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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】飼育動物用のブーツ
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20240620BHJP
   A43B 3/00 20220101ALI20240620BHJP
   A43B 13/22 20060101ALI20240620BHJP
   A43B 23/02 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A01K13/00 K
A01K13/00 H
A43B3/00
A43B13/22 A
A43B23/02 101Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021551860
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 CA2020050274
(87)【国際公開番号】W WO2020176980
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】62/812,480
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521387796
【氏名又は名称】レス イノベーションズ ドッグ イー カッツ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディアンジェロ,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ダモーレ,テリー
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09943065(US,B1)
【文献】米国特許第10238089(US,B1)
【文献】登録実用新案第3184053(JP,U)
【文献】登録実用新案第3197313(JP,U)
【文献】特開2018-121539(JP,A)
【文献】登録実用新案第3115258(JP,U)
【文献】特開2006-254892(JP,A)
【文献】特開2006-336163(JP,A)
【文献】特開昭63-102931(JP,A)
【文献】特開2007-209273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
A43B 3/00
A43B 13/22
A43B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼育動物用のブーツ(10)であって、
管状本体(14)、底部閉鎖端(16)、および上部開放端(18)を有する布地材料(12)であって、外側表面(12’)および内側表面(12”)を画定する布地材料(12)と、
前記布地材料(12)の前記内側表面(12”)を覆うためのシリコーンゲル材料(20)であって、前記布地材料(12)に結合されている、シリコーンゲル材料(20)と、を備え、
前記ブーツは、前記ブーツが着用されている間、前記シリコーンゲル材料(20)と接触する前記飼育動物の足および下腿を覆い、かつそれに適合するように構成され、前記シリコーンゲル材料(20)および布地材料(12)は、前記布地およびシリコーン材料の柔軟性によって、前記ブーツ(10)を前記飼育動物の前記足および下腿に柔軟にかつ取り外し可能に固定するように構成され、前記シリコーンゲル材料(20)は、前記足に衝撃吸収保護を提供するように構成され、前記シリコーンゲル材料(20)は、1mm~6mmの間で構成される厚さを有し、且つ、防水性である、ブーツ(10)。
【請求項2】
前記布地材料(12)は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせを含む柔軟性材料と混合されたポリエステルを含む、または、前記布地材料(12)は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせを含む、または、前記布地材料(12)は、ポリエステルおよびスパンデックスの混紡を含む、請求項1に記載のブーツ。
【請求項3】
