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特許7506844リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20240101AFI20240620BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240620BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q30/0241
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022129982
(22)【出願日】2022-08-17
(65)【公開番号】P2023101376
(43)【公開日】2023-07-20
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2022001667
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521505770
【氏名又は名称】株式会社オムニバス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】松田 忠浩
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-295142(JP,A)
【文献】特開2001-283082(JP,A)
【文献】特開2002-024712(JP,A)
【文献】特開2003-288531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステムであって、前記システムは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)運営サーバを備え、前記SNS運営サーバは:
支援者および起案者の情報を識別する情報識別部;
前記SNS上に投稿した記事を、前記支援者が閲覧できるようにアップロードするアップロード部;
前記支援者が前記支援者のための第2の通信端末上で前記リワード広告の視聴に関するアイコンをクリックすると、前記支援者に対して前記リワード広告を配信する、広告配信部;
前記支援者が前記リワード広告の視聴を完了するのと同時に、視聴完了の記録を付けし、かつ前記起案者へ報酬ポイントを付与する、ポイント管理部、
を備え
前記情報識別部は、前記支援者が前記SNSのアカウントの登録を行う際、前記リワード広告の閲覧報酬を前記起案者へ速やかに付与することに予め同意する設定を入力させる構成を有する、システム。
【請求項2】
前記ポイント管理部は、前記起案者の要求に応じて、前記起案者へ付与された前記報酬ポイントを用いて換金処理を行う換金部を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは:前記起案者が前記記事を投稿するための第1の通信端末;前記支援者が前記記事を閲覧し、かつ前記リワード広告を視聴するための前記第2の通信端末、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、アンバサダーが前記記事を前記SNS上で拡散するための第3の通信端末をさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステムを用いた処理方法であって、前記システムは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)運営サーバを備え、前記SNS運営サーバが、
情報識別部により、支援者および起案者の情報を識別するようにアカウント登録するステップa;
アップロード部により、前記SNS上に投稿した記事を、前記支援者が閲覧できるようにアップロードするステップb;
広告配信部により、前記支援者が前記支援者のための第2の通信端末上で前記リワード広告の視聴に関するアイコンをクリックした場合に、前記支援者に対して前記リワード広告を配信するステップc;
ポイント管理部により、前記支援者が前記リワード広告の視聴を完了するのと同時に、視聴完了の記録を付け、かつ前記起案者へ報酬ポイントを付与するステップd;
を備え
前記ステップaは、前記情報識別部により、前記支援者が前記アカウント登録をする際、前記リワード広告の閲覧報酬を前記起案者へ速やかに付与することに予め同意する設定を入力させる工程を更に含む
処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドファンディングに関する技術開発が行われている。クラウドファンディングは、インターネットを通して起案者が自身の活動や目標を発信することにより支援者から資金を調達する仕組みである。
【0003】
例えば、特許文献1は起案者がクラウドファンディングにより出資金を募集し、出資者から出資金を集めることにより資金を調達するシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-149221
