(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】非伝導性支持板を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイモジュール
(51)【国際特許分類】
G02F 1/167 20190101AFI20240619BHJP
G02F 1/16753 20190101ALI20240619BHJP
【FI】
G02F1/167
G02F1/16753
(21)【出願番号】P 2022574152
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 US2021035103
(87)【国際公開番号】W WO2021247470
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】橋本 圭介
(72)【発明者】
【氏名】中澤 健二
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, バンブー
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ユン-シェン
(72)【発明者】
【氏名】イェ, ジアジウン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, シンタオ
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0335679(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0051881(US,A1)
【文献】特表2007-509379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0062410(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/15-1/19
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気泳動ディスプレイモジュールであって、前記電気泳動ディスプレイモジュールは、
中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板と、
前記支持板に隣接した低弾性率接着剤の層と、
前記中心折り畳みゾーンにまたがり、前記低弾性率接着剤の層
の上方にある可撓性バックプレーンと、
前記可撓性バックプレーンに隣接した電気泳動ディスプレイ媒体の層と、
光透過性
伝導性ポリマーと防湿障壁とを含む伝導性統合障壁層と
、
前記伝導性統合障壁層に隣接した保護シートと
を備えている、電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項2】
前記支持板の下方にある電磁共鳴(EMR)センサ層と、
前記EMRセンサ層と前記支持板との間に配置された低弾性率接着剤の中間層と、
前記EMRセンサ層と前記支持板との間に配置された高弾性率接着剤の中間層と
をさらに備えている、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項3】
前記低弾性率接着剤の層と前記可撓性バックプレーンとの間の保護層をさらに備えている、請求項1
および2のいずれかに記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項4】
前記可撓性バックプレーンは、有機薄膜トランジスタのアクティブマトリクスを備えている、請求項1
および2のいずれかに記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項5】
縁シールをさらに備えており、前記縁シールは、前記可撓性バックプレーン
と、前記電気泳動ディスプレイ媒体の層と、前記伝導性統合障壁
層と
に結合されている、請求項1
および2のいずれかに記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項6】
前記電気泳動ディスプレイ媒体の層は、マイクロセルの層内に含まれている、請求項1
および2のいずれかに記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項7】
前記電気泳動ディスプレイ媒体の層は、マイクロカプセル内に含まれ、前記マイクロカプセルは、ポリマー結合剤によって定位置に保持されている、請求項1
および2のいずれかに記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項8】
縁シールをさらに備えており、前記縁シールは、前記可撓性バックプレーン
と、前記電気泳動ディスプレイ媒体の層と、前記伝導性統合障壁
層と、前記保護シートと
に結合されている、請求項
1および2のいずれかに記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項9】
前記支持板は、非伝導性ポリマーを備えている、請求項1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項10】
前記支持板は、250μm~50μmの厚さである、請求項9に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【請求項11】
スタイラスと相互作用するように構成された折り畳み可能電気泳動ディスプレイであって、前記折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、
請求項9に記載の電気泳動ディスプレイモジュールと
、
前記支持板
の下方にある電磁共鳴(EMR)センサ層と、
前記EMRセンサ層
の下方にある折り畳み可能シャーシと、
前記折り畳み可能シャーシを包囲している筐体と
を備え、
前記筐体は、
前記保護シートに接触するベゼルを提供し、前記保護シートを通して、ユーザが
前記電気泳動ディスプレイ媒体を視認することを可能にする、折り畳み可能
電気泳動ディスプレイ。
【請求項12】
前記EMRセンサ層と前記支持板との間に配置された低弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、請求項11に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項13】
前記EMRセンサ層と前記支持板との間に配置された高弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、請求項12に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項14】
前記低弾性率接着剤の中間層および前記高弾性率接着剤の中間層は、前記中心折り畳みゾーンにまたがっていない、請求項13に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項15】
前記EMRセンサ層と前記折り畳み可能シャーシとの間に配置されたタッチセンサ層をさらに備えている、請求項11
~13のいずれか一項に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項16】
前記タッチセンサ層と前記折り畳み可能シャーシとの間に配置された低弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、請求項15に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項17】
前記タッチセンサ層と前記折り畳み可能シャーシとの間に配置された高弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、請求項16に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項18】
前記低弾性率接着剤の中間層および前記高弾性率接着剤の中間層は、前記中心折り畳みゾーンにまたがっていない、請求項17に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項19】
前記伝導性統合障壁
層は、カラーフィルタアレイ(CFA)をさらに備えている、請求項11
~13のいずれか一項に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項20】
スタイラスと相互作用するように構成された折り畳み可能電気泳動ディスプレイであって、前記折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、
請求項9に記載の電気泳動ディスプレイモジュールと、
前記伝導性統合障壁
層に結合された可撓性フロントライトプレートと、
前記可撓性フロントライトプレートに隣接した可撓性容量タッチ層と、
前記可撓性容量タッチ層に隣接した保護シートと、
前記支持板
の下方にある折り畳み可能シャーシと、
前記折り畳み可能シャーシを包囲している筐体と
を備え、
前記筐体は、前記保護シートに接触するベゼルを提供し、前記保護シートを通して、ユーザが
前記電気泳動ディスプレイ媒体を視認することを可能にする、折り畳み可能
電気泳動ディスプレイ。
【請求項21】
