(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】拘束システム及び関連方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/962 20130101AFI20240619BHJP
【FI】
A61F2/962
(21)【出願番号】P 2021516917
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 US2019052921
(87)【国際公開番号】W WO2020068957
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-27
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ギル アール.ラミレス
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー ジェイ.スタストカ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エス.テナント
(72)【発明者】
【氏名】マーク ワイ.ヤマモト
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】井上 哲男
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-518086(JP,A)
【文献】特表2009-523565(JP,A)
【文献】特表平6-503734(JP,A)
【文献】特表2006-510453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/962
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント可能なメディカルデバイス、及び、
前記インプラント可能なメディカルデバイスの周りに配置されそして解放可能に拘束するように構成された取り外し可能な拘束体、
を含む、デリバリーシステムであって、
前記取り外し可能な拘束体は、第二のインターロックストランドとは異なるストランド特性を有する第一のインターロックストランド、第三のインターロックストランド、および第四のインターロックストランドを含む4つのインターロックストランドを含み、
前記第一のインターロックストランドは、前記第二のインターロックストランドのストランド厚さから、約0.0014cm、0.0015cm、0.0016cm、0.0017cm、0.0018cm、0.0019cm、0.0020cm、0.0021cmまたは0.0022cmだけ変動するストランド厚さを有し、前記第一のインターロックストランドは展開ラインであって、前記展開ラインに加えられた力に応答して前記取り外し可能な拘束体を解放するように構成されている展開ラインを含み、前記異なるストランド特性はストランド厚さ、ストランド摩擦係数、ストランド材料、およびストランド剛性を含み、前記第一のインターロックストランド、前記第二のインターロックストランド、前記第三のインターロックストランド、および前記第四のインターロックストランドは、前記ストランド厚さ、前記ストランド摩擦係数、前記ストランド材料、および前記ストランド剛性のそれぞれにおいて互いに異なるストランド特性を有する、デリバリーシステム。
【請求項2】
インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径の展開直径に対する比は0.3未満である、請求項1記載のデリバリーシステム。
【請求項3】
前記インプラント可能なメディカルデバイスは、前記インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径で半径方向の力を有し、前記4つのインターロックストランドは、前記展開ラインに加えられたニット力で取り外されるように適合されており、前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は100~500である、請求項1~
2のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項4】
前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は170~475である、請求項
3記載のデリバリーシステム。
【請求項5】
前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は225~450である、請求項
3記載のデリバリーシステム。
【請求項6】
前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は200~425である、請求項
3記載のデリバリーシステム。
【請求項7】
インプラント可能なメディカルデバイス、及び、
前記インプラント可能なメディカルデバイスの周りに配置されそして解放可能に拘束するように構成された取り外し可能な拘束体、
を含む、デリバリーシステムであって、
前記取り外し可能な拘束体は4つのインターロックストランドを含み、前記4つのインターロックストランドは第一のインターロックストランド、第二のインターロックストランド、第三のインターロックストランド、及び第四のインターロックストランドを含み、前記第一のインターロックストランド及び前記第二のインターロックストランドは少なくとも1つのストランド特性で互いに異なり、
