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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】炭素金属複合成形体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 1/05 20230101AFI20240620BHJP
   C22C 1/10 20230101ALI20240620BHJP
   B22F 3/14 20060101ALI20240620BHJP
   B22F 3/24 20060101ALI20240620BHJP
   C01B 32/198 20170101ALI20240620BHJP
   B22F 1/14 20220101ALI20240620BHJP
   B22F 1/16 20220101ALI20240620BHJP
   C22C 21/02 20060101ALN20240620BHJP
   B22F 1/00 20220101ALN20240620BHJP
【FI】
C22C1/05 R
C22C1/10 E
B22F3/14 101C
B22F3/24 F
C01B32/198
B22F1/14 500
B22F1/14 400
B22F1/16
C22C21/02
B22F1/00 N
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020091140
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021188062
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイト(ウェブサイトのアドレス:https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jim2020spring/5480/public/pdf?type=in、ウェブサイトの掲載日:令和2年3月3日)
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000004628
【氏名又は名称】株式会社日本触媒
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】川崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】野村 直之
(72)【発明者】
【氏名】周 偉偉
(72)【発明者】
【氏名】久保田 是史
(72)【発明者】
【氏名】小野 博信
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-070186(JP,A)
【文献】特公昭49-027925(JP,B1)
【文献】特開2020-033244(JP,A)
【文献】YAN, S. J., et al.,"Investigating aluminum alloy reinforced by graphene nanoflakes",Materials Science & Engineering A,2014年06月28日,Vol. 612,pp. 440-444
【文献】KWON, Hansang, et al.,"Graphene oxide-reinforced aluminum allo matrix composite materials fabricated by powder metallurgy",Journal of Alloys and Compounds,2016年12月24日,Vol. 698,pp. 807-813
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 1/04-1/059
C22C 1/10
B22F 1/00-8/00
C01B 32/182-32/198
C22C 21/00-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料とマグネシウムの合金粒子との炭素金属複合成形体であって、
該成形体は、成形体100質量%中、マグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含み、
該グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料は、酸化グラフェンであり、
該マグネシウムの合金粒子は、ケイ素を更に含むことを特徴とする炭素金属複合成形体。
【請求項2】
前記成形体は、成形体100質量%中、前記合金粒子中のマグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の炭素金属複合成形体。
【請求項3】
前記成形体は、酸化マグネシウムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素金属複合成形体。
【請求項4】
