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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】天井板用吊持杆の連結機構
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/10 20060101AFI20240620BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20240620BHJP
   F21V 21/03 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
E04B9/10 100
F16B5/06 E
F21V21/03
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020206080
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022093024
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】598153847
【氏名又は名称】株式会社奥村製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592145903
【氏名又は名称】株式会社ミルックス
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】奥村 彰啓
(72)【発明者】
【氏名】増田 政弘
(72)【発明者】
【氏名】奥村 彰規
(72)【発明者】
【氏名】中島 薫莉
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-060794(JP,A)
【文献】特開2003-213835(JP,A)
【文献】実公昭42-001176(JP,Y1)
【文献】特開平04-136350(JP,A)
【文献】特開昭54-149220(JP,A)
【文献】実開昭54-130316(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0124496(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103114673(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00- 9/36
F16B 5/06
F21V 21/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主板部の下端に、天井板の端部を支持する支持縁部を備えた長尺状の天井板用吊持杆相互を、互いの長手方向端縁を突き合わせて長手方向に連結する連結機構であって、
前記天井板用吊持杆の長手方向端部に形成され、前記主板部を表裏方向に貫通する挿通孔と、
互いの前記長手方向端縁を突き合わせた天井板用吊持杆の、一方の前記挿通孔に挿入される係止突部と、他方の前記挿通孔に臨む係止孔とが形成され、該天井板用吊持杆の表裏両側に夫々配設される表裏一対の連結片と
を備え、
前記天井板用吊持杆の表裏両側に配設される連結片が、互いの前記係止突部と前記係止孔とを対向させて、該係止突部が前記天井板用吊持杆の挿通孔を介して該係止孔に嵌入されることにより、前記天井板用吊持杆相互を連結するものであることを特徴とする天井板用吊持杆の連結機構。
【請求項2】
連結片は、天井板用吊持杆の主板部に当接される平板状の主片部を備え、
係止孔が前記主片部に開口形成されると共に、係止突部が前記主片部から起立状に切り起こされてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の天井板用吊持杆の連結機構。
【請求項3】
連結片は、係止突部と係止孔とが設けられていない部位に、天井板用吊持杆の主板部に圧接されることにより位置決め固定される圧接部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の天井板用吊持杆の連結機構。
【請求項4】
主板部の下端に、天井板の端部を支持する支持縁部を備えた長尺状の天井板用吊持杆相互を、互いの長手方向端縁を突き合わせて長手方向に連結する連結機構であって、
前記天井板用吊持杆の長手方向端部に形成され、前記主板部を表裏方向に貫通する挿通孔と、
互いの前記長手方向端縁を突き合わせた各天井板用吊持杆の挿通孔に夫々挿入される係止突部が形成され、該天井板用吊持杆の表裏一側に配設される第一連結片と、
互いの前記長手方向端縁を突き合わせた各天井板用吊持杆の挿通孔に夫々臨む係止孔が形成され、該天井板用吊持杆の表裏他側に配設される第二連結片と
を備え、