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように起案者と出資者(または支援者)の関係が製造者と消費者である場合は、商取引であるため期待するリターン(製品)が明確であり消費者は出資し易い。しかし、支援者へのリターンが無い場合、起案者の前向きな活動や目標を支援したくても、どの程度支援したらよいのか不明りょうであるため金銭の支払いに抵抗を感じてしまい、結果的に資金を容易に調達できないという欠点があった。また、支援したくても工面できる金銭的な余裕が無い場合にも支援を行えないという欠点があった。
【0006】
そこで、本発明は起案者の前向きな活動や目標に対し、支援者にリターンの無い場合であっても、支援者が抵抗感を抱くことなく起案者を金銭的に支援するインターネットを介した仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意開発を行った結果、リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステムを開発した。具体的には、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)において、起案者が活動や目標に関する記事をSNSのサーバに投稿(アップロード)した場合に、支援者がリワード広告を視聴することによりその視聴報酬が起案者に付与されるシステムを開発した。
【0008】
ここで、リワード広告とはWEB広告の一種であり、WEB広告を視聴したユーザにリワード(報酬)が支払われるシステムである。
【0009】
また、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)とは、社会的ネットワークを構築できるサービスやウェブサイトをいう。SNSには、例えば、YAHOO(登録商標)等の提供するポータルサイト、フェイスブック(登録商標)等のSNS、まぐまぐ(登録商標)等のメーリングリスト、および5ちゃんねる(登録商標)等の電子掲示板が含まれる。
【0010】
従来から、ユーザに支払われるリワード広告の報酬には様々な形態があるが、例えば、リワード広告の適用される分野がモバイルゲームである場合は、ゲームのプレイヤにアイテムが付与される等、これまでのリワード広告は、報酬を支払われるべき対象が広告を視聴したユーザ自身に限定されていた。本発明は、支援者がリワード広告を視聴すると、SNSの運営サーバを介して報酬が起案者に付与されるシステムである点で従来のリワード広告と用途が異なる。本発明の特徴は以下の通りである。
【0011】
[1]リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステムであって、前記システムは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の運営サーバを備え、前記SNSの運営サーバは:
支援者および起案者の情報を識別する情報識別部;
前記SNS上に投稿した記事を、前記支援者が閲覧できるようにアップロードするアップロード部;
前記支援者が前記支援者のための第2の通信端末上で前記リワード広告の視聴に関するアイコンをクリックすると、前記支援者に対して前記リワード広告を配信する、広告配信部;
前記支援者が前記リワード広告の視聴を完了するのと同時に、視聴完了の記録を付け、かつ前記起案者へ報酬ポイントを付与する、ポイント管理部、
を備える、システム。
【0012】
[2]前記ポイント管理部は、前記起案者の要求に応じて、前記起案者へ付与された前記報酬ポイントを用いて換金処理を行う換金部を更に備える、上記[1]に記載のシステム。
【0013】
[3]前記システムは:前記起案者が前記記事を投稿するための第1の通信端末;前記支援者が前記記事を閲覧し、かつ前記リワード広告を視聴するための前記第2の通信端末、を備える、上記[1]に記載のシステム。
【0014】
[4]前記システムは、アンバサダーが前記記事を前記SNS上で拡散するための第3の通信端末をさらに備える、上記[3]に記載のシステム。
【0015】
[5]リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステムを用いた処理方法であって、前記システムは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の運営サーバを備え、前記SNSの運営サーバが:
情報識別部により、支援者および起案者の情報を識別するようにアカウント登録するステップa;
アップロード部により、前記SNS上に投稿した記事を、前記支援者が閲覧できるようにアップロードするステップb;
広告配信部により、前記支援者が前記支援者のための第2の通信端末上で前記リワード広告の視聴に関するアイコンをクリックした場合に、前記支援者に対して前記リワード広告を配信するステップc;
ポイント管理部により、前記支援者が前記リワード広告の視聴を完了するのと同時に、視聴完了の記録を付け、かつ前記起案者へ報酬ポイントを付与するステップd;
を備える、処理方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、起案者が活動や目標に関する記事をSNS上に投稿した場合に、支援者がリワード広告を視聴するとその視聴報酬が起案者に付与されるシステムを提供することができる。これにより、SNS上に投稿した活動や目標が支援者にとって共感するものであれば、支援者は直接的に金銭を支払うことなくリワード広告の視聴を介して起案者を支援することができる。
