(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】生体情報検出器
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20240620BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20240620BHJP
A61B 5/026 20060101ALI20240620BHJP
A61B 5/097 20060101ALI20240620BHJP
A61B 5/1455 20060101ALI20240620BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20240620BHJP
A61B 7/04 20060101ALI20240620BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A61B5/022 B
A61B5/02 310B
A61B5/022 400E
A61B5/026 120
A61B5/097
A61B5/1455
A61B5/256
A61B7/04 B
A61B10/00 E
(21)【出願番号】P 2020029225
(22)【出願日】2020-02-25
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】514292942
【氏名又は名称】株式会社壮健
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】升田 博人
【審査官】中山 千尋
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-008724(JP,A)
【文献】国際公開第2019/130628(WO,A1)
【文献】特開2019-013698(JP,A)
【文献】特開2017-221308(JP,A)
【文献】特開2017-225503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
A61B 10/00
A61B 5/06-5/22
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内に挿入され、口腔内で生体情報を検出する生体情報検出センサと、
前記生体情報検出センサを保持するセンサ保持部とを備えた生体情報検出器において、
前記センサ保持部は、被測定者の舌の表面から側方を経て裏面まで連続して延びるように形成され、舌に装着される装着部を有し
、
前記装着部は、被測定者の舌の表面から左側方、裏面、右側方を経て前記表面まで連続して延びる環状に形成され、
前記装着部の内周面には、舌を圧迫する膨張部材が配設され、
前記生体情報検出センサは、前記膨張部材を有する血圧センサであることを特徴とする生体情報検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報検出器において、
前記センサ保持部は、前記装着部から被測定者の上歯及び下歯の間へ延びる延出部を有していることを特徴とする生体情報検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばバイタルサイン等の生体情報を検出する生体情報検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばある処理を行った患者のバイタルサインを取得し、取得したバイタルサインに基づいて、患者に行った処置による効果指標を取得するモニタリングシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のシステムでは、バイタルセンサーとして、パルスオキシメータ、呼吸回数を測定する呼吸センサ、血圧を測定する血圧センサ、体温を測定する体温計、脈波を測定する脈波センサ、心拍数を測定する心拍数センサ等が使用可能なセンサ類として挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、生体の口腔内には皮膚に比べて薄い粘膜があり、また舌には血管が密集しているので、口腔内にセンサを挿入してバイタルサイン等の生体情報を検出すれば、高精度な検出が可能になる。しかしながら、生体情報を検出するためのセンサを測定中、予め決められた測定位置に配置しておくことが問題となる。すなわち、センサを口腔内に挿入した状態で指によって押さえておくことも考えられるが、この場合、口を長時間開けておかなければならず、難しい固定方法である。そのため、測定中にセンサの位置がずれてしまい、測定精度の低下を招くおそれがあった。
【0005】
また、各種医療機関が介護施設等では、パルスオキシメータを用いて動脈血酸素飽和度、脈拍数を測定しているが、パルスオキシメータによる測定部位は手足の指先や耳部等である。測定部位である手足の爪の部分はマニキュアの影響によって測定が困難になる場合がある。また、腕や指が圧迫され血流が阻害された時や末梢循環不全が生じた場合、周囲光が強すぎる場合等では、パルスオキシメータによる測定に誤差が生じやすいという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、口腔内で生体情報を高精度に検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の開示は、口腔内に挿入され、口腔内で生体情報を検出する生体情報検出センサと、前記生体情報検出センサを保持するセンサ保持部とを備えた生体情報検出器において、前記センサ保持部は、被測定者の舌の表面から側方を経て裏面まで連続して延びるように形成され、舌に装着される装着部を有している。
