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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】エネルギー変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/28 20060101AFI20240619BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
H02K3/28 J
H02J7/00 L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022509047
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2020108924
(87)【国際公開番号】W WO2021027878
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】201910755484.3
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼▲飛▼▲躍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲長▼久
(72)【発明者】
【氏名】李吉成
(72)【発明者】
【氏名】胡磊
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼益浩
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-239589(JP,A)
【文献】特開2017-079580(JP,A)
【文献】特開2002-027761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/28
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー変換装置であって、モータと、可逆PWM整流器と、双方向ブリッジアームを含み、
外部の充電ポート又は放電ポートは、前記エネルギー変換装置と外部の電池とを用いることにより、充電回路又は放電回路を形成し、駆動回路は、外部の電池及び前記エネルギー変換装置により形成され、前記モータ及び前記可逆PWM整流器は、いずれも外部の充電ポート又は放電ポートに接続され、前記可逆PWM整流器は、外部の電池に接続され、
前記モータは、xセットの巻線を含むモータコイルを含み、x≧1であり、かつxは、整数であり、
第xセットの巻線の相数は、m相であり、モータのベクトル制御により各セットのm相の巻線は、いずれも前記モータを動作させることができ、
前記xセットの巻線の各セットの巻線において、各相の巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端は、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端に共通接続されてm個の相端点を形成し、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第2の端は、さらに該コイル分岐回路と電気角P×(360×k+360/m)度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されてn個の中性点を形成し、n≧m≧2、n≧3、P=±1、1≦k≦(n-1)であり、かつm、n、kは、いずれも整数であり
前記可逆PWM整流器は、K組のM 個のブリッジアームを含み、1組のMx個のブリッジアームのうちの少なくとも1個のブリッジアームの中間点は、1つの相端点に接続され、任意の2つの相端点は、異なるブリッジアームに接続され、前記K組のM 個のブリッジアームのうちの各ブリッジアームの第1の端と第2の端は、それぞれ共通接続されて第1の合流端と第2の合流端を形成し、M ≧m 、M ≧m、K≧xであり、かつK、M は、いずれも整数であり、
前記外部の充電ポート又は放電ポートは、それぞれ前記モータの中性点から引き出された中性線と前記第2の合流端に接続され、前記第1の合流端は、前記外部の電池の正極に接続され、前記第2の合流端は、前記外部の電池の負極に接続され、
前記双方向ブリッジアームは、第1の端が前記第1の合流端に接続され、第2の端が前記第2の合流端に接続され、前記外部の充電ポートは、交流充電ポートを含み、前記交流充電ポートは、中性線を介して少なくとも1つの中性点に接続され、さらに前記双方向ブリッジアームの中間点に接続され、前記交流充電ポート、前記モータコイル、前記可逆PWM整流器及び前記双方向ブリッジアームは、前記外部の電池を充電する交流充電回路又は交流放電回路を形成する、エネルギー変換装置。
【請求項2】
前記モータは、各セットの巻線において、各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータの端部への投影が円形に配列し、各コイル分岐回路の第1の端と第2の端は、モータの軸線方向において対向する、請求項1に記載のエネルギー変換装置
【請求項3】
前記モータは、各セットの巻線の相数mが等しい場合、
【数1】
個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影は、第1相から第m相までの順序で周期的に円形に配列し、隣接して配列した同一相の巻線の2つのコイル分岐回路の電気角は、360度の差があり、同一周期内のm個のコイル分岐回路のうちの隣接する2つのコイル分岐回路の電気角は、360/m度の差がある、請求項1に記載のエネルギー変換装置
【請求項4】
エネルギー変換装置であって、モータと、可逆PWM整流器と、双方向ブリッジアームを含み、
外部の充電ポート又は放電ポートは、前記エネルギー変換装置と外部の電池とを用いることにより、充電回路又は放電回路を形成し、駆動回路は、外部の電池及び前記エネルギー変換装置により形成され、前記モータ及び前記可逆PWM整流器は、いずれも外部の充電ポート又は放電ポートに接続され、前記可逆PWM整流器は、外部の電池に接続され、
前記モータは、xセットの巻線を含むモータコイルを含み、x≧1であり、かつxは、整数であり、