前記第一のインターロックストランドは、前記第二のインターロックストランドのストランド厚さから、約0.0014cm、0.0015cm、0.0016cm、0.0017cm、0.0018cm、0.0019cm、0.0020cm、0.0021cmまたは0.0022cmだけ変動するストランド厚さを有し、前記少なくとも1つのストランド特性はストランド厚さ、ストランド摩擦係数、ストランド材料、およびストランド剛性を含み、前記第一のインターロックストランド、前記第二のインターロックストランド、前記第三のインターロックストランド、および前記第四のインターロックストランドは、前記ストランド厚さ、前記ストランド摩擦係数、前記ストランド材料、および前記ストランド剛性のそれぞれにおいて互いに異なるストランド特性を有する、デリバリーシステム。
【請求項8】
前記第一のインターロックストランドは
、前記第二のインターロックストランドとは異なるストランド特性を有する、請求項
7記載のデリバリーシステム。
【請求項9】
前記第一のインターロックストランドは、展開ラインに加えられた力に応答して前記取り外し可能な拘束体を解放するように構成された展開ラインである、請求項
7~
8のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項10】
デリバリー直径、展開直径及びデリバリー直径での半径方向の力を有するインプラント可能なメディカルデバイス、
前記インプラント可能なメディカルデバイスにそのデリバリー直径で取り付けられた取り外し可能な拘束体、
を含む、拡張可能なメディカルデバイスであって、
前記取り外し可能な拘束体はワープニットの形態の複数のインターロックストランドを含み、前記取り外し可能な拘束体は、展開力が展開ラインに加えられたときに遠隔的に取り外されるように構成されており、
前記複数のインターロックストランドは第一のインターロックストランド、第二のインターロックストランド、第三のインターロックストランド、及び第四のインターロックストランドを含み、前記第一のインターロックストランド及び前記第二のインターロックストランドは、ストランド厚さを含む少なくとも1つのストランド特性において互いに異なり、前記少なくとも1つのストランド特性はストランド厚さ、ストランド摩擦係数、ストランド材料、およびストランド剛性を含み、前記第一のインターロックストランド、前記第二のインターロックストランド、前記第三のインターロックストランド、および前記第四のインターロックストランドは、前記ストランド厚さ、ストランド摩擦係数、ストランド材料、およびストランド剛性のそれぞれにおいて互いに異なるストランド特性を有し、
前記第一のインターロックストランドは、前記第二のインターロックストランドのストランド厚さから、約0.0014cm、0.0015cm、0.0016cm、0.0017cm、0.0018cm、0.0019cm、0.0020cm、0.0021cmまたは0.0022cmだけ変動するストランド厚さを有し、
前記半径方向の力の前記展開力に対する比は150~500である、拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項11】
前記第一のストランドの断面直径と前記第二のストランドの断面直径との間の差は0.0064cm(0.0025インチ)である、請求項
10記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項12】
前記第一のストランド及び前記第二のストランドのストランド厚さは、0.0013cm(0.0005インチ)~0.020cm(0.008インチ)異なる、請求項
10記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項13】
前記インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径の前記展開直径に対する比は0.3である、請求項
10~
12のいずれか1項記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【請求項14】
前記半径方向の力のニット力に対する比は450未満である、請求項
10~
12のいずれか1項記載の拡張可能なメディカルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月5日に出願された仮出願第62/741,937号の利益を主張し、また、2018年9月26日に出願された仮出願第62/737,040号の利益を主張し、あらゆる目的のためにそれらの全体を参照し、それらの両方を本明細書に取り込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に、インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーに使用されるカバーを含む装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、デバイスのデリバリー中に拡張可能でインプラント可能なメディカルデバイスを拘束するためのカバーを含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ステント及びステントグラフトは、動脈、静脈、気道、胃腸管及び胆道を含む、体内の様々な管状通路を半径方向に支持するように利用されうる。これらのデバイスを配置するための好ましい方法は、処置する部位にデバイスを正確に配置及び展開するために特殊なデリバリーシステムを使用している。これらのデリバリーシステムにより、施術者はデバイスの配置に関連する外傷及び技術的な困難さを最小限に抑えることができる。デリバリーシステムの属性としては、低プロファイル、イントロデューサシースを通過する能力、蛇行する脈管系をスムーズかつ非外傷的に通り抜ける能力、拘束されたデバイスの保護、ならびに、デバイスを正確に配置及び展開する能力が挙げられる。
【0004】