前記成形体は、成形体100質量%中、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料を5質量%以下含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の炭素金属複合成形体。
【請求項5】
炭素金属複合成形体造方法であって、
該製造方法は、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料とマグネシウムの合金粒子と結工程を含み、
該成形体は、成形体100質量%中、マグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含み、
該グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料は、酸化グラフェンであり、
該マグネシウムの合金粒子は、ケイ素を更に含むことを特徴とする炭素金属複合成形体の製造方法。
【請求項6】
前記成形体は、成形体100質量%中、前記合金粒子中のマグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含むことを特徴とする請求項に記載の炭素金属複合成形体の製造方法。
【請求項7】
前記焼結工程は、パルス通電加圧焼結法で焼結する工程であることを特徴とする請求項又はに記載の炭素金属複合成形体の製造方法。
【請求項8】
前記製造方法は、焼結工程で得られた成形体に圧力を加えて変形させる工程を更に含むことを特徴とする請求項のいずれかに記載の炭素金属複合成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素金属複合成形体及びその製造方法に関する。より詳しくは、航空機や自動車の電子部品、構造材料等に好適に用いることができる炭素金属複合成形体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素材料は、軽量であるとともに強度、熱伝導性、電気伝導性等の優れた特性を有し、他の材料との複合材として注目されている。なお、炭素材料としては、グラフェン骨格を有するものが、その特異な構造や物性のために数多くの研究がなされている。
【0003】
また合金は、純金属に他元素を添加して組成を変化させることで強度、潤滑性といった特性を向上させたものが種々の用途に利用されている。
【0004】
このような炭素材料と合金とが複合化した成形体として、例えば、粉末治金法により作製した酸化グラフェン強化アルミニウム合金マトリクス複合材料(例えば、非特許文献1参照。)や、還元型酸化グラフェン強化7075アルミニウム合金マトリクス複合物(例えば、非特許文献2参照。)が開示されている。
【0005】
なお、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料と金属粒子との炭素金属複合成形体であって、該成形体は、相対密度が90%以上であり、炭素を25体積%以下含有することを特徴とする炭素金属複合成形体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。実施例では、アルミニウムと酸化グラフェンの複合成形体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-070186号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】Hansang Kwon et al., Journal of Alloys and Compounds 698 (2017) 807-813
【文献】Youhong Sun et al., Metals 2017, 7, 499
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に合金の強度向上には添加剤の添加量を増やしたり更なる他元素を添加したりするといった手法が用いられるが、こういった手法では電気伝導率が減少してしまう。上述した非特許文献1、2に、グラフェン骨格を有する炭素材料と合金を複合化した炭素金属複合材成形体が開示されているが、優れた機械強度と優れた電気伝導率とを両立するための更なる工夫の余地があった。
【0009】
なお、非特許文献1に記載の成形体は、1体積%の酸化グラフェン粉末を、AlMg5(aluminum-magnesium5)マトリクス中にボールミルで混合し、ホットプレスで作製したものであるが、成形体100質量%中、AlMg5中のMgの含有量はISOの規格で4.5~6.5質量%である。
【0010】
また非特許文献2に記載の成形体は、0.15~0.50質量%の還元型酸化黒鉛を、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)修飾された7075アルミニウム合金粉末に吸着させ、ホットプレス及び熱間押出で作製したものであるが、成形体の大部分を占めるアルミニウム合金中に、非特許文献2の表1に記載されるように2.310質量%のマグネシウムが含まれている。
