(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】サーバ及び販売方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240620BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2019238384
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-087185(JP,A)
【文献】特開2017-054283(JP,A)
【文献】特開2016-040649(JP,A)
【文献】特開2017-058862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力装置および商品の販売処理を行う販売用装置と通信可能なサーバであって、
前記出力装置はディスプレイを含み、
前記サーバは、
前記ディスプレイに複数の商品を選択可能に表示させ、表示させた前記商品の中から1以上の前記商品を購入するための選択を行うユーザ操作を示す信号の入力を受け付け、
前記商品の購入用の情報を前記出力装置に出力させ、
前記商品の購入用の情報は、前記商品の販売用装置へのアクセス情報と、前記商品
の属性を指定して前記商品が選択状態であることを示す情報と、を含み、
前記選択された前記商品の画像と関連付けて前記情報を表すコードを前記ディスプレイに表示し、
前記販売用装置は、前記ディスプレイに表示された前記コードを読み取り可能な読取装置と通信可能であり、
前記読取装置は、前記コードを読み取ることで、前記販売用装置に前記商品の購入の操作を示す信号を送信するとともに、前記出力装置に出力させた前記商品の属性を購入対象の商品の属性として前記販売用装置に送信するための処理を行い、
前記サーバは、前記販売用装置から前記商品の購入の完了の通知を受け取ることを含む
サーバ。
【請求項2】
前記複数の商品を表示させることは、前記複数の商品のうちの少なくとも前記選択された商品をユーザが試着した状態を表した試着画像を表示させることを含む
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記複数の商品を表示させることは、複数の商品によって構成される組み合わせを複数、選択可能に表示させることを含み、
前記購入のための選択を受け付けることは、前記組み合わせの選択を受け付けることを含み、
前記選択された商品に関する情報を出力させることは、前記組み合わせを構成する複数の商品ごとに前記コードを表示させることを含む
請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記複数の商品を表示させることは、複数の商品によって構成される組み合わせを複数、選択可能に表示することを含み、
前記購入のための選択を受け付けることは、前記組み合わせの選択を受け付けることを含み、
前記選択された商品に関する情報を出力させることは、前記組み合わせを構成する複数の商品それぞれについての前記情報を含む1つの前記コードを表示させることを含む
請求項1~3のいずれかに記載のサーバ。
【請求項5】
前記出力装置に出力させた前記購入用の情報を用いて前記販売用装置へのアクセスがなされたことの通知を前記販売用装置から受け取る
請求項1~4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記販売用装置へのアクセスがなされたことの通知を受信することによって、前記出力装置の前記出力を前記選択された商品に関する情報から更新する
請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
販売された前記商品の情報を前記ユーザと関連付けて履歴情報として記憶し、
前記履歴情報に基づいて、前記ユーザに対して前記購入のための商品の候補を前記出力装置に出力させ、前記候補の中から前記商品の選択を受け付ける
請求項1~6のいずれかに記載のサーバ。
【請求項8】
商品の販売方法であって
出力装置および商品の販売処理を行う販売用装置と通信可能なサーバとを含み、
前記出力装置はディスプレイを含み、
前記サーバは、
前記ディスプレイに複数の商品を選択可能に表示させ、表示させた前記商品の中から1以上の前記商品を購入するための選択を行うユーザ操作を示す信号の入力を受け付け、
前記商品の購入用の情報を前記出力装置に出力させ、
前記商品の購入用の情報は、前記商品の販売用装置へのアクセス情報と、前記商品
の属性を指定して前記商品が選択状態であることを示す情報と、を含み、
前記選択された前記商品の画像と関連付けて前記情報を表すコードを前記ディスプレイに表示し、
前記販売用装置は、前記ディスプレイに表示された前記コードを読み取り可能な読取装置と通信可能であり、
前記読取装置は、前記コードを読み取ることで、前記販売用装置に前記商品の購入の操作を示す信号を送信するとともに、前記出力装置に出力させた前記商品の属性を購入対象の商品の属性として前記販売用装置に送信するための処理を行い、
前記サーバは、前記販売用装置から前記商品の購入の完了の通知を受け取ることを含む
販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ及び販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-162033号公報(以下、特許文献1)には、体形データを用いて試着画像を生成する仮想試着システムが開示されており、そのシステムを用いて通信販売システムを構築するアイディアが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
クレジット情報や購入した商品のサイズなどの、商品の購入に関してユーザが入力する情報の中には他人には知られたくない情報がある場合がある。しかしながら、通信販売システムを複数人が視認可能な状況で用いると、上のような情報が他人に見られてしまうおそれがある。そこで、商品の購入に関してユーザが入力する情報が漏洩しにくい販売システム及び販売方法を提供する。
【0005】
