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特許7506917部品供給ユニット及びそれを用いた抵抗溶接機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】部品供給ユニット及びそれを用いた抵抗溶接機
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/14 20060101AFI20240620BHJP
   B23P 19/04 20060101ALI20240620BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B23K11/14 315
B23P19/04 B
B23P19/00 301Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020143456
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022038791
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】593038000
【氏名又は名称】矢嶋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100136995
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 千織
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】表 裕明
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-181601(JP,A)
【文献】特開2007-000930(JP,A)
【文献】特開2001-087865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 11/14
B23P 19/04
B23P 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークと部品とを溶接する抵抗溶接機に、前記部品を供給する部品供給ユニットであって、
前記部品は、軸部と、フランジ部と、を有する溶接ボルトであり、
前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられる部品供給装置と、前記抵抗溶接機の可動電極に配される可動電極側装置と、を備え、
前記部品供給装置は、前記抵抗溶接機の前記可動電極の移動軌跡上に先端部を配置可能なシュートを備え、
前記シュートの前記先端部は、前記軸部と前記フランジ部に対応した形状に形成され、上流側から送給されてきた前記部品を受け止め前記可動電極への移し替えを可能にする部品受部を有し、第一駆動手段により駆動されることにより、
前記可動電極の近傍に位置して、前記部品を供給可能とする供給状態と、
前記可動電極と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
前記可動電極側装置は、
前記可動電極を構成するとともに、前記可動電極に対して、前記可動電極内を、第二駆動手段により前記可動電極の軸線に沿って移動可能、かつ、前記部品を吸着保持可能な保持シャフトを有し、
前記保持シャフトは、前記部品を溶接可能な溶接位置と、前記溶接位置より前記可動電極から突出し前記部品受部から前記部品を吸着可能な進出位置と、の間を移動可能とされ、
前記シュートの前記先端部を前記供給状態とし、前記部品受部に配された前記部品を、前記保持シャフトが、前記可動電極内から前記進出位置に進出して前記部品を吸着して前記溶接位置まで移動し、前記シュートの前記先端部を前記退避状態とし、前記保持シャフトで保持された前記部品を前記可動電極で、前記ワークに前記部品を溶接可能とされていることを特徴とする部品供給ユニット。
【請求項2】
ワークと部品とを溶接する抵抗溶接機に、前記部品を供給する部品供給ユニットであって、
前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられる部品供給装置と、前記抵抗溶接機の可動電極に配される可動電極側装置と、を備え、
前記部品供給装置は、前記抵抗溶接機の前記可動電極の移動軌跡上に先端部を配置可能なシュートを備え、
前記シュートの前記先端部は、上流側から送給されてきた前記部品を受け止め前記可動電極への移し替えを可能にする部品受部を有し、第一駆動手段により駆動されることにより、
前記可動電極の近傍に位置して、前記部品を供給可能とする供給状態と、
前記可動電極と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
前記可動電極側装置は、
前記可動電極を構成するとともに、前記可動電極に対して、前記可動電極内を、第二駆動手段により前記可動電極の軸線に沿って移動可能、かつ、前記部品を吸着保持可能な保持シャフトを有し、
前記保持シャフトは、前記部品を溶接可能な溶接位置と、前記溶接位置より前記可動電極から突出し前記部品受部から前記部品を吸着可能な進出位置と、の間を移動可能とされ、
前記シュートの前記先端部を前記供給状態とし、前記部品受部に配された前記部品を、前記保持シャフトが、前記可動電極内から前記進出位置に進出して前記部品を吸着して前記溶接位置まで移動し、前記シュートの前記先端部を前記退避状態とし、前記保持シャフトで保持された前記部品を前記可動電極で、前記ワークに前記部品を溶接可能とされ、
前記シュートの前記先端部は、一対の分割片を備え、前記一対の分割片は、第一駆動手段により駆動されて互いに揺動して接近、離隔可能に構成され、
前記一対の分割片が互いに接近した接近状態にあるとき、前記部品受部が形成され、前記供給状態となり、
前記一対の分割片が互いに離隔した離隔状態にあるとき、前記退避状態となるよう構成され、
前記部品は、軸部と、フランジ部と、を有する溶接ボルトであり、
前記部品が保持される電極が、上側に配置される可動電極であり、
前記シュートには、前記部品を係止する係止部材が配設され、
前記部品は、前記係止部材により係止され、第三駆動手段により前記係止部材の係止を解除することで、前記部品が自重で移動して前記部品受部に供給されることを特徴とする部品供給ユニット。
【請求項3】
ワークと部品とを溶接する抵抗溶接機に、前記部品を供給する部品供給ユニットであって、
前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられる部品供給装置と、前記抵抗溶接機の可動電極に配される可動電極側装置と、を備え、
前記部品供給装置は、前記抵抗溶接機の前記可動電極の移動軌跡上に先端部を配置可能なシュートを備え、
前記シュートの前記先端部は、上流側から送給されてきた前記部品を受け止め前記可動電極への移し替えを可能にする部品受部を有し、第一駆動手段により駆動されることにより、
前記可動電極の近傍に位置して、前記部品を供給可能とする供給状態と、
前記可動電極と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
前記可動電極側装置は、
前記可動電極を構成するとともに、前記可動電極に対して、前記可動電極内を、第二駆動手段により前記可動電極の軸線に沿って移動可能、かつ、前記部品を吸着保持可能な保持シャフトを有し、
前記保持シャフトは、前記部品を溶接可能な溶接位置と、前記溶接位置より前記可動電極から突出し前記部品受部から前記部品を吸着可能な進出位置と、の間を移動可能とされ、
前記シュートの前記先端部を前記供給状態とし、前記部品受部に配された前記部品を、前記保持シャフトが、前記可動電極内から前記進出位置に進出して前記部品を吸着して前記溶接位置まで移動し、前記シュートの前記先端部を前記退避状態とし、前記保持シャフトで保持された前記部品を前記可動電極で、前記ワークに前記部品を溶接可能とされ、
