(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場およびその施工方法
(51)【国際特許分類】
B66B 13/30 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
B66B13/30 L
(21)【出願番号】P 2023563790
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 KR2021013850
(87)【国際公開番号】W WO2022139133
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0181842
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0068983
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523239837
【氏名又は名称】チャン ジョンチョル
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジョンチョル
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-016626(JP,A)
【文献】国際公開第2020/230229(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00803463(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物底の段部に固定されたシールブラケット;
前記シールブラケットの上部に固定された敷居;
前記敷居のスライディング可能に結合された乗場戸;
前記乗場戸と並んで前記建物底の上部に設置された三方枠;および
垂直部と、前記垂直部の下端部から前記敷居方向に折り曲げられた水平部を含む分離板;を含み、
前記分離板の垂直部は前記三方枠の下部の一側部に固定され、
前記分離板の水平部は前記敷居と前記シールブラケットの間に分離可能であるように挿入結合され、前記三方枠方向に分離されないように前記敷居の下部に係止されることを特徴とする、敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項2】
前記敷居は、
前記乗場戸のドアシューがスライディング結合されるレール部;
前記レール部の一側部に一体に形成され、前記敷居の下部と前記シールブラケットの上部の間に挿入される前記分離板の水平部を下側に押圧して固定する第1固定部;および
前記レール部の他側部に一体に形成され、固定ボルトを通じて前記シールブラケットに固定される第2固定部;を含むことを特徴とする、請求項1に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項3】
前記第1固定部は前記三方枠方向に開放された「⊃」構造からなり、上部が前記分離板の垂直部を覆って前記分離板の垂直部が外部に露出しないように上部天井には前記分離板の垂直部の上端部が挿入される溝が形成されており、下部の終端部には下側に折り曲げられて前記分離板の水平部に形成された係止溝に係止される係止段が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項4】
前記係止段と前記レール部の下部面の間には前記分離板の水平部が挿入されるように段差が形成され、前記係止段と前記レール部の下部面間の段差は前記分離板の水平部の厚さと同一であるか前記分離板の水平部の厚さよりも大きいことを特徴とする、請求項3に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項5】
前記分離板は前記分離板の垂直部の下端部で前記分離板の水平部と反対方向に水平に折り曲げられて前記三方枠の下部と前記建物底に満たされたモルタル仕上げ材の間に挿入される固定部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項6】
建物底の段部に固定されたシールブラケット;
前記シールブラケットの上部に固定された敷居;
前記敷居のスライディング可能に結合された乗場戸;
前記乗場戸と並んで前記建物底の上部に設置された三方枠;および
垂直部と、前記垂直部から水平に折り曲げられた水平部を含む「L」字状構造からなり、前記垂直部が前記三方枠の下部の一側部に固定され、前記水平部は前記敷居と前記シールブラケットの間に分離可能であるように挿入結合される分離板;を含むことを特徴とする、敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項7】
前記敷居は、
前記乗場戸のドアシューがスライディング結合されるレール部;
前記レール部の一側部に一体に形成され、前記敷居の下部と前記シールブラケットの上部の間に挿入される前記分離板の水平部を下側に押圧して固定する第1固定部;および
前記レール部の他側部に一体に形成され、固定ボルトを通じて前記シールブラケットに固定される第2固定部;を含むことを特徴とする、請求項6に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項8】
