(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】タッチセンサーを含む表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240619BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240619BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240619BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
G09F9/00 366A
G06F3/041 410
G06F3/041 660
G06F3/044 124
G09F9/30 348Z
(21)【出願番号】P 2023000248
(22)【出願日】2023-01-04
(62)【分割の表示】P 2021168848の分割
【原出願日】2021-10-14
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0172880
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ソンウン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミンギュ
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特許第7206349(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2020/0264722(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0159002(US,A1)
【文献】特開2005-266667(JP,A)
【文献】特開2016-006516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0091252(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0057142(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0027929(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/03
3/041-3/047
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素回路を含む画素が配置される表示領域と
、非表示領域とを含む基板
であって、前記画素回路が、少なくとも1つのトランジスターとストレージキャパシターとを含む、基板;
前記基板上に配置される平坦化膜;
前記平坦化膜上に配置されるアノード電極;
前記アノード電極上に配置されるバンク;
前記バンク上に配置されるカソード電極
;
前記カソード電極上に配置される封止膜
;及び
前記封止膜上に配置されるタッチセンサーであって、前記非表示領域内においてタッチ配線を含むタッチセンサー
を含み、
前記アノード電極は、前記非表示領域内において
、前記タッチ配線と重ならないように配置されている第1ホール
と、前記第1ホールよりもサイズが小さく且つ前記タッチ配線と重なるように配置されている第2ホールとを含む、表示装置。
【請求項2】
前記タッチ配線は、複数個のタッチ信号ラインを含み、前記第1ホールは、前記複数個のタッチ信号ラインの間に配置されている、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記非表示領域内において前記平坦化膜の下に配置されたゲート信号発生回路をさらに含み、
前記カソード電極及び前記アノード電極は、前記ゲート信号発生回路と重なるように配置されている、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1ホールは、前記ゲート信号発生回路と重なるように配置されている、請求項
3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記封止膜は、
第1無機膜;
第2無機膜;及び
前記第1無機膜と前記第2無機膜との間に配置される有機膜を含む、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1ホールは、前記平坦化膜と前記バンクとが互いに接触する領域に配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
画素回路を含む画素が配置される表示領域と、信号配線が配置される非表示領域とを含む基板;
前記基板上に配置される平坦化膜;
前記平坦化膜上に配置されるアノード電極;
前記アノード電極上に配置されるバンク;
前記バンク上に配置されるカソード電極
;
前記カソード電極上に配置される封止膜
;及び
前記封止膜上に配置されるタッチセンサーであって、前記非表示領域内においてタッチ配線を含むタッチセンサー
を含み、
前記画素回路は、該画素回路に含まれる発光素子に駆動電流を供給する第1ノードを含み、
前記アノード電極は、前記第1ノードに接続され、さらに前記アノード電極は、前記非表示領域内において
