(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】ヒーター組立品を持つエアロゾル発生システムおよび流体透過性ヒーター組立品を持つエアロゾル発生システム用のカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240619BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240619BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240619BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/10
A24F40/42
(21)【出願番号】P 2022092188
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2020141411の分割
【原出願日】2014-12-15
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2014-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレグ
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/013808(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102861694(CN,A)
【文献】国際公開第2013/045582(WO,A2)
【文献】国際公開第2013/126777(WO,A2)
【文献】特表2013-507152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/10
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジであって、
液体エアロゾル形成基体を保持する丈夫なハウジングを備えた液体貯蔵部分であって、前記ハウジングが開口部を持つ、前記液体貯蔵部分と、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品であって、流体透過性ヒーター組立品がハウジングに固定され、ハウジングの開口部を横切って延びる、前記ヒーター組立品と、
を含む、前記カートリッジ。
【請求項2】
前記導電性フィラメントの面積は25mm
2以下である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ヒーター組立品が実質的に平面である、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
マウスピース部分をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記液体貯蔵部分の前記ハウジングが、液体エアロゾル形成基体を前記ヒーター組立品に運ぶよう構成された毛細管材料を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記毛細管材料が前記導電性フィラメント間の隙間内に延びる、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記毛細管材料が第一の毛細管材料および第二の毛細管材料を含み、前記第一の毛細管材料が前記ヒーター組立品と接触し、前記第二の毛細管材料が前記第一の毛細管材料と接触しかつ前記第一の毛細管材料によって前記ヒーター組立品から離間しており、前記第一の毛細管材料が前記第二の毛細管材料よりも高い熱分解温度を持つ、請求項5または6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第二の毛細管材料が20~160mgの前記液体を保持する、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第一の毛細管材料の前記熱分解温度が、少なくとも160℃である、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記ヒーター組立品が、フィラメントがその上に支持される電気的に絶縁された基体を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記フィラメントが、前記電気的に絶縁された基体に形成された開口部を横切って延びる、
請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記ヒーター組立品が、第一の材料から作製された少なくとも1つのフィラメントと、第一の材料とは異なる第二の材料から作製された少なくとも1つのフィラメントとを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記ヒーター組立品が複数の前記フィラメントと接触する導電性接点を持つ、請求項1~12のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記導電性接点が前記複数のフィラメントと一体型である、請求項13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記ヒーター組立品が側方の平面内に延び、前記導電性接点が前記液体貯蔵部分の前記ハウジングを超えて側方に延びる、請求項13または14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記液体貯蔵部分が前記導電性フィラメントの第一の側に位置し、使用の際、前記導電性フィラメントを通過する空気の流れが気化された液体エアロゾル形成基体に混入されるように、気流チャネルが前記導電性フィラメントの反対側から液体貯蔵部分に位置する、請求項1~15のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記ハウジングはキャップとタンクとを含み、前記キャップは前記タンクを閉め、前記キャップは前記ヒーター組立品と密着する、請求項1~16のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項18】
主要ユニットおよび請求項1~17のいずれか1項に記載されているカートリッジを含む、エアロゾル発生システムであって、前記カートリッジは前記主要ユニットと取り外し可能なように結合され、前記主要ユニットが電源を含む、前記エアロゾル発生システム。
【請求項19】
前記ヒーター組立品および電源に接続された電気回路をさらに含み、前記電気回路が、前記ヒーター組立品または前記ヒーター組立品の一つ以上のフィラメントの電気抵抗をモニタリングし、前記ヒーター組立品または前記一つ以上のフィラメントの前記電気抵抗に応じて前記電源から前記ヒーター組立品への動力供給を制御するように構成されている、請求項18に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項20】
前記システムが電気的に動作する喫煙システムである、請求項18または19に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項21】
電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジの製造方法であって、
開口部を持つハウジングを備える液体貯蔵部分を提供する工程と、
前記液体貯蔵部分を液体エアロゾル形成基体で充填する工程と、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品を液体貯蔵部分に固定する工程であって、流体透過性ヒーター組立品が液体貯蔵部分のハウジングの開口部を横切って延びる、前記工程と、
を含む、前記製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を気化するのに適したヒーター組立品を含むエアロゾル発生システムに関連する。特に、本発明は、電気的に作動する喫煙システムなど、手持ち式のエアロゾル発生システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
一つのタイプのエアロゾル発生システムは、電気的に作動する喫煙システムである。電池および制御電子回路を含む装置部分と、エアロゾル形成基体の補給品を含むカートリッジ部分と、電気的に動作する気化器とを備えた、手持ち式の電気的に作動する喫煙システムが周知である。エアロゾル形成基体の補給品および気化器の両方を備えたカートリッジは、時々「カートマイザー」と呼ばれることがある。気化器は、一般に、液体エアロゾル形成基体に浸された細長い芯の周りに巻かれたヒーターワイヤーコイルを含む。カートリッジ部分は、一般にエアロゾル形成基体の補給品および電気的に動作する気化器だけでなく、ユーザーが使用時に吸ってエアロゾルを口内に引き出すマウスピースも含む。
【0003】
ところが、この配置はカートリッジは製造が比較的高価であるという欠点を持つ。これは、芯およびコイル組立品の製造が困難であるためである。また、ヒーターワイヤーのコイルと電流が装置部分から供給される電気接点との間の電気接点は、製造中に繊細に取り扱いされなければならない。さらに、これらのカートリッジは、搬送中に繊細な芯およびコイル組立品を保護するためのマウスピース部分を含む。ところが、各カートリッジに完全かつ丈夫なマウスピースを含めることは、各カートリッジが高い材料コストを持つことを意味する。
【0004】
製造が安価でありかつ丈夫な手持ち式電気的に作動する喫煙システムなど、エアロゾル発生システムに適切なヒーター組立品を提供することが望ましい。エアロゾル発生システムの先行するヒーター組立品よりも効率が良いヒーター組立品を提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【0005】
第一の態様では、エアロゾル発生システムが提供されているが、これは
液体エアロゾル形成基体を保持するハウジングを備えた液体貯蔵部分であって、前記ハウジングが開口部を持つものと、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品であって、流体透過性ヒーター組立品がハウジングに固定され、ハウジングの開口部を横切って延びるものとを含む。
【0006】
液体貯蔵部分の開口部を横切って延びるヒーター組立品を提供することで、比較的製造が単純で丈夫な構造が許容される。この配置により、ヒーター組立品と液体エアロゾル形成基体との間の大きな接触面積が許容される。ハウジングは、剛直なハウジングとしうる。本明細書で使用される場合、「剛直なハウジング」とは、自立型のハウジングを意味する。液体貯蔵部分の剛直なハウジングは、ヒーター組立品に対する機械的な支持を提供することが好ましい。ヒーター組立品は、実質的に平面とすることができ、単純な製造が許容される。本明細書で使用される場合、「実質的に平坦」とは、初めに単一の平面内に形成され、かつ湾曲した形状またはその他の非平面形状に巻かれたりまたはその形状に適合するようになっていないことを意味する。幾何学的には、「実質的に平坦な」導電性のフィラメント配列という用語は、実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態である導電性フィラメント配列を意味するために使用される。従って、実質的に平坦な導電性のフィラメント配列は、実質的に第三の寸法よりも大きい表面に沿って二次元的に延びる。特に、その表面内での2次元的な実質的に平坦なフィラメント配列の寸法は、表面に対して垂直の第三の寸法よりも少なくとも5倍大きい。実質的に平坦なフィラメント配列の例は、2つの実質的に架空の平行な表面間の構造であって、ここでこれらの2つの架空表面間の距離は、実質的にその表面内の延長部分よりも小さい。一部の実施形態で、実質的に平坦なフィラメント配列は平面である。その他の実施形態で、実質的に平坦なフィラメント配列は一つ以上の寸法に沿って曲がっており、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成する。
【0007】
