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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/265 20180101AFI20240619BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20240619BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240619BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240619BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20240619BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240619BHJP
【FI】
F21S41/265
F21S41/141
F21V5/00 510
F21V5/04 100
F21W102:13
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023136597
(22)【出願日】2023-08-24
(62)【分割の表示】P 2019069812の分割
【原出願日】2019-04-01
(65)【公開番号】P2023153375
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭則
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-146665(JP,A)
【文献】特開2009-283299(JP,A)
【文献】特開2017-174737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21S 43/00
F21V 5/00
F21W 102/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具において、
上記灯具ユニットとして第1および第2灯具ユニットを備えており、
上記第1および第2灯具ユニットの各々において、上記透光部材は、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部と、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部とを備えており、
上記全反射制御部の全反射面は、上記直射光制御部の周囲において周方向に複数の反射領域に区分けされており、
上記第1灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子が形成されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に対して傾斜した斜め方向に拡散させる複数の斜め拡散レンズ素子が形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材における直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子は、上下方向に延びる凸シリンドリカルレンズ状に形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材において、上記直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角は、上記全反射制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材において、上記直射光制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角は、上記全反射制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具において、
上記灯具ユニットとして第1および第2灯具ユニットを備えており、
上記第1および第2灯具ユニットの各々において、上記透光部材は、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部と、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部とを備えており、
上記全反射制御部の全反射面は、上記直射光制御部の周囲において周方向に複数の反射領域に区分けされており、
上記第1灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子が形成されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に対して傾斜した斜め方向に拡散させる複数の斜め拡散レンズ素子が形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材における直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子は、上下方向に延びる凸シリンドリカルレンズ状に形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材は、上記全反射制御部の出射面が内周側環状領域と外周側環状領域とに区分けされるとともに、上記内周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角が上記外周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材は、上記全反射制御部の出射面が内周側環状領域と外周側環状領域とに区分けされるとともに、上記内周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角が上記外周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
上記第1および第2灯具ユニットの各々の透光部材は、上記全反射制御部の出射面が上記直射光制御部の出射面に対して灯具前方側に変位しているとともに、上記全反射制御部の出射面の外周側環状領域が該出射面の内周側環状領域に対して灯具前方側に変位している、ことを特徴とする請求項2記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記第1灯具ユニットの透光部材において、上記直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子および上記全反射制御部の出射面の内周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子は、灯具正面視において上記発光素子に近づく方向の拡散角が上記発光素子から離れる方向の拡散角よりも大きい値に設定されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材において、上記直射光制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子および上記全反射制御部の出射面の内周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子は、灯具正面視において上記発光素子に近づく方向の拡散角が上記発光素子から離れる方向の拡散角よりも大きい値に設定されている、ことを特徴とする請求項3記載の車両用灯具。
【請求項5】
上記第1灯具ユニットの発光素子は、該発光素子の発光面の下端縁が水平方向に延びるようにした状態で配置されており、