【0008】
この構成によれば、舌に装着された装着部が舌の表面から側方を経て裏面まで連続して延びているので、装着部が舌から上方、下方、側方のいずれの方向にも動き難くなる。この装着部に生体情報検出センサが保持されているので、予め決められた測定位置に配置されるように生体情報検出センサを装着部に設けておくことで、測定中の生体情報検出センサを測定位置から動かないように配置しておくことが可能になる。
【0009】
第2の開示は、前記センサ保持部は、前記装着部から被測定者の上歯及び下歯の間へ延びる延出部を有している。
【0010】
この構成によれば、センサ保持部の延出部を被測定者が上歯と下歯とで噛んで保持することができるので、装着部の口腔内での移動を抑制することができる。
【0011】
第3の開示は、前記装着部は、被測定者の舌の表面から左側方、裏面、右側方を経て前記表面まで連続して延びる環状に形成されている。
【0012】
この構成によれば、装着部が舌を囲むように形成されるので、装着部が舌から上方、下方、左側方及び右側方のいずれの方向にも動き難くなる。
【0013】
第4の開示は、前記装着部の内周面には、舌を圧迫する膨張部材が配設され、前記生体情報検出センサは、前記膨張部材を有する血圧センサである。
【0014】
この構成によれば、装着部を舌に装着した状態で膨張部材を膨張させると、装着部が環状をなしているので、膨張部材の膨張力が逃げにくく、舌を膨張部材によって確実に圧迫することができる。これにより舌の血液の流れが部分的に止められ、その後、血液が流れ始めるまで膨張部材をゆっくりとしぼませると、小さな心拍(脈拍現象)を確認することができる。この脈動は膨張部材による締め付けが緩くなればなるほど大きくなり、最も大きな振幅になった後、再び小さくなる。この脈動の振幅波形情報を所定のアルゴリズムで解析することで、血圧を算出することができる。つまり、舌を利用してオシロメトリック方式による血圧測定が可能になる。
【0015】
第5の開示は、前記生体情報検出センサは、舌の裏面に接触するように配置され、舌へ光を照射する発光体と、舌に照射された前記発光体の光を受光する受光体とを備えている。
【0016】
この構成によれば、発光体及び受光体を舌の裏面から動かないように保持することができる。そして、発光体により光を舌に照射した状態で受光体によりその光を受光することができる。受光体で受光した光の変化に基づいて動脈血酸素飽和度、脈波等を検出できる。
【0017】
第6の開示は、前記生体情報検出センサは、歯茎と対向するように配置され、歯茎へ光を照射する発光体と、歯茎に照射された前記発光体の光を受光する受光体とを備えている。
【0018】
この構成によれば、発光体及び受光体を所定位置から動かないように保持することができる。そして、発光体により光を歯茎に照射した状態で受光体によりその光を受光することができる。受光体で受光した光の変化に基づいて例えば歯肉の状態等を検出できる。
【0019】
第7の開示は、前記生体情報検出センサは、舌に接触するように配置された口腔内電極と、口腔外に配置され、被測定者の手に接触する口腔外電極とを有する心電測定用センサである。
【0020】
この構成によれば、口腔内電極と口腔外電極とを含む電気回路が形成される。この電気回路によって心臓内の電気の流れを検出して心電図を得ることができる。
【0021】
第8の開示は、前記生体情報検出センサは、呼気ガスセンサまたは呼吸音センサである。
【0022】
この構成によれば、呼気ガスセンサを口腔内に配置することができるので、呼気に含まれる成分を確実に検出できる。また、呼吸音センサを口腔内に配置することができるので、被測定者の呼吸音を確実に検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本開示によれば、口腔内で生体情報を検出する生体情報検出センサを保持するセンサ保持部が、被測定者の舌の表面から側方を経て裏面まで連続して延びるように形成された装着部を有しているので、測定中の生体情報検出センサを測定位置から動かないように配置しておくことができ、口腔内で生体情報を高精度に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態1に係る生体情報検出器の斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る生体情報検出器の側面図である。
【
図3】実施形態1に係る生体情報検出器の使用状態を示す被測定者の口腔及びその付近の説明図である。
【
図4】実施形態1に係る生体情報検出器を備えた検出装置のブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る生体情報検出器の斜視図である。
【
図6】実施形態2に係る生体情報検出器の使用状態を示す被測定者の口腔及びその付近の説明図である。
【
図7】実施形態2に係る生体情報検出器を備えた検出装置のブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態3に係る生体情報検出器の斜視図である。