前記布地材料(12)が、0.5mm~1.5mmであり、および/またはシリコーンゲル材料(20)の厚さが、前記飼育動物の前記足および下腿への暖かさを提供するように、2mm~3mmである、請求項1に記載のブーツ。
【請求項4】
前記布地材料(12)は、前記シリコーンゲル材料(20)に融着または接着されている、請求項1に記載のブーツ。
【請求項5】
前記シリコーンゲル材料(20)はアロエベラ製品もしくは保湿製品またはこれらの任意の組み合わせが注入されている、請求項1に記載のブーツ。
【請求項6】
前記底部閉鎖端(16)の少なくとも一部分が、前記飼育動物の前記足へのグリップ、および追加衝撃吸収保護を提供するためのグリップ層(22)を備える、請求項1に記載のブーツ。
【請求項7】
前記グリップ層(22)は、前記シリコーンゲル材料(20)よりも硬いシリコーン材料で作られている、請求項6に記載のブーツ。
【請求項8】
前記グリップ層(22)は、前記ブーツ(10)のグリップを改善するための複数の突起(24)を備える、請求項6に記載のブーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヌなどの家庭用飼育動物の足のためのスリーブ状の覆いに関する。本発明はまた、イヌなどの家庭用飼育動物の体を覆うためのコートに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、イヌ用ブーツ市場は、消費者の評価が低いイヌ用ブーツからなる。
【0003】
例えば、Friedlandによる米国特許第8,360,012号および同第8,794,19号は、本質的に、ラテックスまたはポリマー材料で作られた典型的なパーティーバルーンである使い捨てイヌ用ブーツを開示している。使用時には、より幅が狭い上端を広げ、イヌの足を、狭い開口部に、より幅が広い球状域に向けて挿入する。底端は、足の形状に適合するが、緩みは残る。しかしながら、Pawz(商標)の名前で商品化されているこのイヌ用ブーツは、着用させるのがとても難しいので、消費者が風船様のブーツを着用させるのがより容易になるために、発明者は、先端を開くための、熊手のように見える別の製品に着手せねばならなかった。また、このブーツは、環境にやさしくなく、極端に薄いゴム層の故に、剛性でない。これは、風船様のブーツは容易に裂けたり破れたりするので、絶えず交換する必要があるため、消費者に不満を引き起こす。また、これらのブーツは、足をそれほど暖かく保つことも、保護することもない。そのようなブーツは長さも短く、したがって、イヌの下腿の広範な部分を覆わないので、寒さおよび濡れに対する保護が制限される。最後に、そのようなブーツは、かなりのスペースがイヌの足の周りに漂うことを許し、したがって、イヌは、風船様のブーツを噛んで遊ぼうとすることができる。
【0004】
また、ゴムコーティングに浸漬されたポリエステル混紡ソックスである、Pawks(商標)という名前で商品化されているイヌ用ブーツも知られている。このブーツのさまざまな変形態様が作られ、Velcro(商標)で閉じるものもある。しかしながら、ゴムは伸縮性がないので、これらのブーツは着用させるのが難しい。このブーツの最大の苦情は、適切に着用位置に留まらないことであり、そのため、他社がPawks(商標)を品質改善して、この問題を解決する助けとなったVelcro(商標)を追加したが、着用させるのがより難しくなるので、別の問題を生み出した。ゴムは、それを行うのに十分な伸縮性がないので、このブーツは、適切に足を抱き込むことがない。ゴムは凍り付いて硬くなり、それによって、ブーツの潜在的なひび割れおよび、イヌが歩いたり走ったりしているときの不安を引き起こす可能性がある。また、足だけを覆うゴム部分以外では、水が、ポリエステル混紡布地を通過し、下腿を濡らして、足まで滴り落ちる。
【0005】
したがって、容易に着用させられ、着用位置に留まり、イヌが歩くまたは走るのに快適で、取り外しが容易なイヌ用ブーツを有したいという消費者の要望がある。すべては、イヌの足と下腿の一部分とを、暖かく、より重要には乾いたままに保つことである。
【0006】
現在のイヌ用ブーツの提供品は、「着用させ易い」および「着用位置に留まる」という領域において欠けている。ペット業界では、これらの上述の問題に応えた製品について、イヌ用ブーツ市場に欠落部があることが共通の認識である。
【0007】
