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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】帽体内換気装置及び換気装置付き帽体
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/008 20210101AFI20240620BHJP
   A42B 3/28 20060101ALI20240620BHJP
   A42B 1/04 20210101ALI20240620BHJP
   A42C 5/04 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A42B1/008 K
A42B3/28
A42B1/04 J
A42C5/04 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020101944
(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2021195648
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 弘司
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/008529(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0157547(US,A1)
【文献】国際公開第2015/162695(WO,A1)
【文献】特開2019-085658(JP,A)
【文献】特開2013-014855(JP,A)
【文献】特開2001-146621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B1/008
A42B1/24
A42B3/28
A42C5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが着用する帽体に装着して使用される帽体内換気装置であって、
上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
少なくとも一部が前記袋状体内に収容されている間隔保持手段と、
前記開口部が前記帽体内に位置するように、前記袋状体を前記帽体に取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
を備え、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記送風手段によって前記袋状体の内部に取り込まれた空気を前記帽体内に送出するための空間が前記間隔保持手段によって確保されるように構成され
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記間隔保持手段の上端部は前記袋状体の前記開口部から外に出た位置にあるように構成されていることを特徴とする帽体内換気装置。
【請求項2】
ユーザーが着用する帽体に装着して使用される帽体内換気装置であって、
上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
少なくとも一部が前記袋状体内に収容されている間隔保持手段と、
前記開口部が前記帽体内に位置するように、前記袋状体を前記帽体に取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
を備え、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記送風手段によって前記袋状体の内部に取り込まれた空気を前記帽体内に送出するための空間が前記間隔保持手段によって確保されるように構成され
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記袋状体は少なくとも前記ユーザーの後頭部を覆うとともに、そのユーザーの側頭部を覆うように構成されていることを特徴とする帽体内換気装置。
【請求項3】
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記袋状体内に収容されている前記間隔保持手段の下端部は少なくとも前記帽体の下端の位置にあるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の帽体内換気装置。
【請求項4】
前記袋状体には、前記帽体を着用したユーザーに向けて、前記送風手段が前記袋状体内に取り込んだ空気を吹き出す吹出孔が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の帽体内換気装置。
【請求項5】
前記袋状体は、前記帽体を着用したユーザーの後頭部側に位置するように取り付けられることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の帽体内換気装置。
【請求項6】
前記袋状体は、第一シートと第二シートを用いて形成されており、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記第一シートが前記帽体に接する側に位置し、前記第二シートが人体に接する側に位置するようになっており、