【0017】
また、本発明のシステム利用時には、支援者がSNSへのアカウントの登録を行う際にリワード広告の閲覧報酬を起案者へ速やかに付与することに予め同意する設定を設ける。そのため、支援者がリワード広告の視聴を完了するのと同時に起案者へ報酬ポイントを付与する処理がSNS運営サーバを介して実行することで、視聴完了と報酬ポイントの付与を同時に行うことができる。
【0018】
なお、上記[4]においてアンバサダーとはアンバサダー・マーケティングの分野において用いられる用語であり、起案者に対し好意的に情報収集を行うとともに、起案者に関する情報発信・拡散を行い、潜在的な支援者に対し起案者の認知促進を図る自然人または法人を指す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本システムの構成図である。
図2図2は本システムの処理を説明するフローチャートである。
図3図3は本システムのハードウェアの構成図である。
図4図4図2で示したフローチャートの一部を使用例として説明する。
図5図5は通信端末106または通信端末107の表示画面に関する一例である。
図6図6は通信端末106または通信端末107の表示画面に関する一例である。
図7図7は通信端末106または通信端末107の表示画面に関する一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のシステムについて詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の一実施形態としての一例であり、これらの内容に特定されるものではない。
【0021】
本発明のシステムは、SNS運営サーバにおいて支援者がリワード広告を視聴完了した記録の処理と、リワード広告の報酬を起案者へ付与する処理を同時に行うことを特徴とする。以下、図1を用いて詳細に説明する。
【0022】
[1.システムの構成]
図1は、本発明の実施形態に係るシステム100の構成を説明する。システム100は、リワード広告を用いて起案者へ資金を提供するシステムであり、SNS運営サーバ101を備える。
【0023】
システム100は、ネットワーク(NW)を介して支援者の通信端末106と起案者の通信端末107に通信可能に接続される。また、システム100は、さらにアンバサダーの通信端末108と接続していてもよい。支援者自身がアンバサダーの役割を担うこともあるため、通信端末106と108は便宜上区別して記載されているに過ぎず、通信端末106と108は同一の通信端末であってもよい。
【0024】
システム100は、SNSに関するアプリケーションをそれぞれインストールした支援者の通信端末106、および起案者の通信端末107を備えていてもよい。システム100は、SNSに関するアプリケーションをインストールしたアンバサダーの通信端末108をさらに備えていてもよい。
【0025】
SNS運営サーバ101は、支援者および起案者の情報(アンバサダーの識別情報を含んでいてもよい)を識別する情報識別部102、SNS上に投稿した記事を、支援者が閲覧できるようにアップロードするアップロード部103、支援者が通信端末106上でリワード広告の視聴に関するアイコンをクリックすると、支援者に対してリワード広告を配信する、広告配信部104、および、支援者がリワード広告の視聴を完了した場合に、視聴完了の記録を付けるのと同時に、起案者へ報酬ポイントを付与するポイント管理部105を備える。支援者のリワード広告の視聴完了と報酬ポイントの起案者への付与は同時処理で行われる。
【0026】
ポイント管理部105は、起案者の要求に応じて、起案者へ付与された報酬ポイントを用いて換金処理を行う換金部(不図示)を更に備えていてもよい。また、図1はシステム100のサーバ内の各部を機能毎に分けて説明しているが、当該機能を果たすのであればサーバ数は非限定的である。
【0027】
ここで、報酬ポイントとは、ポイントプログラムの一種であり、支援者がリワード広告の視聴をした労力に応じて、起案者にポイントが付与されるシステムである。報酬ポイントそれ自体は本SNSでのみ有効だが、報酬ポイントが蓄積してきた場合には起案者の要求に応じて、ポイント管理部105を介して現金に換金することができる。
【0028】
この報酬ポイントのシステムにより、起案者は次の活動や目標を誘起する動機付けを得る。また、支援者はリワード広告の視聴を介して起案者に支援を提供しやりがいを感じる。また、起案者は誰が報酬ポイントを提供してくれたのかSNSを介して確認することができるため、起案者と支援者の間に繋がりが生まれる。また、SNSのアカウントを有している者であれば、誰でも起案者となることができるため、ある起案者に報酬ポイントを付与した支援者が、その起案者から支援される循環した人間関係を構築することもできる。
【0029】