前記折り畳み可能シャーシと前記支持板との間に配置された低弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、請求項20に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項22】
前記折り畳み可能シャーシと前記支持板との間に配置された高弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、請求項21に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項23】
前記低弾性率接着剤の中間層および前記高弾性率接着剤の中間層は、前記中心折り畳みゾーンにまたがっていない、請求項22に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項24】
前記伝導性統合障壁
層は、カラーフィルタアレイ(CFA)をさらに備えている、請求項20
~22のいずれか一項に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【請求項25】
前記光透過性伝導性ポリマーは、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含む、請求項1および2のいずれか一項に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、参照することによってその全体として組み込まれる2020年6月3日に出願された米国仮特許出願第63/033,954号の優先権を主張する。本明細書に開示される全ての特許および刊行物は、参照することによってその全体として組み込まれる。
(発明の分野)
【0002】
本発明は、折り畳み可能電気泳動ディスプレイ、そのようなディスプレイの形成、および折り畳み可能電気泳動ディスプレイの製造のための構成要素モジュールに関する。統合折り畳み可能電気泳動ディスプレイモジュールは、1つの場所で製作され、次いで、異なる構成要素を提供する異なる機能性が、最終折り畳み可能ディスプレイに組み込まれ得る異なる製造設備に出荷される。そのような異なる機能性は、消費者のニーズおよび所望のプライスポイントに応じて、例えば、異なるタイプのフロントライト、異なるタイプのタッチ感知、または異なるタイプのスタイラス認識を含み得る。
【背景技術】
【0003】
いくつかの事例では、可撓性ディスプレイは、可搬性および/または保管の利便性のために、折り畳まれ得る。ディスプレイが書籍様方式で単に折り畳まれる場合、ディスプレイ破損を防止するための設計された最小曲率半径より小さい曲率半径を用いて折り畳まれ得る。そのような問題を防止するために、ヒンジおよび/または他の構造等の種々の機構が、ディスプレイの折り畳み部分に実装されている。例えば、Polymer Visionは、1つ以上の機械的ヒンジ機構を使用して、可撓性ディスプレイの折り曲げを促進する製品であるReadiusTMを開示している。
【0004】
別の例では、日本特許公開公報第2014-161009号(特許文献1)は、種々の角度で折れ曲がるように構成された可撓性モバイル端末デバイスを開示する。端末デバイスは、端末デバイス本体の正面表面または背面上側位置に対してデバイスを折り曲げるための折り畳み部分を含むように提案される。端末デバイス本体の上側部分上に搭載される可撓性ディスプレイは、折り畳み部分の折り曲げ方向に応じて、正面表面または背面表面に対して折り曲げられることができる。デバイスは、スライドする部分をさらに含み、スライドする部分は、折り畳み部分の折れ曲がり中、折り畳み部分と可撓性ディスプレイとの伸張率の差異によって発生させられる圧縮/張力の程度間の差異だけ可撓性ディスプレイの一端をスライドさせる。
【0005】
上で説明される両例は、厚く、重い製品をもたらす。Polymer VisionによるReadiusTMは、構造が複雑、かつ嵩張る形状の機械的ヒンジ機構を採用する。日本特許公開公報第2014-161009号のデバイスは、蛇腹形状を有し、スライド部分は、調節に苦労し、さらに、デバイスは、複雑であり、嵩張る。
【0006】
嵩張り、厚いことに加え、上で説明されるデバイスの追加の欠点は、そのような設計が、消費者が高品質の電気泳動ディスプレイデバイスにおいて期待する機能性(タッチ感知、フロントライト、スタイラス認識、およびカラー等)の全てを統合することを困難にすることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらのニーズに応答して、本開示は、折り畳み可能電気泳動ディスプレイモジュールを組み込み、種々の感知機能性を提供する折り畳み可能電気泳動ディスプレイモジュールと、種々の折り畳み可能電気泳動ディスプレイとを説明する。第1の側面では、本発明は、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板と、支持板に隣接した低弾性率接着剤の層と、中心折り畳みゾーンにまたがり、低弾性率接着剤の層に隣接した可撓性バックプレーンと、可撓性バックプレーンに隣接した電気泳動ディスプレイ媒体の層と、光透過性電極および防湿障壁を含む伝導性統合障壁層とを含む電気泳動ディスプレイモジュールを含む。いくつかの実施形態では、電気泳動ディスプレイモジュールは、加えて、低弾性率接着剤の層と可撓性バックプレーンとの間の保護層を含む。いくつかの実施形態では、可撓性バックプレーンは、有機薄膜トランジスタのアクティブマトリクスを備えている。いくつかの実施形態では、電気泳動ディスプレイモジュールは、加えて、可撓性バックプレーンに結合された縁シールと、電気泳動ディスプレイ媒体の層と、伝導性統合障壁とを含む。いくつかの実施形態では、電気泳動ディスプレイ媒体の層は、マイクロセルの層内に含まれる。いくつかの実施形態では、電気泳動ディスプレイ媒体の層は、マイクロカプセル内に含まれ、マイクロカプセルは、ポリマー結合剤によって、定位置に保持される。いくつかの実施形態では、電気泳動ディスプレイモジュールは、加えて、伝導性統合障壁に隣接した保護シートを含む。いくつかの実施形態では、電気泳動ディスプレイモジュールは、加えて、可撓性バックプレーンに結合された縁シールと、電気泳動ディスプレイ媒体の層と、伝導性統合障壁と、保護シートとを含む。いくつかの実施形態では、支持板は、非伝導性ポリマーを備えている。いくつかの実施形態では、支持板は、250μm~50μmの厚さである。
【0009】
第2の側面では、本発明は、スタイラスと相互作用するように構成された折り畳み可能電気泳動ディスプレイを含み、折り畳み可能ディスプレイは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板と、支持板に隣接した低弾性率接着剤の層と、中心折り畳みゾーンにまたがり、低弾性率接着剤の層に隣接した可撓性バックプレーンと、可撓性バックプレーンに隣接した電気泳動ディスプレイ媒体の層と、光透過性電極と防湿障壁とを含む伝導性統合障壁層と、伝導性統合障壁に結合された保護シートと、支持板に隣接した電磁共鳴(EMR)センサ層と、EMRセンサ層に隣接した折り畳み可能シャーシと、折り畳み可能シャーシを包囲し、保護シートに接触するベゼルを提供し、保護シートを通して、ユーザが電気泳動ディスプレイ媒体を視認することを可能にする筐体とを含む。いくつかの実施形態では、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、加えて、EMRセンサ層と支持板との間に配置された低弾性率接着剤の中間層を含む。いくつかの実施形態では、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、加えて、EMRセンサ層と支持板との間に配置された高弾性率接着剤の中間層を含む。いくつかの実施形態では、低弾性率接着剤の中間層および高弾性率接着剤の中間層は、中心折り畳みゾーンにまたがっていない。いくつかの実施形態では、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、加えて、EMRセンサ層と折り畳み可能シャーシとの間に配置されたタッチセンサ層を含む。いくつかの実施形態では、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、加えて、タッチセンサ層と折り畳み可能シャーシとの間に配置された低弾性率接着剤の中間層を含む。いくつかの実施形態では、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、加えて、タッチセンサ層と折り畳み可能シャーシとの間に配置された高弾性率接着剤の中間層を含む。いくつかの実施形態では、低弾性率接着剤の中間層および高弾性率接着剤の中間層は、中心折り畳みゾーンにまたがっていない。いくつかの実施形態では、伝導性統合障壁は、加えて、カラーフィルタアレイ(CFA)を備えている。
【0010】
