(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】車両用アレイアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/32 20060101AFI20240619BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20240619BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
H01Q1/32 Z
H01Q7/00
H01Q21/06
(21)【出願番号】P 2021538806
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(86)【国際出願番号】 KR2020000079
(87)【国際公開番号】W WO2020141918
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0000573
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0000679
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】オー,セウォン
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-116576(JP,A)
【文献】米国特許第06359596(US,B1)
【文献】欧州特許出願公開第02833479(EP,A1)
【文献】特開2016-119551(JP,A)
【文献】特開2007-166133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0314291(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/32
H01Q 7/00
H01Q 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面の領域全体にグラウンドが形成された第1基板;
前記第1基板の一面に垂直に配置され、所定の間隔で離隔して配置された複数の第2基板;および
前記複数の第2基板の各一面に形成されたループアンテナと接地面を含み、
前記第1基板の一面には溝部が形成され、前記第2基板の一側には前記溝部に挿入結合される突出部が形成され、
前記第2基板の一面は第1領域と第2領域を含み、
前記第1領域には前記ループアンテナが形成され、
前記第2領域には前記第1基板のグラウンドに連結される前記接地面が形成され、
前記ループアンテナは、
放射体;
前記放射体の一端から延長形成され、前記第1基板の信号ラインに連結される給電ライン;および
前記放射体の他端から延長形成され、前記接地面に連結される接地ラインを含み、
前記第2領域は、前記第1基板の一面側の方向において前記給電ラインおよび前記接地ラインの下方に設けられる、車両用アレイアンテナ
。
【請求項2】
前記接地面の面積により放射面積の制御が可能である、請求項
1に記載の車両用アレイアンテナ
。
【請求項3】
前記放射体の全体の長さは1λであり、
前記放射体の横長と縦長は比率が5:4で形成される、請求項
1に記載の車両用アレイアンテナ。
【請求項4】
前記給電ラインの長さと前記接地面の長さは比率が1:1で形成される、請求項
1又は
3に記載の車両用アレイアンテナ。
【請求項5】
前記複数の第2基板の各一面は同一方向に配置された、請求項
1に記載の車両用アレイアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は位置側位技術に関し、より詳細には構造が簡単でありながら理想的な信号の受信性能を具現できる車両用アレイアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティに脆弱なスマートキーの短所を補完するために、韓国、日本、アメリカなどの自動車メーカーで代替技術が活発に開発中である。主な代替技術としてはNFC(Near Field Communication)、BLE(Bluetooth Low Energy)技術がある。NFCは携帯電話を車と接触させなければならない距離的不便さがあり、これを一段階改善させたものがBLE車両側位技術である。側位のためには各アンテナを一定の間隔以上離隔させた後、送受信される信号の位相(phase)差を感知して携帯電話の位置を計算することになる。
【0003】
車両にBLE AOA(Angle Of Arrival)機能を含ませるためには、車両の全方位で使用者の携帯電話を認識できなければならず、この時、最も核心となる技術はアンテナアレイ(antenna array)技術である。この時、携帯電話との送受信のためには各アンテナの放射範囲が均一に広くなければならない。
【0004】
図1a~
図1cは、従来技術に係る車両用アレイアンテナを示す図面である。
【0005】
図1aを参照すると、従来技術に係る車両用アレイアンテナは基板1、多数のモノポールアンテナまたはダイポールアンテナ2、RF(Radio Frequency)ケーブル3、RFコネクタ4を含んで構成され得る。この時、使うモノポールアンテナまたはダイポールアンテナは高価であり、アンテナが3個使われる場合、3個のRFケーブルと6個のRFコネクタが必要であるため価格が高くなる。
