(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】無線周波数を利用した皮膚処理装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240619BHJP
A61N 1/06 20060101ALI20240619BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/06
A61B18/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023138828
(22)【出願日】2023-08-29
(62)【分割の表示】P 2022516638の分割
【原出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114144
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006131
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520331970
【氏名又は名称】ジェイシス メディカル インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】307, 308, 401, 808, 1015, DAERYUNG TECHNO TOWN 8TH, 96, GAMASAN-RO, GEUMCHEON-GU, SEOUL 08501, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】カン ドンファン
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-143251(JP,A)
【文献】特表2007-534343(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1048506(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0007318(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0287943(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0185193(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04
A61N 1/32
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体と、前記絶縁体内に設けられてバイポーラ電極構造を形成する第1電極と第2電極とを含む電極対を備える電極モジュールと、
前記第1電極と前記第2電極との間に放電が発生するように無線周波数電流を生産して、前記第1電極と前記第2電極とに供給するRF生成部と、
前記第1電極と前記第2電極との放電経路の中間で皮膚の処理対象部位を接触または非接触の形態に覆うように配される誘電体シートと、を含み、
前記第1電極と第2電極のそれぞれは、前記絶縁体で前記誘電体シートと対向する処理面と直角を成す方向に延び、尖った先端を備える棒状であり、
前記第1電極の尖った先端と前記第2電極の尖った先端は、前記処理面上に位置して前記絶縁体から露出される、無線周波数を利用した皮膚処理装置。
【請求項2】
前記誘電体シートは、前記第1電極及び前記第2電極と密着されるか、前記誘電体シートによって形成される電場によって無線周波数エネルギーが伝達される距離に離隔して配される、請求項1に記載の無線周波数を利用した皮膚処理装置。
【請求項3】
前記誘電体シートは、前記電極モジュールに取り替え式に分離可能に結合される、請求項1に記載の無線周波数を利用した皮膚処理装置。
【請求項4】
前記絶縁体の材質は、柔軟なテフロンまたはシリコンである、請求項1に記載の無線周波数を利用した皮膚処理装置。
【請求項5】
前記電極対は、複数個であり、
前記複数個の電極対に対応して、前記第1電極と前記第2電極のそれぞれは、複数個であり、
前記電極モジュールは、前記複数個の第1電極を電気的に連結する第1配線部と、前記複数個の第2電極を電気的に繋がれる第2配線部と、をさらに備え、
前記電極対は、複数個であり、
前記RF生成部は、複数個の交流電源を備え、
前記複数個の交流電源のそれぞれは、前記複数個の電極対のうち少なくとも1つに無線周波数電流を供給する、請求項1に記載の無線周波数を利用した皮膚処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の治療技術に係り、より詳細には、皮膚の治療または美容のために、無線
周波数(RF)を用いて皮膚を処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、皮膚は、全身を覆っている人体の最も大きな保護器官であって、大別すると表