「フィラメント」という用語は、本明細書全体を通して、2つの電気接点間に配置された電気的な経路を意味するために使用される。フィラメントは、任意にいくつかの経路またはフィラメントにそれぞれ枝分かれ・分岐させてもよく、またはいくつかの電気的な経路から一つの経路に合流させてもよい。フィラメントは、丸、四角、平坦またはその他の任意の断面形態を持ちうる。フィラメントは、直線的または曲線的に配置されうる。
【0008】
「フィラメント配列」という用語は、本明細書全体で1つのまたは好ましくは複数のフィラメントの配列を意味するために使用される。フィラメント配列は、例えば相互に並列に配列された一連のフィラメントとしうる。フィラメントはメッシュを形成しうることが好ましい。メッシュは、織物または不織布としうる。
【0009】
平面のヒーター組立品は、製造時の取り扱いが簡単にでき、丈夫な構造が与えられる。
【0010】
システムは、装置と、装置に取り外し可能なように結合されたカートリッジとを有利にも含みうるが、ここで液体貯蔵部分およびヒーター組立品がカートリッジ内に提供されており、また装置は電源を含む。カートリッジは、低コストで信頼でき再現可能な方法で製造されうる。本明細書で使用されるとき、カートリッジが装置に「取り外し可能なように結合された」とは、カートリッジおよび装置が、装置またはカートリッジのいずれも著しく損傷することなく、互いに結合および分離できることを意味する。
【0011】
システムは電気的に作動する喫煙システムとしうる。
【0012】
導電性フィラメントは、単一平面内に位置しうる。平面のヒーター組立品は、製造時の取り扱いが簡単にでき、丈夫な構造が与えられる。
【0013】
導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定でき、隙間の幅は10μm~100μmとしうる。フィラメントは、使用時に気化されることになる液体が隙間内に引き出されてヒーター組立品と液体の間の接触面積が増えるように、隙間内に毛細管作用を引き起こさせることが好ましい。
【0014】
導電性フィラメントは160~600メッシュUS(±10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160~600個(±10%))のサイズのメッシュを形成しうる。隙間の幅は75μm~25μmが好ましい。メッシュの合計面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口部分の面積率は25%~56%が好ましい。メッシュは異なるタイプの織物または格子の構造を使用して形成してもよい。別の方法として、導電性フィラメントは互いに平行に並べられた一連のフィラメントで構成される。
【0015】
導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維はまた、当業界において周知の通り、液体を保持するその能力によって特性付けられうる。
【0016】
導電性フィラメントの直径は10μm~100μmとすることができ、8μm~50μmであることが好ましく、8μm~39μmであることがより好ましい。フィラメントは、丸い断面を有してもよく、または平坦な断面を有してもよい。
【0017】
導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の面積は小さくすることができ、25mm2未満であり、手持ち式システムへの組み込みが許容されることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維は、例えば長方形で5mm×2mmの寸法を持つものでもよい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーター組立品の面積の10%~50%の面積を覆うことが好ましい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーター組立品の面積の15%~25%の面積を覆うことがより好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維を、面積の10%および50%、または25mm2以下の大きさにすることで、導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維を加熱するのに要求される合計電力量が低減され、一方で、蒸発させることになる液体が供給された1つ以上の毛細管材料との導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の十分な接触が確保される。
【0018】
ヒーターフィラメントは、シート材料(箔など)のエッチングによって形成されうる。これは、ヒーター組立品が一連の平行のフィラメントを含む時、特に有利でありうる。ヒーター組立品がメッシュまたはフィラメントの織物を含む場合、フィラメントは個別に形成され、まとめて編まれうる。別の方法として、ヒーターフィラメントは、例えばステンレス鋼など導電性の箔からスタンピングされうる。
【0019】
ヒーター組立品のフィラメントは、適切な電気的属性を有する任意の材料から形成されうる。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。フィラメントは、一つ以上の絶縁体で被覆されうる。導電性フィラメント用の好ましい材料は、304、316、304L、316Lステンレス鋼、および黒鉛である。さらに、導電性フィラメント配列は、上述の材料の組み合わせを含みうる。材料の組み合わせを、実質的に平坦なフィラメント配列の抵抗の制御を改善するために使用しうる。例えば、本質的に高い抵抗の材料を、本質的に低い抵抗の材料と組み合わせてもよい。これは、材料のどれか1つが他の観点、例えば価格、機械加工性またはその他の物理的および化学的パラメータから見てより有益な場合に有用なことがある。有利なことに、抵抗を増大させた実質的に平坦なフィラメント配列により無駄な損失が低減される。有利なことに、高い抵抗のヒーターにより、より効率の高い電池エネルギーの使用が許容される。電池エネルギーは、プリント基板および接点で損失するエネルギーと、導電性フィラメント配列に供給されるエネルギーとに比例配分される。従って、ヒーター内で導電性フィラメント配列用に利用可能なエネルギーは、導電性フィラメント配列の抵抗が高くなるほど大きくなる。
【0020】
模範的実施形態において、実質的に平坦なフィラメント配列は、ワイヤーメッシュに形成される2つのタイプの金属ワイヤーから構成されうる。こうした実施形態では、高い抵抗性のワイヤーは電流の流れる方向に向いていることが好ましく、例えば、ニッケルクロム合金製のワイヤーなどがある。従って、この実施形態において、低い抵抗性のワイヤーは、高い電気抵抗のワイヤーと実質的に直角をなすように配置される。例えば、低い抵抗性はステンレス鋼ワイヤーとしうる。有利なことに、比較的安価な低抵抗のワイヤーは、高い電気抵抗を持つワイヤーのためのサポートを形成する。さらに、高い電気抵抗を持つワイヤーは一般に、ステンレス鋼ワイヤーよりも展性が小さく、従って細いワイヤーには簡単には製造できない。したがって、こうした有利な発明の実施形態では、高い電気抵抗を持つ比較的太いワイヤーが、低い電気抵抗の細いステンレス鋼ワイヤーと組み合わせられ、ステンレス鋼ワイヤーが細くなることで、毛管力の増大によって実質的に平坦なフィラメント配列の湿潤が改善されるという追加的な利益がある。
【0021】
別の方法として、導電性フィラメント配列は、炭素糸の織物で形成されうる。炭素糸の織物は、高い抵抗性の金属ヒーターよりも一般にコスト効率が高いという利益を持つ。さらに、炭素糸の織物は一般に、金属メッシュよりも柔軟性が高い。別の利点は、炭素糸の織物と高放出材料などの搬送媒体との間の接触が、流体透過性ヒーター組立品の構成中に良好に保存されることである。
【0022】
流体透過性ヒーター組立品と搬送媒体(例えば、毛細管搬送媒体、繊維または多孔性のセラミック材料製の芯など)の間の信頼性のある接触により、流体透過性ヒーター組立品の一定の湿潤が向上する。この利点により、有利なことに、導電性フィラメント配列の過熱のリスクおよび液体の不注意な熱分解が低減される。
【0023】
ヒーター組立品は、フィラメントがその上に支持される電気的に絶縁された基体を備えうる。電気的に絶縁された基体は、適切な任意の材料を備えうるが、高温(摂氏300度を超える)および急激な温度変化に耐えることができる材料であることが好ましい。適切な材料の一例は、Kapton(登録商標)などのポリイミド膜である。電気的に絶縁された基体は、その中に形成された開口部を持つことができ、導電性フィラメントは開口部を横切って延びる。ヒーター組立品は、導電性フィラメントに接続された電気接点を備えうる。例えば、電気接点は、導電性フィラメント配列に接着、溶接または機械的にクランプ留めされうる。別の方法として、導電性フィラメント配列は、例えば金属インクを使用して、電気的に絶縁された基体上に印刷されうる。こうした配置では、導電性フィラメント配列が多孔性材料の表面に直接適用されるように、電気的に絶縁された基体は多孔性材料であることが好ましい。こうした実施形態では、基体の空隙率は、それを通して液体が導電性フィラメント配列に向けて引き出されうる電気的に絶縁された基体の「開口部」として機能することが好ましい。
【0024】
ヒーター要素の導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の電気抵抗は、0.3オーム~4オームであることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の電気抵抗は、0.5オーム~3オームであることがより好ましく、約1オームであることがより好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の電気抵抗は、接点部分の電気抵抗よりも少なくとも1桁大きいことが好ましく、また少なくとも2桁大きいことがより好ましい。これにより、ヒーター要素から電流を通過させることにより発生した熱が確実に導電性フィラメントのメッシュまたはアレイに局在化される。システムの電源が電池である場合、ヒーター要素は全体的に低い抵抗を持つことが有利である。低抵抗で大電流のシステムにより、ヒーター要素に高電力を供給できる。これにより、ヒーター要素が導電性フィラメントを素早く望ましい温度に加熱できる。
【0025】
第一および第二の導電性接点部分は、導電性フィラメントに直接固定されうる。接点部分は導電性フィラメントと電気的に絶縁された基体の間に配置されうる。例えば、接点部分は、絶縁基体上にメッキされた銅箔から形成されうる。接点部分はまた、絶縁基体よりもフィラメントと簡単に結合しうる。
【0026】
別の方法として、第一および第二の導電性接点部分は、導電性フィラメントと一体型としうる。例えば、ヒーター要素は、導電性シートにエッチングを施して、二つの接点部分間に複数のフィラメントを提供することにより形成されうる。
【0027】
ヒーター組立品は、第一の材料から作製された少なくとも1つのフィラメントと、第一の材料とは異なる第二の材料から作製された少なくとも1つのフィラメントとを備えうる。これは、電気的なまたは機械的な理由から有益でありうる。例えば、一つ以上のフィラメントは、鉄アルミニウム合金など、温度に伴い著しく変動する抵抗を持つ材料から形成されうる。これにより、温度または温度変化を決定するために使用されるフィラメントの抵抗の測定ができる。これは、吸煙検出システム内で、ヒーターを望ましい温度範囲内に保つためにヒーター温度の制御に使用されることができる。急激な温度の変化も、システムのユーザーの喫煙に起因するヒーター組立品を通過する空気の流れの変化を検出する手段として使用されうる。
【0028】
液体貯蔵部分のハウジングは有利なことに毛細管材料を含む。毛細管材料は、液体を材料の一方の端から他方へ能動的に運ぶ材料である。毛細管材料は、ハウジング内で液体をヒーター組立品に運ぶのに有利に方向付けられる。
【0029】