第3の側面では、スタイラスと相互作用するように構成された折り畳み可能電気泳動ディスプレイであって、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板と、支持板に隣接した低弾性率接着剤の層と、中心折り畳みゾーンにまたがり、低弾性率接着剤の層に隣接した可撓性バックプレーンと、可撓性バックプレーンに隣接した電気泳動ディスプレイ媒体の層と、光透過性電極および防湿障壁を含む伝導性統合障壁層と、可撓性フロントライトプレートに結合された伝導性統合障壁と、可撓性フロントライトプレートに隣接した可撓性容量タッチ層と、可撓性容量タッチ層に隣接した保護シートと、支持板に隣接した折り畳み可能シャーシと、折り畳み可能シャーシを包囲し、保護シートに接触するベゼルを提供し、保護シートを通して、ユーザが電気泳動ディスプレイ媒体を視認することを可能にする筐体とを含む。いくつかの実施形態では、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、加えて、折り畳み可能シャーシと支持板との間に配置された低弾性率接着剤の中間層を含む。いくつかの実施形態では、折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、加えて、折り畳み可能シャーシと支持板との間に配置された高弾性率接着剤の中間層を含む。いくつかの実施形態では、低弾性率接着剤の中間層および高弾性率接着剤の中間層は、中心折り畳みゾーンにまたがっていない。いくつかの実施形態では、伝導性統合障壁は、加えて、カラーフィルタアレイ(CFA)を備えている。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
電気泳動ディスプレイモジュールであって、前記電気泳動ディスプレイモジュールは、
中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板と、
前記支持板に隣接した低弾性率接着剤の層と、
前記中心折り畳みゾーンにまたがり、前記低弾性率接着剤の層に隣接した可撓性バックプレーンと、
前記可撓性バックプレーンに隣接した電気泳動ディスプレイ媒体の層と、
光透過性電極と防湿障壁とを含む伝導性統合障壁層と
を備えている、電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目2)
前記低弾性率接着剤の層と前記可撓性バックプレーンとの間の保護層をさらに備えている、項目1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目3)
前記可撓性バックプレーンは、有機薄膜トランジスタのアクティブマトリクスを備えている、項目1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目4)
前記可撓性バックプレーン、前記電気泳動ディスプレイ媒体の層、および前記伝導性統合障壁に結合された縁シールをさらに備えている、項目1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目5)
前記電気泳動ディスプレイ媒体の層は、マイクロセルの層内に含まれている、項目1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目6)
前記電気泳動ディスプレイ媒体の層は、マイクロカプセル内に含まれ、前記マイクロカプセルは、ポリマー結合剤によって定位置に保持されている、項目1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目7)
前記伝導性統合障壁に隣接した保護シートをさらに備えている、項目1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目8)
前記可撓性バックプレーン、前記電気泳動ディスプレイ媒体の層、前記伝導性統合障壁、および前記保護シートに結合された縁シールをさらに備えている、項目7に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目9)
前記支持板は、非伝導性ポリマーを備えている、項目1に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目10)
前記支持板は、250μm~50μmの厚さである、項目9に記載の電気泳動ディスプレイモジュール。
(項目11)
スタイラスと相互作用するように構成された折り畳み可能電気泳動ディスプレイであって、前記折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、
項目9に記載の電気泳動ディスプレイモジュールと、
前記伝導性統合障壁に結合された保護シートと、
前記支持板に隣接した電磁共鳴(EMR)センサ層と、
前記EMRセンサ層に隣接した折り畳み可能シャーシと、
前記折り畳み可能シャーシを包囲している筐体と
を備え、
前記筐体は、保護シートに接触するベゼルを提供し、前記保護シートを通して、ユーザが電気泳動ディスプレイ媒体を視認することを可能にする、折り畳み可能ディスプレイ。
(項目12)
前記EMRセンサ層と前記支持板との間に配置された低弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、項目11に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目13)
前記EMRセンサ層と前記支持板との間に配置された高弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、項目12に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目14)
前記低弾性率接着剤の中間層および前記高弾性率接着剤の中間層は、前記中心折り畳みゾーンにまたがっていない、項目13に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目15)
前記EMRセンサ層と前記折り畳み可能シャーシとの間に配置されたタッチセンサ層をさらに備えている、項目11に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目16)
前記タッチセンサ層と前記折り畳み可能シャーシとの間に配置された低弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、項目15に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目17)
前記タッチセンサ層と前記折り畳み可能シャーシとの間に配置された高弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、項目16に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目18)
前記低弾性率接着剤の中間層および前記高弾性率接着剤の中間層は、前記中心折り畳みゾーンにまたがっていない、項目17に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目19)
前記伝導性統合障壁は、カラーフィルタアレイ(CFA)をさらに備えている、項目11に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目20)
スタイラスと相互作用するように構成された折り畳み可能電気泳動ディスプレイであって、前記折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、
項目9に記載の電気泳動ディスプレイモジュールと、
前記伝導性統合障壁に結合された可撓性フロントライトプレートと、
前記可撓性フロントライトプレートに隣接した可撓性容量タッチ層と、
可撓性容量タッチ層に隣接した保護シートと、
支持板に隣接した折り畳み可能シャーシと、
前記折り畳み可能シャーシを包囲している筐体と
を備え、
前記筐体は、前記保護シートに接触するベゼルを提供し、前記保護シートを通して、ユーザが電気泳動ディスプレイ媒体を視認することを可能にする、折り畳み可能ディスプレイ。
(項目21)
前記折り畳み可能シャーシと前記支持板との間に配置された低弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、項目20に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目22)
前記折り畳み可能シャーシと前記支持板との間に配置された高弾性率接着剤の中間層をさらに備えている、項目21に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目23)
前記低弾性率接着剤の中間層および前記高弾性率接着剤の中間層は、前記中心折り畳みゾーンにまたがっていない、項目22に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
(項目24)
前記伝導性統合障壁は、カラーフィルタアレイ(CFA)をさらに備えている、項目20に記載の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】
図1Aは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイの実施形態を示す。
【0012】
【
図1B】
図1Bは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイのためのモジュールの実施形態を示す。
【0013】
【
図2A】
図2Aは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイの実施形態を示す。