前記天井板用吊持杆の表裏一側に配設される第一連結片の各係止突部が、該天井板用吊持杆の挿通孔を介して、該天井板用吊持杆の表裏他側に配設される第二連結片の各係止孔に嵌入されることにより、前記天井板用吊持杆相互を連結するものであることを特徴とする天井板用吊持杆の連結機構。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井板を吊持するための天井板用吊持杆を長手方向に相互連結するための連結機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図18に示すように、システム天井に用いられる天井板用吊持杆fは、断面が略逆T字状を成し、下部の水平部を、天井板pの端部を支持する支持縁部g,gとするものである。そして、上端の幅広部が、ハンガーjが固着される係止隆部iである。こうした天井板用吊持杆fが格子状に組み付けられて、多数の天井板pを整列状に支持することにより、室内の天井が構成される。
【0003】
前述したように天井板用吊持杆fを格子状に組み付ける際に、互いの長手方向端縁を突き合わせて一列状に連結させる場合がある。そこで、このように天井板用吊持杆fを連結させる連結機構として、連結用板片を用いた構成が提案されている(例えば、特許文献1)。かかる構成の連結用板片は、その中央部分に、天井板用吊持杆fの端縁を嵌め合わせるフック部が左右一対に形成され、さらに該フック部の左右両側方に、表側に隆起状に折曲された嵌合爪部が夫々形成されている。この連結用板片を、左右のフック部に各天井板用吊持杆fの端縁を夫々嵌め合わせた後に、左右の嵌合爪部を打圧することにより各主板部に押し付けて位置決め固定する。さらに、螺子により、天井板用吊持杆と連結用板片とを螺合させる。このようにして天井板用吊持杆相互を長手方向に連結することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-303267号公報(図7図8参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、天井には、照明器具や空調設備が組み付けられる場合があることから、前記した天井板用吊持杆と、該天井板用吊持杆相互を連結する前記連結用板片とには、これらを支えるための強度と剛性とが必要である。
【0006】
一方、近年では、室内を冷暖房する設備として、天井板の裏側に冷水や温水を循環させる管路が配設される場合がある。この設備は、管路に冷水や温水を循環させて生ずる輻射熱により、室内を冷暖房するものであり、一般的なエアコン等のように冷風や温風を生じさせること無く、冷暖房できることから、病院などで好適に用いられる。
こうした冷暖房の設備では、前記管路を各天井板の裏側に蛇行させて配設させることから、天井板自体に、該管路を支える強度と剛性とが必要となる。さらに、前記輻射効果を高めるために、天井板に、優れた熱伝導性を有するものが用いられる。こうしたことから、前記冷暖房の設備を配設する場合には、熱伝導性を有する金属性(例えば、鉄製)の天井板と配管とが用いられる。そして、かかる金属製の天井板と前記管路とを設けた場合には、これらの重量を前記天井板用吊持杆が支えることになるから、該天井板用吊持杆に掛かる負荷が増加すると共に、該天井板用吊持杆相互を連結する前記連結用板片に作用する負荷も増加する。ここで、天井板用吊持杆には、前記負荷により下方への曲げモーメントが作用し、これに伴って、該天井板用吊持杆を連結させた連結用板片には、主に左右方向(長手方向)へ引張る応力が作用する。ところが、前記した従来構成の連結用板片は、比較的薄厚の板状をなし、かつ天井板用吊持杆の表裏一側のみに配設されるものであることから、この連結用板片による天井板用吊持杆の連結では、前記負荷(引張応力)に耐え得る連結強度と剛性とが不足する虞があった。
【0007】
本発明は、前記冷暖房設備の管路が裏側に配設された金属製の天井板を安定して支持できるように、前記従来構成に比して高い連結強度と剛性とを発揮し得る天井板用吊持杆の連結機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、主板部の下端に、天井板の端部を支持する支持縁部を備えた長尺状の天井板用吊持杆相互を、互いの長手方向端縁を突き合わせて長手方向に連結する連結機構であって、前記天井板用吊持杆の長手方向端部に形成され、前記主板部を表裏方向に貫通する挿通孔と、互いの前記長手方向端縁を突き合わせた天井板用吊持杆の、一方の前記挿通孔に挿入される係止突部と、他方の前記挿通孔に臨む係止孔とが形成され、該天井板用吊持杆の表裏両側に夫々配設される表裏一対の連結片とを備え、前記天井板用吊持杆の表裏両側に配設される連結片が、互いの前記係止突部と前記係止孔とを対向させて、該係止突部が前記天井板用吊持杆の挿通孔を介して該係止孔に嵌入されることにより、前記天井板用吊持杆相互を連結するものであることを特徴とする天井板用吊持杆の連結機構である。
【0009】
