(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】枝分かれ内部人工器官システム、デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/07 20130101AFI20240619BHJP
【FI】
A61F2/07
(21)【出願番号】P 2022548033
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 US2020017219
(87)【国際公開番号】W WO2021158234
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ミン グエン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイ.オニール
(72)【発明者】
【氏名】アニセト トルジロ
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0103587(US,A1)
【文献】特表2015-512755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0234542(US,A1)
【文献】特表2016-530065(JP,A)
【文献】特表2017-509439(JP,A)
【文献】特表2003-521313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/07
A61F 2/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の脚部、第二の脚部及び分岐部を含む内部人工器官を製造する方法であって、
第一のセクション及び第二のセクションを有するマンドレルを提供すること、ここで、前記第二のセクションは第一の長尺要素及び第二の長尺要素を含み、
第一の端部及び第二の端部を有する第一の管状グラフト要素を提供すること、
前記第一の管状グラフト要素を折り畳んで折り畳み領域を画定すること、ここで、前記第一の脚部は前記第一の管状グラフト要素の前記第一の端部と前記折り畳み領域との間に画定され、前記第二の脚部は前記第一の管状グラフト要素の前記第二の端部と前記折り畳み領域との間に画定され、
前記折り畳み領域の前記第一の脚部と前記第二の脚部との間の余剰部分は、前記余剰部分から離れて延在している少なくとも一つのタブを画定し、
前記第二の長尺要素が前記第一の管状グラフト
要素の前記第二の脚部を通って前記第一の管状グラフト
要素の前記第二の端部から延在するように、また前記折り畳み領域が前記第一の脚部及び前記第二の脚部の間に位置して、前記分岐部を画定するように、前記第一の管状グラフト
要素を前記第二のセクション上に適用すること、
トランク部分が前記マンドレルの前記第一のセクションの部分に沿って延在するように、前記マンドレルに沿って前記内部人工器官のトランク部分を形成すること、ここで、前記
タブは、前記第一の管状グラフト要素の分岐部を横切って
、かつ、前記折り畳み領域における前記第一の端部及び前記第二の端部とは反対側で、延在
し、並びに
前記トランク部分と前記第一の管状グラフト要素とを一緒に固定して、前記内部人工器官を形成すること、
を含んでなる方法。
【請求項2】
前記トランク部分は第二の管状グラフト要素として形成され、該第二の管状グラフト要素は、その後に、前記マンドレルの前記第一のセクション上に適用され、前記第一の管状グラフト要素に固定される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
グラフト材料が前記第一の脚部及び前記第二の脚部の少なくとも一部に沿って延在して前記第一の脚部及び前記第二の脚部の位置合わせを維持するように、前記内部人工器官の外部にグラフト材料を適用することをさらに含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記第一の脚部の長手方向軸は前記第二の脚部の長手方向軸と平行である、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
第一の切断線は、前記第一の端部と前記第二の端部との間の第一の領域内で前記
第一の管状グラフト
要素の周囲に画定され、ここで、前記
第一の管状グラフト要素は第一の切開部分及び第一の非切開部分を画定する第一の切断線全体よりも短い部分の周りに前記第一の切断線に沿って切開される、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記第一の管状グラフト要素は、前記第一の非切開部分に沿って折り畳まれ、前記折り畳み領域を画定する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
第二の切断線は、前記第一の領域から長手方向にオフセットされた前記第一の端部と前記第二の端部との間の第二の領域において、前記
第一の管状グラフト
要素の周囲に画定され、ここで、前記
第一の管状グラフト要素は、第二の切開部分及び第二の非切開部分を画定する第二の切断線全体よりも短い部分の周りに前記第二の切断線に沿って切開され、そして第三の切断線は前記第一の切断線と前記第二の切断線との間に延在し、前記
第一の管状グラフト要素は前記第三の切断線に沿って切開される、請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
前記第一の管状グラフト要素を前記第二の非切開部分に沿って折り畳むことをさらに含み、ここで、前記折り畳み領域は折り畳まれた第一の非切開部分及び折り畳まれた第二の非切開部分を含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
余剰セクションは前記第一の切断線と前記第二の切断線との間の境界領域に画定され、前記第三の切断線は前記余剰セクションを二分し、前記第一の管状グラフト
要素は、前記余剰セクションの少なくとも一部が前記マンドレルの第一の部分に沿って前記分岐部から離れて延在するように、前記第二のセクション上に適用される、請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
前記マンドレルの第一の部分に沿って延在している余剰セクションの部分は、第一の
タブと、該第一の
タブの反対側にある第二の
タブとを含み、前記第一の
タブ及び前記第二の
タブのそれぞれの自由端は第三の切断線によって画定される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記トランク部分に沿って前記内部人工器官に支持構造を適用することをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記支持構造はステントである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記支持構造は、前記トランク部分と、前記トランク部分を取り囲むグラフト材料との間に位置する、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
前記第一の脚部及び第二の脚部のうちの1つ以上に沿って前記内部人工器官に支持構造を適用することをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記支持構造はステントである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記支持構造は、前記第一の管状グラフト要素と、前記第一の管状グラフト要素を取り囲むグラフト材料との間に位置する、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
前記第一の長尺要素が前記第一の管状グラフト
要素の第一の脚部を通って前記第一の管状グラフト
要素の第一の端部から延在するように、前記第一の管状グラフト
要素は前記第二のセクション上に適用される、請求項1~16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
タブは前記第一の長尺要素及び前記第二の長尺要素の間に延在する、請求項1~17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
主グラフト本体及び少なくとも2つのグラフト脚部を有するマルチルーメングラフトデバイスを構築する方法であって、
主マンドレル本体と少なくとも2つのマンドレル脚部を備えたマンドレルを提供すること、
前記2つのマンドレル脚部のそれぞれにオーバーレイし、前記主マンドレル本体の少なくとも一部とオーバーラップする少なくとも
2つのタブを含む単一の管状構造を前記マンドレル上に適用すること、
前記主マンドレル本体の上に主グラフト本体を形成すること、ここで、前記主グラフト本体を
前記少なくとも
2つのタブに結合し、前記
少なくとも2つのグラフト脚部の両方の少なくとも一部とオーバーラップするように配置する、
を含んでなる方法。
【請求項20】
少なくとも1つのステント要素は前記
マルチルーメングラフトデバイスに取り付けられる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも2つのタブは前記主グラフト本体に結合される、請求項19又は20記載の方法。
【請求項22】