ある実施の形態に従うと、販売システムは、購入のために選択された商品に関する情報を出力する出力装置と、出力装置によって出力された情報を読み取る読取装置と、読取装置によって読み取られた情報に基づく処理を行う処理装置と、を備え、出力装置によって出力された情報は、商品の販売用の装置へのアクセス情報と、商品が選択状態であることを示す情報と、を含み、情報に基づく処理は、アクセス情報を用いて商品の販売用の装置へアクセスし、商品が選択状態であることを示す情報を販売用の装置に渡すことを含む。
【0006】
他の実施の形態に従うと、商品の販売方法は、購入のために選択された商品に関する情報を出力装置に出力させ、出力装置によって出力された情報を読取装置によって読み取り、読取装置によって読み取られた情報に含まれる商品の販売用の装置へのアクセス情報に基づいて、処理装置が販売用の装置へアクセスし、処理装置が、読取装置によって読み取られた情報に含まれる商品が選択状態であることを示す情報を販売用の装置に渡す。
【0007】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る販売システムの構成の一例を表した概略図である。
【
図2】
図2は、販売システムに含まれる処理装置の構成の一例を表した概略ブロック図である。
【
図3】
図3は、処理装置に記憶されているモデル画像データベース(DB)の構成の一例を表した概略図である。
【
図4】
図4は、処理装置に記憶されているユーザ画像DBの構成の一例を表した概略図である。
【
図5】
図5は、販売システムに含まれる端末装置の構成の一例を表した概略ブロック図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態に係る販売システムでの販売方法の流れの一例を表した図である。
【
図8】
図8は、処理装置が表示装置に試着画像を表示させる処理の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図9】
図9は、試着画像の生成方法を説明する図である。
【
図13】
図13は、第2の実施の形態に係る販売システムでの販売方法の流れの一例を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.サーバ及び販売方法の概要>
【0010】
(1)実施の形態に係るサーバは、出力装置と通信可能なサーバであって、商品に関する情報を出力装置に出力させることと、出力装置によって出力された商品を購入するためのユーザ操作を示す信号の入力を受け付けることと、前信号の入力に応じて、商品の販売処理を行う販売用装置に商品の購入の操作を示す信号を送信するとともに、出力装置に出力させた商品の属性を購入対象の商品の属性として販売用装置に送信するための処理を行うことと、を実行する。
【0011】
販売用装置に送信するための処理が実行されることによって、販売用装置に容易に購入の処理を行わせることができる。これにより、処理装置から出力装置など他の装置への購入用の情報の漏洩を抑えて販売のための処理を行わせることができる。
【0012】
さらに、商品が選択状態であることを示す情報を販売用装置に送信するための処理が実行されることによって、販売のための処理の際に、商品を選択状態とするための操作を不要とすることができ、操作を簡易にできる。
【0013】
(2)好ましくは、販売用装置に送信するための処理は、商品の購入用の情報を出力装置に出力させることを含み、商品の購入用の情報は、商品の販売用装置へのアクセス情報と、商品の属性を指定して商品が選択状態であることを示す情報と、を含む。
【0014】
(3)好ましくは、出力装置はディスプレイを含み、信号の入力を受け付けることは、ディスプレイに複数の商品を選択可能に表示させてその中から1以上の商品の購入のための選択を受け付け、商品の購入用の情報を出力装置に出力させることは、選択された商品の画像と関連付けて情報を表すコードをディスプレイに表示することを含む。コードは1次元又は2次元の画像であって、例えば、一次元のバーコードや二次元のバーコードである。読取装置は例えばカメラやカメラを搭載した端末装置などである。これにより、カメラなどの読取装置で容易に読み取ることができる。
【0015】
(4)好ましくは、複数の商品を表示させることは、複数の商品のうちの少なくとも選択された商品を読取装置のユーザが試着した状態を表した試着画像を表示させることを含む。これにより、ユーザは、実際に試着しなくても試着した状態を見ることができる。
【0016】
(5)好ましくは、複数の商品を表示させることは、複数の商品によって構成される組み合わせを複数、選択可能に表示させることを含み、購入のための選択を受け付けることは、組み合わせの選択を受け付けることを含み、選択された商品に関する情報を出力させることは、組み合わせを構成する複数の商品ごとにコードを表示させることを含む。商品の組み合わせが選択可能に表示されることで、ユーザは組み合わせで試着状態を確認したり購入を検討したりすることができる。その際に、複数の商品ごとにコードが表示されることによって、商品ごとに購入の要否を決定することができる。
【0017】
(6)好ましくは、複数の商品を表示させることは、複数の商品によって構成される組み合わせを複数、選択可能に表示させることを含み、購入のための選択を受け付けることは、組み合わせの選択を受け付けることを含み、選択された商品に関する情報を出力させることは、組み合わせを構成する複数の商品それぞれについての情報を含む1つのコードを表示させることを含む。商品の組み合わせが選択可能に表示されることで、ユーザは組み合わせで試着状態を確認したり購入を検討したりすることができる。その際に、複数の商品それぞれについての情報を含む1つのコードが表示されることによって、一括して商品ごとに購入の要否を決定することができる。
【0018】
(7)好ましくは、サーバは、出力装置に出力させた購入用の情報を用いて販売用装置へのアクセスがなされたことの通知を販売用装置から受け取る。販売用の情報は処理装置から出力装置へ漏洩しないため、出力装置側では処理装置によって販売用の装置にアクセスしたことが把握できないところ、この通知を受け取ることによって把握することができる。それにより、出力装置において下のような処理を行うことが可能になる。
【0019】