かかる構成にあっては、表裏の連結片により連結された天井板用吊持杆に作用する曲げモーメントによって該連結片に引張り応力が作用した場合に、表裏一方の連結片が、当該連結片の係止突部を挿入した挿通孔を有する一方の天井板用吊持杆によって長手方向一側へ引張られると共に、表裏他方の連結片が、当該連結片の係止突部を挿入した挿通孔を有する他方の天井板用吊持杆によって長手方向他側へ引張られる。そして、前記一方の連結片の係止突部が他方の連結片の係止孔に嵌入され、且つ他方の連結片の係止突部が一方の連結片の係止孔に嵌入されていることから、一方の連結片の係止突部が、一方の天井板用吊持杆の挿通孔と他方の連結片の係止孔とによって長手方向両側から締め付けられる共に、他方の連結片の係止突部が、他方の天井板用吊持杆の挿通孔と一方の連結片の係止孔とによって長手方向両側から締め付けられる。こうしたことにより、表裏の連結片は、夫々の係止突部が挿通孔と係止孔とから離脱不能となって、該連結片相互が長手方向(引張り方向)に移動不能にロックされるため、天井板用吊持杆相互を連結する強度と剛性とが前述の従来構成に比して飛躍的に向上する。したがって、本発明の構成は、前述した金属製の天井板と管路とによる負荷に十分に耐え得る連結強度と剛性とを有することから、こうした天井板と管路とを用いた冷暖房設備を導入する場合に好適に用いることができる。
尚、本発明の構成は、天井板用吊持杆相互を表裏二個の連結片で連結するものであることも(前記従来構成は表裏一側のみ)、前述した連結強度と剛性との向上に寄与している。さらに、本発明の構成は、連結片の板厚を増大させること無く、前述したように連結強度と剛性とを向上できることから、連結部位における重量増加を抑制できるという優れた利点もある。
【0010】
さらに、本発明の連結機構は、前述した重量物である天井板を支持する天井構造に適用されることに限定されず、例えば、耐震補強などのように強度向上や剛性向上が求められるものにも適用可能である。すなわち、耐震性の高い天井構造として、本発明の構成を適用することができると共に、従来の天井構造(非金属製の天井板を用いた構成)における連結機構を、本発明の構成を交換することによって、該天井構造の耐震補強を行うこともできる。
【0011】
前述した本発明の天井板用吊持杆の連結機構にあって、連結片は、天井板用吊持杆の主板部に当接される平板状の主片部を備え、係止孔が前記主片部に開口形成されると共に、係止突部が前記主片部から起立状に切り起こされてなるものである構成が提案される。
【0012】
かかる構成によれば、連結片は、係止突部と係止孔とが主片部と一体に成形されたものであることから、前述した連結強度と剛性との向上効果が安定して発揮され得る。また、連結片を、係止突部を切り起こして形成することが可能な一枚の平板から成形することができるため、製造コストの低減と製造工程の効率化とを実現できるという優れた利点もある。
【0013】
前述した本発明の天井板用吊持杆の連結機構にあって、連結片は、係止突部と係止孔とが設けられていない部位に、天井板用吊持杆の主板部に圧接されることにより位置決め固定される圧接部が設けられている構成が提案される。
【0014】
ここで、圧接部は、主面(主片部)に対して長手方向で切り込まれて面方向へ山形状に屈曲形成され、かつ上端に、天井板用吊持杆の主板部の上端に設けられた係止隆部の下部に食い込み状に圧接する鋸歯状の係合歯部が形成されてなるものが好適である。
【0015】
かかる構成によれば、連結片が、天井板用吊持杆相互を連結した状態で、該天井板用吊持杆に一層堅牢に位置固定される。これにより、前述した連結強度と剛性とを一層向上させることできる。
【0016】
また、本発明の別の態様は、主板部の下端に、天井板の端部を支持する支持縁部を備えた長尺状の天井板用吊持杆相互を、互いの長手方向端縁を突き合わせて長手方向に連結する連結機構であって、前記天井板用吊持杆の長手方向端部に形成され、前記主板部を表裏方向に貫通する挿通孔と、互いの前記長手方向端縁を突き合わせた各天井板用吊持杆の挿通孔に夫々挿入される係止突部が形成され、該天井板用吊持杆の表裏一側に配設される第一連結片と、互いの前記長手方向端縁を突き合わせた各天井板用吊持杆の挿通孔に夫々臨む係止孔が形成され、該天井板用吊持杆の表裏他側に配設される第二連結片とを備え、前記天井板用吊持杆の表裏一側に配設される第一連結片の各係止突部が、該天井板用吊持杆の挿通孔を介して、該天井板用吊持杆の表裏他側に配設される第二連結片の各係止孔に嵌入されることにより、前記天井板用吊持杆相互を連結するものであることを特徴とする天井板用吊持杆の連結機構である。
【0017】
