(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240619BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2023132123
(22)【出願日】2023-08-14
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】今井 里香
(72)【発明者】
【氏名】福岡 美和子
(72)【発明者】
【氏名】内田 博之
(72)【発明者】
【氏名】樋村 友紀
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅子
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-303281(JP,A)
【文献】特開平09-147039(JP,A)
【文献】特開昭62-191966(JP,A)
【文献】特開平06-149856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関の営業店舗で利用される営業店舗システムと、
前記営業店舗システムと通信可能に接続され、前記営業店舗システムが実行する業務処理において利用される複数のシステムを含む統合システムと、を含み、
前記営業店舗システムは、
前記営業店舗のカレンダー情報を含むカレンダーテーブルを格納する記憶部と、
前記営業店舗の廃店日の情報を含む廃店情報を取得する廃店情報取得部と、
前記廃店情報に基づき、前記営業店舗の廃店日以降の前記カレンダー情報を休日に書き換えたカレンダーテーブルを生成するカレンダーテーブル生成部と、を含み、
前記カレンダーテーブルの前記カレンダー情報が休日であるとき、前記営業店舗システムと前記複数のシステムの少なくとも1つとの通信接続が遮断される、情報処理システム。
【請求項2】
前記通信接続が遮断される前記複数のシステムの少なくとも1つは、勘定系システムである、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
金融機関の営業店舗で利用される営業店舗システムと、
前記営業店舗システムと通信可能に接続され、前記営業店舗システムが実行する業務処理において利用される第1のシステムおよび第2のシステムを含む統合システムと、を含み、
前記営業店舗システムは、前記営業店舗のカレンダー情報を含むカレンダーテーブルを格納する記憶部を含み、
前記第1のシステムは、
前記営業店舗の廃店日の情報を含む廃店情報を取得する廃店情報取得部と、
前記廃店情報に基づき、前記営業店舗の廃店日以降の前記カレンダー情報を休日に書き換えたカレンダーテーブルを生成するカレンダーテーブル生成部と、を含み、
前記カレンダーテーブルの前記カレンダー情報が休日であるとき、前記営業店舗システムと前記第1のシステムおよび第2のシステムの少なくとも1つとの通信接続が遮断される、情報処理システム。
【請求項4】
前記第1のシステムは、勘定系システムである、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1のシステムおよび前記第2のシステムは、それぞれ、情報系システムおよび勘定系システムである、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
金融機関の営業店舗で利用される営業店舗システムと、前記営業店舗システムと通信可能に接続され、前記営業店舗システムが実行する業務処理において利用される複数のシステムを含む統合システムと、を含む情報処理システムの情報処理方法であって、
前記営業店舗の廃店日の情報を含む廃店情報を取得し、
前記廃店情報に基づき、前記営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を休日に書き換えたカレンダーテーブルを生成し、
前記カレンダーテーブルの前記カレンダー情報が休日であるとき、前記営業店舗システムと前記複数のシステムの少なくとも1つとの通信接続を遮断する、情報処理方法。
【請求項7】
前記通信接続が遮断される前記複数のシステムの少なくとも1つは、勘定系システムである、請求項6に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、金融機関の業務処理で利用される情報処理システムに関する。また、本発明の一実施形態は、金融機関の業務処理で利用される情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関は、勘定系システム、情報系システム、および電子帳票系システムなど、業務処理に必要なシステムが統合された統合システムを有する。金融機関の営業店舗は、顧客に金融商品またはサービスを提供するため、通信接続を介して統合システムにアクセスし、統合システムに含まれる1つまたは複数のシステムを利用して業務処理を実行し、金融商品またはサービスを顧客に提供する。
【0003】
金融機関における統合システムは、業務処理の実行において必要不可欠な根幹となるシステムであり、国内の営業店舗からの通信接続だけでなく、海外の営業店舗からの通信接続においても利用される。そのため、統合システムそのものを入れ替えることは困難である場合が多い。特に、金融機関では、業務処理の実行における高い信頼性および安定性が要求されるため、現在となっては古い技術で構築された統合システムであっても利用され続けている。なお、このように古い技術で構築されたシステムは、一般的にはレガシーシステムと呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-164804号公報
