(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
E01D21/00 A
(21)【出願番号】P 2023557692
(86)(22)【出願日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2023083560
(87)【国際公開番号】W WO2023151702
(87)【国際公開日】2023-08-17
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】202210541987.2
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523356710
【氏名又は名称】中▲鉄▼七局集▲団▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523356721
【氏名又は名称】中▲鉄▼七局集▲団▼▲鄭▼州工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】秦洪▲義▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼猛
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲記▼忠
(72)【発明者】
【氏名】毛▲樹▼峰
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼友坤
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼小▲傑▼
(72)【発明者】
【氏名】秦海▲ユエ▼
(72)【発明者】
【氏名】付海桀
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼猛
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼朝▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】孫▲植▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼暁娟
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-206371(JP,A)
【文献】特開2021-059948(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111762683(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110240063(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 21/00
B66C 1/22
B66C 1/14
B66C 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置であって、
支持桁と、下横桁と、スリーブと、伸縮ポストと、固定プレートと、キャリッジと、を含み、 前記支持桁は、一端が前記スリーブの上端に接続され、他端が前記固定プレートによって、前記桁吊り上げ装置の、箱桁を吊り上げる吊具に接続され、前記吊具はブームによって前記箱桁を吊り上げ、
前記下横桁の一端は前記伸縮ポストの下端に回動接続され、前記下横桁の他端は前記キャリッジに接続され、前記下横桁を、前記吊具の直下に位置して前記支持桁、前記伸縮ポストとともにコ字形フレームを形成するように、前記伸縮ポストの軸線に沿って90度回転することができ、
前記キャリッジは、前記桁吊り上げ装置が箱桁を吊り上げるときに前記ブームに接続されているトレイ及びブームナットを載置するためのものであり、
前記スリーブは前記伸縮ポストに嵌着され、且つ垂直方向に沿って相対的に移動し、前記キャリッジを垂直方向に上下に動かせることができる、
ことを特徴とする桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項2】