かかる構成にあっては、第一,第二連結片により連結された天井板用吊持杆に作用する曲げモーメントによって該連結片に引張り応力が作用した場合に、第一連結片が天井板用吊持杆により長手方向両側へ引張られると共に、該第一連結片の各係止突部が、該天井板用吊持杆の挿通孔と第二連結片の各係止孔とによって締め付けられることから、第一連結片の各係止片と第二連結片の各係止孔とが離脱不能となって、該連結片相互が長手方向(引張り方向)に移動不能にロックされる。これにより、天井板用吊持杆相互を連結する強度と剛性とを前述の従来構成に比して飛躍的に向上することができる。したがって、かかる構成は、前述した金属製の天井板と管路とによる負荷に十分に耐え得る連結強度と剛性とを有することから、こうした天井板と管路とを用いた冷暖房設備を導入する場合に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の天井板用吊持杆の連結機構によれば、前述したように、天井板用吊持杆の連結強度と剛性とを従来構成に比して飛躍的に向上できることから、金属製の天井板と管路とを用いた冷暖房設備を導入する場合に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】天井板用吊持杆1の斜視図である。
図2】天井板用吊持杆1の、(A)正面図と、(B)側面図である。
図3】実施例1の連結片21の、(A)平面図と、(B)正面図である。
図4】(A)連結片21の正面側斜視図と、(B)背面側斜視図である。
図5】実施例1にかかる天井板用吊持杆1の連結機構を示す正面図である。
図6】同上の連結機構を示す斜視図である。
図7】同上の連結機構の分解斜視図である。
図8図5中のX-X線断面図である。
図9図5中のY-Y線断面図である。
図10図9中のZ部分拡大図である。
図11】天井板用吊持杆1に連結片21を取り付ける過程を示す説明図である。
図12】実施例2の連結片51の、(A)平面図と、(B)正面図である。
図13】実施例2にかかる天井板用吊持杆1の連結機構を示す正面図である。
図14】(A)実施例3の第一連結片61の正面側斜視図と、(B)背面側斜視図である。
図15】(A)実施例3の第二連結片71の正面側斜視図と、(B)背面側斜視図である。
図16】実施例3にかかる天井板用吊持杆1の連結機構を示す正面図である。
図17】同上の連結機構の分解斜視図である。
図18】天井板用吊持杆fによる天井板pの組み付け状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明にかかる実施例1~3を添付図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0021】
図1,2に、本発明にかかる連結機構により相互に連結される長尺状の天井板用吊持杆1を示す。天井板用吊持杆1は、スチール製鋼材から形成されてなり、垂直に起立した平板状の主板部2と、該主板部2の下端に設けられた支持梁部3と、該主板部2の上端に設けられた係止隆部4とを備える。支持梁部3は、主板部2の表裏両側方へ突成された支持縁部5,5を備え、該支持縁部5,5に天井板10の端部が乗載されることにより、該天井板10を支持する。係止隆部4は、主板部2に比して表裏方向に幅広な形状をなし、図示しないハンガーが固着される(図18参照)。
【0022】
前記係止隆部4の下部には、前記主板部2の上端の表裏両側に、上方に窪む上部嵌合凹部7,7が長手方向に亘って設けられている。また、前記支持梁部3の支持縁部5,5には、前記係止隆部4の上部嵌合凹部7,7と夫々対向するように、下方に窪む下部嵌合凹部8,8が長手方向に亘って設けられている。これら上部嵌合凹部7,7と下部嵌合凹部8,8とは、後述する連結片21の係合に用いられるものであり、詳細は後述する。
【0023】
さらに、本実施例の天井板用吊持杆1には、主板部2の長手方向端部に、該主板部2を表裏方向に貫通する矩形状の挿通孔9が開口形成されている。
【0024】
次に、前述した天井板用吊持杆1を長手方向に連結するため連結片21について説明する。
図3,4に、実施例1の連結片21を示す。本実施例の連結片21は、スチール製鋼板から形成され、略矩形平板状の主片部22と、該主片部22から起立状に切り起こされた係止突部23と、該主片部24に開口形成された係止孔24とを備える。さらに、主片部24には、係止突部23よりも長手方向外側部位と係止孔24よりも長手方向外側部位とに、上端に鋸歯状の係合歯部26を有する圧接部25が夫々設けられている。
【0025】
連結片21は、主片部22の高さ寸法が、前記天井板用吊持杆1の上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間隔よりも僅かに短い寸法となっており、該上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に整一に装着される(図5,6,8,11参照)。
【0026】
連結片21の前記係止突部23は、主片部22から左右方向に折り曲げられてなり、厚み方向が長手方向(左右方向)に沿った略直方体状に形成されている。すなわち、実施例1の係止突部23は、その面方向が長手方向と直交するように形成されたものである。一方、係止孔24は、上下方向を長手とする長方形状に開口されたものであり、前記係止突部23を嵌入可能な寸法で開口形成されている。前記係止突部23は、互いの端縁同士を突き合わせて二個の前記天井板用吊持杆1,1を直線状に配した状態(以下、突き合わせ状態という)で、連結片21が前述した上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に装着された際に、一方の天井板用吊持杆1の前記挿通孔9に挿通されて主板部2の裏側へ突出するように形成されている。そして、係止突部23が挿通孔9に挿通された状態で、前記係止孔24は、他方の天井板用吊持杆1の挿通孔9に臨む位置に配置される。ここで、本実施例1にあって、連結片21は、係止突部23と係止孔24とが、左右方向(長手方向)の仮想中心線に対して左右対称となる部位に形成されたものである。