前記第二シートの少なくとも一部が通気性を有するシート材で形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の帽体内換気装置。
【請求項7】
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記袋状体は少なくとも前記ユーザーの後頭部を覆い、前記開口部が前記ユーザーの前頭部側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の帽体内換気装置。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の帽体内換気装置が、ユーザーが所望する帽体に装着されていることを特徴とする換気装置付き帽体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帽子やヘルメットなど帽体の着用時に、その帽体の内側の空気を入れ替えるようにして、着用者の頭部の表面に空気の流れを発生させることによって蒸れを解消することができる帽体内換気装置及び換気装置付き帽体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーが着用した帽子の内側に空気を取り込んで、ユーザー(帽子の着用者)が涼感を得られるようにした空冷機能付きの帽子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この帽子には、帽体の正面部にファンが取り付けられており、そのファンにより帽体の内側に空気を取り込み、その取り込んだ空気の流れによってユーザーが涼感を得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-140416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の帽子は、ユーザーが涼感を得るために着用するファン付きの特殊な帽子であるため、そのデザインや色などは限られており、品揃えが乏しい。
そのため、デザインが好みでなくても涼感を得るためにその帽子を着用するユーザーがいたり、涼感を得たいがデザインが好みでないのでその帽子の着用をためらうユーザーがいたりする問題があった。
そこで、本発明者らは鋭意検討し、ユーザーが涼感を得るのに普段使いし易い装置や帽体を開発するに至った。
【0005】
本発明の目的は、ユーザーが涼感を得るために使用し易い帽体内換気装置及び換気装置付き帽体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
ユーザーが着用する帽体に装着して使用される帽体内換気装置であって、
上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
少なくとも一部が前記袋状体内に収容されている間隔保持手段と、
前記開口部が前記帽体内に位置するように、前記袋状体を前記帽体に取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
を備え、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記送風手段によって前記袋状体の内部に取り込まれた空気を前記帽体内に送出するための空間が前記間隔保持手段によって確保されるように構成され
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記間隔保持手段の上端部は前記袋状体の前記開口部から外に出た位置にあるように構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
ユーザーが着用する帽体に装着して使用される帽体内換気装置であって、
上方が開放された開口部を有する袋状に形成された袋状体と、
少なくとも一部が前記袋状体内に収容されている間隔保持手段と、
前記開口部が前記帽体内に位置するように、前記袋状体を前記帽体に取り付けるための取付手段と、
前記袋状体に取り付けられた、外部の空気を前記袋状体の内部に取り込んで前記開口部側に送出する送風手段と、
前記送風手段を駆動するための電源手段と、
を備え、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記送風手段によって前記袋状体の内部に取り込まれた空気を前記帽体内に送出するための空間が前記間隔保持手段によって確保されるように構成され、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記袋状体は少なくとも前記ユーザーの後頭部を覆うとともに、そのユーザーの側頭部を覆うように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の帽体内換気装置において、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記袋状体内に収容されている前記間隔保持手段の下端部は少なくとも前記帽体の下端の位置にあるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の帽体内換気装置において、