SNS運営サーバ101はSNSの管理・運営を行う。また、SNS運営サーバはリワード広告を管理するアドサーバ(ADサーバ)を実装しており、広告掲載メディアからのリクエストを受けて、広告配信部104を介してWEB広告を支援者の通信端末106へ送信する。支援者がリワード広告の視聴に関するアイコンをクリックやタップした場合に、リンク先の広告主サイトへ誘導する。なお、SNS運営サーバがSNSアプリケーションを介して支援者をリンク先の広告主サイトへ誘導できれば、SNS運営サーバ101自体がADサーバを保有していなくてもよい。
【0030】
また、SNS運営サーバ101は、個々のクリック等について、アクセス日時やアクセス元のIPアドレス、クッキーの内容等の記録を管理する。記録は統計的に集計されてレポートの形にまとめられ、メディア運営者や広告代理店、広告主等に提供されてもよい。
【0031】
情報識別部102は、通信端末106~108を介して入力された支援者、起案者、およびアンバサダーのSNSアカウントを識別情報として管理する。SNSアカウントは、支援者のWEB広告の視聴履歴と、起案者への報酬ポイントを結び付ける際に使用する。
【0032】
なお、支援者がSNSアカウントの登録を行う際、リワード広告の閲覧報酬を起案者へ速やかに付与することに予め同意する設定を設ける。これにより、支援者がリワード広告の視聴を完了するのと同時に起案者へ報酬ポイントを付与する処理がSNS運営サーバを介して実行され、視聴完了と報酬ポイントの付与を同時に行うことができる。
【0033】
アップロード部103は、起案者が手元のテキストデータ、静止画データまたは動画データ(本明細書においては、これらのデータを纏めて「活動や目標に関する記事」と称している。)を起案者の通信端末107を介して投稿すると、SNSアカウントを有する支援者が通信端末106を介して閲覧できるようにSNSアプリケーション上に公開する。
【0034】
なお、起案者が投稿したデータは広く一般に公開することもできるが、特定のSNSアカウント保有者を指定して限定的に公開したり、非公開状態にすることもできる。起案者になりすましてデータを公開されたなど、起案者の申し立てがあった場合には、申し立てに従ってSNS運営・管理者によって削除される。
【0035】
広告配信部104は、支援者が通信端末106上でリワード広告の視聴に関するアイコンをクリックした場合に、リワード広告を配信する。リワード広告は動画広告である。この動画広告は、十数秒から数分の長さがあるが、支援者が途中で見るのをやめたりスキップした場合は、最後まで見た場合のみ報酬ポイントを起案者に支払ってもよいし、再生時間に応じて支払いを行ってもよい。
【0036】
ポイント管理部105および換金部は、支援者がリワード広告の視聴を完了した場合に、視聴完了の記録を付けるのと同時に、起案者へ報酬ポイントを付与する。また、起案者がリクエストをした場合には蓄積された報酬ポイントを金銭に換金する。ポイント管理部105は、報酬ポイントの付与が完了した際、支援者に対しWEB広告を視聴した対価に相当するポイントが起案者に付与された旨を通知する。
【0037】
視聴完了後、ポイント管理部105が視聴完了の記録を付けるのと同時に起案者へ報酬ポイントを付与することにより、支援者は獲得した報酬ポイントを起案者へ付与するひと手間を減らすことができる。これにより、支援者は動画広告を視聴して支援を行う労力を最小限に留めることができる。
【0038】
システム100は、運営管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有していてもよい。
【0039】
また、支援者、起案者、アンバサダーの通信端末106~108は、演算処理装置、記憶装置、入出力装置をそれぞれ備え、システム100の機能の一部を代替えすることができる。通信端末106~108は、SNSを利用するためのアプリケーションがダウンロードされ、それぞれの記憶装置に格納される。アプリケーションの実行は演算処理装置により制御され、入出力手段を介してアプリケーションが実行される。
【0040】
アンバサダーの通信端末108は、他のSNSのアプリケーションもダウンロードされていてもよい。アンバサダーが他のSNSに投稿した記事において、起案者の記事に関するURLを張り付けて、未だ支援者となっていない潜在的な支援者を起案者の記事に誘導するなどして、起案者の活動や目標を拡散してもよい。
【0041】
システム100のサーバは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、サーバの制御は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、システム100内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。各制御は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0042】
[2.システム100のフロー]
図2を用いてシステム100の処理方法を説明する。まず、ステップS1001において、システム100の情報識別部102は、支援者および起案者の情報を識別するようにアカウント登録を行う。アカウント登録に必要な情報は、通信端末106~108を介して入力される。
【0043】