前記シュートの前記先端部は、一対の分割片を備え、前記一対の分割片は、第一駆動手段により駆動されて互いに揺動して接近、離隔可能に構成され、
前記一対の分割片が互いに接近した接近状態にあるとき、前記部品受部が形成され、前記供給状態となり、
前記一対の分割片が互いに離隔した離隔状態にあるとき、前記退避状態となるよう構成され、
前記部品は、軸部と、フランジ部と、を有する溶接ボルトであり、
前記部品が保持される電極が、上側に配置される可動電極であり、
前記シュートは、固定シュートと、前記固定シュートの上側に位置する可動シュートと、を備え、
前記固定シュートには、前記部品を待機させる部品待機部が配設され、
前記部品は、前記部品待機部で待機した状態で、第四駆動手段により前記可動シュートを移動させることにより、前記部品受部に供給されることを特徴とする部品供給ユニット。
【請求項4】
可動電極で部品が保持され、ワークと前記部品とを溶接する抵抗溶接機であって、
請求項1~3のいずれかに記載の部品供給ユニットを備え、
前記可動電極側装置は、前記可動電極に配設され、前記シュートは、前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられていることを特徴とする抵抗溶接機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を抵抗溶接機に供給する部品供給ユニット及びそれを用いた抵抗溶接機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の部品供給装置及びそれを用いた抵抗溶接機として、本出願人が先にした、特許文献1に記載されるものがあった。これによれば、部品を供給ヘッドに供給する部品供給管と、部品供給管から供給された部品が保持される供給ヘッドと、供給ヘッドを、部品が保持される電極の近傍に位置する進出位置と、部品供給管の近傍に位置する部品受け位置との間で、進退可能とする第一駆動手段と、供給ヘッドを、部品が保持される電極と干渉しない退避位置と、部品が保持される電極に部品を供給可能とする供給位置との間で、移動可能とする第二駆動手段と、を備えていた。
【0003】
供給ヘッドは、進退ロッドを介して第一駆動手段と連結され、進退ロッドに対して回動可能に軸支され、かつ、作動ロッドを介して第二駆動手段と連結され、進出位置にあるとき、第二駆動手段の駆動により、退避位置と、供給位置との間を、回動可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-180518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の部品供給ユニット及びそれを用いた抵抗溶接機では、第一駆動手段、進退ロッド、第二駆動手段、作動ロッドが必要で、供給ヘッドを移動させる、構成、機能が多く、複雑化していたので、構成、機能を分散させて、構成、機能の簡素化を図ることが望まれていた。
【0006】
本発明は、構成、機能の簡素化を図ることができる部品供給ユニット及びそれを用いた抵抗溶接機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載の発明では、ワークと部品とを溶接する抵抗溶接機に、前記部品を供給する部品供給ユニットであって、
前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられる部品供給装置と、前記抵抗溶接機の可動電極に配される可動電極側装置と、を備え、
前記部品供給装置は、前記抵抗溶接機の前記可動電極の移動軌跡上に先端部を配置可能なシュートを備え、
前記シュートの前記先端部は、上流側から送給されてきた前記部品を受け止め前記可動電極への移し替えを可能にする部品受部を有し、第一駆動手段により駆動されることにより、
前記可動電極の近傍に位置して、前記部品を供給可能とする供給状態と、
前記可動電極と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
前記可動電極側装置は、
前記可動電極を構成するとともに、前記可動電極に対して、前記可動電極内を、第二駆動手段により前記可動電極の軸線に沿って移動可能、かつ、前記部品を吸着保持可能な保持シャフトを有し、
前記保持シャフトは、前記部品を溶接可能な溶接位置と、前記溶接位置より前記可動電極から突出し前記部品受部から前記部品を吸着可能な進出位置と、の間を移動可能とされ、
前記シュートの前記先端部を前記供給状態とし、前記部品受部に配された前記部品を、前記保持シャフトが、前記可動電極内から前記進出位置に進出して前記部品を吸着して前記溶接位置まで移動し、前記シュートの前記先端部を前記退避状態とし、前記保持シャフトで保持された前記部品を前記可動電極で、前記ワークに前記部品を溶接可能とされている。
【0008】
これによれば、部品供給装置と、可動電極側装置に、機能、構成を分散させて、部品供給ユニットの構成、機能の簡素化を図ることがきる。
【0009】
また、前記シュートの前記先端部は、一対の分割片を備え、前記一対の分割片は、第一駆動手段により駆動されて互いに揺動して接近、離隔可能に構成され、
前記一対の分割片が互いに接近した接近状態にあるとき、前記部品受部が形成され、前記供給状態となり、
前記一対の分割片が互いに離隔した離隔状態にあるとき、前記退避状態となるよう構成されている。
【0010】
上記従来の部品供給ユニット及びそれを用いた抵抗溶接機では、供給ヘッドを四つの工程で出し戻しをするが、特に進退ロッドの、部品が保持される電極の近傍に位置する進出位置と、部品供給管の近傍に位置する部品受け位置と、の間の移動ストロークが長くなるため、工程全体のタクトタイムが長くなる傾向にあり、さらなる改善が望まれていた。
【0011】
上記構成とすれば、一対の分割片が互いに接近した接近状態にあるとき、可動電極の近傍に位置して、上流側から送給されてきた部品を受け止め可動電極への移し替えを可能とすることで、保持シャフトの移動ストロークを短縮可能となる。さらに、一対の分割片を互いに離隔させるだけで退避状態にできるため、部品を供給するタクトタイムを短縮することができる。
【0012】
また、前記部品は、軸部と、フランジ部と、を有する溶接ボルトであり、
前記部品が保持される電極が、上側に配置される可動電極であり、
前記シュートには、前記部品を係止する係止部材が配設され、
前記部品は、前記係止部材により係止され、第三駆動手段により前記係止部材の係止を解除することで、前記部品が自重で移動して前記部品受部に供給される。
【0013】
これによれば、従来の部品供給装置及びそれを用いた抵抗溶接機では、頭部と、軸部と、フランジ部と、を有するスタッドボルトを供給するものであったが、このような構成とすれば、軸部と、フランジ部と、を有し、フランジ部の軸部側の面で溶接される溶接ボルトに適用できる。さらに、係止部材で部品を係止する構成として、部品受部に複数の部品が供給されることを防止することができる。
【0014】
また、前記部品は、軸部と、フランジ部と、を有する溶接ボルトであり、
前記部品が保持される電極が、上側に配置される可動電極であり、
前記シュートは、固定シュートと、前記固定シュートの上側に位置する可動シュートと、を備え、
前記固定シュートには、前記部品を待機させる部品待機部が配設され、
前記部品は、前記部品待機部で待機した状態で、第四駆動手段により前記可動シュートを移動させることにより、前記部品受部に供給される。
【0015】
このような構成としても、軸部と、フランジ部と、を有し、フランジ部の軸部側の面で溶接される溶接ボルトに適用できる。部品が、下流側の部品の流れ方向とは異なる方向から移動してくる場合に、部品待機部で部品を待機させ、可動シュートを移動させることで、シュート内での部品の詰まりを防止することができる。
【0016】
