(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】鉄骨ハウスの耐力壁
(51)【国際特許分類】
E04B 2/56 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
E04B2/56 605D
E04B2/56 604G
E04B2/56 611B
E04B2/56 651D
(21)【出願番号】P 2023028912
(22)【出願日】2023-02-27
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】503005559
【氏名又は名称】株式会社キタムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100162857
【氏名又は名称】渡邉 健一
(72)【発明者】
【氏名】北村 浩一
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-013614(JP,A)
【文献】特開2010-265648(JP,A)
【文献】特開2002-327495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/56
E04B 1/24
E04B 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁と、
両端にフランジが固定されている一対の柱と、
複数のブレース材とを有し、
前記柱は、前記フランジを介して前記梁に固定されており、
前記ブレース材の両端部は、前記柱にピン接合により固定されている
トラス構造をした鉄骨ハウスの耐力壁であって、
前記梁は、上下一対のフランジ部分とウェブ部分とを有するH形鋼であり、
該フランジ部分の内側には、それぞれ上下一対の補強用の水平プレートが対峙した状態で
溶接されており、
該水平プレートの対向面
と、前記H形鋼の前記ウェブ部分には、補強用の
複数枚の垂直プレートが
溶接されているものである
ことを特徴とする鉄骨ハウスの耐力壁。
【請求項2】
前記H形鋼は、軽量H形鋼であり、
前記水平プレートは、前記軽量H形鋼の曲面に当接する部分が面取りされているものである
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨ハウスの耐力壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量化が可能なトラス構造をした鉄骨ハウスの耐力壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震による横揺れや台風による強風等の水平力に耐える工法として、多数枚のブレース材を用いてトラス構造をした耐力壁を製造し、建造物の構造上必要な位置にその耐力壁を配置することによって、軽量化及び高強度化を図る発明が特許文献1に開示されている。
【0003】
また、本願出願人によって、一対の金属製の柱の間を跨ぐように、長尺の金属製棒状体をジグザグ状に折り曲げることによるトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁に関する発明が特許文献2に開示されている。この耐力壁は、従来、幅方向(スパン)が910mmであったものを、その半分の450mmにコンパクト化したものである。
【0004】
本発明を用いると、多数枚のブレース材に替えて、一本の金属製棒状体を用いることができるので、コンパクト化が可能であるとともに、設置時の作業性にも優れるトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-37704号公報
【文献】特許第6833230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載の発明は、一対の鉄骨製柱の間を、多数枚のブレース材を用いてジグザグ状に設置し、その端部をボルト・ナットでピン接合をするものである。この工法を用いると、多数枚のブレース材を作成したり、それぞれブレース材の端部をボルト・ナットで鉄骨製の柱にピン接合をしたりする必要があることから作業性が悪く、原材料費が嵩むという問題点があった。