さらに、現在、イヌ用コート市場は、平均的な消費者評価を提供するイヌ用コートからなり、容易に着用させられ、暖かさと防水保護とを提供し、イヌが歩くおよび/または走るのに快適であるイヌ用コートを有したいという消費者の要望がある。
【0008】
現在のイヌ用コートの提供品は、「着用させ易いこと」および完全防水性および暖かさのカバー範囲の領域において欠けている。ペット業界では、これらの上述の問題に応えた製品について、イヌ用コート市場に欠落部があることが共通の認識である。
【0009】
既知の既存の製品は、Wrap Jackets&Elastofit(商標)という名前で商品化されており、これらは、本質的に、簡単なVelcro(商標)を使用してコートを腹部の下側に取り付けるジャケットであり、弾力性を使用して下側で伸張し得るが、但し、腹部の下側にVelcro(商標)を使用しており、Velcro(商標)は、ホコリおよび毛髪がそれを取り乱して、時間が経つと固定性が低下するので、いくつかの欠点を有する。また、Velcro(商標)はイヌにとってはあまり快適ではない。さらに、既知のVelcro(商標)システムまたはElastofit(商標)設計は、地面に最も近いために風、雨、雪、ぬかるみ、寒さが最も存在するイヌの体の下側部分を覆わないので、カバー範囲という大きな欠陥がある。これにより、イヌの下腹部および胸部が寒さと濡れにさらされる。
【0010】
やはり既知の既存の製品は、下側に布地を使用した、Canada Pooch Stretch Coat(商標)で製品化されている。しかしながら、防水性はなく、風、濡れ、および寒冷気候に対する防御となる遮断または暖かさを提供しない。
【発明の概要】
【0011】
上記および他の欠点に対処するために、飼育動物用のブーツであって、管状本体、底部閉鎖端および上部開放端を有する布地材料であって、外側表面および内側表面を画定する布地材料と、布地材料の内側表面を覆うためのシリコーンゲル材料であって、布地材料に結合されているシリコーンゲル材料と、を備え、ブーツは、ブーツが着用されている間、シリコーンゲル材料と接触する飼育動物の足および下腿を覆い、かつそれに適合するように構成され、シリコーン材料および布地材料は、布地およびシリコーン材料の柔軟性によって、ブーツを飼育動物の足および下腿に柔軟にかつ取り外し可能に固定するように構成され、シリコーンゲル材料は、足に衝撃吸収保護を提供する、ブーツが提供される。
【0012】
また、飼育動物の足を保護する方法であって、管状本体、底部閉鎖端および上部開放端を有する布地材料であって、外側表面および内側表面を画定する布地材料と、布地材料の内側表面を覆うためのシリコーンゲル材料であって、布地材料に結合されているシリコーンゲル材料と、を備えるブーツを製造または取得することと、シリコーンゲル材料を外側に露出させるように、ブーツを裏返すかまたは折り畳むことと、ブーツが着用されている間、シリコーンゲル材料と接触する飼育動物の足および下腿を覆い、かつそれに適合するように、裏返されたまたは折り畳まれたブーツに足を滑り込ませ、それによって、シリコーン材料および布地材料は、布地およびシリコーン材料の柔軟性によって、ブーツを飼育動物の足および下腿に柔軟にかつ取り外し可能に固定し、シリコーンゲル材料は、足に衝撃吸収保護を提供することと、を含む方法も提供される。
【0013】
また、飼育動物用のコートであって、コートの少なくとも一部分上に、第1の布地材料と、シリコーンゲル材料を含む中間層と、第2の布地材料を含む内側層とを備える外側層を備え、中間層は、外側層と内側層との間に挟まれている、コートも提供される。
【0014】
本発明の他の目的、利点および特徴は、添付の図面を参照してのみ例として与えられる、以下の特定の実施形態の非限定的な説明を読むとより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の例示的な実施形態によるイヌ用ブーツの正面図である。
【0016】
図2図1に示されたイヌ用ブーツの背面図である。
【0017】
図3図1に示されたイヌ用ブーツの側面図である。
【0018】
図4】本発明の例示的な実施形態による、折り畳まれた位置にあるイヌ用ブーツの正面図である。
【0019】
図5図1に示されたイヌ用ブーツの上面図である。
【0020】
図6】本発明の例示的な実施形態による、イヌの足および下腿に配置された4つのイヌ用ブーツの側面図である。
【0021】
図7】本発明の別の例示的な実施形態によるイヌ用ブーツの正面図である。