図2Aの折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、スタイラスの感知を有効にするために、電磁共鳴(EMR)センサ層を含む。
【0014】
【
図2B】
図2Bは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイの実施形態を示す。
図2Bの折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、スタイラスの感知を有効にするために、電磁共鳴(EMR)センサ層を含む。
図2Bの電気泳動ディスプレイの片側は、低弾性率接着剤層を含む一方、
図2Bの電気泳動ディスプレイの他側は、高弾性率接着剤層を含む。故に、ディスプレイスタックの片側は、ディスプレイが折り畳まれるとき、側方に移動することが可能である。
【0015】
【
図3】
図3は、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイの実施形態を示す。
図3の折り畳み可能電気泳動ディスプレイは、容量タッチセンサ層およびフロントライトを含む。
【0016】
【
図4A】
図4Aは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板の実施形態の側面図を示す。
【0017】
【
図4B】
図4Bは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板の実施形態の上面図を示す。
【0018】
【
図5A】
図5Aは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板の実施形態の側面図を示す。
【0019】
【
図5B】
図5Bは、中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板の実施形態の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上で示されるように、本発明は、可撓性であり、書籍様方式で折り畳まれ得る電気泳動ディスプレイと、そのような折り畳み可能ディスプレイを作製する生産工程において使用するためのモジュールとを提供する。設計は、薄く、軽量であり、支持板が非伝導性であるので、電気泳動ディスプレイ層と電磁共鳴感知デバイスとの間に支持板を据えることが、可能である。
【0021】
本発明は、E INK Corporation(Billerica,MA)によって開発され、下記にリストアップされる特許および特許公報に説明されるタイプの電気泳動媒体と共に使用されるために非常に好適である。カプセル化された電気泳動媒体は、多数の小型カプセルを含み、小型カプセルの各々は、それ自体、電気泳動により移動可能な粒子を流体媒体中に含む内相と、内相を包囲するカプセル壁とを含む。典型的に、カプセルは、それ自体、2つの電極間に位置付けられたコヒーレントな層を形成するように、ポリマー接着剤内に保持される。マイクロセル電気泳動ディスプレイでは、帯電粒子および流体は、マイクロカプセル内にカプセル化されないが、代わりに、キャリア媒体(典型的に、高分子フィルム)内に形成された複数の空洞内に保持される。これらの特許および出願に説明される技術は、以下を含む:(a)電気泳動粒子、流体、および流体添加物(例えば、米国特許第7,002,728号および第7,679,814号参照)、(b) カプセル、結合剤、およびカプセル化プロセス(例えば、米国特許第6,922,276号および第7,411,719号参照)、(c)マイクロセル構造、壁材料、およびマイクロセルを形成する方法(例えば、米国特許第7,072,095号および第9,279,906号参照)、(d)マイクロセルを充填およびシールする方法(例えば、米国特許第7,144,942号および第7,715,088号参照)、(e)電気光学材料を含むフィルムおよびサブアセンブリ(例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号参照)、(f)バックプレーン、接着剤層、および他の補助層、およびディスプレイに使用される方法(例えば、米国特許第D485,294号、第6,124,851号、第6,130,773号、第6,177,921号、第6,232,950号、第6,252,564号、第6,312,304号、第6,312,971号、第6,376,828号、第6,392,786号、第6,413,790号、第6,422,687号、第6,445,374号、第6,480,182号、第6,498,114号、第6,506,438号、第6,518,949号、第6,521,489号、第6,535,197号、第6,545,291号、第6,639,578号、第6,657,772号、第6,664,944号、第6,680,725号、第6,683,333号、第6,724,519号、第6,750,473号、第6,816,147号、第6,819,471号、第6,825,068号、第6,831,769号、第6,842,167号、第6,842,279号、第6,842,657号、第6,865,010号、第6,873,452号、第6,909,532号、第6,967,640号、第6,980,196号、第7,012,735号、第7,030,412号、第7,075,703号、第7,106,296号、第7,110,163号、第7,116,318号、第7,148,128号、第7,167,155号、第7,173,752号、第7,176,880号、第7,190,008号、第7,206,119号、第7,223,672号、第7,230,751号、第7,256,766号、第7,259,744号、第7,280,094号、第7,301,693号、第7,304,780号、第7,327,511号、第7,347,957号、第7,349,148号、第7,352,353号、第7,365,394号、第7,365,733号、第7,382,363号、第7,388,572号、第7,401,758号、第7,442,587号、第7,492,497号、第7,535,624号、第7,551,346号、第7,554,712号、第7,583,427号、第7,598,173号、第7,605,799号、第7,636,191号、第7,649,674号、第7,667,886号、第7,672,040号、第7,688,497号、第7,733,335号、第7,785,988号、第7,830,592号、第7,843,626号、第7,859,637号、第7,880,958号、第7,893,435号、第7,898,717号、第7,905,977号、第7,957,053号、第7,986,450号、第8,009,344号、第8,027,081号、第8,049,947号、第8,072,675号、第8,077,141号、第8,089,453号、第8,120,836号、第8,159,636号、第8,208,193号、第8,237,892号、第8,238,021号、第8,362,488号、第8,373,211号、第8,389,381号、第8,395,836号、第8,437,069号、第8,441,414号、第8,456,589号、第8,498,042号、第8,514,168号、第8,547,628号、第8,576,162号、第8,610,988号、第8,714,780号、第8,728,266号、第8,743,077号、第8,754,859号、第8,797,258号、第8,797,633号、第8,797,636号、第8,830,560号、第8,891,155号、第8,969,886号、第9,147,364号、第9,025,234号、第9,025,238号、第9,030,374号、第9,140,952号、第9,152,003号、第9,152,004号、第9,201,279号、第9,223,164号、第9,285,648号、および第9,310,661号、および米国特許出願公開第2002/0060321号、第2004/0008179号、第2004/0085619号、第2004/0105036号、第2004/0112525号、第2005/0122306号、第2005/0122563号、第2006/0215106号、第2006/0255322号、第2007/0052757号、第2007/0097489号、第2007/0109219号、第2008/0061300号、第2008/0149271号、第2009/0122389号、第2009/0315044号、第2010/0177396号、第2011/0140744号、第2011/0187683号、第2011/0187689号、第2011/0292319号、第2013/0250397号、第2013/0278900号、第2014/0078024号、第2014/0139501号、第2014/0192000号、第2014/0210701号、第2014/0300837号、第2014/0368753号、第2014/0376164号、第2015/0171112号、第2015/0205178号、第2015/0226986号、第2015/0227018号、第2015/0228666号、第2015/0261057号、第2015/0356927号、第2015/0378235号、第2016/077375号、第2016/0103380号、および第2016/0187759号、および国際出願公開第WO00/38000号、欧州特許第1,099,207B1号および第1,145,072B1号、(g)カラー形成およびカラー調節(例えば、米国特許第7,075,502号および第7,839,564号、および(h)ディスプレイを駆動する方法(例えば、米国特許第7,012,600号および第7,453,445号)。本明細書にリストアップされる特許および特許出願は全て、参照することによってその全体として組み込まれる。前述の特許および出願の多くは、カプセル化電気泳動媒体内の別々のマイクロカプセルを包囲する壁が、連続相と置換され得、したがって、いわゆる高分子分散電気泳動ディスプレイを生成し、その中で、電気泳動媒体が、電気泳動流体の複数の別々の液滴と、高分子材料の連続相とを備え、そのような高分子分散電気泳動ディスプレイ内の電気泳動流体の別々の液滴が、別々のカプセル膜が各個々の液滴に関連付けられていない場合でも、カプセルまたはマイクロカプセルと見なされ得ることを認識する。例えば、前述の米国特許第6,866,760号を参照されたい。故に、本願の目的のために、そのような高分子分散電気泳動媒体は、カプセル化電気泳動媒体の亜種と見なされる。