、前記タッチ配線と重ならないように配置されている第1ホール
と、前記第1ホールよりもサイズが小さく且つ前記タッチ配線と重なるように配置されている第2ホールとを含む、表示装置。
【請求項8】
前記タッチ配線は、複数個のタッチ信号ラインを含み、前記第1ホールは、前記複数個のタッチ信号ラインの間に配置されている、請求項
7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記非表示領域内において前記平坦化膜の下に配置されたゲート信号発生回路をさらに含み、
前記カソード電極及び前記アノード電極は、前記ゲート信号発生回路と重なるように配置されている、請求項
7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1ホールは、前記ゲート信号発生回路と重なるように配置されている、請求項
9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記封止膜は、
第1無機膜;
第2無機膜;及び
前記第1無機膜と前記第2無機膜との間に配置される有機膜を含む、請求項
7に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1ホールは、前記平坦化膜と前記バンクとが互いに接触する領域に配置される、請求項
7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、タッチセンサーを含む表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するに伴い、映像を表示するための表示装置への要求が様々な形態で増加している。表示装置としては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display device)、電界発光表示装置(ELD; Electroluminescence Display device)などのような種々の表示装置が用いられている。
【0003】
そして、電界発光表示装置(ELD)は、量子ドット(QD:Quantum Dot)を含む量子ドット発光表示装置(Quantum-dot Light Emitting Display device)、無機発光表示装置(Inorganic Light Emitting Display device)、及び有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display device)などを含むことができる。
【0004】
上記の表示装置のうち、電界発光表示装置(ELD)は、非常に優れた応答速度、視野角、色再現性などが実現され、また、薄い厚さが実現され得るという利点がある。
【0005】
最近では、表示装置は、タッチを感知するタッチセンサーを備える。そして、ユーザが画面に表示された映像を見ながらタッチすれば、タッチセンサーは、そのタッチを認識し、タッチに対応して表示装置を動作させ、これにより、ユーザは、表示装置の採用された電子製品を直観的に操作可能になる。また、表示装置は、審美感又は使い勝手のよさの点から、その厚さが薄型化しつつある。
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、表示装置の厚さが薄いと、タッチセンサーと表示装置において映像を表示するために用いられる信号配線間の距離が近づいてしまう。タッチセンサーと信号配線との間の距離が近づくと、タッチセンサーは、信号配線に流れる信号及び/又は電圧をノイズとして認識することがあり、ノイズにより、タッチセンサーはタッチを不正確に検出することがある。
【0007】
また、表示装置は複数の膜を積層してなるが、製造する過程で残存する水分によって発生するアウトガス(outgas)により、複数の膜において膜浮き現象が発生することがあり、このため、表示装置が不良になる問題が発生し得る。
【0008】
したがって、本開示の実施形態は、上記の背景技術の制約および欠点に起因する問題の1つ以上を実質的に回避するような、タッチセンサーを含む表示装置、及びその製造方法に関連する。
【0009】
本開示の1つの側面は、タッチセンサーと信号配線を遮蔽し、タッチセンサーが不正確にタッチを検出することを防止し、アウトガスによって表示装置の不良が発生することを防止できる、タッチセンサーを含む表示装置、及びその製造方法を提供することである。
【0010】
追加の特徴および側面は、以下の説明において示され、また一部は同説明から自明であるか、本明細書で提示される本発明の概念の実践により理解され得る。本発明の概念の他の特徴および側面は、本明細書に書かれた内容で特に指摘される構造あるいはその派生構造、および特許請求の範囲もしくは図面により、理解され実現され得る。
【0011】
本発明の概念の上記およびその他の側面を実現するため、ここに実施態様が示され広く記述されるように、表示装置は、表示領域と非表示領域とを含む基板、基板上に配置される平坦化膜、平坦化膜上に配置され、非表示領域内において複数の第1ホールを備えるアノード電極、アノード電極上に配置されるバンク、バンク上に配置されるカソード電極、カソード電極上に配置される封止膜、及び封止膜上に配置されるタッチセンサーであって、非表示領域内においてタッチ配線を含むタッチセンサーを含み、第1ホールは、タッチ配線と重ならないように配置されてよい。