ステント又はステントグラフトは、膨張可能なバルーン(例えば、バルーン拡張可能なステント)を使用することによって、又は、折りたたまれた又は拘束されたデリバリー直径から拡張及び展開直径まで自己拡張し及び弾性的に回復する(例えば、自己拡張可能なステント)ように展開及び塑性変形されうる。
【0005】
これらのステント及びステントグラフトデバイスは、標的位置へのデリバリーの前及びデリバリー中に、デリバリー構成において保持、圧縮又は拘束されうる。
【発明の概要】
【0006】
要旨
1つの例(「例1」)において、デリバリーシステムは、インプラント可能なメディカルデバイス、及び、前記インプラント可能なメディカルデバイスの周りに配置されそして解放可能に拘束するように構成された取り外し可能な拘束体を含み、前記取り外し可能な拘束体は、第二のインターロックストランドとは異なるストランド特性を有する第一のインターロックストランドを含む少なくとも2つのインターロックストランドを含み、前記第一のインターロックストランドは展開ラインであって、前記展開ラインに加えられた力に応答して前記取り外し可能な拘束体を解放するように構成されている展開ラインを含む。
【0007】
別の例(「例2」)において、例1のデリバリーシステムに加えて、前記インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径の前記展開直径に対する比は0.3未満である。
【0008】
別の例(「例3」)において、例1~2のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性はストランド厚さを含む。
【0009】
別の例(「例4」)において、例1~2のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性はストランドデニールを含む。
【0010】
別の例(「例5」)においては、例1~2のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性はストランド摩擦係数を含む。
【0011】
別の例(「例6」)において、例1~2のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性はストランド材料を含む。
【0012】
別の例(「例7」)において、例1~2のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性はストランド剛性を含む。
【0013】
別の例(「例8」)において、例1~7のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記インプラント可能なメディカルデバイスは、前記インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径で半径方向の力を有し、前記2つのインターロックストランドは、前記展開ラインに加えられたニット力で取り外されるように適合されており、前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約100~約500である。
【0014】
別の例(「例9」)において、例8のデリバリーシステムに加えて、前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約170~約475である。
【0015】
別の例(「例10」)において、例8のデリバリーシステムに加えて、前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約225~約450である。
【0016】
別の例(「例11」)において、例8のデリバリーシステムに加えて、前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約200~約425である。
【0017】
別の例(「例12」)において、デリバリーシステムは、インプラント可能なメディカルデバイス、及び、前記インプラント可能なメディカルデバイスの周りに配置されそして解放可能に拘束するように構成された取り外し可能な拘束体を含み、前記取り外し可能な拘束体は少なくとも2つのインターロックストランドを含み、前記少なくとも2つのインターロックストランドは第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランドを含み、前記第一のインターロックストランド及び前記第二のインターロックストランドは少なくとも1つのストランド特性で互いに異なる。
【0018】
別の例(「例13」)において、例12のデリバリーシステムに加えて、前記第一のインターロックストランドは、少なくとも2つのインターロックストランドのうちの第二のインターロックストランドとは異なるストランド特性を有する。
【0019】
別の例(「例14」)において、例12~13のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記第一のインターロックストランドは、展開ラインに加えられた力に応答して前記取り外し可能な拘束体を解放するように構成された展開ラインである。
【0020】
別の例(「例15」)において、拡張可能なメディカルデバイスは、デリバリー直径、展開直径及びデリバリー直径での半径方向の力を有するインプラント可能なメディカルデバイス、前記インプラント可能なメディカルデバイスにそのデリバリー直径で取り付けられた取り外し可能な拘束体を含み、前記取り外し可能な拘束体はワープニットの形態の複数のインターロックストランドを含み、前記取り外し可能な拘束体は、展開力が展開ラインに加えられたときに遠隔的に取り外されるように構成されており、前記複数のインターロックストランドは第一のストランド及び第二のストランドを含み、前記第一のストランド及び前記第二のストランドは、少なくとも1つのストランド特性において互いに異なり、前記半径方向の力の前記展開力に対する比は約150~約500である。