前記xセットの巻線の各セットの巻線の相数は、いずれもm相であり、前記xセットの巻線は、x×m相の巻線であり、モータのベクトル制御により各セットのm相の巻線は、いずれも前記モータを動作させることができ、
前記x×m相の巻線において、各相の巻線のコイル分岐回路の個数は、nであり、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路は、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路に共通接続されてx×m個の相端点を形成し、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路は、さらに該コイル分岐回路と電気角P×(360×k+360/(x×m))度を隔てたコイル分岐回路にそれぞれ接続されてn個の中性点を形成し、n≧x×m、m≧2、n≧3、P=±1、1≦k≦(n-1)、かつm、n、kは、いずれも整数であり、
前記可逆PWM整流器は、K組のM 個のブリッジアームを含み、1組のMx個のブリッジアームのうちの少なくとも1個のブリッジアームの中間点は、1つの相端点に接続され、任意の2つの相端点は、異なるブリッジアームに接続され、前記K組のM 個のブリッジアームのうちの各ブリッジアームの第1の端と第2の端は、それぞれ共通接続されて第1の合流端と第2の合流端を形成し、M ≧m 、M ≧m、K≧xであり、かつK、M は、いずれも整数であり、
前記外部の充電ポート又は放電ポートは、それぞれ前記モータの中性点から引き出された中性線と前記第2の合流端に接続され、前記第1の合流端は、前記外部の電池の正極に接続され、前記第2の合流端は、前記外部の電池の負極に接続され、
双方向ブリッジアームは、第1の端が前記第1の合流端に接続され、第2の端が前記第2の合流端に接続され、前記外部の充電ポートは、交流充電ポートを含み、前記交流充電ポートは、中性線を介して少なくとも1つの中性点に接続され、さらに前記双方向ブリッジアームの中間点に接続され、前記交流充電ポート、前記モータコイル、前記可逆PWM整流器及び前記双方向ブリッジアームは、前記外部の電池を充電する交流充電回路又は交流放電回路を形成する、エネルギー変換装置。
【請求項5】
前記モータにおいて、1セットの巻線のコイルは、別のセットの巻線のコイルと交錯し、1セットの巻線の1つのコイル分岐回路の第2の端は、別のセットの巻線における電気角P×(360×k+360/(x×m))度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されてn個の中性点を形成する、請求項4に記載のエネルギー変換装置
【請求項6】
前記モータにおいて、各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータの端部への投影が円形に配列し、各コイル分岐回路の第1の端と第2の端は、モータの軸線方向において対向する、請求項5に記載のエネルギー変換装置
【請求項7】
前記モータにおいて、m×n個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影は、第1相から第x×m相までの順序で周期的に円形に配列し、隣接して配列した同一相の巻線の2つのコイル分岐回路の電気角は、360度の差があり、同一周期内のx×m個のコイル分岐回路のうちの隣接する2つのコイル分岐回路の電気角は、360/(x×m)度の差がある、請求項5に記載のエネルギー変換装置
【請求項8】
前記各セットの巻線の中性点のうちの1つの中性点から少なくとも1本の中性線が引き出される、請求項1~7のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項9】
前記各セットの巻線の中性点のうちの少なくとも2つの中性点が共通接続されて少なくとも1本の中性線が引き出される、請求項1~7のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項10】
前記外部の充電ポートは、さらに、直流充電ポートを含み、前記直流充電ポートは、中性線を介して少なくとも1つの中性点に接続され、さらに前記第2の合流端に接続され、前記直流充電ポート、前記モータコイル及び前記可逆PWM整流器は、前記外部の電池を充電する直流充電回路又は直流放電回路を形成する、請求項8又は9に記載のエネルギー変換装置。
【請求項11】
前記外部の充電ポートは、さらに、直流充電ポートを含み、
前記直流充電ポートは、中性線を介して少なくとも1つの中性点に接続され、さらに前記第2の合流端に接続され、前記直流充電ポート、前記モータコイル及び前記可逆PWM整流器は、前記外部の電池を充電する直流充電回路又は直流放電回路を形成し、
前記交流充電ポートは、中性線を介して少なくとも1つの中性点に接続され、さらに前記双方向ブリッジアームの中間点に接続され、前記交流充電ポート、前記モータコイル、前記可逆PWM整流器及び前記双方向ブリッジアームは、前記外部の電池を充電する交流充電回路又は交流放電回路を形成し、前記直流充電ポートと前記交流充電ポートは、異なる中性線及び異なる中性点に接続されている、請求項8又は9に記載のエネルギー変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2019年8月15日に提出された出願番号201910755484.3、名称「モータ及びそのエネルギー変換装置」の中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電子の技術分野に属し、特にモータ及びそのエネルギー変換装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、モータにおけるモータコイルは、一般的に多相のコイルで構成され、各相のコイルの第1の端は、共通接続されてモータコイルの共通接続点を形成し、各相のコイルの第2の端は、駆動回路に接続される。そのようなモータコイルの構造は、モータへの駆動を実現することができるが、モータコイルに電流が流れる時に、各相のコイルの間に相互誘導作用が生じ、電流リップルの制御及び損失の低減に不利であり、モータの動作性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、従来技術における、モータコイルによりモータのエネルギー損失が大きく、動作性能が低いという問題を解決するモータを提供することを目的とする。