【0012】
他の側面によれば、表示装置の製造方法は、表示領域と非表示領域とを含む基板上に平坦化膜を配置すること、非表示領域内において、平坦化膜上に第1ホールを含むアノード電極を配置すること、アノード電極上にバンクを配置すること、バンク上にカソード電極を配置すること、カソード電極上に封止膜を配置すること、及び非表示領域内において封止膜上にタッチ配線を含むタッチセンサーを配置することを含み、第1ホールはタッチ配線と重ならないように配置されてよい。
【0013】
本明細書の実施例によれば、ノイズによってタッチ信号が歪むことを防止することにより、より正確にタッチを検出できる、タッチセンサーを含む表示装置及びその製造方法を提供することができる。
【0014】
また、本明細書の実施例によれば、水分によって表示装置に不良が発生することを防止できる、タッチセンサーを含む表示装置及びその製造方法を提供することができる。
【0015】
上記の全般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも、例示および説明のためのものであり、特許請求の範囲に記載される本発明の概念のさらなる説明を提供する意図のものであることを理解されたい。
【0016】
本開示の理解をさらに深めるために提供され、本願に包含され本願の一部をなす添付の図面は、本開示の実施形態を図解し、本明細書の説明と共に、様々な原理を説明する役割を担う。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本明細書の実施例による表示装置を示す構造図である。
【
図2】本明細書の実施例による表示装置において採用された画素の一実施例を示す回路図である。
【
図3】本明細書の実施例による表示装置において表示パネル上にゲート信号発生回路が配置されていることを示す概念図である。
【
図4】
図3に示したI-I’断面の第1実施例を示す断面図である。
【
図5】
図3に示したX領域の実施例を示すレイアウト図である。
【
図6】
図3に示したI-I’断面の第2実施例を示す断面図である。
【
図7A】
図3に示したX領域の実施例を示すレイアウト図である。
【
図7B】
図3に示したX領域の実施例を示すレイアウト図である。
【
図7C】
図3に示したX領域の実施例を示すレイアウト図である。
【
図8】本明細書の実施例によるタッチセンサーを含む表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述されている実施例から明確になるであろう。ただし、本明細書は、以下に開示される実施例に限定されず、様々な他の形態で具現されてよく、単に、本実施例は、本明細書の開示を完全にさせ、本明細書の属する技術の分野における通常の知識を有する者に、発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は請求項の範ちゅうによってのみ定義される。
【0019】
本明細書の実施例を説明するための図面に開示された形状、サイズ、比率、角度、個数などは例示的なものであり、本明細書が図示の事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を示す。また、本明細書を説明するとき、関連する公知技術に関する具体的な説明が本明細書の要旨を却って曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書において“含む”、“有する”、“からなる”などが使われる場合、“~だけ(のみ)”が使われない限り、他の部分が追加されてよい。構成要素を単数で表現したとき、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0020】
構成要素を解釈するとき、特に明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものとして解釈する。
【0021】
位置関係に関する説明において、例えば、“~上に”、“~上部に”、“~下部に”、“~側に”などにより2部分の位置関係が説明される場合、“直に”又は“直接”が使われない限り、2部分の間に1つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0022】
時間関係に関する説明において、例えば、“~後に”、“~に続いて”、“~次に”、“~前に”などにより時間的な先後関係が説明される場合、“直ちに”又は“直接”が使われない限り、連続しない場合も含むことができる。
【0023】
信号のフロー関係に関する説明において、例えば、“AノードからBノードに信号が伝達される”という場合にも、“直に”又は“直接”が使われない限り、Aノードから他のノードを経由してBノードに信号が伝達される場合を含むことができる。
【0024】
第1、第2などが様々な構成要素を述べるために使われるが、それらの構成要素が前記用語によって制限されない。これらの用語は単に、一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下に言及される第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0025】
