(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】車両前部構造
(51)【国際特許分類】
B60R 19/50 20060101AFI20240620BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B60R19/50 C
B60Q1/04 A
(21)【出願番号】P 2020117806
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】影山 良達
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-052700(JP,A)
【文献】特開2008-162551(JP,A)
【文献】特開2014-184793(JP,A)
【文献】特開2009-120153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/50
B60Q 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前部に配置されるバンパ及びランプ装置を有し、前記バンパは、保持部材を介して前記ランプ装置に取り付けられ、前記保持部材には、前記バンパを固定するためのバンパ固定部が設けられている、車両前部構造において、
前記ランプ装置は、ランプレンズと、該ランプレンズが取り付けられるランプハウジングとを有し、
前記保持部材
は、
前記ランプ装置の車両上方側に配置されており、
前記ランプレンズに固定されるレンズ側固定部と、前記ランプハウジングに固定されるハウジング側固定部と、を有していることを特徴とする、車両前部構造。
【請求項2】
前記バンパ固定部は、前記レンズ側固定部に対して、前記ハウジング側固定部が位置する方に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項3】
車両前部に配置されるバンパ及びランプ装置を有し、前記バンパは、保持部材を介して前記ランプ装置に取り付けられ、前記保持部材には、前記バンパを固定するためのバンパ固定部が設けられている、車両前部構造において、
前記ランプ装置は、ランプレンズと、該ランプレンズが取り付けられるランプハウジングとを有し、
前記保持部材は、前記ランプレンズに固定されるレンズ側固定部と、前記ランプハウジングに固定されるハウジング側固定部と、を有し、
前記保持部材は、車両上方を臨む上面を有する板状であり、
前記上面には、車両上方に突出する段差部が設けられ、
前記段差部は、前記レンズ側固定部と前記ハウジング側固定部との間で、車幅方向に延びており、車両前後方向に屈曲していることを特徴とす
る、車両前部構造。
【請求項4】
車両前部に配置されるバンパ及びランプ装置を有し、前記バンパは、保持部材を介して前記ランプ装置に取り付けられ、前記保持部材には、前記バンパを固定するためのバンパ固定部が設けられている、車両前部構造において、
前記ランプ装置は、ランプレンズと、該ランプレンズが取り付けられるランプハウジングとを有し、
前記保持部材は、前記ランプレンズに固定されるレンズ側固定部と、前記ランプハウジングに固定されるハウジング側固定部と、を有し、
前記ランプレンズには、前記保持部材を係止する係止部が設けられ、
前記保持部材には、前記係止部に係止される被係止部が設けられており、
前記保持部材が、前記ランプレンズに係止されているとき、前記係止部は、前記ハウジング側固定部の車両前方側に配置されていることを特徴とす
る、車両前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両前部には、バンパ及びランプ装置が設けられている。バンパは、車体の前部に取り付けられている、例えば樹脂製の部材で、車幅方向に延びている。ランプ装置は、車体の前部における外側部に取り付けられており、例えば、電気部品等を収容するランプハウジングを有している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、ランプ装置とバンパは、外観上、上下に隣接して配置されている。ランプ装置とバンパとの接合によって形成される隙間は、外観特性に影響する。特許文献1に開示された例では、ランプ装置とバンパの相対位置を保持するために、保持部材を取り付け、当該保持部材には、衝撃荷重が入力された時に破断する破断部位が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記例の構造では、保持部材及びランプ装置の固定において、保持部材がランプハウジングのみに組に付けられるため、ランプレンズとランプハウジングとの間に隙間が生じ、これらの相対位置がずれる可能性がある。この隙間は、ランプ装置内に水が流入する可能性があり、その結果、ランプ装置の故障を引き起こす可能性がある。