【文献】特開2005-100216号公報
【文献】特開2003-303281号公報
【文献】特開平05-342453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金融機関の統合システムのようなレガシーシステムにおいても、業務処理の変更および追加に合わせて新たな技術が導入される。しかしながら、業務処理の変更および追加に応じて部分的な修正および機能の追加が行われた結果、統合システムは、肥大化、複雑化、およびブラックボックス化し、統合システムを修正する作業者の負担が増大している。
【0006】
例えば、金融機関の営業店舗を廃店する場合、廃店の店番の削除、廃店する営業店舗のスケジュールの修正など、営業店舗の廃店に対応して統合システムを修正する必要がある。しかしながら、古い技術で構築された統合システムの修正にあたっては、統合システムの内容の解析に時間および人材を要し、上述したように作業者の負担が増大する。また、統合システムの修正に要するコストも増大しがちである。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、金融機関の業務処理で利用される複数のシステムを含む情報処理システムであって、営業店舗の廃店に伴う廃店処理が容易な情報処理システムを提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、金融機関の業務処理で利用される複数のシステムを含む情報処理システムにおいて、営業店舗の廃店に伴う廃店処理が容易な情報処理方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、金融機関の営業店舗で利用される営業店舗システムと、営業店舗システムと通信可能に接続され、営業店舗システムが実行する業務処理において利用される複数のシステムを含む統合システムと、を含み、営業店舗システムは、営業店舗のカレンダー情報を含むカレンダーテーブルを格納する記憶部と、営業店舗の廃店日の情報を含む廃店情報を取得する廃店情報取得部と、廃店情報に基づき、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を休日に書き換えたカレンダーテーブルを生成するカレンダーテーブル生成部と、を含み、カレンダーテーブルのカレンダー情報が休日であるとき、営業店舗システムと複数のシステムの少なくとも1つとの通信接続が遮断される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、金融機関の営業店舗で利用される営業店舗システムと、営業店舗システムと通信可能に接続され、営業店舗システムが実行する業務処理において利用される複数のシステムを含む統合システムと、を含む情報処理システムの情報処理方法であって、営業店舗の廃店日の情報を含む廃店情報を取得し、廃店情報に基づき、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を休日に書き換えたカレンダーテーブルを生成し、カレンダーテーブルのカレンダー情報が休日であるとき、営業店舗システムと複数のシステムの少なくとも1つとの通信接続を遮断する。
【0010】
通信接続が遮断される複数のシステムの少なくとも1つは、勘定系システムであってもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、金融機関の営業店舗で利用される営業店舗システムと、営業店舗システムと通信可能に接続され、営業店舗システムが実行する業務処理において利用される第1のシステムおよび第2のシステムを含む統合システムと、を含み、営業店舗システムは、営業店舗のカレンダー情報を含むカレンダーテーブルを格納する記憶部を含み、第1のシステムは、営業店舗の廃店日の情報を含む廃店情報を取得する廃店情報取得部と、廃店情報に基づき、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を休日に書き換えたカレンダーテーブルを生成するカレンダーテーブル生成部と、を含み、カレンダーテーブルのカレンダー情報が休日であるとき、営業店舗システムと第1のシステムおよび第2のシステムの少なくとも1つとの通信接続が遮断される。
【0012】
第1のシステムは、勘定系システムであってもよい。
【0013】
