組成物と、を含み、
これらの成分(a)および(b)が各々、他方と一緒に投与されるのに好適な形態で提供される、構成成分キット。
【請求項41】
請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物(ここで、Qが-PO(OR)(OR)を表し、RおよびRが請求項1~24のいずれか一項に記載のとおりである)を調製するための方法であって、
(i)式IIの化合物を、
【化15】
(式中、RおよびRが請求項1~24のいずれか一項に記載のとおりであり、
【化16】

【化17】
を表す)
好適な溶媒および好適な塩基の存在下でオキシ塩化リンと反応させ、次に、
(ii)反応混合物に水またはROH/ROH(RおよびRが請求項1~24のいずれか一項に記載のとおりである)を添加すること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の薬学的に活性な化合物、そのような化合物を含む薬学的組成物、ならびにそれらの薬学的使用に関する。特に、本発明は、フラクタルカイン受容体のアンタゴニスト、ならびにCX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患および障害の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で明らかに先に公表された文献のリストまたは考察は、その文献が最新技術の一部であるか、または共通の一般知識であることを認めるものと必ずしも解釈されるべきではない。
【0003】
7-アミノ-5-チオ-チアゾロ[4,5-D]ピリミジン、例えば、(2R)-2-(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]チオ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(A)および5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(B)が、フラクタルカイン受容体のアンタゴニストであることが知られている(KarlstromらによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190)。
【0004】
【化1】
【0005】
しかし、これらの化合物は難水溶性であるため、好適な薬学的剤形の製剤化は相当大きな課題となっている。
【発明を実施するための形態】
【0006】
驚くべきことに、化合物AおよびBなどの化合物の特定のリン酸塩誘導体が、既知のフラクタルカイン受容体アンタゴニストに対していくつかの利点を提供することが今般見出された。著しく改善された水溶性に加えて、化合物はまた、水性条件下での長期保存に対してかなり安定していて、既知の化合物を投与するよりも高い血漿濃度を達成する。
【0007】
理論に縛られることを望むものではないが、これらの化合物によって達成されるより高い血漿濃度の結果として、既知のアンタゴニストの投与と比較して、それらが経口投与後の初回通過代謝中に肝臓に与えるストレスが少なくなる可能性が高いと確信する理由があると考えられる。したがって、化合物は、既知のフラクタルカイン受容体アンタゴニストよりも、より高い投与量および/またはより長い期間での治療に対して、より良好に許容される可能性がある。
【0008】
本発明の第1の態様において、式Iの化合物であって、
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、
はアリール(例えば、フェニル)またはピリジルを表し、これらの両方が、ハロ、-CN、-C(O)NR、-S(O)、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、またはC2~6アルキニルから選択され、後者の3つの基が1つ以上のFによって任意に置換された、1つ以上の基で任意に置換され、
は、H、または1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
およびRは各々独立して、H、または1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
は、1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
【0011】
【化3】
【0012】
は、
【0013】
【化4】
【0014】
を表し、式中、
【0015】
【化5】
【0016】
は、分子の残りの部分への結合点を示し、
およびQは各々独立して、Hまたは-PO(OR)(OR)を表し、
は、Hまたは-CHOPO(OR)(OR)を表し、
は、-CHOPO(OR)(OR)を表し、
およびRは各々独立して、H、C1~4アルキルまたはC2~4アルケニルを表し、
、およびQ、QまたはQのうちの少なくとも1つが、-PO(OR)(OR)または-CHOPO(OR)(OR)を表す、化合物、
またはその薬学的に許容される塩、を提供し、この化合物は、本明細書において「本発明の化合物」として言及されてもよい。
【0017】
誤解を避けるために、当業者は、本発明の特定の態様の化合物(例えば、本発明の第1の態様、すなわち、本明細書の第1の態様で定義されるとおりである式Iの化合物を指す)への本明細書における言及が、全ての実施形態およびその特定の特徴への言及を含み、その実施形態および特定の特徴は組み合わせて、本発明のさらなる実施形態および特徴を構成し得ることを理解するであろう。
【0018】
他に示さない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって理解される一般的な意味を有する。
【0019】
薬学的に許容される塩には、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。このような塩は、慣用的手段により、例えば、本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形態と、1当量以上の適切な酸または塩基とを、任意の溶媒中で、または塩が不溶である媒体中で反応させ、次いで、標準的技法を用いて(例えば、真空中、凍結乾燥または濾過によって)、当該溶媒または当該媒体を除去することにより、形成されてもよい。塩はまた、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによってなどの、当業者に知られている技術を使用して、調製されてもよい。
【0020】
言及され得る特定の酸付加塩には、対応する酸との反応によって形成され、したがって、本発明の化合物をプロトン化して、カルボン酸塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ヘプタン酸塩、デカン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ステアリン酸塩、アクリル酸塩、カプロン酸塩、プロピオル酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、α-ヒドロキシ酪酸塩、乳酸塩、洒石酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、サリチル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、桂皮酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、馬尿酸塩、フタル酸塩またはテレフタル酸塩)、ハロゲン化物塩(例えば、塩化物塩、臭化物塩またはヨウ化物塩)、スルホン酸塩(例えば、ベンゼンスルホン酸塩、メチルベンゼンスルホン酸塩、ブロモベンゼンスルホン酸塩またはクロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、1-もしくは2-ナフタレンスルホン酸塩、または1,5-ナフタレンジスルホン酸塩)、または硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、または硝酸塩などを形成するものが含まれる。
【0021】
言及され得る特定の塩基付加塩には、対応する塩基との反応によって形成され、したがって、本発明の化合物からプロトンを除去して、アルカリ金属(Na塩およびK塩など)、アルカリ土類金属(Mg塩およびCa塩など)、有機塩基(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびトロメタミンなど)ならびに無機塩基(例えば、アンモニア)と塩を形成する塩が含まれる。
【0022】
言及され得るより特定の塩には、Li塩、Na塩、K塩およびアンモニウム塩(単塩および二塩を含む)が含まれる。特に、RおよびRが各々Hを表す本発明の化合物の場合、言及され得る特定の塩には、二アンモニウム塩、二ナトリウム塩、二リチウム塩および二カリウム塩が含まれる。
【0023】
疑念を避けるために、本発明の化合物は、固体として存在してもよく、したがって、本発明の範囲は、その全ての非晶質、結晶、および部分結晶形態を含み、油として存在してもよい。本発明の化合物が結晶および部分結晶形態で存在する場合、そのような形態は、本発明の範囲に含まれる溶媒和物を含んでもよい。
【0024】
誤解を避けるために、本発明の化合物はまた、溶液中に(すなわち、好適な溶媒中の溶液中に)存在してもよい。例えば、本発明の化合物は、水溶液中に存在してもよく、その場合、本発明の化合物は、その水和物の形態で存在してもよい。
【0025】
本発明の化合物は、二重結合を含んでもよく、したがって、別段の指定がない限り、各個々の二重結合についてE(entgegen)およびZ(zusammen)幾何異性体として存在してもよい。別段の指定がない限り、全てのそのような異性体およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0026】
本発明の化合物はまた、互変異性を呈してもよい。全ての互変異性形態およびそれらの混合物は、本発明の範囲(特に、それらの単離を可能にするのに十分な安定性のもの)内に含まれる。
【0027】
本発明の化合物はまた、1個以上の不斉炭素原子を含み得、したがって、光学的および/またはジアステレオ異性(エナンチオマー形およびジアステレオマー形)を呈し得る。ジアステレオマーは、慣用的な技法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶化を用いて分離されてもよい。種々の立体異性体(すなわち、エナンチオマー)は、慣用的な、例えば分別結晶化またはHPLCの技法を用いて、化合物のラセミ混合物または他の混合物を分離することによって単離されてもよい。代替的には、所望のエナンチオマーまたはジアステレオ異性体は、適切な光学活性をもつ出発物質から、ラセミ化またはエピマー化を引き起こさない条件下で(すなわち、「キラルプール」法)、適切な出発物質とその後好適な段階で除去され得る「キラル補助剤」とを反応させることにより得られてもよく、誘導体化(すなわち、動的分解を含む分解(例えば、ホモキラル酸で処理した後、ジアステレオマー誘導体をクロマトグラフィーなどの慣用的手段によって分離することによる))により得られてもよく、または適切なキラル試薬またはキラル触媒と反応させることにより得られてもよく、これらの方法およびプロセスの全ては当業者に知られている条件下で行われてもよい。別段の指定がない限り、全ての立体異性体およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0028】
別段の指定がない限り、本明細書で定義されるC1~zアルキル基(ここで、zは範囲の上限である)は、直鎖であり得るか、あるいは十分な数(すなわち、必要に応じて最小2もしくは3個)の炭素原子が存在する場合、分岐鎖状および/または環状であり得る(したがって、C3~zシクロアルキル基を形成する)。十分な数(すなわち最小4個)の炭素原子が存在するとき、そのような基はまた、部分環状であってもよい(したがって、C4~z部分シクロアルキル基を形成する)。例えば、言及され得るシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。同様に、言及され得る部分環状アルキル基(「部分シクロアルキル」基とも呼ばれ得る)には、シクロプロピルメチルが含まれる。十分な数の炭素原子が存在する場合、このような基は、多環式(例えば、二環式もしくは三環式)またはスピロ環式であってもよい。誤解を避けるために、言及され得る特定のアルキル基には、直鎖(すなわち、分岐および/または環状ではない)アルキル基が含まれる。
【0029】
別段の指定がない限り、本明細書で定義されるC2~zアルケニル基(ここで、zは範囲の上限である)は、直鎖であり得るか、または十分な数(すなわち、必要に応じて最小3個)の炭素原子が存在するとき、分岐鎖状および/もしくは環状であり得る(したがって、C4~zシクロアルケニル基を形成する)。十分な数(すなわち最小5個)の炭素原子が存在するとき、そのような基はまた、部分環状であり得る。例えば、言及され得る部分環状アルケニル基(「部分シクロアルケニル」基とも呼ばれ得る)には、シクロペンテニルメチルおよびシクロヘキセニルメチルが含まれる。十分な数の炭素原子が存在する場合、このような基は、多環式(例えば、二環式もしくは三環式)またはスピロ環式であってもよい。誤解を避けるために、言及され得る特定のアルケニル基には、直鎖(すなわち、分岐および/または環状ではない)アルケニル基が含まれる。
【0030】
別段の指定がない限り、本明細書で定義されるC2~zアルキニル基(ここで、zは範囲の上限である)は、直鎖であり得るか、または十分な数(すなわち、最小4)の炭素原子が存在するとき、分岐鎖状であり得る。誤解を避けるために、言及され得る特定のアルキニル基には、直鎖(すなわち、分岐および/または環状ではない)アルキニル基が含まれる。
【0031】
誤解を避けるために、別段の指定がない限り、本明細書で「アルキル」、「アルケニル」および/または「アルキニル」と呼ばれる基は、そのような基に存在する結合における最高度の不飽和を指すと解釈される。例えば、炭素-炭素二重結合を有する基と、同じ基において、炭素-炭素三重結合を有するそのような基は、「アルキニル」と呼ばれる。あるいは、そのような基は、指定された不飽和度のみを含むことが特に指定され得る(すなわち、必要に応じて、その中の1つ以上の結合において;例えば、その中の1つの結合において)。
【0032】
誤解を避けるために、本明細書に記載のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、リンカー基(すなわち、記載されるように化合物の2つ以上の部分を結合する基)としても作用し得、その場合、そのような基はそれぞれ、「アルキレン」基、「アルケニレン」基および/または「アルキニレン」基と呼ばれ得る。
【0033】
本明細書で使用され得るように、アリールという用語は、C6~14(例えば、C6~10)を指してもよい。そのような基は、単環式または二環式であり得、二環式であるとき、全体的芳香族または部分的芳香族のいずれかであり得る。言及され得るC6~10アリール基には、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インダニルなど(例えば、フェニル、ナフチルなど)が含まれる。誤解を避けるために、アリール基上の置換基の結合点は、環系の任意の好適な炭素原子を介し得る。
【0034】
誤解を避けるために、当業者は、本発明の化合物の一部を形成し得るアリール基が、当業者に知られているように、化学的に得られるものであることを理解するであろう。言及され得る特定のアリール基には、フェニルおよびフェニルなどのナフチルが含まれる。
【0035】
誤解を避けるために、多環式(例えば、二環式または三環式)基(例えば、ヘテロシクリル基またはシクロアルキル基の文脈で使用する場合)への言及は、そのような環を非環(直または分岐)鎖に変換するために少なくとも2つの切断が必要とされ得る環系を意味し、そのような切断の最小数は定義された環の数に対応する(例えば、二環式という用語は、その環を直鎖に変換するために最低2つの切断が必要とされ得ることを示してもよい)。誤解を避けるために、二環式という用語(例えば、アルキル基の文脈で使用される場合)は、2環系の2番目の環が1番目の環の2個の隣接する原子の間に形成される基、2個の非隣接原子がアルキル(2つの部分を結合する場合、アルキレンと呼ばれる場合がある)基(任意に1個以上のヘテロ原子を含む)によって結合される基(この後者の基は架橋と呼ばれる場合がある)、または、2番目の環が単一の原子に結合している基(この後者の基はスピロ化合物と呼ばれる場合がある)を指してもよい。
【0036】
本発明はまた、1個以上の原子が、通常自然界で見られる原子量または質量数(または自然界に見られる最も豊富なもの)とは異なる原子量または質量数を有する原子で置き換えられているという事実はあるが、本明細書に列挙されたものと同一である、本発明の同位体的に標識された化合物も包含する。本明細書で特定される任意の特定の原子または元素の全ての同位体は、本発明の化合物の範囲内であると考えられる。したがって、本発明の化合物はまた、重水素化化合物、すなわち、1個以上の水素原子が、水素同位体重水素で置換されている本発明の化合物を含む。
【0037】
さらに、誤解を避けるために、置換基自体が1つ以上の置換基によって任意に置換されることが指定される場合(例えば、1つ以上のFで任意に置換されたC1~3アルキル)、これらの置換基は、可能な場合、同じまたは異なる原子上に配置され得る。そのような任意の置換基は、その任意の好適な数で存在し得る(例えば、関連する基は、1つのそのような置換基などの1つ以上のそのような置換基で置換され得る)。
【0038】
誤解を避けるために、基が任意に置換されていると本明細書で言及される場合、そのような任意置換基が存在しない場合があり(すなわち、そのような任意置換基が除去され得ることへの言及)、その場合、任意選択置換基が非置換であるとして参照され得ることが具体的に企画されている。
【0039】
本明細書で使用される場合、波状結合(すなわち、「
【0040】
【化6】
【0041】
」など)は、関連する置換基のコア分子(すなわち、置換基が結合している式Iの化合物の化合物)へのある結合点(または特定の結合点)を示し得る。
【0042】
さらに、誤解を避けるために、当業者は、本発明の主題である本発明の化合物が、入手可能なもの、すなわち安定した形態で調製され得るものを含むことを理解するであろう。すなわち、本発明の化合物は、例えば、反応混合物からの、有用な純度までの単離に耐えるほどに十分に頑強なものを含む。
【0043】
言及され得る本発明の化合物の特定の実施形態では、Rは、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上(例えば、1つ)のフルオロ、クロロ、ブロモ、-CN、-C(O)NR、-S(O)、C1~4アルキル(例えば、C1~3アルキル、例えば、C1~2アルキル)、C2~6アルケニル(例えば、C2~3アルケニル、例えば、エテニル)またはC2~4アルキニル(例えば、C2~3アルケニル、例えば、エチニル)で任意に置換され、後者の3つの基が、1つ以上のFで任意に置換され、R、RおよびRは、本明細書で定義されるとおりである。
【0044】
さらなる特定の実施形態では、Rは、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上のフルオロ、クロロ、ブロモ、-CN、-C(O)NRまたは-S(O)Me基で任意に置換され、RおよびRは本明細書で定義されるとおりである。
【0045】
さらなる特定の実施形態では、Rは、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上(例えば、1つ)のフルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはメチル基で任意に置換されている。
【0046】
さらなる特定の実施形態では、Rは、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上(例えば、1つ)のフルオロ基、クロロ基またはブロモ基で任意に置換されている。
【0047】
さらに特定の実施形態では、Rは、
【0048】
【化7】
【0049】
から選択され、式中、
【0050】
【化8】
【0051】
は、分子の残りの部分への結合点を示す。
【0052】
さらなる特定の実施形態では、Rは、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上(例えば、1つ)のクロロ基で任意に置換されている。
【0053】
より特定の実施形態では、Rはフェニル(すなわち、非置換)または5-クロロピリジン-2-イル(例えば、フェニル)を表す。
【0054】
特定の実施形態では、Rは、1つ以上のFで任意に置換されたC1~6アルキルを表す。
【0055】
特定の実施形態では、Rは、C1~6アルキル(すなわち、非置換)を表す。より特定の実施形態では、Rは、1つ以上のFで任意に置換された(すなわち、非置換の)C1~3アルキルを表す。さらにより特定の実施形態では、Rは、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、または特にメチルを表す。
【0056】
より特定の実施形態では、Rは、Hまたは、特に、メチルを表す。
【0057】
特定の実施形態では、RおよびRは、各々独立して、HまたはC1~6アルキル(すなわち、非置換)を表す。より特定の実施形態では、RおよびRは、各々独立して、1つ以上のFで任意に置換された(すなわち、非置換の)C1~3アルキルを表す。さらにより特定の実施形態では、RおよびRは、各々独立して、H、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチルまたはメチルを表す。さらに特定の実施形態では、RおよびRは、両方ともHを表す。
【0058】
特定の実施形態では、Rは、C1~6アルキル(すなわち、非置換)を表す。より特定の実施形態では、Rは、1つ以上のFで任意に置換された(例えば、非置換の)C1~3アルキルを表す。さらにより特定の実施形態では、Rは、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、または特にメチルを表す。
【0059】
本発明の化合物において、QおよびQ、QまたはQのうちの少なくとも1つ(すなわち、必要に応じて、QおよびQ;またはQおよびQ;またはQおよびQのうちの1つ)が、-PO(OR)(OR)または-CHOPO(OR)(OR)を表す。したがって、本発明の化合物は、1つまたは2つのリン酸塩もしくはホスホアミド酸基またはそれらのエステル(-OPO(OR)(OR)あるいは-NHPO(OR)(OR/-NRPO(OR(OR)、Rは炭素ベースの基(例えば、アルキル))基(すなわち、QおよびQ、QまたはQが、-PO(OR(OR)または-CHOP(OR)(OR)を表す(必要に応じて))を含んでいてもよい。QおよびQ、QまたはQのうちの1つが、PO(OR)(OR)または-CHOP(OR(OR)を表す場合、残りの基はHを表す。
【0060】
より特定の実施形態では、QおよびQ、QまたはQのうちの1つが、-PO(OR)(OR)または-CHOPO(OR)(OR)を表し、Q、および(存在する場合)QまたはQの残りがHを表す(Qは、-CHOPO(OR)(OR)を表すか、または存在しないのいずれかである)。
【0061】
言及され得る本発明の特定の化合物には、
【0062】
【化9】
【0063】
が、
【0064】
【化10】
【0065】
を表すものを含む。
【0066】
言及され得る本発明の特定の化合物には、
【0067】
【化11】
【0068】
【0069】
【化12】
【0070】
を表す場合に、
およびQまたはQのうちの一方が、-PO(OR)(OR)または-CHOPO(OR)(OR)を表し、Q、およびQまたはQのうちの他方が、Hを表し、
【0071】
【化13】
【0072】
【0073】
【化14】