【0021】
別の例(「例16」)において、例15のデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性は、ストランド厚さ、ストランドデニール、ストランド摩擦係数、ストランド材料及びストランド剛性のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
別の例(「例17」)において、例16のデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性はストランド厚さであり、ここで、前記第一のストランドの断面直径と前記第二のストランドの断面直径との間の差は約0.0025平方インチである。
【0023】
別の例(「例18」)において、例16のデリバリーシステムに加えて、前記異なるストランド特性はストランド厚さであり、前記第一のストランド及び前記第二のストランドのストランド厚さは、約0.0005インチ~約0.008インチだけ異なる。
【0024】
別の例(「例19」)において、例15~18のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径の前記展開直径に対する比は約0.3である。
【0025】
別の例(「例20」)において、例15~19のいずれか1つのデリバリーシステムに加えて、前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約450未満である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0027】
【
図1】
図1は、実施形態による、取り外し可能な拘束体を備えたカテーテルを含むデリバリーシステムの上面図である。
【0028】
【
図2】
図2は、実施形態による、取り外し可能な拘束体を含むインプラント可能なメディカルデバイスの側面図である。
【0029】
【
図3】
図3は、実施形態による、インターロックストランドの概略図である。
【0030】
【
図4】
図4は、実施形態による、例示的なノット列を示す取り外し可能な拘束体の端面図である。
【0031】
【
図5】
図5は、実施形態による、例示的なノット列を示す取り外し可能な拘束体の端面図である。
【0032】
【
図6】
図6A~6Bは、実施形態による、それぞれ、デリバリー構成及び半展開構成のデリバリーシステムの画像である。
【0033】
【
図7】
図7は、インプラント可能なメディカルデバイスの展開のためのニット力を比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
測定の範囲に関して本明細書で使用される用語として、「約」及び「ほぼ」は、交換可能に、測定値を指すために使用され、前記測定値は、記載された測定値を含み、記載された測定値に合理的に近い測定値を含むことができるが、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的誤差、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある、当業者により理解され、容易に確認されるように合理的に少量だけ異なることができる。
【0035】
上述の実施例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限又は他の方法で狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【0036】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されている場合があり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0037】
本開示の様々な態様は、拘束機構を形成又は製造することを含む装置、システム及び方法を対象とする。拘束機構は、標的位置へのデリバリーの前及びその間に、デリバリー構成にインプラント可能なメディカルデバイス(例えば、ステント、ステントグラフト、バルーン又は他の拡張可能なメディカルデバイス)を保持、圧縮又は拘束するように構成されている。特定の例において、拘束機構は1つ以上の繊維を含む。
【0038】
本開示の様々な態様による拘束機構は、インプラント可能なメディカルデバイス上で直接形成又は製造することができる。1つ以上の繊維は、拘束機構を形成するために、編まれ、縫われ又はインターロックされる。したがって、1つ以上の繊維は、インプラント可能なメディカルデバイスの周り又は周囲で一緒に編まれ、縫われ又はインターロックされる。上記のように、インプラント可能なメディカルデバイスは、縮小され、折りたたまれ又は、患者への標的位置へのデリバリーのための拘束機構によって縮小(デリバリー)直径に拘束されており、上記標的位置で、展開され又は拡張されて展開直径(縮小直径よりも大きい)にされる。
【0039】
図1は、幾つかの実施形態による、取り外し可能な拘束体102を備えたカテーテル100を含むデリバリーシステム10の上面図である。
図1に示されるように、取り外し可能な拘束体102は、インプラント可能なメディカルデバイス104をデリバリー構成に拘束するように構成されている。取り外し可能な拘束体102は、取り外し可能な拘束体102を拘束構成に維持するために、デバイス104の周りに配置された1つ以上の繊維106を含むことができる。
【0040】
取り外し可能な拘束体102は、デバイス104の長さに沿って配置される。取り外し可能な拘束体102はまた、デバイス104の周りに周方向に配置され、デリバリーのためにデバイス104を実質的に覆うことができる。1つ以上の繊維106は、カテーテル100の管腔(図示せず)内に配置され、デバイス104のデリバリー中に患者の外部に配置されるカテーテル100の近位端に向かって延在していることができる。1つ以上の繊維106は、取り外し可能な拘束体102を解放し、デバイス104を展開するために、ユーザが張力を加えることができる近位端108を含む。