【0027】
こうした連結片21は、図5~9に示すように、前記天井板用吊持杆1,1の突き合わせ状態で、当該天井板用吊持杆1の主板部2の表裏両側に夫々装着されることにより、表裏一側に装着された連結片21の係止突部23が一方の天井板用吊持杆1の挿通孔9を貫通して、表裏他側に装着された連結片21の係止孔24に嵌入されると共に、表裏他側の連結片21の係止突部23が他方の天井板用吊持杆1の挿通孔9を貫通して、表示一側の連結片21の係止孔24に嵌入される。
【0028】
また、前記した圧接部25は、図3,4に示すように、係止突部23の長手方向外側と係止孔24の長手方向外側とに夫々二個ずつが左右対象となる部位に設けられている。圧接部25は、前記主片部22の主面側へ山形状に折り曲げられてなり、上端に、天井板用吊持杆1の上部嵌合凹部7に食い込み状に圧接される前記係合歯部26が形成されている。こうした圧接部25は、前述したように連結片21が天井板用吊持杆1の上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に装着された状態で、該天井板用吊持杆1側へ打圧されることにより、前記係合歯部26が該上部嵌合凹部7に食い込む(図11参照)。これにより、連結片21が、天井板用吊持杆1に堅牢に位置固定される。
【0029】
次に、前記連結片21による天井板用吊持杆1の連結態様について説明する。
二個の天井板用吊持杆1,1を、互いの端縁同士を突き合わせた状態とする。この突き合わせ状態で、図11(A)~(B)に示すように、一の連結片21を、天井板用吊持杆1,1の表裏一側から、該天井板用吊持杆1,1の各上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に装着して、当該連結片21の係止突部23を一方の天井板用吊持杆1の挿通孔9に挿通し且つ係止孔24を他方の天井板用吊持杆1の挿通孔9に臨む位置に配置する。同様に、別の連結片21を、図11(B)~(C)に示すように、天井板用吊持杆1,1の表裏他側から、該天井板用吊持杆1の各上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に装着して、当該連結片21の係止突部23を他方の天井板用吊持杆1の挿通孔9に挿通し且つ係止孔24を一方の天井板用吊持杆1の挿通孔9に臨む位置に配置する。これにより、表裏一側に装着された連結片21の係止突部23が、一方の天井板用吊持杆1の挿通孔9を介して、表裏他側の連結片21の係止孔24に嵌入されると共に、該表裏他側の連結片21の係止突部23が、他方の天井板用吊持杆1の挿通孔9を介して、表裏一方の連結片21の係止孔24に嵌入される(図8~10参照)。
【0030】
こうして天井板用吊持杆1,1の表裏両側から連結片21,21を装着した後に、前述したように、該連結片21,21の各圧接部25を打圧することにより、図11(D)に示すように、各圧接部25の係合歯部26を、天井板用吊持杆1,1の上部嵌合凹部7に食い込ませる。このようにして、二個の天井板用吊持杆1,1を該連結片21,21により連結する。
【0031】
前述のように連結片21,21により連結された天井板用吊持杆1,1は、従来から知られているように、格子状に組み付けられて、天井板用吊持杆1の係止隆部4に図示しないハンガーが固着されて配設される。そして、各天井板用吊持杆1の支持梁部3の支持縁部5に天井板10の端部が乗載されることにより(図2(B)参照)、天井が構成される。
【0032】
ここで、前述したように、天井板10の裏側に配設された管路に温水や冷水を循環させることで冷暖房する設備が取り付けられる場合には、金属製(鉄製)の天井板10や配管が使用される(図示せず)。すなわち、前記格子状に組み付けられた天井板用吊持杆1の支持縁部5には、こうした管路を裏側に配設した金属製の天井板10が取り付けられる。
【0033】
そして、前記した金属製の天井板10と管路とは、比較的重量物であることから、その重量による負荷が天井板用吊持杆1に掛かり、該負荷により下向きの曲げモーメントが作用する。これにより、天井板用吊持杆1,1相互を連結する連結片21,21には、略長手方向(左右方向)に沿って、前記重量に応じた比較的大きな引張り応力が作用する。
【0034】