請求項5記載の発明では、可動電極で部品が保持され、ワークと前記部品とを溶接する抵抗溶接機であって、
請求項1~4のいずれかに記載の部品供給ユニットを備え、
前記可動電極側装置は、前記可動電極に配設され、前記シュートは、前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられている。
【0017】
これによれば、上記の部品供給ユニットの効果を奏する抵抗溶接機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態の部品供給ユニットが配設された抵抗溶接機の正面図である。
図2】本発明の一実施形態の部品供給ユニットが配設された抵抗溶接機の右側面図である。
図3】部品供給ユニットの左側面図である。
図4図3のIV-IV線矢視断面図である。
図5】可動電極側装置の左側面図である。
図6図5のVI-VI線矢視断面図である。
図7】部品供給装置の正面図である。
図8図9のVIII-VIII線矢視断面図である。
図9】部品供給装置の左側面図である。
図10】部品供給装置の平面図である。
図11図7のXI-XI線矢視断面図である。
図12】部品供給ユニットの動作説明図である。
図13】部品供給ユニットの動作説明図で、図12の続きである。
図14】部品供給ユニットの動作説明図で、図13の続きである。
図15】部品供給ユニットの動作説明図で、図14の続きである。
図16】部品供給装置の変形例の正面図である。
図17図18のXVII-XVII線矢視断面図である。
図18】変形例の部品供給装置の左側面図である。
図19】変形例の部品供給装置の平面図である。
図20図19のXX-XX線矢視断面図である。
図21】部品供給ユニットの変形例の正面図である。
図22】部品供給ユニットの変形例の左側面図である。
図23図22のXXIII-XXIII線矢視断面図である。
図24】変形例の部品供給ユニットの動作説明図である。
図25】変形例の部品供給ユニットの動作説明図で、図24の続きである。
図26】変形例の部品供給ユニットの動作説明図で、図25の続きである。
図27】変形例の部品供給ユニットの動作説明図で、図26の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明における部品供給ユニットが配設された抵抗溶接機の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、各図面に記載される矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0020】
本発明における抵抗溶接機の一実施形態を図面に基づいて説明する。抵抗溶接機10は、概略的には、図1、2に示すように、部品供給ユニット100が、部品としての、軸部WB1と、フランジ部WB2と、を有する溶接ボルトWB(図12等参照)を、抵抗溶接機10の上側の可動電極16(部品が保持される電極)に供給し、可動電極16が溶接ボルトWBを受け取り、保持して、下側の固定電極18上に配される平板状のワークW(図12等参照)を挿通させ、溶接ボルトWBとワークWを可動電極16及び固定電極18で挟み、通電することで、溶接ボルトWBをワークWに溶接するものである。
【0021】
抵抗溶接機10は、図1、2に示すように、上方側の可動電極16と下方側の固定電極18とを備えて構成され、可動電極16は、可動側ホーン15に保持され、固定電極18は固定側ホーン17に保持されている。可動側ホーン15は、上支持アーム12に保持されたエアシリンダ14の上下動するシリンダロッド14aに固定されており、エアシリンダ14の作動により、可動側ホーン15に保持された可動電極16が、固定電極18に向かって下降する。本体11は、上部で上支持アーム12を前方に延ばすように配設させ、下部で下支持アーム13を前方に延ばすように配設させて、下支持アーム13に固定側ホーン17が保持されている。
【0022】
部品供給ユニット100は、図3~11等に示すように、可動電極側装置20と、部品供給装置110と、を有している。
【0023】
可動電極16に、溶接ボルトWBを吸着保持可能とする可動電極側装置20が配設されている。可動電極側装置20は、図3~6に示すように、電極チップ30と、シャンク32と、メインホルダ33と、外管34と、冷却ジャケット35と、保持シャフト38と、アダプタ42と、エアシリンダ45(特許請求の範囲の第二駆動手段に相当する)と、を備えている。
【0024】
電極チップ30は、円筒状に形成され、上下方向に貫通する貫通孔を有し、当該貫通孔は、電極チップ30の上面から下面に向かう大内径部30aと、大内径部30aより小径に形成された小内径部30bと、を有している。大内径部30a、小内径部30b内には、後述する保持シャフト38の先端部材40が挿通可能とされている。
【0025】
電極チップ30の上部には、シャンク32が取り付けられている。
【0026】
シャンク32は、下小径部32aと、下小径部32aより大径に形成された大径部32bと、下小径部32aより大径かつ大径部32bより小径に形成された中径部32cと、を有している。シャンク32は、上下方向に沿って円形に貫通する段付き貫通孔を有している。当該段付き貫通孔は、シャンク32の上面から下面に向かう大内径部32dと、大内径部32dより小径に形成された小内径部32eと、を有している。
【0027】
大内径部32dは、後述する先端部材40の大径部40cが、小内径部32eは、後述する先端部材40の中径部40bが、挿通可能な径に形成されている。
【0028】
電極チップ30の大内径部30aに、シャンク32の下小径部32aが嵌め込まれて、電極チップ30と、シャンク32とが連結されている。
【0029】
シャンク32の上部には、メインホルダ33が取り付けられている。
【0030】
メインホルダ33は、略円筒状に形成されている。メインホルダ33は、下面から上面に向かう貫通孔を有し、当該貫通孔は、下大内径部33aと、下大内径部33aと略同一径に形成された上大内径部33bと、下大内径部33aと、上大内径部33bより小径に形成された小内径部33cと、を有している。小内径部33cの上端部には、内面から外面まで貫通する一対の横孔部33dが形成されている。
【0031】
シャンク32の中径部32cと、メインホルダ33の下大内径部33aの内周面とが螺合されて、シャンク32とメインホルダ33とが連結されている。
【0032】
メインホルダ33の外側には、円筒状の外管34が嵌められている。外管34の上部には、外面から内面まで貫通する横孔34aが形成されている。
【0033】
外管34の上端部の外側には、冷却ジャケット35が取り付けられている。
【0034】
冷却ジャケット35は、上下方向に貫通する貫通孔35aを有して円筒状に形成されている。冷却ジャケット35には、外周面から貫通孔35aまで貫通する横孔35bが形成されている。横孔部33dと、横孔34a、横孔35bとを連通させて、ボルト36で締結することで、冷却ジャケット35がメインホルダ33、外管34に取り付けられている。また、冷却ジャケット35には、冷却水を流通可能とするホースニップル37が取り付けられている。
【0035】
保持シャフト38は、本体部材39と、先端部材40と、で構成されている。
【0036】
本体部材39は、円柱状に形成され。下面から上面に向かう下有底孔39aと、上面から下面に向かう上有底孔39bと、を有している。
【0037】
先端部材40は、小径部40aと、小径部40aより大径に形成された中径部40bと、中径部40bより大径に形成され、小径部40aと中径部40bとを連結する大径部40cと、を有して略段付き円柱状に形成されている。
【0038】
大径部40cの外径は、本体部材39の外径と略同一とされている。
【0039】
中径部40bの下端部には、下面から上面に向かう有底孔40dが形成され、有底孔40d内に磁石41が取り付けられている。
【0040】