【0006】
そのため、上記例のような構造では、ランプハウジングとランプレンズとの間の隙間を小さくする上で、改善の余地がある。また、当該隙間を抑制し、ランプ故障を低減させる上でも、改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両前部のランプ装置及びバンパの相対位置を安定させ、ランプ装置の故障を低減させることが可能な車両前部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る車両前部構造は、車両前部に配置されるバンパ及びランプ装置を有し、前記バンパは、保持部材を介して前記ランプ装置に取り付けられ、前記保持部材には、前記バンパを固定するためのバンパ固定部が設けられている。当該車両前部構造において、前記ランプ装置は、ランプレンズと、該ランプレンズが取り付けられるランプハウジングを有し、前記保持部材は、前記ランプ装置の車両上方側に配置されており、前記ランプレンズに固定されるレンズ側固定部と、前記ランプハウジングに固定されるハウジング側固定部と、を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両前部のランプ装置及びバンパの相対位置を安定させ、ランプ装置の故障を低減させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る車両前部構造を有する車両前部の一部を示す斜視図である。
【
図2】
図1の保持部材がフロントフードに覆われた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1の保持部材及びその周辺を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図4】
図3のバンパ及びシール部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る車両前部構造の一実施形態について、図面(
図1~
図6)を参照しながら説明する。なお、図において、矢印Fr方向は車両前後方向における前方を示す。実施形態の説明における「前部(前端)及び後部(後端)」は、車両前後方向における前部及び後部に対応する。また、矢印L、R方向は、車幅方向における左側、右側を示している。また、本実施形態の説明における「左右」は、車両室内の乗員が車両前方を向いたときの左右に対応している。
【0012】
本実施形態の車両前部構造は、
図1及び
図3に示すように、バンパ10と、ヘッドランプ(ランプ装置)20と、保持部材40と、を有しており、本実施形態では、バンパ10は、保持部材40を介してヘッドランプ20に取り付けられ、保持部材40には、バンパ10を固定するためのバンパ固定部41が設けられている。以下、各部材について説明する。
【0013】
本実施形態のバンパ10は、車体の前部に取り付けられており、車幅方向に延びる部材である。例えば、
図1に示すように、バンパ10は、車幅方向に延びるフードロックメンバ54の車両前方側に間隔を空けて配置されている。バンパ10は、前突時に、衝撃をやわらげてエンジンや車体を保護し、また、運転手や同乗者を当該衝撃から保護するように構成されている。
【0014】
バンパ10の車両上下方向における上部は、左右のヘッドランプ20の上部に隣接し、左右のヘッドランプ20の上部の間で、車幅方向に延びている。バンパ10の上部の車両後方側には、フロントフード53が配置されている。また、バンパ10の車両上下方向における中間部は、左右のヘッドランプ20の間で、車幅方向に延びている。この部分には、例えば、グリル等を設けてもよい。フロントフード53は、
図5及び
図6に示すように、アウタパネル53A及びインナパネル53Bを有し、これらの前部が接合されている。
【0015】
また、バンパ10の下部は、車幅方向の延びており、車幅方向外側端は、ヘッドランプ20よりも車幅方向外側に位置している。バンパ10の下部における車幅方向中間部には、ライセンスプレート(図示せず)等を設置する台部10aを設けてもよい。