前記支持桁における前記スリーブに近い一端にはスクリューリフトが取り付けられ、前記スクリューリフトは、ねじロッドによって、前記伸縮ポストが前記スリーブ内に垂直方向に沿って相対的にスライドすることを動かせ、前記ねじロッドは前記伸縮ポストと並列に平行に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項3】
前記スクリューリフトは、前記支持桁の上面に固定取り付けられ、前記ねじロッドの一端は、前記支持桁を貫通した後、ピン軸によって接続ロッドの一端に接続され、前記接続ロッドの他端は、ピン軸によって前記伸縮ポストに接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項4】
前記伸縮ポストの側壁下部には、上下方向に沿って、2つの支持耳板が並列に取り付けられ、前記下横桁には、上下方向に沿って、位置決め軸が回転して取り付けられ、
対応的に、
前記桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置は、副スクリューリフトをさらに含み、前記副スクリューリフトは2つの前記支持耳板に回転して取り付けられ、前記副スクリューリフトにおける駆動スクリューの一端は前記位置決め軸に回転して接続され、前記副スクリューリフトは、前記駆動スクリューの移動によって、前記下横桁を、前記伸縮ポストの軸線に沿って90度回転させた後に前記吊具の直下に位置し、前記支持桁、前記伸縮ポストとともに前記コ字形フレームを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項5】
前記伸縮ポストの下端には固定軸が設けられ、前記下横桁には固定スリーブが設けられ、前記固定軸は、前記下横桁を前記固定軸の軸線に沿って回転できるように、固定スリーブに回転して接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項6】
前記下横桁に位置しており、前記伸縮ポストの、キャリッジが設けられている他側に位置す
るカウンターウェイトユニットをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項7】
前記下横桁における前記カウンターウェイトユニットが載置されている一端は、前記下横桁に載置されている前記カウンターウェイトユニットが取り外せるように、案内筒によって下横桁に接続されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項8】
前記下横桁における前記カウンターウェイトユニットが載置されている一端と前記案内筒との相対的な移動方向に沿って、前記下横桁には複数の第1の固定孔が並設され、
対応的に、
前記案内筒には前記第1の固定孔に適合する第2の固定孔が設けられており、固定ロッドが前記第1の固定孔、前記第2の固定孔を通過することによって、前記案内筒を前記下横桁における前記カウンターウェイトユニットが載置されている一端に固定させる、
ことを特徴とする請求項7に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項9】
前記下横桁における前記カウンターウェイトユニットが載置されている一端には、前記カウンターウェイトユニットのホルダを固定するために用いられる位置決めピンが設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【請求項10】
前記キャリッジはフレーム構造であり、前記キャリッジの長手方向に沿って3つの格子を区画し、両端の2つの前記格子は中空なものであり、パレット案内ロッドによってナットパレットが懸架され、前記ナットパレットには前記ブームナットが載置され、前記ナットパレットの上方の対応するフレームには前記トレイが載置して固定され、前記キャリッジが前記吊具のブームの直下に回転して所定の位置に吊り上げられた後、前記トレイを前記吊具のブームに自動的に取り付け、その後、前記ナットパレットにおける前記ブームナットは前記ブームの下部にねじ接続し、前記ナットパレットの中部には貫通孔が設けられ、前記貫通孔の直径は前記吊具のブームの直径より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は鉄道橋桁施工技術分野に属し、特に桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