前記第1固定部は下部が前記シールブラケットの上面から前記レール部の下部より高く形成され、前記第1固定部の下部と前記シールブラケットの間には前記分離板の水平部が挿入される隙間が形成されたことを特徴とする、請求項7に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項9】
前記第1固定部の下面と前記シールブラケットの上面の間の間隔は前記分離板の水平部の厚さと同一であるか前記分離板の水平部の厚さよりも大きいことを特徴とする、請求項8に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項10】
前記分離板は垂直部がボルトまたはナットとボルトを通じて前記三方枠に固定されることを特徴とする、請求項6に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場。
【請求項11】
建物底の段部にシールブラケットを設置する段階;
前記建物底の上部に三方枠を設置する段階;
分離板の水平部が前記シールブラケットの上面に密着するように前記分離板の垂直部を前記三方枠に設置して固定する段階;
敷居の第1固定部が前記分離板の水平部の上部に装着されるように固定ボルトを利用して前記敷居の第2固定部を前記シールブラケットの上部に設置して固定する段階;および
前記敷居のレール部に乗場戸をスライディング可能に結合する段階;を含むことを特徴とする、敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場の施工方法。
【請求項12】
前記乗場戸を前記敷居から分離する段階;
前記固定ボルトを緩めて前記敷居を前記シールブラケットから分離する段階;
分離した敷居のところに新しい製品の敷居で取り替える段階;および
取り替えられた新しい製品の敷居のレール部に前記乗場戸をスライディング可能に結合する段階;をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗客または貨物の乗降車のために建物の各階に設置され、乗場戸、敷居(door sill)および三方枠(jamb)等を含むエレベータ用乗場およびその施工方法に関し、詳細には、三方枠と敷居の間に組立と分離が容易な「逆T」字状または「L」字状分離板を設置して三方枠と敷居を結合することによって、建物の仕上げ作業(乗場底のモルタル充填作業)後にも建物の乗場底のモルタルやコンクリートの解体なしに敷居を簡便に取り替えることができるエレベータ用乗場およびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、6階以上の高層建物には動力を利用して乗客や貨物を上下に移送および運ぶエレベータ(elevator)が設置される。そして、建物の各階には上下に移動するエレベータカーに乗客や貨物を乗降車するために乗場が設置される。
【0003】
乗場は乗場戸、敷居(door sill)および三方枠(jamb)等を含む。敷居は乗場戸の直下部底面(エレベータ出入口の底面)に水平方向に設置される。そして、乗場戸は下端部が敷居のレール部にスライディング結合される複数個のドアシューを媒介に敷居に沿ってスライディング方式で移動して出入口を開閉する。
【0004】
一方、エレベータは各階の仕上げ工事時に工事機材などを運ぶために、建物を完工する前に予め設置して使う。このため、エレベータを利用して工事機材などを運ぶ時、外部に露出する敷居の表面にスクラッチ、あるいは摩耗または破損などが容易に発生し得るため、建物を完工した後には新規の製品で取り替えなければならない。
【0005】
図1および
図2は従来技術に係る乗場の施工過程を図示した断面図であり、
図3は
図1に図示された敷居を拡大して図示した断面図である。
【0006】
図1~
図3を参照すると、従来技術に係る乗場の施工過程は、まず各階の建物底(コンクリート底)1の段部にシールブラケット11を設置した後、その上部に敷居12を各階のレベル(fL、Finish Line)に合うように溶接固定する。そして、敷居12に三方枠13を固定した後、ドアシュー14aを通じて乗場戸14を設置する。
【0007】
引き続き、
図1のように、三方枠13と乗場戸14が設置された後、エレベータ関連調整作業が完了すれば、
図2のように、モルタルを利用した仕上げ作業を実施して三方枠13および乗場戸14と建物底1の間にモルタルを満たす。すなわち、モルタル仕上げ材2で三方枠13および乗場戸14と建物底1の間の空間を埋め立てて建物底1と三方枠13および乗場戸14の間の段差の発生を除去することによって施工を完了する。
【0008】
しかし、従来技術に係る乗場では三方枠13が敷居12の一側部に形成された第1固定部12aに挿入されるボルトBを媒介に敷居12に設置して固定され、モルタル仕上げ材2が三方枠13の下部を覆うように設置されることにより、敷居12の交換作業時にモルタル仕上げ材2を解体せずには取り替えが不可能な構造で形成されている。
【0009】
このように、従来技術に係る乗場では、三方枠13と敷居12間のボルトBを利用した結合構造によって、敷居12の交換作業時にすでに施工されているモルタル仕上げ材2等の建物仕上げ部をすべて解体しないと敷居12を取り替えることができなかった。
【0010】
