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特許7506813情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/50 20240101AFI20240619BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20240619BHJP
   B64U 20/80 20230101ALI20240619BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20240619BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20240619BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20240619BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240619BHJP
【FI】
G06Q50/50
B64U10/13
B64U20/80
G06Q10/02
G06Q10/083
G06Q10/109
G06Q50/26
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023168973
(22)【出願日】2023-09-29
【審査請求日】2023-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-118078(JP,A)
【文献】特許第7288543(JP,B1)
【文献】国際公開第2018/198313(WO,A1)
【文献】特開2023-117571(JP,A)
【文献】特開2022-101439(JP,A)
【文献】芦澤,飛行までの時間が大幅に短縮化!NTTドコモの「LTE上空利用プラン」とは,[online] ドローンジャーナル,日本,株式会社インプレス,2021年08月19日,1~4ページ,[検索日 2024.3.7], インターネット<https://web.archive.org/web/20220118075443/https://drone-journal.impress.co.jp/docs/special/1183690.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B64U 10/13
B64U 20/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記通信利用申請を受け付けた場合に、前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を公開している公的機関の外部システムから、記飛行許可申請情報を取得する取得部と、
前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画のうち、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に対応する飛行計画を特定し、前記飛行装置の飛行目的と前記通信回線の利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照して、特定した飛行計画が含む前記飛行目的に関連付けられた前記利用可能期間に基づく期間を、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間として設定する設定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける受付部と、
前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得する取得部と、
前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画のうち、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に対応する飛行計画を特定し、前記飛行装置が飛行するエリアの大きさと前記通信回線の利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照して、特定した飛行計画が含む前記飛行装置が飛行するエリアに対応する前記エリアの大きさに関連付けられた前記利用可能期間に基づく期間を、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間として設定する設定部と、
を有し、
前記設定部は、前記エリアが広いほど前記利用可能期間を短く設定する、
情報処理装置。
【請求項3】
飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける受付部と、
前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得する取得部と、
前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画のうち、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に対応する飛行計画を特定し、前記飛行装置の飛行目的と前記通信回線の利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照して、特定した飛行計画が含む前記飛行目的に関連付けられた前記利用可能期間に基づく期間を、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間として設定する設定部と、
前記飛行許可申請情報の変更の有無を所定の期間ごとに判定する判定部と、
を有し、
前記設定部は、前記飛行許可申請情報が変更されたと前記判定部が判定した場合に、前記利用可能期間の設定を取り消す、
情報処理装置。
【請求項4】
前記飛行計画は前記飛行装置の飛行目的を含み、
前記設定部は、前記飛行目的が定期的な飛行である場合、定期的な飛行でない場合の前記利用可能期間よりも前記利用可能期間を長く設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記飛行計画は飛行申請期間を含み、