【0005】
本開示は、以下のように実現される。モータは、xセットの巻線を含むモータコイルを含み、x≧1であり、かつxは、整数であり、
第xセットの巻線の相数は、m相であり、モータのベクトル制御により各セットのm相の巻線は、いずれもモータを動作させることができ、
xセットの巻線の各セットの巻線において、各相の巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端は、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端に共通接続されてm個の相端点を形成し、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第2の端は、さらに該コイル分岐回路と電気角P×(360×k+360/m)度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されてn個の中性点を形成し、n≧m≧2、n≧3、P=±1、1≦k≦(n-1)であり、かつm、n、kは、いずれも整数である。
【0006】
本開示は、モータを提供することを別の目的とする。モータは、xセットの巻線を含むモータコイルを含み、x≧1であり、かつxは、整数であり、
xセットの巻線の各セットの巻線の相数は、いずれもm相であり、xセットの巻線は、x×m相の巻線であり、モータのベクトル制御により各セットのm相の巻線は、いずれもモータを動作させることができ、
x×m相の巻線において、各相の巻線のコイル分岐回路の個数は、nであり、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路は、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路に共通接続されてx×m個の相端点を形成し、
各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路は、さらに該コイル分岐回路と電気角P×(360×k+360/(x×m))度を隔てたコイル分岐回路にそれぞれ接続されてn個の中性点を形成し、n≧x×m、m≧2、n≧3、P=±1、1≦k≦(n-1)、かつm、n、kは、いずれも整数である。
【0007】
本開示に係るエネルギー変換装置は、前記モータ及び可逆PWM整流器を含み、
外部の充電ポート又は放電ポートは、エネルギー変換装置により外部の電池と充電回路又は放電回路を形成し、外部の電池及びエネルギー変換装置は、駆動回路を形成し、モータ及び可逆PWM整流器は、いずれも外部の充電ポート又は放電ポートに接続され、可逆PWM整流器は、外部の電池に接続される。
【0008】
本開示において、モータにxセットの巻線を含むモータコイルを用いることにより、各セットの巻線に電流が流れる時に各セットの巻線の間に生じる相互誘導作用を減少させ、電流リップルに対する制御能力を向上させ、モータコイルのエネルギー損失を減少させ、従来技術における、モータコイルのエネルギー損失が大きく、電流リップルに対する制御に不利であるという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1の実施例に係るモータコイルの例示的な構造の概略図である。
図2】本開示の第2の実施例に係るモータコイルの例示的な構造の概略図である。
図3】本開示の第2の実施例に係るモータコイルの別の例示的な構造の概略図である。
図4】本開示の第2の実施例に係るモータコイルのさらに別の例示的な構造の概略図である。
図5】本開示の第3の実施例に係るモータコイルの例示的な構造の概略図である。
図6】本開示の第3の実施例に係るモータコイルの例示的な構造の概略図である。
図7】本開示の第3の実施例に係るモータコイルの別の例示的な構造の概略図である。
図8】本開示の第3の実施例に係るモータコイルのさらに別の例示的な構造の概略図である。
図9】本開示の第4の実施例に係るモータコイルの例示的な構造の概略図である。
図10】本開示の第5の実施例に係る装置のモジュール構造の概略図である。
図11】本開示の第6の実施例に係る装置の回路構造の概略図である。
図12】本開示の第7の実施例に係る装置の回路構造の概略図である。
図13】本開示の第8の実施例に係る装置の回路構造の概略図である。
図14】本開示の第9の実施例に係る装置の回路構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照して、本開示をさらに詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【0011】
以下、具体的な図面を参照して本開示の実現を詳細に説明する。
【0012】
本開示の一実施例に係るモータ21は、モータコイル211を含む。
【0013】
具体的には、モータコイル211は、xセットの巻線を含み、x≧1であり、かつxは、整数であり、第xセットの巻線の相数は、m相であり、モータのベクトル制御により各セットのm相の巻線は、いずれもモータを動作させることができ、xセットの巻線の各セットの巻線において、各相の巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端は、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端に共通接続されてm個の相端点を形成し、各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第2の端は、さらに該コイル分岐回路と電気角P×(360×k+360/m)度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されてn個の中性点を形成し、n≧m≧2、n≧3、P=±1、1≦k≦(n-1)であり、かつm、n、kは、いずれも整数である。
【0014】
モータコイル211の構造をより明確に理解するために、以下、xが1、mが3、nが4である場合を例として、モータコイル211の構造を説明する。
【0015】
図1は、本実施例における、xが1、mが3、nが4である場合のモータコイル211の回路構造例を示す図である。
【0016】