【0007】
一方、特許文献2に記載の発明に限らず、前述した特許文献1にも共通する課題ではあるが、最近の鉄鋼価格の高騰に伴い、使用する原材料がコスト高になっており、その結果、製品価格に重大な影響を与えているという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記した問題点の除去を目的としており、従来品と同等以上の強度を有するとともに、原材料費を低減させ、低コストで製造できる鉄骨ハウスの耐力壁の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、トラス構造をした鉄骨ハウスの耐力壁に関するものである。
請求項1に記載した発明は、
梁と、
両端にフランジが固定されている一対の柱と、
複数のブレース材とを有し、
前記柱は、前記フランジを介して前記梁に固定されており、
前記ブレース材の両端部は、前記柱にピン接合により固定されているトラス構造をした鉄骨ハウスの耐力壁であって、
前記梁は、上下一対のフランジ部分とウェブ部分とを有するH形鋼であり、
該フランジ部分の内側には、それぞれ上下一対の補強用の水平プレートが対峙した状態で溶接されており、
該水平プレートの対向面と、前記H形鋼の前記ウェブ部分には、補強用の複数枚の垂直プレートが溶接されているものである
ことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、
前記H形鋼は、軽量H形鋼であり、
前記水平プレートは、前記軽量H形鋼の曲面に当接する部分が面取りされているものである
ことを特徴としている。
【0012】
請求項1及び請求項2に記載した発明を用いると、軽量、低コストであり、強度的にも優れた鉄骨ハウスの耐力壁を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明を用いると、コンパクト化が可能であるとともに、軽量、低コストであり、強度的にも優れた鉄骨ハウスの耐力壁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【0018】
(a)耐力壁1の正面図である。
(b)耐力壁1のA-A断面図である。
【
図2】梁5の概略図である。 (a)水平プレート21a,cを取付ける前の概略図である。 (b)垂直プレート23a,c,eを取付ける前の概略図である。 (c)水平プレート21a,c及び垂直プレート23a,c,eを取 付後の概略図である。
【0019】
(a)一対のC形鋼4a,bを、柱間プレート33と開き止めプレー
ト31を介して溶接する前の概略図である。
(b)完成した柱3aの概略図である。
【
図7】2階建の鉄骨ハウスに使用する場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係わる鉄骨ハウスの耐力壁について、以下において詳細に説明する(
図1~
図8)。
(1)鉄骨ハウスの耐力壁1の概略構造
図1は、本発明に係わる鉄骨ハウスの耐力壁1の概略図である。この耐力壁1は、ベース10上に設置され、左右一対の柱3a,bと、その上方の梁5とで構成されるものである。本実施例では、ベース10から上方の梁5を含めた耐力壁1の高さ方向の寸法を、例えば、2800mm、幅方向の寸法を455mm((約1/4間(けん))のスパン)としている。
鉄骨ハウスの一階部は、下方の金属製のアンカーボルト9a~dが埋め込まれているベース10(例えば、コンクリート製の基礎土台。)に、両端にフランジ7a~dが固定されている左右一対の柱3a,bをナット等で固定する。なお、コンクリート製のベース10(基礎)に、アンカーボルト9a~dを埋め込み、ナット等で柱3a,bを固定する工法は周知な工法であるので詳細な説明は省略する。そして、それぞれの柱3a,bと上部の梁5とを、ボルト・ナット8a~dを用いて固定する。
【0021】
左右一対の金属製の柱3a,bの間は、補強を目的とする上下一対の水平ブレース材11a,bと、その間に6個の傾斜ブレース材13a~fがジグザグ状に固定、例えば、アーク溶接によるピン接合されたトラス構造をしたものである。なお、柱3a,b及び梁5の部分の詳細については後述する。
【0022】