(8)好ましくは、サーバは、通知を受信することによって、出力装置の出力を選択された商品に関する情報から更新する。すなわち、処理装置が販売用の装置にアクセスしたことによって出力装置での出力を更新することができる。
【0020】
(9)好ましくは、サーバは、販売用装置において出力装置に出力させた情報に基づいて商品の販売が行われたことの通知を販売用装置から受け取る。販売用の情報は処理装置から出力装置へ漏洩しないため、出力装置側では処理装置からの情報に基づいて販売用の装置によって商品の販売が行われたことが把握できないところ、この通知を受け取ることによって把握することができる。それにより、出力装置において下のような、販売履歴を記憶するなどの処理を行うことが可能になる。
【0021】
(10)好ましくは、サーバは、販売された商品の情報をユーザと関連付けて履歴情報として記憶し、履歴情報に基づいて、ユーザに対して購入のための商品の候補を出力装置に出力させ、候補の中から商品の選択を受け付ける。これにより、出力装置では、ユーザが購入する可能性の高い商品を候補として出力することができる。
【0022】
(11)好ましくは、販売用装置に送信するための処理は、商品に対応付けて予め記憶している販売用装置のアクセス先に信号を送信するとともに商品の属性を送信することと、入力を受け付けた購入に必要な情報をメモリに格納し、購入に必要な情報を販売用装置のアクセス先に送信することと、アクセス先への送信の後にメモリから購入に必要な情報を削除することと、を含む。これにより、購入に必要な情報は販売用装置において取り扱われ、販売用装置のセキュリティが高い場合には漏洩を抑えることができる。また、サーバのメモリからは送信後に削除されることによって、サーバからの漏洩を防止できる。
【0023】
(12)実施の形態に係る販売方法は、商品に関する情報を出力装置に出力させ、出力装置によって出力された商品を購入するためのユーザ操作を受け付け、ユーザ操作に応じて、商品の販売処理を行う販売用装置に商品の購入の操作を示す信号を送信するとともに、出力装置に出力させた商品の属性を購入対象の商品の属性として販売用装置に送信するための処理を実行する。
【0024】
これにより、処理装置は、出力装置など他の装置への購入用の情報の漏洩を抑えて販売用装置へアクセスして販売のための処理を行うことができる。
【0025】
<2.サーバ及び販売方法の例>
【0026】
[第1の実施の形態]
【0027】
図1を参照して、本実施の形態に係る販売システム100は、処理装置1を含む。処理装置1は、インターネットなどの通信網2を介して後述の表示装置5と通信可能であって、表示装置5での表示を制御するサーバである。
【0028】
販売システム100は、表示装置5を含む。表示装置5は、商品に関する情報を出力する出力装置の一例である。表示装置5はディスプレイ54を有する。ディスプレイ54は矩形であって、長手方向が縦を向く向きに設置される。好ましくは、ディスプレイ54は等身大である。等身大とは、長手方向の長さが一般的な成人の身長よりも長いサイズを指し、例えば、長手方向の長さが150cm~200cmである。これにより、後述の試着画面を等身大で見ることができる。その結果、ユーザは、あたかも実際に試着しているように服飾品の装着状態を確認することができる。
【0029】
販売システム100は、さらに、端末装置6を含む。端末装置6はディスプレイ64を有する。端末装置6は、原則として他のユーザと共有することなく、通話やメッセージなどのコミュニケーションや、スケジュール管理などの個人的に用いる装置である。端末装置6は、例えば、スマートフォンやタブレットなどである。端末装置6は、通信網2を介して処理装置1と通信可能であるとともに、後述する処理において、販売用の装置7とも通信可能である。販売用の装置7は、服飾品などである商品を販売する業者が用いる装置であって、当該業者の会社などに設置されている。後述する処理において用いられる。
【0030】
図2を参照して、処理装置1は、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成される。メモリ12は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。処理装置1は、通信網2にアクセスするための通信装置13をさらに有する。
【0031】
メモリ12は、モデル画像データベース(DB)121と、ユーザ画像DB122と、購入履歴DB123と、を有する。モデル画像DB121は、後述するモデル画像データを登録するデータベースである。ユーザ画像DB122は、後述するユーザ画像データを登録するデータベースである。購入履歴DB123は、後述する購入処理による服飾品の購入履歴をユーザごとに登録するデータベースである。
【0032】
また、メモリ12は、プロセッサ11によって実行されるプログラム124を記憶している。なお、以降の説明では、
図2に示されたように、ユーザ画像DB122が処理装置1のメモリ12に記憶されているものとするが、ユーザ画像DB122は端末装置6や表示装置5にあってもよい。すなわち、ユーザ画像は、端末装置6や表示装置5に記憶され、端末装置6や表示装置5から読み出されるものであってもよい。
【0033】
図3を参照して、モデル画像DB121は、モデル画像を、商品名などの識別情報と、属性と、その服飾品を販売している装置のアクセス情報と、を付加して記憶している。属性は、例えば、サイズ、色、などの、商品を特定する情報である。
図3の例ではサイズが示されている。
【0034】
モデル画像は、服飾品を装着したモデルを被写体として撮影することによって得られた撮影画像である。モデルは、1以上の服飾品を装着している。2以上の服飾品は、全身がコーディネートされた服飾品群である。服飾品群は、例えば、ジャケット等のトップス、パンツやスカートなどのボトム、シャツやブラウスなどのインナー、スニーカーやサンダルなどの靴、帽子やマフラーやアクセサリーなどの装飾品、及び、バッグ、などのうちの1以上の組み合わせである。
【0035】
サイズは、モデルの装着している服飾品のサイズを特定する情報である。ここでは、服飾品のサイズが異なるモデル画像は、被写体であるモデルが異なってもよい。つまり、服飾品のサイズにあった体型のモデルの撮影画像であってよい。これにより、サイズごとに服飾品の着こなしを確認することが可能になる。
