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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】灰皿
(51)【国際特許分類】
   A24F 19/14 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
A24F19/14 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020056596
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021153465
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年1月22日、株式会社ダイナムにて製品資料を公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年1月23日、株式会社マルハンにて製品資料を公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年12月1日~令和2年3月25日の期間、株式会社エルゴジャパンのショールームにて灰皿を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】506179697
【氏名又は名称】株式会社エルゴジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 光守
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-193897(JP,U)
【文献】実開昭58-032999(JP,U)
【文献】登録実用新案第3075605(JP,U)
【文献】実開昭48-063190(JP,U)
【文献】実開昭49-030291(JP,U)
【文献】仏国特許出願公開第2936398(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 19/00-19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸殻を入れる灰皿であって、
灰皿全体を支えるベース部と、
第1筒状部と、前記第1筒状部の上端側の開口部と、下端側の底部とを有し、前記下端側の底部が前記ベース部の上部に嵌る内筒と、
前記内筒を覆う第2筒状部と、前記第2筒状部の上端側に設けられ前記上端の縁部から中央に向けて傾斜する凹部を有する灰受け体と前記凹部の中央に設けられる吸殻投入孔と、を有し、前記第2筒状部の下端側の開口部が前記ベース部に着脱可能に嵌る灰皿本体と、
前記灰皿本体と前記ベース部をロック状態及びアンロック状態に可能なロック部と、
前記内筒に収納され、前記吸殻投入孔から入った吸殻が入る不燃性の袋体と、
を有し、
前記ロック部は、前記灰皿本体の下端側に設けられ、前記ロック部を袋体捨て防止用鍵を用いて操作することにより前記ロック状態及び前記アンロック状態にすることができ、
前記ロック部は、前記袋体捨て防止用鍵が挿入され前記袋体捨て防止用鍵の操作を受け付けるシリンダ部と、前記シリンダ部を前記灰皿本体に取り付ける基部とを有し、
前記ベース部には、前記ロック部に対応する位置に凹部が形成されており、
前記凹部には、前記ロック部の前記袋体捨て防止用鍵の回転操作に応じて、前記ベース部の前記凹部内に突出し、前記ベース部の前記凹部から抜け出る突出部を有する、灰皿。
【請求項2】
前記ベース部は、内部におもりを有する、又は前記内部の全体がおもりになっている、請求項1に記載の灰皿。
【請求項3】
前記袋体は、アルミニウム製である、請求項1に記載の灰皿。
【請求項4】
前記内筒の上端側の開口部付近であって、前記吸殻投入孔の垂直方向に重なる領域に設けられ、前記内筒内の吸殻からの煙を遮る遮蔽部を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の灰皿。
【請求項5】
前記遮蔽部は、前記内筒の上端側の開口部を跨ぐ形状を有し、
前記遮蔽部は、短手方向の断面視において、中央部が高く両端側が低くなる凸形状を有する、請求項4に記載の灰皿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灰皿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、煙草の火をもみ消したりする必要がなく、そのまま投入するのみで自然消火でき、くすぶりや火災の恐れもない灰皿が提案されている。
例えば、特許文献1の灰皿では、有底筒状の灰皿本体の頂部にネジ部を介して灰受け体を螺着または嵌着すると共に、その中央に煙草の太さよりやや太目の投入パイプを、灰皿本体の三分の一程度まで貫通固着したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3092072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような灰皿においては、簡単に盗難にあってしまうという問題があった。また、吸殻を交換する際にも吸殻入れ全体を掃除する必要があり、掃除にも手間が掛かっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、自然消化でありながら簡単に掃除をすることができ、盗難を防止することができる灰皿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、(1)本発明は、吸殻を入れる灰皿であって、灰皿全体を支えるベース部と、第1筒状部と、前記第1筒状部の上端側の開口部と、下端側の底部とを有し、前記下端側の底部が前記ベース部の上部に嵌る内筒と、