前記主マンドレル本体は、前記2つのマンドレル脚部に向かって少なくとも1つの平坦なテーパーを含み、前記平坦なテーパーは前記主マンドレル本体と前記マンドレル脚部との間の移行部を画定する、請求項19又は20記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのタブは、構築中に前記平坦なテーパーの上で位置合わせされる、請求項22記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、枝分かれ脈管内部人工器官システムの製造のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下行大動脈を含む大動脈、内腸骨動脈及び外腸骨動脈ならびに大腿動脈に影響を及ぼす疾患を含む、分枝血管及び主血管接合部の領域における血管疾患の管腔内治療に使用される高度なデバイス、ツール、システム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
内部人工器官及び関連する内部人工器官の製造方法に関する様々な例が開示される。開示される様々な概念は、第一の脚部、第二の脚部及び分岐部を有する内部人工器官に関する。1つの例(「例1」)によれば、製造方法は、第一のセクション及び第二のセクションを有するマンドレルを提供することを含み、ここで、前記第二のセクションは第一の長尺要素及び第二の長尺要素を含む。この方法はまた、第一の端部及び第二の端部を有する第一の管状グラフト要素を提供することを含む。
【0004】
この方法はまた、第一の管状グラフト要素を折り畳んで折り畳み領域を画定することを含む。第一の脚部は、第一の管状グラフト要素の第一の端部と折り畳み領域との間に画定され、第二の脚部は、第一の管状グラフト要素の第二の端部と折り畳み領域との間に画定される。この方法はまた、第二の長尺要素が第一の管状グラフトの第二の脚部を通って、第一の管状グラフトの第二の端部から延在するように、また、折り畳み領域が第一の脚部と第二の脚部との間に位置して分岐部を画定するように、第二のセクション上に第一の管状グラフトを適用することを含む。
【0005】
この方法はまた、マンドレルの第一のセクションの部分に沿ってトランク部分が延在しているように、マンドレルに沿って内部人工器官のトランク部分を形成することを含む。トランク部分は、第一の管状グラフト要素の分岐部を横切って延在しているタブを含む。この方法はまた、トランク部分と第一の管状グラフト要素とを一緒に固定して内部人工器官を形成することを含む。
【0006】
例1に加えて別の例(「例2」)によれば、トランク部分は第二の管状グラフト要素として形成され、該第二の管状グラフト要素は、その後、マンドレルの第一のセクション上に適用され、第一の管状グラフト要素に固定される。
【0007】
例1又は2に加えて別の例(「例3」)によれば、この方法はまた、グラフト材料が第一の脚部及び第二の脚部の位置合わせを維持するために第一の脚部及び第二の脚部の少なくとも一部に沿って延在するように、内部人工器官の外部にグラフト材料を適用することを含む。
【0008】
先行する例のいずれかに加えて別の例(「例4」)によれば、第一の脚部の長手方向軸は第二の脚部の長手方向軸と平行である。
【0009】
先行する例のいずれかに加えて別の例(「例5」)によれば、第一の端部と第二の端部との間の第一の領域において、管状グラフトの周囲に第一の切断線が画定される。グラフト要素は、第一の切断線の全体よりも短い部分の周りで第一の切断線に沿って切開され、第一の切開部分及び第一の非切開部分を画定する。
【0010】
例5に加えて別の例(「例6」)によれば、第一の管状グラフト要素は、第一の非切開部分に沿って折り畳まれ、折り畳み領域を画定する。
【0011】
例5又は6に加えてさらに別の例(「例7」)によれば、第二の切断線は、第一の領域から長手方向にずれている第一の端部と第二の端部との間の第二の領域において、管状グラフトの周囲に画定される。グラフト要素は、第二の切断線の全体よりも短い部分の周りで第二の切断線に沿って切開され、第二の切開部分及び第二の非切開部分を画定する。第三の切断線は、第一の切断線と第二の切断線との間に延在し、グラフト要素は第三の切断線に沿って切開される。
【0012】
例7に加えて別の例(「例8」)によれば、方法はまた、第二の非切開部分に沿って第一の管状グラフト要素を折り畳むことを含み、折り畳み領域は、折り畳まれた第一の非切開部分及び折り畳まれた第二の非切開部分を含む。
【0013】
例7又は8に加えて別の例(「例9」)によれば、第一の管状グラフトは、折り畳み部分が第一の脚部と第二の脚部との間に延在して分岐部を画定するように、前記第二のセクション上に適用される。
【0014】
例7~9のいずれか1つに加えて別の例(「例10」)によれば、第一の切断線及び第二の切断線の間で境界付けられる領域に余剰セクションが画定される。第三の切断線は、余剰セクションを二分する。第一の管状グラフトは、余剰セクションの少なくとも一部が前記マンドレルの第一の部分に沿って前記分岐部から離れて延在するように、第二のセクションの上に適用される。
【0015】
例10に加えて別の例(「例11」)によれば、マンドレルの第一の部分に沿って延在している余剰セクションの部分は、第一のフラップと、該第一のフラップの反対側の第二のフラップとを含む。第一のフラップ及び第二のフラップのそれぞれの自由端は、第三の切断線によって画定される。
【0016】
先行する例に加えて別の例(「例12」)によれば、方法はまた、トランク部分に沿って内部人工器官に支持構造を適用することを含む。
【0017】
例12に加えて別の例(「例13」)によれば、支持構造はステントである。
【0018】
例12又は13に加えて別の例(「例14」)によれば、支持構造は、トランク部分と、該トランク部分を取り囲むグラフト材料との間に位置する。
【0019】
例1~11のいずれか1つに加えて別の例(「例15」)によれば、方法はまた、第一の脚部及び第二の脚部の1つ以上に沿って内部人工器官に支持構造を適用することを含む。
【0020】
例15に加えて別の例(「例16」)によれば、支持構造はステントである。
【0021】
例15又は16に加えて別の例(「例17」)によれば、支持構造は、第一の管状グラフト要素と、前記第一の管状グラフト要素を取り囲むグラフト材料との間に位置する。
【0022】
先行の例のいずれかに加えて別の例(「例18」)によれば、第一の長尺要素が第一の管状グラフトの第一の脚部を通って第一の管状グラフトの第一の端部から延在しているように、第一の管状グラフトは第二のセクション上に適用される。
【0023】
先行の例のいずれかに加えて別の例(「例19」)によれば、タブは、第一の長尺要素及び第二の長尺要素の間に延在している。
【0024】
マルチルーメングラフトデバイス及びそれを構築する関連方法に関する様々な例も開示される。開示される様々な概念は、主グラフト本体及び少なくとも2つのグラフト脚部を有するマルチルーメングラフトデバイスに関する。1つの例(「例20」)によれば、方法は、主マンドレル本体及び少なくとも2つのマンドレル脚部を有するマンドレルを提供すること、2つのマンドレル脚部のそれぞれを覆い、主マンドレル本体の少なくとも一部を覆う少なくとも1つのタブを含む単一の管状構造をマンドレル上に適用すること、及び、主マンドレル本体の上に主グラフト本体を形成することを含み、前記主グラフト本体は前記少なくとも1つのタブに結合され、前記2つのグラフト脚部の両方の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0025】
例20に加えて別の例(「例21」)によれば、少なくとも1つのステント要素はグラフトデバイスに取り付けられる。
【0026】
例20又は21に加えて別の例(「例22」)によれば、単一の管状構造は少なくとも2つのタブを含み、各タブはグラフト本体に結合されている。
【0027】
例20~22のいずれか1つに加えて別の例(「例23」)によれば、主マンドレル本体は、2つのマンドレル脚部に向かって少なくとも1つの平らなテーパーを含み、前記平らなテーパーは、主マンドレル本体とマンドレル脚部と間の移行を画定する。
【0028】
例23に加えて別の例(「例24」)によれば、少なくとも1つのタブは、構築中に平らなテーパーの上で位置合わせされている。
【0029】
複数の実施形態が開示されているが、例示的な例を示して記載する以下の詳細な説明から、当業者にさらに他の実施形態が明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本開示の特徴及び利点は、図面と併せて解釈されるときに、以下に示される詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0031】
【
図1】
図1は、幾つかの実施形態による、管腔内デバイスの斜視図を示す図である。
【0032】
【0033】
【
図3】
図3は、幾つかの実施形態による、
図1の管腔内デバイスの第一の端面図である。
【0034】
【
図4】
図4は、幾つかの実施形態よる、
図1の管腔内デバイスの第二の端面図である。
【0035】
【
図5】
図5は、幾つかの実施形態による、管腔内デバイスを製造する方法を示す。
【0036】
【
図6】
図6A~Cは、幾つかの実施形態による、管腔内デバイスの製造に使用するためのマンドレルを示す。
【0037】
【
図7】
図7は、幾つかの実施形態による、管腔内デバイスのトランクセクションを示す。