【0036】
服飾品を販売している装置のアクセス情報は、購入に必要な情報の送信先であって、例えば、販売会社の処理装置の通信網2におけるアドレスや、メールアドレス、販売用のウェブサイトのアドレス、などである。
【0037】
好ましくは、属性は、さらに、服飾品の適した性別や年齢帯や体型や顔の形や髪の長さ、などの適した服飾品に影響する属性を含んでもよい。これらの情報が服飾品を装着したモデル画像とともに登録されていることによって、後述する処理でユーザに適した服飾品を選択することができる。
【0038】
図4を参照して、ユーザ画像DB122は、ユーザ画像をユーザの識別情報とともに記憶している。ユーザ画像は、被写体としてユーザを撮影することによって得られた撮影画像を指す。ユーザ画像DB122に記憶されているユーザ画像には、さらに、被写体であるユーザの体型を示すデータが属性として付加されていてもよい。体型を示すデータは、例えば、身長及び、又は体重である。
【0039】
プロセッサ11は、プログラム124を実行することによって、表示装置5のディスプレイ54に服飾品を選択可能に提示する表示画面を表示させる処理を実行する。表示画面は試着画像を含む。試着画像は、表示装置5のユーザが1以上の服飾品を装着している状態を表した画像であって、服飾品を装着したモデル画像と、服飾品を装着していないユーザ画像とを用いて生成される画像である。これによりユーザは、実際に試着せずに試着した状態を確認することができる。
【0040】
詳しくは、プロセッサ11はプログラム124を実行することによって選択処理111を実行する。選択処理111は、表示装置5からユーザの服飾品の選択結果を示すデータを受信し、モデル画像DB121に記憶されている複数のモデル画像の中から、ユーザによって選択された服飾品を示す商品の情報が付加されたモデル画像を選択することを含む。
【0041】
選択処理111は、さらに、表示装置5からユーザの識別情報を受信し、ユーザ画像DB122に記憶されている複数のユーザ画像の中から、該当するユーザのユーザ画像を選択することを含む。ユーザの体型を特定する情報が得られる場合、選択処理111は、さらに、モデル画像DB121に記憶されている複数のモデル画像の中から、ユーザの体型に応じたサイズのモデル画像を選択することを含む。
【0042】
選択処理111は、さらに、表示装置5からユーザの識別情報を受信し、購入履歴DB123に登録されている購入履歴の中から該当するユーザの購入履歴を選択し、その購入履歴に基づいてモデル画像DB121に記憶されている複数のモデル画像の中からユーザに適した服飾品を装着しているモデル画像を選択することを含む。ユーザに適した服飾品を装着しているモデル画像を、以降、お勧め画像とも呼ぶ。
【0043】
お勧め画像は、例えば、購入履歴にある服飾品と同じブランドや同じ色や同じデザイナーなどである他の服飾品の画像である。お勧め画像が選択されることで、ユーザが購入する可能性のある服飾品をユーザに提案することができる。
【0044】
プロセッサ11はプログラム124を実行することによって抽出処理112を実行する。抽出処理112は、選択処理111によって選択されたモデル画像から、表示に用いる領域(以下、表示領域とも称する)を抽出する処理である。この処理を実行するために、プロセッサ11には、モデル画像中の、表示領域とする領域が、予め規定されている。これにより、表示領域を特定するための処理が不要となる。また、抽出処理112は、表示に用いるユーザ画像から表示領域を抽出することを含む。
【0045】
プロセッサ11はプログラム124を実行することによって配置処理113を実行する。配置処理113は、モデル画像の表示領域とユーザ画像の表示領域とを、予め設定された配置規則に応じて同一画面内に配置することによって試着画像を生成する処理である。
【0046】
プロセッサ11はプログラム124を実行することによって生成処理114を実行する。生成処理114は、商品購入のための情報を販売用の装置7に送信するための処理の一例である。生成処理114は、服飾品の画像と関連付けられた情報を表すコードを生成する処理である。生成処理114における、このような情報のコードへの変換方法は特定の方法に限定されず、様々な方法が採用され得る。
【0047】
生成処理114において、プロセッサ11は、表示装置5において選択状態とされた試着画像に用いられているモデル画像について、モデル画像DB121を参照して、画像データに付加して登録されている情報を読み出す。読み出される情報は、服飾品のサイズや色などの属性、及び、その服飾品を販売している装置のアクセス情報である。生成処理114では、これら読み出された情報がコードに変換される。
【0048】
コードは1次元又は2次元の画像であって、例えば、一次元のバーコードや二次元のバーコードである。また、コードは文字そのものでもよく、例えば、URL(Uniform Resource Locator)やメールアドレスなどの文字列であってもよい。
【0049】
コードに変換される情報は、さらに、その服飾品が選択状態であることを示すデータを含む。選択状態であることは、購入対象としてユーザ操作による指定を受け付けていることを含む。この情報がコードに含まれることによって、後述するように購入処理が容易になる。
【0050】
プロセッサ11はプログラム124を実行することによって送信処理115を実行する。送信処理115は、一連の処理によって生成された画面データを通信装置13に渡し、表示装置5に表示を指示する制御信号とともに送信させる処理である。画面データは、一例として予め記憶しているデータフォーマットに、上記の処理によって生成された試着画像を表示させるためのデータ及びコードを表示させるためのデータを埋め込むことによって生成される。これにより、表示装置5では画面が表示される。
【0051】
図5を参照して、端末装置6は、制御装置60と、ディスプレイ64と、入力装置67と、を含む。入力装置67は、一例としてタッチパネルであって、ディスプレイ64に重ねて設けられている。入力装置67は、ユーザ操作によってタッチされた位置を示す信号を制御装置60に入力する。また、端末装置6は、さらに、カメラ66を含んでもよい。
【0052】