【0006】
また、線形配列(linear array)の構造上後面に反射板(5)が追加で備えられなければならないが、反射板は大きさが大きいため車両のバンパーの内側に装着し難い。
【0007】
図1b~
図1cを参照すると、従来技術に係る車両用アレイアンテナの放射パターンを示しているが、反射板の後方を除いた広い範囲の信号の受信が可能であることが分かる。
【0008】
しかし、各アンテナの放射範囲を広くするためにアレイアンテナを設計する場合、アレイアンテナの大きさが大きく高くなるだけでなく、実際に車両に入れるだけの空間が存在しない。現在までは事実上量産性がない理想的なアンテナのみが設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
公開特許公報第10-2017-0026255号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
実施例は、構造が簡単で理想的な信号の受信性能を具現できる車両用アレイアンテナを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施例に係る車両用アレイアンテナは、第1基板;前記第1基板の一面に垂直に配置され、所定の間隔で離隔して配置された複数の第2基板;および前記複数の第2基板の各一面に形成されたループアンテナを含み、前記複数の第2基板の各一面は同一方向に配置され得る。
【0012】
前記ループアンテナは、放射体;前記放射体の一端から延長形成され、前記第1基板の信号ラインに連結される給電ライン;および前記放射体の他端から延長形成され、前記第1基板のグラウンドに連結される接地ラインを含むことができる。
【0013】
前記放射体は円の形状、楕円形状、多角形状のうちいずれか一つの形状に形成され得る。
【0014】
前記第1基板と前記第2基板は一体型に形成され得る。
【0015】
前記第2基板は前記第1基板に着脱式で結合され得る。前記第1基板の一面には溝部が形成され、前記第2基板の一側には前記溝部に挿入結合される突出部が形成され得る。
【0016】
前記ループアンテナはモノポール(monopole)アンテナであり得る。
【0017】
実施例に係る車両用アレイアンテナは、一面にグラウンドが形成された第1基板;前記第1基板の一面に垂直に配置され、所定の間隔で離隔して配置された複数の第2基板;および前記複数の第2基板の各一面に形成されたループアンテナと接地面を含み、前記複数の第2基板の各一面は同一方向に配置され得る。
【0018】
前記第2基板の一面は第1領域と第2領域を含み、前記第1領域には前記ループアンテナが形成され、前記第2領域には前記第1基板のグラウンドに連結される接地面が形成され得る。
【0019】
前記接地面の面積により放射面積の制御が可能であり得る。
【0020】
前記ループアンテナは、放射体;前記放射体の一端から延長形成され、前記第1基板の信号ラインに連結される給電ライン;および前記放射体の他端から延長形成され、前記接地面に連結される接地ラインを含むことができる。
【0021】
前記放射体の全体の長さは1λであり、前記放射体の横長と縦長の比率が5:4で形成され得る。
【0022】
前記給電ラインの長さと前記接地面の高さは比率が1:1で形成され得る。
【発明の効果】
【0023】
実施例によると、簡単な構造で後方を除いた広い範囲の信号の受信が可能であり得る。
【0024】
実施例によると、簡単な構造で具現されても理想的なダイポールアンテナと同等の性能を具現することができる。
【0025】
実施例によると、安価の基板を利用し高価のダイポールアンテナ、ケーブル、コネクタを使わないため、材料費を画期的に削減しつつ、サイズの小型化が可能であり得る。
【0026】
実施例によると、第1基板の一面に複数個の第2基板を所定間隔で垂直配置するため、第2基板の個数を調節してアンテナの大きさを容易に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】従来技術に係る車両用アレイアンテナを示す図面である。
【
図1b】従来技術に係る車両用アレイアンテナを示す図面である。
【
図1c】従来技術に係る車両用アレイアンテナを示す図面である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る車両用アレイアンテナを示す図面である。
【
図3a】
図2に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図3b】
図2に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図3c】
図2に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図3d】
図2に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図4a】
図2に図示された第1基板と第2基板の結合関係を説明するための図面である。
【
図4b】
図2に図示された第1基板と第2基板の結合関係を説明するための図面である。
【
図5a】
図2に図示されたループアンテナの具体的な形状を説明するための図面である。
【
図5b】