本体部材39の下有底孔39aと、先端部材40の小径部40aとを螺合させることで、保持シャフト38が一体形成されている。
【0041】
メインホルダ33の上部には、アダプタ42が取り付けられている。アダプタ42は、小径部42aと、小径部42aより大径に形成された大径部42bと、を有して段付き円柱状に形成されている。アダプタ42には、上面から下面まで貫通する貫通孔42cが形成されている。大径部42bの外周面から、貫通孔42cまで貫通する横孔42dが形成されている。横孔42dには、エア用の継手部材43が取り付けられている。
【0042】
継手部材43は、図示しない、通気配管、エアコンプレッサと接続されている。当該エアコンプレッサのエアにより、大内径部30a、小内径部30b、大内径部32d、小内径部32e、下大内径部33a、上大内径部33b、小内径部33c、貫通孔42c内の塵芥等をエアブロー可能とされている。
【0043】
アダプタ42の上部には、エアシリンダ45が取り付けられている。
【0044】
エアシリンダ45は、シリンダチューブ46と、上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48と、を備え、エアシリンダ45の下側において下ピストンロッド48が進退可能な二段ストローク式のものが用いられている(SMC製 CDJ2B16-25+5Z)。
【0045】
シリンダチューブ46内は、上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48上下方向にそれぞれ移動可能に区画されている。
【0046】
本実施形態では、上ピストンロッド47の移動ストロークは25mm、下ピストンロッド48の移動ストロークは30mmに設定され、上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48とでは、5mm移動ストロークに差が設けられている。
【0047】
シリンダチューブ46には、上から、上ポート49、中ポート50、下ポート51が形成され、上ポート49、中ポート50、下ポート51には、流量調整弁52、52、52がそれぞれ取り付けられ、吸排気の空気の流量を調整可能としている。
【0048】
上ポート49、中ポート50からエアが流入すると、上ピストンロッド47、下ピストンロッド48が下側に移動するが、5mm移動ストロークに差が設けられているので、上ピストンロッド47の下面と、下ピストンロッド48の上面とは、5mm隙間があく。その状態で、下ポート51からエアが流入すると、中ポート50からエアが抜け、下ピストンロッド48のみが持ち上げられる。さらに、その状態から、上ポート49からエアが抜けると、上ピストンロッド47、下ピストンロッド48が持ち上げられる。
【0049】
シリンダチューブ46の下端部分に形成された小径部46aと、アダプタ42の貫通孔42cと、を螺合することで、エアシリンダ45とアダプタ42とが連結されている。
【0050】
下ピストンロッド48の下端部48aが、保持シャフト38の本体部材39の上有底孔39bと螺合されることによって、下ピストンロッド48と保持シャフト38とが連結されている。
【0051】
本実施形態では、保持シャフト38は、大内径部30a、小内径部30b、大内径部32d、小内径部32e、下大内径部33a、上大内径部33b、小内径部33c、貫通孔42c内を移動可能に配設されている。
【0052】
アダプタ42の貫通孔42c、メインホルダ33の上大内径部33b、小内径部33cの上部、の領域に、下ピストンロッド48のロッド部分が挿通されている。
【0053】
そして、メインホルダ33の小内径部33cの内面と、保持シャフト38の本体部材39の外面との間には、円筒状に形成された樹脂カラー53が取り付けられている。
【0054】
部品供給装置110は、図1、2に示すように、上支持アーム12に取付フレーム19、取付プレート101、取付アーム102を介して取り付けられている。換言すれば、抵抗溶接機10の非可動部位に取り付けられている。
【0055】
部品供給装置110は、図3、4、7~11等に示すように、シュート120と、個別送りユニット190と、を有している。
【0056】
シュート120は、図3、4、7~11等に示すように、固定シュート130と、可動シュート160と、を備えている。
【0057】
固定シュート130は、シュートホース131と、サブシュート132と、を備えている。
【0058】
シュートホース131は、内部に溶接ボルトWBが通過可能な断面略T字状の部品通路131aを有した筒状に形成され、長手方向における一端側(上端側)で図示しないボルトフィーダーと接続された送給ホースと接続される。
【0059】
サブシュート132は、前後方向において線対称な形状とされる、一対のサブシュート形成部材133A、133Bで構成されている。
【0060】
サブシュート形成部材133A、133Bは、矩形柱状に形成され、部品の送り方向の上流側が下流側より幅広に形成された幅広部134を有している。また、サブシュート形成部材133A、133Bは、対向させた状態において、部品の送り方向からみて対向する上側の角部分が矩形状に切り欠かれた切欠部135を有している。
【0061】
サブシュート形成部材133A、133Bには、部品の送り方向に直交する方向において、貫通する図示しない挿通孔がそれぞれ形成されている。当該挿通孔は、後述する一対の光電センサ146の光線を検出可能にするものである。
【0062】
サブシュート形成部材133Aの後面、サブシュート形成部材133Bの前面、かつ、上記挿通孔の含む周辺には、平板状のスペーサー144が取り付けられている。スペーサー144には、上記挿通孔と連通可能な図示しない通孔が配設されている。
【0063】
スペーサー144のサブシュート形成部材133A、133Bとは反対側には、屈曲した平板状のセンサブラケット145を介して光電センサ146が取り付けられている。光電センサ146は、後述するストッパピン193で溶接ボルトWBが係止されたときに、その位置に溶接ボルトWBが存在することを検知するためのものである。
【0064】
サブシュート132は、一対のサブシュート形成部材133A、133Bを対向させた状態で構成され、切欠部135と、他方のサブシュート形成部材133A、133Bが対向する面と、で通路形成部137が構成される。
【0065】
一対のサブシュート形成部材133A、133Bの上面間には、矩形平板状のカバー138が架け渡されている。
【0066】
カバー138には、厚さ方向において貫通するピン挿通孔138aが形成されている。ピン挿通孔138aは、後述するストッパピン193を挿通させるためのものである。
【0067】
シュートホース131と、サブシュート形成部材133A、133Bは、上連結プレート140と、サイドガイド142と、下連結プレート143と、を用いて連結されている。
【0068】
上連結プレート140は、平板状に形成され、部品の送り方向における、上流側に配され中央部より幅広に形成された上幅広部140aと、下流側に配され中央部より幅広に形成された下幅広部140bを有している。
【0069】
シュートホース131の上側に上連結プレート140が配されている。
【0070】
上幅広部140aには、ホースクランプ141が取り付けられている。シュートホース131は、上幅広部140aと、ホースクランプ141とで囲まれた状態で保持されている。下幅広部140bの前後方向における端部には、矩形平板状のサイドガイド142がそれぞれ取り付けられている。
【0071】
サイドガイド142の上連結プレート140とは反対側の端部には矩形平板状の下連結プレート143が取り付けられている。下幅広部140bと、一対のサイドガイド142、下連結プレート143とで囲まれる領域で、シュートホース131が保持されている。
【0072】