桁吊り上げ装置は橋桁建設のために特別に設計されている門式クレーンであり、桁吊り上げ装置は主に組み立て式の主桁、アウトリガ、天井走行車などにより構成され、部材の間にはピン軸及び高強度ボルトで接続され、着脱や輸送を容易にして、通常の門式クレーンと比べて、取り付けが便利かつ迅速であり、経済性及び実用性を有し、よく流動している道路橋桁の建設単位に適している。
【0003】
国内外の高速鉄道の発展に伴い、大トン数コンクリートプレキャスト箱桁の応用が増えており、箱桁プレキャスト架設にはいずれも桁吊り上げ装置を用いて箱桁の吊り上げ及び運搬作業を行う必要があるため、桁吊り上げ装置の高速鉄道への施工応用も非常に広い。
【0004】
桁吊り上げ装置の桁吊り上げの時には、昇降クレーンの吊具のブームを箱桁の吊り孔に穿孔し、手動でブーム下トレイおよびブームナットを取り付け、ブームおよび桁片を接続して吊り上げの安全を保証する必要がある。1つの箱桁を吊り上げることに対して、一般的に2つの吊具があり、1つの吊具には4本のブームが取り付けられ、2つの吊具には共に8本のブームがあり、各ブームの下部には1つのトレイおよび1つのブームナットが取り付けられる必要があり、各トレイの重量は約30~40kgであり、各ブームナットの重量は約12~13kgであり、取り付けプロセスにおいて、トレイを1.7メートルほど持ち上げる必要があり、且つブームナット及びブームねじを回転させて所定の位置に組み立てる。労働強度が強く、手間がかかる。
【0005】
したがって、上記従来技術の不足に対して改善した技術案を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の目的は、上述した従来技術に存在する問題を解決または緩和するための桁吊り上げ装置のブームトレイおよびブームナットの取り付け装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願は、以下の技術的手段を提供する。
【0008】
本願は、桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置を提供し、それは、固定プレートと、支持桁と、スリーブと、伸縮ポストと、下横桁と、キャリッジと、を含み、前記支持桁は、一端が前記スリーブの上端に接続され、他端が前記固定プレートによって、前記桁吊り上げ装置の、箱桁を吊り上げる吊具に接続され、ここで、前記吊具はブームによって前記箱桁を吊り上げ、前記下横桁の一端は前記伸縮ポストの下端に回動接続され、前記下横桁の他端は前記キャリッジに接続され、前記下横桁を、前記吊具の直下に位置して前記支持桁、前記伸縮ポストとともにコ字形フレームを形成するように、前記伸縮ポストの軸線に沿って90度回転することができ、前記キャリッジは、前記桁吊り上げ装置が箱桁を吊り上げるときに前記ブームに接続されているトレイ及びブームナットを載置するためのものであり、前記スリーブは前記伸縮ポストに嵌着され、且つ垂直方向に沿って相対的に移動し、前記キャリッジを垂直方向に上下に動かせることができる。
【0009】
好ましくは、前記下横桁における前記カウンターウェイトユニットが載置されている一端と前記案内筒との相対的な移動方向に沿って、前記下横桁には複数の第1の固定孔が並設され、対応的に、前記案内筒には前記第1の固定孔に適合する第2の固定孔が設けられており、固定ロッドが前記第1の固定孔、前記第2の固定孔を通過することによって、前記案内筒を前記下横桁における前記カウンターウェイトユニットが載置されている一端に固定させる。
【有益な効果】
【0010】
本願による桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置において、支持桁は固定プレートによって桁吊り上げ装置の箱桁を吊り上げる吊具に接続され、吊具はブームによって箱桁を吊り上げ、キャリッジは、桁吊り上げ装置が箱桁を吊り上げるときにブームに接続されているトレイ及びブームナットを載置するためのものである。支持桁は、一端がスリーブの上端に接続され、他端が固定プレートに接続され、下横桁は、一端が伸縮ポストの下端に接続され、他端がキャリッジに接続されており、下横桁を、吊具の直下に位置して支持桁、伸縮ポストとともにコ字形フレームを形成するように、伸縮ポストの軸線に沿って90度回転することができ、スリーブは伸縮ポストに嵌着され、且つ垂直方向に沿って相対的に移動し、キャリッジを垂直方向に上下に動かせることができる。