前記設定部は、前記飛行申請期間と同じ長さに前記利用可能期間を設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記飛行計画は飛行申請期間を含み、
前記設定部は、前記飛行申請期間が長いほど前記利用可能期間を長く設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記通信回線の利用料金を記憶する記憶部をさらに有し、
前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記利用料金が高いほど前記利用可能期間を長く設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記ユーザが飛行装置の飛行のために前記通信回線を利用している期間である利用継続期間を記憶する記憶部をさらに有し、
前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記利用継続期間が長いほど前記利用可能期間を長く設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記ユーザの前記飛行装置の飛行履歴を記憶する記憶部をさらに有し、
前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記飛行履歴と、前記飛行計画と、を比較することにより、前記飛行計画が示す飛行の実施率を算出し、算出した飛行の実施率が高いほど前記利用可能期間を長く設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記通信利用申請の対象として前記ユーザが契約している飛行装置の台数である契約台数を記憶する記憶部をさらに有し、
前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記契約台数が多いほど前記利用可能期間を長く設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記通信利用申請には、前記飛行装置を識別するための装置識別情報が含まれており、
前記取得部は、前記装置識別情報を前記外部システムに送信することにより前記飛行許可申請情報を取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取得部は、前記飛行装置の飛行履歴をさらに取得し、
前記設定部は、前記利用可能期間を設定した後に、前記飛行履歴が示す前記飛行装置の飛行内容と前記飛行計画との差が所定の条件を満たす場合に、前記利用可能期間の設定を取り消す、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付けるステップと、
前記通信利用申請を受け付けた場合に、前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を公開している公的機関の外部システムから、記飛行許可申請情報を取得するステップと、
前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画のうち、受け付けた前記通信利用申請に対応する飛行計画を特定し、前記飛行装置の飛行目的と前記通信回線の利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照して、特定した飛行計画が含む前記飛行目的に関連付けられた前記利用可能期間に基づく期間を、受け付けた前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間として設定するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータが実行する、
飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付けるステップと、
前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得するステップと、
前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画のうち、受け付けた前記通信利用申請に対応する飛行計画を特定し、前記飛行装置が飛行するエリアの大きさと前記通信回線の利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照して、特定した飛行計画が含む前記飛行装置が飛行するエリアに対応する前記エリアの大きさに関連付けられた前記利用可能期間に基づく期間を、受け付けた前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間として設定するステップと、
を有し、
前記設定するステップにおいては、前記エリアが広いほど前記利用可能期間を短く設定する、
情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータが実行する、
飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付けるステップと、
前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得するステップと、
前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画のうち、受け付けた前記通信利用申請に対応する飛行計画を特定し、前記飛行装置の飛行目的と前記通信回線の利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照して、特定した飛行計画が含む前記飛行目的に関連付けられた前記利用可能期間に基づく期間を、受け付けた前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間として設定するステップと、
前記飛行許可申請情報の変更の有無を所定の期間ごとに判定するステップと、
を有し、
前記設定するステップにおいては、前記飛行許可申請情報が変更されたと前記判定するステップにおいて判定した場合に、前記利用可能期間の設定を取り消す、
情報処理方法。
【請求項16】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な情報端末と、を備え、