図2に図示されたループアンテナの具体的な形状を説明するための図面である。
【
図6a】
図2に図示された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【
図6b】
図2に図示された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【
図7】本発明の第2実施例に係る車両用アレイアンテナを示す図面である。
【
図8a】
図7に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図8b】
図7に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図8c】
図7に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図8d】
図7に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【
図9a】
図7に図示された第1基板と第2基板の結合関係を説明するための図面である。
【
図9b】
図7に図示された第1基板と第2基板の結合関係を説明するための図面である。
【
図10a】
図7に図示された第2基板の具体的な形状を説明するための図面である。
【
図10b】
図7に図示された第2基板の具体的な形状を説明するための図面である。
【
図11a】
図7に図示された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【
図11b】
図7に図示された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【
図12a】車両に装着された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【
図12b】車両に装着された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0029】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使うことができる。
【0030】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈できるであろう。
【0031】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0032】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0033】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0034】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0035】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0036】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0037】
[第1実施例]
第1実施例では、第1基板の一面に複数個の第2基板を所定間隔で垂直に配置し、複数個の第2基板の各一面にループアンテナを形成するようにした、新しい構造の車両用アレイアンテナを提案する。特に、実施例に係る車両用アレイアンテナは近距離無線通信技術基盤AOA(Angle Of Arrival)測位用であり得る。ここで、近距離通信技術は例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)等を含むことができる。
【0038】
図2は本発明の第1実施例に係る車両用アレイアンテナを示す図面であり、
図3a~
図3dは
図2に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【0039】
図2と
図3a~
図3dを参照すると、本発明の第1実施例に係る位置側位のための車両用アレイアンテナは、第1基板100、第2基板200、ループアンテナ300を含むことができる。
【0040】
第1基板100は一面に複数個の第2基板200を垂直に配置し、複数個の第2基板200を所定の間隔で離隔させて配置することができる。このような第1基板100は複数個の第2基板200を線形配列するための支持手段として使われ得るだけでなく、複数個の第2基板200にそれぞれ形成されたループアンテナを通じて放射される信号を一面の前方に反射させるための反射手段として使われ得る。
【0041】
第1基板100は銅箔(copper coil)を被覆させた積層板であるPCB(Printed Circuit Board)基板であり得る。したがって、第1基板100は一面に別途の反射手段を形成する必要なく、基本的な積層構造を形成する銅箔を通じて反射手段となり得る。
【0042】
第2基板200は第1基板100の一面に垂直に配置され、所定の間隔で離隔して配置され得る。第2基板200は一面にループアンテナが形成され得る。本実施例では3個の第2基板200に配置された場合を一例として説明しているが、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて2個以上が配置され得る。
【0043】