従って、支持桁は固定プレートによって吊具に接続され、トレイ及びブームナットの載置が完了した後、下横桁はキャリッジを90度回転させ、トレイ及びブームナットを吊具の下方に移動させ、その後、スリーブ及び伸縮ポストは垂直方向に相対的に移動し、キャリッジを垂直方向に上下に動かせ、キャリッジの支持高さを調整することによって、ブームの取り付け高さに基づいてトレイの高さを調整し、トレイを上向きに持ち上げることができる。従って、作業員がトレイを持ち上げる必要がなく、作業員の負担を効果的に軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置の実装模式図である。
【
図2】桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置の構成模式図である。
【
図3】支持桁とスリーブとの取り付け模式図である。
【
図4】スクリューリフト機構と伸縮ポストとの接続模式図である。
【
図5】下横桁と案内筒、キャリッジとの爆発模式図である。
【
図6】
図1の実施例により提供されている桁吊り上げ装置のブームトレイおよびブームナットの取り付け装置におけるAのところの部分図である。
【
図7】本願のいくつかの実施例により提供されているトレイのキャリッジへの配置模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
現在、桁吊り上げ装置の桁吊り上げの時に、ブームは箱桁の吊り孔に入れた後、重量が30~40キロであるパレットと、重量が約12~13キロであるブームナットを手動で箱桁内部に搬送し、且つ手動で1.7メートル程度持ち上げて、パレット及びブームナットとブームとの実装を実現する。
【0013】
1つの箱桁を吊り上げることに対して、一般的に2つの吊具が必要であり、各吊具には4本のブームがあり、2つの吊具には共に8本のブームがあり、各ブームは手動で運搬する必要があり、1.7メートルの高さに30~40キロであるトレイを取り付ける必要があり、8本のブームには合計240~320キロであるトレイを取り付ける必要があり、また取り外す際にも手動で操作する必要があるため、取り付け者の労働強度は非常に大きい。
【0014】
また、トレイおよびブームナットは比較的に重いため、多くの人が同時に取り付け作業を行うことが必要であり、労働強度が大きいだけでなく、リスクが高く、ちょっとした気をつけないと、トレイおよびブームナットが落下し、取り付け者を傷つけやすく、事故を起こしやすい。従って、上記の欠陥に鑑み、出願人は鋭意研究と設計によって、手動で運搬、持ち上げを必要とせず、桁吊り上げ装置のブームにおけるトレイおよびブームナットを吊具とともに取り付けることができ、トレイおよびブームナットの高さを機械的に調節し、桁吊り上げ装置ブームのトレイおよびブームナットの取り付けの半自動化を実現し、作業員の負担を効果的に軽減する桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け方案を提案している。
【0015】
図1から
図7に示すように、この桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置は、支持桁4と、下横桁18と、スリーブ6と、伸縮ポスト10と、固定プレート1と、キャリッジ23と、を含む。
【0016】
支持桁4は、一端がスリーブ6の上端に接続され、他端が固定プレート1によって、桁吊り上げ装置の、箱桁を吊り上げる吊具に接続され、吊具はブームによって箱桁を吊り上げ、下横桁18の一端は伸縮ポスト10の下端に回動接続され、下横桁18の他端はキャリッジ23に接続され、キャリッジ23は、桁吊り上げ装置が箱桁を吊り上げるときにブームに接続されているトレイ及びブームナットを載置するためのものである。
【0017】
下横桁18を、吊具の直下に位置して支持桁4、伸縮ポスト10とともにコ字形フレームを形成するように、伸縮ポスト10の軸線に沿って90度回転することができ、スリーブ6は伸縮ポスト10に嵌着され、且つ垂直方向に沿って相対的に移動し、キャリッジ23を垂直方向に上下に動かせることができる。
【0018】