【0016】
ヘッドランプ20の上部に位置するバンパ10には、
図5及び
図6に示すように、意匠面となる主面部11と、主面部11の上端から車両後方に向かうに従い車両下方に傾斜する傾斜面部13と、傾斜面部13の後端から車両後方に延びる取付部14と、を有している。取付部14には、保持部材40のバンパ固定部41に対応する位置にクリップ63が貫通可能な貫通孔15が設けられている。バンパ固定部41への取付けについては、後で説明する。
【0017】
続いて、ヘッドランプ20について説明する。ヘッドランプ20は、サイドフレーム(図示せず)等の車体骨格を構成する剛性の高い部材にブラケット等を介して取り付けられている。ヘッドランプ20は、ランプレンズ21と、ランプハウジング25と、を有している。ランプレンズ21は、図示しないランプ光源から出力される光を車両前方に拡散照射する部材であり、ランプハウジング25の前部に取り付けられている。ランプレンズ21の外面は湾曲した形状を有している。
【0018】
バンパ10の取付部14の車両下方側に位置するランプレンズ21には、後述するレンズ側固定部42に上面視で重なるように、レンズ側台座部22が設けられている。レンズ側台座部22は、
図5及び
図6に示すように、ランプレンズ21の上面21aから車両上方に突出する略直方体状で、内部には、車両上下方向に延びるねじ穴22aが形成されている。ねじ穴22aには、ねじ61等の締結部材が取り付けられる。レンズ側台座部22の上端は、平坦になっており、保持部材40の下面が当接する。
【0019】
さらに、バンパ10の取付部14よりも車両後方で且つ車両下方側に位置するランプレンズ21には、ランプハウジング25に取り付けられるための爪部23が設けられている。当該爪部23は、ランプレンズ21の上面21aの後端から車両上方に張り出す縦壁24から、車両後方に突出している。当該爪部23は、ランプハウジング25の後述する取付穴28に差し込まれる。
【0020】
ランプハウジング25は、光源や、その他の電気部品を収容する部材で、前部に開口27を有している箱状の部材である。開口縁27aの上部には、ランプレンズ21を取り付けるための取付穴28が設けられている。該取付穴28に、上記した爪部23が挿入されることにより、ランプレンズ21がランプハウジング25に取り付けられる。
【0021】
また、開口27よりも車両後方に位置するランプハウジング25の上部には、後述するハウジング側固定部43に上面視で重なるように、ハウジング側台座部26が設けられている。ハウジング側台座部26は、
図5及び
図6に示すように、ランプハウジング25の上面25aから車両上方に突出す円筒状で、内部には、車両上下方向に延びるねじ穴26aが形成されている。ねじ穴26aには、ねじ62等の締結部材が取り付けられる。
【0022】
また、詳細な図示は省略しているが、円筒状の径方向外面には、車両上下に延びるリプが設けられ、これにより円筒の周囲を補強している。ハウジング側台座部26の上端は、レンズ側台座部22と同様に、平坦になっており、保持部材40の下面が当接する。
【0023】
続いて、保持部材40について説明する。保持部材40は、ヘッドランプ20の車両上方側に配置され、車両上方を臨む上面を有する板状である。この例の保持部材40は、
図2に示すように、フロントフード53に覆われている。また、本実施形態の保持部材40は、上記したバンパ固定部41と、ランプレンズ21に固定されるレンズ側固定部42と、ランプハウジング25に固定されるハウジング側固定部43と、を有している。
【0024】
バンパ固定部41は、
図3~
図5に示すように、保持部材40の上面のうちの車幅方向内側に配置されている。また、バンパ固定部41は、ランプハウジング25の開口27よりもやや車両前方側に配置されている。バンパ固定部41には、クリップ63等に締結部材が挿入可能な貫通孔41aが設けられている。
【0025】
バンパ固定部41の上方には、バンパ10の取付部14が配置されている。このとき、取付部14の貫通孔15とバンパ固定部41の貫通孔41aとは、車両上下方向に連通しており、これらの貫通孔15,41aに1本のクリップ63が挿通されることにより、バンパ10と保持部材40が固定される。
【0026】
レンズ側固定部42は、
図3~