具体的には、図1を参照すると、モータコイル211は、1セットの巻線を含み、1セットの巻線は、3相の巻線を含み、3相の巻線は、それぞれ第1相の巻線A、第2相の巻線B、第3相の巻線Cであり、各相の巻線は、4つのコイル分岐回路を含み、第1相の巻線Aの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれA1、A2、A3、A4)は、共通接続されて第1相の端点を形成し、第2相の巻線Bの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれB1、B2、B3、B4)は、共通接続されて第2相の端点を形成し、第3相の巻線Cの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれC1、C2、C3、C4)は、共通接続されて第3相の端点を形成する。
【0017】
さらに、各相の巻線の4つのコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第2の端は、該コイル分岐回路と電気角480度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されて4つの中性点を形成し、このときにPは1であり、kは1であり、具体的には、図1を参照すると、第1相の巻線Aの第1のコイル分岐回路の第2の端a1、第2相の巻線Bの第2のコイル分岐回路の第2の端b2及び第3相の巻線の第3のコイル分岐回路の第2の端c3は、共通接続されて第1の中性点N1を形成し、第1相の巻線Aの第2のコイル分岐回路の第2の端a2、第2相の巻線Bの第3のコイル分岐回路の第2の端b3及び第3相の巻線Cの第4のコイル分岐回路の第2の端c4は、共通接続されて第2の中性点N2を形成し、第3相の巻線Cの第1のコイル分岐回路の第2の端c1、第1相の巻線Aの第3のコイル分岐回路の第2の端a3及び第2の相の巻線Bの第4のコイル分岐回路の第2の端b4は、共通接続されて第3の中性点N3を形成し、第2相の巻線Bの第1のコイル分岐回路の第2の端b1、第3相の巻線Cの第2のコイル分岐回路の第2の端c2及び第1相の巻線Aの第4のコイル分岐回路の第2の端a4は、共通接続されて第4の中性点N4を形成する。
【0018】
具体的には、モータコイル211に電流が流れる場合、第1相のコイルAの第1のコイル分岐回路、第2相のコイルBの第1のコイル分岐回路、第3相のコイルCの第1のコイル分岐回路のうちのいずれか2つは、空間的に間隔を隔てて2層の重なった回路を形成するとともに、重なった回路により相互誘導作用が生じる。
【0019】
本実施例では、モータコイル211において交錯巻線方式を用いることにより、モータコイル211に電流が流れる時に生じる相互誘導作用を効果的に低減し、等価インダクタンスの増加を実現し、さらにモータコイル211のインダクタンスを向上させ、電流リップルの制御に有利となり、かつエネルギー損失を減少させ、従来技術における、モータコイルのエネルギー損失が大きく、電流リップルの制御に不利であるという問題を解決する。
【0020】
さらに、本開示の一実施形態として、各セットの巻線において、各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータ21の端部への投影は、円形に配列し、各コイル分岐回路の第1の端と第2の端は、モータ21の軸線方向において対向する。
【0021】
モータコイル211の構造をよりよく理解するために、図1に示すモータコイル211を例とすると、このときに1セットの巻線の正面の構造は、図2に示すとおりであり、1セットの巻線の裏面の構造は、図3に示すとおりである。
【0022】
図2及び図3に示すように、各コイルの4つのコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータ21の端部への投影は、円形に配列し、各コイル分岐回路の第1の端と第2の端は、モータ21の軸線方向において対向する。
【0023】
本実施例では、各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータ21の端部への投影を円形に配列させることにより、モータコイルの占有面積を効果的に減少させ、モータ21におけるモータコイル211の空間利用率を向上させることができる。
【0024】
さらに、本開示の一実施形態として、各セットの巻線の相数mがいずれも等しい場合、
【数1】
個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影は、第1の相から第m相までの順序で周期的に円形に配列し、隣接して配列した同一相の巻線の2つのコイル分岐回路の電気角は、360度の差があり、同一周期内のm個のコイル分岐回路のうちの隣接する2つのコイル分岐回路の電気角は、360/m度の差がある。
【0025】
第1相から第m相の順序で周期的に円形に配列することは、各相のコイル分岐回路を第1相から第m相までの小さい順で配列してから、第1相から第m相を周期的に繰り返し、各周期の円における配列方向がいずれも時計方向又は反時計方向であることを指す。
【0026】
本実施形態の内容をより明確に理解するために、図1に示すモータコイル211を例とすると、このときにモータ端部への投影は、図4に示すとおりである。
【0027】
図4に示すように、12個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影は、第1相の巻線Aから第3相の巻線Cの順序で周期的に円形に配列し、隣接して配列した同一相の巻線の2つのコイル分岐回路の電気角は、360度の差があり、同一周期内の4つのコイル分岐回路のうちの隣接する2つのコイル分岐回路の電気角は、90度の差がある。
【0028】
なお、ここでの周期は、具体的には、各相の巻線の1つのコイル分岐回路で構成され、順序は、各相の巻線の端部への投影の配列方向を指す。例えば、図1に示すモータコイル211を例とすると、1つの周期は、各相の巻線の1つのコイル分岐回路で構成され、4つの周期を形成し、各相の巻線の配列方向は、時計回りにA、B、Cであり、反時計回りにC、B、Aであり、モータコイル211の1つの周期a4、b4、c4について、時計回りの配列順序はa4、b4、c4であり、反時計回りの配列順序はc4、b4、a4である。
【0029】