【0074】
を表す場合に、Qが、Hを表し、Qが、-CHOPO(OR)(OR)を表す、ものが含まれる。
【0075】
言及され得る特定の実施形態では、
【0076】
【化15】
【0077】
は、
【0078】
【化16】
【0079】
を表す。
【0080】
より特定の実施形態では、
【0081】
【化17】
【0082】
【0083】
【化18】
【0084】
を表す。
【0085】
代替の特定の実施形態では、
【0086】
【化19】
【0087】
は、
【0088】
【化20】
【0089】
を表す。
【0090】
言及され得る特定の実施形態では、Qは、-PO(OR)(OR)を表す。
【0091】
言及され得る特定の実施形態では、
【0092】
【化21】
【0093】
は、
【0094】
【化22】
【0095】
を表し、
は、-PO(OR)(OR)を表す。
【0096】
【化23】
【0097】
【0098】
【化24】
【0099】
を表すさらなる特定の実施形態では、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
またはQ(必要に応じて)は、各々Hを表す。
【0100】
特定の実施形態では、Qは、-PO(OR)(OR)を表す。
【0101】
特定の実施形態では、Qは、-PO(OR)(OR)を表す。
【0102】
【化25】
【0103】
【0104】
【化26】
【0105】
を表すより具体的な実施形態では、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表す。
【0106】
特定の実施形態では、Qは、-CHPO(OR)(OR)を表す。
【0107】
【化27】
【0108】
【0109】
【化28】
【0110】
を表すより具体的な実施形態では、
は、-CHPO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表す。
【0111】
【化29】
【0112】
【0113】
【化30】
【0114】
を表す特定の実施形態では、
は、Hを表す。
【0115】
特定の実施形態では、Qは、Hを表す。
【0116】
特定の実施形態では、Qは、Hを表す。
【0117】
さらに特定の実施形態では、Q、QまたはQ(必要に応じて)は、Hを表す。
【0118】
言及され得る特定の実施形態では、
は、-PO(OR)(OR)(例えば、-PO(OH))を表し、
【0119】
【化31】
【0120】
は、
【0121】
【化32】
【0122】
を表し、または
は、Hを表し、
【0123】
【化33】
【0124】
は、
【0125】
【化34】
【0126】
を表し、式中、Qは、-CHOPO(OR)(OR)(例えば、-CHOPO(OH))を表し、
およびRは、本明細書で定義されるとおりである。
【0127】
言及され得る特定の実施形態では、RおよびRは各々独立して、C1~3アルキル(例えば、C1~2アルキル)またはHを表す。より特定の実施形態では、RおよびRは各々Hを表す。
【0128】
さらなる実施形態では、RおよびRは各々メチルを表すか、または各々エチルを表す。
【0129】
さらなる特定の実施形態では、Rは、イソプロピルを表し、Rは、Hを表す。
【0130】
言及され得る特定の実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物、
【0131】
【化35】
【0132】
(式中、R、R、QおよびQは、本明細書で定義されるとおりである)またはその薬学的に許容される塩である。
【0133】
言及され得る式Iaの化合物の特定の実施形態では、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表し、
は、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、クロロ、フルオロ、-CN、-CONHおよび-SOMe(特に、フェニル(すなわち、非置換))からなる群から選択される1つ以上(例えば、1つ)の基で任意に置換されていて、
は、HまたはC1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~3アルキル(例えば、Me)またはHを表し、より具体的には、Rは、イソプロピルを表し、Rは、Hを表し、またはRおよびRは各々Hを表す(例えば、RおよびRは各々Hを表す)。
【0134】
言及され得る式Iaの化合物のさらなる特定の実施形態では、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表し、
は、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上(例えば、1つ)のクロロ(特にフェニル(すなわち非置換))で任意に置換されていて、
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~2アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0135】
式Iaの化合物の他の特定の実施形態では、
は、Hを表し、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
は、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、フルオロ、クロロまたは-CN(特に、フェニル(すなわち、非置換))からなる群から選択される1つ以上(例えば、1つ)の基によって任意に置換される。
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~3アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0136】
式Iaの化合物のさらなる特定の実施形態では、
は、Hを表し、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
は、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上(例えば、1つ)のクロロ(特にフェニル(すなわち非置換))で任意に置換されていて、
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~2アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0137】
言及され得る他の特定の実施形態では、式Iの化合物は、式Ibの化合物、
【0138】
【化36】
【0139】
(式中、R、R、Qは、本明細書で定義されるとおりである)またはその薬学的に許容される塩である。
【0140】
言及され得る式Ibの化合物の特定の実施形態では、
は、-CHOPO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表し、
は、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、フルオロ、クロロおよび-CN(特に、フェニル(すなわち、非置換))から選択される1つ以上(例えば、1つ)の基で任意に置換されていて、
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~2アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0141】
言及され得る式Ibの化合物のさらなる特定の実施形態では、
は、-CHOPO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表し、
は、フェニルまたはピリジルを表し、これらの両方が、1つ以上(例えば、1つ)のクロロ(特にフェニル(すなわち非置換))で任意に置換されていて、
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~2アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0142】
言及され得る他の特定の実施形態では、式Iの化合物は、式Icの化合物、
【0143】
【化37】
【0144】
(式中、R、R、QおよびQは、本明細書で定義されるとおりである)またはその薬学的に許容される塩である。
【0145】
式Icの化合物について言及され得る特定の実施形態では、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表し、
は、クロロ、-SOMe、-CNおよび-CONHからなる群から選択される1つ以上(例えば、1つ)の基で任意に置換されたフェニル、または、特に、1つ以上(例えば、1つ)のクロロ(例えば、5-クロロピリジン-2-イル)で置換されたピリジルを表し、
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~2アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0146】
式Icの化合物について言及され得るさらなる特定の実施形態では、
は、-PO(OR)(OR)を表し、
は、Hを表し、
は、1つ以上(例えば、1つ)のクロロで任意に置換されたフェニル、または特に、1つ以上(例えば、1つ)のクロロ(例えば、5-クロロピリジン-2-イル)で任意に置換されたピリジルを表し、
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~2アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0147】
言及され得る式Icの化合物の他の特定の実施形態では、
は、Hを表し、
は、-CHOPO(OR)(OR)を表し、
は、1つ以上(例えば、1つ)のクロロで任意に置換されたフェニル、または特に、1つ以上(例えば、1つ)のクロロ(例えば、5-クロロピリジン-2-イル)で任意に置換されたピリジルを表し、
は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、
およびRは各々独立して、C1~2アルキル(例えば、Me)または特にHを表す。
【0148】
言及され得る他の特定の実施形態では、式Iの化合物は、式IAの化合物、
【0149】
【化38】
【0150】
(式中、R、R、Qおよび
【0151】
【化39】
【0152】
は、本明細書で定義されるとおりである)またはその薬学的に許容される塩である。
【0153】
当業者は、式IAの化合物が式Iの化合物の単一のエナンチオマーであることを理解するであろう。慣例にしたがって、くさび形およびハッシュ結合は、各立体中心に他の立体化学が実質的に存在しないことを示す。
【0154】
さらなる特定の実施形態では、式IAの化合物は、式IAa、IAbまたはIAcの化合物、
【0155】
【化40】
【0156】
(式中(化合物IAa、IAbおよびIAcの各々について)、R、R、Q、Q、QおよびQは、特にそれぞれ式Ia、IbおよびIcの化合物に関して、本明細書で定義されるとおりである)またはその薬学的に許容される塩である。
【0157】
さらなる特定の実施形態では、式Iの化合物は、式IBまたはICの化合物であり、
【0158】
【化41】
【0159】
式中、R、R、Q、Q、QおよびQは、特に、式Ia、IbおよびIcの化合物に関して、本明細書で定義されるとおりである。
【0160】
【化42】
【0161】
式中、R、R、Q、Q、QおよびQは、特に、式Ia、IbおよびIcの化合物に関して、本明細書で定義されるとおりである。
【0162】
言及され得る本発明の特定の化合物は、本明細書に提供される実施例において記載されるもの、およびその薬学的に許容される塩を含む。誤解を避けるために、本発明のそのような化合物が特定の塩形態の化合物を含む場合、本発明の化合物は、非塩形態およびそのいずれかの薬学的に許容される塩の形態(そのような実施例において存在する塩形態を含み得る)の化合物を含む。
【0163】
言及され得る本発明のより特定の化合物には、
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩、
[7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩、および
(2R)-2-[(5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩、
ならびにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0164】
薬学的に許容される塩
上記のように、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態であってもよい。
【0165】
特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩基付加塩である。
【0166】
より特定の実施形態では、特に、RおよびRは各々H(すなわち、リン酸-OPO(OH)基を含む化合物)を表し、薬学的に許容される塩は、二塩基付加塩である。
【0167】
本明細書で使用される場合、「二重塩基付加塩」という表現は、酸性化合物(RおよびRが各々Hを表す本発明の化合物など)と2モルの好適な塩基との反応から形成される塩を示すと理解され得る。
【0168】
特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩、またはアルカリ金属(Li、K、または特にNa)塩(単塩および二塩を含む)である。より特定の実施形態では、塩は、二アンモニウム塩または二ナトリウム塩である。
【0169】
医学的使用
本明細書で示すように、本発明の化合物、したがってそれを含む組成物およびキットは、医薬品として有用である。特に、本発明の化合物およびそれらの誘導体は、フラクタルカイン受容体(CX3CR1)活性のモジュレーターであり、したがって、フラクタルカイン受容体(CX3CR1)またはそれに関連するリガンドフラクタルカイン(CX3CL1)のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害の治療および/または予防に使用され得る。
【0170】
したがって、本発明の第2の態様によれば、医薬品として使用するための、上記で定義されたとおりである本発明の化合物(すなわち、全ての実施形態およびそれらの特定の特徴を含む、本発明の第1の態様で定義されるとおりである化合物)が提供される。
【0171】
誤解を避けるために、本発明の第1の態様で定義されるとおりである化合物への言及には、式Iの化合物(式Ia、Ib、Ic、IA、IAa、IAb、IAc、IB、ICの化合物などの、その全ての実施形態を含む)およびそれらの薬学的に許容される塩への言及が含まれる。
【0172】
誤解を避けるために、本発明の化合物は、薬理学的活性を有する、および/または経口もしくは非経口投与後に体内で代謝されて薬理学的活性を有する化合物を形成するために、有用である。
【0173】
本明細書に記載されるように、本発明の化合物は、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害を治療および/または予防するのに特に有用であり得る。
【0174】
したがって、本発明の第3の態様では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害の治療および/または予防に使用するための、上記で定義されたとおりである本発明の化合物が提供される。
【0175】
本発明の代替の第3の態様では、治療を必要としている患者に、上記で定義されたとおりである、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害の治療および/または予防に使用するための方法が提供される。
【0176】
本発明のさらなる代替の第3の態様では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害の治療および/または予防のための薬剤の製造のための、上記で定義されたとおりである本発明の化合物の使用が提供される。
【0177】
当業者は、特定の状態の「処置」(同様に、その状態を「処置する」)についての言及は、医学分野における通常の意味であると理解するであろう。特に、この用語は、状態に関連する1つ以上の臨床症状の重症度および/または発生頻度の軽減を達成することを指し、そのような症状を有するかまたはかかりやすい患者を看る医師によって判断される。例えば、癌の場合、この用語は、存在する癌細胞の量の低減(例えば、固形腫瘍を形成する癌の場合、腫瘍体積の低減によって示される)を達成することを指し得る。
【0178】
本明細書で使用する場合、「予防(prevention)」(および同様に、「予防すること(preventing)」)との用語は、疾患または障害(およびその逆も同様)の予防(prophylaxis)を指すことを含む。そのようなものとして、予防(prevention)への言及はまた、防止(prophylaxis)への言及であってもよく、逆もまた同様である。特に、この用語は、患者(または健康な対象)が状態(該状態は、患者が、医師により、関連する疾患または障害を有すると、例えば、それらの処置が必要であると診断されるような患者の状態の変化を意味すると理解され得る)を発症する可能性の低下(例えば、少なくとも10%の低下、例えば、少なくとも20%、30%または40%の低下、例えば少なくとも50%の低下)を達成することを指し得る。
【0179】
本明細書で使用する場合、患者への言及は、哺乳動物(例えばヒト)患者を含む、処置される生きた対象を指す。特に、患者への言及はヒト患者を指す。
【0180】
疑念を避けるために、当業者は、そのような処置または予防がそれを必要とする患者(または対象)で行われることを理解するであろう。患者(または対象)がそのような処置または予防を必要とすることは、日常的な技術を用いて当業者によって評価され得る。
【0181】
本明細書で使用する場合、疾患および障害の用語(および同様に、状態、病気、医学的問題などの用語)は互換的に使用され得る。
【0182】
本明細書で使用される場合、有効量という用語は、治療された患者に治療効果を与える化合物の量を指す。効果は、客観的(すなわち、ある試験またはマーカーによって測定可能)または主観的(すなわち、対象が効果の指標を与えるか、および/または効果を感じる)である方法で観察されてもよい。特に、効果は、当業者に知られている適切な試験を使用して、客観的な方法で観察(例えば、測定)されてもよい。
【0183】
CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連することが知られている疾患および障害には、急性および/または慢性炎症、眼疾患(黄斑変性など)、肺疾患(肺動脈性高血圧、喘息および肺線維症など)、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎および掻痒症など)、関節および/または骨疾患(骨関節炎、骨粗鬆症および再生不良性貧血など)、自己免疫疾患(強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性硬化症および関節リウマチなど)、心血管および代謝性疾患(脳卒中および動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症を含む)、不安定狭心症、心筋梗塞、頸動脈疾患、慢性心不全、炎症性心筋症、末梢動脈疾患および糖尿病など)、脳および神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病および外傷性脳損傷など)、疼痛(慢性疼痛、線維筋痛症、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛、椎間板ヘルニアなど)、癌(卵巣癌、肺癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、B細胞リンパ腫および乳癌など)、肝疾患(肝硬変など)、腎臓病(IgA腎症、腎炎症、狼瘡、虚血再灌流傷害、虚血性急性腎不全および造影剤誘発性腎損傷など)、胃腸疾患(大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、膵炎など)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)(HIV-1、およびHIV関連認知症)ならびに気分障害(うつ病、不安症、統合失調症および自閉症スペクトラム障害など)が含まれる。
【0184】
言及され得るCX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連することが知られている特定の疾患および障害には、眼疾患(黄斑変性症など)、肺疾患(肺動脈高血圧症、喘息および肺線維症など)、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎および掻痒症など)、関節および/または骨疾患(骨関節炎、骨粗鬆症および再生不良性貧血など)、自己免疫疾患(強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性硬化症および関節リウマチなど)、心血管および代謝性疾患(動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症を含む)、不安定狭心症、心筋梗塞、頸動脈疾患、慢性心不全および糖尿病)、脳および神経変性疾患(アルツハイマー病および外傷性脳損傷など)、疼痛(慢性疼痛、線維筋痛症、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛および椎間板ヘルニアなど)、癌(卵巣癌、肺癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、B細胞リンパ腫および乳癌など)、肝疾患(肝硬変など)、腎疾患(IgA腎症、腎炎症、狼瘡および虚血再灌流傷害など)、胃腸疾患(大腸炎、炎症性腸疾患および膵炎など)、ならびにヒト免疫不全ウイルス(HIV)(HIV-1およびHIV関連認知症など)が含まれる。
【0185】
特定の実施形態(すなわち、本発明の第3の態様の特定の実施形態)では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患または障害は、眼疾患、肺疾患、皮膚疾患、関節および/または骨疾患、自己免疫疾患、心血管疾患、代謝性疾患、脳疾患、神経変性疾患、疼痛、癌、肝疾患、腎疾患、胃腸疾患、およびヒト免疫不全ウイルスから選択される。
【0186】
特定の実施形態(すなわち、本発明の第3の態様の特定の実施形態)では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患または障害は、眼疾患、肺疾患、皮膚疾患、関節および/または骨疾患、自己免疫疾患、心血管疾患、代謝性疾患、脳疾患、神経変性疾患、疼痛、癌、肝疾患、腎疾患、胃腸疾患、ヒト免疫不全ウイルスおよび気分障害から選択される。
【0187】
より特定の実施形態では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連するフラクタルカイン関連疾患または障害は、黄斑変性症、肺動脈高血圧症、喘息、肺線維症、アトピー性皮膚炎、掻痒症、骨関節炎、骨粗鬆症、再生不良性貧血、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性硬化症、関節リウマチ、動脈硬化症、不安定狭心症、心筋梗塞、頸動脈疾患、慢性心不全、糖尿病、アルツハイマー病、外傷性脳損傷、慢性疼痛、線維筋痛症、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛、椎骨間椎間板ヘルニア、癌(例えば、卵巣癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、B細胞リンパ腫および乳癌)肝肝硬変、IGA腎症、腎炎症、狼瘡、虚血再灌流傷害、大腸炎、炎症性腸疾患、膵炎、ヒト免疫不全ウイルス-1およびヒト免疫不全ウイルス関連認知症、脳卒中、パーキンソン病、うつ病、不安神経症、統合失調症ならびに自閉症スペクトラム障害から選択される。