【0011】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、例えば航空機や自動車の電子部品や電線等として用いた場合に好適な、優れた機械強度と優れた電気伝導率とを両立できる成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、航空機や自動車の電子部品や電線等として用いた場合に優れた機械強度と優れた電気伝導率とを両立できる成形体について種々検討し、軽量の炭素材料と合金粒子とを複合化させた炭素金属複合成形体に着目し、成形体100質量%中、マグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含む炭素金属複合成形体が、上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0013】
すなわち本発明は、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料とマグネシウムの合金粒子との炭素金属複合成形体であって、該成形体は、成形体100質量%中、マグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含むことを特徴とする炭素金属複合成形体である。
【0014】
なお、本発明の炭素金属複合成形体は、マグネシウムの含有量が上述した非特許文献1、2に記載の成形体よりも少ないものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の炭素金属複合成形体は、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料とマグネシウムの合金粒子とが複合化されたものであり、特定量のマグネシウムを含むことにより、優れた機械強度と優れた電気伝導率とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1~3の炭素金属複合成形体及び比較例1のAlMgSi粉末における酸化グラフェンの含有量に対する電気伝導率を示すグラフである。
図2】実施例1~3の炭素金属複合成形体及び比較例1のAlMgSi粉末における酸化グラフェンの含有量に対する最大引張強度〔UTS〕及び引張伸びを示すグラフである。
図3】実施例1~3の炭素金属複合成形体及び比較例1のAlMgSi粉末における摺動回数に対する摩擦係数を示すグラフである。
図4】実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)のTEM観察結果を示す写真である。
図5】実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)のTEM観察結果を示す写真である。
図6】実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)のTEM観察結果を示す写真である。
図7】実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)のTEM-EDS分析結果を示す写真である。
図8】実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)及び焼結前の粉末のMg、O等についてのTEM-EDS分析結果を示す写真である。
図9】実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)の熱間押出後のTEM観察結果を示す写真である。
図10】実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)の熱間押出後のTEM観察結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
【0018】
<炭素金属複合成形体>
本発明の炭素金属複合成形体は、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料(以下、単に炭素材料とも言う。)とマグネシウムの合金粒子との炭素金属複合成形体であって、該成形体は、成形体100質量%中、マグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含む。
マグネシウムの含有量は、マグネシウム元素の含有量を意味し、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)、蛍光X線分析(XRF)により測定することができる。また、成形前の原料から算出することもできる。
本発明の炭素金属複合成形体は、炭素材料を含むことで、機械強度に優れる。また、マグネシウムを0.01質量%以上含むことで、電気伝導性に優れる。マグネシウムを0.01質量%以上含む炭素金属複合成形体が電気伝導性に優れる理由は明らかではないが、本発明の炭素金属複合成形体の作製過程において原料に含まれるマグネシウムの酸化により炭素材料の還元が促進され、電気伝導性が向上したものと推測される。
更に、本発明の炭素金属複合成形体におけるマグネシウム含有量を2.0質量%以下とすることによっても、電気伝導性が非常に優れたものとなる。
【0019】
本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、マグネシウムを0.02質量%以上含むことが好ましく、0.05質量%以上含むことがより好ましく、0.1質量%以上含むことが更に好ましく、0.25質量%以上含むことが特に好ましい。