【0022】
図8図7に示されたイヌ用ブーツの背面図である。
【0023】
図9】内側シリコーンライニングを示す裏返されたブーツの正面図である。
【0024】
図10図7に示されたブーツの断面上面図である。
【0025】
図11】本発明の例示的な実施形態によるイヌ用コートの底面図である。
【0026】
図12図11に示されたイヌ用コートの上面図である。
【0027】
図13】イヌ用コートの一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに詳細に示す。
【0029】
ここで図1図10を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるイヌ用ブーツ10が示されている。ブーツ10はまた、異なる種類の家庭用飼育動物に使用されるように構成され得、好ましくは、複数回再使用され得るので、使い捨てではない。
【0030】
ブーツ10は、管状本体14、底部閉鎖端16、および上部開放端18を有する布地材料12で作られている。布地材料12は、外側表面12’および内側表面12”を画定する。ブーツは、布地材料12の内側表面12”を覆うシリコーンゲル材料20を含む。シリコーンゲル材料20は、融着または接着によってなど、布地材料12の内側表面12”に結合されている。
【0031】
布地材料12は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせなどの別の柔軟性材料と混合または混紡されたポリエステルで作られ得る。布地材料は、飼育動物の足および下腿に適合するように十分に伸縮性である。好ましくは、布地材料12は、リブ布地材料である。布地材料のリブは、布地の伸縮性を高める助けとなる。当業者は、同じ結果を達成するために他の布地材料が使用され得ることを理解するであろう。
【0032】
有利には、飼育動物の足および下腿により良い暖かさを提供するように、布地材料12および/またはシリコーンゲル材料20の厚さを構成し得る。布地材料12の厚さは、約0.5mm~1.5mm、または好ましくは約1mmであり得る。布地材料12は、100~300グラム/m、好ましくは120~140グラム/mの重さであり得る。シリコーンゲル材料20の厚さは、約1mm~6mm、好ましくは約2mm~3mmであり得る。
【0033】
シリコーンゲル材料20は、防水性および耐裂性であるのに十分な厚さに作られ得る。シリコーンゲルは布地材料12によって覆われているので、イヌがブーツ10を噛む可能性は低い。シリコーンゲル材料20は、好ましくは、飼育動物の足および下腿に適切に付着して覆うのに、十分に柔らかく、かつ十分な粘着性または他着性を有する。
【0034】
実施形態では、シリコーンゲル材料20は、約60ショアA以下の硬度を有する。シリコーンゲル材料20は、約55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5ショアAまたはそれ以下の硬度を有し得る。
【0035】
実施形態では、シリコーンゲル材料20は、約90ショアOO以下の硬度を有する。材料は、約85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5ショアOOまたはそれ以下の硬度を有し得る。
【0036】
好ましくは、底部閉鎖端16の少なくとも一部分は、足が挿入されるブーツ10に改善されたグリップを提供するためのグリップ層22を含む。ブーツ10のグリップを改善するために、複数の突起24が設けられ得る。グリップ層22および突起24は、ブーツ10の内側に使用されているシリコーンゲル材料20よりも硬いシリコーン材料で作られ得る。ブーツ10は、グリップ層22がその上に設けられている場合、より薄い層のシリコーンゲル材料20を有し得る。グリップ層22が設けられていない場合、動物が立っている、歩いている、または走っているときの衝撃吸収を改善するために、より厚い層のシリコーンゲル材料20をブーツ10の内側に有することが好ましい。突起24を有するグリップ層22の代わりに、ブーツ10には、閉じた底端16の同じ部分に、ゴムのパフプリント(図示せず)を設けてもよい。これらのゴムのパフプリントは、布地材料12の外側表面12’上に直接印刷される。
【0037】