前記袋状体には、前記帽体を着用したユーザーに向けて、前記送風手段が前記袋状体内に取り込んだ空気を吹き出す吹出孔が形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の帽体内換気装置において、
前記袋状体は、前記帽体を着用したユーザーの後頭部側に位置するように取り付けられることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の帽体内換気装置において、
前記袋状体は、第一シートと第二シートを用いて形成されており、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記第一シートが前記帽体に接する側に位置し、前記第二シートが人体に接する側に位置するようになっており、
前記第二シートにおける前記帽体内に配置される範囲の少なくとも一部が通気性を有するシート材で形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の帽体内換気装置において、
前記取付手段によって前記袋状体が取り付けられた前記帽体をユーザーが着用した状態で、前記袋状体は少なくとも前記ユーザーの後頭部を覆い、前記開口部が前記ユーザーの前頭部側に位置するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の発明は、換気装置付き帽体において、
請求項1~のいずれか一項に記載の帽体内換気装置が、ユーザーが所望する帽体に装着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザーが涼感を得るために使用し易い帽体内換気装置及び換気装置付き帽体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1の帽体内換気装置を示す後面図(a)と、前面図(b)と、側面図(c)である。
図2】帽体に装着した帽体内換気装置を示す後面図である。
図3】帽体に装着した帽体内換気装置を示す側面図である。
図4】スペーサーを示す平面図(a)と側面図(b)、そのスペーサーの立体構造に関する説明図(c)(d)である。
図5】帽体内換気装置の変形例を示す前面図(a)と、その帽体内換気装置を帽体に装着した状態を示す側面図(b)である。
図6】帽体内換気装置の変形例を示す前面図(a)と、側面図(b)である。
図7図6の帽体内換気装置を帽体に装着した状態を示す下面図である。
図8図6の帽体内換気装置が備えているスペーサーに関する説明図であり、平面図(a)と、B-B線における断面図(b)と、C-C線における断面図(c)と、D-D線における断面図(d)である。
図9】実施形態2の帽体内換気装置を示す後面図(a)と、前面図(b)と、側面図(c)と、D-D線における断面図(d)である。
図10】帽体に装着した帽体内換気装置を示す側面図(a)と、下面図(b)である。
図11】帽体に装着した帽体内換気装置を示す側面図(a)と、下面図(b)である。
図12】キャップ型の帽子を示す斜視図である。
図13】作業用のヘルメットを示す側面図(a)と、そのヘルメットの内側を示す下面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る帽体内換気装置及び換気装置付き帽体の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
[帽体]
まず、帽体内換気装置100を装着する帽体である帽子やヘルメットについて説明する。
例えば、帽体内換気装置100の装着対象は帽子Cである。例えば、図12に示すように、キャップ型の帽子Cは、帽子本体である帽体1と、帽体1の正面側に設けられている鍔部2と、帽体1の後面側に設けているアジャスター3等を備えている。
【0019】
また、帽体内換気装置100の装着対象はヘルメットHである。例えば、図13(a)(b)に示すように、ヘルメットHは、ヘルメット本体である帽体1と、帽体1の周囲に設けられている鍔部2と、ハンモック4と、ヘッドバンド5と、あご紐6等を備えている。
ハンモック4は、帽体1と着用者の頭部との間に一定の間隔を確保するために設けられている。
ヘッドバンド5とあご紐6は、ヘルメットHを着用者の頭部に固定するためのものである。このヘッドバンド5とあご紐6を長さ調整するなどして、ヘルメットHを頭部に固定する。ヘッドバンド5は着用者の後頭部に接するようになっている。
【0020】
(実施形態1)
[帽体内換気装置]
実施形態1の帽体内換気装置100は、ユーザーが着用するキャップ型の帽子C(図12参照)に装着して使用するものである。
この帽体内換気装置100は、例えば、図1(a)(b)(c)、図2図3に示すように、上方が開放された開口部10aを有する袋状に形成された袋状体10と、少なくとも一部が袋状体10内に収容されている間隔保持手段であるスペーサー20と、開口部10aが帽体1内に位置するように、袋状体10を帽体1に取り付けるための取付手段30と、袋状体10に取り付けられており、外部の空気を袋状体10の内部に取り込んで開口部10a側に送出する送風手段であるファン40と、ファン(送風手段)40を駆動するための電源手段である電源装置(図示省略)等を備えている。ここでは電源手段の一部である電源ケーブル51を図示している。