第2基板200は銅箔(copper coil)を被覆させた積層板であるPCB(Printed Circuit Board)基板であり得る。この時、PCB基板は積層構造にかかわらずすべて適用可能であり得る。
【0044】
この時、第1基板100の大きさは第2基板200の大きさより大きく形成され得る。第1基板100の大きさは設置空間を考慮して例えば、100mm×60mmで形成され得る。
【0045】
ループアンテナ300は複数個の第2基板200の各一面に形成され得る。このようなループアンテナ300は複数個の第2基板200の各一面に同一に形成され得るが、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて異なるように形成されてもよい。
【0046】
このようなループアンテナ300は例えば、モノポール(monopole)アンテナで具現され得る。
【0047】
この時、複数個の第2基板200の各一面に形成されたループアンテナ300は所定の間隔だけ離隔されるが、離隔する間隔Dは次の[数式1]を満足することができる。
【数式1】
【0048】
D=λ/4、λ=c/f
ここで、λは波長を表し、cは光速(3×108)を表し、fは周波数を表す。
【0049】
図4a~
図4bは、
図2に図示された第1基板と第2基板の結合関係を説明するための図面である。
【0050】
図4aを参照すると、本実施例に係る第1基板100と第2基板200は着脱式で結合され得る。ここでは説明の便宜上一つの第2基板200を利用して説明する。例えば、第2基板200は一側が第1基板100の一面に挿入結合され得る。本実施例では第1基板100と第2基板200を着脱式で結合した場合を例にして説明する。
【0051】
このように第1基板100と第2基板200はDIPタイプで挿入結合され得る。
【0052】
このために、第1基板100は一面に第2基板200が挿入結合される少なくとも一つの溝部110が形成され得る。第1基板100の一面には3個の溝部が形成された場合を示しているが、溝部の個数は必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更され得る。
【0053】
第2基板200は一側が第1基板100の一面に形成された少なくとも一つの溝部110に挿入結合される突出部210が形成され得る。第2基板200の一面には3個の突出部が形成された場合を示しているが、突出部の個数はこれに限定されず、必要に応じて変更され得る。
【0054】
この時、複数個の第2基板200は第1基板100の一面に複数個の第2基板200が垂直に挿入結合され、同一の間隔で離隔して配置されることが好ましく、必要に応じて少なくとも一つの第2基板が異なる間隔で離隔して配置されてもよい。
【0055】
また、複数個の第2基板200の一面にはループアンテナ300が形成され得るが、ループアンテナは一つのループで形成され、同一の形状に形成されることが好ましく、必要に応じて少なくとも一つの第2基板が異なる形状に形成されてもよい。
【0056】
また、複数個の第2基板200の一面はいずれも同一方向に配置されることが好ましく、必要に応じて少なくとも一つの第2基板が異なる方向に配置されてもよい。
【0057】
図4bを参照すると、本実施例に係る第1基板100と第2基板200は一体型に形成され得る。ここでは説明の便宜上一つの第2基板200を利用して説明する。例えば、第1基板100と第2基板200はLCP(Liquid Crystal Polymer)射出成形によって一つのLCP射出物として形成され得る。
【0058】
そして、一体型に形成された第1基板100と第2基板200にはLDS(Laser Direct Structuring)工法を利用してループアンテナおよび回路が形成され得る。
【0059】
図5a~
図5bは、
図2に図示されたループアンテナの具体的な形状を説明するための図面である。
【0060】
図5a~
図5bを参照すると、本発明の実施例に係る第2基板200の一面にはループアンテナ300が形成されるが、ループアンテナ300は放射体310、給電ライン320、接地ライン330を含むことができる。
【0061】
放射体310は信号を放射するための所定の形状に形成され得るが、例えば、円の形状、楕円形状、多角形状のうちいずれか一つの形状に形成され得る。ここで、放射体310は導電性物質で形成され得るが、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち少なくともいずれか一つで形成され得る。
【0062】
放射体310は一つのループで形成され、ループの一端から給電ライン320が延長形成され、ループの他端から接地ライン330が延長形成され得る。給電ライン320と接地ライン330は所定間隔離隔して平行するように形成され得る。
【0063】
この時、第2基板が第1基板に挿入結合される場合、給電ライン320は第1基板の信号ラインに連結され、接地ライン330は第1基板のグラウンドに連結され得る。
【0064】
また、放射体310は一つのループからなるが、ループの全長Lは1λを満足することができ、ループの横長Lxと縦長Lyの比率が5:4を満足することができる。
【0065】
また、給電ラインの長さL_powerと接地ラインL_groundの長さの比率が1:1を満足することができる。
【0066】
図6a~
図6bは、