【
図9】実施形態3に係る生体情報検出器の側面図である。
【
図10】実施形態3に係る生体情報検出器を備えた検出装置のブロック図である。
【
図11】本発明の実施形態4に係る生体情報検出器の斜視図である。
【
図12】実施形態4に係る生体情報検出器の断面図である。
【
図13】実施形態4に係る生体情報検出器を備えた検出装置のブロック図である。
【
図14】本発明の実施形態5に係る生体情報検出器の斜視図である。
【
図15】実施形態5に係る生体情報検出器の断面図である。
【
図16】実施形態5に係る生体情報検出器の使用状態を示す被測定者の口腔及びその付近の説明図である。
【
図17】実施形態5に係る生体情報検出器を備えた検出装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0026】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る生体情報検出器1の斜視図である。
図2は、生体情報検出器1の側面図である。
図3にも示すように、生体情報検出器1は、被測定者100の口腔101内に挿入され、口腔101内で生体情報を検出する生体情報検出センサ10と、生体情報検出センサ10を保持するセンサ保持部20とを備えている。この実施形態の説明では、生体情報検出器1の使用状態、即ち生体情報検出センサ10を口腔101内に挿入した状態で、挿入方向手前側を前といい、挿入方向奥側を後というものとする。したがって、生体情報検出器1の前側は被測定者100の前歯110、111が位置する側であり、後側は舌根部103が位置する側である。また、生体情報検出センサ10を口腔101内に挿入した状態で被測定者100の右側を単に右といい、被測定者100の左側を単に左というものとする。
【0027】
また、生体情報には、身体の状態を示す情報やバイタルサインが含まれている。バイタルサインとは、例えば、動脈血酸素飽和度の測定値、体温、心拍、脈拍、血圧、血中酸素等があり、人間が生存していることを示す信号、人間が正常な状態であるか否かを示す信号である。また、被測定者100は、健康な者であってもよいし、入院患者、在宅患者、介護を受けている者であってもよい。したがって、生体情報検出器1が使用される現場は、自宅、医療機関、介護機関等を挙げることができる。
【0028】
図3は、被測定者100の口腔011及びその付近を示している。舌102の後側の約1/3が舌根部103であり、舌根部103よりも前の約2/3が舌可動部(舌体)108である。舌102の位置を変える働きをする筋肉を外下筋といい、外下筋には、舌102を後方に引く茎突舌筋、舌102を下に引く舌滑舌筋、舌外側縁に付いて舌背を持ち上げる口蓋舌筋、舌102を前に突出させるオトガイ舌筋がある。また、軟口蓋105及び口蓋垂106の奥に気道104がある。また、
図3では、上側の前歯110と下側の前歯111と口唇112も示している。
【0029】
(センサ保持部20の構成)
図1及び
図2に示すように、センサ保持部20は、装着部21と延出部22とを有している。装着部21及び延出部22は、例えば樹脂材等によって構成することができる。装着部21に延出部22を一体成形してもよいし、装着部21と延出部22を別部材で形成した後、装着部21に延出部22を取り付けて一体化してもよい。装着部21及び延出部22を構成する樹脂材は、弾性を有する樹脂材であってもよいし、軟質樹脂材であってもよいし、硬質樹脂材であってもよい。装着部21と延出部22とを異なる樹脂材で構成してもよい。
【0030】
装着部21は、環状をなしている。すなわち、装着部21は、被測定者100の舌102の表面(上面)から左側方、裏面(下面)、右側方を経て表面まで連続して延びている。舌102の左右方向の断面形状に対応するように、装着部21を左右方向に長い楕円形もしくは長円形に形成することができる。装着部21は、円形であってもよいが、この場合、装着部21は舌102を挿入することによって容易に変形可能な材料で構成するのが好ましい。
【0031】
装着部21の内側の周長は、舌102の舌可動部108における前後方向中間部の周長と略等しく設定されている。これにより、装着部21を舌102に装着する際、舌可動部108の先を装着部21に差し込んでから舌可動部108の中間部まで装着部21に挿入することができ、装着部21を舌可動部108に容易に装着することができる。装着部21の周長が異なる複数種の生体情報検出器1を用意しておき、被測定者100の舌可動部108の周長に合う生体情報検出器1を選択して使用することもできる。
【0032】
装着部21は、樹脂製のバンドや帯状の部材で構成されていてもよい。この場合、装着部21の周長を被測定者100の舌可動部108の周長に合わせて調整することができる。装着部21が例えばゴムやエラストマー等の弾性材からなる場合、被測定者100の舌可動部108を装着部21に挿入すると、舌可動部108の周長に合うように装着部21が伸びることによって装着部21の内周面が舌可動部108に密着する。
【0033】
装着部21の幅は、例えば2mm以上20mm以下の範囲で設定することができる。装着部21の幅は、後述する生体情報検出センサ10の種類や数等に応じて設定することができる。装着部21は周方向に連続した環状であってもよいし、周方向の一部が途切れていてもよい。