本実施例の好ましい態様として、1つの周期の第m相に対応するコイル分岐回路は、次の周期の第1相に対応するコイル分岐回路に接続されず、1つの周期の第1相に対応するコイル分岐回路は、前周期の第m相に対応するコイル分岐回路に接続されず、第1周期の第1相に対応するコイル分岐回路は、第
【数2】
周期の第m相に対応するコイル分岐回路に接続されない。
【0030】
本実施例では、各セットの巻線の相数mが等しい場合、モータコイル211における
【数3】
個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影を、第1相から第m相までの順序で周期的に円形に配列させ、隣接して配列した同一相の巻線の2つのコイル分岐回路の電気角が360度の差があり、同一周期内のn個のコイル分岐回路のうちの隣接する2つのコイル分岐回路の電気角が360/m度の差があるように実施することにより、モータコイル211に電流が流れる時に、エネルギー損失を減少させ、電流リップルに対する制御を向上させることができる。
【0031】
本開示の一実施例に係るモータ22は、モータコイル221を含む。
【0032】
具体的には、モータ22は、モータコイル221を含み、モータコイル221は、xセットの巻線を含み、x≧1であり、かつxは、整数であり、xセットの巻線の各セットの巻線の相数は、いずれもm相であり、xセットの巻線は、x×m相の巻線であり、モータのベクトル制御により各セットのm相の巻線は、いずれもモータを動作させることができ、x×m相の巻線において、各相の巻線のコイル分岐回路の個数は、nであり、各相の巻線のn個のコイル分岐回路の各コイル分岐回路は、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路に共通接続されてx×m個の相端点を形成し、各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路は、さらに該コイル分岐回路と電気角P×(360×k+360/(x×m))度を隔てたコイル分岐回路にそれぞれ接続されてn個の中性点を形成し、n≧x×m、m≧2、n≧3、P=±1、1≦k≦(n-1)であり、かつm、n、kは、いずれも整数である。
【0033】
モータコイル221の構造をより明確に理解するために、以下、xが1、mが6、nが7である場合を例として、モータコイル221の構造を説明する。
【0034】
図5は、本実施例における、xが1、mが6、nが7である場合のモータコイル221の回路構造例を示す図である。
【0035】
具体的には、図5を参照すると、モータコイル221は、1セットの巻線を含み、該セットの巻線は、6相の巻線を含み、6相の巻線は、それぞれ第1相の巻線A、第2相の巻線B、第3相の巻線C、第4相の巻線D、第5相の巻線E、第6相の巻線Fであり、各相の巻線は、7つのコイル分岐回路を含み、第1相の巻線Aの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7)は、共通接続されて第1相の端点を形成し、第2相の巻線Bの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれB1、B2、B3、B4、B5、B6、B7)は、共通接続されて第2相の端点を形成し、第3相の巻線Cの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7)は、共通接続されて第3相の端点を形成し、第4相の巻線における各コイル分岐回路の第1の端(それぞれD1、D2、D3、D4、D5、D6、D7)は、共通接続されて第4相の端点を形成し、第5相の巻線の各コイル分岐回路の第1の端(それぞれE1、E2、E3、E4、E5、E6、E7)は、共通接続されて第5相の端点を形成し、第6相の巻線の各コイル分岐回路の第1の端(それぞれF1、F2、F3、F4、F5、F6、F7)は、共通接続されて第6相の端点を形成する。
【0036】
さらに、各相の巻線のつのコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第2の端は、該コイル分岐回路と電気角420度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されてつの中性点を形成し、このときにPは1であり、kは1であり、具体的には、図5を参照すると、図5は、各相の巻線の各コイル分岐回路の第2の端が中性点Nを形成する接続方法を示さないが、具体的には以下のとおりである。第1相の巻線Aの第1のコイル分岐回路の第2の端a1、第2相の巻線Bの第2のコイル分岐回路の第2の端b2、第3相の巻線Cの第3のコイル分岐回路の第2の端c3、第4相のコイルDの第4のコイル分岐回路の第2の端d4、第5相のコイルEの第5のコイル分岐回路の第2の端e5及び第6相のコイルFの第6のコイル分岐回路の第2の端f6は、共通接続されて第1の中性点N1を形成し、第1相の巻線Aの第2のコイル分岐回路の第2の端a2、第2相の巻線Bの第3のコイル分岐回路の第2の端b3、第3相の巻線Cの第4のコイル分岐回路の第2の端c4、第4相のコイルDの第5のコイル分岐回路の第2の端d5、第5相のコイルEの第6のコイル分岐回路の第2の端e6及び第6相の巻線Fの第7のコイル分岐回路の第2の端f7は、共通接続されて第2の中性点N2を形成し、第1相の巻線Aの第3のコイル分岐回路の第2の端a3、第2相の巻線Bの第4のコイル分岐回路の第2の端b4、第3相のコイルCの第5のコイル分岐回路の第2の端c5、第4相のコイルDの第6のコイル分岐回路の第2の端d6、第5相のコイルEの第7のコイル分岐回路の第2の端e7及び第6相のコイルFの第1のコイル分岐回路の第2の端f1は、共通接続されて第の中性点N3を形成し、第1相の巻線Aの第4のコイル分岐回路の第2の端a4、第2相の巻線Bの第5のコイル分岐回路の第2の端b5、第3相のコイルCの第6のコイル分岐回路の第2の端c6、第4相のコイルDの第7のコイル分岐回路の第2の端d7、第5相のコイルEの第1のコイル分岐回路の第2の端e1及び第6相のコイルFの第2のコイル分岐回路の第2の端f2は、共通接続されて第の中性点N4を形成し、第1相の巻線Aの第5のコイル分岐回路の第2の端a5、第2相の巻線Bの第6のコイル分岐回路の第2の端b6、第3相のコイルCの第7のコイル分岐回路の第2の端c7、第4相のコイルDの第1のコイル分岐回路の第2の端d1、第5相のコイルEの第2のコイル分岐回路の第2の端e2及び第6相のコイルFの第3のコイル分岐回路の第2の端f3は、共通接続されて第の中性点N5を形成し、第1相の巻線Aの第6のコイル分岐回路の第2の端a6、第2相の巻線Bの第7のコイル分岐回路の第2の端b7、第3相のコイルCの第1のコイル分岐回路の第2の端c1、第4相のコイルDの第2のコイル分岐回路の第2の端d2、第5相のコイルEの第3のコイル分岐回路の第2の端e3及び第6相のコイルFの第4のコイル分岐回路の第2の端f4は、共通接続されて第の中性点N6を形成し、第1相の巻線Aの第7のコイル分岐回路の第2の端a7、第2相の巻線Bの第1のコイル分岐回路の第2の端b1、第3相のコイルCの第2のコイル分岐回路の第2の端c2、第4相のコイルDの第3のコイル分岐回路の第2の端d3、第5相のコイルEの第4のコイル分岐回路の第2の端e4及び第6相のコイルFの第5のコイル分岐回路の第2の端f5は、共通接続されて第の中性点N7を形成する。