したがって、従来技術に係る乗場では敷居12を取り替えた後、再びモルタル仕上げのように建物仕上げ工程を追加に実施しなければならないため取り替え作業が複雑であって取り替え費用と時間が増加し、産業廃棄物も増加して環境汚染を誘発させ、仕上げ作業面が不一致して乗場底面に段差が発生するなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】韓国登録特許第10-0768247号公報
【文献】韓国登録特許第10-1676295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、乗場に設置された敷居を取り替える時にすでに施工されたモルタル仕上げ材などを含む建物仕上げ材を解体せずとも独立的に敷居を簡便に取り替え得る、敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場およびその施工方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を具現するための本発明は、建物底の段部に固定されたシールブラケット;前記シールブラケットの上部に固定された敷居;前記敷居のスライディング可能に結合された乗場戸;前記乗場戸と並んで前記建物底の上部に設置された三方枠;および垂直部と、前記垂直部の下端部から前記敷居方向に折り曲げられた水平部を含む分離板を含み、前記分離板の垂直部は前記三方枠の下部の一側部に固定され、前記分離板の水平部は前記敷居と前記シールブラケットの間に分離可能であるように挿入結合され、前記三方枠方向に分離されないように前記敷居の下部に係止されることを特徴とする敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場を提供する。
【0014】
また、前記の目的を具現するための本発明は、建物底の段部に固定されたシールブラケット;前記シールブラケットの上部に固定された敷居;前記敷居のスライディング可能に結合された乗場戸;前記乗場戸と並んで前記建物底の上部に設置された三方枠;および垂直部と、前記垂直部から水平に折り曲げられた水平部を含む「L」字状構造からなり、前記垂直部が前記三方枠の下部の一側部に固定され、前記水平部は前記敷居と前記シールブラケットの間に分離可能であるように挿入結合される分離板を含むことを特徴とする敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場を提供する。
【0015】
また、前記の目的を具現するための本発明は、建物底の段部にシールブラケットを設置する段階;前記建物底の上部に三方枠を設置する段階;分離板の水平部が前記シールブラケットの上面に密着するように前記分離板の垂直部を前記三方枠に設置して固定する段階;敷居の第1固定部が前記分離板の水平部の上部に装着されるように固定ボルトを利用して前記敷居の第2固定部を前記シールブラケットの上部に設置して固定する段階;および前記敷居のレール部に乗場戸をスライディング可能に結合する段階を含むことを特徴とする敷居の取り替えが容易なエレベータ用乗場の施工方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
以上で説明した通り、本発明に係るエレベータ用乗場によると、組立および分離が容易な「逆T」字状または「L」字状構造の分離板を利用して三方枠と敷居を固定することによって、敷居を新しい製品で取り替える時に乗場底を仕上げる乗場底のモルタルやコンクリートなどを解体せずとも敷居を簡便に取り替えることができる。
【0017】
また、本発明に係るエレベータ用乗場によると、「逆T」字状構造からなる分離板の水平部が敷居の第1固定部にラッチ形態で係止される方式で敷居に結合されることによって、分離板が敷居から容易に分離されて離脱することを防止することができる。
【0018】
また、本発明に係るエレベータ用乗場によると、「逆T」字状または「L」字状構造からなる分離板を構成する垂直部の上端部が敷居の第1固定部の上部に覆われる構造で結合されることによって、分離板が外部に露出しないため建築仕上げ性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来技術に係る乗場の施工過程を図示した断面図である。
【
図2】従来技術に係る乗場の施工過程を図示した断面図である。
【
図3】
図1に図示された敷居を拡大して図示した断面図である。
【
図4】本発明の実施例1に係るエレベータ用乗場を図示した断面図である。
【
図6】
図5に図示された分離板が敷居の下部に挿入される過程を図示した断面図である。
【
図8】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図9】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図10】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図11】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図12】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図13】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図14】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図15】本発明の実施例2に係るエレベータ用乗場を図示した断面図である。