上記第2灯具ユニットの発光素子は、該発光素子の発光面の下端縁が上記斜め方向に延びるようにした状態で配置されている、ことを特徴とする請求項1~4いずれか記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用灯具の構成として、発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有するものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような車両用灯具の灯具ユニットにおける透光部材の構成として、該透光部材に入射した発光素子からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部と、該透光部材に入射した発光素子からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部とを備えたものが記載されている。
【0004】
また「特許文献2」には、このような透光部材の構成として、その全反射制御部の全反射面が直射光制御部の周囲において周方向に複数の反射領域に区分けされたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-146665号公報
【文献】特開2009-283299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記「特許文献1」に記載された灯具ユニットのように、その透光部材として直射光制御部と全反射制御部とを備えた構成を採用することにより、発光素子からの出射光の多くを透光部材から灯具前方へ向けて出射させることが可能となり、これにより光源光束の利用効率向上を図ることが可能となる。
【0007】
その際、上記「特許文献2」に記載されているような透光部材を採用することにより、その全反射制御部の全反射面を構成する各反射領域からの反射光によって形成される配光パターンの上端位置を揃えることが可能となり、これにより全反射制御部からの出射光によって形成される配光パターンとして上端縁にカットオフラインを有する配光パターンを形成することが可能となる。
【0008】
しかしながら、このような構成を採用した場合においても、上端縁に水平および斜めカットオフラインを有する明るい配光パターンを形成することは容易でない。
【0009】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具において、光源光束の利用効率向上を図った上で、上端縁に水平および斜めカットオフラインを有する明るい配光パターンを形成することができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、所定の第1および第2灯具ユニットを備えた構成とすることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0011】
すなわち、本願第1の発明に係る車両用灯具は、
発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具において、
上記灯具ユニットとして第1および第2灯具ユニットを備えており、
上記第1および第2灯具ユニットの各々において、上記透光部材は、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部と、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部とを備えており、
上記全反射制御部の全反射面は、上記直射光制御部の周囲において周方向に複数の反射領域に区分けされており、
上記第1灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子が形成されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に対して傾斜した斜め方向に拡散させる複数の斜め拡散レンズ素子が形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材における直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子は、上下方向に延びる凸シリンドリカルレンズ状に形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材において、上記直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角は、上記全反射制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材において、上記直射光制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角は、上記全反射制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されている、ことを特徴とするものである。
また、本願第2の発明に係る車両用灯具は、
発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具において、
上記灯具ユニットとして第1および第2灯具ユニットを備えており、
上記第1および第2灯具ユニットの各々において、上記透光部材は、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部と、該透光部材に入射した上記発光素子からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部とを備えており、
上記全反射制御部の全反射面は、上記直射光制御部の周囲において周方向に複数の反射領域に区分けされており、
上記第1灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子が形成されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に対して傾斜した斜め方向に拡散させる複数の斜め拡散レンズ素子が形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材における直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子は、上下方向に延びる凸シリンドリカルレンズ状に形成されており、
上記第1灯具ユニットの透光部材は、上記全反射制御部の出射面が内周側環状領域と外周側環状領域とに区分けされるとともに、上記内周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角が上記外周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されており、
上記第2灯具ユニットの透光部材は、上記全反射制御部の出射面が内周側環状領域と外周側環状領域とに区分けされるとともに、上記内周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角が上記外周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定されている、ことを特徴とするものである。
【0012】
上記「発光素子」の種類は特に限定されるものではなく、例えば発光ダイオードやレーザダイオード等が採用可能である。
【0013】
上記「水平拡散レンズ素子」は、透光部材からの出射光を水平方向に拡散させるように構成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。
【0014】