本明細書の複数の実施例の各特徴が部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せ可能であり、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施例が相互独立して実施されてもよく、相互関連して共に実施されてもよい。
【0026】
本明細書の実施例は、表示領域と非表示領域とを含む基板、基板上に配置される平坦化膜、平坦化膜上に配置され、非表示領域内において複数の第1ホールを含むアノード電極、アノード電極上に配置されるバンク、バンク上に配置されるカソード電極、カソード電極上に配置される封止膜、及び封止膜上に配置されるタッチセンサーであって、非表示領域内においてタッチ配線を含むタッチセンサーを含み、第1ホールはタッチ配線と重ならないように配置される、表示装置を提供することができる。
【0027】
前記表示装置において、アノード電極は、非表示領域において第1ホールよりも小さいサイズを有する複数の第2ホールを備え、第2ホールは、タッチ配線と重なる第2領域に配置されてよい。第1ホールのサイズ又は第2ホールのサイズは、平面図においてそれぞれ第1ホール又は第2ホールの断面積を意味できる。
【0028】
また、前記表示装置において、タッチ配線は、複数個のタッチ信号ラインを含み、第1ホールは、複数個のタッチ信号ラインの間に配置されてもよい。
【0029】
また、前記表示装置において、基板の非表示領域内において、平坦化膜の下にゲート信号発生回路が配置され、カソード電極及びアノード電極はゲート信号発生回路と重なるように配置されてよい。
【0030】
また、前記表示装置において、第1ホールは、ゲート信号発生回路と重なるように配置されてよい。
【0031】
また、前記表示装置において、封止膜は、第1無機膜、第2無機膜、及び第1無機膜と第2無機膜との間に配置される有機膜を含むことができる。
【0032】
また、前記表示装置において、第1ホールは、平坦化膜とバンクとが互いに接触する領域に配置されてよい。
【0033】
本明細書の実施例は、表示領域と非表示領域とを含む基板上に平坦化膜を配置すること、非表示領域内において、平坦化膜上に複数の第1ホールを備えるアノード電極を配置すること、アノード電極上にバンクを配置すること、バンク上にカソード電極を配置すること、カソード電極上に封止膜を配置すること、及び封止膜上に非表示領域内においてタッチ配線を含むタッチセンサーを配置することを含む、表示装置の製造方法を提供することができる。
【0034】
また、上記の表示装置の製造方法において、前記第1ホールは、前記タッチ配線と重ならないように配置できる。
【0035】
上記の表示装置の製造方法において、アノード電極は、非表示領域で第1ホールよりもサイズの小さい複数の第2ホールを含んでもよく、第2ホールは、タッチ配線と重なるように配置されてよい。
【0036】
また、上記の表示装置の製造方法において、タッチ配線は、複数個のタッチ信号ラインを含み、第1ホールは、複数個のタッチ信号ラインの間に配置されてもよい。
【0037】
また、上記の表示装置の製造方法において、平坦化膜を配置する前に、基板の前記非表示領域内においてゲート信号発生回路が配置されてもよく、カソード電極及びアノード電極はゲート信号発生回路と重なるように配置されてよい。
【0038】
また、上記の表示装置の製造方法において、第1ホールは、ゲート信号発生回路と重なるように配置されてよい。
【0039】
また、上記の表示装置の製造方法において、封止膜は、第1無機膜、第2無機膜、及び第1無機膜と前記第2無機膜との間に配置される有機膜を含むことができる。
【0040】
また、上記の表示装置の製造方法において、第1ホールは、平坦化膜と前記バンクとが互いに接触する領域に配置されてよい。
【0041】
以下、添付の図面を参照して、本明細書の様々な実施例を詳細に説明する。
【0042】
図1は、本明細書の実施例による表示装置を示す構造図である。
【0043】
図1を参照すると、表示装置100は、表示パネル110、データドライバー回路120、ゲートドライバー回路130、及びタイミングコントローラ140を含むことができる。また、表示装置100は、表示パネル110と重なるようにタッチセンサー150が配置されてよい。
【0044】
表示パネル110は、マトリクス状に配置される複数の画素101を含むことができる。複数の画素101はそれぞれ、赤色、緑色、青色の光を発光できる。但し、それぞれの画素から発する光の色はそれらに限定されない。また、表示パネル110は矩形の形状であってよい。
【0045】
表示パネル110には、複数のゲートラインGL1~GLn及び複数のデータラインDL1~DLmが配置され、ゲートラインGL1~GLn及びデータラインDL1~DLmに複数の画素101が連結されてよい。各画素101は、ゲートラインGL1~GLnを通じて伝達されるゲート信号に対応して、データラインDL1~DLmを通じて伝達されるデータ信号を受信することができる。但し、表示パネル110に配置される配線がこれに限定されるものではない。
【0046】