毛細管材料は繊維質または海綿状の構造を有する場合がある。毛細管材料は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含む場合がある。繊維または糸は、一般的に液体をヒーターに移動するように整列されたものとしうる。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含む場合がある。毛細管材料の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成し、それを通して液体が毛細管作用によって移動できる。毛細管材料は適切な任意の材料または材料の組み合わせを含みうる。適切な材料の例としては、海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチックの材料、例えば紡がれたかまたは押し出された繊維(酢酸セルロース、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)でできた繊維性材料がある。毛細管材料は異なる液体物理特性で使用されるように、適切な任意の毛細管および空隙率を有する場合がある。液体は毛細管作用により毛細管装置を通過して移動できるようにする粘性、表面張力、密度、熱伝導率、沸点および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を持つ。
【0030】
毛細管材料は、導電性フィラメントと接触しうる。毛細管材料は、フィラメント間の隙間に延びうる。ヒーター組立品は、毛細管作用により液体エアロゾル形成基体を隙間に引き込みうる。毛細管材料は、実質的に開口部の全長にわたり、導電性フィラメントと接触しうる。一つの実施形態で、導電性フィラメント配列と接触する毛細管材料は、フィラメント状の芯としうる。フィラメント状の芯は第一の部分および第二の部分を持つことが好ましく、ここで第一の部分は、導電性フィラメント配列と実質的に直角に配列され、カートリッジの液体貯蔵部分内に達する。フィラメント状の芯の第二の部分は、実質的に導電性フィラメント配列と平行に配列されることが好ましい。フィラメント状の芯のフィラメントは、フィラメント状の芯の第一の部分からフィラメント状の芯の第二の部分へと連続していることが好ましい。これにより、フィラメント状の芯の第一の部分を通した導電性フィラメント配列に向けた液体の素早い搬送が許容されると同時に、フィラメント状の芯の第二の部分を通した導電性フィラメント配列全体への素早い分配が許容される。これにより、有利なことに導電性フィラメント配列全体の連続的な湿潤が許容される。連続的な湿潤により、過熱が回避でき、また過熱による不注意の液体の分解が阻止できる。
【0031】
導電性フィラメント配列は、金属製であるかまたは水などの液体の存在に敏感な膜で被覆された少なくともいくつかのフィラメントを含むことが好ましい。これにより、例えば、ワイヤーの電気抵抗を監視して、ヒーターが稼働するのを阻止するかまたは乾燥した界面を検出した場合に電流を減少させる回路に感度の高いワイヤーを接続することにより、導電性フィラメント配列の湿潤の検出が許容される。これは、有利なことに、エアロゾル発生システムの安全性を増大させる。一つの実施形態において、湿潤の検出に使用されるフィラメントは、窒化インジウム(InN)または酸化アルミニウム(Al2O3)膜で被覆されるステンレス鋼ワイヤーである。使用時、水などの液体はこうした膜表面から電子を枯渇させ、膜表面が乾燥する瞬間まで膜の高い電気抵抗性を保持する。その後、抵抗性は急速に低下する。抵抗性の低下は、接続された電子回路によって検出される。
【0032】
有利なことに、ヒーター組立品および毛細管材料は、およそ同じ面積を持つ大きさとしうる。本明細書で使用される時、「およそ」とは、ヒーター組立品を毛細管材料よりも0~15%だけ大きくしうることを意味する。ヒーター組立品の形状も、組立品および材料が実質的に重なるように、毛細管材料の形状と同様としうる。組立品および材料のサイズおよび形状が実質的に同じである時、製造は単純化することができ、製造工程の確実性が改善される。下記に考察する通り、毛細管材料は、エアロゾル発生を促進するために、ヒーター組立品の導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維と直接接触する毛細管材料の1つ以上の層を含む、2つ以上の毛細管材料を含みうる。毛細管材料は、本明細書で説明した材料を含みうる。
【0033】
少なくとも一つの毛細管材料は、不十分な液体が導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維と接触する毛細管材料に供給された場合に発生する「乾燥加熱」を阻止するために、最小量の液体が前記毛細管材料内に確実に存在するために、十分な体積を持つものとしうる。ユーザーによる20~40回の吸煙を許容するために、最低体積の前記毛細管材料が提供されうる。1~4秒間の吸煙中に揮発される液体の平均体積は、一般に1~4 mgである。従って、液体形成基体を含む20~160 mgの液体を保持する体積を持つ少なくとも一つの毛細管材料は乾燥加熱を阻止しうる。
【0034】
ハウジングは、二つ以上の異なる毛細管材料を含みうるが、ここでヒーター要素と接触している第一の毛細管材料はより高い熱分解温度を持ち、第一の毛細管材料と接触しているが、ヒーター要素とは接触してない第二の毛細管材料はより低い熱分解温度を持つ。第一の毛細管材料は第二の毛細管材料がその熱分解温度を上回る温度に晒されないように、ヒーター要素を第二の毛細管材料から分離するスペーサーとしての役目を効果的に果たす。本明細書で使用される場合、「熱分解温度」は、材料が分解を始め、ガス状の副産物を発生することにより質量を損失する温度を意味する。第二の毛細管材料は、有利なことに第一の毛細管材料よりも大きな容積を占めうるが、また第一の毛細管材料よりも多くのエアロゾル形成基体を保持しうる。第二の毛細管材料は、第一の毛細管材料よりも優れた芯の性能を持ちうる。第二の毛細管材料は、第一の毛細管材料よりも安価でありうる。第二の毛細管材料はポリプロピレンとしうる。
【0035】
第一の毛細管材料は、ヒーター組立品を第二の毛細管材料から少なくとも1.5mmの距離だけ分離しうるが、第一の毛細管材料を横切って十分な温度降下を提供するために、1.5mm~2mmであることが好ましい。
【0036】
導電性フィラメントを通過する空気の流れが気化された液体エアロゾル形成基体に混入されるように、液体貯蔵部分は導電性フィラメントの第一の側に位置し、気流チャネルは導電性フィラメントの反対側から液体貯蔵部分に位置しうる。
【0037】
液体搬送媒体に近接して、またはそれに接触して位置する電気ヒーター組立品に加えて、エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分と操作上の関連性を持つ少なくとも一つのさらなる電気ヒーター組立品を備えうる。液体貯蔵部分と操作上の関連性を持つさらなる電気ヒーター組立品は、液体貯蔵部分からの液体の枯渇を増加しうる。このことは、液体貯蔵部分が液体を貯蔵する高い保持力の媒体を含む場合に特に有利である。液体を液体貯蔵部分に貯蔵するために、高い保持力の媒体を使用することが有利である。例えば、高い保持力の媒体の使用によって、漏れのリスクが低減される。カートリッジのハウジングに不良または亀裂がある場合、漏れた液体は通電している構成要素や生物学的組織との意図しない接触を招きかねない。ところが、液体が湿潤性の力により高い保持力の媒体の表面に付着されているため、カートリッジハウジングに機械的な亀裂がある場合に、遊離した液体が充填されたタンクと比較すると著しい液体の損失が起こる可能性は低い。ところが、高い保持力の媒体は本質的に液体の少なくともいくらかの部分を保持するため、この部分はエアロゾル化には使用されない。有利なことに、追加的な加熱組立品を提供することで、液体貯蔵部分の枯渇の比、すわなち、液体貯蔵部分から除去された液体と、液体貯蔵部分から除去できない液体の量との比が増大する。
【0038】
さらなる電気ヒーター組立品は、主要な電気ヒーター組立品によって枯渇される可能性のあまりない高い保持力の媒体の領域、例えば、第一の電気ヒーター組立品から最も遠くにある高い保持力の媒体のほとんどの領域の近くに位置することが好ましい。さらなる電気ヒーター組立品は、ハウジングの底部壁、すなわち、電気ヒーター組立品の反対側にある壁に位置することが好ましい。別の方法としてまたは追加的に、さらなる電気ヒーター組立品はハウジングの側壁に位置する。
【0039】
さらなる電気ヒーター組立品は、必要に応じてのみ、例えば液体の流れの減少が検出された時に、起動されるよう制御されることが好ましい。例えば、さらなる電気ヒーター組立品は、第一の電気ヒーター組立品の湿潤の減少が検出された時に起動されうる。
【0040】
別の方法としてまたは追加的に、内部的な非円筒形の広い部分が電気ヒーター組立品の方を向き、内部の小さな部分が反対方向に向けて延びるように、ハウジングは内部的に非円筒形、例えば円錐形状を持つ。これにより、特にエアロゾル発生システムが実質的に水平の向きにある場合に、液体を電気ヒーター組立品に向けて進めるために、液体に作用する重力の関連性が増加するようになる。水平の向きは、電気ヒーター組立品が実質的に液体貯蔵部分と同一の垂直レベルにある向きである。この水平の向きは、エアロゾル発生システムの使用中には一般的である。
【0041】
別の方法としてまたは追加的に、電気ヒーター組立品がエアロゾル発生システムのマウスピースから離れた液体貯蔵部分の側面にあるハウジングの開口部全体に配置されるように、電気ヒーター組立品およびハウジングを含むカートリッジはエアロゾル発生システム内に配置される。このことは、エアロゾル発生システム内でのエアロゾルの流れ経路にとって有用でありうる。例えば、垂直の配置のエアロゾル発生システムでは、マウスピースは上部にあり、ハウジングは逆さまに配置され、すなわち、液体は電気ヒーター組立品の上に配置される。こうした実施形態において、液体を電気ヒーター組立品に向けて進める毛管力は、重力を克服する必要がある代わりに、重力による支援を受ける。
【0042】
ハウジングは、2つの要素を含むことが好ましく、ここで第一の要素はキャップであり、第二の要素はタンクであり、またキャップはタンクを閉める。本発明によれば、キャップはヒーター組立品を含むか、またはそれと密着することが好ましい。タンクは、液体と、存在する場合には第一の毛細管材料または第一および第二の両方の毛細管材料を含むことが好ましい。キャップ材料は、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはKapton(登録商標)など、高い熱分解温度を有する材料で作製されることが好ましい。キャップは、タンクをヒーター組立品から少なくとも1.5mmの距離だけ隔てるのに十分な大きさを持つことが好ましく、キャップを横切って十分な温度降下を提供するために1.5mm~2mmであることが好ましい。有利なことに、こうした実施形態において、タンク材料は、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなどの低めの熱分解温度を有しよりコスト効率の高い材料で作製されうる。
【0043】
空気吸込み口は、例えば、システムの主要ハウジング内に配置される。周囲の空気は、システム内に方向付けられ、カートリッジの遠位端で発熱体を通過し、カートリッジ内でのエアロゾル形成基体の加熱によるエアロゾルを混入させる。その後、空気を含むエアロゾルは、カートリッジハウジングと主要ハウジングとの間をカートリッジに沿ってシステムの下流端へと案内されうるが、そこで(下流端の前、またはそこに到達してからのいずれかで)さらなる流れ経路からの周囲の空気と混合される。
【0044】
カートリッジハウジングの遠位端の領域に配置された第二のチャネルの入口開口部も、発熱体がカートリッジの近位端に配置された代替的なシステムで提供されうる。第二の流れ経路は、カートリッジの外側だけでなくカートリッジを通しても通過する。周囲の空気はその後、カートリッジの半開放壁に入り、カートリッジ内を通過し、カートリッジの近位端に配置された発熱体を通して通過することによりカートリッジを出る。それによって、周辺の空気は、周囲の空気が基体自体内ではなく、基体の横にあるチャネル内を通過するように、エアロゾル形成基体内、または中実のエアロゾル形成基体内に配置された一つまたは複数のチャネル内を通過しうる。
【0045】