このように連結片21,21に、該連結片21,21により連結された天井板用吊持杆1,1を介して引張り応力が作用すると、長手方向左側の天井板用吊持杆1の挿通孔9に係止突部23が挿通された表裏一方の連結片21が、当該天井板用吊持杆1により左方へ引張られると共に、長手方向右側の天井板用吊持杆1の挿通孔9に係止突部23が挿通された表裏他方の連結片21が、当該天井板用吊持杆1により右方へ引張られる。そして、表裏の連結片21,21が互いに逆方向に引張られることにより、夫々の係止突部23,23が係止孔24,24と各天井板用吊持杆1,1の挿通孔9,9とによって締め付けられる。すなわち、表裏一方の連結片21の係止突部23は、長手方向左側の天井板用吊持杆1の挿通孔9により左方へ引張られると共に、表裏他側の連結片21の係止孔24により右方へ引張られる。これにより、表裏一方の連結片21の係止突部23が、長手方向右側の天井板用吊持杆1の挿通孔9と表裏他方の係止孔24とで左右方向へ移動不能かつ離脱不能に締め付けられる。同様に、表裏他方の連結片21の係止突部23が、長手方向右側の天井板用吊持杆1の挿通孔9と表裏一方の連結片21の係止孔24とによって、左右方向へ移動不能かつ離脱不能に締め付けられる。このように天井板用吊持杆1,1に支持される天井板(および管路)の重量によって、表裏の連結片21,21がロックされることから、該天井板用吊持杆1,1を極めて強い強度と剛性とで連結できる。したがって、実施例1の連結機構によれば、前述した金属製の天井板と管路との重量を十分に支持し得る連結強度と剛性とを有することから、当該天井板を長期に亘って安定して支持することができる。
【0035】
尚、実施例1の構成は、天井板用吊持杆1,1の表裏両側に装着した連結片21,21により連結するものであることから、前記連結強度と剛性とが表裏でバランス良く発揮され、該連結強度と剛性とを一層向上できると共に、該連結した状態を安定して保持することができるという優れた利点もある。
【0036】
さらに、実施例1の構成は、天井板用吊持杆1,1を連結する表裏の連結片21,21が、夫々の圧接部25の係合歯部26を該天井板用吊持杆1,1の各上部嵌合凹部7に食い込ませて堅牢に位置固定されることから、前記連結強度と剛性との向上効果が安定して発揮され得る。
【0037】
また、実施例1の連結片21は、前述したように、一枚のスチール製鋼板を加工して成形されるものであることから、製造コストの低減と製造工程の効率化とを実現できるという優れた利点もある。
【実施例2】
【0038】
実施例2の連結機構は、図12に示すように、連結片51が、厚み方向を上下方向とする略直方体状の係止突部53と、左右方向を長手とする長方形状の係止孔54とを備えたものである。尚、実施例2の構成は、連結片51の係止突部53と係止孔54と形態が異なる以外は前述の実施例1と同じであることから、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を適宜省略している。
【0039】
前記連結片51は、前述した実施例1と同様にスチール製鋼板から形成され、略矩形平板状の主片部22と、該主片部22から起立状に切り起こされた前記係止突部53と、該主片部24に開口形成された前記係止孔54と、上端に鋸歯状の係合歯部26を有する圧接部25とを備えたものである。
【0040】
そして、実施例2では、前記係止突部53が、主片部22から上下方向に折り曲げられてなり、厚み方向が上下方向に沿った略直方体状に形成されている。すなわち、実施例2の係止突部53は、その面方向が長手方向に沿って形成されたものである。一方、係止孔54は、左右方向を長手とする長方形状に開口されたものであり、前記係止突部23を嵌入可能な寸法で開口形成されている。こうした係止突部53と係止孔54とは、前述した実施例1と同様に、連結片51の左右方向の仮想中心線に対して左右対称となる部位に形成されている。
【0041】
係止突部53は、前記天井板用吊持杆1,1の突き合わせ状態(互いの端縁同士を突き合わせた二個の前記天井板用吊持杆1,1を直線状に配した状態)で、連結片51が前述した上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に装着された際に、一方の天井板用吊持杆1の前記挿通孔9に挿通されて該天井板用吊持杆1の主板部2を貫通するように形成されている。そして、係止突部23が挿通孔9に挿通された状態で、前記係止孔24は、他方の天井板用吊持杆1の挿通孔9に臨む位置に配置される。
【0042】
実施例2の連結片51にあっては、前記天井板用吊持杆1,1の突き合わせ状態で、連結片51,51が当該天井板用吊持杆1の主板部2の表裏両側に夫々装着されることにより、図13に示すように、表裏一側に装着された連結片51の係止突部53が一方の天井板用吊持杆1の挿通孔9を貫通して、表裏他側に装着された連結片51の係止孔54に嵌入されると共に、表裏他側の連結片51の係止突部53が他方の天井板用吊持杆1の挿通孔9を貫通して、表示一側の連結片51の係止孔54に嵌入される。
【0043】
