IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テックプロジェクトサービス株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社キットの特許一覧

<>
  • 特許-外装容器 図1
  • 特許-外装容器 図2
  • 特許-外装容器 図3
  • 特許-外装容器 図4
  • 特許-外装容器 図5
  • 特許-外装容器 図6
  • 特許-外装容器 図7
  • 特許-外装容器 図8
  • 特許-外装容器 図9
  • 特許-外装容器 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】外装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/08 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
B65D19/08
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023100105
(22)【出願日】2023-06-19
【審査請求日】2023-06-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392022374
【氏名又は名称】テックプロジェクトサービス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510046309
【氏名又は名称】株式会社キット
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100203242
【弁理士】
【氏名又は名称】河戸 春樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 嘉崇
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊太
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-088376(JP,A)
【文献】特開昭59-152182(JP,A)
【文献】特開2002-285760(JP,A)
【文献】特開平11-035092(JP,A)
【文献】実開平04-038996(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼材で形成された部材を有して直方体形状に形成されたフレーム
記フレームに保持されている支持面部、及び
位置調整機構を備えており、
前記支持面部は、少なくとも前支持面、後支持面、左支持面、右支持面、及び下支持面を有している外装容器において、
前記後支持面、前記左支持面、及び前記右支持面の1つ以上は、前記位置調整機構を介して保持されている可動支持面であり、
前記可動支持面は、前記外装容器の上下方向の中心軸線に対して接近、及び離れる方向に移動可能であり、
前記位置調整機構は、前記可動支持面が移動可能な解放状態と、前記可動支持面が移動できない保持状態と、を有し、前記位置調整機構を操作することにより、前記保持状態の前記可動支持面の保持位置は変更可能であり、
前記可動支持面は、前記下支持面の上側を移動する、外装容器。
【請求項2】
前記可動支持面である前記後支持面の最内側位置は、前記左支持面、及び前記右支持面のそれぞれの前後方向の長さ範囲内、及び
前記可動支持面である前記左支持面、及び前記右支持面のそれぞれの最内側位置は、前記後支持面の左右方向の長さ範囲内の少なくとも何れか一方であり、
前記後支持面の内面と、前記左支持面の内面とは互いに隣接して隅部を形成可能であり、
前記後支持面の内面と、前記右支持面の内面とは互いに隣接して隅部を形成可能である、請求項1に記載の外装容器。
【請求項3】
前記前支持面は、連通部を設けることができる第1連通部材、及び第2連通部材を有しており、
前記第1連通部材は、開閉可能な扉であり、
前記第2連通部材は、上下方向における前記下支持面の上面と、前記第1連通部材の下端との間に設けられている部材である、請求項1または2に記載の外装容器。
【請求項4】
前記第2連通部材は、開閉可能な扉である、請求項3に記載の外装容器。
【請求項5】
前記下支持面は、前記下支持面の一部に連通部を設けることができる連通カバーを有している、請求項1または2に記載の外装容器。
【請求項6】
前記連通カバーは、前記前支持面に隣接した位置に設けられている、請求項5に記載の外装容器。
【請求項7】
前記連通カバーは複数備えられており、
前記連通カバーはそれぞれ操作可能であり、それにより前記連通部の大きさは変更可能である、請求項5に記載の外装容器。
【請求項8】
前記可動支持面の移動に対応して移動し、前記各可動支持面の移動範囲において、前記下支持面に設けられている前記位置調整機構用のスライド連通部を覆う部材を有している、請求項1または2に記載の外装容器。
【請求項9】
前記フレームには、前記可動支持面と前記フレームとの隙間を塞ぐ閉塞部材が設けられている、請求項1または2に記載の外装容器。
【請求項10】
前記可動支持面は、前記位置調整機構により連続的に移動可能である、請求項1または2に記載の外装容器。
【請求項11】
少なくとも1つの前記可動支持面は、前記可動支持面の最外側位置において、上面視で少なくとも一部がフレームと重なっている、請求項1または2に記載の外装容器。
【請求項12】
外装容器内に投入された物質の量を検出するロードセルを備えている、請求項1または2に記載の外装容器。
【請求項13】
前記下支持面の下に基台を備え、
前記基台は上面に平面部を有し、
前記平面部と、前記下支持面との間に空間を有している、請求項1または2に記載の外装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質を収容可能なバッグを内部に装着する外装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、用途に応じて各種物品を収容、及び移動する容器が利用されている。上記容器の下部には、移動に必要なキャスタが設けられている。また、収容庫内には、収容する物品を保持する棚が設けられ、物品を保持する。上記容器は、物品に合った大きさの収容庫が製作され、物品ごとに最適な大きさの容器が用いられる。容器の利用方法の一例として、バッグを内部に装着し、バッグに物質を収容して保管、及び移動する外装容器が利用されている。例えば、各種工業製品の原料、及び加工に用いる水、粉体等の流体物をバッグに流入、貯留して保管するとともに、工場内を移動に用いられている。バッグは、例えば、1000リットルの容量のものが利用されており、樹脂で作製されている。バッグは、同じ1000リットルの容量のものでも、縦、横、高さの各寸法が異なる数種類のバッグが流通している。