周辺の空気がカートリッジに入るようにするために、カートリッジハウジングの壁、好ましくは発熱体の反対側の壁、好ましくは底壁には、少なくとも一つの半開放入口が提供される。半開放入口により、空気がカートリッジ内に入るが、空気または液体が半開放入口を通してカートリッジから出ることはない。半開放入口は、例えば、空気については一方向にのみ透過可能であるが反対方向には空気および液体が漏れないような半透過性の薄膜としうる。半開放入口は、例えば一方行弁でもよい。半開放入口は、例えば、カートリッジの最小限のへこみや弁または薄膜を通過する空気の体積といった特定の条件が満たされる場合に、入口のみを通して空気を通過させることが好ましい。
【0046】
こうした一方向弁は、例えば、商業的に入手可能な弁としうるが、例えば、医療装置で使用されている、例えばLMS Mediflow One-Way、LMS SureFlow One-WayまたはLMS Check Valves(薄膜を交差する)などがある。気流がカートリッジを通過するカートリッジ用に使用するのに適切な薄膜は、例えば、医療装置(例えば Qosina Ref. 11066、疎水性フィルターを備えた通気孔付きキャップ)で使用されている通気孔付き薄膜、または哺乳瓶に使用されている弁などがある。こうした弁および薄膜は、電気加熱式の喫煙システムでの用途に適した任意の材料としうる。医療装置に適した材料およびFDA認可の材料を使用しうるが、例えば、広い温度範囲での非常に高い機械抵抗および熱安定性を持つGrapheneがある。容器ハウジングの壁に液体が漏れないように一つまたは複数の弁を組み込めるように、弁は軟質の弾性材料で作製されることが好ましい。
【0047】
基体内で周囲の空気を通過させることで、エアロゾル形成基体のエアロゾル化が支援される。喫煙中、カートリッジにへこみが発生し、これが半開放入口を起動させてもよい。その後、周辺の空気は、カートリッジ、好ましくは、高い保持力または高い放出力の材料(HRM)または液体を通過し、発熱体を横切り、それによって発熱体が液体を十分に加熱した時に液体のエアロゾル化が発生し維持される。さらに、喫煙中に生じたへこみにより、毛細管材料など搬送材料内での発熱体への液体の供給が制限されうる。カートリッジを通した周辺の気流は、カートリッジ内の圧力差を等しくし、それによって、発熱体に向けた妨害されない毛細管作用が支援されうる。
【0048】
半開放入口は、追加的に、または別の方法として、カートリッジハウジングの一つまたは複数の側壁内に提供されてもよい。側壁内の半開放入口は、発熱体が配置されているカートリッジハウジングの開放上端に向けたカートリッジへの側方の気流を提供する。側方の気流はエアロゾル形成基体を通過することが好ましい。
【0049】
システムは、ヒーター組立品および電力電源に接続された電気回路をさらに備えうるが、電気回路は、ヒーター組立品の、またはヒーター組立品の1つ以上のフィラメントの電気抵抗をモニターし、ヒーター組立品または1つ以上のフィラメントの電気抵抗に依存してヒーター組立品への動力供給源を制御するよう構成される。
【0050】
電気回路はマイクロプロセッサを備えうるが、これはプログラム可能マイクロプロセッサでもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えうる。電気回路はヒーター組立品への動力供給源を調節するよう構成しうる。電力はシステムの起動後、ヒーター組立品に連続的に供給することも、毎回の吸入ごとなど断続的に供給することもできる。電力は、電流パルスの形態でヒーター組立品に供給されうる。
【0051】
システムはハウジングの本体内に、典型的には電池の電源を有利にも備える。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は、再充電を必要とすることがあり、また1回以上の喫煙の体験のための十分なエネルギーの貯蔵が許容される容量を持ちうる。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を許容するのに十分な容量を持ちうる。別の例で、電源は所定回数の吸煙、またはヒーター組立品の不連続的な起動を許容する十分な容量を持ちうる。
【0052】
エアロゾル発生システムはハウジングを含むことが好ましい。ハウジングは細長いことが好ましい。ハウジングは適切な任意の材料または材料の組み合わせを含む場合がある。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチックもしくはそれらの1つ以上の材料を含有する複合材料、または、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適した熱可塑性物質が挙げられる。材料は軽量であり、脆くないことが好ましい。
【0053】
エアロゾル発生システムは携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生システムは従来型の葉巻たばこや紙巻たばこと匹敵するサイズを持ちうる。喫煙システムの全長は、およそ30mm~およそ150mmとしうる。喫煙システムの外径は、およそ5mm~およそ30mmとしうる。
【0054】
エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱により放出されうる。
【0055】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含みうる。エアロゾル形成基体はたばこを含みうる。エアロゾル形成基体は加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含みうる。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含みうる。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含みうる。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成剤を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含みうる。
【0056】
第二の態様において、電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジが提供されており、
液体エアロゾル形成基体を保持するハウジングを備えた液体貯蔵部分であって、前記ハウジングが開口部を持つものと、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品であって、流体透過性ヒーター組立品が、液体貯蔵部分のハウジングの開口部を横切って延びるものとを含む。
【0057】
この構造のカートリッジは、丈夫で、信頼性が高くおよび低コストで作製しうる。ヒーター組立品は、実質的に平面とすることができ、毛細管芯の周りにヒーターワイヤーに全く巻線を必要としない。
【0058】
導電性フィラメントは、単一平面内に位置しうる。平面のヒーター組立品は、製造時の取り扱いが簡単にでき、丈夫な構造が与えられる。
【0059】
導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定でき、隙間の幅は10μm~100μmとしうる。フィラメントは、使用時に気化されることになる液体が隙間内に引き出されてヒーター組立品と液体の間の接触面積が増えるように、隙間内に毛細管作用を引き起こさせることが好ましい。
【0060】
導電性フィラメントは160~600メッシュUS(±10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160~600個(±10%))のサイズのメッシュを形成しうる。隙間の幅は75μm~25μmが好ましい。メッシュの合計面積に対する隙間の面積の配分量であるメッシュの開口部分の面積率は25~56%が好ましい。メッシュは異なるタイプの織物または格子の構造を使用して形成してもよい。別の方法として、導電性フィラメントは互いに平行に並べられた一連のフィラメントで構成される。
【0061】
導電性フィラメントの直径は10μm~100μmとすることができ、8μm~50μmであることが好ましく、8μm~39μmであることがより好ましい。フィラメントは、丸い断面を有してもよく、または平坦な断面を有してもよい。ヒーターフィラメントは、シート材料(箔など)のエッチングによって形成されうる。これは、ヒーター組立品が一連の平行のフィラメントを含む時、特に有利でありうる。ヒーター組立品がメッシュまたはフィラメントの織物を含む場合、フィラメントは個別に形成され、まとめて編まれうる。
【0062】
導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の面積は小さくすることができ、25mm2未満であり、手持ち式システムへの組み込みが許容されることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維は、例えば長方形で5mm×2mmの寸法を持つものでもよい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーター組立品の面積の10%~50%の面積を覆うことが好ましい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーター組立品の面積の15~25%の面積を覆うことがより好ましい。
【0063】
導電性フィラメントは、適切な任意の導電性材料を備えうる。導電性フィラメント用の好ましい材料は、304、316、304L、316Lステンレス鋼、および黒鉛である。
【0064】
ヒーター要素の導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の電気抵抗は、0.3~4オームであることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の電気抵抗は、0.5~3オームであることがより好ましく、約1オームであることがより好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の電気抵抗は、接点部分の電気抵抗よりも少なくとも1桁大きいことが好ましく、また少なくとも2桁大きいことがより好ましい。
【0065】
液体貯蔵部分のハウジングは、第一の態様に関連して説明した通り、毛細管材料を含みうる。毛細管材料は、ハウジング内で液体をヒーター組立品に運ぶように方向付けられうる。毛細管材料は、ヒーター組立品と接触しうる。毛細管材料は、フィラメント間の隙間に延びうる。
【0066】
第一の態様に関連して説明した通り、ハウジングは、二つ以上の異なる毛細管材料を含みうるが、ここでヒーター要素と接触している第一の毛細管材料はより高い熱分解温度を持ち、第一の毛細管材料と接触しているがヒーター要素とは接触してない第二の毛細管材料はより低い熱分解温度を持つ。第一の毛細管材料は、ヒーター組立品を第二の毛細管材料から少なくとも1.5mmの距離だけ分離しうるが、第一の毛細管材料を横切って十分な温度降下を提供するために、1.5~2mmであることが好ましい。
【0067】
第一の態様に関連して説明した通り、ヒーター組立品は、第一の材料から作製された少なくとも1つのフィラメントと、第一の材料とは異なる第二の材料異なるから作製された少なくとも1つのフィラメントとを備えうる。
【0068】
ヒーター組立品は、フィラメントがその上に支持される電気的に絶縁された基体を備えうるが、フィラメントは基体内に形成される開口部を横切って延びる。電気的に絶縁された基体は、適切な任意の材料を備えうるが、高温(300℃を超える)および急激な温度変化に耐えることができる材料であることが好ましい。適切な材料の一例は、Kapton(登録商標)などのポリイミド膜である。
【0069】
ヒーター組立品は、複数のフィラメントと接触した導電性接点を備えうる。導電性接点は、液体貯蔵部分のハウジングと電気的に絶縁された基体との間に提供されうる。導電性接点は、フィラメントと電気的に絶縁された基体の間に提供されうる。開口部は絶縁層内に形成されることができ、カートリッジは、互いに開口部の反対側に位置する2つの導電性接点を備えうる。
【0070】
有利なことに、導電性接点はカートリッジの外部からアクセス可能である。ヒーター組立品は側方の平面内で延びることができ、導電性接点は側方に液体貯蔵部分のハウジングを超えて延びうる。次に、カートリッジは、エアロゾル発生装置に側方の平面に直交する方向に挿入され、導電性接点が装置の電気接点と接触するように構成されうる。