【0038】
【
図8】
図8は、幾つかの実施形態による、管腔内デバイスのゲートセクションを示す。
【0039】
【
図9A-C】
図9A~9Cは、幾つかの実施形態による、製造中の管腔内デバイスのトランクセクションの様々な中間構成を示す。
【0040】
【
図9D】
図9Dは、幾つかの実施形態による、平らな向きに広げられた
図9Cに示されている管腔内デバイスのトランクセクションの図である。
【0041】
【
図10】
図10A~10Cは、幾つかの実施形態による、製造中の管腔内デバイスのゲートセクションの様々な中間構成を示す。
【0042】
【
図11】
図11A~11Dは、幾つかの実施形態による、製造中の管腔内デバイスのゲートセクションの様々な中間構成を示す。
【0043】
【
図12】
図12A~12Hは、幾つかの実施形態による、製造中の管腔内デバイスの様々な中間構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された様々な方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面はすべて一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定と解釈されるべきではないことにも留意されたい。最後に、本開示は、様々な原理及び信念に関連して記載されうるが、本開示は理論に拘束されるべきではない。
【0045】
内部人工器官デバイス、内部人工器官、脈管デバイス、管腔内デバイスなどの用語は、明細書全体及び特許請求の範囲において、体管腔内にインプラント処置及び/又は展開できる任意のメディカルデバイスを指すことができる。様々な実施形態において、内部人工器官は、ステント、ステントグラフト、グラフトなどを含むことができる。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、「遠位」という用語は、インプラント処置されたときに血流に関して管腔内デバイス(ステントグラフトなど)の別の部分よりもさらに下流にある位置、又は管腔内デバイス(ステントグラフトなど)の一部を指す。同様に、「遠位に」という用語は、血流の方向、又は血流の方向のさらに下流を指す。
【0047】
「近位」という用語は、インプラント処置されたときに管腔内デバイスの別の部分よりも血流に関してさらに上流にある場所、又は管腔内デバイスの部分を指す。同様に、「近位に」という用語は、血流の方向と反対の方向、又は、血流の方向から上流を指す。
【0048】
引き続き近位及び遠位という用語に関して、本開示はこれらの用語に関して狭義に解釈されるべきではない。むしろ、本明細書に記載のデバイス及び方法は、患者の解剖学的構造に対して変更及び/又は調整することができる。したがって、明示的に示される場合に、「遠位」及び「遠位に」という用語は、メディカルデバイスが導入された体内の位置から遠くに離れた相対的な位置、又は、メディカルデバイスを操作する医師から遠くに離れた相対的な位置を指すことができることを理解されたい。同様に、明示的に示されている場合に、「近位」及び「近位に」という用語は、メディカルデバイスが導入された体内の位置に近い相対的な位置、又は、メディカルデバイスを操作する医師に近い位置を指すことができる。
【0049】
本明細書で使用されるときに、「導管」という用語は、体内の任意の管腔又は管状構造であって、これらの構築物を利用できる構造を指す。これには、限定するわけではないが、血管、動静脈奇形、動脈瘤などの血管欠陥、リンパ系の導管、食道、腸の解剖学的構造、蛇行性腔、泌尿生殖器系又は他のそのような系又は解剖学的特徴が挙げられる。
【0050】
本明細書で論じられるような管腔内デバイスは、哺乳動物患者の脈管系を治療するために使用される。これらの治療又は処置は、一般に管腔内処置又は脈管内処置と呼ばれる。ステント及びステントグラフトを含むそのような管腔内デバイスは、一般に、1つ以上の管腔を画定し、脈管系に挿入して、局所的な流れの狭窄、脈管構造の弱化、瘤などを防止又は対処するために脈管構造を開放及び/又は維持することができる管状構造とすることができる。したがって、様々な実施形態において、管腔内デバイスは、所望の脈管治療に適切な寸法を有し、管腔内デバイス及び/又は脈管構造の柔軟な壁のための構造支持を提供するのに十分な強度を有する。
【0051】
幾つかの例において、管腔内デバイスは近位端及び遠位端を含み、近位端から遠位端まで延在している単一の管腔を有する。幾つかの他の例において、管腔内デバイスは、近位端及び遠位端を含むことができ、ここで、複数の管腔は、近位端及び遠位端のうちの1つ以上において画定される。幾つかの例において、管腔内デバイスは、管腔内デバイスの管腔が複数の管腔に移行するか、又はさもなければ複数の管腔に分割されるように分岐部を含むことができる。幾つかの例において、管腔内デバイスは、それぞれがそのような分岐部を含む複数の管腔を含むことができる。
【0052】
図1~4は、本開示による管腔内デバイス100を示す。管腔内デバイス100は、様々な構成を有することができ、一般に、例えば、グラフト構成要素102及び支持構成要素104を含み、支持構成要素104は、グラフト構成要素102に支持を提供するように構成されている。支持構成要素104及びグラフト構成要素102は互いにほぼ同軸になるように一緒に結合されうる。管腔内デバイス100は、近位端106及び遠位端108を含み、一般に、トランクセクション110及びゲートセクション112を含む。管腔内デバイス100は、当業者に理解されるように、バルーン拡張型デバイスであってよく、又は自己拡張型デバイスを含む別の構成であってもよい。
【0053】
以下でより詳細に論じるように、様々な例において、トランクセクション110は、トランク管腔などの単一の管腔を含み、ゲートセクション112は、ゲートセクション112が複数の管腔を含むように分岐部を含み、ここで、ゲートセクション112の複数の管腔は、トランクセクション110の管腔と流体連結される。
図2は、複数の管腔を含む遠位端108を示す管腔内デバイス100の斜視図であり、複数の管腔は、第一のゲート管腔114及び第二のゲート管腔116を含む。示されるように、第一のゲート管腔114は、少なくとも部分的に、第一のゲート118によって画定され、一方、第二のゲート管腔116は、少なくとも部分的に、第二のゲート120によって画定される。したがって、ゲートセクション112は、第一のゲート118及び第二のゲート120を含む。
【0054】
管腔内デバイス100のグラフト構成要素102は、選択された体腔内でグラフトとして使用するのに適した任意の材料から構成されうる。多くのグラフト材料が知られており、特に脈管グラフト材料として使用されるものが知られている。例えば、コラーゲンなどの天然材料をステントの内面に導入し、所定の位置に固定することができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、それらの混合物、ブレンド、コポリマー、混合物、ブレンド及びコポリマーなどの合成ポリマーも適している。このクラスには、DACRON及びMYLARなどのポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、KEVLAR(登録商標)などのポリアラミド、ポリフルオロカーボン、多孔質又は非多孔質のポリウレタンが挙げられる。フルオロポリマーのクラスには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で、共重合ヘキサフルオロプロピレンを含むものと含まないもの、延伸又は非延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン(TFE)及びペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)のコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のホモポリマー及びそのTFE、エチレン-クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)とのコポリマー、エチレン-テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニリデン(PVF)のコポリマーが挙げられる。
【0055】
さらに、金、白金、白金タングステン、パラジウム、白金イリジウム、ロジウム、タンタル、又はこれらの金属の合金もしくは複合体などの1つ以上の放射線不透過性金属繊維をデバイスに組み込むことができ、特に、グラフトに、デバイスの蛍光透視可視化を可能にするために組み込むことができる。
【0056】
グラフト材料は、小径繊維のネットワークを使用して強化することもできる。繊維は、ランダム、編組、編物又は織物であってもよい。
【0057】
当該技術分野で知られているFEP及び他の接着材料をグラフト材料のための接着剤として使用することができる。例えば、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)グラフト構成要素102は、FEP接着剤を使用してePTFEの層を一緒に結合することによって形成することができる。例えば、ePTFEはFEPでコーティングされてもよく、又は、FEPは、グラフト材料の層の間に配置される結合部材(例えば、平らなリボン)の形態であってもよい。以下でさらに論じられるように、当該技術分野で知られているFEP及び他の接着材料を追加又は代替として使用して、支持構成要素104及びグラフト構成要素102を一緒に結合することができる。