サブシュート132は、一対のサブシュート形成部材133A、133Bが前後方向に間隔を設けて配され、サブシュート形成部材133A、133Bの幅広部134の下面と、下連結プレート143の上面が、図示しないボルトで締結されている。
【0073】
サブシュート132と、可動シュート160とは、本体ブロック150を介して連結されている。
【0074】
本体ブロック150は、略直方体状に形成され、右下側が三角柱上に切り取られて形成された傾斜面部151を有している。また、本体ブロック150は、左上側が薄い平板状に切り取られ、後述するエアチャック170を取り付け可能な取付部152を有している。
【0075】
本体ブロック150の取付部152の下側には、直方体状のストッパブロック153が取り付けられている。ストッパブロック153は、後述するエアチャック170の一対のフィンガ172と当接して、フィンガ172の移動を規制するものである。
【0076】
本体ブロック150の傾斜面部151と、サブシュート形成部材133A、133Bの上面とを対向させて、図示しないボルトでボルト締めすることで、本体ブロック150と、一対のサブシュート形成部材133A、133Bとが連結されている。
【0077】
通路形成部137と、本体ブロック150の傾斜面部151及びカバー138と、で囲まれる領域が、サブシュート132の部品通路122となる。
【0078】
可動シュート160は、エアチャック170(特許請求の範囲の第一駆動手段に相当する)と、一対の分割片180A、180Bで構成されている。
【0079】
エアチャック170は、既存のエアチャックが用いられている(SMC製 MHC2-20S)。
【0080】
エアチャック170のボディ171の右面と下面を、本体ブロック150の取付部152に対向させて配した状態で、図示しないボルトで締結することで、エアチャック170が、本体ブロック150に取り付けられている。
【0081】
エアチャック170のボディ171から下方に延びる、角筒状の一対のフィンガ172の外側に、角筒状に形成されたレバー173が、上下方向に沿って延びるようにそれぞれ取り付けられている。
【0082】
一対のレバー173の下端部の前後方向における内側には、断面略L字状に形成されたガイド部材174が、取り付けられている。
【0083】
一対のガイド部材174の内側には、シュート120の先端部121を構成し、前後方向において線対称な形状とされる、一対の分割片180A、180Bが、水平方向に対して左側が下となるように傾斜して取り付けられている。
【0084】
分割片180A、180Bは、角筒状に形成される通路形成部181と、通路形成部181に対して傾斜して形成される部品受部形成部182と、それぞれ有している。
【0085】
部品受部形成部182には、上面から下面に向かう略半円錐台状の凹部として形成されるフランジ部受部182aと、内側から外側に向かう略半円柱状の凹部として形成される軸部受部182bと、を有している。
【0086】
部品受部形成部182の左側の端部には、左面から右面に向かう凹部として形成された磁石配置部183が配設され、磁石配置部183に磁石184がそれぞれ嵌め込まれている。
【0087】
部品受部形成部182の左面には、平板状に形成され、磁石184を覆い可能な磁石押さえ185が取り付けられている。
【0088】
ガイド部材174の上面には、平板状のシュートカバー175が、取り付けられている。シュートカバー175は、後述する分割片180A、180Bの上側を覆い可能に形成されている。
【0089】
一対の分割片180A、180Bが接近した状態において、シュートカバー175の下面と、ガイド部材174の内側の面と、分割片180A、180Bの上面と、分割片180Aと分割片180Bとの間、の空間部分で形成される領域が、部品が通過する部品通路186とされる。
【0090】
一対の分割片180A、180Bが接近した状態において、フランジ部受部182aと、軸部受部182bと、部品受部形成部182のフランジ部受部182a及び軸部受部182bの周辺の空間部分とで、溶接ボルトWBの部品受部187が構成される。つまり、シュート120の先端部121に、溶接ボルトWBの部品受部187が構成されることになる。
【0091】
部品受部187において溶接ボルトWBは、一対の分割片180A、180Bが接近した状態のときに、磁石184の磁力により移動を規制されて保持される。
【0092】
エアチャック170のフィンガ172が互いに接近するように移動して、ストッパブロック153と当接した状態においては、一対の分割片180A、180Bは接近することを妨げられた状態となり、一対の分割片180A、180Bが干渉することなく接近した状態となる。
【0093】
また、エアチャック170のフィンガ172が互いに離隔するように移動すると、一対の分割片180A、180Bが離隔して、可動電極16との干渉が生じない空間を形成する。
【0094】
個別送りユニット190は、図3、4、7~11等に示すように、スペーサー191と、エアシリンダ192(特許請求の範囲の第三駆動手段に相当する)と、を備えている。
【0095】
スペーサー191は、金属製で、挿通孔191aを有した平板状に形成され、下面において本体ブロック150の上面に、ボルトにより取り付けられている。
【0096】
スペーサー191の上面に、エアシリンダ192が取り付けられている。
【0097】
エアシリンダ192のピストンロッド192aには、下方に延びるストッパピン193が配設されている。
【0098】
本実施形態では、ピストンロッド192aは、挿通孔191aを挿通し、ストッパピン193は、ピン挿通孔138aを挿通して、部品通路122まで進出可能とされている。
【0099】
ピン挿通孔138aは、部品通路122内の溶接ボルトWBを、係止したり、係止を解除したり、することを可能にするものである。
【0100】
エアシリンダ192は、図示しない、制御回路、エアコンプレッサに接続されている。
【0101】
部品供給装置110は、図9に示すように、本体ブロック150の後面において、取付プレート101、取付アーム102を介して、取付フレーム19に取り付けられている。
【0102】
上記構成の部品供給ユニット100の機能、作用を説明する。
【0103】
可動電極側装置20は、図4に参照するように、エアシリンダ45の上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48は、下ポート51からエアが流入した状態で、一番上の位置にあり、下ピストンロッド48と連結されている保持シャフト38も、一番上の位置(以下、待機位置とする)にある。
【0104】
また、部品供給装置110では、図8、9に参照するように、可動シュート160の分割片180A、180Bが、互いに接近した接近状態にあり、溶接ボルトWBが、サブシュート132内でストッパピン193に係止された状態にある。
【0105】
固定電極18には、図12に示すように、溶接ボルトWBの軸部WB1を挿通可能な挿通孔18aが形成され、溶接ボルトWBが溶接されるワークWに形成された孔W1と、挿通孔18aを位置合わせする。
【0106】
この状態から、エアシリンダ192を駆動してストッパピン193の係止を解除すると、溶接ボルトWBは、サブシュート132の部品通路122、先端部121の部品通路186を自重で滑り降り、部品受部187まで移動する。部品受部187近傍には磁石184が配されているので、溶接ボルトWBは、図8に示すように、部品受部187に確実に受け止められる。
【0107】
光電センサ146が溶接ボルトWBを検知しなくなると、エアシリンダ192を駆動してストッパピン193を部品通路122内に配置して、図8に示すように、次に送られてくる溶接ボルトWBを係止する。
【0108】
溶接ボルトWBが、部品受部187に確実に受け止められた状態で、上ポート49、中ポート50からエアを流入し、下ポート51からエアを流出させると、上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48は、一番下の位置に移動する。