上記「斜め拡散レンズ素子」は、透光部材からの出射光を水平方向に対して傾斜した斜め方向に拡散させるように構成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係る車両用灯具は、第1および第2灯具ユニットを備えており、その各々の透光部材は、該透光部材に入射した発光素子からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部と、該透光部材に入射した発光素子からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部とを備えているので、発光素子からの出射光の多くを透光部材から灯具前方へ向けて出射させることが可能となり、これにより光源光束の利用効率を向上させることが可能となる。
【0016】
その際、第1および第2灯具ユニットの各々は、その透光部材における全反射制御部の全反射面が、直射光制御部の周囲において周方向に複数の反射領域に区分けされているので、各反射領域からの反射光によって形成される配光パターンの上端位置を揃えることが容易に可能となる。
【0017】
その上で、第1灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子が形成されるとともに、第2灯具ユニットの透光部材の出射面には、該透光部材からの出射光を水平方向に対して傾斜した斜め方向に拡散させる複数の斜め拡散レンズ素子が形成されているので、第1および第2灯具ユニットからの照射光によって上端縁に水平および斜めカットオフラインを有する明るい配光パターンを形成することが可能となる。
【0018】
このように本願発明によれば、発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具において、光源光束の利用効率向上を図った上で、上端縁に水平および斜めカットオフラインを有する明るい配光パターンを形成することができる。
【0019】
上記構成において、さらに、第1灯具ユニットの発光素子として、その発光面の下端縁が水平方向に延びるようにした状態で配置された構成とするとともに、第2灯具ユニットの発光素子として、その発光面の下端縁が上記斜め方向に延びるようにした状態で配置された構成とすれば、第1灯具ユニットの直射光制御部からの出射光により形成される配光パターンを、上端縁に鮮明な水平カットオフラインを有する配光パターンとするとともに、第2灯具ユニットの直射光制御部からの出射光により形成される配光パターンを、上端縁に鮮明な斜めカットオフラインを有する配光パターンとすることができる。
【0020】
上記構成において、さらに、第1灯具ユニットの透光部材として、その直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角が全反射制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定された構成とするとともに、第2灯具ユニットの透光部材として、その直射光制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角が全反射制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、直射光制御部は全反射制御部よりも発光素子から近い位置にあるので、直射光制御部からの出射光により形成される配光パターンは、全反射制御部からの出射光により形成される配光パターンよりも大きい配光パターンとなる。
【0022】
そこで、直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子および斜め拡散レンズ素子の拡散角を、全反射制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子および斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定することにより、第1および第2灯具ユニットからの照射光によって形成される配光パターンを配光ムラの少ない配光パターンとして形成することができる。
【0023】
上記構成において、さらに、第1灯具ユニットの透光部材として、その全反射制御部の出射面が内周側環状領域と外周側環状領域とに区分けされた構成とした上で、内周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角が外周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定された構成とするとともに、第2灯具ユニットの透光部材として、その全反射制御部の出射面が内周側環状領域と外周側環状領域とに区分けされた構成とした上で、内周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角が外周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0024】
すなわち、内周側環状領域からの出射光により形成される配光パターンは、外周側環状領域からの出射光により形成される配光パターンよりも大きい配光パターンとなる。
【0025】
そこで、内周側環状領域に形成された水平および斜め拡散レンズ素子の拡散角を、外周側環状領域に形成された水平および斜め拡散レンズ素子の拡散角よりも大きい値に設定することにより、第1および第2灯具ユニットからの照射光によって形成される配光パターンを配光ムラの少ない配光パターンとして形成することができる。
【0026】
その際、第1および第2灯具ユニットの各々の透光部材として、全反射制御部の出射面が直射光制御部の出射面に対して灯具前方側に変位しているとともに、全反射制御部の出射面の外周側環状領域が該出射面の内周側環状領域に対して灯具前方側に変位している構成とすれば、透光部材の肉厚を薄くすることができる。
【0027】
このようにした場合において、第1灯具ユニットの透光部材において、直射光制御部の出射面に形成された水平拡散レンズ素子および全反射制御部の出射面の内周側環状領域に形成された水平拡散レンズ素子を、灯具正面視において発光素子に近づく方向の拡散角が発光素子から離れる方向の拡散角よりも大きい値に設定された構成とするとともに、第2灯具ユニットの透光部材において、直射光制御部の出射面に形成された斜め拡散レンズ素子および全反射制御部の出射面の内周側環状領域に形成された斜め拡散レンズ素子を、灯具正面視において発光素子に近づく方向の拡散角が発光素子から離れる方向の拡散角よりも大きい値に設定された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0028】
すなわち、直射光制御部の出射面からの出射光がその外周側に位置する立壁部によって遮光されてしまいにくくするとともに、全反射制御部の出射面の内周側環状領域からの出射光がその外周側に位置する立壁部によって遮光されてしまいにくくすることができる。そしてこれにより、光源光束の利用効率向上を図ることができるとともに迷光の発生を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す正面図
図2図1のII-II線断面図
図3図1のIII-III線断面図
図4図1のIV-IV線断面図
図5】上記車両用灯具の第1灯具ユニットを単品で示す斜視図
図6】上記車両用灯具からの照射光により形成される配光パターンを透視的に示す図であって、(a)はロービーム用配光パターンを示す図、(b)はハイビーム用配光パターンを示す図
図7】上記第1灯具ユニットからの照射光によって形成される配光パターンの成立過程を説明するための図(その1)
図8】上記第1灯具ユニットからの照射光によって形成される配光パターンの成立過程を説明するための図(その2)
図9】上記第1灯具ユニットからの照射光によって形成される配光パターンの成立過程を説明するための図(その3)