【0041】
特定の例において、1つ以上の繊維106は、インターロック部分(例えば、オーバーラッピング繊維又はノット)がデバイス104の長さに沿って順次解放されるように、リップコードと同様に解放する。以下により詳細に説明されるように、取り外し可能な拘束体102は、1つ以上の繊維106をデバイス104上で直接インターロックすることによって形成される。デバイス104は、ステント、ステントグラフト、バルーン又は同様のデバイスであることができる。
【0042】
図2は、実施形態による、取り外し可能な拘束体102を含むデバイス104の側面図である。示されるように、デバイス104は、デリバリー直径D1と、前記デリバリー直径D1よりも大きい展開直径D2(図示せず)とを含む。取り外し可能な拘束体102は、デリバリー直径D1でデバイス104の周りに配置されている。示されるように、取り外し可能な拘束体102は、ワープニットの形態で少なくとも2つのインターロックストランドを含む。例えば、取り外し可能な拘束体102は、第一のインターロックストランド110及び第二のインターロックストランド112を含むことができる。第一のインターロックストランド及び/又は第二のインターロックストランド110、112は、例えば、展開ライン120として動作し、前記展開ラインは、取り外し可能な拘束体102を解放し、そして展開ライン120に加えられたニット力に応答してデバイス104をデリバリー直径D1から展開直径D2に解放するように構成されている。
【0043】
デバイス104は、例えば、約5mm~15mm、又は6mm~9mm、又は6mm~12mmの所望の展開直径D2と、展開直径D2よりも小さいデリバリー直径D1とを有することができる。例えば、幾つかの例において、デバイス104のデリバリー直径D1のデバイス104の展開直径D2(図示せず)に対する比は、約0.3未満、約0.29未満、約0.28未満、約0.27未満又は約0.26未満である。
【0044】
幾つかの例において、第一のインターロックストランド110は、第二のインターロックストランド112とは異なる少なくとも1つのストランド特性を有し、これは、取り外し可能な拘束体102を解放するために必要なニット力の量に影響を及ぼすことができる。異なるストランド特性の例としては、ストランド厚さ、ストランドデニール、ストランド摩擦係数、ストランド材料及び/又はストランド剛性が挙げられる。
【0045】
例えば、第一のインターロックストランド110は第一の直径又は厚さを有することができ、第二のインターロックストランド112は第一の直径よりも大きい第二の直径又は厚さを有することができる。様々な例において、第二のインターロックストランド112のためにより大きな直径又は厚さを使用することは、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、112間の摩擦を増加させるのに役立ち、次に、デバイス104をデリバリー構成に維持するのに役立つ。異なるストランド特性がストランド直径又は厚さである幾つかの例において、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、112は、約0.0015cm(0.0006インチ)で変動する断面直径又は厚さを有することができる。他の例において、断面直径は、約0.0008cm、0.0009cm、0.0010cm、0.0011cm、0.0012cm、0.0013cm、0.0014cm、0.0015cm、0.0016cm、0.0017cm、0.0018cm、0.0019cm、0.0020cm、0.0021cm、0.0022cm又はそれらの間の任意の数値で変動しうる。さらに、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、122の間の直径の差は、約0.0005インチ~約0.008インチであるこができる。参考までに、「直径」という用語は、円形の断面を要求することを意図するのではなく、代わりに、ストランドの最大横断面寸法又は有効直径を指すように広く理解されるべきである。
【0046】
参考までに、「直径」という用語は、円形の断面を要求することを意図するのではなく、代わりに、ストランドの最大横断面寸法を指すように広く理解されるべきである。
【0047】
様々な例において、第一のインターロックストランド110は、第一の材料を含むことができ、第二のインターロックストランド112は、第一の材料とは異なる第二の材料を含むことができる(例えば、ストランド間の異なる直径の代わりとして又は追加の特徴として)。第一のインターロックストランド110は、特定の場合において、第二のインターロックストランド112の材料の引張強度と比較して、異なる(例えば、より高い又はより低い)引張強度を有する材料を含むことができる。追加的又は代替的に、第一のインターロックストランド110は、第二のインターロックストランド112の材料の表面粗さと比較して異なる(例えば、より高い又はより低い)表面粗さを有する材料を含むことができる。さらに、第一のインターロックストランド110は、第二のインターロックストランド112の材料の粘着性又は付着性と比較して、異なる(例えば、より高い又はより低い)他の材料への粘着性又は付着性を有する材料を含むことができる。様々な例において、第一のストランド及び第二のストランド110、112は、異なる静的及び/又は動摩擦係数を示し、第二のストランド112は、例えば、第一のストランド110よりも比較的高い静摩擦及び/又は動摩擦係数を示す。上述のことから、ストランド110、112は、複数の異なる特性を含みうることが理解されるべきである。例えば、第一のインターロックストランド110は、第二のインターロックストランド112と比較して、異なる(例えば、より高い又はより低い)引張強度及び異なる(例えば、より高い又はより低い)表面粗さを有することができる。