図5に示すように、保持部材40の上面のうち、前部における車幅方向内側に配置されている。レンズ側固定部42は、バンパ固定部41の車幅方向の範囲に配置されており、この例では、レンズ側固定部42は、バンパ固定部41の車両前方側に間隔を空けて配置されている。すなわち、車両前方視で、レンズ側固定部42及びバンパ固定部41は、重なるように配置されている。
【0027】
また、レンズ側固定部42には、貫通孔42aが設けられている。レンズ側固定部42がランプレンズ21に設けられたレンズ側台座部22の上端に当接し、レンズ側固定部42の貫通孔42aとレンズ側台座部22のねじ穴22aが連通し、レンズ側固定部42の車両上方側からねじ61が挿入され、これにより、ランプレンズ21と保持部材40が固定される。
【0028】
ハウジング側固定部43は、
図3~
図5に示すように、保持部材40の上面のうち、レンズ側固定部42バンパ固定部41よりも車両後方側で、且つ幅方向外側に間隔を空けて配置されている。当該ハウジング側固定部43には、貫通孔43aが設けられている。ハウジング側固定部43がランプハウジング25に設けられたハウジング側台座部26の上端に当接し、ハウジング側固定部43の貫通孔43aとハウジング側台座部26のねじ穴26aが連通し、ハウジング側固定部43の車両上方側からねじ62が挿入され、これにより、ランプハウジング25と保持部材40が固定される。
【0029】
上記のように、レンズ側固定部42及びレンズ側台座部22を接合し、且つ、ハウジング側固定部43及びハウジング側台座部26を固定することにより、ランプレンズ21及びランプハウジング25の双方に、保持部材40が取り付けられる。これにより、バンパ10の上部、ランプレンズ21及びランプハウジング25が、保持部材40によって固定される。
【0030】
これにより、保持部材40の保持剛性が高まるため、バンパ10の上部とヘッドランプ20との相対位置を安定して保持することができる。すなわち、バンパ10から例えば前突等による荷重が入力された場合に、バンパ10とヘッドランプ20の車両前後方向の位置ずれを、保持部材40により抑制することが可能となる。その結果、バンパ10の上部とヘッドランプ20との間の隙間が大きくなるような変形を抑制できるため、外観特性(いわゆる美観)が向上する。
【0031】
さらに、保持部材40がランプレンズ21とランプハウジング25の位置を固定するため、ランプレンズ21とランプハウジング25に生じる隙間を防ぐことが可能となり、その結果、ヘッドランプ20の内部への水の流入を抑制でき、浸水による故障を防止できる。
【0032】
また、本実施形態では、バンパ固定部41は、レンズ側固定部42に対して、ハウジング側固定部43が位置する方に配置されている。すなわち、バンパ固定部41は、レンズ側固定部42の周囲に配置されるものであり、配置可能な範囲のうち、ハウジング側固定部43が位置する方に配置されている。この例では、バンパ固定部41は、車両前後方向で、レンズ側固定部42とハウジング側固定部43との間に配置さており、レンズ側固定部42とバンパ固定部41との距離は、ハウジング側固定部43とバンパ固定部41との距離よりも小さい。また、レンズ側固定部42は、車両前方視で、ハウジング側固定部43より車両内側に配置されている。
【0033】
通常、バンパ10は、車両前方に位置ずれを起こす。このような位置ずれ時には、バンパ固定部41に荷重が入力される。本実施形態では、レンズ側固定部42がバンパ固定部41の車両前方側に配置されているため、バンパ10からの入力された荷重は、レンズ側固定部42に伝達されやすくなる。レンズ側固定部42及びハウジング側固定部43に、保持部材40を介して荷重が分散できるため、保持部材40の荷重分散を促し、変形防止を図り、美観やランプ性能を維持することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態における保持部材40の上面には、車両上方に突出する段差部44が設けられている。段差部44は、レンズ側固定部42とハウジング側固定部43との間で、車幅方向に延びており、車両前後方向に屈曲している。この例では、保持部材40の上面のうち、前部が下段面、後部が上段面となっており、下段面にレンズ側固定部42が配置され、上段面にバンパ固定部41及びハウジング側固定部43が配置されている。
【0035】
ここで、段差部44の屈曲について説明する。