【0021】
[袋状体]
袋状体10は、2枚のシート、すなわち第一シート11と第二シート12を縫合して袋状に形成した部材である。
第一シート11と第二シート12は、例えば、その横幅が下方ほど狭くなるような略台形状あるいは略三角形状を呈しており、それらシートを重ね合わせ、シートの上端部を縫合しないようにシートの周縁を縫合するようにして、上部に開口部10aを有する袋状の袋状体10が形成されている。
袋状体10を構成するシートには、通気性が無いあるいは通気性が低い布材を用いることが好ましい。こうすることで、ファン40が袋状体10の内部に取り込んだ空気を漏らさないように開口部10a側に効率よく送出することが可能になる。
なお、本例の場合、袋状体10は、2枚のシートである第一シート11と第二シート12を縫合して袋状に形成した部材であるとしたが、1枚の長尺なシートを折り返して重ねた後に第一シート11側の面と第二シート12側の面を縫合して袋状に形成した部材であってもよい。また、縫製の仕方によっては3枚以上のシートを用いて袋状体を形成してもよい。
この袋状体10が取り付けられた帽子Cをユーザーが着用した状態で、第二シート12が人体に接する側に位置し、第一シート11が外側に位置してその一部が帽体1の内面に接するようになる。
そして、第一シート11には、ファン40を取り付ける取付孔(図示省略)が設けられており、その取付孔にファン40が取り付けられている。
【0022】
[ファン]
ファン40は、袋状体10内に空気を送り込む送風を行う送風器である。
このファン40は、袋状体10の内部に空気を取り込み、その空気を開口部10aから放出するように送気する機能を有する。
このファン40には、電源ケーブル51を介して電源装置(図示省略)が接続されている。電源装置はユーザーが所望する箇所に取り付ければよく、例えば、衣服のベルトに取り付けたり、ポケットに入れたりして携帯すればよい。なお、電源装置にはバッテリー(例えば充電池)が内蔵されている。
【0023】
[スペーサー]
スペーサー20は、第一シート11と第二シート12の間に所定の空間を形成するための部材である。
スペーサー20は、例えば、図4(a)~(d)に示すように、その立体構造の内部に空気が流通する空間が形成された部材であり、例えば、図1に示すように、開口部10aから10cm程度内側に入るように袋状体10内に収容されている。
このスペーサー20は、袋状体10内に縫い付けられたり接着されたりしていてもよいが、袋状体10から取り外し可能であることが好ましい。スペーサー20が袋状体10から取り外し可能であれば、袋状体10を洗濯するなどし易く清潔に保ち易い。勿論、袋状体10を洗濯する場合には、袋状体10からファン40を取り外す。
【0024】
スペーサー20の構造としては、第一シート11と第二シート12の間に、ファン40によって袋状体10内に取り込まれた空気を開口部10aから帽体1内へと導くための空間を確保することができるものであれば任意であるが、例えば、特許第4067034号公報において開示されている、図4(c)(d)に示すようなスペーサー構造Sを有するものを用いることができる。
具体的には、スペーサー構造Sは、例えば、図4(c)(d)に示すように、枠状部S11と、一端が枠状部S11に連なり枠状部S11から起立するように形成された4本の柱部S12と、4本の柱部S12の他端を連結する連結面部S13とを有する凸部S1と、隣り合う凸部S1の枠状部S11同士を連結する可撓連結部S2とを備えている。
このスペーサー構造Sは、可撓連結部S2を枠状部S11よりも厚みが薄い帯状に形成することで、可撓連結部S2において曲がり易くなっており、一定の柔軟性を有するように構成されている。
このようなスペーサー構造Sであれば、可撓連結部S2によって繋がれている凸部S1の個数を変更することで、任意の大きさ及び形状のスペーサー20を形成することができる。
なお、スペーサー20を形成する材料としては、スペーサー構造Sがつぶれてしまうなど立体構造を失わない程度の強度を有するものであれば任意であり、ある程度の強度を有しつつ固すぎないものを用いることが好ましく、例えば、ポリエチレン(PE)や、さらに柔軟性のあるエラストマ(TPE)を用いることができるが、特に限定されない。
【0025】
[取付手段]
実施形態1での取付手段30は、袋状体10の左右両側に設けられている一対のループ部31と、各ループ部31に通して使用される帯部材32とで構成されている。
ループ部31は、例えば、紐や紐状の細いシート材の両端部を袋状体10に縫着して形成されている。このループ部31は、袋状体10の上下方向中央寄りの位置に設けられている。
帯部材32は、例えば、長さ6~10cm程度の細長いシート状部材であり、その両端部には端部同士を接合するための止着部32aが設けられている。
例えば、帯部材32の一方の止着部32aはオス型面ファスナー(面ファスナーのA面)であり、他方の止着部32aはメス型面ファスナー(面ファスナーのB面)である。
そして、帯部材32の両端部の面ファスナー同士を重ね合わせて接合することで、帯部材32は環形状を呈するようになる。
なお、帯部材32の一方の止着部32aがオス型スナップボタンであり、他方の止着部32aがメス型スナップボタンであってもよい。
【0026】
[換気装置付き帽体]