こうした実施例2の連結機構は、前述した実施例1と同様に、互いの端縁同士を突き合わせた天井板用吊持杆1,1同士を連結することができる(連結する過程は、実施例1と同様であることから、説明を省略する)。そして、実施例2の連結機構にあっても、前述した実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0044】
すなわち、実施例2の連結片51,51により連結された天井板用吊持杆1,1に、前述した金属製の天井板(裏側に管路が配設されたもの)が取り付けられた場合には、該連結片51,51に、該天井板(及び管路)の重量に応じた比較的に大きな引張り応力が作用する。これにより、表裏の連結片51が左右に引張られることにより、夫々の係止突部53,53が、係止孔54,54と天井板用吊持杆1,1の挿通孔9,9とで左右方向に移動不能かつ離脱不能に締め付けられる。このように実施例2の連結機構は、天井板用吊持杆1,1に支持される天井板(および管路)の重量によって、表裏の連結片21,21がロックされることから、該天井板用吊持杆1,1を極めて強い強度と剛性とで連結できる。
さらに、実施例2にあっては、連結片51の係止突部53が、その略直方体状の長手(面方向)が引張られる方向に沿って形成されたものであることから、挿通孔9と係止孔54とにより左右方向に締め付けられた状態で、前述した実施例1(係止突部23の厚み方向が引張り方向となる構成)に比して変形し難い。そのため、実施例2は、実施例1よりも高い連結強度と剛性とを有する。
したがって、実施例2の連結機構によれば、前述した金属製の天井板と管路との重量を十分に支持し得る連結強度と剛性とを有することから、当該天井板を長期に亘って一層安定して支持することができる。
【0045】
尚、実施例2の構成にあっても、実施例1と同様に、連結片51,51を天井板用吊持杆1,1の表裏両側に装着することから、連結強度と剛性とをバランス良く発揮できる。また、圧接部25の打圧により堅牢に位置固定できるという作用効果と、一枚のスチール製鋼板から成形されることによる製造コストの低減と製造工程の効率化という作用効果とを奏する。
【実施例3】
【0046】
実施例3の連結機構は、二個の係止突部63,63を有する第一連結片61と、二個の係止孔74,74を有する第二連結片71とにより、天井板用吊持杆1,1を連結するものである。
【0047】
第一連結片61は、図14に示すように、実施例1と同様にスチール製鋼板から形成され、略矩形平板状の主片部22と、該主片部22から起立状に切り起こされた二個の係止突部63,63と、上端に鋸歯状の係合歯部26を有する圧接部25とを備えたものである。係止突部63は、主片部22から左右方向に折り曲げられてなり、厚み方向が長手方向(左右方向)に沿った略直方体状に形成されている。この係止突部63は、実施例1と同様に、面方向が長手方向と直交するように形成されたものである。そして、第一連結片61は、二個の係止突部63,63が、前記天井板用吊持杆1,1の突き合わせ状態(互いの端縁同士を突き合わせた二個の前記天井板用吊持杆1,1を直線状に配した状態)で、該天井板用吊持杆1,1の表裏一側に装着された際に、該天井板用吊持杆1,1の各挿通孔9,9に夫々挿通可能とするように設けられている(図17参照)。本実施例2にあっては、二個の係止突部63,63が、左右方向(長手方向)の仮想中心線に対して左右対称となる部位に形成されている。
【0048】
第二連結片71は、図15に示すように、実施例1と同様にスチール製鋼板から形成され、略矩形平板状の主片部22と、該主片部22に開口形成された二個の係止孔74,74と、圧接部25とを備えたものである。係止孔74は、上下方向を長手とする長方形状に開口されたものであり、前記係止突部23を嵌入可能な寸法で開口形成されている。この第二連結片71は、二個の係止孔74,74が、前記天井板用吊持杆1,1の突き合わせ状態で、該天井板用吊持杆1,1の表裏他側に装着された際に、該天井板用吊持杆1,1の各挿通孔9,9に夫々臨むように設けられている。そして、天井板用吊持杆1,1の表裏一側に装着された第一連結片61,61の二個の係止突部63,63が、各挿通孔9,9を介して二個の係止突部63,63を夫々嵌入されるようになっている(図17参照)。本実施例2にあっては、二個の係止孔74,74が、左右方向(長手方向)の仮想中心線に対して左右対称となる部位に形成されている。
【0049】
尚、実施例3にあっては、第一連結片61が二個の係止突部63,63を備え且つ係止孔を有しない構成であること、および第二連結片71が二個の係止孔74,74を備え且つ係止突部を有しない構成であること以外は、実施例1の連結機構と同じであることから、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を適宜省略している。
【0050】