前記内筒を覆う第2筒状部と、前記第2筒状部の上端側に設けられ前記上端の縁部から中央に向けて傾斜する凹部を有る灰受け体と前記凹部の中央に設けられる吸殻投入孔と、を有し、前記第2筒状部の下端側の開口部が前記ベース部に着脱可能に嵌る灰皿本体と、
前記灰皿本体と前記ベース部をロック状態及びアンロック状態に可能なロック部と、を有する。
【0007】
(2)上記(1)の構成において、前記内筒に収納され、前記吸殻投入孔から入った吸殻が入る不燃性の袋体を有する。
(3)上記(2)の構成において、前記袋体は、アルミニウム製である。
(4)上記(1)の構成において、前記ロック部は、前記灰皿本体に設けられ、前記ロック部を操作することにより前記ロック状態及び前記アンロック状態にすることができる。
【0008】
(5)上記(1)の構成において、前記ベース部は、内部におもりを有する。
(6)上記(1)~(5)のいずれかの構成において、前記内筒の上端側の開口部付近であって、前記吸殻投入孔の垂直方向に重なる領域に設けられ、前記内筒内の吸殻からの煙を遮る遮蔽部を有する。
(7)上記(6)の構成において、前記遮蔽部は、前記内筒の上端側の開口部を跨ぐ形状を有し、前記遮蔽部は、短手方向の断面視において、中央部が高く両端側が低くなる凸形状を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自然消化でありながら簡単に掃除をすることができ、盗難を防止することができる灰皿を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る灰皿の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る灰皿を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は上面図、(e)は底面図である。
図3図2(a)のA-A断面図である。
図4】灰皿の斜視図であって、ロック部がアンロック状態にあることを示している。
図5】灰皿のロック部がアンロック状態にある場合の断面図である。
図6】(a)は本発明の実施形態に係る灰皿の灰皿本体を外した状態の分解斜視図、(b)は(a)の断面図である。
図7】(a)は本発明の実施形態に係る灰皿の分解斜視図、(b)は(a)の断面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る灰皿について説明する図であり、(a)は部分的な分解斜視図、(b)は断面図、(c)は(a)の灰受け体を外した状態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたものであり、これらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る灰皿の斜視図である。
図1に示すように、吸殻を入れる灰皿10は、灰皿本体20と、灰皿全体を支えるベース部30と、灰皿本体20とベース部30をロック状態及びアンロック状態にするロック部60と、を備えている。この灰皿10は、自然消化の機能を有し、そのために灰皿本体20は、長く形成されている。
【0013】
灰皿本体20の上端側には、灰受け体25が設けられており、灰受け体25には、縁部28から中央に向けて傾斜する凹部27を有する灰受け体25と凹部27の中央に設けられる吸殻投入孔26とが設けられている。灰皿本体20が所定の長さに形成され、吸殻投入孔26が小さいため、収容された吸殻は自然消化される。
灰皿本体20の下端側には、ロック部60が設けられている。このロック部60は、鍵61と、鍵61が挿入され鍵61の操作を受け付けるシリンダ部62と、シリンダ部62と取り付ける基部63とを有する。ロック部60の鍵61を操作することで、灰皿本体20とベース部30をロック状態及びアンロック状態にすることができる。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係る灰皿を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は上面図、(e)は底面図を示している。
図2に示すように、灰皿10は、灰皿本体20と、灰皿全体を支えるベース部30と、灰皿本体20とベース部30をロック状態及びアンロック状態にするロック部60と、を備えている。
【0015】
ベース部30は、下部においては灰皿本体20よりも断面形状が大きい形状を持ち、内部全体がおもりになっている。ベース部30がおもりとなっていることにより、灰皿10の重心が下がることによって、灰皿10は簡単には倒れないようにできる。なお、ベース部30の内部の一部がおもりになっていてもよい。
【0016】
図3は、図2(a)のA-A断面図である。図3は、ロック部60がロック状態にあることを示している。図4は、灰皿の斜視図であって、ロック部がアンロック状態にあることを示している。図5は、灰皿のロック部がアンロック状態にある場合の断面図である。
【0017】
図3図5に示すように、灰皿10は、灰皿本体20と、ベース部30と、内筒40と、袋体50と、ロック部60と、を備えている。