このような帽体内換気装置100を帽子Cの帽体1に装着する場合、例えば、図2図3に示すように、ループ部31に通されている帯部材32を帽子Cのアジャスター3に通し、その帯部材32の両端部の止着部32a同士を接合して帯部材32を環形状にするようにして帯部材32とアジャスター3を連結する。
こうして袋状体10が、帽体1(帽子C)を着用したユーザーの後頭部側に位置するように取り付けられる。
このとき、袋状体10の上部を帽体1内に入れ込み、袋状体10の開口部10aが帽体1内に位置するようにする。なお、袋状体10の上部を帽体1内に入れ込む長さは5cm以上であることが好ましい。
このようにして、帽体内換気装置100を帽子Cの帽体1に装着することができる。
この帽体内換気装置100が装着された帽子Cが換気装置付き帽体として使用される。
【0027】
そして、取付手段30(ループ部31、帯部材32)によって袋状体10が取り付けられた帽体1(帽子C)をユーザーが着用した状態で、ファン40によって袋状体10の内部に取り込まれた空気を開口部10aから帽体1内に送出するための空間Aがスペーサー20によって確保されるようになっている。
特に、帽体内換気装置100が装着された帽子Cをユーザーが着用した状態で、袋状体10内に収容されているスペーサー20の下端部は少なくとも帽体1の後面下端の位置にあるように設計されているので、袋状体10が帽体1の縁などでつぶされてしまわないようになっており、帽体1の外側にあるファン40が袋状体10内に取り込んだ空気を帽体1内に送出するための空間Aがスペーサー20によって好適に確保されるようになっている。ここでは、帽体内換気装置100が装着された帽子Cをユーザーが着用した状態で、袋状体10内に収容されているスペーサー20の下端部が帽体1の外側の位置にあるように設計した。
なお、袋状体10におけるファン40の取り付け位置から開口部10aに至る範囲において袋状体10を輪切り状に断面視した際、その内部空間の開口面積は3cm以上であることが好ましい。
【0028】
このような帽体内換気装置100や、帽体内換気装置100が帽子Cに装着されてなる換気装置付き帽体であれば、ファン40によって袋状体10内に取り込まれた空気を帽体1内に送出し、ユーザーの頭部の表面に空気の流れを発生させることができるので、帽体1内の空気を入れ替えるように蒸れを解消して、ユーザーが涼感を得ることができる。
特に、この帽体内換気装置100は、アジャスター3が設けられている帽子Cであればその帽子Cに装着して使用することができるので、ユーザーが所有する任意の帽子Cなどユーザーが所望する帽子Cを換気装置付き帽体として使用することが可能になる。
つまり、この帽体内換気装置100を用いれば、ユーザーが好んで着用している帽子Cを換気装置付き帽体として使用することができるので、従来技術のようなファン付きの特殊な帽子ではその着用をためらっていたユーザーであっても、涼感を得るために使用し易い。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図5(a)(b)に示すように、取付手段30(ループ部31、帯部材32)によって袋状体10が取り付けられた帽体1(帽子C)をユーザーが着用した状態で、スペーサー20の上端部は袋状体10の開口部10aから、例えば3cm以上、外に出た位置にあるように構成されていてもよい。
このような帽体内換気装置100であれば、ファン40によって袋状体10の内部に取り込まれた空気を帽体1内に送出するための空間Aが、スペーサー20によってユーザーの頭頂部付近まで確保されるようになるので、帽体1の奥まで空気の流れを発生させて、より広い範囲の蒸れを解消することができる。
【0030】
また、図5(a)(b)に示すように、袋状体10に、帽体1(帽子C)を着用したユーザーに向けて、ファン40が袋状体10内に取り込んだ空気を吹き出す吹出孔12aが形成されていてもよい。
袋状体10の第二シート12は、帽体1(帽子C)を着用したユーザーの後頭部や首部を覆う位置にあるので、第二シート12に吹出孔12aが形成されていれば、その吹出孔12aから吹き出す空気をユーザーの後頭部や首部に吹き付けることができる。
つまり、帽体1(帽子C)を着用したユーザーの後頭部や首部に空気を吹き付けるようにして、ユーザーに涼感を与えることが可能になる。
【0031】
また、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図6(a)(b)、図7に示すように、取付手段30(ループ部31、帯部材32)によって袋状体10が取り付けられた帽体1(帽子C)をユーザーが着用した状態で、袋状体10は少なくともユーザーの後頭部を覆い、袋状体10の開口部10aがユーザーの前頭部側に位置するように構成されている帽体内換気装置100であってもよい。
また、図6(a)(b)、図7に示すように、取付手段30(ループ部31、帯部材32)によって袋状体10が取り付けられた帽体1(帽子C)をユーザーが着用した状態で、袋状体10は少なくともユーザーの後頭部を覆うとともに、ユーザーの側頭部を覆うように構成されている帽体内換気装置100であってもよい。
具体的には、略十字形状を呈するように形成された袋状体10と、その袋状体10用に形成された略十字形状を呈するスペーサー20とを備えた帽体内換気装置100であってもよい。