【0003】
バッグに流体物を貯留する場合、満杯の状態ではかなりの質量となり、転がりやすく不安定である。また、突起に接触、又は溝に部分的に突出してはまり込むと、バッグ面が破断するきっかけとなり、内部から漏れが発生、又はバッグが破裂する可能性がある。バッグの破損を避けるため、突起、溝等が無い平坦な壁状の囲いで囲ってバッグを保持する必要がある。同じ容量でもバッグの寸法が異なると、バッグを支える壁状の囲いとの間隔が変わってくる。バッグの寸法にあった外装容器を用いないと、バッグが不安定となり、ひいてはバッグの破損する可能性がある。そのため、バッグの寸法にあった外装容器をバッグごとに準備する必要がある。また、バッグに取り付けられている流体物の流入及び排出用のホースの取り付け位置、及び本数はバッグにより異なっている。そのため、バッグに取り付けられているホースの取り付け位置、及び本数に合わせて、外装容器に連通部を設定する必要がある。したがって、各種寸法のバッグに合わせた外装容器を作製し、バッグごとに使い分けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭61-6402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同じ容量にも関わらず、バッグの寸法ごとに外装容器を作製し、数種類の外装容器を使い分けるのは、コストと手間がかかっていた。また、バッグの原料が入手困難の時には、手に入るバッグが限定されてしまい、対応可能な外装容器が不足する場合があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る外装容器は、直方体形状に形成されたフレーム、及び少なくとも前支持面、後支持面、左支持面、右支持面、及び下支持面を備えている中空の外装容器において、後支持面、左支持面、及び右支持面の1つ以上は、それぞれ位置調整機構を介して保持されている可動支持面であり、可動支持面は、外装容器の上下方向の中心軸線に対して接近、及び離れる方向に移動可能である。
【0008】
本発明に係る外装容器は、少なくとも前支持面、後支持面、左支持面、右支持面、及び下支持面を備えており、後支持面、左支持面、及び右支持面の1つ以上は可動支持面とすることができる。そのため、異なる寸法のバッグを装着して、前支持面、後支持面、左支持面、右支持面、及び下支持面で支持することができ、連通部により容易にバッグの取り付け、交換をすることができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0009】
また、本発明に係る外装容器は、可動支持面である後支持面の最内側位置は、左支持面、及び右支持面のそれぞれの前後方向の長さ範囲内、及び可動支持面である左支持面、及び右支持面のそれぞれの最内側位置は、後支持面の左右方向の長さ範囲内の少なくとも何れか一方であり、後支持面の内面と、左支持面の内面とは互いに隣接して隅部を形成可能であり、後支持面の内面と、右支持面の内面とは互いに隣接して隅部を形成可能であることが好ましい。
【0010】
これにより、本発明に係る外装容器は、後支持面の内面と、左支持面の内面とは互いに隣接して隅部を形成可能であり、後支持面の内面と、右支持面の内面とは互いに隣接して隅部を形成可能である。そのため、可動支持面を移動しても、隣接する可動支持面の間に隙間ができることがない。それにより、前記隙間にバッグが突出してバッグが破損することを低減できる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0011】
また、本発明に係る外装容器は、前支持面は連通部を設けることができる第1連通部材、及び第2連通部材を有し、第1連通部材は開閉可能な扉であり、第2連通部材は、上下方向における下支持面の上面と、第1連通部材の下端との間に設けられている部材であることが好ましい。
【0012】
これにより、本発明に係る外装容器は、連通部を構成可能な第1連通部材、及び第2連通部材を備えていることができる。そのため、第1連通部材を操作して、外装容器の内部とのアクセスは可能な連通部を設けることができる。また、第2連通部材を操作、又は脱着することにより、連通部を下方に拡大することができる。それにより、バッグへの流体物の流入開始後の初期段階において、バッグの下方部分が前方にはみ出すことを抑えるとともに、バッグ交換時には連通部を下方に拡大して、広い連通部とすることができる。したがって、使いやすい外装容器とすることができる。
【0013】
また、本発明に係る外装容器が有する第2連通部材は、開閉可能な扉であることが好ましい。
【0014】
本発明に係る外装容器は、開閉可能な扉である第2連通部材を備えている。それにより、第2連通部材を開閉操作することにより、容易に連通部を設けることができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0015】
また、本発明に係る外装容器の下支持面は、下支持面の一部に連通部を設けることができる連通カバーを有していることが好ましい。
【0016】
本発明に係る外装容器の下支持面は、下支持面の一部に連通部を設けることができる連通カバーを有している。そのため、バッグにより異なる位置のホースに最適な位置に連通部を設けられると共に、不要時には連通部を閉じてバッグの下面を支持してバッグの破損を防ぐことができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0017】
また、本発明に係る外装容器が有する連通カバーは、前支持面に隣接した位置に設けられていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る外装容器が有する連通カバーは、前支持面に隣接した位置に設けられている。それにより、連通カバーを前面に配置でき、ホース作業がし易い外装容器とすることができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0019】