具体的には、支持桁4における吊具に接続されている一端には底座2が設けられ、底座2には周方向に沿って貫通する貫通孔が設けられ、対応的に、固定プレート1には取り付けねじ孔が設けられている。支持桁4が吊具に接続される時に、固定ボルト3は底座2における貫通孔を穿孔してから固定プレート1における取り付けねじ孔にねじ込む。固定プレート1は吊具に固定接続(例えば、溶接)されているものであるため、支持桁4は、固定ボルト3が固定プレート1の取り付けねじ孔にねじ込まれた後に吊具に固定され、それによって吊具とともに移動する。
【0019】
底座2の外面には補強のための複数のリブプレート5が固定接続され、複数のリブプレート5は支持桁4の周方向に沿って均等に分布され、リブプレート5の一側は支持桁4の外面に固定接続され、支持桁4の固定後の受力を改善し、支持桁4の剛性を高め、底座2と支持桁4との間の応力割れを避ける。固定ボルト3と合わせて、底座2を安定的に固定することで、装置全体の安定性を確保している。
【0020】
本願において、底座2における貫通孔は、底座2の上下方向に沿って対称となり、かつリブプレート5に対して間隔を空けて配置されており、貫通孔は横長孔であり、底座2と固定プレート1との取り付け嵌合を調整することによって、正確な位置合わせを保証し、取り付け効率および速度を向上させることができる。
【0021】
支持桁4はスリーブ6に接続(例えば、固定接続、挿着など)され、かつスリーブ6は支持桁4を貫通しており、スリーブ6の内壁にはスライド可能な伸縮ポスト10が挿着されている。支持桁4は固定プレート1によって吊具に固定されているため、スリーブ6及び伸縮ポスト10が垂直方向に沿って相対的に移動し、伸縮ポスト10を上下に動かせて、さらに伸縮ポスト10の下端に接続されている下横桁18を上下に動かせて、下横桁18に接続されているキャリッジ23をさらに垂直方向に沿って上下に動かせる。これによって、キャリッジ23に載置されている、ブームに接続されているパレットおよびブームナットの高さを垂直方向に調整することを実現できる。即ち、トレイおよびブームナットの載置が完了して下横桁18を90度回転させた後、ブームの取り付け高さに応じてトレイおよびブームナットの高さを調整し、トレイを上向きに持ち上げることができる。従って、作業員が運搬及び持ち上げを行う必要がなく、作業員の負担を効果的に軽減する。
【0022】
ここで、スリーブ6及び伸縮ポスト10の断面はいずれも矩形を採用し、スリーブ6が伸縮ポスト10に対して上下方向に相対的に移動する時に周方向に変位が発生する可能性を効果的に回避し、スリーブ6及び伸縮ポスト10における上下方向に相対的に移動する時の精度を強化し、さらに、トレイおよびブームナットをブームに正確に適合させることができる。
【0023】
本願の実施例では、支持桁4におけるスリーブ6に近い一端にはスクリューリフトが取り付けられ、スクリューリフトは、ねじロッド11によって、伸縮ポスト10がスリーブ6内に垂直方向に沿って相対的にスライドすることを動かせる。ここで、ねじロッド11は伸縮ポスト10と並列に平行に配置されている。従って、ねじロッドナットの回転運動を伸縮ポスト10の直線運動に変換し、伸縮ポスト10をスリーブ6において上下に移動させ、さらにキャリッジ23の高さ位置を調整することができる。
【0024】
具体的には、スクリューリフトは、支持桁4の上面に固定取り付けられ、ねじロッド11の一端は、支持桁4を貫通した後、ピン軸によって接続ロッド13の一端に接続され、接続ロッド13の他端は、ピン軸によって伸縮ポスト10に接続され、ねじロッド11は回転しない。すなわち、支持桁4の上面の中央部には支持シムプレート7が固定接続され、スクリューリフトは支持シムプレート7にねじ接続されている。具体的には、スクリューリフトにおける四隅には、いずれも、位置決め可能な位置決めボルト9がねじ穿設され、位置決めボルト9はスクリューリフト8の一端を貫通して支持シムプレート7にねじ接続されている。スクリューリフト8の内部ウォームホイールはスライド可能なねじロッド11に接続され、ウォームホイールの回転によってねじロッド11の伸縮を実現する。ねじロッド11の底部には接続ロッド上位継手12が固定接続されており、接続ロッド上位継手12はピン軸によって接続ロッド13の一端に回動接続されている。ここで、接続ロッド13の端部にはU字形の開口の接続継手が設けられており、ねじロッド11の扁形ヘッドはU字形の開口に挿入され、ピン軸によってU字形の開口の側壁におけるピン孔及び接続孔における貫通孔を通過した後、接続ロッド上位継手12と接続ロッド13の接続部とを同軸で回転して接続している。