データドライバー回路120は、複数のデータラインDL1~DLmに連結され、データラインDL1~DLmを通じてデータ信号を画素101に伝達できる。ここで、データドライバー回路120を1個として図示しているが、これに限定されるものではない。
【0047】
ゲートドライバー回路130は、ゲートラインGL1~GLnに連結され、ゲートラインGL1~GLnを通じてゲート信号を複数の画素101に供給できる。ここで、ゲートドライバー回路130は、表示パネル110の一側に配置されていることが示されているが、これに限定されず、表示パネル110の両側に配置されてもよい。そして、一つのゲートドライバー回路は奇数番目のゲートラインに連結され、他のゲートドライバー回路は偶数番目のゲートラインに連結されてよい。また、表示装置100は別個のゲートドライバー回路を含まず、表示パネル110にゲート信号を発生するゲート発生回路が配置されてよい。
【0048】
タイミングコントローラ140は、データドライバー回路120とゲートドライバー回路130を制御できる。タイミングコントローラ140は、映像信号RGB及びデータ制御信号DCSをデータドライバー回路120に供給し、ゲート制御信号GCSをゲートドライバー回路130に供給できる。
【0049】
タッチセンサー150は、表示パネル110に重なるように配置され、ユーザによる表示パネル110のタッチを感知することができる。タッチセンサー150は、複数のタッチ電極と、タッチ電極にタッチ信号を伝達するタッチ配線を含むことができる。
【0050】
図2は、本明細書の実施例による表示装置において採用された画素の一実施例を示す回路図である。
【0051】
図2を参照すると、画素101は、駆動電流を供給する画素回路と、駆動電流を受けて光を発する発光素子EDを含むことができる。
【0052】
画素回路は、第1トランジスターM1、第2トランジスターM2及びストレージキャパシターCstを含むことができる。
【0053】
第1トランジスターM1は、第1電極が第1電源(EVDD)を供給する第1電源ラインVL1に連結され、第2電極が第1ノードN1に連結されてよい。また、第1トランジスターM1は、ゲート電極が第2ノードN2に連結されてよい。第1トランジスターM1は、第2ノードN2に印加された電圧に対応して、第1ノードN1に駆動電流を流すことができる。
【0054】
第2トランジスターM2は、第1電極がデータラインDLに連結され、第2電極が第2ノードN2に連結されてよい。また、第2トランジスターM2は、ゲート電極がゲートラインGLに連結されてよい。第2トランジスターM2は、ゲートラインGLを通じて伝達されるゲート信号GATEに対応して、データラインDLに流れるデータ信号Vdataを第2ノードN2に伝達することができる。
【0055】
ストレージキャパシターCstは、第1電極が第1ノードN1に連結され、第2電極が第2ノードN2に連結されてよい。ストレージキャパシターCstは、第2ノードN2に印加された電圧を維持させることができる。
【0056】
そして、発光素子EDは、アノード電極、カソード電極、及びアノード電極とカソード電極との間に配置され、電流が流れると光を発する発光層を含むことができる。発光層は、有機物質、無機物質及び量子ドット(Quantaum Dot)物質の少なくとも一つを含むことができる。発光素子EDは、第1ノードN1に流れる駆動電流を受けて光を発することができる。
【0057】
上記のように構成された画素101において、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2は、NMOSタイプのトランジスターであってよい。但し、これに限定されるものではない。また、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2の第1電極及び第2電極はそれぞれ、ドレイン電極及びソース電極であってよい。但し、これに限定されるものではない。
【0058】
図3は、本明細書の実施例による表示装置において表示パネル上にゲート信号発生回路が配置されていることを示す概念図である。
【0059】
図3を参照すると、表示パネル110は、基板111上に配置されるゲート信号発生回路130aを含むことができる。基板111は、画素101が配置される表示領域110aと、表示領域110aに信号及び/又は電圧を供給する信号配線が配置される非表示領域110bとに区分できる。また、非表示領域110bにはゲート信号発生回路130aが配置されてよい。ゲート信号発生回路130aは、画素101が配置される過程で表示領域110aと共に配置されてよい。
【0060】
また、基板111にタッチセンサー150が配置されてよい。タッチセンサー150は、複数のタッチ電極と、タッチ電極にタッチ信号を供給するタッチ配線を含むことができる。タッチ電極は、表示領域110aと重なるように配置され、タッチ配線は非表示領域110bと重なるように配置されてよい。また、タッチ配線及び信号配線は、非表示領域110bにおいて異なるレイヤに配置されてよい。
【0061】
タッチ配線が信号配線上に配置されると、タッチ配線と信号配線との間にキャパシターが形成され、信号配線に流れる信号はキャパシターによってタッチ配線においてノイズになることがある。
【0062】
ここで、ゲート信号発生回路130aは基板111の一側に重なるように配置されていることを示しているが、これに限定されず、基板111の両側に重なるように配置されてもよい。