【0048】
本明細書で論じられるストランド110、112のための潜在的な材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエステル、ポリウレタン、ペルフルオロエラストマーなどのフルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ウレタン、超高分子量ポリエチレン、アラミド繊維及びそれらの組み合わせが挙げられる。ストランド110、112のための他の実施形態は、超高分子量ポリエチレン繊維(例えば、Spetra(登録商標)、Dyneema Purity(登録商標)など)又はアラミド繊維(例えば、Technora(登録商標)など)などの高強度ポリマー繊維を含むことができる。一般に、上述の特性のいずれも、当業者によって理解されるように、ASTM又は他の認められた測定技術及び標準を使用して評価することができる。
【0049】
特定の例において、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、112は、同じ材料を含むことができるが、他の態様では異なることができる。例えば、ストランドの1つは、フィラー又はコア材料を含むことができ、とりわけ、エッチング、蒸着又は冠状又は他のプラズマ処理によって表面処理されることができ、適切なコーティング材料でコーティングされることを含む。異なる直径と同様に、ストランド110、112のために異なるストランド材料を使用すると、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、112間の摩擦が増加し、デバイス104をデリバリー構成に維持するのに役立つことができる。
【0050】
デバイス104は、デリバリー直径D1で半径方向の力を有する。半径方向の力は、一般に、デバイス104の展開中の任意の点で取り外し可能な拘束体102に対して作用するデバイス104によって引き起こされる力を指す。上記のように、インターロックストランド110、112は、展開ライン120に展開力が加えられると取り外されるように適合される。幾つかの例において、デバイス104のこの半径方向の力の展開ライン120に加えられるニット力に対する比は約500未満である。他の例において、デバイス104のこの半径方向の力の展開ライン120に加えられるニット力に対する比は約475未満である。さらに、デバイス104のこの半径方向の力の展開ライン120に加えられるニット力に対する比は約450未満であることができる。さらに、デバイス104のこの半径方向の力の展開ライン120に加えられるニット力に対する比は、他の例において、約425未満である。さらに、半径方向の力のニット力に対する比は、例えば、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~約500、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~約475、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~約450、又は、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)~425であることができる。
【0051】
図3は、実施形態による、取り外し可能な拘束体102(
図1~2)のインターロックストランドの概略図である。インターロックストランド(例えば、示されるように、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、112)は、一般に、互いに織り合わされて、少なくとも1つのノット列114を形成する。示されるように、ノット列114は、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、112から形成されるインターロックループから形成される。例えば、第一のインターロックループ116は、第一のインターロックストランド110から形成され、第二のインターロックストランド112から形成される第二のインターロックループ118と織り合わされる。このインターロッキングされたループ構成は、展開ライン120に展開力を加える(ニット力を解放する)ことによって取り外し可能な拘束体102(
図1~2)の解放を可能にする。
【0052】
一般に、ノット列114は、取り外し可能な拘束体102の周囲の任意の位置に配置されうる。特定の例において、インターロックストランドは、1つより多くのノット列を形成することができる。
図4は、実施形態による、例示的なノット列114を示す取り外し可能な拘束体102の端面図である。示されるように、第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランド110、112は、取り外し可能な拘束体102の周囲の異なる位置に配置された第一のノット列122及び第二のノット列124を形成することができる。例えば、ノット列は、互いに約180度離れて、互いに約90度離れて、互いに約60度離れて又は必要に応じて他の任意の距離だけ間隔を空けることができる。
【0053】