【0025】
接続ロッド13の他端には位置決めを行うU字形の接続ロッド下位継手14が固定接続され、U字形の接続ロッド下位継手14のU字形の開口の側壁には貫通孔が設けられ、伸縮ポスト10の外面には固定接続プレート15が設けられ、固定接続プレート15にはピン孔が設けられている。固定接続プレート15はU字形の接続ロッド下位継手14のU字形の開口に挿入され、固定接続プレート15におけるピン孔をU字形の接続ロッド下位継手14における貫通孔と同軸心にした後、ピン軸を挿入し、U字形の接続ロッド下位継手14と固定接続プレート15との回転接続を実現する。すなわち、ねじロッド11は接続ロッド13によって伸縮ポスト10に接続されており、ねじロッド11は上下移動プロセスにおいて伸縮ポスト10を上下方向に移動させるようにする。ここで、スクリューリフトはウォームホイールウォーム機構によってねじロッド11を上下に動かせる。
【0026】
本願では、伸縮ポスト10の側壁下部には、上下方向に沿って、2つの支持耳板25が並列に取り付けられ、支持耳板25には副スクリューリフト20を取り付けるためのピン孔があり、下横桁18には、適合な位置において、回転可能な位置決め軸21が取り付けられ、対応的に、桁吊り上げ装置のブームトレイ及びブームナットの取り付け装置は、副スクリューリフト20をさらに含み、副スクリューリフト20は底座を回転することによって2つの支持耳板25に取り付けられ、副スクリューリフト20における駆動スクリューはピン軸を介して位置決め軸21に接続され、副スクリューリフト20は駆動スクリューの移動によって、下横桁18を伸縮ポスト10の軸線に沿って90度回転させた後、下横桁18及びキャリッジ23は吊具のブームの直下に位置することができる。
【0027】
具体的には、副スクリューリフト20はウォームホイールウォーム機構によって駆動スクリューの移動を動かせ、駆動スクリューの移動に伴い、下横桁18とキャリッジ23は伸縮ポスト10の軸線に沿って回転し、且つ副スクリューリフト20は、それと支持耳板25に回転接続されている軸線に沿って同期して回転し、キャリッジ23を90度回転するまで、支持桁4、伸縮ポスト10とともにコ字形フレームを形成する。
【0028】
本願では、前記伸縮ポスト10の下端には固定軸16が設けられ、下横桁18には固定スリーブ17が設けられ、固定軸16は、下横桁18を固定軸16の軸線に沿って回転できるように、固定スリーブ17に回転して接続され、固定軸16の下部には固定スリーブ17の脱落を防ぐための2つの位置制限ナット19がある。具体的には、伸縮ポスト10の底部には固定軸16が固定接続され、固定軸16の外面の下部には雄ねじが設けられている。下横桁18には1つの固定スリーブ17が固定接続され、固定スリーブ17の軸線は垂直方向に沿うものであり、固定軸16が固定スリーブ17に挿入された後、固定軸16の端部は固定スリーブ17を伸ばし、位置制限ナット19によって固定軸16の外面の雄ねじに接続され、固定スリーブ17と固定軸16を固定し、固定スリーブ17が滑り落ちることを避ける。使用プロセスにおいて、固定軸16と固定スリーブ17を回転接続し、下横桁18と固定軸16との間の相対的な回転によって、下横桁18の水平面での位置を調整し、キャリッジ23をブームの下方に調整し、トレイおよびブームナットとブームとの取り付けを容易にする。
【0029】
本願では、キャリッジ23と下横桁18との間には固定接続してもよいし、取り外し可能に接続してもよい。伸縮ポスト10の他側において、下横桁18には取り付け装置の荷重バランスを実現するためのカウンターウェイトを載置することもできる。下横桁18におけるキャリッジ23が接続されている一端、および、カウンターウェイトユニットが載置されている一端は同じ接続構造を採用してもよいし、異なる接続構造を採用してもよい。本願では、キャリッジ23と下横桁18との接続は固定接続を採用し、カウンターウェイトユニットが載置されている一端には取り外し可能、調整可能な可動接続を採用している。
【0030】