前記情報処理装置は、
飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記通信利用申請を受け付けた場合に、前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を公開している公的機関の外部システムから、記飛行許可申請情報を取得する取得部と、
前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画のうち、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に対応する飛行計画を特定し、前記飛行装置の飛行目的と前記通信回線の利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照して、特定した飛行計画が含む前記飛行目的に関連付けられた前記利用可能期間に基づく期間を、前記受付部で受け付けた前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間として設定する設定部と、
を有し、
前記情報端末は、前記通信利用申請を前記情報処理装置に送信し、前記利用可能期間を示すデータを受信する通信部を有する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行装置を管理するための情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人飛行装置を飛行させる際に無線通信回線を使用する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-071612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信回線の数には限りがあるので、飛行装置が通信回線を利用する際には利用申請が行われる。多くの飛行装置が通信回線を利用できるようにするために、一度の利用申請によって許可される通信回線の利用可能日数が制限される場合がある。しかしながら、この場合、頻繁に飛行装置を飛行させる利用者は頻繁に利用申請を行う必要があるため、利用申請の作業の負荷が重かった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、利用申請の作業の負荷を軽くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける受付部と、前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得する取得部と、前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画に基づいて、前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間を設定する設定部と、を有する。
【0007】
前記飛行計画は前記飛行装置の飛行目的を含んでもよく、前記設定部は、前記飛行目的が定期的な飛行である場合、定期的な飛行でない場合の前記利用可能期間よりも前記利用可能期間を長く設定してもよい。
【0008】
前記飛行計画は飛行申請期間を含んでもよく、前記設定部は、前記飛行申請期間と同じ長さに前記利用可能期間を設定してもよい。
【0009】
前記飛行計画は飛行申請期間を含んでもよく、前記設定部は、前記飛行申請期間が長いほど前記利用可能期間を長く設定してもよい。
【0010】
前記飛行計画は前記飛行装置が飛行するエリアを含んでもよく、前記設定部は、前記エリアが広いほど前記利用可能期間を短く設定してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記通信回線の利用料金を記憶する記憶部をさらに有してもよく、前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記利用料金が高いほど前記利用可能期間を長く設定してもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記ユーザが飛行装置の飛行のために前記通信回線を利用している期間である利用継続期間を記憶する記憶部をさらに有してもよく、前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記利用継続期間が長いほど前記利用可能期間を長く設定してもよい。
【0013】
前記情報処理装置は、前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記ユーザの前記飛行装置の飛行履歴を記憶する記憶部をさらに有してもよく、前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記飛行履歴と、前記飛行計画と、を比較することにより、前記飛行計画が示す飛行の実施率を算出し、算出した飛行の実施率が高いほど前記利用可能期間を長く設定してもよい。
【0014】
前記情報処理装置は、前記通信回線を利用するユーザに関連付けて、前記通信利用申請の対象として前記ユーザが契約している飛行装置の台数である契約台数を記憶する記憶部をさらに有してもよく、前記設定部は、前記通信利用申請に含まれている前記ユーザを特定するための情報に対応する前記ユーザに関連付けて前記記憶部に記憶された前記契約台数が多いほど前記利用可能期間を長く設定してもよい。
【0015】
前記取得部は、前記受付部が前記通信利用申請を受け付けた場合に、前記飛行許可申請情報を公開している公的機関の外部システムから前記飛行許可申請情報を取得してもよい。
【0016】
前記通信利用申請には、前記飛行装置を識別するための装置識別情報が含まれていてもよく、前記取得部は、前記装置識別情報を前記外部システムに送信することにより前記飛行許可申請情報を取得してもよい。
【0017】
前記情報処理装置は、前記飛行許可申請情報の変更の有無を所定の期間ごとに判定する判定部をさらに有してもよく、前記設定部は、前記飛行許可申請情報が変更されたと前記判定部が判定した場合に、前記利用可能期間の設定を取り消してもよい。
【0018】