制御装置60は、プロセッサ61とメモリ62とを有するコンピュータで構成される。メモリ62は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。端末装置6は、通信網2にアクセスするための通信装置63をさらに有する。
【0053】
メモリ62は、購入情報DB621を有する。購入情報DB621は、購入情報を登録するデータベースである。購入情報は、端末装置6のユーザが端末装置6を用いて購入処理を行うために必要な情報であって、氏名、商品の届け先、クレジットカードのナンバーなどの決済に必要な情報、認証情報、などを含む。また、メモリ62は、プロセッサ61によって実行されるプログラム622を記憶している。
【0054】
プロセッサ61は、プログラム622を実行することによって撮影処理611を実行する。撮影処理611は、入力装置67から受信した撮影を指示するユーザ操作を示す信号従ってカメラ66を制御する処理である。カメラ66は、プロセッサ61からの制御に従って動作し、撮影動作を行う。そして、撮影データをプロセッサ61に入力する。
【0055】
プロセッサ61は、プログラム622を実行することによって読出処理612を実行する。読出処理612は、撮影画像を解析して画像に含まれるコードを特定し、コードから情報を読み出す処理である。コードから情報を読み出す方法はコードの種類に応じた方法であって、コードへの変換方法と逆の方法になる。コードへの変換方法は特定の方法に限定されないため、コードから情報を読み出す方法もまた、特定の方法には限定されない。
【0056】
コードから読み出す情報の一つはアクセス情報である。また、読み出す情報は、アクセス情報の示すアクセス先の販売する服飾品についての属性である。また、読み出す情報は、その服飾品が購入対象として選択状態であることを示すデータを含んでもよい。
【0057】
プロセッサ61は、プログラム622を実行することによって購入処理613を実行する。購入処理613は、読出処理612によって読み取られた情報を用い、一般的な通信販売を行うための処理である。すなわち、購入処理613は、読出処理612によって読み取られたアクセス情報に示されるアクセス先に対して、そのアクセス情報が示す服飾品を購入することを示すデータを送信するとともに、購入情報DB621に登録されている購入情報を送信する。
【0058】
その際に、購入処理613では、読出処理612によって得られた属性を服飾品についての色やサイズなどの選択結果として送信する。これにより、購入対象の服飾品が指定された状態で販売する装置にデータが渡されるようになる。さらに、さらに色やサイズ等の属性が指定された状態でデータが渡されるようになる。そのため、ユーザは、販売用の装置7にアクセスした後に改めて色やサイズなどを指定する操作を行うことなく、購入のための操作が容易になる。
【0059】
なお、購入処理613においては、好ましくは、購入決定のユーザ操作を受け付けて、その操作に従って最終的な購入の指示をアクセス先に対して送信する。これにより、ユーザの最終的な意思決定に基づいて購入処理が行われるようになる。また、誤操作によって購入処理が行われてしまうことを防止できる。
【0060】
図6を用いて、販売システム100での販売方法について説明する。すなわち、
図6を参照して、表示装置5は、図示しない入力装置によってユーザから一連の処理の開始の指示を受け付けると(ステップS11)、処理装置1に対して、処理の開始を指示する信号を、そのユーザの識別情報とともに送信する(ステップS13)。
【0061】
例えば、表示装置5は初期画面としてホーム画面を表示し、ホーム画面において様々な処理の開始を指示するアイコンを提示する。アイコンの1つに、服飾品の試着画像を見る処理又は服飾品を購入する処理の実行を指示するアイコンが含まれ、そのアイコンが選択されることによって、ステップS11の開始の指示を受け付ける。
【0062】
好ましくは、ホーム画面の表示にあたって、又は、その他のタイミングで、表示装置5ではユーザ認証が行われる。これにより、ユーザが特定され、ステップS13でユーザの識別情報を送信することができる。ユーザ認証は、一般的な認証情報の入力を受け付けて認証処理を行うものであってもよいし、表示装置5に図示しないカメラなどのセンサが搭載されている場合、センサで得られた情報と予め登録されている認証情報とを照合することで認証処理が行われてもよい。
【0063】
ステップS13の信号を表示装置5から受信すると、処理装置1は表示処理を実行し、表示装置5のディスプレイ54で画面を表示させるための画面データを生成する(ステップS15)。ステップS15で生成された画面データは表示装置5に送信される(ステップS17)。表示装置5では、画面データに含まれる指示信号に従って、画面データに基づく画面をディスプレイ54に表示する(ステップS19)。
【0064】
ステップS19では、表示装置5のディスプレイ54に、例えば、
図7に示される画面551が表示される。
図7を参照して、画面551は、ユーザに適した服飾品として提案するお勧め画像を選択可能に表示する領域552と、選択された服飾品を表示する領域553とを含む。
図7の例では、領域552にお勧め画像5521,5522,5523の3つの画像が表示されており、いずれかの画像をタッチすることで選択可能であるものとする。
【0065】
領域552にお勧め画像を表示させるため、ステップS15の表示処理において処理装置1のプロセッサ11はステップS13で受信したユーザの識別情報を用いてユーザ画像DB122からユーザの属性を読出し、その属性に適した服飾品をモデル画像DB121から決定する処理を実行する。これにより、ステップS19で
図7の画面551が表示され、ユーザは、自分の属性から適した服飾品と決定された服飾品を見ることができる。なお、領域552に表示される画像はモデル画像そのものであってもよいし、ユーザ画像を用いた試着画像であってもよい。
【0066】
表示装置5は、ステップS19でディスプレイ54に表示した画面より、服飾品を選択するユーザ操作を図示しない入力装置によって受け付ける(ステップS21)。ユーザ操作を受け付けた表示装置5は、操作によって選択された結果を示すデータを処理装置1に送信する(ステップS23)。
【0067】