具体的には、桁吊り上げ装置のブームトレイおよびブームナットの取り付け装置は、前記下横桁18に位置しており、下横桁18の他側に位置するカウンターウェイトユニットをさらに含む。従って、カウンターウェイトユニットはキャリッジ23と対称して伸縮ポスト10の両側に分布され、下横桁18の固定軸16周りの回転に伴い、カウンターウェイトユニットとともに回転し、それによって取り付け装置の構造安定性を強化する。
【0031】
本願では、下横桁18におけるカウンターウェイトユニットが載置されている一端は、下横桁18に載置されているカウンターウェイトユニットが取り外せるように、案内筒によって下横桁の固定スリーブ17に接続され、固定軸16と回転して接続され、案内筒は下横桁18におけるカウンターウェイトユニットが載置されている一端に嵌着されている。
【0032】
ここで、下横桁18をキャリッジ23の反対方向に延伸することによって、カウンターウェイトユニットの載置棚として、カウンターウェイトユニットをカウンターウェイト載置棚に載置させ、案内筒とカウンターウェイトユニットを一体とし、取り付け装置の構造安定性をさらに強化する。なお、カウンターウェイトユニットは必要に応じてカウンターウェイトブロックを設け、キャリッジ23に設けされているパレットとブームナットの重量に応じてカウンターウェイトブロックを調整することができる。
【0033】
いくつかの選択可能な実施例では、下横桁18におけるカウンターウェイトユニットが載置されている一端には位置決めピンがさらに設けられており、ここで、位置決めピンはカウンターウェイトユニットを載置するホルダを挿着するために使用され、これによって、輸送プロセスにおいて、取り外して車を積み込むことができ、使用プロセスにおいて、迅速な着脱が容易にする。
【0034】
本願では、キャリッジ23はフレーム構造であり、形材を溶接してなるものであり、キャリッジ23の長手方向に沿って3つの格子を区画し、ここで、両端の2つの格子は中空なものであり、パレット案内ロッド27によってナットパレット26が懸架され、ナットパレット26にはブームナットが載置され、ナットパレット26の上方の対応するフレームにはトレイが載置して固定され、キャリッジが吊具のブームの直下に回転して所定の位置に吊り上げられた後、トレイを吊具のブームに自動的に取り付け、その後、ナットパレット26におけるブームナットはブームの下部にねじ接続され、取り付けが完了した後、下横桁18とトレイを15cn程度下げて、トレイをキャリッジ23から分離することが必要である。
【0035】
本願では、パレット案内ロッド27は固定ナット28によってキャリッジ23に固定接続され、ナットパレット26は上端が開口するコ型構造であり、コ型構造に載置されるブームナットの落下を防止するために、コ型構造の側壁には掛孔が設けられ、キャリッジ23の下底面には吊り下げループ29が溶接され、掛孔と吊り下げループ29との間には引張りバネ30によって接続され、コ型構造に載置されるブームナットと吊具のブームとの接触受力を緩衝し、且つキャリッジ23の受力が過大になることを防止する。ここで、引張りバネ30とパレット案内ロッド27の数は同じであり、且つ各引張りバネ30は1つのパレット案内ロッド27と並列に取り付けられている。パレット案内ロッド27の下端には2つのロックナット31が並列に取り付けられており、引張りバネ30の作用によって、コ型構造に載置されるブームナットが吊具のブームに接触する前に、ナットパレット26の下面とロックナット31との間隔は[10、20]である。
【0036】
本願では、各ナットパレット26は4本のパレット案内ロッド27によってキャリッジに吊り上げられ、4本のパレット案内ロッド27とキャリッジは取り外し可能に接続され、且つナットパレット26の軸方向に沿って均等に分布されている(ナットパレット26の四隅に位置している)。ナットパレット26の中央部には、吊具のブームの直径よりも大きな直径を有する貫通孔が設けられている。
【0037】
本願では、トレイは円形であってもよいし、矩形であってもよい。トレイが円形である場合、円形のトレイは、キャリッジ23のフレームに取り付けられる位置決めポスト32によって位置決めされ、円形のトレイが滑り落ちることを防止する。具体的には、キャリッジ23の両端の中空な格子に対応するフレームには、4つの位置決めポスト32が軸方向に沿って均等に分布され、4つの位置決めポスト32の中心はナットパレット26の中心と同軸であり、且つ各位置決めポスト32は円形のトレイの外縁から[10、15]の距離に位置し、円形のトレイの載置と取り付け時に位置合わせる。ここで、位置決めポスト32は階段軸状であり、且つ小端がキャリッジ23のフレーム構造を通過した後、締付ナット33によってキャリッジ23を固定する。