【
図17】
図15に図示された分離板が敷居の下部に挿入される過程を図示した断面図である。
【
図19】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図20】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図21】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図22】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図23】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【
図24】本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照して本発明の技術的特徴を具体的に説明することにする。
【0021】
図4は、本発明の実施例1に係るエレベータ用乗場を簡略に図示した断面図である。
【0022】
図4を参照すると、本発明の実施例1に係る乗場は建物の各階で乗降車するエレベータを利用するために各階に設置されるもので、基本的に各階の建物底(コンクリート底)1の上部に設置された三方枠13および乗場戸14を含む。
【0023】
三方枠13は乗場の出入口に設置される外部戸枠であって、略「⊂」の形状からなり、乗場戸14がスライディング結合される敷居22の下部に分離可能であるように設置された分離板23に一側部がボルト24またはナットとボルトを通じて固定される。
【0024】
図5は
図4に図示された分離板を図示した斜視図であり、
図6は
図5に図示された分離板が三方枠に固定された状態を図示した斜視図であり、
図7は
図5に図示された分離板が敷居の下部に挿入される過程を図示した断面図である。
【0025】
図5~
図7を参照すると、本発明に係る分離板23は、三方枠13の下部の一側面にボルト24(例えば、M8ボルト)を通じて密着固定される垂直部23aと、垂直部23aの下端部で水平に折り曲げられて敷居22の下部とシールブラケット11の間に設けられた隙間gに挿入される水平部23bを含んで「L」字状に形成される。
【0026】
分離板23は金属材質、例えばステンレス(stainless)材質からなり得、その長さは乗場の出入口幅より略600mm程度さらに大きく形成することができる。また、垂直部23aの長さL1は略23~25mm、水平部23bの長さは略8~10mmにすることができる。すなわち、分離板23は敷居22の規格に対応して形成することができる。
【0027】
このような分離板23は
図5のように、垂直部23aがボルト24またはボルトとナットを通じて三方枠13の下部の一側部に固定され、垂直部23aから折り曲げられた水平部23bは敷居22に別途の締結部材を通じて固定されるのではなく、敷居22の下部とシールブラケット11(または建物底1)の間の隙間gに挿入固定される。
【0028】
ボルト24は例えばM8ボルトを使うか、M8ボルトの代わりにM8ナットとボルトを使うことができる。このようなボルト24は分離板23の垂直部23aに備えられ得る。この時、ボルト24は2個が分離板23の長さ方向に締結され得、これら24間の間隔は乗場の出入口幅より略30~150mmさらに大きく形成して三方枠13の形状により規定された三方枠13の固定位置を合わせてさらに大きい間隔で離隔することができる。
【0029】
図8は、
図4に示された敷居を図示した正断面図である。
【0030】
図7および
図8のように、本発明に係る敷居22は、乗場戸14のドアシュー14aがスライディング結合されて乗場戸14をガイドするレール部22aを含む。
【0031】
レール部22aの一側部(
図8で左側)には敷居22とシールブラケット11の間に挿入される分離板23を下側に押圧して固定する第1固定部22bが一体に形成される。
【0032】
【0033】
第1固定部22bの下部面とレール部22aの下部面の間に発生する段差tは敷居22の下部が固定されるシールブラケット11の上面から第1固定部22bの下面との距離と同じである。そして、第1固定部22bの下部とレール部22aの下部間に発生する段差tは第1固定部22bの下部とシールブラケット11の上部の間に分離板23の水平部23bが挿入結合されるように水平部23bの厚さと同一であるか水平部23bの厚さよりも大きく形成される。
【0034】
図7のように、分離板23の水平部23bは第1固定部22bの下部とシールブラケット11の上部の間に形成された隙間g、すなわち第1固定部22bの下部面とレール部22aの下部面間の段差tで発生する隙間に挿入された後、シールブラケット11に固定される敷居22の固定力によって敷居22とシールブラケット11の間に固定される。
【0035】
一方、レール部22aの他側部(
図8で右側)には固定ボルト21を媒介に敷居22をシールブラケット11の上部に固定する第2固定部22cが一体に形成される。
【0036】
【0037】
一方、図示されてはいないが、敷居22を保護するためのカバー(図示されず)がさらに設置され得る。
【0038】
図9~
図14は、本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【0039】