ステップS23で送信されたデータを受信すると、処理装置1のプロセッサ11は、表示装置5のディスプレイ54に試着画面を表示させる処理を実行する(ステップS25)。ステップS25の処理については、
図8を用いて具体例を説明する。すなわち、
図8を参照して、処理装置1のプロセッサ11は、ステップS13で受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザ画像DB122からそのユーザのユーザ画像を抽出する(ステップS101)。
【0068】
次に、プロセッサ11は、ユーザ画像DB122にユーザ画像とともに記憶されているユーザの属性を抽出する(ステップS103)。ここでは、身長、体重などの体型を示す属性が抽出される。そして、プロセッサ11は、抽出した属性を用いて、選択された服飾品のうちのユーザの体型に適したモデルの装着しているモデル画像を、モデル画像DB121より選択する(ステップS105)。これにより、ユーザに適した服飾品であって、ユーザの体型に応じた服飾品を装着したモデル画像が選択される。
【0069】
次に、プロセッサ11は、ステップS101で抽出されたユーザ画像及びステップS107で決定されたモデル画像それぞれについて表示領域を抽出し(ステップS107)、配置する(ステップS109)。これにより試着画像が生成される。
【0070】
なお、ステップS107、S109の処理については、
図9を用いて具体例を説明する。すなわち、
図9を参照して、プロセッサ11は、モデル画像31から表示領域311を抽出する。また、ユーザ画像32から表示領域321を抽出する。このとき、モデル画像31及びユーザ画像32中の人物のサイズが異なる場合、プロセッサ11は、人物のサイズが同じになるように画像のサイズ調整をした上で表示領域を抽出する。
【0071】
モデル画像31とユーザ画像32とは同じサイズであって、表示領域311と表示領域321とは、モデル画像31及びユーザ画像32の画像のサイズに対して設定されている境界線BOを挟む関係にある。すなわち、表示領域311は境界線BOよりも下、つまり、被写体であるモデルが服飾品を装着している部位を含む側、つまり、首から下の領域である。表示領域321は境界線BOよりも上、つまり、被写体であるユーザの顔を含む側の領域である。
【0072】
プロセッサ11は、画面540に表示領域311と表示領域321とを配置する。画面540はモデル画像31及びユーザ画像32と同じサイズであって、境界線BOに相当する境界を挟むように表示領域311と表示領域321とを配置する。すなわち、境界線BOに相当する境界よりも下の領域542に表示領域311を配置する。境界線BOに相当する境界よりも上の領域541に表示領域321を配置する。これにより、首から上はユーザの画像、首から下は服飾品を装着したモデル画像、つまり、モデル画像の顔部分がユーザの顔画像に置き換わった試着画像が表示されるようになる。
【0073】
さらに、プロセッサ11は、ステップS105で選択されたモデル画像で装着されている服飾品について、購入処理を行うための上記のコードを生成する(ステップS111)。そして、ステップS109までで生成された試着画像とステップS111で生成されたコードとを用いて画面データを生成する(ステップS113)。
【0074】
図6に戻って、プロセッサ11は、
図9に示されたようにして生成された試着画像を含む画面データを生成し、画面データに基づく画面の表示を指示する制御信号とともに表示装置5に送信する(ステップS27)。ステップS27で送信された画面データを受信した表示装置5は、制御信号に従ってディスプレイ54に表示された画面を更新する(ステップS29)。
【0075】
ステップS29では、ディスプレイ54に表示された
図7の画面551が
図10の画面551Aに更新される。
図10の画面551Aは、
図7の画面551において、お勧め画像5523が選択されると更新される画面の例を表している。
【0076】
図10を参照して、領域552では、お勧め画像5521,5522,5523のうちのお勧め画像5523が選択されたことを示すように表示態様が変更されている。また、領域553には、お勧め画像5523で示された服飾品を装着したモデル画像とユーザ画像とを用いた試着画像が表示されている。
【0077】
なお、
図10の例では、お勧め画像5521,5522,5523は、いずれも、複数の服飾品の組み合わせを装着したモデル画像である。つまり、試着画像に用いられる服飾品は1つであってもよいし、複数の服飾品の組み合わせであってもよい。また、
図10に示されたように、複数の服飾品の組み合わせを複数、選択可能に提示してもよい。
【0078】
画面551Aには、さらに、試着画像で用いられた服飾品を購入するための情報としてのコードが表示されている。
図10の例では、試着画像に服飾品としてトップスとボトムとの組み合せを装着したモデル画像が用いられている。そのため、画面551Aには、トップスを購入するためのコード554と、ボトムを購入するためのコード555との2つのコードが含まれている。好ましくは、
図10に示されたように、服飾品の商品名や色やサイズなどの属性が表示される。これにより、ユーザは、画面551Aを見ただけで試着画像に用いた服飾品を把握することができる。
【0079】
なお、試着画像に複数の服飾品が用いられている場合、
図10に示されたように、これら服飾品すべてを一括して購入するための1つのコード556が表示されてもよい。コード556は、各服飾品についての属性やアクセス情報を1つのコードに変換することによって生成される。これにより、これら服飾品を一括して購入する場合には、後述する操作で複数のコードの一つ一つに対する操作が不要となり、操作がより簡易となる。また、服飾品ごとのコード554,555と1つのコード556との両方が画面551Aに表示されていることで、ユーザはどちらの操作も選ぶことができる。
【0080】
又は、服飾品ごとのコード554,555に替えて服飾品すべてを一括して購入するため1つのコード556のみが表示されてもよい。これにより、画面551Aの構成がシンプルになり一括して購入する場合に見やすくなる。
【0081】
ステップS29で表示装置5のディスプレイ54に