【0188】
より特定の実施形態では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連するフラクタルカイン関連疾患または障害は、黄斑変性症、肺動脈高血圧症、喘息、肺線維症、アトピー性皮膚炎、掻痒症、骨関節炎、骨粗鬆症、再生不良性貧血、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性硬化症、関節リウマチ、動脈硬化症、不安定狭心症、心筋梗塞、頸動脈疾患、慢性心不全、糖尿病、アルツハイマー病、外傷性脳損傷、慢性疼痛、線維筋痛症、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛、椎骨間椎間板ヘルニア、癌(例えば、卵巣癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、B細胞リンパ腫および乳癌)肝肝硬変、IGA腎症、腎炎症、狼瘡、虚血再灌流傷害、大腸炎、炎症性腸疾患、膵炎、ヒト免疫不全ウイルス-1およびヒト免疫不全ウイルス関連認知症から選択される。
【0189】
より特定の実施形態では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、慢性心不全、炎症性心筋症、線維筋痛症、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛、B細胞リンパ腫、乳癌、IgA腎症、狼瘡、虚血性急性腎不全および膵炎から選択される。
【0190】
さらにより具体的な実施形態では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患または障害は、心筋梗塞、動脈硬化、多発性硬化症、関節リウマチ、クローン病、膵炎、神経障害性疼痛、化学療法誘発性疼痛ならびに癌(例えば、卵巣癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、B細胞リンパ腫および乳癌)から選択される。
【0191】
特定の実施形態では、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患または障害の治療は、CX3CL1の血漿レベルが著しく上昇している患者におけるものである。例えば、そのような患者においては、1ミリリットルあたり約300ピコグラム(pg/mL)を超えるCX3CL1の血漿濃度を有してもよい。特に、そのような患者は、約350pg/mL~約600pg/mLのCX3CL1の血漿濃度を有してもよい。
【0192】
薬学的組成物
本明細書に記載されるように、本発明の化合物は、医薬品として有用である。このような化合物は、単独で投与されてもよく、または既知の薬学的組成物/製剤を経由して投与されてもよい。
【0193】
本発明の第4の態様では、本明細書で定義される化合物、ならびに任意に1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物が提供される。
【0194】
本明細書で使用される場合、薬学的に許容される賦形剤という用語は、ビヒクル、アジュバント、担体、希釈剤、pH調整剤および緩衝剤、張度調整剤、安定剤、湿潤剤などへの言及を含む。特に、そのような賦形剤は、アジュバント、希釈剤または担体を含んでもよい。
【0195】
本発明の第4の態様の特定の実施形態では、薬学的組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0196】
誤解を避けるために、特定の使用(および同様に、本発明の化合物に関する使用および使用方法)のためである本発明の化合物に対する本明細書での言及はまた、本明細書に記載の本発明の化合物を含む薬学的組成物に適用され得る。
【0197】
したがって、本発明の第5の態様では、フラクタルカイン関連疾患の治療に使用するための、本発明の第4の態様で定義される薬学的組成物が提供される(本明細書で定義されるように、本発明の第3の態様およびその全ての実施形態を参照して)。
【0198】
当業者は、本発明の化合物が全身的におよび/または局所的に(すなわち、特定の部位で)作用し、したがって、これにより当業者に既知の好適な技術を使用して投与され得ることを理解するであろう。
【0199】
当業者は、本明細書に記載の化合物および組成物が通常、経口的、静脈内、眼内、皮下、口腔内、直腸、経皮、経鼻、気管内、気管支、舌下、鼻腔内、局所的、他の非経口経路にまたは吸入により、薬学的に許容される剤形で投与されることを理解するであろう。特に、化合物は、経口的に(すなわち、経口投与により)または静脈内に投与され得る。
【0200】
本明細書に記載の薬学的組成物には、経口投与のための錠剤、カプセル剤またはエリキシル、直腸投与のための坐剤、非経口または筋肉内投与のための滅菌溶液または懸濁液などの形態の組成物が含まれる。
【0201】
したがって、特定の実施形態では、薬学的組成物は、錠剤もしくはカプセル剤、経口でもしくは注射により摂取される液体形態、坐剤、クリーム剤、ゲル剤、フォーム剤、吸入剤(例えば、鼻腔内投与される)、または局所投与に好適な形態を含む、薬学的に許容される剤形で提供される。疑義を避けるために、そのような実施形態では、本発明の化合物は、固体(例えば、固体分散物)、液体(例えば、溶液中)、またはミセルの形態などの他の形態で存在してもよい。
【0202】
例えば、経口投与のための薬学的製剤の調製において、化合物は、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、ゼラチンまたは他の好適な成分などの固体粉末成分と、ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールワックスなどの崩壊剤および滑沢剤と、混合されてもよい。次いで、混合物は、顆粒に加工されるか、または錠剤に圧縮されてもよい。
【0203】
軟質ゼラチンカプセル剤は、例えば、植物油、脂肪、または軟質ゼラチンカプセルのための他の好適なビヒクルと一緒に、1つ以上の活性化合物(例えば、本発明の第1の態様の化合物、したがって、本発明の第2および第3の態様の化合物、ならびに任意に追加の治療剤)を収容するカプセル剤で調製されてもよい。同様に、硬質ゼラチンカプセル剤は、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、アミロペクチン、セルロース誘導体またはゼラチンなどの固体粉末成分と組み合わせてそのような化合物(複数可)を含んでもよい。
【0204】
直腸投与のための投薬単位は、(i)中性脂肪基剤と混合された化合物(複数可)を収容する坐剤の形態で、(ii)植物油、パラフィン油、またはゼラチン直腸用カプセル用の他の好適なビヒクルとの混合物中に活性物質を収容するゼラチン直腸用カプセルの形態で、(iii)既製の微小浣腸剤の形態で、あるいは(iv)投与直前に好適な溶媒中で再構成される乾燥微小浣腸製剤の形態で、調製されてもよい。
【0205】
経口投与のための液体製剤は、シロップまたは懸濁液の形態で調製されてもよい(例えば、化合物(複数可)、および糖または糖アルコールからなる製剤の残りの部分、ならびにエタノール、水、グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコールの混合物を含む、溶液または懸濁液)。所望であれば、そのような液体製剤は、着色剤、着香剤、サッカリンおよびカルボキシメチルセルロースまたは他の増粘剤を含んでもよい。経口投与のための液体製剤は、使用前に好適な溶媒で再構成する乾燥粉末の形態で調製されてもよい。
【0206】
非経口投与のための溶液は、薬学的に許容される溶媒中の化合物(複数可)の溶液として調製されてもよい。これらの溶液はまた、安定化成分および/または緩衝成分を含んでもよく、アンプルまたはバイアルの形態で単位用量に分配されてもよい。非経口投与のための溶液は、使用前に好適な溶媒で即座に再構成される乾燥調製物として調製されてもよい。
【0207】
本発明の化合物(すなわち活性成分)の効力および物理的特性に応じて、言及し得る医薬製剤には、活性成分が少なくとも1重量%(もしくは少なくとも10%、少なくとも30重量%、または少なくとも50重量%)である量で存在するものが含まれる。すなわち、薬学的組成物の他の成分(すなわち、アジュバント、希釈剤、および担体の添加)に対する活性成分の比は少なくとも1:99(または少なくとも10:90、少なくとも30:70、もしくは少なくとも50:50)である。
【0208】
当業者は、本発明の化合物がさまざまな用量で(例えば、上記の製剤として)投与され得、好適な用量が当業者によって容易に決定されることを理解するであろう。経口、肺および局所的投与量(ならびに皮下投与量、但し、これらの投与量は相対的により低くてもよい)は、1日あたり約0.01mg/kg体重(mg/kg/日)~約30mg/kg/日、好ましくは、約0.1~約5.0mg/kg/日、より好ましくは、約0.5~約3.0mg/kg/日の範囲であってもよい。例えば、経口投与される場合、そのような化合物を用いた治療は、約0.01mg~約5000mg、例えば、約0.1mg~約500mg、または1mg~約400mg(例えば、約20mg~約200mg)の有効成分(複数可)を通常含む製剤を投与することを含んでもよい。静脈内投与される場合、最も好ましい用量は、一定速度の注入の間、約0.001~約10mg/kg/時の範囲であろう。有利には、処置は、そのような化合物および組成物を1日1回用量で投与することを含んでもよく、または1日の総投与量を1日2回、3回、もしくは4回の分割用量(本明細書に記載の用量を参照して1日2回、例えば、25mg、50mg、100mg、もしくは200mgの用量を1日2回)で投与し得る。
【0209】
特定の値(量など)に関して本明細書で使用する場合、「約」との用語(または「およそ」などの同様の用語)は、そのような値が定義された値の最大10%(特に、最大5%、例えば、最大1%)変動し得ることを示すと理解される。各場合において、そのような用語は、表記「±10%」などと(または関連する値に基づいて計算された特定量の変動を示すことによって)置き換えてもよいことが企図される。各場合において、そのような用語は削除してもよいこともまた企図される。
【0210】
疑念を回避するために、当業者(例えば医師)は、個々の患者に最も好適である実際の投与量を決定することができ、これは、投与経路、処置される状態の種類および重症度、ならびに処置される特定の患者の種、年齢、体重、性別、腎機能、肝機能、および応答によって変わる可能性が高い。上記の投与量は、平均の場合の例であるが、当然に、より高いまたはより低い投与量範囲が妥当である個々の事例があり得、そのような用量も本発明の範囲内に含まれる。
【0211】
本発明の化合物は、既知のフラクタルカイン受容体アンタゴニストと比較して大幅に改善された水溶性、ならびに水性環境下での長期保存に対する大幅に改善された安定性を示す。
【0212】
したがって、特定の実施形態では、本発明の1つ以上(例えば、1つ)の化合物を含む薬学的組成物は、水をさらに含む。
【0213】
より特定の実施形態では、本発明の1つ以上(例えば、1つ)の化合物を含む薬学的組成物は、水溶液の形態である。
【0214】
当業者は、水溶液の形態である薬学的組成物への言及が、有効成分、および任意に、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が水に溶解されている組成物を指すことを理解するであろう。
【0215】
大幅に向上された水溶性および水性条件下での保存に対する安定性により、本発明の化合物は、可溶化賦形剤を含む必要なしに、水(例えば、水溶液)に配合されることが可能になる。
【0216】
したがって、特定の実施形態では、本発明の1つ以上(例えば、1つ)の化合物、水、および20%(w/w)未満のI可溶化賦形剤(例えば、10%未満、例えば、5%未満(例えば、1%未満))を含む薬学的組成物が提供される。より特定の実施形態では、そのような組成物は水溶液の形態である。
【0217】
本明細書で使用される場合、可溶化賦形剤という表現は、水性環境下(水性薬学的製剤中など)で有機化合物を可溶化して、安定な溶液または有効成分の懸濁液を生成するために使用される(薬学的に許容される)賦形剤を指すと理解され得る。そのような可溶化賦形剤には、水混和性/可溶性溶媒、および水溶性界面活性剤が含まれる。そのような賦形剤の例には、エタノール、ポリエチレングリコール(PEG)(PEG400、PEG300)、ポリソルベート、シクロデキストリン、ジメチルスルホキシド、ポリソルベート80(Tween80)、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、ジメチルアセトアミド、ポリオキシエチル化ヒマシ油(例えば、Chremophor)、ポリオキシエチル化グリセリド、ステアリルアルコール、オレイルアルコールが含まれる。
代替の実施形態では、本発明の化合物を含む薬学的組成物は、(乾燥)粉末(すなわち、本発明の化合物を含む粉末、および任意に、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤)の形態である。上記のように、そのような粉末は、投与前に好適な液体(特に、水、任意に、薬学的に許容される賦形剤の水溶液の形態)で再構成されて、液体剤形(例えば、水溶液)を形成し得ることが想定される。
【0218】
特定の実施形態では、本発明の化合物(および/またはそれを含む薬学的製剤)を含む組成物は、経口または静脈内投与(例えば、経口投与)に好適な剤形である。
【0219】
組み合わせおよび構成成分キット(kits-of-parts)
したがって、当業者は、本発明の化合物による治療が、同じ状態に対するさらなる治療(複数可)または予防方法をさらに含み(すなわち、組み合わせ)得ることを理解するであろう。特に、本発明の化合物による治療は、当業者に知られているように、フラクタルカイン関連疾患の治療または予防に有用である1種以上の他の治療剤による治療および/または治療(手術による治療など)で使用される1つ以上の物理的方法などの、本明細書に記載のフラクタルカイン関連疾患、例えば、炎症性疾患、自己免疫疾患、癌および/または心血管疾患、を治療するための手段と組み合わされ得る。
【0220】
本明細書に記載されるように、本発明の化合物はまた、フラクタルカイン関連疾患の治療および/または予防に有用な1種以上の他の(すなわち、異なる)治療剤(すなわち、本発明の化合物ではない薬剤)と組み合わされてもよい。1種以上の他の治療剤と共に本発明の化合物を投与するそのような組み合わせ生成物は、別々の製剤として提示され得るか(ここでそれらの製剤うちの少なくとも1つは本発明の化合物を含み、少なくとも1つは他の治療剤を含む)、または組み合わせ調製物として提示(すなわち、製剤化)され得る(すなわち、本発明の化合物および1種以上の他の治療剤を含む単一製剤として提示され得る)。
【0221】
したがって、本発明の第6の態様によれば、
(I)上記で定義されたとおりである(すなわち、その中の全ての実施形態および特定の特徴を含む本発明の第1の態様において)本発明の化合物と、
(II)CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患もしくは障害(眼疾患、肺疾患、皮膚疾患、関節および/または骨疾患、自己免疫疾患、心血管疾患、代謝性疾患、脳疾患、神経変性疾患、疼痛、癌、肝疾患、腎疾患、胃腸疾患および本明細書に記載のヒト免疫不全ウイルスなど)の治療および/または予防に有用な1種以上の他の治療剤と、を含む組み合わせ生成物が提供され、
成分(I)および(II)の各々は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と任意に混合して製剤化される。
【0222】
本発明の第7の一態様では、
(a)上記で定義されたとおりである(すなわち、本発明の第4の態様において)薬学的製剤と、
(b)任意に、1種以上の薬学的に許容される賦形剤と混合した、CX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患または障害(眼疾患、肺疾患、皮膚疾患、関節および/または骨疾患、自己免疫疾患、心血管疾患、代謝性疾患、脳疾患、神経変性疾患、疼痛、癌、肝疾患、腎疾患、胃腸疾患、および本明細書に記載のヒト免疫不全ウイルスなど)の治療または予防に有用な1つ以上の他の治療剤と、を含む、構成成分キットが提供され、
これらの成分(a)および(b)は各々、他方と共に(すなわち、同時にまたは順次に)投与するのに好適な形態で提供される。
本明細書に記載の構成成分キットに関して、「と一緒に投与」(および同様に、「と一緒に投与される」)には、それぞれの製剤が、関連する状態の治療に向けての医学的介入の一部として、順次に、別々に、または同時に投与されることを含む。
【0223】
したがって、本発明に関連して、「と一緒に投与」(および同様に「と一緒に投与される」)との用語は、2つの活性成分(本発明の化合物およびフラクタルカイン関連疾患を治療および/または予防するためのさらなる薬剤、またはそれを含む組成物)が、関連する状態の治療および予防の過程にわたって、一緒にまたは時間的に十分に近接して(任意に繰り返して)投与されて、いずれかの薬剤が処置および予防の同じ過程にわたって他の成分の非存在下で単独で(任意に繰り返して)投与される場合よりも、より大きい患者のための有益な効果を可能とすることを含む。特定の状態の治療または予防に関しておよびその過程にわたって組み合わせがより大きな有益な効果を提供するかどうかの判定は、治療または予防される状態に依存するであろうが、当業者によって日常的に達成し得る。
【0224】
さらに、本発明の文脈において、「と一緒に」という用語は、2つの製剤のうちの一方が、他方の構成要素の投与の前、後、および/または同時に投与され得る(任意で繰り返して)ことを含む。この文脈で使用する場合、「同時に(simultaneously)投与される」および「と同時に(at the same time as)投与される」の用語は、本発明の化合物、ならびCX3CR1および/またはCX3CL1のレベルの上昇に関連する疾患または障害を治療するための追加の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の個々の用量を、互いに48時間(例えば24時間、12時間、6時間、3時間、2時間、1時間、45分、30分、20分、または10分)以内に投与される例を含む。
【0225】
本明細書で使用される場合、特定の方法で「有用」な他の治療剤(例えば、特定の疾患または障害の治療における)への言及は、その方法での使用に好適であることが知られている薬剤(例えば、その目的のために一般的に使用される薬剤)を指す。したがって、そのような言及は、関連する目的に「好適な」薬剤への言及に置き換えられてもよい。
【0226】
フラクタルカイン関連疾患(本明細書に記載されているものなど)の治療および/または予防に有用な他の治療剤は、当業者によく知られているであろう。例えば、そのような他の治療剤には以下が含まれ得る:
抗炎症薬(非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド、および標的抗炎症抗体など);
抗癌剤(アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤、免疫調節剤、標的療法(例えば、エグキナーゼ阻害剤)、DNA修復干渉剤など);
心血管疾患を治療するための化合物(ACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、抗不整脈薬、抗凝固薬、抗血小板薬、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、コレステロール低下薬(スタチンなど)、およびアセチルサリチル酸など)。
【0227】
化合物/組成物の調製
本明細書で定義される薬学的組成物/製剤、組み合わせ生成物、およびキットは、標準的および/または容認されている薬務に従って調製することができる。
【0228】
したがって、本発明のさらなる態様では、上記で定義されたとおりである薬学的組成物/製剤を調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは、上記で定義されたとおりである本発明の化合物を1種以上の薬学的に許容される賦活材と関連付けることを含む。
【0229】
本発明のさらなる態様では、上記で定義されたとおりである組み合わせ生成物または構成成分キットを調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは、上記で定義されたとおりである本発明の化合物を、関連する疾患または障害の治療に有用である他の治療剤および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と関連付けることを含む。
【0230】
本明細書で使用される場合、関連付けることへの言及は、2つの成分が、互いに一緒に投与するのに適格とすることを意味し得る。
【0231】
したがって、上記で定義されたとおりである構成成分キットを調製するためのプロセスに関して、2つの成分を互いに「関連付ける」には、構成成分キットの2つの成分が:
(i)別々の製剤(すなわち、互いに独立した)として提供され、これらは、その後、組み合わせ療法において互いに併せた使用のために一緒に投与され得ること;または、
(ii)組み合わせ療法において互いに併せた使用のための「組み合わせパック」の別々の成分として一緒にパッケージングおよび提供され得ること、が含まれる。
【0232】
本明細書に記載の本発明の化合物は、以下に提供される実施例に記載されるものなどの、当業者に周知の技法に従って調製することができる。
【0233】
本発明の化合物に対する前駆体化合物((2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール塩酸塩および5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(式IIの化合物)は、Karlstrom S.ら(J.Med.Chem.,2013,56,3177-3190(支援情報を含む))、WO2006/107258およびWO2008/039138の手順などの当該技術分野で知られている手順に従って調製され得る。
【0234】
したがって、本発明の第8の態様によれば、上記で定義されたとおりである本発明の化合物を調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは、
(a)Qが-PO(OR)(OR)を表し、RおよびRが本明細書で定義されるとおりである化合物の場合、
(i)式IIの化合物を、
【0235】
【化43】
【0236】
(式中、RおよびRが本明細書で定義されるとおりであり、
【0237】
【化44】
【0238】
【0239】
【化45】
【0240】
を表す)
好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはメチルtert-ブチルエーテル)および好適な塩基(例えば、ピリジンまたはトリエチルアミン)の存在下でのオキシ塩化リンと、反応させることと、次いで、
(ii)反応混合物に水またはROH/ROHを添加することと、
(b)Qが-PO(OR)(OR)を表す化合物の場合、
式IIIの化合物を、
【0241】
【化46】
【0242】
(式中、
およびRは上記で定義されたとおりであり、
PGは、好適な酸素保護基(例えば、シリル保護基、例えば、トリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリルまたはトリイソプロピルシリル)を表す)
五塩化リン、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン)、および任意に好適な塩基(例:ピリジン)の存在下で、反応させることと、