皮層、真皮層、皮下脂肪層の3層からなる。
【0003】
表皮層は、皮膚の最も外側の表面にある層であって、位置と機能とによって、角質層、透
明層、顆粒層、有棘層及び基底層からなって、保護、防御、分泌などの機能を担当する。
【0004】
真皮層は、表皮層の下に表皮層の基底層と隣接して位置し、皮膚のほとんどを成す。真皮
層は、水分を含めてタンパク質、糖質、ムコ多糖類、無機質、無機塩類などがゼリー状に
なって、血液循環と関連した毛細血管とリンパを運ぶリンパ管とが位置する乳頭層と、皮
膚のしわと関連した膠原線維であるコラーゲンと皮膚に弾力性を付与する弾力線維である
エラスチンと基質とが含まれた網状層と、で構成される。
【0005】
皮下脂肪層は、真皮層と筋肉及び骨の間に位置し、脂肪を多量含有しており、皮膚の最も
下層を構成する。皮下脂肪層は、人体の全身に均一に広がって弾力性の保持及び緩衝作用
によって外部からの圧力及び衝撃を吸収して、身体内部の損傷を防ぎ、体熱の損失も防い
で、体温を保持させる。
【0006】
皮膚の老化防止、傷痕、しわ、屈曲、シミ、雀斑のような病症に対して広く使われる治療
法として、補充剤注入治療法と電気治療法とが代表的である。
【0007】
補充剤注入治療法は、針や小さなメスを皮下に刺し込んで皮下部の線維組織を切り、自家
脂肪、多血小板血漿(PRP)、フィラーなどの補充剤を注入して皮膚を元の状態に再生
させる治療法である。
【0008】
電気治療法は、皮膚に直接電流を通じて病症を治療する治療法であって、周波数の波形、
電流の強度、適用部位などによって、その機能や用途が多様である。最近、印加される周
波数によって高周波電気治療と低周波深部透熱器とが多く開発されて使われており、低周
波電気治療は、1,000Hz以下の周波数を使用し、高周波電気治療は、10,000
Hz以上の周波数を使用する。
【0009】
高周波を利用した治療は、人体の病変部位に高周波信号を印加すれば、皮膚組織から発生
する深部熱を用いて治療する方法である。深部熱は、人体に加えられる高周波電流の方向
が変わる度に組織を構成する分子が振動しながら、互いに摩擦されて回動、ねじれ、衝突
運動によって発生する生体熱である。
【0010】
高周波電流を利用した治療は、他の電流形態とは異なって、感覚神経及び運動神経を刺激
せず、人体内の不便や筋収縮を起こさずとも、身体組織の特定部位を加熱することができ
る。
【0011】
高周波によって発生する深部熱は、組織の温度を上昇させて細胞の機能を増進させ、血流
量を増加させるなどの役割を行って、新陳代謝の増進、深部の疼痛緩和、関節の硬直減少
などの多様な生理的治療効果と、皮膚の老化防止、傷痕、しわ、屈曲、シミ、雀斑、体脂
肪燃焼、脱毛の治療及び予防などの美容効果と、を示している。
【0012】
導体に高周波電流を流せる時、電流が導体の表面付近のみ流れる現象が発生するところ、
それを表皮効果(skin effect)と称する。表皮深さ(skin depth
)は、表皮効果を数値的に示したものであって、物質に対する高周波電流の浸透深さを意
味する。表皮深さは、物質の導電率(conductivity)及び周波数のそれぞれ
に反比例する。ヒトの皮膚の場合、表皮深さは、高周波治療に多く使われる1MHzの交
流が印加された時、約919mmであって、これは、皮膚治療の側面において高周波電流
が過度に皮膚の深くまで浸透するものであり、皮膚治療の効率を低下させる要因である。
皮膚治療のために、皮膚の表皮深さは、約0.5mm程度であることが適切である。その
ために印加される高周波電流の周波数を増加させることを考慮することができるが、0.
5mmの表皮深さを得るためには、約500GHzの高周波電流が印加されなければなら
ないところ、これは、技術的に非常に難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、無線周波数を利用した皮膚処理装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、皮膚処理効率が向上した無線周波数を利用した皮膚処理装置を提供
することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記本発明の目的を果たすために、本発明の一側面によれば、第1電極と第2電極とを備
え、バイポーラ電極構造を形成する電極対;前記第1電極と前記第2電極との間に放電が
発生するように4~15MHzの無線周波数電流を生産して、前記第1電極と前記第2電
極とに供給し、100~500Wの出力を有するRF生成部;前記電極対が一体に形成さ
れ、前記第1電極と前記第2電極との放電経路の中間で皮膚の処理対象部位を接触または
非接触の形態に覆うように配される誘電体シート;及び前記誘電体シートを冷却させるた
めに、冷却流体を噴射するノズルを備える冷却部;を含む無線周波数を利用した皮膚処理
装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前述した本発明の目的をいずれも果たすことができる。具体的には、皮