図2に図示された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【0067】
図6a~
図6bを参照すると、本実施例では一般的な安価の基板である複数個の第2基板を所定の大きさの第1基板の一面に垂直に配置し、複数個の第2基板の各一面にループアンテナを形成するようにすることによって、既存の理想的なダイポールアンテナと同等の性能を有することをコンピュータシミュレーションを通じて確認することができる。
【0068】
[第2実施例]
第2実施例では、グラウンドが形成された第1基板の一面に複数個の第2基板を所定間隔で垂直に配置し、第2基板の一面にループアンテナと接地面を形成するようにした、新しい構造の車両用アレイアンテナを提案する。
【0069】
図7は本発明の第2実施例に係る車両用アレイアンテナを示す図面であり、
図8a~
図8dは
図7に図示された車両用アレイアンテナの形態を説明するための図面である。
【0070】
図7と
図8a~
図8dを参照すると、本発明の第2実施例に係る位置側位のための車両用アレイアンテナは、第1基板100、第2基板200、ループアンテナ300、接地面400を含むことができる。
【0071】
第1基板100は一面と他面を含み、一面の全体領域にはグラウンドが形成され、他面には回路が形成され得る。第1基板100はグラウンドが形成された一面に複数個の第2基板200を垂直に配置し、複数個の第2基板200を所定の間隔で離隔させて配置することができる。このような第1基板100は複数個の第2基板200を線形配列するための支持手段として使われ得るだけでなく、複数個の第2基板200にそれぞれ形成されたループアンテナを通じて放射される信号を一面の前方に反射させるための反射手段として使われ得る。
【0072】
第1基板100は銅箔(copper coil)を被覆させた積層板であるPCB(Printed Circuit Board)基板であり得る。したがって、第1基板100は一面に別途の反射手段を形成する必要なく基本的な積層構造を形成する銅箔を通じて反射手段となり得る。
【0073】
第2基板200は第1基板100の一面に垂直に配置され、所定の間隔で離隔して配置され得る。第2基板200は一面にループアンテナが形成され得る。本実施例では3個の第2基板200に配置された場合を一例にして説明しているが、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて2個以上が配置され得る。
【0074】
第2基板200は銅箔(copper coil)を被覆させた積層板であるPCB(Printed Circuit Board)基板であり得る。この時、PCB基板は積層構造にかかわらずすべて適用可能であり得る。
【0075】
この時、第1基板100の大きさは第2基板200の大きさより大きく形成され得る。第1基板100の大きさは設置空間を考慮して例えば、100mm×60mmで形成され得る。
【0076】
ループアンテナ300は複数個の第2基板200の各一面の第1領域に同一に形成され得る。このようなループアンテナ300は複数個の第2基板200の各一面に同一に形成され得るが、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて異なるように形成されてもよい。
【0077】
このようなループアンテナ300は例えば、モノポール(monopole)アンテナで具現され得る。
【0078】
接地面400は複数個の第2基板200の各一面の第2領域に同一に形成され得る。このような接地面400はループアンテナ300を接地させることができるが、一側がループアンテナ300に連結され、他側が第1基板100のグラウンドに連結され得る。
【0079】
図9a~
図9bは、
図7に図示された第1基板と第2基板の結合関係を説明するための図面である。
【0080】
図9aを参照すると、本実施例に係る第1基板100と第2基板200は一体型に形成され得る。ここでは説明の便宜上一つの第2基板200を利用して説明する。例えば、第1基板100と第2基板200はLCP(Liquid Crystal Polymer)射出成形によって一つのLCP射出物として形成され得る。
【0081】
そして、一体型に形成された第1基板100と第2基板200にはLDS(Laser Direct Structuring)工法を利用してループアンテナおよび回路が形成され得る。すなわち、第2基板200にはループアンテナが形成され、第1基板100には回路が形成され得る。本実施例では第1基板と第2基板を一体型に形成した場合を一例にして説明する。
【0082】
図9bを参照すると、本実施例に係る第1基板100と第2基板200は着脱式で結合され得る。ここでは説明の便宜上一つの第2基板200を利用して説明する。例えば、第2基板200は一側が第1基板100の一面に挿入結合され得る。
【0083】
このように第1基板100と第2基板200はDIPタイプで挿入結合され得る。
【0084】
このために、第1基板100は一面に第2基板が挿入結合される少なくとも一つの溝部が形成され得る。本実施例で第1基板100の一面には3個の溝部が形成された場合を示しているが、溝部の個数は必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更され得る。
【0085】