(c)QまたはQが-CHOPO(OR)(ORを表し、RおよびRの少なくとも一方がC1~4アルキルまたはC2~4アルケニルを表す化合物の場合、
式IIの化合物を、
【0243】
【化47】
【0244】
(式中、RおよびRが本明細書で定義されたとおりであり、
【0245】
【化48】
【0246】
【0247】
【化49】
【0248】
を表す)
式IVの化合物と、
【0249】
【化50】
【0250】
(式中、RおよびRは、本明細書で定義されるとおりであるが、但し、RおよびRのうちの少なくとも1つがC1~4アルキルまたはC2~4アルケニルを表し、LGが好適な脱離基(ハロ(例えば、Cl、Br)など)を表すことを条件とする)
好適な塩基(例えば、KCO)および好適な溶媒(例えば、アセトニトリル)の存在下で、反応させることと、
(d)QまたはQが、-CHOPO(OH)を表す化合物の場合、
(i)式IIの化合物を、
【0251】
【化51】
【0252】
(式中、RおよびRが本明細書で定義されたとおりであり、
【0253】
【化52】
【0254】
【0255】
【化53】
【0256】
を表す)
式Vの化合物と、
【0257】
【化54】
【0258】
(式中、RおよびRがC1~6アルキルを表し、LGが好適な脱離基(ハロ(例えば、Cl、Br)など)を表す)
好適な塩基(例えば、KCO)および好適な溶媒(例えば、アセトニトリル)の存在下で、反応させることと、
(ii)好適な酸(例えば、HCl)および適切な溶媒(例えば、ジオキサン)の存在下で形成された生成物を反応させることと、を含む。
【0259】
式IIおよびVの化合物は、市販されている、文献において既知である、または本明細書に記載の方法と同様にしてもしくは従来の合成手順によるかのいずれかで、標準的な方法にしたがって、適当な試薬および反応条件を用いて入手可能な出発物質から得られ得るかのいずれかである。これに関して、当業者は、特に、B.M.TrostおよびI.Flemingによる“Comprehensive Organic Synthesis”,Pergamon Press,1991を参照することができる。採用してもよいさらなる参考文献には、Chapman&Hallが公開したJ.A.Joule、K.MillsおよびG.F.Smithによる”Heterocyclic Chemistry”、第3版、A.R.Katritzky、C.W.ReesおよびE.F.V.Scrivenによる“Comprehensive Heterocyclic Chemistry II”、Pergamon Press,1996、ならびに“Science of Synthesis”,Volumes 9-17(Hetarenes and Related Ring Systems),Georg Thieme Verlag,2006が含まれる。
【0260】
当業者は、本明細書で定義された置換基および該置換上の置換基が、当業者に周知の方法により、本発明の化合物の調製について上記の方法の後またはその間に1回以上修飾されてもよいことを理解するであろう。そのような方法の例には、置換、還元、酸化、脱水素化、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、加水分解、エステル化、エーテル化、ハロゲン化、およびニトロ化が含まれる。前駆体基は、反応順序の間いつでも、異なるそのような基または式Iで定義された基に変えることができる。当業者はまた、A.R.Katritzky,O.Meth-CohnおよびC.W.Reesによる“Comprehensive Organic Functional Group Transformations”,Pergamon Press,1995、および/またはR.C.Larockによる“Comprehensive Organic Transformations”,Wiley-VCH,1999を参照し得る。
【0261】
本発明の化合物は、それらの反応混合物から単離され、必要な場合には当業者に既知のものなどの従来技術を用いて精製することができる。したがって、本明細書に記載の本発明の化合物の調製方法は、最終工程として、本発明の化合物の単離および任意選択での精製を含んでもよい。
【0262】
本明細書に記載の方法において、中間体化合物の官能基を保護基によって保護する必要があり得ることを当業者は理解するであろう。官能基の保護および脱保護は、先に言及したスキームにおける反応の前または後に行ってもよい。
【0263】
式III、IVおよびVの化合物は保護基を特徴とする。保護基は、当業者に周知であって以下に記載されるような技術に従って適用および除去することができる。例えば、本明細書に記載の保護された化合物/中間体は、標準的な脱保護技術を用いて、保護されていない化合物に化学的に変換することができる。関与する化学の種類は、保護基の必要性および種類ならびに合成を達成するための順序を決定付けるであろう。保護基の使用は、“Protective Groups in Organic Synthesis”,第3版,T.W.Greene&P.G.M.Wutz,Wiley-Interscience(1999)に十分に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0264】
特に、酸素原子のシリルエーテル保護基は、好適な塩基(例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはN,N-ジメチルアミノピリジン)の存在下で、関連するアルコールを好適なトリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルクロリドまたはtert-ブチルジメチルシリルクロリド)と反応させることによって適用され得る。シリルエーテル保護基は、好適なフッ化物源の存在下で除去され得る。(例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド)。窒素原子のカルバメート保護基は、好適な塩基の存在下で、関連するアミン基を適切なクロロホルメートまたは炭酸無水物(例えば、二炭酸ジ-tert-ブチル)と任意に反応させることによって適用することができ、当業者に知られているように、好適な酸性または塩基性条件下で除去され得る。ベンジル保護基は、好適な塩基の存在下で関連する窒素原子を好適なハロゲン化ベンジルと反応させることによって適用され得、当業者に知られている好適な条件下で除去され得る(例えば、2,4-ジメトキシベンジル基は、硝酸セリウムアンモニウムおよび好適な溶媒の存在下で除去され得る)。
【0265】
本発明の化合物は、水溶性および水性条件下での保存に対する安定性に関して、既知のフラクタルカイン受容体アンタゴニストに対してかなりの利点を提供すると考えられている。
【0266】
本発明の化合物は、上記の適応症での使用のためまたは他での使用のために拘わらず、先行技術で既知の化合物よりも、より効果的であり、より毒性が低く、より長く作用し、より副作用が少なく、より容易に吸収されやすく、および/またはより優れた薬物動態特性(例えば、より高い経口バイオアベイラビリティおよび/またはより低いクリアランス)を有し、および/または他の有用な薬理学的、物理的、または化学的特性を有し得るという利点を有し得る。特に、本発明の化合物は、インビボでより有効でありおよび/または有利な特性を示すという利点を有し得る。
【0267】
特に、本発明の化合物は、既知のフラクタルカイン受容体アンタゴニストよりも高い投与量および/またはより長い治療レジメンでの治療を可能にし得、したがって、患者に対して利用可能な治療選択肢に関してかなりの利点を提供すると考えられる。
【実施例
【0268】
一般的な手順
本明細書において以下の略語が使用される。
DCM:ジクロロメタン
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
ESI:エレクトロスプレイイオン化
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
MeOH:メタノール
MS:質量分析
NMR:核磁気共鳴
H NMRおよび13C NMRスペクトルは、三重共鳴プローブを備えたVarian Inova 600において記録された。全てのスペクトルは、内部標準として残留溶媒プロトン共鳴を使用して記録された。分析HPLCを、Agilent Series 1100システムで、移動相としてのMilliQ HO/CHCN(酸性系)中に0.1%のギ酸を含むKinetex C18(2.6μm、3.0x50mm)カラムか、または移動相としての10mM pH10 NHHCO/CHCN(塩基性系)を含むKinetex EVO(2.6μm、3.0x50mm)カラムのいずれかを使用して、実行した。エレクトロスプレイ質量分析(ES-MS)は、Agilent 1100 Series Liquid Chromatograph/Mass Selective Detector(MSD)を使用して実行して、標的分子の疑似分子[M+H]イオンを取得した。分取HPLCを、Gilson 306 HPLCシステムで、移動相としてのMilliQ HO/CHCN(酸性系)中に0.1%のTFAを含むKinetex C18(5μm、21x100mm)カラムか、または移動相としての50mM pH10 NHHCO/CHCN(塩基性系)を含むGemini NX(2.6μm、21x100mm)カラムのいずれかを使用して、実行した。画分を、対象化合物の最大波長でのUVシグナルに基づいて収集した。分取フラッシュクロマトグラフィーを、Merckシリカゲル60(230~400メッシュ)またはYMCゲル120Å S-150μmで実行した。マイクロ波反応を、Biotage Initiator装置で、アルミニウムキャップおよび隔壁を備えた0.5~2mLまたは2~5mLのBiotage Process Vialを使用して、実行した。化合物は、ソフトウェアACD Labs10.0を使用して命名された。
【0269】
実施例1
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルリン酸二リン酸塩の調製
【0270】
【化55】
【0271】
オキシ塩化リン(337mg、2.2mmol)をTHF(0.75mL)に溶解し、水(25mg、1.4mmol)を加えた。混合物を氷浴中で冷却し、ピリジン(111mg、113μL、1.4mmol)を、続いて(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール塩酸塩(110mg、0.25mmol)(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177-3190、WO2006/107258)を加えた。反応混合物を氷浴温度で1時間撹拌した。THF中のオキシ塩化リン(337mg、2.2mmol)および水(25mg、1.4mmol)の混合物に、氷浴温度でピリジン(111mg、113μL、1.4mmol)を加えた。この混合物の半分を上記の反応混合物に加えた。反応混合物を氷浴温度でさらに1時間撹拌した。水(3mL)を加え、反応混合物を氷浴温度で15分間、そして室温で20分間撹拌した。DCM(3mL)を加え、相を分離した。水相をDCMの別の部分(3mL)で抽出し、有機相を化合させた。この時点で、生成物は有機相で淡黄色のガムとして沈殿し始めた。MeOHを加え、今や均質になった溶液を丸底フラスコに移し、蒸発させて、120mgの粗生成物を得、これは、HPLCによれば、約93%の純度であった。粗物質をMeOH/水混合物に溶解し、1MのNaOHでpHを約6~7に調整した。材料を分取HPLC(塩基性方法)により精製した。純画分を貯留し、蒸発させ、真空乾燥した。生成物は、精製後二アンモニウム塩であると推定された。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.43~7.47(m,2 H)7.30~7.35(m,2 H)7.20 ~ 7.24(m,1 H)5.08(q,J=7.03 Hz,1 H)4.59~4.68(m,1 H)3.92(ddd,J=10.12,5.67,4.30 Hz,1 H)3.88(dt,J=10.12,4.94 Hz,1 H)1.74(d,J=7.03 Hz,3 H)1.71~1.79(m,1 H)1.68(ddd,J=13.87,9.54,5.67 Hz,1 H)1.57(ddd,J=13.87,8.54,5.33 Hz,1 H)0.98(d,J=6.71 Hz,3 H)0.96(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 484[M+H]
【0272】
実施例1b
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0273】
【化56】
【0274】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、55%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 7.98(br.s.,4 H)8.09(br.s.,2 H)7.50~7.57(m,2 H)7.26~7.32(m,2 H)7.15~7.20(m,4 H)7.30(br.s.,4 H)5.25(q,J=7.0 Hz,1 H)5.24(q,J=7.2 Hz,1 H)4.22~4.30(m,1 H)4.14~4.25(m,1 H)3.75~3.82(m,1 H)3.65~3.76(m,3 H)1.69(d,J=7.0 Hz,3 H)1.66(d,J=7.2 Hz,3 H)1.56~1.65(m,2 H)1.46~1.57(m,2 H)1.41(ddd,J=13.4,6.9,6.8 Hz,2 H)0.88(d,J=6.6 Hz,3 H)0.88(d,J=6.6 Hz,3 H)0.85(d,J=6.7 Hz,3 H)0.84(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 502[M+H]
【0275】
実施例1c
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0276】
【化57】
【0277】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、55%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.31(br.s.,2 H)7.95(br.s.,4 H)7.61(dd,J=7.8,1.8 Hz,1 H)7.60(dd,J=7.8,1.8 Hz,1 H)7.45(dd,J=8.0,1.4 Hz,1 H)7.45(dd,J=8.0,1.4 Hz,1 H)7.35(ddd,J=7.8,7.3,1.4 Hz,1 H)7.34(ddd,J=7.8,7.3,1.4 Hz,1 H)7.28(ddd,J=8.0,7.3,1.8 Hz,1 H)7.28(ddd,J=8.0,7.3,1.8 Hz,1 H)6.77~7.56(m,4 H)5.42(q,J=6.9 Hz,1 H)5.36(q,J=6.9 Hz,1 H)4.16~4.29(m,2 H)3.76~3.84(m,1 H)3.64~3.76(m,3 H)1.71(d,J=6.9 Hz,3 H)1.67(d,J=6.9 Hz,3 H)1.49 - 1.65(m,4 H)1.37~1.45(m,2 H)0.89(d,J=6.4 Hz,3 H)0.88(d,J=6.4 Hz,3 H)0.87(d,J=6.6 Hz,3 H)0.83(d,J=6.1 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 518[M+H]
【0278】
実施例1d
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0279】
【化58】
【0280】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、16%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.57(dd,J=2.5,0.7 Hz,1 H)8.55(dd,J=2.5,0.7 Hz,1 H)8.02(br.s.,4 H)7.88(dd,J=8.5,2.5 Hz,1 H)7.84(dd,J=8.4,2.5 Hz,1 H)7.58(dd,J=8.5,0.7 Hz,1 H)7.56(dd,J=8.5,0.7 Hz,1 H)6.93~7.51(m,4 H)5.14(q,J=7.2 Hz,1 H)5.07(q,J=7.2 Hz,1 H)4.40~4.51(m,1 H)4.15~4.26(m,1 H)3.74~3.82(m,3 H)3.71(dt,J=10.3,6.0 Hz,1 H)1.66(d,J=7.2 Hz,3 H)1.64(d,J=7.2 Hz,3 H)1.54~1.65(m,2 H)1.44~1.54(m,2 H)1.40(ddd,J=13.7,8.9,4.8 Hz,1 H)1.35(ddd,J=13.7,8.7,4.7 Hz,1 H)0.87(d,J=6.7 Hz,3 H)0.85(d,J=6.4 Hz,3 H)0.84(d,J=6.5 Hz,3 H)0.76(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 519[M+H]
【0281】
実施例1e
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0282】
【化59】
【0283】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、7%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.75(br.s.,1 H)8.39~8.42(m,2 H)7.95(br.s.,4 H)7.68~7.74(m,2 H)7.36~7.43(m,2 H)7.15(br.s.,5 H)5.49(q,J=6.9 Hz,1 H)5.45(q,J=6.9 Hz,1 H)4.13~4.33(m,2 H)3.74~3.85(m,2 H)3.67~3.75(m,2 H)1.71(d,J=6.9 Hz,3 H)1.68(d,J=6.9 Hz,3 H)1.58~1.67(m,2 H)1.48~1.59(m,2 H)1.40~1.48(m,2 H)0.90(d,J=6.5 Hz,3 H)0.90(d,J=6.5 Hz,3 H)0.87(d,J=6.7 Hz,3 H)0.86(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 503[M+H]
【0284】
実施例1f
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0285】
【化60】
【0286】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、50%の収率で、3-{1-[(2-アミノ-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチルベンゾニトリル(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.17(br.s.,1 H)7.99(br.s.,4 H)8.04(br.s.,1 H)7.92(t,J=1.6 Hz,1 H)7.90(t,J=1.7 Hz,1 H)7.80~7.85(m,2 H)7.67~7.70(m,2 H)7.56(t,J=7.8 Hz,1 H)7.51(t,J=7.8 Hz,1 H)7.26(br.s.,4 H)5.03(q,J=7.2 Hz,1 H)5.03(q,J=7.2 Hz,1 H)4.18~4.29(m,1 H)4.06~4.16(m,1 H)3.64 - 3.74(m,4 H)1.66(d,J=7.2 Hz,3 H)1.65(d,J=7.2 Hz,3 H)1.53~1.62(m,2 H)1.37~1.51(m,4 H)0.88(d,J=6.6 Hz,3 H)0.86(d,J=6.5 Hz,3 H)0.85(d,J=6.5 Hz,3 H)0.78(d,J=6.5 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 509[M+H]
【0287】
実施例1g
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-カルバモイルフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0288】
【化61】
【0289】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、17%の収率で、単一のジアステレオマーとして3-{1-[(2-アミノ-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチル}ベンズアミド(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は単一のジアステレオマーである。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.03(t,J=1.85 Hz,1 H)7.75(ddd,J=7.70,1.85,1.10 Hz,1 H)7.71(dddd,J=7.70,1.85,1.10,0.42 Hz,1 H)7.42(t,J=7.70 Hz,1 H)5.14(q,J=7.19 Hz,1 H)4.35~4.43(m,1 H)3.98(ddd,J=9.85,5.11,4.37 Hz,1 H)3.91(ddd,J=9.85,5.20,5.02 Hz,1 H)1.73(d,J=7.19 Hz,3 H)1.58~1.67(m,2 H)1.48~1.55(m,1 H)0.91(d,J=6.39 Hz,3 H)0.76(d,J=6.39 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 527[M+H]
【0290】
実施例1h
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(4-メチルスルホニル)フェニル]エチル}スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル]アミノ}-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0291】
【化62】
【0292】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、39%の収率で、単一のジアステレオマーとして(2R)-2-{[(2-アミノ-5-{[1-[4-(メチルスルホニル)フェニル]エチル}スルファニル)[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル]アミノ}-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は単一のジアステレオマーである。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.22(br.s.,2 H)7.83~7.88(m,2 H)7.73~7.78(m,2 H)7.34(br.s.,1 H)5.08(q,J=7.3 Hz,1 H)4.22~4.33(m,1 H)3.88(dt,J=9.9,5.4 Hz,1 H)3.76(td,J=9.9,6.1 Hz,1 H)3.18(s,3 H)1.64(d,J=7.3 Hz,3 H)1.53~1.61(m,1 H)1.51(ddd,J=13.6,10.3,4.9 Hz,1 H)1.37(ddd,J=13.6,9.2,4.3 Hz,1 H)0.85(d,J=6.6 Hz,3 H)0.72(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 562[M+H]