本発明に係る外装容器が有する連通カバーは複数備えられ、それぞれ操作可能であり、それにより連通部の大きさは変更可能であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る外装容器が有する連通カバーは複数備えられ、それぞれ操作可能であり、それにより連通部の大きさは変更可能である。そのため、バッグ5により異なるホース6の数、及び位置に応じて、下支持面の最適な部位において、最小限の大きさの連通部を設けることができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0021】
また、本発明に係る外装容器は、可動支持面の移動に対応して移動し、各可動支持面の移動範囲において、下支持面に設けられている位置調整機構用のスライド連通部を覆う部材を有していることが好ましい。
【0022】
本発明に係る外装容器は、各可動支持面の移動範囲において、下支持面に設けられている位置調整機構用のスライド連通部を覆う部材を有している。そのため、各可動支持面が移動した場合でも、部材が常にスライド連通部を覆うことができる。それにより、バッグがスライド連通部に突出することがなく、バッグが破損する可能性を低減することができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0023】
本発明に係る外装容器のフレームには、可動支持面とフレームとの隙間を塞ぐ閉塞部材が設けられていることが好ましい。
【0024】
本発明に係る外装容器のフレームには、可動支持面とフレームとの隙間を塞ぐ閉塞部材が設けられている。そのため、可動支持面とフレームとの間に隙間ができることでバッグが前記隙間に突出して、バッグが破損する可能性を低減することができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0025】
本発明に係る外装容器の可動支持面は、位置調整機構により連続的に移動することができることが好ましい。
【0026】
本発明に係る外装容器の可動支持面は、位置調整機構により連続的に移動することができる。そのため、可動支持面は所望の位置に容易に保持することができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0027】
本発明に係る外装容器は、少なくとも1つの可動支持面は、可動支持面の最外側位置において、上面視で少なくとも一部がフレームと重なっていることが好ましい。
【0028】
本発明に係る外装容器は、少なくとも1つの可動支持面が、可動支持面の最外側位置において、上面視で少なくとも一部がフレームと重なっている。そのため、外寸を抑えながら、内部空間をできるだけ大きな空間とすることができる。したがって、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器とすることができる。
【0029】
本発明に係る外装容器は、外装容器内に投入された物質の量を検出するロードセルを備えていることが好ましい。
【0030】
本発明に係る外装容器は、外装容器内に投入された物質の量を検出するロードセルを備えている。そのため、作業者は、外装容器に投入された物質の量を正確に把握することができる。それにより、作業者は、外装容器への物質の充填量、及び排出量を確認しながら、作業をすることができる。したがって、使いやすい外装容器とすることができる。
【0031】
本発明に係る外装容器は、下支持面の下に基台を備え、基台は上面に平面部を有し、平面部と、下支持面との間に空間を有していることが好ましい。
【0032】
本発明に係る外装容器は、下支持面の下に基台を備え、基台は上面に平面部を有し、平面部と、下支持面との間に空間を有している。そのため、空間をバッグに取り付けられているホースの仮置き場所、及びロードセルの設置場所として使用することができる。それにより、ホースを作業場所の床に接触させずに、保管、及び作業をすることができる。したがって、使いやすい外装容器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態に係る外装容器の正面図。
図2図1の外装容器の側面図。
図3図1の外装容器の上面図。
図4図1の外装容器においてスライドカバーの直下の位置での上面断面図。
図5図1の外装容器において下支持面の上面材の直下の位置での上面断面図。
図6図1の外装容器において前支持面を省略した前面断面図。
図7図1の外装容器において左の外面部及び左支持面を省略した左側面断面図。
図8図3のJ-J断面による右側面断面図。
図9図4のK-K断面による右側面断面図。
図10図1の外装容器の支持面部の動きを示す概要図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<実施形態>
図1から図3を参照して、本発明に係る外装容器100を説明する。図1図2、及び図3は、それぞれ外装容器100の正面図、側面図、及び上面図である。図1に示すように、外装容器100は直方体状に形成されており、上下方向に平行な中心軸線X-Xを有している。以下の説明では、図1において、中心軸線X-Xに平行な方向を上下方向、中心軸線X-Xに垂直、かつ図1の図面を横切る方向を左右方向、中心軸線X-Xに垂直、かつ図1の図面に垂直な方向を前後方向とする。
【0035】
図1を参照しながら、外装容器100に装着されるバッグ5を説明する。図1には、バッグ5の一例のサイズを図示している。外装容器100の内部に装着されるバッグ5は、容量が例えば1000リットル(L)のものである。1000L用のバッグ5は、同じ容量のものでも、縦、横、高さの各寸法の組合せが数種類流通しており、本発明に係る外装容器100は、容量が1000Lでそれら各寸法の組合せの何れのバッグ5も装着することができる。バッグ5は、例えば流体物を内部に貯留するものである。流体物とは、工業製品に用いられる原料、加工用の水等の液体、粉体であり、バッグ5に取り付けられているホース6を通して流入、及び排出が可能である。外装容器100に用いられるバッグ5は、流体物を規定量まで一杯に入れて貯留できる丈夫な材料で作られている。バッグ5は、例えば樹脂、具体的にはポリエチレン等で作られている。バッグ5は、洗浄の手間を省くために、一度限りの使用である使い捨て用も利用される。そのため、外装容器100はバッグ5を容易に交換できるように構成されている。なお、外装容器100は、1000L以外の容量のバッグ5も対応可能であり、外装容器100は装着されるバッグ5の寸法に応じて製作される。
【0036】