図5は、実施形態による、例示的なノット列114を示す取り外し可能な拘束体102の端面図である。示されるように、幾つかの例において、取り外し可能な拘束体102は、2つより多くのインターロックストランドを含むことができる。例えば、取り外し可能な拘束体102は、例えば、第一のインターロックストランド130、第二のインターロックストランド132、第三のインターロックストランド134及び第四のインターロックストランド136を含むことができる。これらの例において、取り外し可能な拘束体102はまた、それぞれ第一のインターロックストランドから第四のインターロックストランド130~136に対応する第一のノット列140、第二のノット列142、第三のノット列144及び第四のノット列146を含むことができる。第一のインターロックストランドから第四のインターロックストランド130~136の1つに力を加えることは、対応するノット列の解きほぐしを開始することができ、したがって、取り外し可能な拘束体102の様々な部分の選択的展開を可能にする。
【0054】
幾つかの例において、インターロックストランドの少なくとも1つは、残りのインターロックストランドとは異なるストランド特性を有することができる。例えば、第一のストランド、第二のストランド及び第三のストランド130、132、134は同じストランド特性を有することができ、一方、第四のストランド136は異なるストランド特性を有する。他の例において、インターロックストランドのうちの2つは1つのストランド特性を有することができ、一方、残りのストランドは第一のストランド特性とは異なる第二のストランド特性を有するなどである。幾つかの例において、インターロックストランドのそれぞれは、所望に応じて、取り外し可能な拘束体102の様々な部分の選択的な展開を容易にするために、異なるストランド特性を有することができる。特定の例において、インターロックストランド130、132、134、136の1つは、インターロックストランド130、132、134、136の隣接するものとは異なる特性を有する。
【0055】
上記のように、ノット列は、取り外し可能な拘束体102の周囲の任意の位置に配置することができる。
図5は、互いに約90度離して配置されているが、ノット列は、所望に応じて任意の量だけ離間することができる。例えば、ノット列は、所望の展開長さ比を達成するために、互いに60度、互いに45度又はそれ未満の間隔で配置することができる。
【0056】
幾つかの例において、異なる特性を有するインターロックストランドを有することにより、解放される前にデバイス104の傾斜を低減することができる。例えば、インターロックストランドは、ノット列114のノットが順番に解放される前に、デバイス104の傾斜(展開角度)を減少させることができる。デバイス104の傾斜は、意図された展開の前に、デバイス104の高度な又は事前展開につながることができる。
【0057】
図6A~6Bは、実施形態による、それぞれ、デリバリー構成及び半展開構成のデリバリーシステムの画像である。
図6Aに示されるように、取り外し可能な拘束体102は、そのデリバリー直径D1でデバイス104に取り付けられている。展開中に、ニット力が展開ライン120に加えられて、
図5Bに示されるように、ノット列114を解くことによって取り外し可能な拘束体102を解放する。取り外し可能な拘束体102が解放されると、デバイス104は展開直径D2に解放される。
【0058】
異なる特性を有するインターロックストランド110、112は、解放される前にデバイス104の傾斜を少なくすることができる。例えば、インターロックストランド110、112は、ノット列114のノットが順次に解放される前に、デバイス104の傾斜(又は展開角度)を減少させることができる。デバイス104は、拘束機構102の解放後に、より大きな直径に拡張し始める。デバイス104は、拘束機構102によって保持された部分と、拡張された部分又は拡張し始めている部分との間に角度Aを有することができる。角度A及び展開直径D2に展開するための力を消費するデバイス104のために、以前の拘束は、デバイス104の部分の傾斜又は拡張のためにシフトしうる。しかしながら、異なるストランド特性は、ノットが順次に解放されるときに、デバイス104に対する各ノットの位置を維持することによってデバイス104の傾斜を減少させることができ、上記で詳細に記載されるように、デバイス104の望まない展開(例えば、加速展開又は事前展開)を減らす。
【0059】
図7は、本明細書で論じられるようなインプラント可能なメディカルデバイスの展開のためのニット力を比較するグラフである。ニット力は、包囲しているニットループ内からニットループを除去し、そして加速展開を除去するために展開ラインに加えられる力である。
図7に示されるように、ニット力が増加するにつれて、加速展開(AD)は減少する。本明細書に記載されているのは、増加したニット力を達成する方法である。これは、拘束直径/拡張直径の比が0.3未満であるときに、又は、より大きい公称直径のデバイス(9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm及び、25mm、30mm、40mm及び50mmを含む、より大きい)ときに明らかである。
【0060】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で、上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入る限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
インプラント可能なメディカルデバイス、及び、
前記インプラント可能なメディカルデバイスの周りに配置されそして解放可能に拘束するように構成された取り外し可能な拘束体、
を含む、デリバリーシステムであって、
前記取り外し可能な拘束体は、第二のインターロックストランドとは異なるストランド特性を有する第一のインターロックストランドを含む少なくとも2つのインターロックストランドを含み、前記第一のインターロックストランドは展開ラインであって、前記展開ラインに加えられた力に応答して前記取り外し可能な拘束体を解放するように構成されている展開ラインを含む、デリバリーシステム。