図10】(a)は上記車両用灯具の第2灯具ユニットの直射光制御部からの出射光によって形成される配光パターンを第2灯具ユニットの構成と共に示す図、(b)は上記第2灯具ユニットの全反射制御部からの出射光によって形成される配光パターンを第2灯具ユニットの構成と共に示す図
図11】上記実施形態の第1変形例を示す、図4と同様の図
図12】上記第1変形例の作用を示す、図6と同様の図
図13】上記実施形態の第2変形例を示す、図3と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0031】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図である。また、図2は、図1のII-II線断面図であり、図3は、図1のIII-III線断面図であり、図4は、図1のIV-IV線断面図である。
【0032】
これらの図において、Xで示す方向が車両用灯具10としての「前方」(車両としても「前方」)であり、Yで示す方向が「前方」と直交する「左方向」(車両としても「左方向」であるが灯具正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の前端部に設けられるヘッドランプであって、ランプボディ12とその前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、プロジェクタ型の第1、第2および第3灯具ユニット20、40、60が組み込まれた構成となっている。
【0034】
そして、この車両用灯具10は、第1および第2灯具ユニット20、40からの照射光によってロービーム用配光パターンを形成するとともに、第3灯具ユニット60の照射光を追加することによってハイビーム用配光パターンを形成する構成となっている。
【0035】
まず、第1灯具ユニット20の構成について説明する。
【0036】
図5は、第1灯具ユニット20を単品で示す斜視図である。
【0037】
図2、3、5に示すように、第1灯具ユニット20は、発光素子22からの出射光を透光部材24を介して灯具前方へ向けて照射するように構成されている。
【0038】
発光素子22は、矩形状(例えば正方形)の発光面22aを有する白色発光ダイオードであって、基板26に搭載された状態で灯具前方(車両としても前方)へ向けて配置されている。この基板26はランプボディ12に支持されている。
【0039】
この発光素子22は、灯具前後方向に延びる軸線Axの上方近傍において、その発光面22aの下端縁が水平方向に延びるようにした状態で配置されている。
【0040】
透光部材24は、アクリル樹脂等の透明な合成樹脂成形品で構成されている。この透光部材24は、発光素子22の灯具前方に配置されており、図示しない支持構造を介してランプボディ12に支持されている。
【0041】
この透光部材24は、該透光部材24に入射した発光素子22からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部24Aと、該透光部材24に入射した発光素子22からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部24Bとを備えた構成となっている。
【0042】
直射光制御部24Aは、灯具正面視において軸線Axを中心とする円形状の領域として設定されている。
【0043】
この直射光制御部24Aの後面24Abは、軸線Axを中心とする凸曲面状の回転曲面で構成されている。そして、この直射光制御部24Aは、その後面24Abにおいて発光素子22の発光中心からの出射光をやや下向きの平行光として向けて入射させるようになっている。
【0044】
全反射制御部24Bは、直射光制御部24Aの外周側に位置する領域であって、灯具正面視において軸線Axを中心とする円環状の領域として設定されている。
【0045】
この全反射制御部24Bの後面24Bbは、発光素子22からの出射光を軸線Axから離れる方向へ屈折させるようにして入射させる入射面24Bb1と、この入射面24Bb1からの入射光を灯具前方へ向けて全反射させる全反射面24Bb2とを備えている。
【0046】
入射面24Bb1は、軸線Axを中心とする円筒面に近い円錐面で構成されている。全反射面24Bb2は、軸線Axを中心とする凸曲面状の回転曲面を基準面とする曲面で構成されている。
【0047】
そして、この全反射制御部24Bは、入射面24Bb1から入射した発光素子22の発光中心からの光を、全反射面24Bb2においてやや下向きの平行光として反射させるように構成されている。
【0048】
この全反射制御部24Bの全反射面24Bb2は、軸線Axを中心にして周方向に8つの反射領域L1、L2、L3、L4、R1、R2、R3、R4に区分けされている。具体的には、これら8つの反射領域L1~L4、R1~R4は、灯具正面視において軸線Axを中心とする同一サイズの扇形の外形形状を有しており、かつ、軸線Axを含む鉛直面の左右両側に左右対称の位置関係で配置されている。
【0049】
これら8つの反射領域L1~L4、R1~R4は、上下方向の光反射角度が各反射領域毎に少しずつ異なる値に設定されているが、左右対称の位置関係にある反射領域同士(すなわち反射領域L1~L4の各々と反射領域R1~R4の各々と)は左右対称の表面形状を有している。
【0050】
透光部材24の出射面24aは、灯具正面視において同心円状に区分けされた3つの出射領域24aA、24aB、24aCで構成されている。
【0051】
中心に位置する出射領域24aAは、灯具正面視において軸線Axを中心とする円形状の領域であって、その径は全反射制御部24Bの全反射面24Bb2の内周縁の径よりもやや大きい値に設定されている。
【0052】
この出射領域24aAの外周側に隣接する出射領域24aBは、出射領域24aAに対して灯具前方側に変位した円環状の領域として形成されている。また、この出射領域24aBの外周側に隣接する出射領域24aCは、出射領域24aBに対して灯具前方側に変位した円環状の領域として形成されている。
【0053】
各出射領域24aA~24aCには、該出射領域24aA~24aCに到達した発光素子22からの光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子24sA、24sB、24sCが形成されている。各水平拡散レンズ素子24sA~24sCは、上下方向に延びる凸シリンドリカルレンズ状に形成されており、発光素子22からの光を水平方向に左右均等に拡散させるように構成されている。
【0054】
その際、出射領域24aAに形成された水平拡散レンズ素子24sAの拡散角は、出射領域24aBに形成された水平拡散レンズ素子24sBの拡散角よりも大きい値に設定されている。また、出射領域24aBに形成された水平拡散レンズ素子24sBの拡散角は、出射領域24aCに形成された水平拡散レンズ素子24sCの拡散角よりも大きい値に設定されている。
【0055】
次に、第2灯具ユニット40の構成について説明する。
【0056】
図4に示すように、第2灯具ユニット40も、発光素子42からの出射光を透光部材44を介して灯具前方へ向けて照射するように構成されている。
【0057】
ただし、第2灯具ユニット40は、図1に示すように第1灯具ユニット20を灯具前後方向に延びる軸線Axを中心にして時計回り(灯具正面視では反時計回り)に所定角度(具体的には15°)回転させた上で、その透光部材44の出射面44aを灯具ユニット20の場合と一部異なった構成にしたものとなっている。
【0058】
すなわち、第2灯具ユニット40の発光素子42も、第1灯具ユニット20の発光素子22と同様の構成を有しており、軸線Axの上方近傍において基板46に搭載された状態で灯具前方へ向けて配置されているが、その発光面42aの下端縁が水平方向に対して15°傾斜した斜め方向に延びている。
【0059】