図1から図3に示すように、外装容器100は、フレーム10、外装容器100の外面を覆っている外面部20、及びバッグ5を支える支持面部30を備えている。外装容器100は、基台90、外装容器100の内部に入れられている物質の荷重を計る荷重表示装置95、及び特定のバッグ5を装着する際に使用される吊り装置99を備えている。基台90は、下支持面35の下に備えられており、基台本体91、及び基台本体91の四隅の下面にあるキャスタ92を有している。基台本体91は、板状部材であり、上面に平面部93を有している。平面部93と、下支持面35との間には、空間94が設けられている。図1に示すように、ホース6は、不使用時には平面部93に載せられて空間94に収容される。基台本体91の上面がフラットに形成されており、空間94はバッグ5に取り付けられているホース6の仮置き場所、及びロードセルの設置場所として使用できる。それにより、ホース6を作業場所の床に接触させずに、保管、及び作業をすることができる。
【0037】
荷重表示装置95は、基台90の平面部93の四隅上にそれぞれ設けられ、フレーム10を支えているロードセル96、複数のロードセル96の出力を集計して総荷重を算出する処理装置97、及び算出された総荷重を表示する荷重モニタ98を有している。荷重表示装置95は、作動用内蔵電池を有しており、外装容器100に投入された物質の量を示す荷重をロードセル96によりリアルタイムに表示する。外装容器100は、荷重表示装置95により、外装容器100への物質の充填量、及び排出量を確認しながら、作業をすることができる。
【0038】
図3には、外装容器100が備える支持面部30が示されている。支持面部30は、外装容器100の内部に取り付けられて、バッグ5に接して保持する平板状の部材である。支持面部30は、前支持面31、後支持面32、左支持面33、右支持面34、及び下支持面35を有している。外装容器100の上面は、上支持面はなく、開放されている。
【0039】
図2、及び図3を参照して、フレーム10の構成を説明する。フレーム10は、複数のフレーム材が組み合わされて、直方体状に形成されている。フレーム材は、主骨格を構成している主構造部材11~14、及び主構造部材11~14に接続された複数の副構造部材15~18、19A、19Bを有している。主構造部材11は、上面視で直方体状の四隅に配置されており、上下方向に延びる柱状のフレーム材である。主構造部材11は、断面矩形の鋼材で形成されている。
【0040】
図1図3を参照して、フレーム10の上部の構成を説明する。フレーム10の右側面、及び左側面において、上下方向に延びる2本の主構造部材11の各上端を接続して前後方向に延びる主構造部材12がそれぞれ配置されている。フレーム10の後面、及び前面において、主構造部材11の上部には、左右方向に延びる2つの主構造部材13がそれぞれ配置されている。後ろ側の主構造部材13は、2つの主構造部材11の各上端に接続されている。図3、及び図1に示すように、前側の主構造部材13は、2つの主構造部材11のそれぞれの上端から若干下の位置に接続されている。前側の主構造部材13の両端には、板部材65がそれぞれ載せられて固定されている。
【0041】
図3に示すように、フレーム10の最上部には、各四隅の隣接位置にL字状に形成された副構造部材15がそれぞれ取り付けられている。副構造部材15は、2つの直線部分の互いの端部同士をほぼ直角に接続してL字状に形成されている。副構造部材15は、フレーム10の上面視でL字形状が見える状態、かつL字状の副構造部材15の両端部で各四隅を挟むように取り付けられている。副構造部材15が有する各直線部は、前後方向、又は左右方向に平行になるように取り付けられている。具体的には、後ろ側の2つの副構造部材15は、後ろ側の主構造部材13と左側の前後方向に延びる主構造部材12、及び後ろ側の主構造部材13と右側の前後方向に延びる主構造部材12にそれぞれ接続されている。また、前側の2つの副構造部材15は、左右の前後方向に延びる主構造部材12、及び前側の主構造部材13の両端に載せられて固定されている板部材65にそれぞれ接続されている。フレーム10の上部に配置されている各部材は、断面矩形、又は断面U字状の鋼材で形成されている。
【0042】
4つの副構造部材15の計8つの直線部分のうち、前後方向に延びる主構造部材12、及び後ろ側の主構造部材13に接続している計6つの直線部分には、位置調整機構40がそれぞれ設けられている。位置調整機構40は、複数の支持面部30のそれぞれの上端を保持している。位置調整機構40の構成については、後述する。
【0043】
図2図5を参照して、フレーム10の下部の構成を説明する。図4は、下支持面35の上面を部分的に覆っている複数のスライドカバー52の直下の上下方向位置で断面とした上面断面図である。図5は、スライドカバー52の下に配置されており、下支持面35が有し、下支持面35の上面のほぼ全面を覆っている上面材51の直下の上下方向位置で断面とした上面断面図である。フレーム10の下部に配置されている各フレーム材は、断面矩形、又は断面U字状の鋼材で形成されている。
【0044】
図2に示すように、フレーム10の左側面、及び右側面において、前後両端に位置し、上下方向に延びる主構造部材11の各下端を接続して前後方向に延びる主構造部材12がそれぞれ配置されている。下支持面35が有し、下支持面35の上面を覆っている上面材51は、薄板鋼板で形成されている。
【0045】
図5は、フレーム10の下部の構成を示している。前後方向に延びる左右の主構造部材12の後端の間には、左右方向に延びる主構造部材13が接続されている。また、左右の主構造部材12の前後方向の中間部、及び前記前後方向の中間部と前端との間には、左右方向に延びる主構造部材13、14がそれぞれ接続されている。フレーム10の下部は、左右端の2つの主構造部材12、及びそれらの間に配置されている3つの主構造部材13、14の他に、複数の副構造部材16、17、18、等が接続されて構成されている。フレーム10の後端、及び前記前後方向の中間部において、ぞれぞれ左右方向に延びる2つの主構造部材13の間には、前後方向に延びる3つの副構造部材16、17が接続されている。1つの副構造部材16は左右方向の中央部、2つの副構造部材17は中央部の副構造部材16と、左右端の主構造部材12とのそれぞれの間のほぼ中間に配置されている。副構造部材17は、副構造部材17の中央側の面にそれぞれ位置調整機構45が設けられている。
【0046】
左右端の主構造部材12と、副構造部材17の間には、副構造部材18がそれぞれ配置されている。副構造部材18は、副構造部材18の中央側の面にそれぞれ位置調整機構45が設けられている。また、前後方向に延びる左右の主構造部材12の前側に配置されている主構造部材14は、主構造部材14の中央側の面にそれぞれ位置調整機構45が設けられている。