【0034】
延出部22は、装着部21の上部かつ左右方向中央部から前方へ延出する棒状または板状をなしている。延出部22は、装着部21から被測定者100の上側の前歯(上歯)110及び下側の前歯(下歯)111の間へ延びている。延出部22の前側部分は、被測定者100は上側の前歯110と下側の前歯111とで上下方向に噛んで固定することが可能な部分である。延出部22の前端部(先端部)は、被測定者100の口腔101内に位置していてもよいし、口腔101外へ位置していてもよい。延出部22を硬質樹脂材で構成することにより、前歯110、111で噛んだ際に変形を抑制することができる。延出部22の厚み(上下方向の寸法)は、例えば1mm以上5mm以下の範囲で設定することができる。延出部22の左右方向の寸法は、例えば1mm以上30mm以下の範囲で設定することができる。延出部22は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。延出部22は、複数設けられていてもよい。
【0035】
(生体情報検出センサ10の構成)
生体情報検出センサ10は、舌102の舌可動部108の裏面に接触するように配置され、舌可動部108へ光を照射する2つの発光素子(発光体)11と、舌可動部108に照射された発光素子11の光を受光する受光素子(受光体)12とを備えている。発光素子11は、例えば赤外光を照射する発光ダイオード等で構成されており、従来から血流測定等に用いられている発光素子とすることができる。受光素子12は、これも従来から血流測定等に用いられているフォトダイオード等の受光素子で構成することができる。舌可動部108へ照射する光は、例えば近赤外光を挙げることができるが、これに限らず、動脈血酸素飽和度や脈拍数を検出可能な光であればよい。
【0036】
発光素子11は、装着部21の内周面の下側において上方へ向けて光を照射するように当該装着部21に取り付けられている。発光素子11を装着部21の内周面の下側に設けることで、発光素子11から照射された光が舌可動部108の裏面に確実に届く。本実施形態では、発光素子11の表面が舌可動部108の裏面に接触するように配置されている。この舌可動部108の裏面には多くの動脈が走行しており、この動脈及びその近傍の組織を発光素子11によって照明できる。発光素子11は、1つだけ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。発光素子11を複数設ける場合には、装着部21の周方向または幅方向に間隔をあけて設けるのが好ましい。
【0037】
受光素子12も装着部21の内周面の下側において受光面が上方に向くように配置され、当該装着部21に取り付けられている。受光素子12の表面は舌可動部108の裏面に接触するように配置されている。受光素子12が受光する光の強度は、動脈の血流状態、血液の脈動、血液の酸素飽和度に応じて変化する。
【0038】
光を用いた血流や、血液の酸素飽和度の測定方式は、発光素子11から照射された光が組織や血液に当たって反射した光(反射光)を受光する反射光方式と、発光素子11から照射されて組織や血液を透過した透過光を利用した透過光方式とがあるが、本実施形態ではどちらの方式も利用することができる。
【0039】
(検出装置50の構成)
図4は、生体情報検出器1を備えた検出装置50のブロック図である。検出装置50は、生体情報検出器1の他に、外部機器60を備えている。生体情報検出器1は、発光素子11及び受光素子12の他に、制御部40、電源41及び送信モジュール42を備えている。制御部40、電源41及び送信モジュール42は、装着部21や延出部22の内部に埋設してもよいし、外部に配設してもよい。制御部40、電源41及び送信モジュール42を外部に配設する場合には、発光素子11及び受光素子12と、制御部40とを信号線で接続すればよい。信号線は延長部22の内部を基端から先端まで通すことができる。
【0040】
電源41は小型の電池や充電池等で構成されており、制御部40に対して必要な電力を供給する。制御部40は、発光素子11を制御するとともに、受光素子12で受光された光の強度の変化を取得して各種バイタルデータに変換する部分である。例えば、図示しないスイッチによって電源が投入されると、制御部40は、発光素子11に電力を供給して光を照射させる。発光素子11から照射された光は受光素子12で受光される。このときの光の強度は時間の経過に伴って変化しており、この光の強度の変化を受光素子12で取得できる。制御部40は、受光素子12で受光した光の強度に基づいて舌102の血流を得るように構成されている。例えば血管を流れる血液は心臓の拍動によって脈動しており、この血管に発光素子11から測定用の光を照射すると、受光素子12では、血液の脈動に対応して光の強度が変化する。これを制御部40の処理部40aが利用して所定の演算を行うことで心拍や脈拍、血中酸素(動脈血酸素飽和度)等の生体情報に変換することができる。受光素子12で取得した光の強度変化も生体情報の一部である。尚、光を照射して心拍や脈拍、血中酸素を測定する手法は、様々な機器で使用されており、その手法も様々あり、これらのうち、どの構成であっても本実施形態で使用することができる。
【0041】