また、第2灯具ユニット40の透光部材44も、該透光部材44に入射した発光素子42からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部44Aと、該透光部材44に入射した発光素子42からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部44Bとを備えた構成となっている。
【0060】
直射光制御部44Aの後面44Abおよび全反射制御部44Bの後面44Bbは、その形状自体は第1灯具ユニット20の場合と同様であるが、時計回りに15°回転した構成となっている。
【0061】
透光部材44の出射面44aは、第1灯具ユニット20の場合と同様、灯具正面視において同心円状に区分けされた3つの出射領域44aA、44aB、44aCで構成されており、各出射領域44aA~44aCには、透光部材44からの出射光を水平方向に対して15°傾斜した斜め方向に拡散させる複数の斜め拡散レンズ素子44sA、44sB、44sCが形成されている。
【0062】
各斜め拡散レンズ素子44sA~44sCは、上記斜め方向と直交する方向に延びる凸シリンドリカルレンズ状に形成されており、発光素子42からの光を上記斜め方向に左右均等に拡散させるように構成されている。
【0063】
ただし、各斜め拡散レンズ素子44sA~44sCの拡散角は、灯具ユニット20における各水平拡散レンズ素子24sA~24sCの拡散角よりも小さい値(例えば半分程度の値)に設定されている。
【0064】
その際、斜め拡散レンズ素子44sAの拡散角は斜め拡散レンズ素子44sBの拡散角よりも大きい値に設定されており、また、斜め拡散レンズ素子44sBの拡散角は斜め拡散レンズ素子44sCの拡散角よりも大きい値に設定されている。
【0065】
次に、第3灯具ユニット60の構成について説明する。
【0066】
図1に示すように、第3灯具ユニット60も、発光素子62からの出射光を透光部材64を介して灯具前方へ向けて照射するように構成されている。
【0067】
ただし、第3灯具ユニット60は、その発光素子62の配置および透光部材64の構成が灯具ユニット20の場合と一部異なっている。
【0068】
すなわち、第3灯具ユニット60の発光素子62は、その構成自体は第1灯具ユニット20の場合と同様であるが、その発光面62aの中心を灯具前後方向に延びる軸線Ax上に位置させるようにした状態で配置されている。
【0069】
また、第3灯具ユニット60の透光部材64も、該透光部材64に入射した発光素子62からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部64Aと、該透光部材64に入射した発光素子62からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部64Bとを備えた構成となっている。
【0070】
直射光制御部64Aの後面64Abの構成は、第1灯具ユニット20の場合と同様である。一方、全反射制御部64Bの後面64Bbは、その全反射面64Bb2が軸線Axを中心とする凸曲面状の回転曲面で構成されており、第1灯具ユニット20の場合のように8つの反射領域に区分けされてはいない。
【0071】
透光部材64の出射面64aは、第1灯具ユニット20の場合と同様、灯具正面視において同心円状に区分けされた3つの出射領域64aA、64aB、64aCで構成されており、各出射領域64aA~64aCには、透光部材64からの出射光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子64sA、64sB、64sCが形成されている。
【0072】
各水平拡散レンズ素子64sA~64sCは、上下方向に延びる凸シリンドリカルレンズ状に形成されており、発光素子62からの光を水平方向に左右均等に拡散させるように構成されている。
【0073】
各水平拡散レンズ素子64sA~64sCの拡散角は、灯具ユニット20における各水平拡散レンズ素子24sA~24sCの拡散角よりもやや小さい値(例えば80%程度の値)に設定されている。
【0074】
その際、水平拡散レンズ素子64sAの拡散角は、水平拡散レンズ素子64sBの拡散角よりも大きい値に設定されており、また、水平拡散レンズ素子64sBの拡散角は、水平拡散レンズ素子64sCの拡散角よりも大きい値に設定されている。
【0075】
図6は、車両用灯具10から灯具前方へ向けて照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを透視的に示す図であって、同図(a)はロービーム用配光パターンPL1を示す図であり、同図(b)はハイビーム用配光パターンPH1を示す図である。
【0076】
図6(a)に示すロービーム用配光パターンPL1は、左配光のロービーム用配光パターンであって、その上端縁に水平および斜めカットオフラインCL1、CL2を有している。このカットオフラインCL1、CL2は、灯具正面方向の消点であるH-Vを鉛直方向に通るV-V線よりも右側の対向車線側部分が水平カットオフラインCL1として形成されるとともにV-V線よりも左側の自車線側部分が斜めカットオフラインCL2として形成されており、両者の交点であるエルボ点EはH-Vの0.5~0.6°程度下方に位置している。
【0077】
このロービーム用配光パターンPL1は、第1灯具ユニット20からの照射光によって形成される配光パターンPA1と、第2灯具ユニット40からの照射光によって形成される配光パターンPB1との合成配光パターンとして形成されている。
【0078】
配光パターンPA1は、V-V線を中心にして左右方向に拡がる横長の配光パターンであって、その上端縁においてロービーム用配光パターンPL1の水平カットオフラインCL1を形成するようになっている。
【0079】
図7~9は、配光パターンPA1の成立過程を説明するための図である。
【0080】
図7(c)は、配光パターンPA1のうち直射光制御部64Aからの出射光によって形成される配光パターンPA1Aを示す図である。
【0081】
この配光パターンPA1Aは、図7(b)に示す配光パターンPA1Aоを左右両側に拡げることにより形成される横長の配光パターンである。
【0082】
配光パターンPA1Aоは、図7(a)に示すように、仮に透光部材24の出射面24aに複数の水平拡散レンズ素子24sA~24sCが形成されていないとした場合に、直射光制御部24Aからの出射光によって形成される配光パターンである。
【0083】
この配光パターンPA1Aоは、H-Vを水平方向に通るH-H線の下方において略正方形の外形形状を有する配光パターンとして形成されており、その上端縁には水平方向に延びる明瞭な明暗境界線が形成されている。これは、発光素子22の発光面22aの下端縁が軸線Axの上方近傍において水平方向に延びており、かつ、透光部材24の直射光制御部24Aが、その後面24Abにおいて発光素子22の発光中心からの出射光をやや下向きの平行光として向けて入射させるように構成されていることによるものである。
【0084】
実際には、透光部材24の出射面24aに複数の水平拡散レンズ素子24sA~24sCが形成されているので、直射光制御部24Aからの出射光によって形成される配光パターンPA1Aは、図7(c)に示すように横長の配光パターンとして形成され、その上端縁には水平方向に延びる明瞭な明暗境界線CLaが形成されている。
【0085】
なお、各配光パターンPA1Aо、PA1Aにおいて、その内部に多重で形成された曲線は、この曲線で囲まれた領域が相対的に明るいことを示している。これら以外の配光パターンにおいても同様である。
【0086】
図8は、仮に透光部材24の出射面24aに複数の水平拡散レンズ素子24sA~24sCが形成されていないとした場合に、全反射制御部24Bの右半分の領域からの出射光によって形成される配光パターンである。
【0087】