【0047】
図3図5に示すように、フレーム10の下部には、位置調整機構45が計6つ設けられている。位置調整機構45は、支持面部30のそれぞれの下端を保持している。位置調整機構45の構成については、後述する。
【0048】
図5を参照して、フレーム10の下部の前端部分の構成を説明する。左右端に配置されている主構造部材12の前端には、L字状の副構造部材15がそれぞれ取り付けられている。L字状の副構造部材15は、2つの直線部材の一方の端部同士をほぼ直角に接続されて形成されている。副構造部材15の各端部は、左右の主構造部材12の前端、及び主構造部材14の前面にそれぞれ固定されている。
【0049】
主構造部材14と、外装容器100の前端との間には、副構造部材19A、及び19Bが取り付けられている。副構造部材19A、及び19Bは、下支持面35にホース6を通す下方連通部38を設けることが可能な複数の連通カバー61a~61dをスライド可能に支持する部材である。主構造部材14から前方に向けて、互いに平行な2つの副構造部材19Aが設けられている。また、副構造部材19Aの前端には、第2連通部材63を連結して固定する留め部材64用の孔が設けられている。2つの副構造部材19Aの間には、連通カバー61aが上面視で2つの副構造部材19Aに対し隙間なく配置されている。連通カバー61aは、前後方向、かつ上面材51と平行にスライド可能である。図5において、連通カバー61aは引き出し位置にある。連通カバー61aを矢印M方向に押し込んで破線が示す収納位置に移動させることにより、下方第1連通部38が形成される。下方第1連通部38は、ホース6を通す連通部である。収納位置では、連通カバー61aは、図5では省略されている上面材51の下面と、副構造部材19Bの上面との間の上下方向の隙間に収納される。
【0050】
左の副構造部材19Aと、左の副構造部材15との間、及び右の副構造部材19Aと、右の副構造部材15との間には、副構造部材19Bが主構造部材14と平行にそれぞれ接続されている。また、上記それぞれの間には、副構造部材19Aから副構造部材15に向けて、すなわち中央から外側に向けて、連通カバー61b~61dが配置されている。連通カバー61b~61dは、上面視において、副構造部材19Aと連通カバー61bとの間、連通カバー61b~61d同士の間、及び連通カバー61dと副構造部材15とのそれぞれの間は、隙間がないように隣接して配置されている。連通カバー61b~61dは、前後方向、かつ上面材61と平行、かつそれぞれ別個にスライド可能である。連通カバー61a~61dは、矢印Mの両方向にスライド移動可能である。連通カバー61a~61dは、不要な時に閉じられて、バッグ5の下面を支えることができる。
【0051】
図5において、左側の連通カバー61b~61dの全部、及び右側の連通カバー61b~61dの全部は収納位置にあり、図5では省略されている上面材51の下面と、副構造部材19Bの上面との間の上下方向の隙間に収納されている。それにより、連通カバー61b~61dの部分の空間がつながった下方第2連通部39が左側、及び右側にそれぞれ形成されている。下方第2連通部39は、ホース6を通す連通部である。連通カバー61b~61dは、矢印M方向に引き出し、各破線が示す位置に移動して、下方第2連通部39を閉塞可能である。連通カバー61b~61dは、個々にスライド可能であり、バッグ5に取り付けられているホース6の数、及び位置に応じて、最適な位置に最小限の大きさの下方第2連通部39が設けられる。ホース6は、外部設備と接続されずに外装容器100に収容される場合は、図1に示されるように、基台本体91上に載せて収容される。
【0052】
連通カバー61a~61dの左右方向幅は、連通カバー61aを1とした場合、連通カバー61bは2~3、連通カバー61cは0.5~1、連通カバー61dは2~3の寸法比である。連通カバー61a~61dの左右方向幅、及びスライド量は、バッグ5及びホースの位、及び数に応じて適宜決定される。
【0053】
図3、及び図4を参照して、位置調整機構45と、スライドカバー52との位置関係を説明する。図4には、下支持面35において、支持面部30を支持する位置調整機構45が示されている。位置調整機構45は、支持面部30の下端と連結させる必要があるため、下支持面35の上面材51には、位置調整機構45のスライド移動方向に沿って長く形成されたスライド連通部49が、各位置調整機構45の真上に形成されている。スライド連通部49が下支持面35に露出していると、内部が満たされたバッグ5が部分的にスライド連通部49内に突出して破損する可能性がある。そのため、図3に示すように、スライド連通部49を塞ぐスライドカバー52がそれぞれ設けられている。スライドカバー52は、可動支持面、すなわち後支持面32、左支持面33、及び右支持面34の下端にそれぞれ連結されており、後支持面32、左支持面33、及び右支持面34と共に一体的に、上面材51上をスライド移動する。図4に示すように、スライドカバー52は、下支持面35の上面材51に載せて取り付けられており、容易に脱着可能である。それぞれのスライドカバー52の裏面には、図示されない丸断面の突起が2つ設けられている。スライドカバー52は、位置調整機構45の嵌合穴44に嵌合させながら取り付けられる。スライドカバー52が容易に脱着できることで、位置調整機構45のメンテナンスを容易にすることができる。
【0054】
図2を参照して、外面部20を説明する。図2は外装容器100の左側面図であり、右側面、及び後面も基本構成は同じである。外面部20は、フレーム10の後ろ側、左側、及び右側の各面を閉塞する部材である。外面部20は、複数の外板21を有している。フレーム10の後ろ側、左側、及び右側の各面は、上下の主構造部材12の間において、主構造部材11に平行に延びる2本の内部フレーム56をそれぞれ有しており、フレーム10の後ろ側、左側、及び右側の各面をそれぞれ三分割している。三分割された領域のそれぞれに外板21が取り付けられ、フレーム10の後ろ側、左側、及び右側の各面は、3つの外板21がフレーム10との間を隙間なく固定されて閉塞されている。外板21は、脱着時に保持する長孔22が複数設けられている。組み立てられた外装容器100の使用時には、長孔22を通して内部を見ることができ、例えば、内部洗浄等の際に、外装容器100の内部を視認することができる。
【0055】