また本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、マグネシウムを1.5質量%以下含むことが好ましく、1.2質量%以下含むことがより好ましく、0.8質量%以下含むことが更に好ましく、0.6質量%以下含むことが特に好ましい。
【0020】
本発明の炭素金属複合成形体は、炭素材料がマグネシウムの合金粒子に複合化したものであり、例えば炭素材料とマグネシウムの合金粒子とを焼結することにより得られるペレット状等の成形体や、これに圧力を加えて変形させたもの等が挙げられる。焼結により得られるペレット状等の成形体は、機械強度と電気伝導率に優れるとともに、これに圧力を加えて変形させることができる。
成形体としては、形状や大きさは特に限定されず、たとえば、ペレット状の他、フィルム状、シート状、繊維状、柱状、立方体状、球状等が挙げられる。
【0021】
本発明の炭素金属複合成形体は、酸化マグネシウムを含むことが好ましい。
本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、酸化マグネシウムを0.01質量%以上含むことが好ましく、0.04質量%以上含むことがより好ましく、0.1質量%以上含むことが更に好ましく、0.2質量%以上含むことが更に好ましい。
また本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、酸化マグネシウムを2質量%以下含むことが好ましく、1質量%以下含むことがより好ましく、0.8質量%以下含むことが更に好ましく、0.5質量%以下含むことが特に好ましい。
なお、本発明の炭素金属複合成形体が酸化マグネシウムを含むことは、TEM-EDS(EDS〔エネルギー分散型X線分光器〕搭載透過型電子顕微鏡)分析により確認することができる。
【0022】
(グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料)
上記グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料は、sp結合で結合した炭素(C)を有し、該炭素が薄片状に(平面的に)並んだものである層状構造を有する限り特に制限されない。具体的には、該炭素材料は、sp結合で結合した炭素原子が平面的に並んだ層(単層)のみからなる構造を有するものであってもよく、該層が2層以上積層した構造を有するものであってもよい。該炭素材料は、例えば、1層のみからなる単層構造を有するか、又は、2~100層程度積層した構造を有するものが好ましい。
【0023】
上記炭素材料は、酸素(O)と結合した炭素を有するものであることが好ましい。例えば、上記炭素材料は、酸化黒鉛であることがより好ましい。更に好ましくは、グラフェンの炭素に酸素が結合した酸化グラフェンである。すなわち、本発明の炭素金属複合成形体において、上記グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料は、酸化グラフェンを含むことが好ましい。
なお、一般的にグラフェンとは、sp結合で結合した炭素原子が平面的に並んだ1層からなるシートをいい、グラフェンシートが多数積層されたものはグラファイトといわれるが、上記酸化グラフェンは、1層のみからなるシートのみではなく、2~100層程度積層した構造を有するものも含まれる。
【0024】
本発明の炭素金属複合成形体の電気伝導性をより優れたものとする観点からは、上記炭素材料は、複合化の原料である酸化黒鉛が複合化の際に加熱等されて還元され、本発明の炭素金属複合成形体中で還元型酸化黒鉛となっていることが好ましい。すなわち、本発明の炭素金属複合成形体は、還元型酸化黒鉛を含むことが好ましい。より好ましくは、還元型酸化グラフェンを含むことである。
上記炭素材料は、更に、カルボキシル基、水酸基、硫黄含有基、脂環型エポキシ基等の官能基を有していてもよい。
【0025】
上記炭素材料は、中でも、2~50層程度積層した構造を有するものが好ましく、2~15層程度積層した構造を有するものがより好ましく、2~9層程度積層した構造を有するものが更に好ましい。
【0026】
上記炭素材料は、比表面積が1m/g以上であることが好ましく、10m/g以上であることがより好ましい。このような比表面積の炭素材料は、マグネシウムの合金粒子と複合化させた際に、より高い分散性を発揮することが可能となる。該比表面積は、その上限は特に限定されないが、例えば2000m/g以下とすることができる。
上記比表面積は、窒素吸着BET法で比表面積測定装置により測定することができる。
【0027】
上記炭素材料は、薄片面(薄片主面)の平均径が0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることが更に好ましく、1.0μm以上であることが特に好ましい。
上記薄片面の平均径は、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることが更に好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