図8(b1)に示す配光パターンPA1B1оは、図8(a1)に示す反射領域R1からの反射光によって形成される配光パターンである。この配光パターンPA1B1оは、V-V線を跨ぐやや横長の配光パターンとして形成されている。この配光パターンPA1B1оにおいては、その上部領域が比較的明るくなっており、その上端縁には略水平方向に延びる明暗境界線が形成されている。
【0088】
図8(b2)に示す配光パターンPA1B2оは、図8(a2)に示す反射領域R2からの反射光によって形成される配光パターンである。この配光パターンPA1B2оは、V-V線を跨ぐやや縦長の配光パターンとして形成されている。この配光パターンPA1B2оにおいては、その上部領域が比較的明るくなっており、その上端縁には略水平方向に延びる明暗境界線が形成されている。
【0089】
図8(b3)に示す配光パターンPA1B3оは、図8(a3)に示す反射領域R3からの反射光によって形成される配光パターンである。この配光パターンPA1B3оは、V-V線を跨ぐやや縦長の配光パターンとして形成されている。この配光パターンPA1B3оにおいては、その上部領域が比較的明るくなっており、その上端縁には略水平方向に延びる明暗境界線が形成されている。
【0090】
図8(b4)に示す配光パターンPA1B4оは、図8(a4)に示す反射領域R4からの反射光によって形成される配光パターンである。この配光パターンPA1B4оは、V-V線を跨ぐやや横長の配光パターンとして形成されている。この配光パターンPA1B4оにおいては、その上部領域が比較的明るくなっており、その上端縁には略水平方向に延びる明暗境界線が形成されている。
【0091】
各反射領域R1~R4は、各配光パターンPA1B1о~PA1B4の上端縁が、図7(c)に示す配光パターンPA1Aの上端縁と略同じ高さ位置になるように、その表面形状が設定されている。
【0092】
実際には、図9(a)に示すように、透光部材24の出射面24aに複数の水平拡散レンズ素子24sA~24sCが形成されているので、図9(b)に示すように、全反射制御部24B全体からの出射光によって形成される配光パターンPB1は、図8(b1)~(b4)に示す4つの配光パターンPA1B1о~PA1B4оおよびこれらを左右反転させた形状の4つの配光パターンを左右両側に拡げた横長の配光パターンとして形成され、その上端縁には比較的明瞭な明暗境界線CLbが形成されている。
【0093】
そして、PA1Aの明暗境界線CLaと配光パターンPA1Bの明暗境界線CLbとによって、ロービーム用配光パターンPL1の水平カットオフラインCL1を形成するようになっている。
【0094】
図6(a)に示す配光パターンPB1は、水平方向に対して時計回りに15°傾斜した斜め方向に拡がる横長の配光パターンであって、その上端縁においてロービーム用配光パターンPL1の斜めカットオフラインCL2を形成するようになっている。
【0095】
図10は、図6(a)に示す配光パターンPB1の成立過程を説明するための図である。
【0096】
この配光パターンPB1は、図10(b1)に示す配光パターンPB1Aと図10(b2)に示す配光パターンPB1Bとの合成配光パターンとして形成されている。
【0097】
配光パターンPB1Aは、図10(a1)に示す透光部材44の直射光制御部44Aからの出射光によって形成される配光パターンであって、図10(b1)に示すように、上記斜め方向に拡がる横長の配光パターンとして形成されており、その上端縁には上記斜め方向に延びる明瞭な明暗境界線CLcが形成されている。
【0098】
配光パターンPB1Bは、図10(a2)に示す透光部材44の全反射制御部44Bからの出射光によって形成される配光パターンであって、図10(b2)に示すように、上記斜め方向に拡がる横長の配光パターンとして形成されており、その上端縁には上記斜め方向に延びる明暗境界線CLdが形成されている。
【0099】
そして、これら明暗境界線CLc、CLdによって、ロービーム用配光パターンPL1の斜めカットオフラインCL2を形成するようになっている。
【0100】
図6(a)に示すように、ロービーム用配光パターンPL1においては、配光パターンPA1の高光度領域と配光パターンPB1の高光度領域とが重複するエルボ点Eの左下方に位置する部分が高光度領域を構成している。
【0101】
図6(b)に示すハイビーム用配光パターンPH1は、ロービーム用配光パターンPL1に配光パターンPC1を追加することにより形成されている。
【0102】
配光パターンPC1は、第3灯具ユニット60からの照射光によって形成される配光パターンであって、V-V線を中心にして左右方向に拡がる横長の配光パターンとして形成されている。
【0103】
この配光パターンPC1は、配光パターンPA1よりもやや小さい左右拡散角を有する配光パターンであって、H-H線の上下両側に均等に拡がるようにして配光パターンPA1、PB1と部分的に重複した状態で形成されている。
【0104】
そして、このようなハイビーム用配光パターンPH1を形成することにより、車両前方走行路の遠方視認性を十分に確保するようになっている。
【0105】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0106】
本実施形態に係る車両用灯具10は、第1および第2灯具ユニット20、40を備えており、その各々の透光部材24、44は、該透光部材24、44に入射した発光素子22、42からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部24A、44Aと、該透光部材24、44に入射した発光素子22、42からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部24B、44Bとを備えているので、発光素子22、42からの出射光の多くを透光部材24、44から灯具前方へ向けて出射させることが可能となり、これにより光源光束の利用効率を向上させることが可能となる。
【0107】
その際、第1灯具ユニット20は、その透光部材24における全反射制御部24Bの全反射面24Bb2が、直射光制御部24Aの周囲において周方向に8つの反射領域L1、L2、L3、L4、R1、R2、R3、R4に区分けされているので、各反射領域L1~L4、R1~R4からの反射光によって形成される配光パターンPA1B1о、PA1B2о、PA1B3о、PA1B4о等の上端位置を揃えることが容易に可能となる。
【0108】
同様に、第2灯具ユニット40も、その透光部材44における全反射制御部44Bの全反射面44Bb2が、第1灯具ユニット20の透光部材24と同様の構成を有しているので、各反射領域からの反射光によって形成される配光パターンの上端位置を揃えることが容易に可能となる。
【0109】
その上で、第1灯具ユニット20の透光部材24の出射面24aには、該透光部材24からの出射光を水平方向に拡散させる複数の水平拡散レンズ素子24sA、24sB、24sCが形成されるとともに、第2灯具ユニット40の透光部材44の出射面44aには、該透光部材44からの出射光を水平方向に対して傾斜した斜め方向に拡散させる複数の斜め拡散レンズ素子44sA、44sB、44sCが形成されているので、第1および第2灯具ユニット20、40からの照射光によって上端縁に水平および斜めカットオフラインCL1、CL2を有する明るいロービーム用配光パターンPL1を形成することが可能となる。
【0110】
このように本実施形態によれば、発光素子からの出射光を透光部材を介して灯具前方へ向けて照射するように構成された灯具ユニットを有する車両用灯具10において、光源光束の利用効率向上を図った上で、上端縁に水平および斜めカットオフラインCL1、CL2を有する明るいロービーム用配光パターンPL1を形成することができる。
【0111】