すなわち、本発明に係わる鉄骨ハウスの耐力壁1は、梁5と、両端にフランジ7a~dが固定されている一対の柱3a,bと、複数のブレース材11a、b,13a~fとを有している。そして、一対の柱3a,bは、フランジ7a~dを介して梁5に固定されている。ブレース材11a、b,13a~fの両端部は、一対の柱3a,bにピン接合により固定されている。
【0023】
耐力壁1の外側には、図示されていない外装パネルを、内側には内装パネルを取り付けて建造物の壁面が完成するので、この耐力壁1の部分は、通常、見ることができないものである。
(2)梁5の構造
耐力壁1上部の梁5の構造について説明する(
図1、
図2(a)~(c))。梁5は、長尺のH形鋼6と、水平プレート21a,cと、垂直プレート23a,c,eとで構成されている。この、水平プレート21a,c及び垂直プレート23a,c,eは、梁5の補強を目的とするものである。なお、
図2(a)~(c)には、梁5を構成する長尺のH形鋼6のうちで、本発明に係わる耐力壁1の近傍部分が記載されている。
<H形鋼6>
本発明に係わるH形鋼6は、上下一対のフランジ部分25a,bと、該フランジ部分25a,bを離間させた状態で保持するためのウェブ部分27とで構成される長尺状のものである(
図2(a))。
本実施例では、図において、フランジ部分25a,bの厚みが8mm、幅が100mm、ウェブ部分27の厚みが5.5mm、高さが200mmの軽量化したH形鋼6(以下において、軽量H形鋼と呼ぶことがある。)を用いた。
<梁5の補強>
上述したように、梁5の部分に軽量H形鋼を用いることによって、原材料費の低減に加えて軽量化が可能になる。しかしながら、軽量H形鋼を用いると、当然ながら地震等の水平力に対して十分な強度が得られないという問題点がある。
【0024】
本願出願人が鋭意検討をしたところ、軽量H形鋼を用いる横長の梁5のうちで、柱3a,bが固定される部分近傍を補強しておけば、構造上及び強度上の問題はないことが分かった。そこで、本実施例では、
図2において補強用の上下一対の水平プレート21a,cと、三枚の垂直プレート23a,c,eを用いて、柱3a,bが梁5に固定される部分近傍を補強した。なお、実際には、H形鋼6の奥側(右側)にも同様の構造としているが、重複を避けて手前側(左側)の構造についてのみ説明する(
図2(a)~(c))。
<水平プレート21a,c>
水平プレート21a,cは、幅が52mm、長さが190mm、厚みが16mmの厚板状の鋼板である(
図2(a))。この水平プレート21a、cを、一対のフランジ部分25a,bの内側に対峙した状態で固定、例えばアーク溶接をした(
図2(b))。
【0025】
本実施例では、梁5と水平プレート21a,cを溶接した後、ボルト孔29を開けるようにした(
図2(b))。このボルト孔29は、梁5と柱3a,bとをボルト・ナットによって固定するためのものである。なお、このボルト孔29は、H形鋼6と水平プレート21a,cの両方にあらかじめ開けておき、その後に溶接・固定することもできる(
図2(b))。
【0026】
H形鋼6(軽量H形鋼を含む。)のフランジ部分25a,bとウェブ部分27とが交わる部分は、構造上、図示されたような曲面となっている(
図2(a))。そこで、水平プレート21a,cとして、この曲面に当接する部分は、その形状に対応するように面取りがされているもの、すなわち、面取り部分22a,cを有するものを使用した(
図2(a)、(b))。この面取り部分22a,cを有する水平プレート21a,cを用いることによって、H形鋼6にしっかりと溶接できるので強度を向上させることができる。
<垂直プレート23a,c,e>
垂直プレート23a,c,eは、幅が47mm、長さが152mm、厚みが4.5mmの鋼板である(
図2(b))。この垂直プレート23a,c,eを、上下一対の水平プレート21a、cの対向面と、その奥のH形鋼6のウェブ部分27に固定、例えばアーク溶接をした(
図2(c))。
【0027】
上述したように、軽量H形鋼を用いる横方向に長い梁5のうちで、柱3aが固定される部分近傍を一対の水平プレート21a,bと、三枚の垂直プレート23a,c,eを溶接して補強した。
【0028】