上記薄片面の平均径は、電解放出型走査電子顕微鏡(FESEM)の画像から算出できる。適当な倍率で20か所以上測定し、測定結果より求めた個数基準の平均値を採用することが好ましい。
【0028】
上記炭素材料は、グラファイトを公知の酸化剤で処理して得ることができ、例えば、改変されたハマーズ法(Modified Hummers Method)により過マンガン酸カリウムで処理し、必要に応じて溶媒中で超音波処理や、遠心分離処理等の固液分離処理を行うことで好適に得ることができる。
【0029】
本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料を5質量%以下含むことが好ましい。当該炭素材料の含有量が5質量%を超えると、合金の結晶成長が抑制され、結晶粒界の影響で電気伝導性が非常に優れたものとならないおそれがある。また、本発明の炭素金属複合成形体の機械強度、伸び率も非常に優れたものとならないおそれがある。
本発明の炭素金属複合成形体は、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料を3質量%以下含むことがより好ましく、2質量%以下含むことが更に好ましく、1質量%以下含むことが更に好ましく、0.3質量%以下含むことが特に好ましい。これにより、本発明の炭素金属複合成形体は、結晶粒界の影響が小さくなる点で、電気伝導性がより優れたものとなる。
本発明の炭素金属複合成形体は、炭素の存在、及び、その存在により合金の結晶粒径を適度に小さくすることで機械強度を発揮する観点や、成形時に還元された炭素材料により電気伝導性を優れたものとする点から、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料を0.01質量%以上含むことがより好ましく、0.05質量%以上含むことがより好ましく、0.1質量%以上含むことが更に好ましく、0.14質量%以上含むことが特に好ましい。なお、炭素材料が有する潤滑性により成形体の摺動特性を優れたものとすることもできる。
【0030】
(マグネシウムの合金粒子)
本発明の炭素金属複合成形体は、マグネシウムの合金粒子を含むことにより、結果的に炭素材料を本発明の炭素金属複合成形体中に凝集することなく均一に分散させることができ、得られる成形体の強度に優れる効果をより顕著なものとすることができる。マグネシウムの合金粒子として、マグネシウムとともに用いられる他の元素は特に限定されないが、例えば、アルミニウム、ケイ素、チタン、ニッケル、銅、鉄、ジルコニウム、銀、及び、スズからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、中でもアルミニウム、チタン、ニッケル、銅、鉄、銀、及び、スズからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。中でも、アルミニウムが特に好ましい。なお、当該合金粒子は、添加剤としてケイ素やジルコニウムを更に含んでいても構わない。また、本発明に係る合金粒子を構成する他の元素は、結晶性であることが好ましい。
また比強度を優れたものとする観点から、上記合金粒子を構成する金属は、比重が5以下であることが好ましい。
【0031】
本発明の炭素金属複合成形体中の上記合金粒子の平均グレインサイズが加圧方向に対して垂直な面内において0.5μm以上であることが好ましい。これにより、強度に優れる効果をより顕著なものとすることができる。該平均グレインサイズは、0.8μm以上であることがより好ましく、1.0μm以上であることが更に好ましく、1.5μm以上であることが特に好ましい。
平均グレインサイズは、その上限値は特に限定されないが、通常30μm以下である。
平均グレインサイズは、EBSDで測定することができる。
【0032】
本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、上記マグネシウムの合金粒子の含有量が75~99.99質量%であることが好ましい。上記マグネシウムの合金粒子の含有量は、より好ましくは、90~99.9質量%であり、更に好ましくは、95~99.8質量%であり、一層好ましくは、97~99.7質量%である。より一層好ましくは、99質量%以上であり、特に好ましくは、99.4質量%以上である。
【0033】
本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、上記合金粒子中のマグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含むことが好ましい。
本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、上記合金粒子中のマグネシウムを0.02質量%以上含むことが好ましく、0.05質量%以上含むことがより好ましく、0.1質量%以上含むことが更に好ましく、0.25質量%以上含むことが特に好ましい。
また本発明の炭素金属複合成形体は、成形体100質量%中、上記合金粒子中のマグネシウムを1.5質量%以下含むことが好ましく、1.2質量%以下含むことがより好ましく、0.8質量%以下含むことが更に好ましく、0.6質量%以下含むことが特に好ましい。