【0058】
様々な例において、支持構成要素104は、ステンレス鋼又は他の合金などの鋼を含むことができる。幾つかの例において、支持構成要素104は、例えばニチノールなどの形状記憶合金を含むことができる。さらに他の例において、支持構成要素は、ポリマー材料などの非金属材料を含むことができる。したがって、支持構成要素104は、その1つ以上の別個の部分を含み、永久的(すなわち、非生体吸収性)又は生体吸収性であることができることが理解されるべきである。
【0059】
幾つかの例において、支持構成要素104は、一般に、例えば、応力がかかったときに塑性変形に抵抗する材料など、適度に高強度の材料から構成される。支持構成要素104は、らせん状の巻きと起伏を同時に形成できるように、ピンが配置されたマンドレルの周りに巻かれたワイヤを含むことができる。他の構造も使用できる。例えば、適切な形状は、平らな素材から形成され、適切な形状に加工された筒又はある長さのチューブに巻かれてもよい。他の適切な製造方法には、連続管から切断された支持構成要素(例えば、レーザ切断ニチノール管)が挙げられる。
【0060】
幾つかの例において、適切な材料としては、非常に薄いシート又は小径のワイヤに加工されたときでも適切に弾力性があるものが挙げられる。例えば、上記と一貫して、金属及び超弾性合金を含む様々な材料は、支持構成要素104での使用に適している。コバルトクロム合金(ELGILOYなど)、白金/タングステン合金、一般に「ニチノール」として知られるニッケル-チタン合金などの他の金属合金と同様に、物理的、化学的及びその他の方法で処理されて高いばね性を生成する様々なステンレス鋼も適切である。幾つかの例において、支持構成要素として適切な他の材料には、特定のポリマー材料、特にサーモトロピック液晶ポリマー(「LCP」)などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0061】
引き続き
図1~
図4を参照すると、様々な例において、支持構成要素104は、トランクセクション110に沿って配置された1つ以上の要素、ならびにゲートセクション112に沿って配置された1つ以上の構成要素を含む。
【0062】
例えば、示されるように、支持構成要素104は、トランクセクション110に沿って配置された複数の環状ステント要素122と、ゲートセクション112に沿って配置された複数の環状ステント要素124とを含む。環状ステント要素122及び124は、管腔内デバイスの長手方向軸に沿って互いに隣接して配置された複数の個々の連続した筒形構成要素を含むことができ、又は、1つ以上のらせん巻きを含むことができ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0063】
幾つかの例において、隣接して配置された環状ステント要素122及び124のうちの1つ以上を、例えば、相互接続構成要素(例えば、相互接続ワイヤ)などを介して互いに相互接続することができる。このような幾つかの例において、相互接続ワイヤは、第一の環状ステント要素と隣接して位置する第二の環状ステント要素との間で長手方向に延在しているワイヤを含むことができる。任意の数の隣接して位置する環状ステント要素を、そのような相互接続ワイヤを介して一緒に結合することができる。幾つかの他の例において、そのような相互接続ワイヤの代わりに又はそれに加えて、環状ステント要素の1つ以上の頂点132を、隣接して位置する環状ステント要素の1つ以上の頂点132と接触させて接続することができる。
【0064】
環状ステント要素122及び124は、長手方向軸に沿って互いに均一な間隔に配置することができ(すなわち、長手方向軸に沿って均一に分布される)、又は、長手方向軸に沿って異なる間隔で互いに離間させることができる(すなわち、長手方向軸に沿って不均一に分布される)、又はそれらの組み合わせであることができる(例えば、
図1に示されるように)。したがって、環状ステント要素122及び124がトランクセクション及びゲートセクション110及び112に支持を提供するように適合されている限り、環状ステント要素122及び124の任意の配置が本開示の範囲内にあることを理解されたい。
【0065】
様々な実施形態において、様々な環状ステント要素122及び124は、剛性が互いに異なることができる。例えば、剛性が増大した1つ以上の環状ステント要素122及び124を、管腔内デバイス100の遠位端及び/又は近位端に配置することができる。さらに、剛性が低下した1つ以上の環状ステント要素122及び124を、管腔内デバイス100の遠位端及び/又は近位端から離れて配置することができる。
【0066】
さらに、
図1~4に示される管腔内デバイス100の環状ステント要素122及び124は、複数のピークと複数のバリーとを有するほぼ正弦波状の構成を含むが、管腔内デバイス100に十分な弾力性及び可撓性を提供する任意のパターンを有する環状ステント要素を含む、他の構成を考えることができることを理解されたい。例えば、環状ステント要素122及び/又は124は、例えば平行四辺形などの多角形を含むことができる。様々な例において、環状ステント要素122及び/又は124はダイヤモンド形状であってもよい。他の実施形態において、環状ステント要素122及び/又は124は、正方形又は矩形形状を含むことができる。したがって、多角形ではない形状(卵形又は丸みを帯びた形状など)又は起伏もしくは屈曲を含む形状を含む、環状ステント要素122及び/又は124の任意の形状が本開示の範囲内であることを理解されたい。
【0067】
上記の議論と一貫して、様々な例において、環状ステント要素122及び/又は124は、ステンレス鋼を含む鋼、又は、ニチノールなどの形状記憶合金を含む他の合金などの金属材料を含むことができる。さらに他の実施形態において、環状ステント要素122及び/又は124は、ポリマー材料などの非金属材料を含むことができる。したがって、環状ステント要素122及び/又は124は、所望ならば、既知の方法に従って、単一の金属又はポリマーチューブから切り取ることができる。追加的又は代替的に、環状ステント要素122及び/又は124は、所望のパターンに対応する構成で配置された複数のピンなどの他の既知のステント形成デバイスを使用することによって形成することができ、ワイヤはピンを通して巻かれる。
【0068】
幾つかの例において、支持構成要素104はグラフト構成要素102の周りに同心的に配置される。幾つかの他の例において、グラフト構成要素102は支持構成要素104の周りに同心的に配置される。さらに幾つかの他の例において、支持構成要素104はグラフト構成要素102の複数のグラフト材料層の間に配置されることができる。
【0069】
したがって、幾つかの例において、グラフト材料は、トランクセクション110の管腔表面126、及び/又は第一のゲート118の管腔表面128、及び/又は第二のゲート120の管腔表面130を画定することができる。ここで、このような管腔表面は、管腔内デバイス100が脈管構造内にインプラント処置されると、管内の血流と接触するように適合される。
【0070】
引き続き
図1~4を参照すると、様々な例において、管腔内デバイス100は、第一のゲート及び第二のゲート118及び120が相互の実質的な動きに対して固定されるように構成される。幾つかの例において、そのような固定は、第一のゲート及び第二のゲート118及び120が互いに取り付けられるように、縫合又は接着剤などによって、第一のゲート及び第二のゲート118及び120を互いに直接結合することを含む。あるいは、幾つかの例において、第一のゲート及び第二のゲート118及び120の間の直接結合を必要とせずに、第一のゲート及び第二のゲート118及び120を互いに対する移動に対して固定する(したがって、効果的に結合する)ことができる。すなわち、幾つかの例において、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、それらの長手方向の長さに沿って第一のゲート及び第二のゲート118及び120の間の分離を維持しながら一緒に結合されることができる。
【0071】
例えば、
図1~4に示されるように、管腔内デバイス100は、第一のゲート及び第二のゲート118及び120のそれぞれの外側に沿って延在しているスリーブ部分134を含む。幾つかの例において、スリーブ部分134は、以下でより詳細に論じられるように、管腔内デバイス100のグラフト構成要素104に一体化される。様々な例において、スリーブ部分134は、第一のゲート及び第二のゲート118及び120の周りに巻き付けられたグラフト材料を含む。したがって、巻き付けられたグラフト材料は、第一のゲート及び第二のゲート118及び120のすべてよりも少ない部分に接触し、
図3に示されるように、第一のゲート118と第二のゲート120との間のギャップ136の間に延在し、これらの間のギャップ136にまたがるウェビングを形成する。様々な例において、ギャップ136は、管腔内デバイス100の分岐部138から遠位端108まで、第一のゲート及び第二のゲート118及び120の長さに沿って延在している。様々な例において、分岐部138は、トランク構成要素110の遠位端ならびに第一のゲート及び第二のゲート118及び120のそれぞれの近位端に配置されると理解されうる(管腔内デバイス100に沿った分岐部138の位置は