【0022】
カプセル化された電気泳動ディスプレイは、典型的に、従来的の電気泳動デバイスのクラスタ化および沈降故障モードに悩まされることがなく、多様な可撓性基材および剛体基材上にディスプレイを印刷またはコーティングする能力等のさらなる利点を提供する(「印刷」という語の使用は、全ての形態の印刷およびコーティングを含むことが意図され、限定ではないが、前計量コーティング、例えば、パッチダイコーティング、スロットまたは押出コーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティング等、ロールコーティング、例えば、ナイフオーバーロールコーティング、フォワードおよびリバースロールコーティング等、グラビアコーティング、浸漬コーティング、吹き付けコーティング、メニスカスコーティング、スピンコーティング、ブラシコーティング、エアナイフコーティング、シルクスクリーン印刷プロセス、静電気印刷プロセス、熱印刷プロセス、インクジェット印刷プロセス、電気泳動析出(米国特許第7,339,715号参照)、および他の同様の技術が挙げられる)。したがって、得られるディスプレイは、可撓性であり得る。さらに、ディスプレイ媒体は(種々の方法を使用して)印刷され得るため、ディスプレイ自体は、安価に作製され得る。
【0023】
本発明は、主に、上記およびリストアップされた特許および特許出願に説明されるタイプの電気泳動媒体を対象とするが、他のタイプの電気光学材料も、本発明において使用され得る。代替電気光学媒体は、典型的に、性質上反射性である、すなわち、それらは、発光型LCDディスプレイに見出されるような背面光源の代わりに、照明のために、周囲照明に依拠する。代替電気光学媒体は、例えば、米国特許第5,808,783号、第5,777,782号、第5,760,761号、第6,054,0716,055,091号、第6,097,531号、第6,128,124号、第6,137,467号、および第6,147,791号に説明されるような回転二色部材タイプ媒体を含む。そのようなディスプレイは、多数の小さい本体(典型的に、球状または円筒形)を使用し、多数の小さい本体は、異なる光学特性を伴う2つ以上の区分と、内部双極子とを有する。これらの本体は、マトリクス内に液体が充填された空胞の中に懸濁され、空胞は、本体が自由に回転するように、液体で充填されている。ディスプレイの外観は、ディスプレイに電場を印加することによって、したがって、本体を種々の位置に回転させ、視認表面を通して見られる本体の区分を変動させることによって、変更される。このタイプの電気光学媒体は、典型的に、双安定性である。
【0024】
別の代替電気光学ディスプレイ媒体は、エレクトロクロミック、例えば、少なくとも部分的に半導体金属酸化物から形成される電極と、電極に付着してカラーの変化を反転可能な複数の染色分子とを備えているナノクロミックフィルムの形態におけるエレクトロクロミック媒体を使用する。例えば、O’Regan,B.,et al,Nature 1991,353,737、およびWood,D.,Information Display,18(3),24(2002年3月)を参照されたい。Bach,U.,et al,Adv.Mater.,2002,14(11),845も参照されたい。このタイプのナノクロミックフィルムは、例えば、米国特許第6,301,038号、第6,870,657号、および第6,950,220号にも説明されている。このタイプの媒体も、典型的に、双安定性である。
【0025】
例示的折り畳み可能電気泳動ディスプレイ(FEPID)が、
図1Aに示される。折り畳み可能ディスプレイ10は、通常、電気泳動ディスプレイ媒体80の層と、電気泳動ディスプレイ媒体80の層の両側に配置された少なくとも2つの他の伝導性層75および90とを備えている。伝導性層および電気泳動ディスプレイ媒体80の層のスタックは、支持板50上に配置され、支持板50は、中心折り畳みゾーン57内に材料空隙55を有する。典型的に、可撓性バックプレーン75は、低弾性率接着剤60を用いて支持板55に結合され、接着剤60は、開かれているとき、ディスプレイ表面が平坦のままであるように、層間に良好な接着を提供するが、FEPIDが開閉されるとき、可撓性バックプレーン75が支持板50に対して若干移動することができるように、十分な側方滑りも可能にする。好適な低弾性率接着剤60は、3M(Minneapolis,Minnesota)およびCGR Products(Greensboro,NC)からの接着剤発泡体ポリマーを含み得る。低弾性率接着剤は、ポリウレタン、ポリアクリレート、および/またはシリコーンを備え得る。例示的低弾性率接着剤は、Rogers Corporationの登録商標である、PORON(登録商標)、またはDow Chemical Corporationの登録商標であるDOWSIL(登録商標)として知られ得る。いくつかの事例では、低弾性率接着剤60は、支持板50と可撓性バックプレーン75との間に圧縮抵抗を提供する。
図1Aは、中心折り畳みゾーン57にまたがる低弾性率接着剤60の層を描写するが、低弾性率接着剤60の層が中心折り畳みゾーン57内で遮断されることも可能であり、それによって、材料空隙55を有する支持板50の部分、すなわち、中心折り畳みゾーン57における撓曲のためにより多くの余地を提供する。低弾性率接着剤層は、典型的に、500μm~50μmの厚さ、例えば、300μm~100μmの厚さである。
【0026】
支持板50が、単独で、折り畳み可能ディスプレイ10のための十分な剛性を提供するが、折り畳み可能ディスプレイ10は、典型的に、加えて、シャーシ20を含み、シャーシ20は、平坦を越えて(すなわち、180°の開放を越えて)支持板が拡張されること(可撓性バックプレーン75における可撓性トレース(図示せず)が、それらが破損する点まで引き延ばされるので、その時点で可撓性バックプレーン75が故障し得る)を防ぐことに加え、機械的衝撃保護を提供するために、ヒンジ25によって結合される。シャーシの構造は、
図1Aに示されるように、2部品シャーシを含み得るが、シャーシは、3部品システムを含み得、それによって、中心「背」領域が、2つの異なるヒンジ(または、3つの部分にまたがる複雑なヒンジ)を用いて、2つの異なるリーフに結合される。したがって、
図1Aに示される積み重ねを用いて、軽量電気泳動ディスプレイ10が、生産され、それは、通常の書籍のように、平坦な状態(示されるように)と閉じられた状態との間で折り畳まれることができる。
【0027】
図1Aの事例では、上部伝導性層は、光透過性伝導性材料および可撓性防湿障壁を含む伝導性統合障壁層90に組み込まれている。例えば、伝導性統合障壁層90は、インジウムスズ酸化物(ITO)等の可視光を透過させるスパッタ伝導性材料を含み得るか、または、伝導性統合障壁層90は、伝導性フィラメント、ナノワイヤ、またはナノチューブを含み、それによって、電気伝導性、光透過、および可撓性の必要とされる組み合わせを提供し得る。代替として、伝導性統合障壁層90は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等のより多くの光透過性伝導性ポリマーのうちの1つを組み込み得、それらは、ポリスチレンスルホン酸の添加を用いて、可溶性にされ得る。伝導性統合障壁層90は、典型的に、無機セラミック、有機ポリマー、または有機/無機複合材料等の防水材料等の湿気遮断材料も含む。無機セラミックは、例えば、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)を含む。有機ポリマーは、例えば、パリレンまたはポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。有機/無機複合材料は、例えば、非晶質シリコン/パリレン複合材料、またはポリプロピレン/ポリアクリレート/アルミニウム複合材料を含む。いくつかの実施形態では、伝導性統合障壁層90はまた、例えば、米国特許第10,209,556号(参照することによって本明細書にその全体として組み込まれる)において説明されるタイプの統合カラーフィルタアレイ(CFA)を含み得る。伝導性統合障壁層90に組み込まれるカラーフィルタアレイの代替構造も、例えば、スタックされた薄い着色されたフィルム、オフセット印刷、またはリトグラフ印刷を使用して、可能である。そのようなデバイスのためのCFAは、赤色、緑色、青色、および透明(白色)等の4つの着色されたサブピクセル、赤色、緑色、および青色等の、3つの着色されたサブピクセル、または上部から底部へ、左から右へ、または斜めに走るストライプを含み得る。サブピクセルおよびストライプの組み合わせが、可能であり、カラーの組み合わせが、カラー画像を再現するために、カラーの容認可能なパレットを提供することを前提として、カラー組は、他の好適なカラー組が利用可能であるので、赤色、緑色、および青色に限定されない。