図4に示すように、段差部44を構成する縦壁面は、保持部材40の上面の車幅方向内端で、レンズ側固定部42とバンパ固定部41との間で、車幅方向に延び、レンズ側固定部42よりも車幅方向外側で車両後方に屈曲し、車両後方に延び、レンズ側固定部42よりも車両後方側で車幅方向外側に屈曲し、保持部材40の上面の車幅方向外側端まで延びている。すなわち、段差部44は、前側屈曲部45及び後側屈曲部46を有し、前側屈曲部45は、バンパ保持部41の前方側で且つレンズ側固定部42の車両後方側に位置し、後側屈曲部46は、バンパ固定部41の車両後方側に位置している。
【0036】
バンパ固定部41に荷重が入力されると、保持部材40が車両上下方向に変形しやすくなる。これに対して、本実施形態では、車幅方向に延びる段差部44を有し、さらに、段差部44が前後方向に屈曲形状(前側屈曲部45及び後側屈曲部46)を有することにより、段差部44がバンパ固定部41の周辺の剛性を向上させ、バンパ固定部41の周辺の変形を抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、ランプレンズ21には、保持部材40を係止する係止部29を有している。この例の係止部29は、
図4に示すように、段差部44の車両後方側で、ハウジング側固定部43の車両前方側に配置されており、ランプレンズ21の上面から車両上方に突出する突起である。また、保持部材40には、ランプレンズ21に設けられた係止部29に係止される被係止部49が設けられている。この例では、係止部29となる突起が挿通される貫通孔である。被係止部49は、段差部44よりも車両前方側に位置する上面に設けられている。
【0038】
保持部材40が、ランプレンズ21に係止されているとき、係止部29は、ハウジング側固定部43の車両前方側に配置されている。これにより、保持部材40の位置決め効果とバンパ10からの荷重入力時の左右前後方向の荷重の伝達性能を向上させることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態では、
図3、
図4及び
図6に示すように、保持部材40には、シール部材50の車両前後方向の位置を固定するための置決めピン48が設けられている。この例では、位置決めピン48は、ハウジング側固定部43の車両前方に配置されている。これにより、シール部材50の車両前後方向の位置が決まり、フロントフード53とシール部材50との相対位置が安定し、外観特性が向上する。なお、本実施形態では、レンズ側固定部41の前側に位置する保持部材40には、保持部材40へのランプレンズ21の位置決めのためのピン55が設けられている(
図4)。
【0040】
また、本実施形態では、バンパ10の上部には、シール部材50が取り付けられている。シール部材50は車幅方向の延びており、バンパ10の傾斜面部13及び取付部14で形成される角部に取り付けられている。この例では、クリップ65により傾斜面部13及び取付部14に取り付けられている。
【0041】
本実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0042】
本実施形態では、レンズ側固定部42及びハウジング側固定部43をそれぞれ1つとしているが、これに限らない。それぞれ複数個所に設けてもよい。また、本実施形態では、レンズ側固定部42は、車両前方視で、ハウジング側固定部43より車両内側(車幅方向内側)に配置されているが、これに限られず、例えば、車幅方向外側に配置してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 バンパ
10a 台部
11 主面部
13 傾斜面部
14 取付部
15 貫通孔
20 ヘッドランプ
21 ランプレンズ
21a 上面
22 レンズ側台座部
22a ねじ穴
23 爪部
24 縦壁
25 ランプハウジング
25a 上面
26 ハウジング側台座部
26a ねじ穴
27 開口
27a 開口縁
28 取付穴
29 係止部
40 保持部材
41 バンパ固定部
41a 貫通孔
42 レンズ側固定部
42a 貫通孔
43 ハウジング側固定部
43a 貫通孔
44 段差部
45 前側屈曲部
46 後側屈曲部
48 位置決めピン
49 被係止部
50 シール部材
53 フロントフード
53A フードアウタパネル
53B フードインナパネル
54 フードロックメンバ
55 ピン
61 ねじ
62 ねじ
63 クリップ
65 クリップ