ベース部30は、下部においては灰皿本体20よりも断面形状が大きい形状を持ち、斜線で示す内部全体がおもりになっている。ベース部30は、上方に向けて筒状に突出する壁部31を有する。筒状の壁部31の内側には、内筒40の底部42が嵌るよう構成されている。また、筒状の壁部31の外側には、灰皿本体20の下端側の開口部22が嵌るように構成されている。
【0018】
内筒40は、第1筒状部43と、第1筒状部43の上端側に開口部41が設けられ、下端側に底部42とを有する。この内筒40は、下端側の底部42がベース部30の上部の壁部31の内側に嵌るよう構成されている。内筒40は、灰皿本体20と同様に、吸殻の自然浄化のための所定の長さとなるような形状を持つ。
内筒40には、吸殻投入孔26から入った吸殻が入る不燃性の袋体50が収納されている。この袋体は、例えば、不燃性を有するアルミニウム製で形成されている。
【0019】
灰皿本体20は、内筒40をすっぽり覆う第2筒状部23を有する。灰皿本体20は、第2筒状部23の下端側の開口部22がベース部30の壁部31の外側に着脱可能に嵌るよう構成されている。灰皿本体20の上端側には、灰皿本体20とは別体の灰受け体25が設けられている。
【0020】
灰受け体25には、縁部28から中央に向けて傾斜する凹部27と凹部27の中央に設けられる吸殻投入孔26が設けられている。灰受け体25は、灰皿本体20と一体でもよいし、別体であってもよい。
【0021】
灰皿本体20の下端側には、ロック部60が設けられている。このロック部60は、鍵61と、鍵61が挿入され鍵61の操作を受け付けるシリンダ部62と、シリンダ部62と取り付ける基部63とを有する。
【0022】
ベース部30には、ロック部60に対応する位置に凹部32が形成されており、この凹部32には、ロック部60の鍵61の回転操作に応じて、ベース部30の凹部32内に突出したり、ベース部30の凹部32から抜け出たりする突出部61aを有する。
【0023】
ロック部60の鍵61を操作して縦にすることにより、ロック部60の突出部61aがベース部30の凹部32内に突出し、ロック部60をロック状態にすることができる。これにより、ベース部30と灰皿本体20をロックすることができ、盗難防止の効果を有する。ロック部60の鍵61を操作して横にすることにより、ロック部60の突出部61aがベース部30の凹部32から抜け出して、ロック部60をアンロック状態にすることができる。これにより、灰皿本体20をベース部30から取り外すことができ、内筒40内の袋体50内に溜まった吸殻を捨てることができる。
【0024】
図6(a)は本発明の実施形態に係る灰皿の灰皿本体を外した状態の分解斜視図、(b)は(a)の断面図である。図7(a)は本発明の実施形態に係る灰皿の分解斜視図、(b)は(a)の断面図である。
【0025】
図6及び図7に示すように、ベース部30は、上方に向けて筒状に突出する壁部31が形成されている。壁部31の内側には、内筒40の底部42が嵌るよう構成されている。また、筒状の壁部31の外側には、灰皿本体20の下端側の開口部22が嵌るように構成されている。
【0026】
内筒40は、下端側の底部42がベース部30の筒状の壁部31の内側に嵌るよう構成されている。内筒40には、吸殻投入孔26から入った吸殻が入る不燃性の袋体50が収納されている。灰皿本体20は、内筒40をすっぽり覆う第2筒状部23を有する。灰皿本体20は、第2筒状部23の下端側の開口部22がベース部30の壁部31の外側に着脱可能に嵌るよう構成されている。
【0027】
灰皿本体20の上端側には、灰皿本体20とは別体の灰受け体25が設けられている。灰受け体25には、凹部27の中央に設けられる吸殻投入孔26が設けられている。
灰皿本体20の下端側には、ロック部60が設けられている。ベース部30には、ロック部60の突出部61aに対応する位置に凹部32が形成されている。
【0028】
図8は、本発明の他の実施形態に係る灰皿について説明する図であり、(a)は部分的な分解斜視図、(b)は断面図、(c)は(a)の灰受け体25を外した状態の上面図である。
図8に示すように、内筒40には、上端側の開口部41付近であって、灰受け体25の吸殻投入孔26の垂直方向の重なる領域に遮蔽部70が設けられている。この遮蔽部70は、内筒40内の袋体50内の吸殻から吸殻投入孔26に向かって上昇する煙を遮るためのものである。
【0029】
遮蔽部70は、内筒40の上端側の開口部41を跨ぐ形状を有し、この遮蔽部70は、短手方向の断面視において、中央部が高く両端側が低くなる凸形状を有する。この遮蔽部70は、凸形状を形成するための傾斜部71、72が設けられている。吸殻投入孔26から投入された吸殻は傾斜部71、72により遮蔽部70で溜まることなく、内筒40内の袋体50内に落下する。
この構成によれば、例えば袋体50内の吸殻から煙が出た場合でも、煙は遮蔽部70に当たって、吸殻投入孔26へは向かわず、灰皿10内において煙を溜めておくことができる。
【0030】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0031】
10 灰皿
20 灰皿本体
21、22 開口部
23 第2筒状部
25 灰受け体
26 吸殻投入孔
27 凹部
30 ベース部
40 内筒
43 第1筒状部
41 開口部
42 底部
50 袋体
60 ロック部
70 遮蔽部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8