【0028】
折り畳み可能ディスプレイ10では、可撓性バックプレーン75は、可撓性基板上に複数の駆動電極を含む。FEPIDでは、電気駆動波形は、可撓性バックプレーン75(典型的に、ピクセル電極を含む)に可撓性伝導性トレース(図示せず)を介して伝送され、可撓性伝導性トレースは、薄膜トランジスタ(TFT)に結合され、TFTは、ピクセル電極が行列アドレススキームにおいてアドレスされることを可能にする。他の実施形態では、可撓性バックプレーン75のピクセル電極は、直接駆動され、すなわち、各ピクセルは、ドライバ回路によって、直接オンおよびオフにされる。いくつかの実施形態では、伝導性統合障壁層90は、単に、接地され、画像は、個々にアドレス可能である可撓性バックプレーンピクセル電極に正および負電位を提供することによって駆動される。他の実施形態では、電位も、伝導性統合障壁層90と可撓性バックプレーン75との間に提供され得る場のより大きな変動を提供するために、伝導性統合障壁層90に印加され得る。本発明において使用するために好適なアクティブマトリクス可撓性バックプレーンは、例えば、FlexEnable(Cambridge,UK)および他の供給業者から利用可能である。可撓性アクティブマトリクスバックプレーンは、典型的に、可撓性薄膜トランジスタを作成するために、伝導性有機材料の薄膜を使用する。好適な可撓性バックプレーンおよびバックプレーン構成要素に関するさらなる詳細は、米国特許第7,223,672、7,902,547号および第8,431,941号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。
【0029】
多くの実施形態では、可撓性バックプレーン75は、画像駆動のためのアクティブマトリクスを含むであろう。アクティブマトリクス配置では、各ピクセル電極は、アレイにパターン化された薄膜トランジスタに結合され、細長い行電極と、行電極に対して直角に伸びる細長い列電極とに接続される。いくつかの実施形態では、ピクセルは、金属酸化物または伝導性ポリマー材料から製作されるトランジスタを備えている。いくつかの実施形態では、ピクセルは、可撓性である。いくつかの実施形態では、ピクセルは、剛体であるが、ピクセル間の基板およびトレースが可撓性であるので、バックプレーンは、可撓性バックプレーンを作成するために十分に撓曲することができる。典型的に、データドライバは、列電極に接続され、ソース電圧をアドレスされるべき列内の全てのTFTに提供する。加えて、走査ドライバが、行電極に接続され、行に沿ってTFTのゲートを開放(または閉鎖)するであろうバイアス電圧を提供する。ゲート走査率は、典型的に、約60~100Hzである。「行」および「列」電極の割り当ては、幾分、恣意的であって、TFTアレイは、行および列電極の役割が互換可能な状態で製作され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、TFTアレイは、実質的に可撓性であるが、しかしながら、個々のピクセルトランジスタまたはドライバ回路等の個々の構成要素は、可撓性ではないこともある。電圧を個々のピクセルに供給するための可撓性トレースは、伝導性ポリマーまたは金属粒子、ナノ粒子、ナノワイヤ、ナノチューブ、黒鉛、およびグラフェン等の伝導性材料でドープされたポリマー等の可撓性材料から形成され得る。
【0030】
本発明は、加えて、
図1Bに示されるように、折り畳み可能電気泳動ディスプレイモジュール15を含む。そのような折り畳み可能ディスプレイモジュール15が、独立型折り畳み可能電気泳動ディスプレイ構成要素として製造され得、それによって、例えば、
図2A、2B、および3に関して下で説明されるタイプの折り畳み可能電気泳動ディスプレイに、モジュール15を統合し得る種々の製造業者に出荷されることができる。折り畳み可能ディスプレイモジュール15が、典型的に、追加の構成要素、例えば、フロントライトまたは容量タッチセンサまたは電磁共鳴センサ層に積み重ねられ得るように、出荷前、調製され、シールされ、その両方については、下で議論される。モジュール15の完全性を維持するために、モジュールは、典型的に、縁シール93または電気泳動ディスプレイに典型的であるタイプを含む。EPID縁シールのさらなる説明に関して、米国特許第7,554,712号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0031】
可撓性ディスプレイモジュール15は、中心折り畳みゾーン57内に材料空隙55を有する支持板50と、低弾性率接着剤の層60と、中心折り畳みゾーン57にまたがる可撓性バックプレーン75と、電気泳動ディスプレイ媒体80の層と、光透過性電極および防湿障壁の両方の特徴を含む伝導性統合障壁層90とを含む。
図1Bにさらに詳細に示されるように、電気泳動ディスプレイ媒体80の層は、電気泳動顔料粒子83および87と、溶媒82とを保持する、マイクロカプセル88を含み得、マイクロカプセル88は、ポリマー結合剤81中に分散させられている。なお、電気泳動媒体(粒子83および87および溶媒82)は、周囲のマイクロカプセル(例えば、上で説明されるPDEPID設計)を伴わずに、マイクロセル(マイクロカップ)内に封入されるか、または、ポリマーの中に分散させられ得ることを理解されたい。典型的に、顔料粒子83および87は、伝導性統合障壁層90と可撓性バックプレーン75との間で生産される電場を用いて制御(変位)される。本発明のモジュールは、加えて、上部保護シート95を含み、それは、ポリアクリレートまたはポリイミド等のポリマーから作製される硬化透明グレア防止カバーであり得る。上部保護シート95は、縁シール93に統合され得るか、または、上部保護シート95は、実際に、特別な程度の環境保護を電気泳動ディスプレイ層80および可撓性バックプレーン75に提供するために、縁シールを包み得る。いくつかの事例では、モジュール15が、加えて、可撓性バックプレーン75材料の中への低弾性率接着剤の進入を防ぐように、低弾性率接着剤60と可撓性バックプレーン75との間に保護層70を含むであろう。保護層70は、ポリエチレンテレフタレート等の薄いポリマー層であり得るか、または、保護層70は、パリレン等の可撓性バックプレーン75の「背面」に適用される可撓性誘電体層であり得る。
【0032】
EPID媒体は、「黒色/白色」として説明されるが、それらは、典型的に、黒色と白色との間の複数の異なる状態に駆動され、種々の色調または「グレースケール」を達成する。加えて、所与のピクセルは、初期グレーレベルから最終グレーレベル(初期グレーレベルと異なる場合とそうではない場合がある)への遷移を通してピクセルを駆動することによって、第1および第2のグレースケール状態(白色および黒色の端点を含む)間で駆動され得る。用語「波形」は、1つの特定の初期グレーレベルから特定の最終グレーレベルへの遷移をもたらすために使用される時間曲線に対する電圧全体を示すために使用されるであろう。典型的に、そのような波形は、複数の波形要素を備え、これらの要素は、本質的に、長方形(すなわち、所与の要素が、ある期間にわたって一定電圧の印加を含む)であって、要素は、「パルス」または「駆動パルス」と呼ばれ得る。用語「駆動スキーム」は、具体的ディスプレイのためのグレーレベル間の全ての可能な遷移をもたらすために十分な波形の組を示す。ディスプレイは、2つ以上の駆動スキームを利用し得る。例えば、前述の米国特許第7,012,600号は、駆動スキームが、ディスプレイの温度またはその寿命の間に動作していた時間等のパラメータに応じて修正される必要があり得、したがって、ディスプレイが、異なる温度等で使用されるための複数の異なる駆動スキームを提供され得ることを教示する。このように使用される駆動スキームの組は、「関連駆動スキームの組」と称され得る。また、2つ以上の駆動スキームを同じディスプレイの異なる面積内で同時に使用することが可能性として考えられ、このように使用される駆動スキームの組は、「同時駆動スキームの組」と称され得る。
(タッチ感知およびデジタル化層を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイ)
【0033】
本発明の設計を使用する、折り畳み可能電気泳動ディスプレイ(FEPID)の高度な実施形態が、
図2Aおよび
図2Bに示される。FEPID100は、デジタル電子ペーパ譜面として、GVIDO Music Co.,LTD.(Tokyo,Japan)によって販売されるタイプの折り畳み可能バージョンの高品質の2パネル電気泳動タブレットにほぼ似ている。しかしながら、本発明は、折り畳み領域がアクティブであることを可能にし、背を横断して読み取りおよび書き込み体験を連続的にする。
図2Aおよび2Bに示されるFEPID100設計は、2つの完全なA4シートと同じ大きさである必要はなく、平坦に開かれたとき、1枚のA4シートのサイズであり、書籍のように部分的に開いて保持されたとき、約100mm×150mmの2つの区画を提供し得る。FEPID100は、WIFI通信、Bluetooth(登録商標)、カラー調節フロントライト、スタイラス認識および書き込み複製、タッチ感知、およびカラーを含むそのようなデバイスにおいて現在期待される、全ての機能性を含み得る。カラー電気泳動ディスプレイは、従来の黒色および白色インクを用いて使用されるカラーフィルタアレイを含み得るか、または、カラー電気泳動ディスプレイは、Advanced Colore Paper(ACEP