送信モジュール42は、処理部40aによる検出結果(バイタルデータ)を外部機器60に送信するためのものである。送信モジュール42は、検出結果を有線または無線によって外部機器60に送信可能に構成されている。有線による場合は、送信モジュール42と外部機器60とを通信線によって接続すればよい。無線による場合は、送信モジュール42と外部機器60とを既存の無線通信規格に準拠した方式で通信可能に接続すればよく、例えば無線LAN通信、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)を利用することができる。尚、送信モジュール42は、外部機器60からの制御信号を受信するように構成することもできる。この場合、制御部40を外部機器60から制御することが可能になる。
【0042】
外部機器60は、制御部61、受信モジュール62、表示部63及び記憶部64を備えている。外部機器60として使用可能な機器としては、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等を挙げることができる。これら端末は、医療従事者や介護職員、被測定者の家族等が所持しておくことができる。
【0043】
受信モジュール62は、生体情報検出器1の送信モジュール42から送信された検出結果を受信する部分であり、受信以外にも制御信号を送信モジュール42へ送信することも可能になっている。制御部61は、受信モジュール62で受信された検出結果を例えばグラフにしたり、数値に変換する部分である。制御部61は、得られたグラフや数値を組み込んだユーザインターフェース画面を生成することもできる。制御部61で生成されたユーザインターフェース画面は、表示部63に表示される。表示部63は、例えば液晶ディスプレイパネル等で構成されている。また、検出結果は記憶部64に記憶させておくこともできる。記憶部64は、例えばSSD(ソリッドステートドライブ)、ハードディスクドライブ、メモリカード等で構成されている。
【0044】
受信モジュール62は、インターネット回線にも接続されている。受信モジュール62で受信された検出結果は、インターネット回線を利用して例えば医療機関や介護機関が保有するサーバ等にアップロードすることもできる。サーバでは検出結果を蓄積して利用することができる。
【0045】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、舌102に装着された装着部21が舌102の表面から側方を経て裏面まで連続して延びているので、装着部21が舌102から上方、下方、側方のいずれの方向にも動き難くなる。この装着部21に生体情報検出センサ10が保持されているので、予め決められた測定位置に配置されるように生体情報検出センサ10を装着部21に設けておくことで、測定中の生体情報検出センサ10を測定位置から動かないように配置しておくことが可能になる。これにより、口腔101内で生体情報を高精度に検出できる。
【0046】
また、受光素子12で検出された光の強度により血液の脈動状態を取得することができる。この血液の脈動状態に基づいて、所定のアルゴリズムを利用することで血圧を算出することができる。この血圧の測定手法は、例えばウェアラブル端末等に搭載された手法を用いることができる。
【0047】
(実施形態2)
図5~
図7は、本発明の実施形態2に係るものである。実施形態2は、生体情報として口腔101内の深部及び歯肉の炎症の有無や炎症の程度を検出可能に構成されている点で実施形態1のものとは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
【0048】
図5に示すように、実施形態2では、センサ保持部20の装着部23がカップ状に形成されている。すなわち、装着部23は、舌可動部108の先端部から前後方向中間部までを挿入可能に形成されており、その後端部には舌可動部108を差し入れるための開口23aが形成されている。また、装着部23は、被測定者100の舌102の表面から左側方、裏面、右側方を経て表面まで連続して延びるとともに、舌可動部108の先端部から前後方向中間部まで連続して形成されている。
【0049】
生体情報検出センサ10は、上側発光素子13、上側受光素子14、下側発光素子15及び下側受光素子16を備えている。上側発光素子13及び上側受光素子14は、装着部23の上下方向中央部よりも上側に設けられている。上側発光素子13は、被測定者100の上側の歯茎や歯肉と対向するように光照射面が斜め上に向くように配置されており、歯茎や歯肉へ測定用の光を照射する。上側受光素子14は、歯茎や歯肉へ照射された上側発光素子13の光を受光するものであり、受光面が斜め上に向くように配置されている。
【0050】
また、下側発光素子15及び下側受光素子16は、装着部23の上下方向中央部よりも下側に設けられている。下側発光素子15は、被測定者100の下側の歯茎や歯肉と対向するように光照射面が斜め下に向くように配置されており、歯茎や歯肉へ測定用の光を照射する。下側受光素子16は、歯茎や歯肉へ照射された下側発光素子15の光を受光するものであり、受光面が斜め下に向くように配置されている。実施形態2の場合、光の照射範囲を広く設定することもできる。
【0051】