【0293】
実施例1i
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[4-(メチルスルホニル)ベンジル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0294】
【化63】
【0295】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、22%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[4-(メチルスルホニル)ベンジル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.02(br.s.,2 H)7.81~7.86(m,2 H)7.66~7.71(m,2 H)7.17(br.s.,2 H)4.45(d,J=14.3 Hz,1 H)4.39(d,J=14.3 Hz,1 H)4.20~4.34(m,1 H)3.67~3.76(m,2 H)3.17(s,3 H)1.52~1.61(m,1 H)1.46(ddd,J=13.7,9.0,6.0 Hz,1 H)1.38(ddd,J=13.7,8.1,5.5 Hz,1 H)0.83(d,J=6.6 Hz,3 H)0.78(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 548[M+H]
【0296】
実施例1j
(2R)-2-({2-アミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0297】
【化64】
【0298】
表題化合物を、実施例1について記載された方法を使用して、43%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル}アミノ)-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.51(ddd,J=4.8,1.9,1.0 Hz,1 H)8.51(ddd,J=4.8,1.9,1.0 Hz,1 H)8.00(br.s.,4 H)7.74(ddd,J=7.9,7.4,1.9 Hz,1 H)7.73(ddd,J=7.9,7.4,1.9 Hz,1 H)7.51(dt,J=7.9,1.0 Hz,1 H)7.49(dt,J=7.9,1.0 Hz,1 H)7.47(br.s.,1 H)7.25(ddd,J=7.4,4.8,1.0 Hz,1 H)7.23(ddd,J=7.4,4.8,1.0 Hz,1 H)7.17(br.s.,4 H)5.13(q,J=7.0 Hz,1 H)5.09(q,J=7.0 Hz,1 H)4.34~4.48(m,1 H)4.15~4.29(m,1 H)3.66~3.83(m,4 H)1.67(d,J=7.0 Hz,3 H)1.66(d,J=7.0 Hz,3 H)1.54 1.66(m,2 H)1.45~1.54(m,2 H)1.41(ddd,J=13.8,8.5,5.3 Hz,1 H)1.39(ddd,J=13.8,8.5,5.3 Hz,1 H)0.88(d,J=6.6 Hz,3 H)0.86(d,J=6.7 Hz,3 H)0.85(d,J=6.6 Hz,3 H)0.78(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 485[M+H]
【0299】
実施例1k
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジメチルリン酸塩
【0300】
【化65】
【0301】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにMeOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、27%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.45~7.48(m,2 H)7.30~7.34(m,2 H)7.20~7.24(m,1 H)5.06(q,J=7.1 Hz,1 H)4.67~4.74(m,1 H)3.97(ddd,J=10.2,6.6,5.7 Hz,1 H)3.94(ddd,J=10.2,6.5,4.9 Hz,1 H)3.68(d,J=11.1 Hz,3 H)3.63(d,J=11.1 Hz,3 H)1.72~1.79(m,1 H)1.72(d,J=7.1 Hz,3 H)1.62(ddd,J=13.9,10.5,5.0 Hz,1 H)1.42(ddd,J=13.9,9.3,4.4 Hz,1 H)0.99(d,J=6.7 Hz,3 H)0.97(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 512[M+H]
【0302】
実施例1l
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジエチルリン酸塩
【0303】
【化66】
【0304】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、68%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.45~7.48(m,2 H)7.29~7.34(m,2 H)7.20~7.24(m,1 H)5.05(q,J=7.1 Hz,1 H)4.66~4.74(m,1 H)4.01(dq,J=8.2,7.1 Hz,2 H)3.93~3.98(m,J=8.0,7.0,7.0,7.0,3.4 Hz,2 H)3.92~3.95(m,2 H)1.72~1.79(m,1 H)1.72(d,J=7.1 Hz,3 H)1.62(ddd,J=13.8,10.4,5.0 Hz,1 H)1.41(ddd,J=13.8,9.2,4.5 Hz,1 H)1.23(td,J=7.1,1.0 Hz,3 H)1.16(td,J=7.0,1.0 Hz,3 H)0.99(d,J=6.7 Hz,3 H)0.97(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 540[M+H]
【0305】
実施例1m
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルビス(1-メチルエチル)リン酸塩
【0306】
【化67】
【0307】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにi-PrOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、29%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、モノイソプロピルホスフェートエステルとジイソプロピルホスフェートエステルとの混合物であり、分取HPLCによって分離された。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.47(dd,J=8.1,1.1 Hz,2 H)7.30~7.35(m,2 H)7.23(tt,J=7.2,1.4 Hz,1 H)5.06(q,J=7.2 Hz,1 H)4.71(br.s.,1 H)4.51(sxt,J=6.3 Hz,1 H)4.44(sxt,J=6.3 Hz,1 H)3.85~3.95(m,2 H)1.73~1.79(m,1 H)1.72(d,J=7.0 Hz,3 H)1.62(ddd,J=13.7,10.4,5.2 Hz,1 H)1.41(ddd,J=13.8,9.2,4.4 Hz,1 H)1.24(d,J=6.1 Hz,3 H)1.21(d,J=6.1 Hz,3 H)1.19(d,J=6.1 Hz,3 H)1.13(d,J=6.1 Hz,3 H)0.99(d,J=6.7 Hz,3 H)0.98(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 540[M+H]
【0308】
実施例1n
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルビス(1-メチルエチル)水素リン酸塩
【0309】
【化68】
【0310】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにi-PrOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、37%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オールから合成した(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)。生成物は、モノイソプロピルホスフェートエステルとジイソプロピルホスフェートエステルとの混合物であり、分取HPLCによって分離された。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.47(dd,J=8.2,1.2 Hz,2 H)7.32~7.38(m,2 H)7.26(tt,J=7.4,1.5 Hz,1 H)5.13(q,J=7.0 Hz,1 H)4.68(br.s.,1 H)4.31~4.38(m,1H)3.81~3.89(m,2 H)1.78(d,J=7.0 Hz,3 H)1.67~1.77(m,2 H)1.50~1,56(m,1 H)1.18(d,J=6.1 Hz,3 H)1.11(d,J=6.4 Hz,3 H)0.99(d,J=6.4 Hz,3 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 526[M+H]
【0311】
実施例1o
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジエチルリン酸塩
【0312】
【化69】
【0313】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、46%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.06(s,4 H)7.53~7.58(m,2 H)7.27~7.33(m,2 H)7.12~7.20(m,6 H)5.22(q,J=7.0 Hz,2 H)4.38~4.55(m,2 H)3.81~4.00(m,12 H)1.67(d,J=7.0 Hz,3 H)1.65(d,J=7.0 Hz,3 H)1.58~1.66(m,2 H)1.54(ddd,J=18.7,5.3,5.0 Hz,2 H)1.28~1.36(m,2 H)1.16(td,J=7.0,0.7 Hz,3 H)1.15(td,J=7.0,0.7 Hz,3 H)1.11(td,J=7.0,0.8 Hz,6 H)0.89(d,J=6.6 Hz,3 H)0.88(d,J=6.6 Hz,3 H)0.86(d,J=6.6 Hz,3 H)0.81(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 558[M+H]
【0314】
実施例1p
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジエチルリン酸塩
【0315】
【化70】
【0316】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、36%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2つのジアステレオマーを分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.06(s,2 H)7.63(dd,J=7.8,1.7 Hz,1 H)7.45(dd,J=8.0,1.3 Hz,1 H)7.34(ddd,J=7.8,7.4,1.3 Hz,1 H)7.28(ddd,J=8.0,7.4,1.7 Hz,1 H)7.15(d,J=8.2 Hz,1 H)5.35(q,J=7.0 Hz,1 H)4.41~4.52(m,1 H)3.95~4.01(m,1 H)3.86~3.96(m,5 H)1.67(d,J=7.0 Hz,3 H)1.58~1.65(m,1 H)1.55(ddd,J=13.5,10.4,5.0 Hz,1 H)1.30(ddd,J=13.5,9.2,4.5 Hz,1 H)1.15(td,J=7.1,0.7 Hz,3 H)1.11(td,J=7.1,0.7 Hz,3 H)0.87(d,J=6.6 Hz,3 H)0.78(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 574[M+H]。ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.06(s,2 H)7.63(dd,J=7.8,1.7 Hz,1 H)7.45(dd,J=7.9,1.3 Hz,1 H)7.35(ddd,J=7.8,7.4,1.3 Hz,1 H)7.28(ddd,J=7.9,7.4,1.7 Hz,1 H)7.17(d,J=8.2 Hz,1 H)5.36(q,J=7.1 Hz,1 H)4.42~4.54(m,1 H)3.93(dq,J=8.2,7.1 Hz,2 H)3.84~3.92(m,2 H)3.78~3.86(m,2 H)1.65(d,J=7.0 Hz,3 H)1.60~1.70(m,1 H)1.57(ddd,J=13.7,10.2,4.8 Hz,1 H)1.32(ddd,J=13.7,9.1,4.4 Hz,1 H)1.15(td,J=7.1,0.8 Hz,3 H)1.09(td,J=7.1,0.8 Hz,3 H)0.90(d,J=6.6 Hz,3 H)0.87(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 574[M+H]
【0317】
実施例1q
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジエチルリン酸塩
【0318】
【化71】
【0319】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、27%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、分取HPLC精製(酸性法)後にTFA塩として単離された。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.58(dd,J=2.6,0.7 Hz,1 H)8.57(dd,J=2.6,0.7 Hz,1 H)8.36(br.s.,2 H)8.34(br.s.,2 H)7.89(dd,J=8.5,2.6 Hz,1 H)7.88(dd,J=8.5,2.6 Hz,1 H)7.60(dd,J=8.5,0.7 Hz,1 H)7.57(dd,J=8.5,0.7 Hz,1 H)7.58(br.s.,2 H)5.16(q,J=7.1 Hz,1 H)5.09(q,J=7.2 Hz,1 H)4.51~4.62(m,1 H)4.30~4.40(m,1 H)3.83~4.02(m,12 H)1.67(d,J=7.1 Hz,3 H)1.66(d,J=7.1 Hz,3 H)1.57~1.67(m,2 H)1.49~1.57(m,2 H)1.35(ddd,J=13.6,9.1,4.3 Hz,1 H)1.31(ddd,J=13.6,9.1,4.3 Hz,1 H)1.15(dt,J=7.1,0.8 Hz,3 H)1.15(td,J=7.1,0.8 Hz,3 H)1.12(td,J=7.1,0.8 Hz,3 H)1.11(td,J=7.1,0.8 Hz,3 H)0.90(d,J=6.7 Hz,3 H)0.87(d,J=6.6 Hz,6 H)0.76(d,J=6.5 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 575[M+H]
【0320】
実施例1r
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジエチルリン酸塩
【0321】
【化72】
【0322】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、47%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、分取HPLC精製(酸性法)後にTFA塩として単離された。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.48(br.s.,2 H)8.46(br.s.,2 H)8.41~8.43(m,2 H)7.74(ddd,J=10.1,8.4,1.4 Hz,1 H)7.79(br.s.,2 H)7.74(ddd,J=10.1,8.4,1.4 Hz,1 H)7.44(ddd,J=8.4,4.4,3.2 Hz,1 H)7.43(ddd,J=8.4,4.4,3.2 Hz,1 H)5.47(q,J=6.9 Hz,1 H)5.46(q,J=6.9 Hz,1 H)4.51~4.64(m,2 H)3.99~4.05(m,1 H)3.85~4.00(m,11 H)1.72(d,J=7.0 Hz,3 H)1.70(d,J=7.0 Hz,3 H)1.60~1.69(m,2 H)1.57(ddd,J=13.6,10.0,5.0 Hz,2 H)1.37(ddd,J=13.6,9.2,4.5 Hz,1 H)1.37(ddd,J=13.6,9.2,4.5 Hz,1 H)1.16(td,J=7.0,0.7 Hz,3 H)1.15(td,J=7.0,0.7 Hz,3 H)1.12(td,J=7.0,0.7 Hz,3 H)1.10(td,J=7.0,0.7 Hz,3 H)0.91(d,J=6.6 Hz,3 H)0.91(d,J=6.6 Hz,3 H)0.88(d,J=6.6 Hz,3 H)0.86(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 558[M+H]
【0323】
実施例1s
(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジエチルリン酸塩
【0324】
【化73】
【0325】
表題化合物を、氷浴温度での1時間後にTHFおよび水の代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例1について記載された方法を使用して、50%の収率で、3-{1-[(2-アミノ-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチル}ベンゾニトリル(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、分取HPLC精製(酸性法)後にTFA塩として単離された。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.36(br.s.,4 H)7.95(dd,J=1.8,1.2 Hz,1 H)7.93(dd,J=1.9,1.2 Hz,1 H)7.84(ddd,J=7.8,1.8,1.5 Hz,1 H)7.83(ddd,J=7.8,1.8,1.5 Hz,1 H)7.72(ddd,J=7.7,1.5,1.2 Hz,1 H)7.71(ddd,J=7.7,1.5,1.2 Hz,1 H)7.55(dd,J=7.8,7.7 Hz,1 H)7.53(dd,J=7.8,7.7 Hz,1 H)5.08(q,J=7.2 Hz,1 H)5.06(q,J=7.2 Hz,1 H)4.45~4.56(m,1 H)4.30~4.40(m,1 H)3.84~3.99(m,12 H)1.68(d,J=7.2 Hz,3 H)1.65(d,J=7.2 Hz,3 H)1.49~1.65(m,4 H)1.34(ddd,J=13.6,9.1,4.3 Hz,1 H)1.31(ddd,J=13.6,9.1,4.3 Hz,1 H)1.16(td,J=7.1,0.6 Hz,6 H)1.13(td,J=7.1,0.8 Hz,3 H)1.10(td,J=7.1,0.7 Hz,3 H)0.90(d,J=6.6 Hz,3 H)0.86(d,J=6.5 Hz,3 H)0.86(d,J=6.5 Hz,3 H)0.73(d,J=6.5 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 565[M+H]
【0326】
実施例2
[7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩の調製
【0327】
【化74】
【0328】
CHCN中の(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オールの混合物(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177-3190、WO2006/107258)(40mg、0.10mmol)、KCO(28mg、0.20mmol)およびヨウ化ナトリウム(22mg、0.15mmol)の混合物に、ジ-tert-ブチルクロロメチルホスフェート(39mg、0.15mmol)を加えた。反応混合物を50℃で21時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、DCM(5mL)および水(2mL)を加えた。相を分離し、有機相を水(2x2mL)およびブライン(2mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、60mgの粗生成物をオレンジ色の固体として得た。ジオキサン(1.5mL)中の粗物質に濃HCl(30μL、0.38mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に2MのNaOH(300μL)を加え、pHは約7になった。混合物をMeOH、DMSOおよび水で希釈し、濾過し、分取HPLC(塩基性方法)によって精製した。純画分を貯留し、蒸発させ、真空乾燥して、7.2mg(14%)の純生成物を白色の固体として得た。生成物は、精製後、二アンモニウム塩であると推定された。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.46~7.50(m,2 H)7.30~7.35(m,2 H)7.20~7.24(m,1 H)5.86~5.93(m,2 H)5.02(q,J=7.12 Hz,1 H)4.42~4.57(m,1 H)3.53(dd,J=11.11,5.42 Hz,1 H)3.50(dd,J=11.11,5.32 Hz,1 H)1.72(d,J=7.12 Hz,3 H)1.62~1.71(m,1 H)1.53(ddd,J=13.95,10.10,4.87 Hz,1 H)1.45(ddd,J=13.95,9.18,4.58 Hz,1 H)0.96(d,J=6.71 Hz,3 H)0.94(d,J=6.60 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 514[M+H]
【0329】
実施例2b
[5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩
【0330】
【化75】
【0331】