前記取得部は、前記飛行装置の飛行履歴をさらに取得してもよく、前記設定部は、前記利用可能期間を設定した後に、前記飛行履歴が示す前記飛行装置の飛行内容と前記飛行計画との差が所定の条件を満たす場合に、前記利用可能期間の設定を取り消してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付けるステップと、前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得するステップと、前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画に基づいて、前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間を設定するステップと、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な情報端末と、を備え、前記情報処理装置は、飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける受付部と、前記飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得する取得部と、前記飛行許可申請情報が示す前記飛行計画に基づいて、前記通信利用申請に基づく前記通信回線の利用可能期間を設定する設定部と、を有し、前記情報端末は、前記通信利用申請を前記情報処理装置に送信し、前記利用可能期間を示すデータを受信する通信部を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、利用申請の作業の負荷を軽くできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】情報処理システムの動作の概要を示す図である。
図2】情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図3】記憶部が記憶するユーザ申請データベースの一例を示す図である。
図4】飛行許可申請情報の一例を示す図である。
図5】利用可能期間データの一例を示す図である。
図6】情報端末の構成の一例を示す図である。
図7】情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[情報処理システムSの概要]
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システムSの概要を説明する。図1は、情報処理システムSの動作の概要を示す図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、情報端末2と、を備える。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。情報処理システムSは、無線通信機能を有する飛行装置の飛行計画を管理している他のシステム(例えば、公的機関の外部システムであるドローン情報基盤システム(DIPS)3)と連携して動作することにより、飛行計画の内容に基づいて、飛行装置が通信回線を利用可能な期間を飛行装置のユーザが把握できるようにするためのシステムである。通信回線は、例えば携帯電話事業者が提供する無線通信回線であるが、他の事業者が提供する無線通信回線であってもよい。
【0024】
情報処理装置1は、飛行装置が飛行する際に利用する通信回線の利用可能期間を設定するサーバ等のコンピュータである。基地局が提供する無線通信チャネルは有限なので、同じエリアを多数の飛行装置が飛行すると、飛行装置が基地局と良好に通信できなくなる場合がある。このため、一度の利用申請によって許可される通信回線の利用可能日数を制限する必要がある。しかしながら、この場合、頻繁に飛行装置を飛行させる利用者は頻繁に利用申請を行う必要があるため、利用申請の作業の負荷が大きかった。そこで、情報処理装置1は、飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付けると、例えば飛行装置の飛行計画(例えば飛行目的)に基づいて、当該通信利用申請に基づく通信回線の利用可能期間を設定する。
【0025】
情報処理装置1は、インターネット等の通信ネットワークを介して複数の情報端末2及びDIPS3と接続されている。情報端末2は、飛行装置の飛行の申請者である飛行装置のユーザが使用する情報端末であり、情報処理装置1と通信可能である。情報端末2は、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型端末であってもよいし、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型端末であってもよい。DIPS3は、飛行装置の各種手続きをオンラインで実現可能とするためのシステムであり、国土交通省の管理の元で運用されている。また、DIPS3には、飛行装置の複数回の飛行の飛行計画が登録されている。飛行計画は、例えば、飛行装置の飛行目的及び飛行申請期間等を含む。
【0026】
図1を参照しながら、情報処理装置1が実行する処理の概要を説明する。まず、情報端末2は、通信利用申請の入力をユーザから受け付けると、入力された通信利用申請を情報処理装置1に送信する(図1における(1))。続いて、情報処理装置1は、受信した通信利用申請に対応する飛行計画を取得するためにDIPS3に問合せを送信する(図1における(2))。続いて、問合せを受信したDIPS3は、対応する飛行計画を情報処理装置1に送信する(図1における(3))。
【0027】
情報処理装置1は、受信した飛行計画に基づいて、受け付けた通信利用申請に基づく無線通信回線の利用可能期間を設定する。例えば、情報処理装置1は、飛行計画が含む飛行目的が定期的な飛行(例えば、「輸送・宅配」を目的とする飛行)である場合、定期的な飛行でない場合の利用可能期間よりも長い利用可能期間(例えば、飛行計画が含む飛行申請期間と同じ長さの期間であり、例えば1年間)を設定する。これに対して、情報処理装置1は、飛行計画が含む飛行目的が単発の飛行(例えば、「観測」を目的とする飛行)である場合、定期的な飛行である場合の利用可能期間よりも短い利用可能期間(例えば、5日間)を設定する。そして、情報処理装置1は、設定した利用可能期間を情報端末2に送信する(図1における(4))。これにより、ユーザは、設定された利用可能期間を自身の情報端末2上で確認できる。
【0028】