図7に示すように、上側発光素子13、上側受光素子14、下側発光素子15及び下側受光素子16は制御部40に接続されている。制御部40により上側発光素子13及び下側発光素子15が制御される。制御部40は、上側受光素子14及び下側受光素子16で受光された光の強度を取得して各種バイタルデータに変換する部分であり、この実施形態2では、歯茎や歯肉の炎症の有無や炎症の程度を光の強度に基づいて取得するように構成されている。例えば、炎症が起きている歯茎や歯肉に光を照射した場合、どの程度の反射光が受光されるか、及び炎症が起きていない歯茎や歯肉に光を照射した場合、どの程度の反射光が受光されるかを事前に試験等で得ておき、炎症の有無と、受光された光の強度との相関関係を算出しておく。この相関関係と、上側受光素子14及び下側受光素子16で受光された光の強度とに基づくことで、歯茎や歯肉の炎症の有無を判定できる。同様に、歯茎や歯肉の炎症の程度と、受光された光の強度との相関関係を算出しておき、この相関関係と、上側受光素子14及び下側受光素子16で受光された光の強度とに基づくことで、歯茎や歯肉の炎症の程度を判定できる。また、歯茎や歯肉の周囲の組織、即ち、口腔101内の深部の組織の炎症の有無や程度も同様にして判定することができる。このようにして得られた検出結果は外部機器60に送信される。
【0052】
この実施形態2においても実施形態1と同様に、測定中の生体情報検出センサ10を測定位置から動かないように配置しておくことができるので、口腔101内で生体情報を高精度に検出できる。
【0053】
尚、上側発光素子13、上側受光素子14、下側発光素子15及び下側受光素子16を実施形態1の装着部21の外周面に設けることもできる。また、実施形態1の発光素子11及び受光素子12を実施形態2の装着部23の内面に設けることもできる。
【0054】
(実施形態3)
図8~
図10は、本発明の実施形態3に係るものである。実施形態3は、生体情報としての呼気ガス及び呼気音を検出可能に構成されている点で実施形態1のものとは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
【0055】
図8及び
図9に示すように、装着部21は前方へ突出するとともに上方へ膨出した膨出部21aを有している。この膨出部21aの前端部から延出部22が延出している。膨出部21aの上面には、生体情報検出センサ10を構成する呼気ガスセンサ17及び呼気音センサ18が設けられている。呼気ガスセンサ17は、被測定者100の呼気に含まれている特定の成分を検出可能に構成されており、従来から周知のセンサである。例えば、ある病気にかかると、呼気に特定の成分が含まれることが知られており、このように呼気に含まれる特定の成分を検出することで、病気を特定することができる。呼気ガスセンサ17は、呼気に含まれる複数の成分をそれぞれ検出可能に構成することもできる。呼気ガスセンサ17による検出結果は、制御部40に出力される。処理部40aは、呼気ガスセンサ17の検出結果に基づいて、例えば所定の閾値以上、特定の成分が検出された場合には、病気の可能性が高いと判定することができる。この判定結果が表示部63に表示される。
【0056】
呼吸音センサ18は、被測定者100の呼吸音を検出するマイク等で構成することができる。呼吸音も病気や体の状態によって特有の音になることがある。呼吸音センサ18による検出結果は、制御部40に出力される。処理部40aは、呼吸音センサ18の検出結果に基づいて、病気の可能性が高いと判定することができる。この場合、病気になるとどのような音になるのか予め得ておき、この音と呼吸音センサ18で検出された音とを比較する手法を用いることができる。判定結果は表示部63に表示することができる。
【0057】
この実施形態3においても実施形態1と同様に、測定中の生体情報検出センサ10を測定位置から動かないように配置しておくことができるので、口腔101内で生体情報を高精度に検出できる。
【0058】
尚、呼気ガスセンサ17及び呼気音センサ18の一方のみ設けてもよい。呼気ガスセンサ17及び呼気音センサ18を実施形態1、2の装着部21に設けることもできる。
【0059】
(実施形態4)
図11~
図13は、本発明の実施形態4に係るものである。実施形態4は、生体情報としての血圧を検出可能に構成されている点で実施形態1のものとは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。実施形態3では、いわゆる電子血圧計で用いられているオシロメトリック方式で血圧を検出することができるようになっており、実施形態3の生体情報検出センサは血圧センサである。
【0060】
図11及び
図12に示すように、実施形態3では、装着部21の内周面の下側部分に、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32が周方向に並ぶように設けられている。第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32は、例えばゴムやエラストマー等の弾性材からなる袋状のものであり、空気等の流体を内部に注入することで膨張し、内部の流体を排出することで収縮するように構成されている。実施形態3の装着部21は、伸縮しない部材で構成されている。
【0061】
図13に示すように、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32以外にも第4膨張部材や第5膨張部材が設けられていてもよい。また、膨張部材が1つであってもよい。膨張部材が1つである場合、左右方向に連続した長い形状とすることができる。また、膨張部材は、右側と左側のそれぞれに設けることもできる。
【0062】