すなわち、梁5は、上下一対のフランジ部分25a,bと、ウェブ部分27とを有するH形鋼6である。H形鋼6のフランジ部分25a,bの内側には、その曲面に当接する部分が面取りされている水平プレート21a,cが、対峙した状態で溶接されている。そして、水平プレート21a,cの対向面と、H形鋼のウェブ部分27とに、垂直プレート23a,c,eが溶接されている。
(3)柱の構造
耐力壁1の柱の構造について説明する(
図1、
図3(a)、(b))。柱aは、一対のC形鋼4a,bのリップ部分(開口部分)を外側に向けて背中合わせの状態とし、その背中合わせ部分を開き止めプレート31及び柱間プレート33を介して溶接されて一体化したものである(
図3(a)、(b))。なお、開き止めプレートと、柱間プレートとは、一対のC形鋼4a,bの溶接時に使用する板状の鋼板であり、溶接される位置は異なるものの、その構造も目的も近似するものであることから以下において区別しないで用いる場合がある。
<C形鋼4a,b>
柱3の大部分を構成するC形鋼4a,bは、規格が100×50×20×3.2、すなわち厚さが3.2mmの薄形鋼板を断面C字状に折曲げて製造される長尺のものであり、本実施例では2550mmに切断して使用した。
<柱3aの製造>
柱3aを構成する一方のC形鋼4b(
図3(a)。
図1に対応させて内側のC形鋼と呼ぶ場合がある。同様にC形鋼4aを、
図1に対応させて外側のC形鋼と呼ぶ場合がある。)のリップ部分には、9枚の受けプレート(2枚の「受けプレートA」と。7枚の「受けプレートB」。)が溶接されている(
図1、
図3)。なお、
図3(b)において、受けプレートA15aのみを表示した。
【0029】
後述するように、受けプレートAは、水平ブレース材11a,bを溶接するための小形のものであり、受けプレートBは、一対の傾斜ブレース材13a~fを溶接するための大形のものである。C形鋼4bのリップ部分に、受けプレートA及び受けプレートBを溶接することによって柱3aの強度が向上する。
【0030】
そして、開き止めプレート31及び柱間プレート33を介して外側のC形鋼4aと、内側のC形鋼4bとを溶接して一体化して柱3aとした。ここで、一対のC形鋼4a,bの上端部と下端部に開き止めプレート31を溶接すると、柱3a、bの強度がさらに向上することが分かった。なお、
図3では、柱3aの上端部の「開き止めプレート31」についてのみ示した。
加えて、受けプレートA及び、図示されていない受けプレートBを、柱間プレート33に対峙する位置(
図3(b)に示すC形鋼4bを挟んで対峙する反対側の位置。以下において、この位置を柱間プレートに対峙する位置と呼ぶ。
図6(b)の拡大図も参照。)に溶接すると、柱3a、bの強度がさらに向上することが分かった。なお、柱3bも同様の構造なので詳細な説明は省略する。
上述したように、柱3aは、一対のC形鋼4a,bのリップ部分を外側に向けた背中合わせの状態とし、背中合わせ部分を柱間プレート33を介して溶接して一体化されたものであり、内側のC形鋼4bのリップ部分には、受けプレートA15aが溶接されている。そして、C形鋼4bの受けプレートA15aは、柱間プレート33に対峙する位置に溶接されている。
(4)ブレース材
トラス構造をした耐力壁1に使用するブレース材について説明する(
図1、
図4)。軽量化に適したブレース材としては、平板鋼、C形鋼、H形鋼、円筒鋼管、角形鋼管等の使用が考えられるが、本願出願人が鋭意検討をしたところ、強度の面から角形鋼管が最も優れていることが分かった(
図4)。そこで、長尺の角形鋼管を後述する寸法・形状に切断してブレース材に使用した(
図4、
図6(a))。
(5)フランジ
柱3a,bの両端に固定、例えば溶接されているフランジ7a~dについて説明する(
図1、
図5)。柱3a,bは、このフランジ7a~dを介して、ベース10や梁5にボルト・ナット等によって固定される(
図1)。主に強度の面から、フランジ7a~dは厚板鋼板を用いており、ベース10や梁5にボルト・ナット等によって固定するための4箇所の孔が開けられている。
【0031】
上述した例では、外側のC形鋼4aと内側のC形鋼4bとを、開き止めプレート31を介して溶接して一体化して柱3aを製造する例を示した。なお、あらかじめフランジ7a~dに、開き止めプレート31を垂直方向に突合せ溶接して固定して断面T字状のフランジを作成し(図示せず。)、それを用いて外側のC形鋼4aと内側のC形鋼4bとを溶接・一体化して柱3aを製造することもできる。