【0037】
本実施例では、モータコイル221において交錯巻線方式を用いることにより、モータコイル221に電流が流れる時に生じる相互誘導作用を効果的に低減し、等価インダクタンスの増加を実現し、さらにモータコイル221のインダクタンスを向上させ、電流リップルの制御に有利となり、かつエネルギー損失を減少させ、従来技術における、モータコイルのエネルギー損失が大きく、電流リップルの制御に不利であるという問題を解決する。
【0038】
さらに、本開示の一実施形態として、1セットの巻線のコイルは、別のセットの巻線のコイルと交錯し、1セットの巻線の1つのコイル分岐回路の第2の端は、別のセットの巻線における電気角P×(360×k+360/(x×m))度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されてn個の中性点を形成する。
【0039】
本実施形態の内容をよりよく理解するために、以下、xが2、mが3、nが3である場合を例として、モータコイル211の1種の構造を説明する。
【0040】
図9は、本実施例における、xが2、mが3、nが3である場合のモータコイル221の回路構造例を示す図である。
【0041】
具体的には、図9を参照すると、モータコイル221は、第1セットの巻線2211及び第2セットの巻線2212を含み、各セットの巻線は、3相の巻線を含み、第1セットの巻線の3相の巻線は、それぞれ第1相の巻線A、第2相の巻線B、第3相の巻線Cであり、第2セットの巻線の3相の巻線は、それぞれ第4相の巻線U、第5相の巻線V、第6相の巻線Wであり、各相の巻線は、3つのコイル分岐回路を含み、第1相の巻線Aの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれA1、A2、A3)は、共通接続されて第1相の端点を形成し、第2相の巻線Bの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれB1、B2、B3)は、共通接続されて第2相の端点を形成し、第3相の巻線Cの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれC1、C2、C3)は、共通接続されて第3相の端点を形成し、第4相の巻線Uの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれU1、U2、U3)は、共通接続されて第4相の端点を形成し、第5相の巻線Vの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれV1、V2、V3)は、共通接続されて第5相の端点を形成し、第6相の巻線Wの各コイル分岐回路の第1の端(それぞれW1、W2、W3)は、共通接続されて第6相の端点を形成する。
【0042】
さらに、各相の巻線のつのコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第2の端は、該コイル分岐回路と電気角420度を隔てたコイル分岐回路の第2の端に接続されてつの中性点を形成し、このときにPは1であり、kは1であり、3つの中性点を形成する接続方法について、具体的に図9を参照する。
【0043】
本実施例では、別の交錯巻線方式を用いることにより、モータコイル221に電流が流れる時に生じる相互誘導作用を効果的に低減し、等価インダクタンスの増加を実現し、さらにモータコイル221のインダクタンスを向上させ、電流リップルの制御に有利となり、かつエネルギー損失を減少させ、従来技術における、モータコイルのエネルギー損失が大きく、電流リップルの制御に不利であるという問題を解決する。
【0044】
さらに、本開示の一実施形態として、各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータの端部への投影は、円形に配列し、各コイル分岐回路の第1の端と第2の端は、モータの軸線方向において対向する。
【0045】
xが1、mが6、nが7である場合を例とするモータコイル221を例とすると、図6及び図7に示すように、各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータの端部への投影は、円形に配列する。
【0046】
本実施例では、各相の巻線のn個のコイル分岐回路のうちの各コイル分岐回路の第1の端と、該コイル分岐回路と電気角360度を隔てたコイル分岐回路の第1の端との、モータ22の端部への投影を円形に配列させることにより、モータコイルの占有面積を効果的に減少させ、モータ22におけるモータコイル221の空間利用率を向上させることができる。
【0047】
さらに、本開示の一実施形態として、m×n個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影は、第1相から第x×m相までの順序で周期的に円形に配列し、隣接して配列した同一相の巻線の2つのコイル分岐回路の電気角は、360度の差があり、同一周期内のx×m個のコイル分岐回路のうちの隣接する2つのコイル分岐回路の電気角は、360/(x×m)度の差がある。
【0048】
xが1、mが6、nが7である場合を例とするモータコイル221を例とすると、図8に示すように、m×n個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影は、第1相から第x×m相までの順序で周期的に円形に配列する。