【0109】
上ピストンロッド47の移動ストロークは25mm、下ピストンロッド48の移動ストロークは30mmに設定され、上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48とでは、5mm移動ストロークに差が設けられているので、図5、6に示すように、下ピストンロッド48と連結されている保持シャフト38も、一番下の位置(以下、進出位置とする)まで移動する。
【0110】
保持シャフト38が、進出位置まで移動すると、図12に示すように、部品受部187で受け止められている溶接ボルトWBのフランジ部WB2の上面と接し、保持シャフト38を構成する先端部材40の中径部40bの下端部に配された磁石41により、溶接ボルトWBが吸着される。
【0111】
保持シャフト38が、溶接ボルトWBを吸着すると、下ポート51からエアが流入し、下ピストンロッド48が上側に移動する。このとき、中ポート50からエアが抜け、上ポート49からのエアの流入は継続しており、上ピストンロッド47は一番下の位置のままとなっていて、下ピストンロッド48は、5mmのみ上側に移動する。それにともない、保持シャフト38も、5mmのみ上側に移動する(保持シャフト38のこの位置を、溶接ボルトWBを溶接可能な溶接位置とする)。
【0112】
保持シャフト38が、図13に示すように、溶接位置まで移動すると、保持シャフト38の下面が、電極チップ30の下面と略面一となり、溶接ボルトWBを溶接可能となる。
【0113】
そして、エアチャック170を駆動させ、一対のフィンガ172を拡開させる。すると、それにともない、図14に示すように、一対の分割片180A、180Bが互いに離隔した離隔状態となり、可動電極16との干渉が生じない空間を形成する。
【0114】
エアシリンダ14を駆動させて、図15に示すように、可動電極16を下降させると、ワークWの挿通孔18aに溶接ボルトWBの軸部WB1が入り、上ポート49からエアを流出させるとともに、下ポート51からエアを流入させる。
【0115】
すると、上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48は、一番上の位置に戻り、下ピストンロッド48と連結されている保持シャフト38も、待機位置まで戻る。
【0116】
そして、溶接ボルトWBが、フランジ部WB2においてワークWに溶接される。溶接が終わると、可動電極16が上昇して、元の位置に戻る。
【0117】
上記構成の部品供給ユニット100では、ワークWと部品としての溶接ボルトWBとを溶接する抵抗溶接機10に、溶接ボルトWBを供給する部品供給ユニット100であって、
抵抗溶接機10の非可動部位に取り付けられる部品供給装置110と、抵抗溶接機10の可動電極16に配される可動電極側装置20と、を備え、
部品供給装置110は、抵抗溶接機10の可動電極16の移動軌跡上に先端部121を配置可能なシュート120を備え、
シュート120の先端部121は、上流側から送給されてきた溶接ボルトWBを受け止め可動電極16への移し替えを可能にする部品受部187を有し、第一駆動手段としてのエアチャック170により駆動されることにより、
可動電極16の近傍に位置して、溶接ボルトWBを供給可能とする供給状態と、
可動電極16と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
可動電極側装置20は、
可動電極16を構成するとともに、可動電極16に対して、可動電極16内を、第二駆動手段としてのエアシリンダ45により可動電極16の軸線に沿って移動可能、かつ、溶接ボルトWBを吸着保持可能な保持シャフト38を有し、
保持シャフト38は、溶接ボルトWBを溶接可能な溶接位置と、溶接位置より可動電極16から突出し部品受部187から溶接ボルトWBを吸着可能な進出位置と、の間を移動可能とされ、
シュート120の先端部121を供給状態とし、部品受部187に配された溶接ボルトWBを、保持シャフト38が、可動電極16内から進出位置に進出して溶接ボルトWBを吸着して溶接位置まで移動し、シュート120の先端部121を退避状態とし、保持シャフト38で保持された溶接ボルトWBを可動電極16で、ワークWに溶接ボルトWBを溶接可能とされている。
【0118】
これによれば、部品供給装置110と、可動電極側装置20に、機能、構成を分散させて、部品供給ユニット100の構成、機能の簡素化を図ることがきる。
【0119】
また、シュート120の先端部121は、一対の分割片180A、180Bを備え、一対の分割片180A、180Bは、第一駆動手段としてのエアチャック170により駆動されて互いに揺動して接近、離隔可能に構成され、
一対の分割片180A、180Bが互いに接近した接近状態にあるとき、部品受部187が形成され、供給状態となり、
一対の分割片180A、180Bが互いに離隔した離隔状態にあるとき、退避状態となるよう構成されている。
上記従来の部品供給ユニット及びそれを用いた抵抗溶接機では、供給ヘッドを四つの工程で出し戻しをするが、特に進退ロッドの、部品が保持される電極の近傍に位置する進出位置と、部品供給管の近傍に位置する部品受け位置と、の間の移動ストロークが長くなるため、工程全体のタクトタイムが長くなる傾向にあり、さらなる改善が望まれていた。
【0120】
上記構成とすれば、一対の分割片180A、180Bが互いに接近した接近状態にあるとき、可動電極16の近傍に位置して、上流側から送給されてきた溶接ボルトWBを受け止め可動電極16への移し替えを可能とすることで、保持シャフト38の移動ストロークを短縮可能となる。さらに、一対の分割片180A、180Bを互いに離隔させるだけで退避状態にできるため、溶接ボルトWBを供給するタクトタイムを短縮することができる。
【0121】
また、部品は、軸部WB1と、フランジ部WB2と、を有する溶接ボルトWBであり、
溶接ボルトWBが保持される電極が、上側に配置される可動電極16であり、
シュート120には、溶接ボルトWBを係止する係止部材としてのストッパピン193が配設され、
溶接ボルトWBは、ストッパピン193により係止され、第三駆動手段としてのエアシリンダ192によりストッパピン193の係止を解除することで、溶接ボルトWBが自重で移動して部品受部187に供給される。
【0122】
これによれば、従来の部品供給装置及びそれを用いた抵抗溶接機では、頭部と、軸部と、フランジ部と、を有するスタッドボルトを供給するものであったが、このような構成とすれば、軸部WB1と、フランジ部WB2と、を有し、フランジ部WB2の軸部WB1側の面で溶接される溶接ボルトWBに適用できる。さらに、ストッパピン193で溶接ボルトWBを係止する構成として、部品受部187に複数の溶接ボルトWBが供給されることを防止することができる。
【0123】
本発明を抵抗溶接機としてみれば、可動電極16で溶接ボルトWBが保持され、ワークWと溶接ボルトWBとを溶接する抵抗溶接機であって、
部品供給ユニット100を備え、
可動電極側装置20は、可動電極16に配設され、シュート120は、抵抗溶接機10の非可動部位に取り付けられている。
【0124】
これによれば、上記の部品供給ユニット100の効果を奏する抵抗溶接機とすることができる。
【0125】
本発明の部品供給装置の変形例を図面に基づいて説明する。以下の説明では、部品供給装置110と同様の構成については、同一の番号を付し、説明の全部又は一部を省略する。
【0126】
部品供給装置210では、図16~20に示すように、シュート220が、さらに、第二可動シュート261を備えている。
【0127】
第二可動シュート261は、ホースホルダ231と、ホルダ232と、スライドベース235と、を有している。
【0128】