第1のシステムおよび第2のシステムは、それぞれ、情報系システムおよび勘定系システムであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムまたは情報処理方法によれば、金融機関の営業店舗を廃店する場合において、作業者の作業負担を軽減するとともに、費用を削減することができる。また、本発明の一実施形態に係る情報処理システムまたは情報処理方法によれば、廃店した営業店舗での営業を再開する場合において、複雑な処理を実行することなく、容易に元の状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの営業店舗システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの営業店舗システムの記憶部203に格納されるカレンダーテーブルの構成を示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理方法における営業店舗システムの廃店処理を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの営業店舗システムにおいて、廃店処理後の記憶部に格納されるカレンダーテーブルの構成を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにおいて、廃店処理後の営業店舗システムの業務処理を説明するシーケンス図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにおいて、廃店処理後の営業店舗システムの業務処理を説明するシーケンス図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの勘定系システムおよび営業店舗システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの情報系システムおよび営業店舗システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は本発明の一例であって、本発明は、本実施形態に限定して解釈されない。すなわち、本実施形態に公知の技術を適用した変形例においても、本発明を実施することが可能である。
【0017】
本明細書において、各構成要素に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0018】
本明細書において、「金融機関」とは、金融取引に関する業務を行うことができる機関をいう。「金融機関」としては、例えば、銀行、郵便局、保険会社、または証券会社などであるが、これらに限られない。
【0019】
本明細書において、「サーバ」とは、ネットワークを通じて、特定のサービスを提供することができるコンピュータまたはプログラムをいう。「サーバ」は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、演算手段として中央演算装置(CPU)および記憶手段としてランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。また、「サーバ」は、通信インターフェース、ユーザインターフェース、またはストレージなどを含んでいてもよい。「サーバ」において、CPU、メモリ、ストレージ、および通信インターフェースのそれぞれは、通信バスによって電気的に接続されていてもよく、クラウドコンピューティングによって接続されていてもよい。なお、「サーバ」は、1つのコンピュータであってもよく、複数のコンピュータであってもよい。
【0020】
本明細書において、「システム」とは、「サーバ」を指す場合がある。
【0021】
本明細書において、「情報通信端末」とは、ネットワークを通じて情報にアクセスすることができる情報機器をいう。「情報通信端末」としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどであるが、これらに限られない。
【0022】
本明細書において、「ネットワーク」とは、複数のコンピュータを有線または無線によって接続し、相互に通信可能な状態にするシステムをいい、例えば、インターネットまたはイントラネットなどをいう。また、「ネットワーク」は、専用線であってもよく、VPNであってもよい。なお、金融機関内における閉じたネットワークでは、セキュリティの観点から専用線が用いられることが好ましい。
【0023】
<第1実施形態>
図1~
図7を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1および情報処理システム1を利用する情報処理方法について説明する。
【0024】
<1.情報処理システム1の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、情報処理システム1は、統合システム10、第1の営業店舗システム20-1、第2の営業店舗システム20-2、・・・、および第nの営業店舗システム20-nを含む。第1の営業店舗システム20-1、第2の営業店舗システム20-2、・・・、および第nの営業店舗システム20-nは、ネットワークNWを介して統合システム10と通信可能に接続されている。なお、以下では、第1の営業店舗システム20-1、第2の営業店舗システム20-2、・・・、および第nの営業店舗システム20-nのそれぞれを特に区別しない場合には、便宜上、営業店舗システム20として説明する。
【0026】
統合システム10は複数のシステムを含み、金融機関の複数の営業店舗の各々は、統合システム10の1つまたは複数のシステムで実行される業務処理を通じて、金融業務を行うことができる。すなわち、統合システム10は、金融機関の業務処理の基幹となる複数のシステムが統合されたシステムである。統合システム10は、勘定系システム11、情報系システム12、および電子帳票系システム13を含む。営業店舗システム20は、ネットワークNWを通じて、統合システム10に含まれる勘定系システム11、情報系システム12、および電子帳票系システム13を利用することができる。