このように、情報処理装置1は、飛行目的が「輸送・宅配」のような定期的な飛行である場合には長い利用可能期間を設定し、これに対して、飛行目的が「観測」のような単発の飛行である場合には短い利用可能期間を設定する。この結果、定期的な飛行を目的とするユーザは、従来のように頻繁に通信利用申請を行う必要がなくなるため、利用申請の作業の負荷が軽くなる。
【0029】
[情報処理装置1の構成]
次に、情報処理装置1の構成を説明する。図2は、情報処理装置1の構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、図2に示すように、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0030】
通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報端末2及びDIPS3と通信を行うための通信インターフェースである。
【0031】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部12は、制御部13を、受付部131、取得部132、設定部133及び判定部134として機能させる情報処理プログラムを記憶している。記憶部12は、利用可能期間データを記憶する。利用可能期間データの内容の詳細は、後述する。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された情報処理プログラムを実行することにより、受付部131、取得部132、設定部133及び判定部134として機能する。
【0033】
受付部131は、飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける。受付部131は、例えば、情報端末2から、通信部11を介して通信利用申請を受け付ける。通信利用申請は、例えば、飛行装置の飛行の申請者である飛行装置のユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)と、飛行装置を識別するための装置識別情報(装置ID)と、を関連付けて含む。通信利用申請は、通信回線の利用料金に関する情報(料金情報)をさらに含んでもよい。
【0034】
受付部131は、複数の情報端末2から受信した複数のユーザに対応する通信利用申請を記憶部12に記憶させる。図3は、記憶部12が記憶するユーザ申請データベースの一例を示す図である。ユーザ申請データベースにおいては、ユーザIDと、装置IDと、が関連付けられている。ユーザ申請データベースにおいては、ユーザIDに関連付けて、通信回線の利用料金に関する情報、ユーザが飛行装置の飛行のために通信回線を利用している期間である利用継続期間、ユーザの飛行装置の飛行履歴、及び通信利用申請の対象としてユーザが契約している飛行装置の台数である契約台数の少なくともいずれかが含まれていてもよい。
【0035】
取得部132は、飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得する。取得部132は、例えば、受付部131が通信利用申請を受け付けた場合に、飛行許可申請情報を公開しているDIPS3から飛行許可申請情報を取得する。具体的には、取得部132は、通信利用申請が含む装置IDをDIPS3に送信することにより、装置IDに対応する飛行許可申請情報を取得する。
【0036】
より具体的には、取得部132は、受付部131で受け付けた通信利用申請が含む装置IDを含む飛行許可申請情報がDIPS3に存在するかを、通信部11を介してDIPS3に問い合わせる。装置IDに対応する飛行許可申請情報が存在する場合、取得部132は、DIPS3から、通信部11を介して、当該装置IDを含む飛行許可申請情報を取得する。装置IDに対応する飛行許可申請情報が存在しない場合、取得部132は、飛行許可申請情報を取得できなかった旨を示す情報を、通信部11を介して情報端末2に送信することにより、飛行許可申請情報を取得できなかった旨をユーザに通知する。ここで、飛行許可申請情報の内容について図4を用いて説明する。
【0037】
図4は、DIPS3から送信される飛行許可申請情報の一例を示す図である。飛行許可申請情報は、図4に示すように、ユーザIDと、装置IDと、飛行計画と、を関連付けて含む。飛行計画は、図4に示すように、例えば飛行装置の飛行目的と、飛行申請期間と、飛行装置が飛行するエリアと、を関連付けて含む。飛行目的は、飛行装置を飛行させる目的であり、例えば、「輸送・宅配」、「救急」及び「観測」等である。飛行申請期間は、飛行装置を飛行させる期間として、ユーザが、DIPS3に申請した期間である。飛行装置が飛行するエリアは、飛行装置を飛行させる期間として、ユーザがDIPS3に申請したエリアである。
【0038】
設定部133は、飛行許可申請情報が示す飛行計画に基づいて、通信利用申請に基づく通信回線の利用可能期間を設定する。例えば、設定部133は、飛行計画が含む飛行目的、飛行計画が含む飛行エリアの大きさ及び通信利用申請が含む料金情報のうちの少なくとも一つの情報に基づいて、利用可能期間を設定する。設定部133は、飛行目的、飛行エリアの大きさ、及び料金情報のそれぞれと利用可能期間とが関連付けられた利用可能期間データを参照することにより、飛行許可申請情報が示す飛行目的、飛行エリアの大きさ、及び料金情報に対応する利用可能期間を設定する。ここで、利用可能期間データの内容について図5を用いて説明する。
【0039】
図5は、情報処理装置1の記憶部12に記憶されている利用可能期間データの一例を示す図である。利用可能期間データは、図5に示すように、飛行目的と、飛行エリアの大きさと、料金情報と、利用可能期間と、を関連付けて含む。言い換えると、利用可能期間データにおいては、飛行目的、飛行エリアの大きさ及び料金情報の組み合わせ毎に利用可能期間が関連付けられている。
【0040】
設定部133は、飛行許可申請情報が示す飛行目的、飛行エリアの大きさ、及び料金情報の組み合わせに対応する利用可能期間を特定し、情報端末2に、通信部11を介して、特定した利用可能期間を送信することにより、ユーザに設定した利用可能期間をユーザに通知する。設定部133がこのように飛行許可申請情報に基づいて利用可能期間を設定することで、ユーザは従来のように頻繁に通信利用申請を行う必要がなくなるため、利用申請の作業の負荷が軽くなる。なお、設定部133が利用可能期間を設定する方法の詳細については後述する。