【0063】
図4は、
図3に示すI-I’断面の第1実施例を示す断面図である。
【0064】
図4を参照すると、基板111上にゲート絶縁膜112が配置され、ゲート絶縁膜112上にゲート信号発生回路130aが配置されてよい。ここで、ゲート信号発生回路130aは、一つの金属層が配置されているとしているが、これは説明のためのものであり、ゲート信号発生回路130aは、積層されている複数の絶縁膜と、複数の金属層を含むことができる。また、ゲート信号発生回路130aは、複数のトランジスターを含むことができる。
【0065】
ゲート信号発生回路130a上に平坦化膜113が配置されてよい。また、平坦化膜113上にアノード電極114が配置されてよい。
【0066】
平坦化膜113は、フォトアクリル(photo acryl)又はポリイミド(polyimide)を含むことができる。但し、平坦化膜113に含まれる物質はこれに限定されない。平坦化膜113は大気に晒されると、水分を吸収できる。
【0067】
平坦化膜113上に配置されたアノード電極114は、第1ホールH1を含むことができる。第1ホールH1によって平坦化膜113の一部が露出されてよい。これによって、第1ホールH1は、平坦化膜113で水分によって発生するガスを排出できるアウトガス(outgas)のための経路になり得る。そして、アノード電極114上にバンク115が配置されてよい。また、第1ホール1Hは、平坦化膜113とバンク114とが重なる位置に配置されてよい。
【0068】
バンク115上にカソード電極116が配置されてよい。カソード電極116上に第1無機膜117、有機膜118、第2無機膜119が順次に積層されてよい。第1無機膜117、有機膜118、第2無機膜119は封止膜であってよい。有機膜118の厚さは、第1無機膜117と第2無機膜119の厚さよりも厚くてよい。そして、第2無機膜119上にタッチ配線151が配置されてよい。第2無機膜119は、タッチ配線151が配置されるとき、有機膜118が損傷することを防止できる。
【0069】
タッチ配線151は、下部に配置されるカソード電極116によってゲート信号発生回路130aと遮蔽されてよい。但し、カソード電極116は工程偏差が大きいため、カソード電極116がゲート信号発生回路130aを完全に覆わないことがある。このため、カソード電極116がゲート信号発生回路130aを遮蔽できず、ゲート信号発生回路130aによってタッチ配線151にノイズが伝達されることがある。
【0070】
図5は、
図3に示すX領域の実施例を示すレイアウト図である。
【0071】
図5を参照すると、基板111上に、ゲート信号発生回路130aに含まれる複数の信号配線132が配置されてよい。また、複数の信号配線132は、ゲート信号発生回路130aに供給されるクロックを供給するクロック信号配線であってよい。但し、これに限定されるものではない。複数の信号配線132上にアノード電極114が配置されてよい。そして、アノード電極114上にタッチ配線151が配置されてよい。
【0072】
アノード電極114は複数の第1ホールH1を含むことができる。複数の第1ホールH1は、3本の列で配置されてよい。但し、これに限定されるものではない。
【0073】
複数の第1ホール1Hは、タッチセンサー150と重ならなくてよい。また、複数の第1ホールH1の3列のうちの一列は、タッチ配線151と信号配線132とが重ならない第1領域Aに配置され、残り2列に含まれる第1ホールH1は、タッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bに配置されてよい。
【0074】
アノード電極114に第1ホールH1が配置され、平坦化膜113で発生したガスを排出できるアウトガス(outgas)のための経路になるので、表示装置100の不良が発生することを防止することができる。
【0075】
図5にはカソード電極116が示されていないが、カソード電極116は、信号配線132の一部又は全部を覆うことができる。
【0076】
複数の第1ホールH1は、タッチ配線151と信号配線132とが重ならない第1領域A、及びタッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bに配置されてよい。タッチ配線151は、第2領域Bに配置された第1ホールH1により、アノード電極114が信号配線132とタッチ配線151を遮蔽できなくなることがある。
【0077】
図6は、
図3に示したI-I’断面の第2実施例を示す断面図である。
【0078】
図6を参照すると、基板111上にゲート絶縁膜112が配置され、ゲート絶縁膜112上において非表示領域110bに対応する位置にゲート信号発生回路130aが配置されてよい。ここで、ゲート信号発生回路130aは、一つの金属層が配置されているとしているが、これは説明のためのものであり、ゲート信号発生回路130aは複数の絶縁膜及び複数の金属層を含んでもよい。また、ゲート信号発生回路130aは複数のトランジスターを含むことができる。
【0079】
ゲート信号発生回路130a上に平坦化膜113が配置されてよい。また、平坦化膜113上にアノード電極114が配置され、アノード電極114上にカソード電極116が配置されてよい。平坦化膜113は、フォトアクリル(photo acryl)又はポリイミド(polyimide)を含むことができる。平坦化膜113は大気に晒されると水分を吸収できる。そして、アノード電極114上にバンク115が配置されてよい。