使用時には、ブーツ10は、ブーツ10が着用されている間、シリコーンゲル材料20と接触する飼育動物の足および下腿を覆い、かつそれに適合するように、裏返し可能に構成されている。それで、シリコーン材料20および布地材料12は、布地およびシリコーン材料の柔軟性によって、ブーツ10を飼育動物の足および下腿に柔軟にかつ取り外し可能に固定するように構成されている。
【0038】
本発明者らの知る限りでは、本イヌ用ブーツは、ポリエステル混紡布地をシリコーンゲルと融着させた最初のイヌ用ブーツである。ブーツを着用させるときには裏返してシリコーンゲルが外側になるので、着用させ易く、足および下腿の上のほうに滑らせると、ブーツがイヌに着用されているときにはポリエステル混紡が外側に向く。
【0039】
ブーツ10は、管状本体14の長さを変化させることによって、イヌの下腿により多くのカバー範囲を提供するために、異なる長さサイズを有し得る。
【0040】
ブーツ10は、なぜそれがイヌの足に着用させるのに最も容易なブーツであることを可能にするのかの大きな部分である、任意のイヌ用ブーツの最もアクセスし易くて伸縮性のある開口部の1つを提供する。両手で取り付ける必要がある他のイヌ用ブーツに対して大きな利点である、片手だけで着用させ得る。ブーツ10は、以下のように片手のみで着用させ得る。ヒトの親指と人差し指または中指とを、シリコーンゲル材料20を外側に向けたブーツ10のベースに挿入し、指を広げ、足を挿入し、上に延ばすかまたは滑らせて、イヌの足および下腿上へのブーツ10の挿入を完了する。ブーツ10を取り外すには、単に片手で下に丸めて取り外し、そうすると、シリコーンゲル材料20が露出した状態でブーツ10が取り外され、シリコーンゲル材料20が外側を向いた状態で、再び挿入される準備ができている。
【0041】
有利には、ブーツは、イヌの足(または下腿)とブーツとの間にいかなるスペースも許容しない。これは、4つの主な利点:1)ブーツをしっかりとつけて、外れないようにする助けとなる。ブーツをしっかりと着用させるためにVelcro(商標)またはスナップを必要としない。2)イヌがブーツを噛んだり齧ろうとするのを許容しない。3)寒さおよび濡れを防ぐ。4)ブーツはイヌの下腿および足からのすべての動きの正確な形状を取るので、イヌが容易にかつ快適に歩くことを可能にする、を提供し、また、シリコーンゲル素材20は、イヌまたは動物のより快適感のための衝撃吸収保護を提供する。
【0042】
有利には、ブーツは、ブーツが下腿および足から容易に滑って/丸まって落ちるので、容易な取り外しを可能にする。
【0043】
有利には、シリコーンゲルの優れた熱特性により、極端な低温または高温(摂氏-60~+200度または華氏-76~392度)で製品の性能が変わることがない。
【0044】
有利には、布地材料12のポリエステル混紡は、まったく異なるパターンおよび色を消費者に提供することができる設計態様を可能にする。
【0045】
有利には、ブーツの下側にある、突起24を有するグリップ層22によって提供される追加グリップ(グリップ層22は、スタッド付きかまたは小さな「歯」付きで作られる)は、複数の表面上でのより良いグリップと、追加保護、基本的に足底と床表面との間の第3の保護層とを可能にするための選択肢である。
【0046】
実施形態では、シリコーンゲルは、イヌの足のひび割れを防止する助けとなるように、アロエベラもしくは同様の製品もしくは保湿剤、またはこれらの組み合わせが注入され得る。実際、イヌの足の肉球は硬いものの、ひび割れたり、出血したりする可能性がある。これは、ほとんどの場合、イヌを連れていつもと違う場所をハイキングしたとき、特に地面が岩だらけで角々しい場合に起こるが、雪、暑さ、寒さ、氷などの厳しい天候条件のために起こることもある。アロエベラは、火傷および皮膚疾患に対する最良の自然治療薬の1つであるが、イヌの皮膚炎の治療にも使用され得、イヌの足の肉球に影響を及ぼす疾患の治療にも非常に有用である。
【0047】
有利には、アロエベラが注入されたシリコーンゲルを有するイヌ用ブーツは、以下の健康上の利点を提供し得る:皮膚細胞を再生し、患部の足肉球領域の回復を促進する;鎮痛効果および抗炎症作用を有し、したがって、イヌが歩くときに感じ得る不快感を和らげる;イヌの足肉球の創傷が感染するのを防ぎ得るので、消毒作用を提供する。
【0048】