【0034】
本発明の炭素金属複合成形体は、炭素材料、マグネシウムの合金粒子をそれぞれ1種ずつ用いて複合化されたものであってもよく、2種以上用いて複合化されたものであってもよい。また、炭素材料、マグネシウムの合金粒子以外のその他の成分を含んでいてもよいが、その他の成分の含有量は、成形体100質量%中、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。中でも、本発明の炭素金属複合成形体がその他の成分を実質的に含有しないことが特に好ましい。
【0035】
本発明の炭素金属複合成形体は、種々の用途への適用可能性があるが、材料の軽量化も達成できる観点からは、例えば航空機や自動車の電子部品や電線等として用いられることが好ましい。
【0036】
<炭素金属複合成形体の製造方法>
本発明の炭素金属複合成形体は、炭素材料とマグネシウムの合金粒子とを加熱、加圧等して複合化することで作製することができるが、炭素材料とマグネシウムの合金粒子とを焼結して作製することが好ましい。
すなわち、本発明は、炭素金属複合成形体を製造する方法であって、上記製造方法は、グラフェン骨格を有する薄片状炭素材料とマグネシウムの合金粒子とを焼結する工程を含み、上記成形体は、成形体100質量%中、マグネシウムを0.01質量%以上、2.0質量%以下含む炭素金属複合成形体の製造方法でもある。
中でも、上記焼結工程は、パルス通電加圧焼結法(PCPS)で焼結する工程であることが好ましい。
特にパルス通電加圧焼結により、材料全体に対して均一な焼結が可能となり、焼結工程における温度を炭素材料が移動しやすくなるような高温とした場合であってもその凝集を充分に防止しつつ、より緻密な成形体を作製することができ、強度に優れる効果が顕著なものとなる。
【0037】
上記焼結工程における温度は、200℃以上が好ましい。これにより、得られる成形体をより緻密化することができる。該温度は、より好ましくは350℃以上であり、更に好ましくは500℃以上である。また、炭素材料の凝集を防止する観点からは、該温度は、2000℃以下であることが好ましく、1500℃以下であることがより好ましい。
焼結工程をおこなう時間は、1分~1時間が好ましい。より好ましくは2分~30分であり、更に好ましくは3分~20分である。
炭素材料の加熱は空気中で行ってもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。また焼結工程における圧力条件は特に限定されず、加圧条件下、常圧条件下、減圧条件下で行うことができる。
【0038】
本発明の製造方法は、焼結工程前に、炭素材料とマグネシウムの合金粒子とを混合する工程を更に含むことが好ましい。また、該混合工程により、炭素材料とマグネシウムの合金粒子との複合粉末を得ることがより好ましい。
上記混合工程は、例えば、マグネシウムの合金粒子が分散した水中に、炭素材料の水分散体を滴下し、得られた炭素材料とマグネシウムの合金粒子との複合粉末をろ過し、乾燥することによって行うことができる。なお、マグネシウムの合金粒子が分散した水は、マグネシウムの合金粒子と水とを撹拌し、超音波処理を行うこと等によってより均一に混合して調製することが好ましい。
【0039】
上記混合工程によりマグネシウムの合金粒子と炭素材料との複合粉末を調製する過程において、マグネシウムの合金粒子と炭素材料とを結合させる手法としては、ボールミル混合、表面修飾剤の使用、静電的相互作用の利用等が挙げられる。中でも、グラフェンへ与えるダメージ等を避けて電気伝導性をより優れたものとする観点からは、ボールミル混合以外の方法、例えば、静電的相互作用を利用する手法が特に好ましい。エーテル基やカルボニル基を有するために水中で負に帯電する炭素材料と静電的相互作用をする点から、水中で正に帯電する(25℃水溶液でのゼータ電位が0となる点(等電点)がpH>7)酸化物被膜を有する合金粒子が好ましい。このような合金としては、例えばマグネシウムとともにアルミニウムを含む合金があげられる。
【0040】
本発明の製造方法は、焼結工程で得られた成形体に圧力を加えて変形させる工程を更に含むことが好ましい。本発明の製造方法により、成形体中のマグネシウムの合金粒子が高アスペクト比となり、特定の方向の強度に非常に優れる成形体とすることができる。
本明細書中、圧力を加えて変形させる工程は、特に限定されないが、材料を加圧したうえで少なくとも一方向に伸ばす工程であることが好ましく、例えば、ローラーを用いて材料を膜状に伸ばす圧延工程、型枠等を用いる押出工程や、平板プレス等で膜状に成形する工程、射出成形工程、キャスト工程等が挙げられる。
【0041】
上記圧力を加えて変形させる工程における圧力は、特に限定されないが、0.1kN/mm以上であることが好ましく、0.5kN/mm以上であることがより好ましく、1kN/mm以上であることが更に好ましい。
また上記圧力は、50kN/mm以下であることが好ましく、10kN/mm以下であることがより好ましい。
【0042】