図3を参照して、外装容器100の支持面部30を説明する。支持面部30は、外装容器100の内部に取り付けられるバッグ5に接して保持する板状部材である。後支持面32、左支持面33、及び右支持面34は、それぞれ外装容器100の後ろ側、左側、及び右側にそれぞれ備えられている外面部20の内側、すなわち外装容器100の中心軸線X-X側に配置されている。外装容器100は、前支持面31、後支持面32、左支持面33、右支持面34、及び下支持面35により、すなわち前後左右の4面と、下側との計5面により、バッグ5を保持する。図3に示されているように、後支持面32、左支持面33、及び右支持面34は、フレーム10の上部から吊り下げられるとともに、フレーム10の下部により保持されている。
【0056】
図1、及び図2を参照して、前支持面31を説明する。前支持面31は、左右端の主構造部材11、及び上下端の主構造部材13の何れか1つ以上に保持された第1連通部材62、及び第2連通部材63を有している。第1連通部材62、及び第2連通部材63は、前支持面31に前方連通部37を設けることができる部材である。図1、及び図2には、閉状態の第1連通部材62、及び第2連通部材63が実線、開状態の第1連通部材62、及び第2連通部材63が破線で示されている。前方連通部37は、支持面部30の内部空間と、外装容器100の外部とを連通する空間、又は開口である。前方連通部37の形状は、略長方形である。第1連通部材32は前方連通部37の上側に設けられており、第2連通部材63は前方連通部37の下側、かつ第1連通部材62と水平線で分離されて設けられている。第1連通部材62は第2連通部材63に比べて大きく形成されており、前記水平線の上下方向位置は、前方連通部37の上下方向長さについて上側:下側を4:1~7:1に分ける位置である。前方連通部37の上方には、主構造部材13等のフレーム材が配置されて前方連通部37がフレーム材で枠状に囲われている。なお、前方連通部37の上方には、主構造部材13等のフレーム材が配置されずに前方連通部37の上方が開放されていてもよい。
【0057】
第1連通部材62、及び第2連通部材63は、それぞれ扉部材であり、左右方向の中央位置であり、前面視で中心軸線X-Xと重なる位置において左側、及び右側にそれぞれ分かれている観音扉である。第1連通部材62、及び第2連通部材63は、それぞれの左端が左側の主構造部材11、それぞれの右端が右側の主構造部材11とヒンジ部材を介して保持されており、各扉は、それぞれ単独に開閉可能である。左右の第1連通部材62の上端位置、かつ中心軸線X-X寄りの位置には、上側の主構造部材13と連結、及び連結解除が可能な留め部材64がそれぞれ設けられている。また、左右の第1連通部材62の下端位置、かつ中心軸線X-X寄りの位置には、第2連通部材63と連結、及び連結解除が可能な留め部材64がそれぞれ設けられている。また、左右の第2連通部材63の下端位置、かつ中心軸線X-X寄りの位置には、下側の主構造部材13と連結、及び連結解除が可能な留め部材64がそれぞれ設けられている。
【0058】
左右の第1連通部材62の少なくとも何れか一方には、複数のスリット36が設けられている。スリット36は、第1連通部材62に複数設けられており、上下方向に沿って配置されている。スリット36が第1連通部材62の上下方向長さのほぼ全体にわたって形成されているので、作業者はスリット36を通して、液体等の流入、又は排出により逐次変化するバッグ5内の液体等の量を容易に視認することができる。1つのスリット36の上下方向長さは、第1連通部材62の上下方向長さを複数に略等分した長さに形成されている。スリット36は、第1連通部材62の上下方向長さのほぼ全体にわたって左右方向位置を少しずつずらして配置されている。そのため、第1連通部材62の上下方向のほぼ全体にわたって長い1本のスリットを形成する場合に比べて、第1連通部材62の強度低下を防ぐことができる。
【0059】
図3図5、及び図6を参照して、後支持面32の構成を説明する。図6は、前支持面31を省略した外装容器100の前面断面図である。図3には、後支持面32の移動範囲における最外側位置にある後支持面32が破線で示されている。後支持面32は、上面視において、外装容器100の上部の直方体形状を直接形成しており、フレーム10である後ろ側の主構造部材13と、少なくとも一部が重なる位置に配置されている。それにより、外装容器100は、外寸を出来るだけ小さくしながら、バッグ5を収容する内部スペースを出来るだけ大きくでき、スペース利用効率が高い構成にすることができる。後支持面32は、上面視において、フレーム10である後ろ側の主構造部材13と、完全に重なることが好ましい。
【0060】
図6に示すように、後支持面32の左右方向長さ、すなわち水平方向長さは、後ろ側の左右端の主構造部材11の間の長さよりわずかに短く形成されている。そのため、後支持面32は、左右端の主構造部材11の間に収容することができる。また、図3に示すように、後支持面32が左右端の主構造部材11の間に収容されている状態では、後支持面32の内面58と、主構造部材11の内側面とは、ほぼ面一となるように構成されている。そのため、内部に液体等が満たされたバッグ5の一部が後支持面32と主構造部材11との間の隙間に突出することがない。それにより、バッグ5が破損することを防ぐことができる。
【0061】
図6に示されているように、後支持面32の上部は、左右の副構造部材15にそれぞれ取り付けられている位置調整機構40、及び連結部材53により、後支持面32の2箇所が保持されている。また、図5に示されているように、後支持面32の下部は、左右の副構造部材17にそれぞれ取り付けられている位置調整機構45、及び連結部材54により、後支持面32の2箇所が保持されている。連結部材53、及び連結部材54の後支持面32側の取り付け部は、後支持面32の外側面に取り付けられている。それにより、後支持面32の内側に突起等が突出しないように構成されている。
【0062】
後支持面32は、金属で形成されているパネルであり、矩形の外枠フレーム55、外枠フレーム55の左右方向、及び高さ方向をそれぞれ等分する位置に設けられている内部フレーム56、及び外枠フレームを塞ぐ平板材57を有している。平板材57は、外枠フレーム55、及び内部フレーム56の内側面に取り付けられている。それにより、後支持面32の内面58は、突起が無い平坦面が形成されている。
【0063】
上記に説明した、後支持面32と主構造部材11との内側面との面一構造、連結部材53の連結部材54の後支持面32側への取り付け構造、及び平坦面に形成されている後支持面32の内面58のそれぞれの構成により、液体等で満たされているバッグ5が押し付けられて接触した際に、突起、又は隙間内への部分的な突出により破損する可能性を低減することができる。