ここで図11図13を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるコート30が示されている。コートの断面の一部分は、第1の布地材料で作られた外側層32と、シリコーンゲル材料で作られた中間層34と、第1の布地材料と同じであり得る第2の布地材料で作られた内側層36とから作られている。中間層34は、外側層32と内側層36との間に挟まれている。
【0049】
好ましくは、イヌ用コートの下側には、イヌの足の通過を可能にするための1対のスリットが設けられている。スリット38は、好ましくはU字形であるが、同じ機能を達成するために異なる形状を取ることができる。
【0050】
好ましくは、コート30は、ポリエステル混紡布地とシリコーンゲルとの融着を使用する。シリコーンゲルは、2つのポリエステル/スパンデックス布地層の間に挟まれている。シリコーン/ポリ布地パネルは、イヌの腹部および胸部の下側に配置され、水平パネルも上部に配置される。
【0051】
有利には、コート30は、そのサイズの約3倍に伸張することができるので、セーターのように着用させることができる。他の既知のイヌ用コートで、この種類の伸張性および快適性をイヌに提供するものはない。
【0052】
有利には、コート30は、その伸縮性の故に、両方のパネル(上部および下部)から、4方向の伸張を提供する。コート30は、腹部および胸部の下側にVelcro(商標)が存在しないので、イヌが究極の容易さで歩くまたは走ることを可能にし、シリコーンゲルの超快適感で自由な動きの快適性を可能にする。特に、(前足にスラッシュガードを提供する「U」字形デザインを使用して)イヌの腋窩の下側では、シリコーンゲルによる非常に柔らかい感触/感覚を体感する。同様に、コートの上部部分では、水平パネルが、コート30が上下に延伸することを可能にし、特により長いイヌに対してさらなる可動性およびカバー範囲を提供する。発明者らの知る限りでは、世界のイヌ用コートで、上側と下側との両方でこの伸縮性を提供するものはない。
【0053】
有利には、シリコーンゲルの優れた熱特性により、極端な低温または高温(-60~+200度または華氏-76~392度)、イヌは、体の最も露出されていて脆弱な部分である胸部および下腹部に最大限の保護を有する。したがって、防水性、防風性、最大保温性。
【0054】
有利には、ポリエステル混紡は、まったく異なるパターンおよび色を消費者に提供することができる設計態様を可能にする。
【0055】
特許請求の範囲は、実施例に記載された好ましい実施形態によって限定されるべきではなく、全体として説明と一致する最も広い解釈が与えられるべきである。
(発明の開示)
(項目1)
飼育動物用のブーツ(10)であって、
管状本体(14)、底部閉鎖端(16)、および上部開放端(18)を有する布地材料(12)であって、外側表面(12’)および内側表面(12”)を画定する布地材料(12)と、
前記布地材料(12)の前記内側表面(12”)を覆うためのシリコーンゲル材料(20)であって、前記布地材料(12)に結合されている、シリコーンゲル材料(20)と、を備え、
前記ブーツは、前記ブーツが着用されている間、前記シリコーンゲル材料(20)と接触する前記飼育動物の足および下腿を覆い、かつそれに適合するように構成され、前記シリコーン材料(20)および布地材料(12)は、前記布地およびシリコーン材料の柔軟性によって、前記ブーツ(10)を前記飼育動物の前記足および下腿に柔軟にかつ取り外し可能に固定するように構成され、前記シリコーンゲル材料(20)は、前記足に衝撃吸収保護を提供する、ブーツ(10)。
(項目2)
前記布地材料(12)は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせを含む柔軟性材料と混合されたポリエステルを含む、項目1に記載のブーツ。
(項目3)
前記布地材料(12)は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせを含む、項目2に記載のブーツ。
(項目4)
前記布地材料(12)は、ポリエステルおよびスパンデックスの混紡を含む、項目1に記載のブーツ。
(項目5)
前記布地材料(12)および/またはシリコーンゲル材料(20)の厚さが、前記飼育動物の前記足および下腿への暖かさを改善するように構成されている、項目1に記載のブーツ。
(項目6)
前記布地材料(12)は、前記シリコーンゲル材料(22)に融着または接着されている、項目1に記載のブーツ。
(項目7)