【0071】
液体貯蔵部分のハウジングは実質的に円柱形としうるが、ここで開口部は円中の一方の端にある。液体貯蔵部分のハウジングは、実質的に円形の断面を持ちうる。
【0072】
ヒーター組立品は、使用前に取り外し可能なカバーまたはシールで有利に覆われる。カバーまたはシールは、保管および搬送時の劣化から基体を保護しうる。
【0073】
好ましい一つの実施形態において、カートリッジは電源を備えない。
【0074】
第三の態様において、電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジを作成する方法が提供されており、
開口部を持つハウジングを備える液体貯蔵部分を提供する工程と、
前記液体貯蔵部分を液体エアロゾル形成基体で充填する工程と、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品を液体貯蔵部分に固定する工程であって、流体透過性ヒーター組立品が液体貯蔵部分のハウジングの開口部を横切って延びるものとを含む。
【0075】
液体貯蔵部分を充填する工程は、ヒーター組立品を液体貯蔵部分に固定する工程の前または後に実施しうる。
【0076】
固定の工程は、例えば、ヒーター組立品を液体貯蔵部分にヒートシール、接着または溶接する工程を含みうる。液体貯蔵部分は毛細管材料を含みうる。
【0077】
一つの態様に関連して説明した特徴は、本発明の他の態様に適用されうる。特に、第一の態様に関連して説明した特徴は、第二の態様および第三の態様にも同様に適用されうる。
【0078】
本明細書で使用される場合、「導電性」は比抵抗が1×10-4Ωm以下の材料から形成されていることを意味する。本明細書で使用される場合、「絶縁性」は比抵抗が1×104Ωm以上の材料から形成されていることを意味する。本明細書で使用される場合、ヒーター組立品と関連しての「流体透過性」は、エアロゾル形成基体(気相であるが、液相である可能性もある)が、簡単にヒーター組立品を通過できることを意味する。
【0079】
ここで本発明の実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1a】
図1aは、本発明の実施形態によりカートリッジが組み込まれたシステムの概略図である。
【
図1b】
図1bは、本発明の実施形態によりカートリッジが組み込まれたシステムの概略図である。
【
図1c】
図1cは、本発明の実施形態によりカートリッジが組み込まれたシステムの概略図である。
【
図1d】
図1dは、本発明の実施形態によりカートリッジが組み込まれたシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のシステムのマウスピース部分用の留め金機構の概略図である。
【
図4】
図4は、
図1a~1dに示したシステムで使用するための代替的なカートリッジの分解図である。
【
図5b】
図5bは、カバーが取り除かれた、
図2のカートリッジの上面の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図2に示すカートリッジで使用されるヒーター組立品の詳細図である。
【
図7】
図7は、
図2に示すカートリッジで使用されうる代替的なヒーター組立品の詳細図である。
【
図8】
図8は、
図2に示すカートリッジで使用されうるさらなる代替的なヒーター組立品の詳細図である。
【
図9】
図9は、
図2に示すカートリッジで使用されうる、なおもさらなる代替的なヒーター組立品の詳細図である。
【
図10】
図10は、装置とヒーター組立品との間で電気的接触をするための代替的な機構の詳細図である。
【
図11a】
図11aは、装置内でのカートリッジの正しい整列を確保するために使用されうる、いくつかのカートリッジハウジングの形状を図示したものである。
【
図11b】
図11bは、装置内でのカートリッジの正しい整列を確保するために使用されうる、いくつかのカートリッジハウジングの形状を図示したものである。
【
図12a】
図12aは、ヒーターのフィラメントの詳細図であり、フィラメント間の液体エアロゾル形成基体のメニスカスを示す。
【
図12b】
図12bは、ヒーターのフィラメントの詳細図であり、フィラメント間に延びる毛細管材料との間の液体エアロゾル形成基体のメニスカスを示す。
【
図13a】
図13aは、本発明によるヒーター組立品のための代替的な製造方法を図示する。
【
図13b】
図13bは、本発明によるヒーター組立品のための代替的な製造方法を図示する。
【
図13c】
図13cは、本発明によるヒーター組立品のための代替的な製造方法を図示する。
【
図14】
図14は、ヒーター組立品を組み込んだ液体貯蔵部分の代替的なデザインを図示する。
【
図15a】
図15aは、ヒーター組立品が組み込まれる液体貯蔵部分の追加的な代替的な実施形態を図示する。
【
図15b】
図15bは、ヒーター組立品が組み込まれる液体貯蔵部分の追加的な代替的な実施形態を図示する。
【
図16】
図16は、エアロゾル発生装置との、気流およびカートリッジの向きの代替的な実施形態を図示する。
【
図17】
図17は、高い保持力の材料およびHRM内に空気通路を持つカートリッジシステムの断面を示す。
【
図18】
図18は、高い保持力の材料およびカートリッジ内に空気通路を持つ別のカートリッジシステムの断面を示す。
【
図20】
図20は、液体および液体を通した空気通路を持つカートリッジシステムの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1a~1dは、本発明の実施形態によるカートリッジを含む、エアロゾル発生システムの概略図である。
図1aは、エアロゾル発生装置10および別個のカートリッジ20の概略図であり、まとめて、エアロゾル発生システムを形成する。この例で、エアロゾル発生システムは電気的に作動する喫煙システムである。
【0082】
カートリッジ20は、エアロゾル形成基体を含み、装置内のくぼみ18内に受けられるように構成される。カートリッジ20は、カートリッジ内に提供されたエアロゾル形成基体が消耗した時に、ユーザーによって交換可能であるべきである。
図1aは、装置への挿入直前のカートリッジ20を示し、
図1aの矢印1は、カートリッジの挿入方向を示す。
【0083】
エアロゾル発生装置10は携帯型で、従来的な葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを持つ。装置10は、本体11およびマウスピース部分12を含む。本体11は、電池14(リン酸鉄リチウム電池など)、制御電子回路16およびくぼみ18を含む。マウスピース部分12は、ヒンジ付接続部21によって本体11に接続され、
図1に示す開位置と
図1dに示す閉位置との間で移動可能である。マウスピース部分12は、カートリッジ20の挿入および除去が許容されるように開位置に置かれ、また以下に説明するとおり、システムがエアロゾルの発生に使用される時に閉位置に置かれる。マウスピース部分は、複数の空気吸込み口13および出口15を含む。使用時に、ユーザーは出口を吸うかまたは吸入して、空気を空気吸込み口13からマウスピース部分を通して出口15に引き出し、その後、ユーザーの口または肺に入る。内部バッフル17は、以下に説明するとおり、マウスピース部分12を通してカートリッジを通過する空気の流れを強制するために提供される。
【0084】
くぼみ18は円形断面を持ち、カートリッジ20のハウジング24を受けるサイズである。電気コネクター19は、制御電子回路16および電池14とカートリッジ20の対応する電気接点との間に電気的接続を提供するために、くぼみ18の側部に提供される。
【0085】
図1bは、カートリッジがくぼみ18に挿入され、カバー26が除去された
図1aのシステムを示す。この位置で、電気コネクターは、以下に説明するとおり、カートリッジ上の電気接点に対して支えられている。
【0086】
図1cは、カバー26が完全に除去され、マウスピース部分12が閉位置に移動された
図1bのシステムを示す。
【0087】
図1dは、マウスピース部分12が閉位置にある
図1cのシステムを示す。マウスピース部分12は、
図2に概略的に図示した通り、留め金機能により閉位置に保持される。
図2は、ヒンジ付き接続部21によって接続された本体11およびマウスピース部分12を図示したものである。マウスピース部分12は、内向きに延びる歯8を含む。マウスピース部分が閉位置にある時、歯8が装置の本体にある留め金6に係合する。留め金6は、バイアスばね5によってバイアスがかけられ歯8と係合する。ボタン4は留め金6に固定される。ボタン4は、歯8を留め金6から解除するためにバイアスばね5の作用に逆らってユーザーが押すことができ、マウスピース部分が開位置に移動できるようになる。ここで、通常の技術を持つ当業者にとっては、マウスピースを閉位置に保持するためのスナップ式装着または磁気式クロージャーなどその他の適切な機構が使用されうることが明らかである。
【0088】
閉位置にあるマウスピース部分12は、システムの向きに関係なく、使用時に良好な電気的接続が維持されるように、カートリッジを電気コネクター19と電気的に接触した状態に保つ。マウスピース部分12は、マウスピース部分12が閉位置にある時に、カートリッジの表面と係合し、剛直なマウスピースハウジング要素とカートリッジとの間で圧縮される環状の弾性要素を含みうる。これにより、製作公差に関係なく、良好な電気的接続が維持される。
【0089】
当然、カートリッジと装置との間の良好な電気的接続を維持するためのその他の機構も、別の方法としてまたは追加的に採用されうる。例えば、カートリッジ20のハウジング24には、くぼみ18の壁内に形成された対応する溝またはねじ山(図示せず)と係合するねじ山または溝(図示せず)が提供されうる。カートリッジと装置の間のねじ山による係合を、正しい回転上の整列のほか、くぼみ内でのカートリッジの保持および良好な電気的接続の確保をするために使用できる。ねじ山による接続部は、カートリッジの半回転以下だけ延びてもよく、または数回転だけ延びてもよい。別の方法として、または追加的に、電気コネクター19は、
図8を参照しながら説明するとおり、カートリッジ上の接点と接触するように偏りを持たせうる。
【0090】
図3は、カートリッジ20の分解図である。カートリッジ20は、くぼみ18内に受けられるように選択されるサイズおよび形状を持つ一般的に円柱状のハウジング24を含む。ハウジングは、液体エアロゾル形成基体内に浸された毛細管材料22を含む。この例では、エアロゾル形成基体は、39重量パーセントのグリセリン、39重量パーセントのプロピレングリコール、20重量パーセントの水および風味剤、および2重量パーセントのニコチンを含む。毛細管材料は、液体を一方の端から他方に能動的に運ぶ材料であり、適切な任意の材料から製造されうる。この例では、毛細管材料はポリエステルから形成される。
【0091】
ハウジングは、ヒーター組立品30が固定される開放端を持つ。ヒーター組立品30は、その中に開口部35が形成された基体34と、基体に固定されかつギャップ33により相互に分離された一対の電気接点32と、開口部を横切って開口部35の反対側にある電気接点に固定された複数の導電性ヒーターフィラメント36とを含む。
【0092】
ヒーター組立品30は、取り外し可能なカバー26によって覆われる。カバーは、ヒーター組立品に接着されるが、簡単に剥がすことができる液体不透過性プラスチックシートを含む。剥がす時にユーザーがカバーを掴むことができるように、タブがカバーの側面に提供されている。接着は不透過性プラスチックシートをヒーター組立品に固定する方法として説明されているが、消費者によってカバーが簡単に除去されうる限り、ヒートシールや超音波溶接を含めた当業者に馴染みのあるその他の方法も使用されうることが、当業者には明らかとなろう。
【0093】
図4は、代替的な模範的カートリッジの分解図である。
図4のカートリッジは
図3のカートリッジと同一のサイズおよび形状であり、同一のハウジングおよびヒーター組立品を持つ。ところが、
図4のカートリッジ内の毛細管材料は
図3の毛細管材料とは異なる。