【0049】
本実施例では、m×n個のコイル分岐回路の第2の端のモータの端部への投影を、第1相から第x×m相までの順序で周期的に円形に配列させ、隣接して配列した同一相の巻線の2つのコイル分岐回路の電気角が360度の差があり、同一周期内のn個のコイル分岐回路のうちの隣接する2つのコイル分岐回路の電気角が360/(x×m)度の差があるように実施することにより、モータコイル221に電流が流れる時に、エネルギー損失を減少させ、電流リップルに対する制御を向上させることができる。
【0050】
図10に示すように、本開示に係るエネルギー変換装置4は、モータ2及び可逆PWM整流器41を含む。
【0051】
具体的には、可逆PWM整流器41は、モータ2に接続される。外部の充電ポート又は放電ポート5は、エネルギー変換装置4により外部の電池6と充電回路又は放電回路を形成し、外部の電池6及びエネルギー変換装置4は、駆動回路を形成し、モータ2及び可逆PWM整流器41は、いずれも外部の充電ポート又は放電ポート5に接続され、可逆PWM整流器41は、外部の電池6に接続される。
【0052】
可逆PWM整流器について、上記駆動回路において、可逆PWM整流器41は、電池6から入力された直流電流を交流電流に変換して、モータ2を運転するように駆動し、上記充電回路において、可逆PWM整流器41は、モータ2と協働し、直流電流をブーストし、電池を充電するために、ブーストした直流電流を出力し、上記放電回路において、可逆PWM整流器41の作用で、電池6から入力された直流電流を放電ポート5により放電する。
【0053】
モータ2は、上記駆動回路において、可逆PWM整流器41から入力された交流電流を受けることにより、駆動を実現し、上記充電回路において、モータ2は、可逆PWM整流器41と協働し、直流電流のブーストを実現し、上記充電回路において、モータ2の作用で、電池6から入力された直流電流を放電ポート5により放電する。
【0054】
なお、モータ2は、モータ21であってもよく、モータ22であってもよく、モータ2にモータコイルが含まれ、モータコイルは、モータコイル211であってもよく、モータコイル221であってもよく、ここでは、具体的に限定しない。
【0055】
本実施例では、モータ2及び可逆PWM整流器41を用いることにより、充電回路における直流電流のブーストを実現し、かつ電池6、可逆PWM整流器41によりモータ2の駆動を実現し、モータ2及び可逆PWM整流器41を多重化し、回路の集積度を向上させ、回路構造を簡略化するため、体積減少及びコスト低減の目的を達成する。
【0056】
さらに、本開示の一実施形態として、可逆PWM整流器41は、K組のM個のブリッジアームを含み、1組のM個のブリッジアームのうちの少なくとも1個のブリッジアームの中間点は、1つの相端点に接続され、任意の2つの相端点の接続するブリッジアームは異なり、K組のM個のブリッジアームのうちの各ブリッジアームの第1の端と第2の端は、それぞれ共通接続されて第1の合流端と第2の合流端を形成し、M≧m、M≧m、K≧xであり、かつK、Mは、いずれも整数であり、外部の充電ポート又は放電ポート5は、それぞれモータの中性点から引き出された中性線と第2の合流端に接続され、第1の合流端は、電池6の正極に接続され、第2の合流端は、電池6の負極に接続される。
【0057】
本実施例の内容をよりよく理解できるために、Kが1、Mが3である場合を例とする。
【0058】
具体的には、図11に示すように、可逆PWM整流器41は、1組の3個のブリッジアームを含み、各ブリッジアームは、直列接続された2つのパワースイッチを含み、モータ2は、3相の巻線を含み、各相の巻線は、4つのコイル分岐回路を含み、3つの相端点、それぞれA、B、Cを形成し、3つの相端点は、それぞれ3個のブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、各ブリッジアームの第1の端は、共通接続されて第1の合流端を形成して電池6の正極に接続され、各ブリッジアームの第2の端は、共通接続されて第2の合流端を形成して電池6の負極に接続される。
【0059】
上記例では、電池6が直流電流を出力する場合、可逆PWM整流器41における1個のブリッジアームは、直流電流を交流電流に変換し、1相の巻線に入力して、モータ2を運転するように駆動し、他の2相の巻線は、交流電流を出力し、他の2相の巻線に接続された2個のブリッジアームにより交流電流を直流電流に変換し、電池6に還流する。
【0060】
上記例において、充電ポート又は放電ポート5から直流電流が入力される場合、パワースイッチVT4をオンにし、パワースイッチVT1をオフにするように制御し、充電ポート又は放電ポート5、1相の巻線A及びパワースイッチVT4がエネルギー貯蔵回路を形成し、1相の巻線Aがエネルギー貯蔵を完了し、パワースイッチVT4がオフにされ、パワースイッチVT1がオンにされる場合、充電ポート又は放電ポート5、1相の巻線A及びパワースイッチVT1、電池6がエネルギー放出回路を形成し、パワースイッチVT1は、ブーストした直流電流を出力して、電池6を充電する。
【0061】
なお、パワースイッチVT3、パワースイッチVT5がブーストした直流電流を出力する方式は、パワースイッチVT4がブーストした直流電流を出力する方式とは同じであり、ここでは説明を省略する。
【0062】
また、電池6が直流電流を出力する場合、可逆PWM整流器41及びモータ2の作用で、充電ポート又は放電ポート5により放電し、この放電過程は、上記充電過程とちょうど逆であり、ここでは説明を省略する。
【0063】
本実施例では、可逆PWM整流器41とモータ2の協働により、充電ポート又は放電ポート5から出力された直流電流をブーストした直流電流に変換して、電池6を充電し、同時に、外部の電池6が直流電流を出力する場合、可逆PWM整流器41により交流電流に変換して、モータ2を駆動し、さらに、モータ2及び可逆PWM整流器41により放電することができ、駆動回路、充放電回路が可逆PWM整流器41及びモータ2を多重化することを実現し、回路の集積度を向上させ、回路構造を簡略化するため、体積減少及びコスト低減の目的を達成する。
【0064】
さらに、本開示の一実施形態として、各セットの巻線の中性点のうちの1つの中性点から、少なくとも1本の中性線が引き出される。
【0065】