図1に示されている)。様々な例において、分岐部138は、トランク構成要素110の遠位端、ならびに第一のゲート及び第二のゲート118及び120のそれぞれの近位端のうちの1つ以上を画定することができる。当業者は、分岐部138が、トランク構成要素110の管腔がそれぞれの第一のゲート管腔及び第二のゲート管腔114及び116に移行する区分を画定することを理解されたい。
【0072】
スリーブ134は、第一のゲート管腔及び第二のゲート管腔114及び116を含む第一のゲート及び第二のゲート118及び120の位置合わせを維持するように適合されており、これは、1つ以上の第一のゲート管腔及び第二のゲート管腔114及び116の1つ以上の挿管を容易にするのを助けることができることを理解されたい。さらに、幾つかの例において、スリーブ134はまた、管腔内デバイス100の強度を高めることができ、例えば、その枝(例えば、第一のゲート118及び第二のゲート120)の分枝血管への展開中のグラフト構成要素104の破裂強度を増加させることができる。また、幾つかの例において、複数の環状ステント要素124がグラフト材料の層の間に挟まれているために、スリーブ134は管腔内デバイス100を血管内に展開するプロセスを容易にする。この例において、外側上のスリーブ134及び内側上のグラフト構成要素102であり、環状ステント要素124が周囲の組織壁に直接接触することから生じうる摩擦が減少する。
【0073】
次に、
図5を参照すると、管腔内デバイス100を製造する例示的な方法が示されている。しかしながら、
図5の図示された製造方法は、限定することを意図したものではないことを理解されたい。したがって、工程の順序付け、又は以下で論じられる詳細工程は、別の方法で再配置又は完了できることを理解されたい。
【0074】
示されるように、工程502で、第一のセクション及び第二のセクションを含むマンドレルが提供され、第二のセクションは複数の長尺の平行部材を含む。例示的なマンドレル200を
図6A~6Cに示す。示されるように、マンドレル200は、第一のセクション202及び第二のセクション204を含む。第二のセクション204は、第一の長尺要素206及び第二の長尺要素208を含み、第二の長尺要素208は、第一の長尺要素206と平行に延在している。第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208は、第一のセクション202の近位端212の反対側に位置する第一のセクション202の遠位端210から延在している。第一の長尺要素206は、近位端214及び遠位端216を含む。同様に、第二の長尺要素208は、近位端218及び遠位端220を含む。第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208は、ほぼ筒形の本体部分222及び224をそれぞれ含む。同様に、第一のセクション202は、図示のように筒形である。
【0075】
図6Bに示すように、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208の近位端214及び218は、第一のセクション202の遠位端210に結合されている。様々な例において、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208は、それらが互いに横断方向に分離されるように第一のセクション202に結合されている。例えば、
図6Bに示されるように、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208は、それらの長さに沿った第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208の間のギャップ230によって証明されるように、それらが互いに横断方向に分離されるように、第一のセクション202に結合されている。別の言い方をすれば、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208は、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208の長手方向軸間の距離が、第一の長尺要素206の直径の半分、第二の長尺要素の直径の半分、第一のゲート118の厚さ及び第二のゲート120の厚さの合計を超えるように配置される。幾つかの例において、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は同じ厚さを有する。幾つかの例において、第一の長尺セクション及び第二の長尺セクション206及び208は同じ直径を有する。第一のセクション及び第二のセクション206及び208の直径は、それぞれ第一のゲート及び第二のゲート118及び120の管腔直径に対応することも理解されたい。幾つかの例において、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、側面から見たときに、第一のゲート及び第二のゲート118及び120が互いに位置合わせしないように、第二の長尺要素208とは異なる長さを有する第一の長尺要素206とすることによって、互いに長手方向にずれている。
【0076】
ギャップ230は、上述の第一のゲート118と第二のゲート120との間に形成されるギャップ136と一致する。すなわち、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208は、管腔内デバイス100の第一のゲート及び第二のゲート118及び120の間のギャップ136が、以下にさらに論じられるように、管腔内デバイス100の製造中に形成されうるように、第一のセクション202に結合される。
【0077】
様々な例において、マンドレル200の第一のセクション202は、第一のテーパー化セクション226と、第一のテーパー化セクション226の反対側にある第二のテーパー化セクション228とを含むように構成されており、ここで、第一のテーパー化セクション及び第二のテーパー化セクション226及び228は第一のセクション202の遠位端210に位置する。様々な例において、第一のセクション202の遠位端210にある第一のテーパー化セクション及び第二のテーパー化セクション226及び228は、管腔内デバイス100のトランク部分110の管腔内デバイス100のゲート部分112への移行を提供する。このような移行は、血栓形成につながる可能性がある停滞領域を最小限に抑えるのに役立つ、管腔内デバイス100を通る血流動態を提供する。
図6A~6Cに示されるように、第一のテーパー化セクション及び第二のテーパー化セクション226及び228は、マンドレル200の長手方向軸に対して約21度の角度を有するが、0~90度の間の任意の適切な角度が実装されうることを理解されたい。
【0078】
図5に示されるように、工程504で、管腔内デバイス100のトランクセクション110及びゲートセクション112が提供される。
図7は、組み立て前の構成におけるトランクセクション110の例示的な図を提供し、
図8は、組み立て前の構成におけるゲートセクション112の例示的な図を提供する。
図7に示されるように、組み立て前の構成におけるトランク部分110は、遠位端142及び近位端144を有するほぼ管状の本体140を含む。様々な例において、管状本体140の近位端144は、一般に、管腔内デバイス100の近位端106に対応する。遠位端142において、トランクセクション110は、その組み立て前の構成において、テール部分146、第一のオーバーラップ領域148及び第二のオーバーラップ領域150を含む。幾つかの例において、トランクセクション110は、テール部分146の反対側に位置するレリーフ部分152を含む(例えば、
図9Cを参照されたい)。以下でより詳細に論じられるように、レリーフ部分152は、ゲートセクション112をトランクセクション110に結合するのを助けるために、トランクセクション110の遠位端142を横切って延在するサドルを形成するために、テール部分146がそれを通過することができるように構成されている。
【0079】
図7に示されるように、様々な例において、トランクセクション110の管状本体140は、マンドレルに沿って、本明細書で論じられるグラフト材料と一貫するグラフト材料を配置することによって形成されうる。グラフト材料は、グラフト材料をマンドレルの周りにらせん状に巻く及び/又は長手方向に巻き付けることによって、マンドレルの周りに配置することができる。管状本体140が形成されると、それをさらに処理して、テール部分146ならびに第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150を形成することができる。
【0080】
ここで、
図9A~9Dを参照すると、トランクセクション110は、様々な製造工程において組み立て前の構成で示されている。
図9Aは、管状本体140が形成された後であって、テール部分146ならびに第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150が形成される前のトランクセクション110を示す。
図9Bは、テール部分146ならびに第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150の形成と一貫するトランクセクション110上の例示的なカットパターンを示す。
図9Cは、テール部分146ならびに第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150の形成後の例示的なトランクセクション110を示し、これは