ホースホルダ231は、溶接ボルトWBを、軸部WB1側を下にして移動可能な挿通孔231aを有する円筒状に形成されている。ホースホルダ231の下端面の左右の端部には、円弧状で下方に突出するように形成された保持部231bが配設されている。保持部231bは、溶接ボルトWBのフランジ部WB2を、移動可能に保持するものである。
【0129】
ホースホルダ231は、下端部の外側にホルダ232が取り付けられている。
【0130】
ホルダ232は、直方体状に形成され、上下方向に貫通する挿通孔232aを有し、前面から挿通孔232aまで到達する割り溝232bが形成されている。挿通孔232aにホースホルダ231の下端部を挿通して割り溝232bを挟んでボルト232cで締結することで、ホルダ232とホースホルダ231が連結されている。
【0131】
ホルダ232の下部に、スライドベース235が配されている。
【0132】
スライドベース235は、略直方体状に形成され、上下方向に貫通する挿通孔235aを有している。また、スライドベース235は、スライドベース235の右面から挿通孔235aまで貫通する取付孔235bを、有している。取付孔235bは、後述する駆動ロッド296と連結可能とされている。スライドベース235の前後の端部には、矩形平板状で前後方向にそれぞれ延びる被ガイド部235cが配設されている。
【0133】
ホースホルダ231の下端部を挿通孔235aに挿通させて、ホルダ232の下面と、スライドベース235の上面とを対向させて、図示しないボルトにより締結することで、ホースホルダ231と、ホルダ232と、スライドベース235と、が連結されている。
【0134】
スライドベース235の下部に、ボルト受け部材240が配設されている。
【0135】
ボルト受け部材240は、前後方向において線対称な形状とされる一対のボルト受け形成部241と、一対のボルト受け形成部241を連結する連結部242と、を有している。
【0136】
ボルト受け形成部241は、直方体状に形成され下部右側が三角柱状に切り取られて形成された傾斜面部241aを有している。
【0137】
また、ボルト受け形成部241は、左右方向からみて対向する上側の角部分が三角形状に切り欠かれた切欠部241bを有している。
【0138】
ボルト受け形成部241には、内面から外面に向かう略半円錐状の凹部として形成されるフランジ部受部241cを有している。フランジ部受部241cは、切欠部241bと連設されている。フランジ部受部241cは、溶接ボルトWBが待機した状態のとき、溶接ボルトWBのフランジ部WB2の上面と、ボルト受け形成部241の上面とが、略面一となるように形成されている。
【0139】
一対のボルト受け形成部241には、ボルト受け形成部241の外側となる面から、ボルト受け形成部241の内側のフランジ部受部241cの近傍まで貫通する通孔241dが形成されている。通孔241dは、後述する一対の光電センサ297の光線を検出可能にするものである。
【0140】
連結部242は、直方体状に形成され、一対のボルト受け形成部241の右端部どうしを連結するとともに、上面から下面に向かう有底溝として形成されたガイド溝242aが、左右方向に沿って形成されている。ガイド溝242aは、フランジ部受部241cと連設されている。ガイド溝242aは、ホースホルダ231の保持部231bが干渉しないようにするものである。
【0141】
本実施形態では、ボルト受け部材240は、一対のボルト受け形成部241を対向させた状態で構成され、切欠部241bと他方のボルト受け形成部241と対向する面で通路形成部243が構成され、通路形成部243とホルダ232とで囲まれる領域が、本変形例における部品が通過する部品通路となる。
【0142】
また、フランジ部受部241cと、ボルト受け形成部241のフランジ部受部241cの周辺部分が、溶接ボルトWBを待機させる部品待機部244となる。
【0143】
ボルト受け部材240のボルト受け形成部241の外側となる面には、スライドガイド245がそれぞれ配設されている。
【0144】
スライドガイド245は、図20に示すように、上下方向に延びる垂直部245aと、垂直部245aの上端部から水平方向に延びる水平部245bと、を有している。
【0145】
スライドガイド245は、垂直部245aにおいて、ボルト受け形成部241の外側となる面に、ボルト等で取り付けられる。スライドガイド245と、ボルト受け形成部241とで囲まれる領域にスライドベース235の被ガイド部235cが配される。
【0146】
スライドベース235は、左右方向への移動が許容され、ボルト受け形成部241の上面と水平部245bの下面が、スライドベース235の被ガイド部235c上下の面と当接することで、スライドベース235の上下方向への移動が規制される。
【0147】
ボルト受け部材240の左下部には、サブシュート250が取り付けられている。
【0148】
サブシュート250は、一対のサブシュート形成部材251が前後方向に間隔を設けて配されている。本変形例では、略L字状に形成され、部品通路を形成する通路形成部252と、通路形成部252に対して直交する方向に角柱状の取付部253が延設されている。
【0149】
通路形成部252には、サブシュート形成部材133A、133Bの切欠部135と同様の、部品の送り方向からみて対向する上側の角部分が矩形状に切り欠かれた切欠部252aが配設されている。
【0150】
一対のボルト受け形成部241の傾斜面部241aと、取付部253の上面とが、図示しないボルトで締結されている。
【0151】
サブシュート250と本体ブロック150との連結は、通路形成部252の上面と本体ブロック150の傾斜面部151とを対向させて、サブシュート250を、本体ブロック150とサブシュート132との連結と同様に図示しないボルトで締結される。
【0152】
本体ブロック150の右面には、V字状に屈曲した平板に形成されたガイド板233が取り付けられている。ガイド板233は、後述するエアシリンダ295により移動した、溶接ボルトWBが、シュート220外に飛び出ること防止するためのものである。
【0153】
本変形例では、通路形成部252と、本体ブロック150、ガイド板233とで囲まれる領域が、部品が通過する部品通路とされる。また、ボルト受け部材240は、固定シュート230を構成する。
【0154】
個別送りユニット290は、図16、17、19に示すように、スペーサー291と、シリンダプレート292と、エアシリンダ295(特許請求の範囲の第四駆動手段に相当する)と、を備えている。
【0155】
スペーサー291は、角柱状で、ボルト受け部材240の右面に取り付けられている。
【0156】
シリンダプレート292は、平板状で、左右方向において貫通する挿通孔292aを有している。
【0157】
シリンダプレート292の右面には、エアシリンダ295が取り付けられている。
【0158】
エアシリンダ295のピストンロッド295aには、溶接ボルトWBを押圧可能な駆動ロッド296が配設されている。
【0159】
本実施形態では、ピストンロッド295aは、挿通孔292aを挿通し、スライドベース235の取付孔235bにおいて、スライドベース235と連結されている。以上のことから、エアシリンダ295の駆動により、第二可動シュート261が、左右方向に沿って移動することになる。
【0160】
エアシリンダ295は、図示しない、制御回路、エアコンプレッサに接続されている。
【0161】
一対のボルト受け形成部241の通孔241dに対応する位置には、センサブラケット298、スペーサー299を介して光電センサ297がそれぞれ取り付けられている。光電センサ297は、部品待機部244に溶接ボルトWBが存在することを検知するためのものである。
【0162】
変形例の部品供給装置210の機能、作用を説明する。
【0163】