その際、本実施形態においては、第1灯具ユニット20の発光素子22として、その発光面22aの下端縁が水平方向に延びるようにした状態で配置された構成となっており、また、第2灯具ユニット40の発光素子42として、その発光面42aの下端縁が上記斜め方向に延びるようにした状態で配置された構成となっているので、第1灯具ユニット20の直射光制御部24Aからの出射光により形成される配光パターンPA1Aの上端縁に水平方向に延びる鮮明な明暗境界線CLaを形成することができるとともに、第2灯具ユニット40の直射光制御部44Aからの出射光により形成される配光パターンPB1Aの上端縁に上記斜め方向に延びる鮮明な明暗境界線CLcを形成することができる。そしてこれにより、ロービーム用配光パターンPL1の水平および斜めカットオフラインCL1、CL2を鮮明なものとすることができる。
【0112】
また本実施形態において、第1灯具ユニット20の透光部材24は、その直射光制御部24Aの出射面である出射領域24aAに形成された水平拡散レンズ素子24sAの拡散角が、全反射制御部24Bの出射面である出射領域24aB、24aCに形成された水平拡散レンズ素子24sB、24sCの拡散角よりも大きい値に設定されており、また、第2灯具ユニット40の透光部材44は、その直射光制御部44Aの出射面である出射領域44aAに形成された斜め拡散レンズ素子44sAの拡散角が全反射制御部44Bの出射面である出射領域44aB、44aCに形成された斜め拡散レンズ素子44sB、44sCの拡散角よりも大きい値に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0113】
すなわち、直射光制御部24A、44Aは全反射制御部24B、44Bよりも発光素子22、42から近い位置にあるので、直射光制御部24A、44Aからの出射光により形成される配光パターンPA1Aо等は、全反射制御部24B、44Bからの出射光により形成される配光パターンPA1B1о~PA1B4о等よりも大きい配光パターンとなる。
【0114】
そこで、直射光制御部24A、44Aの出射面を構成する出射領域24aA、44aAに形成された水平拡散レンズ素子24sAおよび斜め拡散レンズ素子44sAの拡散角を、全反射制御部24B、44Bの出射面を構成する出射領域24aB、24aCおよび44aB、44aCに形成された水平拡散レンズ素子24sB、24sCおよび斜め拡散レンズ素子44sB、44sCの拡散角よりも大きい値に設定することにより、第1および第2灯具ユニット20、40からの照射光によって形成される配光パターンPA1、PB1を配光ムラの少ない配光パターンとして形成することができる。
【0115】
さらに本実施形態において、第1灯具ユニット20の透光部材24は、その全反射制御部24Bの出射面が出射領域24aB(内周側環状領域)と出射領域24aC(外周側環状領域)とに区分けされており、出射領域24aBに形成された水平拡散レンズ素子24sBの拡散角が出射領域24aCに形成された水平拡散レンズ素子24sCの拡散角よりも大きい値に設定されており、また、第2灯具ユニット40の透光部材44は、その全反射制御部44Bの出射面が出射領域44aB(内周側環状領域)と出射領域44aC(外周側環状領域)とに区分けされており、出射領域44aBに形成された斜め拡散レンズ素子44sBの拡散角が出射領域44aCに形成された斜め拡散レンズ素子44sCの拡散角よりも大きい値に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0116】
すなわち、出射領域24aB、44aBからの出射光により形成される配光パターンは、出射領域24aC、44aCからの出射光により形成される配光パターンよりも大きい配光パターンとなるので、出射領域24aB、44aBに形成された水平および斜め拡散レンズ素子24sB、44sBの拡散角を、出射領域24aC、44aCに形成された水平および斜め拡散レンズ素子24sC、44sCの拡散角よりも大きい値に設定することにより、第1および第2灯具ユニット20、40からの照射光によって形成される配光パターンPA1、PB1を配光ムラの少ない配光パターンとして形成することができる。
【0117】
その際、第1および第2灯具ユニット20、40の各々の透光部材24、44は、全反射制御部24B、44Bの出射面を構成する出射領域24aB、44Baが直射光制御部24A、44Aの出射面を構成する出射領域24aA、44aAに対して灯具前方側に変位しており、また、全反射制御部24C、44Cの出射面を構成する出射領域24aC、44aCが全反射制御部24B、44Bの出射面を構成する出射領域24aB、44aBに対して灯具前方側に変位しているので、透光部材24、44の肉厚を薄くすることができる。
【0118】
さらに、本実施形態に係る車両用灯具10においては、第1および第2灯具ユニット20、40と略同一の構成を有する第3灯具ユニット60からの照射光を追加することによりハイビーム用配光パターンPH1を形成するように構成されているので、意匠上の統一性を確保した上で、ヘッドランプとしての機能を発揮させるようにすることができる。
【0119】
上記実施形態においては、透光部材24における全反射制御部24Bの全反射面24Bbが8つの反射領域L1~L4、R1~R4に区分けされているものとして説明したが、9つ以上または7つ以下の反射領域に区分けされた構成とすることも可能である。
【0120】
上記実施形態においては、各水平拡散レンズ素子24sA~24sC、44sA~44sC、64sA~64sCが凸シリンドリカルレンズ状に形成されているものとして説明したが、これらを凹シリンドリカルレンズ状に形成された構成とすることも可能である。
【0121】
上記実施形態においては、各透光部材24、44、64における全反射制御部24B、44B、64Bの全反射面24Bb、44Bb、64Bbが回転曲面または回転曲面を基準面とする曲面で構成されているものとして説明したが、これ以外の曲面あるいは複数の平面で構成されたものとすることも可能である。
【0122】
上記実施形態においては、各透光部材24、44、64の出射面24a、44a、64aが灯具正面視において同心円状に区分けされているものとして説明したが、これ以外の形状(例えば楕円状や矩形状等)に区分けされたものとすることも可能である。
【0123】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0124】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0125】
図11は、本変形例に係る車両用灯具の第2灯具ユニット140を示す、図4と同様の図である。
【0126】
同図に示すように、本変形例に係る第2灯具ユニット140も、その基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、透光部材144の構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0127】
すなわち、本変形例の透光部材144も、該透光部材144に入射した発光素子42からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部144Aと、該透光部材144に入射した発光素子42からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部144Bとを備えた構成となっている。
【0128】
直射光制御部144Aの後面144Abおよび全反射制御部144Bの後面144Bbの構成は上記実施形態の場合と同様であるが、透光部材144の出射面144aの構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0129】