【0041】
ところで、設定部133が利用可能期間の設定に用いた飛行許可申請情報がユーザによって変更された場合(例えば、飛行目的が変更された場合)、設定部133が設定した利用可能期間を見直す必要がある。そこで、判定部134は、飛行許可申請情報の変更の有無を所定の期間ごとに判定する。そして、飛行許可申請情報が変更されたと判定部134が判定した場合に、設定部133は、利用可能期間の設定を取り消す。例えば、設定部133は、飛行許可申請情報中の重要項目(例えば、「飛行目的」)が変更された場合に、利用可能期間の設定を取り消し、ユーザに再申請をさせる。
【0042】
なお、設定部133は、飛行許可申請情報が変更されたという事実のみをもって利用可能期間の設定を取り消すのではなく、飛行許可申請情報についての変更内容に応じて、利用可能期間の設定を取り消してもよい。例えば、設定部133は、飛行目的が、「輸送・宅配」から「観測」に変更された場合に、利用可能期間の設定を取り消す。
【0043】
設定部133は、情報端末2に、通信部11を介して、利用可能期間の設定が取り消された旨を送信することにより、利用可能期間の設定が取り消された旨をユーザに通知する。取り消された旨の通知を受けたユーザが、通信利用申請の再申請をすると、設定部133は新たな利用可能期間を設定する。
【0044】
このように、飛行許可申請情報が変更された場合に設定部133が利用可能期間の設定を取り消すことで、変更後の飛行許可申請情報に基づいて設定されるべき利用可能期間より長い利用可能期間が設定された状態が続いてしまうことを抑制できる。
【0045】
また、利用可能期間を設定されたユーザの飛行装置が、飛行計画通りに飛行していない場合にも、設定部133が設定した利用可能期間を見直す必要がある。そこで、取得部132は、飛行装置の飛行履歴をさらに取得してもよい。そして、設定部133は、利用可能期間を設定した後に、取得部132が取得した飛行履歴が示す飛行装置の飛行内容と飛行計画との差が所定の条件を満たす場合に、利用可能期間の設定を取り消す。例えば、設定部133は、取得部132が取得した飛行履歴が示す飛行装置の飛行内容のうち、飛行計画が含む飛行エリアに含まれているものの割合が、所定の割合を下回る場合に、利用可能期間の設定を取り消す。
【0046】
なお、設定部133は、利用可能期間の設定を取り消す前に、ユーザに対して警告を通知してもよい。これにより、ユーザは、飛行装置の飛行経路を修正する期間が与えられるので、利用可能期間の設定を急に取り消されて飛行装置を飛行させること自体ができなくなるのを回避できる。
【0047】
このように、ユーザの飛行装置が飛行計画通りに飛行していない場合に設定部133が利用可能期間の設定を取り消すことで、飛行計画通りに飛行装置を飛行させていないユーザ及び利用申請だけして実際は飛行装置を全く飛行させていないユーザのせいで他のユーザの飛行装置の飛行が妨げられてしまうのを抑制できる。
【0048】
設定部133は、情報端末2に、通信部11を介して、利用可能期間の設定が取り消された旨を送信することにより、利用可能期間の設定が取り消された旨をユーザに通知する。警告を事前に通知している場合は、設定部133は、警告後の一定期間を経ても、警告を通知したユーザの飛行装置の飛行経路が修正されていない場合に、利用可能期間の設定を取り消し、利用可能期間の設定が取り消された旨をユーザに通知する。
【0049】
[情報端末2の構成]
次に、情報端末2の構成を説明する。図6は、情報端末2の構成の一例を示す図である。情報端末2は、図6に示すように、通信部21と、表示部22と、記憶部23と、制御部24と、を備える。
【0050】
通信部21は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報処理装置1と通信を行うための通信インターフェースである。通信部21は、通信利用申請を情報処理装置1に送信する。また、通信部21は、利用可能期間を示すデータを受信する。
【0051】
表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部22は、表示処理部241の制御に応じて各種情報を表示する。表示部22は、例えば、ユーザが通信利用申請を入力するための画面を表示する。表示部22は、タッチパネルを有しており、ユーザによるデータの入力を受けてもよい。
【0052】
記憶部23は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部23は、制御部24を、表示処理部241及び入力受付部242として機能させるプログラムを記憶している。
【0053】
制御部24は、例えばCPUである。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、表示処理部241及び入力受付部242として機能する。
【0054】
表示処理部241は、各種の情報を表示部22に表示させる。表示処理部241は、通信利用申請を入力するための画面を表示部22に表示させる。また、表示処理部241は、設定された利用可能期間を、通信部21を介して、情報処理装置1の設定部133から受信した後、受信した利用可能期間を表示部22に表示させる。また、表示処理部241は、利用可能期間の設定が取り消された旨を、通信部21を介して、情報処理装置1の設定部133から受信した後、利用可能期間の設定が取り消された旨を表示部22に表示させる。また、表示処理部241は、利用可能期間の設定が取り消された後に再申請を入力するための画面を表示部22に表示させる。
【0055】
入力受付部242は、通信利用申請の入力をユーザから受け付けて、通信部21を介して、入力された通信利用申請を情報処理装置1の受付部131に送信する。また、入力受付部242は、利用可能期間の設定が取り消された後の再申請の入力をユーザから受け付けて、通信部21を介して、入力された再申請を情報処理装置1の設定部133に送信する。
【0056】
[利用可能期間の設定方法]
設定部133が行う利用可能期間の設定方法について説明する。設定部133は、飛行目的が定期的な飛行である場合、定期的な飛行でない場合の利用可能期間よりも利用可能期間を長く設定する。例えば、設定部133は、DIPS3から取得した飛行目的が定期的な飛行に該当する「輸送・宅配」を目的とする飛行である場合、図5に示す利用可能期間データにおいて飛行目的「輸送・宅配」に対応する利用可能期間「6ヵ月」を選択する。