ホースホルダ231から、軸部WB1を下にして送られてくる溶接ボルトWBを部品待機部244で待機させる。溶接ボルトWBを、部品の送り方向における下流側に送る場合には、エアシリンダ295を駆動させ、第二可動シュート261を左側に移動させる。第二可動シュート261が移動することにより、部品待機部244にある溶接ボルトWBは、フランジ部WB2がホースホルダ231の保持部231b、231bで保持されながら、部品待機部244から、切欠部241b上を移動し、ガイド板233によりシュート220外に飛び出ること防止されたうえで、サブシュート250に送られ自重により、部品受部187まで移動する。
【0164】
変形例の部品供給装置210を備えた、部品供給ユニット200としては、
溶接ボルトWBが保持される電極が、上側に配置される可動電極16であり、
シュート220は、固定シュート230と、固定シュート230の上側に位置する可動シュートとしての第二可動シュート261と、を備え、
固定シュート230には、溶接ボルトWBを待機させる部品待機部244が配設され、
溶接ボルトWBは、部品待機部244で待機した状態で、第四駆動手段としてのエアシリンダ295により第二可動シュート261を移動させることにより、部品受部187に供給される。
【0165】
このような構成としても、軸部WB1と、フランジ部WB2と、を有し、フランジ部WB2の軸部側の面で溶接される溶接ボルトWBに適用できる。溶接ボルトWBが、下流側の溶接ボルトWBの流れ方向とは異なる方向から移動してくる場合に、部品待機部244で溶接ボルトWBを待機させ、第二可動シュート261を移動させることで、シュート220内での部品の詰まりを防止することができる。
【0166】
本発明の部品供給ユニットの変形例を図面に基づいて説明する。部品供給ユニット300は、図21~23等に示すように、可動電極側装置20と、部品供給装置310と、を備える。
【0167】
可動電極側装置20は、上ピストンロッド47と、下ピストンロッド48と、移動ストロークの差が、5mmであったものが、20mm程度に変更されている以外は、上記実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0168】
部品供給装置310のシュート320は、ホースホルダ331と、ホルダブラケット332と、先端部としてのワークホルダ380と、を有している。
【0169】
ホースホルダ331は、溶接ボルトWBを、軸部WB1側を下にして移動可能な挿通孔331aを有する円筒状に形成されている。
【0170】
ホースホルダ331の外側には、ホルダブラケット332が取り付けられている。
【0171】
ホルダブラケット332は、直方体状に形成され、上下方向に貫通する挿通孔332aを有し、左面から挿通孔332aまで到達する割り溝332bが形成されている。挿通孔332aにホースホルダ331の下端部を挿通して割り溝332bを挟んでボルト332cで締結することで、ホルダブラケット332とホースホルダ331が連結されている。
【0172】
シュート320の先端部としてのワークホルダ380は、直方体状に形成され、溶接ボルトWBを受け止める部品受部としての受け孔381が配設されている。受け孔381は、ワークホルダ380の上面から下面まで貫通する貫通孔として形成され、上側が円錐台状に形成され、下側が同一径とされている。
【0173】
ワークホルダ380は、後述する進退ロッド397と連結されている。
【0174】
ワークホルダ380は、エアシリンダ391(特許請求の範囲の第一駆動手段に相当する)により、可動電極16の近傍に位置して、溶接ボルトWBを供給可能とする供給状態と、可動電極16と干渉が生じない退避状態と、を取り得る。
【0175】
エアシリンダ391のピストンロッド391aには、進退ロッド397が取り付けられている。進退ロッド397の、ピストンロッド391aとは反対側には、ワークホルダ380が取り付けられている。
【0176】
エアシリンダ391のシリンダチューブ392の下側には、下連結プレート394が取り付けられている。下連結プレート394の下部には、取付フレーム19等に取り付け可能とするシリンダベース395が取り付けられている。
【0177】
シリンダチューブ392の上側には、上連結プレート396が取り付けられている。上連結プレート396は、ホルダブラケット332の右端部と連結されている。
【0178】
上記構成の部品供給ユニット300の機能、作用を説明する。上記実施形態と同様な部分は省略して簡潔に説明する。
【0179】
可動電極側装置20は、図4に参照するように、保持シャフト38は、一番上の位置(以下、待機位置とする)にある。
【0180】
また、部品供給装置310では、図23等に示すように、ワークホルダ380がホースホルダ331の近傍にあり、可動電極16と干渉が生じない退避状態で、ワークホルダ380の部品受部としての受け孔381に溶接ボルトWBが、保持された状態にある。
【0181】
固定電極18においては、図23に示すように、溶接ボルトWBが溶接されるワークWに形成された孔W1と、挿通孔18aを位置合わせする。
【0182】
エアシリンダ391を駆動させて、図24に示すように、ワークホルダ380を可動電極16の近傍に位置して、溶接ボルトWBを供給可能とする供給状態とする。
【0183】
溶接ボルトWBが、受け孔381に確実に受け止められた状態で、エアシリンダ45が駆動して、図24に示すように、保持シャフト38が、一番下の位置(以下、進出位置とする)まで移動する。
【0184】
保持シャフト38が、進出位置まで移動すると、受け孔381で受け止められている溶接ボルトWBのフランジ部WB2の上面と接し、保持シャフト38を構成する先端部材40の中径部40bの下端部に配された磁石41により、溶接ボルトWBが吸着される。
【0185】
保持シャフト38が、溶接ボルトWBを吸着すると、エアシリンダ45が駆動して、下ピストンロッド48が上側に移動する。
【0186】
すると、保持シャフト38が、図25に示すように、溶接位置まで移動し、保持シャフト38の下面が、電極チップ30の下面と略面一となり、溶接ボルトWBを溶接可能となる。
【0187】
そして、エアシリンダ391を駆動させ、図26に示すように、ワークホルダ380を退避状態とする。そして、エアシリンダ14を駆動させて、図27に示すように、可動電極16を下降させると、ワークWの挿通孔18aに溶接ボルトWBの軸部WB1が入り、保持シャフト38が、待機位置まで戻り、溶接ボルトWBが、フランジ部WB2においてワークWに溶接される。溶接が終わると、可動電極16が上昇して、元の位置に戻る。
【0188】
上記のような構成としても、部品供給装置310と、可動電極側装置20に、機能、構成を分散させて、部品供給ユニット300の構成、機能の簡素化を図ることがきる。
【0189】
本発明の部品供給装置及び抵抗溶接機は上記構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0190】
例えば、下側に配置される可動電極16で部品が保持され、ワークWと部品とを溶接する抵抗溶接機に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0191】
10 抵抗溶接機
16 可動電極
20 可動電極側装置
38 保持シャフト
100 部品供給ユニット
110 部品供給装置
120 シュート
121 先端部
170 エアチャック
180A 分割片
180B 分割片
187 部品受部
192 エアシリンダ
193 ストッパピン
200 部品供給ユニット
210 部品供給装置
220 シュート
230 固定シュート
244 部品待機部
261 第二可動シュート
295 エアシリンダ
300 部品供給ユニット
310 部品供給装置
320 シュート
380 ワークホルダ
381 受け孔
391 エアシリンダ
W ワーク
WB 溶接ボルト
WB1 軸部
WB2 フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
図18
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