上記圧力を加えて変形させる工程における温度は、200℃以上が好ましい。より好ましくは300℃以上であり、更に好ましくは400℃以上である。また、該温度は、2000℃以下であることが好ましく、1000℃以下であることがより好ましく、700℃以下であることが更に好ましい。
上記圧力を加えて変形させる工程は、空気中で行ってもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。
【0043】
上記圧力を加えて変形させる工程としては、上述した中でも、押出工程、圧延工程が好ましい。特に圧延工程が生産性に優れる点で好ましい。
【0044】
以下では、一例として、押出工程について詳しく説明する。
上記押出工程における押出荷重は、100kN以上であることが好ましく、200kN以上であることがより好ましく、300kN以上であることが更に好ましい。
また上記押出荷重は、1000kN以下であることが好ましく、800kN以下であることがより好ましい。
【0045】
上記押出工程における押出速度は、0.01m/h以上であることが好ましく、0.02m/h以上であることがより好ましく、0.04m/h以上であることが更に好ましい。
また上記押出速度は、1m/h以下であることが好ましく、0.5m/h以下であることがより好ましく、0.2m/h以下であることが更に好ましい。
【0046】
上記押出工程における押出比率は、1以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。
また上記押出比率は、200以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、40以下であることが更に好ましい。
なお、押出比率は、材料の押出方向と垂直な断面において、材料を押し付ける側の金型の断面積を材料が出てくる側の金型の断面積で割った値である。
【0047】
上記押出工程は、例えば、熱間押出する工程であることが好ましい。熱間押出する工程における好ましい温度範囲は、上記変形工程における好ましい温度範囲と同様である。
【0048】
本発明の炭素金属複合成形体の製造方法で得られる炭素金属複合成形体の好ましい形態は、上述した本発明の炭素金属複合成形体の好ましい形態と同様である。
【実施例
【0049】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0050】
各種特性値は、以下の方法により測定した。
(磁化率の測定)
実施例により得られた成形体の磁化率は、MSB-MKI(Sherwood Scientific社製)により測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
条件:磁場_0.35T、温度_室温
(TEM観察)
各実施例における成形体(PCPS焼結体)等のTEM観察は、電界放出型透過電子顕微鏡(HF-2000EDX、株式会社日立製作所製)を用いて測定した。
(電気伝導率測定)
熱電特性評価装置(ZEM-3、株式会社アルバック社製)を用いて測定した。
(成形体の最大引張強度〔UTS〕、引張伸び)
(株)島津製作所製の精密万能試験機(AUTOGRAPH AG-I 50KN)を用いて測定した。
【0051】
<実施例>
<酸化グラフェン(GO)コロイド溶液の調製例>
耐食性反応器に濃硫酸(試薬特級、和光純薬工業社製)28.75部と天然黒鉛(Z-25、鱗片状黒鉛、伊藤黒鉛工業製)1.00部を加えて混合液とした。混合液を撹拌しながら過マンガン酸カリウム(試薬特級、和光純薬工業社製)を15分間隔で混合液中へ20回投入した。過マンガン酸カリウムの一回の投入量は0.15部であり、投入量の合計は3.00部であった。過マンガン酸カリウムの投入終了後、混合液を35℃まで昇温し液温を維持したまま2時間熟成を行って反応スラリー(酸化黒鉛含有スラリー)を得た。続いて、75.58部のイオン交換水が入った別の容器に前記の反応スラリー20.00部を撹拌下に投入し、更に30%過酸化水素水(試薬特級、和光純薬工業社製)1.08部を投入した後、30分間撹拌を継続してから撹拌を停止した。撹拌停止後、1晩静置して沈殿層とから上澄み層に分離してから、上澄みを抜出した。その後、沈殿を洗浄するために抜き出した上澄みと同容量のイオン交換水を容器に加え、30分間撹拌してから、撹拌を止めて5時間以上静置してから再度上澄みを抜き出した。前記のイオン交換水を加えての洗浄と上澄みの抜出しを、上澄みのpHが2以上になるまで繰り返した。得られた沈殿層にイオン交換水を適量加えた後、ホモジナイザー処理により酸化黒鉛を分散してGOコロイド溶液(酸化グラフェンコロイド溶液)を得た。得られたGOコロイド溶液中のGO濃度は1.0%であった。このGOコロイド溶液をイオン交換水で希釈してFLG溶液(4.95×10-4g/mL)を得た。
【0052】
(実施例1)
<FLG/AlMgSi複合粉末の作製>
AlMgSi粒子(Al-0.4%Mg-10%Si、コンセプトレーザー社製、純度99.5%以上、平均粒子径27.9μm)15gと水200mLをビーカーに投入し、アイスバス中で2時間、撹拌と超音波処理を行った。次に、FLG溶液(4.95×10-4g/mL)30mLを滴下した。最後に、FLG/Al複合粉末をろ過により回収し343K(70℃)で真空乾燥し、FLG含有量が0.1質量%であるFLG/AlMgSi複合粉末を得た。