表題化合物を、実施例2について記載された方法を使用して、12%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-フルオロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.54~7.60(m,2 H)7.23~7.29(m,2 H)7.12~7.17(m,2 H)7.06~7.13(m,2 H)5.87~5.96(m,4 H)5.32(q,J=7.17 Hz,1 H)5.31(q,J=7.17 Hz,1 H)4.46 - 4.53(m,1 H)4.41~4.48(m,1 H)3.62(dd,J=11.20,5.08 Hz,1 H)3.55(dd,J=11.20,5.56 Hz,1 H)3.51(dd,J=11.20,5.12 Hz,1 H)3.47(dd,J=11.20,4.97 Hz,1 H)1.72(d,J=7.17 Hz,3 H)1.71(d,J=7.17 Hz,3 H)1.60~1.69(m,2 H)1.51~1.59(m,2 H)1.43(ddd,J=13.97,9.06,4.46 Hz,1 H)1.42(ddd,J=13.79,9.06,4.46 Hz,1 H)0.96(d,J=6.71 Hz,3 H)0.94(d,J=6.70 Hz,3 H)0.94(d,J=6.50 Hz,3 H)0.89(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 532[M+H]
【0332】
実施例2c
[5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩
【0333】
【化76】
【0334】
表題化合物を、実施例2について記載された方法を使用して、12%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.67(dd,J=7.78,1.70 Hz,1 H)7.66(dd,J=7.78,1.70 Hz,1 H)7.43(dd,J=7.94,1.35 Hz,1 H)7.42(dd,J=7.94,1.35 Hz,1 H)7.29(ddd,J=7.78,7.42,1.35 Hz,2 H)7.24(ddd,J=7.94,7.42,1.70 Hz,1 H)7.23(ddd,J=7.94,7.42,1.70 Hz,1 H)5.86~5.94(m,4 H)5.48(q,J=7.14 Hz,1 H)5.48(q,J=7.14 Hz,1 H)4.43~4.54(m,2 H)3.64(dd,J=11.20,4.93 Hz,1 H)3.56(dd,J=11.22,5.51 Hz,1 H)3.48(dd,J=11.29,4.80 Hz,1 H)3.42(dd,J=11.20,4.93 Hz,1 H)1.71(d,J=7.14 Hz,3 H)1.69(d,J=7.14 Hz,3 H)1.53~1.70(m,4 H)1.41(ddd,J=13.69,9.15,4.48 Hz,1 H)1.40(ddd,J=13.69,9.15,4.48 Hz,1 H)0.96(d,J=6.56 Hz,3 H)0.95(d,J=6.56 Hz,3 H)0.93(d,J=6.71 Hz,3 H)0.85(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 548[M+H]
【0335】
実施例2d
[5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩
【0336】
【化77】
【0337】
表題化合物を、実施例2について記載された方法を使用して、6%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.49(dd,J=2.46,0.70 Hz,1 H)8.48(dd,J=2.46,0.70 Hz,1 H)7.83(dd,J=8.41,2.46 Hz,1 H)7.83(dd,J=8.41,2.46 Hz,1 H)7.68(dd,J=8.41,0.70 Hz,1 H)7.67(dd,J=8.41,0.70 Hz,1 H)5.87~5.94(m,2 H)5.81~5.87(m,2 H)5.15(q,J=7.23 Hz,1 H)5.12(q,J=7.23 Hz,1 H)4.41~4.50(m,1 H)4.25~4.35(m,1 H)3.54(d,J=5.49 Hz,2 H)3.45~3.52(m,2 H)1.71(d,J=7.23 Hz,3 H)1.70(d,J=7.23 Hz,3 H)1.56~1.69(m,2 H)1.47~1.54(m,2 H)1.42(ddd,J=13.81,9.23,4.43 Hz,1 H)1.41(ddd,J=13.81,9.23,4.43 Hz,1 H)0.95(d,J=6.71 Hz,3 H)0.92(d,J=6.71 Hz,3 H)0.92(d,J=6.41 Hz,3 H)0.83(d,J=6.56 Hz,3 H。MS(ESI)m/z 549[M+H]
【0338】
実施例2e
[7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩
【0339】
【化78】
【0340】
表題化合物を、実施例2について記載された方法を使用して、4%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル}アミノ)-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2つのジアステレオマーを分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
【0341】
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.49(ddd,J=4.95,1.85,1.00 Hz,1 H)7.83(ddd,J=7.89,7.54,1.85 Hz,1 H)7.67(ddd,J=7.89,1.10,1.00 Hz,1 H)7.29(ddd,J=7.54,4.95,1.10 Hz,1 H)5.86(dd,J=10.74,9.88 Hz,1 H)5.81(dd,J=10.74,9.65 Hz,1 H)5.15(q,J=7.28 Hz,1 H)4.42~4.51(m,1 H)3.50(dd,J=11.15,5.52 Hz,1 H)3.46(dd,J=11.15,5.46 Hz,1 H)1.72(d,J=7.28 Hz,3 H)1.58~1.68(m,1 H)1.51(ddd,J=13.94,10.22,4.87 Hz,1 H)1.43(ddd,J=13.94,9.20,4.45 Hz,1 H)0.94(d,J=6.56 Hz,3 H)0.92(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 515[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.49(ddd,J=4.95,1.85,1.00 Hz,1 H)7.82(ddd,J=7.89,7.54,1.85 Hz,1 H)7.68(ddd,J=7.89,1.10,1.00 Hz,1 H)7.29(ddd,J=7.54,4.95,1.10 Hz,1 H)5.87(dd,J=10.74,9.88 Hz,1 H)5.81(dd,J=10.74,9.65 Hz,1 H)5.13(q,J=7.28 Hz,1 H)4.28~4.37(m,1 H)3.56(dd,J=11.15,5.46 Hz,1 H)3.52(dd,J=11.15,5.57 Hz,1 H)1.71(d,J=7.28 Hz,3 H)1.57~1.68(m,1 H)1.50(ddd,J=13.94,10.22,4.87 Hz,1 H)1.42(ddd,J=13.94,9.20,4.45 Hz,1 H)0.92(d,J=6.71 Hz,3 H)0.84(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 515[M+H]
【0342】
実施例2f
[5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩
【0343】
【化79】
【0344】
表題化合物を、実施例2について記載された方法を使用して、19%の収率で、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2つのジアステレオマーを分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.33(dt,J=4.74,1.32 Hz,1 H)7.65(ddd,J=9.96,8.39,1.32 Hz,1 H)7.36(ddd,J=8.39,4.74,4.12 Hz,1 H)5.89(t,J=10.40 Hz,1 H)5.83(t,J=10.40 Hz,1 H)5.48(q,J=7.15 Hz,1 H)4.45~4.53(m,1 H)3.54(dd,J=11.22,5.44 Hz,1 H)3.52(dd,J=11.22,5.29 Hz,1 H)1.73(d,J=7.15 Hz,3 H)1.62~1.70(m,1 H)1.54(ddd,J=13.85,10.11,5.01 Hz,1 H)1.43(ddd,J=13.85,9.19,4.52 Hz,1 H)0.95(d,J=6.71 Hz,3 H)0.93(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 533[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.34(dt,J=4.7,1.3 Hz,1 H)7.64(ddd,J=10.0,8.4,1.3 Hz,1 H)7.36(ddd,J=8.4,4.7,4.1 Hz,1 H)5.89(dd,J=10.7,10.1 Hz,1 H)5.83(dd,J=10.7,10.1 Hz,1 H)5.48(q,J=7.2 Hz,1 H)4.41~4.53(m,1 H)3.59(dd,J=11.2,5.3 Hz,1 H)3.56(dd,J=11.2,5.6 Hz,1 H)1.75(d,J=7.2 Hz,3 H)1.62~1.70(m,1 H)1.54(ddd,J=13.9,10.1,5.0 Hz,1 H)1.43(ddd,J=13.9,9.2,4.5 Hz,1 H)0.95(d,J=6.7 Hz,3 H)0.92(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 533[M+H]
【0345】
実施例2g
[5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-イミノ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩
【0346】
【化80】
【0347】
表題化合物を、実施例2について記載された方法を使用して、22%の収率で、3-{1-[(2-アミノ-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチルベンゾニトリル(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2つのジアステレオマーを分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.85~7.88(m,2 H)7.59(dt,J=7.76,1.38 Hz,1 H)7.54(dd,J=8.44,7.76 Hz,1 H)5.83(d,J=9.82 Hz,2 H)5.09(q,J=7.21 Hz,1 H)4.40~4.49(m,1 H)3.51(dd,J=11.13,5.49 Hz,1 H)3.46(dd,J=11.13,5.35 Hz,1 H)1.71(d,J=7.21 Hz,3 H)1.60~1.68(m,1 H)1.52(ddd,J=13.85,10.25,4.91 Hz,1 H)1.43(ddd,J=13.85,9.19,4.35 Hz,1 H)0.95(d,J=6.71 Hz,3 H)0.93(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 539[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.86~7.89(m,2 H)7.58(dt,J=7.8,1.4 Hz,1 H)7.53(dd,J=8.4,7.8 Hz,1 H)5.83(dd,J=10.6,9.7 Hz,1 H)5.81(dd,J=10.6,9.6 Hz,1 H)5.08(q,J=7.3 Hz,1 H)4.28~4.38(m,1 H)3.57(dd,J=11.4,5.6 Hz,1 H)3.55(dd,J=11.4,5.7 Hz,1 H)1.70(d,J=7.3 Hz,3 H)1.57~1.66(m,1 H)1.50(ddd,J=13.9,10.4,5.0 Hz,1 H)1.41(ddd,J=13.9,9.3,4.3 Hz,1 H)0.92(d,J=6.7 Hz,3 H)0.82(d,J=6.6 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 539[M+H]
【0348】
実施例2h
[5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-オキソ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3(2H)-イル]メチル二水素リン酸塩
【0349】
【化81】
【0350】
表題化合物を、実施例2について記載された方法を使用して、39%の収率で、5-{(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.49(dd,J=2.53,0.66 Hz,1 H)7.86(dd,J=8.47,2.53 Hz,1 H)7.77(dd,J=8.47,0.66 Hz,1 H)5.67(dd,J=9.30,5.92 Hz,1 H)5.63(dd,J=9.30,5.83 Hz,1 H)5.23(q,J=7.32 Hz,1 H)4.35~4.48(m,1 H)3.51(dd,J=11.06,5.53 Hz,1 H)3.45(dd,J=11.06,5.65 Hz,1 H)1.68(d,J=7.32 Hz,3 H)1.58~1.66(m,1 H)1.49(ddd,J=13.87,10.27,4.85 Hz,1 H)1.41(ddd,J=13.87,9.27,4.36 Hz,1 H)0.93(d,J=6.68 Hz,3 H)0.90(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 550[M+H]
【0351】
実施例3
(2R)-2-[(5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素ホリン酸塩の調製
【0352】
【化82】
【0353】
オキシ塩化リン(383mg、2.5mmol)をTHF(0.75mL)に溶解し、水(28mg、1.58mmol)を加えた。混合物を氷浴で冷却し、ピリジン(125mg、127μL、1.58mmol)を加え、続いて5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177-3190、WO2008/039138)(110mg、0.25mmol)を加えた。反応混合物を氷浴温度で2時間撹拌した。水(4mL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。5MのNaOH(約2.8mL)でpHを11~12に調整し、混合物をDCM(3×4mL)で洗浄した。粗生成物の沈殿を引き起こした濃HCl(約300μL)の添加により、水相のpHを1に調整した。混合物を遠心分離し、上澄みを廃棄した。残りの固体を水(2mL)で洗浄し、遠心分離し、上澄みを廃棄した。残りの固体をMeOHに溶解し、蒸発させて、47mgの90%純生成物を得た。粗物質をDMSO/水に溶解し、pHを約7に調整し、分取HPLC(塩基性方法)により精製した。純画分を貯留し、蒸発させ、真空乾燥して、34mg(24%)の純生成物をオフホワイトの固体として得た。生成物は、精製後、二アンモニウム塩であると推定された。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.47(dd,J=2.54,0.48 Hz,1 H)7.84(dd,J=8.42,2.54 Hz,1 H)7.62(dd,J=8.42,0.48 Hz,1 H)5.17(q,J=7.20 Hz,1 H)4.53~4.68(m,1 H)3.88(dt,J=10.13,5.09 Hz,1 H)3.83(dt,J=10.13,5.25 Hz,1 H)1.72(d,J=7.20 Hz,3 H)1.65~1.73(m,1 H)1.60(ddd,J=13.86,9.91,5.20 Hz,1 H)1.54(ddd,J=13.86,9.04,4.93 Hz,1 H)0.96(d,J=6.63 Hz,3 H)0.94(d,J=6.53 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 520[M+H]
【0354】
実施例3b
(2R)-4-メチル-2-({2-オキソ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル]-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル}アミノ)ペンチル二水素リン酸塩
【0355】
【化83】
【0356】
表題化合物を、実施例3について記載された方法を使用して、2%の収率で、7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-{[1-ピリジン-2-イルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4、5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 12.36(br.s.,2 H)8.52(ddd,J=1.97,0.97 Hz,1 H)8.52(ddd,J=1.87,0.97 Hz,1 H)7.76(ddd,J=7.80,7.59,1.87 Hz,1 H)7.75(ddd,J=7.80,7.59,1.87 Hz,1 H)7.53(dt,J=7.80,0.97 Hz,1 H)7.50(dt,J=7.80,0.97 Hz,1 H)7.27(ddd,J=7.59,4.87,0.97 Hz,1 H)7.25(ddd,J=7.59,4.87,0.97 Hz,1 H)7.11(br.s.,1 H)5.11(q,J=7.07 Hz,1 H)5.06(q,J=7.07 Hz,1 H)4.37~4.51(m,1 H)4.16~4.30(m,1 H)3.73~3.85(m,3 H)3.67~3.73(m,1 H)1.67(d,J=7.07 Hz,3 H)1.66(d,J=7.07 Hz,3 H)1.54~1.64(m,2 H)1.45~1.54(m,2 H)1.34 - 1.45(m,2 H)0.89(d,J=6.56 Hz,3 H)0.87(d,J=6.71 Hz,3 H)0.86(d,J=6.56 Hz,3 H)0.78(d,J=6.26 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 486[M+H]
【0357】
実施例3c
(2R)-4-メチル-2-{[5-({1-[4-(メチルスルホニル)フェニル]エチル}スルファニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル]アミノ}ペンチルリン酸二水素リン酸塩
【0358】
【化84】
【0359】
表題化合物を、実施例3について記載された方法を使用して、43%の収率で、7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-({1-[4-(メチルスルホニル)フェニル]エチル}スルファニル)[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。生成物は、単一のジアステレオマーである。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.41(br.s.,1 H)7.83~7.87(m,2 H)7.73~7.77(m,2 H)7.30(br.s.,2 H)5.04(q,J=7.18 Hz,1 H)4.07~4.16(m,1 H)3.67~3.77(m,2 H)3.19(s,3 H)1.67(d,J=7.18 Hz,3 H)1.51~1.60(m,1 H)1.47(ddd,J=13.50,8.30,6.70 Hz,1 H)1.37~1.44(m,1 H)0.85(d,J=6.56 Hz,3 H)0.77(d,J=6.26 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 563[M+H]
【0360】
実施例3d
(2R)-2-[(5-{[1-(3-カルバモイルフェニル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0361】
【化85】
【0362】
表題化合物を、実施例3について記載された方法を使用して、20%の収率で、単一のジアステレオマーとして3-{1-[(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチル}ベンズアミド(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。生成物は、単一のジアステレオマーである。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.33(br.s.,1 H)8.46(br.s.,1 H)8.06(br.s.,1 H)7.76(ddd,J=7.70,1.68,1.22 Hz,1 H)7.58(ddd,J=7.70,1.51,1.22 Hz,1 H)7.41(t,J=7.70 Hz,1 H)7.30(br.s.,1 H)7.23(br.s.,3 H)5.07(q,J=7.04 Hz,1 H)4.25~4.42(m,1 H)3.74(td,J=10.15,4.82 Hz,1 H)3.65~3.71(m,1 H)1.70(d,J=7.04 Hz,3 H)1.57~1.66(m,1 H)1.40~1.51(m,2 H)0.89(d,J=6.56 Hz,3 H)0.85(d,J=6.56 Hz,1 H)。MS(ESI)m/z 528[M+H]
【0363】
実施例3e
(2R)-2-[(5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0364】
【化86】
【0365】
表題化合物を、実施例3について記載された方法を使用して、49%の収率で、5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。2つのジアステレオマーを、分取HPLC(基本的方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.43(br.s.,2 H)7.61(dd,J=7.75,1.65 Hz,1 H)7.47(dd,J=7.88,1.30 Hz,1 H)7.36(ddd,J=7.75,7.40,1.60 Hz,1 H)7.29(ddd,J=7.88,7.40,1.65 Hz,1 H)6.57~8.60(m,3 H)5.34(q,J=6.93 Hz,1 H)4.17~4.27(m,1 H)3.77~3.83(m,1 H)3.70(td,J=10.07,3.66 Hz,1 H)1.74(d,J=6.93 Hz,3 H)1.57~1.65(m,1 H)1.49~1.61(m,1 H)1.38~1.46(m,1 H)0.86(d,J=7.00 Hz,3 H)0.82(d,J=6.16 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 519[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.90(br.s.,1 H)7.60(dd,J=7.82,1.72 Hz,1 H)7.46(dd,J=7.96,1.30 Hz,1 H)7.36(ddd,J=7.82,7.50,1.30 Hz,1 H)7.30(ddd,J=7.96,7.50,1.72 Hz,1 H)6.46~8.26(m,3 H)5.42(q,J=6.99 Hz,1 H)4.15~4.25(m,1 H)3.70~3.76(m,1 H)3.66(td,J=11.41,4.35 Hz,1 H)1.69(d,J=6.99 Hz,3 H)1.56~1.65(m,1 H)1.52(dt,J=13.28,7.48 Hz,1 H)1.43(dt,J=13.28,7.02 Hz,1 H)0.89(d,J=6.71 Hz,3 H)0.87(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 519[M+H]