ここでの袋状体10は、側方に延出された一対の翼状部10bを備えており、スペーサー20はその翼状部10bに収容される張出部分21を有している。
このような形状を有する袋状体10であれば、帽体1の内面の広範囲を覆うように配設され、ユーザーの頭部を広く覆うことができる。
【0032】
ここで、略十字形状を呈するスペーサー20について説明する。
図8(a)(b)(c)(d)に示すように、このスペーサー20は、袋状体10の翼状部10bに収容される張出部分21を有している。
そして、スペーサー20本体とスペーサー20の張出部分21とでは、凸部S1や可撓連結部S2の形状がそれぞれ異なるように形成されている。
【0033】
具体的には、スペーサー20の張出部分21の凸部S1bは、スペーサー20本体の凸部S1aよりも低い形状に形成されている。
取付手段30(ループ部31、帯部材32)によって袋状体10が取り付けられた帽体1(帽子C)をユーザーが着用した状態で、袋状体10が側頭部を覆う部分に相当するスペーサー20の張出部分21の凸部S1bが比較的低い形状に形成されていることで、スペーサー20によって形成される後頭部側から前頭部側にかけての空間よりも側頭部側の空間を狭くすることができる。
このように、スペーサー20の凸部S1の高さが部分的に異なるようにすることで、その凸部S1の高さに応じて、ユーザーの頭部と帽体1との密着性を調整したり、帽体1内での空気の流れを調整したりすることができる。
【0034】
また、スペーサー20の張出部分21の可撓連結部S2bは、スペーサー20本体の可撓連結部S2aも大きく湾曲した形状に形成されている。
取付手段30(ループ部31、帯部材32)によって袋状体10が取り付けられた帽体1(帽子C)をユーザーが着用した状態で、袋状体10が側頭部を覆う部分に相当するスペーサー20の張出部分21の可撓連結部S2bが比較的大きく湾曲した形状に形成されていることで、スペーサー20の張出部分21はスペーサー20本体よりも撓み易くなっており、スペーサー20の張出部分21を頭部の表面に沿わせ易くなっている。
一方、スペーサー20本体は比較的撓み難いが、全体としての形状を安定させるようになっている。
つまり、可撓連結部S2bが比較的大きく湾曲した形状に形成されている部分は比較的曲がり易く、可撓連結部S2bが比較的小さく湾曲した形状に形成されている部分は比較がり難くなっている。
このように、スペーサー20の可撓連結部S2の湾曲形状が部分的に異なるようにすることで、その可撓連結部S2の湾曲形状に応じてスペーサー20の曲がり易さを調整することができ、スペーサー20が収容されている袋状体10の要部を所定の形状に保持したり、スペーサー20が収容されている袋状体10を帽体1の内面にフィットさせて配置したりすることができる。
【0035】
なお、ここでは、高さが異なる2種類の凸部S1と湾曲形状が異なる2種類の可撓連結部S2を有するスペーサー20を例に説明したが、高さが異なる3種類以上の凸部S1や、湾曲形状が異なる3種類以上の可撓連結部S2を有するスペーサー20を設計してもよい。
【0036】
そして、この略十字形状の袋状体10の第二シート12の少なくとも一部が通気性を有するシート材で形成されているようにする。
特に、第二シート12における帽体1内に配置される範囲が通気性を有するシート材で形成されていることが好ましい。
なお、通気性を有するシート材としては、例えば、織物生地や編物生地などその生地の織り目や編み目などの微細孔を有しているものを用いることができ、また、通気性が無いあるいは通気性が低い布材に無数の微細孔を形成してなるものも用いることができる。
【0037】
このように、ユーザーの頭部を広く覆うことができる略十字形状の袋状体10であって、第二シート12における帽体1内に配置される範囲が通気性を有するシート材で形成されている袋状体10を備えた帽体内換気装置100であれば、ファン40によって袋状体10の内部に取り込まれた空気を第二シート12の微細孔からユーザーの頭部に向けて放出することができるので、ユーザーの頭部の表面に空気の流れを発生させて、より広い範囲の蒸れを解消することができる。
なお、第二シート12の通気性は各部で同一であることに限らず、部分的に通気性が異なるように設計してもよく、例えば、後頭部側よりも前頭部側や側頭部側の方が高い通気性を有するように設計した第二シート12を用いるようにしてもよい。
さらに、第二シート12の側頭部側をメッシュ部材により構成するようにしたり、場合によっては開放したりするようにしてもよい。
【0038】
なお、ここでは、取付手段30(ループ部31、帯部材32)によって袋状体10を帽体1(帽子C)に取り付けるようにしたが、袋状体10の取り付け手法は、これに限らない。
例えば、帽体1の内側にプラスチック製の保護板(インナーキャップ)が取り付けられている簡易ヘルメットなどと称される帽子Cに袋状体10の取り付けるのに、第一シート11をその保護板に接着するなどして、帽子Cに帽体内換気装置100を装着するようにしてもよい。この場合、第一シート11には保護板と接着可能な素材を用いるようにする。
このような接着による取り付け手法を採用する場合、勿論、袋状体10にループ部31や帯部材32が設けられていなくてもよく、接着剤を取付手段として用いたり、熱融着の技術を取付手段として用いたりすることができる。
【0039】
(実施形態2)