膚と高周波電流が印加される電極対との間に誘電体シートが配されて、電極対の間の放電
が皮膚の真皮層内でなされるので、皮膚処理効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による無線周波数を利用した皮膚処理装置の構成を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の他の実施形態による無線周波数を利用した皮膚処理装置の構成を概略的に示す図である。
【
図3】
図2に示された無線周波数を利用した皮膚処理装置が皮膚に作用する状態を概略的に説明する図である。
【
図4】本発明のさらに他の実施形態による無線周波数を利用した皮膚処理装置の電極モジュール及びRF生成部の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の構成及び作用を詳しく説明する。
【0019】
図1には、本発明の一実施形態による無線周波数を利用した皮膚処理装置の概略的な構成
が示されている。
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による無線周波数を利用した皮
膚処理装置300は、電極モジュール310と、無線周波数の電力を生成して電極モジュ
ール310に供給するRF生成部150と、冷却流体を供給する冷却部360と、を含む
。
【0020】
電極モジュール310は、誘電体シート312と、誘電体シート312に一体に形成され
た電極対315と、を備える。
【0021】
誘電体シート312は、セラミックのような材質からなり、皮膚処理時に処理対象皮膚と
直接接触するか、処理対象皮膚に塗ったオイルやゲルなどによって皮膚と離隔する。すな
わち、誘電体シート312は、皮膚処理時に処理対象部位を接触または非接触の形態に覆
う。誘電体シート312には、電極対315が一体に形成される。図示されていないが、
誘電体シート312は、支持胴体(図示せず)によって結合されて支持される。誘電体シ
ート312は、電極対315から発生する高周波放電が皮膚の真皮層でほとんどなされる
ようにする。
【0022】
電極対315は、誘電体シート312に一体に形成される。本実施形態では、電極対31
5が誘電体シート312の両面のうち、皮膚処理時に、皮膚と対向する外面311の反対
面である内面313に付着されて一体に形成されると説明する。
図1では、電極対315
が1つであると示されているが、本発明は、これに制限されるものではなく、電極対31
5は、複数個が備えられ、これも、本発明の範囲に属するものである。電極対315は、
誘電体シート312の内面313に付着されて固定された板状の第1電極316と板状の
第2電極317とを備える。第1電極316と第2電極317との間には、RF生成部1
50によって交流電源による電位差が発生する。電極対315によってバイポーラ(bi
polar)電極構造が形成される。
【0023】
RF生成部150は、無線周波数の電力を生成して電極対315に供給する。RF生成部
150は、無線周波数の電力を生産するための交流電源151を備える。交流電源151
は、電極対315の第1電極316と第2電極317との間に電位差を発生させる。RF
生成部150によって第1電極316と第2電極317との間には、(+)電位と(-)
電位とが無線周波数に変わって生成される。これとは違って、第1電極131と第2電極
132とのうち、1つの電極は接地電極として機能し、他の1つの電極の極性が変わるよ
うに構成され、これも、本発明の範囲に属するものである。RF生成部150は、パルス
電流を生成して供給することもできるが、これも、本発明の範囲に属するものである。本
実施形態では、RF生成部150が4~15MHzの無線周波数100~500Wを使用
すると説明する。周波数が低いほど皮膚浸透深さが増加するので、周波数が4MHzより
も低ければ、高周波電流が過度な深さまで浸透し、15MHzよりも高い周波数は、現実
的に皮膚に及ぼす効果が微小であって、具現しにくい。
【0024】
冷却部360は、冷却流体を噴射して利用して電極対315及び誘電体シート311を冷
却させて皮膚の火傷などを防止する。冷却部360は、冷却流体が噴射されるノズル36
1と、冷却流体が貯蔵される冷却流体貯蔵部363と、ノズル361と冷却流体貯蔵部3
63とを連結する連結管365と、を備える。ノズル361は、誘電体シート312の内
面313側に位置して冷却流体を誘電体シート312側に噴射する。冷却流体貯蔵部36
3には、ノズル361を通じて噴射される冷却流体が貯蔵される。連結管365は、ノズ
ル361と冷却流体貯蔵部363とを連結し、連結管365を通じて冷却流体がノズル3
61に供給される。図示されていないが、冷却部360は、冷却流体貯蔵部363に貯蔵
された冷却流体をノズル361に供給するポンプと、ノズル361を通じて冷却流体の噴