【0080】
バンク115上にカソード電極116が配置されてよい。カソード電極116上に第1無機膜117、有機膜118、第2無機膜119が順次に積層されてよい。第1無機膜117、有機膜118、第2無機膜119は封止膜であってよい。有機膜118の厚さは、第1無機膜117と第2無機膜119の厚さよりも厚くてよい。そして、第2無機膜119上にタッチ配線151が配置されてよい。第2無機膜119は、タッチ配線151が配置される時、有機膜118が損傷することを防止できる。
【0081】
タッチ配線151は、下部に配置されるカソード電極116により、ゲート信号発生回路130aを含む信号配線132と遮蔽されてよい。また、カソード電極116の下部に配置されているアノード電極114により、タッチ配線151は信号配線132と遮蔽されてよい。
【0082】
カソード電極116の工程偏差が大きいため、カソード電極116がタッチ配線151を完全に遮蔽できなくなっても、アノード電極114によってもタッチ配線151を遮蔽でき、タッチ配線151へのノイズ伝達が抑制され得る。
【0083】
【0084】
図7A~
図7Cを参照すると、基板111上に、ゲート信号発生回路130aに含まれる複数の信号配線132が配置されてよい。また、信号配線132は、ゲート信号発生回路130aに供給されるクロック信号を供給するクロック信号配線であってよい。但し、これに限定されるものではない。
【0085】
信号配線132上にアノード電極114が配置されてよい。そして、アノード電極114上にタッチ配線151が配置されてよい。アノード電極114は複数の第1ホールH1を含むことができる。
【0086】
図7A~
図7Cにはカソード電極116が示されていないが、カソード電極116は信号配線132の一部又は全部を覆うことができる。
【0087】
図7Aを参照すると、複数の第1ホールH1は、タッチ配線151と信号配線132とが重ならない第1領域A、及びタッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bのうち、第1領域Aに配置されてよい。また、第1ホールH1は、平坦化膜113とバンク115とが重なる位置に配置されてよい。
【0088】
下記の表1は、
図5に示したアノード電極を採用した表示装置(Sample 1)と
図7Aに示したアノード電極を採用した表示装置(Sample 2)においてノイズを比較した結果である。
【0089】
【0090】
上記の表1で、Gclkは、ゲート信号発生回路から出力されるクロック信号の電圧を表し、Cathodeは、カソード電極の電圧を表す。そして、Rxは、タッチ配線から出力されるタッチ信号の電圧を表す。また、5個の表示装置を用いてクロック信号の電圧、カソード電極の電圧、タッチ信号の電圧を測定した。
【0091】
上記の表1に示すように、
図7Aに示したアノード電極を採用した表示装置(Sample 2)から測定されたカソード電極の電圧とタッチ信号の電圧の最小値、最大値、平均値はいずれも、
図5に示したアノード電極を採用した表示装置(Sample 1)から測定されたカソード電極の電圧とタッチ信号の電圧の最小値、最大値、平均値よりも小さいことがわかる。
【0092】
すなわち、ゲート信号発生回路130aと重なっているアノード電極114から第1ホールH1が除去されることにより、タッチセンサー150のノイズ遮蔽が改善されたことが分かる。
【0093】
図7Bを参照すると、複数の第1ホールH1は、タッチ配線151と信号配線132とが重ならない第1領域A、及びタッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bのうち、第1領域Aに配置されてよい。また、タッチ配線151は、複数のタッチ信号ラインを含み、第1領域Aは複数個のタッチ信号ラインの間に配置される領域であってよい。そして、複数の第1ホールH1は、タッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bには配置されなくて済む。したがって、アノード電極114は、タッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bを遮蔽することができる。
【0094】
また、
図7Cを参照すると、複数の第1ホールH1は、タッチ配線151と信号配線132とが重ならない第1領域A、及びタッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bのうち、第1領域Aに配置されてよい。また、第1ホールH1よりもサイズの小さい第2ホールH2が、タッチ配線151と信号配線132とが重なる第2領域Bに配置されてよい。第2領域Bでアノード電極114に形成されるホールのサイズが小さくても、タッチセンサー150のノイズ遮蔽は改善され得る。
【0095】
また、第1ホールH1に対応する第2ホールH2の合計サイズが、第1ホールH1のサイズの半分よりも小さくなるように第2ホールH2のサイズが決定されてよい。すなわち、
図7Cにおいて、4個の第2ホールH2の合計サイズは、1個の第1ホールH1のサイズの半分よりも小さくてよい。