【0057】
これに対して、設定部133は、DIPS3から取得した飛行目的が単発の飛行に該当する「観測」を目的とする飛行である場合、例えば6ヵ月よりも短い期間を利用可能期間とする。例えば図5に示す利用可能期間データにおいては、飛行目的が「観測」である場合の利用可能期間は20日以内になっている。このように設定部133が、定期的な飛行目的の飛行に対して、定期的ではない飛行目的の飛行に対する利用可能期間よりも長い利用可能期間を設定することで、定期的な飛行を申請したいユーザは、頻繁に通信利用申請を行う必要がなくなるため、利用申請の作業の負荷が軽くなる。
【0058】
また、設定部133は、飛行装置が飛行するエリアが広いほど利用可能期間を短く設定してもよい。例えば、設定部133は、DIPS3から取得した飛行エリアが「都内全域」である場合、図5に示す利用可能期間データにおいて飛行エリアの大きさ「〇〇km以上」に対応する利用可能期間である10日又は5日を設定する。これに対して、設定部133は、DIPS3から取得した飛行エリアが「千代田区」である場合、図5に示す利用可能期間データにおいて飛行エリアの大きさ「〇〇km未満」に対応する利用可能期間である20日又は15日を設定する。このように、設定部133が、飛行装置が飛行するエリアの広さに応じて利用可能期間を設定することで、特定のユーザの飛行装置に対して、広範囲かつ長期間にわたって飛行を許可してしまうのを抑制できる。この結果、当該特定のユーザの飛行装置による通信回線の利用が他の飛行装置の飛行の妨げになるのを抑制できる。
【0059】
また、設定部133は、ユーザが契約する通信回線の利用料金が高いほど、利用可能期間を長く設定してもよい。具体的には、設定部133は、通信利用申請に含まれているユーザIDに対応するユーザに関連付けて記憶部12のユーザ申請データベースに記憶された利用料金が高いほど利用可能期間を長く設定してもよい。例えば、設定部133は、図3のユーザ申請データベースが含む料金情報が「高額プラン」である場合、図5に示す利用可能期間データにおいて料金情報「高額プラン」に対応する利用可能期間である20日又は10日を設定する。
【0060】
これに対して、設定部133は、図3のユーザ申請データベースが含む料金情報が「低額プラン」である場合、図5に示す利用可能期間データにおいて料金情報「低額プラン」に対応する利用可能期間である15日又は5日を設定する。このように、設定部133が、ユーザが契約する通信回線の利用料金に応じて利用可能期間を設定することで、ユーザの予算に応じた妥当な利用可能期間を設定できる。設定部133は、ユーザが利用する通信回線の利用料金を示す情報が通信利用申請に含まれている場合、通信利用申請に含まれている利用料金が高いほど利用可能期間を長く設定してもよい。
【0061】
ここで、具体例として、図3に示す通信利用申請に対して、どのように利用可能期間が設定されるのかを説明する。受付部131が装置ID=D001に対応する通信利用申請を受け付けた場合、設定部133は、図4に示す飛行許可申請情報において装置ID=D001に対応する飛行計画である「飛行目的=輸送・宅配、飛行申請期間=1年間、飛行エリア=港区」の飛行計画を特定する。続いて、設定部133は、図5に示す利用可能期間データにおいて、特定した飛行計画の「飛行目的=輸送・宅配」に関連付けられた利用可能期間が6ヵ月であることから、装置ID=D001に対応する利用可能期間を6ヵ月に設定する。
【0062】
同様に、受付部131が装置ID=D002に対応する通信利用申請を受け付けた場合、設定部133は、図5に示す利用可能期間データにおいて、装置ID=D002に対応する飛行計画である「飛行目的=観測」と「飛行エリア=都内全域」が該当する飛行エリアの大きさ「〇〇km以上」と、ユーザID=U002のユーザが契約する「低額プラン」と、に関連付けられた利用可能期間である5日間を特定する。設定部133は、ユーザID=U002、装置ID=D002に対応する利用可能期間を5日間に設定する。
【0063】
ところで、飛行目的によっては、利用可能期間に制限を設けない方がよいという場合も想定される。そこで、設定部133は、飛行申請期間と同じ長さに利用可能期間を設定してもよい。設定部133は、例えば、飛行目的が所定の条件を満たす場合(例えば、輸送・宅配のように定期的に行われる業務である場合)、利用可能期間として最長の期間である飛行申請期間と同じ期間を自動的に設定できる。このように、設定部133が、飛行申請期間と同じ期間を利用可能期間として設定することで、利用申請を許可する事業者は、利用申請に対応する飛行申請期間を調べることなく、所望の期間を利用可能期間に設定することが可能になる。
【0064】
ただし、飛行申請期間が長過ぎる場合にも設定部133が飛行申請期間と同じ長さに利用可能期間を設定すると、他のユーザの飛行装置の飛行が制限される場合がある。そこで、設定部133は、飛行申請期間を利用可能期間と異なる期間とするとともに、飛行申請期間が長いほど利用可能期間を長く設定してもよい。例えば、設定部133は、飛行申請期間が1年である場合には利用可能期間を120日に設定し、飛行申請期間が6か月である場合には利用可能期間を60日に設定してもよい。飛行申請期間はユーザが自身で申請した期間であるため、このように、設定部133が飛行申請期間の長さに応じて利用可能期間を設定することで、設定された利用可能期間に対してユーザは納得感を抱きやすくなる。
【0065】
ここで、設定部133は、ユーザによる通信回線の過去の利用状況に応じて、利用可能期間を設定してもよい。例えば、設定部133は、通信利用申請に含まれているユーザIDに対応するユーザに関連付けて記憶部12のユーザ申請データベースに登録された利用継続期間が長いほど利用可能期間を長く設定する。利用継続期間は、上述のとおり、ユーザが飛行装置の飛行のために通信回線を利用している期間である。このようにすることで、自身の飛行装置の飛行に通信回線を長い期間利用するようにユーザが動機付けられる。
【0066】