【0038】
本願では、取り付け装置は、初回使用プロセスにおいて、先に、固定ボルト3によって装置を吊具の一方に固定し、吊具の他方の側にカウンターウェイトを適宜に設け、吊具のバランスを保証する。桁吊り上げ装置の吊具が橋桁の箱桁を吊り上げる時に、吊り上げに必要なトレイおよびブームナットをそれぞれキャリッジ23とナットパレット26に載置させ、副スクリューリフト20によって下横桁18及びキャリッジ23を支持桁4に垂直な位置に調整させ、その後、吊具を桁面に下げ、桁面から5cmほど離れ、副スクリューリフト20を起動して下横桁18及びキャリッジ23を90度回転させ、キャリッジ23を吊具のブームの下方に位置させ、その後、スクリューリフト8を起動し、キャリッジ23の高さを調整するとともに、ブーム位置を調整してトレイの中間の孔に位置合わせ、トレイをブームに取り付ける。その後、スクリューリフト8を起動し、キャリッジ23の高さ調整を続けて、ブームナットが吊具のブームの下部に接触するまで停止し、作業員がブームナットを回転させてブームナットをブームの底部に取り付ける。この場合、ブームナットの上部とトレイの空間的な状況に応じてスクリューリフト8を操作してキャリッジを適切に上昇させ、ブームナットが所定な位置に調整された(ブームの端部がブームナットから少なくとも30突出した)後、スクリューリフト8を操作し、下横桁18及びキャリッジ23を下降させ(一般的には15cm下降する必要がある)、キャリッジ23をトレイから完全に離脱させることもできる。トレイおよびブームナットの取り付けプロセスが終了し、桁吊り上げ装置ブームトレイは箱桁を持ち上げ、この取り付け装置は箱桁の内部から移動する必要がない。トレイおよびブームナットの取り外しプロセスは、取り付けプロセスと逆になる。
【0039】
トレイおよびブームナットの取り外しが完了した後、桁吊り上げプロセスが終了し、この取り付け装置は吊具から取り外す必要がないが、トレイおよびブームナットとキャリッジ23を確実に固定すべき、桁吊り上げ装置の運転中にトレイおよびブームナットが脱落することが防止する。
【0040】
この取り付け装置の取り付け時に、支持桁4の中心はブームに正対して取り付けられ、1つの吊具は2つのこの取り付け装置を対応して取り付けられるが、2つのこの取り付け装置の支持耳板25の方向が異なり、2つの取り付け装置の支持耳板25は支持桁4の延在方向に沿って左右対称に取り付けられる。同じ吊具における2つの取り付け装置が取り付けられた後、この支持耳板25は対面するものである。この装置の下横桁18が回転する前に、2つのこの取り付け装置の下横桁18は高さ方向に位置をずらすべきである。箱桁のトレイ吊り上げプロセスおよびブームナットの取り付けプロセスにおいて、下横桁18を回転する必要がある場合、桁端に向かって、左の取り付け装置は90度左に回転して、左の2本のブームの下方に回転しており、右の取り付け装置は90度右に回転して、右の2本のブームの下方に回転する。
【0041】
本願では、1つの桁吊り上げ装置には2つの吊具があり、一般的には4つのこの取り付け装置を取り付ける必要がある。取り付け装置におけるスクリューリフト(スクリューリフト8および副スクリューリフト20)はいずれもモータ駆動を採用し、且つ無線制御操作を採用している。
【符号の説明】
【0042】
1 固定プレート
2 底座
3 固定ボルト
4 支持桁
5 リブプレート
6 スリーブ
7 シムプレート
8 スクリューリフト
9 位置決めボルト
10 伸縮ポスト
11 ねじロッド
12 接続ロッド上位継手
13 接続ロッド
14 接続ロッド下位継手
15 固定接続プレート
16 固定軸
17 固定スリーブ
18 下横桁
19 位置制限ナット
20 副スクリューリフト
21 位置決め軸
22 位置決め座
23 キャリッジ
24 底プレート
25 支持耳板
26 ナットパレット
27 パレット案内ロッド
28 固定ナット
29 吊り下げループ
30 引張りバネ
31 ロックナット
32 位置決めポスト
33 締付ナット