図9のように、本発明に係る乗場の施工方法は、まず建物底1の段部にシールブラケット11を固定設置し、建物底1の上部に三方枠13を設置する。
【0040】
引き続き、三方枠13の下部の一側部にボルト24を利用して分離板23を固定設置した後、シールブラケット11の上部に固定ボルト21を通じて敷居22を固定する。
【0041】
敷居22の第1固定部22bは下部が分離板23の水平部23bの上部に整列された状態で装着されるように固定ボルト21を通じてシールブラケット11の上部に固定される。これに伴い、分離板23の水平部23bは敷居22の第1固定部22bとシールブラケット11の間で固定ボルト21に起因した敷居22の固定力によって強い固定力で固定される。
【0042】
引き続き、建築仕上げ作業を実施して乗場底を仕上げる。
【0043】
図9のように、乗場が設置完了した状態で、敷居22にスクラッチ、摩耗または破損などが発生して新しい製品で取り替える場合、その取り替え方法は次の通りである。
【0044】
まず、
図10のように、乗場戸14を敷居22から分離した後、
図11および
図12のように、固定ボルト21を緩めて敷居22をシールブラケット11から分離する。
【0045】
以後、
図13のように、施工方法と同じ方法で分離板23の水平部23bの上部に取り替える新しい敷居22’を載置して固定ボルト21を通じてシールブラケット11に固定する。
【0046】
以後、
図14のように、敷居22の設置が完了すれば、敷居22のレール部22aの内部に乗場戸14のドアシュー14aを結合させて敷居の取り替えを完了する。
【0047】
このように、本発明の実施例1に係る乗場では、組立および分離が容易な「L」字状構造の分離板23を利用して三方枠13と敷居22を固定することによって、敷居を新しい製品で取り替える時に乗場底を仕上げる乗場底のモルタルやコンクリートなどを解体せずとも簡便に敷居万を選択的に取り替えることができる。
【0048】
図15は、本発明の実施例2に係るエレベータ用乗場を図示した断面図である。
【0049】
図15を参照すると、本発明の実施例2に係る乗場は実施例1でのように、各階の建物底(コンクリート底)1の上部に設置された三方枠13および乗場戸14を含む。
【0050】
三方枠13は乗場の出入口に設置される外部戸枠であって、略「⊂」の形状からなり、乗場戸14がスライディング結合される敷居22の下部に分離可能であるように設置された分離板33に一側部がボルトb1またはナットとボルトを通じて固定される。
【0051】
図16は
図15に図示された分離板を図示した斜視図であり、
図17は
図16に図示された分離板が敷居の下部に挿入される過程を図示した断面図である。
【0052】
図16および
図17を参照すると、本発明に係る分離板33は、三方枠13方向に敷居32にラッチ形態で係止されるように概略断面が「逆T」字状で形成される。
【0053】
分離板33は例えば、三方枠13の下部の一側面にボルトb1(例えば、M8ボルト)を通じて緊密に密着固定される垂直部331と、垂直部331の下端部で水平に折り曲げられて敷居22の一側部の下部にラッチ形態で係止される水平部332と、垂直部331の下端部で水平部332と反対方向に水平に折り曲げられて三方枠13の下部とモルタル仕上げ材2の間に挿入される固定部333を含む。
【0054】
このような分離板33は、敷居32と同一のアルミニウム材質からなるため敷居32との異質感が発生しない。そして、長さは乗場の出入口幅より略600mm程度さらに大きく形成することができ、垂直部331の高さL1は略23~30mm、水平部332の長さL2は略8~10mmにすることができ、敷居32の規格により形成する。
【0055】
垂直部331はボルトb1またはボルトとナットを媒介に三方枠13の下部の一側部に固定され、垂直部331から折り曲げられた水平部332は上部に敷居32の一側部の終端部に下側に垂直に折り曲げられた係止段322bが係止される係止溝332aが形成されている。そして、固定部333は水平部332の反対側に垂直部331の下端部で水平に折り曲げられて三方枠13の下部とモルタル仕上げ材2の間に挿入される。
【0056】
ボルトb1は例えばM8ボルトを使うか、M8ボルトの代わりにM8ナットとボルトを使うことができる。このようなボルトb1は分離板33の垂直部331に穿孔した後に溶接して固定するものの、2個が分離板33の長さ方向に溶接締結され得、これら間の間隔は乗場の出入口幅より略30~150mmさらに大きく形成して三方枠13の形状により規定された三方枠13の固定位置を合わせてさらに大きい間隔で離隔することができる。
【0057】
【0058】
図17および
図18のように、本発明に係る敷居32は乗場戸14のドアシュー14aが挿入されてスライディング方式で乗場戸14がガイドされるレール部321を含む。
【0059】
レール部321の一側部(
図18で左側)には敷居32とシールブラケット11の間に挿入される分離板33の水平部332が結合される第1固定部322が一体に形成される。
【0060】
【0061】
そして、
図18のように、係止段322bとレール部321の下部面の間には段差tが形成されて、水平部332は
図17のように、係止段322bとシールブラケット11の間に引入された後に他側方向(三方枠13と反対方向)にレール部321の下部側部に係止される。