また、設定部133は、通信利用申請に含まれているユーザIDに対応するユーザに関連付けて記憶部12のユーザ申請データベースに記憶された飛行履歴と、飛行計画が示す飛行内容とを比較することにより、飛行計画が示す飛行の実施率を算出し、算出した飛行の実施率が高いほど利用可能期間を長く設定してもよい。実施率は、例えば、飛行計画が示す飛行時間に対する飛行履歴が示す実際の飛行時間の割合である。実施率が高いユーザは、信頼度が高いユーザであると考えられる。したがって、設定部133がこのように信頼度が高いユーザに対して利用可能期間を長く設定することで、通信回線が有効活用されやすくなる。また、設定部133がこのように動作することで、ユーザが飛行計画どおりに飛行装置を飛行させるように動機付けられる。
【0067】
また、設定部133は、通信利用申請に含まれているユーザIDに対応するユーザに関連付けて記憶部12のユーザ申請データベースに記憶された契約台数が多いほど利用可能期間を長く設定してもよい。設定部133がこのように動作することで、ユーザが、より多くの飛行装置を通信利用申請の対象として契約することの動機付けとなる。
【0068】
[情報処理装置1における処理の流れ]
情報処理装置1における処理の流れを説明する。図7は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、ユーザが通信利用申請をするためのアプリケーションソフトウェアを情報端末2において起動した時点から開始している。
【0069】
まず、受付部131は、情報端末2から通信部11を介して、飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける(S1)。続いて、取得部132は、外部システムであるDIPS3から通信部11を介して、S1において受け付けられた通信利用申請が含む装置IDに対応する飛行計画を取得する(S2)。
【0070】
続いて、設定部133は、S2において取得された飛行計画に基づいて、S1において受け付けられた通信利用申請に基づく通信回線の利用可能期間を設定する(S3)。例えば、設定部133は、飛行計画が含む飛行目的が定期的な飛行である場合、飛行計画が含む飛行申請期間と同じ長さの利用可能期間(例えば1年間)を設定する。続いて、設定部133は、S3において設定された利用可能期間を情報端末2に送信することにより、S3において設定された利用可能期間をユーザに通知する(S4)。そして、S4において利用可能期間が設定されてから所定の期間が経過した後、以下のS5~S8の処理が実行される。
【0071】
判定部134は、利用可能期間の設定以降、飛行計画が変更されたか否かを判定する(S5)。飛行計画が変更された場合(S5:YES)、判定部134は、S3において設定された利用可能期間を取り消した後(S6)、取り消した旨を情報端末2に送信することにより、取り消した旨をユーザに通知する(S8)。これに対して、飛行計画が変更されていない場合(S5:NO)、以下のステップS7へと進む。
【0072】
設定部133は、飛行履歴が示す所定期間内の飛行装置の飛行内容と飛行計画との間に所定の差があるか否かを判定する(S7)。所定期間は、例えば利用可能期間よりも短い期間であり、利用可能期間の半分の期間である。所定の差は、例えば、飛行履歴が示す飛行エリアが、設定された利用可能期間の次に短い利用可能期間に対応する飛行エリアよりも小さいといった差である。
【0073】
所定の差がある場合(S7:YES)、設定部133は、S3において設定された利用可能期間を取り消す(S6)。設定部133は、取り消した旨を情報端末2に送信することにより、取り消した旨をユーザに通知する(S8)。これに対して、所定の差がない場合(S7:NO)、設定部133は設定された利用可能期間を取り消さないので、通信利用申請を行ったユーザは、引き続き飛行装置を飛行させることができる。設定部133がこのように動作することで、実際の飛行計画と異なる内容の飛行許可申請が行われることを抑制できる。
【0074】
なお、S5とS7の処理順序は、特に制限されず、前述の説明とは逆の順序で実行されてもよいし、或いは、同時に実行されてもよい。
【0075】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1においては、飛行許可申請情報が示す飛行計画に基づいて、通信利用申請に基づく通信回線の利用可能期間を設定できる。この結果、定期的な飛行を目的とするユーザは、従来のように頻繁に通信利用申請を行う必要がなくなるため、利用申請の作業の負荷が軽くなる。
【0076】
また、本実施形態に係る情報処理装置1においては、飛行目的が定期的な飛行の場合又飛行申請期間が長い場合には、利用可能期間を長く設定でき、逆に、飛行装置が飛行するエリアが広い場合には、利用可能期間を短く設定できる。この結果、適切な利用可能期間を設定できる。
【0077】
そして、本実施形態に係る情報処理装置1においては、飛行許可申請情報がユーザによって変更された場合又は利用可能期間を設定されたユーザの飛行装置が飛行計画通りに飛行していない場合には、設定された利用可能期間を取り消すことができる。この結果、飛行許可申請を適切に行わないユーザがいることにより、他の飛行装置が飛行できない状態が発生することを抑制できる。
【0078】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0080】
例えば、以上の説明においては外部システムがDIPS3である場合を例示したが、外部システムは、飛行計画を管理するDIPS3以外のシステムであってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 取得部
133 設定部
134 判定部
2 情報端末
21 通信部
22 表示部
23 記憶部
24 制御部
241 表示処理部
242 入力受付部
3 ドローン情報基盤システム(DIPS)
S 情報処理システム
【要約】
【課題】飛行装置が通信回線を利用する際における利用者の利用申請の作業の負荷を軽くする。
【解決手段】本実施形態に係る情報処理装置1は、飛行装置が飛行する際に通信回線を利用するための通信利用申請を受け付ける受付部131と、飛行装置の複数回の飛行の飛行計画を示す飛行許可申請情報を取得する取得部132と、飛行許可申請情報が示す飛行計画に基づいて、通信利用申請に基づく通信回線の利用可能期間を設定する設定部133と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7