【0032】
(6)ブレース材の取付け
内側のC形鋼4b,cのリップ部分に、受けプレートA及び受けプレートBが溶接されている一対の柱3a,bに、複数のブレース材を取付ける方法について説明する(
図1、
図3、
図6(a)、(b))。
上述したように、長尺の角形鋼管を、一定の寸法・形状に切断して水平ブレース材11a,b及び、傾斜ブレース材13a~f(一部は図示せず。)を製造する(
図1、
図6(a))。これらのブレース材11a、b,13a~fを、上述した柱3a,bの受けプレートA15a,b及び、受けプレートB17a~fに溶接して固定する(
図6(b))。
その後、ベース10と、柱3a,bのフランジ7c,dとをアンカーボルト9a~dで固定し、梁5と、柱3a,bのフランジ7a,bとをボルト・ナットで固定して鉄骨ハウスの耐力壁1が完成する。なお、複数のブレース材は、作業現場において、柱3a,bをベース10と梁5に固定し、その後に柱3a,bの受けプレートA15a,b及び受けプレートB17a~fに溶接することもできる。
(7)変形例
本発明の変形例について説明する(
図1、
図7)。上述した耐力壁1は、一階建ての鉄骨ハウスについて本発明の実施例を示したが、二階建又はそれ以上の階を有する鉄骨ハウスについても同様に使用することができる。すなわち、二階部分については、上述したベース10の部分を梁5に置き換わるものなので、図示するのみに留めることとして詳細な説明は省略する(
図7)。
【実施例1】
【0033】
本発明に係る耐力壁1の強度試験結果について説明する(
図8)。
上述したように、梁の材料として軽量H形鋼と、柱の材料としてC形鋼等を用いるので、特許文献2に示されている当社従来品に比べて重量を約10%低減することができた。
【0034】
本発明に係る耐力壁1について、荷重に対する変形量を測定する強度試験をした(
図8)。なお、この強度試験は、埼玉大学理工学研究科、牧教授の指導により行ったところ、
(a)25kNの荷重を与えたところ、最大16mmの変位
(b)90kNの荷重を与えたところ、最大55mmの変位
であった。そして、外力を停止することによって耐力壁1は復元し、繰り返し同程度の外力を与えても塑性変形は起こらないことが確認された。
【0035】
なお、特許文献2に示されている当社従来品は、24kNの荷重で最大40mmの変位であった。従って、本願発明に係わる耐力壁1は、軽量化したにも関わらず強度的にも優れていることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、鉄骨ハウスの耐力壁として利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 耐力壁
3a~c 柱
4a~f C形鋼
5 梁
6 H形鋼
7a~e フランジ
8a~d ボルト・ナット
9a~d アンカーボルト
10 ベース
11a,b 水平ブレース材
13a~f 傾斜ブレース材
14 角形鋼管
15a,b 受けプレートA
17a~f 受けプレートB
21a~h 水平プレート
22a~h 面取り部分
23a~l 垂直プレート
25a,b フランジ部分
27 ウエブ部分
29 ボルト孔
31 開き止めプレート
33 柱間プレート
41 荷重変位測定部
43 計測装置
45 ベース固定部
【要約】
【課題】軽量、低コストで、強度的にも優れた鉄骨ハウスの耐力壁1を提供する。
【解決手段】梁5と、両端にフランジ7a~eが溶接されている一対の柱3a,bと、複数のブレース材11、13を用いる。梁5は、H形鋼6であり、そのフランジ部分25a,bには面取りされた一対の水平プレート21a,cを対峙した状態で溶接し、それらの対向面を垂直プレート23a,c,eで溶接する。柱3a,bは、一対のC形鋼4a,bのリップ部分を外側に向けた背中合わせの状態とし、柱間プレート33を介して溶接して一体化する。柱a,bを構成する一方のC形鋼4bのリップ部分には、柱間プレート33に対峙する位置に受けプレートA、Bを溶接し、その受けプレートA,Bに角形鋼管製のブレース材11,13を溶接する。
【選択図】
図1