図7に示されるトランクセクション110の例示と一貫している。
図9Dは、
図9Cに示されるトランクセクション110の表示であり、
図9Cは、トランクセクション110の特徴をよりよく示すために、長手方向に切断され、開かれ、平らに置かれている。長手方向の切断は、近位端144からレリーフ部分152まで延在し、長手方向の切断は、レリーフ部分152の幅を二分することを理解されたい。
【0081】
図9C及び9Dに示され、先に述べたように、組み立てらる前の構成において、トランクセクションはテール部分146、第一のオーバーラップ領域148及び第二のオーバーラップ領域150を含む。場合により、特定の例において、トランクセクション110はレリーフ部分152をさらに含み、レリーフ部分152はテール部分146の反対側に位置する。幾つかの例において、テール部分146ならびに第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150は、
図9Bに示される切断線154a、154b及び156に沿ってトランクセクション110の管状本体140を切断することによって形成される。示されるように、切断線154a及び154bは、管状本体140に沿って長さ「L」で延在する長手方向切断線であり、一方、切断線156は、トランクセクション110の管状本体140の周囲のほぼ全体よりも短い、管状本体140に作られた周方向の切断線である。示されるように、切断線156は管状本体140の周囲の管状本体140に作られ、テール部分146の幅「W」よりも短い。すなわち、切断線156は、テール部分146の幅「W」を横断しない。切断線158a及び158bは
図9Bにも示されており、これらは、以下でさらに記載されるように、場合により、レリーフ152を形成するためにトランクセクション110の管状本体140に作成されることができる。
【0082】
幾つかの例において、テール部分146は、管状本体140を切断線154a及び154bに沿って切断することによって、また切断線156に沿って切断し、余剰セクション160を除去することによって形成される。示されるように、余剰セクション160は、遠位端142と切断線156及び切断線154a及び154bとの間で境界付けられる領域として画定される。
【0083】
図9Cは、余剰セクション160が取り除かれた組み立て前の構成のトランクセクション110を示す。示されるように、切断線154a及び154bは、「L」と「D」との間の差に等しい距離「X」だけ近位に延在している。したがって、切断線154a及び154bは、テール部分146の基部(例えば、テール部分146が管状本体140内で終端する場所)が、第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域の近位にあるように、第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150の近位に延在することを理解されたい。このような構成により、以下でさらに論じられるように、テール部分146が管状本体140を横切って折り畳まれ、レリーフ部分152を通過してトランク部分110をゲート部分112に結合するときに、第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域はテール部分146の遠位に配置されうる。さらに、示されるように、余剰セクション160が取り除かれると、テール部分146は、第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150の遠位に延在している。幾つかの例において、テール部分146の遠位端は、組み立て前の構成でトランクセクション110の遠位端142を画定する(例えば、
図9Dを参照されたい)。
【0084】
上述のように、幾つかの例において、切断線158a及び158bは、場合により、切断線154a及び154bの反対側で、トランクセクション110の管状本体140に作成されうる。例えば、
図9Bに示すように、切断線158aは切断線154bと180度反対側に作られ、切断線158bは切断線154aと180度反対側に作られることができる。幾つかの例において、切断線158a及び158bは、テール部分146の長さ「L」と余剰部分160の深さ「D」との間の差に等しい長さを有することができる。したがって、切断線158a及び158bは、切断線154a及び154bと同様に、切断線156からトランクセクション110の管状本体140に沿って近位方向に実質的に同じ量だけ延在することを理解されたい。
【0085】
様々な例において、切断線(図示せず)は、それらの近位端で切断線158aと158bとの間に作られる。したがって、レリーフ部分152は、切断線156と切断線158a及び158bの近位端との間、及び切断線158aと158bとの間に画定される過剰な材料を除去することによって形成される。様々な例において、切断線158a及び158bは、レリーフ部分152がテール部分146と実質的に同じ幅「W」を有するように、切断線154a及び154bと実質的に同じ幅「W」によって分離される。
【0086】
管状本体140は、レーザ切断などの既知の方法に従って、切断線154a、154b、156、158a及び158bを含む上記の切断線に沿って切断されうることを理解されたい。
【0087】
幅「W」は、トランクセクション110の管状本体140の周囲よりも小さい任意の所望の幅であることができることが理解されるべきである。長さ「L」は、近位端144から遠位端142に測定してトランクセクション110の長手方向長さよりも短い任意の所望の長さであることができることも理解されるべきである。深さ「D」は、切断線154a及び154bの長さ「L」と直径との間の差以下の任意の所望の深さであることができることも理解されたい。
【0088】
ここで
図10A~10Cを参照すると、例示的なゲートセクション112は、様々な製造工程の組み立て前の構成で示されている。
図10Aは、管状本体162が形成された後に、管状本体162を部分的に分割して第一のゲート及び第二のゲート118及び120を形成する前のゲートセクション112を示す。
図10Bは、第一のゲート部分及び第二のゲート部分118及び120の形成と一貫するゲートセクション112上の例示的なカットパターンを示す。
図10Cは、管状本体162を部分的に分割し、それを折り畳んで第一のゲート及び第二のゲート118及び120を形成した後のゲートセクション112の例を示す。
【0089】
様々な例において、ゲートセクション112の管状本体162は、マンドレルに沿って、本明細書で議論されるグラフト材料と一貫するグラフト材料を配置することから形成されうる。グラフト材料は、グラフト材料をマンドレルの周りにらせん状に巻く及び/又は長手方向に巻き付けるなどの既知の方法に従って、マンドレルの周りに配置することができる。管状本体162が形成されると、それをさらに処理して、ゲートセクション112を形成することができる。
【0090】
図10Cに示されるように、その組み立て前の構成において、ゲートセクション112は、第一のゲート及び第二のゲート118及び120を含む。幾つかの例において、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、
図10Bに示される切断線168に沿ってゲートセクション112の管状本体162を切断することによって形成される。示されるように、切断線168は、管状本体162の長手方向軸に対して横断方向になされる切断である。切断線168は、管状本体162で周囲切断として作られ、ゲートセクション112の管状本体162のおよそ周囲全体よりも短い。以下の議論と一貫して第一のゲート及び第二のゲート118及び120を画定するように管状本体162を折り畳むことができるかぎり、任意の適切な長さの切断を使用できることを理解されたい。幾つかの例において、周方向の切断は、切断線168の領域における管状本体162の周囲の少なくとも半分に対応する切断長さに対応する。示されるように、第一のゲート118は、近位端166と切断線168との間を境界とする領域として画定され、一方、第二のゲート120は、遠位端164と切断線168との間を境界とする領域として画定される。
【0091】
図10Cは、管状本体162が切断されて第一のゲート及び第二のゲート118及び120を画定した後の組み立て前の構成のゲート部分112を示す。示されるように、切断線168に沿って管状本体162を切断して第一のゲート及び第二のゲート118及び120を画定した後に、管状本体162を切断線168で折り畳み、第一のゲート及び第二のゲート118及び120が横断方向にオフセットされながら互いに実質的に平行に延在するまで、遠位端164及び近位端166を互いに向かって引き寄せる。すなわち、切断線168に沿って管状本体162を折り畳んだ後に、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、共通の軸を共有しないか、さもなければ互いに同軸ではない。様々な例において、互いに同軸ではないにもかかわらず、第一のゲート及び第二のゲート118及び120の軸は、
図10Cに示されるように、互いに実質的に平行に延在することができる。
【0092】
さらに、上述のように、切断線168は管状本体162の周方向の切断であり、ゲートセクション112の管状本体162の周囲のほぼ全体よりも短い。