【0366】
実施例3f
(2R)-2-[(5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチル二水素リン酸塩
【0367】
【化87】
【0368】
表題化合物を、実施例3について記載された方法を使用して、49%の収率で、単一のジアステレオマーとして3-{1-[(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチル}ベンゾニトリル(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。2つのジアステレオマーを、分取HPLC(基本的方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 7.93(dd,J=1.80,1.36 Hz,1 H)7.83(ddd,J=7.95,1.80,1.36 Hz,1 H)7.68(dt,J=7.68,1.36 Hz,1 H)7.51(dd,J=7.95,7.68 Hz,1 H)7.44(br.s.,4 H)5.00(q,J=7.15 Hz,1 H)4.05~4.13(m,1 H)3.61~3.71(m,2 H)1.65(d,J=7.15 Hz,3 H)1.52~1.62(m,1 H)1.36~1.48(m,2 H)0.85(d,J=6.58 Hz,3 H)0.78(d,J=6.58 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 510[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.55(br.s.,1 H)7.94(dd,J=1.80,1.36 Hz,1 H)7.83(ddd,J=7.95,1.80,1.36 Hz,1 H)7.69(dt,J=7.68,1.36 Hz,1 H)7.56(dd,J=7.95,7.68 Hz,1 H)7.37(br.s.,3 H)5.00(q,J=7.19 Hz,1 H)4.15~4.24(m,1 H)3.63~3.73(m,2 H)1.67(d,J=7.19 Hz,3 H)1.54~1.63(m,1 H)1.39~1.48(m,2 H)0.89(d,J=6.56 Hz,3 H)0.86(d,J=6.56 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 510[M+H]
【0369】
実施例3g
(2R)-2-[(5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジメチルリン酸塩
【0370】
【化88】
【0371】
表題化合物を、氷浴温度での2時間後に水の代わりにMeOHを加えたことを除いて、実施例3について記載された方法を使用して、27%の収率で、5-{(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.48(d,J=2.4 Hz,1 H)7.79(d,J=7.9 Hz,1 H)7.61(d,J=8.2 Hz,1 H)5.09(q,J=7.3 Hz,1 H)4.63(br.s.,1 H)3.89~3.97(m,2 H)3.70(d,J=11.3 Hz,3 H)3.67(d,J=11.3 Hz,3 H)1.69(d,3 H)1.64~1.73(m,1 H)1.58(ddd,J=14.0,10.5,4.9 Hz,1 H)1.38(ddd,J=13.8,9.4,4.3 Hz,1 H)0.96(d,J=6.7 Hz,3 H)0.94(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 548[M+H]
【0372】
実施例3h
(2R)-2-[(5-{[(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-2-オキソ-2,3-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンチルジエチルリン酸塩
【0373】
【化89】
【0374】
表題化合物を、2-メチル-THFを溶媒として使用することおよび氷浴温度での2時間後に水の代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例3について記載された方法を使用して、20%の収率で、5-{(1S)-1-(5-クロロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2(3H)-オン(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2008/039138)から合成した。H NMR(600 MHz,DMSO-d)δ ppm 8.47(d,J=1.2 Hz,1 H)7.78(d,J=7.0 Hz,1 H)7.61(d,J=7.0 Hz,1 H)5.09(q,J=7.0 Hz,1 H)4.63(br.s.,1 H)3.96~4.14(m,4 H)3.89~3.95(m,2 H)1.68(d,J=7.0 Hz,3 H)1.63~1.67(m,1 H)1.58(ddd,J=13.8,10.6,4.9 Hz,1 H)1.35~1.40(m,1 H)1.26(td,J=7.2,0.9 Hz,3 H)1.20(td,J=7.0,0.9 Hz,3 H)0.96(d,J=6.4 Hz,3 H)0.94(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 576[M+H]
【0375】
実施例4
(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
【0376】
【化90】
【0377】
表題生成物を、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール塩酸塩(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から2ステップで合成した。
【0378】
ステップ1:N-[(1R)-1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルブチル]-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7-ジアミン
DCM(5mL)中の(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール塩酸塩1,2(605mg、1.50mmol)、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(520mg、3.46mmol)およびDMAP(92mg、0.75mmol)の溶液に、EtN(630μL、5.50mmol)を加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。DCM(25mL)を加え、得られた有機相を2Mのクエン酸(2x5mL)および水(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、969mgの粗物質を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、DCM中の3~4%MeOH)によって精製し、純画分を貯留し、蒸発させて、741mg(95%)の>99%純生成物を白色固体として得た。
H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.44(dd,J=8.2,0.9 Hz,2 H)7.28~7.32(m,2 H)7.19~7.24(m,1 H)5.07(q,J=7.2 Hz,1 H)4.51(br.s.,1 H)3.59(dd,J=10.1,5.5 Hz,1 H)3.50(dd,J=9.9,6.0 Hz,1 H)1.74(d,J=7.0 Hz,3 H)1.70~1.79(m,1 H)1.49~1.55(m,1 H)1.43~1.49(m,1 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,J=6.4 Hz,3 H)0.84(s,9 H)0.03(s,3 H)0.01(s,3 H)。MS(ESI)m/z 518[M+H]
【0379】
ステップ2:
DCM(1.5mL)中のN-[(1R)-1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルブチル]-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7-ジアミン(115mg、0.22mmol)を、氷浴温度でDCM(0.5mL)中の五塩化リン(92mg、0.44mmol)およびピリジン(53mg、0.67mmol)の混合物に加えた。反応混合物を氷浴温度で60分間撹拌した。水(1mL)およびDMSO(1mL)を加え、反応物を50℃で1.5時間撹拌した。反応混合物をAgilent 0.45μmナイロンディスクフィルターで濾過し、粗混合物を分取HPLC(塩基性方法)により精製して、49mg(43%)の純表題生成物を白色固体として得た。生成物は、精製後、二アンモニウム塩であると推定された。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.44~7.48(m,2 H)7.27~7.33(m,2 H)7.21(tt,J=7.3,1.2 Hz,1 H)5.09(q,J=7.0 Hz,1 H)4.51(br.s.,1 H)3.57(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.49(dd,J=11.1,5.6 Hz,1 H)1.73(d,J=7.0 Hz,3 H)1.70~1.78(m,1 H)1.54~1.61(m,1 H)1.46~1.53(m,1 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 484[M+H]
【0380】
実施例4b
(5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-1-{[(1R)-7-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
【0381】
【化91】
【0382】
表題生成物を、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2ステップについての全体的な収率:62%。
【0383】
ステップ1:N7-[(1R)-1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルブチル]-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7-ジアミン
生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.67(dd,J=7.8,1.7 Hz,1 H)7.64(dd,J=7.8,1.7 Hz,1 H)7.39(dd,J=7.8,1.2 Hz,1 H)7.39(dd,J=7.8,1.2 Hz,1 H)7.29(td,J=7.6,1.2 Hz,2 H)7.22(tt,J=7.7,1.5 Hz,2 H)5.52(q,J=7.0 Hz,1 H)5.50(q,J=7.0 Hz,1 H)4.51(br.s.,2 H)3.67(dd,J=10.1,5.5 Hz,1 H)3.63(dd,J=9.8,5.8 Hz,1 H)3.49(dd,J=10.1,4.3 Hz,1 H)3.37(dd,J=10.1,4.9 Hz,1 H)1.73(d,J=7.0 Hz,3 H)1.68(d,J=7.0 Hz,3 H)1.64~1.76(m,2 H)1.56~1.62(m,1 H)1.49~1.55(m,1 H)1.41(dddd,J=13.7,9.3,4.2,2.4 Hz,2 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.96(d,J=6.7 Hz,3 H)0.92(d,J=6.7 Hz,3 H)0.84(s,9 H)0.81(s,9 H)0.03(s,3 H)0.00(s,3 H)-0.06(s,3 H)-0.07(s,3 H)。MS(ESI)m/z 552[M+H]
【0384】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.66(dd,J=7.8,1.7 Hz,1 H)7.42(dd,J=7.9,1.2 Hz,1 H)7.31(td,J=7.6,1.4 Hz,1 H)7.25(td,J=7.7,1.7 Hz,1 H)5.57(q,J=7.0 Hz,1 H)4.54(br.s.,1 H)3.49(dd,J=11.3,4.3 Hz,1 H)3.40(dd,J=11.1,4.7 Hz,1 H)1.72(d,J=7.0 Hz,3 H)1.60~1.78(m,2 H)1.44(ddd,J=13.7,9.2,4.6 Hz,1 H)0.98(d,J=6.7 Hz,3 H)0.96(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 518[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)7.65(dd,J=7.8,1.7 Hz,1 H)7.39(dd,J=7.9,1.5 Hz,1 H)7.29(td,J=7.3,1.2 Hz,1 H)7.22(td,J=7.7,1.5 Hz,1 H)5.53(q,J=7.0 Hz,1 H)4.46(br.s.,1 H)3.67(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.60(dd,J=11.3,4.9 Hz,1 H)1.74(d,J=7.0 Hz,3 H)1.56~1.73(m,2 H)1.37~1.42(m,1 H)0.92(d,J=6.7 Hz,3 H)0.82(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 518[M+H]
【0385】
実施例4c
(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
【0386】
【化92】
【0387】
表題生成物を、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-[(2-アミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル}アミノ)-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2ステップについての全体的な収率:29%。
【0388】
ステップ1:N-[(1R)-1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルブチル]-5-{[1-ピリミジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7-ジアミン
生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.45 - 8.50(m,2 H)7.77(td,J=7.9,1.8 Hz,1 H)7.76(td,J=7.7,1.8 Hz,1 H)7.60(d,J=7.9 Hz,2 H)7.28(dt,J=4.9,1.2 Hz,1 H)7.27(dt,J=4.9,1.2 Hz,1 H)5.19(q,J=7.2 Hz,1 H)5.18(q,J=7.2 Hz,1 H)4.42(br.s.,2 H)3.60~3.67(m,2 H)3.54(dd,J=10.1,5.2 Hz,1 H)3.44(dd,J=9.9,5.6 Hz,1 H)1.76(d,J=7.0 Hz,3 H)1.74(d,J=7.0 Hz,3 H)1.66~1.73(m,2 H)1.47~1.55(m,2 H)1.39~1.46(m,2 H)0.96(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,J=6.7 Hz,3 H)0.94(d,J=6.7 Hz,3 H)0.86(d,J=6.4 Hz,3 H)0.83(s,18 H)0.02(s,3 H)0.01(s,3 H)0.00(s,3 H)-0.01(s,3 H)。MS(ESI)m/z 519[M+H]
【0389】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.47(dt,J=5.0,0.9 Hz,1 H)7.78(td,J=7.7,1.7 Hz,1 H)7.64(dt,J=7.9,1.0 Hz,1 H)7.28(ddd,J=7.3,4.9,0.9 Hz,1 H)5.24(q,J=7.3 Hz,1 H)4.50(br.s.,1 H)3.52(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)3.42(dd,J=11.1,5.6 Hz,1 H)1.75(d,J=7.0 Hz,3 H)1.68~1.73(m,1 H)1.51~1.60(m,1 H)1.43~1.51(m,1 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 485[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.47(dt,J=5.0,0.9 Hz,1 H)7.78(td,J=7.8,1.8 Hz,1 H)7.66(d,J=7.9 Hz,1 H)7.26~7.29(m,1 H)5.17(q,J=7.2 Hz,1 H)4.24(br.s.,1 H)3.65(dd,J=11.0,4.9 Hz,1 H)3.52(dd,J=11.0,6.1 Hz,1 H)1.73(d,J=7.3 Hz,3 H)1.60~1.67(m,1 H)1.51~1.59(m,1 H)1.43~1.51(m,1 H)0.91(d,J=6.4 Hz,3 H)0.77(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 485[M+H]
【0390】
実施例4d
(5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
【0391】
【化93】
【0392】
表題化合物を、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、3-{1-[(2-アミノ-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチルベンゾニトリル(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2ステップについての全体的な収率:47%。
【0393】
ステップ1:3-{1-[(2-アミノ-7-{[(1R)-1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチル}ベンゾニトリル
生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.80~7.88(m,4 H)7.59(dt,J=6.1,1.2 Hz,1 H)7.58(dt,J=6.1,1.2 Hz,1 H)7.49(q,J=7.5 Hz,2 H)5.10(q,J=7.3 Hz,2 H)4.44(br.s.,1 H)4.35(br.s.,1 H)3.68(dd,J=9.8,5.8 Hz,1 H)3.58(dd,J=9.8,6.1 Hz,1 H)3.54(dd,J=9.9,5.3 Hz,1 H)3.43~3.48(m,1 H)1.71(d,J=7.3 Hz,3 H)1.70(d,J=7.3 Hz,3 H)1.63~1.75(m,2 H)1.39~1.55(m,4 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.96(d,J=6.7 Hz,3 H)0.93(d,J=6.7 Hz,3 H)0.85(s,9 H)0.81(s,9 H)0.81(d,J=6.4 Hz,3 H)0.05(s,3 H)0.03(s,3 H)0.00(s,3 H)-0.02(s,3 H)。MS(ESI)m/z 543[M+H]
【0394】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.87(s,1 H)7.85(dd,J=7.8,1.1 Hz,1 H)7.57(dd,J=7.6,1.5 Hz,1 H)7.49(t,J=7.8 Hz,1 H)5.13(q,J=7.2 Hz,1 H)4.29(br.s.,1 H)3.63(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.55(dd,J=10.7,5.8 Hz,1 H)1.70(d,J=7.3 Hz,3 H)1.61~1.68(m,1 H)1.49~1.57(m,1 H)1.41~1.48(m,1 H)0.92(d,J=6.7 Hz,3 H)0.80(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 509[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.86(s,1 H)7.84(dd,J=7.9,1.5 Hz,1 H)7.58(d,J=7.9 Hz,1 H)7.49(t,J=7.8 Hz,1 H)5.12(q,J=7.0 Hz,1 H)4.44(br.s.,1 H)3.53(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.43(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)1.71(d,J=7.3 Hz,3 H)1.67~1.74(m,1 H)1.51~1.60(m,1 H)1.43~1.51(m,1 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,3 H)。MS(ESI)m/z 509[M+H]
【0395】
実施例4e
(5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)ホスホロアミド酸
【0396】
【化94】
【0397】
表題化合物を、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。2ステップについての全体的な収率:55%。
【0398】
ステップ1:N-[(1R)-1-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルブチル]-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7-ジアミン
生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.35(d,J=1.2 Hz,1 H)8.34(d,J=0.9 Hz,1 H)7.59(dt,J=8.5,1.2 Hz,1 H)7.57(dt,J=8.2,1.2 Hz,1 H)7.34~7.39(m,2 H)5.59(q,J=7.0 Hz,2 H)4.54(br.s.,2 H)3.65(d,J=5.8 Hz,2 H)3.62(dd,J=10.1,5.5 Hz,1 H)3.57(dd,J=10.1,5.8 Hz,1 H)1.79(d,J=7.0 Hz,3 H)1.77(d,J=7.0 Hz,3 H)1.70~1.76(m,2 H)1.50~1.57(m,2 H)1.42~1.50(m,2 H)0.98(d,J=6.7 Hz,3 H)0.96(d,J=6.7 Hz,3 H)0.96(d,J=6.4 Hz,3 H)0.93(d,J=6.4 Hz,3 H)0.83(s,9 H)0.82(s,9 H)0.03(s,3 H)0.02(s,3 H)0.00(s,3 H)-0.01(s,3 H)。MS(ESI)m/z 537[M+H]