図10の画面551Aが表示されると、ユーザは、画面551Aの試着画面を見て試着した場合のイメージを得ることができる。そして、ユーザは、そのイメージに基づいて服飾品を購入するか否かを検討できる。購入する場合、ユーザは、携帯している端末装置6を用いて、購入のための操作を行う。その際、好ましくは、端末装置6では、販売システム100における購入の操作を行うためのアプリケーションの起動が指示され、プロセッサ61がプログラム622を起動する。
【0082】
図6を参照して、端末装置6では、プログラム622を実行している状態において入力装置67によって購入の指示するユーザ操作を受け付けると(ステップS31)、プロセッサ61はカメラ66に撮影動作を行わせる(ステップS33)。ステップS31,S33では、ユーザが表示装置5のディスプレイ54に表示された、購入対象の服飾品のコードに向けてカメラ66を構えて図示しない購入を指示するボタンを操作することが想定されている。そのため、ステップS33では、購入対象の服飾品のコードを含む撮影データが得られることが想定されている。
【0083】
ステップS33の撮影によって撮影データが得られると、プロセッサ61は撮影データを解析してコードを特定し、そのコードに基づいてアクセス先などの情報を読み出す(ステップS35)。ステップS35では、アクセス先に加えて、購入対象の服飾品のサイズや色などの属性も読み出される。また、プロセッサ61は、購入情報DB621からユーザ名や送り先やクレジットカードの番号などの購入に必要な情報を読み出す。
【0084】
好ましくは、ステップS35でコードから情報を読み出すと、プロセッサ61はディスプレイ64に、
図11に示されるような購入用の画面561を表示する。画面561を表示するため、プロセッサ61はステップS35で読み出されたアクセス先にアクセスして購入用の画面を取得する。そして、ステップS35で読み出された商品名やサイズや色などの属性を画面データに入力した画面データを生成して、ディスプレイ64に表示する。
【0085】
詳しくは、
図11を参照して、画面561は、購入対象の服飾品を販売するウェブサイトの画面であって、サイズ、色、及び、数量などの購入対象の商品を特定する情報を表示する領域562と、クレジットカードの番号やユーザ名などの購入に必要な情報を表示する領域563と、購入を指示するボタン564と、を含む。
【0086】
領域562の各項目はコードから読み取られた情報が入力されている。領域563の各項目は、購入情報DB621から読み出された購入情報が入力されている。端末装置6のディスプレイ64に画面561が表示されることで、ユーザは、購入情報を入力する操作を行うことなく必要な情報を見ることができる。好ましくは、領域562は、予め入力されているコードから読み取られた情報に加えて、他の選択肢も選択可能に表示する。また、領域563は、予め入力されている購入情報DB621から読み出された購入情報を、変更可能に表示する。これにより、ユーザは、予め入力されている情報を変更したり追加したりすることが可能になり、商品購入の作業を柔軟に行うことができる。
【0087】
次に、プロセッサ61は、ステップS35で読み出したアクセス先に購入情報DB621から読み出された購入情報を送信するとともに、購入対象の服飾品を指定して処理を指示する(ステップS37)。これにより、ユーザは、購入情報を入力する操作を行うことなく購入を指示することができる。
【0088】
好ましくは、プロセッサ61は、画面561において購入を指示するボタン564がタッチされるとステップS37を実行する。これにより、ユーザの最終的な操作に基づいて購入処理が行われるようになる。そのため、誤操作によって購入処理が行われることが防止される。また、ユーザの操作に従って購入を中止することもできる。
【0089】
図6にも示されたように、表示装置5に表示された服飾品を購入する処理は、表示装置5や処理装置1を介して行われず、端末装置6と販売用の装置7との間で行われる。そのため、表示装置5や処理装置1に販売情報が漏洩しない。
【0090】
表示装置5は、例えば家庭内や店舗に設置され、複数人によって用いられることが想定される。また、上記したようにディスプレイ54が大型であることが想定されているため、表示内容がユーザ以外からも視認される可能性がある。そのため、表示装置5に販売情報が渡されると、表示装置5を利用するユーザ以外の第三者が入手したり、表示された販売情報をユーザ以外の第三者が盗み見たりするおそれもある。これは、処理装置1についても同様である。クレジットカードの番号や商品の送付先などの購入情報は高度なセキュリティを要する情報であり、漏洩を避けることが望ましい。
【0091】
その点、購入情報が表示装置5や処理装置1に漏洩しないことで、購入情報の意図しない第三者への漏洩を防ぐことができ、高度なセキュリティを維持することができる。
【0092】
一方で、表示装置5に表示された服飾品を購入する処理が、表示装置5や処理装置1を介さずに、端末装置6と販売用の装置7との間で行われるため、処理装置1等は購入に関する情報が得られない。そのため、好ましくは、処理装置1は、ステップS37で送信された購入情報を受信した販売用の装置7から、端末装置6がアクセスしたことの通知を受け取る(ステップS39)。この通知は、端末装置6がアクセス先にアクセスしたことによって、端末装置6から処理装置1に送信されてもよい。
【0093】
ステップS39の通知が行われることで、この通知を受けた処理装置1は、表示装置5のディスプレイ54に表示された画面を更新する処理を実行することができる(ステップS41)。一例として、この処理によって、表示装置5のディスプレイ54に表示された画面551Aは、
図12の画面571に更新される。画面571は、端末装置6が販売用の装置7に対して購入を指示し、購入処理中であることを表す画面である。これにより、表示装置5の表示によって購入処理中を知ることができる。
【0094】
さらに、好ましくは、処理装置1は、ステップS37で送信された購入情報に従って購入処理を完了した販売用の装置7から、購入の完了の通知を受け取る(ステップS43)。この通知は、端末装置6が販売用の装置7から購入処理の完了の通知を受け取ることによって、端末装置6から処理装置1に送信されてもよい。なお、この通知は、処理装置1から表示装置5を管理する図示しない管理装置にさらに転送されてもよい。又は、販売用の装置7がさらに上記の管理装置に通知を送信してもよい。この通知は、上記の管理装置での演算に用いられてもよい。演算は、例えば、販売用の装置7又は販売用の装置7を管理する図示しない管理装置に請求する販売手数料を算出する演算、などを含む。