(態様2)
インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径の展開直径に対する比は0.3未満である、態様1記載のデリバリーシステム。
(態様3)
前記異なるストランド特性はストランド厚さを含む、態様1~2のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様4)
前記異なるストランド特性はストランドデニールを含む、態様1~2のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様5)
前記異なるストランド特性はストランド摩擦係数を含む、態様1~2のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様6)
前記異なるストランド特性はストランド材料を含む、態様1~2のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様7)
前記異なるストランド特性はストランド剛性を含む、態様1~2のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様8)
前記インプラント可能なメディカルデバイスは、前記インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径で半径方向の力を有し、前記少なくとも2つのインターロックストランドは、前記展開ラインに加えられたニット力で取り外されるように適合されており、前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約100~約500である、態様1~7のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様9)
前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約170~約475である、態様8記載のデリバリーシステム。
(態様10)
前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約225~約450である、態様8記載のデリバリーシステム。
(態様11)
前記半径方向の力の前記ニット力に対する比は約200~約425である、態様8記載のデリバリーシステム。
(態様12)
インプラント可能なメディカルデバイス、及び、
前記インプラント可能なメディカルデバイスの周りに配置されそして解放可能に拘束するように構成された取り外し可能な拘束体、
を含む、デリバリーシステムであって、
前記取り外し可能な拘束体は少なくとも2つのインターロックストランドを含み、前記少なくとも2つのインターロックストランドは第一のインターロックストランド及び第二のインターロックストランドを含み、前記第一のインターロックストランド及び前記第二のインターロックストランドは少なくとも1つのストランド特性で互いに異なる、デリバリーシステム。
(態様13)
前記第一のインターロックストランドは、少なくとも2つのインターロックストランドのうちの第二のインターロックストランドとは異なるストランド特性を有する、態様12記載のデリバリーシステム。
(態様14)
前記第一のインターロックストランドは、展開ラインに加えられた力に応答して前記取り外し可能な拘束体を解放するように構成された展開ラインである、態様12~13のいずれか1項記載のデリバリーシステム。
(態様15)
デリバリー直径、展開直径及びデリバリー直径での半径方向の力を有するインプラント可能なメディカルデバイス、
前記インプラント可能なメディカルデバイスにそのデリバリー直径で取り付けられた取り外し可能な拘束体、
を含む、拡張可能なメディカルデバイスであって、
前記取り外し可能な拘束体はワープニットの形態の複数のインターロックストランドを含み、前記取り外し可能な拘束体は、展開力が展開ラインに加えられたときに遠隔的に取り外されるように構成されており、
前記複数のインターロックストランドは第一のストランド及び第二のストランドを含み、前記第一のストランド及び前記第二のストランドは、少なくとも1つのストランド特性において互いに異なり、
前記半径方向の力の前記展開力に対する比は約150~約500である、拡張可能なメディカルデバイス。
(態様16)
前記異なるストランド特性は、ストランド厚さ、ストランドデニール、ストランド摩擦係数、ストランド材料及びストランド剛性のうちの少なくとも1つを含む、態様15記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様17)
前記異なるストランド特性はストランド厚さであり、ここで、前記第一のストランドの断面直径と前記第二のストランドの断面直径との間の差は約0.0025平方インチである、態様16記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様18)
前記異なるストランド特性はストランド厚さであり、前記第一のストランド及び前記第二のストランドのストランド厚さは、約0.0005インチ~約0.008インチ異なる、態様16記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様19)
前記インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリー直径の前記展開直径に対する比は約0.3である、態様15~18のいずれか1項記載の拡張可能なメディカルデバイス。
(態様20)
前記半径方向の力のニット力に対する比は約450未満である、態様15~19のいずれか1項記載の拡張可能なメディカルデバイス。