TM)またはE Ink Spectra
TM等のE Ink Corporationから高度な電気泳動ディスプレイ技術を組み込み得る。ACeP
TMおよびE Ink Spectra
TMの詳細が、米国特許第9,921,451号および第10,032,419号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。
【0034】
図2Aに戻ると、折り畳み可能電気泳動ディスプレイ(FEPID)100は、ディスプレイ100の背面の周囲に延びている筐体110を含み、中央の割れ目が、ディスプレイ100が書籍のように折り畳まれることを可能にする。筐体110は、
図1Aに関して以前に説明されたように、衝撃抵抗をディスプレイ100に提供し、後方折れ曲がりを防止する2つのプレートを含むシャーシ120を覆う。筐体は、ナイロン等の耐久ポリマーであり得るか、または、木材または皮革等の「完成」材料であり得る。
図1Aに示されないが、筐体110は、シャーシ120に統合され得、随意に、ヒンジ(図示せず)に結合され得、ヒンジは、シャーシ120が折り畳まれる半径を提供する。筐体110は、ディスプレイの周囲を包み、ベゼル105で仕上げられ、それは、ディスプレイ100の上面の上方またはそれと同一平面上にあり得る。
図1Aの事例では、ベゼル105は、上部保護シート195の上方にあり、上部保護シート195は、ポリアクリレートまたはポリイミド等のポリマーから作製される、硬化透明グレア防止カバーであり得る。
【0035】
図2Aに示される実施形態は、シャーシプレート120の各々の上方に2つの圧力タッチセンサ層130を含む。材料空隙155を伴う薄い支持板150と、可撓性バックプレーン175と支持板150との間の低弾性率接着剤160との使用により、ユーザが指を用いて保護シート195上を押すことによって、圧力タッチセンサ層130がアクティブにされるための十分な圧縮力がある。そのような圧力センサ層は、マイクロ変形可能ピエゾ抵抗センサを含み得、それは、非常に薄く、Uneo Inc.(New Taipei City,Taiwan)から市販されている。Peratech(Richmond,United Kingdom)によって開拓されたQTC力感知技術等の代替薄タッチ感知技術も、圧力タッチセンサ層130のために使用され得る。
【0036】
図2のディスプレイ100は、加えて、アクティブスタイラスを感知するために、可撓性電磁共鳴(EMR)センサ層140を組み込み、アクティブスタイラスは、例えば、ディスプレイ上のオブジェクトを手書きキャプチャ、スケッチ、マークアップ、または操作するために、使用されることができる。可撓性EMR層140が、可撓性媒体中のスタックされたワイヤのループを含み、それによって、能動または受動スタイラスの近接度感知を可能にし得る。好適なスタイラスが、例えば、Wacom(Kazo,Japan)から利用可能である。EMR層140は、単一の連続的ユニットであり得るか、または、個々のEMR層140の集合であり得る。
図2Aに示されない代替実施形態では、EMR層140は、Wacomから市販のタイプの2つの別個の半剛性EMR層を含み、特殊可撓性EMRのより小さいエリアが、中心折り畳みゾーンにまたがる。いくつかの実施形態では、可撓性EMR層140の片面または両面は、EMR層が比較的に平坦のままであり、
図2Aの図において上下ではなく、左右にのみ移動することに役立つように、粗いか、または、粗面145を有するであろう。
【0037】
折り畳み可能ディスプレイ100の中間に中心折り畳みゾーン内に材料空隙155を有する支持板150がある。
図4A、4B、5A、および5Bに関してより詳細に議論されるように、支持板は、ポリマー、金属(例えば、ステンレス鋼)、カーボンファイバ、またはベニヤ板等の種々の材料から作製されることができる。
図2Aの実施形態では、支持板150は、ポリエチレンテレフタレート等の非伝導性ポリマーを備え、それは、可撓性EMR層140とディスプレイ100の上面上で使用されるスタイラスとの間の電磁共鳴位置感知に干渉しない。支持板は、典型的に、250μm~50μmの厚さである。支持板150のための中心折り畳みゾーンは、簡単のために、
図2Aに特にマークされていないが、それは、概略的に、空隙155が支持板150から除去されたエリアである。中心折り畳みゾーンは、支持板150の総表面積の20%未満、例えば、支持板150の総表面積の10%未満、例えば、支持板150の総表面積の5%未満であり得る。
【0038】
上で説明されるように、低弾性率接着剤層160が、支持板150と可撓性バックプレーン175との間に配置される。最後に、いくつかの実施形態では、保護層170が、腐食または電気的故障(可撓性バックプレーン175を攻撃し得る伝導性材料または溶媒を含み得る低弾性率接着剤層160との接触に起因する)から可撓性バックプレーン175を保護するために、可撓性バックプレーン175と低弾性率接着剤層160との間に配置され得る。しかしながら、好適な低弾性率接着剤層160の選択肢を用いることで、保護層170を含むことは不必要となり得る(要素180、181、182、183、187、188、および190は、
図1Bに関して上で説明されるように、電気泳動ディスプレイ層80、ポリマー結合剤81、電気泳動媒体溶媒82、第1の粒子組83、第2の粒子組87、カプセル壁88、および伝導性統合障壁層90である)。
【0039】
商業用用途では、
図2Bに示されるように、FEPIDがEMRセンサ層140および圧力タッチセンサ層130を含むとき、追加の構成要素が折り畳み可能電気泳動ディスプレイ(FEPID)101に存在し得る可能性が高い。第1に、
図1Bに関して議論されるように、ヒンジ125が、シャーシ130の2つのプレートの開放および閉鎖を促進するために含まれ得る可能性が高い。ヒンジ125は、単に、例示的であり、種々の代替ヒンジが、使用され得る。加えて、低弾性率接着剤の1つ以上の追加の層が、繰り返される開放および折り畳みにもかかわらず、ディスプレイ101が平滑形状を保持することに役立つように、FEPIDディスプレイ101の種々の層の間に追加され得ることが、典型的である。例えば、第1の中間低弾性率接着剤層133が、圧力タッチセンサ層130と可撓性EMR層140との間に配置され得る。第2の中間低弾性率接着剤層143が、可撓性EMR層140と支持板150との間に配置され得る。着目すべきこととして、第1および第2の中間低弾性率接着剤層は、ディスプレイの全幅、すなわち、
図2Bにおいて、左側から右側に及ぶ必要はない。低弾性率接着剤のこの部分的配置は、折り畳みプロセス中、より大きな空隙空間を提供し、折り畳み部における電気泳動ディスプレイ層180への少ない圧力をもたらし、故障または複数の折り畳みを伴う層間剥離の可能性を低減させるであろう。低弾性率接着剤層143および147に加え、ポリウレタンまたはポリアクリレート等の高弾性率接着剤が、ディスプレイ101の層が、一緒に係止され、他側が安定したままでありながら、側方移動の多くが、ディスプレイの片側で生じることを保証するように、FEPID101の両側で使用され得る。すなわち、第1の中間高弾性率接着剤層137が、圧力タッチセンサ層130と可撓性EMR層140との間に配置され得る一方、第2の中間高弾性率接着剤層147が、可撓性EMR層140と支持板150との間に配置され得る。高弾性率接着剤は、繰り返される開放および閉鎖サイクル全体を通して、種々の層の整列が維持されることに役立つ。
(フロントライトおよび容量タッチ感知を含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイ)
【0040】
容量タッチセンサ層294と、フロントライトプレート292と、光源291とを含む折り畳み可能電気泳動ディスプレイ(FEPID)200が、
図3に図示される。FEPID200の構成要素部分の多くが、
図2Aに関して説明されるFEPID100と同じである。FEPID200は、ディスプレイ200の背面の周囲に延びている筐体210を含み、中央の割れ目が、ディスプレイ200が書籍のように折り畳まれることを可能にする。筐体210は、
図2Aに関して以前に説明されたように、衝撃抵抗をディスプレイ200に提供し、後方折れ曲がりを防止する2つのプレートを含むシャーシ220を覆う。筐体210は、ディスプレイの周囲を包み、ベゼル205で仕上げられ、それは、ディスプレイ200の上面の上方、またはそれと同一平面上にあり得る。
図3の事例では、ベゼル105は、上部保護シート195の上方にあり、上部保護シート195は、ポリアクリレートまたはポリイミド等のポリマーから作製される、硬化透明グレア防止カバーであり得る。
【0041】
折り畳み可能ディスプレイ200の中間に、中心折り畳みゾーン内に材料空隙255を有する支持板250がある。
図4A、4B、5A、および5Bに関してより詳細に議論されるように、支持板は、ポリマー、金属(例えば、ステンレス鋼)、カーボンファイバ、またはベニヤ板等の種々の材料から作製されることができる。