射を制御する弁と、をさらに備える。図示されていないが、ノズル361を通じた冷却流
体の噴射回数をカウントするカウンターと、噴射回数及び/または残余噴射可能回数を計
算して知らせるディスプレイのような報知部と、がさらに備えられうる。噴射回数のカウ
ントは、弁の操作を感知してなされうる。ノズル361は、冷却流体を誘電体シート31
2の内面313側から噴射するため、噴射された冷却流体が皮膚に直接接触しない。それ
により、被治療者は、冷却流体と皮膚との直接接触によって発生する不快感などを感じな
くなる。
【0025】
さて、図面を参照して、
図1に示された実施形態について作用を中心として説明する。
【0026】
図1を参照すれば、誘電体シート312が皮膚の処理対象部位を覆うように位置した状態
で、RF生成部150が作動して電極対315の第1電極316と第2電極317とに無
線周波数の交流電力が印加されれば、第1電極316と第2電極317との間に波線の矢
印で示したような形態で放電が起こる。電極対315を形成する第1電極316と第2電
極317との間に起こる放電は、誘電体シート312によって皮膚の表皮層(S1)下の
真皮層(S2)に形成されて皮膚処理効率が向上する。すなわち、誘電体シート312に
よって皮膚の表皮深さ(skin depth)が真皮層(S2)内に位置して、放電に
よる電流が真皮層(S2)よりもさらに深い所に流れない。誘電体シート312がない場
合、皮膚の表皮深さは増加(1MHz印加時に、約919mm)して電流は皮膚の深さよ
りもさらに深い所まで浸透して、皮膚処理効率が低下する。
【0027】
図2には、本発明の他の実施形態による無線周波数を利用した皮膚処理装置の概略的な構
成が示されている。
図2を参照すれば、本発明の他の実施形態による無線周波数を利用し
た皮膚処理装置100は、電極モジュール110と、無線周波数の電力を生成して電極モ
ジュール110に供給するRF生成部150と、誘電体シート190と、を含む。
【0028】
電極モジュール110は、絶縁体120と、絶縁体120内に設けられる複数個の電極対
130と、複数個の電極対130と電気的に連結される配線構造140と、を備える。
【0029】
絶縁体120は、電気絶縁体であって、絶縁体120の内部に複数個の電極対130が設
けられる。絶縁体120としては、皮膚の屈曲に対応できるようにテフロンまたはシリコ
ンなどの柔軟な材質からなることが望ましいが、本発明は、これに制限されるものではな
い。絶縁体120には、およそ平らな処理面121が形成される。
【0030】
複数個の電極対130は、絶縁体120の内部に位置するように設けられる。複数個の電
極対130のそれぞれは、第1電極131と第2電極132とを備える。第1電極131
と第2電極132のそれぞれは、処理面121とおよそ直角を成す方向に延びる棒状であ
って、尖った先端を有する。第1電極131の尖った先端と第2電極132の尖った先端
が、絶縁体120の処理面121を通じて露出される。第1電極131の尖った先端と第
2電極132の尖った先端は、絶縁体120の処理面121上に位置することが望ましい
。第1電極131と第2電極132との間には、RF生成部150によって交流電源によ
る電位差が発生する。電極対130が複数個なので、複数個の第1電極131と複数個の
第2電極132とが絶縁体110内に設けられる。複数個の第1電極131は、配線構造
140によって電気的に連結され、複数個の第2電極132も、配線構造140によって
電気的に連結される。1つの電極対130を成す第1電極131と第2電極132は、他
の電極対を成す第1電極または第2電極よりも近く位置する。本実施形態では、電極対1
30が6個であると説明するが、これは、本発明の説明のためのものに過ぎず、電極対1
30は、5個以下または7個以上であり、これも、本発明の範囲に属するものである。本
実施形態では、第1電極131と第2電極132とが棒状であると説明するが、本発明は
、これに制限されるものではなく、絶縁体120の処理面121の一部が露出される形態
であれば、いずれも可能である。本実施形態では、第1電極131と第2電極132とが
絶縁体120によって絶縁されると説明するが、これとは違って、絶縁体120を備えず
、空気によって絶縁され、これも、本発明の範囲に属するものである。
【0031】
配線構造140は、複数個の電極対120と電気的に連結される。配線構造130は、複
数個の第1電極131を電気的に連結する第1配線部141と、複数個の第2電極132
を電気的に連結する第2配線部142と、を備える。第1配線部141と第2配線部14
2は、RF生成部150と連結される。
【0032】
RF生成部150は、無線周波数の電力を生成して複数個の電極対130に供給する。R
F生成部150は、無線周波数の電力を生産するための交流電源151を備える。交流電
源151は、第1配線部141及び第2配線部142と連結されて、複数個の電極対13
0のそれぞれの第1電極131と第2電極132との間に電位差を発生させる。RF生成