実施例3の連結機構は、前記天井板用吊持杆1,1の突き合わせ状態で、第一連結片61を、天井板用吊持杆1,1の表裏一側から、該天井板用吊持杆1,1の各上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に装着して、当該第一連結片61の各係止突部63,63を両天井板用吊持杆1,1の各挿通孔9に夫々挿通させる。一方、第二連結片71を、前記天井板用吊持杆1,1の表裏他側から各上部嵌合凹部7と下部嵌合凹部8との間に装着して、第二連結片71の各係止孔74,74を両天井板用吊持杆1,1の各挿通孔9に夫々臨む位置に配置させる。これにより、表裏一側に装着された第一連結片61の各係止突部63,63が、天井板用吊持杆1,1の挿通孔9,9を介して、表裏他側の第二連結片71の各係止孔74,74に嵌入される。このように第一連結片61と第二連結片71とを装着した後に、夫々の圧接部25を打圧することにより、各圧接部25の係合歯部26を、天井板用吊持杆1,1の上部嵌合凹部7に食い込ませる。こうして、図16に示すように、二個の天井板用吊持杆1,1を該連結片21,21により連結する。
【0051】
実施例3の連結機構により連結された天井板用吊持杆1にあっても、前述した実施例1,2と同様に、金属製の天井板(裏側に管路が配設されたもの)を長期に亘って安定して支持し得る連結強度と剛性とを有するものである。
すなわち、第一連結片61と第二連結片71とにより連結された天井板用吊持杆1,1に、前述した金属製の天井板(裏側に管路が配設されたもの)が取り付けられた場合には、該第一,第二連結片61,71に、該天井板(及び管路)の重量に応じた比較的に大きな引張り応力が作用する。これにより、天井板用吊持杆1,1の各挿通孔9,9に挿通された係止突部63,63を有する第一連結片61が左右方向に引張られると共に、該係止突部63,63が第二連結片71の係止孔74,74に夫々当接して、該左右方向の移動が妨げられる。こうして第一連結片61の各係止突部63,63が、天井板用吊持杆1,1の挿通孔9,9と第二連結片71の係止孔74,74とによって、左右方向へ移動不能かつ離脱不能に締め付けられる。このように天井板用吊持杆1,1に支持される天井板(および管路)の重量によって、第一連結片61と第二連結片71がロックされることから、該天井板用吊持杆1,1を極めて強い強度と剛性とで連結できる。したがって、実施例3の連結機構によれば、前述した実施例1,2と同様に、前述した金属製の天井板と管路との重量を十分に支持し得る連結強度と剛性とを有し、当該天井板を長期に亘って安定して支持することができる。
【0052】
尚、実施例3の構成にあっても、実施例1,2と同様に、第一連結片61と第二連結片71を天井板用吊持杆1,1の表裏両側に装着することから、連結強度と剛性とをバランス良く発揮できる。また、圧接部25の打圧により堅牢に位置固定できるという作用効果と、一枚のスチール製鋼板から成形されることによる製造コストの低減と製造工程の効率化という作用効果とを奏する。
【0053】
本発明は、前述した実施例1~3に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。
例えば、実施例3の第一連結片が、実施例2と同様に、厚み方向を上下方向とする略直方体状の係止突部を二個備え、かつ第二連結片が、左右方向を長手とする長方形状の係止孔を二個備えた構成とすることも可能である。
【0054】
また、実施例1~3にあっては、夫々の連結片が、係止突部の長手方向外側部位と係止孔の長手方向外側部位とに夫々二個の圧接部25を備えた構成であるが、この圧接部25の配設個数は適宜変更可能である。例えば、係止突部の長手方向外側部位と係止孔の長手方向外側部位とに夫々一個の圧接部25を備えた構成や、夫々三個の圧接部25を備えた構成などとすることも可能である。
【0055】
また、実施例1~3にあっては、金属製の天井板10と管路とを備えた天井構造について例示した構成であるが、これに限らず、実施例1~3の各連結機構(連結片21,51,61,71)を、耐震補強などのように強度向上や剛性向上が求められる天井構造に適用することもできる。例えば、非金属製の天井板を支持する天井構造に、実施例1~3の各連結機構を適用することによって、耐震性の高い構造とすることができる。又は、従来の天井構造(非金属製の天井板を用い且つ管路を備えない構成)を耐震補強するための交換用として、実施例1~3の各連結機構を用いることも可能である。この場合には、従来の天井構造に用いられている従来の連結機構を、実施例1~3の各連結機構に交換することによって、該天井構造の耐震補強を行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 天井板用吊持杆
2 主板部
5 支持縁部
9 挿通孔
10 天井板
21,51 連結片
22 主片部
23,53,63 係止突部
24,54,74 係止孔
25 圧接部
61 第一連結片
71 第二連結片

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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