第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32には空気の給排が可能なポンプ34が接続されている。ポンプ34は口腔101外に設けておき、ポンプ34と第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32とは配管によって接続されている。配管は延長部22の内部を通すことができる。ポンプ34には、内部の圧力室を大気開放した状態と、密閉した状態とに切り替える切替弁(図示せず)が設けられており、この切替弁も制御部40によって制御される。尚、ポンプ34は口腔101内に挿入可能な小型のポンプであってもよい。この場合、口腔101内の空気(呼気を含む)をポンプ34によって第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32に注入することができる。
【0063】
ポンプ34を作動させることで、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の内部に空気が注入されて膨張する。このとき、装着部21が環状でかつ伸縮しない部材で構成されているので、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の膨張方向が装着部21によって規制され、装着部21の内方へ向けてのみ膨張するようになる。
【0064】
生体情報検出器1は、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の内圧を検出する圧力センサ35を備えている。第1膨張部材30、第2膨張部材31、第3膨張部材32及び圧力センサ35によって生体情報検出センサが構成されている。圧力センサ35は、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32に連通する配管内の圧力を検出可能に構成されていてもよいし、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の任意の1つの内圧を検出可能に構成されていてもよく、従来から周知の圧力センサで構成することができる。圧力センサ35の検出値は制御部40に出力される。
【0065】
制御部40は、ポンプ34を制御する。装着部21を舌102に装着した状態で、例えば制御部40に接続された測定開始スイッチ(図示せず)を操作すると、制御部40がポンプ34を作動させて第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32を膨張させる。第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32が膨張すると、装着部21が環状をなしているので、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の膨張力が逃げにくく、舌102を第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32によって確実に圧迫することができる。第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32が圧迫するのは舌深動脈である。この舌深動脈は、舌102の下面に沿って舌120の先端に向かう動脈である。どの程度まで第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32に空気を注入するかは、圧力センサ35の検出値に基づいて決定することができ、例えば圧迫した部分(舌深動脈)の血流が止まった段階で加圧を止めるように制御できる。
【0066】
これにより舌深動脈の血液の流れが止められる。その後、制御部40はポンプ34の圧力室を開放することで、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の内部の空気をゆっくりと抜く。舌深動脈に血液が流れ始めるまで第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32をゆっくりとしぼませると、小さな心拍(脈拍現象)を確認することができる。これは圧力センサ35の検出値に基づいて確認可能である。この脈動は第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32による締め付けが緩くなればなるほど大きくなり、最も大きな振幅になった後、再び小さくなり、このことも圧力センサ35の検出値に基づいて確認可能である。この脈動の振幅波形情報を所定のアルゴリズムで解析することで、血圧を算出することができる。つまり、舌深動脈を利用してオシロメトリック方式による血圧測定ができるので、コロトコフ音ではよくとらえきれない低血圧の被測定者100でも血圧を測定可能である。
【0067】
オシロメトリック法により最高血圧と最低血圧を測定することができる。血管の血流を止めた後、第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の内部の空気を抜いていくと、最初に血液が流れた時点で脈拍が起こるとともに振動が発生する。第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32の内部の空気をさらに抜いていくと血管が広がり、流れる血液量は多くなる。これに伴って振動も大きくなり、最大の振動を記録した後、徐々に減少して消滅する。振動幅が急速に高くなる時点を最高血圧、振動幅が急速に低くなる時点を最低血圧とみなすことができる。尚、上述したポンプ34の制御方法や圧力センサ35の検出値の解析方法は従来から電子血圧計で採用されている方法を用いることができる。