図4のカートリッジには別個の2つの毛細管材料27、28がある。第一の毛細管材料27のディスクが、使用中のヒーター要素36、32と接触するために提供されている。第二の毛細管材料28の大きい方の本体はヒーター組立品への第一の毛細管材料27の反対側に提供されている。第一の毛細管材料および第二の毛細管材料はどちらも、液体エアロゾル形成基体を保持する。ヒーター要素と接触する第一の毛細管材料27は第二の毛細管材料28よりもより高い熱分解温度(少なくとも160℃以上、例えば約250℃など)を持つ。第一の毛細管材料27は第二の毛細管材料がその熱分解温度を上回る温度に晒されないように、ヒーター要素36、32を第二の毛細管材料28から分離するスペーサーとしての役目を効果的に果たす。第一の毛細管材料全体での熱勾配は第二の毛細管材料がその熱分解温度を下回る温度に晒されるようにするためである。第二の毛細管材料28は第一の毛細管材料27への優れた芯の性能を持つものを選択でき、単位体積あたり第一の毛細管材料よりも多くの液体を保持でき、また第一の毛細管材料よりも安価なものとしうる。この例では第一の毛細管材料はガラス繊維またはガラス繊維を含む要素などの耐熱素子であり、また第二の毛細管材料は適切な毛細管材料などのポリマーである。模範的な適切な毛細管材料は、本明細書で考察した毛細管材料を含み、また代替的な実施形態では、高密度ポリエチレン(HDPE)、またはポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれうる。
【0094】
図5aは、
図3のカートリッジの下面の斜視図である。ヒーター組立品は、側方の平面内に延び、ヒーター組立品がハウジング24の上部の周りにリップを形成するようにハウジング24を超えて側方に延びることが
図5aからわかる。電気接点32の露出部分は、カートリッジがくぼみ18内に完全に挿入された時に、接点32の露出部分が電気コネクター19に接触するように、カートリッジの挿入方向を向く。剥がす時にユーザーがカバー26を掴むことができるようにカバーの側面に提供されているタブがはっきりと表示されている。
図5aはまた、装置のくぼみ内でのカートリッジの正しい向きを確保するためにカートリッジの基部に形成された位置決め部分25も図示している。位置決め部分25は、射出成形されたハウジング24の一部であり、くぼみ18の基部にある対応するスロット(図示せず)内に受けられるように構成されている。位置決め部分25がくぼみにあるスロット内に受けられる時、接点32はコネクター19と整列される。
【0095】
図5bは、カバーが取り除かれた、
図3のカートリッジの上面の斜視図である。ヒーターフィラメント36は、気化したエアロゾル形成基体がヒーター組立品を通過する気流内に抜け出すことができるように、基体34の開口部35を通して晒される。
【0096】
ハウジング24は、ポリプロピレンなどの熱可塑性物質から形成される。この例では、ヒーター組立品30はハウジング24に接着される。ところが、カートリッジを組み立てて充填するには考えられるいくつかの方法がある。
【0097】
カートリッジハウジングは射出成形により形成されうる。毛細管材料22、27、28は、毛細管繊維の長いロッドから適切な長さの毛細管材料を切断することにより形成されうる。ヒーター組立品は、
図11a、11bおよび11cに関連して説明した過程を使用して組み立てられうる。一つの実施形態で、カートリッジはまず1つ以上の毛細管材料22、27、28をハウジング24に挿入することにより組み立てられる。次に所定の体積の液体エアロゾル形成基体がハウジング24に導入され、毛細管材料を浸す。次に、ヒーター組立品30がハウジングの開放端に押し付けられ、接着、溶接、ヒートシール、超音波溶接、またはここで当業者にとって明らかとなるその他の方法によってハウジング24に固定される。任意の密封作業中、エアロゾル形成基体の望ましくない揮発を阻止するために、ハウジングの温度は160℃より低く保たれることが好ましい。毛細管材料は、ヒーター組立品によって圧縮されるまで、ハウジング24の開放端から出て延びるような長さに切断されうる。これにより、使用時にヒーター要素の隙間へのエアロゾル形成基体の搬送が促進される。
【0098】
別の実施形態で、ヒーター組立品30をハウジング24に加圧成形してから密封する代わりに、ヒーター組立品およびハウジングの開放端をまず急速加熱してから、ヒーター組立品30をまとめて圧迫してハウジング24に結合しうる。
【0099】
また、ハウジングをエアロゾル形成基体で充填する前にヒーター組立品30をハウジング24に組み立てて、エアロゾル形成基体をハウジング24に導入することも可能である。その場合に、ヒーター組立品は、説明した方法のうちどれかを使用してカートリッジに固定されうる。その後、ヒーター組立品またはハウジングには中空の針を使用して穴が開けられ、エアロゾル形成基体が毛細管材料22、27、28に注入される。次に、中空の針によってできた任意の開口部はヒートシールまたは密封テープを使用して密封される。
【0100】
図6は、本開示による第一のヒーター組立品30を図示したものである。ヒーター組立品は、304Lステンレス鋼から形成されたメッシュで、メッシュサイズが約400メッシュUS(1インチ当たり約400フィラメント)を持つものを備える。フィラメントは、約16μmの直径を持つ。メッシュは、ギャップ33によって相互に分離された電気接点32に接続され、約30μmの厚さを持つ銅箔で形成される。電気接点32は、約120μmの厚さを持つポリイミド基体34上に提供される。メッシュを形成するフィラメントは、フィラメント間の隙間を画定する。この例において、隙間は約37μmの幅を持つが、より大きいまたはより小さい隙間が使用されてもよい。これらの凡その寸法のメッシュを使用することで、隙間内にエアロゾル形成基体のメニスカスが形成され、ヒーター組立品のメッシュが毛細管作用によってエアロゾル形成基体を引き出す。メッシュの開いた部分の面積、すなわち、隙間の面積のメッシュの総面積に対する比は、25~56%が有利である。ヒーター組立品の全抵抗は約1オームである。大半の熱がメッシュによって生成されるように、メッシュがこの抵抗の大部分を提供する。この例において、メッシュは、電気接点32よりも100倍以上高い電気抵抗を持つ。
【0101】
基体34は電気的に絶縁され、またこの例では約120μmの厚さを持つポリイミドシートから形成される。基体は円形であり、8mmの直径を持つ。メッシュは長方形であり、5mmおよび2mmの辺の長さを持つ。これらの寸法により、従来の紙巻たばこまたは葉巻たばこと類似したサイズおよび形状を持つ完全なシステム製造されるようになる。有効さが判明している別の寸法の例は、直径5mmの円形の基体および1mm×4mmの長方形のメッシュである。
【0102】
図7は、本開示による代替的な模範的ヒーター組立品を図示したものである。
図7のヒーター組立品は
図6に示すものと同じであるが、メッシュ36は平行な導電性フィラメント37のアレイによって置き換えられる。フィラメント37のアレイは、304Lステンレス鋼から形成され、約16μmの直径を持つ。基体34および銅接点32は
図6を参照しながら説明したとおりである。
【0103】
図8は、本開示による代替的な別のヒーター組立品を図示したものである。
図8のヒーター組立品は
図7に示すものと同じであるが、
図8の組立品においては、フィラメント37が基体34に直接結合されてから接点32がフィラメント上に結合される。接点32は、以前と同様に絶縁ギャップ33により相互に分離されており、厚さ約30μmの銅箔から形成される。
図6に示すとおり、メッシュタイプのヒーターについても、同じ配列の基体フィラメントおよび接点が使用されうる。最も外側の層として接点を持つことは、電源との信頼できる電気接点を提供する上で有益でありうる。
【0104】
図9は、本開示による代替的なヒーター組立品を図示したものである。
図9のヒーター組立品は、電気接点39と一体型で形成された複数のヒーターフィラメント38を備える。フィラメントおよび電気接点のどちらも、エッチングが施されてフィラメント38が画定されているステンレス鋼スチール箔から形成される。接点39は、フィラメント38によってつながれた時を除きギャップ33によって分離される。ステンレス鋼スチール箔がポリイミド基体34上に提供される。ここでも、大半の熱がフィラメントによって生成されるように、フィラメント38はこの抵抗の大部分を提供する。この例において、フィラメント38は、電気接点39よりも100倍以上高い電気抵抗を持つ。
【0105】
図3、
図4、
図5に示すカートリッジにおいて、接点32およびフィラメント36、38は、基体層34とハウジング24の間に位置する。ところが、ヒーター組立品は、ポリイミド基体がハウジング24に直接隣接するように、カートリッジハウジングに逆に取り付けることも可能である。
図10はこのタイプの配置を図示したものである。
図10は、銅箔接点52に固定されたステンレス鋼メッシュ56を含むヒーター組立品を示す。銅接点52はポリイミド基体54に固定される。開口部55はポリイミド基体54内に形成される。ポリイミド基体はカートリッジのハウジング24に溶接される。エアロゾル形成基体に浸された毛細管材料22がハウジングに充填され、開口部を通して延びてメッシュ55に接触する。カートリッジは装置の本体11に受けられ、電気コネクター59とマウスピース部分12との間に保持された状態で表示されている。この実施形態において、電気コネクター59が接点52と電気的接続をするために、図示したとおり、コネクター59はポリイミド基体54に穴を開けるように適合される。電気コネクターは、端部を鋭くして作成され、ばね57によってヒーター組立品と強制的に接触させられる。ポリイミド基体は、良好な電気接点を確保するために予めスコア線を入れてもよく、さらには基体の穴開けが不要なように開口部を提供してもよい。また、ばね57は、重力に対するシステムの向きに関係なく、接点52とコネクター59との間の良好な電気接点が維持されるように確保する。
【0106】
装置のくぼみ18内でのカートリッジ20の正しい向きを確保する一つの手段については、
図5aおよび5bを参照しながらすでに説明した。位置決め部分25は、正しい向きを確保するために、成形したカートリッジハウジング24の一部として形成できる。ところが、カートリッジの正しい向きを確保するその他の方法が可能であることが明らかとなる。特に、ハウジングが射出成形された場合、カートリッジの形状についてはほとんど無限の可能性がある。カートリッジの望ましい内部体積がいったん選択されると、カートリッジ形状は任意のくぼみに適するように適合されうる。
図11aは、考えられる1つのカートリッジハウジング70の底面図であり、考えられる2つの向きに方向付けられる。カートリッジハウジング70は、対称的に配置された2つの溝72を含む。溝は、ハウジング70の上側に部分的または全体的に延びる。対応するリブ(図示せず)は、カートリッジがくぼみ内に考えられる2つの向きのみで受けられるように、装置のくぼみの壁に形成されうる。
図11aの実施形態において、溝72の一つがリブによって充填されず、かつ装置内で空気の流れチャネルとして使用できるように、くぼみ内に単一のリブのみを持つことも考えられる。当然、ハウジング内に単一の溝のみを提供することにより、カートリッジをくぼみ内で単一の向きに制限することも可能である。これについては
図11bに図示されており、これは単一の溝76を持つカートリッジハウジング74を示す。
【0107】
説明した実施形態は、実質的に円形の断面を持つハウジングを備えたカートリッジを持つが、長方形の断面または三角形の断面などその他の形状を持つカートリッジハウジングを形成することも当然ながら可能である。これらのハウジング形状であれば、対応する形状のくぼみ内での望ましい向きが確保され、装置とカートリッジの間の電気的接続が確保されることになる。
【0108】
毛細管材料22は、ハウジング24内で液体をヒーター組立品30に運ぶのに有利に方向付けられる。カートリッジが組み立てられる時、ヒーターフィラメント36、37、38は毛細管材料22と接触でき、そのためエアロゾル形成基体はメッシュヒーターに直接運搬されることができる。
図12aは、ヒーター組立品のフィラメント36の詳細図であり、ヒーターフィラメント36間の液体エアロゾル形成基体のメニスカス40を示す。ヒーター組立品により発生されたほとんどの熱がエアロゾル形成基体内に直接入るように、エアロゾル形成基体はそれぞれのフィラメントのほとんどの表面に接触することがわかる。対照的に、従来的な芯およびコイルヒーター組立品では、ヒーターワイヤーのごく小さな部分がエアロゾル形成基体と接触する。