【0027】
勘定系システム11は、送金、決済、融資、および為替などの勘定業務に関する業務処理を実行するシステムである。勘定系システム11には、取引が記録された勘定元帳が格納されており、勘定元帳に基づく業務処理が実行される。金融機関の営業店舗の各々は、勘定系システム11を利用することにより、送金、決済、融資、および為替などの金融商品およびサービスを顧客に提供することができる。
【0028】
情報系システム12は、金融業務の支援を目的とする業務処理を実行するシステムである。例えば、情報系システム12では、顧客情報および取引情報などの蓄積された情報を解析し、スクリーニング処理が実行される。これにより、不正送金などを検知することができる。また、金融機関の営業店舗の各々は、情報系システム12を利用し、顧客の要望に合わせた金融商品およびサービスを提案することもできる。
【0029】
電子帳票系システム13は、金融業務で利用される帳票の電子化に関する業務処理を実行するシステムである。金融機関の営業店舗の各々は、電子帳票系システム13を利用することにより、顧客に電子化された帳票を提供することができる。
【0030】
統合システム10では、勘定系システム11、情報系システム12、および電子帳票系システム13のそれぞれが独立して実行されてもよく、互いに連動して実行されてもよい。
【0031】
なお、統合システム10は、勘定系システム11、情報系システム12、および電子帳票系システム13以外のシステムを含んでいてもよい。例えば、統合システム10は、情報処理システム1を有する金融機関以外の他の金融機関のコンピュータおよびATMなどと通信接続するための対外系システムを含んでいてもよい。
【0032】
営業店舗システム20は、金融機関の営業店舗において、金融業務を行うために利用されるシステムである。営業店舗の従業員は、営業店舗システム20を介して統合システム10を利用し、顧客に金融商品またはサービスを提供することができる。換言すると、営業店舗システム20は、統合システム10と通信接続され、統合システム10を利用して顧客の要望に応じた業務処理を実行することができる。
【0033】
営業店舗システム20は、例えば、複数の営業店舗の各々に設置されるサーバである。営業店舗の従業員は、それぞれが所持する情報通信端末を営業店舗システム20と通信接続することにより、統合システム10を利用して金融業務を行うことができる。但し、営業店舗システム20の構成は、前述した構成に限られない。営業店舗システム20は、例えば、営業店舗の従業員の情報通信端末であってもよい。この場合、従業員の情報通信端末には、統合システム10を利用可能なプログラムがインストールされており、プログラムが実行されることにより営業店舗システム20を利用することが可能となる。
【0034】
なお、営業店舗システム20では、統合システム10の利用に際して従業員ごとに異なる権限が設定されていてもよい。例えば、一部の従業員に対しては、勘定系システム11および情報系システム12を利用する権限を設定し、別の従業員に対しては、勘定系システム11のみを利用する権限を設定することができる。また、統合システム10の利用における権限の設定としては、勘定系システム11および情報系システム12のようなシステム単位での設定に限られず、勘定系システム11で実行される取引処理単位での権限が設定されていてもよい。
【0035】
ここで、
図2を参照して、営業店舗システム20の構成について説明する。
【0036】
<2.営業店舗システム20の構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の営業店舗システム20の構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、営業店舗システム20は、廃店情報取得部201、カレンダーテーブル生成部202、および記憶部203を含む。営業店舗システム20は、所定のプログラムを実行することにより、廃店情報取得部201およびカレンダーテーブル生成部202を機能させ、または記憶部203からデータを読み出し、もしくは記憶部203にデータを書き込むことができる。記憶部203には、カレンダーテーブル204が格納されている。以下では、営業店舗システム20で実行される営業店舗の廃店処理の観点から、廃店情報取得部201およびカレンダーテーブル生成部202について説明するが、営業店舗システム20には、廃店情報取得部201およびカレンダーテーブル生成部202以外の機能を実行する構成要素が含まれていてもよい。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の営業店舗システム20の記憶部203に格納されるカレンダーテーブル204の構成を示す模式図である。
【0039】