【0064】
図3図5、及び図7を参照して、左支持面33の構成を説明する。図7は、左の外面部20、及び左支持面33を省略した外装容器100の左側面断面図である。なお、右支持面34の配置、及び構造は、中心軸線X-Xを通る前後方向に平行な平面を中心にして左支持面33と対称である。図3には、左支持面33、及び右支持面34の移動範囲における最外側位置にある左支持面33、及び右支持面34が示されている。
【0065】
図3に示すように、左支持面33、及び右支持面34の前後方向長さ、すなわち水平方向長さは、前後端の主構造部材11の間の長さより少し小さく形成されている。左支持面33、及び右支持面34の前後方向の前側端は、前側の主構造部材11の後ろ側面、及び前支持面31の後ろ側面と互いに相対移動できる程度のわずかな隙間を介して隣接している。一方、左支持面33、及び右支持面34の前後方向の後ろ側端は、後ろ側の主構造部材11の前側面に対し、若干離れて配置されており、両者の間には隙間が存在している。フレーム10の後ろ側の左右の主構造部材11には、可動支持面と、フレーム10との間を塞ぐ閉塞部材66が設けられている。閉塞部材66は、上下方向長さが左支持面33、及び右支持面34の上下方向長さとほぼ同じ長さに形成されており、全長にわたって平面66aを有している。閉塞部材66は、後ろ側の左右の主構造部材11にそれぞれ固定されており、前記隙間を埋めるように配置されている。
【0066】
左支持面33、及び右支持面34の最外側位置において、左支持面33の内面58と左側の閉塞部材66の平面66a、及び右支持面34の内面58と右側の閉塞部材66の平面66aは、それぞれほぼ面一に構成されている。そのため、左支持面33、及び右支持面34の最外側位置では、平面66aが壁となり、内部に液体等が満たされたバッグ5の一部が左支持面33、及び右支持面34と隣接する主構造部材11との間に突出することがない。それにより、バッグ5が破損することを防ぐことができる。
【0067】
図7に示されているように、左支持面33、及び右支持面34の上部は、左右の副構造部材15にそれぞれ取り付けられている位置調整機構40、及び連結部材53により、左支持面33、及び右支持面34の各2箇所が保持されている。また、図5に示されているように、左支持面33、及び右支持面34の下部は、主構造部材14、及び左右の副構造部材18にそれぞれ取り付けられている位置調整機構45、及び連結部材54により、左支持面33、及び右支持面34の各2箇所が保持されている。図5図7に示されているように、連結部材53、及び連結部材54の左支持面33、及び右支持面34側の取り付け部は、左支持面33、及び右支持面34の外面側に取り付けられている。それにより、左支持面33、及び右支持面34の内面58に突起等が突出しないように構成されている。
【0068】
左支持面33、及び右支持面34は、金属で形成されているパネルであり、矩形の外枠フレーム55、外枠フレーム55の左右方向、及び高さ方向をそれぞれ等分する位置に設けられている内部フレーム56、及び外枠フレームを塞ぐ平板材57を有している。平板材57は、外枠フレーム55、及び内部フレーム56の内側面に取り付けられている。それにより、左支持面33、及び右支持面34の内面58は、突起状部分が無い平坦面が形成されている。
【0069】
図4を参照して、可動支持面の固定機構を説明する。可動支持面である、後支持面32、左支持面33、及び右支持面34は、位置調整機構40、45のレバー43、48によるブレーキ作用に加えて、必要に応じて追加の固定具により、下支持面35と固定することができる。各位置調整機構45の隣接位置には、可動支持面の固定機構である固定穴59がそれぞれ複数設けられている。図視されないロックピンが、可動支持面の対応する穴と、固定穴59とを通されて可動支持面が固定される。これにより、可動支持面はより強固に固定される。
【0070】
上記に説明した、左支持面33、及び右支持面34と閉塞部材66の平面部66aとの面一構造、連結部材53と連結部材54との左支持面33側、及び右支持面34側へのそれぞれの取り付け構造、及び平坦面に形成されている左支持面33、及び右支持面34の内面58のそれぞれの各構成は、それぞれ液体等で満たされているバッグ5が押し付けられて接触した際に、突起、又は隙間内への部分的な突出によりバッグ5が破損する可能性を低減することができる。
【0071】
図8を参照して、外装容器100の上部に配置されている位置調整機構40と、連結部材53とを説明する。図8は、図3のJ-J断面による右側面断面図である。位置調整機構40は、挟持部材41、案内部材42、レバー43を有している。図8に示すように、案内部材42は、案内部材42の両側面において長手方向に沿って溝が設けられている部材であり、副構造部材15に取り付けられている。挟持部材41は、断面が略U字状であり、それぞれの先端部に内向きに突部を有している。位置調整機構40は、レバー43、及びレバー43により操作される図示されない位置調整機構40の内部機構、例えばカム機構等を有している。レバー43の操作により、挟持部材41が案内部材42の長手方向の所望の位置を強く挟み込んだ状態を保持、又は解放することができる。位置調整機構40には、連結部材53の位置調整機構40側の取り付け部が取り付けられている。挟持部材41は、案内部材42の両側面にある溝に嵌合しながら、案内部材42に対して連続的に移動することができる。そのため、左支持面33、及び右支持面34は、位置調整機構40の挟持部材41の移動に伴って一体的、かつ連続的に移動可能である。
【0072】
図9を参照して、外装容器100の下部に配置されている位置調整機構45と、連結部材54とを説明する。図9は、図4のK-K断面による右側面断面図である。位置調整機構45は、挟持部材46、案内部材47、レバー48を有している。位置調整機構45の挟持部材46、案内部材47、及びレバー48は、位置調整機構40の挟持部材41、案内部材42、及びレバー43にそれぞれ相当し、各部材の構成、及び機能は互いに同じである。そのため、位置調整機構45と、連結部材54との細部説明は省略する。
【0073】
図10を参照して、可動支持面である、後支持面32、左支持面33、及び右支持面34の動きを説明する。図10は、外装容器100の上面視による支持面部30の動きを示す概要図である。後支持面32、左支持面33、及び右支持面34は、最外側位置Eと、中心軸線X-Xに最も近づく最内側位置Fとの間を各面の垂直方向、すなわち外装容器100の上下方向の中心軸線に対して接近、及び離れる方向に移動可能である。図10において、後支持面32の移動量はP、左支持面33、及び右支持面34の移動量はQである。