図12bは、
図12aと同様に、フィラメント36間の隙間内に延びる毛細管材料27の例を示す詳細図である。毛細管材料27は、
図4に示す第一の毛細管材料である。フィラメント36間の隙間内に延びる細かい糸の繊維を含む毛細管材料を提供することにより、フィラメントへの液体の搬送が確保できることがわかる。
【0109】
使用時に、ヒーター組立品は抵抗加熱により動作する。電流は、制御電子回路16の制御に基づき、フィラメント36、37、38を通過し、フィラメントを望ましい温度範囲内に加熱する。フィラメントのメッシュまたはアレイは、高い温度がフィラメントに局所化されるように電気接点32および電気コネクター19よりも著しく高い電気抵抗を持つ。システムは、ユーザーの吸煙に応答して電流をヒーター組立品に供給することにより熱を発生するように構成されてもよく、または装置が「オン」状態にある間に熱を連続的に発生させるよう構成されてもよい。フィラメント用の異なる材料が、異なるシステムで適切でありうる。例えば、連続的加熱システムでは、比較的低い比熱容量を持ち低電流の加熱と両立しうるため、黒鉛フィラメントが適切である。高電流パルスを使用した短時間のバーストで熱が発生される吸煙により作動するシステムでは、高い比熱容量を持つステンレス鋼フィラメントがより適切でありうる。
【0110】
吸煙により作動するシステムでは、装置は、マウスピース部分を通してユーザーが空気を吸い込んだ時を検出するよう構成された吸煙センサーを含みうる。吸煙センサー(図示せず)は制御電子回路16に接続され、制御電子回路16は、ユーザーが装置で喫煙していることが判断された時にのみ電流をヒーター組立品30に供給するよう構成される。マイクロホンなど、適切な任意の空気流センサーが吸煙センサーとして使用されうる。
【0111】
考えられる実施形態において、一つ以上のフィラメント36、38の比抵抗または全体としてヒーター要素の比抵抗の変化が、ヒーター要素の温度の変化を検出するために使用されうる。これは、望ましい温度範囲内に維持されるように、ヒーター要素に供給される電力の調整のために使用されることができる。急激な温度の変化も、システムのユーザーの喫煙に起因するヒーター要素を通過する空気の流れの変化を検出する手段として使用されうる。一つ以上のフィラメントは、専用の温度センサーとすることができ、鉄アルミニウム合金、ニッケルクロム、プラチナ、タングステンまたは合金ワイヤーなど、その目的で適切な抵抗の温度係数を持つ材料から形成されうる。
【0112】
システムが使用されている時にマウスピース部分を通過する空気の流れを
図1dに示す。マウスピース部分は、マウスピース部分の外壁と一体型で成形され、かつ空気が入口13から出口15に引き込まれる時に、エアロゾル形成基体が気化されるカートリッジにあるヒーター組立品30上を流れるようにする内部バッフル17を含む。空気がヒーター組立品を通過する時、気化された基体は気流に混入し、出口15から出る前に冷却されてエアロゾルを形成する。従って、使用時、エアロゾル形成基体は、それが気化される際にフィラメント36、37、38間の隙間を通過することにより、ヒーター組立品を通過する。
【0113】
ヒーター組立品の製造および材料については、数多くの可能性がある。
図13aは、ヒーター組立品の第一の製造方法の概略図である。ポリイミド膜80のロールには、その内部に開口部82のアレイが提供されている。開口部82はスタンピングにより形成されうる。銅箔84の帯がポリイミド膜80上の開口部の間にメッキされる。次に、ステンレス鋼メッシュ86のリボンが、銅箔の帯と直交する方向に銅箔84の上から開口部82を覆ってポリイミド膜80にクラッディングされる。次に、個別のヒーター組立品30は、それぞれの開口部82の周りで切断またはスタンピングが可能である。各ヒーター組立品30は、開口部の反対側に電気接点を形成する銅箔の部分を含み、ステンレス鋼メッシュの細片は、
図6に示す通り、銅の一方の部分から他方の部分まで開口部全体にわたる。
【0114】
図13bは考えられる別の製造工程を図示したものである。
図13bの工程において、
図13aの工程で使用されているタイプのポリイミド膜80は、ステンレス鋼スチール箔90でクラッディングされる。ポリイミド膜80は、その内部に形成された開口部82のアレイを持つが、これらの開口部はステンレス鋼スチール箔90によって覆われる。次に、箔90がエッチングされ、開口部82全体にわたるフィラメント38を画定し、開口部の反対側に接点部分を分離する。次に、個別のヒーター組立品92は、それぞれの開口部82の周りで切断またはスタンピングが可能である。これにより、
図9に示すタイプのヒーター組立品が提供される。
【0115】
図13cは、さらなる代替的な過程を図示する。
図13cの工程において、黒鉛ベースの繊維100がまず準備される。黒鉛ベースの繊維100は、ヒーターフィラメントとしての使用に適し、比較的非伝導性の繊維の帯に隣接した、電気抵抗性のある繊維の帯を含む。これらの繊維の帯は、抵抗性で非導電性の繊維と直角をなして延びる比較的導電性の繊維の帯と一緒に織られる。次に、この繊維100は、
図13aおよび13bを参照しながら説明したタイプの、開口部82のアレイを持つポリイミド膜80の層に結合される。次に、個別のヒーター組立品102は、それぞれの開口部の周りで切断またはスタンピングが可能である。各ヒーター組立品102は、開口部の反対側に導電性繊維の帯の部分および開口部にわたる電気抵抗性のある繊維の帯を含む。
【0116】
図5aおよび5bに示すカートリッジ設計は、いくつかの利点を持つ。ところが、同じタイプのヒーター組立品を使用した代替的なカートリッジ設計も可能である。
図14は、システムを通る異なるパターンの気流に適した代替的なカートリッジ設計を図示したものである。
図14に示す実施形態において、カートリッジ108は、矢印110によって示される方向に装置に挿入されるように構成される。カートリッジ108は、半円筒のような形状で、一方が開放されているハウジング112を含む。ヒーター組立品114は、開放側全体にわたり提供され、ハウジング112に接着または溶接される。ヒーター組立品114は、その中に開口部が形成されたポリイミドなどの電気的に絶縁された基体116を含む。ステンレス鋼メッシュ118および一対の接点細片120を含むヒーター要素は、電気的に絶縁された基体116に結合され、開口部全体にわたる。接点細片120は、ハウジング112の周りで曲げられ、ハウジングの曲面に接点パッドを形成する。電気接点パッドは、エアロゾル発生装置内の対応する接点(図示せず)と接触するように構成されている。ハウジング112は、
図1a~1dで示した実施形態を参照しながら説明した通り、エアロゾル形成基体に浸された毛細管材料(
図14には図示せず)で充填される。
【0117】
図14に示したカートリッジは、ヒーター組立品114を矢印110と反対方向に通過する気流に合わせて構成されている。空気は、装置の本体に提供された空気吸込み口を通してシステムに引き込まれ、ヒーター組立品114を通して、装置(またはカートリッジ)のマウスピース部分に吸い込まれ、ユーザーの口に入る。システムに引き込まれる空気は、例えば、適切に空気吸込み口を配置することにより、メッシュ118に沿って平行な方向に方向付けしうる。
【0118】
カートリッジ108の代替的な実施形態を
図15aおよび15bに図示する。
図15aはさらに、メッシュ118を持つ面と間隙を介し、その長さ方向に延びる接点細片120を含む。
図15bはさらに、およそL字型をした接点120を含む。
図15aおよび15bに図示されている両方のカートリッジ設計は、必要に応じて接点19との簡単な接触をさらに確保する、さらに大きな接触面積を提供するために使用されうる。
図15aに図示されている細片120はまた、カートリッジをさらに位置付ける細片120を受けるためのレール構成(図示せず)で構成された接点19内にスライドするよう構成されうる。こうしたレールタイプの構成は、カートリッジの挿入および除去がレールにスライドして出たり入ったりする接点の摩擦によって清掃効果を持つことになるため、接点19の定期的な掃除を有利にも提供しうる。
【0119】
図16は、流体透過性電気ヒーター組立品を備えたエアロゾル発生システムのなおも別の実施形態を図示する。
図16は、ヒーター組立品30がマウスピース部分12とは反対の、カートリッジ20の端部に提供されているシステムを図示する。気流は、空気吸込み口1601に入り、組立品のそばを、空気出口1603を通して、流れ経路1605に沿って通過する。電気接点を都合の良い位置に配置しうる。こうした構成は、システム内で短めの電気的接続が許容されるために有利である。
【0120】
当業者であれば、本開示によるヒーター組立品を組み込んだその他のカートリッジ設計を考案することができるだろう。例えば、カートリッジはマウスピース部分を含んでもよく、複数のヒーター組立品を含んでもよく、望ましい任意の形状を持つものでよい。その上、本開示によるヒーター組立品は既に説明したその他のタイプのシステムで使用することができ、これには加湿器、エアフレッシュナー、およびその他のエアロゾル発生システムなどがある。
【0121】
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことにより、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態は今や当業者には明らかとなろう。
【0122】
図17において、流れ経路がカートリッジを通る方向の気流を含む、カートリッジシステムの断面が図示されている。流体透過性ヒーター、例えばメッシュヒーター30は、ハウジング400の開口部にわたる導電性のヒーターフィラメント36を含む。ハウジング400の上部をシールするために、シール層48、例えばポリマー層がハウジング400の上部リムとヒーター30との間に提供されている。さらに、シールディスク47、例えばポリマーディスクがヒーター30の上側に提供されている。シールディスク47を用いると、ヒーターを通した気流を制御することができ、特に、気流の制約が提供されうる。シールディスクは、ヒーター30の底側にも配置されうる。
【0123】
カートリッジハウジング400は、液体貯蔵部としての役目をしヒーターでの蒸発のために液体をヒーター30に向ける、高い保持力の材料または高い放出力の材料(HRM)41などの毛細管材料を含む液体を含む。別の毛細管材料である毛細管ディスク44、例えば繊維ディスクは、HRM 41とヒーター30の間に配置される。毛細管ディスク44の材料は、ヒーター30との近接さからHRM 41よりも耐熱性が高いものとしうる。ヒーターが起動した場合に、気化のための液体の供給を確保するために、毛細管ディスクはHRMのエアロゾル形成液体によって湿潤状態に保たれる。
【0124】
ハウジング400には、空気透過性底部45が提供される。空気透過性底部には、気流入口450が提供される。気流入口450により、空気が底部45を通して、唯一この方向にのみハウジングに流れ込むようになる。空気または液体が、空気透過性底部45を通してハウジングから出ることはない。空気透過性底部45は、例えば、気流入口450として半透過性薄膜を備えてもよく、または下記に示すとおり1つ以上の一方向弁を含む底カバーとしてもよい。
【0125】
喫煙中の場合のように、ヒーターの側面に低いへこみができると、空気は気流入口450を通してカートリッジに通過しうる。気流200は、HRM 41を通過し、ヒーター30を通過する。その後、エアロゾルを含有する気流200は、エアロゾル発生装置の下流端に流れるが、マウスピースの中央に配置されたチャネル内に流れることが好ましい。
【0126】
ハウジング400の側壁には、ハウジングへの後の気流を提供するために、側方の空気透過性部分46も提供されうる。側方の空気透過性部分46は、空気透過性底部45内の気流入口450として設計されうる。
【0127】
図18において、カートリッジシステムの配置および機能は、
図10に示したものと基本的に同じである。ところが、HRM 41には、中央の開口部412が提供されている。ハウジングの底45にある気流入口450に入る空気は、中央の開口部412を通過する。気流はカートリッジ内のHRMの横を通過する。ハウジング400の側壁にオプションの側方の空気透過性部分46があると、HRM 41を通して側方の気流を提供されうる。