第2基板200は一側が第1基板の一面に形成された少なくとも一つの溝部に挿入結合される突出部が形成され得る。本実施例で第2基板200の一面には3個の突出部が形成された場合を示しているが、突出部の個数はこれに限定されず、必要に応じて変更され得る。
【0086】
この時、複数個の第2基板200は第1基板100の一面に複数個の第2基板200が垂直に挿入結合され、同一の間隔で離隔して配置されることが好ましく、必要に応じて少なくとも一つの第2基板が異なる間隔で離隔して配置されてもよい。
【0087】
また、複数個の第2基板200の一面の第1領域にはループアンテナ300が形成され得るが、ループアンテナは一つのループで形成され、同一の形状に形成されることが好ましく、必要に応じて少なくとも一つの第2基板が異なる形状に形成されてもよい。
【0088】
また、複数個の第2基板200の一面の第2領域には接地面400が形成され得るが、接地面400の面積により放射面積の制御が可能であり得る。
【0089】
また、複数個の第2基板200の一面はいずれも同一方向に配置されることが好ましく、必要に応じて少なくとも一つの第2基板が異なる方向に配置されてもよい。
【0090】
図10a~
図10bは、
図7に図示された第2基板の具体的な形状を説明するための図面である。
【0091】
図10a~
図10bを参照すると、本実施例に係る第2基板200の一面は第1領域と第2領域を含み、第1領域にはループアンテナ300が形成され、第2領域には接地面400が形成され得る。
【0092】
このようなループアンテナ300は放射体310、給電ライン320、接地ライン330を含むことができる。
【0093】
放射体310は信号を放射するための所定の形状に形成され得るが、例えば、円の形状、楕円形状、多角形状のうちいずれか一つの形状に形成され得る。ここで、放射体310は導電性物質で形成され得るが、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち少なくともいずれか一つで形成され得る。
【0094】
放射体310は一つのループで形成され、ループの一端から給電ライン320が延長形成され、ループの他端から接地ライン330が延長形成され得る。給電ライン320と接地ライン330は所定間隔離隔して平行するように形成され得る。
【0095】
給電ライン320は第1基板の信号ラインに連結され、接地ライン330は接地面400に連結され得る。
【0096】
このような接地面400の面積により放射面積の制御が可能であり得る。すなわち、接地面400の面積、具体的には高さhが高くなるほど放射面積がさらに広くなり得る。
【0097】
この時、放射体310は一つのループからなるが、ループの全長Lは1λを満足することができ、ループの横長Lxと縦長Lyの比率が5:4を満足することができる。
【0098】
また、給電ラインの長さL_powerと接地ラインL_groundの長さの比率が1:1を満足することができる。
【0099】
また、給電ラインの長さL_powerと接地面の長さL_ground_planeは比率が1:1を満足することができる。例えば、給電ラインの長さL_powerと接地面の長さL_ground_planeは10mmであり得る。
【0100】
図11a~
図11bは、
図7に図示された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【0101】
図11a~
図11bを参照すると、本実施例では一般的な安価の基板である複数個の第2基板を所定の大きさの第1基板の一面に垂直に配置し、第2基板の一面にループアンテナと接地面を形成するようにすることによって、既存の理想的なダイポールアンテナと同等の性能を有することをコンピュータシミュレーションを通じて確認することができる。
【0102】
図12a~
図12bは、車両に装着された車両用アレイアンテナの放射パターンを示す図面である。
【0103】
図12a~
図12bを参照すると、本発明の第1実施例または第2実施例に係る車両用アレイアンテナは、車両でBLE AOA位置側位のためにフロントバンパーとリアバンパーの両終端部P1、P2、P3、P4に設置され得る。車両のドア(door)などは金属(metal)からなっているため装着が難しく、シャークアンテナはすでに飽和状態であって、2.4GHz帯域のリニアアンテナをいくつも入れることは不可能である。
【0104】
車両のフロントバンパーとリアバンパーに車両用アレイアンテナが位置する時、アンテナの波形が車両の外部に向かって放射されるようにすることが重要である。したがって、本実施例のように複数個の第2基板を所定の大きさの第1基板の一面に垂直に配置することによって第1基板が反射板の役割をすることが可能であるため、信号を均一に放射することができる。
【0105】
したがって、本実施例に係るアンテナは既存の高価なアンテナとRFケーブルを多数使う方式とは異なり、安価の基板(FR-4)のみを使ってアンテナの性能を満足させることができる。
【0106】
ここでは車両内の4個所の位置にアンテナを設置した場合を一例にして説明しているが、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて設置位置および設置個数が変わり得る。
【0107】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。