【0068】
この実施形態4においても、測定中の第1膨張部材30、第2膨張部材31及び第3膨張部材32を測定位置から動かないように配置しておくことができるので、口腔101内で血圧を高精度に検出できる。
【0069】
尚、実施形態4の第1膨張部材30、第2膨張部材31、第3膨張部材32及び圧力センサ35を実施形態1~3の装着部21に設けることもできる。この場合、ポンプ34を実施形態1~3の検出装置50に設けることができる。
【0070】
(実施形態5)
図14~
図17は、本発明の実施形態5に係るものである。実施形態5は、生体情報としての心臓内の電気の流れを検出して心電図を取得することが可能に構成されている点で実施形態1のものとは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。実施形態5では、生体情報検出センサが心電測定用センサで構成されている。
【0071】
図14に示すように、心電測定用センサは、第1口腔内電極36及び第2口腔内電極37と、第1口腔外電極38及び第2口腔外電極39とを有している。第1口腔内電極36は、装着部21の内周面において右側に設けられており、装着部21を舌102に装着したときに舌102の右側に接触するように配置されている。第2口腔内電極37は、装着部21の内周面において左側に設けられており、装着部21を舌102に装着したときに舌102の左側に接触するように配置されている。
【0072】
延出部22の前端部には、電極取付部22aが口腔101外に位置するように設けられている。電極取付部22aの右側に第1口腔外電極38が設けられており、左側に第2口腔外電極39が設けられている。第1口腔外電極38は被測定者100の右手に接触する電極である。第2口腔外電極39は被測定者100の左手に接触する電極である。
【0073】
図16に示すように、装着部21を舌102に装着すると、第1口腔内電極36が舌102の右側に接触し、第2口腔内電極37が舌102の左側に接触する。また、第1口腔外電極38及び第2口腔外電極39が口腔101外に配置され、被測定者100が右手で第1口腔外電極38に接触し、左手で第2口腔外電極39に接触することができる。
図17に示すように、第1口腔内電極36及び第2口腔内電極37と、第1口腔外電極38及び第2口腔外電極39とは、制御部40に接続されている。制御部40では、第1口腔内電極36及び第2口腔内電極37と、第1口腔外電極38及び第2口腔外電極39で検出された電圧変化を演算して心電図を生成する。つまり、生体情報検出器1は、アイントーベンの三角形の原理を利用して少ない電極数で心電図を取得することができるように構成されている。上述したように、舌102と、右手及び左手の3箇所に電極を接触させることで、3つの双極誘導心電図を取得することができる。1箇所に接触した電極がプラス電極とマイナス電極の役割の担うことになり、3箇所に電極があると、その中心部に架空の電極(不関電極)が形成される。この不関電極を起点として、上記3箇所の電極との間で、単極誘導法によって心電図を取得することができる。
【0074】
この実施形態5では、測定中の第1口腔内電極36及び第2口腔内電極37を測定位置から動かないように配置しておくことができるので、口腔101内で生体情報を高精度に検出できる。
【0075】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。例えば、実施形態1~5の生体情報検出器1に、体温を検出する温度センサを設けてもよい。また、実施形態1~5の生体情報検出器1に、唾液成分を検出する検出部を設けてもよい。この検出部は、唾液成分(例えばタンパク質、炭水化物、脂肪、ブドウ糖、多種な癌マーカー等)を検出可能に構成されたセンサである。唾液中の成分を分析して各バイオマーカーの高低を測定することで様々な症状の早期発見が可能になる。さらに、唾液中には、血液よりもはるかに微量ながらグルコースも含まれており、この唾液中に含まれるグルコースの量を測定可能なセンサを設けることで血糖値を推定することができる。すなわち、血液の代わりに唾液を採取することで糖尿病の診断を行うことができる。上記バイオマーカーやグルコースの測定方法は、各種学術文献等に記載された方法を用いることができる。この場合、検出部としては、発光体や、磁力を発生するもの等を挙げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本発明は、例えば動脈血酸素飽和度、脈波、血圧、呼気ガス、呼吸音、歯茎や歯肉の炎症状態等のバイタルデータを取得する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 生体情報検出器
10 生体情報検出センサ
11 発光素子(発光体)
12 受光素子(受光体)
17 呼気ガスセンサ
18 呼気音センサ
20 センサ保持部
21 装着部
22 延出部
30 膨張部材
34 ポンプ
35 圧力センサ
36 口腔内電極
38 口腔外電極
50 検出装置