次に、本発明に係る帽体内換気装置及び換気装置付き帽体の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0040】
[帽体内換気装置]
実施形態2の帽体内換気装置100は、ユーザーが着用するヘルメットH(図13参照)に装着して使用するものである。
この帽体内換気装置100は、例えば、図9(a)(b)(c)、図10(a)(b)に示すように、上方が開放された開口部10aを有する袋状に形成された袋状体10と、少なくとも一部が袋状体10内に収容されている間隔保持手段であるスペーサー20と、開口部10aが帽体1内に位置するように、袋状体10を帽体1に取り付けるための取付手段30と、袋状体10に取り付けられており、外部の空気を袋状体10の内部に取り込んで開口部10a側に送出する送風手段であるファン40と、ファン(送風手段)40を駆動するための電源手段である電源装置50(図10(a)参照)等を備えている。
【0041】
[電源装置]
電源装置50にはバッテリー(例えば充電池)が内蔵されており、電源ケーブル51を介してファン40に接続されている。
また、電源装置50には、ファン40のオン/オフを切り替えるためのスイッチや、ファン40のオン/オフを表示するためのランプなどが備えられている。
本実施形態の電源装置50は、電源装置50をヘルメットHの外面に取り付けるための電源固定クリップ52を備えている。
ここでの電源固定クリップ52は、ヘルメットHの鍔部2を挟持して、電源装置50をヘルメットHの鍔部2と帽体1の境界に設置するようになっている。
【0042】
[スペーサー]
スペーサー20は、第一シート11と第二シート12の間に所定の空間を形成するための部材である。
スペーサー20は、例えば、発泡ポリエチレンなど、ある程度の柔軟性と強度を有する材料からなる長尺な棒状部材であり、例えば、図9(a)~(c)に示すように、開口部10aからファン40の取り付け位置側に延在する向きに配されて袋状体10内に収容されている。この長尺なスペーサー20は、例えば10cm程度の長さを有しており、また5~10mm程度の厚さを有している。
本実施形態では、所定間隔をあけて4本のスペーサー20を袋状体10内に収容したが、袋状体10内に所定の空間を形成することができるのであれば、その数は任意であり、また太さも任意である。
このスペーサー20は、袋状体10内に縫い付けられたり接着されたりしていてもよいが、袋状体10から取り外し可能であることが好ましい。スペーサー20が袋状体10から取り外し可能であれば、袋状体10を洗濯するなどし易く清潔に保ち易い。
【0043】
[取付手段]
実施形態2での取付手段30は、袋状体10の開口部10a(ここでは第一シート11側)に設けられている一対の帯状部33と、帯状部33の端部に配設されているクリップ部34とで構成されている。
帯状部33は、例えば、3~6cm程度の細長いシート状部材の一端が、袋状体10の開口部10a(第一シート11)に縫着されたものである。
クリップ部34は、帯状部33の他端に固定されたフック状あるいはピンチ状の部材であり、帯状部33の端部を任意の箇所に係着させるものである。
【0044】
[換気装置付き帽体]
このような帽体内換気装置100をヘルメットHの帽体1に装着する場合、例えば、図10(a)(b)に示すように、帯状部33の端部のクリップ部34をヘルメットHのハンモック4に係着させる。
このとき、袋状体10の上部をヘッドバンド5とハンモック5の間を通すようにし、袋状体10の開口部10aが帽体1内に位置するようにする。なお、袋状体10の上部を帽体1内に入れ込む長さは2cm以上であることが好ましい。
こうして袋状体10が、帽体1(ヘルメットH)を着用したユーザーの後頭部側に位置するように取り付けられる。
このようにして、帽体内換気装置100をヘルメットHの帽体1に装着することができる。
この帽体内換気装置100が装着されたヘルメットHが換気装置付き帽体として使用される。
なお、袋状体10の上部をハンモック5と帽体1の間に入れ込むようにすることが好ましい。
【0045】
そして、取付手段30(帯状部33、クリップ部34)によって袋状体10が取り付けられた帽体1(ヘルメットH)をユーザーが着用した状態で、ファン40によって袋状体10の内部に取り込まれた空気を帽体1内に送出するための空間がスペーサー20によって確保されるようになっている。
特に、帽体内換気装置100が装着されたヘルメットHをユーザーが着用した状態で、袋状体10内に収容されているスペーサー20の下端部は少なくとも帽体1の後面下端の位置にあるように設計されているので、袋状体10が帽体1の縁などでつぶされてしまわないようになっており、帽体1の外側にあるファン40が袋状体10内に取り込んだ空気を帽体1内に送出するための空間がスペーサー20によって好適に確保されるようになっている。なお、袋状体10におけるファン40の取り付け位置から開口部10aに至る範囲において袋状体10を輪切り状に断面視した際、その内部空間の開口面積は3cm以上であることが好ましい。ここでは、帽体内換気装置100が装着されたヘルメットHをユーザーが着用した状態で、袋状体10内に収容されているスペーサー20の下端部が帽体1の外側の位置にあるように設計した。
【0046】