図3に示すように、カレンダーテーブル204は、営業店舗のカレンダー情報を含むデータテーブルである。カレンダーテーブル204の日付の項目欄の「20230703」は、2023年7月3日を表す。カレンダーテーブル204には、営業店舗のカレンダー情報として「平日」および「休日」のいずれかが示されている(なお、本明細書では、便宜上、祝日は「休日」に含まれるものとして説明する。)。「平日」および「休日」は、それぞれ、営業店舗の営業日および休業日に対応する。例えば、カレンダーテーブル204によれば、2023年7月3日は「平日」であり、営業店舗の営業日である。また、カレンダーテーブル204によれば、2023年8月5日は「休日」であり、営業店舗の休業日である。このように、カレンダーテーブル204に示される「平日」または「休日」よって、営業店舗の営業状態(営業日または休業日)を判定することができる。営業店舗は国内だけでなく海外においても開業されるため、カレンダー情報は、営業店舗ごとに異なる場合がある。すなわち、営業店舗の営業状態は、同日であっても営業店舗ごとに異なる場合がある。
【0040】
営業店舗が営業日であるとき(すなわち、カレンダーテーブル204のカレンダー情報が「平日」であるとき)、営業店舗システム20は、統合システム10と通信可能に接続される。この場合、営業店舗システム20は、統合システム10を利用して業務処理を実行することができる。一方、営業店舗が休業日であるとき(すなわち、カレンダーテーブル204のカレンダー情報が「休日」であるとき)、営業店舗システム20は、統合システム10と通信接続することができない。換言すると、統合システム10は、休業日である営業店舗の営業店舗システム20との通信接続を遮断する。この場合、営業店舗システム20は、統合システム10を利用して業務処理を実行することができない。
【0041】
廃店情報取得部201は、廃店する営業店舗に関する廃店情報を取得する。営業店舗を廃店する場合には、作業者による入力操作によって生成された廃店情報が営業店舗システム20に送信される。廃店情報が営業店舗システム20によって受信されると、廃店情報取得部201が廃店情報を取得する。廃店情報は、少なくとも営業店舗が廃店される日(以下、「廃店日」という。)の情報を含み、営業店舗の名称または店番などを含んでいてもよい。
【0042】
カレンダーテーブル生成部202は、カレンダーテーブルを生成することができる。例えば、営業店舗のカレンダー情報を更新するとき、カレンダー情報が営業店舗システム20に送信される。カレンダー情報が営業店舗システム20によって受信されると、カレンダーテーブル生成部202は、受信されたカレンダー情報に基づき、カレンダーテーブルを生成する。生成されたカレンダーテーブルは、カレンダーテーブル204として記憶部203に格納される。すなわち、記憶部203に格納されるカレンダーテーブル204が更新される。
【0043】
また、廃店情報取得部201が廃店情報を取得すると、カレンダーテーブル生成部202は、廃店情報に基づき、カレンダーテーブルを生成する。具体的には、カレンダーテーブル生成部202は、記憶部203からカレンダーテーブル204を読み出し、廃店日以降のカレンダー情報を「休日」に書き換える。また、生成されたカレンダーテーブルは、カレンダーテーブル204として記憶部203に格納される。このように、営業店舗の廃店と対応して、営業店舗システム20の廃店処理が実行される。
【0044】
ここで、
図4~
図7を参照して、情報処理システム1における営業店舗システム20の廃店処理についてさらに詳細に説明する。
【0045】
<3.情報処理システム1における営業店舗システム20の廃店処理>
図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法における営業店舗システム20の廃店処理を説明するフローチャートである。また、
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の営業店舗システム20において、廃店処理後の記憶部203に格納されるカレンダーテーブル204の構成を示す模式図である。また、
図6および
図7は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1において、廃店処理後の営業店舗システム20の業務処理を説明するシーケンス図である。
【0046】
図4に示すフローチャートは、ステップS10およびステップS20を含む。以下、各ステップを順に説明する。
【0047】
ステップS10では、廃店情報取得部201が、廃店日(2023年7月6日)の情報を含む廃店情報を取得する。営業店舗の廃店が決定されたとき、作業者は、廃店情報を生成し、廃店する営業店舗の営業店舗システム20に廃店情報を送信する。なお、廃店情報は、作業者による情報通信端末の操作入力を通じて生成されてもよく、作業者が営業店舗システム20を直接操作入力することによって生成されてもよい。
【0048】
ステップS20では、カレンダーテーブル生成部202が、記憶部203からカレンダーテーブル204を読み出し、廃店日である2023年7月6日以降のカレンダー情報が全て「休日」に書き換えられたカレンダーテーブルを生成する。すなわち、カレンダーテーブル生成部202は、廃店日である2023年7月6日だけでなく、「平日」であった2023年8月1日、2023年8月2日、および2023年8月3日なども「休日」に書き換える。生成されたカレンダーテーブルは、カレンダーテーブル204として記憶部203に格納される(
図5参照)。
【0049】
図6では、第1の営業店舗システム20-1において廃店処理が実行されている。すなわち、第1の営業店舗システム20-1は、廃店日以降のカレンダーテーブル204のカレンダー情報が「休日」であるため、勘定系システム11と通信接続することができない。そのため、廃店処理が実行された第1の営業店舗システム20-1は、勘定系システム11を利用して業務処理を実行することができない(