次に、ステップS1002において、起案者が通信端末107を介して自身の活動や目標に関する記事を投稿する。投稿記事は、起案者以外の者が起案者のために代筆してもよい。例えば、起案者が震災等の被害を受けて寄付の募る必要がある場合には、SNS運営者や、ポータルサイトのニュース記事の執筆者が被災者(起案者)の代わりに寄付を募ってもよい。この場合、被災者である起案者は後でアカウント登録をして、報酬を受け取るべき資格を有することを申請して、報酬を受け取ることができる。
【0044】
次に、ステップS1003において、システム100のアップロード部103は、起案者がSNS上に投稿した記事を、支援者が閲覧できるようにSNS上にアップロードして支援者が通信端末106を介して記事を閲覧可能な状態にする。
【0045】
ここで、記事に関して、支援者は自身が興味のある記事を検索して閲覧するか、アンバサダーのSNS上の投稿から誘導されて記事を閲覧することができる。
【0046】
また、記事の順番に関し、システム100はアプリケーションを介して管理をしてもよい。SNS運営サーバ101は、支援者の個々のクリック履歴、検索履歴、記事のスクロールにかけた時間、特定の起案者を1回以上支援した記録、その他の支援者の記録を管理する。そのため、これらの管理記録に基づきリコメンドする記事を選定するアルゴリズムを用いて、支援者の通信端末106に表示される記事の順番を選定してもよい。
【0047】
例えば、起案者Aと支援者Bがお互いに支援する循環した関係を既に構築している場合は、アルゴリズムにより起案者Aの新たな記事が支援者Bの通信端末106の上位に表示されてもよい。
【0048】
次に、ステップS1004において、支援者が通信端末106上でリワード広告の視聴に関するアイコンをクリックした場合、リワード広告視聴を視聴する旨の通知がシステム100に送達される。
【0049】
すると、ステップS1005において、支援者の通信端末106にリワード広告が配信される。
【0050】
次に、ステップS1006において、支援者がリワード広告の視聴を完了した旨の通知がシステムS100に送達されると、ステップS1007において、システム100のポイント管理部105が、支援者のSNSアカウントの識別情報と動画広告の視聴完了の記録を結び付けて登録するのと同時に、ステップS1008において、記事を投稿した起案者へ報酬ポイントを付与し、さらに支援者には報酬ポイントが無事に送られた旨の通知がされる。
【0051】
最後に、起案者は報酬ポイントが十分に蓄積されたのを待って、ポイント管理部105を介してポイントの換金処理を実行し、報酬を取得することができる(不図示)。以上の操作をもって処理が終了する。
[3.ハードウェア構成]
【0052】
図3を用いて、ハードウェアの構成について説明する。上述してきた実施形態に係るシステム100は、コンピュータ300によって実現される。図3は、配信装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ300は、CPU310、RAM320、ROM330、HDD340、通信インターフェイス(I/F)350、入出力インターフェイス(I/F)360、及びメディアインターフェイス(I/F)370を有する。
【0053】
CPU310は、ROM330またはHDD340に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM330は、コンピュータ300の起動時にCPU310によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ300のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0054】
HDD340は、CPU310によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス350は、ネットワークNWを介して他の機器からデータを受信してCPU310へ送り、CPU310が生成したデータをネットワークNWを介して他の機器へ送信する。
【0055】
CPU310は、入出力インターフェイス360を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU310は、入出力インターフェイス360を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU310は、生成したデータを入出力インターフェイス360を介して出力装置へ出力する。
【0056】
メディアインターフェイス370は、記録媒体380に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM320を介してCPU310に提供する。CPU310は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス370を介して記録媒体380からRAM320上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体380は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0057】