具体的には、1本の中性線は、1つ又は複数の中性点が共通接続されて引き出された中性線であってもよく、複数の中性点からそれぞれ複数本の中性線を一対一に対応して引き出してもよい。
【0066】
さらに、中性線により接続される中性点の数を制御して、モータ2におけるモータコイルで形成されたインダクタンスを制御することにより、異なる充放電状況で、異なる数の中性点に接続して、異なる要件での充電パワーに対する要件を満たす。
【0067】
本実施例では、異なる数の中性線を引き出すことにより、モータ2におけるモータコイルで形成されたインダクタンスを制御し、異なる回路状況でパワーに対する要件を満たすことができる。
【0068】
さらに、本開示の一実施形態として、図12に示すように、充電ポート5は、直流充電ポート51である。
【0069】
具体的には、直流充電ポート51の一端は、中性線に接続され、直流充電ポート51の他端は、可逆PWM整流器41の第2の合流端に接続される。
【0070】
本実施例では、直流充電ポート51、モータコイル及び可逆PWM整流器41は、電池6を充電する直流充電回路又は直流放電回路を形成し、直流充電回路及び直流放電回路は、以上で説明され、ここでは説明を省略する。
【0071】
本実施例では、可逆PWM整流器41とモータ2の協働により、直流充電ポート51から出力された直流電流をブーストした直流電流に変換して、電池6を充電し、同時に、外部の電池6が直流電流を出力する場合、可逆PWM整流器41により交流電流に変換して、モータ2を駆動し、さらに、モータ2及び可逆PWM整流器41により放電することができ、駆動回路、充放電回路が可逆PWM整流器41及びモータ2を多重化することを実現し、回路の集積度を向上させ、回路構造を簡略化するため、体積減少及びコスト低減の目的を達成する。
【0072】
さらに、本開示の一実施形態として、図13に示すように、該エネルギー変換装置4は、双方向ブリッジアーム42をさらに含む。
【0073】
具体的には、充電ポート又は放電ポート5は、交流放電ポート52を含み、交流放電ポート52の一端は、中性線を介してモータ2に接続され、双方向ブリッジアーム42は、可逆PWM整流器41の第1の合流端と可逆PWM整流器41の第2の合流端との間に接続され、交流放電ポート52の他端は、双方向ブリッジアーム42の中間点に接続される。
【0074】
双方向ブリッジアーム42は、直列接続された2つのパワースイッチを含み、それぞれパワースイッチVT7とパワースイッチVT8であり、パワースイッチVT7とパワースイッチVT8との間の中間点は、双方向ブリッジアーム42の中間点となる。
【0075】
本実施例では、交流充電ポート52から交流電流が入力され、可逆PWM整流器における3個のブリッジアームは、それぞれ双方向ブリッジアーム42と整流フルブリッジを形成し、交流充電ポート52から入力された交流電流を直流電流に変換し、かつモータコイルと協働し、モータコイルは、エネルギー貯蔵及びエネルギー放出の過程を実現し、可逆PWM整流器における3個のブリッジアーム及び双方向ブリッジアーム42によりブーストした直流電流を出力する。
【0076】
また、電池6から出力された直流電流を、双方向ブリッジアーム42、可逆PWM整流器、モータ2の作用で、交流充電ポートにより交流電流にして放電する。
【0077】
本実施例では、双方向ブリッジアーム42を含むエネルギー変換装置4を用いることにより、エネルギー変換装置4で交流充電及び交流放電を行い、同時にモータ2の駆動を行うことができ、回路の集積度を向上させ、回路構造を簡略化するため、体積減少及びコスト低減の目的を達成する。
【0078】
さらに、本開示の一実施形態として、図14に示すように、充電ポート又は放電ポート5は、直流充電ポート51及び交流放電ポート52を含み、該エネルギー変換装置4は、双方向ブリッジアーム42を含む。
【0079】
具体的には、直流充電ポート51の一端は、中性線に接続され、直流充電ポート51の他端は、可逆PWM整流器41の第2の合流端に接続され、交流放電ポート52の一端は、中性線を介してモータ2に接続され、双方向ブリッジアーム42は、可逆PWM整流器41の第1の合流端と可逆PWM整流器41の第2の合流端との間に接続され、交流放電ポート52の他端は、双方向ブリッジアーム42の中間点に接続される。
【0080】
双方向ブリッジアーム42は、直列接続された2つのパワースイッチを含み、それぞれパワースイッチVT7とパワースイッチVT8であり、パワースイッチVT7とパワースイッチVT8との間の中間点は、双方向ブリッジアーム42の中間点となる。
【0081】
本実施例では、交流充電ポート52から交流電流が入力され、可逆PWM整流器における3個のブリッジアームは、それぞれ双方向ブリッジアーム41と整流フルブリッジを形成し、交流充電ポート52から入力された交流電流を直流電流に変換し、かつモータコイルと協働し、モータコイルは、エネルギー貯蔵及びエネルギー放出の過程を実現し、可逆PWM整流器における3個のブリッジアーム及び双方向ブリッジアーム41によりブーストした直流電流を出力し、直流充電ポート51、モータコイル及び可逆PWM整流器41は、電池6を充電する直流充電回路又は直流放電回路を形成し、直流充電回路及び直流放電回路は、以上で説明され、ここでは説明を省略する。
【0082】
本実施例では、可逆PWM整流器41とモータ2の協働により、直流充電ポート51から出力された直流電流をブーストした直流電流に変換して、電池6を充電し、エネルギー変換装置4で交流充電及び交流放電を行うことができ、同時に、外部の電池6が直流電流を出力する場合、可逆PWM整流器41により交流電流に変換して、モータ2を駆動し、さらに、モータ2及び可逆PWM整流器41により放電することができ、駆動回路、交流充放電回路、直流充放電回路が可逆PWM整流器41及びモータ2を多重化することを実現し、回路の集積度を向上させ、回路構造を簡略化するため、体積減少及びコスト低減の目的を達成し、また、本開示は、さらに接続される中性点の数を制御して、モータコイルのインダクタンスを制御することにより、異なる充電パワーの要求を満たすことができる。
【0083】
以上は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則内で行われたすべての修正、等価置換及び改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14