図6のステップS100参照)。
【0050】
図7では、第1の営業店舗システム20-1において廃店処理が実行されているが、第2の営業店舗システム20-2では廃店処理が実行されていない。情報処理システム1では、勘定系システム11を介して、第2の営業店舗システム20-2と第1の営業店舗システム20-1とが通信接続され、業務処理を実行する場合がある。例えば、
図7の業務処理としては、第2の営業店舗の口座から第1の営業店舗の口座へ送金を行う場合である。しかしながら、第1の営業店舗システム20-1は、廃店日以降のカレンダーテーブル204のカレンダー情報が「休日」であるため、勘定系システム11と通信接続することができない。すなわち、第2の営業店舗システム20-2と第1の営業店舗システム20-1とは通信接続されない。そのため、第2の営業店舗システム20-2は、勘定系システム11を利用して第1の営業店舗システム20-1に関連する業務処理を実行することができない(
図7のステップS200参照)。
【0051】
上述したように、情報処理システム1においては、営業店舗システム20のカレンダーテーブル204の廃店日以降のカレンダー情報を「休日」とすることにより、営業店舗システム20と統合システム10との通信接続を遮断することができる。そのため、廃店処理が実行された営業店舗システム20を有する営業店舗では、金融業務を行うことができず、実質的に営業店舗が廃店されたものとして取り扱うことができる。
【0052】
なお、情報処理システム1では、廃店処理が実行された営業店舗システム20であっても、通常のカレンダー情報に基づいてカレンダーテーブル204を書き換えることにより、営業店舗システム20と統合システム10との通信接続が可能となる。
【0053】
本実施形態に係る情報処理システム1または情報処理方法によれば、金融機関の営業店舗が廃店される場合、営業店舗システム20のカレンダーテーブル204の更新し、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を「休日」とする廃店処理が実行される。この廃店処理においては、作業者による統合システム10の修正および追加などの作業が発生しないため、作業者の作業負担が軽減され、費用を削減することができる。また、本実施形態に係る情報処理システム2または情報処理方法によれば、一旦廃店した営業店舗であっても、営業店舗システム20のカレンダーテーブル204を通常のカレンダースケジュールに書き換えることで、容易に元の状態に戻すことができる。すなわち、再開する営業店舗の営業店舗システム20と統合システム10との通信接続の遮断も容易に解除することができる。
【0054】
<第2実施形態>
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム2について説明する。なお、以下では、情報処理システム2の構成が情報処理システム1の構成と同様であるとき、情報処理システム2の構成の説明を省略する場合がある。
【0055】
情報処理システム2は、概ね、情報処理システム1と同様の構成を有する。例えば、情報処理システム2の構成は、
図1に示すブロック図を参照して説明することができる。
【0056】
図8は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム2の勘定系システム11および営業店舗システム20の構成を示すブロック図である。
【0057】
情報処理システム2では、
図8に示すように、勘定系システム11が、廃店情報取得部111およびカレンダーテーブル生成部112を含む。廃店情報取得部111およびカレンダーテーブル生成部112は、それぞれ、廃店情報取得部201およびカレンダーテーブル生成部202と同様の機能を有する。
【0058】
廃店情報取得部111は、作業者の入力操作によって生成された廃店情報を取得する。廃店情報取得部111が取得する廃店情報には、廃店する営業店舗の情報(営業店舗の名称または店番など)または廃店する営業店舗の営業店舗システム20の情報(営業店舗システム20の名称またはIPアドレスなど)、および廃店日の情報が含まれる。廃店情報取得部111が廃店情報を取得すると、営業店舗システム20の廃店処理が実行される。具体的には、カレンダーテーブル生成部112は、廃店情報に含まれる営業店舗の情報または営業店舗システムの情報に基づき、廃店する営業店舗の営業店舗システム20の記憶部203からカレンダーテーブル204を読み出す。また、カレンダーテーブル生成部112は、読み出されたカレンダーテーブルの廃店日以降のカレンダー情報を「休日」に書き換える。新たに生成されたカレンダーテーブルは、カレンダーテーブル204として、廃店する営業店舗の営業店舗システム20の記憶部203に格納される。すなわち、廃店する営業店舗の営業店舗システム20では、カレンダーテーブル204が更新され、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報が「休日」となる。この場合、廃店日以降において、営業店舗システム20は、統合システム10と通信接続することができず、業務処理を実行することができない。そのため、廃店処理が実行された営業店舗システム20を有する営業店舗では、金融業務を行うことができず、営業店舗が廃店されたものとして取り扱うことができる。