【0062】
係止段322bとレール部321の下部面の間に発生する段差tは、敷居32の下部が固定されるシールブラケット11の上面から係止段322bとの距離と同一である。そして、係止段322bの下部とレール部321の下部面の間に発生する段差t、すなわち間隔は、係止段322bとシールブラケット11の間で分離板33の水平部332が挿入結合されるように水平部332の厚さと同一であるか水平部332の厚さよりも少し大きく形成され得る。
【0063】
分離板33の水平部332は第1固定部322の下部とシールブラケット11の上部の間に形成された隙間、すなわち係止段322bとレール部321の下部面の間の段差tにより形成された隙間に挿入された後、固定ボルト21を通じてシールブラケット11に固定される敷居32の固定力によって敷居32とシールブラケット11の間に上下に固定される。
【0064】
そして、
図17のように、水平部332が第1固定部322の下部とシールブラケット11の上部の間に引入されると、第1固定部322の下部に形成された係止段322bは水平部332の係止溝332aに挿入されて係止され、これに伴い、分離板33は一側方向に敷居32に係止されて敷居32から三方枠13方向に離脱しない。
【0065】
図18のように、レール部321の他側部(
図18で右側)には固定ボルト31を媒介に敷居32をシールブラケット11の上部に固定する第2固定部323が一体に形成される。
【0066】
【0067】
一方、図示されてはいないが、敷居32を保護するためのカバー(図示されず)がさらに設置され得る。
【0068】
図19~
図24は、本発明に係る敷居の施工過程を図示した断面図である。
【0069】
図19のように、本発明に係る乗場の施工方法は、まず建物底1の段部にシールブラケット11を固定設置し、建物底1の上部に三方枠13を設置する。
【0070】
引き続き、三方枠13の下部の一側部にボルトb1を利用して分離板33を固定設置した後、シールブラケット11の上部に固定ボルト31を通じて敷居32を固定する。
【0071】
この時、敷居32は第1固定部322が分離板33の水平部332の上部に整列された状態で装着されるように固定ボルト31を通じてシールブラケット11の上部に固定される。これに伴い、分離板33の水平部332は固定ボルト31に起因した敷居32の固定力を通じて敷居32の第1固定部322とシールブラケット11の間で強く固定される。
【0072】
引き続き、建築仕上げ作業を実施して乗場底を仕上げる。
【0073】
図19のように、乗場が設置完了した状態で、敷居32にスクラッチ、摩耗または破損などが発生して新しい製品で取り替える場合、その取り替え方法は次の通りである。
【0074】
まず、
図20のように、乗場戸14を敷居32から分離した後、
図21および
図22のように、固定ボルト31を緩めて敷居32をシールブラケット11から分離する。
【0075】
以後、
図23のように、施工方法と同一の方法で分離板33の水平部332の上部に取り替える新しい敷居32’を載置して固定ボルト31を通じてシールブラケット11に固定する。
【0076】
以後、
図24のように、新しい敷居32’の設置が完了すれば、新しい敷居32’のレール部321の内部に乗場戸14のドアシュー14aを結合させて敷居の取り替えを完了する。
【0077】
このように、本発明の実施例2に係るエレベータ用乗場では、組立および分離が容易な「逆T」字状構造の分離板33を利用して三方枠13と敷居32を固定することによって、敷居を新しい製品で取り替える時に乗場底を仕上げる乗場底のモルタルやコンクリートなどを解体せずとも敷居万を選択的に取り替えることができる。
【0078】
また、本発明の実施例に係るエレベータ用乗場では、「逆T」字状構造からなる分離板33の水平部332が敷居32の第1固定部322の下部にラッチ形態で係止されることによって、分離板33が敷居32から離脱することを防止することができる。
【0079】
また、本発明の実施例2に係るエレベータ用乗場では、「逆T」字状構造からなる分離板33を構成する垂直部331の上端部が敷居32の第1固定部322の上部に覆われる構造で結合されることによって、分離板33が外部(敷居32の上部)に露出しないため建築仕上げ性を改善することができる。
【0080】
以上でのように、本発明の技術的思想は好ましい実施例で具体的に記述されたが、前記好ましい実施例はその説明のためのものであり、その制限のためのものではない。このように、この技術分野の通常の専門家であれば本発明の技術思想の範囲内で本発明の実施例の結合を通じて多様な実施例が可能であることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0081】
1…建物底(コンクリート底)
2…モルタル仕上げ材
11…シールブラケット
12、22、32…敷居
22’、32’ …新しい敷居
12a…第1固定部
13…三方枠
14…乗場戸
14a…ドアシュー
B、b1…ボルト
21、31…固定ボルト
22a…レール部
22b…第1固定部
22c…第2固定部
23、33…分離板
23a…垂直部
23b…水平部
24…ボルト(またはナット)
321…レール部
322…第1固定部
322a…溝
322b…係止段
323…第2固定部
331…垂直部
332…水平部
332a…係止溝
333…固定部
g…隙間