【0074】
可動支持面である後支持面32の最内側位置Fは、左支持面33、及び右支持面34の側面視におけるそれぞれの左右方向の長さ範囲内に移動可能である。その状態で、後支持面32の内面58と、左支持面33の内面58とは互いに隣接し、隅部71を形成可能である。また、可動支持面である左支持面32、及び右支持面34のそれぞれの最内側位置Fは、後支持面32の前面視における左右方向の長さ範囲内に移動可能である。その状態で、左支持面32と、後支持面32の内面58とは、移動に必要な最小限の隙間のみを介して互いに隣接しており、隅部72を形成可能である。また、右支持面34の内面58と、後支持面32の内面58とは、移動に必要な最小限の隙間のみを介して互いに隣接し、隅部72を形成可能である。すなわち、各可動支持面が移動した状態においても、隣接する支持面部同士は、隅部71、72を形成可能である。そのため、隙間が無い隅部71、72が壁となって、内部に液体等が満たされたバッグ5の一部が後支持面32と左支持面33との間、及び後支持面32と右支持面34との間に突出することが防止される。それにより、バッグ5が破損することを防ぐことができる。
【0075】
可動支持面は、下支持面35表面の上面材51に接触し、可動支持面と一体的に移動するスライドカバー52をそれぞれ有している。各スライドカバー52は、各可動支持面の移動範囲において、図4に示されている下支持面35に設けられている位置調整機構45用のそれぞれのスライド連通部49を覆う形状、及び面積を有する板部材である。後支持面32は、下端部に接続されているスライドカバー52を2つ有している。後支持面32が有する2つのスライドカバー52は、後支持面32の前後移動に伴い、後支持面32と一体的にR方向に移動する。また、左支持面33と、右支持面34とは、各下端部に接続されているスライドカバー52を2つずつ有している。左支持面33と、右支持面34とがそれぞれ有するスライドカバー52は、左支持面33と、右支持面34との移動に伴い、左支持面33、及び右支持面34と一体的にS方向に移動する。そのため、内部に液体等が満たされたバッグ5の一部がスライド連通部49内に突出することがない。上記構造により、バッグ5が破損することを防ぐことができる。
【0076】
<実施形態の変形例>
上記に説明した本発明の実施形態は、その一部を以下のように置き換え、又は変更することができる。
【0077】
上記実施形態では、左支持面33、及び右支持面34の両方、及び後支持面32は、それぞれ位置調整機構40、45を介して保持されている可動支持面である構成を説明した。これに代えて、後支持面32、左支持面33、及び右支持面34の何れか1つ、または何れか2つが、位置調整機構を介して保持されている可動支持面であってもよい。その場合、後支持面32、左支持面33、及び右支持面34の何れか1つ、または2つがフレーム10に固定される。そして、後支持面32の左右方向長さは、固定配置される左支持面33、及び右支持面34の何れか一方の内面58に対して、可動に必要なわずかな隙間のみを介して接するように構成される。また、左支持面33、及び右支持面34の何れか1つ以上の左支持面33、及び右支持面34の前後方向長さは、固定配置される後支持面32の内面58に可動に必要なわずかな隙間のみを介して接するように構成される。この場合でも、左支持面33、及び右支持面34と、後支持面32とがなす隅部71、72も、同様に形成される。左支持面33、右支持面34、及び後支持面32の全てを可動支持面で構成する場合に対して、低コストに構成できる。
【0078】
上記実施形態では、可動支持面は、連続的に移動可能である構成とした。これを、可動支持面がピンとピン穴の組合せ等の固定具によりフレーム10に脱着可能とし、フレーム10に固定部を複数設けて、可動支持面がフレーム10に対して段階的に位置変化させ得る構成とされてもよい。上記の移動調整機構40、45に対して、低コストに構成できる。
【0079】
上記実施形態では、第1連通部材62、及び第2連通部材63は、開閉可能な扉と説明した。これに対し、第1連通部材62、及び第2連通部材63の少なくとも何れか一方は、脱着式にしてもよい。脱着式にする場合、第1連通部材62、及び第2連通部材63は、例えばフレーム10に対して差し込みピンと、ピン穴等の固定装置により取り付けられる上記の扉に対して、より強度が高く、頑丈な構造にできる。
【0080】
上記実施形態では、可動支持面は、前支持面31、後支持面32、左支持面33、右支持面34、及び下支持面35を有する構成とした。これに加え、必要に応じて上支持面を有する構成としても良い。また、外面部20は、省略しても良い。
【0081】
本発明によれば、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器を提供することができる。
【符号の説明】
【0082】
10 フレーム、31 前支持面、 32後支持面、 33左支持面、
34 右支持面、35 下支持面、37 (前方)連通部、
38 (下方第1)連通部、 39 (下方第2)連通部、
40,45 位置調整機構、 61a,61b,61c,61d 連通カバー、
62 (第1)連通部材、 63 (第2)連通部材、 66 閉塞部材、
71,72 隅部、90 基台、93 平面部、96 ロードセル、
100 外装容器。
【要約】
【課題】本発明は、寸法が異なるバッグが利用でき、使いやすい外装容器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の外装容器(100)は、直方体形状に形成されたフレーム(10)、及び支持面部(30)を備え、支持面部(30)は、少なくとも前支持面(31)、後支持面(32)、左支持面(33)、右支持面(34)、及び下支持面(35)を有している。前支持面(31)、後支持面(32)、左支持面(33)、右支持面(34)、及び下支持面(35)は、フレーム(10)にそれぞれ保持されており、後支持面(32)、左支持面(33)、及び右支持面(34)の1つ以上は、位置調整機構(40、45)を介して保持されている可動支持面であり、可動支持面は、外装容器(100)の上下方向の中心軸線に対して接近、及び離れる方向に移動可能である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10