図3の実施形態では、支持板250は、支持板250の背後に感知機構がないので、伝導性または非伝導性材料を使用し得る。支持板は、典型的に、250μm~50μmの厚さである。支持板250のための中心折り畳みゾーンは、便利のため、
図3に特にマークされないが、概略的に、空隙255が支持板250から除去されたエリア内にある。低弾性率接着剤層260が、支持板250と可撓性バックプレーン275との間に配置される。最後に、いくつかの実施形態では、保護層270が、可撓性バックプレーン275を攻撃し得る伝導性材料または溶媒を含み得る低弾性率接着剤層260との接触に起因する腐食または電気的故障から可撓性バックプレーン275を保護するために、可撓性バックプレーン275と低弾性率接着剤層260との間に配置され得る(要素280、281、282、283、287、288、および290は、
図1Bに関して上で説明されるように、電気泳動ディスプレイ層80、ポリマー結合剤81、電気泳動媒体溶媒82、第1の粒子組83、第2の粒子組87、カプセル壁88、および伝導性統合障壁層90である)。
【0042】
FEPID200では、感知は、ディスプレイ200の表面の近くに配置され、それは、上部保護シート95で保護された可撓性容量タッチ層294を用いて達成され、上部保護シート95は、ポリアクリレートまたはポリイミド等のポリマーから作製される硬化透明グレア防止カバーであり得る。可撓性容量タッチ層294は、ユーザの指と容量タッチペン(N-Trig Technologies(Tel Aviv,Israel)によって提供されるもの等)を用いて書き込むスタイラスとの両方によるタッチ入力を提供し得る。可撓性容量タッチ層294が、視認者と電気泳動ディスプレイ媒体との間にあるので、可撓性容量タッチ層294も、光透過性でなければならない。
図3に示されるFEPID200は、加えて、フロントライトプレート292を含み、それは、1つ以上の光源291によって照明され、それは、白色であるか、または、ユーザのニーズに応じて、フロントライトのカラー調節を可能にするために、LED色の範囲を有する発光ダイオード(LED)であり得る。
【0043】
故に、本発明のモジュール15が、種々の折り畳み可能電気泳動ディスプレイ設計に組み込まれ得ることが分かる。しかしながら、設計は、
図2A、2B、および3に限定されない。むしろ、多種多様な異なるデジタル化システムが、ここに示される折り畳み可能電気泳動ディスプレイモジュールと共に使用されることができる。例えば、アクティブ静電感知(Wacom)が、本発明またはPlanar Technologies(Hillsboro,Oregon)から利用可能であるような赤外線感知と共に使用され得る。さらに、種々の折り畳み可能電気泳動ディスプレイデバイスが、WIFI、Bluetooth(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)等を含むデバイスのエコシステムに統合され得る。
(材料空隙を伴う支持板の作成)
【0044】
以前に議論されたように、本明細書に説明される発明のための支持板(50、150、250)が、ポリマー、金属、(例えば、ステンレス鋼)、カーボンファイバ、またはベニヤ板から作製され得る。感知層が、支持板(50、150、250)の下方に配置され得る事例では、支持板(50、150、250)は、ポリエチレンテレフタレート等の非伝導性ポリマーを用いて最良に達成され、それは、
図2Aに関して説明されるように、可撓性EMR層140とディスプレイ100の上面上で使用されるスタイラスとの間の電磁共鳴位置感知に干渉しない。しかしながら、例えば、
図3におけるように、支持板(50、150、250)の背面上で感知しない事例では、支持板(50、150、250)が非伝導性であるべき必要はない。故に、ステンレス鋼等の代替物が、
図3に関して使用されることができる。多くの事例では、支持板は、典型的に、250μm~50μmの厚さ、例えば、150μm~100μmの厚さである。
【0045】
中心折り畳みゾーン内に材料空隙を有する支持板の2つの実施形態は、
図4A、4B、5A、および5B(
図4Aは、第1の実施形態の側面図である一方、
図4Bは、上面図である。
図5Aは、第2の実施形態の側面図である一方、
図5Bは、上面図である)に示される。
図4Aの実施形態を作成するために、1つの材料片451が、空隙455を作成するために、ミリングされ、切断され、エンボス加工され、アブレートされ、またはレーザ加工され、空隙455は、支持板450が、繰り返しかつわずかな力で所望の方向に折れ曲がることを可能にする。支持板450の剛性は、製作中の部品451の総厚に対して、空隙の適切な深度を選択することによって、調整されることができる。空隙の深度は、部品を横断して同じである必要はなく、例えば、中心に最大深度を伴うガウス分布として、切断され、中心から離れて移動して徐々により浅く切断され得る。支持板450のための中心折り畳みゾーンは、便利のため、
図4Aに特にマークされないが、概略的に、空隙455が支持板450から除去されたエリア内にある。中心折り畳みゾーンは、支持板450の総表面積の20%未満、例えば、支持板150の総表面積の10%未満、例えば、支持板450の総表面積の5%未満であり得る。
【0046】
材料空隙を有する支持板は、
図4Aおよび4Bに示されるカットパターンに限定されない。例えば、製作中の部品551が、中心折り畳みゾーンを作成するために、製作中の部品551から切断される一連の空隙555を有し得る。
図5Aおよび5Bの実施形態では、支持板は、金属であり得、その場合、空隙は、製作中の製品551から穿孔またはミリングされ得る。代替として、製作中の部品551が、ポリマーまたはカーボンファイバである場合、空隙555は、レーザ切断を用いて、作成され得る。
(定義)
【0047】
用語「電気光学」は、材料またはディスプレイに適用されるように、画像化技術分野におけるその従来的な意味で使用され、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する材料であり、材料への電場の印加によって、その第1からその第2の表示状態に変化させられる材料を指すために、本明細書で使用される。光学特性は、典型的に、ヒトの眼に知覚可能なカラーであるが、光学透過率、反射率、ルミネッセンス、または機械読み取りのために意図されるディスプレイの場合、可視範囲外の電磁波長の反射の変化の意味における擬似色等の別の光学特性であり得る。
【0048】
用語「グレー状態」または「グレースケール」は、画像化技術分野におけるその従来的な意味で使用され、2つの極端なピクセルの光学的状態の中間の状態を指し、必ずしも黒色と白色とのこれらの2つの極端な状態間の遷移を意味するわけではない。例えば、下記に参照されるいくつかの電気泳動インクに関する特許および公開された出願は、極端な状態が白色および濃青色であり、中間の「グレー状態」が実際には薄青になる電気泳動ディスプレイを説明している。実際、すでに述べたように、光学的状態の変化は、カラーの変化では全くない場合もある。用語「黒色」および「白色」は、ディスプレイの2つの極端な光学的状態を指すように以下で使用される場合があり、例えば、前述の白色および濃青色状態等の厳密には黒色および白色ではない極端な光学的状態を通常含むものとして理解されるべきである。用語「単色」は、以降、介在グレー状態を伴わず、ピクセルをその2つの極端な光学状態のみに駆動する駆動スキームを指すために使用され得る。
【0049】
いくつかの電気光学材料は、材料が固体外部表面を有するという意味において固体であるが、材料は、多くの場合、内部液体または気体充填空間を有し得る。固体電気光学材料を使用する、そのようなディスプレイは、以降、便宜上、「固体電気光学ディスプレイ」と称され得る。したがって、用語「固体電気光学ディスプレイ」は、回転二色部材ディスプレイ、カプセル化された電気泳動ディスプレイ、マイクロセル電気泳動ディスプレイ、およびカプセル化された液晶ディスプレイを含む。
【0050】
用語「双安定」および「双安定性」は、当技術分野におけるそれらの従来の意味で、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する表示要素を備えているディスプレイであって、第1または第2の表示状態のうちのいずれか一方を示すように、有限持続時間のアドレスパルスを用いて、所与の要素が駆動されてから、アドレスパルスが終了した後、表示要素の状態を変化させるために必要とされるアドレスパルスの最小持続時間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍、その状態が続くようなディスプレイを指すために、本明細書で使用される。米国特許第7,170,670号では、グレースケール対応のいくつかの粒子ベースの電気泳動ディスプレイが、その極端な黒色および白色状態においてだけではなく、また、その中間グレー状態においても、安定しており、同じことは、いくつかの他のタイプの電気光学ディスプレイにも当てはまることが示されている。このタイプのディスプレイは、適切に、双安定性ではなく、「多安定性」と呼ばれるが、便宜上、用語「双安定性」が、本明細書では、双安定性および多安定性ディスプレイの両方を網羅するために使用され得る。
【0051】
多数の変更および修正が、本発明の範囲から逸脱することなく、上で説明される本発明の具体的実施形態に行われることができることが、当業者に明白であろう。故に、前述の説明の全体が、限定的意味ではなく、例証的意味で解釈されるべきである。