【0399】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.33(dd,J=4.9,1.5 Hz,1 H)7.59(t,J=9.4 Hz,1 H)7.34~7.38(m,1 H)5.62(q,J=7.1 Hz,1 H)4.53(br.s.,1 H)3.59(dd,J=11.0,4.9 Hz,1 H)3.54(d,J=11.0,4.9 Hz,1 H)1.77(d,J=7.3 Hz,3 H)1.70~1.75(m,1 H)1.55~1.64(m,1 H)1.45~1.52(m,1 H)0.98(d,J=6.4 Hz,3 H)0.96(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 503[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.34(dt,J=4.9,1.2 Hz,1 H)7.58(ddd,J=9.8,8.4,1.2 Hz,1 H)7.34~7.38(m,1 H)5.60(q,J=7.0 Hz,1 H)4.49(br.s.,1 H)3.63(dd,J=5.2,1.5 Hz,2 H)1.79(d,J=7.0 Hz,3 H)1.70~1.75(m,1 H)1.55~1.64(m,1 H)1.44~1.52(m,1 H)0.97(d,J=7.0 Hz,3 H)0.91(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 503[M+H]
【0400】
実施例4f
ジエチル(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸塩
【0401】
【化95】
【0402】
表題化合物を、ステップ2において氷浴温度での1時間後に水およびDMSOの代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール塩酸塩(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。
ステップ2の出発材料は、実施例4と同じであった。2ステップについての全体的な収率:71%。
【0403】
ステップ2:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.44~7.47(m,2 H)7.29~7.34(m,2 H)7.22(tt,J=7.3,1.5 Hz,1 H)5.05(q,J=7.0 Hz,1 H)4.51(br.s.,1 H)4.08~4.17(m,4 H)3.55(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.49(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)1.73(d,J=7.0 Hz,3 H)1.67~1.72(m,1 H)1.53~1.59(m,1 H)1.44~1.50(m,1 H)1.34(tdd,J=7.0,2.1,0.61 Hz,6 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 540[M+H]
【0404】
実施例4g
7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸ジメチル
【0405】
【化96】
【0406】
表題化合物を、ステップ2において氷浴温度での1時間後に水およびDMSOの代わりにMeOHを加えたことを除いて、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}-[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール塩酸塩(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。
ステップ2の出発材料は、実施例4と同じであった。2ステップについての全体的な収率:75%。
【0407】
ステップ2:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.43~7.47(m,2 H)7.29~7.33(m,2 H)7.22(tt,J=7.4,1.5 Hz,1 H)5.04(q,J=7.1 Hz,1 H)4.50(br.s.,1 H)3.76(d,J=10.7 Hz,6 H)3.55(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)3.49(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)1.73(d,J=7.0 Hz,3 H)1.66~1.75(m,1 H)1.52~1.58(m,1 H)1.44~1.50(m,1 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.94(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 512[M+H]
【0408】
実施例4h
ジエチル(5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸塩
【0409】
【化97】
【0410】
表題化合物を、ステップ2において氷浴温度での1時間後に水およびDMSOの代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(2-クロロフェニル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。
ステップ2の出発材料は、実施例4bと同じであった。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。2ステップについての全体的な収率:73%。
【0411】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.64(dd,J=7.6,1.5 Hz,1 H)7.41(dd,J=7.9,1.2 Hz,1 H)7.30(td,J=7.6,1.4 Hz,1 H)7.23(td,J=7.8,1.7 Hz,1 H)5.50(q,J=7.0 Hz,1 H)4.50(br.s.,1 H)4.08~4.16(m,4 H)3.48(dd,J=11.0,4.6 Hz,1 H)3.39(dd,J=11.3,4.9 Hz,1 H)1.70(d,J=7.0 Hz,3 H)1.67~1.75(m,1 H)1.59~1.66(m,1 H)1.41(ddd,J=13.7,9.2,4.6 Hz,1 H)1.34(td,J=7.1,1.7 Hz,6 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 574[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.63(dd,J=7.8,1.7 Hz,1 H)7.39(dd,J=7.9,1.2 Hz,1 H)7.30(td,J=7.6,1.2 Hz,1 H)7.23(td,J=7.8,1.4 Hz,1 H)5.50(q,J=7.0 Hz,1 H)4.45(br.s.,1 H)4.08~4.16(m,4 H)3.64(dd,J=11.3,5.2 Hz,1 H)3.58(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)1.74(d,J=7.0 Hz,3 H)1.63~1.69(m,1 H)1.56~1.63(m,1 H)1.38~1.44(m,1 H)1.34(t,J=7.2 Hz,6 H)0.93(d,J=6.4 Hz,3 H)0.83(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 574[M+H]
【0412】
実施例4i
ジエチル(7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル)スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸塩
【0413】
【化98】
【0414】
表題化合物を、ステップ2において氷浴温度での1時間後に水およびDMSOの代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-({2-アミノ-5-[(1-ピリジン-2-イルエチル]スルファニル][1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル}アミノ)-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。
ステップ2の出発材料は、実施例4cと同じであった。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。2ステップについての全体的な収率:31%。
【0415】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.47(dt,J=4.9,0.8 Hz,1 H)7.79(td,J=7.7,1.4 Hz,1 H)7.62(d,J=7.3 Hz,1 H)7.28(dd,J=7.6,4.9 Hz,1 H)5.19(q,J=7.3 Hz,1 H)4.48(br.s.,1 H)4.06~4.16(m,4 H)3.51(dd,J=11.1,5.3 Hz,1 H)3.43(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)1.74(d,J=7.3 Hz,3 H)1.65~1.72(m,1 H)1.51~1.57(m,1 H)1.42~1.48(m,1 H)1.33(t,J=7.0 Hz,6 H)0.96(d,J=6.4 Hz,3 H)0.94(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 541[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.47(dd,J=5.1,0.9 Hz,1 H)7.78(td,J=7.9,1.8 Hz,1 H)7.65(d,J=7.9 Hz,1 H)7.27~7.29(m,1 H)5.14(q,J=7.3 Hz,1 H)4.25(br.s.,1 H)4.07~4.14(m,4 H)3.61(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.51(dd,J=11.0,5.8 Hz,1 H)1.72(d,J=7.3 Hz,3 H)1.59~1.66(m,1 H)1.49 - 1.54(m,1 H)1.41~1.46(m,1 H)1.33(t,J=7.0 Hz,6 H)0.92(d,J=6.4 Hz,3 H)0.79(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 541[M+H]
【0416】
実施例4j
ジエチル(5-{[1-(3-シアノフェニル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸塩
【0417】
【化99】
【0418】
表題生成物を、ステップ2において氷浴温度での1時間後に水およびDMSOの代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、3-{1-[(2-アミノ-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-5-イル)スルファニル]エチル}ベンゾニトリル(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。
ステップ2の出発材料は、実施例4dと同じであった。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。2ステップについての全体的な収率:60%。
【0419】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.86(t,J=1.7 Hz,1 H)7.84(dt,J=7.9,1.4 Hz,1 H)7.58(dt,J=7.6,1.4 Hz,1 H)7.49(t,J=7.8 Hz,1 H)5.08(q,J=7.2 Hz,1 H)4.30(br.s.,1 H)4.07~4.16(m,4 H)3.59(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)3.55(dd,J=11.0,5.8 Hz,1 H)1.70(d,J=7.3 Hz,3 H)1.59~1.67(m,1 H)1.49~1.55(m,1 H)1.40~1.46(m,1 H)1.33(td,J=7.1,0.8 Hz,6 H)0.92(d,J=6.7 Hz,3 H)0.80(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 565[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 7.86(t,J=1.7 Hz,1 H)7.83(dt,J=7.9,1.4 Hz,1 H)7.59(dt,J=7.6,1.4 Hz,1 H)7.50(t,J=7.8 Hz,1 H)5.09(q,J=7.2 Hz,1 H)4.45(br.s.,1 H)4.07~4.16(m,4 H)3.52(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.44(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)1.71(d,J=7.3 Hz,3 H)1.65~1.70(m,1 H)1.51~1.57(m,1 H)1.42~1.49(m,1 H)1.33(t,J=7.0 Hz,6 H)0.96(d,J=6.7 Hz,3 H)0.94(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 565[M+H]
【0420】
実施例4k
ジエチル(5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}-7-{[(1R)-1-(ヒドロキシメチル)-3-メチルブチル]アミノ}[1,3]チアゾロ[4、5-d]ピリミジン-2-イル)アミドリン酸塩
【0421】
【化100】
【0422】
表題化合物を、ステップ2において氷浴温度での1時間後に水およびDMSOの代わりにEtOHを加えたことを除いて、実施例4について記載された方法を使用して、2ステップで、(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[1-(3-フルオロピリジン-2-イル)エチル]スルファニル}[1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール(Karlstrom S.らによるJ.Med.Chem.,2013,56,3177~3190、WO2006/107258)から合成した。
ステップ2の出発材料は、実施例4eと同じであった。生成物は、2つのジアステレオマーの混合物である。2ステップについての全体的な収率:56%。
【0423】
ステップ2:2つのジアステレオマーを、分取HPLC(塩基性方法)で分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.34(dt,J=4.9,1.2 Hz,1 H)7.60(ddd,J=9.8,8.5,1.2 Hz,1 H)7.37(dt,J=8.5,4.3 Hz,1 H)5.56(q,J=7.1 Hz,1 H)4.52(br.s.,1 H)4.07~4.17(m,4 H)3.57(dd,J=11.0,5.2 Hz,1 H)3.53(dd,J=11.0,5.5 Hz,1 H)1.76(d,J=7.0 Hz,3 H)1.67~1.74(m,1 H)1.55~1.61(m,1 H)1.46(ddd,J=13.7,9.2,4.6 Hz,1 H)1.34(td,J=7.2,1.8 Hz,6 H)0.97(d,J=6.7 Hz,3 H)0.95(d,J=6.7 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 559[M+H]
ジアステレオマーB:H NMR(600 MHz,CDOD)δ ppm 8.35(dt,J=4.9,1.2 Hz,1 H)7.59(ddd,J=9.8,8.4,1.4 Hz,1 H)7.37(ddd,J=8.4,4.4,4.3 Hz,1 H)5.55(q,J=7.0 Hz,1 H)4.48(br.s.,1 H)4.08~4.16(m,4 H)3.61(d,J=5.5 Hz,2 H)1.78(d,J=7.0 Hz,3 H)1.67~1.74(m,1 H)1.54~1.61(m,1 H)1.43~1.50(m,1 H)1.34(t,J=7.0 Hz,6 H)0.97(d,J=6.4 Hz,3 H)0.92(d,J=6.4 Hz,3 H)。MS(ESI)m/z 559[M+H]
【0424】
実施例5.実施例1および化合物Aの速度論的溶解度の比較
実施例1の化合物および(2R)-2-[(2-アミノ-5-{[(1S)-1-フェニルエチル]スルファニル}{1,3]チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)アミノ]-4-メチルペンタン-1-オール.HCl(化合物A)のサンプルを50mMのリン酸緩衝液(pH7.4)で公称濃度250μMに希釈し、次に1時間撹拌して濾過した。
【0425】
50:50のアセトントリル:水中25および250μMの濃度の2つの化合物の標準溶液を調製した。
【0426】
次に、溶液をUV検出を備えた逆相HPLCで分析し、溶解度を標準曲線に対するサンプルピークの比率で決定した。その結果を以下の表に示す。
【0427】
【表1】
【0428】
実施例6.実施例1および化合物Aの溶液の安定性の比較
実施例1の化合物(二アンモニウム塩)の水溶液をMilliQ水中で1.7mg/mLの濃度で調製し、水溶液中での長期保存に対する化合物の安定性を、長期間にわたるHPLC-MSによる溶液の分析によって評価した。
【0429】
この調査の結果を表1に示す。
【0430】
【表2】
【0431】
化合物Aを純水に溶解することはできなかったため、さまざまな共溶媒を含む多数の溶液を調製し、水溶液中での長期保存に対する化合物の安定性を、長期間にわたるHPLC-MSによる溶液の分析によって評価した。これらの実験の結果を表2~4に示す。
【0432】
【表3】
【0433】
表3は、さまざまな量の化合物を含みかつポリエチレングリコールを添加した水溶液中での化合物Aの安定性を示す。
【0434】
【表4】
【0435】
表3は、さまざまな量の化合物を含み、ポリエチレングリコールおよびエタノールを添加した水溶液中での化合物Aの安定性を示す。
【0436】
【表5】
【0437】
化合物Aの水性製剤は、化合物を可溶化するために、ポリエチレングリコールおよび/またはエタノールなどの追加の共溶媒を必要とした。これらの製剤は、室温での保存に対して不安定であることが証明され、化合物の比較的速い分解が観察された。対照的に、実施例1は、改善された水溶性(共溶媒を必要としない)だけでなく、水溶液中の化合物Aに対して予想外に顕著な安定性も示した。
【0438】
化合物Aで観察された主な分解生成物は、脱ベンジル化チオールと対応するジスルフィド、およびフェニルエタノールと少量のスチレンであった。
【0439】
【化101】
【0440】
驚くべきことに、これらの分解生成物は、実施例1を水溶液中に保存したときには観察されなかった。
【0441】
実施例6.さらなる安定性の調査
以下の手順に従って、いくつかの例示的な化合物の水溶液を、1.2mg/mL(実施例1(塩なし)の場合は10mg/mL)の濃度で調製した。
i)実施例1b、2hおよび3(二アンモニウム塩)を純水に溶解した。
ii)実施例1d(二アンモニウム塩)および1n(モノアンモニウム塩)を水に懸濁し、NaHPOを、化合物の全てが溶液になるまで添加した。
iii)実施例1q、4f、4g(塩なし)をDMSO(100μL)を加えた水に溶解し、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリンを、化合物の全てが溶解するまで加えた。
【0442】
次に、室温および/または40℃における水溶液中での長期保存に対する化合物の安定性を、60日後のHPLC-MSによる溶液の分析によって評価した。
【0443】
【表6】
【0444】
【表7】
【0445】
これらのデータは、本発明の化合物が、40℃での加速エージング条件下を含む、水溶液中での保存に対して一般に安定であることを示している。
【0446】
実施例7.静脈内および経口投与後のマウスにおける実施例1および化合物Aの血漿濃度の比較。
化合物A
10mMのNaPO中の30%HP-β-CD中の化合物A(12mg/mL)の経口投与溶液およびDPBS中の10mMのNaPO中の30%HP-β-CD中の化合物A(2.5mg/mL)の静脈内投与溶液を調製した。静脈内投与溶液は、静脈内注射(25mg/kg)を介して雄CD1マウス(体重28~30g)に投与され、経口投与溶液は、経口強制投与(120mg/kg)を介して雄CD1(体重28~30g)に投与された。
【0447】
血液が、0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、12、および24時間の時点で動物から採取され、血漿濃度について分析され、生成されたデータを使用して、表5に示す曲線(AUC)値の下の面積を計算した。
【0448】
化合物A塩酸塩
10mMのNaPO中の30%HP-β-CD中の化合物A HCl(12mg/mL)の経口投与溶液およびDPBS中の10mMのNaPO中の30%HP-β-CD中の化合物A HCl(2.5mg/mL)の静脈内投与溶液を調製した。静脈内投与溶液は、静脈内注射(25mg/kg)を介して雄CD1マウス(体重28~30g)に投与され、経口投与溶液は、強制経口投与(125mg/kg)を介して雄CD1(体重28~30g)に投与された。
【0449】
血液は、0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、12、および24時間の時点で動物から採取され、血漿濃度について分析され、生成されたデータを使用して、表5に示す曲線(AUC)値の下の面積を計算した。
【0450】
実施例1二ナトリウム塩
pH7.18の水中の実施例1二ナトリウム塩(15.4mg/mL)の経口投与溶液およびpH7.11の水中の実施例1二ナトリウム塩(6.4mg/mL)の静脈内投与溶液を、水中の実施例1二アンモニウム塩を溶解し、0.1MのNaOH溶液でpHを調整することによって、調製した。静脈内投与溶液は、尾部注射(32mg/kg)を介して雄CD1マウス(体重24~25g)に投与され、経口投与溶液は、強制経口投与(154mg/kg)を介して雄CD1マウス(体重24~25g)に投与された。
【0451】
血液は、0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、12、および24時間の時点で動物から採取され、血漿濃度について分析され、生成されたデータを使用して、表5に示す曲線(AUC)値の下の面積を計算した。
【0452】
【表8】