【0096】
そして、
図7A~
図7Cに示しているように、平坦化膜113上に第1ホールH1及び第2ホールH2のうち、少なくとも第1ホールH1が配置されており、第1ホールH1及び第2ホールH2のうち少なくとも第1ホールH1が、平坦化膜113でアウトガス(outgas)の放出される経路となり、表示装置100の不良が発生することを防止することができる。
【0097】
図8は、本明細書の実施例によるタッチセンサーを含む表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0098】
図8を参照すると、基板111上に平坦化膜113が配置されてよい(S810)。基板111は、ガラス(Glass)又はポリアミド(Polyamide)を含むことができる。平坦化膜113は、フォトアクリル(photo acryl)又はポリイミド(polyimide)を含むことができる。平坦化膜113は大気に晒されると水分を吸収できる。
【0099】
基板111上に平坦化膜113が配置される前に、ゲート信号発生回路130aが基板111上に配置されてよい(S800)。ゲート信号発生回路130aは基板111上の非表示領域110bに配置されてよい。ゲート信号発生回路130aは基板111の一側に配置されてもよい。また、ゲート信号発生回路130aは基板111の両側に配置されてもよい。
【0100】
また、ゲート信号発生回路130aは導電層がパターニングして形成されてよく、信号配線132を含むことができる。信号配線132は、ゲート信号発生回路130aにクロック信号を供給するクロック信号配線を含むことができる。また、ゲート信号発生回路130aは、複数のトランジスターを含むことができる。ゲート信号発生回路130aは、基板111上の表示領域110aに画素101が配置される際に共に配置されてよい。
【0101】
平坦化膜113上にアノード電極114が配置されてよい(S820)。アノード電極114は第1ホール1Hを含むことができる。アノード電極114に形成された第1ホール1Hは、平坦化膜113で発生したガスが放出されるアウトガス(outgas)の経路となり、表示装置100の不良が発生することを防止することができる。第1ホール1Hは、非表示領域110bにおいてゲート信号発生回路130aと重なる位置に配置されてよい。
【0102】
アノード電極114の上部にバンク115を配置するが、バンク115は第1ホール1Hと重なる位置に配置されてよい(S830)。
【0103】
バンク115上にカソード電極116が配置されてよい(S840)。カソード電極116は基板111の上部を覆うことができる。カソード電極116はゲート信号発生回路130aの上部を覆うことができる。カソード電極116はゲート信号発生回路130aを遮蔽することができる。但し、製造過程においてカソード電極116は工程偏差が大きいため、カソード電極116がゲート信号発生回路130aの上部の一部だけを覆うこともあり、カソード電極116によるゲート信号発生回路130aの遮蔽効果が低下することがある。
【0104】
カソード電極116上に封止膜を配置することができる(S850)。封止膜は、第1無機膜117、第2無機膜119、及び第1無機膜117と第2無機膜19との間に配置される有機膜118を含むことができる。有機膜118の厚さは、第1無機膜117と第2無機膜119の厚さよりも厚くてよい。封止膜は、水分、空気を含む異物が透過することを防止することができる。
【0105】
封止膜上にタッチセンサー150が配置されてよい。タッチセンサー150はタッチ電極及びタッチ配線151を含むことができる。また、第2無機膜119は、タッチセンサー150が配置される時に有機膜118が損傷することを防止できる。
【0106】
また、第1ホール1Hは、タッチ配線151と重ならないように配置されてよい。第1ホール1Hは、タッチ配線151と信号配線132とが重ならない第1領域A、及びタッチ配線と信号配線とが重なる第2領域Bのうち、第1領域Aに配置されてよい。アノード電極114に含まれている第1ホール1Hがタッチ配線151と重ならないように配置されることにより、タッチ配線151と信号配線132はアノード電極114によって遮蔽され得る。したがって、カソード電極116及びアノード電極114によって二重で遮蔽され、ゲート信号発生回路130aの遮蔽効果が向上し得る。
【0107】
また、タッチ配線151は複数のタッチ信号ラインを含み、第1ホール1Hはタッチ信号ライン間に配置されてよい。また、タッチ配線151と信号配線132とが重ならない第2領域Bには、第1ホール1Hよりもサイズの小さい第2ホールH2が配置されてよい。
【0108】
本開示の技術的思想および開示範囲から逸脱することなく、本開示に対し様々な変更形態およびバリエーションが可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示のそれらの変更形態およびバリエーションは、特許請求の範囲の技術的範囲およびその均等範囲に含まれる限りにおいて、本開示によりカバーされると意図されている。
【符号の説明】
【0109】
100 表示装置
101 画素
110 表示パネル
120 データドライバー回路
130 ゲートドライバー回路
140 タイミングコントローラ