図10Cに示される組み立て前の構成に折り畳まれるときに、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、管状本体162のグラフト材料の非切断部分170を介して結合されたままである。様々な例において、非切断部分170は、
図10Cに示される折り畳み構成における近位端166及び遠位端164の反対側にある第一のゲート及び第二のゲート118及び120間に延在しているサドル又は他の支持構造を画定する。以下でより詳細に議論されるように、このサドル又は非切断部分170は、ゲートセクション112をトランクセクション110に結合するのを助ける支持構造を提供する。
【0093】
管状本体162は、レーザ切断などの既知の方法に従って、切断線168を含む上記の切断線に沿って切断されうることが理解されるべきである。
【0094】
ここで、
図11A~11Dを参照すると、別の例示的なゲートセクション112は、様々な製造工程の組み立て前の構成で示されている。
図11Aは、管状本体162が形成された後に、管状本体162を部分的に分割して第一のゲート及び第二のゲート118及び120を形成する前のゲートセクション112を示す。
図11Bは、第一のゲート及び第二のゲート部分118及び120の形成と一貫するゲートセクション112上の例示的なカットパターンを示す。
図11Cは、管状本体162を
図11Dに示される構成に折り畳む前に、切断されたグラフト材料の部分を開いた状態での管状本体162を示す。
図11Dは、管状本体162を折り畳んで第一のゲート及び第二のゲート118及び120を形成した後のゲートセクション112の例を示し、これは
図8に示すゲートセクション112の図と一貫している。
【0095】
上述のように、ゲートセクション112の管状本体162は、マンドレルに沿って、本明細書で論じられるグラフト材料に一貫するグラフト材料を配置することから形成されうる。グラフト材料は、グラフト材料をマンドレルの周りにらせん状に巻く及び/又は長手方向に巻き付けるなどの既知の方法に従って、マンドレルの周りに配置することができる。管状本体162が形成されると、それをさらに処理して、
図11B~11Dに示されるゲートセクション112を形成することができる。
【0096】
図11Cに示されるように、その組み立て前の構成において、ゲートセクション112は、第一のゲート及び第二のゲート118及び120を含む。幾つかの例において、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、
図11Bに示される様々な切断線168a~168cに沿ってゲートセクション112の管状本体162を切断することによって形成される。示されるように、切断線168a及び168bはそれぞれ、管状本体162の長手方向軸を横切るようになされる切断に対応する。
図11Bに示される図において、切断線168a及び168bはそれぞれ、管状本体162の長手方向軸に対して実質的に垂直である。しかしながら、幾つかの例において、切断線168a及び168bは、所望のように、長手方向軸に対して角度形成されていてよく、それは、その自由端からテーパー化する余剰セクション(例えば、余剰セクション172)を生成する効果を有するであろう。切断線168a及び168bは
図11Bに示されるように、距離「D」だけ互いに長手方向にオフセットされている。距離「D」は、任意の所望の距離であることができる。これらの切断線168a及び168bは管状本体162の周方向の切断として作られ、ゲートセクション112の管状本体162の周囲のほぼ全体よりも短い。以下でさらに記載されるように、管状本体162が、第一のゲート及び第二のゲート118及び120を画定するように折り畳むことができるかぎり、任意の適切な長さの切断を使用することができることを理解されたい。幾つかの例において、周方向の切断は、切断線168の領域における管状本体162の周囲の少なくとも半分に対応する切断長さに対応する。示されるように、第一のゲート118は近位端166と切断線168aとの間を境界とする領域として画定され、一方、第二のゲート120は、遠位端164と切断線168bとの間を境界とする領域として画定される。
【0097】
余剰セクション172は、切断線168aと168bの間を境界とする領域に画定され、切断線168cは余剰セクション172を二分する。幾つかの例において、以下でさらに論じられるように、余剰セクション172は、ゲートセクション112をトランクセクション110に結合するのを助けるための支持構造を提供する、ゲートセクション112のサドル領域を画定する。このような例において、サドル領域は、切断線168a、168b及び168cに沿って管状本体162を切断し、
図11Cに示されるように、余剰セクション172を折り畳んで開くことによって形成される。特に、上述のように、切断線168a及び168bは、完全な周方向の切断ではなく、部分的な周方向の切断である。したがって、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、管状グラフトの非切断部分174a及び174bを介して結合されたままであり、これらは、
図11Cに示されるように、余剰部分172と第一のゲート及び第二のゲート118及び120のそれぞれとの間の非切断領域として画定される。
【0098】
図11Dは、管状本体162が切断されて第一のゲート及び第二のゲート118及び120を画定した後の組み立て前の構成のゲートセクション112を示す。示されるように、管状本体162を切断線168a、168b及び168cに沿って切断して、第一のゲート及び第二のゲート118及び120を画定した後に、第一のゲート及び第二のゲート118及び120が互いに横断方向にオフセットされながら実質的に平行に延在するまで、遠位端164及び近位端166を互いに向かって引き寄せるように管状本体162を折り畳む。すなわち、管状本体162を
図11Dに示すように折り畳んだ後に、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、共通の軸を共有しないか、そうでなければ互いに同軸ではない。様々な例において、互いに同軸ではないにもかかわらず、第一のゲート及び第二のゲート118及び120の軸は、それでも、
図11Dに示されるように、互いに実質的に平行に延在することができる。幾つかの例において、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は互いに異なる長さを有する。例えば、
図10Bの切断線168又は
図11Bの切断線168a~168cが近位端166に向かってシフトされると、第一のゲート118は第二のゲート120よりも長手方向に短くなり、一方、切断線168又は切断線168a~168cが遠位端164に向かってシフトされると、第二のゲート120は第一のゲート118よりも長手方向に短い。
【0099】
さらに、上述のように、切断線168a及び168bはそれぞれ、管状本体162の部分的な周方向の切断であり、ゲートセクション112の管状本体162のおよそ周囲全体よりも短い。したがって、
図11Dに示される組み立て前の構成に折り畳まれるときに、第一のゲート及び第二のゲート118及び120は、余剰部分172を介して結合されたままである。様々な例において、余剰部分172は、
図11Dに示される折り畳み構成において、近位端及び遠位端166及び164の反対側で第一のゲート及び第二のゲート118及び120の間に延在しているサドル又は他の支持構造を画定する。様々な例において、余剰部分は、タブ176a及び176bを画定する(例えば、
図11C及び11Dを参照されたい)。タブ176a及び176bは、余剰部分172の非切断領域(例えば、余剰部分172が第一のゲート及び第二のゲート118及び120に結合されたままである領域)から離れて延在している余剰部分172の領域に対応する。
【0100】
管状本体162は、レーザ切断などの既知の方法に従って、切断線168a、168b及び168cを含む上記の切断線に沿って切断されうることが理解されるべきである。
【0101】
ここで
図5に戻って参照すると、工程506で、ゲートセクション112は、その組み立て前の構成で、マンドレル200の第二のセクション204に沿って配置される。ここで
図12A及び12Bを参照すると、ゲートセクション112は、マンドレル200の第二のセクション204に沿って配置されて示されている。
図12Aは、ゲート部分112が配置されていないマンドレル200を示し、
図12Bは、ゲートセクション112が第一のセクション202に隣接して第二のセクション204上に配置されたマンドレル200を示している。幾つかの例において、ゲートセクション112は、マンドレル200の第一のセクション202の遠位端210と境を接して隣接している第二のセクション204上に配置されうる(例えば、
図6A及び6Cに示される)。
図12Bに示されるように、ゲートセクション112は、マンドレル200の第二のセクション204に沿って配置され、その結果、第一の長尺要素206は第一のゲート118の管腔114を通って延在し、第二の長尺要素208は第二のゲート118の管腔116を通って延在する。さらに、示されるように、タブ176aはマンドレル200の第一のセクション202の第一のテーパー化セクション226に沿って配置されている。図面に示されていないが、タブ176bは第二のセクション228に沿って同様に位置することを理解されたい。
【0102】