【0128】
図19では、
図11に示したカートリッジシステムの分解図を示す。リング状の管状HRM 41がハウジング400内に提供されている。ハウジングの底45は、ディスクの中央に配置された一方向弁49を含み、HRM 41内で中央の開口部412と整列したディスクである。こうした一方向弁は、例えば、医療装置または哺乳瓶で使用されているものなど、商業的に入手可能な弁としうる。
【0129】
図20は、カートリッジシステムの別の実施形態の断面である。同一の参照番号が同一または類似した要素に使用される。この実施形態において、ハウジング400はエアロゾル形成液体411で充填される。ハウジングは、金属、プラスチック材料(例えば高分子材料)またはガラスで作製されうる。弁49は、ハウジングの底45に直接取り付けてもよい。底45には、弁と気密状態で組立をするためのくぼみが提供されうる。弁は柔軟な材料で作製されることが好ましいため、底材料と気密の組立を達成しうる。
【0130】
図17~
図20で説明した上記のカートリッジシステムにおいて、カートリッジハウジング400は、例えば
図1で説明したカートリッジハウジングに加えて、別個のカートリッジ容器でもよい。特に、カートリッジを含む液体411は予め製造された製品であり、予め製造されたカートリッジを受けるために、エアロゾル発生システムに提供されたカートリッジハウジング内に挿入されうる。
【0131】
1. エアロゾル発生システムであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するハウジングを備えた液体貯蔵部分であって、前記ハウジングが開口部を持つものと、
実質的に平坦な導電性のフィラメント配列を含む流体透過性ヒーター組立品を含み、前記流体透過性ヒーター組立品が前記ハウジングに固定され、前記ハウジングの前記開口部を横切って延び、
前記導電性フィラメント配列の面積が25mm2未満である、エアロゾル発生システム。
2. 前記ヒーター組立品が実質的に平面である、1に記載のエアロゾル発生システム。
3. 毛細管媒体をさらに含み、前記毛細管媒体が実質的に前記ヒーター組立品と同じ大きさおよび形状であり、前記毛細管媒体が前記ヒーター組立品と接触して提供され、前記液体エアロゾル形成基体が前記毛細管媒体を通して前記導電性フィラメントに引き込まれる、2に記載のエアロゾル発生システム。
4. 前記システムが主要ユニットおよび前記主要ユニットと取り外し可能なように結合されているカートリッジを含み、前記液体貯蔵部分および前記ヒーター組立品が前記カートリッジ内に提供され、前記主要ユニットが電源を含む、1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
5. 前記複数のフィラメントがメッシュを形成する、1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
6. 前記複数のフィラメントが互いに平行に配置された複数のフィラメントから成る、1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
7. 前記毛細管材料が前記フィラメント間の隙間内に延びる、3に記載のエアロゾル発生システム。
8. 前記毛細管材料が第一の毛細管材料および第二の毛細管材料を含み、前記第一の毛細管材料が前記ヒーター組立品と接触し、前記第二の毛細管材料が前記第一の毛細管材料と接触し、かつ前記ヒーター組立品と前記第一の毛細管材料によって間隙を介しており、前記第一の毛細管材料が前記第二の毛細管材料よりも高い熱分解温度を持つ、7または8に記載のエアロゾル発生システム。
9. 前記第二の毛細管材料が20~160 mgの前記液体を保持する、8に記載のエアロゾル発生システム。
10. 前記第一の毛細管材料の前記熱分解温度が、少なくとも160℃であり、少なくとも250℃であることが好ましい、9に記載のエアロゾル発生システム。
11. 前記ヒーター組立品が第一の材料でできた少なくとも一つのフィラメントおよび前記第一の材料とは異なる第二の材料でできた少なくとも一つのフィラメントを含む、1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
12. ヒーター組立品および電源に接続された電気回路をさらに含み、前記電気回路が、前記ヒーター組立品または前記ヒーター組立品の一つ以上のフィラメントの電気抵抗をモニタリングし、前記ヒーター組立品または前記一つ以上のフィラメントの前記電気抵抗に応じて前記電源から前記ヒーター組立品への動力供給を制御するように構成されている、1~11に記載のエアロゾル発生システム。
13. 前記ヒーター組立品が、前記フィラメントがその上に保持される電気的に絶縁された基体を含む、1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
14. 前記ヒーター組立品が複数の前記フィラメントと接触した導電性接点を含む、1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
15. 前記システムが電気的に作動する喫煙システムである、1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
16. 電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジであって、
液体エアロゾル形成基体を保持する丈夫なハウジングを備えた液体貯蔵部分であって、前記ハウジングが開口部を持つものと、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品であって、流体透過性ヒーター組立品がハウジングに固定され、ハウジングの開口部を横切って延びるものとを含む。
17. ヒーター組立品が実質的に平面である、16に記載のカートリッジ。
18. 前記複数のフィラメントがメッシュを形成する、16または17のいずれかに記載のカートリッジ。
19. 前記複数のフィラメントが互いに平行に配列された複数のフィラメントから成る、16または17のいずれかに記載のカートリッジ。
20. 前記液体貯蔵部分の前記ハウジングが毛細管材料を含む、16~19のいずれかに記載のカートリッジ。
21. 前記毛細管材料が前記フィラメント間の隙間内に延びる、20に記載のカートリッジ。
22. 前記毛細管材料が第一の毛細管材料および第二の毛細管材料を含み、前記第一の毛細管材料が前記ヒーター組立品と接触し、前記第二の毛細管材料が前記第一の毛細管材料と接触しかつ前記ヒーター組立品と前記第一の毛細管材料によって間隙を介しており、前記第一の毛細管材料が前記第二の毛細管材料よりも高い熱分解温度を持つ、20または21に記載のカートリッジ。
23. 前記ヒーター組立品が第一の材料でできた少なくとも一つのフィラメントおよび前記第一の材料とは異なる第二の材料でできた少なくとも一つのフィラメントを含む、16~22のいずれかに記載のカートリッジ。
24. 前記ヒーター組立品が、フィラメントがその上に支持される電気的に絶縁された基体を含み、前記フィラメントが前記基体内に形成される開口部を横切って延びる、16~23のいずれかに記載のカートリッジ。
25. 前記ヒーター組立品が複数の前記フィラメントと接触する導電性接点を持つ、16~24のいずれかに記載のカートリッジ。
26. 前記ヒーター組立品が側方の平面内に延び、前記導電性接点が前記液体貯蔵部分の前記ハウジングを超えて側方に延びる、25に記載のカートリッジ。
27. 電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジの製造方法であって、
開口部を持つハウジングを備える液体貯蔵部分を提供する工程と、
前記液体貯蔵部分を液体エアロゾル形成基体で充填する工程と、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品を液体貯蔵部分に固定する工程であって、流体透過性ヒーター組立品が液体貯蔵部分のハウジングの開口部を横切って延びるものとを含む。
31. 電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジであって、
液体エアロゾル形成基体を保持する丈夫なハウジング(24)を備えた液体貯蔵部分(20)であって、前記ハウジングが開口部を持つ、前記液体貯蔵部分と、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品(30)であって、前記導電性フィラメントは10μm~100μmの直径を有し、流体透過性ヒーター組立品がハウジングに固定され、ハウジングの開口部を横切って延びる、前記ヒーター組立品と、を含む、前記カートリッジ。
32. 前記ヒーター組立品(30)が実質的に平面である、31に記載のカートリッジ。
33. 前記複数のフィラメントがメッシュ(36)を形成する、31または32に記載のカートリッジ。
34. 前記複数のフィラメントが互いに平行に配列された複数のフィラメントから成る、31~33のいずれかに記載のカートリッジ。
35. 前記液体貯蔵部分の前記ハウジングが毛細管材料(22,27)を含む、31または32に記載のカートリッジ。
36. 毛細管媒体をさらに含み、前記毛細管媒体が実質的に前記ヒーター組立品と同じ大きさおよび形状であり、前記毛細管材料(22,27)が前記ヒーター組立品と接触して提供され、前記液体エアロゾル形成基体が前記毛細管媒体を通して前記導電性フィラメントに引き込まれる、35に記載のカートリッジ。
37. 前記毛細管材料(22,27)が前記フィラメント間の隙間内に延びる、35または36に記載のカートリッジ。
38. 前記毛細管材料が第一の毛細管材料(27)および第二の毛細管材料(28)を含み、前記第一の毛細管材料が前記ヒーター組立品と接触し、前記第二の毛細管材料が前記第一の毛細管材料と接触しかつ前記ヒーター組立品と前記第一の毛細管材料によって間隙を介しており、前記第一の毛細管材料が前記第二の毛細管材料よりも高い熱分解温度を持つ、35、36または37に記載のカートリッジ。
39. 前記第二の毛細管材料が20~160mgの前記液体を保持する、38に記載のカートリッジ。
40. 前記第一の毛細管材料の前記熱分解温度が、少なくとも160℃である、39に記載のカートリッジ。
41. 前記ヒーター組立品が第一の材料でできた少なくとも一つのフィラメントおよび前記第一の材料とは異なる第二の材料でできた少なくとも一つのフィラメントを含む、31~40のいずれかに記載のカートリッジ。
42. 前記ヒーター組立品(30)が、フィラメントがその上に支持される電気的に絶縁された基体(34)を含む、31~41のいずれかに記載のカートリッジ。
43. 前記ヒーター組立品が複数の前記フィラメントと接触する導電性接点(32)を持つ、31~42のいずれかに記載のカートリッジ。
44. 前記ヒーター組立品が側方の平面内に延び、前記導電性接点(32)が前記液体貯蔵部分の前記ハウジングを超えて側方に延びる、43に記載のカートリッジ。
45. 主要ユニット(10)および31~44のいずれかに記載されているカートリッジ(20)を含む、エアロゾル発生システムであって、前記カートリッジは前記主要ユニットと取り外し可能なように結合され、前記主要ユニットが電源(14)を含む、前記エアロゾル発生システム。
46. 前記ヒーター組立品および電源に接続された電気回路(16)をさらに含み、前記電気回路が、前記ヒーター組立品または前記ヒーター組立品の一つ以上のフィラメントの電気抵抗をモニタリングし、前記ヒーター組立品または前記一つ以上のフィラメントの前記電気抵抗に応じて前記電源から前記ヒーター組立品への動力供給を制御するように構成されている、45に記載のエアロゾル発生システム。
47. 電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジの製造方法であって、
開口部を持つハウジングを備える液体貯蔵部分を提供する工程と、
前記液体貯蔵部分を液体エアロゾル形成基体で充填する工程と、
複数の導電性フィラメントを含む流体透過性ヒーター組立品を液体貯蔵部分に固定する工程であって、前記導電性フィラメントは10μm~100μmの直径を有し、流体透過性ヒーター組立品が液体貯蔵部分のハウジングの開口部を横切って延びる、前記工程と、
を含む、前記製造方法。