このような帽体内換気装置100や、帽体内換気装置100がヘルメットHに装着されてなる換気装置付き帽体であれば、ファン40によって袋状体10内に取り込まれた空気を帽体1内に送出し、ユーザーの頭部の表面に空気の流れを発生させることができるので、帽体1内の空気を入れ替えるように蒸れを解消して、ユーザーが涼感を得ることができる。
特に、この帽体内換気装置100は、ハンモック4を備えている一般的なヘルメットHであればそのヘルメットHに装着して使用することができるので、ユーザーが普段使いしているヘルメットHを換気装置付き帽体として使用することが可能になる。
つまり、この帽体内換気装置100を用いれば、新たに特別な仕様のヘルメットを用意することなく、ユーザーが所望するヘルメットHを換気装置付き帽体として使用することができるので、涼感を得るために使用し易い。
【0047】
なお、上記実施形態では、ヘルメット装着用の帽体内換気装置100のスペーサーとして、長尺な棒状のスペーサー20を用いたが、実施形態1にて説明したスペーサー構造Sを有するスペーサー20を用いるようにしてもよい。
また、袋状体10の上部をハンモック5と帽体1の間に入れ込むようにする場合、袋状体10が帽体1の縁などでつぶされてしまわないのであれば、袋状体10にスペーサー20を収容しなくてもよい。この場合、所定の長さを有する糸を間隔保持手段として用いて第一シート11と第二シート12を繋ぎ合わせるようにする。所定の長さを有する糸で第一シート11と第二シート12を繋ぎ合わせることで、ファン40によって袋状体10の内部に取り込まれた空気を帽体1内に送出する際に、袋状体10の開口部10aが広がり過ぎないようにすることができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図11(a)(b)に示すように、ヘルメット装着用の帽体内換気装置100をヘルメットHの帽体1に装着する場合、袋状体10の上部をヘッドバンド5とハンモック5の間を通さずに、袋状体10の開口部10aが帽体1内に位置するようにして、帯状部33の端部のクリップ部34をヘルメットHのハンモック4に係着させるようにしてもよい。
このように帽体内換気装置100が装着されたヘルメットHをユーザーが着用した状態で、袋状体10内に収容されているスペーサー20の下端部は少なくとも帽体1の後面下端の位置にあるように設計されており、そのスペーサー20によって袋状体10がヘッドバンド5につぶされてしまわないようになっているので、帽体1の外側にあるファン40が袋状体10内に取り込んだ空気を帽体1内に送出するための空間が好適に確保されるようになっている。
このように帽体内換気装置100をヘルメットHに装着するようにしても、ファン40によって袋状体10内に取り込まれた空気を帽体1内に送出し、ユーザーの頭部の表面に空気の流れを発生させることができるので、帽体1内の空気を入れ替えるように蒸れを解消して、ユーザーが涼感を得ることができる。
【0049】
以上のように、本実施形態の帽体内換気装置100と、その帽体内換気装置100が帽体1に装着されてなる換気装置付き帽体であれば、ファン40によって袋状体10内に取り込まれた空気を帽体1内に送出し、ユーザーの頭部の表面に空気の流れを発生させることができるので、帽体1内の空気を入れ替えるように蒸れを解消して、ユーザーが涼感を得ることができる。
【0050】
なお、以上の実施の形態においては、帽体内換気装置100をキャップ型の帽子CやヘルメットHに装着する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハット型の帽子など、その他の帽子や帽体に装着して使用してもよい。
【0051】
また、帽体内換気装置100を帽子Cに装着するのに、帽子Cのアジャスター3に取付手段30(ループ部31、帯部材32)を取り付けたり、帽体内換気装置100をヘルメットHに装着するのに、ヘルメットHのハンモック4に取付手段30(帯状部33、クリップ部34)を取り付けたりしたが、本発明はこれに限定されるものでなく、帽子CやヘルメットHに取付手段30を取り付ける箇所は任意であり、その取付箇所に応じた取付手段30を設計するようにすればよい。
【0052】
また、上記実施例においては、スペーサー20の下端部の位置は、少なくとも帽体1の後面下端の位置にあるようにしたが、スペーサー20の下端部の位置は、帽体1の外側にあっても内側にあってもよく、適宜変更可能である。
【0053】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
10 袋状体
10a 開口部
10b 翼状部
11 第一シート
12 第二シート
12a 吹出孔
20 スペーサー(間隔保持手段)
21 スペーサーの張出部分
30 取付手段
31 ループ部(取付手段)
32 帯部材(取付手段)
33 帯状部(取付手段)
34 クリップ部(取付手段)
40 ファン(送風手段)
50 電源装置(電源手段)
51 電源ケーブル(電源手段)
52 電源固定クリップ
100 帽体内換気装置
A 空間
C 帽子
H ヘルメット
1 帽体
2 鍔部
3 アジャスター
4 ハンモック
5 ヘッドバンド
6 あご紐
S スペーサー構造
S1 凸部
S2 可撓連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13