【0095】
購入完了の通知には、少なくとも、購入した服飾品を特定する情報が含まれている。好ましくは、購入完了の通知には、購入した服飾品のサイズや色などの属性が含まれている。一方、購入完了の通知には、クレジットカードの番号や商品の送付先などの購入情報は含まれない。これにより、高度なセキュリティを要する情報を処理装置1に漏洩させることなく、処理装置1での後述の処理を可能とすることができる。
【0096】
すなわち、ステップS43の通知が行われることで、処理装置1は、表示装置5のユーザに関して購入履歴DB123に登録されている購入履歴を更新することができる(ステップS45)。ステップS45では、具体的には、通知に含まれた服飾品を特定する情報を購入履歴として購入履歴DB123に登録する。
【0097】
購入履歴が更新されることによって、処理装置1のプロセッサ11は、お勧め画像を決定する際に、さらに、購入履歴を用いて決定することができる。例えば、購入の頻度の高い色を選択する、などが挙げられる。これにより、よりユーザに適した服飾品をお勧め画像として決定することができる。
【0098】
[第2の実施の形態]
【0099】
処理装置1のプロセッサ11の実行する商品購入のための情報を販売用の装置7に送信するための処理は、コードの表示の他の処理であってもよい。他の例として、プロセッサ11はプログラム124を実行することによって送信処理115を実行してもよい。第2の実施の形態での送信処理115は、商品に関連付けて予め記憶している販売用の装置7のアクセス情報を用いて、購入に必要な情報を販売用の装置7に送信する。
【0100】
詳しくは、
図13を参照して、第2の実施の形態に係るシステム100では、処理装置1のプロセッサ11は表示装置5に試着画像を表示させる処理において、ユーザからの購入操作を受け付ける画面データを生成し(ステップS51)、表示装置5に送信する(ステップS53)。これにより、表示装置5のディスプレイ54には購入のための操作が可能な表示画面が表示される(ステップS55)。
【0101】
ステップS55では、例えば、
図14の画面551Bのような画面が表示される。
図14において、参照符号が
図10の画面551Aと同一のものは同一の表示である。画面551Bは、試着画像に含まれる各服飾品の購入を指示するためのボタン572,573を含む。好ましくは、画面551Aと同様に試着画像に含まれる複数の服飾品を一括して購入することを指示するためのボタン574を含む。
【0102】
これらボタン572,573,574に対するユーザ操作を受け付けると(ステップS57)、表示装置5から処理装置1に購入情報が送信される(ステップS59)。購入情報には、さらに、商品の送付先やクレジット情報などの購入に必要な情報が含まれる。これらの購入に必要な情報は、画面551Bに含まれる図示しない入力欄にて入力を受け付けてもよい。
【0103】
購入に必要な情報を受信した処理装置1は、これら情報をいったんメモリ12に格納し(ステップS61)、その服飾品に対応付けて予め記憶している販売用の装置7のアクセス情報を読み出す。そして、購入の指示とともに、試着画像に用いられた服飾品のサイズや色などの属性と、メモリ12に格納されている購入に必要な情報と、を販売用の装置7に送信する(ステップS63)。これにより、販売用の装置7では販売処理を行うことができる。具体的には、
図11の販売用の画面561を表示装置5やユーザの端末装置6に表示させて購入の操作を受け付けたり、属性の変更や追加などを受け付けたりする。
【0104】
なお、処理装置1のプロセッサ11は、ステップS63で購入に必要な情報を販売用の装置7に送信したのちに、メモリ12に記憶されている情報を削除する(ステップS65)。また、表示装置5のメモリにもこの情報が格納されている場合には、表示装置5のメモリからも削除する。これにより、クレジット情報などの秘匿性の高い情報の漏洩を抑えることができる。
【0105】
表示装置5に表示される画面551Bは、商品の送付先やクレジット情報などの秘匿性の高い情報の入力を受け付けないものであってもよい。ステップS59では表示装置5から処理装置1には試着画像に用いられた服飾品のサイズや色などの属性が渡される。商品の送付先やクレジット情報などの秘匿性の高い情報は、ユーザの端末装置6に表示された
図11の販売用の画面561にて入力されてもよい。この場合、表示装置5に秘匿性の高い情報が一時的にでも記憶されることがないため、表示装置5からの秘匿性の高い情報の漏洩を回避できる。
【0106】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 :処理装置
2 :通信網
5 :表示装置
6 :端末装置
7 :販売用の装置
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :通信装置
31 :モデル画像
32 :ユーザ画像
54 :ディスプレイ
60 :制御装置
61 :プロセッサ
62 :メモリ
63 :通信装置
64 :ディスプレイ
66 :カメラ
67 :入力装置
100 :販売システム
111 :選択処理
112 :抽出処理
113 :配置処理
114 :生成処理
115 :送信処理
121 :モデル画像DB
122 :ユーザ画像DB
123 :購入履歴DB
124 :プログラム
311 :表示領域
321 :表示領域
540 :画面
541 :領域
542 :領域
551 :画面
551A :画面
551B :画面
552 :領域
553 :領域
554 :コード
555 :コード
556 :コード
561 :画面
562 :領域
563 :領域
564 :ボタン
571 :画面
572 :ボタン
573 :ボタン
574 :ボタン
611 :撮影処理
612 :読出処理
613 :購入処理
621 :購入情報DB
622 :プログラム
5521 :画像
5522 :画像
5523 :画像
BO :境界線