例えば、コンピュータ300が実施形態に係るシステム100として機能する場合、コンピュータ300のCPU310は、RAM320上にロードされたプログラムを実行することにより、システム100のサーバの機能を実現する。コンピュータ300のCPU310は、これらのプログラムを記録媒体380から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNWを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0058】
[4.使用例]
図4は、図2で示したフローチャートの一部を使用例として説明する。図4の左のイラストは、支援者が通信端末106上でリワード広告の視聴に関するアイコン(「動画広告を見て支援」と示されたアイコン)をクリックしている図である。なお、ポイント管理部105を介して現金からポイントへ変換することも可能である。この場合は、「ポイントを贈って支援」と示されたアイコンをクリックすることにより、動画広告を視聴することなくポイントが起案者へ付与される。
【0059】
さらに中央のイラストでは、支援者が通信端末106を介してWEB広告を視聴している図である。広告は動画広告であり、十数秒から数分の長さがあるが、支援者が途中で見るのをやめたりスキップした場合は、最後まで見た場合のみ報酬ポイントが起案者に支払われるように設定してもよい。
【0060】
支援者がリワード広告の視聴を完了した場合は、ポイント管理部105を介して、支援者のSNSアカウントの識別情報と、視聴完了の記録を結び付けて登録するのと同時に起案者へ報酬ポイントが付与される。右のイラストは、起案者へ報酬ポイントが付与された図である。
【0061】
このようにして、起案者がSNS上に投稿した活動や目標が支援者にとって共感するものであれば、支援者は直接的に金銭を支払うことなくリワード広告の視聴を介して迅速に起案者を支援することができる。
【0062】
[5.通信端末106および通信端末107の表示画面に関する一例]
図5~7は、通信端末106または通信端末107の表示画面に関する一例である。
【0063】
図5は、支援者の通信端末106の表示画面に関する一例である。通信端末106の表示画面には、「動画を見て応援」、「コインで応援」、「詳細を見る」、起案者が投稿した記事のタイトル、サムネイル、記事の要約文等が表示される。
【0064】
ここで、「動画を見て応援」のアイコンをクリックすると、図2のステップS1004から操作が始まり、リワード広告視聴を視聴する旨の通知がシステム100に送達された後に、支援者の通信端末106にリワード広告が配信され(ステップS1005)、ステップS1006ないしステップS1008の操作を経て、起案者へ報酬ポイントが付与される。
【0065】
図5の「コインで応援」のアイコンは図4の「ポイントを贈って支援」のアイコンと同義であり、ポイント管理部105を介して現金からポイントへ変換し保有していたポイントが、起案者へ付与される。
【0066】
また、図5の「詳細を見る」のアイコンは、現在のサムネイル、タイトル、記事の要約のみが表示されている画面から、記事の詳細を見る画面へと移行するためのアイコンである。
【0067】
図6、7は、起案者の通信端末107の表示画面に関する一例である。通信端末107の表示画面には、「近況を追加」、「応援コインを確認」、「バンクに申請」、起案者が投稿した記事のタイトル、サムネイル、記事の要約文等が表示される。「近況の追加」のアイコンをクリックすると、記事の投稿フォームに移行する。「バンクに申請」のアイコンをクリックすると、ポイントを換金する処理画面へと移行する。
【0068】
また、「応援コインを確認」のアイコンをクリックすると、図7の表示画面に移行して、応援者のうち誰がコインを付与してくれたのかを確認することができる。これにより、起案者は次の活動や目標を誘起する動機付けを得る。また、支援者はリワード広告の視聴を介して起案者に支援をしたことを起案者側に知らせることができ起案者と支援者の間に繋がりが生まれるため、やりがいを感じることができる。また、SNSのアカウントを有している者であれば、誰でも起案者となることができるため、報酬ポイントを付与した支援者が、その起案者から支援される循環した人間関係を構築することもできる。
【0069】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0070】
[6.その他]
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称を含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0071】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0072】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
100 システム
101 SNS運営サーバ
102 情報識別部
103 アップロード部
104 広告配信部
105 ポイント管理部
NW ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7