具体的には、本変形例の透光部材144においても、その出射面144aを構成する出射領域144aA、144aB、144aCには凸シリンドリカルレンズ状の複数の斜め拡散レンズ素子144sA、144sB、144sCが形成されているが、各斜め拡散レンズ素子144sA~144sCは、該斜め拡散レンズ素子144sA~144sCからの出射光を灯具正面方向に対して右方向(図11においては左方向)よりも左方向に大きく拡散させるように形成されている。
【0130】
その際、斜め拡散レンズ素子144sAの拡散角は斜め拡散レンズ素子144sBの拡散角よりも大きい値に設定されており、また、斜め拡散レンズ素子144sBの拡散角は斜め拡散レンズ素子144sCの拡散角よりも大きい値に設定されている。
【0131】
図12は、本変形例に係る車両用灯具から灯具前方へ向けて照射される光により形成される配光パターンを示す、図6と同様の図である。
【0132】
図12(a)に示すロービーム用配光パターンPL2は、上記実施形態の場合と同じ配光パターンPA1と第2灯具ユニット140からの照射光によって形成される配光パターンPB2との合成配光パターンとして形成されている。
【0133】
配光パターンPB2は、上記実施形態の配光パターンPB1と同じ形状を有しているが、この配光パターンPB1よりも斜めカットオフラインCL2に沿って左上方向に変位した位置に形成されている。
【0134】
これは、本変形例の透光部材144においては、その出射面144aを構成する出射領域144aA~144aCに形成された各斜め拡散レンズ素子144sA~144sCが、該拡散レンズ素子144sA~144sCからの出射光を灯具正面方向に対して右方向よりも左方向に大きく拡散させる構成となっていることによるものである。
【0135】
図12(b)に示すハイビーム用配光パターンPH2は、ロービーム用配光パターンPL2に上記実施形態の場合と同じ配光パターンPC1を追加することにより形成されている。
【0136】
本変形例の構成を採用することにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0137】
すなわち、本変形例に係る車両用灯具からの照射光によって形成されるロービーム用配光パターンPL2においても、配光パターンPA1の高光度領域と配光パターンPB2の高光度領域とが重複するエルボ点Eの左下方に位置する部分が高光度領域を構成しているが、上記実施形態において形成されるロービーム用配光パターンPL1よりも高光度領域の位置が左上方向に変位しているので、これにより自車線側の路肩部分の遠方視認性をより高めることができる。
【0138】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0139】
図13は、本変形例に係る車両用灯具の第1灯具ユニット220を示す、図3と同様の図である。
【0140】
同図に示すように、本変形例に係る第1灯具ユニット220も、その基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、透光部材224の構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0141】
すなわち、本変形例に係る第1灯具ユニット220の透光部材224も、該透光部材224に入射した発光素子22からの光を灯具前方へ向けて直接出射させる直射光制御部224Aと、該透光部材224に入射した発光素子22からの光を全反射させた後に灯具前方へ向けて出射させる全反射制御部224Bとを備えた構成となっている。
【0142】
直射光制御部224Aの後面224Abおよび全反射制御部224Bの後面224Bbの構成は上記実施形態の場合と同様であるが、透光部材224の出射面224aの構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0143】
具体的には、本変形例の透光部材224においても、その出射面224aを構成する出射領域224aA、224aB、224aCには凸シリンドリカルレンズ状の複数の水平拡散レンズ素子224sA、224sB、224sCが形成されている。
【0144】
その際、出射領域224aCに形成された各斜め拡散レンズ素子224sCの構成は上記実施形態の場合と同様であるが、出射領域224aA、224aBに形成された各斜め拡散レンズ素子224sA、224sBは、該水平拡散レンズ素子224sA、224sBからの出射光を、軸線Axを含む鉛直面から離れる方向よりも鉛直面寄りの方向に大きく拡散させるように形成されている。
【0145】
本変形例においても、水平拡散レンズ素子224sAの拡散角は水平拡散レンズ素子224sBの拡散角よりも大きい値に設定されており、また、水平拡散レンズ素子224sBの拡散角は水平拡散レンズ素子224sCの拡散角よりも大きい値に設定されている。
【0146】
本変形例においては、図示しない第2灯具ユニットも、以上の点に関して第1灯具ユニット220と同様の構成を有している。
【0147】
本変形例のように、水平拡散レンズ素子224sA、224sBの構成として、灯具正面視において発光素子22に近づく方向の拡散角が発光素子から離れる方向の拡散角よりも大きい値に設定された構成とすることにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0148】
すなわち、直射光制御部224Aの出射面を構成する出射領域224aAからの出射光がその外周側に位置する立壁部によって遮光されてしまいにくくするとともに、全反射制御部224Bの出射面の内周側環状領域を構成する出射領域224aBからの出射光がその外周側に位置する立壁部によって遮光されてしまいにくくすることができる。そしてこれにより、光源光束の利用効率向上を図ることができるとともに迷光の発生を効果的に抑制することができる。
【0149】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0150】
また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0151】
10 車両用灯具
12 ランプボディ
14 透光カバー
20、220 第1灯具ユニット
22、42、62 発光素子
22a、42a、62a 発光面
24、44、64、144、224 透光部材
24A、44A、64A、144A、224A 直射光制御部
24Ab、24Bb、44Ab、44Bb、64Bb、144Ab、144Bb、224Ab、224Bb 後面
24a、44a、144a、224a 出射面
24aA、44aA、64aA、144aA、224aA 出射領域
24aB、44aB、64aB、144aB、224aB 出射領域(内周側環状領域)
24aC、44aC、64aC、144aC、224aC 出射領域(外周側環状領域)
24sA、24sB、24sC、64sA、64sB、64sC、224sA、224sB、224sC 水平拡散レンズ素子
24B、44B、64B、144B、224B 全反射制御部
24Bb1 入射面
24Bb2、64Bb2 全反射面
26、46 基板
40、140 第2灯具ユニット
44sA、44sB、44sC、144sA、144sB、144sC 斜め拡散レンズ素子
60 第3灯具ユニット
Ax 軸線
CLa、CLb、CLc、CLd 明暗境界線
CL1 水平カットオフライン
CL2 斜めカットオフライン
E エルボ点
L1、L2、L3、L4、R1、R2、R3、R4 反射領域
PA1、PA1A、PA1Aо、PA1B1о、PA1B2о、PA1B3о、PA1B4о、PB1、PB1A、PB1B、PB2、PC1 配光パターン
PH1、PH2 ハイビーム用配光パターン
PL1、PL2 ロービーム用配光パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13