【0053】
<成形体の作製>
FLG/AlMgSi複合粉末を50MPa、873K(600℃)(昇温レート:1200K/h)の条件下でパルス通電加圧焼結装置(放電プラズマ焼結装置)(Dr.Sinter S511、住友石炭鉱業(株)製)を用いて0.33時間焼結し、直径15mm、長さ30mmの成形体(PCPS焼結体)を得た。次に、得られた成形体(PCPS焼結体)
を500kN、773K(500℃)の条件下で万能試験機(UH-500kN1,株式会社島津製作所製)を用いて押出速度0.06m/h、押出比率20にて熱間押出を行い、平均アクペクト比が高い金属粒子を含む成形体を得た。
【0054】
(実施例2)
上記<FLG/AlMgSi複合粉末の作製>において、滴下したFLG溶液の量を60mLに変更し、FLG含有量0.2質量%のFLG/AlMgSi複合粉末を得た以外は実施例1と同様にして成形体を得た。
【0055】
(実施例3)
上記<FLG/AlMgSi複合粉末の作製>において、滴下したFLG溶液の量を90mLに変更し、FLG含有量0.3質量%のFLG/AlMgSi複合粉末を得た以外は実施例1と同様にして成形体を得た。
【0056】
(比較例1)
上記<FLG/AlMgSi複合粉末の作製>において、滴下したFLG溶液の量を0mLに変更し、純粋なAlMgSi粉末を得た以外は実施例1と同様にして成形体を得た。
【0057】
図4及び図5は、実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)のTEM観察結果を示す写真である。
図6も、実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)のTEM観察結果を示す写真である。図6から、5層のグラフェンがアモルファスなMgOの中に存在し、互いに結びついていたことが確認された。
【0058】
<MgOの確認>
図7は、実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)のTEM-EDS分析結果を示す写真である。
図8は、実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)及び焼結前の粉末のMg、O等についてのTEM-EDS分析結果を示す写真である。
実施例3の成形体についてTEM観察後に実施したEDS分析からPCPS焼結体中のMgO層の存在を確認した。また、Mg層とO層は、パルス通電加圧焼結後に膜厚が増加していた。この結果は、PCPS焼結中にGOの還元が促進されたことを示唆している(図7図8)。
図7では、Cが存在していない位置にもOが確認され、また、MgとOの存在位置がほぼ一致しており、これよりGO近傍にMgOが存在すると推定される。また、図8より、粉末よりPCPS焼結体の方が、Mg層、O層の厚みが33.7μmから35.3μmに厚くなっている。
【0059】
図9及び図10は、実施例3の炭素金属複合成形体(PCPS焼結体)の熱間押出後のTEM観察結果を示す写真である。GOが一定の方向に向かって伸びていたことが分かった。
【0060】
<電気伝導率>
実施例1~3及び比較例1における熱間押出後の、FLG/AlMgSi複合成形体並びに純粋なAlMgSiの電気伝導率を図1及び表1に示す。結果として0.2質量%GO添加時に電気伝導率は最大となり、~16%電気伝導率が向上した。
【0061】
【表1】
【0062】
<磁化率の測定>
実施例1~3及び比較例1における熱間押出後の、FLG/AlMgSi複合成形体並びに純粋なAlMgSiについて、磁化率を測定した結果、比較例1:1.61*10-5、実施例1:1.86*10-5、実施例2:1.66*10-5、実施例3:1.71*10-5であった。
【0063】
実施例1~3及び比較例1における熱間押出後の、FLG/AlMgSi複合成形体又は純粋なAlMgSiの最大引張強度(UTS)、伸びを図2及び下記表2に示す。
【表2】
【0064】
比較例1における最大引張強度(UTS)、伸びは、それぞれ、182.5MPa、17.8%と測定された。一方、例えば実施例2のUTS、伸びは、それぞれ、216.1MPa、14.6%と測定された。したがって、実施例2は、比較例1に対してUTSが18.4%と大きく増加した。その他の実施例1、3においても、比較例1に対してUTSが大きく増加した。
【0065】
<摩擦係数・耐摩耗性測定>
静・動摩擦測定機(TL201Ts、トリニティーラボ社製)を用いて実施例1~3で作
製したFLG/AlMgSi及び比較例1で作製した純粋なAlの摩擦係数および耐摩耗性を評価した。結果を図3に示す。
条件:摺動距離10mm、摺動速度10mm/s、荷重100g、摺動回数100往復、接触子SUJ製φ6mm球
【0066】
純粋なAlMgSiは摺動試験中に摩擦係数が急激に上昇したのに対しFLG/AlMgSi複合体の摩擦係数は若干増加するに留まった。また、初期の摩擦係数が小さいことも確認できた。以上の結果から、FLG/AlMgSi複合体の耐摩耗性の向上を確認した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10