部150によって第1電極131と第2電極132との間には、(+)電位と(-)電位
とが無線周波数に変わって生成される。これとは違って、第1電極131と第2電極13
2とのうち、1つの電極は接地電極として機能し、他の1つの電極の極性が変わるように
構成され、これも、本発明の範囲に属するものである。RF生成部150は、パルス電流
を生成して供給することもできるが、これも、本発明の範囲に属するものである。
【0033】
誘電体シート190は、セラミックのような材質からなり、皮膚処理時に、
図2に示した
ように、絶縁体120の処理面121と皮膚の表皮層(S1)との間に位置して使われる
。本実施形態において、誘電体シート190は、施術する度に交替可能になるように独立
して皮膚の処理対象部位に付着されて使われると説明する。しかし、これとは違って、誘
電体シート190は、電極モジュール110に結合されて使われることもあり、これも、
本発明の範囲に属するものである。誘電体シート190によって第1電極131と第2電
極132との間で発生する高周波放電は、皮膚の真皮層でほとんどなされる。誘電体シー
ト190は、皮膚の屈曲に対応するように柔軟な材質からなることが望ましい。誘電体シ
ート190は、皮膚と直接接触するか、皮膚に塗ったオイルやゲルなどによって皮膚と離
隔する。本実施形態では、誘電体シート190が第1電極131の先端と第2電極132
先端とに密着すると説明するが、本発明は、これに制限されるものではない。誘電体シー
ト190は、誘電体シート190によって形成される電場によって無線周波数エネルギー
が伝達される距離で、第1電極131の先端及び第2電極132の先端と離隔して配され
、これも、本発明の範囲に属するものである。
【0034】
さて、
図3を参照して、
図2に示された実施形態について作用を中心として説明する。
【0035】
図3を参照すれば、誘電体シート190が皮膚の処理対象部位を覆うように位置し、誘電
体シート190の上に絶縁体120が配される。絶縁体120の処理面121が誘電体シ
ート190と密着され、それにより、絶縁体120の処理面121を通じて露出される複
数個の第1電極131と第2電極132との先端も、誘電体シート190と密着される。
この状態でRF生成部150が作動して電極対130の第1電極131と第2電極132
とに無線周波数の交流電力が印加されれば、第1電極131の先端と第2電極132の先
端との間に波線の矢印で示したような形態で放電が起こる。電極対130を形成する第1
電極131と第2電極132との間に起こる放電は、誘電体シート190によって真皮層
(S2)に形成されて皮膚処理効率が向上する。すなわち、誘電体シート190によって
皮膚の表皮深さ(skin depth)が真皮層(S2)内に位置して、放電による電
流が真皮層(S2)よりもさらに深い所に流れない。誘電体シート190がない場合、皮
膚の表皮深さは増加(1MHz印加時に、約919mm)して電流は皮膚の深さよりもさ
らに深い所まで浸透して、皮膚処理効率が低下する。
【0036】
誘電体シート190が電極モジュール(
図2の110)と分離された独立した部材として
使われる場合に、誘電体シート190は、皮膚の処理対象部位に付着された後、電極モジ
ュール110を誘電体シート190上に位置させて使用する。
【0037】
図4には、本発明のさらに他の実施形態による無線周波数を利用した皮膚処理装置の電極
モジュール及びRF生成部の構成が概略的に示されている。
図4を参照すれば、電極モジ
ュール210は、複数個の第1電極対230aと、複数個の第2電極対230bと、を備
える。複数個の第1電極対230aのそれぞれは、第1A電極231aと第2A電極23
2aとを備える。複数個の第2電極対230bのそれぞれは、第1B電極231bと第2
B電極232bとを備える。図示されていないが、電極モジュール210は、
図1に示し
たような絶縁体120をさらに備え、絶縁体120内に複数個の第1電極対230aと複
数個の第2電極対230bとが設けられる。RF生成部250は、複数個の第1電極対2
30aに印加される無線周波数の電力を生産する第1交流電源251aと、複数個の第2
電極対230bに印加される無線周波数の電力を生産する第2交流電源251bと、を備
える。本実施形態では、第1電極対230aが複数個であり、第2電極対230bが複数
個であると説明するが、これとは違って、第1電極対230aと第2電極対230bは、
1つであり、これも、本発明の範囲に属するものである。
【0038】
図4の実施形態では、交流電源が2個であると説明するが、これとは違って、3個以上が
備えられて、各交流電源が対応する電極対に無線周波数電力を供給することができ、これ
も、本発明の範囲に属するものである。
【0039】
以上、実施形態を通じて本発明を説明したが、本発明は、これに制限されるものではない
。前記実施形態は、本発明の趣旨及び範囲を外れず、修正または変更され、当業者は、こ
のような修正と変更も本発明に属するものであるということが分かる。