追加的に又は代替的に、幾つかの例において、タブ176a及び176bを第一のテーパー化部分及び第二のテーパー化部分226及び228に沿って配置する前に(例えば、
図12Bを参照されたい)、別個の長さのグラフト材料を場合によりマンドレルに適用することができ、その結果、それは、第一のテーパー化部分226から第二のテーパー化部分228まで延在し、そして第一のテーパー化部分及び第二のテーパー化部分226及び228の間の遠位端210の部分及び第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208の間(例えば、ギャップ230内)を横切って延在し、タブ176a及び176bは、遠位端210を横切って延在するように既に適用されている別個の長さのグラフト材料の上に少なくとも部分的に配置されている。幾つかの例において、グラフト材料の過剰ピースは、ギャップ230の領域におけるその幅が、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208の間の幅と一貫し、グラフト材料の過剰ピースがギャップ230の領域においてマンドレル200の第一のセクション202の遠位端210に対して実質的に平らになる(例えば、本質的にシワがない)ように構成されうる。このような構成は、管腔内デバイス100の分岐部128の領域において、管腔内デバイスの内部領域に沿ってシワ又は不均一な表面構造の可能性を最小限に抑えるのに役立つ。例えば、切断線168cの距離「D」(例えば、
図11Bを参照されたい)が、第一の長尺要素及び第二の長尺要素206及び208の間のギャップ230(例えば、
図6Bを参照されたい)の幅を超える構成において、余剰セクション172は、ゲートセクション112がマンドレル200の第二のセクション204上に載置されるときに、長手方向に圧縮されうる(例えば、切断線168a及び168bが互いに向かって圧縮される)。この余剰セクション172の圧縮は、余剰セクション172のシワを生じさせることができる。
【0103】
図12Cは、
図12Bに示したものと同様の構成を示すが、ゲートセクション112の第一のゲート及び第二のゲート118及び120に適用された環状ステント要素124が追加されている。種々の例において、環状ステント要素124は、マンドレル200にゲートセクション112を載置する前に、ゲートセクション112に適用される。幾つかの他の例において、環状ステント要素124は、マンドレル200にゲートセクション112を載置した後に、ゲートセクション112に適用される。上述のように、環状ステント要素124は、既知の方法に従ってゲートセクション112に結合されうる。
【0104】
再び
図5を参照すると、工程508で、組み立て前の構成のトランクセクション110は、マンドレル200の第一のセクション202に沿って配置される。ここで、
図12Dに戻って参照すると、トランクセクション110はマンドレル200の第一のセクション202に沿って配置されて示されている。
図12Dは、テール部分146が遠位に延びる状態で配置されたトランクセクション110を示す。さらに、示されるように、トランクセクション110は、トランクセクション110がゲートセクション112と少なくとも部分的にオーバーラップするようにマンドレル200に沿って配置されている。例えば、
図12Dに示されるように、トランクセクション110は、ゲートセクション112とオーバーラップし、その結果、第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150は、少なくとも部分的に、第一のゲート及び第二のゲート118及び120とオーバーラップする(
図12Dで第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150によって見えないように隠される)。
【0105】
再び
図5に戻って参照すると、工程510で、トランクセクション110とゲートセクション112は結合される。ここで
図12Eを参照すると、トランクセクション110は、テール部分146がギャップ230を通して巻き付けられた状態で配置されているのが示されている。図には示されていないが、テール部分146がギャップ230を通して巻き付けられ、マンドレル200の第二のテーパー化セクション228に沿ってトランクセクション110の内部又は外部の一方又は他方に沿って配置されていることが理解される。このような構成により、第一のゲート118と第二のゲート120との間に延在する管状本体162の非切断部分(例えば、170又は172)が、マンドレル200の第一のセクション202の遠位端210とテール部分146との間に位置する。テール部分146の巻かれた部分は、マンドレル200の第二のテーパー化セクション228の領域において、トランクセクション110、ゲートセクション112及び/又はグラフト材料の任意要素のピースのうちの1つ以上に固定又は結合されうる。テール部分146の固定又は結合は、1つ以上の接着剤によるか、又は他の既知の方法によることができる。このような方法でテール部分146を巻き付けることによって、トランクセクション110及びゲートセクション112を、少なくとも分岐部138の領域で一緒に結合することができる。様々な例において、第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150は第一のゲート及び第二のゲート118及び120に固定されて、トランクセクション110及びゲートセクション112をさらに結合して管腔内デバイス100を形成することができる。この段階で、1つ以上の接着剤を使用するか、又は他の既知の方法に従って、第一のオーバーラップ領域及び第二のオーバーラップ領域148及び150を第一のゲート及び第二のゲート118及び120に固定することができることを理解されたい。
【0106】
再び
図5を参照すると、工程512で、トランクセクション110及びゲートセクション112に沿ってグラフト取り付け部材が適用される。
図12Fは、トランクセクション及びゲートセクション110及び112の周りに巻かれたグラフト取り付け部材178を示す例示的な図を提供する。グラフト取り付け部材178は、上述の任意の適切なグラフト材料であることができる。トランクセクション110及びゲートセクション112の周りにグラフト取り付け部材を配置する他の適切な方法を使用できることを理解されたい。例えば、予め作製された管状のグラフト取り付け部材を、トランクセクション及びゲートセクション110及び112上を前進し、それらに沿って配置することができる。幾つかの例において、マンドレル200上に組み立てられたときに、トランクセクション110の近位端144から第一のゲートセクション及び第二のゲートセクション110及び112の端部164及び166まで測定して、グラフト取り付け部材178は、トランクセクション110及びゲートセクション112の長手方向長さを超える長手方向長さを有する。このような構成の代表例は
図12Gに示されており、ここで、グラフト取り付け部材178は、トランクセクション110の近位端144に対して近位から第一のゲート118及び120の端部164及び166に対して遠位まで延在するように適用されている。
【0107】
様々な例において、グラフト取り付け部材178を適用した後に、少なくともグラフト取り付け部材178、トランクセクション110及びゲートセクション112を含むアセンブリが結合される。これは、加熱、加圧、圧縮又はそれらの組み合わせなどの既知の方法に従って達成されうる。
【0108】
様々な例において、グラフト取り付け部材178ならびにトランクセクション及びゲートセクション110及び112の1つ以上を一緒に結合した後に、得られたアセンブリを所望の長さにトリミングして、管腔内デバイス100の近位端106及び遠位端108を画定することができる。トリミングは、アセンブリをマンドレル200から取り外す前又は後に行うことができる。
【0109】
図12Hは、マンドレル200上に載置された管腔内デバイス100を示す。管腔内デバイス100は、環状ステント要素122とともに示されている。環状ステント要素122は、トランクセクション110をマンドレル200上に載置する前に、トランクセクション110に適用されることができ、又は、トランクセクション110をマンドレル200上に載置した後に、トランクセクション110に適用されることができる。例えば、環状ステント要素122は、グラフト取り付け部材178をトランクセクション及びゲートセクション110及び112に結合した後に、トランクセクション110に適用されることができる。このような構成において、
図12Hに示されるように、環状ステント要素122はグラフト取り付け部材178の外部の周りに配置され、一方、グラフト取り付け部材178は環状ステント要素124の周り及び外部に配置されることを理解されたい。幾つかの例において、環状ステント要素124がグラフト取り付け部材178とグラフト材料の追加のコーティングとの間に位置するように、管腔内デバイス100の周囲及び外部にグラフト材料の1つ以上の追加コーティングを適用することができる。
【0110】
本発明の主旨又は範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変形及び変更を加えることができることは、当業者に明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にある限り、本発明の変形及び変更を網羅することが意図されている。