【0059】
本実施形態に係る情報処理システム2または情報処理方法によれば、金融機関の営業店舗が廃店される場合、営業店舗システム20のカレンダーテーブル204の更新し、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を「休日」とする廃店処理が実行される。この廃店処理においては、作業者による統合システム10の修正および追加などの作業が発生しないため、作業者の作業負担が軽減され、費用を削減することができる。また、本実施形態に係る情報処理システム2または情報処理方法によれば、一旦廃店した営業店舗であっても、営業店舗システム20のカレンダーテーブル204を通常のカレンダースケジュールに書き換えることで、容易に元の状態に戻すことができる。すなわち、再開する営業店舗の営業店舗システム20と統合システム10との通信接続の遮断も容易に解除することができる。
【0060】
<変形例>
図9を参照して、本実施形形態に係る情報処理システム2の一変形例である情報処理システム3について説明する。なお、以下では、情報処理システム3の構成が情報処理システム2の構成と同様であるとき、情報処理システム3の構成の説明を省略する場合がある。
【0061】
図9は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム3の情報系システム12および営業店舗システム20の構成を示すブロック図である。
【0062】
情報処理システム3では、
図9に示すように、情報系システム12が、廃店情報取得部121およびカレンダーテーブル生成部122を含む。廃店情報取得部121およびカレンダーテーブル生成部122は、それぞれ、廃店情報取得部111およびカレンダーテーブル生成部112と同様の機能を有する。すなわち、営業店舗システム20の廃店処理が実行される。廃店する営業店舗の営業店舗システム20では、カレンダーテーブル204が更新され、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報が「休日」となる。この場合、廃店日以降において、営業店舗システム20は、統合システム10と通信接続することができず、業務処理を実行することができない。そのため、廃店処理が実行された営業店舗システム20を有する営業店舗では、金融業務を行うことができず、営業店舗が廃店されたものとして取り扱うことができる。
【0063】
本実施形態に係る情報処理システム3または情報処理方法によれば、金融機関の営業店舗が廃店される場合、営業店舗システム20のカレンダーテーブル204の更新し、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を「休日」とする廃店処理が実行される。この廃店処理においては、作業者による統合システム10の修正および追加などの作業が発生しないため、作業者の作業負担が軽減され、費用を削減することができる。また、本実施形態に係る情報処理システム2または情報処理方法によれば、一旦廃店した営業店舗であっても、営業店舗システム20のカレンダーテーブル204を通常のカレンダースケジュールに書き換えることで、容易に元の状態に戻すことができる。すなわち、再開する営業店舗の営業店舗システム20と統合システム10との通信接続の遮断も容易に解除することができる。
【0064】
本発明の実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜構成要素を組み合わせて実施することができる。また、実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または工程の追加、省略、もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0065】
上述した実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0066】
1、2、3:情報処理システム、 10:統合システム、 11:勘定系システム、 12:情報系システム、 13:電子帳票系システム、 20:営業店舗システム、 20-1:第1の営業店舗システム、 20-2:第2の営業店舗システム、 20-n:営業店舗システム、 111、121、201:廃店情報取得部、 112、122、202:カレンダーテーブル生成部、 203:記憶部、 204:カレンダーテーブル
【要約】
【課題】金融機関における営業店舗の廃店対応が容易な情報処理システムを提供すること。
【解決手段】情報処理システムは、金融機関の営業店舗で利用される営業店舗システムと、営業店舗システムと通信可能に接続され、営業店舗システムが実行する業務処理において利用される複数のシステムを含む統合システムと、を含み、営業店舗システムは、営業店舗のカレンダー情報を含むカレンダーテーブルを格納する記憶部と、営業店舗の廃店日の情報を含む廃店情報を取得する廃店情報取得部と、廃店情報に基づき、営業店舗の廃店日以降のカレンダー情報を休日に書き換えたカレンダーテーブルを生成するカレンダーテーブル生成部と、を含み、カレンダーテーブルのカレンダー情報が休日であるとき、営業店舗システムと複数のシステムの少なくとも1つとの通信接続が遮断される。
【選択図】
図1