前記シリコーンゲル材料(20)は、防水性であり、および/または、アロエベラ製品もしくは保湿製品またはこれらの任意の組み合わせが注入されている、項目1に記載のブーツ。
(項目8)
前記底部閉鎖端(16)の少なくとも一部分が、前記飼育動物の前記足へのグリップ、および追加衝撃吸収保護を提供するためのグリップ層(22)を備える、項目1に記載のブーツ。
(項目9)
前記グリップ層(22)は、前記シリコーンゲル材料(20)よりも硬いシリコーン材料で作られている、項目1に記載のブーツ。
(項目10)
前記グリップ層(22)は、前記ブーツ(10)のグリップを改善するための複数の突起(24)を備える、項目6に記載のブーツ。
(項目11)
飼育動物の足を保護する方法であって、
管状本体(14)、底部閉鎖端(16)、および上部開放端(18)を有する布地材料(12)であって、外側表面(12’)および内側表面(12”)を画定する布地材料(12)と、
前記布地材料(12)の前記内側表面(12”)を覆うためのシリコーンゲル材料(20)であって、前記布地材料(12)に結合されているシリコーンゲル材料(20)と、を備えるブーツ(10)を製造または取得することと、
前記シリコーンゲル材料(20)を外側に露出させるように、前記ブーツを裏返すかまたは折り畳むことと、
前記ブーツが着用されている間、前記シリコーンゲル材料(20)と接触する前記飼育動物の前記足および下腿を覆い、かつそれに適合するように、前記裏返されたまたは折り畳まれたブーツに前記足を滑り込ませ、それによって、前記シリコーン材料(20)および布地材料(12)は、前記布地およびシリコーン材料の柔軟性によって、前記ブーツ(10)を前記飼育動物の前記足および下腿に柔軟にかつ取り外し可能に固定し、前記シリコーンゲル材料(20)は、前記足に衝撃吸収保護を提供することと、を含む方法。
(項目12)
前記布地材料(12)は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせを含む柔軟性材料と混合されたポリエステルを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記ブーツ(10)を製造する前記ステップは、前記底部閉鎖端(16)の少なくとも一部分上にグリップ層(22)を結合させるか、または前記底部閉鎖端(16)の少なくとも一部分上にゴムのパフプリントを印刷するステップを含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記グリップ層(22)は、前記シリコーンゲル材料(20)よりも硬いシリコーン材料で作られている、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記グリップ層(22)は、前記ブーツ(10)のグリップを改善するための複数の突起(24)を備える、項目13に記載の方法。
(項目16)
飼育動物用のコート(30)であって、
前記コートの少なくとも一部分上に、
第1の布地材料を含む外側層(32)と、
シリコーンゲル材料を含む中間層(34)と、
第2の布地材料を含む内側層(36)と、を備え、
前記中間層(34)は、前記外側層と内側層(34、36)との間に挟まれている、コート(30)。
(項目17)
前記第1および/または第2の布地材料は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせを含む柔軟性材料と混合されたポリエステルを含む、項目16に記載のコート。
(項目18)
前記第1および/または第2の布地材料は、スパンデックス、ナイロン綿、竹、麻、またはこれらの任意の組み合わせを含む、項目17に記載のコート。
(項目19)
前記第1および/または第2の布地材料は、ポリエステルおよびスパンデックスの混紡を含む、項目16に記載のコート。
(項目20)
前記コートの下側には、前記飼育動物の足を滑り込ませるための1対のスリット(38)が設けられている、項目16に記載のコート(30)。
(項目21)
前記コートの上側には、長手方向に延伸する前記外側層(32)の帯が設けられている、項目16に記載のコート(30)。
(項目22)
少なくとも前記一部分は、前記コートの下側に配置された第1のパネルと、前記コートの上側にある第2のパネル位置とを備える、項目16に記載のコート(30)。
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